(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】多方向入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/04 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
H01H25/04 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118375
(22)【出願日】2022-07-26
【審査請求日】2022-08-08
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309015802
【氏名又は名称】シーアンドケー・コンポーネンツ・エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ドムザルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジンバオ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】フレッド・ジャン
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-112553(JP,A)
【文献】特開2017-168305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多方向入力装置(1)であって、
長手方向スリット(20a)を有し、回転可能である、第1のインターロック部材(20)と、
前記第1のインターロック部材(20)の前記長手方向と直交する方向に配置された第2のインターロック部材(50)であって、スロット(53)を有し、回転可能である、前記第2のインターロック部材(50)と、
前記第1のインターロック部材(20)及び第2のインターロック部材(50)が装着される中空フレーム(10)であって、前記第1のインターロック部材(20)が、前記中空フレーム(10)によって第1の軸(A1)の周りで回転可能に支持されている、中空フレーム(10)と、
前記第1のインターロック部材(20)の前記スリット(20a)、及び前記第2のインターロック部材(50)の前記スロット(53)の両方を通して挿入された操作シャフト(40)と、を備え、
-前記第2のインターロック部材(50)が、前記第1の軸(A1)と直交する第2の軸(A2)の周りで、前記中空フレーム(10)内に回転可能に装着され、
-前記第2のインターロック部材(50)が、前記第1の軸(A1)に平行な第3の軸(A3)の周りで、前記中空フレーム(10)内に枢動可能に装着され、
-前記操作シャフト(40)が、第4の軸(A4)の周りで、前記第2のインターロック部材(50)によって回転可能に支持され、
第1の(磁気)検知構成要素(103c)と、前記中空フレーム(10)に対して配設され、前記操作シャフト(40)の操作によって回転するときに、前記第1のインターロック部材(20、100c)及び第2のインターロック部材(50、100a)を通してそれぞれ操作することができる、第2の(磁気)検知構成要素(103a)と、前記中空フレームに対して配設され、前記操作シャフト(40)の操作によって枢動するときに、前記第2のインターロック部材(50、57b)を通して操作することができる、第3の検知構成要素(70)と、を備え、
-前記多方向入力装置(1)が、前記第2の軸(A2)の周りで、前記中空フレーム(10)によって回転可能に支持される関節運動部材(80)を備えること、
-前記第2のインターロック部材(50)が、前記第2の軸(A2)の周りで回転可能であるモバイルユニット(82)を形成するように、前記関節運動部材(80)によって支持されること、及び
-前記第2のインターロック部材(50)が、前記第3の軸(A3)の周りで、前記関節運動部材上に枢動可能に装着されること、を特徴とする、多方向入力装置(1)。
【請求項2】
前記関節運動部材(80、81)は、前記第2のインターロック部材(50、51)が配設される内部空洞(83)を画定する、中空部材であることを特徴とする、請求項1に記載の多方向入力装置。
【請求項3】
前記第1の検知構成要素(103c)が、磁気検知構成要素であり、前記第2の検知構成要素(103a)が、磁気検知構成要素であることを特徴とする、請求項1に記載の多方向入力装置。
【請求項4】
前記第1の検知構成要素(103c)が、ホール効果センサであり、前記第2の検知構成要素(103a)が、ホール効果センサであることを特徴とする、請求項
1に記載の多方向入力装置。
【請求項5】
