IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 財團法人工業技術研究院の特許一覧

特許7196272感光性化合物、感光性組成物、およびパターニング方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】感光性化合物、感光性組成物、およびパターニング方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/023 20060101AFI20221219BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20221219BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20221219BHJP
   C09B 13/02 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G03F7/023
G03F7/023 511
G03F7/004 501
G03F7/20 501
G03F7/20 521
C09B13/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021201580
(22)【出願日】2021-12-13
(65)【公開番号】P2022164546
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】63/175,173
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/481,961
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄耀正
(72)【発明者】
【氏名】張▲徳▼宜
(72)【発明者】
【氏名】張金華
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼明宗
(72)【発明者】
【氏名】許玉瑩
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-274594(JP,A)
【文献】特開2003-201324(JP,A)
【文献】特開2021-135507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/023
G03F 7/004
G03F 7/20
C09B 13/02
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化学構造を有する感光性化合物。
【化1】
(式中、Rの各々は独立に水素、C1-10アルキル基、水酸基、またはC1-10アルコキシ基であり、Dは下式のうちのいずれかである。)
【化2】
【請求項2】
請求項1に記載の感光性化合物を1重量部、
樹脂を1.5から8重量部、および
希釈剤を10から40重量部
含む感光性組成物。
【請求項3】
前記樹脂にはノボラック樹脂またはエポキシ樹脂が含まれる、請求項2に記載の感光性組成物。
【請求項4】
前記ノボラック樹脂はメタクレゾールおよびパラクレゾールを含み、前記メタクレゾールと前記パラクレゾールの重量比が40:60から60:40である、請求項3に記載の感光性組成物。
【請求項5】
前記ノボラック樹脂の重量平均分子量が5000から15000である、請求項3または4に記載の感光性組成物。
【請求項6】
400nmから420nmに吸光波長を有する、請求項2から5のうちのいずれか1項に記載の感光性組成物。
【請求項7】
前記希釈剤にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、またはこれらの組み合わせが含まれる、請求項2から6のうちのいずれか1項に記載の感光性組成物。
【請求項8】
請求項2から7のうちのいずれか1項に記載の感光性組成物を材料層上に提供するステップと、
前記感光性組成物中の前記希釈剤を除去してフォトレジスト層を形成するステップと、
前記フォトレジスト層を露光するステップと、
前記フォトレジスト層の露光部分を除去して、前記材料層の一部を露出させるステップと、
を含むパターニング方法。
【請求項9】
前記フォトレジスト層を露光する前記ステップが、400nmから420nmに波長を有する露光光源を用いるデジタルリソグラフィ技術を含む、請求項8に記載のパターニング方法。
【請求項10】
前記材料層の前記した露出した一部を除去する、または前記した露出した一部に対し注入を行う(implanting)ステップをさらに含む、請求項8から9のうちのいずれか1項に記載のパターニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、デジタルリソグラフィ技術(DLT)に用いるフォトレジストに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは、小型化された電子部品(例えば、コンピューターのチップ、集積回路、発光ダイオード素子(LED)、ディスプレイなど)の製造におけるリソグラフィエッチングプロセスに用いられる。一般に、先ず感光性組成物の膜を材料層上に塗布する。次いで、感光性組成物中の希釈剤をベイクにより蒸発させて、材料層上のフォトレジスト層を形成する。次いで、フォトレジスト層を露光して、フォトレジスト層の露光領域に化学反応を誘発する。露光工程の後、フォトレジスト層の露光領域(例えば、ポジ型フォトレジスト中)または非露光領域(例えばネガ型フォトレジスト中)を現像液で溶解して除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2007/0275327A号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0221222A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のポジ型フォトレジストに用いる光増感剤は365nmに主吸収波長を有し、フォトマスクと並設する必要のあるもので、約403nmの露光光源を用いるデジタルリソグラフィ技術には使用することができない。したがって、デジタルリソグラフィ技術においてフォトレジストを使用し易くするために、約400nmに吸収波長を有する光増感剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1実施形態は、次の化学構造を有する感光性化合物を提供する。
