(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】リヤスポイラと補助ランプとの組付け構造、および組付け方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/44 20060101AFI20221220BHJP
B62D 37/02 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B60Q1/44 A
B62D37/02 F
(21)【出願番号】P 2018216853
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝昌
(72)【発明者】
【氏名】江見 泰行
(72)【発明者】
【氏名】山本 英明
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-130342(JP,U)
【文献】特開2014-122036(JP,A)
【文献】実開平05-010116(JP,U)
【文献】実開平03-028038(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/44
B62D 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の後部に配置されるリヤスポイラと、該リヤスポイラに対して一体に組付けられる補助ランプとの組付け構造であって、
上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプが対向する対向面には、該補助ランプと係合するスポイラ側上下方向係合部が設けられ、
上記補助ランプには、上記スポイラ側上下方向係合部と上記上下方向に係合するランプ側上下方向係合部が設けられ、
上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプとの対向面には、該対向面から上記リヤスポイラの内部へ凹んだ凹部が設けられ、
上記ランプ側上下方向係合部は、上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる係合動作によって上下方向に係合可能に構成し、
上記ランプ側上下方向係合部は、上記スポイラ側上下方向係合部に係合時に、上記凹部の内部に配設され
、
上記リヤスポイラには、上記補助ランプと前後方向に係合するスポイラ側前後方向係合部が設けられ、
上記補助ランプには、上記スポイラ側前後方向係合部と前後方向に係合するランプ側前後方向係合部が設けられ、
上記係合動作による、上記ランプ側上下方向係合部と上記スポイラ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが、前後方向に係合する構成とし、
上記スポイラ側前後方向係合部は、前後方向において上記スポイラ側上下方向係合部と相反する方向に突設するとともに、撓み変形可能に形成され、
上記係合動作時に、上記スポイラ側前後方向係合部を上記ランプ側前後方向係合部によって上下方向に撓み変形させる付勢部を、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とのうち、少なくとも一方に形成し、
上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部による付勢が解除され上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが前後方向に係合する構成とした
リヤスポイラと補助ランプとの組付け構造。
【請求項2】
上記スポイラ側上下方向係合部と上記スポイラ側前後方向係合部とは、上記リヤスポイラにおいて、車幅方向に隣接して設けられるとともに、
上記補助ランプを上記リヤスポイラに組付け時において上記ランプ側上下方向係合部は、上記スポイラ側上下方向係合部に対応する位置に、上記ランプ側前後方向係合部は、上記スポイラ側前後方向係合部に対応する位置に、夫々設けられた
請求項
1に記載のリヤスポイラと補助ランプとの組付け構造。
【請求項3】
上記補助ランプは、ランプ本体部と、該ランプ本体部から上記リヤスポイラの側へ突出する上記ランプ側上下方向係合部とで構成し、
上記ランプ側上下方向係合部は、車幅方向に延びて上記スポイラ側上下方向係合部と上下方向に係合する上下方向係合部分と、該上下方向係合部分と上記ランプ本体部とを上下方向に連結する連結部分とで形成されており、
上記スポイラ側上下方向係合部は、上記上下方向係合部分と上下方向に係合時に、上記連結部分と車幅方向に係合する構成とした
請求項1
または2に記載のリヤスポイラと補助ランプとの組付け構造。
【請求項4】
上記リヤスポイラは、アウタ部材とインナ部材とを上下方向に互いに対向して備えており、
上記インナ部材は、インナ部材本体部と、上記スポイラ側上下方向係合部とを有して樹脂成形により一体形成されており、
上記凹部は、上記補助ランプとの対向面に有する上記インナ部材本体部から上記アウタ部材に向けて凹状に形成された
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のリヤスポイラと補助ランプとの組付け構造。
【請求項5】
上記リヤスポイラと上記補助ランプとの少なくとも一方には、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部とが上下方向に係合時に、これらリヤスポイラと補助ランプとの間に介在して、それ以上上下方向において互いに近接しないように規制する上下方向位置規制部が設けられた
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載のリヤスポイラと補助ランプとの組付け構造。
【請求項6】
車体後部には、該車体後部に設けられた後方開口部を開閉可能に閉塞するリヤゲートを備え、該リヤゲートの上部に装着された上記リヤスポイラの後部には、上記リヤゲートの上部から後方かつ下方へ延びるリヤウインドを上方から覆う後方延出部分が設けられており、
上記後方延出部分には、上記補助ランプが組付けられるとともに、上記補助ランプの組付け位置よりも前方位置から上記リヤウインドに向けて突出し、該リヤウインドとの間で上記後方延出部分を支持する支持脚部材を備えており、
上記支持脚部材は、上記後方延出部分に対して別体で構成された
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のリヤスポイラと補助ランプとの組付け構造。
【請求項7】
車体の後部に配置されるリヤスポイラと、該リヤスポイラに対して一体に組付けられる補助ランプとを備え、
上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプが対向する対向面に、該補助ランプと係合するスポイラ側上下方向係合部が設けられ、
上記補助ランプには、上記スポイラ側上下方向係合部と上記上下方向に係合するランプ側上下方向係合部が設けられ、
上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプとの対向面には、該対向面から上記リヤスポイラの内部へ凹んだ凹部が設けられた、リヤスポイラと補助ランプとの組付け方法において、
上記リヤスポイラと上記補助ランプとを、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部とが前後方向に対向するまで上下方向に近接配置させ、
上記ランプ側上下方向係合部を上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる係合動作によって凹部の内部において上下方向に互いに係合させ
、
上記リヤスポイラには、上記補助ランプと前後方向に係合するスポイラ側前後方向係合部が設けられ、
上記補助ランプには、上記スポイラ側前後方向係合部と前後方向に係合するランプ側前後方向係合部が設けられ、
上記係合動作による上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との係合時に、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とを前後方向に係合させ、
上記スポイラ側前後方向係合部は、前後方向において上記スポイラ側上下方向係合部と相反する方向に突設するとともに、撓み変形可能に形成され、
上記係合動作時に、上記スポイラ側前後方向係合部を上記ランプ側前後方向係合部によって上下方向に撓み変形させる付勢部を、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とのうち、少なくとも一方に形成し、
上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部による付勢が解除され上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが前後方向に係合する構成とした
リヤスポイラと補助ランプとの組付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体の後部に配置されるリヤスポイラと、該リヤスポイラに対して一体に組付けられるハイマウントストップランプ等の補助ランプとを備えた、リヤスポイラと補助ランプとの組付け構造、および組付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両外装部材同士の組付け構造としては、特許文献1に例示されるように、リヤスポイラ(21)と補助ランプとしての補助ストップランプ(12)とを、上下方向に係合することによって一体に組付けたうえで、補助ストップランプ(12)を組付けた状態のリヤスポイラ(21)を、車体の後部かつ上部に配置するものが知られている(特許文献1の
図2参照)。
【0003】
特許文献1の組付け構造は、補助ストップランプ(12)側には、上方(リヤスポイラ(21)の側)に向けて突出するファスナ等の係合突起が取り付けられたブラケットを備える一方で、リヤスポイラ(21)側には、係合突起を差し込み可能に上方へ凹んだ係合凹部が、該係合突起との対向部位に形成されたものである(同
図2参照)。そして、特許文献1の組付け構造は、これら係合突起と係合凹部とを上下方向に係合することで、補助ストップランプをリヤスポイラ(21)に対して、その下方から組付けるものである。
【0004】
しかし、リヤスポイラと補助ランプとを上下方向に係合するにあたり、上述したように、上方向に突出する係合突起と、該係合突起を差し込み可能に上方向に窪んだ係合凹部とで上下方向の係合構造を構成した場合、この係合構造の上下方向の長さは、係合突起の上下方向の長さにダイレクトに依存することになるため、該係合構造は上下方向に嵩張り(長くなり)易く、その分、補助ランプを下方から組み付けたリヤスポイラの上下方向の厚みが厚くなるおそれがある。
