(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】液滴分配システムから収集されたサンプルデータから液滴の質量を決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20221219BHJP
G01N 5/00 20060101ALI20221219BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01N35/10 D
G01N5/00 Z
B01J4/00 104
(21)【出願番号】P 2021526408
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 US2019042700
(87)【国際公開番号】W WO2020018967
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-19
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519394193
【氏名又は名称】ブライトン テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・デイヴィッド・コヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ガイランディー・ジーン-ジャイルス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・デイヴィソン・ギルピン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・アンソニー・ゲレン
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・ジャイルズ・ディリングハム
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジェームズ・バリー
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-517895(JP,A)
【文献】特開2002-139370(JP,A)
【文献】特開2017-109939(JP,A)
【文献】特開2004-361234(JP,A)
【文献】特開2007-326003(JP,A)
【文献】特開2012-101377(JP,A)
【文献】特開2003-094629(JP,A)
【文献】国際公開第2017/151516(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/002651(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0090275(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/10
G01N 11/00
B01J 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバを備える液滴分配システムを動作させるための方法であって、前記方法が、
前記リザーバ内の第1の流体サンプルを第1の圧力に加圧するステップであって、前記第1の流体サンプルが、その中に含まれる第1の量の混入空気を有する、ステップと、
前記第1の圧力において前記リザーバから前記第1の流体サンプルの第1の液滴を分配するステップと、
前記第1の圧力において分配中の前記第1の液滴の第1の速度を測定するステップと、
前記第1の液滴の第1の質量を測定するステップと、
第1のデータポイントとして、前記第1の速度と、前記第1の圧力と、前記第1の質量と、を記録するステップと、
前記リザーバ内の前記第1の流体サンプルを第2の圧力に加圧するステップと、
前記第2の圧力において前記リザーバから前記第1の流体サンプルの第2の液滴を分配するステップと、
前記第2の圧力において分配中の前記第2の液滴の第2の速度を測定するステップと、
前記第2の液滴の第2の質量を測定するステップと、
第2のデータポイントとして、前記第2の速度と、前記第2の圧力と、前記第2の質量と、を記録するステップと、
前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとを含む比較データセットを生成するステップと、
前記リザーバ内の第2の流体サンプルを第3の圧力に加圧するステップと、
前記第3の圧力において前記リザーバから前記第2の流体サンプルの液滴を分配するステップと、
前記第3の圧力において分配中の前記第2の流体サンプルの前記液滴の第3の速度を測定するステップと、
前記第3の圧力と、前記第3の速度と、前記比較データセットと、に基づいて、前記第2の流体サンプルの前記液滴の第3の質量を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記液滴分配システムが、前記リザーバに関連付けられた弁をさらに備え、
前記第1の流体サンプルの前記第1の液滴を分配するステップが、第1の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第1の流体サンプルの前記第2の液滴を分配するステップが、第2の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第2の流体サンプルの前記液滴を分配するステップが、第3の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、前記第1の事前定義された期間、前記第2の事前定義された期間、および前記第3の事前定義された期間が、実質的に同じである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較データセット内の前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の関係を識別するステップをさらに含み、前記比較データセットが、前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の前記関係をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の前記関係に基づいて、前記第1のデータポイントおよび前記第2のデータポイントから複数の仮想データポイントを外挿するステップをさらに含み、前記比較データセットが、前記複数の仮想データポイントをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の仮想データポイントを外挿するステップが、前記第1のデータポイントおよび前記第2のデータポイントに対して回帰分析を実行するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記リザーバ内の第3の流体サンプルを第4の圧力に加圧するステップと、
