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特許7196246ユーザインターフェース処理プログラム、記録媒体、ユーザインターフェース処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】ユーザインターフェース処理プログラム、記録媒体、ユーザインターフェース処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04812 20220101AFI20221219BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221219BHJP
   G06F 3/0485 20220101ALI20221219BHJP
   G09G 5/08 20060101ALI20221219BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221219BHJP
   G09G 5/34 20060101ALI20221219BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20221219BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20221219BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20221219BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20221219BHJP
【FI】
G06F3/04812
G06F3/0488
G06F3/0485
G09G5/08 E
G09G5/08 S
G09G5/00 510H
G09G5/34 A
G09G5/08 M
G09G5/08 K
G09G5/38 Z
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/533
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021117073
(22)【出願日】2021-07-15
(62)【分割の表示】P 2017111743の分割
【原出願日】2017-06-06
(65)【公開番号】P2021184269
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姜 夏聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 央
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健作
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-240925(JP,A)
【文献】特表2011-530738(JP,A)
【文献】特開2011-118805(JP,A)
【文献】特開2015-125617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G09G 5/08
G09G 5/00
G09G 5/34
G09G 5/38
A63F 13/2145
A63F 13/426
A63F 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた情報処理装置を、
複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示する第1表示処理部、
前記タッチパネルに対する接触操作を検出する接触検出処理部、
前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させる相対移動処理部、
として機能させ、
前記相対移動処理部は、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させ、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させて前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させる、
ユーザインターフェース処理プログラム。
【請求項2】
前記相対移動処理部は、
前記カーソルを前記接触操作に対応する方向とは反対の方向に移動させ、前記リストを前記接触操作に対応する方向に移動させる、
請求項1に記載のユーザインターフェース処理プログラム。
【請求項3】
タッチパネルを備えた情報処理装置を、
複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示する第1表示処理部、
前記タッチパネルに対する接触操作を検出する接触検出処理部、
前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させる相対移動処理部、
として機能させ、
前記相対移動処理部は、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを移動させ、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させ、
前記接触操作に対する前記リストの移動速度共通の前記接触操作に対する前記カーソルの移動速度よりも大きくなるように設定する、
ユーザインターフェース処理プログラム。
【請求項4】
前記相対移動処理部は、
前記リストを停止させた状態では前記接触操作に対応する方向とは反対の方向に前記カーソルを移動させ、前記カーソルを停止させた状態では前記リストを前記接触操作に対応する方向に移動させる、
請求項に記載のユーザインターフェース処理プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のユーザインターフェース処理プログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
タッチパネルを備えた情報処理装置によって実行されるユーザインターフェース処理方法であって、
複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示するステップと、
前記タッチパネルに対する接触操作を検出するステップと、
