(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
A63F5/04 603D
A63F5/04 601B
(21)【出願番号】P 2018070532
(22)【出願日】2018-04-02
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】清水 拓
(72)【発明者】
【氏名】大貫 昌人
(72)【発明者】
【氏名】松草 春香
(72)【発明者】
【氏名】竹内 啓喜
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】大谷 健一
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-159837(JP,A)
【文献】特開2013-220208(JP,A)
【文献】特開2015-202164(JP,A)
【文献】特開2012-085734(JP,A)
【文献】特開2015-196069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を搭載する基板と、前記光源から照射された光を透過させる透光カバーと、を有する発光手段を備えた遊技機であって、
前記透光カバーは、前記基板の面延長線に交差するとともに前記基板の端縁と離隔して設けられ、
前記光源は、前記基板の一面に設けられる第1光源と、前記基板の他面に設けられる第2光源と、を有し、
前記基板の端縁には凹部が設けられ、この凹部を通して前記基板の一面側から他面側に光
を透過させることが可能に構成され
、
前記第2光源は、前記第1光源よりも前記透光カバーに近い位置に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。例えば、スロットマシンやパチンコ機は、遊技機本体の上部や下部、左右のサイド部に各種の発光演出装置(発光手段)を備えている(例えば、特許文献1参照)。これらの発光演出装置は、光源が搭載された基板と、この基板を収容するハウジングと、光源からの光を透過させつつ適宜に拡散させて射出する導光板と、基板、ハウジングおよび導光板の前方側を覆うカバーと、を備えて構成されている。この発光演出装置では、基板の光源から照射された光が導光板を通して拡散されてから射出されることで、カバー全体を発光させたり、適宜な模様をカバーに映し出したりするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の発光手段では、基板の前方側を覆ってカバーが設けられ、光源からの光が導光板を通してカバーに射出される構成となっているため、カバーの形状や基板とカバーとの配置が制約を受けることから、発光手段のデザインの自由度を高めることが難しい。また、カバー全体を発光させるためには導光板が必要となることから、発光手段の構造が複雑になり大型化してしまうという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、比較的簡素な構成の発光手段を採用しつつも、そのカバー全体を均一に発光させることで演出性やデザイン性を高めることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明は、
光源を搭載する基板と、前記光源から照射された光を透過させる透光カバーと、を有する発光手段を備えた遊技機であって、
前記透光カバーは、前記基板の面延長線に交差するとともに前記基板の端縁と離隔して設けられ、
前記光源は、前記基板の一面に設けられる第1光源と、前記基板の他面に設けられる第2光源と、を有し、
前記基板の端縁には凹部が設けられ、この凹部を通して前記基板の一面側から他面側に光を透過させることが可能に構成され、
前記第2光源は、前記第1光源よりも前記透光カバーに近い位置に設けられている
ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
このような本発明に係る遊技機によれば、基板の一面に設けられる第1光源と、基板の他面に設けられる第2光源と、を有することで、基板の一面側および他面側における透光カバーに光を到達させることができ、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。したがって、比較的簡素な構成の発光手段を採用しつつも、その透光カバー全体を均一に発光させることで演出性やデザイン性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態におけるスロットマシンの斜視図である。
【
図3】前面扉を開いた状態のスロットマシンの斜視図である。
【
図6】スロットマシンの前面扉の一部を示す正面図である。
【
図7】前面扉に設けられたサイドランプの部分を示す断面図である。
【
図9】サイドランプユニットの一部を示す斜視図である。
【
図10】サイドランプユニットを前方側から見た分解斜視図である。
【
図11】サイドランプユニットを後方側から見た分解斜視図である。
【
図12】サイドランプユニットを断面して前方側から見た斜視図である。
【
図13】サイドランプユニットを断面して後方側から見た斜視図である。
【
図14】(A)、(B)は、サイドランプユニットの作用を示す断面図である。
【
図15】(A)、(B)は、サイドランプユニットの作用を示す断面図である。
【
図16】(A)~(C)は、本発明の変形例に係るサイドランプユニットの基板を示す断面図および正面図である。
【
図17】(A)、(B)は、本発明の他の変形例に係るサイドランプユニットの基板を示す断面図および正面図である。
【
図18】(A)、(B)は、本発明のさらに他の変形例に係るサイドランプユニットの基板を示す断面図および正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下では、本発明を遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシン10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、スロットマシン10の斜視図であり、
図2は、スロットマシン10の正面図であり、
図3は、前面扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視図であり、
図4は、前面扉12の背面図であり、
図5は、筐体11の正面図である。
【0010】
〔遊技機の全体構造〕
図1から
図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製のパネルを組み合わせて、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。なお、筐体11は、木製のパネルによって構成されるものに限らず、合成樹脂製パネルまたは金属製パネルによって構成されてもよいし、合成樹脂材料または金属材料によって一体の箱状に形成されたものでもよい。筺体11の側面上部には、筺体11の内部から外部に通じる開口11aが貫通形成されている。筺体11の側面下部には、スロットマシン10を運搬する際に利用される取手部11bが設けられている。
【0011】
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下三箇所の支軸13a,13b,13c(
図5参照)が設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13b,13cと対応する位置に軸受部14a,14b,14c(
図4参照)が設けられている。そして、各軸受部14a,14b,14cに各支軸13a,13b,13cが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して各支軸13a,13b,13cを結ぶ上下方向に延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。
【0012】
また、前面扉12において開閉軸の反対側(正面から見て右側)には、その背面に施錠装置15が設けられ、筐体11における施錠装置15に対応した位置には錠受部16が設けられている。この施錠装置15は、筐体11に対して閉鎖した前面扉12を開放不能な施錠状態とするものである。前面扉12の前面右端部には、施錠装置15と一体化されたキーシリンダ17が設けられており、キーシリンダ17に対する所定のキー操作によって施錠装置15の施錠状態と解錠状態とが切り替えられるように構成されている。すなわち、キーシリンダ17をキー操作することにより、施錠装置15を錠受部16に係合させて施錠状態とすることで、前面扉12が開放不能となり、施錠装置15と錠受部16との係合を解除して解錠状態とすることで、前面扉12が開放可能となる。なお、キーシリンダ17としては、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。
【0013】
