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特許7196328専用アップリンクリソース送信スケジュールの設定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】専用アップリンクリソース送信スケジュールの設定
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20221219BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20221219BHJP
   H04W 28/26 20090101ALI20221219BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W4/70
H04W28/26
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021548631
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2020058178
(87)【国際公開番号】W WO2020193557
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】19165108.2
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521196512
【氏名又は名称】タレス ディアイエス エイアイエス ドイツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブロイアー
(72)【発明者】
【氏名】オサイド ハリク
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-526878(JP,A)
【文献】特表2012-500525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラネットワーク(1)の基地局(4)を、前記基地局(4)にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置(10)にサービスを提供するために動作させる方法であって、前記基地局(4)が、前記ユーザ装置(10)との間で周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意しており、
前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの1回以上のアップリンク機会(26)を前記ユーザ装置(10)が逃した場合に、前記方法が、前記ユーザ装置(10)が関係する前記アップリンク機会における前記基地局(4)との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断し、
-利用できないと見なされると判断した場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを維持し、
-前記ユーザ装置(10)が利用できないと判断される場合であって、前記アップリンク機会(26)を逃した回数を超える所定の連続した回数アップリンク機会を逃したことが検出された場合には、前記現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルするステップを含む方法。
【請求項2】
前記ユーザ装置(10)が前記アップリンク機会(26)における前記基地局との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断するために、以下の状況、すなわち
-前記ユーザ装置(10)がデータ交換セッション(27)中であること、
-前記ユーザ装置(10)が前記セルラネットワーク(1)の別の基地局に接続して動作していること、
-前記ユーザ装置(10)が無線ポリシーの一部としてアップリンク通信を控えるように指示されたこと、
のうちの少なくとも1つを把握する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ装置(10)が、関係する前記アップリンク機会(26)における前記基地局(4)との通信に利用できないと見なされる場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの前記アップリンク機会(26)に割り当てられたリソースを別のユーザ装置に割り当てるステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基地局(4)が、無線ポリシーの一部としてのアップリンク通信を控えよとの指示を前記ユーザ装置(10)に与えるように構成され、
前記指示が、所定時間内の前記基地局(4)との通信試行を一定の試行数に制限することを含み、
前記一定の試行数を減らすために、前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った前記アップリンク機会(26)における前記ユーザ装置(10)のデータ送信(23)を省略することを含む、請求項1乃至3の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項5】
無線ポリシーの一部としてのアップリンク通信を控えよとの前記指示が、前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールのアップリンク機会と関連する前記ユーザ装置(10)からのデータ送信(23)の受信に応じて与えられる(24)、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
セルラネットワーク(1)の基地局(4)であって、前記基地局(4)にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置(10)にサービスを提供するように構成され、前記基地局(4)が周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて前記ユーザ装置(10)と合意するように構成され、
前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの1回以上のアップリンク機会(26)を前記ユーザ装置(10)が逃した場合に、前記基地局(4)が、
-前記ユーザ装置(10)が、関係する前記アップリンク機会(26)における前記基地局(4)との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断し、
-利用できないと見なされると判断した場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを維持し、
-前記ユーザ装置(10)が前記基地局(4)との通信に利用できないと判断される場合であって、前記アップリンク機会(26)を逃した回数を超える所定の連続した回数アップリンク機会(26)を逃したことが検出された場合には、前記現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルするように構成された基地局(4)。
【請求項7】
前記ユーザ装置(10)が前記アップリンク機会(26)における前記基地局(4)との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断するために、前記基地局(4)が、以下の状況、すなわち
-前記ユーザ装置(10)がデータ交換セッション(27)中であること、
-前記ユーザ装置(10)が前記セルラネットワーク(1)の別の基地局に接続して動作していること、
-前記ユーザ装置(10)が無線ポリシーの一部としてアップリンク通信を控えるように指示されること、
のうちの少なくとも1つを把握する、請求項6に記載の基地局(4)。
【請求項8】
前記基地局(4)がさらに、前記ユーザ装置(10)が前記アップリンク機会(26)の間の前記基地局(4)との通信に利用できないと見なした場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの前記アップリンク機会(26)に割り当てられたリソースを別のユーザ装置に割り当てるように構成された、請求項6又は7に記載の基地局(4)。
【請求項9】
ユーザ装置(10)をセルラネットワーク(1)の基地局(4)と共に動作させる方法であって、前記ユーザ装置が、
-前記基地局と周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意するステップと、
-前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った少なくとも1回のアップリンク機会に少なくとも1つのアップリンク送信(23)を実行するステップと、
-前記ユーザ装置(10)がこのアップリンク機会(26)における前記基地局(4)との通信に利用できない場合に、アップリンク送信(23)を実行することを控えるステップと、
