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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】照射装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 3/28 20060101AFI20221220BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221220BHJP
   F21V 29/10 20150101ALI20221220BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221220BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20221220BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20221220BHJP
   F26B 23/04 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
F26B3/28
F21S2/00 412
F21S2/00 419
F21V29/10
B41J2/01 129
B05C9/12
B01J19/12 C
F26B23/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018175246
(22)【出願日】2018-09-19
(65)【公開番号】P2020046119
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新津 岳洋
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 準
(72)【発明者】
【氏名】津国 弘之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 朗
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-110379(JP,A)
【文献】特開2001-312916(JP,A)
【文献】特開2017-226109(JP,A)
【文献】特開2011-204989(JP,A)
【文献】特開2016-092752(JP,A)
【文献】特開2001-285577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 3/28
F21S 2/00
F21V 29/10
B41J 2/01
B05C 9/12
B01J 19/12
F26B 23/04
F21Y 105/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に沿って配置され、拡散光を照射対象に向けて前記一方向に対する交差方向へ出射する複数の光源と、
各々が前記光源の各々と前記照射対象との間に配置され、前記光源から入射された拡散光の拡散を抑制しつつ、該拡散光を前記交差方向へ導いて前記照射対象へ照射する複数の導光部と、
前記導光部における前記光源からの拡散光が入射される側の部分を支持する支持部と、 前記導光部における前記拡散光が出射される側の部分に、前記支持部との間に空間を有して配置され、前記照射対象で反射した反射光を遮る遮光部と、
を備える照射装置。
【請求項2】
前記光源が、前記一方向及び前記交差方向に対して交差する方向に複数配置されて構成された駆動単位が、前記一方向に沿って複数配置され、
前記導光部は、前記駆動単位ごとに拡散光が入射され、前記一方向が厚み方向とされた板状の導光板で構成されている
請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記導光板は、遮光層を介して前記一方向に積層されている
請求項2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記複数の光源は、前記一方向に沿って予め定められた配置ピッチにて配置され、
複数の前記導光板は、前記一方向に前記配置ピッチにて積層されている
請求項3に記載の照射装置。
【請求項5】
前記導光板は、厚み方向の一方側の面が他方側の面に沿った平板である
請求項2~4のいずれか1項に記載の照射装置。
【請求項6】
前記遮光部は、前記導光部の出射側から見て、前記導光部の周囲を囲んでいる
請求項1~5のいずれか1項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記複数の光源と前記複数の導光部とを有する複数の照射部を備え、該複数の照射部が前記一方向に沿って間隔をおいて配置された第一列と、
前記複数の照射部を備え、前記一方向及び前記交差方向に対して交差する隣接方向において前記第一列と隣接し、該複数の照射部が、前記一方向に沿って前記第一列の照射部の間に配置された第二列と、
を備え、
前記第一列の前記照射対象に対する照射領域と、前記第二列の前記照射対象に対する照射領域とが、前記隣接方向に接近するように、前記第一列及び前記第二列の少なくとも一方の照射方向が前記照射対象の照射面に対して傾斜している
請求項1~6のいずれか1項に記載の照射装置。
【請求項8】
前記照射方向が前記照射面に対して傾斜している前記第一列及び前記第二列の少なくとも一方における導光部の出射面は、前記照射面に沿うように、前記照射方向に対して傾斜している
