(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】接続装置、表示装置、接続装置の制御方法、及び、表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
G09G5/00 510X
G09G5/00 530T
G09G5/00 550B
G09G5/00 555D
(21)【出願番号】P 2018091877
(22)【出願日】2018-05-11
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國友 佑一
(72)【発明者】
【氏名】尾野 雄大
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-240213(JP,A)
【文献】特開2016-61809(JP,A)
【文献】特開2010-193095(JP,A)
【文献】特開2009-278497(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0235694(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部装着型の表示装置に接続される接続装置であって、
映像出力装置から第1映像信号が入力される第1接続部と、
情報処理装置から第2映像信号が入力され、前記表示装置に備えられた
センサーが検出した検出値を含むデータを前記情報処理装置へ出力する
ことが可能な第2接続部と、
前記表示装置に接続される表示装置接続部と、
前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれかを前記表示装置に出力する出力部と、
前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定する設定部と、
前記設定部による設定に従って、前記出力部により映像信号を出力する接続部を選択する出力制御部と、
前記表示装置接続部を介して前記表示装置に備えられた複数の前記センサーのうち少なくとも1つ以上の前記センサーが検出した検出値を取得し、取得した検出値を含む前記データを前記第2接続部から前記情報処理装置へ出力し、前記データを前記第1接続部から出力しないセンサー制御部と、を備え、
前記設定部は、前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を前記出力部から出力するよう設定
し、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した履歴、及び、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した履歴に基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する、接続装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、
前記表示装置の起動時に前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合
に、
使用者の操作が行われることなく、前記設定部による設定に従って、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を前記出力部から出力させ、
前記表示装置の起動後に前記第1接続部及び前記第2接続部のいずれか一方に映像信号が入力されている場合であって他方への映像信号の入力が開始された場合に、
前記使用者の操作が行われることなく、前記設定部による設定に従って、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を前記出力部から出力させる、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間、及び、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間をカウントし、出力時間の長さに基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する、請求項
1または2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記第1接続部に接続される
前記映像出力装置、及び、前記第2接続部に接続される
前記情報処理装置を検出する検出部を備え、
前記設定部は、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間を
前記検出部により検出した前記
映像出力装置に対応付けてカウントし、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間を
前記検出部により検出した前記
情報処理装置に対応付けてカウントする、請求項
3記載の接続装置。
【請求項5】
頭部装着型の表示装置であって、
画像を表示する画像表示部と、
映像出力装置から第1映像信号が入力される第1接続部と、
情報処理装置から第2映像信号が入力され、前記画像表示部に備えられた
センサーが検出した検出値を含むデータを前記情報処理装置へ出力する
ことが可能な第2接続部と、
前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれかに基づく映像を前記画像表示部により表示する出力制御部と、
前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定する設定部と、
前記画像表示部に備えられた複数の前記センサーのうち少なくとも1つ以上の前記センサーが検出した検出値を取得し、取得した検出値を含む前記データを前記第2接続部から前記情報処理装置へ出力し、前記データを前記第1接続部から出力しないセンサー制御部と、を備え、
前記出力制御部は、前記設定部による設定に従って前記第1接続部及び前記第2接続部のいずれかを選択して、前記画像表示部により映像を表示し、
前記設定部は、前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を選択するよう設定
し、前記第1映像信号を前記画像表示部に出力した履歴、及び、前記第2映像信号を前記画像表示部に出力した履歴に基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する、表示装置。
【請求項6】
頭部装着型の表示装置に接続され、映像出力装置から第1映像信号が入力される第1接続部と、情報処理装置から第2映像信号が入力され、前記表示装置に備えられた
センサーが検出した検出値を含むデータを前記情報処理装置へ出力する
ことが可能な第2接続部と、
前記表示装置に接続される表示装置接続部と、映像信号を前記表示装置に出力する出力部とを備える接続装置の制御方法であって
、
前記表示装置接続部を介して前記表示装置に備えられた複数の前記センサーのうち少なくとも1つ以上の前記センサーが検出した検出値を取得し、取得した検出値を含む前記データを前記第2接続部から前記情報処理装置へ出力し、前記データを前記第1接続部から出力せず、
前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定し、
設定に従って、前記出力部により映像信号を出力する接続部を選択し、
前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれかを選択して、前記出力部から前記表示装置に出力し、
前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を前記出力部から出力するよう設定
し、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した履歴、及び、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した履歴に基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する、接続装置の制御方法。
【請求項7】
画像を表示する画像表示部と、映像出力装置から第1映像信号が入力される第1接続部と、情報処理装置から第2映像信号が入力され、前記画像表示部に備えられた
センサーが検出したデータを前記情報処理装置へ出力する
ことが可能な第2接続部と、を備える頭部装着型の表示装置の制御方法であって、
前記画像表示部に備えられた複数の前記センサーのうち少なくとも1つ以上の前記センサーが検出した検出値を取得し、取得した検出値を含む前記データを前記第2接続部から前記情報処理装置へ出力し、前記データを前記第1接続部から出力せず、
前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定し、
設定に従って、前記第1接続部及び前記第2接続部のいずれかを選択し、
前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれか選択された映像信号に基づく映像を前記画像表示部により表示し、
前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を選択するよう設定
し、前記第1映像信号を前記画像表示部に出力した履歴、及び、前記第2映像信号を前記画像表示部に出力した履歴に基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する、表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置、表示装置、接続装置の制御方法、及び、表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部の装置から入力される信号に基づき映像を表示する表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のテレビジョン受信機は、信号ケーブルにより複数の信号が入力され、ユーザーからの指示により切換スイッチを設定し、設定に従って自動的に信号を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の構成では、信号を自動的に選択するためにユーザーが設定を行う必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の装置から入力される映像を、ユーザーによる設定を必須としない方法により選択し、表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、頭部装着型の表示装置に接続される接続装置であって、第1映像信号が入力される第1接続部と、第2映像信号が入力され、前記表示装置が備える入力装置に関するデータの入力および出力の少なくともいずれかが可能な第2接続部と、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれかを前記表示装置に出力する出力部と、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定する設定部と、前記設定部による設定に従って、前記出力部により映像信号を出力する接続部を選択する出力制御部と、を備え、前記設定部は、前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を前記出力部から出力するよう設定する。
【0006】
また、本発明は、前記設定部は、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した履歴、及び、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した履歴に基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する構成であってもよい。
【0007】
