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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20221220BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20221220BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20221220BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20221220BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/53
A63F13/69
A63F13/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018152571
(22)【出願日】2018-08-14
(65)【公開番号】P2020025772
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】菊池 富雄
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 航
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊史
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195586(JP,A)
【文献】特開2016-168160(JP,A)
【文献】特開2014-097129(JP,A)
【文献】特開2011-000377(JP,A)
【文献】特表2014-531945(JP,A)
【文献】特開2006-068334(JP,A)
【文献】特開2003-088680(JP,A)
【文献】GI-HORSEPARK JUDGMENT,電撃ARCADEゲーム,アスキー・メディアワークス,2011年08月30日,Vol. 26,第103ページ,特に「~チーム対戦に勝利して特典を入手!~」の項
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のグループにマッチングされた複数のプレイヤのうちの一のプレイヤがゲームを行うコンピュータを、
前記同一のグループにマッチングされた前記複数のプレイヤから所定の基準で前記一のプレイヤに少なくとも1人のライバルのプレイヤを選択するライバル選択手段、
選択した前記ライバルのプレイヤを表示するライバル表示手段、
前記マッチングされた複数のプレイヤでのゲームの実行における、前記一のプレイヤと前記ライバルのプレイヤとの前記ゲームの結果に応じて前記一のプレイヤに報酬を付与する報酬付与手段、
として機能させ
前記ライバル表示手段は、前記ゲームの開始前及びゲーム中に、選択した前記ライバルのプレイヤを表示すること
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
複数のプレイヤが所属しているグループ間でゲームを行うコンピュータを、
一のグループに所属している複数のプレイヤのうちの一のプレイヤに、他のグループに所属している複数のプレイヤから所定の基準で少なくとも1人のライバルのプレイヤを選択するライバル選択手段、
選択した前記ライバルのプレイヤを表示するライバル表示手段、
前記グループ間でのゲームの実行における、前記一のプレイヤと前記ライバルのプレイヤとの前記ゲームの結果に応じて前記一のプレイヤに報酬を付与する報酬付与手段、
として機能させ
前記ライバル表示手段は、前記ゲームの開始前及びゲーム中に、選択した前記ライバルのプレイヤを表示すること
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
同一のグループにマッチングされた複数のプレイヤのうちの一のプレイヤがゲームを行うコンピュータを、
前記同一のグループにマッチングされた前記複数のプレイヤから所定の基準で前記一のプレイヤに少なくとも1人のライバルのプレイヤを選択するライバル選択手段、
選択した前記ライバルのプレイヤを表示するライバル表示手段、
前記マッチングされた複数のプレイヤでのゲームの実行における、前記一のプレイヤと前記ライバルのプレイヤとの前記ゲームの結果に応じて前記一のプレイヤに報酬を付与する報酬付与手段、
として機能させ、
前記ライバル表示手段は、ゲーム中、所定の条件が成立すると、選択した前記ライバルのプレイヤを表示すること
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
複数のプレイヤが所属しているグループ間でゲームを行うコンピュータを、
一のグループに所属している複数のプレイヤのうちの一のプレイヤに、他のグループに所属している複数のプレイヤから所定の基準で少なくとも1人のライバルのプレイヤを選択するライバル選択手段、
選択した前記ライバルのプレイヤを表示するライバル表示手段、
