(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】撮影システム、撮影装置、及びアンケート処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221220BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G06Q30/02 338
G06Q30/02 312
H04N5/232 290
H04N5/232 300
(21)【出願番号】P 2018033565
(22)【出願日】2018-02-27
【審査請求日】2020-12-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】塩見 僚
【審査官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-114970(JP,A)
【文献】特開2016-161593(JP,A)
【文献】特開2015-135581(JP,A)
【文献】特開2011-015436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04N 5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置とサーバとがネットワークを介して通信接続された撮影システムであって、
前記撮影装置は、
被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影した画像から被写体の属性を認識する画像認識手段と、
被写体に対してアンケートを提示し回答を取得するアンケート処理手段と、
前記被写体の属性情報及び前記アンケートの回答を前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記アンケート処理手段は、前記画像認識手段が認識した被写体の属性に応じて、アンケートの設問の内容を変えることができ、
前記サーバは、
前記撮影装置から送信された被写体の属性情報及びアンケートの回答を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した被写体の属性情報及びアンケートの回答を記憶する記憶手段と、
を備え
、
前記撮影装置はイベントの会場に設置され、前記被写体であるユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿の指示を受け付け、前記イベントの主催者に係るアカウントページに、前記撮影手段により撮影した前記画像を投稿することを特徴とする撮影システム。
【請求項2】
前記撮影装置は、前記撮影手段により撮影した画像から写真を生成してプリントする写真プリント手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記撮影装置は、
前記被写体であるユーザのメールアドレスの入力を受け付けるメールアドレス入力手段を更に備え、
前記送信手段は、前記メールアドレスと前記画像とを被写体の属性情報及びアンケートの回答とともに前記サーバに送信し、
前記サーバの、
前記受信手段は、メールアドレス、画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答を受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により受信したメールアドレス、画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答を記憶し、
前記画像を、前記メールアドレスに対して送信するメール送信手段を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記サーバの前記記憶手段には、複数パターンのメールデータが記憶され、
前記メール送信手段は、前記被写体の属性情報に応じたパターンのメールを前記記憶手段から読み出して前記ユーザに送信することを特徴とする請求項3に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記画像認識手段は、前記属性情報として、性別及び年齢を推定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の撮影システム。
【請求項6】
前記画像認識手段は、前記属性情報として、更に、被写体の身なりの特徴または嗜好を推定することを特徴とする請求項5に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記メール送信手段は、前記被写体の属性情報及びアンケートの回答に応じたパターンのメールを前記記憶手段から読み出して前記ユーザに送信することを特徴とする請求項
4に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記メール
のパターンの決定
