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特許7196200導電性接着剤、原料組成物、電子部品、製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】導電性接着剤、原料組成物、電子部品、製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20221219BHJP
   C09J 9/02 20060101ALI20221219BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20221219BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
C09J201/00
C09J9/02
C09J11/04
C09J11/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020567001
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2019097874
(87)【国際公開番号】W WO2020020334
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】201810847272.3
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520462883
【氏名又は名称】嘉興蓉陽電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】デン フア
(72)【発明者】
【氏名】傅 強
(72)【発明者】
【氏名】孫 承嘯
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103965818(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103540280(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106633919(CN,A)
【文献】特開平05-279644(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103666315(CN,A)
【文献】国際公開第2015/068611(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
H01B1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーエラストマー樹脂、過酸化物架橋剤、導電性粒子及びホットメルト粉末を含むポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物であって、
(1)前記原料組成物が、EAA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(2)前記原料組成物が、EAA(17%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(65%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(3)前記原料組成物が、EAA(7%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(75%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(4)前記原料組成物が、EAA(8%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(80%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(11.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(5)前記原料組成物が、EAA(9%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(20.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(6)前記原料組成物が、EAA(6%)、EMA(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(35%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(35%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(7)前記原料組成物が、EAA(6%)、FVMQ(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(35%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(35%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(8)前記原料組成物が、EAA(9.6%)、FVMQ(2.4%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、ポリアミド樹脂(軟化点110℃)からなるホットメルト-4(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(9)前記原料組成物が、EAA(6%)、EBA(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、ポリアミド樹脂(軟化点110℃)からなるホットメルト-4(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(10)前記原料組成物が、EAA(6%)、EBA(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(69.5%)、カーボンナノチューブからなる導電性粒子-3(0.5%)、ポリアミド樹脂(軟化点110℃)からなるホットメルト-5(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(11)前記原料組成物が、EBA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(軟化点91℃)からなるホットメルト-6(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(12)前記原料組成物が、EMA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー(軟化点90℃)からなるホットメルト-7(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(13)前記原料組成物が、EMA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー(軟化点90℃)からなるホットメルト-7(17.26%)、DCP(0.12%)、DBPH(0.12%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(14)前記原料組成物が、EAA(6%)、POE(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(軟化点140℃)からなるホットメルト-8(17.26%)、DCP(0.08%)、DBPH(0.16%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(15)前記原料組成物が、EAA(6%)、EBA(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(軟化点94℃)からなるホットメルト-9(17.26%)、DCP(0.16%)、DBPH(0.08%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(16)前記原料組成物が、EAA(6%)、EBA(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(34.8%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(34.8%)、カーボンナノチューブからなる導電性粒子-3(0.4%)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(軟化点94℃)からなるホットメルト-9(17.26%)、DBPH(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(17)前記原料組成物が、EAA(5.6%)、FVMQ(2.4%)、EMA(4%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(軟化点94℃)からなるホットメルト-9(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(18)前記原料組成物が、EAA(9.6%)、FVMQ(2.4%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(軟化点94℃)からなるホットメルト-9(17.26%)、DCP(0.24%)、GA(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(19)前記原料組成物が、FVMQ(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(20)前記原料組成物が、POE(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(21)前記原料組成物が、EH(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(22)前記原料組成物が、CoPP(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(23)前記原料組成物が、EAA(6%)、CoPP(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.26%)、DBPH(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(24)前記原料組成物が、EAA(9%)、CoPP(3%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.14%)、DBPH(0.36%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(25)前記原料組成物が、EMA(6%)、EH(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(26)前記原料組成物が、EMA(6%)、EH(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(27)前記原料組成物が、EBA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(28)前記原料組成物が、EMA(6%)、EBA(6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(29)前記原料組成物が、EAA(4.47%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(60%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(34.88%)、DCP(0.15%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(30)前記原料組成物が、EAA(11.47%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(60%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(27.79%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(31)前記原料組成物が、EAA(14.47%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(14.73%)、DCP(0.3%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(32)前記原料組成物が、EAA(11.47%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(80%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(7.79%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(33)前記原料組成物が、EAA(16.5%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(79%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(3%)、DCP(1%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(34)前記原料組成物が、EAA(13%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(16.2%)、BPO(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(35)前記原料組成物が、EAA(10.4%)、EMA(2.6%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(36)前記原料組成物が、EAA(2.6%)、EMA(10.4%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(37)前記原料組成物が、EAA(9.1%)、EMA(3.9%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(38)前記原料組成物が、EAA(3.9%)、EMA(9.1%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(39)前記原料組成物が、FVMQ(13%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(70%)、ポリウレタン樹脂(軟化点105℃)からなるホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.15%)、DCP(0.15%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(40)前記原料組成物が、EAA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.38%)、DCP(0.12%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(41)前記原料組成物が、EAA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.14%)、DCP(0.36%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(42)前記原料組成物が、EAA(12%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)からなる導電性粒子-1(70%)、ポリエステル樹脂(軟化点167℃)からなるホットメルト-1(17.38%)、DBPH(0.12%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含み、又は、
(43)前記原料組成物が、EAA(7%)、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)からなる導電性粒子-2(75%)、ポリエステル樹脂(軟化点130℃)からなるホットメルト-2(17.13%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)、フルオロカーボンイオン界面活性剤(0.02%)、ヒュームドシリカ(0.08%)、帯電防止剤(0.03%)の重量パーセントの原料を含むことを特徴とする、ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物。