請求項7に記載の照射装置。
【請求項9】
液滴を記録媒体に吐出して画像を形成する画像形成部と、
前記照射対象としての前記記録媒体に拡散光を照射して前記記録媒体を乾燥させる請求項1~8のいずれか1項に記載の照射装置と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の光源から照射対象に拡散光を照射する照射装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-226109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一方向に沿って配置された複数の光源から照射対象に拡散光を照射する構成では、照射対象から光源を離して配置すると、照射対象に照射される拡散光の一方向(光源の配置方向)に沿った光量がばらつく場合がある。
【0005】
本発明は、一方向に沿って配置された複数の光源からの拡散光が、導光部を介さずに、直接、照射対象に照射される構成に比べ、照射対象に照射される拡散光の一方向(光源の配置方向)に沿った光量のばらつきを抑制しつつ、照射対象から光源を離すことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、一方向に沿って配置され、拡散光を照射対象に向けて前記一方向に対する交差方向へ出射する複数の光源と、各々が前記光源の各々と前記照射対象との間に配置され、前記光源から入射された拡散光の拡散を抑制しつつ、該拡散光を前記交差方向へ導いて前記照射対象へ照射する複数の導光部と、を備える。
【0007】
第2態様は、前記光源が、前記一方向及び前記交差方向に対して交差する方向に複数配置されて構成された駆動単位が、前記一方向に沿って複数配置され、前記導光部は、前記駆動単位ごとに拡散光が入射され、前記一方向が厚み方向とされた板状の導光板で構成されている。
【0008】
第3態様では、前記導光板は、遮光層を介して前記一方向に積層されている。
【0009】
第4態様では、前記複数の光源は、前記一方向に沿って予め定められた配置ピッチにて配置され、複数の前記導光板は、前記一方向に前記配置ピッチにて積層されている。
【0010】
第5態様では、前記導光板は、厚み方向の一方側の面が他方側の面に沿った平板である。
【0011】
第6態様は、前記導光部に配置され、前記照射対象で反射した反射光を遮る遮光部、を備える。
【0012】
第7態様は、前記光源からの拡散光が入射される側で、前記導光部を支持する支持部、を備え、前記遮光部は、前記支持部と前記照射対象との間で前記支持部へ向かう前記反射光を遮る。
【0013】
第8態様では、前記遮光部は、前記導光部の出射側から見て、前記導光部の周囲を囲んでいる。
【0014】
第9態様は、前記複数の光源と前記複数の導光部とを有する複数の照射部を備え、該複数の照射部が前記一方向に沿って間隔をおいて配置された第一列と、前記複数の照射部を備え、前記一方向及び前記交差方向に対して交差する隣接方向において前記第一列と隣接し、該複数の照射部が、前記一方向に沿って前記第一列の照射部の間に配置された第二列と、を備え、前記第一列の前記照射対象に対する照射領域と、前記第二列の前記照射対象に対する照射領域とが、前記隣接方向に接近するように、前記第一列及び前記第二列の少なくとも一方の照射方向が前記照射対象の照射面に対して傾斜している。
【0015】
第10態様では、前記照射方向が前記照射面に対して傾斜している前記第一列及び前記第二列の少なくとも一方における導光部の出射面は、前記照射面に沿うように、前記照射方向に対して傾斜している。
【0016】
第11態様は、一方向に沿って複数配置され、照射対象に向けて前記一方向に対する交差方向へ拡散光を出射する複数の光源と、各々が前記光源の各々と前記照射対象との間に配置され、該拡散光を前記交差方向へ導いて前記照射対象へ照射し、前記光源に対する前記照射対象側で該拡散光の拡散を開始させる複数の導光部と、を備える。
【0017】
第12態様は、液滴を記録媒体に吐出して画像を形成する画像形成部と、前記照射対象としての前記記録媒体に拡散光を照射して前記記録媒体を乾燥させる第1~11態様のいずれかの照射装置と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
第1態様の構成によれば、一方向に沿って配置された複数の光源からの拡散光が、導光部を介さずに、直接、照射対象に照射される構成に比べ、照射対象に照射される拡散光の一方向(光源の配置方向)に沿った光量のばらつきを抑制しつつ、照射対象から光源を離すことができる。
【0019】
第2態様の構成によれば、光源単位で導光部が設けられる構成に比べ、導光部の数を低減できる。
【0020】
第3態様の構成によれば、導光板が別個に構成されている場合に比べ、複数の導光板を一体に取り扱うことができる。
【0021】
第4態様の構成によれば、複数の導光板が配置ピッチと異なるピッチで積層される構成に比べ、導光板の各々から照射される拡散光の一方向に沿った間隔と、光源の各々から照射される拡散光の一方向に沿った間隔と、が相違することが抑制される。
【0022】
第5態様の構成によれば、導光板が屈曲されている構成に比べ、照射強度の低下を抑制できる。
【0023】
第6態様の構成によれば、反射光が遮られずに、照射対象に対する光源側に配置された部品に到達する構成に比べ、当該部品が加熱されることが抑制される。
【0024】
