(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】プログラム、および通信システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221220BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221220BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221220BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
B41J29/38 401
G06F3/12 308
G06F3/12 332
G06F3/12 356
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2018178798
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】安井 良
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013963(JP,A)
【文献】特開2017-016190(JP,A)
【文献】特開2017-226086(JP,A)
【文献】特開2013-161469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプリンタと近距離無線通信を行う通信インタフェースと、表示インタフェースとを備える端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記プリンタの構成を示す構成情報を当該プリンタから、前記通信インタフェースを介して受信する受信手段と、
前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、
前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する送信手段と、
して機能させ、
前記プリンタは、当該プリンタの構成が変更された場合に、当該構成を示す構成情報を変更し、
前記コンピュータを、
前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記プリンタの変更された構成情報を当該プリンタから、前記通信インタフェースを介して再受信する再受信手段として機能させ、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトと、前記受信手段により受信された前記構成情報とに基づいてプレビュー画像を表示させている際に、前記再受信手段により構成情報が受信された場合に、当該プレビュー画像の代わりに、前記オブジェクトと、前記再受信手段により受信された前記構成情報とに基づいてプレビュー画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
1以上のプリンタと近距離無線通信を行う通信インタフェースと、表示インタフェースとを備える端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記プリンタの構成を示す構成情報を当該プリンタから、前記通信インタフェースを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記構成情報が、予め設定された設定構成情報に含まれるか否かを判断する第1判断手段と、
前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記受信手段により受信された前記構成情報のうちの、前記第1判断手段により前記設定構成情報に含まれると判断されたものとに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、
前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する送信手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
1以上のプリンタと近距離無線通信を行う通信インタフェースと、表示インタフェースとを備える端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記プリンタの構成を示す構成情報を当該プリンタから、前記通信インタフェースを介して受信する受信手段と、
前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、
前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する送信手段と、
して機能させ、
前記構成情報は、前記プリンタにセットされた印刷媒体を示す印刷媒体情報を含み、
前記コンピュータを、
前記受信手段により受信された前記構成情報に含まれる前記印刷媒体情報により示される印刷媒体に前記オブジェクトを印刷することができるか否かを判断する第2判断手段として機能させ、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトと、前記受信手段により受信された前記構成情報のうちの、前記第2判断手段により前記オブジェクトを印刷できると判断された印刷媒体を示す印刷媒体情報を含むものとに基づいて、当該オブジェクトのプレビュー画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
前記受信手段は、
前記構成情報と、前記プリンタと通信を行うための通信情報とを、前記プリンタから前記通信インタフェースを介して受信し、
前記通信指示手段は、
