(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/14 20210101AFI20221219BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221219BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20221219BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20221219BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G03B17/14
G03B17/02
G03B17/18 Z
G03B17/55
H04N5/225 100
(21)【出願番号】P 2022056599
(22)【出願日】2022-03-30
(62)【分割の表示】P 2020054577の分割
【原出願日】2020-03-25
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2020011248
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】真野 隼人
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 陽作
(72)【発明者】
【氏名】山本 和雄
(72)【発明者】
【氏名】東一 秀樹
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186056(JP,A)
【文献】特開2017-032884(JP,A)
【文献】特開2007-209035(JP,A)
【文献】特開平10-010626(JP,A)
【文献】特開2007-028319(JP,A)
【文献】特開2020-013075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G02B 7/34
G03B 17/02
G03B 17/14
G03B 17/18
G03B 17/55
G03B 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の前面に設けられ、レンズ装置を着脱自在に装着可能なマウントを備え、
前記装置本体は、
前記前面に前記マウントが間に位置するように設けられ、前記マウントよりも前記装置本体の前側に向かって突出する複数の突出部と、
前記前面の側から見た左側面に設けられた吸気口と、
前記前面の側から見た右側面に設けられた排気口とを有し、
前記複数の突出部は、前記装置本体の上下方向または左右方向において前記マウントから離れた位置に設けられ、
前記前面の側から見た前記複数の突出部の幅が、前記マウントが設けられている開口部の直径よりも大きいことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
装置本体の前面に設けられ、レンズ装置を着脱自在に装着可能なマウントを備え、
前記装置本体は、
前記前面に前記マウントが間に位置するように設けられ、前記マウントよりも前記装置本体の前側に向かって突出する複数の突出部と、
前記前面の側から見た左側面に設けられた吸気口と、
前記前面の側から見た右側面に設けられた排気口とを有し、
前記前面の側から見た前記複数の突出部の幅が、前記マウントが設けられている開口部の直径よりも大きく、
前記複数の突出部のうちの少なくとも1つが外部アクセサリを取り付けるための取り付け部を備えることを特徴とす
る撮像装置。
【請求項3】
前記複数の突出部は、前記装置本体の上下方向または左右方向において前記マウントから離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項
2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記装置本体の上面には、表示部および操作キーが設けられていることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記装置本体の後面には、バッテリーが取り付けられるバッテリー取付部および外部入出力端子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記装置本体の下面には、前記装置本体を三脚などに固定するための三脚ネジ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記複数の突出部のうちの少なくとも1つの厚みが、前記装置本体の前後方向において異なることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記複数の突出部のうちの少なくとも1つの、光軸から遠い側に位置する面が前記光軸と略平行な平面を形成していることを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記複数の突出部のうちの少なくとも1つが外部アクセサリと通信するための電気接点を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記左側面と前記右側面の少なくとも一方に無線LAN用のアンテナが配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記左側面と前記右側面の少なくとも一方に無線LAN用のアンテナを取り付けるためのコネクタが設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記装置本体の前面側における内部には、前記レンズ装置によって取得された被写体光学像を電気信号に変換する撮像素子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記撮像素子は、複数の位相差検出用画素を備えることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記マウントのマウント面から前記撮像素子の撮像面までの距離であるフランジバックが20mm以下であり、前記マウントの内径が45mm以上であることを特徴とする請求項12または13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記マウントは、リング状のマウント基準面と、前記マウント基準面の内側の3箇所に設けられたバヨネット爪とを備えることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記3箇所のバヨネット爪よりも内側の領域には、前記レンズ装置と通信を行うためのカメラ側接点部が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記カメラ側接点部は12ピンの電気接点を備えることを特徴とする請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記12ピンの電気接点の両端部には、前記撮像装置と前記レンズ装置との間で行われる通信制御に用いられる電力を前記撮像装置の電源部からレンズ装置に供給するための電力供給端子と、前記撮像装置と前記レンズ装置の通信制御系回路をグラウンドに接続するための接地端子がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記電力供給端子によって前記レンズ装置に供給される電力の電圧は5.0Vに設定されていることを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置を着脱可能なマウントを有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラボディの前面に形成したマウントに対してレンズ装置を着脱可能なレンズ交換式の撮像装置が知られている。また、レンズ装置の入射光を光学式ファインダーに導くための反射ミラーが存在しない所謂ミラーレスカメラのように、レンズマウントからイメージセンサーまでの距離が非常に短いレンズ交換式の撮像装置も登場している。
【0003】
さらに、レンズ交換式の撮像装置のなかにはカメラボディの複数の側面に三脚や座面を有し、縦撮りや天地を反転した状態での撮影が可能なものもある。特許文献1には、上面部に設置面や三脚座を設けたカメラが開示されており、正位置での撮影だけではなく、カメラを上下逆にして床面に置いた状態での撮影やドローンやジンバルにカメラを上下逆に固定した状態での撮影を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、カメラを前面側から見た場合にレンズマウントがカメラボディよりも突出している。そのため、レンズ装置をカメラボディから外した状態でマウント面を下にしてカメラを置いた場合、マウント面が傷付く可能性がある。
【0006】
