(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】点滴監視回路を備えるIV投与セット
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20221219BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20221219BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61M5/14 520
A61M5/168 540
A61M5/172
(21)【出願番号】P 2021019896
(22)【出願日】2021-02-10
(62)【分割の表示】P 2018054854の分割
【原出願日】2010-07-12
【審査請求日】2021-03-10
(32)【優先日】2009-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジー.デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】オースティン ジェイソン マッキノン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04105028(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61M 5/168
A61M 5/172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内送達システム内の組込み式の流れ監視デバイスであって、前記デバイスが、
入力、出力、および流体通路を有する結合アセンブリであって、前記入力が、流体リザーバに結合され、前記流体通路を介して前記流体リザーバから前記出力へ流体の流れを提供するように構成され、前記流体の流れが流体の滴として前記出力から出る、結合アセンブリと、
出力、電源、電流センサ、前記流体通路に位置決めされる第1のリード、および前記流体通路の外部に位置決めされ、前記結合アセンブリの前記出力に環状に外接する第2のリードを有する電気回路であって、前記電源が、前記第1のリードと前記第2のリードの間に介在するように接続され、前記電流センサが、前記第2のリードと前記電源の間に介在するように接続され、前記第1のリードが、前記結合アセンブリの第1の部分に結合された近位端部と、前記結合アセンブリから延びる遠位端部とを有し、前記第2のリードが、前記結合アセンブリの第2の部分に結合された近位端部と、前記結合アセンブリから延びる遠位端部とを有し、前記第1のリードの前記遠位端部および前記第2のリードの前記遠位端部が、前記流体の流れから放出された前記流体の滴の経路内に位置決めされ、前記流体の流れから放出された前記流体の滴が前記第1のリードの前記遠位端部および前記第2のリードの前記遠位端部の間と同時接触することにより前記回路を完成させる、電気回路と、
前記回路の完成時に信号を提供するように前記回路の前記出力に結合された信号デバイスと
を備えることを特徴とする流れ監視デバイス。
【請求項2】
入力および出力を有する点滴チャンバをさらに備え、前記点滴チャンバは、前記流体リザーバからの流体を受け取って保持するように構成され、前記点滴チャンバの前記入力が、前記結合アセンブリの前記出力に結合され、前記第1のリードおよび前記第2のリードの前記遠位端部が、前記点滴チャンバに保持される流体より高い高さで位置決めされ、前記点滴チャンバの前記出力が、前記点滴チャンバに保持される流体の底部部分に位置決めされ、前記流体リザーバからの複数の流体の滴が、前記点滴チャンバ内に収集され、前記点滴チャンバの前記出力を介して前記点滴チャンバから出ることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第2のリードの前記近位端部と前記電流センサを相互に接続する第2のリードワイアと、前記第1のリードの前記近位端部と前記電源を相互に接続する第1のリードワイアとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記信号は、前記流体の滴を指示することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記信号デバイスが、デジタル表示器、電球、スピーカ、印刷機、スクリーン、およびダイオードの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記結合アセンブリの外部表面上に位置決めされた第1の接点および第2の接点をさらに備え、前記第1の接点が、前記第1のリードと前記電源の間に介在するように位置決めされ、前記第2の接点が、前記第2のリードと前記電源の間に介在するように位置決めさ
