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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置および管理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/00 20160101AFI20221220BHJP
   G01S 5/14 20060101ALI20221220BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20221220BHJP
【FI】
A61B90/00
G01S5/14
G16H40/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018180158
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020048779
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】内藤 繁孝
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-170024(JP,A)
【文献】特開2013-097761(JP,A)
【文献】特開2006-025941(JP,A)
【文献】特開2016-076160(JP,A)
【文献】特開2014-116812(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0123043(US,A1)
【文献】新 秀直他,”医療機器の保守管理のためのWiFi位置情報検出システムの開発と評価”,医療機器学,日本,2009年,Vol.79,No.6,373-378頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 - 90/98
G16H 40/00 - 40/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術室内での医療機器を配置する位置を指定する配置情報を記憶する記憶部と、
前記医療機器に取り付けられた無線通信機と、前記手術室に設置された複数のゲートウェイのそれぞれとの間の無線通信での受信電波強度に基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定する推定部と、
前記推定された位置と、前記配置情報で指定される前記医療機器の位置との一致度に基づいて、前記医療機器が前記配置情報で指定される位置に配置されたか否かを判定する判定部と、
前記配置情報で指定される位置に前記医療機器が配置されていないと前記判定部により判定された場合に、前記医療機器を配置するための情報として、前記指定される位置に前記医療機器が配置されていないことを示す情報と前記指定される位置への前記医療機器の配置を促す情報とのうちの少なくともどちらかを出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記医療機器に取り付けられた前記無線通信機の電波が、前記手術室に設置された前記複数のゲートウェイのいずれにおいても検出されない場合、前記出力部は、前記医療機器を前記手術室へと運び込むための情報として、前記医療機器が前記手術室に運び込まれていないことを示す情報と、前記医療機器が前記手術室とは別の部屋にあることを示す情報と、前記医療機器が見つからないことを示す情報とのうちの少なくともいずれか1つを出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記医療機器に取り付けられた前記無線通信機の電波が、前記手術室に設置された前記複数のゲートウェイのいずれにおいても検出されておらず、かつ、前記手術室とは別の部屋に設置された第2のゲートウェイにおいて検出された場合、前記出力部は、前記第2のゲートウェイが設置された前記別の部屋に前記医療機器があることを示す情報を出力する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記医療機器を配置する位置を前記配置情報に登録する指示が入力されると、前記推定された位置を、前記医療機器を配置する位置として前記配置情報に登録する登録部、を更に含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のゲートウェイは、前記手術室に設置された4つ以上のゲートウェイであり、
前記推定部は、前記4つ以上のゲートウェイのうちから選択した第1の組み合わせの3つのゲートウェイのそれぞれと前記無線通信機との間での通信の受信電波強度を用いて推定した第1の位置と、前記4つ以上のゲートウェイのうちから選択した前記第1の組み合わせとは異なる第2の組み合わせの3つのゲートウェイのそれぞれと前記無線通信機との間での通信の受信電波強度を用いて推定した第2の位置とに基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、医療機器を識別する識別情報と、搬入日時とを対応づけるエントリが登録された搬入情報を更に記憶しており、
前記情報処理装置は、
前記手術室とは別の部屋に設置された第3のゲートウェイにおいて、前記搬入情報に登録されていない新たな医療機器の電波が検出された場合に、前記新たな医療機器を識別する識別情報に、現在日時を搬入日時として対応づけたエントリを前記搬入情報に追加する追加部と、
記第3のゲートウェイにおいて、前記搬入情報に登録されている医療機器の電波が検出されなくなった場合に、前記医療機器と対応するエントリを前記搬入情報から削除する削除部と、
を更に含み、
前記出力部は、前記搬入情報に登録されているエントリのうち、前記搬入日時から所定期間が経過しているエントリの医療機器が利用されていないことを示す情報を出力する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
医療機器に取り付けられた無線通信機と、手術室に設置された複数のゲートウェイのそれぞれとの間の無線通信での受信電波強度に基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定し、
前記推定された位置と、記憶部に記憶される配置情報で指定された前記医療機器の前記手術室内での設置位置との一致度に基づいて、前記医療機器が前記配置情報で指定される前記設置位置に配置されたか否かを判定し、
前記配置情報で指定される前記設置位置に前記医療機器が配置されていないと判定された場合に、前記医療機器を配置するための情報として、前記指定される位置に前記医療機器が配置されていないことを示す情報と前記指定される位置への前記医療機器の配置を促す情報とのうちの少なくともどちらかを出力する、
ことを含む、情報処理装置が実行する管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手術では、例えば、執刀医および術式に応じて、用いる医療機器の種類、機種、および最適な配置が異なっている。手術の準備では、手術を円滑に進行するために、例えば、臨床工学技士などの作業者は、事前に計画された手術の執刀医や術式に応じて、手術台の周りに最適に医療機器を配置することが行われている。
【0003】
こうした医療機器の準備および配置は、例えば、執刀医および術式に応じて用意された配置図をもとに行われる。配置図は、例えば、紙で管理されることもあり、中規模および大規模な病院では数百ページになることもある。
【0004】
これに関し、医療器具の管理に関する技術が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。また、位置推定に関する技術が知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2014/017530号
【文献】特表2009-540895号公報
【文献】特開2008-298689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、配置図は、例えば、紙で管理されることもあり、中規模および大規模な病院では数百ページになることもある。この様な膨大な数の配置図の中から、計画された手術に対応する配置図を特定し、配置図通りに医療機器を配置する作業は煩雑であり、配置のミスが発生することもある。そのため、医療機器の配置を支援することのできる技術の提供が望まれている。
【0007】
1つの側面では、本発明は、手術のための作業者による医療機器の配置作業を支援することのできる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様の情報処理装置は、手術室内での医療機器を配置する位置を指定する配置情報を記憶する記憶部と、医療機器に取り付けられた無線通信機と、手術室に設置された複数のゲートウェイのそれぞれとの間の無線通信での受信電波強度に基づいて、医療機器の手術室内での位置を推定する推定部と、推定された位置と、配置情報で指定される医療機器の位置との一致度に基づいて、医療機器が配置情報で指定される位置に配置されたか否かを判定する判定部と、配置情報で指定される位置に医療機器が配置されていないと判定部により判定された場合に、医療機器を配置するための情報として、指定される位置に医療機器が配置されていないことを示す情報と指定される位置への医療機器の配置を促す情報とのうちの少なくともどちらかを出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