が、前記サーバにより行われることを特徴とする請求項4
または請求項
7に記載の撮影システム。
【請求項9】
前記メール
のパターンの決定
が、前記撮影装置により行われ、
前記撮影装置の送信手段は、前記メールアドレス
、前記画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答とともに、決定された
前記メール
のパターンの情報を前記サーバに送信することを特徴とする請求項4
または請求項
7に記載の撮影システム。
【請求項10】
被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影した画像から被写体の属性を認識する画像認識手段と、
被写体に対してアンケートを提示し回答を取得するアンケート処理手段と、
前記被写体の属性情報及びアンケートの回答をネットワークを介して通信接続されたサーバに送信する送信手段と、
を備え、
前記アンケート処理手段は、前記画像認識手段が認識した被写体の属性に応じて、アンケートの設問の内容を変えることができ
、
イベントの会場に設置され、前記被写体であるユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿の指示を受け付け、前記イベントの主催者に係るアカウントページに、前記撮影手段により撮影した前記画像を投稿することを特徴とする撮影装置。
【請求項11】
イベントの会場に設置された撮影装置とサーバとがネットワークを介して通信接続された撮影システムで行われるアンケート処理方法であって、
前記撮影装置が、
被写体を撮影するステップと、
撮影した画像から被写体の属性を認識するステップと、
被写体に対して、認識した属性に応じて設問の内容を変えてアンケートを提示し回答を取得するステップと、
前記被写体であるユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿の指示を受け付け、前記イベントの主催者に係るアカウントページに、前記被写体を撮影する前記ステップにおいて撮影した前記画像を投稿するステップと、
前記被写体の属性情報及び前記アンケートの回答を前記サーバに送信するステップと、を含み、
前記サーバが、
前記撮影装置から送信された被写体の属性情報及びアンケートの回答を受信するステップと、
前記被写体の属性情報およびアンケートの回答を受信する前記ステップにおいて受信した被写体の属性情報及びアンケートの回答を記憶するステップと、
を含むことを特徴とするアンケート処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、撮影装置、サーバ、及びアンケート処理方法に関し、撮影装置を利用したアンケート処理に関する。
【背景技術】
【0002】
イベント会場等に設置される撮影装置において、アンケートに回答してもらう代わりに写真を提供するサービスが知られている。例えば、このサービスでは、利用者にアンケートに回答してもらう必要があるが、アンケートの設問数が多くなると利用者の意識が散漫となり、正確な回答が得られない虞がある。例えば、特許文献1には、写真撮影時に顧客の宗教の種類、性別、年齢、外観上の特徴等の属性情報を顧客が入力し、その結果を反映させた撮影条件を報知して写真撮影時の注意喚起を行う撮影システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の撮影システムでは、属性情報を顧客自身が手入力する必要があり、顧客の負担を強いるものであった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、回答者が自身の属性情報を入力しなくとも属性情報を取得でき、これによりアンケートの設問数を減らして回答者の負担を軽減することが可能な撮影システム、撮影装置、サーバ、及びアンケート処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決するための第1の発明は、撮影装置とサーバとがネットワークを介して通信接続された撮影システムであって、前記撮影装置は、被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影した画像から被写体の属性を認識する画像認識手段と、被写体に対してアンケートを提示し回答を取得するアンケート処理手段と、前記被写体の属性情報及び前記アンケートの回答を前記サーバに送信する送信手段と、を備え、前記アンケート処理手段は、前記画像認識手段が認識した被写体の属性に応じて、アンケートの設問の内容を変えることができ、前記サーバは、前記撮影装置から送信された被写体の属性情報及びアンケートの回答を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した被写体の属性情報及びアンケートの回答を記憶する記憶手段と、を備え、前記撮影装置はイベントの会場に設置され、前記被写体であるユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿の指示を受け付け、前記イベントの主催者に係るアカウントページに、前記撮影手段により撮影した前記画像を投稿することを特徴とする撮影システムである。