前記グループ間でのゲームの実行における、前記一のプレイヤと前記ライバルのプレイヤとの前記ゲームの結果に応じて前記一のプレイヤに報酬を付与する報酬付与手段、
として機能させ、
前記ライバル表示手段は、ゲーム中、所定の条件が成立すると、選択した前記ライバルのプレイヤを表示すること
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
前記ライバル選択手段は、異なる基準で前記一のプレイヤに複数のライバルのプレイヤを選択すること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばゲームにおいてユーザを他のユーザとマッチングするためのマッチング方法およびマッチングシステムがある。従来、対戦形のゲームなどにおいては、一緒にプレイする複数のユーザ、すなわち、ユーザとこのユーザがプレイする対戦相手である他のユーザとを決定するユーザマッチングは、それら複数のユーザのスキルレベルや、ユーザが使用する端末装置などのゲーム環境に基づいて行われていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-159090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、グループにマッチングされた複数のプレイヤが一緒にプレイするゲームであっても、グループにマッチングされるプレイヤのスキルレベルやゲーム環境が考慮されない場合もある。このような場合は、例えばスキルレベルやゲーム環境が不利なプレイヤが対戦相手である他のプレイヤに勝てる可能性が著しく低くなると、ゲーム中の目標を見失ってしまう恐れがあった。
【0005】
本発明は上記した課題に鑑みなされたものであり、グループにマッチングされた複数のプレイヤが行うゲームにおいて、プレイヤにゲーム中の新たな目標を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本願請求項1は、同一のグループにマッチングされた複数のプレイヤのうちの一のプレイヤがゲームを行うコンピュータを、前記同一のグループにマッチングされた前記複数のプレイヤから所定の基準で前記一のプレイヤに少なくとも1人のライバルのプレイヤを選択するライバル選択手段、選択した前記ライバルのプレイヤを表示するライバル表示手段、前記マッチングされた複数のプレイヤでのゲームの実行における、前記一のプレイヤと前記ライバルのプレイヤとの前記ゲームの結果に応じて前記一のプレイヤに報酬を付与する報酬付与手段、として機能させ
前記ライバル表示手段は、前記ゲームの開始前及びゲーム中に、選択した前記ライバルのプレイヤを表示することを特徴とするゲームプログラムである。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、グループにマッチングされた複数のプレイヤが行うゲームにおいて、プレイヤにゲーム中の新たな目標を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るゲーム装置の一例のハードウェア構成図である。
図4】本実施形態に係るゲームシステムの一例の処理ブロック図である。
図5】プレイヤ情報記憶部に記憶されたプレイヤ情報の一例の構成図である。
図6】グループ情報記憶部に記憶されたグループ情報の一例の構成図である。
図7】本実施形態に係るレーシングゲーム処理の一例のフローチャートである。
図8】マッチング中画面の一例のイメージ図である。
図9】イベントポイント順に並び替えられたマッチング画面の一例のイメージ図である。
図10】ライバル指定カットイン画面の一例のイメージ図である。
図11】ライバル表記が付与されたマッチング画面の一例のイメージ図である。
図12】レース中画面の一例のイメージ図である。
図13】レース中画面の一例のイメージ図である。
図14】リザルト画面の一例のイメージ図である。
図15】リザルト画面の一例のイメージ図である。
図16】本実施形態に係るライバル選択処理の一例のフローチャートである。
図17】ライバル表記の一例の画面イメージ図である。
図18】ライバル表記の一例の画面イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態では同一のグループにマッチングされた複数のプレイヤが行うゲームの一例として、同一のグループ(レース)にマッチングされた複数のプレイヤが行うレーシングゲームを例に説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの一例の構成図である。ゲームシステム1はサーバ装置10がインターネット等のネットワーク20を介して、例えばアミューズメント施設など、各地の店舗14のLANなどのネットワーク22に接続されている。各地の店舗14には1台以上のゲーム装置12が設置されている。ゲーム装置12は店舗14のネットワーク22に接続されている。なお、図1のゲームシステム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えばサーバ装置10は複数のコンピュータに分散して構成してもよい。サーバ装置10はゲーム装置12においてゲームを行うプレイヤの情報、プレイヤによるゲームのリザルト情報、プレイヤがマッチングされたグループ(レース)の情報等を管理する。サーバ装置10は店舗14のネットワーク22に接続されていてもよい。
