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特許7196181アルミニウム含有合金の付加製造における使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】アルミニウム含有合金の付加製造における使用
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/06 20060101AFI20221219BHJP
   C22C 1/02 20060101ALI20221219BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20221219BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20221219BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20221219BHJP
   C22C 1/04 20060101ALI20221219BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221219BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20221219BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20221219BHJP
   B22F 9/08 20060101ALN20221219BHJP
   B22F 9/10 20060101ALN20221219BHJP
【FI】
C22C21/06
C22C1/02 503J
B22F3/16
B22F3/105
B22F1/00 N
C22C1/04 C
B33Y10/00
B33Y70/00
B33Y80/00
B22F9/08 A
B22F9/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020536760
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2018086647
(87)【国際公開番号】W WO2019129723
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-08-24
(31)【優先権主張番号】17210900.1
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520231382
【氏名又は名称】フェールマン アロイズ ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェールマン ヘニング
【審査官】河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-508783(JP,A)
【文献】特開平09-087771(JP,A)
【文献】特開2013-129909(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190277(WO,A1)
【文献】特開平07-018389(JP,A)
【文献】特開平06-136496(JP,A)
【文献】特開平06-116674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 21/00-21/18
C22C 1/02-1/05
C22F 1/047
B22D 1/00
B22F 3/16
B22F 3/105
B22F 10/00-10/85
B22F 1/00
B33Y 10/00
B33Y 70/00
B33Y 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金を製造する方法であって、
a.原料アルミニウムを準備する工程と、
b.前記原料アルミニウムを、650℃~800℃の範囲の温度で加熱する工程と、
c.Mg及びBeを添加して、原料合金を得る工程と、
d.前記原料合金を、任意で脱ガスする工程と、
e.任意で脱ガスした原料合金にTi及びBを添加して、アルミニウム合金を製造する工程と、
を含み、
前記アルミニウム合金が、前記アルミニウム合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のマグネシウム(Mg)と、
b.0.011質量%~1質量%のチタン(Ti)と、
c.0質量%~0.1質量%のマンガン(Mn)と、
d.0質量%~0.1質量%の鉄(Fe)と、
e.0.001質量%~0.1質量%のベリリウム(Be)と、
f.0.0009質量%~0.2質量%のホウ素(B)と、
g.0質量%~0.3質量%のケイ素(Si)と、
を含み、残部がアルミニウム(Al)である、方法。
【請求項2】
0質量%~0.01質量%の銅(Cu)及び0質量%~0.01質量%の亜鉛(Zn)を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不可避不純物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
Mgが、9.1質量%~13.9質量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
Tiが、0.011質量%~0.9質量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
Mnが、0.0001質量%~0.09質量%以下の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
Feが、0.01質量%~0.09質量%以下の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
Beが、0.002質量%~0.09質量%の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ホウ素(B)が、0.001質量%~0.15質量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ケイ素(Si)が、0.01質量%~0.質量%以下の量で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ワークピースの付加製造を更に含み、前記ワークピースの付加製造が、
f.前記アルミニウム合金を含むアルミニウム粉末の層を配置する工程と、
g.少なくとも1つのレーザービームを用いて、前記粉末を選択的に溶融する工程と、
h.ワークピースが完成するまで、工程f.及び工程g.を繰り返す工程と、
i.ブラスト処理、機械加工処理、熱処理、及び/又は、他の処理によって、前記ワークピースを任意で処理する工程と、
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
工程i.において、前記ワークピースを、少なくとも380℃、又は少なくとも400℃、又は少なくとも430℃、又は少なくとも450℃の温度で、1時間未満、若しくは3時間未満、若しくは5時間未満、若しくは8時間未満、若しくは12時間未満、若しくは18時間未満、若しくは24時間未満の期間、又は少なくとも10分、若しくは少なくとも1時間、若しくは少なくとも3時間、若しくは少なくとも8時間、若しくは少なくとも12時間、若しくは少なくとも24時間の期間加熱することにより熱処理し、次いで、空気中、周辺温度で冷却する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
付加製造プロセスにおける、アルミニウム合金の使用であって、
前記アルミニウム合金が、前記アルミニウム合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のマグネシウム(Mg)と、
b.0.011質量%~1質量%のチタン(Ti)と、
c.0質量%~0.1質量%のマンガン(Mn)と、
d.0質量%~0.1質量%の鉄(Fe)と、
e.0.001質量%~0.1質量%のベリリウム(Be)と、
f.0.0009質量%~0.2質量%のホウ素(B)と、
g.0質量%~0.3質量%のケイ素(Si)と、
を含み、残部がアルミニウム(Al)である、使用。
【請求項14】
前記付加製造プロセスが、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、直接金属レーザー焼結、及びレーザー金属蒸着(LMD)からなる群より選択される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記付加製造プロセスが、選択的レーザー焼結又は選択的レーザー溶融である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルミニウム及びマグネシウムを含有する合金、該合金を製造する方法、該合金を含む製品を製造する方法、並びに該合金を含む製品に関し、特に、付加製造プロセスにおける該合金の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
3D印刷とも言われる付加製造は、金属構造体の製造のための大きく成長しつつある技術である。しかしながら、そのようなプロセスに使用することができる材料の種類が比較的少ないため、その成長は鈍化している。よって、付加製造のための新しい材料を開発することは、この分野の拡大にとって不可欠な基盤である。
【0003】