【0007】
本発明の撮影システムでは、撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した画像を解析することで被写体の属性や特徴を認識する。また、被写体であるユーザに対してアンケートを提示し回答を取得して、ユーザの属性情報及びアンケートの回答をサーバに送信する。サーバは撮影装置からユーザの属性情報やアンケート回答を受信して記憶する。これにより、年齢や性別等の属性情報に関する設問を省いたアンケートを実施でき、設問数を削減できるため利用者の負担を軽減できる。また、設問数に上限がある場合でも、属性情報に関する質問に代えて実質的な質問を設定可能となり、内容が充実したアンケートを実施できる。
【0008】
また、前記撮影装置は、前記撮影手段により撮影した画像から写真を生成してプリントする写真プリント手段を更に備えることが望ましい。これにより、例えばアンケートの回答をしてもらう代わりに撮影した画像を写真で提供するサービス等に本発明を適用できる。
【0009】
また、前記撮影装置は、前記被写体であるユーザのメールアドレスの入力を受け付けるメールアドレス入力手段を更に備え、前記送信手段は、前記メールアドレスと前記画像とを被写体の属性情報及びアンケートの回答とともに前記サーバに送信し、前記サーバの、前記受信手段は、メールアドレス、画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答を受信し、前記記憶手段は、前記受信手段により受信したメールアドレス、画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答を記憶し、前記画像を、前記メールアドレスに対して送信するメール送信手段を更に備えることが望ましい。これにより、サーバはアンケートの回答や属性情報とともに、被写体であるユーザのメールアドレスと画像を受信して、画像を、ユーザのメールアドレスに対してメールで送信することが可能となる。被写体であるユーザは、自身が撮影された画像をメールで受け取ることが可能となる。
【0010】
また、前記サーバの前記記憶手段には、複数パターンのメールデータが記憶され、前記メール送信手段は、前記被写体の属性情報に応じたパターンのメールを前記記憶手段から読み出して前記ユーザに送信することが望ましい。サーバは、ユーザの属性情報に応じたパターンのメールをユーザにより入力されたメールアドレスに送信できるため、ユーザの属性に合った適切なメールを送信でき、販促等の効果を期待できる。
【0011】
前記画像認識手段は、前記属性情報として、性別及び年齢を推定することを特徴とすることが望ましい。これにより、サーバは、性別及び年齢に合った適切なメールを被写体のメールアドレスに送信でき、販促等の効果を期待できる。
【0012】
また、前記画像認識手段は、前記属性情報として、更に、被写体の身なりの特徴または嗜好を推定することが望ましい。これにより、サーバは、性別及び年齢に加え、被写体の身なりや嗜好に合った適切なメールを被写体のメールアドレスに送信でき、更に、販促等の効果を期待できる。
【0013】
前記メール送信手段は、前記被写体の属性情報及びアンケートの回答に応じたパターンのメールを前記記憶手段から読み出して前記ユーザに送信することが望ましい。これにより、サーバは、属性情報のみならずアンケートの回答を加味した適切なメールを被写体のメールアドレスに送信でき、更に、販促等の効果を期待できる。
【0014】
前記メールのパターンの決定が、前記サーバにより行われることが望ましい。或いは、前記メールのパターンの決定が、前記撮影装置により行われ、前記撮影装置の送信手段は、前記メールアドレス、前記画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答とともに、決定された前記メールのパターンの情報を前記サーバに送信してもよい。
【0015】
第2の発明は、被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影した画像から被写体の属性を認識する画像認識手段と、被写体に対してアンケートを提示し回答を取得するアンケート処理手段と、前記被写体の属性情報及びアンケートの回答をネットワークを介して通信接続されたサーバに送信する送信手段と、を備え、前記アンケート処理手段は、前記画像認識手段が認識した被写体の属性に応じて、アンケートの設問の内容を変えることができ、イベントの会場に設置され、前記被写体であるユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿の指示を受け付け、前記イベントの主催者に係るアカウントページに、前記撮影手段により撮影した前記画像を投稿することを特徴とする撮影装置である。
【0016】