-所定の時間内の前記基地局(4)との通信試行を一定の試行回数に制限せよとの受信指示の場合に、その一定の試行回数を減らすために、前記所定の時間内に発生するアップリンク機会(26)を省略するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
アップリンク通信を控えよとの指示を含む無線ポリシー指示を前記基地局(4)から受信した場合に、前記方法がさらに、
-これに対して、前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会(26)にのみアップリンク送信(23)を実行するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
無線ポリシー指示を受信した場合に、アップリンク送信(23)を実行する前記ステップが、前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った前記アップリンク機会(26)の一部として前に送信されたデータ送信(23)と出所及び/又は内容が異なる情報の送信を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局(4)との通信試行を制限せよとの、第1の基地局(4)からの受信指示の場合に、
前記第1の基地局ではなく第2の基地局とのアップリンク送信を実行し、
その後前記第1の基地局(4)に戻る、請求項乃至11の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項13】
セルラネットワーク(1)の基地局(4)で動作するように構成されたユーザ装置(10)であって、
前記ユーザ装置(10)が、前記基地局(4)と周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意し、前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った少なくとも1回のアップリンク機会(26)に少なくとも1つのアップリンク送信(23)を実行し、前記ユーザ装置(10)が前記アップリンク機会における前記基地局(4)との通信に利用できない場合に、前記アップリンク送信(23)を実行することを控えるように構成され
所定の時間内の前記基地局(4)との通信試行を一定の試行回数に制限せよとの受信指示があった場合に、その一定の試行回数を減らすために、前記所定の時間内に発生するアップリンク機会(26)を省略するユーザ装置(10)。
【請求項14】
アップリンク通信を控えよとの指示を含む無線ポリシー指示を前記基地局(4)から受信するようにさらに構成され、
-これに対して、前記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会(26)にのみアップリンク送信(23)を実行する、請求項13に記載のユーザ装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラネットワークで動作するユーザ装置のための専用アップリンクリソース送信スケジュールをサポート可能な基地局を動作させる方法に関する。
【0002】
本発明はまた上記方法を用いるセルラネットワークの基地局に関する。
【0003】
本発明はまたユーザ装置を上記基地局と共に動作させる方法に関する。本発明はさらに上記方法を用いて動作するユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0004】
セルラ無線通信の分野において、セルラネットワークは多種多様なユーザ装置をサポートする傾向がある。特に、モノのインターネットという用語でもカバーされるマシン型デバイスの分野では、セルラネットワークとユーザ装置との間の動作を効率化するのに用いられるいくつかの変更が、マシン型デバイスの特別なニーズに対して準備中である。
【0005】
具体的にはマシン型通信(MTC)デバイスは、毎日の測定、ステータス更新、更新要求などの定期的な送信を実行するように構成される。無線技術標準では、適応、例えば、EP3032903A1で考察されるように、セルラネットワークにそのような種類の周期的データ伝送をいかに上手く準備させるかが進められている。このアプローチは、現在のセルラ技術標準ではD‐PUR(専用事前設定アップリンクリソース)という用語の下に取り扱われる。一般に、この概念は以下において専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールと呼ばれる。
【0006】
この概念によれば、マシン型ユーザ装置は、基地局、すなわちセルラネットワークと、例えば1日に1回/1時間に1回、特定の時間に一定の周期的スケジュールについて交渉する。つまり、ユーザ装置は、特定の機会にリソースを要求する必要はないが、少なくとも1つのアップリンク送信を実行することが期待される一方、基地局はこの送信に備え、このユーザ装置のためのリソースを確保しておくが、各データ送信に備えた追加のシグナリングはないか、又は少なくとも最小限に抑えられる。
【0007】
これは、ユーザ装置にとっては消費電力が節約される点で、セルラネットワークにとっては混雑が削減され、計画可能となる点で共に有利である。特に、多くの場合、ユーザ装置はごくわずかなペイロードしか送信しない点で有利である。そのような低データ伝送のために接続を設定し、リソースを要求するのに必要なD‐PURを伴わないシグナリングはペイロードの量を上回ることが多い。
【0008】
現在策定されている解決策の問題は、ユーザ装置が1回又は数回のアップリンク送信機会を逃した場合に、基地局が合意されているD‐PURセッションをキャンセルし、次のデータ送信に先立って、新しいD‐PURセッションについての交渉が行われる必要があることと思われる。
【0009】
これは一般に、ユーザ装置が故障したり、非アクティブ化されたり、別のセルに移動したりする可能性があるためストレートなアプローチである。したがって、基地局は、そのようなユーザ装置のための、使用されていないリソースを確保することになる。
【0010】
しかしながら、このアプローチの1つの欠点は、ユーザ装置が他の理由からアップリンク送信機会を逃した場合である。これは、D‐PURセッションを再度設定するためのシグナリング量がセルラネットワークを混雑させ、このアプローチを導入することで達成されるはずの節約を過剰補償する可能性がある点で不利である。さらに、既に混雑した状態のセルラネットワークでは、ユーザ装置は自身のリソース確保を失う可能性があり、極端な場合は、例えば数時間、サービスが提供されなくなる。
【0011】
MTCユーザ装置は制限された送信器/受信器回路を備えることが多いため、この状況が他のデバイスよりも頻繁に起こる可能性がある。
【0012】
これは特に、(FDD)半二重動作を行っていること、すなわち、ダウンロードセッション中、アップリンク送信機会にアップリンク送信を実行できないことによるものである。ユーザ装置がアップリンク送信機会を逃す可能性がある場合の他の制限も含まれる。
【0013】
この状況はまた、ユーザ装置に付属するアプリケーションが、異なる周波数に割り当てられ得る追加のアップリンク(UL)通信を開始した場合、ひいては事前にスケジュールされた送信機会を実現できない、又は一時的に必要としない場合にも生じることがある。同じ状況は、ユーザ装置がULでシグナリング確認を送信する、又はダウンリンク(DL)方向に受信するだけでよい場合にも生じる。
【0014】
したがって、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの実行中のセッションが、ユーザ装置がアップリンク送信機会を逃したことでキャンセルされる状況を減らすために、D‐PURのような専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールアプローチを改善するための解決策が必要である。
【0015】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を克服すること、及び専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの取り扱いを改善するための解決策を提案することである。
【0016】
したがって、さらなる代替的かつ有利な解決策が当該技術分野で望ましいであろう。
【発明の概要】
【0017】
このため、本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載の基地局を動作させる方法が提案される。本発明の第2の態様によれば、請求項7に記載の基地局がさらに提案される。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、請求項11に記載のユーザ装置を動作させる方法がさらに提案される。本発明の第4の態様によれば、請求項16に記載のユーザ装置が提案される。
【0019】