前記第2のインターロック部材(50)が、前記関節運動部材(80)の関連する端部分岐(86a)上で、前記第3の軸(A3)の周りで枢動可能に装着される、長手方向端部分岐(55a)を備えること、及び前記第3の検知構成要素(70)を作動させる別の対向端部分岐(55b)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の多方向入力装置。
【請求項6】
前記第3の検知構成要素(70)が、押しボタン式タクトスイッチであることを特徴とする、請求項5に記載の多方向入力装置。
【請求項7】
前記第2のインターロック部材(50)が、小さい遊びを伴って前記関節運動部材(80)に装着されること、及びその全身軸(A5)に沿った前記操作シャフト(40)への操作アクションが、前記第1の軸(A1)の周りで前記第1のインターロック部材(20)のいかなる回転も引き起こさず、また、前記第2の軸(A2)の周りで前記第2のインターロック部材のいかなる回転も引き起こさないことを特徴とする、請求項1に記載の多方向入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作シャフトの動作によって複数の検知構成要素を操作することができる多方向入力装置に関する。
【0002】
関連技術の説明
本発明は、例えば米国特許第6,445,377(B)号に開示されているタイプの多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この文書の教示によれば、かかる装置は、
長手方向スリットを有し、回転可能である、第1のインターロック部材と、
当該第1のインターロック部材の長手方向と直交する方向に配置された第2のインターロック部材であって、スロットを有し、回転可能である、当該第2のインターロック部材と、
当該第1及び第2のインターロック部材が装着される中空フレームであって、当該第1のインターロック部材が、当該中空フレームによって第1の幾何学的軸の周りで回転可能に支持されている、中空フレームと、
第1のインターロック部材の当該スリット及び第2のインターロック部材の当該スロットを通して挿入された操作シャフトと、を備え、
-当該第2のインターロック部材が、当該第1の軸と直交する第2の幾何学的軸の周りで、当該中空フレーム内に回転可能に装着され、
-当該第2のインターロック部材が、当該第1の軸に平行な第3の幾何学的軸の周りで、当該中空フレーム内に枢動可能に装着され、
-当該操作シャフトが、第4の幾何学的軸の周りで、第2のインターロック部材によって回転可能に支持され、
第1の検知構成要素又はセンサと、当該中空フレームに取り付けられ、当該操作シャフトの操作によって回転するときに、当該第1及び第2のインターロック部材を通してそれぞれ操作することができる、第2の検知構成要素(又はセンサ)と、当該中空フレームに取り付けられ、当該操作シャフトの操作によって枢動するときに、当該第2のインターロック部材を通して操作することができる、第3の検知又はスイッチ構成要素と、を備える。
【0004】
様々な実施例によれば、各検知構成要素は、抵抗素子である。
【0005】
ホール効果センサの使用は、ジョイスティック制御レバーと関連付けられたトランスデューサ装置に関して英国特許第2091423A号によって既に知られている。
【0006】
第3の検知構成要素は、押しボタンスイッチなどの電気部品である。
【0007】
いかなる操作力も操作シャフトに加えられていないとき、すなわち、操作シャフトは、戻しばねの付勢力の下で、その垂直に直立した中立にあるとみなされる。
【0008】
操作傾動力が操作シャフトに加えられると、操作シャフトが第2の軸の周りで傾動し、第2のインターロック部材が第2の軸の周りで回転して、第2のセンサ素子を動作させて、可変抵抗の抵抗値を変化させる。
【0009】
操作シャフトに及ぼされている操作力が軽減されると、戻しばねの付勢力により、操作部材がその中立の位置又は状態に自動的に戻る。
【0010】
別の操作傾動力が操作シャフトに加えられると、操作シャフトが別の直交方向に傾動し、第1のインターロック部材が第1の軸の周りで回転し、第1のセンサ素子を動作させて、可変抵抗の抵抗値を変化させる。
【0011】
操作シャフトに及ぼされている操作力が軽減されると、戻しばねの付勢力により、操作部材がその中立位置に自動的に復帰する。
【0012】
押しボタンスイッチを操作する場合、グローバル的に垂直な下方への切り替え力又は負荷が操作シャフトに加えられて、操作シャフトをその略垂直方向に沿って下向きに押し込む。
【0013】
その結果、第2のインターロック部材の横アーム部分が、操作シャフト40と共にグローバルに垂直に移動して、押しボタンスイッチのステム部分を押し込む。このようにして、押しボタンスイッチをオン及びオフにすることができる。
【0014】
操作シャフトは、操作シャフトがその中立角度状態にあるときだけでなく、操作シャフトを傾動させた後、及び可変抵抗の所定の抵抗値を達成した後にも、その全身軸に沿った方向に押し込むことができる。