前記受信手段により受信された前記通信情報を用いて、前記通信インタフェースを介し
て、前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記構成情報は、前記プリンタにセットされた印刷媒体を示す印刷媒体情報を含み、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトと、前記構成情報に含まれる前記印刷媒体情報とに基づいて、当該印刷媒体情報により示される印刷媒体に当該オブジェクトを挿入したプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記構成情報は、前記プリンタのステータスを示すステータス情報を含み、
前記表示制御手段は、
前記構成情報に含まれる前記ステータス情報により示される前記プリンタのステータスを、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プリンタは、前記近距離無線通信の規格に従って前記構成情報を含むビーコン信号を発信し、
受信手段は、
前記ビーコン信号を前記プリンタから受信することにより、当該ビーコン信号に含まれる構成情報を受信することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記オブジェクトをユーザ操作により編集する編集手段として機能させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
近距離無線通信を行うプリンタ側通信インタフェースと、プリンタ側コンピュータとを有する1以上のプリンタと、
前記1以上のプリンタと前記近距離無線通信を行う端末装置側通信インタフェースと、表示インタフェースと、端末装置側コンピュータとを有する端末装置と、
を備える通信システムであって、
前記プリンタ側コンピュータを、
当該プリンタ側コンピュータを有するプリンタの前記プリンタ側通信インタフェースを介して、当該プリンタの構成を示す構成情報を送信する第1送信手段として機能させ、
前記端末装置側コンピュータを、
前記第1送信手段により送信された前記構成情報を、前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記端末装置側通信インタフェースを介して受信する第1受信手段と、
前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記第1受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、
前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する第2送信手段と、
して機能させ、
前記プリンタ側コンピュータを、
前記第2送信手段により送信された印刷指示を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信された印刷指示に従って、印刷処理を実行する実行手段と、
して機能させ、
前記第1送信手段は、前記プリンタの構成が変更されたことに応じて、変更された構成を示す変更構成情報を、前記プリンタ側通信インタフェースを介して送信し、
前記端末装置側コンピュータを、
前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記変更構成情報を当該プリンタから、前記端末装置側通信インタフェースを介して再受信する再受信手段として機能させ、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトと、前記第1受信手段により受信された前記構成情報とに基づいてプレビュー画像を表示させている際に、前記再受信手段により構成情報が受信された場合に、当該プレビュー画像の代わりに、前記オブジェクトと、前記再受信手段により受信された前記構成情報とに基づいてプレビュー画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
近距離無線通信を行うプリンタ側通信インタフェースと、プリンタ側コンピュータとを有する1以上のプリンタと、
前記1以上のプリンタと前記近距離無線通信を行う端末装置側通信インタフェースと、表示インタフェースと、端末装置側コンピュータとを有する端末装置と、
を備える通信システムであって、
前記プリンタ側コンピュータを、
当該プリンタ側コンピュータを有するプリンタの前記プリンタ側通信インタフェースを介して、当該プリンタの構成を示す構成情報を送信する第1送信手段として機能させ、
前記端末装置側コンピュータを、
前記第1送信手段により送信された前記構成情報を、前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記端末装置側通信インタフェースを介して受信する第1受信手段と、
前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記第1受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、
前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する第2送信手段と、
して機能させ、
前記プリンタ側コンピュータを、
前記第2送信手段により送信された印刷指示を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信された印刷指示に従って、印刷処理を実行する実行手段と、
して機能させ、
前記端末装置側コンピュータを、
前記第1受信手段により受信された前記構成情報が、予め設定された設定構成情報に含まれるか否かを判断する第1判断手段として機能させ、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトと、前記