れ、前記第1の接点および前記第2の接点が前記信号デバイスに結合されることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記信号デバイスが、前記結合アセンブリの前記第1の接点および前記第2の接点に矛盾なく結合される第1の端子および第2の端子をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2のリードが、前記結合アセンブリの出力近傍で前記結合アセンブリの外部表面上に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2のリードが、ワイアと、前記ワイアに付着されている非導電性の被覆と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記信号デバイスが、デジタル表示器と、点滴の計数および記録を容易にする論理回路を有するチップセットとを備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
静脈内送達システム内の組込み式の流れ監視デバイスを製造する方法であって、
入力、出力、および流体通路を有する結合アセンブリを提供するステップであって、前記入力が、流体リザーバ内に挿入され、前記流体通路を介して前記流体リザーバから前記出力へ流体の流れを提供するように構成され、前記流体の流れが流体の滴として前記出力から出る、ステップと、
出力、電源、抵抗器、前記流体通路に位置決めされる第1のリード、および前記結合アセンブリの前記出力に隣接して前記流体通路の外部に位置決めされ、前記結合アセンブリの前記出力に環状に外接する第2のリードを有する電気回路を提供するステップと、
前記第1のリードの近位端部の第1の部分を前記結合アセンブリの第1の部分に結合させ、前記第1のリードの前記近位端部の第2の部分を前記電源に結合させるステップと、
前記第2のリードの近位端部の第1の部分を前記結合アセンブリの第2の部分に結合させ、前記第2のリードの前記近位端部の第2の部分を前記電源に結合させるステップと、
前記第2のリードと前記電源の間に前記抵抗器を介在させるステップと、
前記第1のリードの遠位端部および前記第2のリードの遠位端部を前記流体の流れから放出された前記流体の滴の経路内に位置決めするステップであって、前記流体の流れから放出された前記流体の滴が前記第1のリードの前記遠位端部および前記第2のリードの前記遠位端部の間と同時接触することにより前記回路を完成させる、ステップと、
前記回路の完成時に信号を表示するように前記回路の前記出力に結合された信号デバイスを提供するステップと、
前記結合アセンブリ、前記電気回路、および前記信号デバイスを結合して前記組込み式の流れ監視デバイスを形成するステップと、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
入力および出力を有する点滴チャンバを提供するステップをさらに含み、前記点滴チャンバは、前記流体リザーバからの流体を受け取って保持するように構成され、前記点滴チャンバの前記入力が、前記結合アセンブリの前記出力に結合され、前記第1のリードおよび前記第2のリードの前記遠位端部が、前記点滴チャンバに保持される流体より高い高さで位置決めされ、前記点滴チャンバの前記出力が、前記点滴チャンバに保持される流体の底部部分に位置決めされ、前記流体リザーバからの複数の流体の滴が、前記点滴チャンバ内に収集され、前記出力を介して前記点滴チャンバから出ることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のリードまたは前記第2のリードの一部分上に非導電性の材料を付着させて、前記流体と前記それぞれのリードの間の接触を防止するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記結合アセンブリの外部表面上に第1の接点および第2の接点を提供するステップをさらに含み、前記第1の接点が、前記第1のリードと前記電源の間に介在するように位置決めされ、前記第2の接点が、前記第2のリードと前記電源の間に介在するように位置決めされ、前記第1の接点および前記第2の接点が前記信号デバイスに結合されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記信号デバイスの表面に第1の端子および第2の端子を提供するステップをさらに含み、前記第1の端子および第2の端子が、前記結合アセンブリの前記第1の接点および前記第2の接点に矛盾なく結合されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のリードが、前記結合アセンブリの外部側面に隣接して位置決めされることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のリードが、ワイアと、前記ワイアに付着されている非導電性の被覆と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記信号デバイスが、デジタル表示器と、点滴の計数および記録を容易にする論理回路を有するチップセットとを備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
静脈内送達システム内の流体の流れを監視する装置であって、
入力および出力を有する結合アセンブリであって、前記入力が、流体通路に流体を受け取るように構成され、前記出力が、前記流体が結合アセンブリからから出るために前記流体を誘導するように構成される、結合アセンブリと、
入力および出力を有する点滴チャンバであって、前記点滴チャンバは、前記
結合アセンブリからの流体を受け取って保持するように構成され、前記点滴チャンバの前記入力が前記結合アセンブリの前記出力に結合され、それによっ