【0015】
しかしながら、上記の従来の多方向入力装置では、操作シャフトに加えられたスイッチ作動力は、選択機能を制御するためのスイッチを作動させるのに十分に正確ではない場合がある。
【0016】
更に、切り替え作動力は、ポテンショメータの角度位置に、又はホール効果センサ磁石に影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【0017】
本発明の目的は、上述した問題を解決して、効率及び精度に優れ、かつコストの低い多方向入力装置を提供することである。
【0018】
前述の問題を解決するための本発明によって採用された第1の配設によれば、多方向入力装置が提供され、当該多方向入力装置は、長手方向スリットを有し、回転可能である、第1のインターロック部材と、当該第1のインターロック部材の長手方向と直交する方向に配置された第2のインターロック部材であって、スロットを有し、回転可能である、当該第2のインターロック部材と、当該第1及び第2のインターロック部材が装着される中空フレームであって、当該第1のインターロック部材が、当該中空フレームによって第1の軸の周りで回転可能に支持される、中空フレームと、第1のインターロック部材の当該スリット及び第2のインターロック部材の当該スロットを通して挿入された操作シャフトと、を備え、当該第2のインターロック部材が、当該第1の軸と直交する第2の軸の周りで、当該中空フレーム内に回転可能に装着され、当該第2のインターロック部材が、当該第1の軸に平行な第3の軸の周りで、当該中空フレーム内に枢動可能に装着され、当該操作シャフトが、第4の軸の周りで、第2のインターロック部材によって回転可能に支持され、第1の(磁気)検知構成要素と、当該中空フレームに対して配設され、当該操作シャフトの操作によって回転するときに、当該第1及び第2のインターロック部材を通してそれぞれ操作することができる、第2の検知構成要素と、当該中空フレームに取り付けられ、当該操作シャフトの操作によって枢動するときに、当該第2のインターロック部材を通して操作することができる、第3の検知構成要素と、を備え、
当該多方向入力装置が、当該第2の軸の周りで、当該中空フレームによって回転可能に支持される関節運動部材を備えること、当該第2のインターロック部材が、当該第2の軸の周りで回転可能であるモバイルユニットを形成するように、当該関節運動部材によって支持されること、及び当該第2のインターロック部材が、当該第3の軸の周りで、当該関節運動部材に枢動可能に装着されること、を特徴とする。
【0019】
当該関節運動部材は、第2のインターロック部材が配設される内部空洞を画定する、中空部材である。
【0020】
当該第1の検知構成要素は、磁気検知構成要素であり、当該第2の検知構成要素は、磁気検知構成要素である。
【0021】
当該第1の検知構成要素は、ホール効果センサであり、当該第2の検知構成要素は、ホール効果センサである。
【0022】
第2のインターロック部材は、関節運動部材の関連する端部分岐に、当該第3の軸の周りで枢動可能に装着される、長手方向端部分岐を備え、当該第3の検知構成要素を作動させる別の対向端部分岐を備える。
【0023】
当該第3の検知構成要素は、押しボタン式タクトスイッチである。
【0024】
当該第2のインターロック部材は、小さい遊びを伴って関節運動部材に装着され、その全身軸に沿った操作シャフトへの操作アクションは、第1の軸の周りで第1のインターロック部材のいかなる回転も引き起こさず、また、第2の軸の周りで第2のインターロック部材のいかなる回転も引き起こさない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面を参照して理解するために、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】本発明を具現化する多方向入力装置の斜視図である。
【
図2】その中空フレームの上部を伴わずに例示される、
図1の多方向入力装置の斜視図である。
【
図3】本発明を具現化する
図1の多方向入力装置の分解斜視図である。
【
図4】垂直及び縦の中央面を通る
図1の多方向入力装置の断面図である。
【
図5】いくつかの構成要素が破断された、
図1の多方向入力装置の構成要素のいくつかの上面図である。
【
図6】垂直及び横の中央面を通る
図1の多方向入力装置の中空フレームの2つの部品の断面図である。
【
図7】当該第2の軸の周りで回転可能である
図1の多方向入力装置のモバイルユニットを形成するために関節運動部材によって支持される、第2のインターロックの斜視図である。
【
図8】第2のインターロック部材、及び
図1の多方向入力装置のモバイル比例ユニットを構成する関節運動部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の明細書及び特許請求の範囲の理解のために、その長手方向軸L及び横方向軸Tが水平面内に延在する、図中に示される基準V、L、Tに従って、地球の重力にかかわらず、垂直方向、長手方向、及び横方向が採用される。