また、本発明は、前記設定部は、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間、及び、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間をカウントし、出力時間の長さに基づき、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択の設定を変更する構成であってもよい。
【0008】
また、本発明は、前記第1接続部に接続される第1外部装置、及び、前記第2接続部に接続される第2外部装置を検出する検出部を備え、前記設定部は、前記第1映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間を前記第1外部装置に対応付けてカウントし、前記第2映像信号を前記出力部により前記表示装置に出力した出力時間を前記第2外部装置に対応付けてカウントする構成であってもよい。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明は、頭部装着型の表示装置であって、頭部装着型の表示装置であって、画像を表示する画像表示部と、第1映像信号が入力される第1接続部と、第2映像信号が入力され、前記画像表示部が備える入力装置に関するデータの入力および出力の少なくともいずれかが可能な第2接続部と、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれかに基づく映像を前記画像表示部により表示する出力制御部と、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定する設定部と、を備え、前記出力制御部は、前記設定部による設定に従って前記第1接続部及び前記第2接続部のいずれかを選択して、前記画像表示部により映像を表示し、前記設定部は、前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を選択するよう設定する。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明は、頭部装着型の表示装置に接続され、第1映像信号が入力される第1接続部と、第2映像信号が入力され、前記表示装置が備える入力装置に関するデータの入力および出力の少なくともいずれかが可能な第2接続部と、映像信号を前記表示装置に出力する出力部とを備える接続装置の制御方法であって前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定し、設定に従って、前記出力部により映像信号を出力する接続部を選択し、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれかを選択して、前記出力部から前記表示装置に出力し、前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を前記出力部から出力するよう設定する。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本発明は、画像を表示する画像表示部と、第1映像信号が入力される第1接続部と、第2映像信号が入力され、前記画像表示部が備える入力装置に関するデータの入力および出力の少なくともいずれかが可能な第2接続部と、を備える頭部装着型の表示装置の制御方法であって、前記第1映像信号と前記第2映像信号との選択を設定し、設定に従って、前記第1接続部及び前記第2接続部のいずれかを選択し、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号、及び、前記第2接続部に入力される前記第2映像信号のいずれか選択された映像信号に基づく映像を前記画像表示部により表示し、前記第1接続部及び前記第2接続部の両方に映像信号が入力されている場合に、前記第1接続部に入力される前記第1映像信号を選択するよう設定する。
【0012】
本発明は、上述した接続装置、表示装置、接続装置の制御方法、及び、表示装置の接続方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、上記の表示方法をコンピューターにより実行するためのプログラムとして実現してもよい。また、上記プログラムを記録した記録媒体、上記プログラムを配信するサーバー装置、上記プログラムを伝送する伝送媒体、上記プログラムを搬送波内に具現化したデータ信号等の形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の表示システムの概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[1.第1実施形態]
[1-1.表示システムの構成]
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る表示システム1の概略構成を示す図である。
表示システム1は、頭部装着型の表示装置であるHMD100を備える。HMDは、Head Mounted Displayの略である。HMD100は、使用者の頭部に装着される映像表示部20と、接続装置10とを備え、映像表示部20により、使用者の頭部に装着された状態で使用者に虚像を視認させる装置である。映像表示部20は、本発明の表示装置に相当する。以下の説明において、使用者は、HMD100を装着して使用するユーザーを指す。
【0015】
接続装置10は、箱形のケースに、コネクター11A、11B、11C、11Dを備え、コネクター11Aに映像表示部20が表示部接続ケーブル40を介して接続される。以下、コネクター11A、11B、11C、11Dを区別しない場合はコネクター11と表記する。接続装置10のケースは、筐体、或いは本体ということもできる。
【0016】
表示システム1は、HMD100に外部装置を接続して構成されるシステムである。コネクター11B、11C、11Dは、HMD100の外部装置が接続されるインターフェイスである。HMD100に接続される外部装置の種類は限定されないが、本実施形態では、コネクター11BにPC300が接続され、右表示部22に映像出力装置400が接続され、コネクター11Dに電源装置500が接続される例を示す。PCはPersonal Computerの略である。PC300、及び映像出力装置400は、情報処理装置ということができる。なお、PC300及び映像出力装置400は外部装置の一例に過ぎない。例えば、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC、スマートフォン等を第1外部装置及び/または第2外部装置として接続装置10に接続可能である。また、表示装置や入力装置が外部接続されるスティック型PCを、第1外部装置及び/または第2外部装置として接続装置10に接続してもよい。
【0017】
コネクター11は、通信ケーブルを接続する有線インターフェイスであり、この通信ケーブルにより、接続装置10は外部の装置と接続される。コネクター11Aは、表示部接続ケーブル40を接続する端子、及び、コネクター11Aを介して信号を送受信するインターフェイス回路を備える。コネクター11Bも同様に、ケーブルを接続する端子と、コネクター11Bを介して信号を送受信するインターフェイス回路とを備える。コネクター11C、11Dも同様である。
【0018】
ここで、コネクター11Bは、第2接続部に相当し、コネクター11Cは第1接続部に相当する。コネクター11Bは、映像信号301が入力され、センサーデータ302の出力が可能なインターフェイスであるが、センサーデータ302を実際に出力するかどうかは、コネクター11Bに接続される装置により異なる。つまり、コネクター11Bは、センサーデータ302を出力可能であるために第2接続部に相当し、実際にセンサーデータ302を出力しない状態であっても第2接続部に相当する。コネクター11Aは表示装置接続部ということができ、コネクター11Dは電源接続部ということができる。
【0019】
コネクター11Aは、接続装置10に映像表示部20を接続するために設けられる。表示部接続ケーブル40は、接続装置10から映像表示部20に対する電源供給を行うとともに、映像表示部20と接続装置10とが相互にデータを送受信する機能を有する。
【0020】
コネクター11B、11C、11Dは、例えば、公知の通信インターフェイス規格に準拠するコネクターであり、同一形状のコネクターであってもよく、異なる種類のコネクターであってもよい。
【0021】
本実施形態では、一例として、コネクター11Bは映像データ及び各種データの入出力に対応するインターフェイスであり、第1接続ケーブル42を介してPC300が接続される。コネクター11Cは、映像データの入出力に対応するインターフェイスであり、第2接続ケーブル44を介して映像出力装置400が接続される。コネクター11Dは、少なくとも接続装置10に対する電源供給に対応するインターフェイスであり、第3接続ケーブル46を介して電源装置500が接続される。
【0022】
コネクター11Bとして、例えば、USB-TypeC規格のコネクターを採用することができる。USB-TypeCに対応するインターフェイスは、USB3.1規格に従ったデータの伝送、及び、20ボルト、5アンペア以内の直流電流の供給が可能である。また、USB-TypeCの代替モードの機能として、HDMI規格の映像データ、MHL規格の映像データ等を伝送できる。PC300は、第1接続ケーブル42を介して、電源供給、データの送受信、及び、映像や音声のストリーミングデータの供給等を行うことができる。ここで、USBは、Universal Serial Busの略である。MHLはMobile High-definition Linkの略であり、HDMIはHigh Definition Multimedia Interfaceの略である。USB-TypeCの代替モードは、Alternativeモードとして知られている。HDMIは登録商標である。
【0023】
コネクター11Cとして、例えば、HDMI規格に準拠したコネクターを採用できる。また、コネクター11Dは、USB-TypeC規格のコネクターや、MicroUSBコネクターを採用することができる。コネクター11Dとしてデータの伝送と電源供給とが可能なインターフェイス規格のコネクターを採用し、接続装置10が、コネクター11Dにより電源供給のみを行う構成とすることもできる。
【0024】
図1に示す例では、コネクター11Cには、映像や音声のストリーミングデータを第2接続ケーブル44により出力する映像出力装置400が接続される。映像出力装置400は、CDやDVD等のディスク型記録媒体等に記録されたコンテンツデータを再生する装置である。また、コネクター11Dには、第3接続ケーブル46を介して、5ボルトの直流電源を出力する電源装置500が接続され、接続装置10はコネクター11Dにより電源供給を受ける。この構成例では、映像出力装置400は第1外部装置に相当し、PC300は第2外部装置に相当する。
【0025】
映像表示部20は、本実施形態では眼鏡形状を有する。映像表示部20は、右保持部21と、左保持部23と、前部フレーム27とを有する本体に、右表示部22、左表示部24、右導光板26、及び左導光板28を備える。
右表示部22および左表示部24は、本発明の画像表示部を構成する。すなわち、右表示部22と左表示部24のいずれか一方のみを画像表示部としてもよいし、右表示部22と左表示部24の組合せを、画像表示部に相当する構成とすることもできる。
【0026】
右保持部21及び左保持部23は、前部フレーム27の両端部から後方に延び、使用者の頭部Uに映像表示部20を保持する。前部フレーム27の両端部のうち映像表示部20の装着時に頭部Uの右側に位置する端部を端部ERとし、左側に位置する端部を端部ELとする。右保持部21は、前部フレーム27の端部ERから、映像表示部20装着状態において使用者の右側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。左保持部23は、端部ELから、映像表示部20の装着状態において使用者の左側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。