て解放された
前記流体が、前記点滴チャンバ内に収集され、前記点滴チャンバの前記出力を介して前記点滴チャンバから解放される、点滴チャンバと、
前記結合アセンブリ内に部分的に組み込まれた回路であって、前記回路が、出力、電源、抵抗器、前記流体通路に位置決めされる第1のリード、および前記流体通路の外部に位置決めされ、前記結合アセンブリの前記出力に環状に外接する第2のリードを有し、前記電源が、前記第1のリードと前記第2のリードの間に介在するように接続され、前記抵抗器が、前記第2のリードと前記電源の間に介在するように接続され、前記第1のリードが、前記結合アセンブリの第1の部分に結合された近位端部を有し、前記第2のリードが、前記結合アセンブリの第2の部分に結合された近位端部を有し、前記第1のリードの遠位端部および前記第2のリードの遠位端部が、前記流体の流れから放出され
た液滴の経路内に位置決めされ、したがって前記流体の流れから放出された前記液滴が前記第1のリードの前記遠位端部および前記第2のリードの前記遠位端部と同時接触することにより前記回路を完成させる、回路と、
前記結合アセンブリの外側表面に可逆的に結合され、前記回路の前記出力に電気的に結合された信号デバイスであって、それによって前記回路の完成時に前記回路から信号を受け取る信号デバイスと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項20】
前記第1のリードおよび前記第2のリードの前記遠位端部が、前記点滴チャンバに保持される流体より高い高さに位置決めされることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のリードの一部分が、前記結合アセンブリの内部部分内に位置決めされ、前記第2のリードの一部分が、前記結合アセンブリの外部表面上に位置決めされることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記信号デバイスが、接着剤を介して前記結合アセンブリの前記外側表面に可逆的に結合されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記信号デバイスが、前記結合アセンブリの前記外側表面に可逆的に結合されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記第2のリードが、前記結合アセンブリの出力近傍で前記結合アセンブリの外部表面上に位置決めされることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項25】
前記第2のリードが、ワイアと、前記ワイアに付着されている非導電性の被覆と、を備えることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記信号デバイスが、デジタル表示器と、点滴の計数および記録を容易にする論理回路を有するチップセットとを備えることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流れ監視能力を有する点滴チャンバを装備するIV投与セットを提供するシステムおよび方法に関する。詳細には、本発明は、システムの流れ経路内に位置決めされたリードを組み込むIV投与セットを提供する。リードは、滴状の流体の有無によって開閉される電気回路の一部である。
【背景技術】
【0002】
IV投与セットは一般に、血液、薬剤、栄養補給剤、または溶液などの流体を患者へ送達し、または患者から回収するために使用される。IV投与セットは通常、流体リザーバにアクセスするように構成された第1の端部と、患者内へ挿入するための導管を装備する第2の端部とを有する結合アセンブリを含む。結合アセンブリは、導管を介して患者内へ注入する前に流体リザーバからの流体が収集される点滴チャンバをさらに含む。
【0003】
流体がIV投与セット内を流れる速度は、流体が適正かつ安全に注入されていることを確実にするために、注意深く監視しなければならない。注入速度は、特定の期間にわたって点滴チャンバに入る点滴の数に基づいて決定される。注入速度を制御する1つの方法は、インライン式の電子制御ポンプを使用してIVセット内の流れを監視することである。このタイプのポンプは通常、使用者が所望の流れを指示でき、それによってポンプの速度を調整する論理回路を含む。これらのポンプは効果的かつ有用であるが電源を必要とし、電源は利用できない可能性がある。
【0004】
注入速度を制御する別の方法は、クランプを使用して導管内の流れを部分的に塞ぐことである。IV投与セットの導管を選択的に塞ぎ、それによって流体がシステム内を流れる速度を制御するには、ローラクランプ、または類似の締付けデバイスが一般に使用される。これには通常、使用者がクランプを設定し、次いで滴が点滴チャンバに入るときに滴を数える必要がある。一期間にわたって何滴の滴を数えるかに応じて、使用者は、所望の注入速度が実現されるまで、塞ぐ程度を調整する必要があることがある。この後者の方法は、効果的であるが、完全に正確または好都合であるというわけではない。たとえば、ローラクランプは、浮遊してシステム内の流れ速度に変動を引き起こすことが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、IV投与セットに対する注入速度を設定する方法は現在存在するが、それでもなお難題が存在する。したがって、現在利用可能な方法の欠点に対処する手段を提供する流れ監視能力を有するIV投与セットが、当技術分野で必要とされている。本明細書では、そのようなIV投与セットを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、流れ監視能力を有するIV投与セットを提供するシステムおよび方法に関する。詳細には、本発明は、システムの流れ経路内に位置決めされたリードを組み込むIV投与セットを提供する。リードは、滴状の流体の有無によって開閉される電気回路の一部である。リードは、導電性の任意の材料、または被覆材料を含むことができる。