前記第4の圧力において前記リザーバから前記第3の流体サンプルの第1の液滴を分配するステップと、
前記第4の圧力において分配中の前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の第4の速度を測定するステップと、
前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の第4の質量を測定するステップと、
第3のデータポイントとして、前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の前記第4の速度と、前記第4の圧力と、前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の前記第4の質量と、を記録するステップと、
前記リザーバ内の前記第3の流体サンプルを第5の圧力に加圧するステップと、
前記第5の圧力において前記リザーバから前記第3の流体サンプルの第2の液滴を分配するステップと、
前記第5の圧力において分配中の前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の第5の速度を測定するステップと、
前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の第5の質量を測定するステップと、
第4のデータポイントとして、前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の前記第5の速度と、前記第5の圧力と、前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の前記第5の質量と、を記録するステップと、
をさらに含み、
前記比較データセットが、前記第3のデータポイントと前記第4のデータポイントとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液滴分配システムが、前記リザーバに関連付けられた弁をさらに備え、
前記第1の流体サンプルの前記第1の液滴を分配するステップが、第1の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第1の流体サンプルの前記第2の液滴を分配するステップが、第2の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第2の流体サンプルの前記液滴を分配するステップが、第3の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴を分配するステップが、第4の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴を分配するステップが、第5の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、前記第1の事前定義された期間、前記第2の事前定義された期間、前記第3の事前定義された期間、前記第4の事前定義された期間、および前記第5の事前定義された期間が、実質的に同じである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記比較データセット内の前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の第1の関係を識別するステップと、
前記比較データセット内の前記第3のデータポイントと前記第4のデータポイントとの間の第2の関係を識別するステップと、
をさらに含み、前記比較データセットが、前記第1の関係と前記第2の関係とをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の前記関係に基づいて、前記第1のデータポイントおよび前記第2のデータポイントから第1の複数の仮想データポイントを外挿するステップと、
前記第3のデータポイントと前記第4のデータポイントとの間の前記関係に基づいて、前記第3のデータポイントおよび前記第4のデータポイントから第2の複数の仮想データポイントを外挿するステップと、
をさらに含み、前記比較データセットが、前記第1の複数の仮想データポイントと前記第2の複数の仮想データポイントとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の複数の仮想データポイントを外挿するステップが、前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとを曲線適合させるステップを含み、
前記第2の複数の仮想データポイントを外挿するステップが、前記第3のデータポイントと前記第4のデータポイントとを曲線適合させるステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
リザーバを備える液滴分配システムからサンプルデータを収集するための方法であって、前記方法が、
前記リザーバ内の第1の流体サンプルを第1の圧力に加圧するステップであって、前記第1の流体サンプルが、その中に含まれる第1の量の混入空気を有する、ステップと、
前記第1の圧力において前記リザーバから前記第1の流体サンプルの液滴を分配するステップと、
前記第1の圧力において分配中の前記第1の流体サンプルの前記液滴の第1の速度を測定するステップと、
前記第1の流体サンプルの前記液滴の第1の質量を測定するステップと、
第1のデータセット内の第1のデータポイントとして、前記第1の圧力と、前記第1の速度と、前記第1の質量と、を記録するステップと、