アルミニウム合金は、車両建造、船舶建造、建築産業、並びに、エンジン及びプラント建造等の巨大産業において広く使用されている。付加製造は、ワークピースのトポロジー最適化において高い自由度を可能とするものであり、アルミニウムは、重量最適化成分において、理想的な軽量化材料であるように思われる。密度に対して高い安定率を有するアルミニウム合金は、付加製造におけるアルミニウム合金の使用を更に増加し得る有望材料である。壁をより薄くすることによって、又はより高い比重を有する材料を置き換えることによっても、材料の使用量が低下し、これにより、ワークピース自体の重量が減少するだけではなく、車両、エンジン、又はプラントの全体重量も、様々な形で減少する。その一方、重量の減少は、我々の車において、燃料消費の低下又は走行距離の増加等の資源及びエネルギーの削減につながることが多い。
【発明の概要】
【0004】
付加製造において使用することができ、良好な機械的性質、特に、良好な引張強度、良好な降伏強度、及び良好な伸びを有するアルミニウム製品の製造を可能とするアルミニウム合金が、依然として必要とされている。
【0005】
ここで、本開示のアルミニウム合金は、付加製造における該合金の使用を可能としつつ、良好な機械的性質、特に、高い引張強度、高い降伏強度、及び大きな伸びを有することが分かった。
【0006】
第1の態様では、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のマグネシウム(Mg)と、
b.0.011質量%~1質量%のチタン(Ti)と、
c.0.1質量%以下のマンガン(Mn)と、
d.0.1質量%以下の鉄(Fe)と、
e.0.001質量%~0.1質量%のベリリウム(Be)と、
f.0.0009質量%~0.2質量%のホウ素(B)と、
g.1質量%以下のケイ素(Si)と、
を含み、残部がアルミニウム(Al)である、アルミニウム合金に関する。
【0007】
本開示の第2の態様は、上記で開示した第1の態様によるアルミニウム合金を製造する方法であって、
a.原料アルミニウムを準備する工程と、
b.前記原料アルミニウムを、650℃~800℃、好ましくは700℃~770℃の範囲の温度で加熱する工程と、
c.Mg及びBeを添加して、原料合金を得る工程と、
d.前記原料合金を、任意で脱ガスする工程と、
e.任意で脱ガスした原料合金にTi及びBを添加して、アルミニウム合金を製造する工程と、
を含む、方法に関する。
【0008】
第3の態様では、本開示は、ワークピースの付加製造(AM)の方法であって、
f.第1の態様によるアルミニウム合金を含むアルミニウム粉末の層を、好ましくは真空中又は不活性ガス雰囲気中に配置する工程と、
g.少なくとも1つのレーザービームを用いて、前記粉末を選択的に溶融する工程と、
h.ワークピースが完成するまで、工程f.及び工程g.を繰り返す工程と、
i.ブラスト処理、機械加工処理、熱処理、又は、他の処理によって、前記ワークピースを任意で処理する工程と、
を含む、方法に関する。
【0009】
本開示の第4の態様は、付加製造プロセスにおける、第1の態様のアルミニウム合金の使用に関する。
【0010】
本開示の第5の態様は、第1の態様によるアルミニウム合金を含むか、又は第1の態様によるアルミニウム合金のみからなるアルミニウム合金製品、及び/又は、第3の態様による方法によって製造されたアルミニウム合金製品であって、
i)上記製品の少なくとも一部が、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mm、又は1mm~10mm、又は3mm~10mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも290MPa、又は少なくとも320MPa、又は少なくとも360MPa、又は少なくとも370MPa、又は少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも170MPa、又は少なくとも180MPa、又は少なくとも200MPa、又は少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムが、少なくとも5%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも34%の伸びを有する、
アルミニウム合金製品に関する。
【0011】
本開示の第6の態様は、第3の態様による方法によって、製造されるか、得られるか、又は得られ得るアルミニウム合金製品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】均質化後の実施例2のサンプルの断面の電子顕微鏡写真である。
図2図1に示す直線に沿って、a)アルミニウム、b)マグネシウム、c)鉄、及びd)銅の分布を示すEDX分析図である。
図3】実施例3によるサンプルの熱流量を示すDSC分析図である。
図4】ラバールノズルを用いて金属粉末を製造する例示的な方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の態様では、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のマグネシウム(Mg)と、
b.0.011質量%~1質量%のチタン(Ti)と、
c.0.1質量%以下のマンガン(Mn)と、
d.0.1質量%以下の鉄(Fe)と、
e.0.001質量%~0.1質量%のベリリウム(Be)と、
f.0.0009質量%~0.2質量%のホウ素(B)と、
g.1質量%以下のケイ素(Si)と、
を含み、残部がアルミニウム(Al)である、アルミニウム合金に関する。
【0014】
第1の態様のアルミニウム合金は、高い引張強度(R)、高い降伏強度(Rp0.2)、及び良好な伸び(A)を有することが分かった。特に、本開示の合金から形成された成形体が、1mm~23mm、又は1mm~10mmの範囲の厚さを有する場合、その材料は、高い引張強度、高い降伏強度、及び良好な伸びを有する。
【0015】
第1の態様の好ましい実施形態においては、上記アルミニウム合金は不可避不純物を含む。当該技術分野においては、アルミニウムの製造プロセスにて、他の金属等の不純物の存在がほぼ避けられないことが知られている。不純物のレベルは非常に低いか、又は更には存在しないことが好ましいが、不純物の存在が避けられない場合もあり得る。
【0016】
更に好ましい実施形態においては、上記不可避不純物が、0.15質量%未満の量、又は0.1質量%未満の量、又は0.05質量%未満の量で存在する。これは、合金中に存在する不純物の全量に関する。
【0017】
他の好ましい実施形態においては、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、又は0.01質量%未満の量、又は0.001質量%未満の量、又は0.0001質量%未満の量で存在する。2種類以上の不純物が存在する場合、各々の不純物を「個々の不純物」と称する。各々個々の不純物の量は、それぞれ所定量未満であることが好ましく、各々個々の不純物の量の合計は、不純物の全量になる。
【0018】
これらの個々の不純物の1つは、スカンジウム(Sc)とすることができ、Scの量は、0.05質量%未満の量、又は0.01質量%未満の量、又は0.001質量%未満の量、又は0.0001質量%未満の量となる。
【0019】
もう1つのこれらの個々の不純物は、カルシウム(Ca)とすることができ、Caの量は、0.05質量%未満の量、又は0.01質量%未満の量、又は0.001質量%未満の量、又は0.0001質量%未満の量となる。
【0020】
更にもう1つのこれらの個々の不純物は、クロム(Cr)とすることができ、Crの量は、0.05質量%未満の量、又は0.01質量%未満の量、又は0.001質量%未満の量、又は0.0001質量%未満の量となる。
【0021】
個々の不純物の他の例としては、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、又はリン(P)が挙げられる。
【0022】
本開示のアルミニウム合金は、必須元素の1つとして、マグネシウム(Mg)を9質量%~14質量%の量で主成分として含む。第1の態様の好ましい実施形態においては、Mgは、9.1質量%~13.9質量%の量、又は9.2質量%~13質量%の量、又は9.5質量%~12質量%の量、又は9.8質量%~11質量%の量、又は10.2質量%~11.8質量%の量、又は10.2質量%~13質量%の量、又は9.2質量%~10.2質量%の量、又は9.6質量%~10.2質量%の量で存在する。
【0023】
本開示のアルミニウム合金の組成における他の必須元素は、チタン(Ti)であり、0.011質量%~1質量%の量で存在する。好ましい実施形態においては、Tiは、0.011質量%~0.9質量%の量、好ましくは0.012質量%~0.8質量%の量、好ましくは0.013質量%~0.5質量%の量、又は0.011質量%以上の量で存在する。他の好ましい実施形態においては、Tiは、0.015質量%以上の量、又は0.15質量%以上の量、又は0.2質量%以上の量、又は0.3質量%以上の量で存在する。更に他の好ましい実施形態においては、Tiは、0.9質量%以下の量、又は0.8質量%以下の量、又は0.7質量%以下の量、又は0.6質量%以下の量、又は0.4質量%以下の量で存在する。
【0024】
本開示のアルミニウム合金は、マンガン(Mn)を0.1質量%以下の量で含む。好ましい実施形態においては、Mnは、0.09質量%以下の量、又は0.08質量%以下の量、又は0.04質量%以下の量、又は0.005質量%以下の量で存在する。更に他の実施形態においては、少量のMnが存在することが有利であり、Mnが、0.0001質量%以上の量、又は0.0005質量%以上の量で存在することが好ましい場合がある。