前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップと、
を有し、
前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップでは、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させ、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させて前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させる、
ユーザインターフェース処理方法。
【請求項7】
タッチパネルを備えた情報処理装置によって実行されるユーザインターフェース処理方法であって、
複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示するステップと、
前記タッチパネルに対する接触操作を検出するステップと、
前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップと、
を有し、
前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップでは、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを移動させ、
前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させ、
前記接触操作に対する前記リストの移動速度共通の前記接触操作に対する前記カーソルの移動速度よりも大きくなるように設定する、
ユーザインターフェース処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインターフェース処理プログラム、当該ユーザインターフェース処理プログラムが記録された記録媒体、及びユーザインターフェース処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータ等に搭載されるタッチパネルにおいては、表示されたリスト(例えば複数のデータやオブジェクトが羅列されたものをいう)の中から特定の項目を選択する場合、ユーザが指を用いて当該特定の項目をタップすることで選択を行う。
【0003】
このような技術の一例として、例えば特許文献1には、複数の項目(候補プレート)を備えたリスト(候補一覧)がスクロール可能に表示され、各項目に詳細表示操作アイコンを設けたゲームシステムが開示されている。ユーザが指を用いて詳細表示操作アイコンをタップすることで、当該項目が選択されて対応するプレーヤアカウントの詳細内容が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-130905号公報(図9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなゲームシステムにおいては、ユーザがリストの項目をタップして操作可能なように、指の大きさを考慮して各項目の幅を大きめに設定する必要がある。このため、タッチパネルに一度に表示できる項目の数が制限されるという課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、タッチパネルに一度に表示できるリストの項目数を増大することにより画面を有効活用することが可能なユーザインターフェース処理プログラム、記録媒体、及びユーザインターフェース処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のユーザインターフェース処理プログラムは、タッチパネルを備えた情報処理装置を、複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示する第1表示処理部、前記タッチパネルに対する接触操作を検出する接触検出処理部、前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させる相対移動処理部、として機能させ、前記相対移動処理部は、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させ、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させて前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のユーザインターフェース処理プログラムは、タッチパネルを備えた情報処理装置を、複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示する第1表示処理部、前記タッチパネルに対する接触操作を検出する接触検出処理部、前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させる相対移動処理部、として機能させ、前記相対移動処理部は、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを移動させ、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させ、前記接触操作に対する前記リストの移動速度と共通の前記接触操作に対する前記カーソルの移動速度とを異なるように設定する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ユーザインターフェース処理プログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明のユーザインターフェース処理方法は、タッチパネルを備えた情報処理装置によって実行されるユーザインターフェース処理方法であって、複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示するステップと、前記タッチパネルに対する接触操作を検出するステップと、前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップと、を有し、前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップでは、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させ、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