また、カメラボディに大型のレンズ装置を取り付けるとカメラ全体の重心が転倒限界より前側に寄ることで、カメラが前側に倒れてしまう懸念がある。特に、ミラーレスマウントのようにカメラボディが小型軽量化された場合に顕著になる。
【0007】
本発明の目的は、レンズ取り外し時における撮像装置のマウントを保護することのできる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、装置本体の前面に設けられ、レンズ装置を着脱自在に装着可能なマウントを備え、前記装置本体は、前記前面に前記マウントが間に位置するように設けられ、前記マウントよりも前記装置本体の前側に向かって突出する複数の突出部と、前記前面の側から見た左側面に設けられた吸気口と、前記前面の側から見た右側面に設けられた排気口とを有し、前記複数の突出部は、前記装置本体の上下方向または左右方向において前記マウントから離れた位置に設けられ、前記前面の側から見た前記複数の突出部の幅が、前記マウントが設けられている開口部の直径よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、装置本体の前面に設けられ、レンズ装置を着脱自在に装着可能なマウントを備え、前記装置本体は、前記前面に前記マウントが間に位置するように設けられ、前記マウントよりも前記装置本体の前側に向かって突出する複数の突出部と、前記前面の側から見た左側面に設けられた吸気口と、前記前面の側から見た右側面に設けられた排気口とを有し、前記前面の側から見た前記複数の突出部の幅が、前記マウントが設けられている開口部の直径よりも大きく、前記複数の突出部のうちの少なくとも1つが外部アクセサリを取り付けるための取り付け部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レンズ取り外し時における撮像装置のマウントを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態における撮像装置を表す前方斜視図。
【
図2】本発明の実施形態における撮像装置を表す後方斜視図。
【
図3】本発明の実施形態における撮像装置の内部主要部品を表す前方分解斜視図。
【
図4】本発明の実施形態における撮像装置の内部主要部品を表す後方分解斜視図。
【
図5】本発明の実施形態における撮像装置にレンズ装置を装着した状態を表す右側面図。
【
図6】本発明の実施形態における撮像装置を表す上面図。
【
図8】本発明の実施形態における撮像装置を表す右側面図。
【
図10】本発明の実施形態における撮像装置を右側面下側に置いた状態を表す図。
【
図11】本発明の実施形態における撮像装置を表す前方斜視図。
【
図12】本発明の実施形態における撮像装置を表す後方斜視図。
【
図13】本発明の実施形態における撮像装置を表す上面図。
【
図14】本発明の実施形態における撮像装置を右側面下側に置いた状態を表す図。
【
図15】本発明の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図。
【
図16】本発明の実施形態における撮像装置およびレンズ装置のマウントの概略図。
【
図17】本発明の実施形態における撮像装置にレンズ装置が接続された状態での回路構成を示すブロック図。
【
図18】本発明の実施形態における第2の通信のフローを示すフローチャート図。
【
図19】本発明の実施形態における撮像装置を表す左側面図および後方斜視図。
【
図20】本発明の実施形態における撮像装置を表す左側面図および後方斜視図。
【
図21】本発明の実施形態における撮像装置を表す左側面図および後方斜視図。
【
図22】本発明の実施形態における撮像装置を表す左側面図および後方斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0012】
<撮像装置の外観>
図1は本発明の実施形態における撮像装置の前方斜視図であり、
図2は撮像装置の後方斜視図である。なお、ここでは、説明の便宜上、座標系を
図1に示すように規定する。そして、Z軸を撮像装置の前後方向(正面レンズ側である前側を+Z方向、後側を-Z方向)、Y軸を撮像装置の上下方向(上側を+Y方向、下側を-Y方向)、X軸を撮像装置の左右方向(正面から見て右側面側を+X方向、左側面側を-X方向)とする。
【0013】
図1に示した一点鎖線は光軸1706である。すなわち、Z方向は光軸方向に相当する。また、本実施例における撮像装置はレンズ交換式の撮像装置であり、これ以降、撮像装置と表現する。
【0014】
図1、
図2に示すように、撮像装置1000の装置本体を構成する筐体は、6つの基本面(前面、後面、上面、下面、左側面、右側面)を有し、隣接する面が略直角に交わる直方体形状である。
【0015】
撮像装置1000の装置本体の前面側には前カバー1004を備え、前カバー1004は光軸1706を中心とした開口部1004aを有する。そして、開口部1004aの内側には、レンズ装置(レンズ鏡筒)3000(
図5)を着脱自在に装着可能なレンズマウント1001が設けられている。さらに、レンズ装置3000と通信を行うためのレンズ接点部1002、レンズ装置3000を取り外すためのレンズ取り外しボタン1003が設けられている。
【0016】
また、前カバー1004に設けられた開口部1004aの内側には、レンズ装置3000によって取得された被写体光学像を電気信号に変換する撮像素子1006が設けられている。
【0017】
さらに、前カバー1004の上部及び下部には、レンズマウント1001よりもレンズ装置3000側(+Z方向)に突出する上側突出部1100と下側突出部1101が設けられる。これらの突出部についての詳細は後述する。
【0018】
撮像装置1000の前方から見て左側面側には左側面カバー1030を備え、左側面カバー1030は、主たる面である左側面カバー第1面1030aよりも突出する左側面カバー突出部1031を有する。左側面カバー突出部1031には、撮像装置1000の内部に配置されたファン1404(
図4)の駆動によって外部から低温の空気を撮像装置1000の内部に吸い込むための吸気口1032が複数形成されている。左側面カバー突出部1031及び吸気口1032についての詳細は後述する。
【0019】
また、左側面の前方上下箇所には、雄ネジがX軸に略平行な方向に挿入可能な三脚雌ネジ1700g,1700hが設けられる。これら三脚雌ネジについての詳細は後述する。
【0020】
撮像装置1000の前方から見て右側面側には右側面カバー1015を備え、右側面カバー1015は、主たる面である右側面カバー第1面1015aよりも突出する右側面カバー突出部1016を有する。右側面カバー突出部1016には、撮像装置1000の内部に配置されたファン1404(
図4)の駆動によって撮像装置1000の内部で発生する熱い空気を外部に吐き出すための排気口1017が複数形成されている。右側面カバー突出部1016及び排気口1017についての詳細は後述する。
【0021】
また、撮像装置1000の前方から見て右側面側には、さらに撮影者により操作されるRECボタン(記録開始終了ボタン)1010、カメラ設定等を変更する操作キー1011が設けられている。さらに、音声を記録するマイク部1012、記録メディアであるメモリカードを収納する収納室を覆うカード収納蓋1013が設けられている。
【0022】
右側面の前方上下箇所には、雄ネジがX軸に略平行な方向に挿入可能な三脚雌ネジ1700e,1700fが設けられる。これら三脚雌ネジについての詳細は後述する。
【0023】
撮像装置1000の上面側には、撮像装置1000により撮影された画像や撮影設定メニュー等を表示する表示部1040、ユーザが撮影設定等を変更するための操作キー1041が設けられている。さらに、外部アクセサリなどを固定するための三脚雌ネジ1700a~1700d、外付けアクセサリと通信を行うための電気接点1043が設けられている。
【0024】
外部アクセサリは、例えば、撮影画像や記録画像を表示するための表示パネルや、マイク端子が内蔵されたハンドルユニット、スマートフォンなどの外部通信端末などである。スマートフォンなどの外部通信端末を接続した場合、ユーザが外部通信端末から撮像装置1000の撮影メニューの設定や撮影指示などを行ってもよく、外部通信端末の表示画面に撮影画像や記録画像を表示するようにしてもよい。
【0025】
外部アクセサリの電気接点(不図示)を撮像装置1000の電気接点1043と接続することで、外部アクセサリと撮像装置1000との間で電源供給や電気信号の送受信を行うことができる。なお、電気接点を介した有線接続だけでなく、Wi-Fi(登録商標)などの無線LAN、スマートフォンなどに搭載された無線通信機能を利用して外部アクセサリと撮像装置1000と接続するように構成してもよい。例えば、第4世代移動通信システムや第5世代移動通信システムなどの携帯電話回線を用いてもよい。さらに、外部アクセサリを介して撮像装置1000と外部との無線通信を行うように構成してもよい。
【0026】