【0025】
また、鉄(Fe)は、本開示のアルミニウム合金において、0.1質量%以下の少量で存在する。好ましい実施形態においては、Feは、0.09質量%以下の量、又は0.08質量%以下の量、又は0.05質量%以下の量、又は0.03質量%以下の量で存在する。更に他の実施形態においては、少量のFeが存在することが有利であり、Feが、0.01質量%以上の量、好ましくは0.05質量%以上の量で存在することが好ましい場合がある。
【0026】
本開示のアルミニウム合金における他のアルミニウム以外の元素は、ベリリウム(Be)であり、0.001質量%~0.1質量%の量で存在する。好ましい実施形態においては、Beは、0.002質量%~0.09質量%の量、又は0.003質量%~0.08質量%の量、又は0.007質量%~0.06質量%の量で存在する。他の好ましい実施形態においては、Beは、0.002質量%以上の量、又は0.003質量%以上の量、又は0.004質量%以上の量、又は0.005質量%以上の量、又は0.015質量%以上の量で存在する。更に他の好ましい実施形態においては、Beは、0.09質量%以下の量、又は0.08質量%以下の量、又は0.07質量%以下の量、又は0.06質量%以下の量、又は0.04質量%以下の量で存在する。
【0027】
本開示の好ましい実施形態においては、Ti及びBを、アルミニウム合金溶融物に共に、更に好ましくは5:1のTi:B比でTi及びBを含有するバーにて添加する。しかしながら、最終合金におけるTiとBとの比は、溶融物に添加した際のTiとBとの比とは異なり得る。この理論に縛られることはないが、溶融物から泡を除去する際に、Bの一部が除去されると推測される。この泡は、最終合金において望ましくない不純物の凝集物を含んでいることから、除去される。さらに、Bは、特にTiに比して比重が小さいため、泡はBが豊富になると推測される。そのため、最終合金におけるTi:B比は、5:1~10:1の範囲であることが好ましく、この比が5:1又は10:1、好ましくは10:1であることが更に好ましい。
【0028】
本開示のアルミニウム合金の好ましい実施形態においては、ボロン(B)が、0.0009質量%~0.2質量%の量、又は0.001質量%~0.15質量%の量、又は0.006質量%~0.1質量%の量、又は0.01質量%~0.1質量%の量、又は0.015質量%~0.05質量%の量で存在する。他の好ましい実施形態においては、Bは、0.0009質量%以上の量、又は0.001質量%以上の量、又は0.006質量%以上の量、又は0.03質量%以上の量で存在する。更に他の好ましい実施形態においては、Bは、0.1質量%以下の量、又は0.08質量%以下の量、又は0.07質量%以下の量、又は0.06質量%以下の量、又は0.04質量%以下の量で存在する。
【0029】
他の実施形態においては、ケイ素(Si)は、1質量%以下の量、又は0.5質量%以下の量、又は0.3質量%以下の量、又は0.2質量%以下の量、又は0.15質量%以下の量、又は0.1質量%以下の量で存在する。更に他の実施形態においては、Siは、0.01質量%以上の量、又は0.03質量%以上の量、又は0.05質量%以上の量、又は0.07質量%以上の量で存在する。
【0030】
他の実施形態においては、銅(Cu)は、0.01質量%以下の量、又は0.005質量%以下の量、又は0.003質量%以下の量で存在する。更に他の実施形態においては、Cuは、0.0001質量%以上の量、又は0.0005質量%以上の量で存在する。
【0031】
他の実施形態においては、亜鉛(Zn)は、0.01質量%以下の量、又は0.008質量%以下の量、又は0.007質量%以下の量で存在する。更に他の実施形態においては、Znは、0.001質量%以上の量、好ましくは0.003質量%以上の量で存在する。
【0032】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のMgと、
b.0.011質量%~1質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0033】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0034】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0035】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0036】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.3質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0037】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0038】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0039】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0040】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0041】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0042】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0043】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0044】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0045】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0046】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0047】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0048】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0049】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0050】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0051】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0052】
一実施形態においては、本開示は、合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlであるアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金に関する。
【0053】
以上概説した第1の態様のアルミニウム合金は、その全ての実施形態、及び妥当な場合は、実施形態の組み合わせにおいて、本開示の以下の態様において使用され得る。
【0054】
本開示の第2の態様は、上記で開示した第1の態様によるアルミニウム合金を製造する方法であって、
a.原料アルミニウムを準備する工程と、
b.前記原料アルミニウムを、650℃~800℃、好ましくは700℃~770℃の範囲の温度で加熱する工程と、
c.Mg及びBeを添加して、原料合金を得る工程と、
d.前記原料合金を、任意で脱ガスする工程と、
e.任意で脱ガスした原料合金にTi及びBを添加して、アルミニウム合金を製造する工程と、
を含む、方法に関する。
【0055】
原料アルミニウムとしては、不純物の量が少ないもの、好ましくは不純物のレベルが0.3質量%以下のものを準備することが好ましい。次いで、原料アルミニウムを、炉内で、アルミニウムが溶融する温度で加熱するが、酸化生成物が過度に生成しないように、あまり高い温度、特に900℃超でアルミニウムを加熱しないようにする。よって、原料アルミニウムは、650℃~800℃、好ましくは700℃~770℃、更に好ましくは720℃~750℃の範囲の温度で加熱することが好ましい。原料アルミニウムを炉に添加する前に、好ましくは400℃~900℃の範囲の温度に炉を予熱してもよい。
【0056】
原料アルミニウムが溶融するとすぐに、Mg及びBeを添加する。これらの金属は固体状で添加されるため、溶融物の温度は低下することになる。よって、アルミニウム溶融物を、既定の温度又は温度範囲まで再加熱するか、又は、上記金属の添加の際に既定の温度又は温度範囲を維持することが好ましい。この工程中に、Mn、Fe、Cu、Zn、又はSi等の更なる任意元素を添加してもよい。
【0057】
次いで、得られた原料アルミニウム合金を、通常の手段を用いて、任意で脱ガスしてもよい。好ましい実施形態においては、脱ガスを、パージガスとしてのアルゴンガスによって促進する。
【0058】
上に挙げた元素を添加し、任意で脱ガス工程を行った後、Tiと、任意でBを最終工程において添加する。次いで、最終アルミニウム合金溶融物を、第3の態様の方法のように、更なる処理又は後の処理のために、例えばブロック状に成形してもよいし、又は第3の態様の方法の工程b.からそのまま使用してもよい。
【0059】
第3の態様においては、本開示は、ワークピースの付加製造(AM)の方法であって、
f.第1の態様によるアルミニウム合金を含むアルミニウム粉末の層を、好ましくは真空中又は不活性ガス雰囲気中に配置する工程と、