【0027】
右導光板26及び左導光板28は、前部フレーム27に設けられる。右導光板26は、映像表示部20の装着状態において使用者の右眼の眼前に位置し、右眼に画像を視認させる。左導光板28は、映像表示部20の装着状態において使用者の左眼の眼前に位置し、左眼に画像を視認させる。
【0028】
前部フレーム27は、右導光板26の一端と左導光板28の一端とを互いに連結した形状を有し、この連結位置は、使用者が映像表示部20を装着する装着状態で、使用者の眉間に対応する。前部フレーム27は、右導光板26と左導光板28との連結位置において、映像表示部20の装着状態で使用者の鼻に当接する鼻当て部を設けてもよい。この場合、鼻当て部と右保持部21及び左保持部23とにより映像表示部20を使用者の頭部に保持できる。また、右保持部21及び左保持部23に、映像表示部20の装着状態において使用者の後頭部に接する、ベルトを連結してもよく、この場合、ベルトによって映像表示部20を使用者の頭部に保持できる。
【0029】
右表示部22及び左表示部24は、それぞれ、光学ユニット及び周辺回路をユニット化したモジュールである。
右表示部22は、右導光板26による画像の表示に係るユニットであり、右保持部21に設けられ、装着状態において使用者の右側頭部の近傍に位置する。左表示部24は、左導光板28による画像の表示に係るユニットであり、左保持部23に設けられ、装着状態において使用者の左側頭部の近傍に位置する。なお、右表示部22及び左表示部24を総称して単に「表示駆動部」と呼ぶこともできる。
【0030】
右導光板26及び左導光板28は、光透過性の樹脂等によって形成される光学部であり、右表示部22及び左表示部24が出力する画像光を、使用者の眼に導く。右導光板26及び左導光板28は、例えばプリズムである。
【0031】
右導光板26及び左導光板28の表面に、調光板を設けてもよい。調光板は、光の波長域により透過率が異なる薄板上の光学素子であり、いわゆる波長フィルターとして機能する。調光板は、例えば、使用者の眼の側とは反対の側である前部フレーム27の表側を覆うように配置される。この調光板の光学特性を適宜選択することによって、可視光、赤外光及び紫外光等の任意の波長域の光の透過率を調整することができ、外部から右導光板26及び左導光板28に入射し、右導光板26及び左導光板28を透過する外光の光量を調整できる。
【0032】
HMD100はシースルー型の表示装置であり、使用者の右眼には、右導光板26により導かれた画像光と、右導光板26を透過した外光とが入射する。同様に、左眼には、左導光板28により導かれた画像光と、左導光板28を透過した外光とが入射する。このように、HMD100は、内部で処理した画像に対応する画像光と外光とを重ねて使用者の眼に入射させ、使用者にとっては、右導光板26及び左導光板28を透かして外景が見え、この外景に重ねて、画像光による画像が視認される。
【0033】
映像表示部20の前部フレーム27には、照度センサー65が配置される。照度センサー65は、映像表示部20を装着する使用者の前方からの外光を受光する。
カメラ61は、映像表示部20の前部フレーム27に配設される。カメラ61の撮像範囲及び撮像方向については後述する。カメラ61は、右導光板26及び左導光板28を透過する外光を遮らない位置に設けられる。
図1の例では、カメラ61が前部フレーム27の端部ER側に配置されているが、端部EL側に配置されてもよく、右導光板26と左導光板28との連結部に配置されてもよい。
【0034】
前部フレーム27にはカメラ61が配設される。カメラ61は、右導光板26及び左導光板28を透過する外光を遮らない位置に設けられる。
図1の例では、カメラ61が前部フレーム27の端部ER側に配置されているが、端部EL側に配置されてもよく、右導光板26と左導光板28との連結部に配置されてもよい。
【0035】
カメラ61は、CCDやCMOS等の撮像素子及び撮像レンズ等を備えるデジタルカメラであり、本実施形態のカメラ61は単眼カメラであるが、ステレオカメラで構成してもよい。カメラ61は、HMD100を装着した状態における使用者の視界方向の少なくとも一部の外景を撮像し、カメラ61の画角は、使用者の正面方向を向き、使用者が映像表示部20を透過して視認する外景と重複する。外景とは、使用者が肉眼により知覚する外部の実空間をいう。カメラ61の画角の広さは適宜設定可能である。
【0036】
前部フレーム27には、LEDインジケーター67が配置される。LEDインジケーター67は、端部ERにおいてカメラ61の近傍に配置され、カメラ61の動作中に点灯して、撮像中であることを報知する。
【0037】
前部フレーム27には、距離センサー64が設けられる。距離センサー64は、予め設定された測定方向に位置する測定対象物までの距離を検出する。距離センサー64は、例えば、LEDやレーザーダイオード等の光源と、光源が発する光が測定対象物に反射する反射光を受光する受光部とを有する光反射式距離センサーであってもよい。また、距離センサー64は、超音波を発する音源と、測定対象物で反射する超音波を受信する検出部とを備える超音波式の距離センサーであってもよい。また、距離センサー64は、レーザーレンジスキャナーを用いてもよく、この場合、映像表示部20の前方を含む広範囲の領域に対し測域を行える。
【0038】
映像表示部20の右表示部22及び左表示部24は、それぞれ、接続装置10に接続される。HMD100では、左保持部23に表示部接続ケーブル40が接続され、この表示部接続ケーブル40に繋がる配線が映像表示部20内部に敷設され、右表示部22と左表示部24のそれぞれが接続装置10に接続される。
【0039】
接続ケーブル40は、オーディオコネクター36を備え、ステレオヘッドホンを構成する右イヤホン32及び左イヤホン34と、マイク63とを有するヘッドセット30が、オーディオコネクター36に接続される。右イヤホン32は、使用者の右耳に装着され、左イヤホン34は、使用者の左耳に装着される。右イヤホン32及び左イヤホン34は、音声出力部ということもできる。
【0040】
右イヤホン32及び左イヤホン34は、接続装置10が出力する音声信号に基づき音声を出力する。
マイク63は、音声を集音して、音声信号を接続装置10に出力する。マイク63は、例えばモノラルマイクであってもステレオマイクであってもよく、指向性を有するマイクであってもよいし、無指向性のマイクであってもよい。
【0041】
接続装置10は、使用者により操作される被操作部として、電源ボタン12、輝度調整ボタン13、14、及び、音量調整ボタン15、16を備える。これらの被操作部は接続装置10の本体の表面に配置され、例えば、使用者の手指により操作される。
【0042】
電源ボタン12は、HMD100の電源のオン/オフを指示するボタンである。輝度調整ボタン13、14は映像表示部20により表示する映像の表示輝度を調整するためのボタンである。輝度調整ボタン13は輝度の増大を指示し、輝度調整ボタン14は輝度の低減を指示する。音量調整ボタン15、16は、右イヤホン32及び左イヤホン34から出力される音声の音量を調整するためのボタンである。音量調整ボタン15は音量の増大を指示し、音量調整ボタン16は音量の低減を指示する。
【0043】
また、接続装置10は、HMD100の動作状態を表示するインジケーター17を備える。インジケーター17は、例えば、LEDを備え、HMD100の電源がオンの間、赤色に点灯する。ここで、LEDはLight Emitting Diodeの略である。また、インジケーター17は、上述した被操作部に対する操作を受け付けた場合に白色に点灯する。
【0044】
[1-2.表示システムの制御系]
図2は、表示システム1のブロック図であり、HMD100の構成を詳細に示す。
映像表示部20の右表示部22は、右表示部基板210を有する。右表示部基板210には、表示部接続ケーブル40に接続される右I/F部211、右I/F部211を介して接続装置10から入力されるデータを受信する受信部213、及び、EEPROM215が実装される。右I/F部211は、受信部213、EEPROM215、温度センサー217、カメラ61、距離センサー64、照度センサー65、及びLEDインジケーター67を、接続装置10に接続する。受信部213は、OLEDユニット221を接続装置10に接続する。
【0045】
左表示部24は、左表示部基板230を有する。左表示部基板230には、表示部接続ケーブル40に接続される左I/F部231、及び、左I/F部231を介して接続装置10から入力されるデータを受信する受信部233が実装される。また、左表示部基板230には、6軸センサー235、及び、磁気センサー237が実装される。
左I/F部231は、受信部233、6軸センサー235、磁気センサー237、及び温度センサー239を、接続装置10に接続する。受信部233は、OLEDユニット241を接続装置10に接続する。
【0046】
I/Fはインターフェイスの略である。EEPROMはElectrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略である。OLEDは、Organic Light Emitting Diodeの略である。また、以下において受信部213、及び、受信部233を、それぞれRx213、Rx233と表記する。
【0047】
EEPROM215は、各種のデータを不揮発的に記憶する。EEPROM215は、例えば、映像表示部20が備えるOLEDユニット221、241の発光特性や表示特性に関するデータ、右表示部22または左表示部24が備えるセンサーの特性に関するデータなどを記憶する。具体的には、OLEDユニット221、241のガンマ補正に係るパラメーター、温度センサー217、239の検出値を補償するデータ等を記憶する。これらのデータは、HMD100の工場出荷時の検査によって生成され、EEPROM215に書き込まれる。EEPROM215が記憶するデータは、制御部120により読取り可能である。
【0048】
カメラ61は、右I/F部211を介して入力される信号に従って撮像を実行し、撮像画像データを、右I/F部211に出力する。照度センサー65は、外光を受光し、受光量または受光強度に対応する検出値を出力する。LEDインジケーター67は、右I/F部211を介して入力される制御信号または駆動電流に従って点灯する。
温度センサー217は、OLEDユニット221の温度を検出し、検出温度に対応する電圧値あるいは抵抗値を、検出値として出力する。
【0049】
距離センサー64は、距離検出を実行し、検出結果を示す信号を、右I/F部211を介して接続装置10に出力する。距離センサー64は、例えば、赤外線式深度センサー、超音波式距離センサー、Time Of Flight式距離センサー、画像検出と音声検出とを組み合わせた距離検出ユニット等を用いることができる。また、ステレオカメラや単眼カメラによるステレオ撮影で得られる画像を処理して距離を検出する構成であってもよい。
【0050】
受信部213は、右I/F部211を介して接続装置10から伝送される表示用の映像データを受信し、OLEDユニット221に出力する。OLEDユニット221は、接続装置10が伝送する映像データに基づく映像を表示する。
また、受信部233は、左I/F部231を介して接続装置10から伝送される表示用の映像データを受信し、OLEDユニット241に出力する。OLEDユニット221、241は、接続装置10が伝送する映像データに基づく映像を表示する。
【0051】
6軸センサー235は、3軸加速度センサー、及び、3軸ジャイロセンサーを備えるモーションセンサーである。6軸センサー235は、上記のセンサーがモジュール化されたIMUを採用してもよい。磁気センサー237は、例えば、3軸の地磁気センサーである。ジャイロセンサーは、角速度センサーとも呼ばれる。モーションセンサーは、完成センサーと言い換えることができる。IMUは、Inertial Measurement Unitの略である。
【0052】
温度センサー239は、OLEDユニット241の温度を検出し、検出温度に対応する電圧値あるいは抵抗値を、検出値として出力する。