前面扉12の前面中央部には、遊技に関する情報を表示するための遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20は、合成樹脂材料から透明に構成されており、遊技パネル20を通じてスロットマシン10の内部が視認可能となっている。この遊技パネル20に対応した前面扉12の背面側には、
図3、4に示すように、回胴式表示装置であるリールユニット21が取り付けられている。リールユニット21は、後述する主中継基板71から延びる電力の分配配線(不図示)や信号線(不図示)を接続するためのコネクタ21a,21bを備え、主制御装置90によってリールユニット21の動作が制御されるようになっている。
【0014】
リールユニット21は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール22L,中リール22M,右リール22Rを備えている。各リール22L,22M,22Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール22L,22M,22Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、各リール22L,22M,22Rの表面の一部は遊技パネル20を通じて視認可能な状態となっている。また、各リール22L,22M,22Rが正回転すると、遊技パネル20を通じて各リール22L,22M,22Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように視認される。
【0015】
ここで、リールユニット21の構成を簡単に説明する。各リール22L,22M,22Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール22L,22M,22Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット21には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール22L,22M,22Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置90に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置90は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール22L,22M,22Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
【0016】
各リール22L,22M,22Rの外周面には、リールテープが貼り付けられている。リールテープの長辺方向(周回方向)に識別情報としての図柄が複数個、具体的には、各リール22L,22M,22R毎に、21個の図柄が等間隔に描かれており、そのうち連続する3個の図柄が遊技パネル20の上段、中段、下段の位置にそれぞれ視認可能に構成されている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置90は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、遊技パネル20から視認可能な状態となっている図柄を把握したり、遊技パネル20から視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
【0017】
図1、2に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール22L,22M,22Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー23が設けられている。スタートレバー23は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)するレバーであり、所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー23が操作されると、各リール22L,22M,22Rの回転が一斉に(但し、同時である必要はない)開始されるようになっている。
【0018】
スタートレバー23の右側には、回転している各リール22L,22M,22Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ24L,24M,24Rが設けられている。各ストップスイッチ24L,24M,24Rは、停止対象となるリール22L,22M,22Rに対応して配置されている。すなわち、左ストップスイッチ24Lが操作された場合には左リール22Lの回転が停止し、中ストップスイッチ24Mが操作された場合には中リール22Mの回転が停止し、右ストップスイッチ24Rが操作された場合には右リール22Rの回転が停止する。
【0019】
遊技パネル20の下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入部25が設けられている。メダル投入部25から投入されたメダルは、
図3、4に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ(不図示)によって取込用通路26か排出用通路27のいずれかへ導かれる。そして、取込用通路26に導かれたメダルは、筺体11の内部に収容されたホッパ装置31(
図3、5参照)へと導かれる。一方、排出用通路27に導かれたメダルは、
図1、2に示すように、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口28からメダル受け皿29へと導かれ、遊技者に返還される。
【0020】
ホッパ装置31は、
図3、5に示すように、メダルを貯留する貯留タンク32と、メダルを遊技者に払い出す払出装置33とにより構成されている。払出装置33は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路27に設けられた開口27aへメダルを排出し、排出用通路27を介してメダル受け皿29へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置31の右方には、貯留タンク32内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク34が設けられている。ホッパ装置31の貯留タンク32内部には、この貯留タンク32から予備タンク34へとメダルを排出する誘導プレート(不図示)が設けられている。したがって、誘導プレートが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク34に貯留されることとなる。
【0021】
図1、2に示すように、スタートレバー23の左方には、精算スイッチ35が設けられている。本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ35が操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口28からメダル受け皿29に払い出されるようになっている。また、メダル投入部25に投入されたメダルがセレクタ内に詰まった状況下で精算スイッチ35が操作された場合、セレクタが機械的に連動して動作され、当該セレクタ内に詰まったメダルがメダル排出口28から返却されるようになっている。
【0022】
遊技パネル20の下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを最大に投入(例えば、一度に3枚投入)するためのMAXBETボタン36が設けられている。また、本実施形態のスロットマシン10には搭載されていないが、MAXBETボタン36の近傍に、仮想メダルを一度に2枚投入するためのボタン(2BETボタン)や、仮想メダルを1枚投入するためのボタン(1BETボタン)が設けられていてもよい。精算スイッチ35およびMAXBETボタン36は、スロットマシン10における主要な遊技操作を行う操作部であることから、これらの操作部からの操作信号は後述する主制御装置90に伝送されて処理される。
【0023】
遊技パネル20の下方略中央には、情報表示部37が設けられている。情報表示部37は、クレジットされている仮想メダル数や、ボーナス状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数、入賞時に払い出したメダルの枚数、等のメダル数に関する情報がそれぞれ表示される7セグメント表示器から構成されている。なお、情報表示部37は、7セグメント表示器によって構成されるものに限らず、表示するメダル数の情報を一画面の中に表示する液晶表示器等によって構成されてもよい。情報表示部37の表示は、主制御装置90によって制御される。
【0024】