第1受信手段により受信された前記構成情報のうちの、前記第1判断手段により前記設定構成情報に含まれると判断されたものとに基づいて、当該オブジェクトのプレビュー画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする通信システム。
【請求項11】
近距離無線通信を行うプリンタ側通信インタフェースと、プリンタ側コンピュータとを有する1以上のプリンタと、
前記1以上のプリンタと前記近距離無線通信を行う端末装置側通信インタフェースと、表示インタフェースと、端末装置側コンピュータとを有する端末装置と、
を備える通信システムであって、
前記プリンタ側コンピュータを、
当該プリンタ側コンピュータを有するプリンタの前記プリンタ側通信インタフェースを介して、当該プリンタの構成を示す構成情報を送信する第1送信手段として機能させ、
前記端末装置側コンピュータを、
前記第1送信手段により送信された前記構成情報を、前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記端末装置側通信インタフェースを介して受信する第1受信手段と、
前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記第1受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、
前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する第2送信手段と、
して機能させ、
前記プリンタ側コンピュータを、
前記第2送信手段により送信された印刷指示を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信された印刷指示に従って、印刷処理を実行する実行手段と、
して機能させ、
前記構成情報は、前記プリンタにセットされた印刷媒体を示す印刷媒体情報を含み、
前記端末装置側コンピュータを、
前記第1受信手段により受信された前記構成情報に含まれる前記印刷媒体情報により示される印刷媒体に前記オブジェクトを印刷することができるか否かを判断する第2判断手段として機能させ、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトと、前記
第1受信手段により受信された前記構成情報のうちの、前記第2判断手段により前記オブジェクトを印刷できると判断された印刷媒体を示す印刷媒体情報を含むものとに基づいて、当該オブジェクトのプレビュー画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタと近距離無線通信を行う端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置は、種々の方式の無線通信により、プリンタと通信を行うことが可能とされている。下記特許文献には、Bluetooth(登録商標)Low Energy方式などの近距離無線通信によりプリンタと通信を行う端末装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の技術では、近距離無線通信を用いて、端末装置がプリンタから用紙サイズ等の属性情報を取得し、印刷対象のプリンタの選択時等に、それら属性情報を文字で表示している。これにより、ユーザは、属性情報を確認することで、印刷対象のプリンタを選択し易くなる。しかしながら、属性情報を文字で示すだけでは、ユーザはプリンタを選択する際に選択肢となるプリンタの印刷結果をイメージし難いという問題があった。そこで、印刷対象のプリンタの選択時等に、印刷結果をイメージし易くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示するプログラムは、1以上のプリンタと近距離無線通信を行う通信インタフェースと、表示インタフェースとを備える端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータを、前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記プリンタの構成を示す構成情報を当該プリンタから、前記通信インタフェースを介して受信する受信手段と、前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する送信手段と、して機能させることを特徴とする。
【0006】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する通信システムは、近距離無線通信を行うプリンタ側通信インタフェースと、プリンタ側コンピュータとを有する1以上のプリンタと、前記1以上のプリンタと前記近距離無線通信を行う端末装置側通信インタフェースと、表示インタフェースと、端末装置側コンピュータとを有する端末装置と、を備える通信システムであって、前記プリンタ側コンピュータを、当該プリンタ側コンピュータを有するプリンタの前記プリンタ側通信インタフェースを介して、当該プリンタの構成を示す構成情報を送信する第1送信手段として機能させ、前記端末装置側コンピュータを、前記第1送信手段により送信された前記構成情報を、前記近距離無線通信の通信範囲内において、前記端末装置側通信インタフェースを介して受信する第1受信手段と、前記プリンタにより印刷可能なオブジェクトと、前記第1受信手段により受信された前記構成情報とに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、前記プリンタの選択肢とを、前記表示インタフェースに表