【0053】
映像表示部20の各部は、表示部接続ケーブル40により接続装置10から供給される電力により動作する。
【0054】
映像表示部20は、右表示部22に電源部229を備え、左表示部24に電源部249を備える。電源部229は、接続装置10が表示部接続ケーブル40を介して供給する電力を、右表示部基板210を含む右表示部22の各部に分配し、供給する。同様に、電源部249は、接続装置10が表示部接続ケーブル40を介して供給する電力を、左表示部基板230を含む左表示部24の各部に分配し、供給する。右表示部22及び左表示部24は、電圧を変換する変換回路等を備えてもよい。
【0055】
接続装置10は、I/F部110、制御部120、センサー制御部122、表示制御部124、電源制御部126、不揮発性記憶部130、操作部140、接続部145、及び、音声処理部147を備える。
【0056】
I/F部110は、コネクター11B、11C、11Dを備える。また、I/F部110は、コネクター11B、11C、11Dに接続されて、各種通信規格に準拠した通信プロトコルを実行するインターフェイス回路を備える。
【0057】
I/F部110は、例えば、コネクター11B、11C、11D及びインターフェイス回路を実装したインターフェイス基板であってもよい。また、接続装置10の制御部120やセンサー制御部122、表示制御部124、電源制御部126が、図示しない接続装置メイン基板に実装される構成としてもよい。この場合、接続装置メイン基板にI/F部110のコネクター11B、11C、11D及びインターフェイス回路を実装してもよい。
また、I/F部110は、例えば、外部の記憶装置や記憶媒体を接続可能なメモリーカード用インターフェイス等を備えてもよいし、I/F部110を無線通信インターフェイスで構成してもよい。
【0058】
制御部120は、接続装置10の各部を制御する。制御部120は、後述するプロセッサー150(
図3)によりプログラムを実行して、ソフトウェアとハードウェアとの協働によりHMD100の各部を制御する。制御部120には、不揮発性記憶部130、操作部140、接続部145、及び音声処理部147が接続される。
【0059】
センサー制御部122は、カメラ61、距離センサー64、照度センサー65、温度センサー217、6軸センサー235、磁気センサー237、及び、温度センサー239を制御する。具体的には、センサー制御部122は、制御部120の制御に従って各センサーのサンプリング周期の設定及び初期化を行い、各センサーのサンプリング周期に合わせて、各センサーへの通電、制御データの送信、検出値の取得等を実行する。
【0060】
センサー制御部122が検出値を取得する各センサー、及び、カメラ61の少なくとも一部は、本発明の入力装置に相当する。入力装置は、距離センサー64、照度センサー65、温度センサー217、6軸センサー235、磁気センサー237、及び、温度センサー239から選択可能である。この場合、センサーデータ302は、距離センサー64、照度センサー65、温度センサー217、6軸センサー235、磁気センサー237、及び、温度センサー239のいずれかの検出値に関するデータを含む。また、カメラ61を入力装置とし、入力装置に関するデータとして出力されるセンサーデータ302に、カメラ61の撮像画像データを含めてもよい。
【0061】
センサー制御部122は、I/F部110のコネクター11Bに接続され、予め設定されたタイミングで、各センサーから取得した検出値に関するデータをコネクター11Bに出力する。コネクター11Bに接続された装置は、HMD100の各センサーの検出値や、カメラ61の撮像画像データを取得できる。本実施形態では、センサー制御部122により、各センサーの検出値およびカメラ61の撮像画像データが、PC300に出力される。センサー制御部122が出力するデータは、検出値を含むデジタルデータであってもよい。また、センサー制御部122は、各センサーの検出値をもとに演算処理した結果のデータを出力してもよい。例えば、センサー制御部122は、複数のセンサーの検出値を統合的に処理し、いわゆるセンサーフュージョン処理部として機能する。センサーフュージョンを実行することにより、センサー制御部122は、センサーの検出値から求めたデータ、例えば、映像表示部20の動きの軌跡データや、映像表示部20の相対座標データ等を出力する。センサー制御部122は、コネクター11Bに接続された装置との間で、データの伝送に関する各種制御データを送受信する機能を有していてもよい。
図2の構成では、センサー制御部122は、コネクター11BからPC300にセンサーデータ302を出力する。センサーデータ302は、映像表示部20が備える各センサーの検出値、及び/または、カメラ61の撮像画像データを含む。
【0062】
表示制御部124は、I/F部110に入力される画像データや映像データに基づく画像を映像表示部20により表示するための各種処理を実行する。
図2の構成では、コネクター11Bに、PC300が出力する映像信号301が入力され、コネクター11Cに、映像出力装置400が出力する映像信号401が入力される。映像信号301、401は、デジタル映像データであるが、アナログ映像信号であってもよい。例えば、表示制御部124は、フレームの切り出し、解像度変換、中間フレーム生成、フレームレート変換等の各種処理を実行する。解像度変換は、いわゆるスケーリングを含む。表示制御部124は、OLEDユニット221、及び、OLEDユニット241の各々に対応する画像データを接続部145に出力する。接続部145に入力された画像データは、コネクター11Aから、映像信号201として右I/F部211及び左I/F部231に伝送される。映像信号201は、OLEDユニット221及びOLEDユニット241の各々に対応して処理されたデジタル映像データである。
【0063】
表示制御部124は、例えば、I/F部110に入力された映像データが3D映像データである場合に、3D映像デコードを実行する。3D映像は、広義の立体映像を含む。3D映像デコードの処理において、表示制御部124は、3D映像データから右眼用のフレームと左眼用のフレームとを生成する。I/F部110に入力される3D映像データの形式は、例えば、サイドバイサイド形式、トップアンドボトム形式、フレームパッキング形式等が挙げられるが、3Dモデルデータであってもよい。
【0064】
表示制御部124は、コネクター11B、及び、コネクター11Cに接続される。表示制御部124は、コネクター11Bに入力される映像データ、及び、コネクター11Cに入力される映像データを対象として、処理を実行する。また、表示制御部124は、コネクター11B、またはコネクター11Cに接続された装置との間で、映像データの伝送に関する各種制御データを送受信する機能を有していてもよい。
【0065】
本実施形態では、コネクター11BがUSB-TypeCコネクターで構成される。表示制御部124は、コネクター11Bを介して、USB-TypeCの代替モードで伝送される映像データを受信する。コネクター11Cは、例えば、HDMIインターフェイスであり、表示制御部124はコネクター11Cに入力されるHDMI形式の映像データを受信する。
【0066】
ここで、接続装置10に対し、映像表示部20により表示する映像信号を出力する装置、または、映像表示部20により表示される映像信号を、映像ソースと呼ぶ。例えば、映像出力装置400が出力する映像信号401を映像信号201として出力する場合、映像出力装置400、または、映像信号401を映像ソースと呼ぶ。本実施形態では、装置を映像ソースとする。
【0067】
表示制御部124は、I/F部110に複数の装置から複数の映像信号が入力されている場合に、制御部120が選択する映像ソースから入力される映像信号を、映像表示部20に出力する。本実施形態では、表示制御部124は、PC300から映像信号301が入力され、映像出力装置400から映像信号401が入力されている場合に、制御部120が、映像ソースとしてPC300または映像出力装置400を選択する。表示制御部124は、映像信号301、401のうち、制御部120が選択した映像ソースから入力される映像信号を処理して、接続部145から映像信号201として出力する。表示制御部124は、単独で、或いは、接続部145とともに、本発明の出力部を構成する。映像信号201は。映像信号301または映像信号401を表示制御部124が処理した信号であるが、映像信号301または映像信号401の映像を表示するための映像信号である。従って、映像信号201は、映像信号301と映像信号401のうち表示制御部124が選択した信号であるということができる。
【0068】
センサー制御部122、及び/または表示制御部124は、プロセッサーがプログラムを実行することにより、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されてもよい。すなわち、センサー制御部122及び表示制御部124は、プロセッサーにより構成され、プログラムを実行することで上記の動作を実行する。この例で、センサー制御部122及び表示制御部124は、制御部120を構成するプロセッサーがプログラムを実行することで実現されてもよい。言い換えれば、プロセッサーがプログラムを実行することで、制御部120、表示制御部124、及びセンサー制御部122として機能してもよい。ここで、プロセッサーは、コンピューターと言い換えることができる。
【0069】
また、表示制御部124、及び、センサー制御部122は、DSPやFPGA等、プログラムされたハードウェアにより構成されてもよい。また、センサー制御部122及び表示制御部124を統合して、SoC-FPGAとして構成してもよい。DSPはDigital Signal Processorの略であり、FPGAはField Programmable Gate Arrayの略であり、SoCはSystem-on-a-Chipの略である。
【0070】
電源制御部126は、コネクター11C及びコネクター11Dに接続される。電源制御部126は、コネクター11C、11Dから供給される電力に基づき、接続装置10の各部および映像表示部20に対する電源供給を行う。また、電源制御部126は、図示しない電圧変換回路を備え、電圧を変換して接続装置10及び映像表示部20の各部に供給する構成であってもよい。電源制御部126は、ロジック回路や、FPGA等のプログラムされた半導体デバイスで構成されてもよい。また、電源制御部126をセンサー制御部122、及び/または表示制御部124と共通のハードウェアで構成してもよい。
【0071】
センサー制御部122、表示制御部124及び電源制御部126は、データ処理を行うためのワークメモリーを具備してもよく、制御部120のメモリー160(
図3)を利用して処理を行ってもよい。
【0072】
操作部140は、接続装置10が備える被操作部に対する操作を検出し、操作内容を示すデータ、または、操作された被操作部を示す操作信号を制御部120に出力する。
【0073】
音声処理部147は、制御部120から入力される音声データに従って、音声信号を生成し、接続部145に出力する。この音声信号は接続部145からオーディオコネクター36を介して右イヤホン32及び左イヤホン34に出力される。また、音声処理部147は、制御部120の制御に従って、音声信号のボリュームを調整する。また、音声処理部147は、マイク63が集音した音声の音声データを生成し、制御部120に出力する。この音声データは、制御部120により、映像表示部20が備えるセンサーの検出値と同様に処理されてもよい。
【0074】
また、接続装置10は図示しないバッテリーを備え、このバッテリーから接続装置10及び映像表示部20の各部に電力を供給する構成であってもよい。接続装置10が備えるバッテリーは、充電可能な二次電池であってもよい。
【0075】
図3は、HMD100の制御系の機能ブロック図であり、制御部120、及び、不揮発性記憶部130の機能的構成を詳細に示す。