【0011】
ゲーム装置12は、プレイヤがレーシングゲームを行う装置である。ゲーム装置12がドライブ筐体である場合は、例えば操作ユニット、座席ユニット、画像表示ユニットなどを備えている。なお、ゲーム装置12は店舗14などに設置される業務用のゲーム専用機器に限定されるものではなく、PC、スマートフォン、タブレット、家庭用のゲーム専用機器などであってもよい。
【0012】
<ハードウェア構成>
図1のサーバ装置10は、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0013】
図2のコンピュータは、入力装置501、出力装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び出力装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0014】
入力装置501はプレイヤが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。出力装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音楽などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507はコンピュータをネットワーク20に接続するインターフェースである。これによりコンピュータは通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0015】
また、HDD508はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータにはコンピュータ全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0016】
なお、コンピュータはHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0017】
外部I/F503は、外部装置とのインターフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータは外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0018】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータの起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0019】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理(出力装置502に出力する画像や音声などを生成する処理も含む)を実行することで、コンピュータ全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0020】
本実施形態に係るサーバ装置10は上記したハードウェア構成のコンピュータにおいてプログラムを実行することにより後述するような各種処理を実現できる。
【0021】
また、図1のゲーム装置12は、例えば図3に示すようなハードウェア構成により実現される。図3は、本実施形態に係るゲーム装置の一例のハードウェア構成図である。
【0022】
ゲーム装置12は装置全体を制御するコンピュータ650を含む。また、ゲーム装置12はコンピュータ650に接続される操作ユニット600、画像表示ユニット610、サウンドユニット620、及びIOボード640を含む。さらに、ゲーム装置12は、コンピュータ650に接続されるICカードユニット660、コイン投入ユニット670及び通信ユニット680を含む。
【0023】
操作ユニット600はプレイヤがゲーム操作を行うためのものである。操作ユニット600は例えばステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバーなどの操作部を備えており、その操作部の操作内容や操作量を例えばセンサーなどにより検出する。画像表示ユニット610はゲーム画面を表示するためのものである。サウンドユニット620は例えばアンプ及びスピーカを含む構成である。サウンドユニット620はゲームサウンドを出力するためのものである。
【0024】
IOボード640には、例えば冷陰極管631、蛍光灯632及びランプ633等の各種の照明630が接続される。例えば照明630は、ゲームの場面に応じた演出として所定の点灯・点滅動作を行うように制御される。
【0025】
また、ゲーム装置12は、ICカードユニット660およびコイン投入ユニット670を有する。ICカードユニット660は、情報記憶媒体であるICカードの情報を読み書きするICカードリーダライタ661を含む。プレイヤがICカードユニット660にICカードをかざす等してICカード情報を読み込ませると、ゲーム装置12は、そのICカード情報に紐付くプレイヤ情報をサーバ装置10から取得する。このように、ゲーム装置12はゲームを行うプレイヤを特定できる。