本発明の第1の態様によれば、セルラネットワークの基地局を、上記基地局にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置にサービスを提供するために動作させる方法であって、上記基地局が、ユーザ装置と周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意しており、
専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの1回以上のアップリンク機会をユーザ装置が逃した場合に、方法が、基地局が、ユーザ装置が関係する上記アップリンク機会における基地局との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断し、
-利用できないと見なされると判断した場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを維持し、
-そうでない場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルするステップを含む方法が提案される。
【0020】
本発明のこの態様は、具体的にはセルラ技術標準3G、4G、5G以降の1つを実装するセルラネットワークの基地局に関連する。基地局はセルラネットワークの複数の基地局のうちの1つである。
【0021】
基地局は、少なくとも1つのユーザ装置にサービスを提供するように構成され、少なくとも1つのユーザ装置は、具体的には同量のデータをリモートサーバに定期的に送信しており、さらに具体的には固定状態で動作する。“固定状態”とは、いくつかの定期送信が実行されるべき一定期間に少なくとも又は単に移動しないことを意味する。このようなユーザ装置の例は、その測定結果を定められた時間に、又は少なくとも定められた時間のコリドー(corridor)で周期的に送信する計量デバイスである。この周期性は、好ましくはユーザ装置の目的に応じて数秒から最大数日までの範囲にある。
【0022】
このような種類の定期的なデータ送信に対するシグナリング負荷を制限するために、周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールが基地局とユーザ装置との間で調整される。専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールは、所定の周期性及びデータ量でデータを送信することを可能にする、ユーザ装置と基地局との間の動作モードである。各アップリンク機会、すなわち、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従って、基地局がユーザ装置からの予想されるデータ送信に十分なリソースを割り当てる期間ごとに追加のシグナリングが不要であるか、又は少なくとも制限された追加のシグナリングが必要である。
【0023】
専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを設定するために、ユーザ装置は、具体的にはデータ量及び計画された周期性を含む想定されるデータ送信を示す要求を基地局に送信することが好ましい。また、この要求はまた、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールが想定される持続時間を含むことがあり、持続時間は数時間から、計測器用途に特に有用な無限大まで続くことがある。
【0024】
基地局はこれに応答して、要求された周期性、持続時間及び/又は要求されたデータ量に応じて要求を、承認された周期性を有するスケジュールに応じてアップリンク送信のための各リソースを評価する。これに対して、この情報は確認メッセージでユーザ装置に提供される。
【0025】
次いでユーザ装置は、好ましくはこのスケジュールを受け入れるか、又は拒否して専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールなしに動作し続けることを決定することができる。好ましくは、ユーザ装置は後に、少なくともある期間の限られた時間に、ユーザ装置の要求により適合する専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを再び設定することを要求することがある。
【0026】
好ましくは、基地局は、具体的にはSIBを用いて、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをサポートしていることを示す。
【0027】
この専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールが設定されるとき、基地局は、スケジュールに従ってユーザ装置からのデータ送信のためのリソースが割り当てられる時間を意味する各アップリンク機会に、ユーザ装置がデータ送信を実行することを期待する。
【0028】
このようなデータ送信は、接続を設定するための追加のシグナリングを必要としない、又は追加のシグナリングが、少なくとも基地局がスケジュールに従ってこれを期待していないときよりもはるかに少ない。
【0029】
しかしながら、ユーザ装置がアップリンク機会を1回又は複数回逃した場合に、基地局は既に送信スケジュールを終了させている。このような逃したアップリンク機会のうちの何回が終了につながるかは、好ましくは設定の問題であり、いずれにせよ、これは基地局の視点から、もはや動作していないユーザ装置にリソースを割り当てないようにかなり少ないことが好ましい一方、ユーザ装置にとっては、この数は、かなりの電力を必要とする専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの再設定を回避するためにかなり多いことが好ましい。特に、電池駆動のユーザ装置にとって、これは問題となることがあり、回避されることが好ましい。ここで、ユーザ装置及び基地局双方の要求は相反するため、大きい数が不可能であることは明らかである。
【0030】
ここで本発明の出番となる。
【0031】
これによれば、1回以上のアップリンク機会をユーザ装置が逃した場合、つまり基地局が各ユーザ装置からアップリンク送信を受信しない場合に、基地局は、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをすぐにキャンセルするのではなく、なぜユーザ装置がアップリンク機会を逃したかを検討するものであることが提案される。
【0032】
好ましくは、このプロセスは、必ずしも最初に逃した機会から開始されるわけではなく、最初に逃した機会はデフォルト設定で無視されることがあり、2回以上機会を逃すことがある。その際、基地局は専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルすることが適切かどうかをチェックすることになる。
【0033】
ユーザ装置が少なくともアップリンク機会において関係する基地局との通信に利用できないと見なされるとユーザ装置が判断できる場合は、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールは維持されるものとする。
【0034】
この判断ステップは、ユーザ装置の状況のチェックを含む。特に、例えば半二重、又は制限された処理能力で動作を行う低帯域幅デバイスは、特に、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュール中に予定されたデータ送信を行うために、上記アップリンク機会における基地局との通信に利用できない。つまり、ユーザ装置は、各基地局との通信セッションで動作しているとしても、そのような通信セッションがアップリンク機会におけるデータ送信を行わない理由である場合は、上記アップリンク機会における基地局との通信に利用できないと見なされることになる。
【0035】
このチェックは、アップリンク機会を逃した理由について基地局が知っている可能性があることを考慮に入れる。この理由が、特に基地局により開始された他の手法に従事して忙しいことを示す場合は、逃したアップリンク機会は、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルすることには考慮されない。
【0036】
これは、アップリンク機会の見逃しを予測し、結果として反応できるため、基地局がこのような状況に対処する必要性を適合させる一方、ユーザ装置が専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを再度設定する必要がある頻度を、現在知られている手順によるよりも低くする点で有利である。
【0037】
好ましくは、ユーザ装置が基地局との通信に利用できないと見なす理由は変わることがある。
【0038】
好適な実施形態によれば、ユーザ装置が上記アップリンク機会における基地局との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断するために、以下の状況、
-ユーザ装置がデータ交換セッション中であること、
-ユーザ装置がセルラネットワークの別の基地局に接続して動作していること、