【0005】
このようなリヤスポイラの上下方向の板厚化に伴って、該リヤスポイラが上方に嵩張ると、リヤスポイラのデザイン自由度が低下する一方で、下方へ嵩張ると、リヤウインド越しの乗員からの後方視界が低下することが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、リヤスポイラと補助ランプとを上下方向の係合により一体に組付ける構成において、リヤスポイラの上下方向の厚みを短縮化することができる、リヤスポイラと補助ランプとの組付け構造、および組付け方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるリヤスポイラと補助ランプとの組付け構造は、車体の後部に配置されるリヤスポイラと、該リヤスポイラに対して一体に組付けられる補助ランプとの組付け構造であって、上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプが対向する対向面には、該補助ランプと係合するスポイラ側上下方向係合部が設けられ、上記補助ランプには、上記スポイラ側上下方向係合部と上記上下方向に係合するランプ側上下方向係合部が設けられ、上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプとの対向面には、該対向面から上記リヤスポイラの内部へ凹んだ凹部が設けられ、上記ランプ側上下方向係合部は、上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる係合動作によって上下方向に係合可能に構成し、上記ランプ側上下方向係合部は、上記スポイラ側上下方向係合部に係合時に、上記凹部の内部に配設され、上記リヤスポイラには、上記補助ランプと前後方向に係合するスポイラ側前後方向係合部が設けられ、上記補助ランプには、上記スポイラ側前後方向係合部と前後方向に係合するランプ側前後方向係合部が設けられ、上記係合動作による、上記ランプ側上下方向係合部と上記スポイラ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが、前後方向に係合する構成とし、上記スポイラ側前後方向係合部は、前後方向において上記スポイラ側上下方向係合部と相反する方向に突設するとともに、撓み変形可能に形成され、上記係合動作時に、上記スポイラ側前後方向係合部を上記ランプ側前後方向係合部によって上下方向に撓み変形させる付勢部を、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とのうち、少なくとも一方に形成し、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部による付勢が解除され上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが前後方向に係合する構成としたものである。
【0009】
上記構成によれば、ランプ側上下方向係合部を、スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる係合動作によって、互いに凹部の内部において上下方向に係合(位置決め)することができる。
【0010】
これにより、リヤスポイラと補助ランプとを上下方向の係合により一体に組付けた構成において、リヤスポイラを上下方向に薄板化(すなわちリヤスポイラの上下方向の厚みを短縮化)することができ、延いては、リヤスポイラのデザイン自由度および後方視界の向上に寄与することができる。
【0011】
ここで、上記係合動作は、上記ランプ側上下方向係合部を、上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる動作であって、詳しくは、上記ランプ側上下方向係合部を、上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向にオフセットした位置から上記スポイラ側上下方向係合部に近接する側へ相対移動させる動作である。
【0012】
上記上下方向および後述する前後方向とは、上記補助ランプを組み付けた上記リヤスポイラを車体後部に装着したときの姿勢を基準とするものである。
【0013】
また、上記リヤスポイラには、上記補助ランプと前後方向に係合するスポイラ側前後方向係合部が設けられ、上記補助ランプには、上記スポイラ側前後方向係合部と前後方向に係合するランプ側前後方向係合部が設けられ、上記係合動作による、上記ランプ側上下方向係合部と上記スポイラ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが、前後方向に係合する構成としたものであるから、次の如き効果がある。
【0014】
すなわち、上記ランプ側上下方向係合部による、前後方向の上記一方側から上記他方側へ相対移動させる係合動作によって、該ランプ側上下方向係合部と上記スポイラ側上下方向係合部とが上下方向に係合することに加えて、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とを前後方向に係合させることができるため、一方向の係合動作によって2方向について係合することができ、上記リヤスポイラと上記補助ランプとの組付け効率を高めることができる。
【0015】
さらに、上記スポイラ側前後方向係合部は、前後方向において上記スポイラ側上下方向係合部と相反する方向に突設するとともに、撓み変形可能に形成され、上記係合動作時に、上記スポイラ側前後方向係合部を上記ランプ側前後方向係合部によって上下方向に撓み変形させる付勢部を、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とのうち、少なくとも一方に形成し、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部による付勢が解除され上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが前後方向に係合する構成としたものであるから、次の如き効果がある。
【0016】
すなわち、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部が上記ランプ側前後方向係合部から受ける付勢力が解除されることで、撓み変形した上記スポイラ側前後方向係合部を元の形状に復元させることができる。よって、上記スポイラ側前後方向係合部の撓み変形の復元力(弾性力)を利用して上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とを、容易に、かつ、しっかりと前後方向に係合することができる。
【0017】
この発明の態様として、上記スポイラ側上下方向係合部と上記スポイラ側前後方向係合部とは、上記リヤスポイラにおいて、車幅方向に隣接して設けられるとともに、上記補助ランプを上記リヤスポイラに組付け時において上記ランプ側上下方向係合部は、上記スポイラ側上下方向係合部に対応する位置に、上記ランプ側前後方向係合部は、上記スポイラ側前後方向係合部に対応する位置に、夫々設けられたものである。
【0018】
上記構成によれば、上記スポイラ側上下方向係合部と上記スポイラ側前後方向係合部とを、リヤスポイラにおいて互いに隣接して設けるとともに、上記ランプ側上下方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部を、上記補助ランプにおいて互いに隣接して設けることにより、上下方向係合部(上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部)と前後方向係合部(上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部)の夫々の係合時のがたつきの影響を相互に受け難いレイアウトとすることができるため、夫々強固に係合することができる。
【0019】
この発明の態様として、上記補助ランプは、ランプ本体部と、該ランプ本体部から上記リヤスポイラの側へ突出する上記ランプ側上下方向係合部とで構成し、上記ランプ側上下方向係合部は、車幅方向に延びて上記スポイラ側上下方向係合部と上下方向に係合する上下方向係合部分と、該上下方向係合部分と上記ランプ本体部とを上下方向に連結する連結部分とで形成されており、上記スポイラ側上下方向係合部は、上記上下方向係合部分と上下方向に係合時に、上記連結部分と車幅方向に係合する構成としたものである。
【0020】
上記構成によれば、スポイラ側上下方向係合部とランプ側上下方向係合部とを車幅方向においても係合することができるため、補助ランプをリヤスポイラに対して車幅方向に規制(位置決め)した状態で組付けることができる。
【0021】
さらに、スポイラ側上下方向係合部は、ランプ側上下方向係合部に備えた上記上下方向係合部分と上下方向に係合した状態で、同じくランプ側上下方向係合部に備えた連結部分と車幅方向にも係合することができる。従って、スポイラ側上下方向係合部と上下方向係合部分とを上下方向に係合させる係合動作によって、スポイラ側上下方向係合部と連結部分との車幅方向の係合動作も兼ねることができ、リヤスポイラと補助ランプとの組付け効率を高めることができる。
【0022】
この発明の態様として、上記リヤスポイラは、アウタ部材とインナ部材とを上下方向に互いに対向して備えており、上記インナ部材は、インナ部材本体部と、上記スポイラ側上下方向係合部とを有して樹脂成形により一体形成されており、上記凹部は、上記補助ランプとの対向面に有する上記インナ部材本体部から上記アウタ部材に向けて凹状に形成されたものである。
【0023】
上記構成によれば、リヤスポイラに備えたインナ部材を樹脂成形により一体形成することで、スポイラ側上下方向係合部および凹部が設けられたリヤスポイラを容易に形成することができる。
【0024】
この発明の態様として、上記リヤスポイラと上記補助ランプとの少なくとも一方には、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部とが上下方向に係合時に、これらリヤスポイラと補助ランプとの間に介在して、それ以上上下方向において互いに近接しないように規制する上下方向位置規制部が設けられたものである。
【0025】
上記構成によれば、上記リヤスポイラと上記補助ランプとを、上下方向に突き合わせるだけで、上下方向位置規制部によって上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部とが上下方向に係合可能な相対位置になるように上下方向に配置することができるため、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部とを上下方向に容易に係合することができ、組付け効率を高めることができる。