g.少なくとも1つのレーザービームを用いて、前記粉末を選択的に溶融する工程と、
h.ワークピースが完成するまで、工程f.及び工程g.を繰り返す工程と、
i.ブラスト処理、機械加工処理、熱処理、及び/又は、他の処理によって、前記ワークピースを任意で処理する工程と、
を含む、方法に関する。
【0060】
好ましい実施形態においては、本明細書において第1の態様に関連して上で開示したアルミニウム合金を含むか、又は該アルミニウム合金のみからなるアルミニウム合金金属粉末を付加製造プロセスにおいて使用する。不活性ガス雰囲気は、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、又はこれらの混合物の雰囲気とすることができる。
【0061】
上記金属粉末は、金属除去プロセス(例えば、金属切削又は金属機械加工)、又は粉末冶金(PM)プロセス等の任意の既知の方法によって準備することができる。PMプロセスは、通常、収率がより高く、そのためコストがより低くなるため、本開示を使用するのに好ましい。
【0062】
例示的には、上述のように製造したアルミニウム合金は、
a.第1の態様によるアルミニウム合金を準備する工程と、
b.上記アルミニウム合金を650℃~800℃の範囲の温度で加熱することにより、上記アルミニウム合金を溶融させる工程と、
c.合金の各流体液滴に対して、すなわち、流体合金液滴をアトマイズ化する効果を有するガスを、作用させる工程と、
d.アルミニウム合金粉末を冷却する工程と、
e.関連する粉末粒度(例えば、20μm~65μm)を任意で選択する工程と、
を含む方法によって粉末状にすることができる。
【0063】
本開示で使用するアルミニウム合金金属粉末の好ましい製造プロセスはアトマイズ化である。アトマイズ化は、溶融金属流を、適度な圧力で開口部(例えば、ラバールノズル)を通過させることによって行われる(図4も参照)。溶融金属は、再溶融合金であってもよいし、又は製造したままの合金であってもよい。金属流がノズルを出る直前に、ガス、好ましくは不活性ガスを金属流に導入する。取り込まれたガスは、(加熱により)膨張して、開口部外の捕集大容積に出る際に、乱流をつくる働きをする。この捕集容積は、ガスで満たされており、溶融金属ジェットの更なる乱流を促進する。空気流と粉末流とを、重力分離又はサイクロン分離を用いて分離する。得られた粉末は、その粒度によって分離することができる。
【0064】
本開示で使用するアルミニウム合金金属粉末の他の好ましい製造プロセスは、遠心粉砕である。粉末化するアルミニウム合金を棒状に成形し、高速回転スピンドルを介してチャンバーに導入する。スピンドル端部の反対側は電極であり、その電極から金属棒を加熱するアークが発生する。端部材料が融着するにつれて、金属棒の高速回転により、微小溶融液滴が放出され、この液滴はチャンバーの壁に衝突する前に固化する。循環ガス、好ましくは不活性ガスによって、チャンバーから粒子を一掃する。
【0065】
本開示のアルミニウム合金は、任意の既知の付加製造方法において使用することができる。本出願の目的上、付加製造とは、特に、レーザー焼結技術によるレーザー付加製造を指す。レーザー焼結技術は、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、直接金属レーザー焼結、及びレーザー金属蒸着(LMD)を含む。
【0066】
選択的レーザー溶融では、粉末粒子の融着のための焼結を使用せず、高エネルギーレーザーを用いて粉末を完全に溶融して、従来の製造金属に類似した機械的性質を有する十分緻密な材料を一層ずつ作っていく。他の3D印刷プロセスとSLSが異なる点は、粉末を完全に溶融する能力がない点であり、むしろ金属粉末粒子が互いに融着可能な特定の温度まで加熱して、材料の空隙率を制御する点にある。一方、SLMは、レーザーを用いて金属を完全に溶融することによって、SLSよりも更に一歩踏み出すことができる。これは、粉末が互いに融着するのではなく、実際には、粉末粒子を溶融させて均質な部品とするのに十分な時間液化することを意味する。そのため、SLMでは、空隙率が低下し、結晶構造がより制御されることから、より強度の高い部品を製造することができ、部品欠陥を防ぐのに役立つ。
【0067】
電子ビーム溶融(EBM)は、同様の金属部品の付加製造技術である。EBMでは、高真空中で、電子ビームにより金属粉末を一層ずつに溶融させることにより、部品を製造する。
【0068】
レーザー金属蒸着は、基材の一部を被覆するか、又はニアネットシェイプの部品を作製するために、レーザーを用いて粉末化金属材料又はワイヤー原料金属材料を溶融し、固化させる材料の蒸着法である。レーザー金属蒸着で使用する粉末は、同軸ノズル又は横ノズルのいずれかによって、系に注入する。金属粉末流とレーザーとの相互作用により、溶融が起こり、これは溶融池として知られている。これを、基材上に蒸着させる。基材を動かすことにより溶融池が固化し、これにより、固化金属の軌跡が作製される。これは最も一般的な技術であるが、固定基材上をレーザー/ノズル組立体を動かして、固化軌跡を作製することを含むプロセスもある。基材の動きは、固体に一連の軌跡を付け加えるCADシステムにガイドされることが多く、これにより、軌道の最後に所望の部品が製造される。
【0069】
第3の態様の他の好ましい実施形態においては、アルミニウム合金製品は、工程e.の後に、ワークピースを、少なくとも380℃、又は少なくとも400℃、又は少なくとも430℃、又は少なくとも450℃の温度で、1時間未満、若しくは3時間未満、若しくは5時間未満、若しくは8時間未満、若しくは12時間未満、若しくは18時間未満、若しくは24時間未満、好ましくは12時間未満、若しくは好ましくは18時間未満の期間、又は少なくとも10分、若しくは少なくとも1時間、若しくは少なくとも3時間、若しくは少なくとも8時間、若しくは少なくとも12時間、若しくは少なくとも24時間の期間加熱することにより、熱処理し、次いで、空気中、周辺温度(例えば、20℃~25℃の範囲の温度)で冷却する。この熱処理工程は、成形工程に加えて、該成形工程の前又は後に、任意で適用することができる。代替的には、成形工程が望ましくない場合には、ワークピースに対して熱処理のみを(任意で)適用することができる。いかなる理論にも縛られるものではないが、上記熱処理中、アルミニウム合金において相転移が起こり、ワークピースの引張強度、降伏強度、及び/又は伸びが大きくなると推測される。
【0070】
第2の態様及び/又は第3の態様の更に好ましい実施形態においては、アルミニウム合金は、ドロス(すなわち、アルミニウムドロス)の形成が少ないか、又は形成しないという特徴を有する。アルミニウムドロスは、溶融アルミニウム合金が空気に曝露することによって生成し得る。空気に対する曝露が長くなるほど、ドロス形成が促進する。第2の態様及び/又は第3の態様の好ましい実施形態においては、溶融アルミニウム合金は、空気に対する曝露が長時間(例えば、8時間)であっても、ドロスの形成が少ないか、又は形成しないという特徴を有する。ドロスの形成は、肉眼で見ることができ、及び/又は、適用可能な任意の技術的方法(例えば、スぺクトル分析)によって検出することができる。
【0071】
本開示の第4の態様は、付加製造プロセスにおける、第1の態様のアルミニウム合金の使用に関する。
【0072】
第4の態様の好ましい実施形態においては、付加製造プロセスは、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、直接金属レーザー焼結、及びレーザー金属蒸着(LMD)からなる群より選択される。
【0073】
更に好ましい実施形態においては、付加製造プロセスは、選択的レーザー焼結又は選択的レーザー溶融である。
【0074】
本開示の第5の態様は、第1の態様によるアルミニウム合金を含むか、又は第1の態様によるアルミニウム合金のみからなるアルミニウム合金製品、及び/又は、第3の態様による方法によって製造されたアルミニウム合金製品であって、
i)上記製品の少なくとも一部が、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mm、又は1mm~10mm、又は3mm~10mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも290MPa、又は少なくとも320MPa、又は少なくとも360MPa、又は少なくとも370MPa、又は少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも170MPa、又は少なくとも180MPa、又は少なくとも200MPa、又は少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムが、少なくとも5%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも34%の伸びを有する、
アルミニウム合金製品に関する。
【0075】
第5の態様の好ましい実施形態によると、