前記第1の流体サンプルに対するさらなる試験を、繰り返しパターンで、以下の順序、すなわち、
前記リザーバ内の前記第1の流体サンプルを、前記第1の圧力とは異なる第1の流体サンプル圧力に加圧する、
前記異なる第1の流体サンプル圧力において前記リザーバから前記第1の流体サンプルの異なる液滴を分配する、
前記異なる第1の流体サンプル圧力において分配中の前記第1の流体サンプルの前記異なる液滴の速度を測定する、
前記第1の流体サンプルの前記異なる液滴の質量を測定する、
前記第1のデータセット内の異なるデータポイントとして、前記異なる第1の流体サンプル圧力と、前記第1の流体サンプルの前記異なる液滴の前記速度と、前記第1の流体サンプルの前記異なる液滴の前記質量と、を記録する、
という順序で行うステップと、
前記リザーバ内の第2の流体サンプルを第2の圧力に加圧するステップであって、前記第2の流体サンプルが、その中に含まれる第2の量の混入空気を有する、ステップと、
前記第2の圧力において前記リザーバから前記第2の流体サンプルの液滴を分配するステップと、
前記第2の圧力において分配中の前記第2の流体サンプルの前記液滴の第2の速度を測定するステップと、
前記第2の流体サンプルの前記液滴の第2の質量を測定するステップと、
第2のデータセット内の第1のデータポイントとして、前記第2の圧力と、前記第2の速度と、前記第2の質量と、を記録するステップと、
前記第2の流体サンプルに対するさらなる試験を、繰り返しパターンで、以下の順序、すなわち、
前記リザーバ内の前記第2の流体サンプルを、前記第2の圧力とは異なる第2の流体サンプル圧力に加圧する、
前記異なる第2の流体サンプル圧力において前記リザーバから前記第2の流体サンプルの異なる液滴を分配する、
前記異なる第2の流体サンプル圧力において分配中の前記第2の流体サンプルの前記異なる液滴の速度を測定する、
前記第2の流体サンプルの前記異なる液滴の質量を測定する、
前記第2のデータセット内の異なるデータポイントとして、前記異なる第2の流体サンプル圧力と、前記第2の流体サンプルの前記異なる液滴の前記速度と、前記第2の流体サンプルの前記異なる液滴の前記質量と、を記録する、
という順序で行うステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記液滴分配システムが、前記リザーバに関連付けられた弁をさらに備え、
前記第1の流体サンプルの前
記液滴を分配するステップが、第1の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第1の流体サンプルの前記異なる液滴を分配するステップが、第2の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第2の流体サンプルの前
記液滴を分配するステップが、第3の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、
前記第2の流体サンプルの前記異なる液滴を分配するステップが、第4の事前定義された期間、前記弁を開くステップを含み、前記第1の事前定義された期間、前記第2の事前定義された期間、前記第3の事前定義された期間、および前記第4の事前定義された期間が、実質的に同じである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
液滴分配システ
ムを備える液滴分配試験システムであって、
前記液滴分配システムが、
流体を含むように構成されたリザーバと、
前記リザーバ内の前記流体に異なる圧力を選択的に加えるように構成される圧力源と、
前記リザーバに関連付けられ、かつ前記リザーバからの前記流体の液滴の分配を容易にするために、閉位置と開位置との間での選択的な作動のために構成された弁と、
前記弁に隣接して設けられ、かつ前記弁から基板上に分配される前記液滴の速度を測定するように構成された速度センサと、
前記圧力源と前記弁とに関連付けられたコントローラであって、前記コントローラは、
前記リザーバ内の第1の流体サンプルの第1の圧力への加圧を容易にするために前記圧力源を動作させ、前記第1の流体サンプルが、その中に含まれる第1の量の混入空気を有し、
前記第1の圧力において前記リザーバからの前記第1の流体サンプルの第1の液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させ、
前記リザーバ内の前記第1の流体サンプルの第2の圧力への加圧を容易にするために前記圧力源を動作させ、
前記第2の圧力において前記リザーバからの前記第1の流体サンプルの第2の液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させ、
前記リザーバ内の第2の流体サンプルの第3の圧力への加圧を容易にするために前記圧力源を動作させ、かつ
前記第3の圧力において前記リザーバからの前記第2の流体サンプルの液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させる、
ように構成された、コントローラと、
1つまたは複数のプロセッサを備えるコンピューティングシステムと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第1の圧力において分配中の前記第1の液滴の第1の速度を、前記速度センサを介して測定し、
前記第1の液滴の第1の質量を測定し、
第1のデータポイントとして、前記第1の速度と、前記第1の圧力と、前記第1の質量と、を記録し、
前記第2の圧力において分配中の前記第2の液滴の第2の速度を、前記速度センサを介して測定し、
前記第2の液滴の第2の質量を測定し、
第2のデータポイントとして、前記第2の速度と、前記第2の圧力と、前記第2の質量と、を記録し、
前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとを含む比較データセットを生成し、
前記第3の圧力において分配中の前記第2の流体サンプルの前記液滴の速度を、前記速度センサを介して測定し、かつ
前記第3の圧力と、前記液滴の速度と、前記比較データセットと、に基づいて、前記第2の流体サンプルの前記液滴の質量を決定する、
ように構成されている、液滴分配試験システム。
【請求項14】