【0007】
リードは通常、システムの流体経路に近位の位置でIVセットの結合アセンブリに取り付けられる。いくつかの実施形態では、リードは、結合アセンブリから内方へ延びてIVセットの点滴チャンバ内へ入る。したがって、流体の出ていく液滴は、回路に対する仮想スイッチとして働くリードに同時に接触する。他の実施形態では、リードは、結合アセンブリの出力近傍で結合アセンブリの外側表面上に配置される。さらに、他の実施形態では、結合アセンブリの流体通路内に中心リードが位置決めされ、結合アセンブリの流体出口近傍で結合アセンブリの外側表面上に第2の外部リードが位置決めされる。
【0008】
本発明のIVセットはさらに、IVセット内の流体の液滴を指示または記録するように構成された信号デバイスまたは他のデバイスと一緒に使用される。たとえば、信号デバイスは、電球、発光ダイオード、スピーカ、デジタル表示器、またはこれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合アセンブリは、各リードに電気的に結合された外部端子接点をさらに含み、それによって信号デバイスは、端子接点を介してリードに結合される。他の実施形態では、信号デバイスは結合アセンブリ内へ組み込まれ、したがって使用後は使い捨てされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、再利用可能な信号デバイスが、IVセットを用いた投与中に結合アセンブリの外側表面に可逆的に結合されるように構成される。IVセットの使用後、信号デバイスは取り外され、IVセットの残り部分は廃棄される。さらに、他の実施形態では、信号デバイスは、端子接点に取り付けられるように構成された延長リードを備えるように構成される。本発明は、正確な点滴検出を可能にするように回路からの信号データを処理する方法をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上述その他の特徴および利点を得る方法が容易に理解されるように、上記で簡単に説明した本発明のより具体的な説明について、添付の図面に示す本発明の特有の実施形態を参照することによって述べる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0011】
【
図1A】1組の点滴検出リードを有するIV投与セットの一実装形態の横断面図である。
【
図2A】IV投与セットの信号デバイスおよび結合アセンブリの分解斜視図である。
【
図2B】1対の延長リードを介してIV投与セットに結合された信号デバイスの斜視図である。
【
図2C】信号デバイスが内部に組み込まれた結合アセンブリの斜視図である。
【
図3A】
図1AのIV投与セットを流れるゆっくりした点滴からの結果を表示するグラフである。
【
図3C】
図1AのIV投与セットを流れる速い点滴からの結果を表示するグラフである。
【
図4】中心リードおよび外部リードを備えるIV投与セットの一実装形態の横断面図である。
【
図5】環状の外部リードを備えるIV投与セットの一実装形態の横断面図である。
【
図6】外部リードおよび中心リードを備えるIV投与セットの一実装形態の横断面図である。
【
図7】複数の外部リードを備えるIV投与セットの一実装形態の横断面図である。
【
図8】絶縁部分を有する外部リードを備えるIV投与セットの一実装形態の分解横断面図である。
【
図9】中心リードを有するIV投与セットを流れる点滴からの結果を表示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の現在好ましい実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。図面では、同じ参照番号は、同一または機能的に類似の要素を指す。本明細書の図で概略的に説明および図示する本発明の構成要素は、多種多様な異なる構成で構成および設計できることが、容易に理解されるであろう。したがって、図に表す以下のより詳細な説明は、請求される本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本発明の現在好ましい実施形態を表すにすぎない。
【0013】