i)上記製品のアルミニウムは、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mm、又は1mm~10mm、又は3mm~10mmの厚さで測定した場合に、少なくとも290MPa、又は少なくとも320MPa、又は少なくとも360MPa、又は少なくとも370MPa、又は少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムは、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mm、又は1mm~10mm、又は3mm~10mmの厚さで測定した場合に、少なくとも170MPa、又は少なくとも180MPa、又は少なくとも200MPa、又は少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムは、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mm、又は1mm~10mm、又は3mm~10mmの厚さで測定した場合に、少なくとも5%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも34%の伸びを有する。
【0076】
第5の態様の他の好ましい実施形態によると、
i)上記製品の少なくとも一部は、1mm~10mm、又は3mm~10mm、又は6mm~9mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムは、少なくとも380MPa、又は少なくとも400MPa、又は少なくとも420MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムは、少なくとも200MPa、又は少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムは、少なくとも20%、又は少なくとも24%の伸びを有する。
【0077】
第5の態様の他の好ましい実施形態によると、
i)上記製品のアルミニウムは、1mm~10mm、又は3mm~10mm、又は6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも380MPa、又は少なくとも400MPa、又は少なくとも420MPaの引張強度を有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムは、1mm~10mm、又は3mm~10mm、又は6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも200MPa、又は少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムは、1mm~10mm、又は3mm~10mm、又は6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも20%、又は少なくとも24%の伸びを有する。
【0078】
第5の態様の他の好ましい実施形態によると、
i)上記製品の少なくとも一部は、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムは、少なくとも290MPa、又は少なくとも320MPa、又は少なくとも360MPa、又は少なくとも370MPa、又は少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムは、少なくとも170MPa、又は少なくとも180MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムは、少なくとも5%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも34%の伸びを有する。
【0079】
第5の態様の他の好ましい実施形態によると、
i)上記製品のアルミニウムは、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも290MPa、又は少なくとも320MPa、又は少なくとも360MPa、又は少なくとも370MPa、又は少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムは、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも170MPa、又は少なくとも180MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムは、1mm~23mm、又は3mm~15mm、又は6mm~12mm、又は6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも34%の伸びを有する。
【0080】
本開示の第6の態様は、第3の態様による方法によって、製造されるか、得られるか、又は得られ得るアルミニウム合金製品に関する。
【0081】
以下の実施例からも明らかになるように、本開示のアルミニウム合金は、特に、1mm~23mmの範囲の厚さにおいて、高い引張強度、高い降伏強度、及び大きな伸びを有する。
【0082】
用語の定義
以下に例示的に示す本発明は、本明細書において具体的に開示しない任意の要素(複数の場合もある)、任意の限定(複数の場合もある)が存在しなくても、好適に行うことができる。
【0083】
本発明を、或る特定の図面を参照して、特定の実施形態に対して説明するが、本発明はそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。以下で説明する用語は、通常、特段の指示がない限り、一般的な意味で理解される。
【0084】
用語「含む("comprising")」が、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、他の要素を排除するものではない。本発明の目的上、用語「のみからなる("consisting of")」は、用語「含む」の好ましい実施形態であると考えられる。以下、或る群が、少なくとも或る特定の数の実施形態を含むと定義される場合、好ましくはそれらの実施形態のみからなる群を開示しているとも理解される。さらに、或る組成が、用語「含む」を用いて定義される場合、明示されない他の元素を追加で含み得るが、明示の元素を更なる量で含むことはない。そのため、例えば、アルミニウム合金がMgを14質量%の量で含む場合、このアルミニウム合金は、Mg以外の元素を含み得るが、Mgを追加の量で含むものではなく、14質量%の量を超えることはない。
【0085】
単数名詞に言及する際に、不定冠詞又は定冠詞、例えば、「a」、「an」、又は「the」が使用される場合、具体的に他に何か言及がない限り、その名詞の複数形を含む。
【0086】
「得られ得る」又は「定義され得る」、及び「得られる」又は「定義される」のような用語は、言い換え可能に用いられる。これは、例えば、文脈から明確にそうではないと読み取れない限り、用語「得られる」は、例えば、或る実施形態が、例えば、用語「得られる」の前に記載された(following)一連の工程によって得られなければならないことを示すことを意味するものではないが、そのような限定的な理解は、好ましい実施形態として、用語「得られる」又は「定義される」に常に含まれる。
【0087】
本明細書において使用する用語「不純物(複数の場合もある)」("impurity" and "impurities")は、例えば、合金の製造プロセス又は原料(複数の場合もある)の製造プロセスに起因して、合金中に不可避的に存在する元素を指し、その元素を含む。或る不純物が、合金の元素リストに明示されていなくても、合金において或る元素が不純物ではなく必須元素であることもある。例えば、合金組成のより一般的な定義において或る元素について言及されていない場合、その元素は不純物として存在している可能性があり、合金組成のより具体的な定義においては、同元素を必須成分として言及することができる。
【0088】
本開示のアルミニウム合金は様々な成分から構成される。これらの成分は、合金組成において明示されているか、又は合金中に存在する不純物の一部である。いかなる場合においても、或る成分が、或る質量%の量として定義される場合、その数字は、合金組成の全質量に基づいたパーセントでの相対量(質量)を反映している。
【0089】
いくつかの実施形態においては、製品又はワークピースの「少なくとも一部」が、定義された範囲の厚さを有する。この文脈において、「少なくとも一部」とは、製品又はワークピースの全表面の少なくとも1%、又は少なくとも3%、又は少なくとも5%、又は少なくとも10%を指す。製品又はワークピースの厚さは、製品又はワークピースの最短距離を測定することにより、製品又はワークピースの表面の各ポイントにおいて求めることができる。全表面にわたって積分することにより、製品又はワークピースにおいて、定義した範囲の厚さを有する「部分」を算出することができる。
【実施例
【0090】
実施例1:アルミニウム合金の製造
アルミニウム合金は全て、約15分間、約300℃の温度に予熱した電気誘導炉(Inductotherm、V.I.P.モデル、Power Trak 150)で製造した。炉が約300℃の温度に達した後、60kgの原料アルミニウム(全不純物が0.3質量%以下;MTX Aluminium Werke GmbH社、オーストリア、レント)を投入した。
【0091】
原料アルミニウムを720℃~750℃に加熱し、Mg(DEUMU Deutsche Erz- und Metall-Union GmbH社、ドイツ、純粋マグネシウム、少なくとも99.9%)及びBe(AlBeペレットとして添加、5質量%のBeを含有、残部はAl、Hoesch Metals社、ドイツ、ニーダーツィアー)を各量添加した。720℃~750℃に再度加熱した後、インジェクションランスを用いて、パージガスとしてアルゴンガスを用いて溶融物を10分間脱ガスした。
【0092】
次いで、650℃~750℃の範囲の温度において、Ti及びBを、5:1の比でTi及びBを含有するバー(AlTi5B1ペレットとして添加、5質量%のTi、1質量%のBを含有、残部はAl、Foseco-Vesuvius社、ドイツ)として添加する。このペレットを液状合金中に撹拌し、混合後すぐに炉からるつぼを取り出し、液状合金を各型に流し込む。