リスト及び前記カーソルのそれぞれを互いの移動方向が反対方向となるように移動させて前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明のユーザインターフェース処理方法は、タッチパネルを備えた情報処理装置によって実行されるユーザインターフェース処理方法であって、複数の項目を含むリスト、及び、前記リストから特定の前記項目を選択するためのカーソルを、前記タッチパネルに表示するステップと、前記タッチパネルに対する接触操作を検出するステップと、前記接触操作に基づいて前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップと、を有し、前記カーソルと前記リストとを相対的に移動させるステップでは、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲内の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを移動させ、前記リストのうち前記タッチパネルの表示範囲外の前記項目に前記カーソルを移動させる場合には、前記リストを停止させた状態で前記カーソルを前記表示範囲の端部に移動させ、当該表示範囲の端部に前記カーソルを停止させた状態で前記リストを移動させ、前記接触操作に対する前記リストの移動速度と共通の前記接触操作に対する前記カーソルの移動速度とを異なるように設定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のユーザインターフェース処理プログラム等によれば、タッチパネルに一度に表示できるリストの項目数を増大することにより画面を有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る情報処理装置の外観構成の一例を表す図である。
図2】情報処理装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図3】城主の選択画面の一例を表す図である。
図4】スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲内である場合のカーソル移動の一例を表す図である。
図5】スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲内である場合のカーソル移動の他の例を表す図である。
図6】スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲外である場合のカーソル移動及びリストスクロールの一例を表す図である。
図7】スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲外である場合のリストスクロールの他の例を表す図である。
図8】フリックによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲内である場合のカーソル移動の一例を表す図である。
図9】フリックによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲内である場合のカーソル移動の他の例を表す図である。
図10】フリックによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲外である場合のカーソル移動及びリストスクロールの一例を表す図である。
図11】情報処理装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図12】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
図13】選択された項目を拡大表示する変形例における、城主の選択画面の一例を表す図である。
図14】カーソルをスワイプ方向と同一方向に移動させる変形例における、スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲内である場合のカーソル移動の一例を表す図である。
図15】カーソルをスワイプ方向と同一方向に移動させる変形例における、スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲内である場合のカーソル移動の他の例を表す図である。
図16】カーソルをスワイプ方向と同一方向に移動させる変形例における、スワイプによるカーソルへの移動指示がリスト表示領域の範囲外である場合のカーソル移動及びリストスクロールの一例を表す図である。
図17】城主の選択画面が移動された表示の一例を表す図である。
図18】城主の選択画面が移動された場合において、スワイプによるカーソルへの移動指示がタッチパネルの表示範囲外である場合のカーソル移動及びリストスクロールの一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<1.情報処理装置の外観構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係る情報処理装置1の外観構成の一例について説明する。図1に示すように、情報処理装置1は、各種の表示及びユーザによる各種の接触操作が行われるタッチパネル3を有する。ユーザは、指等によりタッチパネル3に対して接触操作を行うことで所望の入力を行う。
【0016】
タッチパネル3の検出方式は、特に限定されるものではないが、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式等、種々の検出手法を採用することが可能である。なお、情報処理装置1は、タッチパネル3以外に、ボタンやスイッチ等の操作入力部を備えてもよい。
【0017】
情報処理装置1は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機等である。但し、これらに限定されるものではなく、表示装置及び入力装置としてタッチパネルを備えるものであれば、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものの他、携帯電話、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているもの、据え置き型のゲーム機等も含まれる。
【0018】
本実施形態では、情報処理装置1により、ユーザインターフェース処理プログラムの一例であるゲームプログラムが実行される場合について説明する。