-ユーザ装置が無線ポリシーの一部としてアップリンク通信を控えるように指示されたこと、
のうちの少なくとも1つを把握することが提案される。
【0039】
この実施形態は、好ましくは基地局が、ユーザ装置が少なくともアップリンク機会において現在利用できないと評価すると考えられるいくつかの状況を収集する。
【0040】
ユーザ装置がデータ交換セッション中である場合は、特に帯域幅限定ユーザ装置の場合、アップリンクデータ送信を実行することができない。
【0041】
このようなユーザ装置は、半二重通信しかできない、すなわち、同時に両方ではなく、一時に受信又は送信の一方を行い、制限された周波数範囲でしか動作できないことが多い。付加的又は代替的に、ユーザ装置は、対応する数のHARQチェーン、つまり上記受信/送信を処理するための各ストレージしか有していないため、限られた数のプロセス、すなわち、1つか2つのHARQプロセスのみをサポートすることしかできないという意味で制限されることがある。
【0042】
この状況は、データ交換セッションが基地局を介して行われているために基地局に知られている。
【0043】
具体的には基地局では、ユーザ装置はまた、ユーザ装置がデータを送信し、前の送信に対する基地局からの確認を待っているとき、データ交換セッション中であると判断される。つまり、アップリンク機会の際にユーザ装置を利用できない、すなわち忙しいと判断するのに実際のアクティビティが十分でないことがある。
【0044】
さらに、基地局にキャンプオンしている低性能デバイスへの実行中のソフトウェアのダウンロードがデータ交換セッションと判断される。これは、MBMS又はSCPTM(シングルセルポイントツーマルチポイント)伝送の一部である場合がある。
【0045】
このような場合には基地局がデータ送信に関与するという事実のために、基地局はこれを知っており、結果として、影響を受けたユーザ装置が、通信、すなわち少なくとも専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会におけるアップリンク送信に利用できないと見なすことができる。
【0046】
付加的又は代替的に、ユーザ装置がセルラネットワークの別の(第2の)基地局と接続して動作していることに気付いたときに、ユーザ装置は(第1のサービング)基地局との通信ができないと判断されることがある。
【0047】
これは、具体的には基地局間の、すなわちセルラネットワークを介した通信によって判断される。
【0048】
第1の基地局は、この状況に気付いたとき、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会におけるアップリンク送信を期待しないものとされる。
【0049】
付加的又は代替的に、基地局は、ユーザ装置が、具体的には無線ポリシーの一部としてアップリンク通信を控えるように指示された場合に、ユーザ装置が基地局との通信を利用できないと見なすことがある。セルラネットワークを妨げ、過負荷状況を解決する、すなわちこのようなユーザ装置に対するアクセスを制限するために、無線ポリシー管理(RPM)機構が典型的には使用される。
【0050】
好ましくは、これは、具体的にはマシン型通信、すなわちモノのインターネット(IoT)デバイスにより生じたトラフィックを制限することが想定される無線ポリシー管理命令の状況の場合である。このようなRPMメッセージは、具体的には対応する拒否原因を含むサービス要求に応じて、基地局によってキャンプオンしている1つ以上のユーザ装置に送信される。
【0051】
このようなRPMメッセージにより、ユーザ装置は、好ましくはセルラネットワークにアクセスすること、つまり、少なくとも一定の前提条件の下でデータ送信を実行することを控えるように指示される。
【0052】
そうしてまた、影響を受ける期間が、前に合意され、したがって、割り当てられていた(以下ハードRPMと呼ぶ)アップリンク機会も含む場合に、この実施形態は、ユーザ装置にはこの状況に対する責任がないことを提案する。したがって、基地局は、この状況でもユーザ装置が少なくともアップリンク機会における基地局との通信に利用できないと見なす。
【0053】
さらに、基地局はこの状況を把握しているため、ユーザ装置がアップリンク機会の一部としてアップリンク送信を実行できないと判断することができる。
【0054】
したがって、このような状況の1つ又は組み合わせが検出された場合、基地局が1回以上のアップリンク機会の見逃しを検出したとき、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルしない状況がもたらされる。
【0055】
ただし、この状況は永久には維持されないことがある。
【0056】
したがって、さらに好適な実施形態によれば、ユーザ装置が利用できないと判断されている場合に、アップリンク機会の見逃しが所定の回数連続して検出された場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルするステップが提案される。
【0057】
この実施形態は、基地局が長い期間にわたって、ユーザ装置が上記アップリンク機会の間に関係する基地局との通信に利用できないと見なされることを検出するような状況にとっての最後の手段である。
【0058】
好ましくは、所定の回数はかなり多く、いずれの場合でも、ユーザ装置が基地局との通信に利用できないと基地局が見なすことができない場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルするのに必要とされるアップリンク機会を逃した回数よりも多い。
【0059】
別の好適な実施形態によれば、ユーザ装置が、関係する上記アップリンク機会における基地局との通信に利用できないと見なされる場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールのアップリンク機会に割り当てられたリソースを別のユーザ装置に割り当てるステップが提案される。
【0060】
この実施形態によれば、各ユーザ装置が特定のアップリンク機会において確保されているリソースを使用できなくなる状況を基地局が把握している場合に、基地局が現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従って各ユーザ装置に元々確保されていたリソースを他のユーザ装置に再割り当てすることが提案される。
【0061】
つまり、基地局が、例えばユーザ装置へのダウンリンク送信を開始し、上記ダウンリンク送信セッション中にアップリンク送信することができないユーザ装置の能力を把握している場合に、基地局は、ユーザ装置がユーザ装置によるアップリンク送信の差し迫った次の機会を利用できないであろうと予想することができる。
【0062】
前述のように、これは現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールのキャンセルにはつながらない。
【0063】
また、この実施形態の一部として、基地局は、アップリンク送信に使用されないリソースを、そのときアップリンクリソースを要求している別のユーザ装置のために使用することができる。
【0064】
特に、かなり混雑したトラフィック状況にとって、これはリソースが無駄にならない点で有利な実施形態である。
【0065】
さらに、これは基地局によって予想される限り、アップリンク送信機会を利用できないユーザ装置の悪影響を基地局について軽減する。
【0066】
基地局にとっては、リソースの最適利用のみが重要である。これはこの実施形態によって達成されるため、基地局にとっては、ユーザ装置が1回以上のアップリンク機会を逃しても、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを継続することは問題ない。
【0067】
別の実施形態によれば、基地局が、無線ポリシーの一部であるアップリンク通信を控えよとの指示をユーザ装置に与えるように構成され、指示が、所定時間内の基地局との通信試行を一定の試行回数に制限することを含み、制限が、上記一定の試行回数を減らすために、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会におけるユーザ装置のデータ送信を省略することを含むことが提案される。
【0068】
この実施形態はRPM指示の別の変形例に関連する。基地局によりユーザ装置に送信された無線ポリシーに従う指示は、RPM指示の有効期間中、又は所定時間の間に規定の回数だけアクセスを実行できるという表示を含む。
【0069】
これにより、ユーザ装置はそのデータ送信を管理し、例えば緊急事態に、リモートサーバなどに接続することが可能になる。しかしながら、測定結果などに関する定期的なデータ送信には、この量は少なすぎることがある。したがって、ユーザ装置はこのときその定期的なデータ送信を行えなくなる。
【0070】