第7態様の構成によれば、反射光が遮られずに支持部に到達する構成に比べ、当該支持部が加熱されることが抑制される。
【0025】
第8態様の構成によれば、遮光部が導光部の出射側から見て、導光部の片側のみ配置された構成に比べ、導光部の出射側から見て遮光部の周囲に配置された部品が加熱されることが抑制される。
【0026】
第9態様の構成によれば、第一列及び第二列の照射方向が照射面に対して垂直である構成に比べ、第一列からの拡散光の照射対象に対する照射タイミングと、第二列からの拡散光の照射対象に対する照射タイミングと、のずれが小さくなる。
【0027】
第10態様の構成によれば、導光部の出射面が照射方向に対して垂直である構成に比べ、導光部の出射面から照射面までの距離が、隣接方向においてばらつきにくい。
【0028】
第11態様の構成によれば、光源からの拡散光が、導光部を介さず直接照射対象に照射される構成に比べ、照射対象に照射される拡散光の一方向(光源の配置方向)に沿った光量のばらつきを抑制しつつ、対象から光源を離すことができる。
【0029】
第12態様の構成によれば、光源からの拡散光が、導光部を介さず直接照射対象に照射される照射装置を備える構成に比べ、記録媒体の乾燥ムラを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る乾燥装置の底面図である。
図3】本実施形態に係る乾燥装置の正断面図(図2の3-3線断面図)である。
図4】本実施形態に係る乾燥装置の側断面図(図2の4-4線断面図)である。
図5】第1構成に係る乾燥装置の構成を示す側断面図である
図6】変形例に係る乾燥装置の底面図である。
図7】変形例に係る乾燥装置の正断面図である。
図8】本実施形態に係る連続紙を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0032】
なお、図中に示す矢印UPは、装置の上方(鉛直上方)を示し、矢印DOは、装置の下方(鉛直下方)を示す。また、図中に示す矢印LHは、装置の左方を示し、矢印RHは、装置の右方を示す。また、図中に示す矢印FRは、装置の前方を示し、矢印RRは、装置の後方を示す。これらの方向は、説明の便宜上、定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。
【0033】
また、装置の上方及び下方に沿った方向を、装置の上下方向と称する場合がある。装置の上下方向は、重力方向でもある。また、装置の左方及び右方に沿った方向を、装置の左右方向と称する場合がある。装置の左右方向は、装置の幅方向(水平方向)でもある。また、装置の前方及び後方に沿った方向を、装置の前後方向と称する場合がある。装置の前後方向は、装置の奥行方向(水平方向)でもある。なお、装置の各方向において、「装置」の語を省略して称する場合がある。すなわち、例えば、「装置の上方」を、単に「上方」と称する場合がある。
【0034】
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0035】
(画像形成装置10)
本実施形態に係る画像形成装置10について説明する。図1は、画像形成装置10の構成を示す概略図である。
【0036】
図1に示される画像形成装置10は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置の一例である。具体的には、画像形成装置10は、連続紙P(記録媒体の一例、照射対象の一例)を予め定められた搬送方向Xへ搬送して、当該連続紙Pにインク滴(液滴の一例)を吐出して画像を形成する装置である。換言すれば、画像形成装置10は、液滴を吐出する吐出装置の一例ともいえる。
【0037】
具体的には、画像形成装置10は、図1に示されるように、搬送部16と、吐出ヘッド40(画像形成部の一例)と、乾燥装置50(照射装置の一例)と、を備えている。なお、図1では、画像形成装置10の各部の構成を簡略化して示している。
【0038】
吐出ヘッド40及び乾燥装置50は、連続紙Pの搬送方向Xの上流側から下流側に向かってこの順で配置されている。したがって、搬送部16によって搬送される連続紙Pの各部分に対して、吐出動作及び乾燥動作が、この順で実行される。以下、画像形成装置10の各部(搬送部16、吐出ヘッド40及び乾燥装置50)について説明する。
【0039】
(搬送部16)
図1に示される搬送部16は、連続紙Pを搬送する機能を有している。具体的には、搬送部16は、連続紙Pを巻き出す巻出ロール22と、連続紙Pを巻き取る巻取ロール24と、巻掛ロール25、27と、を有している。巻取ロール24は、巻き取り方向(図1における時計周り方向)へ駆動部28によって回転駆動される。これにより、巻取ロール24側へ連続紙Pが引っ張られて、巻出ロール22が連続紙Pを巻き出す。このように、駆動部28が巻取ロール24を回転駆動することによって、連続紙Pは張力が付与された状態で、巻出ロール22から巻取ロール24へ搬送方向Xに沿って搬送される。
【0040】
巻掛ロール25は、左右方向(搬送方向X)における巻出ロール22と吐出ヘッド40との間で連続紙Pが巻き掛けられている。巻掛ロール27は、左右方向(搬送方向X)における乾燥装置50と巻取ロール24との間で連続紙Pが巻き掛けられている。これにより、巻出ロール22から巻取ロール24までの連続紙Pの搬送経路が定められている。
【0041】