【0019】
<2.情報処理装置の機能的構成>
次に、図2及び図3図10を用いて、情報処理装置1の機能的構成の一例について説明する。なお、図2中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0020】
図2に示すように、情報処理装置1は、上述したタッチパネル3、第1表示処理部5、接触検出処理部7、相対移動処理部9、第2表示処理部11を有する。
【0021】
第1表示処理部5は、複数の項目を含むリスト、及び、リストから特定の項目を選択するためのカーソルを、タッチパネル3に表示する。項目には、例えば文字によるデータや、図柄によるオブジェクト等が含まれる。
【0022】
第2表示処理部11は、上記カーソルにより選択された項目に関連する情報(以下では「関連情報」という)をリストと共にタッチパネル3に表示する。関連情報には、例えば選択された項目に関わる詳細情報等が含まれる。また、詳細は後述するが、相対移動処理部9によりリストとカーソルとが相対的に移動された場合には、第2表示処理部11は当該相対移動に伴って変動する選択項目の関連情報を次々に表示する。
【0023】
図3に、上記リスト及びカーソルと、関連情報の表示の一例を示す。図3に示す例では、「××城」の城主を選択するための選択画面がタッチパネル3に表示されている。選択画面には、上記第1表示処理部5により、ユーザが保有する複数の武将のリスト13と、リスト13の中から特定の武将を選択するためのカーソル15が表示されている。リスト13には、武将ごとに名称、身分、所属等が表示されており、これら武将ごとのデータがリストの一項目を構成している。
【0024】
カーソル15は、詳細は後述するが、リスト13を表示する領域であるリスト表示領域17(タッチパネルの表示範囲の一例)の範囲内で移動可能である。なお、この例ではカーソル15を四角枠状の形態としたが、例えば矢印のオブジェクト等、その他の形態としてもよい。
【0025】
また、リスト表示領域17の近傍(この例では隣)には、関連情報表示領域19が設けられている。関連情報表示領域19内には、上記第2表示処理部11により、カーソル15により選択された武将の詳細情報21が表示されている。この例では、詳細情報21には、例えば武将の顔画像、名称、各種能力パラメータ(統率、武勇、知略、政治)が含まれている。
【0026】
図2に戻り、接触検出処理部7は、タッチパネル3に対する接触操作を検出する。一般に、タッチパネルに対する操作には、接触の検出が開始されてから終了するまでの間にタッチパネル上での位置変動がない操作(いわゆるタップと称される操作)や、接触が開始されてから終了するまでの間にタッチパネル上での位置変動がある操作(いわゆるスワイプ、フリック、ドラッグ、スライド等と称される操作)等がある。接触検出処理部7は、上記の操作のうち、特に後者の位置変動がある接触操作を検出する。以下では、この位置変動がある接触操作のうち、タッチパネル3の画面をさするように指を動かす操作を適宜「スワイプ」と、画面をはじくように指を動かす操作を適宜「フリック」という。
【0027】
相対移動処理部9は、上記接触検出処理部7により検出された接触操作に基づいて、カーソル15とリスト13とを相対的に移動させる。カーソル15とリスト13との相対的な移動には、タッチパネル3の画面上においてリスト13が停止された状態でカーソル15が移動する場合と、カーソル15が停止された状態でリスト13が移動する場合とが含まれる。
【0028】
すなわち、相対移動処理部9は、接触操作に基づいてリスト13のうちリスト表示領域17内の項目にカーソル15を移動させる場合には、リスト13を停止させた状態でカーソル15を移動させる。また、相対移動処理部9は、接触操作に基づいてリスト13のうちリスト表示領域17外の項目にカーソル15を移動させる場合には、リスト13を停止させた状態でカーソル15をリスト表示領域17の端部に移動させ、当該リスト表示領域17の端部にカーソル15を停止させた状態でリスト13を移動させる。
【0029】
また、相対移動処理部9は、リスト13を停止させた状態では接触操作に対応する方向とは反対の方向にカーソル15を移動させ、カーソル15を停止させた状態ではリスト13を接触操作に対応する方向に移動させる。なお、以下では、リスト13が移動する動作を適宜「スクロール」という。
【0030】
図4図10に、カーソル15とリスト13の相対移動の具体例を示す。なお、図4図10の図中に示す吹出しや矢印は動作等を説明するための注釈記載であり、タッチパネル3に表示されるものではない。また、図4図10では関連情報表示領域19における顔画像の図示を省略している。
【0031】
まず、スワイプによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲内である場合について説明する。例えば図4に示すように、図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて上方に向けて比較的小さめにスワイプを行う場合、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15がスワイプの移動量に応じて下方に移動する。また、例えば図5に示すように、図4に示す状態から、ユーザが指23を用いて下方に向けて比較的小さめにスワイプを行う場合、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15がスワイプの移動量に応じて上方に移動する。このように、スワイプによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲内である場合には、リスト13が停止した状態で、カーソル15はスワイプ方向とは反対の方向に逐次移動する。
【0032】
このとき、関連情報表示領域19には、カーソル15の移動に伴って変動する選択対象(この例では武将)の詳細情報が次々に表示される。例えば図4に示す例では、カーソル15が武将Aから武将Eに移動する間に、関連情報表示領域19には武将A,B,C,D,Eの詳細情報がこの順番で次々に表示される。また図5に示す例では、カーソル15が武将Eから武将Bに移動する間に、関連情報表示領域19には武将E,D,C,Bの詳細情報がこの順番で次々に表示される。
【0033】