第2の発明の撮影装置は、第1の発明の撮影システムにおける撮影装置であり、被写体を撮影し、撮影した画像を解析することで被写体の属性や特徴を認識する。また、被写体であるユーザに対してアンケートを提示し回答を取得して、ユーザの属性情報及びアンケートの回答をサーバに送信する。これにより、被写体を撮影する撮影装置で、年齢や性別等の属性情報に関する設問を省いたアンケートを実施でき、設問数を削減できるため利用者の負担を軽減できる。また、設問数に上限がある場合でも、属性情報に関する質問に代えて実質的な質問を設定可能となり、内容が充実したアンケートを実施できる。
【0018】
第3の発明は、第1の発明の撮影システムにおけるサーバであり、撮影装置から送信された被写体の属性情報及びアンケートの回答を受信し、受信した被写体の属性情報及びアンケートの回答を紐づけて記憶することが可能となる。
【0019】
第3の発明は、イベントの会場に設置された撮影装置とサーバとがネットワークを介して通信接続された撮影システムで行われるアンケート処理方法であって、前記撮影装置が、被写体を撮影するステップと、撮影した画像から被写体の属性を認識するステップと、被写体に対して、認識した属性に応じて設問の内容を変えてアンケートを提示し回答を取得するステップと、前記被写体であるユーザによるSNS(Social Networking Service)への投稿の指示を受け付け、前記イベントの主催者に係るアカウントページに、前記被写体を撮影する前記ステップにおいて撮影した前記画像を投稿するステップと、前記被写体の属性情報及び前記アンケートの回答を前記サーバに送信するステップと、を含み、前記サーバが、前記撮影装置から送信された被写体の属性情報及びアンケートの回答を受信するステップと、前記被写体の属性情報およびアンケートの回答を受信する前記ステップにおいて受信した被写体の属性情報及びアンケートの回答を記憶するステップと、を含むことを特徴とするアンケート処理方法である。
【0020】
第4の発明のアンケート処理方法では、撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した画像を解析することで被写体の属性や特徴を認識する。また、被写体であるユーザに対してアンケートを提示し回答を取得して、ユーザの属性情報及びアンケートの回答をサーバに送信する。サーバは撮影装置からユーザの属性情報やアンケート回答を受信して記憶する。これにより、年齢や性別等の属性情報に関する設問を省いたアンケートを実施でき、設問数を削減できるため利用者の負担を軽減できる。また、設問数に上限がある場合でも、属性情報に関する質問に代えて実質的な質問を設定可能となり、内容が充実したアンケートを実施できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、回答者が自身の属性情報を入力しなくとも属性情報を取得でき、これによりアンケートの設問数を減らして回答者の負担を軽減することが可能な撮影システム、撮影装置、サーバ、及びアンケート処理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図6】撮影装置2が実行する処理の流れを示すフローチャート
【
図9】サーバ3が実行する処理の流れを示すフローチャート
【
図10】サーバ3に記憶される撮影画像データ321のデータ構成の一例を示す図
【
図11】サーバ3に記憶されるメールパターンテーブル323の構成の一例を示す図
【
図12】サーバ3に記憶されるメールデータテーブル325の構成の一例を示す図
【
図13】回答者のユーザ端末5に送信されるメール81の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施の形態では、イベント会場等で来場者にアンケートに答えてもらう代わりに、その来場者を撮影した写真を提供するサービスに本発明を適用する例を説明する。なお、本発明はこの例に限定されず、例えば、街頭に設置される証明写真の撮影ボックスや、アンケートの回答やユーザ属性情報の収集を行う写真撮影装置等にも本発明を適用可能である。
【0024】
図1は本発明の一実施形態に係る撮影システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の撮影システム1は、撮影装置2、サーバ3、ユーザ端末5、アンケート結果を収集する企業のコンピュータ7がネットワーク6を介して通信可能に接続された構成を有する。
【0025】
撮影装置2は、イベント会場やアミューズメント施設、または街頭等の撮影ブースに設置される撮影装置であり、撮影機能、アンケート機能、写真プリント機能、及びサーバ3との通信機能を有する。
【0026】
撮影機能とは、アンケートの回答者を被写体として写真や動画の撮影を行う機能である。アンケート機能とは、表示部21へのアンケートの表示、及び回答の入力等を実施する機能である。写真プリント機能とは、撮影機能により撮影された画像から写真を生成してプリントする機能である、サーバ3との通信機能は、アンケート機能により得た回答や撮影機能により撮影された画像等をサーバ3に送信する機能である。各機能の詳細については後述する。