また、表示部1040は、回転ヒンジなどによって撮像装置1000と連結され、撮像装置1000に対する視認角度を変えられるように構成してもよい。また、表示部1040の表面にタッチパネルを設け、タッチパネルを操作することで直接メニューの設定などを行うように構成してもよい。
【0027】
撮像装置1000の後面側には、バッテリー1070を収納するバッテリー収納部1020、外部接続端子および電源端子などの外部入出力端子群1021が設けられる。バッテリー収納部1020を上下に2箇所配置することで、片方のバッテリーが切れた際にも他方のバッテリーから給電が可能となり、カメラの電源を落とすことなくバッテリーを交換することで連続して使用することが可能となる。
【0028】
撮像装置1000の下面側には、撮像装置1000を三脚などに固定するための三脚ネジ部1050が設けられる。
【0029】
<撮像装置の内部構成>
次に、撮像装置1000の内部構成について説明する。
図3は撮像装置1000の内部主要部品の前方分解斜視図であり、
図4は撮像装置1000の内部主要部品の後方分解斜視図である。
【0030】
図3、
図4に示すように、撮像装置1000の内部は大きく分けて撮像ユニット1300、メインユニット1400、カードユニット1500に分けられ、前側から上記の順に光軸1706(Z軸)に沿って配置される。
【0031】
撮像ユニット1300は、前述したレンズマウント1001と撮像素子1006を保持する撮像素子保持部材1301を有する。撮像素子1006は半田付けによって撮像素子基板1302と電気的に接続される。
【0032】
また、撮像素子1006は接着材等によって撮像素子保持板1303と機械的に固定され、撮像素子保持板1303はネジによって撮像素子保持部材1301に固定される。撮像素子1006、撮像素子基板1302、撮像素子保持板1303は、前側から上記の順に光軸1706に対して垂直に配置される。
【0033】
また、レンズマウント1001も同様にネジによって撮像素子保持部材1301に固定される。レンズマウント1001のマウント面1001aから撮像素子1006の撮像面1006a(
図9参照)までの距離が撮像装置1000のフランジバックである。撮像素子保持板1303と撮像素子保持部材1301の間には、内部調整ワッシャー1304が挟み込まれ、組立時に所定のフランジバックになるようにその厚みが調整される。
【0034】
ここで、フランジバックは20mm以下、レンズマウントの内径は45mm以上に設定されていることが望ましい。例えば、フランジバックが20mm、マウントの内径が54mmに設定される。また、レンズ装置3000と通信を行うレンズ接点部1002は、例えば、12ピンの電子接点を備えている。
【0035】
また、レンズマウント1001と撮像素子1006の間には、NDユニット1305が設けられ、ネジによって撮像素子保持部材1301に固定される。NDユニット1305は、光学部品である不図示のNDフィルターを濃度違いで複数枚有し、NDフィルターで入射光を減光することで撮影時にシャッタースピードを下げたりレンズ装置の絞りを開いたりことが可能となる。
【0036】
撮像素子基板1302から出力される画像信号や、レンズ接点部1002と接続したレンズ装置3000のレンズ通信信号、NDユニット1305の制御信号は、ワイヤーなどの内部配線(不図示)によってメインユニット1400のメイン基板1401に送信される。
【0037】
メインユニット1400は、撮像装置1000の動作を制御するメイン基板1401、メイン基板1401に熱的に接続されるヒートシンク1402、ヒートシンク1402を覆う放熱板1403、ヒートシンク1402に空気を送り込むファン1404を有する。放熱板1403、ヒートシンク1402、メイン基板1401は、前側から上記の順に光軸1706に対して垂直に配置される。つまり、メイン基板1401は撮像素子基板1302と平行に配置される。
【0038】
ヒートシンク1402は、熱伝導性に優れるアルミダイキャストなどで成形される。メイン基板1401は、基板上に実装され熱源となっているICチップ等が、不図示の放熱ゴムやグリスなどの伝熱部材を介してヒートシンク1402に熱的に接続された状態でビス固定される。撮像装置1000の主な熱源となっているメイン基板1401からの伝熱を熱拡散するために、ヒートシンク1402は極力表面積が大きいほうが好ましく、本実施例においてメイン基板1401とヒートシンク1402は投影上略同一の外形となる。
【0039】
また、ヒートシンク1402は、メイン基板1401と対向する面の反対側に並列して突出する複数の放熱フィン1405を備え、放熱フィン1405は撮像装置1000の左右方向に延在する。放熱板1403は、前記放熱フィン1405を覆うようにしてヒートシンク1402にビス固定されることで、両者によって複数の放熱フィン1405の間を空気が流れる通風ダクトユニット1406が形成される。
【0040】
放熱板1403は、前述した通風ダクトユニット1406の放熱フィン1405と直交する面に当接するL字形状で形成される。ファン1404は、L字形状の放熱板1403のメイン基板1401及び放熱フィン1405と直交する面(本実施例においては撮像装置1000の左側面)に固定される。ファン1404は、軸流ファンであり、面方向から空気を吸い込み、面方向に吐き出す。
【0041】
本実施例において、ファン1404は、撮像装置1000の左側に上下方向に並んで2個配置され、放熱フィン1405の側面に空気を吐き出す。つまり、通風ダクトユニット1406の入り口部に配置されたファン1404が吸気部1407となり冷たい空気を吸気し、メイン基板1401の熱源から伝熱された放熱フィン1405に冷たい空気を吐き出す。このような吸排気を行うことで、放熱フィン1405と熱交換された熱い空気を反対側の開口端に吐き出すことができる。この反対側の開口端が排気部1408となる。
【0042】
通風ダクトユニット1406の吸気部1407が撮像装置1000の吸気口1032と、通風ダクトユニット1406の排気部1408が撮像装置1000の排気口1017と接続される。つまり、ファン1404(吸気部1407)が撮像装置1000の吸気口1032に接続されることで、撮像装置1000の外部から内部に冷たい空気を吸入することができる。また、排気部1408が撮像装置1000の排気口1017に接続されることで、撮像装置1000の内部から外部に熱い空気を吐き出すことができる。以上のような内部強制空冷機構についての詳細は後述する。
【0043】
カードユニット1500は、カードソケット1501が実装されるカード基板1502、カード基板1502を保持するカード基板保持部材1503を有する。本実施例においては、カード基板1502に2つのカードソケット1501が実装されることで、バックアップ用の同時記録や長時間用のリレー記録が可能となる。
【0044】
カード基板保持部材1503、カード基板1502、カードソケット1501は、前側から上記の順に光軸1706に対して垂直に配置される。つまり、カード基板1502はメイン基板1401及び撮像素子基板1302と平行に配置される。カード基板1502はワイヤーなどの内部配線(不図示)によってメイン基板1401に接続され、カードソケット1501に装着されるメモリカードに映像データが記録される。
【0045】
このように、比較的広い面積が必要となる撮像素子基板1302、メイン基板1401、カード基板1502を光軸1706に沿って平行に配置することで、撮像装置1000内に効率よく3つの基板を配置することができ、撮像装置1000の小型化に寄与できる。且つ、主な熱源となるメイン基板1401と平行に通風ダクトユニット1406を配置することでメイン基板1401の熱を広範囲に熱拡散し、ファン1404によって排熱することができる。また、撮像素子基板1302やカード基板1502の熱も通風ダクトユニット1406に伝熱して放熱する構造としてもよい。
【0046】
<撮像装置の構成ブロック図>
図15は、撮像装置1000の概略構成を示すブロック図である。
図15を用いて、撮像装置1001の機能構成を説明する。
【0047】
撮像装置1000は、レンズ通信部1800、センサ基板1302に実装された撮像素子1006、メイン基板1401、カード基板1502、マイク部1012を備える。さらに、外部入出力端子群1021、着脱可能なバッテリー1070、操作部1044、ファン1404、表示部1040を備える。また、CPU2041、ROM2042及びRAM2043は、メイン基板1401に実装されている。
【0048】
ROM2042は、電気的に消去・記憶が可能なメモリであって、例えば、EEPROM等が用いられる。ROM2042には、CPU2041の動作用の定数及びプログラム等が記憶される。CPU2041は、ROM2043に記憶されたプログラムを実行して撮像装置1000を構成する各部の動作を制御することにより、撮像装置1000の統括的な制御を実現する。
【0049】
RAM2043は、システムメモリ、ワークメモリ、画像メモリ及び音声メモリ等として用いられ、CPU2041の動作用の定数、変数及びROM2042から読み出したプログラム等が展開される。