なお、カーソル15はリスト13の項目単位で移動するので、項目と項目の中間に位置することはない。また、カーソル15の移動速度及び移動量はスワイプの移動速度及び移動量に応じて変動する。また、スワイプが行われる位置はタッチパネル3上であれば特に限定されるものではなく、例えばリスト表示領域17上又は関連情報表示領域19上でもよいし、これら以外の領域でもよい。
【0034】
次に、スワイプによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲外である場合について説明する。例えば図6に示すように、図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて上方に向けて比較的大きめにスワイプを行う場合、図6の上段に示すように、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15が下方に移動する。そして、スワイプの途中段階においてカーソル15がリスト表示領域17の下端に到達すると、図6の下段に示すように、カーソル15がリスト表示領域17の下端に停止した状態で、リスト13が上方に向けてスクロールする。つまり、カーソル15のみが移動する状態からリスト13のみがスクロールする状態に動作が切り替わる。
【0035】
また、例えば図7に示すように、図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて下方に向けてスワイプを行う場合、カーソル15が既にリスト表示領域17の上端に位置しているので、当該上端に停止した状態で、リスト13が下方に向けてスクロールする。
【0036】
そして、関連情報表示領域19にはカーソル15又はリスト13の移動(スクロール)に伴って変動する選択対象(この例では武将)の詳細情報が次々に表示される。
【0037】
このように、スワイプによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲外である場合には、カーソル15がリスト表示領域17の端部に到達するまでは、リスト13が停止した状態でカーソル15はスワイプ方向とは反対の方向に移動し、カーソル15がリスト表示領域17の端部に到達した後は、カーソル15が当該端部に停止した状態でリスト13はスワイプ方向にスクロールする。
【0038】
なお、リスト13はカーソル15に対して項目単位で移動するので、スクロール終了時にカーソル15が項目と項目の中間に位置することはない。また、リスト13のスクロール速度及びスクロール量は、スワイプの移動速度及び移動量に応じて変動する。
【0039】
次に、フリックによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲内である場合について説明する。例えば図8に示すように、図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて上方に向けて比較的軽めにフリックを行う場合、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15がフリックの速度に応じて下方に慣性で移動する。また、例えば図9に示すように、図8に示す状態から、ユーザが指23を用いて下方に向けて比較的軽めにフリックを行う場合、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15がフリックの速度に応じて上方に慣性で移動する。このときのカーソル15の慣性による移動速度及び移動量は、フリックの速度等に応じて変動する。
【0040】
次に、フリックによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲外である場合について説明する。例えば図10に示すように、図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて上方に向けて比較的強めにフリックを行う場合、図10の上段に示すように、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15が下方に慣性で移動する。そして、カーソル15がリスト表示領域17の下端に到達すると、図10の下段に示すように、カーソル15がリスト表示領域17の下端に停止した状態で、リスト13が上方に向けて慣性でスクロールする。つまり、カーソル15のみが慣性で移動する状態からリスト13のみが慣性でスクロールする状態に動作が切り替わる。このときのリスト13のスクロール速度及びスクロール量は、フリックの速度等に応じて変動する。
【0041】
なお、上記の「慣性で移動」とは、フリックにより指23がタッチパネル3から離間(非接触)した後も、しばらくの間カーソル15やリスト13が移動(スクロール)を継続することをいう。
【0042】
また、所定の操作速度(操作量)のスワイプやフリックに対するカーソル15の移動速度(移動量)とリスト13のスクロール速度(スクロール量)とは、同等となるように設定されてもよいし、異なるように設定されてもよい。例えば同等に設定される場合には、カーソル15の移動からリスト13のスクロールに動作が切り替わる際の速度変動を抑制できるので、ユーザの違和感を防止できる効果がある。また、異なるように設定される場合には、例えばリスト13のスクロール速度がカーソル15の移動速度よりも大きくなるように設定されることにより、リスト13のスクロールは高速で行って粗調整を行い、カーソル15の移動は低速で行って微調整を行う、といった操作が可能となり、操作性を向上できる。特にリストの項目数が多数である場合に有効である。
【0043】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(後述の図12参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0044】
<3.情報処理装置が実行する処理手順>
次に、図11を用いて、情報処理装置1のCPU101によって実行される処理手順の一例について説明する。本フローは、ユーザによりリスト表示を行うための所定の操作入力がなされた場合に開始される。
【0045】
ステップS10では、情報処理装置1は、第1表示処理部5により、複数の項目を含むリスト13、及び、リスト13から特定の項目を選択するためのカーソル15を、リスト表示領域17に表示する。
【0046】
ステップS20では、情報処理装置1は、第2表示処理部11により、カーソル15によって選択された項目の関連情報を、関連情報表示領域19に表示する。