図1Aを次に参照すると、IV投与セット10の一実装形態の断面図が示されている。IV投与セット10は通常、入力22および出力24を有する結合アセンブリ20を含む。結合アセンブリ20は、流体リザーバ12からの流体16を受け取って保持するように構成された点滴チャンバ32に流動的に結合される。IVセット10は、流体通路30をさらに含み、流体通路30によって、入力22と出力24が流動的に連通する。入力22は、流体リザーバ12内に挿入されるように構成される。流体リザーバ12は通常、IV投与セット10を介して患者に投与するための薬剤、溶液、または栄養補給剤などの流体を収容するIVバッグまたはボトルを備える。流体リザーバ12は、流体リザーバ12内の流体16と流体通路30の間の流動的連通を確立するために、入力22によって穴をあけられ、または他の方法によってアクセスできる封止または隔壁14をさらに含む。
【0014】
流体16は、流体リザーバ12から流体通路30を介して結合アセンブリ20内を流れる。流体16は、出力24を介して結合アセンブリ20から出て点滴チャンバ32内へ入る。流体は通常、点滴チャンバ32内に溜まり、最終的に患者用の導管54を介して点滴チャンバ32から出る。患者用の導管54は、針(図示せず)を介して患者の静脈系に取り付けられる静脈内の管材の一部を構成する。いくつかの実施形態では、患者用の導管54は、使用者が導管54を選択的に塞ぎ、それによって導管54内の流体16の流れを制限できるようにするローラクランプなどの調整可能なクランプ56をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、結合アセンブリ20の出力24は、結合アセンブリ20の第1のリード40および第2のリード42の方へ出ていく流体18を誘導または案内するように構成される。第1のリード40および第2のリード42は、結合アセンブリ20の遠位端部26に固定して取り付けられ、下方へ延びて点滴チャンバ32内へ入る。いくつかの実施形態では、第1のリード40および第2のリード42の末端部50は、結合アセンブリ20内へ成型され、したがってリード40および42は、結合アセンブリ20の一体部分になる。他の実施形態では、第1のリード40および第2のリード42の末端部50は、エポキシ、接着剤、または接着片を介して結合アセンブリ20の遠位端部26に取り付けられる。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、結合アセンブリ20は、接点パッドまたは端子34をさらに備える。端子34は、IV投与セット10の使用中に外部へアクセスできるように、結合アセンブリ20の外側表面上に位置する。端子34は、ワイア、箔、網、およびテープを含む金属材料などの任意の導電性の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、端子34は、結合アセンブリ20の外側表面を越えて外方へ延びる。他の実施形態では、端子34の外側表面は、結合アセンブリ20の外側表面と同一平面上にある。端子34は、リードワイア36を介して第1のリード40および第2のリード42の末端部50に電気的に結合される。リードワイア36は、リード40および42の末端部50と端子34の一部分の両方に結合される。いくつかの実施形態では、リードワイア36は、端子34からリード40および42へ延びるように、結合アセンブリ20の一部分を通って内部で経路指定される。他の実施形態では、
図4および8に示して後述するように、リードワイア36は、端子34とそれぞれのリード40および42の間の距離をまたぐように、結合アセンブリ20の外側表面上を外部で経路指定される。
【0017】
リード40および42は、ワイア、箔、網、およびテープを含む金属材料などの任意の導電性の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、リード40および42は非導電性の材料を含むが、ポリマー、エポキシ、塗料、油脂、封止剤、エラストマ、または炭素被覆などの導電性の被覆材料をさらに含む。他の実施形態では、リード40および42は、結合アセンブリ20の材料の非導電性の延長部を含み、リード40および42の一部分は、導電性の材料で被覆される。
【0018】
各実施形態では、第1のリード40および第2のリード42の接点部分44は、出ていく流体18の経路内に位置決めされる。したがって、出ていく流体18は、第1のリード40および第2のリード42のそれぞれの接点部分44に同時に接触する。いくつかの実施形態では、
図1Bに示すように、こうして第1のリード40および第2のリード42に同時に接触することで回路が完成する。
【0019】
図1Bを次に参照すると、回路60が示されている。本発明のいくつかの実施形態では、IV投与セット10は、落下すると流体の液滴18を感知する回路60をさらに備える。いくつかの実施形態では、回路60は、以下の
図2A~2Cに示すように、外部の信号デバイス内に位置する。他の実施形態では、回路60は、IVセット10の結合アセンブリ20内へ組み込まれる。回路60は通常、小型の電池などの電圧供給62を含み、第1のリード40に接続された正の線68と、第2のリード42に接続された負の線70とを有する。回路60は、電圧供給62と第2のリード42の間で負の線70に介在するように接続された第1の抵抗器64などの電流検出器をさらに含む。第1のリード40の接点部分44と第2のリード42の接点部分44の間に、空間または間隙46がさらに提供される。間隙46は、回路60内に断線を提供する。したがって間隙46は、流体の滴18が第1のリード40および第2のリード42の接点部分44に同時に接触すると閉じられる仮想スイッチとして働く。このように液滴18が係合されると、係合された液滴28は、図示のように回路60を閉じる。