制御部120は、プロセッサー150、及び、メモリー160を備える。プロセッサー150は、CPUやマイコン等で構成され、プログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働によりHMD100の各部を制御する。プロセッサー150は、DSPやFPGA等のプログラムされたハードウェアであってもよい。
【0076】
メモリー160は、プロセッサー150のワークエリアを形成するRAM、制御プログラムを記憶するROM等で構成される。また、制御部120は、プロセッサー150、及びメモリー160を統合した半導体デバイスであってもよい。CPUはCentral Processing Unitの略であり、RAMはRandom Access Memoryの略であり、ROMはRead Only Memoryの略である。
【0077】
不揮発性記憶部130は、制御部120が処理するデータ等を不揮発的に記憶する記憶装置である。不揮発性記憶部130は、例えば、HDD等の磁気的記録装置、或いは、フラッシュメモリー等の半導体記憶素子を用いた記憶装置である。HDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0078】
不揮発性記憶部130は、プロセッサー150により実行される制御プログラム131を記憶する。また、不揮発性記憶部130は、プロセッサー150が処理するデータとして、設定データ132、映像制御用データ133、センサーデータ134を記憶する。映像制御用データ133は、本発明の表示条件に相当し、不揮発性記憶部130は記憶部に相当する。
【0079】
プロセッサー150は、プログラムを実行することにより、基本制御部151、接続検出部152、設定部153、電源供給制御部154、映像出力制御部155、及び、センサーデータ制御部156を構成する。
【0080】
基本制御部151は、HMD100の各部を制御する制御部であり、いわゆるオペレーティングシステムの機能を実行する。また、基本制御部151は、オペレーティングシステム上で動作するアプリケーションプログラムの機能を実行してもよい。制御部120がオペレーティングシステムを実行する構成は一態様に過ぎず、プロセッサー150が、プログラムされたハードウェアであり、オペレーティングシステムを用いない構成に、本発明を適用することも勿論可能である。
【0081】
基本制御部151は、操作部140により検出された操作内容を判定する。また、基本制御部151は、音声データを音声処理部147に出力し、この音声データに基づく音声信号を右イヤホン32及び左イヤホン34に出力させる。また、基本制御部151は、操作部140により検出された操作に基づき、音声処理部147が出力する音声信号のボリュームを調整する。
【0082】
基本制御部151は、LEDインジケーター67への通電開始及び停止を制御する。例えば、カメラ61が撮像を開始及び終了するタイミングに合わせて、LEDインジケーター67を点灯または点滅させる。
【0083】
接続検出部152は、センサー制御部122、表示制御部124、電源制御部126、及び、接続部145を制御して、コネクター11A、11B、11C、11Dの接続状態を検出する。接続検出部152は、コネクター11Aに映像表示部20が接続されているか否かを判定する。また、接続検出部152は、コネクター11B、11C、11Dに対する外部装置の接続の有無と、接続された外部装置の判定を行う。接続検出部152は、センサー制御部122、表示制御部124及び電源制御部126がI/F部110を介して接続された各装置に適した動作を実行するように、センサー制御部122、表示制御部124及び電源制御部126を制御する。接続検出部152は、本発明の検出部に相当する。
【0084】
本実施形態では、I/F部110が、有線接続されるコネクター11A、11B、11C、11Dを備える構成を例示する。この構成において、接続検出部152は、コネクター11A、11B、11C、11Dに、各コネクターに適合するケーブルが接続されたことを検出してもよい。或いは、接続検出部152は、コネクター11A、11B、11C、11Dに対し、ケーブルを介して外部装置や映像表示部20が接続されたことを検出してもよい。或いは、接続検出部152は、コネクター11B、11C、11Dに関して、ケーブルを介して外部装置から映像信号や電源が供給されていることを検出してもよい。また、接続検出部152は、コネクター11A、11B、11C、11Dにケーブルに接続された状態と、ケーブルを介して外部装置やコネクター11Aが接続された状態と、ケーブルを介して映像や電源が供給される状態とを区別して検出してもよい。
【0085】
設定部153は、接続装置10が備える被操作部の操作に従って、設定データ132、及び、映像制御用データ133を生成、及び、更新する。
【0086】
電源供給制御部154は、電源制御部126から接続装置10の各部、及び、接続部145に対する電源供給を制御する。詳細には、電源供給制御部154は、電源制御部126がコネクター11B或いはコネクター11Dから電源供給を受けた場合に、供給される電源に基づき、接続装置10の各部に対する電源供給を実行し、さらに、電源部229、249への電源供給を実行させる。また、電源供給制御部154は、電源制御部126に対する電源供給状態を監視し、接続装置10の動作状態を制御する。
【0087】
また、電源供給制御部154は、HMD100の動作モードを制御する。HMD100の動作モードは、少なくとも、映像を表示可能な通常動作モード、及び、省電力モードを含む。通常動作モードは、HMD100の各部への電源が供給され、各部が動作を実行可能な動作モードである。これに対し、省電力モードは、通常動作モードよりもHMD100の消費電力が小さい。
【0088】
電源供給制御部154は、操作部140に対する操作や、映像表示部20のセンサーの検出状態に基づいて、映像表示部20の動作に関して予め設定された条件が成立したか否かを判定する。電源供給制御部154は、設定された条件が成立した場合に、通常動作モードから省電力モードへの移行、及び、省電力モードから通常動作モードへの移行を実行する。
【0089】
例えば、電源供給制御部154は、通常動作モードにおいて、操作部140に対する操作がない状態、及び、映像表示部20のセンサーの検出値が設定された閾値以下の状態が、設定された時間以上継続した場合に、省電力モードに移行する。また、省電力モードにおいて、操作部140に対する操作が行われた場合に通常動作モードに移行する。また、省電力モードにおいて、映像表示部20のセンサーの検出値が設定された閾値を超えた場合に通常動作モードに移行する。
【0090】
省電力モードでは、OLEDユニット221、241を含む各部の電源がオフにされ、映像表示部20が備える各センサーの検出値のサンプリング周波数が、通常動作モードより低周期に設定される。また、省電力モードでは、インジケーター17及び音声処理部147を含む各部への電源供給が停止される。これらの各部は、通常動作モードでは電源供給がなされ、電源がオンの状態となる。
【0091】
映像出力制御部155は、EEPROM215からデータを読み出し、読み出したデータに基づいて、センサー制御部122及び表示制御部124の動作を設定する。映像出力制御部155は、表示制御部124が受信した映像データに基づく映像信号を生成し、接続部145に出力する。また、映像出力制御部155は、表示制御部124が受信した映像データが、音声データを伴う場合、この音声データを音声処理部147に出力する。
【0092】
映像出力制御部155は、I/F部110が備えるコネクター11B、11Cに、複数の外部装置が接続されている場合に、映像表示部20により表示する映像を切り換える。映像出力制御部155は、コネクター11B、11Cに接続された複数の外部装置のいずれかを、映像ソースとして選択し、選択した外部装置が供給する映像データに基づく映像を映像表示部20に表示させる。映像出力制御部155は、本発明の出力制御部に相当する。
【0093】
映像出力制御部155は、操作部140が検出する操作や、映像表示部20のセンサーの検出値に基づき、映像ソースを切り替える。
また、映像出力制御部155は、接続検出部152が、I/F部110の複数のコネクター11に、映像信号を出力する装置が接続され、複数の映像信号が入力されていることを検出した場合に、いずれかの装置を映像ソースとして選択する。ここで、映像出力制御部155は、映像制御用データ133を参照し、映像制御用データ133が指定する装置を映像ソースとする。
【0094】
また、映像出力制御部155は、外部装置からI/F部110に映像信号が入力されていない場合に、通知映像を生成し、通知映像に基づく映像信号をコネクター11Aから出力させてもよい。具体的には、接続検出部152は、I/F部110に外部装置が接続されていない場合や、I/F部110に接続された外部装置から映像信号が入力されていない場合に、映像がないことを示す通知映像の映像信号を接続検出部152から出力させる。通知映像は、例えば、「No Signal」などの文字列や画像などで構成され、使用者に映像信号がないことを通知する映像である。映像出力制御部155は、不揮発性記憶部130に記憶された通知映像のデータまたは映像出力制御部155が生成するデータに基づき、通知映像の映像信号を、接続部145から出力させる。
【0095】
センサーデータ制御部156は、センサー制御部122によるデータの出力を制御する。センサーデータ制御部156は、センサー制御部122により、映像表示部20が備える各センサーのデータや、カメラ61の撮像画像データを取得させる。センサーデータ制御部156は、I/F部110においてセンサー制御部122に接続されたコネクターを介して、映像表示部20が備える各センサーのデータや、カメラ61の撮像画像データを出力させる。また、センサーデータ制御部156は、センサー制御部122が外部装置から、センサーのデータを要求する制御データを受信した場合に、受信した要求に対し応答し、センサー制御部122による出力を制御する。
【0096】
制御部120は、電源ボタン12(
図1)の操作によりHMD100の電源がオンに切り換えられた場合、或いは、接続検出部152が外部装置からの電源供給の開始を検出した場合に、HMD100の起動制御を実行する。HMD100の起動制御は、接続検出部152の検出状態に基づいて、映像出力制御部155が実行する。
【0097】
不揮発性記憶部130が記憶する制御プログラム131は、プロセッサー150によって実行されるプログラムである。制御プログラム131は、基本制御部151、接続検出部152、設定部153、電源供給制御部154、映像出力制御部155、及び、センサーデータ制御部156の機能に相当する。
【0098】
設定データ132は、HMD100の動作に関する各種設定内容を含むデータである。映像制御用データ133は、接続装置10に対し複数の装置から複数の映像信号が入力されている場合に、映像ソースとして選択する装置を指定する情報を含む。この情報は、I/F部110に接続される装置を指定する情報であってもよい。具体的には、PC300及び映像出力装置400の種類を示す情報であってもよいし、PC300及び映像出力装置400の個体を識別する情報であってもよく、I/F部110のコネクター11B、11Cを識別する情報であってもよい。PC300や映像出力装置400の種類を示す情報は、機種名、ベンダー識別情報、デバイス名等である。PC300及び映像出力装置400の個体を識別する情報は、製造番号やデバイスID等である。
【0099】
映像制御用データ133は、設定部153により設定される。設定部153は、映像ソースとして選択する装置を指定する情報として、デフォルトの情報、すなわち初期値としての情報を設定する。映像制御用データ133の初期値は、映像信号を接続装置10に入力するコネクター11に接続された複数の装置のうち、映像信号用のコネクターであるコネクター11Cに接続された装置を、映像ソースとして指定する。すなわち、I/F部110は、映像信号が入力される第1接続部としてのコネクター11Cと、映像信号の入力とセンサーデータの出力とが可能な第2接続部としてのコネクター11Bとを備える。設定部153は、映像信号用のインターフェイスとして設けられたコネクター11Cを、映像ソースの選択において優先されるコネクターとする。そして、映像制御用データ133は、映像信号の入力とセンサーデータの出力とが可能なコネクター11Bを、コネクター11Cよりも優先度の低い映像ソースとして指定する。つまり、映像制御用データ133は、複数のコネクター11について、映像ソースとして選択する優先度、或いは優先順位を指定する情報であってもよい。