情報表示部37の右方には、3つの演出ボタン38,39,40が設けられている。演出ボタン38は、後述する液晶表示装置55に表示される画像や動画を切り替えたり、上部ランプ51や側部ランプ53の点灯状態を切り替えたりするために用いられる。演出ボタン39,40は、後述するスピーカ57,58,59から出力される効果音のボリュームを増減させるために用いられる。これらの演出ボタン38,39,40からの操作信号は後述するサブ制御装置80に伝送されて処理される。また、メダル受け皿29の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクターなどが表示された下段プレート41が装着されている。また、メダル受け皿29の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿42が設けられている。
【0025】
前面扉12の前面側において、上部には、発光表示部(発光手段)としての上部ランプ51と、左右一対のスピーカグリル52とが設けられ、左右両側辺には、発光表示部(発光手段)としての一対の側部ランプ53が設けられ、下段プレート41の両側には、左右一対のスピーカグリル54が設けられている。上部ランプ51および側部ランプ53は、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりすることで演出を行う。また、遊技パネル20の上方には、遊技者に各種情報を与える液晶表示装置55が設けられている。液晶表示装置55は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行したり、電源投入時やエラー発生時にその状態を報知したりするためのものであり、映像を表示する液晶ディスプレイ56を備えて構成されている。
【0026】
図4に示すように、前面扉12の背面側において、上部には、左右一対の上部スピーカ57(図中、右側の上部スピーカは不図示)が設けられ、下部には、左右一対の下部スピーカ58が設けられ、液晶表示装置55の背面には、副スピーカ(ウーファー)59が設けられている。上部スピーカ57は、遊技の進行に伴い種々の効果音を発生し、この効果音がスピーカグリル52を通して前面扉12の前面側に送出される。下部スピーカ58は、遊技者に遊技状態を報知する報知音を発生し、この報知音がスピーカグリル54を通して前面扉12の前面側に送出される。副スピーカ59は、遊技の進行に伴い重低音等の効果音を発生するものである。
【0027】
液晶表示装置55は、液晶ケース55aにより外郭が形成され、その液晶ケース55aに液晶ディスプレイ56(
図2参照)および液晶基板(不図示)が収容されて構成されている。液晶基板には、映像出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)や各種メモリ等の電子部品が搭載されている。液晶ケース55aにはコネクタ口が形成され、液晶基板に搭載されるコネクタ55bがコネクタ口を通して前面扉12の背面側に露出されている。コネクタ55bには、後述するサブ制御装置80から延びる配線(不図示)が接続されるようになっている。
【0028】
上部ランプ51や側部ランプ53、液晶表示装置55、上部スピーカ57や下部スピーカ58、副スピーカ59は、サブ制御装置80によって制御される。サブ制御装置80は、
図3、5に示すように、筐体11の背面板11cの内面に本体ベース85を介して取り付けられている。さらに、本体ベース85には、リールユニット21やホッパ装置31を制御して遊技を統括管理する主制御装置90が取り付けられている。また、筐体11の内部においてホッパ装置31の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置(不図示)を収容するとともに、サブ制御装置80や主制御装置90を始めとする各部に電力を供給するための電源スイッチ(不図示)を備えている。
【0029】
前面扉12の背面側には、
図4に示すように、主中継基板71とサブ中継基板72とが設けられている。主中継基板71は、電源ボックス70から主制御装置90を介して供給される電力、および主制御装置90から伝送される制御信号をリールユニット21や、スタートレバー23、ストップスイッチ24L,24M,24R、精算スイッチ35、MAXBETボタン36、情報表示部37等の各部に中継するものである。サブ中継基板72は、電源ボックス70からサブ制御装置80を介して供給される電力、およびサブ制御装置80から伝送される制御信号を演出ボタン38,39,40、液晶表示装置55、上部ランプ51、側部ランプ53、上部スピーカ57、下部スピーカ58、副スピーカ59等の各部に中継するものである。これらの主中継基板71とサブ中継基板72には、それぞれ主制御装置90およびサブ制御装置80からの配線(不図示)を接続する入力コネクタと、各部に接続される分配配線(不図示)を接続する分配コネクタと、が設けられている。
【0030】
サブ制御装置80は、
図5に示すように、基板ケース81により外郭が形成され、その基板ケース81にサブ基板(不図示)が収容されて構成されている。サブ基板には、上部ランプ51や側部ランプ53、上部スピーカ57や下部スピーカ58、副スピーカ59等の主たる制御を担うMPU(Micro Processing Unit)や、各種メモリ等の電子部品の他に、外部との電気的接続を行うための複数のコネクタ82が搭載されている。このサブ基板は、電子部品の搭載面がサブ制御装置80の前面側を向くように基板ケース81に収容されている。基板ケース81は、その背面側を形成するベース部材(不図示)と、前面側を形成するカバー部材83とにより構成されている。カバー部材83にはコネクタ口が開口形成され、コネクタ口を通してコネクタ82が露出されている。
【0031】
主制御装置90は、基板ケース91により外郭が形成され、その基板ケース91に主基板(不図示)が収容されて構成されている。主基板には、リールユニット21やホッパ装置31等の主たる制御を担うMPU(Micro Processing Unit)や、各種メモリ等の電子部品の他に、外部との電気的接続を行うための複数のコネクタ92が搭載されている。この主基板は、電子部品の搭載面が主制御装置90の前面側を向くように基板ケース91に収容されている。基板ケース91は、その背面側を形成するベース部材(不図示)と、前面側を形成するカバー部材93とにより構成されている。カバー部材93には複数のコネクタ口が開口形成され、コネクタ口を通してコネクタ92が露出されている。また、主制御装置90には、リセットスイッチ94および設定キー挿入孔95が設けられている。
【0032】
リセットスイッチ94は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ94を押しながら電源をオンすると、バックアップデータがリセット(初期化)されるようになっている。また、電源がオンされている状態でリセットスイッチ94を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
【0033】
設定キー挿入孔95は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔95へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(各入賞態様の当選確率の設定)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。そして、設定状態が「設定1」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も低くなるように入賞態様(役)の抽選を行い、設定状態が「設定6」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も高くなるように入賞態様の抽選を行うように構成されている。なお、リセットスイッチ94は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の設定状態を変更する場合にも操作される。
【0034】
〔側部ランプの構造〕
以下、
図6および
図7を参照し、側部ランプ(発光手段としてのサイドランプ)53の構造について説明する。
図6は、スロットマシン10の前面扉12の一部を示す正面図である。
図7は、前面扉12に設けられた側部ランプ53の部分を示す断面図であり、
図6にA-A線で示す位置の断面図である。
【0035】
図6、7に示すように、前面扉12は、全体矩形枠状の金属フレーム12aを備え、この金属フレーム12aの内部に遊技パネル20やリールユニット21、液晶表示装置55などが支持されている。側部ランプ53は、サイドランプユニット60として組み立てられ、遊技パネル20の側部の前面側を覆うとともに、金属フレーム12aにビス止め等によって固定されている。
【0036】
次に、
図8~
図11も参照して、サイドランプユニット60の詳細構造について説明する。
図8は、サイドランプユニット60を示す斜視図である。
図9は、サイドランプユニット60の一部を示す斜視図であり、後述する透光カバー64、外装部材65および内部部材63を省略した斜視図である。
図10は、サイドランプユニット60を前方側から見た分解斜視図であり、
図11は、サイドランプユニット60を後方側から見た分解斜視図である。