【0020】
回路60を閉じることに加えて、係合された液滴28はまた、第2の抵抗器66として働き、回路60を流れる電流を低減させる。さらに、第1の抵抗器64と第2の抵抗器66を組み合わせた抵抗は、回路60の電流を低減させて、通過する液滴18のイオン化を防止することができる。いくつかの実施形態では、第1の抵抗器64の容量(R1)は、第2の抵抗器66の容量(R2)にほぼ等しくなるように選択される。したがって、オームの法則によれば、等式1に示すように、第1の抵抗器64の両端で検出可能な電圧(Vout)は、電圧供給62(Vsupply)の2分の1にほぼ等しい。
Vout/Vsupply=R1/(R2+R1) 等式1
【0021】
たとえば、一実施形態では、電圧供給62は3Vに等しく、第2の抵抗器66の容量は1MΩである。したがって、第2の抵抗器66が1MΩに設定される場合、第2の抵抗器66の両端の電圧の降下は、電圧供給62の2分の1に等しく、すなわち約1.5Vである。また、オームの法則によって、この例のシステムを流れる電流は、約1.5μアンペアである。したがって、回路60は、前述のように、電圧の予測される変化に基づいてシステム10を流れる液滴18を監視する好都合な方法を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、回路60は、回路60の電圧または電流の変化を検出する電圧信号デバイス80または他のデバイスをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の抵抗器64は、信号デバイス80と回路60の残り部分の間に介在するように位置決めされ、したがって信号デバイス80は、第1の抵抗器64の両端の電圧降下を測定する。したがって、信号デバイス80は、第1の抵抗器64の両端の電圧または電流の降下を測定する。他の実施形態では、第1の抵抗器64は、信号デバイス80内へ組み込まれる。信号デバイスは、回路に伴う電圧またはアンペア数の変化を測定し、または他の方法で検出することが可能な任意のデバイスを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、信号デバイス80は電球であり、第1の抵抗器64は電球のフィラメントである。他の実施形態では、信号デバイス80は発光ダイオードである。さらに、他の実施形態では、信号デバイス80はデジタル表示器またはデジタル計数器である。他の実施形態では、信号デバイス80は、回路60の電圧の変化を示す可聴信号を提供するように構成されたスピーカまたは他のデバイスである。
【0023】
図1Aを再び参照すると、接点端子34は、外部の信号デバイス80に結合できる外部リードワイア38を含むことができる。あるいは、接点端子34は、
図2Aに示すように、外部の信号デバイス80上の1組の接点と矛盾なく相互に作用するように構成することができる。
【0024】
図2Aを次に参照すると、結合アセンブリ20および外部の信号デバイス80の分解図が示されている。この実施形態では、信号デバイス80は、デジタル表示器110と、表示器110上の点滴の計数および記録を容易にする論理回路を有するチップセット112とを備える。いくつかの実施形態では、信号デバイス80は、点滴の計数のための可視指示を提供するために、信号灯114をさらに備える。代替的実施形態はまた、可聴の警報を提供するために、スピーカまたは他のデバイスを含むことができる。
【0025】
本発明のいくつかの実装形態では、信号デバイス80は、結合アセンブリ20の外側表面を映すような輪郭の内側表面86を有する部分的なスリーブ構成を備える。したがって、信号デバイス80の内側表面86は、結合アセンブリ20の外部表面に矛盾なく結合される。さらに、信号デバイス80の内部表面86は、信号デバイス80と結合アセンブリ20の結合中に結合アセンブリ20の端子接点34と位置合わせされるように位置決めされた1対の接点88を備える。いくつかの実施形態では、結合アセンブリ20は、信号デバイス80の突起(図示せず)または他の特徴を矛盾なく受け取って信号デバイス80と結合アセンブリ20の結合位置を維持するために、留め金(図示せず)をさらに備える。他の実施形態では、信号デバイス80の内側表面86は内方へ偏っており、したがって内側表面86は、結合アセンブリ20の外側表面を可逆的に挟み、または他の方法で留める。最後に、別の実施形態では、信号デバイス80の内側表面86は、端子接点34の外方へ延びた表面を受け取るように適合された通路(図示せず)を備える。したがって、信号デバイス80と結合アセンブリ20は、通路(図示せず)を端子接点34と位置合わせし、接点88と端子接点34が接続されるように2つの構成要素を係合させることによって結合される。本発明の精神によれば、信号デバイス80と結合アセンブリ20を相互に接続するために多くの方法を使用できることが、当業者には理解されるであろう。
【0026】
図2Bを次に参照すると、外方へ延びた端子接点34を有する本発明の一実施形態の一実装形態が示されている。図示のように、いくつかの実施形態では、端子接点34は、信号デバイス80を取り付けるための正の表面を提供するように、外方へ延ばされる。いくつかの実施形態では、信号デバイス80は、信号デバイス80と結合アセンブリ20の端子接点34の結合を容易にするために、延長リード120およびクリップ122をさらに含む。したがって、信号デバイス80は、IV投与セット10の残り部分から離れて位置することができる。