【0026】
コイン投入ユニット670は、ゲームプレイ料金の投入機構である。通信ユニット680はゲーム装置12をネットワーク22に接続するインターフェースである。これによりゲーム装置12は通信ユニット680を介してデータ通信を行うことができる。
【0027】
<ソフトウェア構成>
《処理ブロック》
本実施形態に係るゲームシステム1のソフトウェア構成について説明する。図4は本実施形態に係るゲームシステムの一例の処理ブロック図である。サーバ装置10はサーバプログラムを実行することにより、プレイヤ管理部30、グループ管理部32、プレイヤ情報記憶部36及びグループ情報記憶部38を実現する。また、ゲーム装置12はクライアントプログラムを実行することにより、ゲーム制御部40、グループ情報受付部42、ライバル選択部44、グループ表示部46及びゲーム実行部48を実現する。
【0028】
プレイヤ管理部30はプレイヤに関する情報の管理を行う。グループ管理部32は同一のレースに参加するプレイヤのグループに関する情報の管理を行う。プレイヤ情報記憶部36はプレイヤに関する情報を記憶する。グループ情報記憶部38はプレイヤのグループに関する情報を記憶する。
【0029】
ゲーム制御部40はプレイヤのICカードから読み取ったICカードの情報であるICカード情報と、コイン投入ユニット670に投入されたコインの情報であるクレジット情報と、が通知される。
【0030】
ゲーム制御部40は、ゲームプレイ料金が投入されたことを示すクレジット情報が通知され、プレイヤからゲーム開始の操作を受け付けると、レースへの参加をサーバ装置10に要求する。また、ゲーム制御部40はICカード情報が通知されると、そのICカード情報に紐付くプレイヤ情報をサーバ装置10に要求することで、ゲームを行うプレイヤを特定する。
【0031】
グループ情報受付部42は、サーバ装置10において後述のようにマッチングされた同一のレースに参加するプレイヤのグループに関する情報(グループ情報)をサーバ装置10から受け付ける。ライバル選択部44はサーバ装置10から受け付けたグループ情報に基づき、後述するように1人以上のライバルを選択する。グループ表示部46はサーバ装置10から受け付けたグループ情報に基づき、同一のレースに参加するプレイヤに関する情報(プレイヤ情報)を表示すると共に、選択したライバルのプレイヤが分かるように表示を行う。
【0032】
ゲーム実行部48はゲーム画面の表示、ゲームサウンドの出力、照明630の点灯・点滅動作を制御してプレイヤにレーシングゲームを実行させる。ゲーム実行部48はレーシングゲームが終了すると、そのレーシングゲームの結果(プレイヤの順位とライバルのプレイヤの順位)に応じて、プレイヤにゲーム内ポイントなどの報酬を付与する。以下ではゲーム内ポイントの一例としてイベントポイントの例を説明する。プレイヤは、ライバルのプレイヤよりも上位の順位でゴールできれば、イベントポイントを追加取得できる。
【0033】
図5はプレイヤ情報記憶部に記憶されたプレイヤ情報の一例の構成図である。図5のプレイヤ情報は、ICカード情報、プレイヤ名、所属チーム名、ライバル情報、リザルト情報、ライセンスグレード、イベントポイントなどの項目を有する。
【0034】
ICカード情報はプレイヤのICカードから読み取り可能な一意な情報である。このICカード情報により、図5のプレイヤ情報とICカードから読み取り可能なICカード情報とが紐付けられている。プレイヤ名は、プレイヤがゲーム内で使用する名前である。所属チーム名はプレイヤがゲーム内で所属しているチームの名前である。ライバル情報は後述のように選択されたライバルのプレイヤの情報である。
【0035】
リザルト情報は、プレイヤが実行したレーシングゲームの各種リザルトである。ライセンスグレードは、プレイヤのゲームの腕前を示す指標である。イベントポイントはプレイヤが行ったレーシングゲームの結果に応じて累積されるゲーム内ポイントである。
【0036】
図6はグループ情報記憶部に記憶されたグループ情報の一例の構成図である。図6のグループ情報は、グループ名、所属プレイヤなどの項目を有する。グループ名は複数のプレイヤがマッチングされたグループの名前であり、例えばマッチングされたプレイヤが参加するレースの名前などである。また、所属プレイヤは同一のレースに参加するプレイヤとしてマッチングされたプレイヤを示す情報である。
【0037】
<処理>
図7は本実施形態に係るレーシングゲーム処理の一例のフローチャートである。レーシングゲームを行うプレイヤはゲーム装置12においてゲーム開始の操作を行う。プレイヤからゲーム開始の操作を受け付けたゲーム装置12は、レースへの参加をサーバ装置10に要求する。
【0038】
ステップS11において、サーバ装置10のグループ管理部32はプレイヤが操作するゲーム装置12からレースへの参加を受け付ける。グループ管理部32はレースへの参加を受け付けたプレイヤを示す情報をグループ情報記憶部38に順次記憶させる。グループ管理部32はレースへの参加を受け付けたプレイヤを示す情報を、そのレースへの参加を要求したゲーム装置12に通知する。