【0026】
この発明の態様として、車体後部には、該車体後部に設けられた後方開口部を開閉可能に閉塞するリヤゲートを備え、該リヤゲートの上部に装着された上記リヤスポイラの後部には、上記リヤゲートの上部から後方かつ下方へ延びるリヤウインドを上方から覆う後方延出部分が設けられており、上記後方延出部分には、上記補助ランプが組付けられるとともに、上記補助ランプの組付け位置よりも前方位置から上記リヤウインドに向けて突出し、該リヤウインドとの間で上記後方延出部分を支持する支持脚部材を備えており、上記支持脚部材は、上記後方延出部分に対して別体で構成されたものである。
【0027】
上記構成によれば、後方延出部分における、上記補助ランプの組付け位置よりも前方の位置から下方に突出する支持脚部材を、該後方延出部分に対して別体で構成することで、上記リヤスポイラに設けた上記後方延出部分に対する上記補助ランプの組付け時に、支持脚部材を上記後方延出部分から外した状態にすることで、上記係合動作時に上記補助ランプが支持脚部材に干渉するおそれがなく、上記補助ランプを上記後方延出部分に対してスムーズに組付けることができる。
【0028】
またこの発明によるリヤスポイラと補助ランプとの組付け方法は、車体の後部に配置されるリヤスポイラと、該リヤスポイラに対して一体に組付けられる補助ランプとを備え、上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプが対向する対向面に、該補助ランプと係合するスポイラ側上下方向係合部が設けられ、上記補助ランプには、上記スポイラ側上下方向係合部と上記上下方向に係合するランプ側上下方向係合部が設けられ、上記リヤスポイラの上下方向における、上記補助ランプとの対向面には、該対向面から上記リヤスポイラの内部へ凹んだ凹部が設けられた、リヤスポイラと補助ランプとの組付け方法において、上記リヤスポイラと上記補助ランプとを、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部とが前後方向に対向するまで上下方向に近接配置させ、上記ランプ側上下方向係合部を上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる係合動作によって凹部の内部において上下方向に互いに係合させ、上記リヤスポイラには、上記補助ランプと前後方向に係合するスポイラ側前後方向係合部が設けられ、上記補助ランプには、上記スポイラ側前後方向係合部と前後方向に係合するランプ側前後方向係合部が設けられ、上記係合動作による上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との係合時に、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とを前後方向に係合させ、上記スポイラ側前後方向係合部は、前後方向において上記スポイラ側上下方向係合部と相反する方向に突設するとともに、撓み変形可能に形成され、上記係合動作時に、上記スポイラ側前後方向係合部を上記ランプ側前後方向係合部によって上下方向に撓み変形させる付勢部を、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とのうち、少なくとも一方に形成し、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部による付勢が解除され上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが前後方向に係合する構成としたものである。
【0029】
上記構成によれば、スポイラ側上下方向係合部とランプ側上下方向係合部とを、凹部の内部において上下方向に係合(位置決め)することができる。
【0030】
従って、補助ランプを上下方向に組み付けたリヤスポイラを、上下方向に薄板化することができ、延いては、リヤスポイラのデザイン自由度および後方視界の向上に寄与することができる。
【0031】
また、上記リヤスポイラには、上記補助ランプと前後方向に係合するスポイラ側前後方向係合部が設けられ、上記補助ランプには、上記スポイラ側前後方向係合部と前後方向に係合するランプ側前後方向係合部が設けられ、上記係合動作による上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との係合時に、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とを前後方向に係合させるものであるから、次の如き効果がある。
【0032】
すなわち、上記ランプ側上下方向係合部を上記スポイラ側上下方向係合部に対して前後方向の一方側から他方側へ相対移動させる係合動作によって、上下方向および前後方向について係合することができるため、上記リヤスポイラと上記補助ランプとの組付け効率を高めることができる。
【0033】
さらに、上記スポイラ側前後方向係合部は、前後方向において上記スポイラ側上下方向係合部と相反する方向に突設するとともに、撓み変形可能に形成され、上記係合動作時に、上記スポイラ側前後方向係合部を上記ランプ側前後方向係合部によって上下方向に撓み変形させる付勢部を、上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とのうち、少なくとも一方に形成し、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部による付勢が解除され上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とが前後方向に係合する構成としたものであるから、次の如き効果がある。
【0034】
すなわち、上記スポイラ側上下方向係合部と上記ランプ側上下方向係合部との上下方向の係合時に、上記付勢部が上記ランプ側前後方向係合部から受ける付勢力が解除されることで、撓み変形した上記スポイラ側前後方向係合部を元の形状に復元させることができる。よって、上記スポイラ側前後方向係合部の撓み変形の復元力(弾性力)を利用して上記スポイラ側前後方向係合部と上記ランプ側前後方向係合部とを、容易に、かつ、しっかりと前後方向に係合することができる。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、リヤスポイラと補助ランプとを上下方向の係合により一体に組付ける構成において、リヤスポイラの上下方向の厚みを短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】(a)は本実施形態の車体後部の外観図、(b)はハイマウントストップランプを組み付けたリヤスポイラと、リヤゲートの上部を示す分解斜視図。
【
図2】ハイマウントストップランプを組み付けたリヤスポイラの後方左斜め上方から視た外観図。
【
図3】ハイマウントストップランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラを前方右斜め下方から視た外観図。
【
図4】ハイマウントストップランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラを後方左斜め下方から視た外観図。
【
図5】ハイマウントストップランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラの底面図。
【
図6】(a)はハイマウントストップランプを後方左斜め上方から視た外観図、(b)はハイマウントストップランプの車幅方向両端部を示す底面図。
【
図7】
図5中のA-A線切断面を前方かつ上方から視た斜視断面図。
【
図8】
図5中のB-B線切断面を前方かつ上方から視た斜視断面図。
【
図9】(a)はハイマウントストップランプおよび支持脚部材を装着前
の図3中の領域Xに相当する拡大図、
図9(b)は支持脚部材を装着前
の図3中の領域Xに相当する拡大図、並びに
図9(c)は
図3中の領域Xの拡大図。
【
図10】(a)はハイマウントストップランプの要部を前方左斜め上方から視た斜視図、(b)はハイマウントストップランプの要部を前方左斜め下方から視た斜視図。
【
図11】(a)は
図5中のA-A線端面図、(b)は
図5中のB-B線端面図、(c)は
図5中のC-C線端面図。
【
図12】(a)は
図5中のD-D線端面図、(b)は
図11中のF-F線に沿った要部の端面図、(c)は
図5中のE-E線端面図。
【
図13】(a)は
図11(a)中の領域Xaの拡大図、(b)は
図11(b)中の領域Xbの拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両右方を示し、矢印Lは車両左方を示し、矢印Uは車両上方を示すものとする。なお、
図1(a)は本実施形態の車体後部を上方かつ左斜め上方から視た外観図、
図1(b)はハイマウントストップランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラと、リヤゲートの上部を示す分解斜視図である。
【0038】
図1(a)(b)に示すように、本実施形態の車両Vは、車両後部の荷室開口3を開閉するリヤゲート2を備えたハッチバック式の車両であって、荷室開口3の上方に位置する、リヤゲート2の上端が、車幅方向に延びる回転軸を有する左右一対のヒンジ部材6(
図1(b)参照)を介してルーフ部4後端に連結されており、リヤゲート2を跳ね上げるようにして荷室開口3を開口する構成としている。
【0039】
リヤゲート2の上側部分には、リヤウインド5を配設するウインド開口5aが構成されており、リヤゲート2の上端からリヤウインド5を含めた上側部分は、前高後低状に傾斜して形成している。
【0040】
リヤゲート2のウインド開口5aよりも上部は、リヤゲートアウタパル2a(
図1(b)参照)とリヤゲートインナパネル2b(同図参照)とを前(上)後(下)各側において互いのフランジ部を接合することで、該リヤゲート2の車幅方向全体に亘って延びる閉断面を形成してリヤゲート2の上部の剛性を高めている。
【0041】
リヤゲート2の上部の上面(リヤゲート2の上部のアウタパネル2aの上面)には、リヤスポイラ10が配置されている。
以下、リヤスポイラ10およびハイマウントストップランプ50(以下、「HMSランプ50」と称する)の構成について
図2~
図13(a)(b)を用いて説明する。
図2はHMSランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラを後方左斜め上方から視た外観図、
図3はHMSランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラを前方右斜め下方から視た外観図、