【請求項2】
過酸化物架橋剤のある条件下で、前記ポリマーエラストマー樹脂、前記導電性粒子及び前記ホットメルト粉末を粉砕して均質に混合することにより、製造できること特徴とする、請求項1に記載のポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物を用いたポリマーベースの導電性接着剤の製造方法。
【請求項3】
前記粉砕して均質に混合する工程は、
(1)前記ポリマーエラストマー樹脂の溶液、導電性粒子及びホットメルト粉末を1回目に混合することで、混合物Aが得られ、前記ポリマーエラストマー樹脂の溶液は、ポリマーエラストマー樹脂と溶媒を混合して得られ、
(2)過酸化物架橋剤とステップ(1)で得られた前記混合物Aを2回目に混合することで、得られた混合物Bを粉砕する、というステップを含み
前記原料組成物がカップリング剤をさらに含む場合、前記過酸化物架橋剤、カップリング剤及びステップ(1)で得られた前記混合物Aを2回目に混合することで、混合物Cが得られ、
前記原料組成物が前記導電性粒子以外の無機フィラー及び/又は帯電防止剤をさらに含む場合、前記ホットメルト粉末の製造過程において、「前記導電性粒子以外の無機フィラー及び/又は前記帯電防止剤」と前記ホットメルト粉末を混合することで、混合物A’が得られ、さらに前記ポリマーエラストマー樹脂の溶液、前記導電性粒子とを混合して、前記1回目に混合することで、混合物Aが得られ、
ステップ(1)において、前記溶媒は、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、酢酸エチル及び酢酸イソブチルのうちの1つ又は複数であり、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記溶媒との質量比は、1:2であり、
ステップ(1)において、前記ポリマーエラストマー樹脂と溶媒を混合する温度は、40~80℃の水浴温度であり、前記ポリマーエラストマー樹脂と溶媒を混合する時間は、2時間であり、前記ポリマーエラストマー樹脂を前記溶媒に溶解させてから、さらに室温で攪拌すると、ポリマーエラストマー樹脂の溶液が得られ、前記攪拌時間は、3時間であり、
ステップ(2)において、前記「2回目の混合」が予備混合、混合、脱泡及び再混合ステップを含み、前記「2回目の混合」における予備混合の回転数は、350~450rmpであり、前記「2回目の混合」における予備混合時間は、15~45秒であり、前記「2回目の混合」における混合の回転数は、1800~2200rmpであり、前記「2回目の混合」における混合時間は、1~3分であり、前記「2回目の混合」における脱泡の回転数は、2000~2500rmpであり、前記「2回目の混合」における脱泡時間は、1~3分であり、前記「2回目の混合」における再混合の回転数は、1800~2200rmpであり、前記「2回目の混合」における再混合の時間は、15~45秒であり、ステップ(2)において、前記混合物B又は混合物Cをミルで粉砕し、前記ミルは、3本ロールミルであり、前記粉砕時間は、4~6分であることを特徴とする、請求項2に記載のポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物を用いたポリマーベースの導電性接着剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年7月27日に出願され、参照によってその開示全体が本明細書に組み込まれる中国特許出願2018108472723に基づき、その優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、導電性接着剤、原料組成物、電子部品、製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0003】
導電性接着剤は、硬化後に一定の導電性を有する接着剤であり、通常、ポリマーマトリックス樹脂及び導電性粒子からなる。その導電性は、その中の導電性粒子で形成される導電性ネットワークによって提供され、接着性はポリマーによって提供される。電子部品の小型化、プリント回路基板の高密度化や高集積化につれて、導電性接着剤は、電子部品の製造及び組立の過程において、ますます重要な役割を果たすようになっており、導電性接着剤の導電性、耐熱性、耐水性、耐湿性、柔性、接着性及び加工可能性などの様々な面に対する要求も益々高くなっている。
【0004】
通常、様々な使用において、導電性に対する要求が高いため、導電性フィラーの使用量が非常に多く、導電性接着剤における質量比は50~80%である。このようにフィラーの含有量が多い場合、フィラーの分散などの要因により、複合材料全体の加工可能性、接着性、柔性などが大きな影響を受けることで、前記性能間で良好なバランスを獲得するために、通常、導電性フィラーのネットワーク構造及びそれとポリマーマトリックスとの界面作用力を制御する特別な方法が必要である。現在、文献及び特許において、混合フィラーをそれぞれ使用し、ポリマーマトリックスの架橋密度を向上させることで、フィラーを表面改質するなどの方法により、ポリマーマトリックス内のフィラーのネットワーク結合能力を高めて、前記性能間のバランスを達成する方法が多く用いられている。
【0005】
しかし、電子工業の急速な発展につれて、現在のポリマーベースの導電性接着剤の様々な性能には、依然として解決するのが困難な以下のような問題がある。(1)現在、市販されている導電性接着剤は、いずれもエポキシ、ポリウレタン又はアクリル酸系をベースにしており、硬化前に低温保存をすることが必要であり、且つ品質保証期間が通常短い。(2)電子デバイスの小型化のために、接地孔が小型化及び異形化される傾向にあるが、現在の導電性接着剤は、孔充填性に劣っている。これらの新たに出現している問題及び工業界自体のポリマーベースの導電性接着剤における導電性、接着性及び耐候性に対する要求が高いため、使用前に常温で保存でき、より良好な孔又は異形孔の充填性を有し、且つ導電性、接着性及び耐候性に優れた総合性能を有するポリマーベースの導電性接着剤を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、導電性接着剤の使用前の保存条件が厳しく、孔又は異形孔の充填性に劣るという従来技術における欠点を解決するために、導電性接着剤、原料組成物、電子部品、製造方法及び使用を提供することである。本発明で製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、優れた導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、優れた孔又は異形孔の充填能力を有する。
【0007】
本発明は、以下の技術的手段により前記課題を解決する。
【0008】
本発明は、ポリマーエラストマー樹脂、導電性粒子及びホットメルト粉末を含み、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記ホットメルト粉末との質量比が(4~17):(3~35)である、ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物を提供するものである。
【0009】
前記ポリマーエラストマー樹脂は、過酸化物によって架橋されたポリマーエラストマー樹脂である。
【0010】
前記ホットメルト粉末におけるホットメルトの軟化点は90℃以上である。
【0011】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂は、好ましくはエチレン、アクリル酸、シロキサンのうちの1つ又は複数を含むモノマーのポリマーエラストマー樹脂であり、より好ましくはエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂(CoPP)、エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)、エチレンオクテンコポリマー(POE)、エチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、エチレンヘキセンコポリマー(EH)のうちの1つ又は複数であり、例えばエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)、エチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)、エチレンオクテンコポリマー(POE)、エチレンヘキセンコポリマー(EH)、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂(CoPP)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)、「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)」、「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とフルオロシリコーンゴム(FVMQ)」、「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)」、「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンオクテンコポリマー(POE)」、「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)、エチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)とフルオロシリコーンゴム(FVMQ)」、「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とランダム共重合ポリプロピレン樹脂(CoPP)」、「エチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)とエチレンヘキセンコポリマー(EH)」、「エチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)とエチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)」又は「エチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)」である。
【0012】
ここで、前記エチレンアクリル酸ブロックコポリマーは、当分野で通常のエチレンアクリル酸ブロックコポリマーであってもよく、通常、エチレンとアクリル酸を共重合して製造されたポリマーのことをいう。
【0013】
前記エチレンアクリル酸ブロックコポリマーの酸価は、好ましくは37~225mgKOH/g(測定方法:305-OR-1)である。
【0014】
前記エチレンアクリル酸ブロックコポリマーにおけるアクリル酸の含有量は、好ましくは6~15%であり、例えば15%であり、パーセンテージは、前記エチレンアクリル酸ブロックコポリマーにおけるアクリル酸の重量パーセントである。
【0015】
前記エチレンアクリル酸ブロックコポリマーは、例えばエクソンモービルのEscor5200などの市販製品からも購入できる。
【0016】
ここで、前記ランダム共重合ポリプロピレン樹脂は、当分野で通常のランダム共重合ポリプロピレン樹脂であってもよく、通常、エチレンとプロピレンをランダム共重合して製造されたポリマーのことをいう。
【0017】
前記ランダム共重合ポリプロピレン樹脂におけるエチレンの含有量は9~16%(EMCC法による測定)であってもよく、例えば16%であり、パーセンテージは、前記ランダム共重合ポリプロピレン樹脂におけるエチレンの重量パーセントである。
【0018】
前記ランダム共重合ポリプロピレン樹脂は、例えばエクソンモービルのVistamaxx6102などの市販製品からも購入できる。
【0019】
ここで、前記エチレンn-ブチルアクリレートコポリマーは、当分野で通常のエチレンn-ブチルアクリレートコポリマーであってもよく、通常、エチレンとブチルアクリレートを共重合して製造されたエラストマーポリマーのことをいう。
【0020】
前記エチレンn-ブチルアクリレートコポリマーにおけるブチルアクリレートの含有量は、好ましくは30~35%であり、例えば32.5%であり、パーセンテージは、前記エチレンn-ブチルアクリレートコポリマーにおけるブチルアクリレートの重量パーセントである。
【0021】
前記エチレンn-ブチルアクリレートコポリマーは、例えばエクソンモービルのExxonMobil EnBA EN33331などの市販製品からも購入できる。
【0022】
ここで、前記エチレンオクテンコポリマーは、当分野で通常の前記エチレンオクテンコポリマーであってもよく、通常、エチレンとオクテンを共重合して製造される。
【0023】
前記エチレンオクテンコポリマーのメルトインデックスは、好ましくは0.2~30g/10分であり、例えば30g/10分である。
【0024】
前記エチレンオクテンコポリマーは、例えばダウケミカルのEngage8400などの市販製品からも購入できる。
【0025】
ここで、前記エチレンアクリル酸メチルコポリマーは、当分野で通常のエチレンアクリル酸メチルコポリマーであり、通常、エチレンとアクリル酸メチルをランダム共重合して製造される。
【0026】
前記エチレンアクリル酸メチルコポリマーにおけるアクリル酸メチルの含有量は、好ましくは18~24%であり、例えば24%であり、パーセンテージは、前記エチレンアクリル酸メチルコポリマーにおけるアクリル酸メチルの重量パーセントである。
【0027】
前記エチレンアクリル酸メチルコポリマーは、例えばエクソンモービルのOptema TC220 ExCoなどの市販製品からも購入できる。
【0028】
ここで、前記フルオロシリコーンゴムは、当分野で通常のフルオロシリコーンゴムであってもよく、通常、フッ素含有基側鎖を含むポリシロキサンエラストマー樹脂のことをいい、その性能はフッ素含有基の種類、フッ素含有基とポリシロキサンの比率と密接に関連している。例えばγ-トリフルオロプロピルメチルポリシロキサンは、トリフルオロプロピル側鎖を含み、シリコーンゴムとフッ素ゴムの特性を兼ね備えている。
【0029】
前記フルオロシリコーンゴムは、例えばダウコーニングのXIAMETER LS4-9060などの市販製品からも購入できる。
【0030】
ここで、前記エチレンヘキセンコポリマーは、当分野で通常のエチレンヘキセンコポリマーであってもよく、通常、エチレンとヘキセンを共重合して製造される。
【0031】
前記エチレンヘキセンコポリマーのメルトインデックスは、好ましくは1.1~17g/10分(AMSTD1238による測定)であり、例えば17g/10分である。
【0032】
前記エチレンヘキセンコポリマーは、例えばエクソンモービルのExact3040などの市販製品からも購入できる。
【0033】
本発明において、好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記ポリマーエラストマー樹脂の重量パーセントは4~17%であり、例えば4.47%、7.00%、8.00%、9.00%、11.47%、12.00%、13.00%、14.47%、16.50%又は17.00%である。
【0034】
本発明において、好ましくは、前記ポリマーエラストマー樹脂は、4.47~17%のEAA(例えば4.47%のEAA、7.00%のEAA、8.00%のEAA、9.00%のEAA、11.47%のEAA、12.00%のEAA、13.00%のEAA、14.47%のEAA、16.50%のEAA又は17.00%のEAA)、12~13%のFVMQ(例えば12%のFVMQ又は13%のFVMQ)、12%のPOE、12%のEH、12%のCoPP、12.00%のEBA、12.00%のEMA、「6.00%のEAAと6%のEMA」、「6.00%のEAAと6%のFVMQ」、「9.60%のEAAと2.40%のFVMQ」、「6.00%のEAAと6%のEBA」、「6.00%のEAAと6%のPOE」、「9.00%のEAAと3%のCoPP」、「6.00%のEMAと6%のEH」、「6.00%のEMAと6%のEBA」、「6.00%のEAAと6.00%のCoPP」、「10.40%のEAAと2.60%のEMA」、「2.60%のEAAと10.40%のEMA」、「9.10%のEAAと3.90%のEMA」、「3.90%のEAAと9.10%のEMA」、又は「5.60%のEAA、2.40%のFVMQと4.00%のEMA」であり、パーセンテージは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における重量パーセントである。
【0035】
本発明において、前記ホットメルト粉末は、当分野で通常のホットメルト粉末であってもよく、通常、ホットメルトを粉砕して得られる。
【0036】