【0050】
撮像素子1007は、CCDセンサ又はCMOSセンサであり、A/D変換器を有する。撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000が入射光を撮像素子1007に光学像として結像させる。撮像素子1006は、結像した光学像をアナログ電気信号に変換し、さらにA/D変換器によりデジタル信号に変換して映像信号として出力する。生成されたデジタル映像信号は、メイン基板1401上の映像信号処理部2146に出力される。
【0051】
映像信号処理部2146は、入力されたデジタル映像信号に対して所定の処理を行い、さらに別途取り込んだ音声信号や各種メタデータと合わせることで映像データを生成する。映像信号処理部2146で生成された映像データは、表示部1040に送られて映像として表示される。この際、必要に応じて撮像装置1000の動作状況がオンスクリーン・ディスプレイ情報として表示される。
【0052】
ここで、撮像素子1006は、複数の位相差検出用画素を備えている。そして、映像信号処理部2146は、複数の位相差検出用画素の出力信号を用いて相関演算を行い、相関演算結果に基づいて取り付けられているレンズ装置3000の焦点位置を制御して撮像面位相差検出方式のオートフォーカスを行うことができる。
【0053】
また、撮影者によって記録が選択された際には、映像信号処理部2146にて生成された映像データは、所定の処理が加えられることで各種フォーマットに変換された後にカード基板1502に送られ、記録メディアに映像として保存される。
【0054】
一方、外部接続端子1021に所定のコネクタが接続されている際には、映像信号処理部2146から外部接続端子1021に対して映像信号を出力し外部機器に送信することが可能となっている。
【0055】
なお、撮像装置1000においては、記録メディアに保存されている記録データを映像信号処理部2146に読み込ませることで元の映像データを再生成することができる。そして、再生成された映像データは表示部1040や外部接続端子1021に対して出力することが可能である。
【0056】
マイク部1012から入力された音声信号は、所定レベルにゲインコントロールされた後にA/D変換され、デジタルデータの音声データに変換される。映像データや音声データは、RAM2043に一時記憶される。
【0057】
CPU2041は、RAM2043に一時記憶された映像データや音声データをカード基板1502へ送信する。カード基板1502には記録メディアの挿抜が可能となっており、映像データや音声データを記録メディアに記録する。なお、記録メディアには、SDカードやCF、CFast、XQD、CFexpressなどの規格に準拠したメモリカード等の脱着式のフラッシュメモリが用いられる。
【0058】
ファン1404は、温度検知部(不図示)が取得した温度に基づいて動作し、撮像装置1000の内部への吸排気を行う。ファン1404の回転状態はCPU2041によって制御される。
【0059】
操作部1044は、使用者の操作による指示をCPU2041に伝える。操作部1044は、RECボタン1010や電源スイッチ、操作キー1011(
図1参照)などを含む。
【0060】
操作部1044が使用者により操作されることで、使用者からの各種指示がCPU2041へ送信される。
【0061】
不図示の電源制御部は、バッテリー検出回路、DC-DCコンバータ及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。撮像装置1000に電源を供給するバッテリー1070は、例えば、撮像装置1000に対して着脱可能であり、例えば、リチウムイオン電池等である。
【0062】
表示部1040は、例えば、液晶表示装置であり、撮像装置1000の動作状況等をオンスクリーン・ディスプレイ情報として必要に応じて表示する。
【0063】
撮像装置1000のレンズ通信部1800に設けられたレンズ接点部1002とレンズ装置3000側のレンズ接点部(詳細は後述)が接触して導通すると、撮像装置1000のCPU2041はレンズ装置3000の装着を検知する。CPU2041は、レンズ装置3000の装着を検知すると、レンズ装置3000の内蔵メモリからレンズ情報を読み出してRAM2043に格納する。詳細については後述する。
【0064】
本実施形態の撮像装置1000において、例えば、撮像素子1006が受信した光は、少なくとも約23フレーム/秒(fps)のデジタル画像データに変換され、カード基板1502により記録メディアに記録される。フレームレートは、約1fps~約250fps以上の範囲で設定することができる。例えば、撮像装置1000は、設定される解像度に応じてフレームレートを変更してもよい。
【0065】
すなわち、「5k」の解像度モードでは約1fps~約100fps、「4k」の解像度モードでは約1~約125fpsのフレームレートが設定される。クアッドHDモードでは約1~約125fps、「3k」の解像度モードでは約1~約160fps、「2k」の解像度モードでは約1~約250fpsのフレームレートが設定される。例えば、フレームレートとして、20、23.976、24、30、60、および120フレーム/秒、またはこれらのフレームレートの間の他のフレームレート、またはそれ以上のフレームレートでもよい。
【0066】
撮像装置1000は、「2k」(例えば、16:9(2048×1152画素)、2:1(2048×1024画素)など)、「3k」(例えば、16:9(3072×1728画素)、2:1(3072×1536画素)など)の解像度で画像データを出力できる。また、「4k」(たとえは、4096×2540画素、16:9(4096×2304画素)、2:1(4096×2048画素)など)、「4.5k」水平解像度の解像度で画像データを出力できる。
【0067】
また、クアッドHD(例えば、3840×2160画素)、「5k」(例えば、5120×2700)水平解像度、「6k」(例えば、6144×3160)、「8k」(例えば、7680×4320)の解像度で画像データを出力できる。さらに、それ以上の解像度で画像データを出力できる。撮像装置1000は、少なくとも上記に列挙した解像度のいずれかの間の水平解像度を有する画像データを記録または出力するように構成することができる。
【0068】
さらに、解像度は、上述した値のうち少なくとも1つの間(もしくは上述の値の間の何らかの値)であり、約6.5k、7k、8k、9k、または10k、またはそれらの間の何らかの値を取り得る。本実施形態では、xkの形式(上述した2kおよび4kなど)で表される用語では、「x」の数は近似的な水平解像度を指す。そのため、「4k」の解像度は、約4000以上の水平画素に対応し、「2k」は約2000以上の水平画素に対応する。
【0069】
撮像素子1006は、約0.5インチ(8mm)から、2/3インチ、映画用のS35、35mmフルフレームスチル、および645に及ぶ範囲であることができ、少なくとも約1.0インチ、6cm×17cm以上であることができる。また、少なくとも約10.1×5.35mm、24.4×13.7mm、30×15mm、36×24mm、56×42mm、および186×56mmのサイズを有することもできる。
【0070】
それに加えて、撮像素子1006は、画素領域の所定部分のみを選択的に出力することによって、可変の解像度を提供するように構成することができる。撮像素子1006は、例えば、ベイヤー配列のカラーフィルタを含むことができる。そのため、撮像素子1006の個々の光電変換素子によって検出された赤色光、緑色光、または青色光の量を表すデータを出力する。
【0071】
<マウントの詳細構成>
次に、
図16を用いて、撮像装置1000およびレンズ装置3000のマウントの詳細構成について説明する。
図16(a)は被写体側から見た撮像装置1000のレンズマウント1001の概略図であり、
図16(b)は像面側から見たレンズ装置3000のマウント250の概略図である。
【0072】
レンズマウント1001は、撮像装置1000の前側(被写体側)に設けられている。レンズマウント1001は、所定のフランジバックを確保するためのリング状のマウント基準面151を備える。マウント基準面151の内側には周方向の3箇所にバヨネット爪152a乃至152cが設けられている。
【0073】
また、レンズマウント1001には、レンズ装置3000のマウントをレンズマウント1001にバヨネット結合する際の位置決めのためのロックピン153が、マウント基準面151に対して突出および引込み可能に設けられている。装着が完了する位置までレンズマウント1001とレンズ装置3000のマウントが相対回転すると、レンズ装置3000のマウントに設けられた嵌合穴とロックピン153が係合する。
【0074】
また、バヨネット爪152a乃至152cよりも内側の領域には、カメラ側接点保持部154が設けられている。カメラ側接点保持部154は電気接点(カメラ側電気接点)3001乃至3012を保持している。