【0037】
サイドランプユニット60は、金属フレーム12aに固定されるベース部材61と、ベース部材61の前面側に設けられる基板62と、ベース部材61との間に基板62を挟持する内部部材63と、ベース部材61と内部部材63とに亘って支持される透光カバー64と、ベース部材61および内部部材63に対して透光カバー64を保持する外装部材65と、を備える。さらに、サイドランプユニット60は、ベース部材61および内部部材63に取り付けられる半透過部材66と、半透過部材66の端縁と遊技パネル20との隙間を塞ぐ端縁部材67と、端縁部材67の上部に取り付けられる上部部材68と、を備えて構成されている。
【0038】
ベース部材61は、白色等の反射率の高い素材からなる樹脂一体成形品であって、左右方向かつ鉛直方向に沿った前面部61Aと、前面部61Aの側端縁から後方に延びる側面部61Bと、側面部61Bに連続して側方に凸面状に延びる凸面部61Cと、を有している。凸面部61Cの背面側には、金属フレーム12aに固定されるボス部61Dが形成されている。凸面部61Cは、透光カバー64に向かって凸状の曲面に形成された反射部(第2反射部)61Eを有して構成されている。このベース部材61は、前面部61Aが遊技パネル20の表面に沿った状態で、ボス部61Dが金属フレーム12aにビス止めされることで、前面扉12に固定されるようになっている。
【0039】
基板62は、紙フェノール基板や紙エポキシ基板、ガラスコンポジット基板などのリジッド基板であって、その前面側および背面側に回路が設けられた両面基板であり、図示しない配線およびコネクタによってサブ中継基板72に電気的に接続されている。基板62の前面(一面)および背面(他面)には、それぞれ複数の光源69が搭載されている。基板62における透光カバー64側の端縁には、透光カバー64から離れる側に切り欠かれた凹部62Aと、凹部62Aが形成されない凸部62Bと、が設けられている。この基板62は、ベース部材61の前面部61Aに沿って支持されることで、左右方向かつ鉛直方向すなわちスロットマシン10の前後方向に直交する面に沿って設けられている。
【0040】
内部部材63は、白色等の反射率の高い素材からなる樹脂一体成形品であって、ベース部材61側に延びて基板62に当接する後方面部63Aと、この後方面部63Aから前方側かつ透光カバー64側に延びる第1内面部63Bと、第1内面部63Bよりも半透過部材66側にて後方面部63Aから前方に延びる第2内面部63Cと、を有して構成されている。第1内面部63Bは、透光カバー64に向かって凸状の曲面に形成された反射部(第1反射部)63Dを有して構成されている。
【0041】
透光カバー64は、透明または半透明の樹脂材料からなる一体成形品であって、基板62の光源69から照射された光を外部に透過させるものである。この透光カバー64は、スロットマシン10の前面側から側面側にかけて外方に向かって凸状かつ曲面状に形成されるとともに、基板62の面延長線L(
図7参照)に交差して設けられている。また、透光カバー64には、光を透過させることにより浮かび上がるキャラクターや模様、文字等が設けられている。
【0042】
外装部材65は、樹脂一体成形品であって、透光カバー64を透過した光が通過する開口部65Aを有して形成されている。外装部材65は、前端部が内部部材63に係止され、後端部がベース部材61に係止されることで、透光カバー64を保持しつつ取り付けられるようになっている。
【0043】
半透過部材66は、乳白色等の半透明の樹脂材料からなる一体成形品であって、内部部材63の第2内面部63Cに沿って前後に延びる第1側面部66Aと、第1側面部66Aよりもスロットマシン10の内方側にて前後に延びる第2側面部66Bと、を有して構成されている。第1側面部66Aには、内部部材63とともにベース部材61に固定するためのビスを挿通するビス挿通部66Cが形成されている。第2側面部66Bには、端縁部材67とともにベース部材61に固定するためのビスを挿通するビス挿通部66Dが形成されている。
【0044】
端縁部材67は、樹脂一体成形品であって、半透過部材66の端縁を覆って係止されるとともに、ベース部材61とともに遊技パネル20の表面に近接して設けられ、半透過部材66のビス挿通部66Dを挿通したビスによってベース部材61に固定されている。上部部材68は、樹脂一体成形品であって、端縁部材67の上部および半透過部材66の上部に係合することによって取り付けられている。
【0045】
光源69は、
図10、11に示すように、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成され、基板62における透光カバー64側の端縁近傍の前面(一面)に設けられる第1光源69Aと、その背面(他面)に設けられる第2光源69Bと、基板62における半透過部材66側の前面に設けられる第3光源69Cと、を有している。第1光源69Aは、基板62の前面における凹部62Aよりも透光カバー64から離れた位置に設けられ、前方側に光を照射する。第2光源69Bは、基板62の背面における透光カバー64側の端縁近傍(凸部62Bの背面も含む)に設けられ、後方側に光を照射する。
【0046】
次に、
図12~
図15も参照して、サイドランプユニット60の作用について説明する。
図12は、サイドランプユニット60を断面して前方側から見た斜視図である。
図13は、サイドランプユニット60を断面して後方側から見た斜視図である。
図14(A)、(B)は、サイドランプユニット60の作用を示す断面図である。
図15(A)、(B)は、サイドランプユニット60の作用を示す断面図である。
【0047】
図12、
図13に示すように、基板62は、ベース部材61の前面部61Aの前面側に取り付けられ、透光カバー64側の端縁がベース部材61の側面部61Bよりも突出して設けられている。すなわち、基板62の凹部62Aの底辺が側面部61Bと前後に並ぶ位置に設けられ、凸部62Bが側面部61Bよりも透光カバー64側に突出して設けられている。したがって、複数の光源69のうち、第1光源69Aは、側面部61Bよりも透光カバー64から離れる内方側に設けられ、第2光源69Bは、側面部61Bよりも透光カバー64に近い外方側に設けられている。一方、第3光源69Cは、半透過部材66で囲まれた空間に設けられている。
【0048】
図14(A)に実線の矢印で示すように、第1光源69Aから照射された光は、前方に向かって内部部材63の反射部63Dおよび透光カバー64の内面に到達する。反射部63Dに到達した光は、その凸面によって周囲に拡がるように反射し、反射光の一部が透光カバー64に向かう。このようにして透光カバー64に到達した光は、その一部が透光カバー64を透過し、外部から見て透光カバー64を発光させる。一方、反射部63Dおよび透光カバー64の内面で反射した反射光は、反射を繰り返しながら様々な方向に拡散する。このような反射光の一部は、
図14(B)に一点鎖線の矢印で示すように、基板62の凹部62A(
図12、13参照)を通過し、基板62よりも後方におけるベース部材61の反射部61Eや透光カバー64の内面に到達し、反射部61Eに反射した反射光や透光カバー64に到達した光が透光カバー64を透過し、外部から見て透光カバー64を発光させる。
【0049】
図15(A)に実線の矢印で示すように、第2光源69Bから照射された光は、後方に向かってベース部材61の側面部61Bや反射部61E、透光カバー64の内面に到達する。側面部61Bや反射部61Eに到達した光は、
図15(B)に一点鎖線の矢印で示すように、反射部61Eの凸面によって周囲に拡がるように反射し、反射光が透光カバー64に向かう。このようにして透光カバー64に到達した光は、透光カバー64を透過し、外部から見て透光カバー64を発光させる。以上のように、第1光源69Aおよび第2光源69Bから照射された光は、基板62の面延長線L(
図7参照)の前方側のみならず、面延長線Lよりも後方側に位置する透光カバー64に到達し、透光カバー64の全体をムラなく発光させる。
【0050】
本実施形態のサイドランプユニット60では、基板62の凹部62Aによって、前面(一面)側の第1光源69Aからの光を基板62よりも後方(他面側)に透過させる透過部が構成されている。また、基板62における透光カバー64側の端縁に形成された凹部62Aおよび凸部62Bによって、透光カバー64への影の投影を減少させる減影手段が構成されている。さらに、透過部および減影手段としての凹部62Aおよび凸部62Bによって、光源69から透光カバー64に照射される光を均一化する光均一化手段が構成されている。
【0051】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)第1実施形態のサイドランプユニット60は、基板に透過部としての凹部62Aが設けられ、基板62の第1光源69Aから照射された光を凹部62Aによって後方に透過させることで、透光カバー64における基板62よりも後方側の部分に影が発生するのを抑えることができ、透光カバー64の全体をムラなく発光させることができる。
【0052】