【0039】
ゲーム装置12のグループ情報受付部42はサーバ装置10から通知されるプレイヤを示す情報に基づき、例えば図8に示すようなマッチング中画面をグループ表示部46に表示させる。図8はマッチング中画面の一例のイメージ図である。図8のマッチング中画面はサーバ装置10がレースへの参加を受け付けた順に、4名のプレイヤ「あああ」「けけけ」「えええ」「ううう」を示す情報が表示されている。マッチング時間が経過するか、同一のレースに参加できる最大人数の参加を受け付けると、グループ管理部32はレースへの参加の受け付けを終了し、ステップS12からステップS13に進む。
【0040】
ステップS13において、ゲーム装置12のグループ情報受付部42はレースへの参加の受け付け終了をサーバ装置10から通知される。グループ表示部46は同一のレースへの参加をマッチングされた複数のプレイヤを、例えば図9に示すようにイベントポイント順に並び替える。図9はイベントポイント順に並び替えられたマッチング画面の一例のイメージ図である。図9のマッチング画面では、プレイヤを示す情報の右下欄に表示されている「2224pt」等がイベントポイントを表している。図9のマッチング画面を表示した後、グループ表示部46は例えば図10に示すようにライバル指定カットイン画面を表示する。
【0041】
また、ライバル選択部44は同一のレースへの参加をマッチングされた自分以外のプレイヤから所定の基準でライバルのプレイヤを選択するライバル選択処理を行う。ライバル選択処理の詳細は後述する。ステップS14に進み、グループ表示部46は選択されたライバルのプレイヤに、図11のマッチング画面に示すようなライバル表記1001を付与する。また、前のレースで1位だったプレイヤには、1位継続表記1002が付与されている。なお、図11のマッチング画面はプレイヤ「けけけ」用の例であり、プレイヤ「えええ」に1位継続表記1002が付与されると共に、プレイヤ「ききき」「ううう」にライバル表記1001が付与されている。
【0042】
プレイヤは図11のマッチング画面に表示されたライバル表記1001を確認することにより、このレース限定で指定されたライバルのプレイヤを確認できる。ライバルのプレイヤよりも上位の順位でゴールしたプレイヤにイベントポイントを追加で付与することにより、プレイヤは1位になる可能性が低くても、ライバルのプレイヤよりも上位の順位でゴールするという新たな目標が得られる。また、1位継続表記1002のプレイヤよりも上位の順位でゴールしたプレイヤにもイベントポイントを追加で付与することによりプレイヤは更に新たな目標が得られる。
【0043】
ステップS15に進み、ゲーム実行部48は図11に示した並び順でレースをスタートさせる。レースのスタート後、プレイヤは図12に示すようなレース中画面においてもライバル表記1001及び1位継続表記1002によりライバルのプレイヤ及び前のレースで1位だったプレイヤを視覚的に確認できる。
【0044】
図12はレース中画面の一例のイメージ図である。図12のレース中画面では、各プレイヤがコントロールライン(周回ライン)を通過した順位を表示する通過順位欄1004にライバル表記1001及び1位継続表記1002が表示される。また、図12のレース中画面では、ミニマップ1006に、ライバルのプレイヤ及び前のレースで1位だったプレイヤの現在位置が視覚的に分かるように、色や形を区別して表示される。図12に示すようなレース中画面により、プレイヤはレースがスタートした後であっても、ライバルのプレイヤ及び前のレースで1位だったプレイヤの位置を確認しながらレーシングゲームを進めることができる。
【0045】
また、レース中、ライバルのプレイヤ及び前のレースで1位だったプレイヤが一定距離以内に近付くと、例えば図13のように他のプレイヤの車両の上に表示されているプレイヤ名の横に、ライバル表記1001及び1位継続表記1002を表示してもよい。図13はレース中画面の一例のイメージ図である。図13ではプレイヤ「ううう」の車両の上に表示されているプレイヤ名「ううう」の横に、ライバル表記1001が表示されている。
【0046】
プレイヤがゴールすると、ゲーム実行部48はステップS16に進み、リザルト処理で図14に示すようなリザルト画面を表示する。ライバルのプレイヤ及び前のレースで1位だったプレイヤよりも上位の順位でゴールした(勝利した)場合は、図14に示すように告知される。図14はリザルト画面の一例のイメージ図である。図14のリザルト画面では「ターゲットに勝利!」及び「ライバルに勝利!」が告知されている。
【0047】
また、ゲーム実行部48は図14のリザルト画面から例えば図15のリザルト画面に遷移して、ゴールしたレースにより獲得したイベントポイントの詳細を表示する。図15はリザルト画面の一例のイメージ図である。
【0048】