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により表示された前記プリンタの選択肢に対する選択指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた選択肢により示されるプリンタとの通信を指示する通信指示手段と、前記通信指示手段による通信指示で確立された通信を用いて、前記プリンタに印刷指示を送信する第2送信手段と、して機能させ、前記端末装置側コンピュータを、前記第2送信手段により送信された印刷指示を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段により受信された印刷指示に従って、印刷処理を実行する実行手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施例に開示するプログラム等では、端末装置が、プリンタの構成を示す構成情報をプリンタから、近距離無線通信を用いて受信する。そして、受信した構成情報と、プリンタにより印刷可能なオブジェクトとに基づいて、当該構成情報に応じた当該オブジェクトのプレビュー画像と、プリンタの選択肢とが、端末装置において表示される。これにより、印刷対象のプリンタの選択時等に、印刷結果をイメージし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、PC(端末装置の一例)10、プリンタ50a,b,c,d,e,fを備える。
【0010】
PC10は、例えば、ノートPC、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末であり、CPU(コンピュータ及び端末装置側コンピュータの一例)12、メモリ14、LCD(表示インタフェースの一例)16、入力I/F18、近距離無線通信I/F(通信インタフェース及び端末装置側通信インタフェースの一例)20を主に備えている。これらの構成要素は、バス22を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
CPU12は、メモリ14内の制御プログラム(プログラムの一例)30、OS32に従って処理を実行する。制御プログラム30は、プリンタ50に印刷処理を実行させるためのアプリケーションプログラムであり、OS32は、制御プログラム30に利用される基本的な機能を提供するプログラムである。なお、制御プログラム30等を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御プログラム30が」という記載は、「制御プログラム30を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0012】
また、メモリ14は、データ記憶領域34を備える。データ記憶領域34は、制御プログラム30等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリー、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0013】
メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0014】
また、LCD16は、PC10の各種情報を表示する。なお、本願のディスプレイは、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイでも良い。入力I/F18は、キーボード、マウス等を含み、ユーザ操作を入力するためのインタフェースである。なお、入力I/F18は、キーボード等に限らず、LCD16の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサでも良い。
【0015】
近距離無線通信I/F20は、IEEEの802.15.1の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Bluetooth(登録商標)Low Energy方式の無線通信(以下、「BLE通信」と記載する)を行うことが可能とされている。これにより、PC10は、BLE通信を行える状態となれば、プリンタ50とデータ通信を行うことが可能となる。
【0016】
また、プリンタ50a,b,c,d,e,fは、共通する構造が多いため、プリンタ50aを代表して説明する。プリンタ50aは、CPU(プリンタ側コンピュータの一例)52、メモリ54、印刷処理実行部56、ステータス監視部58、メディア監視部60、近距離無線通信I/F(プリンタ側通信インタフェースの一例)62を主に備えている。これらの構成要素は、バス66を介して互いに通信可能とされている。
【0017】
CPU52は、メモリ54内の制御プログラム70に従って処理を実行する。制御プログラム70は、印刷処理を実行するためのプログラムである。また、メモリ54は、データ記憶領域72を備える。データ記憶領域72は、制御プログラム70の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ54は、RAM、ROM、フラッシュメモリー、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0018】
また、印刷処理実行部56は、制御プログラム70の処理に従って、印刷媒体に画像を印刷するためのものである。ちなみに、プリンタ50a,b,c,d,eでは、印刷媒体としてラベルが採用されており、ラベルに画像が印刷され、プリンタ50fでは、印刷媒体としてカット紙が採用されており、カット紙に画像が印刷される。つまり、プリンタ50a,b,c,d,eは、ラベルプリンタであり、プリンタ50fは、一般的なプリンタである。
【0019】