ここで、前記ホットメルト粉末の粒子径は、当分野で通常の粒子径であってもよく、好ましくはD50は30μm未満であり、例えば20μm未満であり、さらに例えば10μm未満である。D50とは、粒子径がその粒子体積より大きい粒子が50%を占め、その粒子体積より小さい粒子が50%を占めることをいう。D50は、粉末の平均粒子サイズを示すためによく用いられる。
【0037】
ここで、前記ホットメルトは、当分野で通常のホットメルトであってもよく、通常、熱可塑性加工可能な接着剤のことをいう。当分野において、ホットメルトは通常、固体であり、包装、輸送、貯蔵の利便性が高く、無溶剤、無汚染であり、且つ製造工程が簡単で、付加価値が高く、スピードが速いなどという利点を有する。
【0038】
前記ホットメルトの軟化点は、好ましくは90~250℃であり、例えば100~250℃であり、より好ましくは90~167℃であり、例えば90℃、91℃、94℃、105℃、110℃、130℃、140℃又は167℃である。
【0039】
前記ホットメルトは、例えば東洋紡のVYLON 30P、GM-400、GM460、GM480、GM900、GM990、GK-390、RV-240及びRV-670のうちの1つ又は複数、さらに例えば上海天洋ホットメルトのPES-3110、PES-3112、PES-3115、PES-3122、PES-3130、PES-3140及びPES-3185のうちの1つ又は複数などの市販製品からも購入できる。
【0040】
前記ホットメルトは、好ましくはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー(SBS)及びポリウレタン樹脂のうちの1つ又は複数であり、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー又はポリウレタン樹脂である。
【0041】
前記ポリエステル樹脂は、当分野で通常のポリエステル樹脂であってもよく、通常、「ジオールと二塩基酸」又は「ポリオールと多塩基酸」の重縮合によって製造されるポリマーのことをいう。前記ポリエステル樹脂の軟化点は、好ましくは130℃~167℃であり、例えば130℃又は167℃である。前記ポリエステル樹脂は、例えば日本合成化学工業のPOLYESTER(例えばSP-176)、旭化成工業のHADDEC及び東洋紡のVYLON樹脂などの市販製品からも購入できる。
【0042】
前記ポリウレタン樹脂は、当分野で通常のポリウレタン樹脂であってもよく、通常、ポリマー分子の主鎖中にウレタン基を含むポリマーのことをいう。前記ポリウレタン樹脂の軟化点は、好ましくは100~110℃であり、例えば105℃である。前記ポリウレタン樹脂は、例えばヘンケル社のMacroplast QR5210及びQR4663、ボスティック社のSupergrip2000、3M社のJet Weld、Riechhold社のEver-Lock、フランクリン社のReactTITE及びHiPUR former、ロームアンドハース社のMor-Meltなど、上海遠智ホットメルトのU1101P及びU1105Gなどの市販製品からも購入できる。
【0043】
前記ポリアミド樹脂は、当分野で通常のポリアミド樹脂であってもよく、通常、ポリマーの主鎖の繰り返し単位にアミド基を含有するポリマーのことをいう。前記ポリアミド樹脂は、ラクタムを開環重合することで、又はジアミンと二塩基酸を重縮合することで製造される。前記ポリアミド樹脂の軟化点は、好ましくは105~115℃であり、例えば110℃である。前記ポリアミド樹脂は、例えば東亜合成工業のGANIBOND S-100、S-160及びS-200、PLATAMIDE H105、H005及びH104、上海遠智ホットメルトのH1001G、上海天洋ホットメルトのPA-6120、PA-6200、PA-6300、PA-6106、PA-7200、PA-7300及びPA-9801、仏山市利嘉達の立得宝PA-120などの市販製品からも購入できる。
【0044】
前記エチレン酢酸ビニルコポリマーは、当分野で通常のエチレン酢酸ビニルコポリマーであってもよく、通常、エチレンと酢酸ビニルを共重合することで製造される。前記エチレン酢酸ビニルコポリマーの軟化点は、好ましくは90~95℃であり、例えば91℃である。前記エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)は、例えばエクソンモービルのEscoreneシリーズ銘柄(さらに例えばEscorene Ultra LD 701.1D)などの市販製品からも購入できる。
【0045】
前記スチレン-ブタジエンブロックコポリマーは、当分野で通常のスチレン-ブタジエンブロックコポリマーであり、通常、スチレンとブタジエンを共重合することで製造されるブロックコポリマーのことをいい、プラスチック及びゴムの特性を兼ね備える。前記スチレン-ブタジエンブロックコポリマーの軟化点は、好ましくは90℃~91℃であり、例えば90℃である。前記スチレン-ブタジエンブロックコポリマー(SBS)は、例えばクレイトン社のD-1101、D-4122、巴陵石油化工のYH791、YH792、YH801、YH802、YH795及びYH805などの市販製品からも購入できる。
【0046】
前記スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーは、当分野で通常のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーであってもよく、通常、スチレン、エチレン及びブチレンを共重合することで製造されるブロックコポリマーのことをいい、プラスチック及びゴムの特性を兼ね備える。前記スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーの軟化点は、好ましくは135~145℃であり、例えば140℃である。前記スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(SEBS)は、例えば巴陵石油化工のYH-501及びYH-502、クレイトン社のGシリーズ銘柄などの市販製品からも購入できる。
【0047】
前記スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーは、当分野で通常のスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーであってもよく、通常、スチレンとイソプレンを共重合することで製造されるブロックコポリマーのことをいい、プラスチック及びゴムの特性を兼ね備える。前記スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーの軟化点は、好ましくは92~96℃であり、例えば94℃である。前記スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)は、例えば巴陵石油化工のYH-1105、YH-1209、YH-1106、YH-1124、YH-1126及びYH-4019、クレイトン社のD1113、D1161及びD1162などの市販製品からも購入できる。
【0048】
本発明において、好ましくは、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記ホットメルト粉末との質量比は、(4.47:34.88)~(16.5:3)であり、例えば17.00:17.26、7:17.26、8.00:11.26、9.00:20.26、12.00:17.26、4.47:34.88、11.47:27.79、14.47:14.73、11.47:7.79、16.50:3.00、13.00:16.20、12.00:17.38又は12.00:17.14であり、さらに7.00:17.13であってもよく、より好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記ホットメルト粉末の重量パーセントは3~35%であり、例えば3.00%、7.79%、11.26%、14.73%、16.20%、17.14%、17.26%、17.38%、20.26%、27.79%又は34.88%であり、さらに17.13%であってもよい。
【0049】
本発明において、前記ホットメルトは、好ましくは3.00~34.88%のポリエステル樹脂(例えば3.00%、7.79%、11.26%、14.73%、16.20%、17.14%、17.26%、17.38%、27.79%又は34.88%、さらに17.13%でもよい)、16.20~20.26%のポリウレタン樹脂(例えば16.20%、20.26%又は17.26%)、17.26%のポリアミド樹脂、17.26%のエチレン酢酸ビニルコポリマー、17.26%のスチレン-ブタジエンブロックコポリマー、17.26%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー又は17.26%のスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーである。
【0050】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂である。
【0051】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がランダム共重合ポリプロピレン樹脂(CoPP)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂である。
【0052】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂及び/又はエチレン酢酸ビニルコポリマーである。
【0053】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンヘキセンコポリマー(EH)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂である。
【0054】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはスチレン-ブタジエンブロックコポリマーである。
【0055】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がフルオロシリコーンゴム(FVMQ)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂である。
【0056】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンオクテンコポリマー(POE)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂である。
【0057】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とランダム共重合ポリプロピレン樹脂(CoPP)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂である。
【0058】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリアミド樹脂及び/又はスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーである。
【0059】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)とエチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(EBA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂である。
【0060】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)とエチレンヘキセンコポリマー(EH)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリエステル樹脂である。
【0061】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリウレタン樹脂である。
【0062】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とフルオロシリコーンゴム(FVMQ)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂及びスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーのうちの1つ又は複数であり、例えばポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂又はスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーである。
【0063】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)とエチレンアクリル酸メチルコポリマー(EMA)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマーである。
【0064】
本発明において、前記ポリマーエラストマー樹脂がエチレンアクリル酸ブロックコポリマー(EAA)とエチレンオクテンコポリマー(POE)である場合、前記ホットメルト粉末は、好ましくはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーである。
【0065】
本発明において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物において、前記ポリマーエラストマー樹脂とホットメルト粉末は、好ましくは、「12.00%のEAAと17.26%のポリエステル樹脂」、「17.00%のEAAと17.26%のポリエステル樹脂」、「7.00%のEAAと17.26%のポリエステル樹脂」、「8.00%のEAAと11.26%のポリエステル樹脂」、「9.00%のEAAと20.26%のポリウレタン樹脂」、「6.00%のEAA、6%のEMAと17.26%のポリウレタン樹脂」、「6.00%のEAA、6%のFVMQと17.26%のポリウレタン樹脂」、「9.60%のEAA、2.40%のFVMQと17.26%のポリアミド樹脂」、「6.00%のEAA、6%のEBAと17.26%のポリアミド樹脂」、「12.00%のEVAと17.26%のエチレン酢酸ビニルコポリマー」、「12.00%のEBAと17.26%のエチレン酢酸ビニルコポリマー」、「12.00%のEMAと17.26%のスチレン-ブタジエンブロックコポリマー」、「6.00%のEAA、6%のPOEと17.26%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー」、「6.00%のEAA、6%のEBAと17.26%のスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー」、「5.60%のEAA、2.40%のFVMQ、4.00%のEMAと17.26%のスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー」、「9.60%のEAA、2.40%のFVMQと17.26%のスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー」、「12%のFVMQと17.26%のポリエステル樹脂」、「12%のPOEと17.26%のポリエステル樹脂」、「12%のEHと17.26%のポリエステル樹脂」、「12%のCoPPと17.26%のポリエステル樹脂」、「6.00%のEAA、6.00%のCoPPと17.26%のポリエステル樹脂」、「9.00%のEAA、3%のCoPPと17.14%のポリエステル樹脂」、「6.00%のEMA、6%のEHと17.26%のポリエステル樹脂」、「12.00%のEBAと17.26%のポリエステル樹脂」、「6.00%のEMA、6%のEBAと17.26%のポリエステル樹脂」、「4.47%のEAAと34.88%のポリエステル樹脂」、「11.47%のEAAと27.79%のポリエステル樹脂」、「14.47%のEAAと14.73%のポリエステル樹脂」、「11.47%のEAAと7.79%のポリエステル樹脂」、「16.50%のEAAと3.00%のポリエステル樹脂」、「13.00%のEAAと16.20%のポリエステル樹脂」、「10.40%のEAA、2.60%のEMAと16.20%のポリウレタン樹脂」、「2.60%のEAA、10.40%のEMAと16.20%のポリウレタン樹脂」、「9.10%のEAA、3.90%のEMAと16.20%のポリウレタン樹脂」、「3.90%のEAA、9.10%のEMAと16.20%のポリウレタン樹脂」、「13%のFVMQと16.20%のポリウレタン樹脂」、「12.00%のEAAと17.38%ポリエステル樹脂」、「12.00%のEAAと17.14%ポリエステル樹脂」、又は「12.00%のEAAと17.38%のポリエステル樹脂」であり、さらに「12.00%のEAAと17.13%のポリエステル樹脂」であってもよく、パーセンテージは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における重量パーセントである。