前記第1の流体サンプルの前記第1の液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させることが、第1の事前定義された期間、前記弁を開くことを含み、
前記第1の流体サンプルの前記第2の液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させることが、第2の事前定義された期間、前記弁を開くことを含み、
前記第2の流体サンプルの前記液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させることが、第3の事前定義された期間、前記弁を開くことを含み、
前記第1の事前定義された期間、前記第2の事前定義された期間、および前記第3の事前定義された期間が、実質的に同じである、請求項13に記載の液滴分配試験システム。
【請求項15】
1つまたは複数の前記プロセッサが、前記比較データセット内の前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の関係を識別するようにさらに構成され、
前記比較データセットが、前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の前記関係をさらに含む、請求項13に記載の液滴分配試験システム。
【請求項16】
1つまたは複数の前記プロセッサが、前記第1のデータポイントと前記第2のデータポイントとの間の前記関係に基づいて、前記第1のデータポイントおよび前記第2のデータポイントから複数の仮想データポイントを外挿するようにさらに構成され、
前記比較データセットが、前記複数の仮想データポイントをさらに含む、請求項15に記載の液滴分配試験システム。
【請求項17】
前記複数の仮想データポイントを外挿することが、前記第1のデータポイントおよび前記第2のデータポイントに対して回帰分析を実行することを含む、請求項16に記載の液滴分配試験システム。
【請求項18】
前記コントローラが、
前記リザーバ内の第3の流体サンプルの第4の圧力への加圧を容易にするために前記圧力源を動作させ、
前記第4の圧力において前記リザーバからの第3の流体サンプルの第1の液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させ、
前記リザーバ内の前記第3の流体サンプルの第5の圧力への加圧を容易にするために前記圧力源を動作させ、かつ
前記第5の圧力において前記リザーバからの前記第3の流体サンプルの第2の液滴の分配を容易にするために前記弁を動作させる、
ようにさらに構成され、
1つまたは複数の前記プロセッサは、
前記第4の圧力において分配中の前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の第1の速度を、前記速度センサを介して測定し、
前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の第1の質量を測定し、
第3のデータポイントとして、前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の前記第1の速度と、前記第4の圧力と、前記第3の流体サンプルの前記第1の液滴の前記第1の質量と、を記録し、
前記第5の圧力において分配中の前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の第2の速度を、前記速度センサを介して測定し、
前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の第2の質量を測定し、かつ、
第4のデータポイントとして、前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の前記第2の速度と、前記第5の圧力と、前記第3の流体サンプルの前記第2の液滴の前記第2の質量と、を記録する、
ようにさらに構成され、
前記比較データセットが、前記第3のデータポイントと前記第4のデータポイントとをさらに含む、請求項13に記載の液滴分配試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
本出願は、2018年7月20日に出願した、Apparatus and Method for Detection of Bubblesと題する米国仮特許出願第62/701,061号の優先権を主張し、この仮特許出願をその全体において参照により本明細書に組み込む。
【0002】
液滴分配システムからサンプルデータを収集するための方法が提供される。サンプルデータは、液滴を物理的に測定することなく、液滴分配システムからの液滴の質量を決定するために使用される。
【背景技術】
【0003】
液体堆積プロセスは、今日、広範囲の用途に使用されており、典型的には、リザーバから離れた場所に、ある量の液体(例えば、液滴)を堆積させることを伴う。そのような液体堆積プロセスの一例は、ノズルから基板上の特定の場所にある量の液体を放出することを伴う印刷プロセスである。そのような液体堆積プロセスの別の例は、他の試薬と反応させるために、正確な量の液体試薬をセルに堆積させることを伴うコンビナトリアルケミストリー実験である。そのような液体堆積プロセスのさらに別の例は、表面にある量の液体を堆積させることと、表面の濡れ性を評価するために表面上の結果として生じる液滴の寸法を測定することとを伴う表面付着試験プロセスである。これらのプロセスは、典型的には、堆積される液体の量の正確な制御を必要とし、場合によっては、印刷また表面付着試験などについて、堆積されている液体の速度の制御も必要とする可能性がある。
【0004】
一般に、これらの液体堆積プロセスは、加圧流体のリザーバと、リザーバに関連付けられた弁と、を含む流体堆積システムを利用する。弁は、リザーバから所望の量の加圧流体を分配するために選択的に開閉される。分配される液体の量は、典型的には、加えられる圧力と、弁が開かれる時間量と、を変化させることによって制御される。事前定義された弁サイクル時間(例えば、弁が開いたままである時間量)の間、リザーバから分配される流体の量は、液体の分配速度に比例する可能性がある。例えば、事前定義された弁サイクル時間の間、リザーバから分配される流体の速度が高いほど、より多くの量の流体がそこから分配される。しかしながら、分配される液体の量は、液体の特性(例えば、粘度)、システム構成要素の機械的特性(例えば、流れに対する抵抗)、および/または液体堆積システムのコンプライアンスによって影響を受ける可能性もある。