手術のための作業者による医療機器の配置作業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な手術のための医療機器の準備を説明する図である。
図2】実施形態に係る管理システムを例示する図である。
図3】実施形態に係る管理システムの設置例を示す図である。
図4】実施形態に係る支援画面を例示する図である。
図5】実施形態に係るサーバのブロック構成を例示する図である。
図6】実施形態に係る端末のブロック構成を例示する図である。
図7】実施形態に係る配置情報を例示する図である。
図8】実施形態に係るゲートウェイ情報を例示する図である。
図9】実施形態に係る電波受信状況情報を例示する図である。
図10】一実施形態における受信電波強度に基づく3点測位を説明する図である。
図11】異なるゲートウェイの組で3点測位を複数回実行する例を示す図である。
図12】別の実施形態における受信電波強度に基づく測位を例示する図である。
図13】実施形態に係る設置支援処理の動作フローを例示する図である。
図14】医療機器の配置が完了したか否かの判定を例示する図である。
図15】実施形態に係る配置状況の表示処理の動作フローを例示する図である。
図16】実施形態に係る配置情報の更新処理の動作フローを例示する図である。
図17】第2の実施形態に係る搬入情報を例示する図である。
図18】第2の実施形態に係る搬入情報のエントリの管理処理の動作フローを例示する図である。
図19】実施形態に係る利用されていない医療機器の特定処理を例示する図である。
図20】実施形態に係る表示画面を例示する図である。
図21】実施形態に係るサーバを実現するための情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
図22】実施形態に係る端末を実現するためのハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において対応する要素には同一の符号を付す。
【0012】
図1は、例示的な手術のための医療機器の準備を説明する図である。図1には、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103が示されている。手術室101は、例えば、手術が行われる部屋である。手術準備室102は、例えば、手術室の近辺に設けられていてよく、麻酔導入や毛刈りなどの手術に関する準備が行われる部屋であってよい。医療機器室103は、例えば、医療機器110を保管するための部屋であってよく、手術で利用されないまたは利用予定の入っていない医療機器110が保管されていてよい。また、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103には、複数の医療機器(ME:Medical equipment)110が示されている(例えば、ME1~ME9)。医療機器110は、例えば、人工呼吸器、麻酔器、X線CT、人工透析装置、内視鏡などの医療に用いられる機器を含んでよい。
【0013】
そして、例えば、手術の術式や執刀医が決まると、臨床工学技士などの手術の準備を行う作業者は事前に計画された手術の術式や執刀医に応じて、医療機器110を準備する。例えば、作業者は、手術で用いる医療機器110を、手術準備室102や医療機器室103から手術が行われる手術室101に運び込み、手術台の周りの最適な配置に医療機器110を配置する。こうした医療機器110の最適な配置は、例えば、医療機器110の配置を示す配置図により紙ベースで管理されており、作業者は、医療機器110が配置図に示される最適な配置になるように、医療機器110の配置を行っている。
【0014】
しかしながら、配置図に示された配置通りに複数の医療機器110を配置する作業は煩雑で、ミスが生じることがある。例えば、同じ用途で用いる医療機器110が、複数の製造業者から提供されていたり、同じ製造業者の医療機器110であっても異なる型の医療機器110が存在したりすることがある。一方で、執刀医の好みで、特定の製造業者の特定の型番の医療機器110を使用したいという要望があり、更には、同じ型番の機種であっても若干操作性が異なることもあり、執刀医が特定の固体を利用したいと望むこともある。こうした状況では、同じ用途に用いる別の製造業者の医療機器110を誤って配置してしまったり、別の型番の医療機器110や同じ機種の別の個体を誤って配置してしまったりすることがある。また、実施される手術に応じて日々、手術室101から出し入れされる医療機器110が、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103のうちのどの部屋にあるのかなどの所在の特定にかかる手間も大きい。そのため、医療機器110の管理を支援する技術の提供が望まれている。
【0015】
また、執刀医ごと、および術式ごとに作成された膨大な数の配置図の中から、作業者が対象となる手術の配置図を見つけるのに時間がかかったり、取り間違えたりすることがある。また、こうした、配置図を出し入れする作業でも、落丁、乱丁などが起こるリスクがある。そのため、配置図の管理を支援する技術の提供も望まれている。
【0016】
そこで、実施形態では、医療機器110に無線通信機203を取り付ける。また、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103などの各部屋に、ゲートウェイ202を設置する。そして、医療機器110に取り付けた無線通信機203が発信する電波を、各部屋に設置したゲートウェイ202で検出し、その情報を医療機器110や、配置図の管理を支援するために利用する。以下、実施形態を更に説明する。
【0017】
図2は、実施形態に係る管理システム200を例示する図である。管理システム200は、例えば、サーバ201、ゲートウェイ(GW)202、端末204、ならびに、医療機器110および医療機器110に取り付けられた無線通信機203を含む。サーバ201と、ゲートウェイ202とは、例えば、病院内に構築された院内ネットワーク、およびローカルエリアネットワークなどのネットワーク205を介して接続されている。
【0018】
また、ゲートウェイ202は、例えば、医療機器110が設置されたり、医療機器110が保管されたりする部屋のそれぞれに設置されてよい。例えば、図2の例では、手術室101に、GW1~GW4の4つのゲートウェイ202が設置されている。また、手術準備室102にはGW5が、医療機器室103にはGW6が設置されている。
【0019】
無線通信機203は、例えば、管理システム200で管理対象とする医療機器110に取り付けられる。なお、別の実施形態では、無線通信機203は、医療機器110に内蔵されていてもよい。無線通信機203は、例えば、UWB(Ultra Wide Band)無線機器、Wi-Fi通信機器、およびビーコンを発信するBluetooth(登録商標)機器などの近距離無線通信を行う機器であってよい。そして、無線通信機203は、例えば、近距離無線通信でゲートウェイ202に接続し、ゲートウェイ202を介してサーバ201に自装置の情報を送信してよい。
【0020】
サーバ201は、例えば、各部屋に設置されたゲートウェイ202を介して、そのゲートウェイ202に接続する医療機器110の無線通信機203から情報を収集する。そして、サーバ201は、例えば、無線通信機203から収集した情報を、医療機器110の管理に利用してよい。例えば、手術準備室102のゲートウェイ202で、或る医療機器110に取り付けた無線通信機203が発信する電波が検出されている場合、サーバ201は、その医療機器110が手術準備室102に在ると判定することができる。
【0021】
また、図2では、手術室101には複数のゲートウェイ202が設置されている。そのため、サーバ201は、例えば、手術室101において無線通信機203が発信する電波を、手術室101に設置された複数のゲートウェイ202で検出することで、手術室101内での無線通信機203の位置を推定することが可能である。
【0022】
端末204は、例えば、手術のために医療機器110の設置を行う作業者が保持する通信装置であり、表示装置240を備えていてよい。表示装置240は、例えば、ディスプレイなどの情報を表示する装置である。端末204は、例えば、近距離無線通信でゲートウェイ202に接続し、ゲートウェイ202を介してサーバ201と通信する。作業者は、例えば、端末204を用いてサーバ201から医療機器110がどの部屋にあるかなどの医療機器110の配置作業を支援する情報を取得し、表示装置240の表示画面に表示させることで、医療機器110の配置作業の支援を受けることができる。