【0075】
マウント250は、レンズ装置3000の後端部(像面側)に固定されている。マウント250は、フランジバックの基準面であるリング状のマウント基準面251を備える。マウント基準面251の内側には周方向の3箇所にバヨネット爪252a乃至252cが設けられている。また、マウント250には、嵌合穴253が設けられている。嵌合穴253は、撮像装置1000にレンズ装置3000の装着が完了した際にロックピン153と係合する。
【0076】
また、バヨネット爪252a乃至252cよりも内側の領域には、アクセサリ側接点保持部254が設けられている。アクセサリ側接点保持部254は電気接点(レンズ側電気接点)4001乃至4012を保持している。
【0077】
次に、
図17は、撮像装置1000にレンズ装置3000が接続された状態での回路構成を示すブロック図である。レンズ装置3000と撮像装置1000は、レンズマウント1001およびマウント250に設けられた複数の電気接点のうちの一部が形成する通信路を介して通信可能となっている。レンズ装置3000と撮像装置1000は後述する第1の通信、第2の通信、第3の通信を行うことができる。
【0078】
カメラ制御部101は、レンズマウント1001に設けられた電気接点の出力を制御したり、電気接点に入力された信号を処理したりすることで、撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000と行われる通信を制御する。
【0079】
カメラ電源部103は、撮像装置1000の各部および撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000の動作に用いられる電源である。カメラ電源部103は複数の異なる電圧を生成し、撮像装置1000の各部または撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000に各電圧の電源を供給する。
【0080】
電源切り替え部104は、第1通信用I/F(インターフェース)部102aへ電源を供給する。電源切り替え部104には電源部103から電圧値の異なる2つの電源が供給されており、カメラ制御部101の制御の下で第1通信用I/F(インターフェース)部102aへ供給する電源を切り替え可能である。
【0081】
レンズ制御部201は、マウント250に設けられた電気接点の出力を制御したり、電気接点に入力された信号を処理したりすることで、撮像装置1000とレンズ装置3000の間で行われる通信を制御する。
【0082】
レンズ電源部203は、撮像装置1000から供給された電源から所定の電圧の電源を生成し、レンズ制御部201およびレンズ側通信用I/F部202に供給する。
【0083】
電気接点3001および電気接点4001は、主に撮像装置1000とレンズ装置3000との間で行われる通信の制御に用いられる電力(通信電力)を撮像装置1000の電源部103からレンズ装置3000に供給するために用いられる端子である。
【0084】
以下、電気接点3001および電気接点4001をVDD端子3001およびVDD端子4001とも称する。本実施形態において、VDD端子3001によってレンズ装置3000に供給される電力の電圧(以下、VDD電圧と称する)は5.0Vである。
【0085】
電気接点(第1のカメラ側電気接点。第1の電気接点とも称する)3002および電気接点4002は主にモータ等の駆動系の動作に用いられる電力(駆動電力)を撮像装置1000からレンズ装置3000に供給するために用いられる端子である。以下、電気接点3002および電気接点4002をVBAT端子3002およびVBAT端子4002とも称する。
【0086】
本実施形態において、VBAT端子3002によってレンズ装置3000に供給される電力の電圧(以下、VBAT電圧と称する)は4.5Vである。VBAT電圧は第3の電圧に相当する。また、VDD端子とVBAT端子を総称して電源系端子とも称する。
【0087】
電気接点3012および電気接点4012は、撮像装置1000とレンズ装置3000の通信制御系回路をグラウンド(グラウンドレベル)に接続する端子である。つまり、VDD端子に対応した接地端子である。以下、電気接点3012および電気接点4012をDGND端子3012およびDGND端子4012とも称する。
【0088】
電気接点(第2のカメラ側電気接点。第2の電気接点とも称する)3004および電気接点4004は、撮像装置1000とレンズ装置3000に設けられたモータ等を含む駆動系回路をグラウンド(グラウンドレベル)に接続するための端子である。つまり、VBAT端子に対応した接地端子である。以下、電気接点3004および電気接点4004をPGND端子3004およびPGND端子4004とも称する。また、DGND端子とPGND端子を総称してグラウンド端子とも称する。
【0089】
電気接点3005および電気接点4005は、撮像装置1000にレンズ装置3000が装着されたことを検出するための端子である。カメラ制御部101は、電気接点3005の電圧レベルに応じて撮像装置1000にレンズ装置3000の着脱を検出する。カメラ制御部101がレンズ装置3000の装着を検出すると、VDD端子3001およびVBAT端子3002を介してレンズ装置3000への電源供給を開始する。以下、電気接点3005および電気接点4005をMIF端子3005およびMIF端子4005とも称する。
【0090】
電気接点(第3のカメラ側電気接点。第3の電気接点とも称する)3003および電気接点(第1のレンズ側電気接点。第4の電気接点とも称する)4003は、撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000の種類を判別するための端子である。電気接点3003は、撮像装置1000内において、カメラ制御部101に供給される電源と同電圧に抵抗(第1の抵抗)125を介してプルアップされている。
【0091】
また、電気接点4003は、レンズ装置3000内において抵抗222を介してグラウンド(DGND)にプルダウンされている。抵抗222は、レンズ装置3000と同一の種類のレンズ装置3000に共通して定められた抵抗値を有する。このため、電気接点4003は電気接点3003と接続することで、電気接点3003の電圧をレンズ装置3000の種類に対応した電圧に変化させることができる。
【0092】
カメラ制御部101は、電気接点3003の電圧値を検出し、検出された電圧値に基づいて撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000の種類を判別する。また、カメラ制御部101は、電源切り替え部104を制御して撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000の種類に応じて電源切り替え部104によって第1通信用I/F部102aに供給される電源を切り替える。これによって、撮像装置1000と撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000は適切な通信電圧で通信できる。以下、電気接点3003および電気接点4003をTYPE端子3003およびTYPE端子4003とも称する。
【0093】
電気接点3006乃至3008および電気接点4006乃至4008は、後述する第1の通信に用いられる端子である。電気接点3006乃至3008の入出力は第1通信用I/F部102aを介してカメラ制御部101によって制御される。電気接点4006乃至4008の入出力は、レンズ側通信用I/F部202を介してレンズ制御部201によって制御される。
【0094】
電気接点3008および電気接点4008は、第1の通信に用いられるクロック信号を撮像装置1000からレンズ装置3000に出力可能な端子である。また、電気接点3008および電気接点4008はレンズ装置3000が撮像装置1000に対して通信待機要求を通知するためにも用いられる。以下、電気接点3008および電気接点4008をLCLK端子3008およびLCLK端子4008とも称する。
【0095】
LCLK端子3008は撮像装置1000内で抵抗120を介して第1通信用I/F部102aのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。また、LCLK端子4008はレンズ装置3000内で抵抗220を介してレンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
【0096】
電気接点3006および電気接点4006は、第1の通信によって撮像装置1000からレンズ装置3000にデータを送信可能な端子である。以下、電気接点3006および電気接点4006をDCL端子3006およびDCL端子4006とも称する。DCL端子4006はレンズ装置3000内で抵抗221を介してレンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
【0097】