【0027】
図2は撮影装置2の構成を示す図である。
撮影装置2は、制御装置20、表示部21、撮影部23、照明24、プリンタ25等を有する。また必要に応じて、硬貨や紙幣の投入口、つり銭返却口、レシート取出口、レシートプリンタ等(不図示)を含む課金部を備えるようにしてもよい。
【0028】
制御装置20は撮影装置2の内部に設けられ、撮影装置2の処理全体を制御する。
図3は制御装置20のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、制御装置20は、例えば制御部201、記憶部202、入力部203、通信部204等をバス等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。但しこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0029】
制御部201はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成される。CPUは、記憶部202、ROM等の記憶媒体に格納された制御装置20の処理に係るプログラムをRAM上のワークエリアに呼び出して実行する。ROMは不揮発性メモリであり、ブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部202、ROM等からロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部201が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0030】
記憶部202はハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ等であり、後述する処理に際し制御装置20が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納される。これらのプログラムやデータは、制御部201により必要に応じて読み出され実行される。
【0031】
入力部203は制御装置20に各種の設定入力を行うものである。
通信部204はネットワーク6等を介した通信を媒介する通信インタフェースであり、サーバ3等との間で通信を行う。
【0032】
図2の説明に戻る。表示部21は、撮影装置2の入力部を兼ねたタッチパネル付ディスプレイ等により実現される。表示部21は、ユーザの操作・選択に係る各種の画面を表示し、画面上のタッチ操作によるユーザの指示入力等を受付ける。
【0033】
撮影部23は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を用いたカメラである。撮影部23には、例えば高解像度のデジタルカメラを用いることが望ましいが、これに限ることはない。
【0034】
照明24は、撮影時のフラッシュ用のストロボ光源である。
【0035】
プリンタ25は、画像をプリントするものであり、撮影装置2の内部に設けられる。画像をプリントしたプリント物は撮影装置2のプリント物取出口(不図示)から排出される。プリンタ25の方式や設置台数等は特に問わない。
【0036】
図1の説明に戻る。サーバ3は、撮影装置2の撮影機能で得られた画像やアンケート機能により得られたアンケートの回答等を収集し、管理するサーバである。
【0037】
図4は、サーバ3のハードウェア構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ3は、例えば制御部31、記憶部32、表示部33、入力部34、及び通信部35等をバス等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。但し、これに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0038】
制御部31、記憶部32、入力部34、通信部35の機能は前記した制御部201、記憶部202、入力部203、通信部204と略同様である。また表示部33は液晶パネル等のディスプレイ装置を有する。
【0039】
なお、サーバ3の記憶部32には後述する処理をサーバ3に実行させるためのプログラムが格納される。また入力部34はキーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
【0040】
図1の説明に戻る。ユーザ端末5はユーザが所持するコンピュータ端末であり、例えばスマートフォン等の携帯端末を用いることができる。
【0041】
図5はユーザ端末5のハードウェア構成を示す図である。
図5に示すように、ユーザ端末5は制御部51、記憶部52、表示部53、入力部54、通信部55、カメラ56、音声入出力部57等をバス等により接続して構成される。但し、これに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0042】