【0027】
図2Cを次に参照すると、組み込まれた信号デバイス80および表示器110を有する本発明の一実施形態の一実装形態が示されている。いくつかの実施形態では、結合アセンブリ20の外側表面は、点滴信号デバイス80の表示器110を含むように修正される。これらの実施形態では、表示器110は、第1のリード40および第2のリード42(図示せず)に内部で接続され、それによって端子接点の必要がなくなる。他の実施形態では、結合アセンブリ20は、IV投与セット10を通過する点滴の可視指示器を提供するために、信号灯114を含むように修正される。
【0028】
図3A~3Dを次に参照すると、先に論じたように、点滴監視デバイスを装備するIV投与セット10を使用することから得られる信号パターンを表示する様々なグラフが示されている。すべての点滴カウンタの信号処理の目的は、落下する各点滴18に対して1つのトリガ事象90が発生することである。
図3Aを次に参照すると、
図1に示す一実施形態を流れるゆっくりした点滴からの電圧信号パターンが示されている。
図3Aでは、1000HzでV
outが採取された。したがって、見たところ狭いピーク100はそれぞれ、実際には多くのデータ点から構成される。したがって、簡単な電圧閾値トリガが、各点滴に対して何回も誘発するはずであり、したがって適当でないはずである。したがって、
図3Aに示す信号などのはっきりした信号は、
図3Bで実証するように、傾斜トリガアルゴリズムを使用することによって最も容易に処理することができる。
【0029】
図3Bを次に参照すると、
図3Aの電圧信号の時間微分が示されている。正のスパイク92は、点滴18によって回路60がいつ閉じられたかを示し、負のスパイク94は、点滴18が第1のリード40および第2のリード42の接点部分44を離れることによって回路60がいつ再び開かれたかを示す。この場合、傾斜閾値は、約1000V/秒に設定することができ、その結果、1つの点滴18につき単一のトリガ事象90が生じる。
【0030】
図3Cを次に参照すると、
図1に示すIV投与セット10の一実施形態を流れる速い点滴(1秒当たり約12個の点滴)からの電圧信号パターンが示されている。
図3Cでは、この場合も、約1000HzでV
outが採取された。この場合も、より広いピーク102はそれぞれ、実際には多くのデータ点から構成され、したがって簡単な電圧閾値トリガでは、はっきりした信号を提供するには不適当である。したがって、
図3Dに見られるように、この場合も傾斜トリガアルゴリズムを使用することによって、はっきりした信号が提供される。ここでは、1つの点滴につき単一のトリガ事象90を生じさせるために、約1250V/秒の傾斜トリガが使用され、これは、点滴計数デバイスとともに使用するのに完全に適当である。
【0031】
図1に示すIV投与セット10の実施形態は、非常にはっきりした信号を生じさせるが、いくつかの欠点があり、これらは他の実施形態によって改善される。たとえば、第1のリード40および第2のリード42の懸架構成は、状況によっては望ましくないことがある。たとえば、いくつかの実施形態では、懸架された第1のリード40および第2のリード42は、出力24とリード40および42の接点部分44の厳密な位置合わせを必要とする。この位置合わせにより、液滴18はリード40および42に適当に接触し、滴18の正確な計数を可能にする。したがって、
図1の実施形態は、安定した条件につながらない環境では好ましくないことがある。
【0032】
いくつかの実施形態では、
図4~6に示すように、結合アセンブリ20は、流体通路30内に位置する中心リード130を含むように修正され、したがって中心リード130は常に流体16と接触する。
図4を次に参照すると、いくつかの実施形態では、中心リード130は、流体通路30内で流体16と接触するように、流体通路30の表面に付着される。これらの実施形態は、流体通路30の出力24近傍で結合アセンブリ20の外側表面上に配置された外部リード132をさらに備える。したがって、中心リード130および外部リード132は、流体28の滴が外部リード132に接触すると閉じられる仮想スイッチとして働く。たとえば、点滴28が十分な寸法に成長すると、点滴28は外部リード132に接触し、回路60(図示せず)を閉じる。点滴18が流体通路を離れ、外部リード132に接触しなくなると、回路は再び開かれ、その結果、トリガ事象が測定可能になる。
【0033】
本発明による点滴監視を実現するために、様々な方法および構成を使用することができる。たとえば、
図5を次に参照すると、中心リード130および外部リード142を組み込む一実施形態が示されている。この実施形態では、外部リード142は、流体通路30の出口24に外接するように環状に構成される。したがって、外部リード142の表面積は、
図4の実施形態の外部リード132より大きい。いくつかの実施形態では、外部リード142の表面積を増大させることで、使用中に発生しうるIV投与セット200の傾きを補償する。この特徴は、IVセット200の空間的な安定性が不確かな状況および事情で有用になることがある。
【0034】