しかしながら、基地局は、ユーザ装置のアクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを把握しているため、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会におけるデータ送信が所定の回数としてはカウントされないという意味でRPM指示を和らげる。
【0071】
代替的には、このような回数は規定されないが、データ送信が、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会においてのみユーザ装置に許可される一方、その間の他のいずれのデータ送信も禁止される。これは、基地局が機会を考慮し、これをその過負荷評価に入れていること、すなわち、依然として所要のリソースを有し、事前にスケジュールされたアップリンク機会そのものと関連する送信ではない、さらなる通信試行をただブロックすることを望むことを意味する。
【0072】
これは、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールで動作するユーザ装置が従来どおり動作することを可能にするためソフトRPMの一種である。
【0073】
このスケジュール外のデータ送信のみが遮断、すなわち制限される。
【0074】
これは、基地局が、キャンプオンしているユーザ装置の予想されるデータ送信を、それらが専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの一部である限りにおいて知っている点で有利である。他のデータ送信は、好ましくは完全に禁止されるわけではないが制限されるものとする。
【0075】
この実施形態は、ユーザ装置及び基地局双方の要求、すなわちセルラネットワークニーズを満たす。
【0076】
別の好適な実施形態によれば、無線ポリシーの一部としてのアップリンク通信を控えよとの上記指示が、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールのアップリンク機会と関連するユーザ装置からのデータ送信の受信に応じて与えられる。
【0077】
この実施形態は、無線ポリシーに従った指示、具体的にはRPM指示が、拒否メッセージの一部としてだけでなく、アップリンク機会の一部としてのデータ送信の受信を知らせる確認メッセージの一部としても送信される既知のアプローチと異なることを含む。
【0078】
このソフトRPMアプローチと同様に、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った通信は許可されるものであるため、この方法を通じて各ユーザ装置に指示することは有利である。したがって、ユーザ装置は、無線ポリシーが掲げられる前は可能であったデータ送信の拒否には驚かない。
【0079】
専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったデータ送信がこのソフトRPMアプローチの一部として許可されるため、これは無線ポリシーの変更を伝達するのに最適なチャネルである。
【0080】
本発明の第2の態様によれば、セルラネットワークの基地局であって、上記基地局にキャンプオンする少なくとも1つのユーザ装置にサービスを提供するように構成され、上記基地局が周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについてユーザ装置と合意するように構成され、ユーザ装置が専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの1回以上のアップリンク機会を逃した場合に、基地局が、
-ユーザ装置が関係する上記アップリンク機会における基地局との通信に利用できないと見なされるかどうかを判断し、
-利用できないと見なされると判断した場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを維持し、
-そうでない場合に、現在アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルする、
ように構成された基地局が提案される。
【0081】
本発明のこの態様の基地局は、セルラネットワークの他のコンポーネントに通信可能に接続される。これは好ましくは有線接続リンクを介して行われている。
【0082】
基地局はさらに、送受信回路と、基地局があるセルエリアの複数のユーザ装置と通信するためのアンテナとを備える。基地局はさらに、オペレーティングソフトウェア、具体的には本発明の第1の態様に係る方法を実施するソフトウェアを実行するための処理回路を備える。
【0083】
さらに、基地局は、ソフトウェア、構成データ及びキャッシュデータを格納するための揮発性及び永続的メモリを備えることが好ましい。
【0084】
具体的には、キャンプオンしているユーザ装置に関するデータは少なくとも揮発的に記憶される。
【0085】
第2の態様は、本発明の第1の態様の利点を共有する。
【0086】
本発明の第3の態様によれば、ユーザ装置をセルラネットワークの基地局と共に動作させる方法であって、ユーザ装置が、
-基地局と周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意するステップと、
-上記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った少なくとも1回のアップリンク機会に少なくとも1つのアップリンク送信を実行するステップと、
-ユーザ装置がこのアップリンク機会における基地局との通信に利用できない場合に、アップリンク送信を実行することを控えるステップと、
を含む方法が提案される。
【0087】
本発明のこの態様は、本発明の先の態様について記載された状況におけるユーザ装置の動作に関連する。
【0088】
これによれば、ユーザ装置は、基地局、いわゆるサービング基地局にキャンプオンしている。これは、ユーザ装置が、具体的には固定状態で基地局のセルエリアに位置する、換言すれば、基地局の信号を受信し、基地局で良好に受信される信号を基地局に送信できるほど十分に基地局に近い場合に可能である。
【0089】
固定状態のユーザ装置は、少なくとも異例の期間その場所から移動しない又は実質的に移動しないことが予想されるユーザ装置である。これは、具体的には計量デバイスのような固定設置されたデバイスの場合である。ただし、これは駐車している自動車に設置されたユーザ装置に適用することもできる。固定状態のユーザ装置に特別な状況は、通常の手順において、現在サービス提供している基地局のセルエリアから離れることはないことである。
【0090】
ユーザ装置はさらに、基地局と周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意することができる。これは、具体的には固定状態の計量デバイス、又は頻繁かつ周期的に同じ量のデータを送信する他のデバイスの場合である。
【0091】
好ましくは、基地局は、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをサポートしているという表示をユーザ装置に前もって提供している。これは、例えばシステム情報の同報通信を介して、又は登録の一部として、すなわち専用接続中に行われることが好ましい。
【0092】
したがって、ユーザ装置は、このような専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの設定要求をサービング基地局に送信する。この要求は、具体的には要求される周期性と、データを送信するための各機会(以下アップリンク機会)に送信されるデータ量とを含む。この要求が、データ送信セッション、具体的には専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った以下のデータ送信に共通のセッションの一部である場合に有利である。
【0093】
基地局が専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを設定する要求に応じて確認する場合に、スケジュールは有効である。結果として、ユーザ装置は、合意された周期性に従って、合意されたサイズの各アップリンク機会にアップリンクデータ送信を送信することになる。
【0094】
データ送信を数回の機会行えない場合、ユーザ装置は、具体的には高トラフィックを理由に新しいアップリンク送信スケジュールさえも拒否することがある混雑状態の基地局に対して、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを再設定する必要がないことを選ぶ。
【0095】
結果として、ユーザ装置は、このアップリンク機会に基地局と通信することができず、特に、この状況がサービング基地局に知られていることを知っている場合に、このようなアップリンク送信を実行することを控えることになる。専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを終わらせたことによる影響は、この条件下では生じない。
【0096】