【0023】
なお、図2の例では、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103をそれぞれ1つずつ例示しているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、管理システム200は、複数の手術室101、複数の手術準備室102、および複数の医療機器室103を含んでもよく、それぞれの部屋にゲートウェイ202が設置されていてよく、また、無線通信機203を備える医療機器110が置かれていてもよい。また、管理システム200は、複数の端末204を含んでもよい。
【0024】
図3は、実施形態に係る管理システム200の設置例を示す図である。図3には、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103が示されており、これらの手術室101、手術準備室102、および医療機器室103のそれぞれの部屋に、ゲートウェイ202が設置されている。
【0025】
また、図3において、手術室101、手術準備室102、医療機器室103には、さまざまな医療機器110が置かれている。そして、実施形態ではそれぞれの医療機器110に無線通信機203が取り付けられる。
【0026】
そして、実施形態では、医療機器110に取り付けられた無線通信機203が発信する電波をゲートウェイ202で検出することで、サーバ201は、医療機器110がどの部屋にあるのかの所在を特定することが可能である。また、実施形態では、例えば、医療機器110に取り付けられた無線通信機203が発信する電波を、部屋に配置された複数のゲートウェイ202で検出することで、サーバ201は、無線通信機203の部屋内での位置を特定することができる。そして、実施形態では、サーバ201は、医療機器110の所在や位置の情報を、手術のために医療機器110を配置する準備作業や、医療機器110および配置図の管理を支援するために利用する。例えば、サーバ201は、ゲートウェイ202で検出した無線通信機203が発信する電波の情報に基づいて、支援画面400を表示するための表示情報を端末204に提供してよい。
【0027】
図4は、実施形態に係る支援画面400を例示する図である。端末204は、例えば、サーバ201から表示情報を受信すると、表示情報に従って支援画面400を表示装置240の表示画面に表示してよい。
【0028】
図4の例では、支援画面400は、手術の準備で医療機器110を配置する配置対象の部屋での医療機器110の配置状況を示す画面領域401と、医療機器110の配置状況に関する説明を表示する画面領域402とを含む。
【0029】
画面領域401では、医療機器110の配置対象の部屋のレイアウトとともに、部屋内にある医療機器110の現在位置がアイコン403で示されている。また、図4に示す例では、配置図に応じた所定の設置位置に配置が完了している医療機器110のアイコン403は、文字とアイコンが白黒反転表示されており(表示例1)、配置が完了していることを示すメッセージが表示されている(表示例2)。そのため、ユーザは、例えば、支援画面400の表示を見ることで、既に配置の完了している医療機器110を確認することができる。
【0030】
また、例えば、配置図に応じた所定の設置位置にまだ配置されていない医療機器110では、医療機器110の現在位置を示すアイコン403とは別に、配置図に応じた所定の設置位置404が表示されている(表示例3)。また、まだ配置されていない医療機器110の配置を促すメッセージが表示されている(表示例4)。そのため、ユーザは、例えば、支援画面400の表示を見ることで、移動すべき医療機器110を知ることができ、また、その医療機器110の移動先となる設置位置も知ることができる。
【0031】
また更に、例えば、配置図に応じた配置対象の部屋にまだ運び込まれていない医療機器110については、運び込まれていないことを示すメッセージや、運び込まれていない医療機器110の所在を示すメッセージが表示されている(表示例5)。そのため、ユーザは、例えば、配置対象の部屋にまだ運び込まれていない医療機器110を知ることができる。また、ユーザは、配置対象の部屋にまだ運び込まれていない医療機器110が現在どの部屋にあるのかを知ることができる。
【0032】
従って、ユーザは、支援画面400を参照することで、医療機器110を配置図に応じた所定の設置位置に容易に配置することが可能である。また、配置の完了していない医療機器110の情報を取得できるため、配置のミスを減らすことができる。また更に、実施形態によれば、個々の医療機器110を、医療機器110に取り付けた無線通信機203に割り当てた識別子で識別することができるため、医療機器110を個体ごとに管理することが可能である。そのため、実施形態によれば同じ機能を有する別の製造業者の医療機器や、型番の違う医療機器、および同じ機種の別の個体の医療機器を作業者が混同してしまうことで発生するミスを減らすことができる。以下、実施形態を更に詳細に説明する。
【0033】
図5は、実施形態に係るサーバ201のブロック構成を例示する図である。サーバ201は、例えば、制御部501、記憶部502、および通信部503を含む。制御部501は、例えば推定部511、判定部512、出力部513、登録部514、追加部515、および削除部516などとして動作してよい。記憶部502は、例えば、後述する配置情報700、ゲートウェイ情報800、電波受信状況情報900、搬入情報1700などの情報を記憶している。通信部503は、例えば、制御部501の指示に従って、ゲートウェイ202と接続し、医療機器110に取り付けられた無線通信機203からの情報を収集する。また、通信部503は、例えば、制御部501の指示に従って、ゲートウェイ202を介して端末204と通信する。これらの各部の詳細および記憶部502に格納されている情報の詳細については後述する。
【0034】
図6は、実施形態に係る端末204のブロック構成を例示する図である。端末204は、例えば、制御部601、記憶部602、通信部603、および表示装置240を含む。制御部601は、例えば、端末204の各部を制御する。記憶部602は、例えば、制御部601が実行する動作フローの処理を記述したプログラムなどの情報を記憶している。また、通信部603は、例えば、制御部601の指示に従って、ゲートウェイ202を介してサーバ201と通信する。表示装置240は、例えば、制御部601の指示に従って、表示画面に情報を表示する。これらの各部の更なる詳細については後述する。
【0035】
図7は、実施形態に係る配置情報700を例示する図である。配置情報700は、例えば、術式と執刀医の組み合わせごとに作成されていてよく、手術における医療機器110の配置の情報を含む。即ち、配置情報700は、一例では、紙ベースで作成されている配置図と対応する医療機器110の配置の情報を含んでよい。配置情報700は、例えば、手術情報701と、医療機器情報702とを含む。
【0036】
手術情報701は、例えば、配置情報700と対応する手術に関する情報を含む。例えば、図7の例では、手術情報701は、部屋識別子、術式、執刀医を含む。部屋識別子は、例えば、配置情報700に示される手術が次に行われる手術室を識別する情報であってよい。例えば、配置情報700と対応する手術の予定が組まれると、その予定において手術が行われる手術室を識別するための情報が、配置情報700の部屋識別子に登録されてよい。また、術式は、例えば、配置情報700と対応する手術の術式を示す情報である。執刀医は、例えば、配置情報700と対応する手術の執刀医を示す情報である。なお、手術情報701には、手術に関するその他の情報が含まれていてもよい。
【0037】
また、医療機器情報702には、例えば、配置情報700と対応する手術で用いる医療機器110の設置位置を示すエントリが登録されている。医療機器情報702のエントリは、例えば、医療機器識別子、名称、設置位置の情報を含む。医療機器識別子は、例えば、エントリと対応する医療機器110を識別するための情報であってよい。名称は、例えば、エントリと対応する医療機器110の名称である。設置位置は、例えば、配置情報700と対応する手術の準備でエントリの医療機器110を設置する位置を示す情報である。設置位置は、例えば、所定の座標系における座標で表されてよい。所定の座標系は、例えば、部屋の床面と略平行な平面座標系であってよく、また、原点は、部屋の床面上の点など、任意の点に設定されてよい。
【0038】
図8は、実施形態に係るゲートウェイ情報800を例示する図である。ゲートウェイ情報800には、設置されたゲートウェイ202の情報を含むエントリが登録されている。ゲートウェイ情報800には、例えば、部屋識別子、ゲートウェイ識別子、設置位置の情報を含むエントリが登録されている。部屋識別子は、例えば、エントリと対応するゲートウェイ202が設置された部屋を識別するための情報である。ゲートウェイ識別子は、例えば、エントリと対応するゲートウェイ202を識別するためのゲートウェイ識別子である。設置位置は、例えば、エントリと対応するゲートウェイ202の設置位置を示す情報である。