【0006】
【化1】
【0007】
式中、Rの各々は独立に水素、C1-10アルキル基、水酸基、またはC1-10アルコキシ基であり、Dは次のうちのいずれかである。
【0008】
【化2】
【0009】
本開示の1実施形態は、上述した感光性化合物を1重量部、樹脂を1.5から8重量部、および希釈剤を10から40重量部含む感光性組成物を提供する。
【0010】
本開示の1実施形態は、材料層上に上述の感光性組成物を提供する工程、感光性組成物中の希釈剤を除去してフォトレジスト層を形成する工程、フォトレジスト層を露光する工程、およびフォトレジスト層の露光部分を除去して材料層の一部を露出させる工程を含むパターニング方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
市販の光増感剤に比して、本開示における光増感剤は、感光性基の当量比の調整可能範囲がより広くなり、現像時間のプロセスウィンドウがより広くなり、かつパターン解像度がより高くなった。本開示の光増感剤を含むフォトレジストの組成(formula)は、調整の柔軟性が高く、かつ解像度の高いものとなった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施形態において詳細に説明する。
【0013】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、本開示が十分理解されるよう、多数の特定の詳細が示される。しかしながら、これら特定の詳細がなくとも、1つまたはそれ以上の実施形態が実施可能であるということは、明らかであろう。
【0014】
本開示の1実施形態は、次の化学構造を有する感光性化合物を提供する。
【0015】
【化3】
【0016】
式中、Rの各々は独立に水素、C1-10アルキル基、水酸基、またはC1-10アルコキシ基であり、Dは下式のうちのいずれかである。
【0017】
【化4】
【0018】
1実施形態において、アントラキノンを化学還元することによって感光性化合物を合成する。その後、下記に示されるように、化学還元された状態のアントラキノンをハロゲン化スルホニル含有ジアゾナフトキノン(DNQ)と反応させることができる。
【0019】
【化5】
【0020】
上式において、D-Xは次のいずれかである。
【0021】
【化6】
【0022】
かつ、XはCl、Br、またはIであり得る。なお、上記反応は1つの可能な方式であって、本開示はこれに限定はされないという点に留意されたい。当業者は、他の反応および合成戦略を採用して、感光性化合物を合成することができる。
【0023】
本開示の1実施形態は、上述した感光性化合物を1重量部、樹脂を1.5から8重量部、および希釈剤を10から40重量部含む感光性組成物を提供する。樹脂の量が少なすぎると、現像後にフォトレジスト層の露光部分が残留物として残ってしまう。樹脂の量が多すぎると、現像後のパターンが剥離し易くなってしまう。希釈剤の量が少なすぎると、コーティングの均一性に悪影響が出る。希釈剤の量が多すぎると、コーティング膜が薄過ぎになるため、現象が過度になる。
【0024】
いくつかの実施形態において、樹脂には、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、または別の適した樹脂が含まれる。いくつかの実施形態において、ノボラック樹脂にはメタクレゾール(m-クレゾール)およびパラクレゾール(p-クレゾール)が含まれ、かつm-クレゾールとp-クレゾールの重量比は40:60から60:40である。m-クレゾールの量が少なすぎると、ノボラック樹脂がアルカリ性溶液に溶解する速度が遅くなりすぎるため、残留の問題が生じやすくなる。m-クレゾールの量が多すぎると、ノボラック樹脂がアルカリ性溶液に溶解する速度が速くなりすぎるため、パターンが剥離し易くなってしまう。いくつかの実施形態において、ノボラック樹脂の重量平均分子量は5000から15000である。ノボラック樹脂の重量平均分子量が少なすぎると、エッチング抵抗性が不十分となる。ノボラック樹脂の重量平均分子量が多すぎると、ノボラック樹脂がアルカリ性溶液に溶解する速度が遅くなりすぎるため、残留の問題が生じやすくなる。
【0025】
いくつかの実施形態において、感光性組成物は、400nmから420nmに吸光波長を有する。いくつかの実施形態において、感光性組成物は、403nmに吸光波長を有する。この波長範囲は、デジタルリソグラフィ技術および別のマスクレスリソグラフィプロセスに適するものであるが、本開示の感光性組成物はこれに限定されない。例えば、本開示の感光性組成物から形成されるフォトレジスト層は、フォトマスクを介して光源に露光させることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、希釈剤には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、またはこれらの組み合わせが含まれる。加えて、感光性組成物の性質をさらに改質するため、感光性組成物は別の成分、例えばレベリング剤、光酸発生剤、別の添加剤、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0027】