なお、本実施形態では、装置の右方が、連続紙Pの搬送方向Xとされている。さらに言えば、装置の左方側が搬送方向Xの上流側であり、装置の右方側が搬送方向Xの下流側である。また、装置の前後方向が、搬送方向Xに交差する連続紙Pの幅方向Yとされている。以下、「連続紙Pの搬送方向X」を単に「搬送方向X」という場合がある。また、「連続紙Pの幅方向Y」を単に「幅方向Y」という場合がある。
【0042】
(吐出ヘッド40)
図1に示される吐出ヘッド40は、液滴を記録媒体に吐出して画像を形成する画像形成部の一例である。具体的には、吐出ヘッド40は、インク滴(液滴の一例)を連続紙P(記録媒体の一例)に吐出して画像を形成する機能を有している。さらに具体的には、吐出ヘッド40は、以下のように構成されている。
【0043】
吐出ヘッド40は、前後方向(幅方向Y)に長さを有している。さらに、吐出ヘッド40は、サーマル方式、圧電方式等の公知の方式にて、例えば、黒色のインク滴を連続紙Pに吐出して、連続紙Pに画像を形成する。換言すれば、吐出ヘッド40は、液滴を記録媒体に吐出する吐出部の一例ともいえる。なお、吐出ヘッド40のインク滴の色は、黒色に限られず、他の色(例えば、マゼンタ、シアン、イエローなど)であってもよい。
【0044】
(乾燥装置50)
次に、乾燥装置50について説明する。図2は、乾燥装置50の底面図である。図3は、乾燥装置50の正断面図(図2の3-3線断面図)である。図4は、乾燥装置50の側断面図(図2の4-4線断面図)である。
【0045】
図2図3及び図4に示される乾燥装置50は、記録媒体(照射対象の一例)に拡散光を照射する照射装置の一例である。具体的には、乾燥装置50は、インク滴が吐出された連続紙Pに拡散光を照射して連続紙Pを乾燥させる装置である。さらに具体的には、乾燥装置50は、図3及び図4に示されるように、照射ユニット51(照射部の一例)と、筐体70と、導光体80と、遮光部90と、を有している。以下、乾燥装置50の各部(照射ユニット51、筐体70、導光体80及び遮光部90)について説明する。
【0046】
〔照射ユニット51〕
照射ユニット51は、図2に示されるように、複数備えられている。複数の照射ユニット51は、前後方向(幅方向Y)に沿って一列に配置されている。
【0047】
各照射ユニット51は、図2及び図3に示されるように、冷却器56と、複数の発光素子58(複数の光源の一例)と、プリント配線基板60と、フレキシブルプリント基板62と、を有している。なお、各照射ユニット51は同様に構成されているので、図2では、複数の照射ユニット51を代表して、最も前方側に配置された照射ユニット51の各部に符号を付している。
【0048】
冷却器56は、図3に示されるように、冷却水が流通する流路(図示省略)が内部に形成された直方体状に形成されている。冷却器56では、流入管56Aを通じて内部へ流入した冷却水が、内部の流路を流通した後、流出管56Bへ流出される。これにより、冷却器56の下面に実装された各発光素子58が冷却される。なお、冷却器56は、上面が筐体70の後述の上壁74に取り付けられている。
【0049】
複数の発光素子58は、図4に示されるように、前後方向(幅方向Y)に沿って、予め定められた配置ピッチPHにて、冷却器56の下面に配置されている。さらに、複数の発光素子58は、図3に示されるように、左右方向(搬送方向X)に沿って、予め定められた配置ピッチにて、冷却器56の下面に配置されている。すなわち、複数の発光素子58は、図2に示されるように、二次元状に配置されている。なお、幅方向Yは、一方向の一例である。
【0050】
さらに説明すると、発光素子58が左右方向(搬送方向X)に沿って配置されて、駆動単位としての照射列59(図2及び図3参照)が構成されている。この照射列59は、前後方向(幅方向Y)に沿って複数配置されている。換言すれば、発光素子58が左右方向(搬送方向X)に沿って配置されて構成された駆動単位が、前後方向(幅方向Y)に沿って複数配置されている。照射列59では、各発光素子58が、左右方向(搬送方向X)に沿って直列に電気的に接続されている。
【0051】
照射列59は、図2に示されるように、例えば、左右方向(搬送方向X)に沿って配置された12個の発光素子58で構成される。この照射列59は、前後方向(幅方向Y)に沿って6列配置される。なお、図3では、図示を簡略化するため、照射列59の発光素子58の個数を6個に減らして図示している。また、各照射列59において発光素子58が配置された搬送方向Xは、一方向及び前記交差方向に対して交差する方向の一例である。なお、各照射列59の発光素子58の個数、及び照射列59の列数は、上記の数値に限定されるものではない。
【0052】
さらに説明すると、複数の発光素子58は、例えば、拡散光(レーザ光)を出射する面発光レーザ素子で構成されている。具体的には、複数の発光素子58は、一例として、780nm以上1100nm以下の赤外領域に発振波長を有する面発光レーザ素子で構成されている。さらに具体的には、複数の発光素子58は、一例として、垂直共振器型の面発光レーザ素子、すなわち、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)で構成されている。
【0053】
プリント配線基板60は、図2及び図3に示されるように、二次元状に配置された発光素子58に対する左方側(一方側)及び右方側(他方側)のそれぞれに配置されている。プリント配線基板60の各々は、照射列59の右端部(一端部)及び左端部(他端部)に配置された発光素子58の各々と電気的に接続されている。
【0054】