電気接点3007および電気接点4007は、第1の通信によってレンズ装置3000から撮像装置1000にデータを送信可能な端子である。以下、電気接点3007および電気接点4007をDLC端子3007およびDLC端子4007とも称する。DLC端子3007は撮像装置1000内で抵抗121を介して第1通信用I/F部102aのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
【0098】
以下では、第1の通信に用いられるLCLK端子3008、DCL端子3006、DLC端子3007を第1のカメラ側電気接点群とも称する。また、LCLK端子4008、DCL端子4006、DLC端子4007を第1のレンズ側電気接点群とも称する。
【0099】
電気接点3009および電気接点4009は後述する第2の通信に用いられる。電気接点3009および電気接点4009は、第2の通信によってレンズ装置3000から撮像装置1000にデータを送信可能な端子である。以下、電気接点3009および電気接点4009をDLC2端子3009およびDLC2端子4009とも称する。DLC2端子3009は撮像装置1000内で抵抗122を介してDGND端子と同電位にプルダウンされている。
【0100】
電気接点3010、3011および電気接点4010、4011は、後述する第3の通信に用いられる端子である。
【0101】
電気接点3010および電気接点4010は、撮像装置1000とレンズ装置3000の間で第3の通信によって双方向にデータを送受信可能な端子である。以下、電気接点3010および電気接点4010をDCA端子3010およびDCA端子4010とも称する。DCA端子3010は撮像装置1000内で抵抗124を介して第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
【0102】
また、DCA端子3010はCMOSタイプの入出力インターフェースを介してカメラ制御部101に接続されている。同様に、DCA端子4010はCMOSタイプの入出力インターフェースを介してレンズ制御部201に接続されている。これによって、カメラ制御部101およびレンズ制御部201は、DCA端子3010および4010を用いて高速なデータの送受信を行うことができる。
【0103】
電気接点3011および電気接点4011は、撮像装置1000とレンズ装置3000の間で第3の通信に関する後述する所定のタイミングを通知するために用いられる端子である。以下、電気接点3011および電気接点4011をCS端子3011およびCS端子4011とも称する。CS端子3011は撮像装置1000内で抵抗123を介して第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。また、CS端子4011はレンズ装置3000内で抵抗224を介してレンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
【0104】
また、CS端子3011はオープンタイプの出力インターフェースを介してカメラ制御部101に接続されている。同様に、CS端子4011はオープンタイプの出力インターフェースを介してレンズ制御部201に接続されている。ここで、オープンタイプの出力インターフェースとは、オープンドレインまたはオープンコレクタである出力インターフェースを言う。
【0105】
本実施形態において、撮像装置1000にレンズ装置3000が装着された場合、第1通信用I/F部102aおよび第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧は3.0V(第1の電圧)に設定される。また、レンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧は3.0V(第1の電圧)に設定される。以下、LCLK端子、DCL端子、DLC端子、DLC2端子、CS端子、DCA端子を総称して通信系端子とも称する。
【0106】
次に、撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000と、撮像装置1000との間で行われる通信について説明する。
【0107】
まず、第1の通信について説明する。第1の通信とは、撮像装置1000と撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000との間で行われる通信の1つである。第1の通信は、LCLK端子、DCL端子、DLC端子を用いて行われる。また、第1の通信はクロック同期式の通信方式で行われる。なお、第1の通信は調歩同期式の通信方式で行っても良い。その場合、LCLK端子はデータ送信要求を撮像装置1000からレンズ装置3000に通知するための端子として用いられる。
【0108】
撮像装置1000は、レンズ装置3000を制御するための制御コマンドを第1の通信によってレンズ装置3000に送信する。制御コマンドはレンズ装置3000の駆動部(不図示)を駆動させるためのコマンドを含む。なお、レンズ装置3000の駆動部としてはフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り羽を例示することができる。
【0109】
第1の通信によって送信された制御コマンドを受信したレンズ装置3000は、命令に応じた動作を行う。また、レンズ装置3000は制御コマンドに応答して自身の状態に関する情報(状態情報)を第1の通信によって撮像装置1000へ送信する。ここで言う状態に関する情報とは、フォーカスレンズの位置、焦点距離、絞り値に関する情報を含む。
【0110】
以上のように、第1の通信は、主としてレンズ装置3000を制御するために用いられる通信である。
【0111】
次に、第2の通信について説明する。第2の通信とは、撮像装置1000と撮像装置1000に装着されたレンズ装置3000との間で行われる通信の1つであり、DLC2端子3009および4009を用いて行われる非同期式の通信である。
【0112】
第2の通信では、レンズ装置3000が通信マスターとなり、レンズ装置3000におけるフォーカスレンズの位置、ズームレンズの位置、絞り値、防振レンズの状態等の光学データを撮像装置1000に送信する。第2の通信によってレンズ装置3000が撮像装置1000に送信するデータの種類や順番は、撮像装置1000から第1の通信によって指定される。
【0113】
ここで、
図18を用いて、第2の通信のフローについて説明する。
図18のフローチャートは、撮像制御が開始されたタイミングからスタートする。なお、フローチャートにおけるSはステップを表す。
【0114】
S1401において、撮像装置1000は、第2の通信を開始することを要求する開始要求を、第1の通信によってレンズ装置3000に送信する。S1401において送信される開始要求には、撮像装置1000が第2の通信でレンズ装置3000から受信したいデータの種類と、受信する順番が予め登録されている登録通信コマンドが含まれている。
【0115】
S1411において、レンズ装置3000は撮像装置1000から開始要求を受信する。S1412において、レンズ装置3000は開始要求に含まれる登録通信コマンドで指定された種類のデータを指定された順番で生成する。
【0116】
S1413において、レンズ装置3000はS1412で生成したデータを撮像装置1000に第2の通信によって送信する。すなわち、レンズ装置3000は、S1412で生成したデータを撮像装置1000にDLC2端子4009を用いて送信する。
【0117】
撮像装置1000はS1402においてレンズ装置3000から第2の通信によって送信されたデータを受信する。
【0118】
S1402またはS1413の後に再び撮像制御が開始された場合、再び
図18に示す
制御を開始する。
【0119】
このように、第2の通信の開始要求は第1の通信によって行われ、第2の通信によるレンズ装置3000から撮像装置1000へのデータ送信は、DLC2端子4009を用いて行われる。よって、第1の通信に用いられる電気接点とは別にDLC2端子4009を設けて第2の通信を行うことにより、第1の通信で行う必要のある他の通信を妨げることなく、レンズ装置3000から撮像装置1000へ光学データを送信することができる。
【0120】
なお、第2の通信の開始要求は第1の通信によって行われるため、第1の通信が成立していない場合に第2の通信を行うことはできない。
【0121】
<前側突出部の構成>
図1、
図2、
図5~
図7を用いて、撮像装置1000の前面に設けられた上側突出部1100と下側突出部1101について説明する。
図5は、撮像装置1000にレンズ装置を装着した右側面図である。また、
図6は、撮像装置1000の上面図である。また、
図7は、
図6における電気接点1043の拡大図である。
【0122】
図1と
図5に示すように、撮像装置1000の上下方向でレンズマウント1001を挟むように上側突出部1100と下側突出部1101が設けられている。また、上側突出部1100と下側突出部1101はマウント面1001aより光軸1706方向(+Z方向)に突出している。