【0100】
また、設定部153は、映像表示部20に映像信号201を出力して映像を表示する際に、映像ソースの装置ごとに、映像信号を映像表示部20により表示した時間をカウントする。設定部153は、カウント値に基づき、映像制御用データ133を更新する。
【0101】
具体的には、設定部153は、PC300から入力される映像信号301を、映像信号201として出力した時間を、PC300に対応付けてカウントする。また、設定部153は、映像出力装置400から入力される映像信号401を映像信号201として出力した時間を、映像出力装置400に対応付けてカウントする。設定部153は、PC300と映像出力装置400のうち、カウントされた時間の累積値が大きい装置の優先度が高くなるように、映像ソースとして選択される優先度を映像制御用データ133に設定し、映像制御用データ133を更新する。
設定部153がカウントする時間を、映像出力時間と呼ぶ。映像出力時間は、本発明の出力時間に相当する。
【0102】
設定部153がカウントする時間は、例えば、実時間とすることができる。すなわち、本実施形態では、設定部153は、プロセッサー150が有するRTC(Real Time Clock)が計時する時刻に基づき、映像出力時間を、例えば秒単位でカウントする。RTCは、時刻データやタイムコードを出力可能である。設定部153は、RTCが出力する時刻データやタイムコードを取得して、秒単位の実時間をカウントする。
また、設定部153がカウントする時間は、後述するように制御部120が実行する処理のループの回数など、実時間以外のカウント値であってもよい。
【0103】
設定部153は、コネクター11に対応付けて映像出力時間をカウントしてもよい。この場合、設定部153は、コネクター11Bを映像ソースとした映像出力時間と、コネクター11Cを映像ソースとした映像出力時間とをそれぞれカウントする。この場合、設定部153は、コネクター11B、11Cのうち、映像出力時間が長い装置の優先度が高くなるように、映像ソースとして選択される優先度を映像制御用データ133に設定し、映像制御用データ133を更新する。
【0104】
また、設定部153は、PC300や映像出力装置400の種類毎に映像出力時間をカウントしてもよいし、PC300や映像出力装置400の個体毎に、映像出力時間をカウントしてもよい。この場合、設定部153は、接続検出部152が検出した装置の各個体のうち、映像出力時間が長い個体の優先度が高くなるように、映像ソースとして選択される優先度を映像制御用データ133に設定し、映像制御用データ133を更新する。
【0105】
設定部153がカウントするコネクター11ごと、PC300や映像出力装置400の種類ごと、或いは、PC300及び映像出力装置400の個体毎の映像出力時間は、HMD100の電源がオフされ、オンされる毎にリセットされてもよい。この場合、HMD100の電源がオンにされる毎に、映像制御用データ133の初期値に従って、映像出力制御部155が映像ソースを選択する。また、HMD100の電源がオン-オフされてもリセットされず、継続して映像出力時間がカウントされてもよい。
【0106】
映像制御用データ133は、設定部153がカウントする映像出力時間を示す情報を含んでもよい。この場合、設定部153は、コネクター11ごと、PC300や映像出力装置400の種類ごと、或いは、PC300及び映像出力装置400の個体毎の映像出力時間を、カウントを行う毎、または所定のタイミングで、映像制御用データ133に記録する。
【0107】
センサーデータ134は、センサーデータ制御部156が、映像表示部20が備える各センサーから取得した検出値や、カメラ61の撮像画像データを含む。センサーデータ制御部156は、センサーの検出値や撮像画像データを、センサーデータ134として一時的に記憶させ、センサー制御部122によりセンサーデータ302として出力する。センサーデータ134は、マイク63により集音した音声の音声データを含んでも良い。
【0108】
図4は、HMD100に接続される装置のブロック図である。
PC300は、制御部310、記憶部320、I/F部331、表示部335、入力部337、及び、通信部339を備える。
【0109】
制御部310は、プロセッサー311、及び、記憶部320を備える。プロセッサー311は、CPUやマイコン等で構成され、プログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働によりPC300の各部を制御する。プロセッサー311は、DSPやFPGA等のプログラムされたハードウェアであってもよい。
【0110】
記憶部320は、プロセッサー311のワークエリアを形成するRAM、制御プログラムを記憶するROM等で構成される。また、制御部310は、プロセッサー311、及び記憶部320を統合した半導体デバイスであってもよい。また、記憶部320は、HDD等の磁気的記録装置、或いは、フラッシュメモリー等の半導体記憶素子を用いた不揮発性記憶装置であってもよい。
【0111】
記憶部320は、プロセッサー311により実行されるプログラムであるオペレーティングシステム321、及び、アプリケーションプログラム322を記憶する。オペレーティングシステムは、図中、OSと表記する。また、記憶部320は、コンテンツデータ323を記憶する。
【0112】
I/F部331は、外部の装置に接続されるインターフェイスであり、本実施形態では第1接続ケーブル42を介して接続装置10に接続される。I/F部331は、例えば、HDMIインターフェイス、USBインターフェイス等の規格に準拠した通信を実行する。I/F部331は、第1接続ケーブル42を接続するコネクター、コネクターを伝送される信号を処理するインターフェイス回路等を備える。
【0113】
表示部335は、液晶表示パネル等の表示画面を備え、プロセッサー311が処理した処理結果等を表示する。
【0114】
入力部337は、キーボードやマウス等の入力デバイス、または、表示部335の表面に敷設されたタッチセンサーによる入力を検出する。
【0115】
通信部339は、外部の装置とデータ通信を実行する通信インターフェイスである。通信部339は、ケーブルを接続可能な有線通信インターフェイスであってもよいし、無線通信インターフェイスであってもよい。
【0116】
プロセッサー311は、オペレーティングシステム321、及び、アプリケーションプログラム322を実行することにより、PC300の各部を制御し、コンテンツデータ323を再生する。プロセッサー311は、コンテンツデータ323に含まれる映像データ、及び、音声データを、I/F部331により接続装置10に出力する。
【0117】
また、プロセッサー311は、第1接続ケーブル42を介して接続装置10と相互にデータ通信を実行する。プロセッサー311は、HMD100が備えるカメラ61の撮像画像データや、距離センサー64、照度センサー65、6軸センサー235、磁気センサー237等の検出値を、接続装置10に対して要求する。プロセッサー311は、例えば、アプリケーションプログラム322の機能により、接続装置10から取得した撮像画像データや検出値に基づき、接続装置10に出力する映像データを編集または生成する。
【0118】
映像出力装置400は、出力装置制御部410、記憶部420、及び、I/F部430を備える。出力装置制御部410は、図示しないプロセッサーを備え、このプロセッサーによりプログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により映像出力装置400の各部を制御する。出力装置制御部410のプロセッサーは、DSPやFPGA等のプログラムされたハードウェアであってもよい。
【0119】
記憶部420は、出力装置制御部410が実行するプログラムや、出力装置制御部410により処理されるデータを記憶する。また、記憶部420は、コンテンツデータ421を記憶する。I/F部430は、外部装置に有線または無線により接続されるインターフェイスであり、本実施形態では第2接続ケーブル44を介して接続装置10に接続される。
【0120】
出力装置制御部410は、記憶部420に記憶されたコンテンツデータ421を再生し、コンテンツデータ421に含まれる映像データ、及び、音声データを、I/F部430により接続装置10に出力する。
【0121】
映像出力装置400は、CDやDVD等の可搬型の記録媒体に記録されたコンテンツデータ421を読み取って再生する装置であってもよい。また、映像出力装置400は、データ通信を実行する通信部を備え、通信部によって外部のサーバーから受信する映像データ及び音声データを、I/F部430により出力してもよい。
【0122】
[1-3.表示システムの動作]
図5、
図6及び
図7は、HMD100の動作を示すフローチャートである。
図5、
図6及び
図7に示す動作において、HMD100には、PC300、映像出力装置400及び電源装置500のうち、少なくとも1以上が接続され、I/F部110に映像データ及び電源が供給されている。
【0123】
HMD100の制御部120は、HMD100の電源をオンにする操作、または、I/F部110への電源供給の開始を検出することにより、HMD100の電源をオンに切り換え、起動制御を開始する(ステップST11)。
【0124】
制御部120は、HMD100の各部の初期化を行い、接続装置10の各部への電源供給を開始する(ステップST12)。制御部120は、接続検出部152により、コネクター11A、及び、I/F部110のコネクター11B、11C、11Dの接続状態を検出する(ステップST13)。また、ステップST13で、接続検出部152により、I/F部110のコネクター11への映像信号の入力状態が検出される。ここで、図示はしないが、制御部120は、映像表示部20が接続されていない場合、映像表示部20が接続されるまで待機する。また、制御部120は、I/F部110に、電源供給を行う装置以外の外部装置が接続されていない場合、外部装置が接続されるまで待機してもよい。
【0125】
制御部120は、I/F部110に複数の映像信号が入力されているか否かを判定する(ステップST14)。接続検出部152が検出した映像信号が複数である場合(ステップST14;YES)、制御部120は、映像制御用データ133を参照する(ステップST15)。制御部120は、映像制御用データ133により指定される映像ソースを選択し(ステップST16)、選択した映像ソースに対応付けて映像出力時間のカウントを開始する(ステップST17)。制御部120は、ステップST16で選択した映像ソースの映像信号を、映像信号201として接続部145から出力する動作を開始させる(ステップST18)。
【0126】
ステップST17では、設定部153が、上記のように実時間のカウントを開始する。具体的には、設定部153は、ステップST17でカウントを開始してからの経過時間をカウントする。この場合、設定部153は、ステップST17でカウントを開始する際のカウント値をゼロとし、1秒単位で、カウントを停止するまでの間、カウントを実行する。また、後述するステップST32、ST54、ST67でカウントを開始する際も同様である。この場合、設定部153がカウントする映像出力時間は、時間の長さを秒単位で示す値である。
【0127】
また、ステップST17、及び後述するステップST32、ST54、ST67において、設定部153は、ステップS17でカウントを開始する際の時刻をRTCから取得してもよい。この場合、設定部153は、後述するステップST23、ST41、ST64においてカウントを停止する際に、カウントを停止するときの時刻をRTCから取得する。そして、設定部153は、カウントを開始する時点の時刻と、カウントを停止する時点の時刻とを、不揮発性記憶部130に記憶させる。この場合、設定部153がカウントする映像出力時間は、カウントの開始時と停止時の時刻の差として求められる時間の長さである。