【0039】
なお、例えば、手術室101など医療機器110に取り付けられた無線通信機203の電波を複数のゲートウェイ202で検出して医療機器110の位置を特定する場合など、部屋に複数のゲートウェイ202が設置されることもある。この場合、ゲートウェイ情報800には、例えば、同じ部屋識別子に対して異なるゲートウェイ識別子と設置位置が設定された複数のエントリが登録されてよい。ゲートウェイ情報800の設置位置は、例えば、手術室に対して設定される所定の座標系での座標で表されてよい。所定の座標系は、例えば、部屋の床面と略平行な平面座標系であってよく、また、原点は、手術室の床面上の点など、任意の点に設定されてよい。
【0040】
図9は、実施形態に係る電波受信状況情報900を例示する図である。図9の例では電波受信状況情報900には、医療機器110の無線通信機203からゲートウェイ202が受信した電波の受信状況を示すエントリが登録されている。エントリは、例えば、日時、ゲートウェイ識別子、医療機器識別子、および受信電波強度の情報を含む。日時は、エントリと対応する電波が受信された日時を示す情報である。ゲートウェイ識別子は、例えば、エントリと対応する電波を受信したゲートウェイ202を識別する識別情報である。医療機器識別子は、例えば、エントリと対応する電波を発信した無線通信機203を備える医療機器110を識別するための識別情報である。電波強度は、例えば、エントリの日時に、ゲートウェイ識別子で識別されるゲートウェイ202が、医療機器識別子で識別される医療機器110の無線通信機203から受信した電波の受信電波強度である。
【0041】
なお、サーバ201の制御部501は、一例では、以下のようにして電波受信状況情報900にエントリを登録してよい。例えば、医療機器110の無線通信機203は、搭載された医療機器110を識別するための医療機器識別子を含むビーコンなどの電波を所定の時間間隔で発信してよい。ゲートウェイ202は、例えば、無線通信機203から電波を受信すると、電波の受信電波強度と、電波に含まれる医療機器識別子と、自装置を識別するためのゲートウェイ識別子とを含む受信状況通知をサーバ201に送信する。サーバ201の制御部501は、例えば、受信状況通知を受信すると、現在日時を取得し、取得した現在日時を受信状況通知に含まれるゲートウェイ識別子、医療機器識別子、および電波強度に対応づけたエントリを電波受信状況情報900に登録してよい。なお、別の実施形態では、無線通信機203はビーコンの発信時に、現在日時をビーコンに含めて発信してよい。そして、制御部501は、その現在日時の情報を含む受信状況通知を受信し、電波受信状況情報900の日時に登録してもよい。
【0042】
続いて、受信電波強度に基づく医療機器110の位置の推定についに説明する。
【0043】
[医療機器の位置の推定]
例えば、医療機器110の部屋内での位置は、医療機器110の無線通信機203が発信する電波を、部屋に設置した複数のゲートウェイ202で受信して得た受信電波強度に基づいて推定することができる。一実施形態では、受信電波強度からの位置の推定は、例えば、3点測位を用いて実行されてよい。
【0044】
図10は、一実施形態における受信電波強度に基づく3点測位を説明する図である。図10に示す例で、手術室101の隅にGW1、GW2、およびGW3の3つのゲートウェイ202が設置されている。なお、GW1、GW2、およびGW3の設置位置は、例えば、予め計測されてゲートウェイ情報800に登録されていてよい。この場合に、例えば、医療機器110の無線通信機203が発信する電波をGW1、GW2、およびGW3のそれぞれのゲートウェイ202で受信して、各ゲートウェイ202における受信電波強度を取得する。
【0045】
無線通信機203からゲートウェイ202が受信した電波の受信電波強度と、無線通信機203とゲートウェイ202との間の距離rとは、例えば、以下の式1に示す関係を有する。
RSSI(r)=A-10Blog10(r) ・・・式1
【0046】
式1において、RSSI(r)は、受信電波強度である。また、RSSIは、Received Signal Strength Indicationの略称である。Aは、無線通信機203から1mの距離での受信電波強度である。Bは、電波の減衰を表す定数であり、一般には2が用いられてよい。rは、無線通信機203とゲートウェイ202との間の距離である。
【0047】
そのため、上記の式1により、制御部501は、ゲートウェイ202が無線通信機203から受信した電波の受信電波強度に基づいて無線通信機203とゲートウェイ202との間の距離rを求めることができる。
【0048】
図10では、それぞれのゲートウェイ202の周りに、医療機器110の無線通信機203から受信した電波の受信電波強度と対応する距離rの円1001が示されている。この場合に、制御部501は、例えば、それぞれのゲートウェイ202からの距離rの円1001が交差する部分の中心を医療機器110の位置として推定することができる。制御部501は、一例では、各ゲートウェイ202ごとに、距離rを半径とした円1001の方程式を作り、その方程式の交点を求めることで医療機器110の位置を推定してよい。
【0049】
なお、受信電波強度から医療機器110の位置を推定する手法はこれに限定されるものではなく、その他の手法が用いられてもよい。例えば、制御部501は、フィンガープリンティングと呼ばれる手法を用いて、医療機器110の位置を推定してもよい。フィンガープリンティングでは、制御部501は、例えば、手術室101内で医療機器110の位置を少しずつズラし、その位置座標毎に、医療機器110の無線通信機203からの電波が各ゲートウェイ202でどのような受信電波強度を示すかを予め学習する。そして、制御部501は、例えば、学習したデータを用いて位置を推定する。
【0050】
なお、例えば、手術室101などの壁に囲まれた部屋で位置を測位する場合、電波の反射や干渉により位置の推定精度が低下することがある。位置の推定精度の低下を抑えるために、例えば、部屋のサイズやゲートウェイ202の設置位置に応じて、無線通信機203が発信する電波の電波強度は調整されてよい。例えば、手術室101には、49平方メートル(7m×7m)程度の部屋がしばしば用いられ、この場合、医療機器110の無線通信機203が発信する電波の到達距離を5m~10m程度に抑えることが好ましい。別の例として、ゲートウェイ202が略直方体の部屋の床上2mの4隅に設置される場合、無線通信機203の電波の到達距離は、例えば、床面の対角線の長さから、その対角線の半分の長さの間で設定されてよい。この様に、電波強度を極端に抑えて反射や干渉の影響を小さくした状況とすることで、位置の推定精度を高めることができる。
【0051】
また、位置の推定精度を高めるための別な手法が実行されてもよい。例えば、制御部501は、4つ以上のゲートウェイ202から3つのゲートウェイ202を異なる組み合わせで複数回選択して3点測位を実行し、実行の結果得られた複数回の3点測位の結果位置を用いて医療機器110の位置を推定してもよい。
【0052】
図11は、異なるゲートウェイ202の組で3点測位を複数回実行する例を示す図である。図11では、手術室101の四隅に、GW1、GW2、GW3、およびGW4の4つのゲートウェイ202が設置されている。そして、制御部501は、この4つのゲートウェイ202のうちから3つのゲートウェイ202を異なる組み合わせで4回選択し、3点測位を実行する。
【0053】
例えば、ゲートウェイ202の選択の第1組として、制御部501がGW1,GW2,GW3の組を選択しているものとする。そして、GW1,GW2,GW3の組で医療機器110の無線通信機203が発信する電波を検出し、3点測位で実行した結果の位置が図11では“●”で示されている。また、例えば、ゲートウェイ202の選択の第2組として、制御部501がGW1,GW2,GW4の組を選択し、GW1,GW2,GW4の組で3点測位を実行した結果の位置が図11では“▲”で示されている。例えば、ゲートウェイ202の選択の第3組として、制御部501がGW2,GW3,GW4の組を選択し、GW2,GW3,GW4の組で3点測位を実行した結果の位置が図11では“◆”で示されている。例えば、ゲートウェイ202の選択の第4組として、制御部501がGW1,GW2,GW3の組を選択し、GW1,GW2,GW3の組で3点測位を実行した結果の位置が図11では“■”で示されている。
【0054】
この場合に、制御部501は、3点測位の結果得られた4つの位置を用いて、医療機器110の位置を推定してよい。一例としては、制御部501は、3点測位の結果得られた4つの位置が作る四角形の重心位置を医療機器110の位置として推定してよい。
【0055】
なお、制御部501は、4つ以上のゲートウェイ202から選択可能な全ての組み合わせで3つのゲートウェイ202を抽出して3点測位を実行しなくてもよく、一部の組み合わせで抽出した3点測位の結果を用いて医療機器110の位置を推定してもよい。例えば、別の実施形態では、制御部501は、第1組の位置“●”と、第2組の位置“▲”の中点を医療機器110の位置として推定してもよい。