このケースでは、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールが、ユーザ装置を利用できないことを理由にこのアップリンク機会を逃したにもかかわらずキャンセルされないため、ユーザ装置は、少なくとも次のアップリンク機会の際に依然として又は再び利用不可能でない限り、次のアップリンク機会を利用してデータ送信を実行することになる。
【0097】
これは、一時的に利用できないことが専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを終わらせることがなく、ユーザ装置と基地局の両方がこのことを知っているために有利である。
【0098】
好適な実施形態では、アップリンク通信を控えよとの指示を含む無線ポリシー指示を基地局から受信した場合に、方法がさらに、
-これに対して、上記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会にのみアップリンク送信を実行するステップ
を含むことが提案される。
【0099】
この実施形態は、基地局からのアップリンク通信を控えよとの指示に関連する。これは、過負荷状況を防ぐ、すなわち瞬間的なトラフィック要求をブロック又は拒否し、次の試行が予想される時間を示すための手段をサポートする基地局に関連する。このような方法は、RPMという用語又はネットワークフレンドリーな挙動で知られている。すなわち、ユーザ装置が一定時間内により多くの接続試行を行うことを許されないか、又はより多くの接続試行が一般には一定時間ブロックされる。これらの過負荷機構と、関連する事前にスケジュールされた送信との関係を和らげることもまた本発明の目的である。
【0100】
したがって、この実施形態によれば、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールで動作しているときのユーザ装置がRPMの一部である指示を無視し、結果としてアップリンク機会の際にデータ送信を送信し続けることができることが提案される。
【0101】
これは、基地局が合意された周期性でリソースを割り当てることに合意しているという事実によるものである。したがって、RPM指示をユーザ装置、具体的にはMTCデバイスに送信し、データ交換セッションを設定することを控える決定をするために、既に割り当てられたリソースを考慮に入れることができる。
【0102】
好ましくは、基地局は、そのRPM指示によって、この基地局にキャンプオンしているユーザ装置のための専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った事前に割り当てられたリソースの考慮が実行されていることを示す。その結果、アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールで動作しているユーザ装置が、RPM指示を受信しているにもかかわらず、アップリンク機会においてそのデータ送信を実行することになる。しかしながら、それ以外の時間は、すなわちアップリンク機会以外の他の目的では、同じユーザ装置でもデータ送信が実行されないことがある。
【0103】
したがって、この実施形態は、個別的例外ではなく、一般的なRPM指示から状況的例外を提供する。つまり、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールがアクティブであるという理由だけで、RPM指示とは対照的に完全に自由にデータ送信を行う最初に影響を受けたユーザ装置はない。
【0104】
このRPM関連の挙動は以下ソフトRPMと呼ばれる。これは、RPMに関連した効果の、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの目的との調整が異なる前提の下に実行される他のRPMスキームと異なる。
【0105】
好適な実施形態によれば、無線ポリシー指示を受信した場合に、アップリンク送信を実行するステップが、上記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会の一部として前に送信されたデータ送信と出所及び/又は内容が異なる情報の送信を含むことが提案される。
【0106】
この実施形態によれば、ユーザ装置は、無線ポリシー指示の一部である通信制限に反応を示す立場になる。
【0107】
典型的には、許容データ量が十分である場合に送信されることになっている、より優先度の高い情報、すなわち重要情報に、ユーザ装置は、他のデータを送信するためのアップリンク機会を利用することがある。それらのデータは、典型的には出所が別の、例えば測定データではなく、具体的にはステータスデータである。
【0108】
このようなより優先度の高い情報は、緊急呼出を意味するものではない。なぜなら緊急呼出は、通常は許可されるため、すなわちRPM指示を却下するためである。
【0109】
このようなステータスデータは、具体的にはリモートサーバへの無線ポリシー指示がアクティブであるという情報を含むことがある。これは、ソフトウェア更新又はリモートサーバ側からの他の要求を回避することにつながることがある。
【0110】
また、ステータス更新が、ユーザ装置、すなわち添付されたアプリケーションの状況に関係することがある。一例では、総走行距離や油量などの、ガレージを訪れる予定を組むことを要求することのトリガとなる状況を接続された自動車内で検出する。
【0111】
これはまた、この送信が、この周期的なデータ送信における通常のデータ送信とは別の通信エンドポイントに宛てられることもある状況の一例である。
【0112】
本発明の別の好適な実施形態によれば、所定の時間内の基地局との通信試行を一定の試行回数に制限せよとの受信指示の場合に、方法が、その一定回数を減らすためにその時間内に発生するアップリンク機会を省略するステップを含むことが提案される。
【0113】
この実施形態は、RPM指示が、RPM指示の有効期間中、又は所定時間の間に規定の回数だけアクセスを実行できるという、アドレスされたユーザ装置に対する表示を含む、RPM指示の別の変形例に関連する。
【0114】
しかしながら、この実施形態によれば、アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールの場合に、この問題は解決される。
【0115】
このような状況に対するソフトRPMスキームのさらなる変形例として、アクティブな専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会におけるデータ送信がデータ送信の許容回数としてカウントされないことが提案される。
【0116】
これは、このようなRPMスキームについても、実行中の専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを有するユーザ装置が、そのデータ送信活動に限られず、基地局がこれを予測できるという有利な効果をもたらす。
【0117】
別の好適な実施形態によれば、基地局との通信試行を制限せよとの、第1の基地局からの受信指示の場合に、第1の基地局ではなく第2の基地局とのアップリンク送信を実行すること、及び、その後第1の基地局に戻ることが提案される。
【0118】
この実施形態は、前述のソフトRPMとは対照的な“ハード”RPMに関連する。これは、現在専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールで動作しているユーザ装置でさえもデータを送信することが妨げられることを意味する。
【0119】
前述のように、基地局は結果として、RPM指示に従っているため、ユーザ装置がアップリンク機会を逃したことを理由に専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルしない。
【0120】
しかしながら、ユーザ装置がそのデータ送信を実行する必要がある場合に、具体的には、いくつかのアップリンク機会が過ぎた後に、この実施形態によれば、ユーザ装置が別の基地局への登録を試み、別の基地局へのデータ送信を実行することが提案される。
【0121】
利用可能なそのような基地局がないか、又はそのような基地局がブロックされている場合、これは確実に失敗することになるが、少なくともユーザ装置は試みることができるものとする。
【0122】
この試行の後、ユーザ装置は、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールが依然としてアクティブである第1の基地局に戻る。
【0123】
これは好ましくは、データ送信を実行するなというハードRPM指示が一旦終了すると、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールが、追加のシグナリングを必要とすることなく継続することを意味する。それは何事もなかったかのように継続するものとされる。
【0124】
この実施形態は、ユーザ装置がサービング基地局から一時的にブロックされているときにデータ送信を実行することを可能にするが、これが専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルする必要があることを意味しない点で有利である。特に混雑したトラフィックにおいて、新しい専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに合意することは、場合により成功しないことがある。