【0027】
慣習により、長手方向軸Lは、右から左に配向され、垂直軸Vは、底部から頂部に配向される。
【0028】
以下の説明では、同一の、同様の、又は類似した要素は、同じ参照符号によって示される。
【0029】
以下、本発明の一実施形態による多方向入力装置1を、
図1~
図8を参照しながら説明する。
【0030】
多方向入力装置1には、
図1、
図3、
図4、及び
図6に示されるように、垂直側壁又はプレート10a、10b、10c、及び10dを有する、2部品の中空フレーム10が配置されている。中空フレーム10は、上部11及び下部13を備え、中空内部を有する。その底部は、その下部13の底部壁10eによって閉じられる。その外部形態は、略長方形の平行六面体の形状である。中空フレーム10の頂部は、その上部11の水平頂部壁10fによって閉じられ、操作孔12が、頂部壁10fの中央に形成される。
【0031】
4つの円筒形支持及び案内孔14a~14dが、それぞれ4つの側壁10a~10dに形成される。磁気部品100c及び100aを回転可能に受容するための2つの円筒形開口16c及び16aが、側壁10a及び10cに形成される。
【0032】
各開口16c及び16aは、それぞれ、関連する円筒形孔14c及び14aと同軸であり、それらに隣接する。
【0033】
側壁10aに対向する側壁10bには、側壁10aに形成された対向する支持及び案内円筒形孔14aと同軸である、支持及び案内円筒形孔14bが形成される。
【0034】
側壁10cに対向する側壁10dには、側壁10cに形成された対向する支持及び案内円筒形孔14cと同軸である、支持及び案内円筒形孔14dが形成される。
【0035】
中空フレーム10の上部11の4つの角部の各1つには、相補下部13に上部11を装着してクリップ留めするための脚部18が形成される。
【0036】
第1のインターロック部材20が、中空フレーム10内に配置される。第1のインターロック部材20は、アーチ形状で上方へ湾曲しており、スリット20aが、このアーチ形部分20bに横方向に形成される。
【0037】
第1のインターロック部材20のアーチ形部分20bの横方向端部分20c及び20dはどちらも、下方へ曲がっている。
【0038】
各側方端部分20c、20dは、関連する横方向かつ外方向に突出する円筒形支持及び案内シャフト22c、22dを備える。支持及び案内シャフト22c、22dは、それぞれ、関連する相補円筒形支持及び案内孔14c、14d内で回転可能に受容される。
【0039】
したがって、第1のインターロック部材20は、中空フレーム10によって支持され、第1の横方向の幾何学的軸A1の周りで回転可能に装着される。
【0040】
支持及び案内シャフト22cは、第1の横軸A1の周りでそれを回転可能に駆動するための関連する磁気部品100cの長方形孔102cの中へ挿入される、プロング24cを備える。
【0041】
多方向入力装置1は、中央の幾何学的軸A5に沿って延在する略円筒形状の中央操作シャフト40を備える。
図1~
図5に例示されるその静止位置では、操作シャフト40が垂直に延在しており、その中心軸a5が中空フレーム10の下部13の底部壁10eと直交している。
【0042】
操作シャフト40は、上部ノブ部分41と、下部中空円筒部分42と、中間接続部分43と、を備える。
【0043】
操作シャフト40のノブ部分41は、第1のインターロック部材20のスリット20aの中へ挿入される。操作シャフト40のノブ部分41は、スリット20aに沿って移動可能である。
【0044】
下部中空円筒部分42は、外周壁及びその下側開口で構成される。円筒部分42の内部には、略コイル形状の圧縮戻しばね90をその中に受容するための中空収容空間44が形成される。
【0045】
図3に示されるように、円筒部分42の外壁には、互いに対向関係で2つの平坦部分45c及び(45d)が形成され、平坦部分45c、(45d)の一部には、それぞれ、所定の直径及び高さで円筒形シャフト部分46c、(46d)が形成される。
【0046】
円筒形シャフト部分46c(46d)はどちらも、同軸であり、横方向に対向する。
【0047】
操作シャフト40の軸方向に移動可能である中空の円筒形操作部材60は、操作シャフト40の中空の収容空間44の内部に摺動可能に配置される。
【0048】
操作部材60は、その下側に基部部分62を有し、基部部分62は、その下部13の底部壁10eの上面に向かって、中空フレーム10の内側に垂直に突出する球状外形を有する。
【0049】
戻しばね90の付勢力は、操作部材60を下向きに付勢して底部壁10eの上面と弾性接触させ、それによって、操作シャフト40をその直立した中間状態に戻して保持することができる。
【0050】