本開示の1実施形態は、材料層上に上述の感光性組成物を提供する工程、感光性組成物中の希釈剤を除去してフォトレジスト層を形成する工程、フォトレジスト層を露光する工程、およびフォトレジスト層の露光部分を除去して材料層の一部を露出させる工程を含むパターニング方法を提供する。上記パターニング方法は一般的なリソグラフィステップであって、本開示の感光性組成物(および感光性化合物)を用いるフォトレジストを特徴とする。いくつかの実施形態において、フォトレジスト層を露光するステップは、400nmから420nmに波長を有する露光光源を用いるデジタルリソグラフィ技術を含む。いくつかの実施形態において、露光光源は407nmに波長を有する。いくつかの実施形態において、本方法は、材料層の露出部分を除去する、または材料層の露出部分に対して注入を行う(implanting)ステップをさらに含む。例えば、材料層は金属層であり、かつ材料層の露出部分を除去するステップにより、金属ラインを形成することができる。材料層がシリコン層のような半導体層である場合、材料層の露出部分に対して注入を行うステップにより、トランジスタのドープウェル(doped well)領域またはソース/ドレイン領域を形成することができる。その後、アッシングまたはストリッピングによりパターン化されたフォトレジスト層を除去することができる。
【0028】
以下に、当該分野において通常の知識を有する者が容易に理解できるよう、例示的な実施例を詳細に記載する。本発明概念は、ここに示されるこれら例示的な実施形態に限定されることなく、様々な形式で具体化され得る。明確にするために周知の部分についての記載は省き、また全体を通し、類似する参照番号は類似する構成要素を指すものとする。
【実施例
【0029】
以下の実施例において、ノボラック樹脂は、メタクレゾールとパラクレゾールとの重量比が60:40である、Asahiより入手可能なものとした。当該ノボラック樹脂の重量平均分子量は8000から14000であった。感光性組成物中、感光性基の当量比は、光増感剤のモル数にジアゾナフトキノン(DNQ)を乗じた置換度を意味する。
【0030】
以下の実施例では、感光性組成物をガラス基板に塗布して膜を形成してから、乾燥させて、厚さ1μmのフォトレジスト層を形成した。そのフォトレジスト層を、デジタルリソグラフィ技術の露光光源で露光してから、現像し、現像プロセスの時間のウィンドウをテストした。露光光源は403nmに波長を有し、露光強度は35mJ/cm2であった。現像後のパターン解像度を光学顕微鏡(OM)で観察し、かつスタンダードASTM D3359に従ってパターンとガラス基板との密着力を測定して、フォトレジスト層の適用範囲(applicable range)を確認した。
【0031】
合成例1
室温でアントラキノン5.0g、次亜硫酸ナトリウム(sodium hyposulfite)8.36g、テトラヒドロフラン(THF)50mL、および脱イオン水50mLを混合して化学還元反応を進行させ、化学的に還元状態にあるアントラキノンを形成した。2-ジアゾ-1,2-ナフトキノン-5-スルホニルクロライド12.90gをTHF50gに溶解し、スルホニルクロライド含有DNQ溶液を形成した。化学的に還元状態にあるアントラキノンの溶液をスルホニルクロライド含有DNQ溶液に加えてから40℃に加熱し、300rpmで機械撹拌して10分反応させ、次いで50℃に加熱し、300rpmで機械撹拌して60分反応させた。反応で得られたものを冷却してから、脱イオン水中に注ぎ、次いで有機層を収集して濃縮した。その濃縮物をろ過し、そのろ過ケークをメタノール/水の溶液で洗浄した。そのろ過ケークを乾燥させて生成物を得た。生成物の1H NMRスペクトル(d6-DMSO)は次のようであった:δ6.34(c),δ7.42(b)、δ7.75~7.77(f)および(g)、δ7.96(d)、δ8.03(e)、δ8.40(a)。生成物の化学構造は次のとおりであった:
【0032】
【化7】
【0033】
合成例2
合成例2は合成例1と類似しているが、合成例2ではスルホニルクロライド含有DNQにおけるスルホニルクロライド基の置換位置が異なる点が相違している。合成例2の他の反応物質の量および反応条件は、合成例1のそれらと同様とした。生成物の1H NMRスペクトル(d6-DMSO)は次のようであった:δ7.32(f)、δ7.36(g)、δ7.38(c)、δ7.42(d)、δ7.53(d)、δ7.65(e)、δ8.40(a)。生成物の化学構造は次のとおりであった:
【0034】
【化8】
【0035】
合成例3
2-ジアゾ-1,2-ナフトキノン-5-スルホニルクロライド12.92gをTHF50gに溶解し、スルホニルクロライド含有DNQ溶液を形成した。ジヒドロキシアントラキノン3.85gをTHF100mLに溶解してから、スルホニルクロライド含有DNQ溶液に加え、次いで40℃に加熱し、300rpmで機械撹拌して10分反応させた後、50℃に加熱し、300rpmで機械撹拌して60分反応させた。反応で得られたものを冷却してから、脱イオン水中に注ぎ、次いで有機層を収集して濃縮した。その濃縮物をろ過し、そのろ過ケークをメタノール/水の溶液で洗浄した。そのろ過ケークを乾燥させて生成物を得た。生成物の1H NMRスペクトル(d6-DMSO)は次のようであった:δ5.3(d)、δ6.85(a)、δ6.9(e)、δ7.55(c)、δ7.61~7.7(g)および(h)、δ7.80(b)、δ8.16(f)。生成物の化学構造は下記するとおりであった。
【0036】
【化9】
【0037】
比較例1-1
市販の光増感剤A(2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノンナフトキノン-1,2-ジアゾ-5-スルホネート、Miwonより購入)2.72g、ノボラック樹脂13.78g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)83.50gを混合し、感光性基の当量比が0.84である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>180秒であったが、密着力がなく、パターンは剥離してしまった。市販の光増感剤Aの化学構造を下記に示す:
【0038】
【化10】
【0039】
比較例1-2
市販の光増感剤A4.24g、ノボラック樹脂12.26g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1.18である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>180秒であり、パターン解像度は50μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0040】
比較例2-1