【0005】
液体堆積システムのコンプライアンスは、圧力下にあるときに膨張する液体堆積システムの構成要素の感受性の測定値であると理解され得る。構成要素の膨張は、弁が開かれたときに、圧力のみから可能であるよりも高い速度におけるリザーバからの液体の分配を促進するために、機械的エネルギーが加圧流体に少なくとも部分的に加えられ得るように、機械的エネルギーを蓄積することができる。したがって、分配される液体の速度は、より高いコンプライアンスを有する構成要素(例えば、より柔らかい構成要素)がより低いコンプライアンスを有する構成要素(例えば、より硬い構成要素)よりも高い速度を生成し得るように、システムの構成要素のコンプライアンスの関数でもあり得る。
【0006】
液体堆積システムのコンプライアンスは、(例えば、システムの不完全なパージ、または液体内の溶存ガスによる)液体堆積システム内の気泡の存在によって影響される可能性もある。気泡は、液体が圧力下にあるとき、システム内に存在する任意の気泡が機械的エネルギーを効果的に蓄積することができるように、概して弾性特性を有する。弁が開かれると、気泡は、蓄積されたエネルギーを放出し、それによって、圧力のみから可能であるよりも高い速度において流体を分配させることができる。流体内に存在する気泡の量は、決定することが困難である可能性があり、したがって、結果として生じる分配される流体の速度および体積における変化は、予測不可能である可能性があり、分配プロセスにおける不正確さを結果として生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の実施形態は、添付図面と合わせて読まれる以下の説明から、よりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1の液滴分配システムにおいて試験される異なる流体サンプルに関する液滴の圧力と速度との間の関係を示す1対の曲線のプロットである。
【
図3】
図1の液滴分配システムにおいて試験される異なる流体サンプルに関する液滴の速度と質量との間の関係を示す1対の曲線のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で開示する装置、システム、方法、およびプロセスの構造、機能、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、ここで本開示の様々な非限定的な実施形態について説明する。これらの非限定的な実施形態の1つまたは複数の例が、添付図面に示されている。当業者は、本明細書で具体的に説明され、添付図面に示されたシステムおよび方法が非限定的な実施形態であることを理解するであろう。1つの非限定的な実施形態に関連して示されたまたは説明された特徴は、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わされ得る。そのような修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0010】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの例示的な実施形態」。「1つの例示的な実施形態」、または「実施形態」への言及は、任意の実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の各所における「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一実施形態において」、「いくつかの例示的な実施形態」、「1つの例示的な実施形態」、または「実施形態において」というフレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、および特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。本明細書で開示する様々な実施形態において、所与の1つまたは複数の機能を実行するために、単一の構成要素が、複数の構成要素によって置き換えられ得、複数の構成要素が、単一の構成要素によって置き換えられ得る。そのような置換が有効でない場合を除き、そのような置換は、実施形態の意図された範囲内にある。
【0011】
本明細書で説明されているのは、液滴分配システムからサンプルデータを収集し、液滴を物理的に測定することなく液滴の質量を決定するためにサンプルデータを使用するための装置、システム、および方法の例示的な実施形態である。
【0012】
本明細書で論じる例は、単なる例であり、本明細書で説明する装置、デバイス、システム、および方法の説明を支援するために提供される。図面に示す、または以下で論じる特徴または構成要素のいずれも、特に必須として指定されていない限り、これらの装置、デバイス、システム、または方法のうちのいずれかの任意の特定の実装形態に対して必須とみなされるべきではない。読みやすく明確にするために、特定の構成要素、モジュール、または方法について、特定の図に関連してのみ説明している場合がある。構成要素組合せまたは部分的組合せを具体的に説明していない場合でも、任意の組合せまたは部分的組合せが不可能であることを示すものとして理解されるべきではない。また、説明されている任意の方法について、方法がフロー図に関連して説明されているかどうかにかかわらず、文脈によって別段に指定または要求されない限り、方法の実行において実行されるステップの任意の明示的または暗黙的な順序付けは、それらのステップが提示された順序で実行されなければならないことを意味せず、代わりに、異なる順序でまたは並列に実行され得ることが理解されるべきである。
【0013】