【0066】
本発明において、前記導電性粒子は、当分野で通常の導電性粒子であってもよく、例えば金属粒子、非金属粒子及び表面金属層被覆粒子のうちの1つ又は複数であってもよい。
【0067】
ここで、前記金属粒子は金、銀、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、ビスマス、タングステン及び鉛のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0068】
ここで、前記非金属粒子はカーボンナノチューブ及び/又はグラフェンを含むが、これらに限定されない。前記カーボンナノチューブは、例えばNanocyl S.A.(ベルギー)のNC7000などの市販製品からも購入できる。
【0069】
ここで、前記表面金属層被覆粒子において、前記粒子の表面を被覆するために使用される金属は、金、銀及びニッケルのうちの1つ又は複数であってもよい。前記表面金属層被覆粒子は、好ましくは銀被覆銅粒子、銀被覆ガラス粒子、銀被覆ポリスチレン粒子及びニッケル被覆銅粒子のうちの1つ又は複数であり、好ましくは銀被覆銅粒子である。前記銀被覆銅粒子における銀含有量は、好ましくは10~15wt%であり、例えば10wt%又は11wt%であり、wt%は前記表面金属層被覆粒子における銀含有量の重量パーセントである。前記銀被覆銅粒子は、例えばAmes Goldsmith Corp.のFAC-610又はDowaホールディングスのCG-SAB-121などの市販製品からも購入できる。
【0070】
本発明において、前記導電性粒子の用量は、当分野で通常の用量であってもよく、好ましくは、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記導電性粒子との質量比は、(4~17):(40~85)であり、例えば12.00:70.00、17.00:65.00、7.00:75.00、8.00:80.00、9.00:70.00、4.47:60.00、11.47:60.00、14.47:70.00、11.47:80.00、16.50:79.00又は13.00:70.00であり、より好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記導電性粒子の重量パーセントは、40~85%であり、例えば50~80%であり、さらに例えば60%、65%、70%、75%、79%又は80%である。
【0071】
本発明において、前記導電性粒子は、好ましくは65.00~70.00%の銀含有量が11wt%である銀被覆銅粒子(例えば65.00%又は70.00%)、60.00~80.00%の銀含有量が10wt%である銀被覆銅粒子(例えば60.00%、70.00%、75.00%、79.00%又は80.00%)、「35.00%の銀含有量が11wt%である銀被覆銅粒子と35.00%の銀含有量が10wt%である銀被覆銅粒子」、「69.50%の銀含有量が11wt%である銀被覆銅粒子と0.50%のカーボンナノチューブ」、又は、「34.80%の銀含有量が11wt%である銀被覆銅粒子、34.80%の銀含有量が10wt%である銀被覆銅粒子と0.40%のカーボンナノチューブ」である。
【0072】
本発明において、前記導電性粒子のD50は、当分野で通常のD50であってもよく、好ましくは0.1~20μmであり、より好ましくは0.1~10μmである。
【0073】
本発明において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物はさらに、架橋剤、カップリング剤を含んでもよい。
【0074】
ここで、前記架橋剤は、当分野で通常の架橋剤であってもよく、例えばジクミルペルオキシド(DCP)、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン(DBPH)、ベンゾイルペルオキシド(BPO)、ジ-tert-ブチルペルオキシド(DTBP)、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(DBHP)、ジラウロイルペルオキシド(LPO)、tert-ブチルペルベンゾエート(TPB)、シクロヘキサノンペルオキシド(CYHP)、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(IPP)、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート(EHP)及びメチルエチルケトンペルオキシド(MEKP)のうちの1つ又は複数であってもよく、好ましくは、ジクミルペルオキシド(DCP)、ベンゾイルペルオキシド(BPO)、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(DBHP)、又は「ジクミルペルオキシド(DCP)とジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(DBHP)」である。
【0075】
前記ジクミルペルオキシド(DCP)は、例えば国薬(上海)国際医薬衛生有限公司が販売しているジクミルペルオキシドなどの市販製品からも購入できる。前記ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(DBHP)は、例えばアラジン(中国)が販売しているジクミルペルオキシドなどの市販製品からも購入できる。前記ベンゾイルペルオキシド(BPO)は、例えばアラジン(中国)が販売しているベンゾイルペルオキシドなどの市販製品からも購入できる。
【0076】
前記架橋剤の市販製品は、アクゾノーベル社のPerkadoxシリーズ製品、Trigonoxシリーズ製品、又はアルケマ社のLuperoxシリーズ製品をさらに含む。
【0077】
前記架橋剤の用量は、当分野で通常の用量であってもよく、好ましくは、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記架橋剤との質量比は、(4~17):(0.16~1)であり、例えば4.47:0.15、7.00:0.24、8.00:0.24、9.00:0.24、11.47:0.24、12.00:0.24、13.00:0.24、13.00:0.30、17.00:0.24、16.50:1.00、14.47:0.30、12.00:0.12、12.00:0.36又は13.00:0.36であり、より好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記架橋剤の重量パーセントが、0.12~1.0%であり、例えば0.12%、0.15%、0.24%、0.30%、0.36%又は1.0%である。
【0078】
ここで、前記カップリング剤は、当分野で通常のカップリング剤であってもよく、例えば3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(KH560)、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(KH550)及びグルタル酸(GA)のうちの1つ又は複数であり、さらに例えばKH560、KH550又はGAである。
【0079】
前記カップリング剤の用量は、当分野で通常の用量であってもよく、好ましくは、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記カップリング剤との質量比は、(4~17):(0.16~1)であり、例えば4.47:0.50、7.00:0.50、8.00:0.50、9.00:0.50、11.47:0.50、13.00:0.50、12.00:0.50、14.47:0.50、16.50:0.50又は17.00:0.50であり、より好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記カップリング剤の重量パーセントは、0.50%である。
【0080】
本発明において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、実際の製造過程における要求に応じて、他の通常の助剤を添加してもよい。
【0081】
ここで、他の通常の助剤は、界面活性剤であってもよく、前記界面活性剤は消泡剤及び/又はレベリング剤を含むが、これらに限定されない。
【0082】
前記界面活性剤は、好ましくはカチオン界面活性剤であり、例えばアミン塩型カチオン界面活性剤及び/又は第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤である。前記カチオン界面活性剤の親油基は、炭素10~18のアルキル鎖であってもよい。前記カチオン界面活性剤のアニオン基は、臭素、ヨウ素又は塩素であってもよい。
【0083】
前記界面活性剤は、好ましくはフルオロカーボンイオン界面活性剤である。
【0084】
前記ポリマーエラストマー樹脂と前記界面活性剤との質量比は、好ましくは(4~17):(0.01~0.05)であり、例えば7:0.02であり、より好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記界面活性剤の重量パーセントは、0.01~0.05%であり、例えば0.02%である。
【0085】
本発明において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物に、無機フィラー及び/又は帯電防止剤をさらに含んでもよい。
【0086】
ここで、前記無機フィラーは、当分野で通常の無機フィラーであってもよく、例えばヒュームドシリカである。前記ヒュームドシリカの粒子径は、7~200nmであってもよく、例えば16nmである。前記ヒュームドシリカは、例えばエボニック社のAEROSIL R972などの市販製品からも購入できる。
【0087】
ここで、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記無機フィラーとの質量比は、好ましくは(4~17):(0.05~0.15)であり、例えば7:0.08であり、より好ましくは、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記無機フィラーの重量パーセントは、0.05~0.15%であり、例えば0.08%である。
【0088】
ここで、前記帯電防止剤は、当分野で通常の帯電防止剤であってもよく、例えばカチオン性帯電防止剤、アニオン性帯電防止剤及びノニオン性帯電防止剤のうちの1つ又は複数である。前記帯電防止剤は、例えば山東聚力防静電科技有限公司のJI-WT4などの市販製品からも購入できる。
【0089】
ここで、前記ポリマーエラストマー樹脂と前記帯電防止剤との質量比は、好ましくは(4~17):(0.01~0.05)であり、例えば7:0.05であり、より好ましくは前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物における前記無機フィラーの重量パーセントは、0.01~0.05%であり、例えば0.03%である。
【0090】
ここで、前記無機フィラー及び/又は前記帯電防止剤は、ホットメルト粉末が粉砕過程で大きい粒子に再凝集すること、及び静電気が発生することを防止できる。
【0091】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。ポリマーエラストマー樹脂4~17%、銀被覆銅粉末50~85%、ホットメルト粉末3~35%、架橋剤0.16~1%、カップリング剤0.3~7%であり、パーセンテージは、前記原料組成物における重量パーセントである。
【0092】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0093】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA17%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)65%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0094】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA7%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)75%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP架橋剤0.24%、KH560 0.5%。
【0095】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA8%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)80%、ポリエステル樹脂11.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0096】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA9%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリウレタン樹脂20.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0097】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、EMA6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)35%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)35%、ポリウレタン樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0098】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、FVMQ6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)35%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)35%、ポリウレタン樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0099】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA9.6%、FVMQ2.4%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、ポリアミド樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0100】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、EBA6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、ポリアミド樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0101】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、EBA6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)69.5%、カーボンナノチューブ0.5%、ポリアミド樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0102】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EBA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)、エチレン酢酸ビニルコポリマー17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0103】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EMA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0104】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EMA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー17.26%、DCP0.12%、DBPH0.12%、KH560 0.5%。
【0105】