ステップS13のライバル選択処理は、例えば図16に示す手順で行われる。図16は本実施形態に係るライバル選択処理の一例のフローチャートである。ステップS21に進み、グループ表示部46は同一のレースへの参加をマッチングされた複数のプレイヤを、例えば図9に示すようにイベントポイントが低い順に並び替える。
【0049】
ステップS22に進み、ライバル選択部44は同一のレースへの参加をマッチングされた自分以外のプレイヤから、更に、前のレースで1位だったプレイヤ(ターゲットのプレイヤ)を除いた後、所定の基準でライバルのプレイヤを選択する。例えばプレイヤ「けけけ」用のマッチング画面の場合は、プレイヤ「けけけ」と前のレースで1位だったプレイヤ「えええ」を除いた後、所定の基準でライバルのプレイヤを選択する。
【0050】
例えばライバル選択部44は、スタートグリッドの順位が一つ前のプレイヤを、ライバルのプレイヤとして選択する。図11の例ではプレイヤ「けけけ」の一つ前の順位のプレイヤ「ききき」がライバルとして選択する。スタートグリッドの順位が一つ前のプレイヤをライバルのプレイヤとして選択することで、プレイヤはレースのスタート時にライバルのプレイヤを視認しやすい。なお、スタートグリッドの順位が1位のプレイヤは、順位が一つ前のプレイヤが存在しないため、順位が一つ後ろ(2位)のプレイヤをライバルとして選択する。
【0051】
さらに、ライバル選択部44はライセンスグレードがプレイヤと同クラス以下のプレイヤをライバルとして選択する。このように、ライバル選択部44はスタートグリッドの順位とは異なる基準でライバルのプレイヤを選択できる。また、ライバル選択部44はライセンスグレードがプレイヤと同クラス以下のプレイヤがいなければ、プレイヤよりも上のクラスのプレイヤからライバルのプレイヤを選択するようにしてもよい。
【0052】
図11の例ではプレイヤ「けけけ」のライセンスグレードと同クラス以下のプレイヤを順位が前のプレイヤを優先して選択することでプレイヤ「ううう」がライバルとして選択されている。
【0053】
なお、ライバル選択部44は、同一のレースへの参加をマッチングされた自分以外のプレイヤ全員が、前のレースで1位である場合、自分以外のプレイヤ全員がターゲットのプレイヤとなるため、ライバルのプレイヤを選択しない。ライバル選択部44は一の基準で複数人のプレイヤをライバルとして選択してもよいし、異なる基準で複数人のプレイヤをライバルとして選択してもよい。
【0054】
本実施形態のゲームシステム1によれば、同一のレースへの参加をマッチングされた複数のプレイヤにライセンスグレードの高いプレイヤが含まれる場合であって、上位の順位を取得することが困難なプレイヤに、ターゲットやライバルのプレイヤに勝つという新たな目標を提供できる。
[他の実施形態]
第1の実施形態では、レースのスタート前のマッチング画面にライバル表記1001を付与することで、ライバルのプレイヤをレース前に示していたが、他のタイミングでライバルのプレイヤを示すようにしてもよい。例えば本実施形態のゲームシステム1はレースがスタートし、周回数などの所定の条件が成立した後で、ライバルのプレイヤを示すようにしてもよい。
【0055】
さらに、第1の実施形態ではレーシングゲームの例を説明したが、マッチングされた複数のプレイヤでバトルロワイヤルするゲームなどへの適用も可能である。この場合はバトルロワイヤルするためにマッチングされた例えば図17に示す複数のプレイヤそれぞれについて、レベルが近い他のプレイヤをライバルとして選択する。図17はライバル表記の一例の画面イメージ図である。
【0056】
図17は、一例としてプレイヤ「えええ」用の画面例を示している。プレイヤ名「えええ」のプレイヤのレベルが「10」であるため、図17の画面例ではプレイヤ名「えええ」のプレイヤとレベルが近いプレイヤ名「いいい」のプレイヤがライバルとして選択されている。
【0057】
第1の実施形態ではレーシングゲームの例を説明したが、ギルドなどのグループ間で対戦するゲームなどへの適用も可能である。この場合は、複数のグループにマッチングされた例えば図18に示す複数のプレイヤそれぞれについて、相手のグループに所属している複数のプレイヤからレベルの近いプレイヤをライバルとして選択する。図18はライバル表記の一例の画面イメージ図である。
【0058】
図18は、一例として「グループA」に所属するプレイヤ「あああ」用の画面例を示している。プレイヤ名「あああ」のプレイヤのレベルが「10」であるため、図18の画面例ではプレイヤ名「あああ」のプレイヤとレベルが近いプレイヤ名「aaa」のプレイヤが「グループB」からライバルとして選択されている。
【0059】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 ゲームシステム
10 サーバ装置
12 ゲーム装置
14 店舗
20、22 ネットワーク
30 プレイヤ管理部
32 グループ管理部
36 プレイヤ情報記憶部
38 グループ情報記憶部
40 ゲーム制御部
42 グループ情報受付部
44 ライバル選択部
46 グループ表示部
48 ゲーム実行部
1001 ライバル表記
1002 1位継続表記
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図17
図18