図4はHMSランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラを後方左斜め下方から視た外観図、
図5はHMSランプを組み付けた本実施形態のリヤスポイラの底面図、
図6(a)はHMSランプを後方左斜め上方から視た外観図、
図6(b)はHMSランプの車幅方向両端部を示す底面図、
図7は
図5中A-A線切断面を前方かつ上方から視た斜視断面図、
図8は
図5中B-B線切断面を前方かつ上方から視た斜視断面図、
図9(a)は、HMSランプおよび支持脚部材を装着前の
図3中の領域Xに相当する拡大図、
図9(b)は支持脚部材を装着前の
図3中の領域Xに相当する拡大図、
図9(c)は
図3中の領域Xの拡大図、
図10(a)はHMSランプの中央係合構造および上方突出リブの周辺部分を前方左斜め上方から視た斜視図、
図10(b)はHMSランプの中央係合構造の周辺部分を前方左斜め下方から視た斜視図、
図11(a)は
図5中のA-A線端面図、
図11(b)は
図5中のB-B線端面図、
図11(c)は
図5中のC-C線端面図、
図12(a)は
図5中のD-D線端面図、
図12(b)は
図11中のF-F線に沿った要部の端面図、
図12(c)は
図5中のE-E線端面図、
図13(a)は
図11(a)中の領域Xaの拡大図、
図13(b)は
図11(b)中の領域Xbの拡大図を示す。但し、
図3、
図4においては、リヤスポイラ10の底面の要部以外の詳細構成は図示省略するものとする。
【0042】
図1(a)、
図2に示すように、リヤスポイラ10の上面部は、リヤゲート2閉時に、ルーフ部4上面に沿って流れる空気をスムーズに後方に流すように、車両のルーフ部4上面に対して車両前後方向に連続するように形成している。
【0043】
リヤゲート2の上部に装着されたリヤスポイラ10は、リヤウインド5の上部を上方から覆うようにリヤゲート2の上部に対して後方に向かって延出するとともに、リヤゲート2の上部の左右両端に至るまで、ルーフ部4後端に沿って車幅方向に連続して形成されている。
図3~
図5に示すように、リヤスポイラ10における、リヤゲート2の上部に対して後方に向かって延出する後方延出部分11には、その車幅中央部において、制動時に点灯する補助ストップランプとしてのHMSランプ50が組み付けられている。
【0044】
図2~
図5に示すように、リヤスポイラ10は、該リヤスポイラ10の意匠面を構成するアウタ部材12と、該アウタ部材12の下面に接合されるインナ部材13とを有して構成されている。
【0045】
図2に示すように、リヤスポイラ10のアウタ部材12は、合成樹脂材からなる射出成形等の成形により、上下方向に対して車幅方向に沿って細長く延びる偏平翼状に形成されており、前高後低状に傾斜した上壁部121と、該上壁部121の後端から下方程前方へ延びる後壁部122とで一体に形成されている。
【0046】
図2、
図4、
図5に示すように、アウタ部材12の後壁部122の車幅方向中央部には、車幅方向に細長形状の切欠開口部122Aが前後方向に貫通形成されており、該切欠開口部122Aに、HMSランプ50の後述する後面レンズ52が嵌め込み可能に形成されている(
図4、
図7~
図9(a)参照)。
【0047】
図7、
図8、
図11(a)(b)(c)、
図12(a)に示すように、後壁部122の下部122dの車幅方向における切欠開口部122Aの下縁相当部位には、該後壁部122の下部122dの上端から前方へ略水平に延びる前方突出片123が切欠開口部122Aの下縁に沿って一体形成されている。前方突出片123は、HMSランプ50に備えた後述する嵌込み部55を切欠開口部122Aに嵌め込み時に、HMSランプ50の後部を下側から支持する。
【0048】
インナ部材13は、合成樹脂の射出成形等によって略平板状に成形されており、アウタ部材12の上壁部121の下面に一体に結合されている(例えば、
図4、
図5、
図7、
図8参照)。
【0049】
図5に示すように、リヤスポイラ10の前側におけるインナ部材13の下面には、リヤスポイラ10をボルト等の締結具によりリヤゲート2の上部に対して締結する座面10Faが複数配設された車体取付け箇所10Fが形成されている。
【0050】
リヤスポイラ10の前後方向における、インナ部材13の車体取付け箇所10Fよりも後方部分は、上記の後方延出部分11として構成されており(
図5参照)、該後方延出部分11は、リヤゲート2の上部に装着時に
、リヤウインド5の上部を上方から覆うように、リヤスポイラ10の前側部分から後方にリヤウインド5に沿って片持ち状に延出している。
【0051】
そして、リヤスポイラ10の後方延出部分11の下面の前後各側には、支持脚部材取付け箇所10Mと、HMSランプ組付け箇所10Rとが設けられている(同図参照)。
【0052】
HMSランプ組付け箇所10Rは、リヤスポイラ10の上壁部121と後壁部122とのコーナー部における車幅方向の中央部に位置し、支持脚部材取付け箇所10Mは、HMSランプ組付け箇所10Rの少なくとも直前箇所に位置する
(図4、図5参照)。
【0053】
支持脚部材取付け箇所10Mに取付けられる支持脚部材14は、リヤゲート2の上部に装着時にリヤウインド5との間に介在し、該後方延出部分11を支持する部材であって、
図9(c)、
図11(c)に示すように、インナ部材13に取付け固定されるスポイラ取付け部141と、該スポイラ取付け部141に対して下方へ延びる脚部142とで一体に形成されている。
【0054】
このように、支持脚部材14は、インナ部材13の下面における支持脚部材取付け箇所10Mに対してスポイラ取付け部141がボルト等の締結具によって後付け可能(すなわち別部材)に構成されている。
【0055】
具体的には、後述するように、支持脚部材14は、HMSランプ50をリヤスポイラ10に組み付け後であって、リヤスポイラ10を車体後部に装着前にリヤスポイラ10の支持脚部材取付け箇所10Mに取付けられる。
【0056】
さらに、支持脚部材14は、インナ部材13に締結固定した状態において、脚部142の下面を、リヤスポイラ10を車体後部に装着時にリヤウインド5の上面に当接させることでリヤスポイラ10の後方延出部分11を突張り支持可能に構成されている。
【0057】
また
、図6(a)(b)~
図8に示すように、HMSランプ50は、後方に向けて開口する後方開口部51A(
図7、
図8参照)を有する合成樹脂製のランプハウジング51と、前方へ向けて開口する前方開口部52A(同図参照)を有するとともに
、赤色等に着色された透光性樹脂の後面レンズ52と、該後面レンズ52に格納された光源
体54等で構成されている。
【0058】
これらランプハウジング51と後面レンズ52とは共に車幅方向に沿って長い細長形状に形成されている(
図6(a)参照)。そして
、図7、
図8に示すように、HMSランプ50は、該HMSランプ50の前側略片半分に相当するランプハウジング51と、後側略片半分に相当する後面レンズ52とが、後方開口部51Aと前方開口部52Aとが前後方向に対向するように配設されており、ランプハウジング51の後端と後面レンズ52の前端とが溶着等により一体に形成されている。
【0059】
図6(a)に示すように、HMSランプ50は、後面レンズ52の後部の車幅方向の中央部に、リヤスポイラ10側のアウタ部材12の後壁部122に開口形成した切欠開口部122Aに嵌め込み可能に後方に迫り出した嵌込み部55が一体形成されている。嵌込み部55は、切欠開口部122Aに嵌め込み時に
、該切欠開口部122Aの全体を塞ぐように、該切欠開口部122Aに対応して幅方向に細長状に形成されている(
図2、
図4参照)。
【0060】
ここで
、図6(a)、
図7、
図8、
図11(a)(b)に示すように、HMSランプ50の後面レンズ52の下部の後端部には、該後端部から略水平に後方へ突出する後方突出リブ56が一体形成されている。後方突出リブ56は、後面レンズ52の後面における、嵌込み部55の車幅方向の中間位置および両サイドの合計3箇所に配設されている(
図6(a)参照)。後方突出リブ56は、嵌込み部55の下面より下方に位置し、該嵌込み部55の下面との間に上下方向の隙間が形成される(
図11(a)(b)参照)。
【0061】
これにより
、図7、
図8、
図11(a)(b)に示すように、後方突出リブ56は、HMSランプ50の嵌込み部55を切欠開口部122Aに前方から嵌め込み時に、後方突出リブ56と嵌込み部55との間の隙間に前方突出片123が後方から差し込まれることによって、後方突出リブ56と前方突出片123とは、上下方向に係合する。
【0062】
このように、嵌込み部55を切欠開口部122Aに嵌め込み時に、後方突出リブ56が前方突出片123に係合することで、嵌込み部55よりも下部における、リヤスポイラ10の後壁部122とHMSランプ50の後面レンズ52との一体性を高めて、車幅方向に細長い切欠開口部122Aの下縁部、すなわち、後壁部122の下部122dの剛性を高めている。
【0063】
さらに
、図6(a)、
図11(c)に示すように、HMSランプ50の後面レンズ52における、嵌込み部55の下面には、下方へ突出する下方突起57が形成されている。
【0064】
この下方突起57は
、図6(a)に示すように、後面レンズ52の後部に設けた嵌込み部55の車幅方向における、後方突出リブ56が形成されていない部位、すなわち、車幅方向の中央の後方突出リブ56と左右各側の後方突出リブ56との間の箇所、並びに
、左右各側の後方突出リブ56に対して車幅方向外側の箇所の合計4箇所に形成されている。
【0065】
これにより、HMSランプ50の嵌込み部55を切欠開口部122Aに前方から嵌め込み時に、後方突出リブ56と嵌込み部55との間の上下方向の隙間に差し込まれた前方突出片123(
図11(a)(b)参照)を、下方突起57が上方から押圧することで(
図11(c)参照)、嵌込み部55の下面と前方突出片123上面との間に上下方向の隙間を有することに起因する
がたつきを抑制することができる。
【0066】
また
、図3、
図5、
図12(c)に示すように、HMSランプ50は、このように嵌込み部55を切欠開口部122Aに嵌め込んだ状態でリヤスポイラ10側のインナ部材13に対してフランジ部53を介して取り付けられる。
【0067】
具体的には
、図6(a)(b)に示すように、HMSランプ50に備えたランプハウジング51は、後面レンズ52との対向部分に対して
、さらに車幅方向両外側へ突出する左右一対のフランジ部53が突出形成されている。一方
、図12(c)に示すように、リヤスポイラ10に備えたインナ部材13の後部には、ランプハウジング51側に形成した左右一対のフランジ部53に対応して、車幅方向の両外側から下方へ向けて突出するフランジ部131が突出形成されている。
【0068】