【0056】
また別の実施形態では、3点未満のゲートウェイ202での電波の受信電波強度から医療機器110の位置が推定されてもよい。例えば、図12に示す様に、医療機器110の設置可能な位置が壁1201等で制限される場合には、ゲートウェイ202の数が2つでも医療機器110の位置を推定することが可能である。従って、位置の推定で部屋に設置されるゲートウェイ202の数や設置位置は、例えば、部屋内での医療機器110の位置を検出可能であれば、任意の数および設置位置に設置されてよい。
【0057】
続いて、実施形態に係る設置支援処理を説明する。図13は、実施形態に係る設置支援処理の動作フローを例示する図である。例えば、制御部501は、配置情報700の指定とともに設置支援処理の実行指示が入力されると、図13の動作フローを開始してよい。なお、制御部501は、例えば、1秒~1分ごとに1度など、所定の時間間隔で図13の動作フローを繰り返し実行してよい。
【0058】
S1301において制御部501は、指定された配置情報700の医療機器情報702から未処理のエントリを1つ読み出し、処理対象とする。以下、S1301で処理対象としたエントリを処理対象エントリと呼ぶことがある。
【0059】
S1302において制御部501は、指定された配置情報700の手術情報701の部屋識別子から準備対象の手術室101を特定し、処理対象エントリで示される医療機器110が準備対象の手術室に運び込まれたか否かを判定する。例えば、制御部501は、準備対象の手術室101に設置されたゲートウェイ202において、処理対象エントリの医療機器110の無線通信機203が発信した電波が検知されたかにより、その医療機器110が運び込まれたか否かを判定してよい。なお、制御部501は、例えば、配置情報700の手術情報701の部屋識別子と一致する部屋識別子を有するエントリをゲートウェイ情報800から特定することで、準備対象の手術室101に設置されたゲートウェイ202を特定してよい。
【0060】
S1302において準備対象の手術室101のゲートウェイ202で、処理対象エントリの医療機器110の無線通信機203が発信した電波が検知されなかった場合、制御部501は、処理対象エントリの医療機器110が運び込まれていないと判定してよい。この場合、フローはS1307に進む。S1307において制御部は、処理対象エントリの医療機器110を運び込むための情報を生成し、フローはS1306に進む。なお、運び込むための情報は、例えば、処理対象エントリの医療機器110が準備対象の手術室にまだ運び込まれていないことを示すメッセージであってよい(例えば、図4の表示例5)。また、運び込むための情報は、例えば、エントリの医療機器110が現在ある部屋を示す情報など、エントリの医療機器110が別の部屋にあることを示す情報であってもよい。制御部501は、電波受信状況情報900から処理対象エントリの医療機器110を最も新しく検出したゲートウェイ202を特定し、そのゲートウェイ202が設置された部屋をゲートウェイ情報800から医療機器110が現在ある部屋として特定してよい。また、一例として、処理対象エントリの医療機器110が見つからないこともあり得る。例えば、処理対象エントリの医療機器110の無線通信機203が発信した電波が、ゲートウェイ情報800に登録されているゲートウェイ202のいずれでも検知されないことがある。この場合、制御部501は、S1302でNOと判定してよい。また、この場合に、制御部501は、S1307で、処理対象エントリの医療機器110が見つからないことを示す情報を生成してよい。
【0061】
一方、S1302において準備対象の手術室101のゲートウェイ202で、処理対象エントリの医療機器110の無線通信機203が発信した電波が検知されたとする。この場合、制御部501は、処理対象エントリの医療機器110が準備対象の手術室に運び込まれたと判定してよく、S1302でYESと判定し、フローはS1303に進む。
【0062】
S1303において制御部501は、準備対象の手術室101での処理対象エントリの医療機器110の現在位置を推定する。例えば、制御部501は、準備対象の手術室101に設置された複数のゲートウェイ202のそれぞれで受信された処理対象エントリの医療機器110の無線通信機203からの電波の最新の受信電波強度を電波受信状況情報900から取得する。そして、制御部501は、取得した最新の受信電波強度を用いて3点測位を実行し、処理対象エントリの医療機器110の現在位置を推定してよい。
【0063】
S1304において制御部501は、処理対象エントリの医療機器110の配置が完了したか否かを判定する。例えば、制御部501は、S1303で特定した現在位置が、処理対象エントリの設置位置から所定の距離(例えば、10cmから1mなど)以内の一致度で一致している場合に、処理対象エントリの医療機器110の配置が完了したと判定してよい。
【0064】
図14は、医療機器110の配置が完了したか否かの判定を例示する図である。位置1404は、医療機器110を設置する目標の設置位置であり、目標の設置位置から所定の半径の領域1403が示されている。そして、受信電波強度から推定した医療機器110の現在位置が、例えば、領域1403から外れた地点1401にある場合、制御部501は、S1304において処理対象エントリの医療機器110の設置が未完了と判定してよい。一方、受信電波強度から推定した医療機器110の位置が、例えば、領域1403の内側の地点1402にある場合、S1304において制御部501は、処理対象エントリの医療機器110の設置が完了したと判定してよい。
【0065】
処理対象エントリの医療機器110の配置が完了した場合(S1304がYES)、フローはS1305に進む。S1305において制御部501は、処理対象エントリの医療機器110の配置完了を示す情報を生成する。配置完了を示す情報は、例えば、処理対象エントリの医療機器110の配置が完了したことを示すメッセージであってよい(例えば、図4の表示例2)。また、配置完了を示す情報は、例えば、処理対象エントリの医療機器110を示すアイコンの表示形式を、医療機器110の配置が完了したことを示す形式に変更することであってよい(例えば、図4の表示例1)。
【0066】
一方、処理対象エントリの医療機器110の配置が完了していない場合(S1304がNO)、フローはS1308に進む。S1308において制御部501は、配置未完了の医療機器110を配置するための情報を生成する。配置未完了の医療機器110を配置するための情報は、例えば、処理対象エントリの医療機器110の配置が未完了であることを示すメッセージであってよい(例えば、図4の表示例4)。また、配置未完了の医療機器110を配置するための情報は、例えば、処理対象エントリの医療機器110の配置を促す情報を表示することであってよい(例えば、図4の表示例3)。
【0067】
S1306において制御部501は、配置情報700の医療機器情報702に未処理のエントリがあるか否かを判定する。未処理のエントリがある場合(S1306がYES)、フローはS1301に戻り、次の未処理のエントリを読み出して処理を繰り返す。未処理のエントリがない場合(S1306がNO)、フローはS1309進む。
【0068】
S1309において制御部501は、表示情報を生成し、生成した表示情報を出力する。例えば、制御部501は、手術の準備を行う作業者が保持する端末204に表示情報を送信してよい。表示情報を出力すると、本動作フローは終了する。なお、S1307で処理対象エントリの医療機器110が見つからないことを示す情報を生成している場合、表示情報は、例えば、見つからなかった医療機器110を示すメッセージを表示するための情報を含んでよい。
【0069】
図15は、実施形態に係る端末204の制御部601が実行する配置状況の表示処理の動作フローを例示する図である。端末204の制御部601は、例えば、配置状況の表示処理の実行指示が入力されると図15の動作フローを開始してよい。
【0070】
S1501において制御部601は、サーバ201から表示情報を受信したか否かを判定する。表示情報を受信していない場合(S1501がNO)、フローはS1501に戻り処理を繰り返す。一方、表示情報を受信した場合(S1501がYES)、フローはS1502に進む。
【0071】
S1502において制御部601は、受信した表示情報に基づいて、表示装置240の表示画面に医療機器110の配置状況を示す表示画面を表示し、フローはS1501に戻る。なお、表示情報に基づいて表示される表示画面は、一例では、図4の支援画面400であってよい。
【0072】
以上で述べた様に、実施形態によれば、例えば、手術の準備などで医療機器110を所定の設置位置に配置する作業を支援することができる。
【0073】
[配置情報の更新処理]