図6を次に参照すると、中心リード150および外部リード152を組み込むIV投与セット300の一実施形態が示されている。この実施形態では、外部リード152は、結合アセンブリ20の外側表面に付着されたワイア160である。さらに、ワイア160には、端子接点部分34およびリード152の接点部分44だけを露出させるように、非導電性の被覆162が選択的に付着されている。あるいは、被覆された経路または光化学的に堆積された経路を含めて、導電性の経路を作る任意の方法を用いることができる。中心リード150もまた、流体通路30の入力22のより近くに移動されている。したがって、流体リザーバ12および流体通路30が空になるとき、流体通路30が完全に空になる前の時点で、流体通路30内の流体16は中心リード150に接触しなくなる。流体16と中心リード150が接触しなくなると、システムの回路60(図示せず)は開いたままになり、点滴の計数は終わる。いくつかの実施形態では、信号デバイス80(図示せず)は、点滴の計数が停止したときに可聴または可視の警報を提供する論理回路をさらに含む。この警報は、流体通路30がほぼ空になったことを使用者に通知し、それによって使用者は、流体の流れを止めてからIVセット300を空にすることができる。他の実施形態では、外部リード152の接点部分44に対する中心リード150の位置は、2つのリード150および152間の流体16の抵抗を増大または低減させるように調整される。
【0035】
図7を次に参照すると、2重の外部リード170および172を組み込むIV投与セット400の追加の実施形態が示されている。この実施形態では、外部リード170および172は導電性の材料を含み、流体通路30の出力24近傍で結合アセンブリ20の表面に付着されている。結合アセンブリ20は、外部リード170および172を端子接点34に接続させる1対の埋込みリードワイア36をさらに備える。したがって、流体16は、流体チャンバ30から出て、外部リード170および172に接触し、それによって回路60(図示せず)を閉じて測定可能なトリガ事象を提供する。
【0036】
図8を次に参照すると、IV投与セット500の一実装形態の分解横断面図が示されている。この実施形態では、IVセット500の第1のリード210および第2のリード212は、結合アセンブリ20の外部表面上に位置決めされる。本発明によれば、リード210および212は、ワイア、箔、網、およびテープを含む金属材料などの任意の導電性の材料から構成される。いくつかの実施形態では、リード210および212は、ポリマー、エポキシ、塗料、油脂、封止剤、エラストマ、および炭素被覆などの導電性の被覆材料を含み、結合アセンブリ220の外側表面に直接付着される。いくつかの実施形態では、リード210および212の一部分は、非導電性の保護被覆214でさらに被覆される。保護被覆214は、リード210および212の所望の部分へのアクセス性を制限するための絶縁層として提供される。たとえば、いくつかの実施形態では、リード210および212に保護被覆214が付着され、それぞれのリード210および212の端子接点部分222および接点部分226だけにアクセスできるようにする。この場合も、接点部分226は、係合された滴28の存在によって閉じられる仮想スイッチとして働く。いくつかの実施形態では、端子接点222は、IVセット500内の流れを記録または指示するための外部の点滴信号デバイスを介してアクセスされる。
【0037】
本発明によるすべての実施形態では、端子接点34は、IV投与セット10、200、300、400、および500内の流体16の流れを乱すことなく、点滴チャンバ32内部でリードと電気的に接触できるように気密封止されることに留意されたい。結合アセンブリ20と点滴チャンバ32の間の境界面もまた、IV投与セット内の流体の流れの乱れを防止するように気密封止されることにも留意されたい。
【0038】
(参考)
図4~8に示す実施形態は、位置合わせの問題の影響を受けにくいが、これらの実施形態は、
図1の実施形態のようにはっきりした信号を生じさせない。
図9を次に参照すると、本発明による中心リードを組み込むIV投与セットから得られるV
out信号およびノイズを表示するグラフが示されている。図示のように、点滴が存在するとき、その結果生じる広帯域の雑音のある電流が回路内を流れる。しかし、点滴が存在しないとき、電流は流れず、それによって点滴の検出を可能にする。したがって、この場合、過去5つのデータサンプルの連続する分散が計算され、負の傾斜トリガが分散信号に該当した。
図9のトレース92は、所望のとおり、分散信号上の傾斜トリガが1つの点滴につき唯一のトリガ事象90を生じさせることを示す。したがって、図示のように、不十分な信号または雑音のある信号を克服するために信号処理でできることは多いことが明らかである。
【0039】
本発明は、本明細書に概略的に説明し以下に請求する本発明の構造、方法、または他の本質的な特性から逸脱することなく、他の特有の形式で実施することができる。記載の実施形態は、あらゆる点で、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。したがって本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲に等価の意味および範囲の中に入るすべての変更形態は、その範囲内に包含されるべきである。