(2)また、サイドランプユニット60は、基板62の端縁に減影手段としての凹部62Aおよび凸部62Bが設けられ、透光カバー64への影の投影を減少させることで、基板62の面延長線Lの部分に影ができにくくなり、透光カバー64の発光ムラを抑制することができる。
【0053】
(3)さらに、サイドランプユニット60は、基板62と透光カバー64とを有し、基板62の面延長線Lに交差して透光カバー64が曲面状に設けられるとともに、基板62の前面に設けられた第1光源69Aから透光カバー64に照射される光が光均一化手段としての凹部62Aおよび凸部62Bによって均一化されることで、透光カバー64の発光ムラを抑制することができる。
【0054】
(4)また、サイドランプユニット60は、基板62の前面に設けられる第1光源69Aと、基板62の背面に設けられる第2光源69Bと、を有することで、基板62の前後両面において透光カバー64に光を到達させることができる。さらに、第2光源69Bが第1光源69Aよりも透光カバー64に近い位置に設けられることで、第2光源69Bの数や輝度を適宜に設定することにより後方側の明るさを確保しやすくなり、透光カバー64の全体をムラなく発光させることができる。
【0055】
(5)また、サイドランプユニット60は、光源69がLEDによって構成されていることで、サイドランプユニット60の小型化および省電力化を図ることができる。この際、指向性の強いLEDを用いた場合であっても、凹部62Aおよび凸部62Bによって透光カバー64の発光ムラが抑制できる。
【0056】
(6)また、サイドランプユニット60は、内部部材63の反射部63Dが設けられ、第1光源69Aからの光が反射部63Dで反射されることで、その反射光が基板62の凹部62Aを通って後方側に到達しやすくすることができる。反射部63D,61Eが凸面を有して形成されていることで、反射光を広い範囲に行き渡らせることができ、透光カバー64全体をムラなく発光させることができる。
【0057】
〔実施形態の変形例〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(1)前記実施形態では、発光手段として側部ランプ53(サイドランプユニット60)を例示したが、本発明は、側部ランプ53に限らず、遊技機の上部ランプや下部ランプなど各部の発光部に適用可能である。上部ランプとして適用する場合、透光カバーは、遊技機本体の前面側から上面側にかけて設けられ、その内側にて基板が前後方向に直交して設けられる構成が例示できる。さらに、以下の
図16~
図18に示すような基板62の構造も採用することができる。
図16~
図18は、本発明の変形例に係るサイドランプユニットの基板を示す断面図および正面図である。
【0058】
(2)前記実施形態のサイドランプユニット60において、減影手段および光均一化手段としての基板62の凹部62Aおよび凸部62Bは、正面視で角型に形成されていたが、
図16(A)に示すような形態であってもよい。
図16(A)に示す基板62において、凸部62Bは、その外形が円弧状に形成されている。このように凸部62Bの外形を円弧状にすることで、透光カバー64への基板62の影の投影をさらに減少させることができ、影ができにくくなって透光カバー64の発光ムラをより一層低減することができる。
【0059】
(3)前記実施形態のサイドランプユニット60において、基板62の凹部62Aによって透過部、減影手段および光均一化手段が構成されていたが、
図16(B)に示すように、基板62に透明部62Cが設けられていてもよい。
図16(B)に示す基板62において、透光カバー64側の端縁には、第2光源69Bを避けるようにして透明な樹脂材料からなる透明部62Cが設けられている。この透明部62Cによって透過部、減影手段および光均一化手段が構成され、透明部62Cを通して第1光源69Aからの光を基板62の後方に透過させることができるようになっている。
【0060】
(4)前記実施形態のサイドランプユニット60において、基板62の凹部62Aおよび凸部62Bによって減影手段および光均一化手段が構成されていたが、
図16(C)に示すように、基板62に拡散部62Dが設けられていてもよい。
図16(C)に示す基板62において、透光カバー64側の端縁には、半透明な樹脂材料や微小なレンズを複数有する樹脂材料からなる拡散部62Dが設けられている。この拡散部62Dによって減影手段および光均一化手段が構成され、拡散部62Dで第1光源69Aおよび第2光源69Bからの光を拡散させることにより、透光カバー64への基板62の影の投影を減少させることができるようになっている。
【0061】
(5)前記実施形態のサイドランプユニット60において、減影手段および光均一化手段としての基板62の凹部62Aは、第2光源69Bよりも透光カバー64に近い位置までしか形成されていなかったが、
図17(A)に示すような形態であってもよい。
図17(A)に示す基板62において、凹部62Aは、第2光源69Bよりも透光カバー64から遠い位置まで形成され、すなわち、第1光源69Aおよび第2光源69Bが凸部62Bに設けられている。このように凹部62Aの深さが大きく形成されることで、第1光源69Aからの光を背面側に透過させ、第2光源69Bからの光を前面側に透過させ、これにより透光カバー64の発光ムラを低減させることができる。また、
図17(B)に示す基板62において、第1光源69Aおよび第2光源69Bは、凸部62Bに上下に並んで設けられ、すなわち、透光カバー64から等距離となる位置に設けられている。したがって、第1光源69Aおよび第2光源69Bからの光が透光カバー64に対して均等に到達するように構成されている。
【0062】
(6)前記実施形態のサイドランプユニット60において、基板62は、その両面に回路が設けられた両面基板で構成されていたが、
図18に示すように、基板62が二層基板によって構成されていてもよい。
図18(A),(B)に示す基板62は、前面側の第1基板62Eと、背面側の第2基板62Fと、を備え、それらの間に回路が設けられている。
図18(A)に示す基板62において、第1基板62Eは、透光カバー64側の端縁が第2基板62Fよりも後退して設けられ、その前面(一面)に第1光源69Aが設けられている。第2基板62Fは、第1基板62Eの端縁と並ぶ位置に形成された凹部62Aと、第1基板62Eの端縁よりも透光カバー64側に突出した凸部62Bと、を備え、凸部62Bの背面(他面)に第2光源69Bが設けられている。このような二層基板によって構成することで、基板62に透過部や減影手段、光均一化手段を設けるための加工を簡単に行うことができるようになる。
【0063】
図18(B)に示す基板62において、第1基板62Eおよび第2基板62Fは、透光カバー64側の端縁が略同一位置に設けられている。第1基板62Eの端縁近傍において、その前面(一面)に第1光源69Aが設けられ、第2基板62Fの端縁近傍において、その背面(他面)に第2光源69Bが設けられている。これらの第1光源69Aおよび第2光源69Bは、基板62の前後同一位置にて互いに背中合わせとなるように設けられ、すなわち、透光カバー64から等距離となる位置に設けられている。したがって、第1光源69Aおよび第2光源69Bからの光が透光カバー64に対して均等に到達するように構成されている。このような二層基板を用いて光源69A,69Bを前後同一位置に設けることで、基板62の一面側および他面側における透光カバー64に均等な光を到達させることができ、透光カバー64の全体をムラなく発光させることができる。
【0064】
〔各実施形態から抽出される発明群〕
以下、前記実施形態から抽出される発明群の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等や、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。
【0065】
<特徴A群>
特徴A1.
光源(光源69)を搭載する基板(基板62)と、前記光源から照射された光を透過させる透光カバー(透光カバー64)と、を有する発光手段(側部ランプ53)を備えた遊技機であって、
前記透光カバーは、前記基板の面延長線に交差するとともに前記基板の端縁と離隔して設けられ、
前記光源(第1光源69A)は、前記基板の一面に設けられ、前記基板には、その一面側から他面側に光を透過させる透過部(凹部62A、透明部62C)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0066】
本発明群の特徴A1によれば、発光手段は、基板に透過部が設けられ、基板の一面の光源から照射された光を透過部によって他面側に透過させることで、他面側にも光を到達させることができる。したがって、基板の面延長線に交差して設けられる透光カバーにおいて、基板の面延長線よりも他面側に位置する部分に影が発生するのを抑えることができ、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。このように比較的簡素な構成の発光手段を採用しつつも、その透光カバー全体を均一に発光させることで演出性やデザイン性を高めることができる。
【0067】
特徴A2.