一般に、本明細書で説明する実施形態のうちの少なくともいくつかは、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアの多くの異なる実施形態において実施され得ることが当業者には明らかであろう。ソフトウェアコードおよびファームウェアコードは、プロセッサまたは任意の他の同様のコンピューティングデバイスによって実行され得る。実施形態を実施するために使用され得るソフトウェアコードまたは特殊な制御ハードウェアは、限定的ではない。例えば、本明細書で説明する実施形態は、例えば、従来のまたはオブジェクト指向の技法を使用して、任意の適切なコンピュータソフトウェア言語タイプを使用して、コンピュータソフトウェアにおいて実装され得る。そのようなソフトウェアは、例えば、磁気または光記憶媒体などの、任意のタイプの適切なコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。実施形態の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードまたは特殊なハードウェア構成要素への特定の参照なしに説明され得る。当業者は、それ以上の合理的な努力なしに、かつ過度の実験なしに、本明細書に基づいて実施形態を実施するためにソフトウェアおよび制御ハードウェアを設計することができることが明確に理解されるので、そのような特定の参照がないことは、実現可能である。
【0014】
さらに、本明細書で説明するプロセスは、コンピュータもしくはコンピュータシステムおよび/またはプロセッサなどのプログラム可能な機器によって実行され得る。プログラム可能な機器にプロセスを実行させることができるソフトウェアは、例えば、コンピュータシステム(不揮発性)メモリ、光ディスク、磁気テープ、または磁気ディスクなどの任意の記憶デバイス内に記憶され得る。さらに、コンピュータシステムが製造されるか、または様々なタイプのコンピュータ可読媒体上に記憶されるとき、プロセスのうちの少なくともいくつかがプログラムされ得る。
【0015】
本明細書で説明するプロセスの特定の部分は、プロセスステップを実行するようにコンピュータシステムに指示する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を使用して実行され得ることも理解され得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光ディスクドライブ、またはハードディスクドライブなどのメモリデバイスを含むことができる。コンピュータ可読媒体は、物理的、仮想的、永続的、一時的、半永続的、および/または半一時的であるメモリストレージを含むこともできる。
【0016】
「コンピュータ」、「コンピュータシステム」、「ホスト」、「サーバ」、または「プロセッサ」は、例えば、限定はしないが、プロセッサ、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、サーバ、メインフレーム、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メールデバイス、携帯電話、ページャ、プロセッサ、ファックス機、スキャナ、またはネットワークを介してデータを送信および/もしくは受信するように構成された任意の他のプログラム可能なデバイスであり得る。本明細書で開示するコンピュータシステムおよびコンピュータベースのデバイスは、情報を取得、処理、および通信する際に使用される特定のソフトウェアモジュールを記憶するためのメモリを含むことができる。そのようなメモリは、開示した実施形態の動作に対して内部または外部であり得ることが理解され得る。メモリは、ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(電気的消去可能PROM)、および/または他のコンピュータ可読媒体を含む、ソフトウェアを記憶するための任意の手段を含むこともできる。本明細書で使用される非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的な伝播する信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を含む。
【0017】
本開示によるコンピュータシステムは、クライアントデバイス上で実行される、SAFARI(登場商標)、OPERA(登場商標)、GOOGLE CHROME(登場商標)、INTERNET EXPLORER(登場商標)などのウェブブラウザなどの、任意の適切な技法を介してアクセスされ得る。いくつかの実施形態において、本明細書で説明するシステムおよび方法は、ウェブベースのアプリケーションまたはスタンドアロンの実行可能ファイルであり得る。加えて、いくつかの実施形態において、本明細書で説明するシステムおよび方法は、監視および制御システムなどの様々なタイプのコンピュータシステムと統合され得る。ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ゲームシステムなどのコンピューティングシステムにアクセスまたは実行するために、任意の適切なクライアントデバイスが使用され得る。本明細書で説明するシステムおよび方法は、一般に、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの監視環境を提供し得る。システムとの対話は、限定はしないが、キーボード入力、ペン、スタイラス、指などからの書き込み、コンピュータのマウスによる、または他の形式の入力(音声認識など)を含み得る。ダッシュボードまたは他のメトリックが、タブレット、デスクトップなどにおいて提示され得る。
【0018】
図全体にわたって同様の数字が同じまたは対応する要素を示す
図1~
図3の図および例に関連して、
図1は、本明細書でさらに説明するように、液滴分配システム12の試験を容易にするために利用され得る試験システム10の一実施形態を示す。
【0019】
試験システム10は、例えば、パーソナルコンピュータ、モバイル通信デバイス、ラップトップ、タブレット、サーバ、メインフレーム、または複数のコンピュータの集合(例えば、ネットワーク)などの任意の適切なプロセッサベースのデバイスまたはシステムを使用して提供され得るコンピューティングシステム14を含むことができる。コンピューティングシステム14は、1つまたは複数のプロセッサ16と、1つまたは複数のメモリユニット18と、を含むことができる。便宜上、1つのプロセッサ16および1つのメモリユニット18のみが