図12(c)に示すように、ランプハウジング51に形成したフランジ部53とインナ部材13に形成したフランジ部131とは、前後方向に互いに重合した状態で位置決めピンPの挿通を許容するピン挿通穴53a,131a、および
、ボルトBの挿通を許容するボルト挿通穴53b,131bが前後方向に貫通形成されている。
なお、
図12(c)中の符号Nは、インナ部材13のフランジ部131の後面における、ボルトB等を挿通可能に貫通形成した貫通孔131bの縁部に固着されたウェルドナットである。
【0069】
図3に示すように、HMSランプ50は、リヤスポイラ10に対して組み付け時には、夫々に形成された後述する係合構造60C,60Sを係合することによって上下方向、車幅方向
、および
、前後方向に位置決め状態に組み付ける。このとき、HMSランプ50の嵌込み部55が切欠開口部122Aに嵌め込まれることに加えて、ランプハウジング51に形成したフランジ部53とインナ部材13に形成したフランジ部131とが前後方向に互いに重合する(
図12(c)参照)。このため、これらフランジ部53,131を、ピン挿通穴53a,131aにおいて位置決めピンPによって位置決め固定するとともに
、ボルト挿通穴53b,131bにおいてボルトB等によって締結することにより、HMSランプ50は、リヤスポイラ10に対して一体に締結固定される。
【0070】
以下
、本実施形態の係合構造60C,60Sについて説明する。
係合構造60C,60Sは、リヤスポイラ10とHMSランプ50とにおける、車幅方向の中央位置に設けられた中央係合構造60Cと、その両サイドに設けられた左右一対の係合構造60S,60S(右側係合構造60Sおよび左側係合構造60S)とで構成されている(
図3参照)。
【0071】
中央係合構造60Cおよび左右一対の係合構造60S,60Sは、特に示す場合を除いて同一形状に構成されているため、主に中央係合構造60Cに基づいて説明する。
【0072】
まず
、インナ部材13は、
図7、
図8、
図9(c)、
図11(a)に示すように、底面視でリヤスポイラ10のアウタ部材12の上壁部121へのクリップ8等による取り付け箇所(
図5参照)を有するベース部130と、該ベース部130に対して下方へ隆起し、上壁部121の下面に対して下方へ離間して配設される複数の隆起部132とで一体形成されている。
【0073】
隆起部132は、インナ部材13における、底面視で少なくともリヤスポイラ10側の係合構造60C,60Sの配設箇所に形成されており、該隆起部132の下面は、略平坦状に形成されるとともに、上下方向に貫通する開口部133Aが形成されている(同図参照)。
【0074】
リヤスポイラ10の少なくとも隆起部132においては、インナ部材13とアウタ部材12との間に上下方向の隙間を有しているため、隆起部132の下面から開口部133Aを通じてアウタ部材12の上壁部121の下面まで上方へ凹んだ凹部133が形成されている(同図参照)。
【0075】
また
、図7~
図9(a)に示すように、リヤスポイラ10側の中央係合構造60Caは、後方係合突起20と、その車幅方向の両サイドに設けられた左右一対の前方係合突起25,25とで形成されている。
【0076】
図8、
図13(a)に示すように、後方係合突起20は、基端部に、凹部133の開口縁部133aにおける前縁133afの車幅方向中間部から下方(凹部133と反対側)へ段状に立ち上がる立上り部21を有しており、該立上り部21よりも先端側は略水平に後方へ突出している。さらに、後方係合突起20は、先端部(後端部)が凹部133の開口縁部133aにおける後縁133arに至る手前まで片持ち状に突出している。また、後方係合突起20の先端側(後端側)の下面には、基端側から先端部に向けて徐々に下方に隆起する下方隆起部22が形成されている。
【0077】
これにより
、後方係合突起20は、先端側に設けた下方隆起部22が上方向(凹部133の内側)へ押圧(付勢)された場合には、立上り部21よりも先端側が上方向(凹部133の内側)へ撓み変形するとともに(
図13(a)参照)、押圧力(付勢力)が解除されたとき
、元の水平姿勢に復元される。後方係合突起20の先端部の端面20a(後端面)は、上下方向および車幅方向に平坦状に形成している(
図7、
図12(b)、
図13(a)参照)。
【0078】
ここで
、開口部133Aの後縁133arは、隆起部132の後部に位置するため、該後縁133arの下端は、開口部133Aの前縁133afよりも下方に位置する(
図9(a)、
図13(b)参照)。そして、前方係合突起25は、開口部133Aの後縁133arの下端から前方へ突出形成している(
図13(b)参照)。
【0079】
これにより、前方係合突起25の前方向へ水平に延びる先端側は、その上面が開口部133Aの前縁133afの下面に対して、後述する貫通型係合部75の上壁部77の上下方向の略厚み分だけ下方にズレた(オフセットした)位置に配置されている(
図13(b)参照)。
【0080】
さらにまた、前方係合突起25は、後方係合突起20よりも短い長さで片持ち状に突出している。
【0081】
具体的には、凹部133における、前方係合突起25の先端部よりも前方空間、換言すると、凹部133の前後方向における、該凹部133の開口縁部133aにおける前縁133afと、前方係合突起25の前端との前後方向の間隔は、HMSランプ50側の係合構造60Cbとして備えた後述する貫通型係合部75の少なくとも上壁部77を下方から差し込み可能な大きさを有して構成されている。
【0082】
上述したように、後方係合突起20と、その両サイドの前方係合突起25とは、開口部133Aの前後各縁部133af,133arから前後方向に互い違いに突出形成している(
図9(a)参照)。
【0083】
また
、図10(a)(b)に示すように、中央係合構造60CのうちHMSランプ50側の中央係合構造60Cbは、非貫通型係合部70と、その車幅方向の両サイドに設けられた左右一対の貫通型係合部75とで形成されている。
【0084】
これら非貫通型係合部70と左右一対の貫通型係合部75は、共にランプハウジング51の上面から上方へ突出形成されている。このうち、非貫通型係合部70は、車両前後方向に貫通しない非貫通形状で形成されており、詳しくは、ランプハウジング51の上面から車幅方向に間隔を隔てて上方へ突出する左右一対の側壁部71,71と、左右一対の側壁部71,71の上端を車幅方向に連結する上壁部72と、これら左右一対の側壁部71,71および上壁部72によって囲まれた空間を後方から塞ぐ後壁部73とで一体に形成されている。
【0085】
非貫通型係合部70に備えた車幅方向に延びる上壁部72の前端面72aは、後述するがリヤスポイラ10とHMSランプ50とを組付け時に、後方係合突起20の先端部20a(後端面)(
図13(a)参照)に対して後方から当接するようにして前後方向に係合可能に上下方向および車幅方向に平坦状に形成している。
【0086】
そして、HMSランプ50をリヤスポイラ10に組み付け時に、後方係合突起20の先端部20aと、非貫通型係合部70に備えた上壁部72の前端面72aとが前後方向に互いに当接することで、HMSランプ50がリヤスポイラ10に対して、それ以上後方に相対移動しないように位置決めされる。ここで、このように、後方係合突起20と、非貫通型係合部70の上壁部72とは前後方向に係合するため、これら後方係合突起20と非貫通型係合部70とを前後方向係合部に設定する。
【0087】
また
、図10(a)(b)に示すように、貫通型係合部75は、ランプハウジング51の上面から車幅方向に間隔を隔てて上方へ突出する左右一対の側壁部76,76と、左右一対の側壁部76,76の上端を車幅方向に連結する上壁部77とで一体形成されている。
【0088】
さらに、貫通型係合部75は、これら左右一対の側壁部76,76および上壁部77によって囲まれた空間75A(以下、「差込み空間75A」と称する)が車両前後方向に貫通形成されており、対応する前方係合突起25を差し込み可能に車両前後方向に貫通する貫通形状(環形状、或いは、門型形状)に形成されている。
【0089】
そして、前方係合突起25を貫通型係合部75に先端側を差し込んだ状態において、該貫通型係合部75の上壁部77と該前方係合突起25とは、上下方向に互いに係合するため(
図13(b)参照)、リヤスポイラ10とHMSランプ50とは、組み付け状態から上下方向に離間しないように位置決めされる。
ここで、貫通型係合部75の上壁部77と前方係合突起25とは、上下方向に係合するため、これら貫通型係合部75の上壁部77と前方係合突起25とを上下方向係合部に設定する。
【0090】
また
、図12(b)に示すように、リヤスポイラ10側の中央係合構造60Caに備えた左右一対の前方係合突起25,25のうち、左右いずれか一方の前方係合突起25(当例では、車両左側の前方係合突起25)は、これに対応するHMSランプ50側の貫通型係合部75の差込み空間75Aに差し込んだ状態において車幅方向に隙間を略有しない嵌合い公差(左右一対の側壁部76,76間の間隔よりも若干幅小)となるように設定している。
【0091】
これに対して
、リヤスポイラ10に備えた、それ以外の前方係合突起25は、貫通型係合部75に差し込んだ状態において
、車幅方向に隙間を有するように緩やかな嵌合い公差に設定されている。
例えば、
図12(b)中の車両右側の前方係合突起25は、これに対応する貫通型係合部75の差込み空間75Aに対して緩やかな嵌合い公差に設定されている。
【0092】
すなわち、リヤスポイラ10側の中央係合構造60Caに備えた左右一対の前方係合突起25,25のうち左側の前方係合突起25は、それ以外の前方係合突起25(詳しくは、中央係合構造60Cに備えた右側の前方係合突起25、並びに、左右両サイドの係合構造60Sに備えた前方係合突起25,25)と比して幅広に形成しているため、当該左側の前方係合突起25を「幅広前方係合突起25w」とも称する。
【0093】
これにより、幅広前方係合突起25wは、HMSランプ50側の貫通型係合部75に差し込んだ状態において、幅広前方係合突起25wと貫通型係合部75の一対の側壁部76,76とが車幅方向に略隙間なく係合し、リヤスポイラ10とHMSランプ50とは、組み付け状態で車幅方向に位置決めされる(
図12(b)参照)。
【0094】
ここで、幅広前方係合突起25wと、これに対応する貫通型係合部75の一対の側壁部76,76とは、車幅方向に係合するため、これら幅広前方係合突起25wと貫通型係合部75の一対の側壁部76,76とを車幅方向係合部に設定する。
【0095】
なお、幅広前方係合突起25wは、小さな公差であっても対応する貫通型係合部75に嵌め込まれるように、先端部(前端部)の車幅方向両端の角部25waが面取り形状に形成されている(同図参照)。
【0096】
また
、図10(a)(b)に示すように、
非貫通型係合部