続いて、配置情報700の更新について説明する。上述のように、手術における医療機器110の準備では、執刀医および術式に応じて作成された配置図をもとに、医療機器110を選定し、配置図通りに配置することが行われている。そして、こうした配置図に更新が望まれることがある。例えば、配置図と対応する執刀医が、医療機器110の配置の変更を望んだ場合、その医療機器110の設置位置を更新することになる。また、例えば、執刀医が、新しい医療機器110を使用して気に入り、以降、その医療機器110の使用を望んだ場合、その新しい医療機器110の配置を配置図に登録することになる。こうした配置図のメンテナンスには大きな工数がかかり、配置図の更新を支援する技術の提供が望まれている。以下で例示するように、実施形態によれば、配置情報700の更新を容易に実行することができる。
【0074】
図16は、配置情報700の更新処理の動作フローを例示する図である。制御部501は、例えば、配置情報700の指定とともに、配置情報700の更新処理の実行指示が入力されると、図16の動作フローを開始してよい。なお、手術の準備を行う作業者は、例えば、配置の更新対象の医療機器110を、望ましい配置に配置した後で、制御部501に、配置情報700の更新処理の実行指示を入力してよい。例えば、手術が終わったタイミングで、執刀医が使用した新しい医療機器110の使用を次回の手術でも望んだとする。この場合、その新しい医療機器110は手術室101で望ましい配置にすでに配置された状態にあることもあり、例えば、こうしたタイミングで図16の動作フローは実行されてよい。
【0075】
S1601において制御部501は、更新対象の医療機器110の指定を受け付ける。例えば、手術室101内の医療機器110は支援画面400に表示されていてよく、ユーザは端末204の表示画面に表示された対象の医療機器110を選択して設置位置の登録指示をサーバ201に送信してよい。サーバ201の制御部501は、端末204から受信した設置位置の登録指示により医療機器110の指定を受け付けてよい。
【0076】
S1602において制御部501は、指定された医療機器110の現在の位置を、配置情報700の設置位置に登録して配置情報700を更新する。例えば、制御部501は、配置情報700の部屋で指定される手術室101に設置された複数のゲートウェイ202で受信された更新対象の医療機器110の無線通信機203からの最新の受信電波強度を、電波受信状況情報900から取得する。そして、制御部501は、最新の受信電波強度から推定した現在位置を、配置情報700の更新対象の医療機器110と対応するエントリの設置位置に登録して配置情報700を更新してよい。なお、選択された更新対象の医療機器110と対応するエントリが、配置情報700に登録されていない場合は、制御部501は、配置情報700に新たにエントリを登録してよい。また、新たに配置情報700を生成する場合には、例えば、手術で用いられる全ての医療機器110の配置が完了した後に、図16の動作フローを実行して、制御部501に、全ての医療機器110の設置位置を、配置情報700に登録させてもよい。
【0077】
以上で述べた様に、実施形態によれば、手術室101に配置された医療機器110の配置から設置位置を特定して配置情報700の更新に用いることができる。そのため、配置情報700の更新作業が容易になり、また、更新の際の誤りを低減することができる。
【0078】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、医療機器110の使用状況に応じて医療機器110を管理する例を述べる。例えば、医療機器110は、手術で使われない場合は、手術準備室102および医療機器室103などで保管される。手術準備室102および医療機器室103に保管された医療機器110は、使用者がいなくなると使用されなくなる。そして、こうした使用されていない医療機器110が手術準備室102および医療機器室103に保管されつづけると、手術準備室102および医療機器室103のスペースを無用に圧迫することがある。そのため、例えば、手術準備室102および医療機器室103などに保管されている医療機器110のうちから、使用されていない医療機器110を特定することのできる技術の提供が望まれている。
【0079】
第2の実施形態では、医療機器110に取り付けた無線通信機203の電波を、手術準備室102および医療機器室103などの部屋に設置したゲートウェイ202で検出することで、使用されていない医療機器110を特定する。
【0080】
図17は、第2の実施形態に係る搬入情報1700を例示する図である。搬入情報1700は、例えば、医療機器110を保管する部屋ごとに生成されてよく、図17の例では部屋識別子:050の医療機器室に対して生成された搬入情報1700が示されている。搬入情報1700は、例えば、医療機器110が部屋に搬入された日時を示す搬入日時を、医療機器110を識別する医療機器識別子と対応づけて記録していてよい。続いて、搬入情報1700のエントリの管理処理について説明する。
【0081】
図18は、搬入情報1700のエントリの管理処理の動作フローを例示する図である。制御部501は、例えば、1秒~60分ごとに1度など、所定の時間間隔で図18の動作フローを繰り返し実行してよい。
【0082】
S1801において制御部501は、搬入情報1700の部屋識別子と対応する部屋のゲートウェイ202で新たに検出された医療機器110があるか否かを判定する。例えば、制御部501は、搬入情報1700の部屋識別子と対応する部屋のゲートウェイ202で直近の所定時間に検出された電波受信状況情報900のエントリを参照し、搬入情報1700に登録されていない医療機器110のエントリがあるか否かを判定する。なお、直近の所定時間は、一例では、図18の動作フローの実行を繰り返す所定の時間間隔とおおよそ同じ時間であってよい。搬入情報1700に登録されていない医療機器110のエントリがない場合、制御部501は、S1801でNOと判定してよく、フローはS1803に進む。一方、搬入情報1700に登録されていない医療機器110のエントリがある場合、制御部501は、S1801をYESと判定してよく、フローはS1802に進む。
【0083】
S1802において制御部501は、新たに検出された医療機器110の医療機器識別子を、現在時刻と対応づけたエントリを搬入情報1700に登録する。
【0084】
S1803において制御部501は、搬入情報1700に登録されている医療機器110のうちで、搬入情報1700と対応する部屋のゲートウェイ202で検出されなくなった医療機器110があるか否かを判定する。例えば、制御部501は、搬入情報1700の部屋識別子と対応する部屋のゲートウェイ202で直近の所定時間に検出された電波受信状況情報900のエントリを参照する。そして、制御部501は、搬入情報1700に登録されたエントリに、直近の所定時間に検出された電波受信状況情報900のエントリで検出されていない医療機器110のエントリがあるか否かを判定する。
【0085】
搬入情報1700に登録されている医療機器110のうちで、搬入情報1700と対応する部屋のゲートウェイ202で検出されなくなった医療機器110がない場合、制御部501は、S1803でNOと判定してよく、本動作フローは終了する。一方、搬入情報1700に登録されている医療機器110のうちで、搬入情報1700と対応する部屋のゲートウェイ202で検出されなくなった医療機器110がある場合、制御部501は、S1803でYESと判定してよく、フローはS1804に進む。
【0086】
S1804において制御部501は、搬入情報1700と対応する部屋のゲートウェイ202で検出されなくなった医療機器110のエントリを、搬入情報1700から削除し、本動作フローは終了する。
【0087】
以上の動作フローにより、搬入情報1700と対応する部屋に存在する医療機器110のエントリが、その医療機器110の搬入日時とともに搬入情報1700に登録される。そのため、搬入情報1700を参照することで、搬入情報1700と対応する部屋に搬入されてから長い期間利用されていないまま保管されつづけている医療機器110を特定することが可能である。
【0088】
図19は、実施形態に係る利用されていない医療機器110の特定処理を例示する図である。制御部501は、例えば、利用されていない医療機器110の特定処理の実行指示が入力されると、図19の動作フローを開始してよい。
【0089】
S1901において制御部501は、所定期間使われていない医療機器110があるか否かを判定する。制御部501は、例えば、搬入情報1700に登録されているエントリに、搬入情報1700の搬入日時から現在までに所定期間が経過しているエントリがあればS1901をYESと判定してよい。所定期間には、例えば、6ヶ月から2年などの期間を用いることができる。なお、搬入情報1700の搬入日時から現在までに所定期間が経過しているエントリの医療機器110は、その期間、医療機器室103から持ち出されていないことを示しているため、手術で利用されていない医療機器110であると見做すことができる。
【0090】
搬入情報1700に所定期間利用されていない医療機器110がある場合(S1901がYES)、フローはS1902に進む。S1902において、制御部501は、利用されていない医療機器110を示す情報を出力し、本動作フローは終了する。
【0091】