【0047】
ステップS30では、情報処理装置1は、接触検出処理部7により、タッチパネル3に対する接触操作(スワイプ、フリック等)を検出したか否かを判定する。接触操作を検出した場合には(ステップS30:YES)、次のステップS40に移る。一方、接触操作を検出しなかった場合には(ステップS30:NO)、後述のステップS70に移る。
【0048】
ステップS40では、情報処理装置1は、相対移動処理部9により、上記ステップS30において検出された接触操作に基づいて、リスト13を停止させた状態で接触操作に対応する方向とは反対の方向にカーソル15を移動させる。
【0049】
ステップS50では、情報処理装置1は、相対移動処理部9により、上記ステップS30において検出された接触操作に基づいて、接触操作(スワイプ、フリック等)によるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲を超えるか否かを判定する。カーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲を超える場合には(ステップS50:YES)、次のステップS60に移る。一方、カーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲内である場合には(ステップS50:NO)、後述のステップS70に移る。
【0050】
ステップS60では、情報処理装置1は、相対移動処理部9により、カーソル15をリスト表示領域17の(接触操作に対応する方向とは反対方向の)端部に移動させ、当該リスト表示領域17の端部にカーソル15を停止させた状態でリスト13を接触操作に対応する方向にスクロールさせる。
【0051】
ステップS70では、情報処理装置1は、リスト表示を終了するための所定の操作入力があったか否かを判定する。リスト表示終了の操作入力は、例えば前述の図3で説明した選択画面を閉じる操作等である。リスト表示終了の操作入力がない場合には(ステップS70:NO)には、先のステップS20に戻り同様の手順を繰り返す。一方、リスト表示終了の操作入力があった場合には(ステップS70:YES)、本フローを終了する。
【0052】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0053】
<4.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、図12を用いて、上記で説明したCPU101等が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置1のハードウェア構成の一例について説明する。
【0054】
図12に示すように、情報処理装置1は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、GPU106と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0055】
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、記録装置117等に記録しておくことができる。
【0056】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0057】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0058】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0059】
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の第1表示処理部5や相対移動処理部9等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
【0060】
また、CPU101は、必要に応じて、前述のタッチパネル3を含む、例えばマウス、キーボード、マイク等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0061】
GPU106は、CPU101からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0062】
そして、CPU101及びGPU106は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述のタッチパネル3や音声出力部を含む、出力装置115から出力する。さらにCPU101及びGPU106は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
【0063】
<5.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、タッチパネル3を備えた情報処理装置1を、複数の項目を含むリスト13、及び、リスト13から特定の項目を選択するためのカーソル15を、タッチパネル3に表示する第1表示処理部5、タッチパネル3に対する接触操作を検出する接触検出処理部7、接触操作に基づいてカーソル15とリスト13とを相対的に移動させる相対移動処理部9、として機能させる。これにより、次のような効果を得る。
【0064】
すなわち本実施形態では、ユーザはタッチパネル3への接触操作によってカーソル15とリスト13とを相対的に移動させ、カーソル15を所望の項目に移動させることによって当該項目を選択する。これにより、ユーザはリスト13の項目を選択する際に当該項目に直接タッチ(タップ)しなくて済むので、各項目の大きさ(例えば上下方向の幅)を指の大きさを考慮することなく小さめに設定することができる。したがって、タッチパネルに一度に表示できるリスト13の項目数を増大することが可能となり、画面を有効活用できる。
【0065】
また、例えばコンピュータや据え置き型ゲーム機等のようにタッチパネルを有しない端末(以下適宜「非タッチパネル端末」という)においては、ユーザはマウスやゲームコントローラ等の入力装置を用いてカーソルを操作し、カーソルを選択対象に移動させて選択するのが一般的である。これに対し、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機等のようにタッチパネルを有する端末(以下適宜「タッチパネル端末」という)においては、ユーザが選択対象をタップして選択する。したがって、両端末では操作システムが全く異なるものとなる。