本発明の好ましい実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、POE6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー17.26%、DCP0.08%、DBPH0.16%、KH560 0.5%。
【0106】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、EBA6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー17.26%、DCP0.16%、DBPH0.08%、KH560 0.5%。
【0107】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、EBA6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)34.8%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%であう)34.8%、カーボンナノチューブ0.4%、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー17.26%、DBPH0.24%、KH560 0.5%。
【0108】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA5.6%、FVMQ2.4%、EMA4%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー17.26%、DCP0.24%、KH550 0.5%。
【0109】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA9.6%、FVMQ2.4%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー17.26%、DCP0.24%、GA0.5%。
【0110】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。FVMQ12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH550 0.5%。
【0111】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。POE12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH550 0.5%。
【0112】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EH12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH550 0.5%。
【0113】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。CoPP12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH550 0.5%。
【0114】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA6%、CoPP6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DBPH0.24%、KH550 0.5%。
【0115】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA9%、CoPP3%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.14%、DBPH0.36%、KH550 0.5%。
【0116】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EMA6%、EH6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH550 0.5%。
【0117】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EMA6%、EH6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0118】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EBA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0119】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EMA6%、EBA6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.26%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0120】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA4.47%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)60%、ポリエステル樹脂34.88%、DCP0.15%、KH560 0.5%。
【0121】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA11.47%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)60%、ポリエステル樹脂27.79%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0122】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA14.47%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂14.73%、DCP0.3%、KH560 0.5%。
【0123】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA11.47%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)80%、ポリエステル樹脂7.79%、DCP0.24%、KH560 0.5%。
【0124】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA16.5%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)79%、ポリエステル樹脂3%、DCP1%、KH560 0.5%。
【0125】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA13%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリエステル樹脂16.2%、BPO0.3%、KH550 0.5%。
【0126】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA10.4%、EMA2.6%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリウレタン樹脂16.2%、DBPH0.3%、KH550 0.5%。
【0127】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA2.6%、EMA10.4%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリウレタン樹脂16.2%、DBPH0.3%、KH550 0.5%。
【0128】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA9.1%、EMA3.9%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリウレタン樹脂16.2%、DBPH0.3%、KH550 0.5%。
【0129】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA3.9%、EMA9.1%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリウレタン樹脂16.2%、DBPH0.3%、KH550 0.5%。
【0130】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。FVMQ13%、銀被覆銅粒子(銀含有量は10wt%である)70%、ポリウレタン樹脂16.2%、DBPH0.15%、DCP0.15%、KH550 0.5%。
【0131】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.38%、DCP0.12%、KH560 0.5%。
【0132】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.14%、DCP0.36%、KH560 0.5%。
【0133】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA12%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)70%、ポリエステル樹脂17.38%、DBPH0.12%、KH560 0.5%。
【0134】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。ポリマーエラストマー樹脂4~17%、導電性粒子50~85%、ホットメルト粉末3~35%、架橋剤0.16~1%、カップリング剤0.3~7%、界面活性剤0.01~0.05%、無機フィラー0.05~0.15%、帯電防止剤0.01~0.05%であり、パーセンテージは、前記原料組成物における重量パーセントである。
【0135】
本発明の好ましい1つの実施形態において、前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物は、以下の重量パーセントの成分を含む。EAA7%、銀被覆銅粒子(銀含有量は11wt%である)75%、ポリエステル樹脂17.13%、DCP0.24%、KH560 0.5%、フルオロカーボンイオン界面活性剤0.02%、ヒュームドシリカ0.08%、帯電防止剤0.03%。
【0136】
本発明は、さらに前記ポリマーベースの導電性接着剤の原料組成物を用いてポリマーベースの導電性接着剤を製造する方法を提供するものであり、架橋剤のある条件下で、ポリマーエラストマー樹脂、導電性粒子及びホットメルト粉末を粉砕して均質に混合することにより、製造できる。
【0137】
当業者であれば、ポリマーベースの導電性接着剤の製造過程において、当分野で通常の方法に従って架橋剤を添加して、各成分を架橋重合させることで、ポリマーベースの導電性接着剤を製造できることを知っている。
【0138】
ここで、前記ポリマーエラストマー樹脂、前記導電性粒子及び前記ホットメルト粉末の定義は前述のとおりである。
【0139】
ここで、前記粉砕して均質に混合する工程は、当分野の通常工程であってもよく、好ましくは、前記粉砕して均質に混合する工程は、下記ステップを含む。
【0140】
(1)ポリマーエラストマー樹脂の溶液、導電性粒子及びホットメルト粉末を1回目に混合することで、混合物Aが得られ、前記ポリマーエラストマー樹脂の溶液は、ポリマーエラストマー樹脂と溶媒を混合して得られ、前記ポリマーエラストマー樹脂、導電性粒子及びホットメルト粉末の定義は前述のとおりである。
【0141】
(2)架橋剤とステップ(1)で得られた前記混合物Aを2回目に混合することで得られた混合物Bを、粉砕すればよい。
【0142】
前記原料組成物がカップリング剤及び他の通常の助剤をさらに含む場合、架橋剤、カップリング剤、他の通常の助剤及びステップ(1)で得られた前記混合物Aを2回目に混合することで、混合物Cが得られればよい。
【0143】
前記原料組成物が無機フィラー及び/又は帯電防止剤をさらに含む場合、前記ホットメルト粉末の製造過程において、「前記無機フィラー及び/又は前記帯電防止剤」と前記ホットメルト粉末を混合することで、混合物A’が得られ、さらに前記ポリマーエラストマー樹脂の溶液、前記導電性粒子を混合して、前記1回目に混合することで、混合物Aが得られる。
【0144】
前記架橋剤、前記カップリング剤、前記無機フィラー、前記帯電防止剤及び前記他の通常の助剤の定義は、前述のとおりである。
【0145】
本発明において、「1回目」及び「2回目」という用語は、特別な意味はなく、単に混合する順番を示している。
【0146】
ステップ(1)において、前記溶媒は当分野で通常のポリマーエラストマー樹脂を溶解できる溶媒であってもよく、例えばジイソブチルケトン(DIBK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン(ANONE)、イソホロン(IPO)、酢酸エチル(EAC)及び酢酸イソブチル(IBAC)のうちの1つ又は複数であり、さらに例えばジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン(ANONE)、イソホロン(IPO)、酢酸エチル(EAC)、酢酸イソブチル(IBAC)、又は「メチルイソブチルケトン(MIBK)とジイソブチルケトン(DIBK)」である。前記「メチルイソブチルケトン(MIBK)とジイソブチルケトン(DIBK)」におけるメチルイソブチルケトン(MIBK)とジイソブチルケトン(DIBK)との質量比は、好ましくは5:5である。
【0147】
ステップ(1)において、前記溶媒の用量は、当分野で通常の用量であり、例えば前記ポリマーエラストマー樹脂と前記溶媒との質量比は1:2である。
【0148】
ステップ(1)において、前記ポリマーエラストマー樹脂と溶媒を混合する温度は、当分野で通常の温度、例えば40~80℃の水浴温度であってもよい。前記ポリマーエラストマー樹脂と溶媒を混合する時間は、当分野で通常の時間、例えば2時間であってもよい。好ましくは、前記ポリマーエラストマー樹脂を前記溶媒に溶解させてから、さらに室温で攪拌することで、ポリマーエラストマー樹脂の溶液が得られる。前記攪拌時間は、好ましくは3時間である。前記室温とは、通常25℃のことをいう。
【0149】
ステップ(2)において、好ましくは、前記「2回目の混合」が予備混合、混合、脱泡及び再混合の工程を含むことで、混合物B又は混合物Cをより均質化できる。
【0150】
前記「2回目の混合」における予備混合の回転数は、好ましくは350~450rmpであり、例えば400rmpである。前記「2回目の混合」における予備混合時間は、好ましくは15~45秒であり、例えば30秒である。
【0151】
前記「2回目の混合」における混合の回転数は、好ましくは1800~2200rmpであり、例えば2000rmpである。前記「2回目の混合」における混合時間は、好ましくは1~3分であり、例えば2分又は3分である。
【0152】
前記「2回目の混合」における脱泡の回転数は、好ましくは2000~2500rmpであり、例えば2200rmpである。前記「2回目の混合」における脱泡時間は、好ましくは1~3分であり、例えば2分である。
【0153】
前記「2回目の混合」における再混合の回転数は、好ましくは1800~2200rmpであり、例えば2000rmpである。前記「2回目の混合」における再混合時間は、好ましくは15~45秒であり、例えば30秒である。
【0154】
ステップ(2)において、好ましくは、前記混合物B又は混合物Cをミルで粉砕する。前記ミルは、好ましくは3本ロールミルである。前記粉砕時間は、好ましくは4~6分であり、例えば5分である。好ましくは、前記粉砕と同時に、ステップ(1)における前記溶媒を滴下し、滴下量は当分野で通常の量であり、粉砕して、滑らかにする効果があればよく、例えば10~100mlである。
【0155】
本発明は、さらに前記製造方法によって製造されたポリマーベースの導電性接着剤を提供する。
【0156】
ここで、前記ポリマーベースの導電性接着剤の接着強度は、好ましくは8.5~16.2N/cmであり、例えば8.5N/cm、9N/cm、9.1N/cm、9.2N/cm、9.5N/cm、9.6N/cm、9.7N/cm、9.8N/cm、9.9N/cm、10.1N/cm、10.5N/cm、10.9N/cm、11N/cm、11.1N/cm、11.2N/cm、11.3N/cm、11.4N/cm、11.5N/cm、11.6N/cm、11.7N/cm、11.8N/cm、12N/cm、12.4N/cm、14.1N/cm、15.1N/cm又は16.2N/cmである。
【0157】