操作シャフト40は、そのシャフト部分46c及び46dを第2のインターロック部材50によって支持することを可能にし、それによって、
図1及び
図5に示されるように、矢印A-A及びB-Bの方向に傾動させることができる。
【0051】
第2のインターロック部材50は、第1のインターロック部材20の下側に配置され、第1のインターロック部材20の略横方向と直交する長手方向に延在する。
【0052】
図3、
図5、及び
図7に示されるように、略矩形形状の支持部分51は、第2のインターロック部材50の略中央に形成される。支持部分51は、略矩形形状の開口部又はスロット53が形成される内部空間を画定する、長い側面垂直壁52c及び52dと、短い垂直側壁52a及び52bと、を備える。
【0053】
操作シャフト40の枢動シャフト円筒軸部分46c、46dとそれぞれ係合するための一対の軸方向に整列した対向する円筒形孔54c及び54dは、支持部分51の長い側壁52c及び52dの所定の位置に形成される。
【0054】
図2~
図5、及び
図7に示されるように、第1の分岐部分55a及び第2の分岐部分55bは、中央支持部分51から右側及び左側に長手方向に延在する。
【0055】
一方の側に延在する第1の分岐部分55aは、垂直面の中央かつ長手方向に延在する細いプレート56aで形成される。
【0056】
他方の側に延在する第2の分岐部分55bは、第1に、垂直面の中央かつ長手方向に延在する薄いプレート部分56bが形成され、第2に、水平の平坦な下部作動表面59を有する構成要素操作部分57bである円筒形端部分57bによって、支持部分51から長手方向かつ水平に延在する。
【0057】
第2の分岐部分55bの構成要素操作部分57bは、ここでは同じく多方向装置1を支持するプリント回路基板PCBに取り付けられる押しボタンスイッチ70などの、電気部品のステム部分71に位置決めされる。
【0058】
例えば、押しボタンスイッチ70は、通常は開いているNOタイプの触覚スイッチである。
【0059】
プリント回路基板PCBはまた、多方向入力装置1及びスイッチ70とは別に、2つのホール効果センサ103a及び103cも支持する。
【0060】
押しボタンスイッチ70を操作する場合は、
図4に示されるように、下方への負荷を操作部分に矢印Cの方向に間接的かけて、ステム部分71を押し込む。
【0061】
この負荷は、横及び水平の幾何学的軸A4の周りで、第2のインターロック部材50によって回転可能に支持される操作シャフト40によって間接的にかけられる。
【0062】
この目的のために、第2のインターロック部材50は、中空フレーム10に対して、垂直面で中央かつ長手方向に延在する細いプレート56aで形成される第1の分岐部分55aを横方向に通過している水平及び横方向の幾何学的軸A3の周りで枢動可能に装着される。
【0063】
したがって、操作シャフト40のノブ部分41を下方へ押し込むと、第2のインターロック部材50が、構成要素操作部分57bが下向きに実質的に垂直に移動するように、
図4を考慮したときに軸A3の周りで反時計方向に枢動する。
【0064】
操作シャフト40は、ばね70によって上向きに恒久的に付勢されて、第2のインターロック部材50の支持部分51へのその装着によって、その静止位置に上向きに保持される。
【0065】
第2のインターロック部材50の上方への静止位置は、中空フレーム10の上部11の対向部分と協働する、スロット形状のハウジング89bを通過する第2の分岐部分56bによって、及び関節運動部材80上で関節動作する第1の分岐部分55a、56aによって画定され、後者は、中空フレーム10の上部11の別の対向部分と協働する。
【0066】
本発明によれば、多方向入力装置1は、長手方向に水平である幾何学的軸A2の周りで中空フレーム10によって回転可能に支持される関節運動部材80を備え、第2のインターロック部材50は、当該関節運動部材80によって支持されて、第2の軸A2の周りで回転可能であるモバイルユニット82を形成する。
【0067】
追加的に、第2のインターロック部材50は、当該第1の軸A1に平行である第3の幾何学的軸A3の周りで、当該関節運動部材に枢動可能に装着される。
【0068】
図2~
図5、及び
図7に例示されるように、関節運動部材80は、第2のインターロック部材50の周りに配置され、第1のインターロック部材20の略横方向と直交する長手方向に延在する。
【0069】
略矩形の形状の支持部分81-第2のインターロック部材50の支持部分51を取り囲む-は、関節運動部材80の略中央に形成される。支持部分81は、第2のインターロック部材50の支持部分51が構成される内部空洞83を画定する、長い側面垂直壁84c及び84dと、短い垂直側壁84a及び84bと、を備える。
【0070】
第1の85a及び第2の85b分岐部分は、中央支持部分81から右側及び左側に長手方向に延在する。