【0066】
本実施形態では、タッチパネル端末に対して非タッチパネル端末と同様の操作システムを適用し、タッチパネル3に対する接触操作によってカーソル15を操作する。したがって、非タッチパネル端末とタッチパネル端末の間で操作システムを共通化することが可能となるので、例えば両端末で同時にゲームを開発する場合や、非タッチパネル端末のゲームをタッチパネル端末に移植する場合等において、開発工程や開発コストを大幅に削減することができる。さらに、非タッチパネル端末とタッチパネル端末の両方の要素を備えたゲーム端末に適用する場合にも、操作システムの共通化によりゲームシステムのシンプル化が可能となるので、開発工程や開発コストを抑えることが可能となる。
【0067】
また、本実施形態では特に、相対移動処理部9は、リスト13のうちタッチパネル3の表示範囲内(本実施形態ではリスト表示領域17の範囲内)の項目にカーソル15を移動させる場合には、リスト13を停止させた状態でカーソル15を移動させる。
【0068】
このように、リスト13のうちリスト表示領域17の範囲内の項目にカーソル15を移動させる場合には、リスト13の移動(スクロール)は不要である。したがって、リスト13を停止させた状態でカーソル15を移動させて項目を選択できるようにすることで、選択操作が容易となり誤操作を抑制できる。
【0069】
また、本実施形態では特に、相対移動処理部9は、リスト13のうちリスト表示領域17の範囲外の項目にカーソル15を移動させる場合には、リスト13を停止させた状態でカーソル15をリスト表示領域17の端部に移動させ、当該リスト表示領域17の端部にカーソル15を停止させた状態でリスト13をスクロールさせる。
【0070】
このように、リスト13のうちリスト表示領域17の範囲外の項目にカーソル15を移動させる場合には、リスト13の移動(スクロール)が必要となる。したがって、カーソル15を停止させた状態でリスト13をスクロールさせて項目を選択できるようにすることで、選択操作が容易となり誤操作を抑制できる。また、まずリスト13を停止させた状態でカーソル15をリスト表示領域17の端部に移動させ、次に当該リスト表示領域17の端部にカーソル15を停止させた状態でリスト13をスクロールさせることで、カーソル15が移動する状態からリスト13がスクロールする状態への動作の切替えをスムーズに行うことができる。さらに、リスト13の高速スクロール(素早くスワイプすることによりリスト13を高速にスクロールさせつつ、指がタッチパネル3から離れた後も慣性によりリスト13を所定量スクロールさせること)が可能となるので、多数の項目を有するリスト13の場合にも速やかな選択が可能となり、操作性を向上できる。
【0071】
また、本実施形態では特に、相対移動処理部9は、リスト13を停止させた状態では接触操作に対応する方向とは反対の方向にカーソル15を移動させ、カーソル15を停止させた状態ではリスト13を接触操作に対応する方向に移動させる。これにより、次の効果を得る。
【0072】
すなわち本実施形態においては、例えば下方に向けて接触操作が行われた場合には、まずリスト13が停止した状態でカーソル15が上方に移動し、カーソル15がリスト表示領域17の上端に到達すると、カーソル15が上端に停止した状態でリスト13が下方にスクロールする。同様に、例えば上方に向けて接触操作が行われた場合には、まずリスト13が停止した状態でカーソル15が下方に移動し、カーソル15がリスト表示領域17の下端に到達すると、カーソル15が下端に停止した状態でリスト13が上方にスクロールする。
【0073】
このようにすることで、カーソル15が移動する状態からリスト13がスクロールする状態に動作が切り替わる前後において、カーソル15とリスト13の相対移動方向を同一にできる。これにより、動作をスムーズに切り替えることができると共にユーザの違和感を抑制でき、快適な操作性を維持できる。
【0074】
また、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置1を、カーソル15により選択された項目に関連する関連情報をリスト13と共にタッチパネル3に表示する第2表示処理部11としてさらに機能させる。これにより、次の効果を奏する。
【0075】
すなわち、一般にタッチパネル端末においては、リスト中の特定の項目について関連する情報(詳細情報等)を参照する場合、ユーザが当該項目をタップすることで関連情報を表示する別画面に切り替え、所定の復帰操作をすることでリスト表示に復帰させる、といった操作が行われる。この場合、複数の項目について関連情報を参照したい場合には別画面への切替操作及びリスト表示への復帰操作を何度も繰り返す必要があり、操作が煩雑となりユーザの手間を要することとなる。
【0076】
本実施形態では、関連情報である詳細情報21がリスト13と共に関連情報表示領域19に表示されるので、ユーザは接触操作によりカーソル15の移動又はリスト13のスクロールを行うだけで、カーソル15により選択された項目の関連情報が関連情報表示領域19において自動的に切り替わりつつ次々と表示される。これにより、操作が簡易となりユーザの手間を大幅に削減できる。特に、多数の項目について関連情報を連続して参照したい場合に非常に有効である。
【0077】
<6.変形例等>
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について説明する。
【0078】
(6-1.選択された項目を拡大表示する場合)
例えば図13に示すように、第1表示処理部5により、カーソル15により選択された項目を選択されていない他の項目よりも大きくなるように拡大して表示してもよい。図13に示す例では、カーソル15により選択された項目が選択されていない項目よりも上下方向の幅が大きくなるように、且つ、項目の内容を表すテキストのフォントサイズが大きくなるように表示されている。なお、上記項目等の大きさに加えて又は代えて、テキストのフォントの種類、項目の形状、色彩、模様等が異なるように表示してもよい。
【0079】
本変形例では、カーソル15又はリスト13の移動(スクロール)に伴って変動する項目(この例では武将)が次々に拡大表示等される。
【0080】
これにより、タッチパネル3に一度に表示できるリスト13の項目数を増大しつつ、選択された項目の視認性を向上できる。したがって、誤操作を抑制できると共に操作性をさらに向上できる。
【0081】
(6-2.カーソルを接触操作方向と同一方向に移動させる場合)