図3に示されるフレキシブルプリント基板62は、配線として機能する基板であり、2つのプリント配線基板60のそれぞれに電気的に接続されている。具体的には、各フレキシブルプリント基板62は、一端部が各プリント配線基板60に接続され、他端部が駆動回路18(図1参照)に接続されている。なお、フレキシブルプリント基板62は、図3に示されるように、筐体70の後述の開口部72A、73Aを通じて、筐体70の外部へ引き出されている。
【0055】
そして、フレキシブルプリント基板62及びプリント配線基板60を介して、駆動回路18から照射列59へ駆動信号及び電力が供給されて、照射列59ごとに発光素子58が駆動される。
【0056】
複数の発光素子58は、照射列59ごとに駆動されることで、各照射列59において複数の発光素子58が一括して点灯又は消灯する。これにより、各照射列59の各発光素子58が、図4に示されるように、拡散光L1を連続紙Pに向けて下方へ出射する。各発光素子58から出射された拡散光L1は、導光体80を通過して連続紙Pに照射される。換言すれば、各発光素子58は、導光体80を介して連続紙Pへ拡散光L1を照射する。
【0057】
各発光素子58が連続紙Pへ拡散光L1を照射することで、インクの水分を蒸発させて、連続紙Pの画像が形成された部分を乾燥させる。なお、発光素子58の照射方向である下方は、一方向に対する交差方向の一例である。
【0058】
〔筐体70〕
筐体70は、例えば、金属材料で構成されており、放熱性を有している。筐体70は、具体的には、図2図3及び図4に示されるように、左壁72と、右壁73と、上壁74と、下壁75と、前壁78と、後壁79と、を有している。
【0059】
左壁72は、図3に示されるように、複数の照射ユニット51の冷却器56に対する左方側(搬送方向Xの上流側)に配置されている。右壁73は、複数の照射ユニット51の冷却器56に対する右方側(搬送方向Xの下流側)に配置されている。左壁72及び右壁73の上部には、各フレキシブルプリント基板62が通される開口部72A、73Aが形成されている。
【0060】
前壁78は、図4に示されるように、複数の照射ユニット51の冷却器56に対する前方側に配置されている。後壁79は、複数の照射ユニット51の冷却器56に対する後方側に配置されている。
【0061】
左壁72及び右壁73の前端部は、前壁78の左右端部の各々に連結されており、左壁72及び右壁73の後端部は、後壁79の左右端部の各々に連結されている。これにより、左壁72、右壁73、前壁78及び後壁79は、底面視にて(上下方向に見て)、複数の照射ユニット51の冷却器56の四方を囲んでいる。すなわち、左壁72、右壁73、前壁78及び後壁79が、複数の照射ユニット51の冷却器56の周囲を囲む周壁71を構成している。
【0062】
上壁74は、周壁71の上端部と連結されており、周壁71の上側を閉じている。この上壁74の下面に対して、複数の照射ユニット51の冷却器56が取り付けられている。また、上壁74には、複数の照射ユニット51の冷却器56に接続された流入管56A及び流出管56Bが貫通されている。
【0063】
下壁75は、周壁71の下端部と連結されている。下壁75には、複数の照射ユニット51の発光素子58の下方側で開口する開口部75Aが形成されている。これにより、下壁75は、図2に示されるように、底面視にて枠状に形成されている。
【0064】
〔導光体80〕
導光体80は、図3及び図4に示されるように、複数の発光素子58と連続紙Pとの間に配置されている。導光体80は、複数の発光素子58から出射された拡散光L1を連続紙Pに導く機能を有している。具体的には、導光体80は、複数の導光板82(導光部の一例)と、複数の遮光層84と、を有しており、直方体形状に形成されている。
【0065】
各導光板82は、図4に示されるように、前後方向(幅方向Y)が厚み方向とされた板状に形成されている。具体的には、各導光板82は、前面82Fが、後面82Rに沿った平板である。さら具体的には、各導光板82は、前面82Fが、後面82Rに対して平行に配置された平板である。換言すれば、各導光板82は、厚み(前後方向の寸法)が、上下方向及び左右方向において一定とされた平板ともいえる。なお、前面82Fが厚み方向の一方側の面の一例であり、後面82Rが厚み方向の他方側の面の一例である。
【0066】
導光板82は、遮光層84を介して前後方向(幅方向Y)に積層されている。具体的には、導光板82と遮光層84とは、交互に、前後方向に積層されている。具体的には、導光板82は、発光素子58の配置ピッチPHにて、前後方向に積層されている。すなわち、導光板82及び発光素子58は、同じ配置ピッチにて、前後方向に沿って積層されている。さらに、遮光層84は、導光板82の左右両側の端面にも設けられている。したがって、各導光板82は、前後及び左右の面が遮光層84で覆われている。換言すれば、各導光板82は、上下面以外が遮光層84で覆われている。
【0067】
導光板82としては、例えば、光学ガラス(石英など)や光学プラスチック(ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリオレフィン樹脂など)が用いられる。遮光層84は、導光板82に入射された拡散光L1を導光板82内に閉じ込める機能を有している。具体的には、遮光層84には、導光板82よりも屈折率が小さい層が用いられる。さらに具体的には、遮光層84としては、例えば、フッ素樹脂が用いられる。
【0068】