【0123】
図5に示すように、上側突出部1100は、撮像装置1000の上面(上部の平面)から連続して設けられ、光軸1706に対して略平行な上面(上部の平面)1707を有している。同様に、下側突出部1101は、撮像装置1000の下面(下部の平面)から連続して設けられ、光軸1706に対して略平行な下面(下部の平面)1708を有している。
【0124】
このように、上側突出部1100の上面1707と下側突出部1101の下面1708は、それぞれ光軸1706に略平行な面となっている。これにより、各突出部の分だけ広い面積で地面と当接してバランスを向上させることができる。そして、撮像装置1000の上面を下にして地面等に置いて撮影する置き撮りだけでなく、撮像装置1000の上面を下にして地面等に置いて撮影する置き撮りを安定した状態で行うことができる。
【0125】
また、このような上側突出部1100と下側突出部1101を設けたことにより、撮像装置1000からレンズ装置3000を外した状態で、マウント面1001aを下にして撮像装置1000を地面等に置いても、マウント面1001aを保護することができる。すなわち、マウント面1001aが地面等に当接しないようにすることができる。
【0126】
さらに、上側突出部1100のZ方向における突出量D1と、下側突出部1101のZ方向における突出量D2は略同一である。このように突出量を略同一にしたことにより、レンズ装置3000を撮像装置1000に装着し、撮像装置1000の下面を下にして地面等に置いて撮影する場合に、レンズ装置3000の重さにより撮像装置1000が前方側に倒れることを防ぐことができる。また、撮像装置1000の上面を下にして地面等に置いて撮影する場合でも、レンズ装置3000の重さにより撮像装置1000が前方側に倒れることを防ぐことができる。
【0127】
また、
図5に示すように、上側突出部1100は傾斜部1704を有し、この傾斜部1704は、上側突出部1100の上下方向(±Y方向)における厚みが撮像装置1000の前方方向(+Z方向)に向かって薄くなるように形成されている。すなわち、傾斜部1704は、撮像装置1000の前方方向(+Z方向)に向かって光軸1706から離れる方向(+Y方向)に傾斜している。
【0128】
同様に、下側突出部1101は傾斜部1705を有し、この傾斜部1705は、下側突出部1101の上下方向(±Y方向)における厚みが撮像装置1000の前方方向(+Z方向)に向かって薄くなるように形成されている。すなわち、傾斜部1705は、撮像装置1000の前方方向(+Z方向)に向かって光軸1706から離れる方向(-Y方向)に傾斜している。
【0129】
以上のように、上側突出部1100と下側突出部1101の上下方向の厚みを設定したことにより、レンズ装置3000に干渉しない領域内で上側突出部1100と下側突出部1101の機械的な強度を高めることができる。
【0130】
図1と
図2に示すように、上側突出部1100の上面1707には、それぞれ外部アクセサリの雄ネジがY軸に略平行な方向に挿入可能に設けられた三脚雌ネジ1700a~1700dと電気接点1043が設けられている。また、上側突出部1100の側面(右側面カバー第1面1015a、左側面カバー第1面1030a)には、それぞれ外部アクセサリの雄ネジがX軸に略平行な方向に挿入可能に設けられた三脚雌ネジ1700e,1700gを有している。
【0131】
また、下側突出部1101の側面(右側面カバー第1面1015a、左側面カバー第1面1030a)には、それぞれ外部アクセサリの雄ネジがX軸に略平行な方向に挿入可能に設けられた三脚雌ネジ1700f,1700hを有している。これら三脚雌ネジ1700a~1700hには、前述したような各種の外部アクセサリを取り付けることができる。
【0132】
つまり、
図5に示すような撮像装置1000にレンズ装置3000を装着した状態における最外形寸法を大型化することなく、撮像装置1000に三脚雌ネジ1700a~三脚雌ネジ1700hと、電気接点1043を搭載することができる。ここで最外形寸法としては、前後方向(長さ方向)の最外形寸法L、上下方向(高さ方向)の最外形寸法H、
図6に示すような撮像装置1000の左右方向(幅方向)の最外形寸法Wが含まれる。
【0133】
さらに、不図示の第一の外部アクセサリに設けられた雄ネジが三脚雌ネジ1700a,1700bと係合することで取り付けられる場合、第一の外部アクセサリの電気接点部は、電気接点1043のうち、接点群1701および接点群1702と電気的に接続される。
【0134】
一方、不図示の第二の外部アクセサリの雄ネジが三脚雌ネジ1700c,1700dと係合することで取り付けられる場合、第二の外部アクセサリの電気接点部は、電気接点1043のうち、接点群1702および接点群1703と電気的に接続される。
【0135】
このように、接点群1702を第一の外部アクセサリを取り付ける場合と、第二の外部アクセサリを取り付ける場合の共通接点としている。すなわち、第一の外部アクセサリと第二の外部アクセサリの各々に専用の接点群を設ける場合と比較して、三脚雌ネジ1700a~1700dと電気接点1043を設けるための面積を光軸方向において小型化することができる。
【0136】
なお、本発明は、以上説明したような構成に限られるものではない。すなわち、撮像装置の上面から光軸方向の前側に延びる上側突出部と、撮像装置の下面から光軸方向の前側に延びる下側突出部を設ける構成に限られるものではない。
【0137】
例えば、上側突出部1100と下側突出部1101に加えて、さらに撮像装置1000の左側から光軸方向の前側に向かって延びる左側突出部と撮像装置100の右側から光軸方向の前側に向かって延びる右側突出部を設けてもかまわない。その場合、上側突出部1100や下側突出部1101のX方向(撮像装置1000の左右方向)における長さが、上記した本実施形態より短い構成にしてもよい。また、上側突出部や下側突出部を設けずに、右側突出部と左側突出部のみを設ける構成でもよい。さらに、上側突出部、下側突出部、左側突出部、および右側突出部のうち、2つ以上の突出部を設けた構成でもよい。
【0138】
<側面側突出部の構成>
図8~
図10を用いて、左側面カバー突出部1031と右側面カバー突出部1016の詳細な構成について説明する。
図8は撮像装置1000の右側面図である。
図9は撮像装置1000の断面図であり、
図8におけるA-A断面図である。また、
図10は撮像装置1000の右側面を下側にして置いた状態を示す図である。
【0139】
図9に示すように、撮像装置1000の内部には、撮像素子1006が半田付けされる撮像素子基板1302、メイン基板1401、カード基板1502の順に光軸に対して垂直に配置されている。撮像素子基板1302の後側に配置され、撮像素子1006を保持する撮像素子保持板1303とメイン基板1401との間には、ヒートシンク1402と放熱板1403とで形成される通風ダクトユニット1406が配置される。
【0140】
ファン1404が配置されている通風ダクトユニット1406の吸気部1407は撮像装置1000の吸気口1032と接続され、通風ダクトユニット1406の排気部1408は撮像装置1000の排気口1017と接続されている。そして、ファン1404の回転により吸気口1032から冷たい空気が吸い込まれ、通風ダクトユニット1406内の放熱フィン1405(
図3参照)に沿って矢印B方向に空気が流れ、内部で熱交換された熱い空気が排気口1017から排出される。
【0141】
左側面カバー突出部1031は、左側面カバー1030の主たる面である左側面カバー第1面1030aよりも高さH1だけ突出した位置に配置されている。また、右側面カバー突出部1016は、右側面カバー1015の主たる面である右側面カバー第1面1015aよりも高さH2だけ突出した位置に配置される。
【0142】
左側面カバー突出部1031には吸気口1032が形成され、右側面カバー突出部1016には排気口1017が形成される。つまり、吸気口1032は、左側面カバー第1面1030aよりも高さH1だけ突出した位置に配置され、排気口1017は、右側面カバー第1面1015aよりも高さH2だけ突出した位置に配置される。
【0143】
このような配置により、撮像装置1000の左側面を下側にして地面等に置いた場合、左側面カバー突出部1031の稜線と、左側面カバー第1面1030aの面の稜線が地面等に当接する。また、撮像装置1000の右側面を下側にして地面等に置いた場合、右側面カバー突出部1016の稜線と、右側面カバー第1面1015aの面の稜線が地面等に当接する。そのため、吸気口1032及び排気口1017が地面等により塞がれることがないため、撮像装置1000の排熱効率低下に伴う内部の温度上昇による故障を防ぐことが可能となる。
【0144】
また、
図9に示す一点鎖線Cは、吸気口1032及び排気口1017の前後方向の中心位置を示し、二点鎖線Gは、撮像装置1000の前後方向の重心位置を示している。撮像装置1000の前後方向(光軸方向)における吸気口及び排気口の中心位置は、撮像装置1000の前後方向における重心位置から距離L1だけ離れた位置にある。