ステータス監視部58は、プリンタ50aの印刷媒体のセットの有無,カバーの開閉状態などのステータスを監視している。そして、ステータス監視部58は、ステータスが変更される毎に、ステータスに関する情報(以下、「ステータス情報」と記載する)をメモリ54に出力する。また、メディア監視部60は、プリンタにセットされている印刷媒体を監視している。そして、メディア監視部60は、プリンタにセットされている印刷媒体が変更される毎に、その印刷媒体に関する情報(以下、「メディア情報」と記載する)(印刷媒体情報の一例)をメモリ54に出力する。
【0020】
近距離無線通信I/F62は、PC10の近距離無線通信I/F20と同じ規格に基づいて、BLE通信を行うことが可能とされている。これにより、プリンタ50aは、BLE通信を行える状態となれば、PC10とデータ通信を行うことが可能となる。
【0021】
なお、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OS32を介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「設定」等の処理は、入力された設定情報をメモリに記憶することで行われる。
【0022】
通信システム1では、上述した構成により、PC10からプリンタ50に、BLE通信を利用して印刷用画像データが送信され、プリンタ50により印刷用画像データに基づく画像の印刷処理が実行される。以下に、通信システム1での処理について説明する。
【0023】
まず、BLE通信は、近距離無線通信の規格のひとつであり、BLE通信によって、プリンタ50からアドバタイジングパケットと呼ばれるビーコン信号が発信される。アドバタイジングパケットは、特定の装置に向かって送信されるものではなく、不特定多数の装置に向かって同時に送信される。つまり、アドバタイジングパケットは、ブロードキャスト送信される。
【0024】
アドバタイジングパケットは、アドレス情報(通信情報の一例)と、ローカルネームと、ステータス情報と、メディア情報と、モデル情報によって構成されている。アドレス情報は、アドバタイジングパケットを発信するプリンタ50と通信を行う際に用いられるアドレスである。ローカルネームは、アドバタイジングパケットを発信するプリンタ50を識別するための識別情報であり、例えば、プリンタ50のモデル名とシリアル番号の組み合わせた情報である。また、ステータス情報は、上述したように、アドバタイジングパケットを発信するプリンタ50のステータスを示す情報であり、メディア情報は、アドバタイジングパケットを発信するプリンタ50にセットされている印刷媒体の種類を示す情報であり、ラベルの種類(感熱紙、ラミネート、ダイカット紙、ロール紙)、ラベルの幅、ラベルに印刷されるオブジェクトの色等が含まれる。モデル情報は、プリンタ50の機種を示す情報である。
【0025】
また、PC10は、プリンタ50とのBLE通信の通信範囲内にある場合に、プリンタ50により発信されたアドバタイジングパケットを受信する。そして、PC10は、受信したアドバタイジングパケットに含まれるステータス情報若しくはメディア情報に基づいて、そのアドバタイジングパケットを発信するプリンタ50での印刷イメージをプレビュー画像として表示する。このプレビュー画像は、印刷処理を実行するプリンタを選択するための選択ボタンとして機能している。これにより、ユーザは、印刷イメージを確認しつつ、印刷処理を実行するプリンタを選択することができる。
【0026】
次に、PC10は、プレビュー画像への操作によりプリンタが選択されると、その選択されたプリンタ(以下、「選択プリンタ」と記載する)のアドバタイジングパケットに含まれるアドレス情報を用いて、選択プリンタとのBLE通信を確立させる。そして、BLE通信により、画像データ及び印刷指示が、PC10から選択プリンタに送信され、選択プリンタにおいて、印刷処理が実行される。
【0027】
なお、PC10では、選択ボタンとしてプレビュー画像が表示される際に、PC10と通信可能なプリンタ50のうちの、ユーザが望む印刷処理を実行可能なプリンタに対応するプレビュー画像のみを表示することができる。具体的には、PC10では、例えば、ユーザが印刷媒体としてラベルを採用し、ラベル印刷可能なプリンタに対応するプレビュー画像のみが表示されるように設定されている。さらに、ラベル印刷可能なプリンタのうちのバーコードを印刷可能なプリンタに対応するプレビュー画像のみが表示されるように設定されている。なお、ラベル印刷可能なプリンタに対応するプレビュー画像のみを表示するための設定(以下、「ラベルプリンタ表示設定」と記載する)及び、バーコードを印刷可能なプリンタに対応するプレビュー画像のみを表示するための設定(以下、「バーコード印刷表示設定」と記載する)は、制御プログラム30の処理により表示される設定画面(図示省略)において設定される。
【0028】
また、PC10では、リアルタイム更新設定を行うことが可能とされている。リアルタイム更新設定とは、上記プレビュー画像が表示されている際に、表示されているプレビュー画像に対応するプリンタにおいて、ステータス情報、若しくは、メディア情報が更新されると、更新されたステータス情報若しくはメディア情報に基づいて、プレビュー画像が再表示される設定である。詳しくは、プレビュー画像は、上述したように、ステータス情報若しくはメディア情報に基づいて表示される。このステータス情報及びメディア情報は、プリンタにおいて更新される場合がある。例えば、ユーザがラベル等の印刷媒体をプリンタから取り外す場合がある。このような場合に、ステータス情報は、印刷媒体がセットされていることを示す情報から、印刷媒体がセットされていないことを示す情報に更新される。また、例えば、ユーザがプリンタにセットされている印刷媒体を、例えば、6mm幅のラベルから12mm幅のラベルに交換する場合がある。このような場合に、メディア情報は、6mm幅のラベルを示す情報から、12mm幅のラベルを示す情報に更新される。なお、以下の説明において、ステータス情報とメディア情報とモデル情報とを纏めて、構成情報と記載する場合がある。