【0071】
第2の分岐部分85bは、中空フレーム10の関連する相補円筒形支持及び案内孔14b内で回転可能に受容される、長手方向外方向に突出する円筒形支持及び案内シャフトである。
【0072】
その上部分には、支持及び案内シャフト85b、並びに短い垂直側壁84bの上部分がスロット加工されて、第2のインターロック部材50の第2の55b分岐部分の薄いプレート部分56bをわずかな隙間で受容する、垂直及び長手方向スロット形状ハウジング89bを画定する。
【0073】
一方の側に延在する第1の分岐部分85aは、第1に、中央かつ長手方向に延在する円筒部分86aと共に形成され、第2に、長手方向軸A2の周りでそれを回転可能に駆動するための関連する磁気部品100cの長方形の孔102aの中へ挿入される、プロング87aによって形成される。
【0074】
部分86aは、中空フレーム10の関連する相補的円筒形支持及び案内孔14a内で回転可能に受容される、外方向に突出する円筒形支持及び案内シャフト86aである。
【0075】
シャフト86a及び85bを用いて、関節運動部材80は、第2の長手方向軸A2の周りで回転するように、中空フレーム10によって回転可能に支持される。
【0076】
支持及び案内シャフト86a、並びに短い垂直側壁84aの上部分がスロット加工されて、第2のインターロック部材50の第2の分岐55aの薄いプレート部分56aをわずかな隙間で受容する、垂直及び長手方向スロット形状ハウジング89aを画定する。
【0077】
したがって、関節運動部材80は、スロット形状ハウジング89b内の薄いプレート部分56bの、及びスロット形状ハウジング89a内の第1の分岐部分55aの案内により、第2のインターロック部材50内で遊びと共に受容され、第2のインターロック部材50に対して中央垂直面及び長手方向面内を移動可能である。
【0078】
中央支持部分83の内部の中央支持部分81の場所のため、操作シャフト40は、第1のインターロック部材20の当該スリット20a、第2のインターロック部材50のスロット53、及び関節運動部材の空洞83を通して挿入される。
【0079】
操作シャフト40が矢印Bに沿って傾動されると、第2の関節運動部材50は、関節運動部材80、長手方向軸A2の周りでそれを回転可能に駆動するための磁気部品100aを駆動する。
【0080】
本発明によれば、第2のインターロック部材50の右端部又は末端は、幾何学的枢動軸A3の周りで、関節運動部材80の右端部又は末端に対して枢動可能に装着される。
【0081】
支持及び案内シャフト86aのスロット形状ハウジング89a内の第1の分岐部分55a、56aの枢動マウントは、図面に詳細に例示されていない。
【0082】
例えば、横ステムは、第2のインターロック部材50の第2の分岐55aの細いプレート部分56a内に形成され、第2の関節運動部材80の支持及び案内シャフト86aを通して形成された、対応する整列貫通孔を通して挿入される。
【0083】
別の実施例によれば、相補的手段は、モールディングによって両方の構成要素上に作製されて、2つの構成要素50及び80の組み立て中にスナップ嵌合することができる。
【0084】
関節運動部材80内の第2のインターロック部材50の枢動的な組み立ての後、これらの2つの構成要素は、幾何学的長手方向軸A2の周りで中空フレーム10に対して回転可能に装着されるモバイルユニットをなす。
【0085】
幾何学的軸と、スイッチ70のステム71と協働する作動面59の機能部分との間の大きい長手方向オフセットのため、軸A3の周りで第2のインターロック部材のいかなるわずかな角度の枢動も、スイッチ70のステム71に対する作動面のわずかな直線及び垂直変位に対応する。
【0086】
第2のインターロック部材50内の小さい遊びを伴う関節運動部材80の装着のため、その全身軸A5に沿った操作シャフト40上の選択又は確認アクションは、滑らかかつ容易であり、横軸A1及び/又は長手方向軸A2の周りにいかなる寄生回転変位も引き起こさない。
【要約】 (修正有)
【課題】効率及び精度に優れ、かつコストの低い多方向入力装置を提供する。
【解決手段】多方向入力装置は、第1のインターロック部材20と、第2のインターロック部材50と、インターロック部材が装着される中空フレームと、第1のインターロック部材のスリット20a、及び第2のインターロック部材のスロット53の両方を通して挿入された操作シャフト40と、を含み、操作シャフトの操作によって枢動するときに、第1及び第2のインターロック部材を通してそれぞれ操作することができる第1及び第2の検知構成要素と共に、操作シャフトの操作によって枢動するときに、第2のインターロック部材を通して操作することができる第3の検知構成要素を含む。また、軸の周りで、中空フレームによって回転可能に支持される関節運動部材を含み、第2のインターロック部材50は、関節運動部材上に枢動可能に装着される。
【選択図】
図3