【0145】
なお、一転鎖線C及び二点鎖線Gは、光軸と直交している。つまり撮像装置1000の前後方向において、吸気口1032及び排気口1017は左右同じ位置に配置される。したがって、通風ダクトユニット1406内の空気の流れは一直線上となり、通風抵抗の低下がないため排熱効率を下げることがない。
【0146】
このように、撮像装置1000の前後方向における吸気口及び排気口の中心位置を撮像装置1000の前後方向における重心位置からずらしたことにより、地面等に置いた場合に吸気口1032及び排気口1017が塞がれることを確実に防止できる。
【0147】
図9に示すように、左側面カバー突出部1031の内側には第1の内部空間1033が形成され、第1の内部空間1033には、ファン1404が左側面カバー第1面1030aよりも外側に突出して配置される。
【0148】
同様に、右側面カバー突出部1016の内側には第2の内部空間1018が形成され、第2の内部空間1018には、通風ダクトユニット1406のヒートシンク1402及び放熱板1403が右側面カバー第1面1015aよりも外側に突出して配置される。
【0149】
このように、左側面カバー突出部1031及び右側面カバー突出部1016の突出によって形成される第1の内部空間1033及び第2の内部空間1018に放熱構造部品を配置することで、放熱部の領域を拡大して放熱効率を向上させることが可能となる。
【0150】
また、本体外部に突出する領域を左側面カバー突出部1031及び右側面カバー突出部1016のみとすることで、撮像装置1000の突出外形を最小限とすることができ、撮像装置1000の小型化に寄与することができる。
【0151】
なお、左側面カバー突出部1031及び右側面カバー突出部1016の突出によって形成される第1の内部空間1033及び第2の内部空間1018には、通風ダクトユニット1406と外装をより隙間なく密閉するための密閉部材を配置してもよい。あるいは、塵埃などを通風ダクトユニット1406に吸い込むことを防止する防塵フィルターなどを配置してもよい。
【0152】
また、
図1及び
図8に示すように、撮像装置1000の右側面カバー突出部1016の排気口1017近傍には、RECボタン1010及びマイク部1012が配置されている。排気口1017は右側面カバー第1面1015aよりも高さH2だけ突出しているため、RECボタン1010及びマイク部1012は排気口1017よりもH2だけ低い位置に配置される。
【0153】
そのため、
図10のように撮像装置1000の右側面を下側にして地面等に置いた場合でも、マイク部1012が塞がれることなく、音声を確実に収録することが可能となる。また、撮像装置1000の右側面を下側にして地面等に置いた場合でも、RECボタン1010が地面に当接することによる設置時の誤操作を防止することが可能となる。なお、マイク部1012の代わりにスピーカーを設けてもよく、RECボタン1010の代わりにその他の各種操作SWを設けてもよい。
【0154】
(第2の実施形態)
以下、
図11~
図14を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は本発明の第2の実施形態における撮像装置の前方斜視図であり、
図12は撮像装置の後方斜視図である。また、
図14は撮像装置2000の右側面を下側にして置いた状態を示す図である。本実施形態における撮像装置2000と
図1及び
図2で説明した撮像装置1000との差異は、撮像装置の左右側面にそれぞれ第2の突出部を有することであり、それ以外は同様の構成のため詳細説明は省略する。
【0155】
図11、
図12に示すように、撮像装置2000の左側面カバー2030は、主たる面である左側面カバー第1面2030aよりも突出する左側面カバー突出部2031と、第2の左側面カバー突出部2033を有する。左側面カバー突出部2031には、撮像装置2000の内部に配置されたファン1404(
図4)の駆動によって外部から低温の空気を撮像装置2000の内部に吸い込むための吸気口2032が複数形成されている。
【0156】
撮像装置2000の右側面カバー2015は、主たる面である右側面カバー第1面2015aよりも突出する右側面カバー突出部2016と、第2の右側面カバー突出部2019を有する。右側面カバー突出部2016には、撮像装置2000の内部に配置されたファン1404(
図4)の駆動によって撮像装置2000の内部で発生する熱い空気を外部に吐き出すための排気口2017が複数形成されている。
【0157】
図13は、撮像装置2000の上面図である。左側面カバー突出部2031は、左側面カバー2030の主たる面である左側面カバー第1面2030aよりも高さH1だけ突出した位置に配置されている。また、右側面カバー突出部2016は、右側面カバー2015の主たる面である右側面カバー第1面2015aよりも高さH2だけ突出した位置に配置される。
【0158】
左側面カバー突出部2031には吸気口2032が形成され、右側面カバー突出部2016には排気口2017が形成される。つまり、吸気口2032は、左側面カバー第1面2030aよりも高さH1だけ突出した位置に配置され、排気口2017は、右側面カバー第1面2015aよりも高さH2だけ突出した位置に配置される。
【0159】
また、第2の左側面カバー突出部2033は、左側面カバー第1面2030aよりも高さH3だけ突出した位置に配置されている。第2の右側面カバー突出部2019は、右側面カバー第1面2015aよりも高さH4だけ突出した位置に配置されている。
【0160】
第2の左側面カバー突出部2033の突出高さH3は、左側面カバー突出部2031の突出高さH1と異なる。第2の右側面カバー突出部2019の突出高さH4は、右側面カバー突出部2016の突出高さH2と異なる。本実施例では、高さH3は高さH1よりも低く、高さH4は高さH2よりも低い。なお、高さH3は高さH1よりも高くてもよく、高さH4は高さH2よりも高くてもかまわない。
【0161】
図14のように、撮像装置2000の右側面を下側にして地面等に置いた場合でも、右側面カバー突出部2016の稜線と、第2の右側面カバー突出部2019の稜線が地面等に当接する。また、撮像装置2000の左側面を下側にして地面等に置いた場合でも、左側面カバー突出部2031の稜線と、第2の左側面カバー突出部2033の稜線が地面等に当接する。そのため、吸気口2032及び排気口2017が地面等に当接することで塞がれることがないため、撮像装置2000の排熱効率低下に伴う内部の温度上昇による故障を防ぐことが可能となる。
【0162】
図11に示す第2の右面カバー突出部2019や
図12に示す第2の左面カバー突出部2033の内部にWi-Fi(登録商標)などの無線LAN用のアンテナを配置してもよい。その場合、第2の右面カバー突出部2019や第2の左面カバー突出部2033は、電磁波を遮蔽しない樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂など)で構成される。また、第2の左面カバー突出部2033は、左面カバー第1面2030aよりも突出しており、アンテナの周辺で電磁波が遮蔽されないため、通信性能が向上する配置になっている。
【0163】
また、別の実施形態として、
図19に示すように第2の左面カバー突出部2033の天面側、底面側のいずれか、或いは天面側および底面側の両方に配置したアンテナ取り付けコネクタ2033aに無線LAN用のアンテナを取り付けるように構成してもよい。
【0164】
図20は、第2の左面カバー突出部2033の天面側に設けたアンテナ取り付けコネクタ2033aにアンテナ2033bを取り付けた状態を示す図である。また、
図21は、第2の左面カバー突出部2033の底面側に設けたアンテナ取り付けコネクタ2033aにアンテナ2033cを取り付けた状態を示す図である。さらに、
図22は、第2の左面カバー突出部2033の天面側および底面側に設けたアンテナ取り付けコネクタ2033aに2本のアンテナ2033b、2033cを取り付けた状態を示す図である。
【0165】
図20から
図22に示すように、アンテナ2033b、2033cをコネクタ2033aに取り付けた状態で、例えば上下方向および左右方向に最大180度の範囲で任意の角度に折り曲げることができ、アンテナの向きを自由に変えることができる。また、天面側と底面側の両方にアンテナを取り付けた場合には、それぞれの向きを異ならせることによりアンテナの通信性能を高めることができ、受信感度の高い通信を行うことができる。
【0166】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
1000 撮像装置
1016 右側面カバー突出部
1017 排気口
1031 左側面カバー突出部
1032 吸気口
1100 上側突出部
1101 下側突出部
1402 ヒートシンク
1404 ファン
2000 撮像装置