図1に示されている。プロセッサ16は、メモリユニット18上に記憶されたソフトウェア命令を実行することができる。プロセッサ16は、1つまたは複数のコアを有する集積回路(IC)として実装され得る。コンピューティングシステム14は、画像処理の様々な態様を支援するために、1つまたは複数のグラフィック処理ユニット(GPU)を利用することもできる。メモリユニット18は、揮発性および/または不揮発性メモリユニットを含むことができる。揮発性メモリユニットは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。不揮発性メモリユニットは、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ならびに、例えば、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブなどの機械的不揮発性メモリシステムを含むことができる。RAMおよび/またはROMメモリユニットは、例えば、ディスクリートメモリICとして実装され得る。
【0020】
メモリユニット18は、本明細書で説明するコンピューティングシステム14によって使用するための実行可能ソフトウェアおよびデータを記憶することができる。コンピューティングシステム14のプロセッサ16がソフトウェアを実行すると、プロセッサ16は、サンプルデータを収集する、サンプルデータからデータセットを生成する、およびサンプルデータから液滴の質量を決定するなどの、コンピューティングシステム14の様々な動作を実行させられ得る。
【0021】
コンピューティングシステム14によって収集および使用されるデータは、ハードディスクドライブ、読み取り専用メモリ(例えば、ROM IC)、または他のタイプの不揮発性メモリなどの不揮発性コンピュータメモリであり得るデータストア20などの様々なソースにおいて記憶され得る。いくつかの実施形態において、データストア20は、例えば、リモート電子コンピュータシステム(例えば、クラウドベースのストレージ)において記憶され得る。理解されるべきように、様々な他のデータストア、データベース、または他のタイプのメモリストレージ構造が利用され得るか、またはコンピューティングシステム14に関連付けられ得る。
【0022】
液滴分配システム12は、リザーバ22と、リザーバ22に関連付けられた圧力源24と、リザーバ22に関連付けられた弁26と、を含むことができる。リザーバ22は、流体28を含むことができ、圧力源24は、リザーバ22内の流体28に異なる圧力を選択的に加えるように構成され得る。一実施形態において、圧力源24は、ポンプであり得る。弁26は、リザーバ22から基板34上への流体の液滴30の分配を容易にするために、閉位置と開位置との間で選択的に作動され得る。圧力源24および弁26は、リザーバ22から基板34上への液滴30の分配を容易にするために圧力源24と弁26とを制御するように構成されたコントローラ32に関連付けられ得る。一実施形態において、コントローラ32は、オンチップコントローラであり得る。液滴分配システム12は、弁26に隣接して設けられ、弁26から基板34上に分配される液滴30の速度を測定するように構成された速度センサ36を含むことができる。一実施形態において、速度センサ36は、互いに既知の距離だけ離間された1対の光バリアビームを有するクロノグラフを備えることができる。そのような実施形態において、液滴30の速度は、液滴30が光バリアビームの各々の経路を遮断する間の経過時間に基づいて測定される。
【0023】
一実施形態において、液滴分配システム12は、基板の濡れ特性の測定を容易にする表面試験デバイスであり得る。そのような表面試験デバイスの一例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,272,254号明細書において開示されている。別の実施形態において、液滴分配システム12は、インクジェットプリンタであり得る。以下に説明する方法およびプロセスのために様々な適切な代替の液滴分配システムのいずれかが企図されることが理解されるべきである。
【0024】
液滴30の質量を知ることは、特定の液滴分配システムにおいて有用である可能性があることが理解されるべきである。しかしながら、液滴分配システム12において使用される流体28は、混入空気(例えば、微小気泡)を本質的に含む可能性があり、これは、所与の圧力および弁26の開放時間に対して質量を正確に予測する能力に影響を与える。流体28中に含まれる混入空気の量は、測定および/または制御することが困難である可能性があり、流体がリザーバ22内に提供されるたびに異なる可能性がある。結果として、分配された液滴の質量は、液滴30を物理的に測定することなく予測することが困難である可能性があり、液滴30を物理的に測定することは、現場での液滴分配システム12の使用中に達成することが困難であり、場合によっては不可能である可能性がある。次に、液滴分配システム12からサンプルデータを収集するための方法について論じる。サンプルデータは、異なる量の混入空気を有する流体について、液滴分配システム12から分配された液滴の質量を決定する際に有用である可能性がある。
【0025】
第1に、リザーバ22は、未知の量の混入空気(例えば、ゼロである可能性がある)を本質的に含む第1の流体サンプル(例えば、28)で満たされる。第1の圧力が、圧力源24を介して第1の流体サンプルに加えられ、液滴(例えば、30)が、ある経過時間の間、弁26を開閉することによって、リザーバ22から分配される。液滴の速度は、速度センサ36を用いて測定され、液滴の質量は、計量される。液滴の圧力、速度、および質量は、コンピューティングシステム14のデータストア20内にデータポイントとして記録される。次いで、異なる圧力が第1の流体サンプルに加えられ、異なる液滴が、前の液滴と同じ(例えば、実質的に同じ)経過時間の間、弁26を開閉することによって、リザーバ22から分配される。液滴の速度は、速度センサ36を用いて測定され、液滴の質量は、計測される。異なる液滴の圧力、速度、および質量は、コンピューティングシステム14のデータストア20内に第1の流体サンプルに関する別のデータポイントとして記録される。このプロセスは、次いで、十分なデータセット(例えば、グループ化)が第1の流体サンプルについて生成されるまで、様々な圧力に対して繰り返される。
【0026】