【0029】
このため、プレビュー画像が表示されている際に、表示されているプレビュー画像に対応するプリンタにおいて、構成情報が更新されると、更新された構成情報に基づいて、プレビュー画像が再表示される。つまり、例えば、プリンタ50aに6mm幅のラベルがセットされている際に、6mm幅のラベルに応じたプレビュー画像が表示されるが、その際に、プリンタ50aにおいて、6mm幅のラベルから12mm幅のラベルに交換されると、6mm幅のラベルに応じたプレビュー画像の代わりに、12mm幅のラベルに応じたプレビュー画像が表示される。
【0030】
なお、リアルタイム更新設定は、制御プログラム30の処理により表示される設定画面(図示省略)において設定される。そして、リアルタイム更新設定がONにされている場合に、構成情報の更新に応じてプレビュー画像の再表示が実行されるが、リアルタイム更新設定がOFFにされている場合には、構成情報が更新されても、プレビュー画像の再表示は実行されない。
【0031】
以下に、上述した通信システム1でのプリンタ50とPC10との作動について、
図2乃至
図4に示すシーケンス図を用いて、説明する。
【0032】
まず、プリンタ50では、上述したように、構成情報が変更される毎に、変更された構成情報が、ステータス監視部58若しくはメディア監視部60からメモリ54に出力される。そして、プリンタ50は、変更された構成情報を含むアドバタイジングパケットを発信する(S100:
図2)。構成情報は、プリンタ50のステータスやメディアの種類ごとにUUIDやmajor/minorといった識別子で予めベンダーによって定義されており、プリンタ50は、ステータス監視部58若しくはメディア監視部60から出力された構成情報に応じたUUID、major/minorをアドバタイジングパケットに含ませ、発信する。この際、PC10がBLE通信の通信範囲内に位置している場合に、PC10のOS32が、プリンタ50から発信されたアドバタイジングパケットを受信する。なお、アドバタイジングパケットに含まれるアドレスとローカルネームとステータス情報とメディア情報とを纏めて、パケット情報と記載する場合がある。
【0033】
続いて、OS32は、プリンタ50からアドバタイジングパケットを受信すると、受信したアドバタイジングパケットに含まれるパケット情報を、制御プログラム30に出力する(S102)。そして、制御プログラム30は、パケット情報を受け付けると、受け付けたパケット情報をデータ記憶領域34に記憶する(S104)。なお、本説明において、制御プログラム30は、6台のプリンタ50a,b,c,d,e,fのパケット情報を受け付け、それら6台のプリンタ50a,b,c,d,e,fのパケット情報をデータ記憶領域34に記憶する。
【0034】
また、PC10では、制御プログラム30の処理により、
図5に示す編集画面80がLCD16に表示される。編集画面80は、印刷対象の画像を編集するためのものであり、操作領域82とプレビュー領域84とプリンタ情報領域86と編集領域88とにより構成されている。操作領域82は、複数の操作ボタンが表示される領域であり、プレビュー領域84は、選択ボタンとしてのプレビュー画像が表示される領域である。また、プリンタ情報領域86は、選択ボタンとして表示されたプレビュー画像が選択されることで、選択されたプレビュー画像に応じたプリンタ、つまり、選択プリンタに関する情報が表示される領域である。また、編集領域88は、印刷対象の画像を編集するための領域である。
【0035】
そして、制御プログラム30は、操作領域82に表示されているプレビューボタン100への操作を受け付けると(S106)、ラベルプリンタ表示設定に従って、ラベル印刷可能なプリンタのパケット情報を抽出する(S108)。詳しくは、データ記憶領域34には、ラベル印刷可能なプリンタのモデルに関する情報(以下、「ラベル印刷モデル情報」と記載する)(設定構成情報の一例)が記憶されている。そして、制御プログラム30は、S104においてデータ記憶領域34に記憶されたパケット情報(以下、「記憶パケット情報」と記載する)のうちの、ラベル印刷モデル情報と適合するモデル情報を含むパケット情報を抽出する。ここで、ラベル印刷モデル情報には、プリンタ50a,b,c,d,eがラベルプリンタであるため、プリンタ50a,b,c,d,eのモデル情報が含まれており 、ラベル印刷モデル情報とプリンタ50a,b,c,d,eのモデル情報とが適合する。このため、ラベルプリンタ表示設定に従って、プリンタ50a,b,c,d,eのパケット情報が抽出される。
【0036】
次に、制御プログラム30は、バーコード印刷表示設定に従って、バーコードを印刷可能なプリンタのパケット情報を抽出する(S110)。詳しくは、データ記憶領域34には、バーコードを印刷可能な印刷媒体に関する情報(以下、「バーコード印刷情報」と記載する)(設定構成情報の一例)が記憶されている。そして、制御プログラム30は、記憶パケット情報のうちの、バーコード印刷情報と適合するメディア情報を含むパケット情報を抽出する。なお、プリンタ50a,b,c,dには、バーコード印刷可能な印刷媒体のカートリッジがセットされており 、プリンタ50eには、バーコード印刷不能な印刷媒体のカートリッジがセットされている。このため、バーコード印刷情報には、プリンタ50a,b,c,dのメディア情報が含まれているが、プリンタ50eのメディア情報は含まれておらず、バーコード印刷情報とプリンタ50a,b,c,dのメディア情報とが適合する。これにより、バーコード印刷表示設定に従って、プリンタ50a,b,c,dのパケット情報が抽出される。なお、印刷媒体のカートリッジがセットされていないプリンタのパケット情報は、メディア情報がブランクである(またはメディアがないという情報である)ため、パケット情報は抽出されない。