上記実施形態では、カーソル15を接触操作方向と反対の方向に移動させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、カーソル15を接触操作方向と同一の方向に移動させてもよい。
【0082】
例えば図14に示すように、前述の図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて下方に向けて比較的小さめにスワイプを行う場合、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15がスワイプの移動量に応じて下方に移動する。また、例えば図15に示すように、図14に示す状態から、ユーザが指23を用いて上方に向けて比較的小さめにスワイプを行う場合、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15がスワイプの移動量に応じて上方に移動する。本変形例では、このように、スワイプによるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲内である場合には、リスト13が停止した状態で、カーソル15はスワイプに対応する方向に逐次移動する。
【0083】
また、例えば図16に示すように、前述の図3に示す状態から、ユーザが指23を用いて下方に向けて比較的大きめにスワイプを行う場合、図16の上段に示すように、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15が下方に移動する。そして、スワイプの途中段階においてカーソル15がリスト表示領域17の下端に到達すると、図16の下段に示すように、カーソル15がリスト表示領域17の下端に停止した状態で、リスト13が下方に向けてスクロールする。
【0084】
説明は省略するが、フリックを行う場合も上記と同様である。このように、本変形例ではカーソル15及びリスト13の両方が接触操作の方向に対応する方向に移動する。
【0085】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
(6-3.リスト表示領域の一部が表示範囲外となる場合)
上記実施形態では、リスト表示領域17の全体がタッチパネル3の表示範囲内に収まる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、リスト画面が固定位置ではなく移動可能な場合には、背景のマップ等を参照しながらリストを閲覧したいといったユーザのニーズにより、リスト画面をタッチパネル3の表示範囲の端部側に移動させた状態でリストを閲覧することが考えられる。このとき、リスト表示領域17の全体がタッチパネル3の表示範囲内に収まるような仕様となっていない場合には、リスト表示領域17の一部がタッチパネル3の表示範囲外となり、当該部分は表示されないこととなる。このような場合には、リスト表示領域17のうちタッチパネル3の表示範囲内にある部分のみでカーソル15を移動可能とし、上記実施形態と同様の処理を行ってもよい。
【0087】
図17に、本変形例における表示の一例を示す。図17に示す例では、前述の図3に示す状態から、城主選択画面25がタッチパネル3の表示範囲の下端側に移動されており、その結果、リスト表示領域17のリスト13の一部(武将E、武将F)がタッチパネル3の表示範囲外となり表示されなくなっている。なお、図示は省略するが、表示範囲の上端側の背景領域27には、例えばマップ等のユーザが参照したい情報画面が表示されている。また、図17に示す例では関連情報表示領域19の詳細情報21も一部のみの表示となっているが、詳細情報21についてはその全部が表示されるようにしてもよい。
【0088】
この状態において、例えばスワイプが行われる場合について説明する。スワイプによるカーソル15への移動指示がタッチパネル3の表示範囲内である場合は、前述の図4及び図5に示す動作と同様となる。一方、スワイプによるカーソル15への移動指示がタッチパネル3の表示範囲外である場合には、次のような動作となる。例えば図18に示すように、図17に示す状態から、ユーザが指23を用いて上方に向けて比較的大きめにスワイプを行う場合、図18の上段に示すように、リスト表示領域17において、リスト13が停止した状態でカーソル15が下方に移動する。そして、スワイプの途中段階においてカーソル15がタッチパネル3の表示範囲の下端(リスト表示領域17の下端ではない)に到達すると、図18の下段に示すように、カーソル15がタッチパネル3の表示範囲の下端に停止した状態で、リスト13が上方に向けてスクロールする。なお、説明は省略するが、フリックを行う場合も上記と同様の動作となる。
【0089】
このように、本変形例によれば、ユーザはマップ等の情報を参照しながらリストを閲覧することが可能となるので、ゲームの興趣性及びユーザの利便性を向上できる。
【0090】
(6-4.その他)
以上では、カーソル15又はリスト13のどちらか一方のみが移動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、必要に応じてカーソル15及びリスト13の両方を移動させてもよい。例えば、前述の図4図5図8図9等に示すように、接触操作によるカーソル15への移動指示がリスト表示領域17の範囲内である場合に、接触操作に応じてカーソル15とリスト13の両方を移動させてもよい。この場合、カーソル15の移動方向とリスト13のスクロール方向とを反対方向としてもよい。
【0091】
また以上では、本発明のユーザインターフェース処理プログラムがゲームプログラムである場合を一例として説明したが、ゲームプログラムに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1がカーナビ装置、鉄道や飲食店等における自動券売機、自動販売機、金融機関のATM、コピー機やFAX等のOA機器等である場合に、それらの機器に適用されるユーザインターフェース処理プログラムであってもよい。
【0092】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理装置
3 タッチパネル
5 第1表示処理部
7 接触検出処理部
9 相対移動処理部
11 第2表示処理部
13 リスト
15 カーソル
17 リスト表示領域(タッチパネルの表示範囲)
125 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18