制御部51、記憶部52、入力部54、通信部55の機能は前記した制御部201、記憶部202、入力部203、通信部204と略同様である。また表示部53は液晶パネル等のディスプレイ装置を有し、入力部54としてのタッチパネルが設けられている。音声入出力部57はマイクやスピーカー等である。
【0043】
なお、ユーザ端末5の記憶部52にはメールの送受信を行うためのアプリケーションプログラムが格納され、これによりサーバ3からのメールを受信可能となっている。
【0044】
図1の説明に戻る。企業のコンピュータ7は撮影システム1におけるアンケート機能を利用し、アンケートの設問を作成したり、アンケートの回答や顧客の統計情報を収集したりする企業等のコンピュータ端末である。コンピュータ7は、制御部、記憶部、表示部、入力部、及び通信部等をバス等により接続して構成される。但し、これに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0045】
次に、撮影システム1において撮影装置2が実行する撮影及びアンケート処理について、
図6~
図8を参照して説明する。
図6は、撮影装置2が実行する撮影及びアンケート処理の流れを示すフローチャートであり、
図7は撮影装置2の画面遷移を示す図であり、
図8は、アンケート画面46の一例を示す図である。
【0046】
撮影装置2の表示部21には初期状態として
図7(a)に示すようなホーム画面41が表示されているものとする。ホーム画面41には、「画面をタッチしてね」等の案内メッセージが表示される。
【0047】
ユーザが表示部21をタッチすると、撮影装置2の制御装置20は、
図7(b)に示すようなレイアウト選択画面42を表示部21に表示し、撮影デザイン(写真レイアウト)の選択を受けつける(ステップS101)。撮影デザイン(写真のレイアウト)は、例えば、1コマ、2コマ、4コマ、縦デザイン、横デザイン、フレーム合成等、複数種類の中から選択可能とする。
【0048】
ユーザにより撮影デザインが選択されると、撮影装置2の制御装置20は撮影処理を開始する(ステップS102)。撮影処理において、制御装置20は、撮影部23による撮像を開始し、
図7(c)に示すような撮影開始画面43を表示する。撮影開始画面43には、撮像中の被写体(ユーザ)の画像がリアルタイムに表示される。撮影される画像は、動画像でも静止画でもよい。その後、撮影装置2は、シャッタータイミングまでのカウントダウン表示を行って、写真の撮影を行う(
図7(d)ライブビュー画面44)。撮影を複数回繰り返す場合は、カウントダウン表示及び画像の撮影を繰り返し行う。
【0049】
その後、制御装置20は、表示部21に
図7(e)に示すように撮影画像を表示する。このとき、画像に適用するフィルタの選択、画像編集や加工を受け付けてもよい。撮影画像確認&フィルタ選択画面45には、1または複数の撮影画像と、各種フィルタとが選択可能に表示される。撮影画像確認&フィルタ選択画面45において、出力する画像がタッチされ、フィルタが選択され、「次へ」ボタンがタッチされると、制御装置20は撮影処理を終了し、選択された画像を選択されたフィルタで処理した写真を生成する処理を実行する。
【0050】
この写真生成処理と平行して、制御装置20は、撮影した画像を解析することにより被写体(ユーザ)の属性を認識する(ステップS103)。被写体の属性は、少なくとも、性別や年齢層を含み、例えば顔認識処理により認識される。顔認識処理では、顔画像から顔のパーツの相対位置や大きさ、目や鼻や頬骨や顎の形等の特徴を抽出し、分類することで性別や年齢等の属性を抽出する。顔認識のアルゴリズムは、どのようなものを用いてもよい。また、撮影した画像から顔以外の見た目の特徴(服装や装飾品、眼鏡の有無等)を抽出し、被写体の属性(身なりの特徴や嗜好等)を推定してもよい。制御装置20は、撮影した画像から被写体の属性を認識すると、認識した属性情報を記憶部202に一時記憶する。
【0051】
その後、制御装置20は表示部21にアンケート画面46を表示する。アンケート画面46には、
図8に示すように、アンケートの設問が表示される。ここで、アンケートには、イベントの感想に関するもの等、アンケートの実質的な設問のみが表示され、ユーザ(被写体)の属性(年齢や性別)に関する設問は省かれる。これは、ステップS103で被写体の属性情報が画像から認識されているからである。アンケート画面46に表示する設問は、制御装置20の記憶部202に予め記憶されている設問としてもよいし、サーバ3から受信したアンケートとしてもよい。また、アンケートの設問の内容は、ステップS103で認識した属性に応じた設問としてもよい。この場合、記憶部202またはサーバ3の記憶部32には、ユーザの属性毎にアンケート設問データが複数記憶されているものとする。
【0052】
ユーザ(被写体)によりアンケートに対する回答が入力されると(ステップS104)、制御装置20は、入力されたアンケートの回答を記憶部202に記憶する。
【0053】