ここで、前記ポリマーベースの導電性接着剤の細孔電気抵抗(孔径0.5mm)は、好ましくは0.1~0.74Ohmであり、例えば0.1Ohm、0.11Ohm、0.14Ohm、0.16Ohm、0.2Ohm、0.21Ohm、0.22Ohm、0.23Ohm、0.24Ohm、0.25Ohm、0.26Ohm、0.27Ohm、0.3Ohm、0.31Ohm、0.32Ohm、0.33Ohm、0.34Ohm、0.35Ohm、0.36Ohm、0.38Ohm、0.4Ohm、0.72Ohm又は0.74Ohmである。
【0158】
本発明は、さらに前記ポリマーベースの導電性接着剤の接着剤としての使用を提供する。
【0159】
本発明は、さらに前記ポリマーベースの導電性接着剤を含む接着剤を提供する。
【0160】
本発明は、さらに前記ポリマーベースの導電性接着剤を含む電子部品を提供する。
【0161】
本発明において、前記電子部品は、当分野で通常の電子製品を構成する部品であってもよく、例えばCMOSカメラモジュール、指紋モジュール、SIMカードホルダー、充電コネクタ及びアンテナコネクタのうちの1つ又は複数である。
【0162】
本発明において、各略称に対応する正式名称は以下のとおりである。
EAA:エチレンアクリル酸ブロックコポリマー。CoPP:ランダム共重合ポリプロピレン樹脂。
EMA:エチレンアクリル酸メチルコポリマー。EBA:エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー。
EH:エチレンヘキセンコポリマー。POE:エチレンオクテンコポリマー。
FVMQ:フルオロシリコーンゴム。EVA:エチレン酢酸ビニルコポリマー。
SIS:スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー。
SEBS:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー。
SBS:スチレン-ブタジエンブロックコポリマー。
DCP:ジクミルペルオキシド。
DBPH:2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン。
BPO:ベンゾイルペルオキシド。
DTBP:ジ-tert-ブチルペルオキシド。
DBHP:ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド。
LPO:ジラウロイルペルオキシド。
TPB:tert-ブチルペルベンゾエート。
CYHP:シクロヘキサノンペルオキシド。
IPP:ジイソプロピルペルオキシジカーボネート。
EHP:ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート。
MEKP:メチルエチルケトンペルオキシド。
KH560:3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン。
KH550:γ-アミノプロピルトリエトキシシラン。
GA:グルタル酸。
DIBK:ジイソブチルケトン。
MIBK:メチルイソブチルケトン。
ANONE:シクロヘキサノン。
IPO:イソホロン。
EAC:酢酸エチル。
IBAC:酢酸イソブチル。
【0163】
当分野の常識に基づき、前記の各好ましい条件を任意に組み合わせると、本発明の好ましい各実施形態が得られる。
【0164】
本発明において使用される試薬及び原料はいずれも、市販されている。
【0165】
本発明の有利な効果は以下のとおりである。
【0166】
(1)本発明により製造されたポリマーベースの導電性接着剤の接着強度は8.5~16.2N/cmであり、接着性が良好であり、細孔電気抵抗(孔径0.5mm)は0.1~0.74Ohmであり、電気抵抗が小さく、導電性は良好であり、はんだリフロー後の細孔電気抵抗、接着性には顕著な変化がなく、-45℃~125℃で100回の冷熱衝撃後、85℃/85%の湿度状況下で500時間経ったら、その細孔電気抵抗(孔径0.5mm)に顕著な変化がなく、耐候性は良好である。本発明により製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、総合性能に優れている。
【0167】
(2)本発明により製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、円形孔、方形孔、矩形孔及び星形孔などの様々な形状の孔径にいずれも充填でき、細孔電気抵抗が小さいことから、本発明により製造されたポリマーベースの導電性接着剤は細孔又は異形孔に対する充填性に優れていることを示している。
【0168】
(3)本発明により製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、様々な温度で硬化成形し、その全体的な粘度は低いレベルを維持し、流動性が良好である。
【0169】
(4)本発明により製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、常温で保存できる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
図1】実施例1で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の70℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図2】実施例1で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図3】実施例1で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を、160℃の条件下で3600秒硬化させ、70℃まで温度を下げた後の弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図4】実施例1、40、41で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図5】実施例1、40、41で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を、160℃の条件下で硬化させ、70℃まで温度を下げた後の弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図6】実施例42で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の70℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図7】実施例42で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図8】実施例42で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を、160℃の条件下で3600秒硬化させ、70℃まで温度を下げた後の弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図9】比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の70℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図10】比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図11】比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を、160℃の条件下で1800秒硬化させ、70℃まで温度を下げた後の弾性率及び粘度の経時変化を示す図である。
図12】実施例1、実施例42及び比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0171】
以下に本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における具体的な条件を示していない試験方法は、通常の方法及び条件に基づいて選択するか、又は商品の説明書に基づいて選択する。
【0172】
下記の実施例において以下のとおりである。
EAA:エチレンアクリル酸ブロックコポリマー、エクソンモービルのEscor5200であり、ここで、アクリル酸の含有量は15wt%である。
CoPP:ランダム共重合ポリプロピレン樹脂、エクソンモービルのVistamaxx 6102であり、ここで、エチレンの含有量は16wt%である。
EMA:エチレンアクリル酸メチルコポリマー、エクソンモービルのOptema TC220 ExCoであり、ここで、アクリル酸メチルの含有量は24wt%である。
EBA:エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー、エクソンモービルのExxonMobil EnBA EN33331であり、ここで、ブチルアクリレートの含有量は32.5wt%である。
EH:エチレンヘキセンコポリマー、エクソンモービルのExact3040であり、エチレンヘキセンコポリマーのメルトインデックスは17g/10分である。
POE:エチレンオクテンコポリマー、ダウケミカルのEngage 8400であり、エチレンヘキセンコポリマーのメルトインデックスは30g/10分である。
FVMQ:フルオロシリコーンゴム、ダウコーニングのXIAMETER LS4-9060。
DCP:ジクミルペルオキシド、国薬(上海)国際医薬衛生有限公司。
DBPH:2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、アラジン(中国)。
BPO:ベンゾイルペルオキシド、アラジン(中国)。
KH560:3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、アラジン(中国)。
KH550:γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、アラジン(中国)。
GA:グルタル酸、アラジン(中国)。
SS:フルオロカーボンイオン界面活性剤、宏順、3500。
AS:ヒュームドシリカ、エヴォニック社のAEROSIL R972。
UA:帯電防止剤、山東聚楽防静電科技有限公司のJI-WT4。
ホットメルト-1:ポリエステル樹脂、東洋紡(Toyobo)のVylon GA13011(軟化点167℃)。
ホットメルト-2:ポリエステル樹脂、日本合成化学のNICHIGO-POLYESTER、SP-176(軟化点130℃)。
ホットメルト-3:ポリウレタン樹脂、ヘンケル社のMacroplast QR5210(軟化点105℃)。
ホットメルト-4:ポリアミド樹脂、上海遠智ホットメルトのH1001G(軟化点110℃)。
ホットメルト-5:ポリアミド樹脂、上海天洋ホットメルトのPA-6200(軟化点110℃)。
ホットメルト-6:エチレン酢酸ビニルコポリマー、エクソンモービルのEscorene Ultra LD 701.1D(軟化点91℃)。
ホットメルト-7:スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、D-1101B(軟化点90℃)。
ホットメルト-8:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、巴陵石油化工のYH-501(軟化点140℃)。
ホットメルト-9:スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、クレイトン社のD-1113B(軟化点94℃)。
導電性粒子-1:銀被覆銅、DowaホールディングスのCG-SAB-121(銀含有量は11wt%である)。
導電性粒子-2:銀被覆銅、Ames Goldsmith Corp.のFAC-610(銀含有量は10wt%である)。
導電性粒子-3:カーボンナノチューブ、Nanocyl S.A.(ベルギー)のNC7000。
【0173】
下記の比較例において以下のとおりである。
FE:フッ素ゴム、デュポン社のViton GBL600。
FE-1:フッ素ゴム、Chemours CompanyのViton GF200S。
EAA1:エチレンアクリル酸ブロックコポリマー、デュポン社のVamac DP。
PE:高密度ポリエチレン(HDPE)、2911、撫順エチレン化工有限公司。
TPSiV:熱可塑性硫化シリコーンゴム、ダウコーニングのTPSiV3345-65A NAT 25564。
PMMA:半架橋のポリメチルメタアクリレート粒子、Heyo Enterprise(台湾)のAC15―F。
ホットメルト10:エチレン酢酸ビニルコポリマー、エクソンモービルのEscorene Ultra AD2528(軟化点73℃)。
ホットメルト11:コポリエーテルエステルポリマー、デュポン(中国)のHytrel3078。
シリカ粉末-架橋シリコーンゴム粉末、深セン海揚粉体科技有限公司のHY-610。
EP:エポキシ樹脂、済寧華凱樹脂の宏昌E-128。
硬化剤:済寧華凱樹脂の潜在性エポキシ硬化剤。
促進剤:済寧華凱樹脂の2-エチル-4-メチルイミダゾール。
消泡剤:済寧華凱樹脂の硝酸トリブチル。
TAIC:架橋助剤、トリアリルイソシアヌレート、デュポンのDiak7。
Glymo:架橋助剤、3-(2,3-グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン、国薬(上海)国際医薬衛生有限公司。
導電性粒子-4:銀被覆銅、韓国JoinのMTCSP0415とTCFL0713を3:2の質量比で混合した粒子。
【0174】
以下の実施例及び比較例の原料配合において、ホットメルトはホットメルト粉末の形態で存在し、当分野で通常の粉砕方法によって、ホットメルトをD50が20μm未満のホットメルト粉末(300メッシュの篩によって得られる)まで粉砕すればよい。
【0175】
実施例1
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含むもの。
【0176】
性能試験を行うためのサンプルの製造方法は以下のとおりである。
(1)ポリマーベースの導電性接着剤の製造
1.7.2gのEAAと14.4gのジイソブチルケトン(DIBK)をビーカーに添加し、70℃の水浴条件下で2時間機械攪拌し、マトリックスを溶解してから、さらに室温で3時間攪拌すると、均質なポリマー溶液が得られた。
【0177】
2.ステップ1で得られたポリマー溶液をプラスチックビーカーに入れ、42gの導電性粒子-1及び10.356gのホットメルト-1を添加して、さらに0.144gの架橋剤DCP及び0.3gのカップリング剤KH560を順に添加した。
【0178】
3.原料を攪拌機で混合し、400rpmで30秒予備混合し、2000rpmで3分混合し、2200rpmで2分脱泡して、さらに2000rpmで30秒混合するという混合過程を実施した。最終的に、均質に混合されたコロイドが得られた。
【0179】
4.コロイドを3本ロールミルで、5分粉砕し、粉砕すると同時に、少量のDIBK溶媒を滴下し、粉砕したコロイドを収集すると、ポリマーベースの導電性接着剤が得られた。
【0180】
(2)ポリマーベースの導電性接着剤の成形
【0181】
1.コロイドを、450g/mの用量で厚さが約60μmになるように離形フィルムに塗布した。ニッケルメッキ鋼板をコロイド膜に置いて、130℃、0.6MPaの条件下で8秒硬化させて、離形フィルムを剥離すると、サンプルが得られた。
【0182】
2.特定のサイズ又は形状の孔(全実施例において、特に説明がない限り、電気性能試験において径0.5mmの円形孔、接着性試験において幅1cmのストライプ孔である)を予め形成したカバーフィルムを銅箔と接着させた。
【0183】
3.ステップ1で剥離したコロイドをステップ2で得られた被覆膜に塗布し、ニッケルメッキ鋼板を孔の上に被せ、150℃、4MPaの条件下で5分プレスしてから、160℃のオーブンで1時間硬化させた。
【0184】
実施例2~43のポリマーベースの導電性接着剤の製造及びポリマーベースの導電性接着剤の成形の操作は、実施例1と同じである。
【0185】
ポリマーベースの導電性接着剤の製造過程において、各実施例における様々なポリマーマトリックスは、当該ポリマーに適合する特定の溶媒又は混合溶媒を選択する必要があり、具体的には下表1に示すとおりである。
【0186】
【表1】
【0187】
各実施例の具体的な調製は以下に示すとおりである。
【0188】
実施例2
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(17%)、導電性粒子-1(65%)、ホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含むもの。
【0189】
実施例3
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(7%)、導電性粒子-2(75%)、ホットメルト-2(17.26%)、DCP架橋剤(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含むもの。
【0190】
実施例4