本発明群の特徴A1に記載の遊技機において、
前記透過部は、前記基板の端縁を切り欠いた凹部(凹部62A)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0068】
本発明群の特徴A2によれば、基板の端縁を切り欠いた凹部によって透過部が構成されていることで、この凹部を通して基板の他面側にも光を到達させることができる。
【0069】
特徴A3.
本発明群の特徴A2に記載の遊技機において、
前記基板において、前記凹部が形成されない凸部(凸部62B)の他面に第2光源(第2光源69B)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0070】
本発明群の特徴A3によれば、基板の凸部の他面に第2光源が設けられていることで、他面側の光量を増加させることができ、透光カバー全体の光量を均一化することができる。
【0071】
特徴A4.
本発明群の特徴A1に記載の遊技機において、
前記透過部は、前記基板の端縁近傍に設けられた透明部(透明部62C)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0072】
本発明群の特徴A4によれば、基板の端縁近傍に設けられた透明部によって透過部が構成されていることで、この透明部を通して基板の他面側にも光を到達させることができる。
【0073】
特徴A5.
本発明群の特徴A1から特徴A4のいずれかに記載の遊技機において、
前記光源は、LEDである
ことを特徴とする遊技機。
【0074】
本発明群の特徴A5によれば、指向性の強いLEDによって光源が構成された場合であっても、前述のように透過部によって他面側に透過させて透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。そして、LEDを用いることで、発光手段の小型化および省電力化を図ることができる。
【0075】
特徴A6.
本発明群の特徴A1から特徴A5のいずれかに記載の遊技機において、
前記発光手段は、前記基板の一面側に設けられて前記光源からの光を反射する反射部(反射部63D)を有する
ことを特徴とする遊技機。
【0076】
本発明群の特徴A6によれば、基板の一面側に反射部が設けられ、光源からの光が反射部で反射されることで、その反射光が基板の透過部を通って他面側に到達しやすくすることができる。
【0077】
特徴A7.
本発明群の特徴A6に記載の遊技機において、
前記反射部は、凸面を有して形成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0078】
本発明群の特徴A7によれば、反射部が凸面を有して形成されていることで、反射光を広い範囲に行き渡らせることができ、透光カバー全体をムラなく発光させることができる。
【0079】
特徴A8.
本発明群の特徴A1から特徴A7のいずれかに記載の遊技機において、
前記発光手段は、サイドランプであって、前記透光カバーは、遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0080】
本発明群の特徴A8によれば、サイドランプの透光カバーが遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられている場合であっても、透光カバー全体を均一に発光させることができる。
【0081】
このような本発明の特徴A群によれば、基板の一面の光源から照射された光を透過部によって他面側に透過させることで、基板の面延長線に交差して設けられる透光カバーにおいて、基板の面延長線よりも他面側に位置する部分に影が発生するのを抑えることができ、簡素な構造を採用したとしても透光カバーの全体をムラなく発光させることができるので、次のような課題を解決することができる。
【0082】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。例えば、スロットマシンやパチンコ機は、遊技機本体の上部や下部、左右のサイド部に各種の発光演出装置(発光手段)を備えている(例えば、特許文献1参照)。これらの発光演出装置は、光源が搭載された基板と、この基板を収容するハウジングと、光源からの光を透過させつつ適宜に拡散させて射出する導光板と、基板、ハウジングおよび導光板の前方側を覆うカバーと、を備えて構成されている。この発光演出装置では、基板の光源から照射された光が導光板を通して拡散されてから射出されることで、カバー全体を発光させたり、適宜な模様をカバーに映し出したりするようになっている。
【0083】
しかしながら、従来の発光手段では、基板の前方側を覆ってカバーが設けられ、光源からの光が導光板を通してカバーに射出される構成となっているため、カバーの形状や基板とカバーとの配置が制約を受けることから、発光手段のデザインの自由度を高めることが難しい。また、カバー全体を発光させるためには導光板が必要となることから、発光手段の構造が複雑になり大型化してしまうという問題もある。
【0084】
<特徴B群>
特徴B1.
光源(光源69)を搭載する基板(基板62)と、前記光源から照射された光を透過させる透光カバー(透光カバー64)と、を有する発光手段(側部ランプ53)を備えた遊技機であって、
前記透光カバーは、前記基板の面延長線に交差するとともに前記基板の端縁と離隔して設けられ、
前記光源(第1光源69A)は、前記基板の少なくとも一面に設けられ、前記基板の端縁には、前記透光カバーへの影の投影を減少させる減影手段(凹部62A、凸部62B、透明部62C、拡散部62D)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0085】
本発明群の特徴B1によれば、発光手段は、基板の端縁に減影手段が設けられ、減影手段によって透光カバーへの影の投影を減少させることで、基板の面延長線の部分に影ができにくくなり、透光カバーの発光ムラを抑制することができる。このように比較的簡素な構成の発光手段を採用しつつも、その透光カバー全体を均一に発光させることで演出性やデザイン性を高めることができる。
【0086】
特徴B2.
本発明群の特徴B1に記載の遊技機において、
前記減影手段は、前記基板の端縁を切り欠いた凹部(凹部62A)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0087】
本発明群の特徴B2によれば、基板の端縁を切り欠いた凹部によって減影手段が構成されていることで、基板の端縁の投影面積を減少させることができ、透光カバーに影ができにくくなる。また、凹部を通して基板の他面側に光を到達させることができることから、透光カバーにおける基板の面延長線よりも他面側の光量を高め、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。
【0088】
特徴B3.
本発明群の特徴B2に記載の遊技機において、
前記基板において、前記凹部が形成されない凸部(凸部62B)の他面に第2光源(第2光源69B)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0089】
本発明群の特徴B3によれば、基板の凸部の他面に第2光源が設けられていることで、他面側の光量を増加させることができ、透光カバー全体の光量を均一化することができる。
【0090】
特徴B4.
本発明群の特徴B1に記載の遊技機において、
前記減影手段は、前記基板の端縁近傍に設けられた透明部(透明部62C)または拡散部(拡散部62D)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0091】
本発明群の特徴B4によれば、基板の端縁近傍に設けられた透明部や拡散部によって減影手段が構成されていることで、透光カバーへの影の投影を確実に減少させることができるとともに、この透明部を通して基板の他面側にも光を到達させることができる。
【0092】
特徴B5.
本発明群の特徴B1から特徴B4のいずれかに記載の遊技機において、
前記光源は、LEDである
ことを特徴とする遊技機。
【0093】
本発明群の特徴B5によれば、指向性の強いLEDによって光源が構成された場合であっても、前述のように減影手段によって基板の端縁の投影面積を減少させることで、透光カバーに影ができにくくして発光ムラを抑制することができる。そして、LEDを用いることで、発光手段の小型化および省電力化を図ることができる。
【0094】
特徴B6.