【0037】
そして、制御プログラム30は、抽出されたパケット情報に基づいて、
図6に示す選択画面110を編集画面80のプレビュー領域84に表示する(S112)。選択画面110には、抽出されたパケット情報に応じたプリンタ50a,b,c,dを選択するための選択ボタン112a,b,c,dが表示されており、それら選択ボタン112a,b,c,dの各々には、各々の選択ボタン112a,b,c,dに応じたプリンタ50a,b,c,dのパケット情報に含まれるローカルネームが表示されている。
【0038】
また、選択ボタン112a,b,cの各々には、各々の選択ボタン112a,b,cに応じたプリンタ50a,b,cのパケット情報に含まれるメディア情報に基づいて、プレビュー画像116a,b,cが表示されている。プレビュー画像116a,b,cは、メディア情報により示される印刷媒体、つまり、ラベルに、所定のオブジェクト(以下、「プレビュー用オブジェクト」と記載する)(ここでは、「Sample Text」がプレビュー用オブジェクトとして採用されている)が挿入された画像である。
【0039】
具体的には、プリンタ50aには、6mm幅の白色のラベルがセットされており、そのラベルには黒色でオブジェクトが印刷される。このため、選択ボタン112aには、6mm幅の白色のラベルに、黒色のプレビュー用オブジェクトが挿入されたプレビュー画像116aが表示されている。また、プリンタ50bには、12mm幅の黒色のラベルがセットされており、そのラベルには白色でオブジェクトが印刷される。このため、選択ボタン112bには、12mm幅の黒色のラベルに、白色のプレビュー用オブジェクトが挿入されたプレビュー画像116bが表示されている。また、プリンタ50cには、12mm幅の白色のラベルがセットされており、そのラベルには赤色でオブジェクトが印刷される。このため、選択ボタン112cには、12mm幅の白色のラベルに、赤色のプレビュー用オブジェクトが挿入されたプレビュー画像116cが表示されている。
【0040】
なお、プリンタ50dには、印刷媒体のカートリッジがセットされているものの、印刷媒体が残っておらず、メディア情報に基づいてプレビュー画像を表示することができない。このため、選択ボタン112dには、プリンタ50dのパケット情報に含まれるステータス情報により示されるプリンタ50dのステータスが表示される。
図6では、プリンタ50dのステータスとして、印刷媒体が不足していることを示すコメントが、選択ボタン112dに表示される。
【0041】
また、プリンタ50では、上述したように、セットされている印刷媒体の交換,若しくは、ステータスが変更されると(S120:
図3参照)、構成情報、つまり、メディア情報若しくはステータス情報が更新される(S122)。そして、プリンタ50は、更新された構成情報を含むアドバタイジングパケットを発信する(S124)。この際、PC10がプリンタ50とのBLE通信の通信範囲内に位置している場合に、PC10のOS32が、プリンタ50から発信されたアドバタイジングパケットを受信する。そして、OS32は、受信したアドバタイジングパケットに含まれるパケット情報を、制御プログラム30に出力する(S126)。
【0042】
制御プログラム30は、パケット情報を受け付けると、受け付けたパケット情報を、記憶パケット情報として更新する(S128)。そして、制御プログラム30は、リアルタイム更新がONに設定されているか否かを判断する(S130)。この際、リアルタイム更新がONに設定されている場合(S130:YES)に、制御プログラム30は、S128において更新された記憶パケット情報に含まれる構成情報に基づいて、選択画面110を再表示する(S134)。なお、S134における選択画面110の表示手法は、S112における選択画面110の表示手法と同じであるため、説明を省略する。また、S130において、リアルタイム更新がOFFに設定されている場合(S130:NO)には、選択画面110の再表示は実行されず、S112で表示された選択画面110が継続して表示される。
【0043】
そして、選択画面110において、複数の選択ボタン112a,b,c,dのうちの任意のボタンが操作されると、制御プログラム30は、操作された選択ボタン112a,b,c,dに応じたプリンタを選択プリンタとして受け付ける(S136)。次に、制御プログラム30は、選択プリンタの記憶パケット情報に含まれるアドレス情報を用いて、選択プリンタとの接続指示をOS32に送信する(S138)。それに応じて、OS32は、選択プリンタに対してアドレス情報を用いた接続要求を送信し、選択プリンタとのBLE通信を確立させる(S140)。
【0044】
また、PC10では、選択画面110への操作により選択プリンタが選択されると、
図5に示すように、選択プリンタのパケット情報に含まれるメディア情報に応じたラベルを示す画像(以下、「ラベル画像」と記載する)120が、編集画面80の編集領域88に表示される。そして、ラベル画像120への編集操作により、ラベル画像120に任意のオブジェクトが挿入されることで、印刷対象の画像が作成される。続いて、印刷対象の画像が作成された後に、操作領域82に表示されている印刷ボタン121が操作されることで、制御プログラム30は、印刷ボタン121への操作を受け付ける(S150:
図4参照)。
【0045】