次に制御装置20は、写真生成処理により生成された写真の印刷処理を行う(ステップS105)。印刷処理において制御装置20は、表示部21に印刷選択画面47(
図7(g))を表示し、プリントする写真の選択やプリント枚数の選択を受け付ける。なお、撮影処理において動画が撮影されている場合は、動画から切り出した画像から写真を生成するようにしてもよい。ユーザによりプリントする写真が選択されると、プリンタ25に選択された写真を出力し、写真をプリントする。プリントされた写真は、撮影装置2のプリント物取出口より排出される。
【0054】
次に、制御装置20は、
図7(h)に示すようなメール入力画面48を表示し、メールアドレスの入力を受け付ける(ステップS106)。ユーザは、メール入力画面48に対してメールアドレスを入力する。制御装置20は、入力されたメールアドレスを記憶部202に記憶する。また、制御装置20は、
図7(i)に示すようなSNS投稿画面49を表示し、撮影画像のSNS(Social Networking Service)への投稿を受け付けてもよい(ステップS107)。ユーザによりSNSへの投稿が指示されると、制御装置20は、撮影画像(フィルタ処理後の画像)をネットワーク6を介して接続されたSNSサーバ(不図示)へ送信(アップロード)する。当該撮影システム1を利用したイベントを主催する主催者(企業や関連業者)等のアカウントページに撮影画像を投稿することで、イベントの情報や話題を広く拡散することが可能となる。
【0055】
制御装置20は、ステップS102で撮影した画像、ステップS103で認識された被写体の属性情報、ステップS104のアンケートの回答、及びステップS106で入力されたメールアドレスをサーバ3に対して送信する(ステップS108)。その後、表示部21に終了画面を表示して、一連の撮影及びアンケート処理を終了する。
【0056】
図6に示す撮影及びアンケート処理により、サーバ3には、撮影画像、被写体(ユーザ)の属性情報、被写体(ユーザ)によるアンケートの回答、及び被写体(ユーザ)のメールアドレスが送信され、記憶される。
【0057】
サーバ3は、撮影装置2から収集した情報に基づいてユーザ(被写体)のユーザ端末5にメールを送信する。
図9はサーバ3が実行するメール送信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0058】
図9に示すように、撮影装置2から撮影画像、被写体の属性情報、被写体(ユーザ)によるアンケートの回答、及び被写体(ユーザ)のメールアドレスが送信されると、サーバ3の制御部31は、受信した撮影画像、被写体(ユーザ)の属性情報、被写体(ユーザ)によるアンケートの回答、及び被写体(ユーザ)のメールアドレスを紐づけて記憶部32に記憶する。
【0059】
図10は、サーバ3の記憶部32に記憶される撮影画像データ321の例を示す図である。
図10に示すように、サーバ3の記憶部32には、撮影画像データ321として、撮影画像321b、被写体(ユーザ)の属性情報321c、被写体(ユーザ)によるアンケートの回答321d、及び被写体(ユーザ)のメールアドレス321eが撮影ID321aと紐づけて記憶される。
【0060】
次に、サーバ3は、被写体の属性情報321cまたはアンケート回答321dの内容に応じて、ユーザ端末5に配信するメールパターンを決定する(ステップS202)。
【0061】
サーバ3の記憶部32には、
図11に示すようなメールパターンテーブル323が記憶されている。メールパターンテーブル323には、属性323b、ユーザ特徴323cに応じた複数のメールパターン323aが設定されているものとする。具体的には、例えば、属性323b「男性、20代」かつユーザ特徴323c「高級志向」には、「20代男性向けA」のメールパターン323aとそのメールデータのメールID323d「m001」が紐づけて設定されている。また例えば、属性323b「女性、40代」かつユーザ特徴323c「コスパ重視」には、「40代女性向けB」のメールパターン323aとそのメールデータのメールID323d「f012」が紐づけて設定されている。このように、メールパターンテーブル323には、ユーザ(被写体)の属性に応じたメールが設定される。
【0062】
なお、
図11の例では、年齢や性別等の属性323bに加え、更にユーザ特徴323cに応じた複数のメールパターン323aが設定されている。ユーザ特徴323cとは、撮影画像から推定される被写体の身なりの特徴または嗜好等である。ユーザ特徴323cは、撮影装置2の被写体属性解析処理(
図6のステップS103)において、性別や年齢等の属性情報とともに画像から認識され、サーバ3に送信されるものとする。撮影装置2は、撮影画像から被写体の特徴(服装、アクセサリーの個数や特徴、メガネの有無、ヘアスタイル、化粧等)を抽出・分類し、機械学習等により身なりの特徴や嗜好(高級志向であるか、或いはコスパ(コストパフォーマンス)重視であるか等)を推定するものとする。
【0063】