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(8%)、導電性粒子-2(80%)、ホットメルト-2(11.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0191】
実施例5
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(9%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-3(20.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0192】
実施例6
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、EMA(6%)、導電性粒子-1(35%)、導電性粒子-2(35%)、ホットメルト-3(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0193】
実施例7
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、FVMQ(6%)、導電性粒子-1(35%)、導電性粒子-2(35%)、ホットメルト-3(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0194】
実施例8
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(9.6%)、FVMQ(2.4%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-4(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0195】
実施例9
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、EBA(6%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-4(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0196】
実施例10
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、EBA(6%)、導電性粒子-1(69.5%)、導電性粒子-3(0.5%)、ホットメルト-5(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0197】
実施例11
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EBA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-6(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0198】
実施例12
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EMA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-7(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0199】
実施例13
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EMA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-7(17.26%)、DCP(0.12%)、DBPH(0.12%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0200】
実施例14
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、POE(6%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-8(17.26%)、DCP(0.08%)、DBPH(0.16%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0201】
実施例15
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、EBA(6%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-9(17.26%)、DCP(0.16%)、DBPH(0.08%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0202】
実施例16
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、EBA(6%)、導電性粒子-1(34.8%)、導電性粒子-2(34.8%)、導電性粒子-3(0.4%)、ホットメルト-9(17.26%)、DBPH(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0203】
実施例17
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(5.6%)、FVMQ(2.4%)、EMA(4%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-9(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0204】
実施例18
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(9.6%)、FVMQ(2.4%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-9(17.26%)、DCP(0.24%)、GA(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0205】
実施例19
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、FVMQ(12%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0206】
実施例20
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、POE(12%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0207】
実施例21
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EH(12%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0208】
実施例22
【0209】
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、CoPP(12%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0210】
実施例23
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(6%)、CoPP(6%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(17.26%)、DBPH(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0211】
実施例24
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(9%)、CoPP(3%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(17.14%)、DBPH(0.36%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0212】
実施例25
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EMA(6%)、EH(6%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0213】
実施例26
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EMA(6%)、EH(6%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0214】
実施例27
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EBA(12%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0215】
実施例28
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EMA(6%)、EBA(6%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(17.26%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0216】
実施例29
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(4.47%)、導電性粒子-2(60%)、ホットメルト-2(34.88%)、DCP(0.15%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0217】
実施例30
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(11.47%)、導電性粒子-2(60%)、ホットメルト-2(27.79%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0218】
実施例31
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(14.47%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(14.73%)、DCP(0.3%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0219】
実施例32
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(11.47%)、導電性粒子-2(80%)、ホットメルト-2(7.79%)、DCP(0.24%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0220】
実施例33
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(16.5%)、導電性粒子-2(79%)、ホットメルト-2(3%)、DCP(1%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0221】
実施例34
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(13%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-2(16.2%)、BPO(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0222】
実施例35
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(10.4%)、EMA(2.6%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0223】
実施例36
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(2.6%)、EMA(10.4%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0224】
実施例37
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(9.1%)、EMA(3.9%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0225】
実施例38
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(3.9%)、EMA(9.1%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0226】
実施例39
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、FVMQ(13%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-3(16.2%)、DBPH(0.15%)、DCP(0.15%)、KH550(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0227】
実施例40
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-1(17.38%)、DCP(0.12%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0228】
実施例41
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-1(17.14%)、DCP(0.36%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0229】
実施例42
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(12%)、導電性粒子-1(70%)、ホットメルト-1(17.38%)、DBPH(0.12%)、KH560(0.5%)の重量パーセントの原料を含む。
【0230】
実施例43
より良好な導電性、接着性及び耐候性を有し、且つ使用前に低温保存をすることを必要とせず、より強い細孔又は異形孔の充填能力を有するポリマーベースの導電性接着剤であって、EAA(7%)、導電性粒子-2(75%)、ホットメルト-2(17.13%)、DCP架橋剤(0.24%)、KH560(0.5%)、SS(0.02%)、AS(0.08%)、UA(0.03%)の重量パーセントの原料を含む。
【0231】
実施例43のポリマーベースの導電性接着剤の製造方法は以下のとおりである。
【0232】
(1)AS、UA及びホットメルト-2を混合し、この条件下で、ホットメルトをD50が20μm未満のホットメルト粉末(300メッシュの篩によって得られる)になるまで粉砕すればよい。
【0233】
(2)ポリマーエラストマー樹脂の溶液の製造は、実施例1と同じである。
【0234】
(3)ステップ(2)で得られたポリマー溶液をプラスチックビーカーに入れ、導電性粒子-1及びステップ(1)で得られたホットメルト粉末を添加して、さらに架橋剤DCP、カップリング剤KH560及び界面活性剤SSを順に添加した。他は実施例1と同じである。
【0235】
下記の比較例1~2及び比較例5~11におけるポリマーベースの導電性接着剤の製造及び成形方法は、実施例1と同じである。
【0236】
ポリマーベースの導電性接着剤の製造過程において、各比較例における様々なポリマーマトリックスについて、当該ポリマーに適合する特定の溶媒又は混合溶媒を選択する必要があり、具体的に下表2に示すとおりである。
【0237】
【表2】
【0238】
比較例3のエポキシ系導電性接着剤の製造方法は以下のとおりである。
【0239】
1.EP、導電性粒子-2、KH550、硬化剤、促進剤及び消泡剤を含む各原料を、攪拌機で均質に混合し、400rpmで30秒予備混合し、2000rpmで3分混合し、2200rpmで2分脱泡して、2000rpmで30秒混合するという混合過程を実施した。最終的に、均質に混合されたコロイドが得られた。
【0240】
2.コロイドを3本ロールミルで、5分粉砕し、粉砕したコロイドを収集すると、エポキシ系導電性接着剤が得られた。
【0241】
導電性接着剤成形の製造方法は実施例1と同じである。
【0242】
比較例3の導電性テープの成形方法は実施例1と同じである。
【0243】
比較例4の導電性テープは、市販製品であり、実施例1の成形方法に従って処理した後に性能試験を直接行うことができる。
【0244】
各比較例の具体的な調製は以下に示すとおりである。
【0245】
比較例1