一方、搬入情報1700に所定期間利用されていない医療機器110がない場合(S1901がNO)、フローは1903に進む。そして、S1903において、制御部501は、利用されていない医療機器110が無いことを示す情報を出力し、本動作フローは終了する。
【0092】
なお、S1902で出力される利用されていない医療機器110を示す情報、およびS1903で出力される利用されていない医療機器110が無いことを示す情報は、例えば、端末204に送信されて、図20に示す表示画面を表示させてよい。
【0093】
図20は、実施形態に係る表示画面を例示する図である。図20(a)は、例えば、端末204の制御部601が、S1902で出力される利用されていない医療機器110を示す情報を受信して表示する表示画面であってよい。図20(a)に示す表示画面では、利用されていない医療機器110を示す情報と、利用されていない期間を示す情報とが表示されている。
【0094】
また、図20(b)は、例えば、端末204の制御部601が、S1903で出力される利用されていない医療機器110がないことを示す情報を受信して表示画面に表示する情報であってよい。図20(b)に示す表示画面では、利用されていない医療機器110がないことを示す情報が表示されている。
【0095】
ユーザは、図20(a)の表示画面を参照することで、例えば、利用されていない医療機器110を廃棄するか等の検討を行うことが可能である。その結果、医療機器室103のスペースを、利用されていない医療機器110が圧迫することを抑制できる。
【0096】
以上において、実施形態を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の動作フローは例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。可能な場合には、動作フローは、処理の順番を変更して実行されてもよく、別に更なる処理を含んでもよく、または、一部の処理が省略されてもよい。例えば、図18のS1801からS1802の処理とS1803からS1804の処理とは、順序を入れ替えて実行されてもよい。
【0097】
また、上述の実施形態の説明では手術室101、手術準備室102、および医療機器室103をそれぞれ1部屋ずつ例示して処理を説明しているが、実施形態はこれに限定されるものではない。実施形態は、例えば、手術室101、手術準備室102、および医療機器室103がそれぞれ複数の部屋ある場合にも適用することができる。一例として、或る手術室101で手術の準備をする際に、手術で用いる医療機器110が別の手術室101にあるとする。この場合に、別の手術室101に手術で用いる医療機器110があることを通知するために、実施形態が適用されてよい。なお、各部屋は部屋識別子で識別されてよい。
【0098】
また、例えば、上述の実施形態では手術準備室102および医療機器室103には1台のゲートウェイ202を配置して、医療機器110の有無を検知する例を述べているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、別の実施形態では手術準備室102および医療機器室103に複数台のゲートウェイ202を設置して位置を検出してもよい。
【0099】
また、上述の実施形態では、医療機器110の位置を、平面座標系で推定する例を述べているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、別の実施形態ではサーバ201の制御部501は、受信電波強度に基づいて3次元座標系での位置を推定してもよい。
【0100】
また、医療機器情報702は、例えば、エントリと対応する医療機器110の型番など、医療機器110のその他の情報を含んでもよい。
【0101】
また、上述の実施形態では、医療機器110に取り付けた無線通信機203が発信する電波を、ゲートウェイ202が受信して受信電波強度を取得する例を述べているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、別の実施形態では、ゲートウェイ202が発信した電波を無線通信機203が受信して受信電波強度を取得してもよい。この場合、無線通信機203は、部屋に設置された各ゲートウェイ202からの電波の受信電波強度を収集して、ゲートウェイ202を介してサーバ201に送信してよい。換言すると、サーバ201の制御部501は、部屋に設置されたゲートウェイ202と、医療機器110に取り付けた無線通信機203との間での通信接続の情報や、通信の受信電波強度の情報を用いて、上述の実施形態の処理を実行してよい。
【0102】
また、上述の実施形態では手術の準備を例に説明を行ったが実施形態はこれに限定されなくてもよい。例えば、コンサートの会場などで音楽に関するスピーカやマイクなどの機材を所定の位置に配置するために、実施形態が適用されてもよい。
【0103】
なお、上述の実施形態において、図13のS1303の処理では、サーバ201の制御部501は、例えば、推定部511として動作する。また、図13のS1304の処理では、サーバ201の制御部501は、例えば、判定部512として動作する。図13のS1309並びに図19のS1902およびS1903の処理では、サーバ201の制御部501は、例えば、出力部513として動作する。図16のS1602の処理では、サーバ201の制御部501は、例えば、登録部514として動作する。図18のS1802の処理では、サーバ201の制御部501は、例えば、追加部515として動作する。図18のS1804の処理では、サーバ201の制御部501は、例えば、削除部516として動作する。
【0104】
図21は、実施形態に係るサーバ201を実現するためのコンピュータなどの情報処理装置2100のハードウェア構成を例示する図である。図21のハードウェア構成は、例えば、プロセッサ2101、メモリ2102、記憶装置2103、読取装置2104、通信インタフェース2106、および入出力インタフェース2107を備える。なお、プロセッサ2101、メモリ2102、記憶装置2103、読取装置2104、通信インタフェース2106、入出力インタフェース2107は、例えば、バス2108を介して互いに接続されている。
【0105】
プロセッサ2101は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ2101は、メモリ2102を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、制御部501の一部または全部の機能を提供する。例えば、プロセッサ2101は、記憶装置2103に格納されているプログラムを読み出して実行することで、推定部511、判定部512、出力部513、登録部514、追加部515、および削除部516として動作してよい。
【0106】
メモリ2102は、例えば半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んでいてよい。記憶装置2103は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、または外部記憶装置である。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。
【0107】
読取装置2104は、プロセッサ2101の指示に従って着脱可能記憶媒体2105にアクセスする。着脱可能記憶媒体2105は、例えば、半導体デバイス(USBメモリ等)、磁気的作用により情報が入出力される媒体(磁気ディスク等)、光学的作用により情報が入出力される媒体(CD-ROM、DVD等)などにより実現される。なお、USBは、Universal Serial Busの略称である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
【0108】
上述の記憶部502は、例えばメモリ2102、記憶装置2103、および着脱可能記憶媒体2105を含む。サーバ201の記憶装置2103には、例えば、配置情報700、ゲートウェイ情報800、電波受信状況情報900、および搬入情報1700が格納されていてよい。
【0109】
通信インタフェース2106は、プロセッサ2101の指示に従ってネットワーク205を介してデータを送受信する。通信インタフェース2106は、上述の通信部503の一例である。入出力インタフェース2107は、例えば、入力装置および出力装置との間のインタフェースであってよい。入力装置は、例えばユーザからの指示を受け付けるキーボードやマウスなどのデバイスである。出力装置は、例えばディスプレイなどの表示装置、およびスピーカなどの音声装置である。
【0110】
また、図22は、実施形態に係る端末204を実現するためのハードウェア構成を例示する図である。図22のハードウェア構成は、例えば、プロセッサ2201、メモリ2202、通信装置2203、タッチパネル2204、および表示装置2205を備える。なお、メモリ2202、通信装置2203、タッチパネル2204、および表示装置2205は、例えば、バス2210を介してプロセッサ2201に接続されていてよい。
【0111】