【0093】
いかなる理論にも縛られるものではないが、ホウ素は、特にチタンに比して比重が小さいため、溶融物の上面から泡を除去することによって、ホウ素の一部が除去されると推測され、これは最終合金においてTi:B比が約10:1となることを説明するものである。残りの元素は、出発物質からの不純物として合金中に存在する。
【0094】
【表1】
【0095】
全ての量は質量%表示である。表1に開示の組成の残部はアルミニウムである。
【0096】
実施例2:熱処理
実施例1の合金No.1の機械的性質を、鋳造の種類及び任意の熱処理に対して調査した。
【0097】
実施例1の合金No.1から、直径14mmの円筒型サンプルを、砂型にて鋳造した。サンプルに対して、引張強度(R)、降伏強度(Rp0.2)、及び伸び(A)を求める試験を行った。砂型鋳物に対して測定された高さは84mmであった。
【0098】
上で製造したのと同じサンプルに対して、各鋳物の製造後に、均質化のために熱処理を行った。鋳物は、430℃の温度で加熱し、その温度で9時間保持した。この熱処理後、空気中、周辺温度でサンプルを冷却した。
【0099】
熱処理を行ったサンプルに対しても、未処理のサンプルと同様(上記参照)に、引張強度、降伏強度、及び伸びの試験を行った。全ての結果を、以下の表2にまとめる。
【0100】
【表2】
【0101】
以上の試験結果から、砂型鋳物は、永久鋳型鋳物と比して、未処理の状態では引張強度、降伏強度、及び伸びが低いにもかかわらず、熱処理後には、これらの鋳物が機械的性質において非常に類似していることが分かる。
【0102】
サンプルの微細構造の調査により、均質化が粒子中のMg濃度に影響しない、すなわち、粒子中でMg濃度が均衡していないことが明らかとなった。Mg含量は、粒界に比して、粒子のコアで低いままであった。これは、均質化後のサンプルに対してEDX分析を行うことにより分かる。図1に、均質化後のサンプルの断面を示す。
【0103】
サンプルを切断し、得られた切断面を、数回精密研削し、次いで研磨した。最終切断面を、電子顕微鏡にて調査し、図1のREM画像が得られた。倍率は250倍であり、光学レンズと最終切断面の表面との作動距離は10mmであり、放出電流は75μAであり、ビーム電流は3.5nAであった。
【0104】
図1に示す直線に沿って、EDX分析を行った。アルミニウム(a)、マグネシウム(b)、鉄(c)、及び銅(d)の各金属強度を、対応する図2に示す。全てのX線測定を、DIN EN ISO 17636-1:2013-05に従って行った。この規格にはアルミニウムに対するパラメータがないため、マグネシウムに対するパラメータを設定し、次いでアルミニウムに適用した。次いで、ASTM E2422-17及びASTM E2869-17に従って、X線フィルムを評価した。
【0105】
以下の実施例3に示す更なるサンプルに対してDSC分析を行うことにより、これらの結果を確認した。
【0106】
実施例3:DSC分析
DSCを用いて、熱処理中のサンプルの変化を更に調査した。
【0107】
実施例1の合金No.1を用いて、18mmの厚さのバーを鋳造した。このバーに対して、熱処理は行わなかった。
【0108】
熱流束DSCを用いて、サンプルを分析した。2つの同じるつぼを炉内に置き、同じ時間・温度プロファイルを行った。一方のるつぼにサンプルを入れ(「サンプルるつぼ」)、他方は空のままにした(「参照るつぼ」)。次いで、2℃/分の速度で炉を加熱した。分析の温度範囲は、50℃~525℃の範囲に設定した。サンプルにおける熱工程によって、サンプルるつぼの温度(Tsample)と、参照るつぼの温度(Treference)との間に温度差(ΔT)が生じる。
ΔT=Tsample-Treference
【0109】
温度曲線は、450℃まで安定した温度増加を示した。次いで、曲線は急激な増加を示し、最大値に到達した後は、再度急激な減少を示す(図3参照)。同じサンプルに対して測定を繰り返したが、それ以上の温度増加は示さなかった。この温度増加は、約450℃でサンプルにおいて発熱プロセスが起こっていることを示している。
【0110】
実施例4:アルミニウム合金の性質
以下の表3に定めた厚さを有するプレートを、砂型鋳造法を用いて製造した。これらのプレートに対して、表3において以下で定める様々な試験を行い、引張強度(R)、降伏強度(Rp0.2)、及び伸び(A)を求めた。
【0111】
実施例5:熱処理
実施例2に記載の方法に従って、実施例1の合金No.3の機械的性質を、任意の熱処理に対して更に調査した。実施例2と対比して、サンプルを永久鋳型鋳造によって製造し、450℃で24時間熱処理を行った。
【0112】
サンプルに対して求めた引張強度、降伏強度、及び伸びを以下の表4にまとめる。
【0113】
【表3】
【0114】
【表4】
【0115】
サンプルは、DIN 50125:2009及びDIN EN ISO 6892-1:2009に従って、室温(23℃)で製造し、試験した。
【0116】
本開示はまた、以下の項に関する。
【0117】
1.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のマグネシウム(Mg)と、
b.0.011質量%~1質量%のチタン(Ti)と、
c.0.1質量%以下のマンガン(Mn)と、
d.0.1質量%以下の鉄(Fe)と、
e.0.001質量%~0.1質量%のベリリウム(Be)と、
を含み、残部がアルミニウム(Al)である、アルミニウム合金。
【0118】
2.アルミニウム合金が、
合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のマグネシウム(Mg)と、
b.0.011質量%~1質量%のチタン(Ti)と、
c.0.1質量%以下のマンガン(Mn)と、
d.0.1質量%以下の鉄(Fe)と、
e.0.001質量%~0.1質量%のベリリウム(Be)と、
f.0.0009質量%~0.2質量%のホウ素(B)と、
g.1質量%以下のケイ素(Si)と、
を含み、残部がアルミニウム(Al)である、項1に記載のアルミニウム合金。
【0119】
3.アルミニウム合金が、0.01質量%以下の銅(Cu)及び0.01質量%以下の亜鉛(Zn)を更に含む、項1又は項2に記載のアルミニウム合金。
【0120】
4.アルミニウム合金が、不可避不純物を含み、好ましくは、該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、項1~項3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0121】
5.Mgが、9.1質量%~13.9質量%の量、好ましくは9.2質量%~13質量%の量、好ましくは9.5質量%~12質量%の量、好ましくは10.2質量%~11.8質量%の量、又は9.2質量%~10.2質量%の量、又は9.6質量%~10.2質量%の量で存在する、項1~項4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0122】
6.Mgが好ましくは、9.8質量%~11質量%の量、又は好ましくは10.2質量%~13質量%の量で存在する、項1~項5のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0123】
7.Tiが、
i)0.011質量%~0.9質量%の量、好ましくは0.012質量%~0.8質量%の量、好ましくは0.013質量%~0.5質量%の量、又は0.011質量%以上の量で、及び/又は、
ii)0.015質量%以上の量、又は0.15質量%以上の量、又は0.2質量%以上の量、又は0.3質量%以上の量で、及び/又は、
iii)0.9質量%以下の量、又は0.8質量%以下の量、又は0.7質量%以下の量、又は0.6質量%以下の量、又は0.4質量%以下の量で、
存在する、項1~項6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0124】
8.Mnが、
i)0.09質量%以下の量、好ましくは0.08質量%以下の量、好ましくは0.04質量%以下の量、好ましくは0.005質量%以下の量で、及び/又は、
ii)0.0001質量%以上の量、好ましくは0.0005質量%以上の量で、
存在する、項1~項7のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0125】
9.Feが、
i)0.09質量%以下の量、好ましくは0.08質量%以下の量、好ましくは0.05質量%以下の量、好ましくは0.03質量%以下の量で、及び/又は、
ii)0.01質量%以上の量、好ましくは0.05質量%以上の量で、
存在する、項1~項8のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0126】
10.Beが、
i)0.002質量%~0.09質量%の量、好ましくは0.003質量%~0.08質量%の量、好ましくは0.007質量%~0.06質量%の量で、及び/又は、
ii)0.002質量%以上の量、又は0.003質量%以上の量、又は0.004質量%以上の量で、及び/又は、
iii)0.09質量%以下の量、又は0.08質量%以下の量、又は0.07質量%以下の量、又は0.06質量%以下の量、又は0.04質量%以下の量で、
存在する、項1~項9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0127】