70とその両サイドの貫通型係合部
75とは、車幅方向に互いに隣接し、互いに隣接する夫々に備えた各側壁部71,76同士が一体に形成されている。
【0097】
さらに、非貫通型係合部70とその両サイドの貫通型係合部75とは、上述したように共にランプハウジング51の上面から上方へ突出形成されているが、貫通型係合部75は、非貫通型係合部70と比してより上方へ突出形成している(同図参照)。
【0098】
これにより、後述するがリヤスポイラ10とHMSランプ50とを組付け時に、換言すると、
図13(b)に示すように、前方係合突起25と貫通型係合部75とを上下方向に係合時に、該貫通型係合部75の少なくとも上壁部77は、その全体がリヤスポイラ10の凹部133の内部(凹部133の開口部133Aよりも上方)に差し込まれた状態で前方係合突起25と係合する。
【0099】
また
、図9(a)(b)(c)、
図10(a)、
図12(a)に示すように、リヤスポイラ10およびHMSランプ50には、上下方向位置規制部15,78を備えている。
ここで、リヤスポイラ10とHMSランプ50と
の組付け時には、後述するが
、リヤスポイラ10側の後方係合突起20とHMSランプ50側の非貫通型係合部70とが前後方向に対向する程度までリヤスポイラ10とHMSランプ50とを上下方向に近接配置させる(
図13(a)参照)。
【0100】
そして、上下方向位置規制部15,78は、このようなリヤスポイラ10とHMSランプ50とを、それ以上、上下方向に近接しないように位置決め(規制)するものである。
【0101】
当例では、上下方向位置規制部15,78は、HMSランプ50のランプハウジング51の上面から上方へ突出する上方突出リブ78(
図9(b)(c)、
図10(a)、
図12(a)参照)と、リヤスポイラ10のインナ部材13の下面における、上方突出リブ78に対して上方にて対向する部位に平坦状
に形成された当て面15(
図9(a)(b)(c)、
図12(a)参照)とで構成されている。
【0102】
そして
、図9(b)(c)、
図12(a)に示すように、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組み付け時に、上方突出リブ78の先端部が当て面15に当接することで、それ以上、互いに上下方向に近接しないように位置決めする。なお当例では、当て面15には、当接した上方突出リブ78が滑らないように不織布15aが接着されている。
【0103】
上述した上方突出リブ78は
、HMSランプ50側に、当て面15はリヤスポイラ側に、夫々の車幅方向において、中央係合構造60Cと右側係合構造60Sとの間の部位、中央係合構造60Cと左側係合構造60Sとの間の部位、並びに
、左右の係合構造60S,60Sよりも車幅方向両外側の部位に合計4対が形成されている(
図6(a)参照)。
【0104】
続いて、リヤスポイラ10に対してHMSランプ50を組み付ける手順について説明する。但し、リヤスポイラ10およびHMSランプ50の姿勢は、車体に取付け時の姿勢を基準にするものとする。さらに、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組み付け時には、リヤスポイラ10はリヤゲート2の上部に装着されておらず、リヤスポイラ10には、支持脚部材14が取り付けられていないものとする。
【0105】
リヤスポイラ10のHMSランプ組付け箇所10Rよりも前部の下面と、HMSランプ50の上面とを上下各側で対向させ、この状態からリヤスポイラ10とHMSランプ50とを、上下方向に近接するように互いに相対移動させる。
【0106】
このとき
、例えば、
図13(b)中において一点鎖線で示した貫通型係合部75のように、HMSランプ50側の貫通型係合部75とリヤスポイラ10側の前方係合突起25とが前後各側で略対向した状態となる。換言すると
、図13(a)中において一点鎖線で示した非貫通型係合部70のように、HMSランプ50側の非貫通型係合部70の上壁部72の上面を、例えば、リヤスポイラ10側の後方係合突起20の基端部に当接又は近接させる。
【0107】
その状態から
、HMSランプ50をリヤスポイラ10に対して後方へ略水平に相対移動させる(
図13(a)(b)中の太矢印参照)。この動作は、HMSランプ50側の係合構造60Cbとリヤスポイラ10側の係合構造60Caとを係合する係合動作であって、非貫通型係合部70の上壁部72の上面を後方係合突起20の下面に当接
、又は
、近接させながら該後方係合突起20の基端側(前端側)から先端側(後端側)へ移動させる動作である。
【0108】
ここで
、図13(a)に示すように、後方係合突起20の先端部には下方へ隆起する下方隆起部22を形成しているため、非貫通型係合部70の上壁部72が後方向、すなわち
、後方係合突起20の先端側へ略水平に進むに従って、片持ち状の後方係合突起20は、上壁部
72から上方(凹部133の内側)へ付勢され(すなわち
、押圧する反力を受け)、上方へ撓み変形する(
図13(a)中において二点鎖線で示した後方係合突起20参照)。
【0109】
そして、非貫通型係合部70の上壁部72が後方係合突起20の先端部を越えて該先端部よりも後方に位置した時点で、後方係合突起20は、上壁部72から受ける反力が解除され、撓み変形前の形状に復元する。
【0110】
これにより、前後方向係合部、すなわち、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとは、前後方向に係合され、HMSランプ50がリヤスポイラ10に対して前方へ相対移動することを規制する(同図参照)。
【0111】
さらに
、図11(a)に示すように、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとが前後方向に係合されると同時に、HMSランプ50の後面レンズ52に一体形成された嵌込み部55が、リヤスポイラ10の後壁部122に開設した細長状の切欠開口部122Aに前方から嵌め込まれる。これにより、HMSランプ50はリヤスポイラ10に対して後方へ相対移動することを規制される。なお、このとき、HMSランプ50の両サイドに設けたフランジ部53(
図12(c)参照)がリヤスポイラ10の両サイドに設けたフランジ部131(同図参照)に前方から突き当たる。
【0112】
以上により、HMSランプ50はリヤスポイラ10に対して前後方向に位置決めされる。
【0113】
続いて
、上下方向係合部について説明する。
上下方向係合部(前方係合突起25と貫通型係合部75)は、HMSランプ50とリヤスポイラ10とを、貫通型係合部75と前方係合突起25とが前後各側で対向するように上下方向に近接させた状態(
図13(b)参照)からリヤスポイラ10に対してHMSランプ50を後方へ略水平に相対移動させるという、上述した後方係合突起20と非貫通型係合部70との前後方向の係合動作によって、上下方向に係合するものである。
【0114】
具体的には
、図13(a)に示すように、HMSランプ50側の非貫通型係合部70の上壁部72の上面を、例えば、リヤスポイラ10側の後方係合突起20の基端部に下側から当接
、又は
、近接させた状態から貫通型係合部75を前方係合突起25に向けて後方へ相対移動する(
図13(b)中の太矢印参照)。
【0115】
このように
、HMSランプ50をリヤスポイラ10に対して後方へ略水平に相対移動させるに伴って、貫通型係合部75は、少なくとも上壁部77が凹部133の内部(開口部133Aよりも上方)に前方かつ上方から
挿入され(
図13(b)参照)、さらに
、前方係合突起25は、該貫通型係合部75の差込み空間75Aに後方から差し込まれていく(同図参照)。
【0116】
これにより、上述したように後方係合突起20と非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとが前後方向に係合されると同時に(
図13(a)参照)、貫通型係合部75の上壁部77と前方係合突起25とが上下方向に係合する(
図13(b)参照)。
このように、貫通型係合部75の上壁部77が、凹部133の内部に挿入された状態で前方係合突起25と上下方向に係合されることによって、HMSランプ50は、リヤスポイラ10に対して組み付け位置から下方へ離間する側へ相対移動することが規制される。
【0117】
さらにまた
、上述したように、リヤスポイラ10側の中央係合構造60Caの車幅方向の一方(当例では車幅方向左側)の前方係合突起25は、これに対応するHMSランプ50側の貫通型係合部75に対して小さな嵌合い公差となるように幅広前方係合突起25wとして形成している(
図12(b)参照)。
【0118】
このため、幅広前方係合突起25wが貫通型係合部75に差し込まれることによって、貫通型係合部75の上壁部77と上下方向に係合時に(
図13(a)参照)、幅広前方係合突起25wは、これに対応する貫通型係合部75の左右一対の側壁部76,76と車幅方向に係合する(
図12(b)参照)。
【0119】
これにより、HMSランプ50はリヤスポイラ10に対して組み付け位置から車幅方向へ相対移動することが規制される。
【0120】
加えて、リヤスポイラ10とHMSランプ50とを組み付け時に、HMSランプ50をリヤスポイラ10のHMSランプ組付け箇所10Rに対して前方へオフセットした位置から後方へ略水平に相対移動させることで、上述したように、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとが前後方向に係合される(
図13(a)参照)。
【0121】
このとき、リヤスポイラ10とHMSランプ50とは上下方向において互いに近接した状態であるため、後方係合突起20と非貫通型係合部70とが前後方向に係合すると同時に(同図参照)、HMSランプ50に備えたランプハウジング51の上面から上方へ突出する上方突出リブ78と、リヤスポイラ10のインナ部材13の下面に形成された平坦状の当て面15とが互いに当接する(
図9(c)、
図12(
a)参照)。
【0122】
これにより、HMSランプ50はリヤスポイラ10に対して組み付け位置に対して、さらに近接しないように上下方向に規制される。
【0123】
以上により、HMSランプ50を、リヤスポイラ10に対して下方で対向するとともに、リヤスポイラ10のHMSランプ組付け箇所10Rに対して前方にオフセットした位置に対向配置させ、その状態からHMSランプ50をリヤスポイラ10に対して後方へ相対移動することによって、上下方向、車幅方向、前後方向の全てにおいてリヤスポイラ10に対して位置決めすることができる。
【0124】
そして、このようにHMSランプ50をリヤスポイラ10に対して位置決めした状態においては、
図12(c)に示すように、夫々の左右両サイドに設けられたフランジ部53,131同士が前後方向に重合するため、これらフランジ部53,131同士を位置決めピンPで位置決めするとともに