プロセッサ2201は、メモリ2202を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、上述した制御部601の一部または全部の機能を提供する。
【0112】
メモリ2202は、例えば半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んでいてよい。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。上述の記憶部602は、例えばメモリ2202であってよい。
【0113】
通信装置2203は、例えば、プロセッサ2201の指示に従ってゲートウェイ202と通信する。通信装置2203は、上述の通信部603の一例である。タッチパネル2204は、例えば、静電式タッチパネルおよび感圧式タッチパネルなどであってよい。表示装置2205は、例えば、ディスプレイであってよい。ユーザは、例えば表示装置2205の表示画面に配設されたタッチパネル2204を介して入力を行ってよい。
【0114】
実施形態に係る各プログラムは、例えば、下記の形態でサーバ201および端末204に提供されてよい。例えば、プログラムは、記憶部502,602にインストールされていてよい。また、プログラムは、プログラムサーバなどのサーバからネットワークを介して提供されてもよい。更には、プログラムは、着脱可能記憶媒体2105から読取装置2104を介して記憶装置2103にインストールされてもよい。
【0115】
なお、図21および図22を参照して述べたハードウェア構成は、例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の制御部501および制御部601の一部または全部の機能がFPGAおよびSoCなどによるハードウェアとして実装されてもよい。なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。SoCは、System-on-a-chipの略称である。
【0116】
以上において、いくつかの実施形態が説明される。しかしながら、実施形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態および代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、各種実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できることが理解されよう。また、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態が実施され得ることが理解されよう。更には、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してまたは置換して、或いは実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加して種々の実施形態が実施され得ることが当業者には理解されよう。
【0117】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
手術室内での医療機器を配置する位置を指定する配置情報を記憶する記憶部と、
前記医療機器に取り付けられた無線通信機と、前記手術室に設置された複数のゲートウェイのそれぞれとの間の無線通信での受信電波強度に基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定する推定部と、
前記推定された位置と、前記配置情報で指定される前記医療機器の位置との一致度に基づいて、前記医療機器が前記配置情報で指定される位置に配置されたか否かを判定する判定部と、
前記配置情報で指定される位置に前記医療機器が配置されていない場合に、前記医療機器を配置するための情報を出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
(付記2)
前記医療機器に取り付けられた前記無線通信機の電波が、前記手術室に設置された前記複数のゲートウェイ202のいずれにおいても検出されない場合、前記出力部は、前記医療機器を前記手術室へと運び込むための情報を出力する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記医療機器に取り付けられた前記無線通信機の電波が、前記手術室に設置された前記複数のゲートウェイ202のいずれにおいても検出されておらず、かつ、前記手術室とは別の部屋に設置された第2のゲートウェイにおいて検出された場合、前記出力部は、前記医療機器が前記別の部屋にあることを示す情報を出力する、付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記医療機器を配置する位置を前記配置情報に登録する指示が入力されると、前記推定された位置を、前記医療機器を配置する位置として前記配置情報に登録する登録部、を更に含む、付記1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記5)
前記複数のゲートウェイは、前記手術室に設置された4つ以上のゲートウェイであり、
前記推定部は、前記4つ以上のゲートウェイのうちから選択した第1の組み合わせの3つのゲートウェイのそれぞれと前記無線通信機との間での通信の受信電波強度を用いて推定した第1の位置と、前記4つ以上のゲートウェイのうちから選択した前記第1の組み合わせとは異なる第2の組み合わせの3つのゲートウェイのそれぞれと前記無線通信機との間での通信の受信電波強度を用いて推定した第2の位置とに基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定する、付記1から4のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記6)
前記記憶部は、医療機器を識別する識別情報と、搬入日時とを対応づけるエントリが登録された搬入情報を更に記憶しており、
前記情報処理装置は、
他の部屋に設置された第3のゲートウェイにおいて、前記搬入情報に登録されていない新たな医療機器の電波が検出された場合に、前記新たな医療機器を識別する識別情報に、現在日時を搬入日時として対応づけたエントリを前記搬入情報に追加する追加部と、
前記他の部屋に設置された前記第3のゲートウェイにおいて、前記搬入情報に登録されている医療機器の電波が検出されなくなった場合に、前記医療機器と対応するエントリを前記搬入情報から削除する削除部と、
を更に含み、
前記出力部は、前記搬入情報に登録されているエントリのうち、前記搬入日時から所定期間が経過しているエントリの医療機器が利用されていないことを示す情報を出力する、
付記1から5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7)
医療機器に取り付けられた無線通信機と、手術室に設置された複数のゲートウェイのそれぞれとの間の無線通信での受信電波強度に基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定し、
前記推定された位置と、記憶部に記憶される配置情報で指定された前記医療機器の前記手術室内での設置位置との一致度に基づいて、前記医療機器が前記配置情報で指定される前記設置位置に配置されたか否かを判定し、
前記配置情報で指定される前記設置位置に前記医療機器が配置されていない場合に、前記医療機器を配置するための情報を出力する、
ことを含む、情報処理装置が実行する管理方法。
(付記8)
医療機器に取り付けられた無線通信機と、手術室に設置された複数のゲートウェイのそれぞれとの間の無線通信での受信電波強度に基づいて、前記医療機器の前記手術室内での位置を推定し、
前記推定された位置と、記憶部に記憶される配置情報で指定された前記医療機器の前記手術室内での設置位置との一致度に基づいて、前記医療機器が前記配置情報で指定される前記設置位置に配置されたか否かを判定し、
前記配置情報で指定される前記設置位置に前記医療機器が配置されていない場合に、前記医療機器を配置するための情報を出力する、
処理を情報処理装置に実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0118】
101 手術室
102 手術準備室
103 医療機器室
110 医療機器
200 管理システム
201 サーバ
202 ゲートウェイ
203 無線通信機
204 端末
205 ネットワーク
240 表示装置
501 制御部
502 記憶部
503 通信部
601 制御部
602 記憶部
603 通信部
2100 情報処理装置
2101 プロセッサ
2102 メモリ
2103 記憶装置
2104 読取装置
2105 着脱可能記憶媒体
2106 通信インタフェース
2107 入出力インタフェース
2108 バス
2201 プロセッサ
2202 メモリ
2203 通信装置
2204 タッチパネル
2205 表示装置
2210 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22