サーバ3の制御部31は、被写体の属性情報として、性別や年齢を撮影装置2から取得している場合は、
図11の属性323bの情報からメールパターン323aを決定する。また、性別や年齢に加え、ユーザ特徴(ユーザの身なりの特徴や嗜好)323cも撮影装置2から取得している場合は、
図11の属性323b及びユーザ特徴323cの情報からユーザに配信するメールパターン323aを決定する。サーバ3の制御部31は、属性情報等に基づいてメールパターン323aを決定すると、決定された配信メールパターン323aのメールID323dを撮影画像データ321の該当する撮影ID321aの配信メールパターン321fに記憶する。
【0064】
サーバ3は、被写体(ユーザ)の属性情報323b(及びユーザ特徴323c)に基づいて決定された配信メールパターン321f(323a)に紐づけられたメールID323dのメールデータ325bを記憶部32から取得し、該当するメールアドレス(ユーザ端末5)321eに送信する(
図9のステップS203)。
【0065】
図12は、サーバ3の記憶部32に記憶されるメールデータテーブル325の例を示す図である。
図12に示すように、サーバ3の記憶部32には、各メールID325aに対応づけてメールデータ325bが記憶される。例えば、メールID325a「m001」のメールデータ325bはファイル名「file_m001」として記憶部32に記憶されている。サーバ3の制御部31は、
図10の撮影画像データ321の各撮影ID321aについて、決定された配信メールパターン321fでメールを作成し、メールアドレス321eに送信する。
【0066】
図13は、ユーザに配信されるメール81の一例である。
メール81には、件名81a、宛先のメールアドレス81bの他、本文として「写真が完成しました!」等のメッセージ81cと、撮影画像81d、及び広告情報81eが含まれる。
【0067】
撮影画像81dは、撮影装置2により撮影されサーバ3にアップロードされた撮影画像321b(
図10)である。メッセージ81cと広告情報81eは、被写体(ユーザ)の属性等により決定された配信メールパターン321fに応じて異なるものである。すなわち、画像から推定される性別、年齢や身なりの特徴等によって、本文の内容や広告の内容が異なるメールが各ユーザのユーザ端末5に送信される。
【0068】
なお、本実施の形態では、サーバ3が被写体の属性情報等に応じた配信するメールパターンを決定する例について説明したが、配信メールパターンの決定は、撮影装置2で行うものとしてもよい。この場合、
図11に示すメールパターンテーブル323は撮影装置2の記憶部22に記憶されているものとし、撮影装置2は、撮影画像から認識した被写体(ユーザ)の属性情報(及びユーザの特徴等の情報)に基づいてメールパターン323a(321f)を決定する。そして、
図6のステップS108(サーバへの送信処理)において、画像、被写体の属性情報、及びアンケートの回答、及びメールアドレスととともに、属性情報に応じて決定したメールパターン323aの情報をサーバ3に送信する。サーバ3は、撮影装置2で決定されたメールパターン323aに該当するメールデータ325bをメールデータテーブル325から読み出して、撮影画像や広告等を添付したメールを作成し、該当するメールアドレスに対して送信する。
【0069】
また、メールパターンは、属性情報や被写体の身なりの特徴等に加え、更にアンケートの回答の結果に応じて決定されるものとしてもよい。また、メールパターンは、属性情報とアンケートの回答の結果に応じて決定されるものとしてもよい。アンケートの回答を考慮してメールパターンを決定することで、各ユーザにより適合したメールを送信することが可能となる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態の撮影システム1によれば、アンケートに回答してもらう代わりに写真を提供するサービス等において、撮影画像から被写体の属性や特徴を認識することで、回答者による年齢や性別等の属性情報の入力を省くことが可能となる。これによりアンケートの設問数を減らすことができ、回答者の負担を軽減することが可能となる。また、属性に応じたメールパターンのメールをアンケート回答者に送信することで販促の効果を期待でき、また企業側では、アンケートの回答を収集して顧客の傾向等の統計情報を得ることが可能となる。
【0071】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0072】
1:撮影システム
2:撮影装置
3:サーバ
5:ユーザ端末
6:ネットワーク
7:企業(コンピュータ)
20:制御装置
21:表示部
23:撮影部
24:照明
25:プリンタ
321:撮影画像データ
323:メールパターンテーブル
325:メールデータテーブル
41:ホーム画面
42:レイアウト選択画面
43:撮影開始画面
44:ライブビュー画面
45:撮影画像確認・フィルタ選択画面
46:アンケート画面
47:印刷選択画面
48:メール入力画面
49:SNS投稿画面
81:メール