さらに説明すると、各導光板82は、各照射列59と連続紙Pとの間に配置されている。各導光板82は、上面が各照射列59に対向しており、照射列59の各発光素子58から出射された拡散光L1が当該上面に入射される。すなわち、照射列59ごとに各導光板82に拡散光L1が入射される。各導光板82に入射された拡散光L1は、導光板82内において、全反射しながら下方側へ進行し、導光板82の下面から連続紙Pへ出射される。換言すれば、各導光板82は、照射列59から入射された拡散光L1の拡散を抑制しつつ、該拡散光L1を下方へ導いて連続紙Pへ照射する。
【0069】
各導光板82の下面から出射された拡散光L1は、連続紙Pに拡散しながら照射される。具体的には、各導光板82の下面から出射された拡散光L1は、左右方向に見て、導光板82の厚みを超えて前後方向へ拡散しながら連続紙Pに照射される。換言すれば、各導光板82は、発光素子58に対する連続紙P側(下方側)で該拡散光L1の拡散を開始させる機能を有している。さらに言えば、各導光板82は、発光素子58に対する連続紙P側(下方側)において、左右方向視にて導光板82の厚みを超える前後方向への拡散光L1の拡散を、開始させる機能を有している。さらに説明すると、本実施形態では、左右方向視にて導光板82の厚みを超える前後方向への拡散光L1の拡散の開始端が、発光素子58ではなく、各導光板82の下面とされる。
【0070】
導光体80は、前述のように、上部が筐体70の下壁75の開口部75Aに差し込まれた状態で、下壁75に固定されている。具体的には、下壁75は、底面視にて(上下方向に見て)、導光体80の周囲の4辺を囲んでおり、導光体80の周囲の4辺で下壁75に固定されている。
【0071】
これにより、導光体80は、下壁75に支持されている。すなわち、下壁75は、発光素子58からの拡散光L1が入射される上方側(上部)で、導光体80を支持する支持部の一例として機能している。
【0072】
なお、導光体80が下壁75の開口部75Aに差し込まれた状態で、下壁75に固定されることで、開口部75Aが導光体80によって閉じられている。これにより、開口部72A、73Aを除いて筐体70の内部を閉鎖する閉鎖空間が形成されている。導光体80は、拡散光L1の照射によってインクの水分が蒸発することで発生する水蒸気や、インクのミストや、連続紙Pの紙粉などから、発光素子58を保護する機能も有している。なお、導光体80の下面と連続紙Pとの間の距離は、例えば、10mmとされている。
【0073】
〔遮光部90〕
遮光部90は、連続紙Pで反射した反射光L2を遮る機能を有している。具体的には、遮光部90は、導光体80の支持部として機能する下壁75へ向かう反射光L2を遮る機能を有している。
【0074】
遮光部90は、導光体80の下部に配置されている。具体的には、遮光部90は、導光体80の出射側(下方側)から見て、導光体80の周囲を囲んでいる。さらに、下方側から見て、導光体80の周囲を囲む枠状に形成されている。このように、遮光部90は、下壁75の下側に配置されている。換言すれば、遮光部90は、連続紙Pと下壁75との間に配置されている。
【0075】
遮光部90は、例えば、反射光L2を反射することで、反射光L2を遮る構成とされている。具体的には、遮光部90の下面90Dが、反射光L2を反射する反射面とされている。下面90Dは、例えば、メッキや、塗装、鏡面加工等の処理により、反射面として構成されている。
【0076】
なお、遮光部90としては、反射光L2を吸収することで、反射光L2を遮る構成とされていてもよい。
【0077】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0078】
本実施形態に係る画像形成装置10では、図1に示されるように、巻出ロール22から巻取ロール24へ搬送方向Xに沿って搬送される連続紙Pに対して、吐出ヘッド40からインク滴が吐出されて、連続紙Pに画像が形成される。連続紙Pの画像が形成された部分が、乾燥装置50へ搬送されて、図3及び図4に示されるように、乾燥装置50の各発光素子58から導光体80を介して該部分に拡散光L1が照射される。これにより、該部分のインクの水分が蒸発して、連続紙Pの画像が形成された部分が乾燥される。
【0079】
ここで、幅方向Yに沿って配置された複数の発光素子58からの拡散光L1が、導光体80を介さずに、直接、連続紙Pに照射される構成(第1構成)では、図5に示されるように、発光素子58と連続紙Pとの距離が、例えば、第1距離S1の場合にて、複数の発光素子58による光量の前後方向に沿った分布が均一化される。これは、第1距離S1において、各発光素子58の拡散光L1の光量分布(ガウシアン分布)の半値幅と、各発光素子58の配置ピッチとが同じとなるように設定されているためである。なお、図5では、各発光素子58の拡散光L1の光量分布が実線で示され、第1距離S1において複数の発光素子58を合算した光量分布が、二点鎖線T1にて示されている。また、図5では、第1構成の左側部分を示している。
【0080】
そして、第1構成において、連続紙Pから発光素子58を第1距離S1から離して第2距離S2に配置すると、連続紙Pに照射される拡散光L1の前後方向に沿った光量がばらつく場合がある。具体的には、光量の前後方向に沿った分布において、前後方向の端部TBで光量が低下する。第2距離S2において複数の発光素子58を合算した光量分布が、二点鎖線T2にて示されている。
【0081】
さらに、第1構成では、第1距離S1において、発光素子58からの拡散光L1が、隣接する3つの発光素子58にて重なるのに対して、第2距離S2において、発光素子58からの拡散光L1が、隣接する5つの発光素子58にて重なる。このため、連続紙Pに照射される光量を制御する際に、隣接する5つの発光素子58を考慮する必要があり、第1距離S1の場合よりも制御が複雑となる。