合成例3における生成物2.71g、ノボラック樹脂13.79g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が0.84である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>180秒であったが、密着力がなく、パターンは剥離してしまった。
【0041】
比較例2-2
合成例3における生成物4.23g、ノボラック樹脂12.27g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1.18である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>180秒であり、パターン解像度は50μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0042】
実施例1-1
合成例1における生成物1.67g、ノボラック樹脂14.83g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が0.56である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>240秒であったが、密着力がなく、パターンは剥離してしまった。
【0043】
実施例1-2
合成例1における生成物2.71g、ノボラック樹脂13.79g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が0.84である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは60秒から180秒であり、パターン解像度は30μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0044】
実施例1-3
合成例1における生成物3.41g、ノボラック樹脂13.09g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは60秒から180秒であり、パターン解像度は10μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0045】
実施例1-4
合成例1における生成物4.23g、ノボラック樹脂12.27g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1.18である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは60秒から180秒であり、パターン解像度は20μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0046】
実施例1-5
合成例1における生成物5.18g、ノボラック樹脂11.32g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1.36である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>240秒であり、除去すべき露光部分が一部残留物として残った。
【0047】
実施例2-1
合成例2における生成物1.67g、ノボラック樹脂14.83g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が0.56である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>240秒であったが、密着力がなく、パターンは剥離してしまった。
【0048】
実施例2-2
合成例2における生成物2.71g、ノボラック樹脂13.79g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が0.84である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは60秒から180秒であり、パターン解像度は30μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0049】
実施例2-3
合成例2における生成物3.41g、ノボラック樹脂13.09g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは60秒から180秒であり、パターン解像度は10μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0050】
実施例2-4
合成例2における生成物4.23g、ノボラック樹脂12.27g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1.18である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは60秒から180秒であり、パターン解像度は20μmであり、かつパターンとガラス基板との間の密着力は5Bであった。
【0051】
実施例2-5
合成例2における生成物5.18g、ノボラック樹脂11.32g、およびPGMEA83.50gを混合し、感光性基の当量比が1.36である感光性組成物を形成した。感光性組成物からフォトレジスト層への現像プロセスウィンドウは>240秒であり、除去すべき露光部分が一部残留物として残った。
【0052】
実施例および比較例におけるフォトレジスト層の特性が表1にまとめてある:
【0053】
【表1】
【0054】
市販の光増感剤に比して、本開示における光増感剤は、感光性基の当量比の調整可能範囲がより広くなり、現像時間のウィンドウがより広くなり、かつパターン解像度がより高くなった。本開示の光増感剤を含むフォトレジストの組成(formula)は、調整の柔軟性が高く、かつ解像度の高いものであった。
【0055】
本開示の方法および物質に様々な修飾や変更を加え得ることは、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は単なる例示としてみなされるよう意図されており、本開示の真の範囲は以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示される。