【0125】
また、ある状況において基地局の視点から必要である場合がある、ハードRPMの後、この実施形態によれば、その後、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを設定するための、最終的にシグナリング負荷を再度増加させる実行が、ハードRPMの前に既に規定されたスケジュールを単に設定するために行われることが防止される。
【0126】
この実施形態によれば、動作はハードRPMの後、邪魔されずに継続する。このことは、このような反対効果が予想されないため、基地局がハードRPMを起動する決定をより容易にする。
【0127】
本発明の第4の態様によれば、セルラネットワークの基地局で動作するように構成されたユーザ装置であって、ユーザ装置が、基地局と周期的な専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意し、上記専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従った少なくとも1回のアップリンク機会に少なくとも1つのアップリンク送信(23)を実行し、ユーザ装置がアップリンク機会における基地局との通信に利用できない場合に、上記アップリンク送信を実行することを控えるように構成されたユーザ装置が提案される。
【0128】
この実施形態は、セルラネットワークの第2の態様に係る基地局と共に動作することができるユーザ装置に関連する。
【0129】
ユーザ装置は、無線通信を行うためのいくつかのコンポーネントを提供する。これは、オペレーションソフトウェア、具体的には本発明の第1の態様の方法を実施するものを実行するための少なくとも処理回路を備える。好ましくは、ユーザ装置は、Nb‐IoT、CAT‐M、Cat‐1などの変形を含む、3G、4G、5G以降の標準をサポートする基地局と共に動作することができる。ユーザ装置には、より高いカテゴリで動作可能であるが、節電理由により低いアクティビティ段階のNB‐IoT又はCat‐Mモードで一時的に動作しているユーザ装置も含まれる。
【0130】
さらに、ユーザ装置は、典型的にはセルラネットワークの基地局と無線通信信号をやりとりするためのトランシーバである、少なくとも1つのアンテナと接続された送受信回路を備える。
【0131】
さらに、実行可能なソフトウェア、構成データ、及び、例えば近隣測定レポートの一部として送信する前の測定データの揮発性及び/又は永続的記憶のためのメモリユニット。
【0132】
ユーザ装置は、サービング基地局にキャンプオンし、送受信回路を用いてデータ送信を実行するように構成される。
【0133】
好ましくは、ユーザ装置は、アプリケーションのセンサ又はアプリケーションに通信可能に結合されたリモートセンサにより測定された測定データを収集するための処理回路を有するアプリケーション部を提供する。
【0134】
このような通信可能な結合は、ユーザ装置の送受信回路を採用することがあり、代替的には、有線接続を含む他の通信回路が使用される。例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wimax、又はWifi接続が使用されることがある。
【0135】
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様の利点を共有する。
【0136】
示されているように、この発明は、示された課題を解決し、基地局とユーザ装置との間の専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールについて合意する利益を増大させる解決策を提供する点で有利である。これは、基地局の良好な混雑状況及びユーザ装置の有利な電力管理をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0137】
以下の記述及び添付図面はいくつかの例示的な態様を詳細に示しているが、実施形態の原理を用いることができる種々の方法のほんの一部しか示していない。本発明の特徴及び利点は、限定的ではなく例示的な例として与えられる有利な実施形態の以下の記述及び添付図面を読むときに現れるだろう。
【0138】
図1】本発明が実施形態として適用されるタイプの基地局と関連してユーザ装置10を模式的に示す図。
図2a】本発明の実施形態に係る専用のアップリンクリソース送信スケジュールで動作する基地局及びユーザ装置のタイムラインを示す図。
図2b】本発明の実施形態に係る専用のアップリンクリソース送信スケジュールで動作する基地局及びユーザ装置のタイムラインを示す図。
図3】本発明の好適な実施形態を記述するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0139】
図1は、本発明のある実施形態に係るタイプのユーザ装置10を模式的に示しており、ユーザ装置10は、本発明の別の態様の実施形態に係る対応する基地局4と空間関係にある。ユーザ装置10は、特に固定式であり、マシン型通信デバイスである。つまり、ユーザ装置10は、好ましくは一定量のデータをリモートサーバに定期的に送信するように構成され、具体的には電力計量装置、自動販売機、又は規定された状況をセンサでモニタするための他のデバイスである。
【0140】
基地局4は、セルラネットワーク1の一部である複数の基地局のうちの1つである。この基地局4は、エアインターフェイス2上のユーザ装置10に直接対応するものである。このような基地局は、具体的にはLTE技術標準をサポートするセルラネットワーク用のeNodeBである。以前の技術標準と比較すると、eNodeBは、割り当てられたユーザ装置10のためのリソースのスケジューリングの点でより一層の機能性及び柔軟性をカバーする。
【0141】
基地局4は、セル5の地理的エリアにおいて、この地理的エリアに位置するユーザ装置に対する接続性を供給する。これにより、セルエリア5に位置するユーザ装置10が基地局4と連携する、具体的には基地局4にキャンプオンすることが可能になる。
【0142】
この例示的な実施形態に係るユーザ装置10は、エアインターフェイス2との接続点であるアンテナ11を備える。ユーザ装置10はさらに、識別モジュール3、具体的にはSIMカード、UICC、半田付けされた識別モジュール、他のコンポーネントの1つに安全な方法で含まれた1つのソフトウェアを備える。これはユーザ装置10がセルラネットワーク1、具体的には基地局4に登録するのに用いる認証クレデンシャルを保持する。この識別モジュール、すなわちこれに格納されているデータにより、セルラネットワーク1が、ユーザ装置10がセルラネットワーク1内でサービスを受ける資格があるかどうか、具体的には支払い済み又は信用実績のある契約申込であるかどうかを判断することができる。また、ユーザ装置10は、送受信回路、処理回路、並びに揮発性及び/又は永続的メモリ(全て図示せず)を備える。
【0143】
図2aは、周期性に関連する伝送モードでデータを送信するように構成されたユーザ装置10と、ユーザ装置10がキャンプオンしている基地局4とが、定期的な送信タスクを遂行するためにどのようにデータ交換を行っているか、その状況を模式的に示している。
【0144】
図2aには、ユーザ装置10及び基地局4のタイムバーが見られる。矢印は一方のパーティから他方のパーティへのデータ送信を示す。
【0145】
ユーザ装置10は、典型的にはデータ送信の予定時間を算定するクロック、すなわちタイマーを備える。好適な実施形態では、ユーザ装置10はスケジュールに関する情報をリモートサーバ(図示せず)から受信する。これによって、リモートサーバは、サポートする全てのユーザ装置が、異なるセルにあってもデータを提供しているピークを回避しようとする。
【0146】
データ送信20によって、ユーザ装置は、基地局に専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを設定せよとの要求を送信する。この要求は、少なくとも、好適な周期性及びアップリンク機会ごとに送信されるデータ量に関する表示を含む。
【0147】
基地局4は要求を評価し、要求を満たすのに十分なリソースがある場合に、周期性及び各アップリンク機会26におけるデータ送信に割り当てられるリソースの詳細を含む応答メッセージ21を送信することによって、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールを設定することを承認する。
【0148】
応答21の受信後、ユーザ装置10及び基地局の双方は、通常のスケジュール通信の代わりに、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをアクティブ化する。好ましくは、ユーザ装置はさらなるステップを実施する、具体的にはモビリティに関連する手段の電源を切る。これは、ユーザ装置10が固定式ユーザ装置であり、基地局4へのキャンプオンに成功したという事実によって、セル再選択が当面必要ないと想定していることを意味する。