11.Beが、0.005質量%以上の量、又は0.015質量%以上の量で存在する、項1~項10のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0128】
12.ホウ素(B)が、
i)0.0009質量%~0.2質量%の量、好ましくは0.001質量%~0.15質量%の量、好ましくは0.006質量%~0.1質量%の量、好ましくは0.01質量%~0.1質量%の量、好ましくは0.015質量%~0.05質量%の量で、及び/又は、
ii)0.0009質量%以上の量、又は0.001質量%以上の量、又は0.006質量%以上の量で、及び/又は、
iii)0.1質量%以下の量、又は0.08質量%以下の量、又は0.07質量%以下の量、又は0.06質量%以下の量、又は0.04質量%以下の量で、
存在する、項1~項11のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0129】
13.ホウ素(B)が0.03質量%以上の量で存在する、項1~項12のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0130】
14.ケイ素(Si)が、
i)1質量%以下の量、好ましくは0.5質量%以下の量、好ましくは0.3質量%以下の量、好ましくは0.2質量%以下の量、好ましくは0.15質量%以下の量、好ましくは0.1質量%以下の量で、及び/又は、
ii)0.01質量%以上の量、好ましくは0.03質量%以上の量、好ましくは0.05質量%以上の量、好ましくは0.07質量%以上の量で、
存在する、項1~項13のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0131】
15.銅(Cu)が、
i)0.01質量%以下の量、好ましくは0.005質量%以下の量、好ましくは0.003質量%以下の量で、及び/又は、
ii)0.0001質量%以上の量、好ましくは0.0005質量%以上の量で、
存在する、項1~項14のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0132】
16.亜鉛(Zn)が、
i)0.01質量%以下の量、好ましくは0.008質量%以下の量、好ましくは0.007質量%以下の量で、及び/又は、
ii)0.001質量%以上の量、好ましくは0.003質量%以上の量で、
存在する、項1~項15のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
【0133】
17.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9質量%~14質量%のMgと、
b.0.011質量%~1質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0134】
18.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0135】
19.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0136】
20.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0137】
21.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.5質量%~12質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.3質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0138】
22.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0139】
23.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0140】
24.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0141】
25.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0142】
26.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0143】
27.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0144】
28.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0145】
29.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.10.2質量%~11.8質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0146】
30.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0147】
31.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0148】
32.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0149】
33.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.012質量%~0.8質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0150】
34.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.1質量%以下のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0151】
35.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.001質量%~0.1質量%のBeと、
d.0.1質量%以下のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0152】
36.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.1質量%以下のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下の量のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0153】
37.合金の全成分の合計を100質量%として、合金組成の全質量に対して、それぞれ、
a.9.6質量%~10.2質量%のMgと、
b.0.013質量%~0.5質量%のTiと、
c.0.003質量%~0.08質量%のBeと、
d.0.0005質量%~0.08質量%のMnと、
e.0.001質量%~0.1質量%のFeと、
f.0.0009質量%~0.2質量%のBと、
g.0.03質量%~0.5質量%、好ましくは0.003質量%~0.15質量%、のSiと、
h.0.01質量%以下のCuと、
i.0.01質量%以下のZnと、
を含み、残部がAlである項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金であって、該アルミニウム合金が不可避不純物を含み、好ましくは該不可避不純物が、0.15質量%未満の量、好ましくは0.1質量%未満の量、更に好ましくは0.05質量%未満の量で存在し、各々個々の不純物が、0.05質量%未満の量、好ましくは0.01質量%未満の量、更に好ましくは0.001質量%未満の量で存在する、アルミニウム合金。
【0154】
38.項1~項37のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を製造する方法であって、
a.原料アルミニウムを準備する工程と、
b.前記原料アルミニウムを、650℃~800℃、好ましくは700℃~770℃の範囲の温度で加熱する工程と、
c.Mg及びBeを添加して、原料合金を得る工程と、
d.前記原料合金を、任意で脱ガスする工程と、
e.任意で脱ガスした原料合金にTiを添加して、アルミニウム合金を製造する工程と、
を含む、方法。
【0155】
39.項1~項37のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を製造する方法であって、
a.原料アルミニウムを準備する工程と、
b.前記原料アルミニウムを、650℃~800℃、好ましくは700℃~770℃の範囲の温度で加熱する工程と、
c.Mg及びBeを添加して、原料合金を得る工程と、
d.前記原料合金を、任意で脱ガスする工程と、
e.任意で脱ガスした原料合金にTi及びBを添加して、アルミニウム合金を製造する工程と、
を含む、方法。
【0156】
40.ワークピースの付加製造を更に含み、前記ワークピースの付加製造が、
f.項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム粉末の層を、好ましくは真空中又は不活性ガス雰囲気中に配置する工程と、
g.少なくとも1つのレーザービームを用いて、前記粉末を選択的に溶融する工程と、
h.ワークピースが完成するまで、工程f.及び工程g.を繰り返す工程と、
i.ブラスト処理、機械加工処理、熱処理、及び/又は、他の処理によって、前記ワークピースを任意で処理する工程と、
を含む、項38又は項39に記載の方法。
【0157】
41.ワークピースの付加製造の方法であって、