原料は、重量パーセントで、FE(4%)、EAA(6%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、PMMA(14.82%)、DBPH(0.08%)、DCP(0.12%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0246】
比較例2
原料は、重量パーセントで、FE(8%)、EAA(2%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、PMMA(14.82%)、DBPH(0.16%)、DCP(0.04%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0247】
比較例3(エポキシ系)
原料は、重量パーセントで、EP(20%)、導電性粒子-2(70%)、KH550(0.5%)、硬化剤(9.26%)、促進剤(0.2%)、消泡剤(0.04%)を含む。
【0248】
比較例4
導電性テープ、タツタのCBF300(アリババ)。
【0249】
比較例5
原料は、重量パーセントで、EAA(4%)、導電性粒子-2(55%)、ホットメルト-1(40.2%)、DBPH(0.15%)、DCP(0.15%)、KH550(0.5%)を含む。
【0250】
比較例6
原料は、重量パーセントで、EAA(28%)、導電性粒子-2(60%)、ホットメルト-1(11.2%)、DBPH(0.15%)、DCP(0.15%)、KH550(0.5%)を含む。
【0251】
比較例7
原料は、重量パーセントで、EAA(9.1%)、EMA(3.9%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-10(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)を含む。
【0252】
比較例8
原料は、重量パーセントで、PE(13%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)を含む。
【0253】
比較例9
原料は、重量パーセントで、TPSiV(13%)、導電性粒子-2(70%)、ホットメルト-1(16.2%)、DBPH(0.3%)、KH550(0.5%)を含む。
【0254】
比較例10
原料は、重量パーセントで、FE(14.45%)、EAA(14.45%)、導電性粒子-2(70%)、DBPH(0.3%)、DCP(0.3%)、KH550(0.5%)を含む。
【0255】
比較例11
原料は、重量パーセントで、FE(4%)、EAA(6%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、シリカ粉末(14.82%)、DBPH(0.08%)、DCP(0.12%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0256】
比較例12
原料は、重量パーセントで、FE(4%)、EAA1(6%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、PMMA(14.82%)、DBPH(0.08%)、DCP(0.12%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0257】
比較例13
原料は、重量パーセントで、FE(8%)、EAA1(2%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、PMMA(14.82%)、DBPH(0.16%)、DCP(0.04%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0258】
比較例14
原料は、重量パーセントで、FE(14.45%)、EAA1(14.45%)、導電性粒子-2(70%)、DBPH(0.3%)、DCP(0.3%)、KH550(0.5%)を含む。
【0259】
比較例15
原料は、重量パーセントで、FE(4%)、EAA1(6%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、シリカ粉末(14.82%)、DBPH(0.08%)、DCP(0.12%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0260】
比較例16
原料は、重量パーセントで、FE-1(4%)、EAA1(6%)、導電性粒子-4(60%)、ホットメルト-11(14.82%)、PMMA(14.82%)、DBPH(0.08%)、DCP(0.12%)、TAIC(0.15%)、Glymo(0.01%)を含む。
【0261】
効果実施例1
実施例1~43で製造された成形ポリマーベースの導電性接着剤を取り、その接着性、細孔電気抵抗、はんだリフロー後の細孔電気抵抗及び接着性、100回の冷熱衝撃後の細孔電気抵抗、並びに85℃/湿度85%の状況下での500時間後の細孔電気抵抗を測定すると同時に、気泡及び脱層現象の有無を肉眼で観察した。
【0262】
具体的な測定方法は下記のとおりである。
【0263】
接着性試験:各実施例で製造された導電性接着剤を、ニッケルメッキ鋼板及びカバーフィルムの間に付着させ、サンプルの幅は1cmである。カバーフィルムを、引張機を用いて90°の角度で剥離させた。引張速度は50mm/分であり、引張装置はInstron5567である。
【0264】
細孔電気抵抗:各実施例で製造された導電性接着剤に、コロイド成形及び孔充填を行ってから、室温で2点法により細孔電気抵抗を測定した。試験機器はKeithley6487である。
【0265】
冷熱衝撃:JEDEC規格のJESD22-A106Bに基づいて、15秒の温度変換時間で-45℃から125℃にして、高温及び低温における滞留時間はそれぞれ5分ずつであり、それを100回実施して測定した。試験装置は東莞市瑞凱環境検測機器有限公司のR-TS-49(A-D)である。
【0266】
耐熱老化試験:85℃及び湿度85%の状況下で500時間老化させ、試験装置は東莞市瑞凱環境検測機器有限公司のR-PTH-100Sである。
【0267】
はんだリフロー:265℃で10秒を(3回)、288℃で10秒を(3回)行い、試験装置は錫溶解炉の白鶴TXD-S 060である。
【0268】
具体的なデータは下表3に示すとおりである。
【0269】
【表3(1)】
【表3(2)】
【0270】
効果実施例2
比較例1~3、比較例5~16で製造された成形ポリマーベースの導電性接着剤、及び比較例4の市販の導電性テープを用いて製造した成形ポリマーベースの導電性接着剤を取り、その接着性及び細孔電気抵抗、はんだリフロー後の細孔電気抵抗及び接着性、100回の冷熱衝撃後の細孔電気抵抗、並びに85℃/湿度85%の状況下での500時間後の細孔電気抵抗を測定した。
【0271】
測定方法は、効果実施例1と同じである。
【0272】
具体的なデータは下表4に示すとおりである。
【0273】
【表4】
【0274】
効果実施例3
実施例1、18で製造されたポリマーベースの導電性接着剤、及び比較例4の市販の導電性テープを取り、実施例1の成形方法に従って、前記導電性接着剤の様々な孔のサイズ及び形状の条件下における細孔電気抵抗を測定した。
【0275】
測定方法は、効果実施例1と同じである。
【0276】
具体的なデータは下表5に示すとおりである。
【0277】
【表5】
【0278】
効果実施例4 レオロジー特性試験
本効果実施例におけるレオロジー試験(弾性率及び粘度を含む試験)の条件は以下のとおりである。
装置:マルバーン社の回転式レオメーター(Gemini200 HR、Bohlin Instrument、UK)
試験温度:70℃、160℃
剪断周波数:1Hz
剪断歪み:0.5%
【0279】
本効果実施例においてレオロジー試験を行ったポリマーベースの導電性接着剤は、いずれも成形処理を施していないポリマーベースの導電性接着剤である。
【0280】
(1)実施例1で製造されたポリマーベースの導電性接着剤のレオロジー特性試験
【0281】
実施例1で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を取り、それぞれ70℃、160℃、及び160℃で3600秒硬化させてから70℃まで温度を下げるという条件下で、その弾性率及び粘度を測定し経時変化の傾向を、図1図3に示した。
【0282】
図1から分かるように、実施例1で製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、70℃の条件下における初期粘度が約1.5×10Pa・sであり、溶媒の揮発により、系の粘度及び弾性率が上昇する傾向にあった。
【0283】
図2から分かるように、温度の上昇により、70℃の条件下と比べて、ポリマーベースの導電性接着剤の初期粘度は約5×10Pa・sに低下し、より良好な流動性を有した。さらに600秒間、系の粘度は依然として低いレベルを維持した(3×10Pa・s未満)。
【0284】
図2及び図3から分かるように、ポリマーベースの導電性接着剤を3600秒硬化させると、系の粘度は約8×10Pa・sまで上昇した。その後、70℃まで温度を下げると、コロイドの粘度は約8.5×10Pa・sであり、弾性率は約5.3×10Paであった。
【0285】
(2)実施例1、40、41で製造されたポリマーベースの導電性接着剤のレオロジー特性試験
実施例1、40、41で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を取り、それぞれ70℃、160℃、及び160℃で3600秒硬化させてから70℃まで温度を下げるという条件下で、その弾性率及び粘度を測定し経時変化の傾向を、図4図5に示した。
【0286】
図4は、DCP架橋剤の原料組成物に占める重量パーセントがそれぞれ0.12wt%(実施例40)、0.24wt%(実施例1)及び0.36wt%(実施例41)である時、製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における硬化曲線を示している。図4から分かるように、DCP架橋剤のポリマーベースの導電性接着剤の初期粘度に対する影響はさほど大きくなく、時間の経過とともに、各組のポリマーベースの導電性接着剤の粘度はいずれも上昇し、且つ実施例41で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の粘度及び弾性率の上昇は特に顕著であり、600秒経過時の粘度はそれぞれ約4.4×10Pa・s(実施例40)、3×10Pa・s(実施例1)と1.7×10Pa・s(実施例41)であった。
【0287】
図5は、前記各実施例のサンプルを160℃で3600秒硬化させてから70℃まで温度を下げた後の弾性率及び粘度の経時変化の傾向を示している。図5から分かるように、3600秒硬化させた後、実施例40と実施例1の系の粘度は依然として10Pa・s以下を維持したが、実施例41の粘度は1×10Pa・sまで上昇した。3組の導電性接着剤は、160℃で3600秒硬化させてから70℃まで温度を下げて、400~500秒経過した後、系の粘度はそれぞれ約3.2×10Pa・s(実施例40)、8.5×10Pa・s(実施例1)と1.4×10Pa・s(実施例41)であり、弾性率はそれぞれ1.4×10Pa、5.3×10Paと8.7×10Paであった。
【0288】
以上の内容から分かるように、DCP含有量は導電性接着剤の硬化時及び硬化後の粘度変化に非常に大きな影響を与え、DCP含有量が0.24wt%である時がより適当であった。含有量が少なすぎると、コロイドの硬化後の弾性率が低くなり、強度が不十分になる可能性があり、含有量が多すぎると、コロイドの硬化過程における粘度が上がりすぎ、成形が困難になる可能性がある。
【0289】
(3)実施例42で製造されたポリマーベースの導電性接着剤のレオロジー特性試験
【0290】
実施例42で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を取り、それぞれ70℃、160℃、及び160℃で3600秒硬化させてから70℃まで温度を下げるという条件下で、その弾性率及び粘度を測定し経時変化の傾向を、図6図8に示した。
【0291】
実施例42で使用した硬化剤はDBPHであり、図6から分かるように、実施例42で製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、70℃の条件下における初期粘度が約8.7×10Pa・sであり、溶媒の揮発により、系の粘度及び弾性率が上昇する傾向にあった。実施例1で製造された導電性接着剤の性能と類似していた。
【0292】
図7から分かるように、温度の上昇により、70℃の条件下と比べて、ポリマーベースの導電性接着剤の初期粘度は約4×10Pa・sと低くて、さらに600秒間、系の粘度は3×10Pa・s以下を維持し、良好な成形性を有した。実施例1で製造された導電性接着剤の性能と類似していた。
【0293】
図7及び図8から分かるように、ポリマーベースの導電性接着剤を3600秒硬化させると、系の粘度は7.3×10Pa・sまで上昇した。70℃まで温度を下げると、最終的に、コロイドの粘度は9×10Pa・sであり、弾性率は5.6×10Paであった。
【0294】
(4)比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤のレオロジー特性試験
【0295】
比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を取り、それぞれ70℃、160℃、及び160℃で1800秒硬化させてから70℃まで温度を下げるという条件下で、その弾性率及び粘度を測定し経時変化の傾向を、図9図11に示した。
【0296】
図9は、比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の70℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す曲線であり、系中に溶媒が存在しないので、硬化前に、系の粘度と弾性率にほぼ明らかな変化はなく、粘度は約10Pa・sを維持していた。10000秒継続した後、系の粘度と弾性率は著しく上昇し始めたことから、70℃で当該系が架橋反応を起こしたことを表している。
【0297】
図10は、比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤の160℃の条件下における弾性率及び粘度の経時変化を示す曲線である。図10から分かるように、比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤は、300秒間、コロイドの粘度がほとんど変化せず、約10Pa・sを維持していた。300秒経過した後、コロイドが架橋反応を起こし、系の粘度が急激に上昇し、600秒時の粘度は3×10Pa・sを超え、1800秒時の粘度は3.2×10Pa・sに達し、依然として上昇傾向が続いた。
【0298】
図11は、比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を160℃で1800秒硬化させてから70℃まで温度を下げた状況下での弾性率及び粘度の経時変化を示す曲線である。図11が示すように、70℃まで温度を下げてから400秒後の粘度は6.2×10Pa・sであり、弾性率は3.9×10Paであった。
【0299】
(5)実施例1、実施例42及び比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤のレオロジー特性の比較
【0300】
実施例1、実施例42及び比較例3で製造されたポリマーベースの導電性接着剤を取り、それぞれ70℃、160℃の条件下における弾性率と粘度を測定し経時変化の傾向、160℃での硬化傾向を図12に示し、具体的なデータは下表6に示すとおりである。
【0301】
【表6】
【0302】
図7、表6から分かるように、実施例1と実施例42との硬化曲線の傾向は一致し、且つ数値も大差がない。弾性率と粘度はまず速やかに上昇し、その後変化が緩慢になり、且つ全体的な粘度は低いレベルを維持し、600秒までの粘度は3×10Pa・sを維持した。比較例3は硬化過程における温度が高いので、導電性接着剤の初期粘度が極めて低く、これは固定成形に不利であった。約300秒後に急激に上昇し、600秒以内に粘度が3×10Pa・sまで上昇し、流動性が悪化した。最終粘度は実施例1、42の導電性接着剤よりも1~2桁高かった。通常、粘度が9.5×10Pa・sよりも高くなると、導電性接着剤の流動が非常に緩慢になり、細孔又は異形孔の充填に不利になると考えられる。
【0303】
以上、本発明の具体的な実施形態を述べてきたが、当業者であれば、これらの例を挙げた説明だけで、本発明の原理と実質に反しないという前提下において、これらの実施形態に対して様々な変更や修正をすることができる。そのため、本発明の保護範囲は添付の請求の範囲によって限定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12