【0128】
また、設定部153は、
図5、
図6及び
図7に示す処理の実行回数をカウントしてもよい。具体的には、設定部153は、ステップST17でカウントを開始してから、カウントを停止するまでの処理を実行した回数を、カウントしてもよい。カウントを停止する処理は、ステップST23、ステップST41、ステップST51またはステップS64の処理である。例えば、ステップST17でカウントを開始し、後述するステップST23でカウントを停止する場合、設定部153は、ステップST16で選択した映像ソースのカウント値を+1する。また、後述するステップST32、ST54、ST67でカウントを開始する際も同様とすることができる。つまり、設定部153は、映像ソース毎に、カウントの開始と停止とを行う毎に、映像出力時間のカウント値を+1する。
【0129】
制御部120は、操作部140により映像ソースの切り換えを指示する操作が検出されたか否かを判定する(ステップST19)。映像ソースの切り換えを指示する操作が検出されていない場合(ステップST19;NO)、制御部120は、接続検出部152によって、I/F部110に新たな映像信号が入力されたことを検出したか否かを判定する(ステップST20)。ステップST20では、接続検出部152が、ステップST13で検出された装置とは異なる装置の接続、あるいは、ステップST13で検出された映像信号とは異なる映像信号の入力を、ステップST13より後で検出したか否かが判定される。
【0130】
新たな接続を検出していない場合(ステップST20;NO)、制御部120は、選択されている映像ソースからの映像信号の入力が停止したか否かを判定する(ステップST21)。映像信号の入力が停止していない場合(ステップST21;NO)、制御部120は、映像表示部20による映像の出力の終了を指示する操作の有無を判定する(ステップST22)。映像の出力の終了を指示する操作があった場合(ステップST22;YES)、制御部120は、映像出力時間のカウントを停止する(ステップST23)。制御部120は、カウントした映像出力時間に基づき映像制御用データ133を更新し(ステップST24)、映像信号201の出力を停止して本処理を終了する。
また、映像の出力の終了を指示する操作がされていないと判定した場合(ステップST22;NO)、制御部120は、ステップST19に戻る。
【0131】
接続検出部152が検出した映像信号が複数でない場合(ステップST14;NO)、I/F部110に入力される映像信号は単一である。この場合、制御部120は、映像信号を入力する装置を映像ソースに決定し(ステップST31)、この映像ソースに対応付けて映像出力時間のカウントを開始する(ステップST32)。制御部120は、ステップST31で決定した映像ソースの映像信号を、映像信号201として接続部145から出力する動作を開始させる(ステップST33)。その後、制御部120はステップST19に移行する。
【0132】
また、映像ソースの入力が停止された場合(ステップST21;YES)、制御部120は、映像出力時間のカウントを停止する(ステップST41)。制御部120は、カウントした映像出力時間に基づき映像制御用データ133を更新し(ステップST42)、ステップST13に戻る。
【0133】
また、制御部120は、映像ソースの切り換えを指示する操作が検出された場合(ステップST19;YES)、映像ソースを切り換える動作を実行する。この動作を、
図6に詳細に示す。
【0134】
図6において、制御部120は、映像出力時間のカウントを停止する(ステップST51)。制御部120は、カウントした映像出力時間に基づき映像制御用データ133を更新し(ステップST52)、操作部140で検出した操作に従って映像ソースを変更する(ステップST53)。制御部120は、変更後の映像ソースに対応付けて映像出力時間のカウントを開始し(ステップST54)、変更後の映像ソースの映像信号を、映像信号201として接続部145から出力する動作を開始させる(ステップST55)。その後、制御部120は
図5のステップST19に移行する。
【0135】
また、制御部120は、新たな接続を検出した場合(ステップST20;YES)、映像ソースの選択を再実行する。この動作を、
図7に詳細に示す。
【0136】
図7において、制御部120は、映像制御用データ133を参照する(ステップST61)。制御部120は、映像制御用データ133の設定に従って、新たに検出された装置を含む全ての装置の中から、映像ソースを選択する(ステップST62)。ここで、制御部120は、映像ソースが変更されたか否かを判定する(ステップST63)。すなわち、制御部120は、ステップST62で選択した映像ソースが、ステップST62より前に選択されていた映像ソースと異なる装置か否かを判定する。
【0137】
映像ソースを変更しない場合、すなわち、ステップST62で選択した映像ソースが、ステップST62より前に選択されていた映像ソースと同一である場合(ステップST63;NO)、制御部120は、
図5のステップST19に移行する。
【0138】
映像ソースを変更する場合、すなわち、ステップST62で選択した映像ソースが、ステップST62より前に選択されていた映像ソースと異なる場合(ステップST63;YES)、制御部120は、映像出力時間のカウントを停止する(ステップST64)。制御部120は、カウントした映像出力時間に基づき映像制御用データ133を更新し(ステップST65)、ステップST62の選択に従って映像ソースを変更する(ステップST66)。制御部120は、変更後の映像ソースに対応付けて映像出力時間のカウントを開始し(ステップST67)、変更後の映像ソースの映像信号を、映像信号201として接続部145から出力する動作を開始させる(ステップST68)。その後、制御部120は
図5のステップST19に移行する。
【0139】
以上説明したように、本発明を適用した第1実施形態において、接続装置10は、頭部装着型の表示装置である映像表示部20に接続される。接続装置10は、第1映像信号としての映像信号401が入力される第1接続部としてのコネクター11Cを備える。また、接続装置10は、第2映像信号としての映像信号301が入力され、映像表示部20が備える入力装置に関するセンサーデータ302を出力可能な第2接続部としてのコネクター11Bを備える。接続装置10は、コネクター11Cに入力される映像信号401、及び、コネクター11Bに入力される映像信号301のいずれかを映像表示部20に出力する接続部145を備える。また、映像信号401と映像信号301との選択を設定する設定部153を備える。また、設定部153による設定に従って、接続部145により映像信号を出力する接続部を選択する映像出力制御部155を備える。設定部153は、コネクター11C及びコネクター11Bの両方に映像信号が入力されている場合に、コネクター11Cに入力される映像信号401を接続部145から出力するよう設定する。
【0140】
また、本発明を適用した第1実施形態において、HMD100は、画像を表示する頭部装着型の映像表示部20と、外部装置に接続される接続装置10を備えて構成される映像表示部20である。
【0141】
本発明の接続装置、及び、接続装置の制御方法を適用した接続装置10によれば、PC300及び映像出力装置400から入力される複数の映像信号301、401を、使用者による設定を必須としない方法により選択し、映像表示部20に表示できる。例えば、使用者は、接続装置10の被操作部を操作する場合、映像表示部20を透過して接続装置10を視認しながら操作する。従って、使用者が操作を行うことなく、映像信号301、401から映像ソースを適切に選択し、映像を表示することで、使用者の利便性の向上を図ることができる。コネクター11Cは、映像信号の入力に特に適したインターフェイスである一方、コネクター11Bは映像信号、及び、センサーデータ302等のデータの入出力に対応する汎用性の高いインターフェイスである。このため、コネクター11Cに入力される映像信号は、映像表示部20で視聴することを目的とする映像である可能性が、コネクター11Bに入力される映像信号より高い。従って、コネクター11Cに入力される映像信号を、コネクター11Bに入力される映像信号よりも優先して映像ソースとして選択することにより、使用者が視聴を望む映像を映像表示部20に表示できる可能性が高く、映像ソースを適切に選択できる。また、設定部153の設定に従って映像ソースを選択するので、使用者の意図に沿わない選択がなされる可能性が低く、使用者の利便性を損なわないという利点がある。
【0142】
また、設定部153は、映像信号401を接続部145により映像表示部20に出力した履歴、及び、映像信号301を接続部145により映像表示部20に出力した履歴に基づき、映像信号401と映像信号301との選択の設定を変更する。
このため、映像ソースを選択する設定について、使用者がHMD100によって映像を表示させた履歴を反映させることができる。このため、使用者のHMD100の利用の態様に合わせて、映像ソースを選択できる。
【0143】
例えば、設定部153は、映像信号401を接続部145により映像表示部20に出力した映像出力時間、及び、映像信号301を接続部145により映像表示部20に出力した映像出力時間をカウントする。設定部153は、映像出力時間の長さに基づき、映像信号401と映像信号301との選択の設定を変更する。この場合、映像表示部20に映像信号201として出力された時間の長さに応じて、映像信号301、401を選択するように、映像制御用データ133を設定できる。
【0144】
ここで、映像信号401を接続部145により映像表示部20に出力した履歴、及び、映像信号301を接続部145により映像表示部20に出力した履歴は、映像出力時間に限らない。例えば、映像信号401が映像ソースとして映像表示部20に出力された回数、及び、映像信号301が映像ソースとして映像表示部20に出力された回数を、設定部153がカウントしてもよい。設定部153は、回数のカウント値に基づき映像制御用データ133を設定してもよい。また、設定部153は、映像信号が映像ソースとして映像表示部20に出力された頻度を履歴として求め、求めた頻度に基づき映像制御用データ133を設定してもよい。その他、映像信号を接続部145により映像表示部20に出力した履歴は、映像信号の出力に関する指標であれば、特に限定されない。
【0145】
また、接続装置10は、コネクター11Cに接続される第1外部装置としての映像出力装置400、及び、コネクター11Bに接続される第2外部装置としてのPC300を検出する接続検出部152を備える。設定部153は、映像信号401を接続部145により映像表示部20に出力した映像出力時間を映像出力装置400に対応付けてカウントする。また、映像信号301を接続部145により映像表示部20に出力した映像出力時間をPC300に対応付けてカウントする。この場合、PC300と映像出力装置400のそれぞれについてカウントされる映像出力時間に基づき、映像制御用データ133が設定される。従って、接続装置10に接続される各装置の使用状況を、装置毎に反映して、映像ソースの選択に関する設定を行うことができる。
【0146】
また、本発明の表示装置、接続装置の制御方法、及び、表示装置の制御方法を適用したHMD100は、接続装置10の機能により、上記の効果を得ることができる。
【0147】
[2.第2実施形態]
図8は、本発明を適用した第2実施形態の表示システム1Aのブロック図であり、HMD101の構成を詳細に示す。
HMD101は、
図2の映像表示部20に、
図2の接続装置10の機能部を一体として構成した装置である。すなわち、
図1に示す映像表示部20の筐体に、右表示部22及び左表示部24とともに、接続装置10に相当する機能部を収容し、配置した装置である。HMD101は、本発明の表示装置に相当する。
【0148】