a.項1~項16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム粉末の層を、好ましくは真空中又は不活性ガス雰囲気中に配置する工程と、
b.少なくとも1つのレーザービームを用いて、前記粉末を選択的に溶融する工程と、
c.ワークピースが完成するまで、工程a.及び工程b.を繰り返す工程と、
d.ブラスト処理、機械加工処理、熱処理、及び/又は、他の処理によって、前記ワークピースを任意で処理する工程と、
を含む、方法。
【0158】
42.工程i.において、前記ワークピースを、少なくとも380℃、又は少なくとも400℃、又は少なくとも430℃、又は少なくとも450℃の温度で、1時間未満、若しくは3時間未満、若しくは5時間未満、若しくは8時間未満、若しくは12時間未満、若しくは18時間未満、若しくは24時間未満、好ましくは12時間未満、若しくは好ましくは18時間未満の期間、又は少なくとも10分、若しくは少なくとも1時間、若しくは少なくとも3時間、若しくは少なくとも8時間、若しくは少なくとも12時間、若しくは少なくとも24時間の期間加熱することにより熱処理し、次いで、空気中、周辺温度で冷却する、項40に記載の方法。
【0159】
43.工程d.において、前記ワークピースを、少なくとも380℃、又は少なくとも400℃、又は少なくとも430℃、又は少なくとも450℃の温度で、1時間未満、若しくは3時間未満、若しくは5時間未満、若しくは8時間未満、若しくは12時間未満、若しくは18時間未満、若しくは24時間未満、好ましくは12時間未満、若しくは好ましくは18時間未満の期間、又は少なくとも10分、若しくは少なくとも1時間、若しくは少なくとも3時間、若しくは少なくとも8時間、若しくは少なくとも12時間、若しくは少なくとも24時間の期間加熱することにより熱処理し、次いで、空気中、周辺温度で冷却する、項41に記載の方法。
【0160】
44.付加製造プロセスにおける、項1~項37のいずれか一項に記載のアルミニウム合金の使用。
【0161】
45.前記付加製造プロセスが、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的レーザー溶融(SLM)、直接金属レーザー焼結、及びレーザー金属蒸着(LMD)からなる群より選択される、項40~項43のいずれか一項に記載の方法。
【0162】
46.前記付加製造プロセスが、選択的レーザー焼結又は選択的レーザー溶融である、項45に記載の方法。
【0163】
47.項40~項43、項45、及び項46のいずれか一項に記載の方法により製造されたアルミニウム合金製品。
【0164】
48.項1~項37のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含む、及び/又は、項40~項43、項45、及び項46のいずれか一項に記載の方法によって製造されたアルミニウム合金製品であって、
i)上記製品の少なくとも一部が、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mm、又は1mm~10mm、好ましくは3mm~10mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも290MPa、好ましくは少なくとも320MPa、好ましくは少なくとも360MPa、好ましくは少なくとも370MPa、好ましくは少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも170MPa、好ましくは少なくとも180MPa、好ましくは少なくとも200MPa、好ましくは少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムが、少なくとも5%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも34%の伸びを有する、
アルミニウム合金製品。
【0165】
49.
i)上記製品のアルミニウムが、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mm、又は1mm~10mm、好ましくは3mm~10mmの厚さで測定した場合に、少なくとも290MPa、好ましくは少なくとも320MPa、好ましくは少なくとも360MPa、好ましくは少なくとも370MPa、好ましくは少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mm、又は1mm~10mm、好ましくは3mm~10mmの厚さで測定した場合に、少なくとも170MPa、好ましくは少なくとも180MPa、好ましくは少なくとも200MPa、好ましくは少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mm、又は1mm~10mm、好ましくは3mm~10mmの厚さで測定した場合に、少なくとも5%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも34%の伸びを有する、
項48に記載のアルミニウム合金製品。
【0166】
50.項1~項29のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含む、及び/又は、項40~項43、項45、及び項46のいずれか一項に記載の方法によって製造されたアルミニウム合金製品であって、
i)上記製品の少なくとも一部が、1mm~10mm、好ましくは3mm~10mm、好ましくは6mm~9mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも380MPa、好ましくは少なくとも400MPa、好ましくは少なくとも420MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも200MPa、好ましくは少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムが、少なくとも20%、好ましくは少なくとも24%の伸びを有する、アルミニウム合金製品。
【0167】
51.
i)上記製品のアルミニウムが、1mm~10mm、好ましくは3mm~10mm、好ましくは6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも380MPa、好ましくは少なくとも400MPa、好ましくは少なくとも420MPaの引張強度を有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、1mm~10mm、好ましくは3mm~10mm、好ましくは6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも200MPa、好ましくは少なくとも215MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、1mm~10mm、好ましくは3mm~10mm、好ましくは6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも20%、好ましくは少なくとも24%の伸びを有する、
項50に記載のアルミニウム合金製品。
【0168】
52.項1~項21及び項30~項37のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含む、及び/又は、項40~項43、項45、及び項46のいずれか一項に記載の方法によって製造されたアルミニウム合金製品であって、
i)上記製品の少なくとも一部が、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mmの範囲の厚さを有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも290MPa、好ましくは少なくとも320MPa、好ましくは少なくとも360MPa、好ましくは少なくとも370MPa、好ましくは少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、少なくとも170MPa、好ましくは少なくとも180MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iv)上記製品のアルミニウムが、少なくとも5%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも34%の伸びを有する、アルミニウム合金製品。
【0169】
53.
i)上記製品のアルミニウムが、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも290MPa、好ましくは少なくとも320MPa、好ましくは少なくとも360MPa、好ましくは少なくとも370MPa、好ましくは少なくとも380MPaの引張強度を有し、及び/又は、
ii)上記製品のアルミニウムが、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも170MPa、好ましくは少なくとも180MPaの降伏強度を有し、及び/又は、
iii)上記製品のアルミニウムが、1mm~23mm、好ましくは3mm~15mm、好ましくは6mm~12mm、好ましくは6mm~9mmの厚さで測定した場合に、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも34%の伸びを有する、
項52に記載のアルミニウム合金製品。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4