、ボルトB等によって締結することで、図
11に示すように、HMSランプ50をリヤスポイラ10に対して一体に組み付けることができる。
【0125】
HMSランプ50が一体に組み付けられ
たリヤスポイラ10は、
図9(b)(c)に示すように、インナ部材13におけるHMSランプ組付け箇所10Rの直前に有する支持脚部材取付け箇所10Mに、支持脚部材14を締結具等によって後付けしたうえで、
図1(b)に示すように、インナ部材13の車体取付け箇所10Fをリヤゲート2の上部に対して締結具により締結固定することで車体後部に組み付けられる。
【0126】
上述したように、本実施形態における、リヤスポイラ10とHMSランプ50(補助ランプ)との組付け構造は、車体の後部かつ上部に配置されるリヤスポイラ10と、該リヤスポイラ10に対して一体に組付けられるHMSランプ50との組付け構造であって、リヤスポイラ10の上下方向における、HMSランプ50が対向する下面(対向面)には、該HMSランプ50と係合する前方係合突起25(スポイラ側上下方向係合部)が設けられ(
図7~
図9(a)(b)(c)、
図11(b)、
図12(b)、
図13(b)参照)、HMSランプ50には、前方係合突起25と上下方向に係合する貫通型係合部75の上壁部77(ランプ側上下方向係合部)が設けられ(
図6(a)、
図7、
図8、
図9(b)(c)、
図10(a)(b)、
図11(b)、
図13(b)参照)、リヤスポイラ10の上下方向における、HMSランプ50と対向する下面(対向面)には、該下面からリヤスポイラ10の内部、すなわち、下面に対して上方へ凹んだ凹部133が設けられ(
図7、
図8、
図11(a)、
図13(a)(b)参照)、貫通型係合部75の上壁部77は、前方係合突起25に対して、前側から後方(前後方向の一方側から他方側)へ相対移動させる係合動作によって上下方向に係合可能に構成し、貫通型係合部75の少なくとも上壁部77は、前方係合突起25に係合時に、凹部133の内部に配設されたものである(
図11(b)、
図13(b)参照)。
【0127】
上記構成によれば、貫通型係合部75の上壁部77を、前方係合突起25に対して前側から後方向へ相対移動させる係合動作によって、互いに凹部133の内部において上下方向に係合(位置決め)することができる。
【0128】
これにより、リヤスポイラ10とHMSランプ50とを上下方向の係合により一体に組付けた構成において、リヤスポイラ10を上下方向に薄板化(すなわちリヤスポイラ10の上下方向の厚みを短縮化)することができる。
【0129】
延いては、リヤスポイラ10の上方への嵩張りを抑制することで、リヤスポイラ10のデザイン自由度を高めることができるとともにCD値(空気抵抗係数)を低減させることができる。さらにリヤスポイラ10の下方への嵩張りを抑制することで、後方視界の向上に寄与することができる。
【0130】
詳述すると、リヤスポイラ10とHMSランプ50とを上下方向に係合するにあたり、例えば、従来のように、リヤスポイラの上下方向における、HMSランプとの組付け面からHMSランプに向けて上下方向に突出する係合突部と、HMSランプにおける、リヤスポイラとの組付け面から係合突部と係合可能に凹状に設けられた係合受け部とで構成した場合、これら係合突部と係合受け部との係合箇所の上下方向の長さは、係合突部の上下方向の長さにダイレクトに依存することになるため、上下方向に長くなるおそれがある。
【0131】
しかしながら、本実施形態によれば、貫通型係合部75の上壁部77を、前方係合突起25に対して前側から後方向へ相対移動させる係合動作によって、上下方向に係合する構成を採用したため、(詳しくは、前方係合突起25を、前方向へ突設するとともに、貫通型係合部75を、前方係合突起25に対して前方から差し込み可能に形成した構成を採用したため、)従来のように、リヤスポイラ側に設けた係合突部をHMSランプに向けて、すなわち下方向に突出することがなく、また、HMSランプ側に設けた係合受け部を、リヤスポイラ側に設けた係合突部を差し込み可能な深さを有して下方へ窪まして形成する必要がなく、これら係合受け部と係合受け部とを、前方へ突出する前方係合突起25と、該前方係合突起25を後方から差し込み可能な貫通型係合部75とによって構成することで上下方向にコンパクト化することができる。
【0132】
さらに、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77との上下方向の係合箇所が、たとえ、上述したように、上下方向にコンパクト化されても、当該上下方向の係合箇所がリヤスポイラ10とHMSランプ50との間に介在する構成においては、リヤスポイラ10とHMSランプ50とを上下方向に組み付け時における厚みが、上下方向の係合箇所が介在する分、厚くなるため、HMSランプ50を組付けたリヤスポイラ10の上下方向の厚みの短縮化を図るうえで不利になることから、さらなる改善の余地がある。
【0133】
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、リヤスポイラ10の下面に凹部133を設け、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組付け時(すなわち、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77とを係合時)に、貫通型係合部75の少なくとも上壁部77を凹部133の内部に差し込んだ(収容した)構成を採用したため、上下方向の係合箇所(前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77)の上下方向の厚みを、凹部133によって相殺する(すなわちリヤスポイラ10の厚みと上下方向に重複させる)ことができる。
【0134】
従って、HMSランプ50を上下方向に組み付けたリヤスポイラ10の上下方向の厚みを短縮化することができ、延いては、リヤスポイラ10のデザイン自由度の向上およびCD値の低減、並びに、後方視界の向上に寄与することができる。
【0135】
この発明の態様として、リヤスポイラ10には、HMSランプ50と前後方向に係合する後方係合突起20(スポイラ側前後方向係合部)が設けられ、HMSランプ50には、後方係合突起20と前後方向に係合する非貫通型係合部70(ランプ側前後方向係合部)が設けられ(
図7、
図8、
図9(b)(c)、
図11(a)、
図13(a)参照)、上記係合動作による、貫通型係合部75の上壁部77と前方係合突起25との上下方向の係合時に(
図11(a)、
図13(a)参照)、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとが、前後方向に係合する構成としたものである(
図7、
図8、
図9(b)(c)、
図11(a)、
図13(a)参照)。
【0136】
上記構成によれば、貫通型係合部75の上壁部77を、前方係合突起25に対して前方から後方へ相対移動させる上記係合動作によって、該貫通型係合部75の上壁部77と前方係合突起25とが上下方向に係合することに加えて、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとを前後方向に係合させることができるため、一方向の係合動作によって2方向について係合することができ、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組付け効率を高めることができる。
【0137】
この発明の態様として、前方係合突起25と後方係合突起20とは、リヤスポイラ10において、車幅方向に隣接して設けられるとともに、HMSランプ50をリヤスポイラ10に組付け時において貫通型係合部75は、前方係合突起25に対応する位置に、非貫通型係合部70は、後方係合突起20に対応する位置に、夫々設けられたものである(
図8、
図9(b)(c)参照)。
【0138】
上記構成によれば、前方係合突起25と後方係合突起20とを、リヤスポイラ10において互いに車幅方向に隣接して設けるとともに、これに対応して貫通型係合部75と非貫通型係合部70とを、HMSランプ50において互いに車幅方向に隣接して設けることにより、上下方向係合部(前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77)と前後方向係合部(後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72a)の夫々の係合時のガタつきの影響を相互に受け難いレイアウトとすることができるため、夫々強固に係合することができる。
【0139】
この発明の態様として、後方係合突起20は、前後方向において前方係合突起25と相反する方向、すなわち
、後方に突設するとともに、上方向に撓み変形可能に形成され、上記係合動作時に、後方係合突起20を
非貫通型係合部
70の上壁部
72によって上方向に撓み変形させる下方隆起部22(付勢部)を、後方係合突起20と非貫通型係合部70とのうち、少なくとも一方に形成し、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77との上下方向の係合時に(
図13(b)参照)、下方隆起部22による付勢が解除され
、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとが前後方向に係合する構成としたものである(
図13(a)参照)。
【0140】
上記構成によれば、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77との上下方向の係合時に、後方係合突起20は、非貫通型係合部70の上壁部72から下方隆起部22が受ける付勢力が解除されることで、撓み変形した状態から元の形状に復元させることができる。よって、後方係合突起20の撓み変形の復元力(弾性力)を利用して後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとを、容易に、かつ、しっかりと前後方向に係合することができる。
【0141】
特に
、本実施形態のように、前方係合突起25を前方向へ突設するとともに、貫通型係合部75の上壁部77を、後方向への相対移動によって該前方係合突起25に対して上下方向に係合可能に形成した場合には、例えば
図7、