【0082】
一方で、第1距離S1の場合では、発光素子58や照射ユニット51と連続紙Pとの距離が短くなるため、連続紙Pからの反射光が筐体70に到達しやすく、筐体70が高温となる場合がある。
【0083】
これに対して、本実施形態では、導光体80の各導光板82が、照射列59から入射された拡散光L1の拡散を抑制しつつ、該拡散光L1を下方へ導いて連続紙Pへ照射する。換言すれば、各導光板82は、発光素子58に対する連続紙P側(下方側)で該拡散光の拡散を開始させる。
【0084】
このため、本実施形態では、図4に示されるように、発光素子58と連続紙Pとの距離を第1距離S1よりも離した場合でも、例えば、導光板82の下面と連続紙Pとの距離を第1距離S1とすることで、複数の発光素子58による光量の前後方向に沿った分布が均一化される。すなわち、発光素子58を連続紙Pから第1距離S1を超えて離しても、第1構成において第1距離S1とした場合と同様の光量分布を得られる。なお、この場合において複数の発光素子58を合算した光量分布が、二点鎖線T3にて示されている。
【0085】
このように、本実施形態によれば、第1構成に比べ、連続紙Pに照射される拡散光L1の前後方向に沿った光量のばらつきを抑制しつつ、連続紙Pから発光素子58を離せる。換言すれば、発光素子58を連続紙Pから離しても、第1構成に比べ、連続紙Pに照射される拡散光L1の前後方向に沿った光量のばらつきが抑制される。
【0086】
また、本実施形態では、駆動単位である照射列59ごとに各導光板82に拡散光L1が入射される。該拡散光L1が連続紙Pに照射される。このため、発光素子58単位で導光板82が設けられる構成に比べ、導光板82の数が低減される。
【0087】
また、本実施形態では、導光板82は、遮光層84を介して前後方向(幅方向Y)に積層されている。このため、導光板82が別個に構成されている場合に比べ、複数の導光板82を一体に取り扱える。
【0088】
また、本実施形態では、導光板82は、発光素子58の配置ピッチPHにて、前後方向に積層されている。すなわち、導光板82及び発光素子58は、同じ配置ピッチにて、前後方向に沿って積層されている。このため、複数の導光板82が配置ピッチPHと異なるピッチで積層される構成に比べ、導光板82の各々から照射される拡散光の前後方向に沿った間隔と、発光素子58の各々から照射される拡散光の前後方向に沿った間隔と、が相違することが抑制される。
【0089】
また、本実施形態では、各導光板82は、前面82Fが、後面82Rに沿った平板である。さら具体的には、各導光板82は、前面82Fが、後面82Rに対して平行に配置された平板である。このため、導光板82が屈曲されている構成に比べ、照射強度の低下が抑制される。
【0090】
また、本実施形態では、連続紙Pで反射した反射光L2を遮る遮光部90が、導光体80に設けられている。このため、反射光L2が遮られずに連続紙Pに対する発光素子58側に配置された部品(例えば、筐体70等)に到達する構成に比べ、当該部品(例えば、筐体70等)が加熱されることが抑制される。
【0091】
また、本実施形態では、遮光部90は、連続紙Pと下壁75との間で、導光体80の支持部として機能する下壁75へ向かう反射光L2を遮る。このため、反射光L2が遮られずに下壁75に到達する構成に比べ、下壁75が加熱されることが抑制される。
【0092】
また、本実施形態では、遮光部90は、導光体80の出射側(下方側)から見て、導光体80の周囲を囲んでいる。このため、遮光部90は、導光体80の出射側(下方側)から見て、導光体80の片側のみ配置された構成に比べ、導光体80の出射側(下方側)から見て、遮光部90の周囲に配置された部品(例えば下壁75等)が加熱されることが抑制される。
【0093】
(変形例に係る乾燥装置150)
本実施形態に係る乾燥装置50では、複数の照射ユニット51が、前後方向(幅方向Y)に沿って一列に配置されていたが、これに限られない。図6に示されるように、例えば、複数の照射ユニット51が幅方向Yに沿って千鳥状に配置される構成であってもよい。
【0094】
具体的には、変形例に係る乾燥装置150は、複数の照射ユニット51を備える第一列11及び第二列12を備えている。第一列11の複数の照射ユニット51は、前後方向(幅方向Y)に沿って間隔をおいて配置されている。第二列12は、左右方向において第一列11と隣接している。第二列12は、具体的には、第一列11の右方側(搬送方向Xの下流側)で第一列11と隣接している。第二列12の複数の照射ユニット51は、前後方向(幅方向Y)に沿って第一列11の照射ユニット51の間に配置されている。
【0095】
さらに、図7に示されるように、第一列11の連続紙Pに対する照射領域11Aと、第二列12の連続紙Pに対する照射領域12Aとが、左右方向に接近するように、第一列11及び第二列12の照射方向ZAが連続紙Pの照射面PAに対して傾斜している。具体的には、乾燥装置150では、照射領域11Aと照射領域12Aとが前後方向に見て、重なるように傾斜している。
【0096】
なお、照射領域11Aと照射領域12Aとは、前後方向に見て、少なくとも一部が重なっている構成であってもよい。また、照射領域11Aと照射領域12Aとが、前後方向に見て、重なっていなくても、第一列11及び第二列12の照射方向ZAが連続紙Pの照射面PAに対して垂直である構成に比べ、照射領域11Aと照射領域12Aと左右方向に接近する構成であればよい。ここでいう左右方向は、一方向及び交差方向に対して交差する隣接方向の一例である。