そして、制御プログラム30は、ラベル画像120への編集操作により作成された印刷対象の画像の画像データを印刷指示とともに、OS32に出力する(S152)。次に、OS32は、画像データ及び印刷指示を受け付けると、受け付けた画像データ及び印刷指示を、BLE通信により選択プリンタに送信する(S154)。これにより、選択プリンタにおいて、PC10から送信された画像データに基づく画像の印刷処理が実行される(S156)。
【0046】
このように、PC10では、選択ボタン112a,b,cにプレビュー画像116a,b,cが表示されるため、ユーザは、プリンタ50との通信を確立する前に、PC10の周囲にあるプリンタ50での印刷イメージを確認しつつ、印刷処理を実行するプリンタを直感的に選択することができる。なお、上記説明では、プレビュー用オブジェクトとして、「Sample Text」が採用されているが、任意のオブジェクトをプレビュー用オブジェクトとして採用することができる。詳しくは、
図5に示すように、編集画面80の操作領域82には、編集ボタン122が表示されており、その編集ボタン122が操作されることで、制御プログラム30は、編集ボタン122の操作を受け付ける(S158:
図4参照)。そして、制御プログラム30は、プレビュー用オブジェクトの編集操作を受け付けることで(S160)、プレビュー用オブジェクトが任意のものに変更される。その後、プレビューボタン100への操作を受け付けると、ユーザが指定した任意のオブジェクトを用いて選択画面110を表示させることができる。これにより、例えば、バーコード印刷を予定している場合に、プレビュー用オブジェクトとしてバーコードを採用することで、より適切な印刷イメージを確認することが可能となる。
【0047】
また、PC10では、ラベルプリンタ表示設定及び、バーコード印刷表示設定を任意に設定することが可能とされている。これにより、PC10と通信可能なプリンタ50のうちの、ユーザが望む印刷処理を実行できるプリンタのみを、選択画面110に表示することができ、操作性が向上する。
【0048】
また、PC10では、リアルタイム更新設定を任意に設定することができる。これにより、プリンタ50において、構成情報が変更された場合に、変更された構成情報を直ぐに選択画面110に反映することが可能となり、ユーザの望むプリンタを確実に選択することができる。
【0049】
なお、S100を実行するCPU52は、第1送信手段の一例である。S102を実行するCPU12は、受信手段及び第1受信手段の一例である。S108を実行するCPU12は、第1判断手段の一例である。S110を実行するCPU12は、第2判断手段の一例である。S112,S134を実行するCPU12は、表示制御手段の一例である。S126を実行するCPU12は、再受信手段の一例である。S136を実行するCPU12は、受付手段の一例である。S138を実行するCPU12は、通信指示手段の一例である。S152を実行するCPU12は、送信手段及び第2送信手段の一例である。S154を実行するCPU52は、第2受信手段の一例である。S156を実行するCPU52は、実行手段の一例である。S160を実行するCPU12は、編集手段の一例である。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、上記実施形態では、ステータス情報に基づいて、印刷媒体が不足している旨のコメントが選択ボタン112に表示されているが、ステータス情報に基づいて、種々のコメントが選択ボタン112に表示されてもよい。具体的には、例えば、カバー等が空いている旨のコメント,インク等の消耗品が少なくなっていることを示すコメント,現在印刷中であることを示すコメント等、種々のコメントが選択ボタン112に表示されてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、BLEのアドバタイジングパケットを利用して構成情報を取得した後、確立したBLE通信を用いて、印刷指示とともに、印刷用画像データが送信されているが、構成情報を取得する際の通信方式と、印刷指示や印刷用画像データを送信する際の通信とは別の通信方式を用いてもよい。例えば、S138及びS140でBLE通信を確立した後、別の通信方式(WiFiやWiFiダイレクト)を介してプリンタ50と通信するためのアドレス情報をプリンタ50から取得し、そのアドレス情報を使って別の通信方式でプリンタ50との通信を指示し、別の通信方式での通信が確立した後、印刷指示及び画像データを別の通信方式を用いて送信してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、バーコード印刷表示設定がユーザ操作により設定画面において設定されているが、印刷対象のオブジェクトがバーコードであれば、自動でバーコード印刷表示設定が設定されてもよい。つまり、ユーザが制御プログラム30を用いて編集しているオブジェクトが、バーコードであれば、バーコードを印刷できるプリンタに自動的にフィルタリングされてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、BLE通信の例を説明したが、通信方式についてはこれに限られず、近距離無線通信であれば、NFC(Near Field Communicationの略)方式の無線通信などを採用してもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、CPU12等によって
図2乃至
図4に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12等に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10:PC 12:CPU 16:LCD 18:入力I/F 20:近距離無線通信I/F 30:制御プログラム 50:プリンタ 52:CPU 62:近距離無線通信I/F