本発明群の特徴B1から特徴B5のいずれかに記載の遊技機において、
前記発光手段は、前記基板の一面側に設けられて前記光源からの光を反射する反射部(反射部63D)有する
ことを特徴とする遊技機。
【0095】
本発明群の特徴B6によれば、基板の一面側に反射部が設けられ、光源からの光が反射部で反射され、その反射光が透光カバーに到達することで、透光カバーに影ができにくくして発光ムラを抑制することができる。
【0096】
特徴B7.
本発明群の特徴B6に記載の遊技機において、
前記反射部は、凸面を有して形成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0097】
本発明群の特徴B7によれば、反射部が凸面を有して形成されていることで、反射光を広い範囲に行き渡らせることができ、透光カバー全体をムラなく発光させることができる。
【0098】
特徴B8.
本発明群の特徴B1から特徴B7のいずれかに記載の遊技機において、
前記発光手段は、サイドランプであって、前記透光カバーは、遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0099】
本発明群の特徴B8によれば、サイドランプの透光カバーが遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられている場合であっても、透光カバー全体を均一に発光させることができる。
【0100】
このような本発明の特徴B群によれば、基板の端縁に減影手段が設けられ、減影手段によって透光カバーへの影の投影を減少させることで、基板の面延長線の部分に影ができにくくなり、簡素な構造を採用したとしても透光カバーの発光ムラを抑制することができるので、次のような課題を解決することができる。
【0101】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。例えば、スロットマシンやパチンコ機は、遊技機本体の上部や下部、左右のサイド部に各種の発光演出装置(発光手段)を備えている(例えば、特許文献1参照)。これらの発光演出装置は、光源が搭載された基板と、この基板を収容するハウジングと、光源からの光を透過させつつ適宜に拡散させて射出する導光板と、基板、ハウジングおよび導光板の前方側を覆うカバーと、を備えて構成されている。この発光演出装置では、基板の光源から照射された光が導光板を通して拡散されてから射出されることで、カバー全体を発光させたり、適宜な模様をカバーに映し出したりするようになっている。
【0102】
しかしながら、従来の発光手段では、基板の前方側を覆ってカバーが設けられ、光源からの光が導光板を通してカバーに射出される構成となっているため、カバーの形状や基板とカバーとの配置が制約を受けることから、発光手段のデザインの自由度を高めることが難しい。また、カバー全体を発光させるためには導光板が必要となることから、発光手段の構造が複雑になり大型化してしまうという問題もある。
【0103】
<特徴C群>
特徴C1.
光源(光源69)を搭載する基板(基板62)と、前記光源から照射された光を透過させる透光カバー(透光カバー64)と、を有する発光手段(側部ランプ53)を備えた遊技機であって、
前記透光カバーは、前記基板の面延長線に交差するとともに前記基板の端縁と離隔して設けられ、
前記光源は、前記基板の一面に設けられる第1光源(第1光源69A)と、前記基板の他面に設けられる第2光源(第2光源69B)と、を有している
ことを特徴とする遊技機。
【0104】
本発明群の特徴C1によれば、発光手段は、基板の一面に設けられる第1光源と、基板の他面に設けられる第2光源と、を有することで、基板の一面側および他面側における透光カバーに光を到達させることができ、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。このように比較的簡素な構成の発光手段を採用しつつも、その透光カバー全体を均一に発光させることで演出性やデザイン性を高めることができる。
【0105】
特徴C2.
本発明群の特徴C1に記載の遊技機において、
前記第2光源(第2光源69B)は、前記第1光源(第1光源69A)よりも前記透光カバーに近い位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機。
【0106】
本発明群の特徴C2によれば、第2光源が第1光源よりも透光カバーに近い位置に設けられることで、第2光源の数や輝度を適宜に設定することにより後方側の明るさを確保しやすくなり、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。
【0107】
特徴C3.
本発明群の特徴C1または特徴C2に記載の遊技機において、
前記基板において、前記第1光源よりも前記透光カバー側の端縁には光を透過させる透過部(凹部62A、透明部62C)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0108】
本発明群の特徴C3によれば、基板に透過部が設けられることで、この透過部によって、第1光源からの光を一面側から他面側に透過させ、第2光源からの光を他面側から一面側に透過させることができ、透光カバー全体における発光ムラを低減させることができる。
【0109】
特徴C4.
本発明群の特徴C3に記載の遊技機において、
前記透過部は、前記基板の端縁を切り欠いた凹部(凹部62A)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0110】
本発明群の特徴C4によれば、基板の端縁を切り欠いた凹部によって透過部が構成されていることで、この凹部を通して光を透過させることができる。
【0111】
特徴C5.
本発明群の特徴C4に記載の遊技機において、
前記基板において、前記凹部が形成されない凸部(凸部62B)の他面に前記第2光源が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0112】
本発明群の特徴C5によれば、凸部の他面に第2光源が設けられていることで、第2光源を透光カバーに近い位置に設けることができ、他面側における透光カバーの明るさを確保することができる。
【0113】
特徴C6.
本発明群の特徴C3に記載の遊技機において、
前記透過部は、前記基板の端縁近傍に設けられた透明部(透明部62C)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0114】
本発明群の特徴C6によれば、基板の端縁近傍に設けられた透明部によって透過部が構成されていることで、この透明部を通して光を透過させることができる。
【0115】
特徴C7.
本発明群の特徴C1から特徴C6のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1光源および第2光源は、LEDである
ことを特徴とする遊技機。
【0116】
本発明群の特徴C7によれば、指向性の強いLEDによって光源が構成された場合であっても、前述のように基板の両面に設けられた光源によって透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。そして、LEDを用いることで、発光手段の小型化および省電力化を図ることができる。
【0117】
特徴C8.
本発明群の特徴C1から特徴C7のいずれかに記載の遊技機において、
前記発光手段は、前記基板の一面側に設けられて前記第1光源からの光を反射する第1反射部(反射部63D)と、前記基板の他面側に設けられて前記第2光源からの光を反射する第2反射部(反射部61E)と、を有する
ことを特徴とする遊技機。
【0118】
本発明群の特徴C8によれば、基板の一面側に第1反射部が設けられ、基板の他面側に第2反射部が設けられ、第1光源および第2光源からの光がそれぞれ第1反射部および第2反射部で反射されることで、その反射光が透光カバーに到達しやすくすることができる。
【0119】
特徴C9.
本発明群の特徴C8に記載の遊技機において、
前記第1反射部および前記第2反射部は、それぞれ凸面を有して形成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0120】
本発明群の特徴C9によれば、第1反射部および第2反射部が凸面を有して形成されていることで、反射光を広い範囲に行き渡らせることができ、透光カバー全体をムラなく発光させることができる。
【0121】
特徴C10.