図8に示すように、リヤスポイラ10の後壁部122に設けた切欠開口部122Aに対して、嵌込み部55が後方を臨むように前方から嵌め込むタイプの後面レンズ52を後部に備えたHMSランプ50においては、貫通型係合部75の上壁部77を前方係合突起25へ係合するために該HMSランプ50を後方向へスライドさせる上記の係合動作によって、HMSランプ50の嵌込み部55をリヤスポイラ10に設けた切欠開口部122Aに嵌め込む動作も兼用することができる。すなわち、上記係合動作によって前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77との上下方向の係合に加えて、HMSランプ50の嵌込み部55の、リヤスポイラ10の切欠開口部122Aへの嵌め込みとを同時に行うことができるため、組付けの効率を高めることができる。
【0142】
この発明の態様として、HMSランプ50は、ランプハウジング51(ランプ本体部)と、該ランプハウジング51から上方向(リヤスポイラ10の側)へ突出する貫通型係合部75とで構成し、貫通型係合部75は、車幅方向に延びて前方係合突起25と上下方向に係合する貫通型係合部75の上壁部77と、該上壁部77とランプハウジング51の上面とを上下方向に連結する側壁部76,76(連結部分)と、で形成されており(
図10(a)(b)参照)、幅広前方係合突起25w(リヤスポイラ10側の中央係合構造60Caの左側の前方係合突起25)は、上壁部77と上下方向に係合時に、側壁部76,76と車幅方向に係合する構成としたものである(
図12(b)参照)。
【0143】
上記構成によれば、幅広前方係合突起25wは、貫通型係合部75に備えた上壁部77と上下方向に係合した状態で、同じく貫通型係合部75に備えた側壁部76,76と車幅方向にも係合することができる。
【0144】
従って、HMSランプ50をリヤスポイラ10に対して上下方向に加えて車幅方向に規制(位置決め)した状態で組付けることができる。さらに、幅広前方係合突起25wと上壁部77とを上下方向に係合させる係合動作によって、該幅広前方係合突起25wと側壁部76,76との車幅方向の係合動作も兼ねることができ、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組付け効率を高めることができる。
【0145】
この発明の態様として、リヤスポイラ10は、アウタ部材12とインナ部材13とを上下方向に互いに対向して備えており、インナ部材13は、下方(アウタ部材12の側と反対側)に隆起する隆起部132(インナ部材本体部)と、前方係合突起25とを有して樹脂成形により一体形成されており、凹部133は、HMSランプ50との対向面に有する隆起部132からアウタ部材12に向けて凹状に形成されたものである(
図7、
図8、
図9(b)(c)、
図13(b)参照)。
【0146】
上記構成によれば、リヤスポイラ10に備えたインナ部材13を樹脂成形により一体形成することで、前方係合突起25および凹部133が設けられたリヤスポイラ10を容易に形成することができる。
【0147】
また、凹部133を、隆起部132からアウタ部材12に向けて凹状に形成することで、貫通型係合部75の少なくとも上壁部77を収容可能な上下方向の深さを有して形成することができる。
【0148】
この発明の態様として、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77とが上下方向に係合時に、リヤスポイラ10とHMSランプ50との間に介在して、それ以上上下方向において互いに近接しないように規制する上下方向位置規制部としての当て面15がリヤスポイラ10に、上方突出リブ78がHMSランプ50に夫々が設けられたものである(
図9(b)(c)、
図12(a)参照)。
【0149】
上記構成によれば、リヤスポイラ10とHMSランプ50とを、上下方向に突き合わせるだけで、上下方向位置規制部15,78によって前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77とが上下方向に係合可能な相対位置になるように上下各側に配置することができるため、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77とを上下方向に容易に係合することができ、組付け効率を高めることができる。
【0150】
この発明の態様として、車体後部には、該車体後部に設けられた荷室開口3(後方開口部)を開閉可能に閉塞するリヤゲート2を備え(
図1(a)(b)参照)、該リヤゲート2の上部に装着されたリヤスポイラ10の後部には、リヤゲート2の上部から後方かつ下方へ延びるリヤウインド5を上方から覆う後方延出部分11が設けられており(
図5参照)、後方延出部分11のHMSランプ組付け箇所10R(HMSランプ50の組付け位置)には、HMSランプ50が組付けられるとともに、HMSランプ組付け箇所10Rよりも前方に位置する支持脚部材取付け箇所10Mから下方向(リヤウインド5)に向けて突出し、該リヤウインド5との間で後方延出部分11を支持する支持脚部材14を備えており(
図3、
図4、
図9(c)、
図11(c)参照)、支持脚部材14は、後方延出部分11に対してボルト等で取り付け可能に別体で構成されたものである(
図9(b)(c)参照)。
【0151】
上記構成によれば、後方延出部分11における、HMSランプ組付け箇所10Rよりも前方の位置から下方に突出する支持脚部材14を、該後方延出部分11に対して別体で構成することで、リヤスポイラ10に設けた後方延出部分11に対するHMSランプ50の組付け時に、支持脚部材14を後方延出部分11から外した状態にすることで(
図9(a)(b)参照)、上記係合動作時に、HMSランプ50が支持脚部材14に干渉するおそれがなく、HMSランプ50を後方延出部分11に対してスムーズに組付けることができる。
【0152】
また
、上述した本実施形態のリヤスポイラ10とHMSランプ50との組付け方法は、車体の後部かつ上部に配置されるリヤスポイラ10と、該リヤスポイラ10に対して一体に組付けられるHMSランプ50とを備え、リヤスポイラ10の上下方向における、HMSランプ50に対向する下面(対向面)には、該HMSランプ50と係合する前方係合突起25が設けられ、HMSランプ50には、前方係合突起25と上下方向に係合する貫通型係合部75の上壁部77が設けられ、リヤスポイラ10の上下方向における、HMSランプ50と対向する下面(対向面)には、該下面からリヤスポイラ10の内部へ凹んだ凹部133が設けられた、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組付け方法において、リヤスポイラ10とHMSランプ50とを、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77とが前後方向に対向するまで上下方向に近接配置させ、貫通型係合部75の上壁部77を、前方係合突起25に対して前方から後方へ相対移動させる係合動作によって凹部133の内部において上下方向に互いに係合させるものである(
図13(b)参照)。
【0153】
上記構成によれば、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77とを、凹部133の内部において上下方向に係合(位置決め)することができる。
【0154】
従って、HMSランプ50を上下方向に組み付けたリヤスポイラ10を、上下方向に薄板化することができ、延いては、リヤスポイラ10のデザイン自由度の向上およびCD値の低減、並びに後方視界の向上に寄与することができる。
【0155】
この発明の態様として、リヤスポイラ10には、HMSランプ50と前後方向に係合する後方係合突起20が設けられ、HMSランプ50には、後方係合突起20の先端部20aと前後方向に係合する非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aが設けられ、上記係合動作によって、後方係合突起20の先端部20aと非貫通型係合部70の上壁部72の前端面72aとを前後方向に係合させるものである(
図13(a)参照)。
【0156】
上記構成によれば、前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77との上記係合動作によって、上下方向および前後方向について係合することができるため、上記リヤスポイラと上記補助ランプとの組付け効率を高めることができる。
【0157】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、上述した実施形態においては、リヤスポイラ10とHMSランプ50との組み付けに際して、HMSランプ50をリヤスポイラ10に対して下方から対向配置させ、HMSランプ50をリヤスポイラ10のHMSランプ組付け箇所10Rに対して前方へオフセットした位置から後方へ略水平に相対移動(スライド)させる上記係合動作の途中で、貫通型係合部75の少なくとも上壁部77が凹部133の内部に挿入し(
図13(b)参照)、そのまま凹部133の内部に挿入された状態で前方係合突起25と係合する構成を採用したが、この構成に限定しない。
【0158】
具体的には、上記係合動作よりも前の時点、すなわちHMSランプ50をリヤスポイラ10に対して下方から対向配置させた時点で貫通型係合部75の少なくとも上壁部77が凹部133の内部に挿入される構成を採用してもよい。その場合には、上記係合動作の間、上壁部77は、凹部133の内部に挿入された状態のまま前方係合突起25に向けて略水平に相対移動(スライド)し、凹部133の内部において前方係合突起25と係合することができる。
【0159】
この構成によれば、凹部133の開口部133Aが、例えば、鉛直下方を向く形状である等、上壁部77を後方へ略水平にスライドさせる上記係合動作の途中で上壁部77を凹部133の内部に挿入困難な構成であっても、HMSランプ50をリヤスポイラ10に対して下方から組み付け時に、貫通型係合部75の少なくとも上壁部77を凹部133の内部に対して確実に挿入させることができる。
【0160】
従って、上述した実施形態と同様に、上下方向の係合箇所(前方係合突起25と貫通型係合部75の上壁部77)の上下方向の厚みを、凹部133によって相殺することができる。
【符号の説明】
【0161】
3…荷室開口(後方開口部)
5…リヤウインド
10…リヤスポイラ
11…後方延出部分
12…アウタ部材
13…インナ部材
14…支持脚部材
15,78…上方突出リブおよび当て面(上下方向位置規制部)
20…後方係合突起(スポイラ側前後方向係合部)
22…下方隆起部(付勢部)
25…前方係合突起(スポイラ側上下方向係合部)
25w…幅広前方係合突起(ランプ側上下方向係合部と車幅方向に係合するスポイラ側上下方向係合部)
50…HMSランプ(補助ランプ)
51…ランプハウジング(ランプ本体部)
75(77)…貫通型係合部(の上壁部)(ランプ側上下方向係合部)
70(72a)…非貫通型係合部(の上壁部の前端面)(ランプ側前後方向係合部)
77…貫通型係合部の上壁部(上下方向係合部分)
76…貫通型係合部の側壁部(連結部分)
132…隆起部(インナ部材本体部)
133…凹部