一実施形態において、試験は、手動で実行され得、コンピューティングシステム14に(例えば、キーボードを介して)手動で記録され得る。別の実施形態において、試験は、データセットが(例えば、通信インターフェースを介して)コンピューティングシステム14に自動的に記録されるように、コンピューティングシステム14によって自動化され得る。
【0027】
データセットは、第1の流体サンプルに関する圧力と、速度と、液滴質量と、の間の関係を表すことができる。
図2は、第1の流体サンプルに関する速度と圧力との間の関係を示すために、第1の流体サンプルに関するデータセットから生成され得る曲線C1の一例を示す。曲線C1は、曲線C1を生成するために曲線適合(または他の方法で外挿)されたデータセットからの様々なデータポイントP11~P15から構成され得る。
図3は、第1の流体サンプルに関する液滴質量と速度との間の関係を示すために、第1の流体サンプルに関するデータセットから生成され得る曲線C11の一例を示す。曲線C11は、曲線C11を生成するために曲線適合(または他の方法で外挿)されたデータセットからの様々なデータポイントP111~P115から構成され得る。
【0028】
第1の流体サンプルに対する試験が完了すると、リザーバ22は、空にされ、未知の量の混入空気も含む第2の流体サンプルで満たされる。圧力が第2の流体サンプルに加えられ、液滴がリザーバ22から分配される。液滴の速度は、速度センサ36を用いて測定され、液滴の質量は、計量される。液滴の圧力、速度、および質量は、コンピューティングシステム14のデータストア20内に第2の流体サンプルに関するデータポイントとして記録される。次いで、異なる圧力が第2の流体サンプルに加えられ、異なる液滴が、前の液滴と同じ(例えば、実質的に同じ)経過時間の間、弁26を開閉することによって、リザーバ22から分配される。液滴の速度は、速度センサ36を用いて測定され、液滴の質量は、計測される。異なる液滴の圧力、速度、および質量は、コンピューティングシステム14のデータストア20内に第2の流体サンプルに関する別のデータポイントとして記録される。このプロセスは、次いで、十分なデータセット(例えば、グループ化)が第2の流体サンプルについて生成されるまで、様々な圧力に対して繰り返される。
【0029】
データセットは、第2の流体サンプルに関する圧力と、速度と、液滴質量と、の間の関係を表すことができる。
図2は、第1の流体サンプルに関する速度と圧力との間の関係を示すために、第1の流体サンプルに関するデータセットから生成され得る曲線C2の一例を示す。曲線C2は、曲線C2を生成するために曲線適合(または他の方法で外挿)されたデータセットからの様々なデータポイントP21~P25から構成され得る。
図3は、第1の流体サンプルに関する液滴質量と速度との間の関係を示すために、第1の流体サンプルに関するデータセットから生成され得る曲線C22の一例を示す。曲線C22は、曲線C22を生成するために曲線適合(または他の方法で外挿)されたデータセットからの様々なデータポイントP221~P225から構成され得る。
【0030】
プロセスは、液滴分配システム12に関するサンプルデータの完全な集合を生成するために、所望の数の流体サンプル、流体タイプ、および/または弁開放時間に対して繰り返され得ることが理解されるべきである。試験が完了すると、サンプルデータ(任意の補間/外挿されたデータを含む)は、液滴分配システム12の試運転プロセスの一部として、比較サンプルデータとして液滴分配システム12上にロードされ得る。一実施形態において、比較サンプルデータは、ルックアップテーブルを含むことができる。
【0031】
現場での液滴分配システム12の動作中、各液滴は、特定の圧力および弁開放時間における液滴分配システム12から分配され得る。液滴の分配中、液滴の速度は、速度センサ36によって測定され得る。次いで、圧力、弁開放時間、および液滴の速度は、液滴の質量を決定するために、比較サンプル時間と比較され得る。特に、圧力、弁開放時間、および液滴の速度は、比較サンプルデータにおけるデータポイントの各々と比較され得る。圧力、弁開放時間、および液滴の速度と最も一致する圧力、弁開放時間、および速度を有するデータポイントが識別され得、データポイントにおいてリストされている質量が、液滴に関する質量として使用され得る。したがって、比較サンプルデータは、従来の構成よりも正確に、かつ液滴の物理的測定を必要とすることなく、液滴の質量を決定するために使用され得る。
【0032】
液滴分配システムの各々が同様の方法で比較サンプルデータを使用することを可能にするために、液滴分配システム12から取得された比較サンプルデータは、製造中に他の同様の液滴分配システムにおいて展開され得ることが理解されるべきである。
【0033】
本開示の実施形態および例の前述の説明は、例示および説明の目的のために提示されている。網羅的であること、または本開示を説明した形態に限定することを意図していない。上記の教示に照らして、多くの修正が可能である。それらの修正のうちのいくつかは、論じられており、その他のものは当業者によって理解されるであろう。実施形態は、本開示の原理、および企図される特定の使用に適した様々な実施形態を最もよく例示するために選択され、説明された。本開示の範囲は、もちろん、本明細書に記載の例または実施形態に限定されず、当業者によって任意の数のアプリケーションおよび同等のデバイスにおいて採用され得る。むしろ、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されることが本明細書によって意図されている。また、特許請求および/または説明された任意の方法について、方法がフロー図に関連して説明されているかどうかにかかわらず、文脈によって別段に指定または要求されない限り、方法の実行において実行されるステップの任意の明示的または暗黙的な順序付けは、それらのステップが提示された順序で実行されなければならないことを意味せず、異なる順序でまたは並列に実行され得ることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0034】
10 試験システム
12 液滴分配システム
14 コンピューティングシステム
16 プロセッサ
18 メモリユニット
20 データストア
22 リザーバ
24 圧力源
26 弁
28 流体
30 液滴
32 コントローラ
34 基板
36 速度センサ