本発明群の特徴C1から特徴C9のいずれかに記載の遊技機において、
前記発光手段は、サイドランプであって、前記透光カバーは、遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0122】
本発明群の特徴C10によれば、サイドランプの透光カバーが遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられている場合であっても、透光カバー全体を均一に発光させることができる。
【0123】
このような本発明の特徴C群によれば、発光手段が第1光源および第2光源を有することで、基板の一面側および他面側における透光カバーに光を到達させることができ、透光カバーにおける基板の面延長線よりも他面側に位置する部分の明るさを確保し、透光カバーの全体をムラなく発光させることができるので、次のような課題を解決することができる。
【0124】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。例えば、スロットマシンやパチンコ機は、遊技機本体の上部や下部、左右のサイド部に各種の発光演出装置(発光手段)を備えている(例えば、特許文献1参照)。これらの発光演出装置は、光源が搭載された基板と、この基板を収容するハウジングと、光源からの光を透過させつつ適宜に拡散させて射出する導光板と、基板、ハウジングおよび導光板の前方側を覆うカバーと、を備えて構成されている。この発光演出装置では、基板の光源から照射された光が導光板を通して拡散されてから射出されることで、カバー全体を発光させたり、適宜な模様をカバーに映し出したりするようになっている。
【0125】
しかしながら、従来の発光手段では、基板の前方側を覆ってカバーが設けられ、光源からの光が導光板を通してカバーに射出される構成となっているため、カバーの形状や基板とカバーとの配置が制約を受けることから、発光手段のデザインの自由度を高めることが難しい。また、カバー全体を発光させるためには導光板が必要となることから、発光手段の構造が複雑になり大型化してしまうという問題もある。
【0126】
<特徴D群>
特徴D1.
遊技機本体と、前記遊技機本体の前側部に設けられるサイドランプ(側部ランプ53)と、を備えた遊技機であって、
前記サイドランプは、光源(光源69)を搭載する基板(基板62)と、前記光源から照射された光を透過させる透光カバー(透光カバー64)と、を有し、
前記基板は、前記遊技機本体の前後方向に直交する面に沿って設けられ、その少なくとも前面に前記光源が設けられ、
前記透光カバーは、前記遊技機本体の前面側から側面側にかけて曲面状に設けられるとともに、前記基板の面延長線に交差して設けられ、
前記光源から前記透光カバーに照射される光を均一化する光均一化手段(凹部62A、凸部62B、透明部62C、拡散部62D)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0127】
本発明群の特徴D1によれば、サイドランプは、基板と透光カバーとを有し、基板の面延長線に交差して透光カバーが曲面状に設けられるとともに、基板の前面に設けられた光源から透光カバーに照射される光が光均一化手段によって均一化されることで、透光カバーの発光ムラを抑制することができる。このように比較的簡素な構成の発光手段を採用しつつも、その透光カバー全体を均一に発光させることで演出性やデザイン性を高めることができる。
【0128】
特徴D2.
本発明群の特徴D1に記載の遊技機において、
前記光均一化手段は、前記基板に設けられて前面側から背面側に光を透過させる透過部(凹部62A、透明部62C)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0129】
本発明群の特徴D2によれば、基板の前面の光源から照射された光を透過部によって背面側に透過させることで、基板の背面側にある透光カバーにも光を到達させることができ、透光カバー全体をムラなく発光させることができる。
【0130】
特徴D3.
本発明群の特徴D1または特徴D2に記載の遊技機において、
前記光均一化手段は、前記基板の端縁に設けられて前記透光カバーへの影の投影を減少させる減影手段(凹部62A、凸部62B、透明部62C、拡散部62D)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0131】
本発明群の特徴D3によれば、減影手段によって透光カバーへの影の投影を減少させることで、基板の面延長線の部分に影ができにくくなり、透光カバー全体をムラなく発光させることができる。
【0132】
特徴D4.
本発明群の特徴D1から特徴D3のいずれかに記載の遊技機において、
前記光源(光源69)は、前記基板の前面に設けられる第1光源(第1光源69A)と、前記基板の背面にて前記第1光源よりも前記透光カバーに近い位置に設けられる第2光源(第2光源69B)と、を有している
ことを特徴とする遊技機。
【0133】
本発明群の特徴D4によれば、サイドランプは、基板の前面に設けられる第1光源と、基板の背面に設けられる第2光源と、を有することで、基板の前面側および背面側における透光カバーに光を到達させることができる。さらに、第2光源が第1光源よりも透光カバーに近い位置に設けられることで、基板の面延長線に交差して設けられる透光カバーにおいて、基板の面延長線よりも背面側に位置する部分の明るさを確保し、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。
【0134】
特徴D5.
本発明群の特徴D1から特徴D4のいずれかに記載の遊技機において、
前記光均一化手段は、前記基板の端縁を切り欠いた凹部(凹部62A)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0135】
本発明群の特徴D5によれば、基板の端縁を切り欠いた凹部によって光均一化手段が構成されていることで、基板の端縁の投影面積を減少させることができ、透光カバーに影ができにくくなる。また、凹部を通して基板の背面側に光を到達させることができることから、透光カバーにおける基板の面延長線よりも背面側の光量を高め、透光カバーの全体をムラなく発光させることができる。
【0136】
特徴D6.
本発明群の特徴D5に記載の遊技機において、
前記基板において、前記凹部が形成されない凸部(凸部62B)の背面に第2光源(第2光源69B)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【0137】
本発明群の特徴D6によれば、凸部の背面に第2光源が設けられていることで、第2光源を透光カバーに近い位置に設けることができ、背面側における透光カバーの明るさを確保することができる。
【0138】
このような本発明の特徴D群によれば、基板の面延長線に交差して透光カバーが曲面状に設けられるとともに、基板の前面に設けられた光源から透光カバーに照射される光が光均一化手段によって均一化されることで、透光カバーの発光ムラを抑制することができるので、次のような課題を解決することができる。
【0139】
従来、遊技機の代表例として例えばスロットマシンやパチンコ機がある。例えば、スロットマシンやパチンコ機は、遊技機本体の上部や下部、左右のサイド部に各種の発光演出装置(発光手段)を備えている(例えば、特許文献1参照)。これらの発光演出装置は、光源が搭載された基板と、この基板を収容するハウジングと、光源からの光を透過させつつ適宜に拡散させて射出する導光板と、基板、ハウジングおよび導光板の前方側を覆うカバーと、を備えて構成されている。この発光演出装置では、基板の光源から照射された光が導光板を通して拡散されてから射出されることで、カバー全体を発光させたり、適宜な模様をカバーに映し出したりするようになっている。
【0140】
しかしながら、従来の発光手段では、基板の前方側を覆ってカバーが設けられ、光源からの光が導光板を通してカバーに射出される構成となっているため、カバーの形状や基板とカバーとの配置が制約を受けることから、発光手段のデザインの自由度を高めることが難しい。また、カバー全体を発光させるためには導光板が必要となることから、発光手段の構造が複雑になり大型化してしまうという問題もある。
【0141】
以上のように、本発明は、スロットマシン、パチンコ遊技機等の遊技機に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0142】
10 スロットマシン(遊技機)
53 側部ランプ(発光手段としてのサイドランプ)
61E 反射部(第2反射部)
62 基板
62A 凹部(透過部、減影手段、光均一化手段)
62B 凸部(減影手段、光均一化手段)
62C 透明部(透過部、減影手段、光均一化手段)
62D 拡散部(減影手段、光均一化手段)
63D 反射部(第1反射部)
69 光源
69A 第1光源
69B 第2光源
L 面延長線