【0097】
第一列11及び第二列12における導光体80の出射面80Aは、連続紙Pの照射面PAに沿うように、第一列11及び第二列12の各々の照射方向ZAに対して傾斜している。
【0098】
なお、第一列11及び第二列12の一方の照射方向ZAが連続紙Pの照射面PAに対して傾斜していてもよい。すなわち、第一列11及び第二列12の少なくとも一方の照射方向ZAが連続紙Pの照射面PAに対して傾斜していればよい。
【0099】
ここで、第一列11及び第二列12の照射方向ZAが連続紙Pの照射面PAに対して垂直である構成(第2構成)では、第二列12の連続紙Pに対する照射領域12Aは、第一列11の連続紙Pに対する照射領域11Aに対する搬送方向Xの下流側に位置する。このため、図8に示される連続紙Pの幅方向Yの第一部分P1に、第一列11から拡散光L1が照射された後に、連続紙Pの第二部分P2に第二列12から拡散光L1が照射される。このように、第一列11及び第二列12から連続紙Pの幅方向Yの各部に照射される照射タイミングがばらつく。
【0100】
これに対して、変形例に係る乾燥装置150では、第一列11の連続紙Pに対する照射領域11Aと、第二列12の連続紙Pに対する照射領域12Aとが、左右方向に接近するように、第一列11及び第二列12の照射方向が連続紙Pの照射面PAに対して傾斜しているので、第2構成に比べ、第一列11からの拡散光L1の連続紙Pに対する照射タイミングと、第二列からの拡散光の照射対象に対する照射タイミングと、のずれが小さくなる。
【0101】
また、変形例に係る乾燥装置150では、第一列11及び第二列12における導光体80の出射面80Aは、連続紙Pの照射面PAに沿うように、第一列11及び第二列12の各々の照射方向ZAに対して傾斜している。このため、導光体80の出射面80Aが照射方向ZAに対して垂直である構成に比べ、導光体80の出射面80Aから照射面PAまでの距離が、左右方向においてばらつきにくい。このため、連続紙Pの照射面PAに照射される拡散光L1の光量がばらつきにくい。
【0102】
(他の変形例)
本実施形態では、乾燥装置50が照射装置の一例として構成されていたが、これに限られない。例えば、乾燥装置50を構成する各照射ユニット51を照射装置の一例と把握してもよい。この場合、例えば、導光体80の各導光板82は、照射ユニット51に備えられたものと把握される。さらに、各導光板82を各照射ユニット51に設けてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、駆動単位である照射列59ごとに導光板82が設けられ、照射列59ごとに各導光板82に拡散光L1が入射される構成であったが、これに限られない。例えば、発光素子58単位で導光板82を設け、発光素子58ごとに導光板82に拡散光L1が入射される構成であってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、発光素子58が光源の一例として構成されていたが、これに限られない。例えば、照射列59を光源の一例として把握してもよい。
【0105】
また、本実施形態では、導光板82は、遮光層84を介して前後方向(幅方向Y)に積層されていたが、これに限られない。例えば、導光板82が別個に構成されている構造であってもよい。
【0106】
また、本実施形態では、導光板82は、発光素子58の配置ピッチPHにて、前後方向に積層されていたが、これに限られない。例えば、複数の導光板82が配置ピッチPHと異なるピッチで積層される構成であってもよい。
【0107】
また、本実施形態では、各導光板82は、前面82Fが、後面82Rに沿った平板であったが、これに限られない。例えば、導光板82が屈曲されている構成であってもよい。
【0108】
また、本実施形態では、連続紙Pで反射した反射光L2を遮る遮光部90が、導光体80に設けられていたが、これに限られない。例えば、遮光部90を有さずに、筐体70と連続紙Pとの間に空間が形成された構成であってもよい。
【0109】
また、本実施形態では、遮光部90は、導光体80の出射側(下方側)から見て、導光体80の周囲を囲んでいたが、これに限られない。例えば、遮光部90が、導光体80の出射側(下方側)から見て、導光体80の片側のみ配置された構成であってもよい。
【0110】
また、本実施形態では、照射装置の一例としての乾燥装置について説明したが、照射装置としては、乾燥装置に限られない。照射装置としては、例えば、照射対象に光を照射して照明する照明装置であってもよく、照射対象に光を照射する装置であればよい。
【0111】
本実施形態では、記録媒体として、連続紙Pを用いたが、これに限られず、記録媒体としては、枚葉紙であってもよい。また、照射対象としては、記録媒体に限られず、他の部材であってもよい。
【0112】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 画像形成装置
11 第一列
12 第二列
40 吐出ヘッド(画像形成部の一例)
50、150 乾燥装置(照射装置の一例)
51 照射ユニット(照射部の一例)
58 発光素子(光源の一例)
59 照射列(駆動単位の一例)
75 下壁(支持部の一例)
82 導光板(導光部の一例)
84 遮光層
90 遮光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8