【0149】
その結果、ユーザ装置10及び基地局4はそれぞれ、周期性に応じてタイマーを、具体的には最後の通信に対する秒又はフレーム単位のオフセットをセットする。
【0150】
タイマーが各システムフレーム番号22で満了したとき、基地局4は、ユーザ装置から期待されるデータ送信を受信するための各リソースを割り当てる。これは、ユーザ装置のデータ送信ウィンドウが現在開いていることを意味する。これはアップリンク機会26と呼ばれる。
【0151】
データ送信23により、ここでユーザ装置10は、ユーザ装置と基地局との間の事前のさらなるシグナリング交換なしに、応答メッセージ21により許容される量の、好ましくはリモートサーバ、例えば測定収集サーバ専用のデータを送信する。ここでは事前のさらなるシグナリングのない方法が提供されているが、シグナリング交換が少ない解決策も可能である。
【0152】
好ましくは、基地局4は、ユーザ装置10から送信されたデータの安全な受信を確認メッセージ24で知らせる。ここでは、これはデータ送信23の完了後に1つのメッセージ24で表示されているが、代替的な解決策として、データ送信メッセージ23ごとの確認メッセージもこの実施形態の一部である。
【0153】
データ送信が完了するとタイマーはリセットされ、同じ量のシステムフレーム又は一定時間後に同じ動作が開始される。
【0154】
次のデータ送信は、前述のものと同じメッセージフローを含む。次のタイマーが送信の終わりに、つまりメッセージ24から始まるか、前のタイマーの満了直後に、つまりシステムフレーム番号22から始まるかは、ユーザ装置と基地局との間の合意事項である。
【0155】
図2bでは、図2aで始まった専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールは、タイムフレーム22においてさらなるデータ送信23が実行される別のアップリンク機会26で続けられる。
【0156】
いくつかのこのような送信(空白部分25により示される)の後、ユーザ装置は、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールとは関係のないデータ送信27セッションに従事する。代わりにこの例では、より大きなデータダウンロードが実行される。これはソフトウェアダウンロードなどであってよい。具体的には、例えばNB‐IoT、Cat‐M、Cat‐1のような技術標準の低いカテゴリ及び/又は拡張カバレッジのようなモードで動作する低機能デバイスの場合、このようなデータ送信はしばらく時間がかかることがある。
【0157】
実際、ここに示されているように、データ送信セッションはアップリンク機会ウィンドウ26と重複する。その結果、ユーザ装置10は、具体的にはダウンロードと並行して追加のデータ送信セッションを実行することができないとき、アップリンク機会26を逃すことになる。これは、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールで合意されているデータ送信23が実行されないことを意味する。
【0158】
通常、これは所定の回数のアップリンク機会を逃した後に、基地局4が専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルする状況をもたらすことになる。これは、ユーザ装置10がオフにされたり、非アクティブ化されたり、充電が切れたり、別のセルに移動したりすることがあるという事実によるものである。
【0159】
この状況は基地局4には知られていない。
【0160】
しかしながら、データ送信27は基地局4に知られている。したがって、データ送信27はアップリンク機会26を逃した理由と見なすことができる。その結果、基地局は専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルせず、その代わりに、次のフレーム22の次のアップリンク機会に、データ送信23を再度受信するための各リソースを割り当てる。
【0161】
次のアップリンク機会26では、ユーザ装置はもはやデータ送信セッションに従事しないため、データ送信23を再度行う。したがって、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールは継続することになる。
【0162】
図3において、フローチャートは、本発明の第1の態様に係る基地局の視点からの、本発明の例示的な実施形態に係る手順を示している。
【0163】
ワークフローは、ユーザ装置10及び基地局4が、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュール、このケースではD‐PURとして知られた実装に合意するステップS1から始まる。このような合意は、少なくとも想定される周期性及びデータ量を示すユーザ装置からの要求を典型的には必要とする。基地局は次いで応答し、どの周期性及びアップリンク機会ごとに割り当てられたデータが可能であるかを示すデータを提供する。ユーザ装置は、この応答を受け入れるか、又は十分でない場合に専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールをキャンセルする。
【0164】
応答が基地局への別のメッセージを通じて、又は合意されたスケジュールに従うだけで受け入れられた場合に、基地局は内部タイマーをセットする。タイマーの満了時に、ステップS2において基地局は、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったアップリンク機会におけるアップリンク送信を期待する。
【0165】
次に、決定ステップS3において、基地局が専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従ったデータ送信を受信したかどうかがチェックされる。この場合には、フローは同じ周期性で次のアップリンク送信が期待されるステップS2に再度分岐する。周期性が数時間又は数日の範囲にあることがあるため、これはある程度時間がかかることがあり、したがって、好ましくは、待機ループを実行するのではなく、例外、すなわち割込トリガが行われる。
【0166】
S3において、アップリンク機会の間にデータ送信が受信されなかったことを基地局が検出した場合に、フローは、別のチェックが実行されるステップS4に分岐する。ここで、基地局がユーザ装置を利用できない、つまりアップリンク機会において塞がっていると見なすかどうかがチェックされる。つまり、ユーザ装置がデータ送信を行えなかった理由を基地局が把握しているかどうかがチェックされる。先の例に示されたように、これは計画外の大量のデータ送信セッションによることがある。これはさらに、基地局自体による無線ポリシー指示による送信ブロックによることがある。
【0167】
この場合には、フローはステップS2に再度分岐する。そこで次のアップリンク機会において、専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュールに従う通常のデータ送信が行われることがある。
【0168】
それ以外の場合は、フローは基地局が専用の事前にスケジュールされたアップリンク送信スケジュール、すなわちD‐PUR合意をキャンセルすることを決定するステップS5に分岐する。これは、別の実施形態では、ユーザ装置を利用できないことが基地局に知られていない場合に、所定の回数の、特に連続したアップリンク機会の見逃しが起こる前ではない場合がある。
【0169】
これは手順フローを終わらせる。
【0170】
好ましくは、ユーザ装置が次のアップリンク機会において利用できないと見なされる事実を基地局が既に把握している場合に、基地局は、ステップS2において次のアップリンク機会にリソースを割り当てることを控えることになり、その代わりに、そのようなリソースは、そのとき別のユーザ装置がリソースを要求している場合にその別のユーザ装置に割り当てることができる。
【0171】
以上の詳細な説明において、例示により、本発明が実施される特定の実施形態を示す添付図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載される。異なっていたとしても、本発明の様々な実施形態は必ずしも互いに排他的ではないことは理解されるべきである。例えば、一実施形態と関連して本明細書に記載される特定の特徴、構造、又は特性は、本発明の範囲を逸脱することなく、別の実施形態において実現されてもよい。加えて、開示される各実施形態の範囲内の個別要素の位置又は配置は、本発明の範囲を逸脱することなく変更されてもよいことは理解されるべきである。したがって、以上の詳細な説明は、限定的な意味で受け取られるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が権利を得ることができる全範囲の同等物とともに、適切に解釈された、添付の請求項によってのみ定義される。
図1
図2a
図2b
図3