HMD101は、制御部120、センサー制御部122、表示制御部124、電源制御部126、不揮発性記憶部130、操作部140、及び、音声処理部147を備える。これらの各部は上述した第1実施形態と同様に構成される。
【0149】
また、HMD101は、インジケーター17Aを備える。インジケーター17Aは、
図2のインジケーター17と同様に構成され、HMD101の動作状態に応じて点灯する。インジケーター17Aは、例えば、右保持部21や左保持部23、或いは前部フレーム27に設置される。
【0150】
HMD101は、I/F部110Aを備える。I/F部110Aは、映像表示部20に設けられるコネクター12A、12B、12Cを備える。コネクター12A、12B、12Cが対応するインターフェイス規格や構成は、それぞれ、コネクター11B、11C、11Dと同様である。従って、I/F部110Aには、PC300、映像出力装置400、及び、電源装置500を接続可能である。すなわち、コネクター12Aは、PC300に接続され、PC300が出力する映像信号301の入力、及び、センサーデータ302のPC300への出力を行う。コネクター12Aは、第2接続部に相当する。また、コネクター12Bは、映像出力装置400に接続され、映像出力装置400が出力する映像信号401が入力される。コネクター12Bは、第1接続部に相当する。
【0151】
また、HMD101は、接続部146を備える。接続部146は、接続部145と同様に、制御部120を含む各部を右表示部22及び左表示部24に接続する。HMD101では、接続部146は、右表示部22及び左表示部24と一体に構成されるため、表示部接続ケーブル40(
図1)に代えて、装置内部の接続ケーブル48が用いられる。接続ケーブル48は、右I/F部211、及び左I/F部231を、制御部120、センサー制御部122、表示制御部124、及び音声処理部147の各部と接続する。接続部146は、右表示部22及び左表示部24に映像信号201を出力する。接続部146は、接続部145と同様に出力部として機能する。
【0152】
また、HMD101は、接続部148を備える。接続部148は、右イヤホン32、左イヤホン34、及びマイク63を有するヘッドセット30が接続されるコネクターを有する。
【0153】
図8に示すHMD101は、制御部120により、
図5~
図7に示した各動作を実行することが可能である。
すなわち、第2実施形態のHMD101は、本発明の表示装置、及び、表示装置の制御方法を適用した装置であって、画像を表示する右表示部22及び左表示部24を備える。HMD101は、映像信号401が入力されるコネクター12Bと、映像信号301が入力され、右表示部22及び左表示部24が備える各センサーに関するデータを出力可能なコネクター12Aとを備える。HMD101は、コネクター12Bに入力される映像信号401、及び、コネクター12Aに入力される映像信号301のいずれかに基づく映像を右表示部22及び左表示部24により表示する映像出力制御部155を備える。HMD101は、映像信号401と映像信号301との選択を設定する設定部153を備える。映像出力制御部155は、設定部153による設定に従ってコネクター12A及びコネクター12Bのいずれかを選択し、右表示部22及び左表示部24により映像を表示する。設定部153は、コネクター12A及びコネクター12Bの両方に映像信号が入力されている場合に、コネクター12Bに入力される映像信号401を選択するよう設定する。
この構成によれば、第1実施形態における接続装置10、及び、HMD100と同様の効果が得られる。
【0154】
第2実施形態のHMD101の外観は、映像表示部20と同一でなくてもよい。また、HMD101において、I/F部110Aを、他の構成部とは別体として設けても良く、具体的な形状は任意である。
【0155】
[3.他の実施形態]
本発明は上記各実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上記各実施形態では、映像表示部20が、右表示部22及び左表示部24が備える光学系により、使用者の右眼と左眼の各々に映像を視認させる構成とした。本発明はこれに限定されず、例えば、使用者の右眼と左眼の両方に映像を視認させる単一の光学部材を用いた構成としてもよい。また、HMD100、101は、使用者の右眼および左眼のいずれか一方にのみ映像を視認させる装置であってもよい。
【0156】
上記各実施形態では、第2接続部としてのコネクター11B、及び、コネクター12Aが、映像表示部20が備えるセンサーに関するデータを出力可能なインターフェイスである構成を例示した。本発明はこれに限定されない。例えば、第2接続部として機能するコネクターが、映像表示部20が備える入力装置に関するデータの入力が可能なインターフェイスであってもよい。すなわち、上記実施形態において、コネクター11B、12Aに、外部装置としてのPC300やその他の装置から、映像表示部20が備えるセンサーに関するデータが接続装置に入力されてもよい。このように、コネクター11B、12Aは、映像表示部20が備えるセンサーに関するデータの入力、および、出力の少なくともいずれかが可能な構成であればよい。また、上記各実施形態のように、コネクター11B、12Aにより、映像表示部20が備えるセンサーに関するデータの入力、及び、出力の両方が可能な構成であってもよい。
【0157】
また、第1実施形態では、映像信号が入力され、センサーデータ302を出力可能な第2接続部としてコネクター11Bを示した。また、第2実施形態では同様の構成として、第2接続部としてのコネクター12Aを示した。本発明はこれに限定されない。すなわち、第2接続部は、1つのコネクターが映像信号301の入力とセンサーデータ302の出力とを実行可能な例に限らない。例えば、映像信号301の伝送とセンサーデータ302の伝送とが可能な1本のケーブルを接続する接続部とすることができる。この場合、ケーブルが接続されるコネクターは1つであってもよいし、上記ケーブルが分岐して、複数のコネクターに接続されてもよい。上記ケーブルは、映像信号の伝送用の線と、映像信号以外のデータ伝送用の線とが被覆によりまとめられたケーブルであってもよい。また、映像信号の伝送用のケーブルと映像信号以外のデータ伝送用のケーブルを結束して、見た目上、1本にまとめたケーブルであってもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、接続装置10はコネクター11B、11C、11Dを備え、HMD101はコネクター12A、12B、12Cを備える構成としたが、コネクターの配置や数は任意に変更可能である。接続装置10及びHMD101は、第1及び第2接続部としてのコネクターを備えていればよい。また、接続装置10、或いはHMD101がバッテリーを内蔵し、或いは、コネクター11D、12C以外の構成により電源の供給を受ける場合、コネクター11D及びコネクター12Cを排した構成とすることができる。
【0159】
さらに、第1、2接続部は、無線により映像を伝送する構成であってもよい。第1、第2接続部の一態様として示したコネクター11B、11C、12A、12Bに代えて、或いは、これらのコネクターに加えて、接続装置10及びHMD101が無線通信部を備えてもよい。この場合、接続検出部152は、接続装置10と他の装置とが無線接続していることを検出する。
【0160】
また、映像表示部20は、ホログラフィー表示装置として構成してもよい。この場合、映像表示部20は、例えば、光源と、光源からの光を変調する空間光変調器と、を備える構成とすることができる。空間光変調器としては、例えば、SLMを採用することができる。より具体的には、LCOSとして知られる、液晶を利用した反射型空間光位相変調器を用いることができる。SLMは、Spatial Light Modulatorの略であり、LCOSはLiquid Crystal On Silicon-SLMの略である。
【0161】
また、上記各実施形態において、使用者が画像表示部を透過して外景を視認する構成は、右表示部22及び左表示部24が外光を透過する構成に限定されない。例えば外景を視認できない状態で画像を表示する表示装置にも適用可能である。具体的には、カメラ61の撮影画像、この撮影画像に基づき生成される画像やCG、予め記憶された映像データや外部から入力される映像データに基づく映像等を表示する表示装置に、本発明を適用できる。この種の表示装置としては、外景を視認できない、いわゆるクローズ型の表示装置を含むことができる。また、上記実施形態で説明したように実空間に重ねて画像を表示するAR表示や、撮影した実空間の画像と仮想画像とを組み合わせるMR表示を用いてもよい。或いは、仮想画像を表示するVR表示といった処理を行わない表示装置にも適用できる。MRはMixed Realityの略であり、VRはVirtual Realityの略である。例えば、外部から入力される映像データまたはアナログ映像信号を表示する表示装置も、本発明の適用対象として勿論含まれる。
【0162】
また、例えば、映像表示部20に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部等の他の方式の画像表示部を採用してもよく、使用者の左眼に対応して画像を表示する表示部と、使用者の右眼に対応して画像を表示する表示部とを備えていればよい。また、本発明の表示装置は、例えば、自動車や飛行機等の車両に搭載されるヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。また、例えば、ヘルメット等の身体防護具に内蔵されたヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。この場合、使用者の身体に対する位置を位置決めする部分、及び、当該部分に対し位置決めされる部分を装着部とすることができる。
【0163】
また、
図2、
図3、
図4、
図8のブロック図に示した各機能ブロックは、ハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現される構成としてもよく、図に示した通りに独立したハードウェア資源を配置する構成に限定されない。
【符号の説明】
【0164】
1…表示システム、10…接続装置、11A…コネクター、11B…コネクター(第2接続部)、11C…コネクター(第1接続部)、11D…コネクター、12…電源ボタン、12A…コネクター(第2接続部)、12B…コネクター(第1接続部)、12C…コネクター、17、17A…インジケーター、20…映像表示部(表示装置)、21…右保持部、22…右表示部(画像表示部)、23…左保持部、24…左表示部(画像表示部)、26…右導光板、27…前部フレーム、28…左導光板、30…ヘッドセット、32…右イヤホン、34…左イヤホン、36…オーディオコネクター、40…接続ケーブル、42…第1接続ケーブル、44…第2接続ケーブル、46…第3接続ケーブル、48…接続ケーブル、61…カメラ、63…マイク、64…距離センサー、65…照度センサー、67…LEDインジケーター、100、101…HMD(表示装置)、110、110A…I/F部、120…制御部、122…センサー制御部、124…表示制御部(出力部)、126…電源制御部、130…不揮発性記憶部(記憶部)、131…制御プログラム、132…設定データ、133…映像制御用データ、134…センサーデータ、140…操作部、145、146、148…接続部、147…音声処理部、150…プロセッサー、151…基本制御部、152…接続検出部、153…設定部、154…電源供給制御部、155…映像出力制御部(出力制御部)、156…センサーデータ制御部、160…メモリー、210…右表示部基板、211…右I/F部、213…受信部、215…EEPROM、217…温度センサー、221…OLEDユニット、229…電源部、230…左表示部基板、231…左I/F部、233…受信部、235…6軸センサー、237…磁気センサー、239…温度センサー、241…OLEDユニット、249…電源部、300…PC(第2外部装置)、400…映像出力装置(第1外部装置)、500…電源装置。