(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20221220BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20221220BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20221220BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20221220BHJP
F21S 45/50 20180101ALI20221220BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20221220BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20221220BHJP
F21V 29/74 20150101ALI20221220BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20221220BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20221220BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20221220BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20221220BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/14
F21S43/20
F21S45/47
F21S45/50
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V29/503 100
F21V29/74
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
(21)【出願番号】P 2018228029
(22)【出願日】2018-12-05
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】上野 岬
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-195099(JP,A)
【文献】特開2009-099715(JP,A)
【文献】中国実用新案第202691647(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/19
F21S 43/14
F21S 43/20
F21S 45/47
F21S 45/50
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/74
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と;
前記基板の上に設けられた枠部と;
前記枠部の内側に設けられた第1の発光素子と;
前記第1の発光素子の周囲に設けられた複数の第2の発光素子と;
前記枠部の前記基板側とは反対側の端部に設けられた光学要素と;
を具備し、
前記第1の発光素子の光の出射面と前記基板との間の距離は、前記第2の発光素子の光の出射面と前記基板との間の距離とは異な
り、
前記第1の発光素子の厚みは、前記第2の発光素子の厚みよりも厚い車両用照明装置。
【請求項2】
基板と;
前記基板の上に設けられた枠部と;
前記枠部の内側に設けられた第1の発光素子と;
前記第1の発光素子の周囲に設けられた複数の第2の発光素子と;
前記枠部の前記基板側とは反対側の端部に設けられた光学要素と;
を具備し、
前記第1の発光素子の光の出射面と前記基板との間の距離は、前記第2の発光素子の光の出射面と前記基板との間の距離とは異な
り、
前記第2の発光素子の厚みは、前記第1の発光素子の厚みよりも厚い車両用照明装置。
【請求項3】
前記車両用照明装置を中心軸に沿った方向から見た場合に、1つの前記第1の発光素子が前記枠部の中央領域に設けられ、前記1つの第1の発光素子の中心を中心として回転対称となる位置に4つの前記第2の発光素子が設けられている請求項1
または2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記1つの第1の発光素子は、テールランプの配線パターンと電気的に接続され、
前記4つの第2の発光素子は、ストップランプの配線パターンと電気的に接続されている請求項
3記載の車両用照明装置。
【請求項5】
一方の端部側に前記基板が設けられるソケットをさらに備えた請求項1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と、複数の発光ダイオードを囲む枠部と、枠部の内部を覆う封止部と、を備えた車両用照明装置がある。
また、用途の異なる複数の車両用照明装置を一体化した車両用照明装置が提案されている。例えば、ストップランプの機能と、テールランプの機能とを備えた車両用照明装置が提案されている。この場合、例えば、ストップランプとしては、複数の発光ダイオードが設けられた発光部において光の出射面の周縁領域が明るい配光が好ましく、テールランプとしては、光の出射面の中央領域が明るい配光が好ましい。
【0003】
そのため、封止部の光の出射面にレンズを設け、配光を制御する技術が提案されている。しかしながら、光学要素であるレンズは設計や製造が難しいので高価な部品となる。また、車両用照明装置の用途によっては、好ましい配光が変わる場合もある。この場合、車両用照明装置に求められる配光に応じて、レンズを変更すると車両用照明装置の製造コストが著しく増大するおそれがある。
そこで、配光を容易に変更することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、配光を容易に変更することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る車両用照明装置は、基板と;前記基板の上に設けられた枠部と;前記枠部の内側に設けられた第1の発光素子と;前記第1の発光素子の周囲に設けられた複数の第2の発光素子と;前記枠部の前記基板側とは反対側の端部に設けられた光学要素と;を具備している。前記第1の発光素子の光の出射面と前記基板との間の距離は、前記第2の発光素子の光の出射面と前記基板との間の距離とは異なり、前記第1の発光素子の厚みは、前記第2の発光素子の厚みよりも厚い。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、配光を容易に変更することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図2】
図1における車両用照明装置のA-A線方向の模式断面図である。
【
図3】(a)は、発光素子、および光学要素を例示するための模式平面図である。(b)は、(a)における発光素子、および光学要素のB-B線方向の模式断面図である。
【
図4】(a)、(b)は、発光素子の光の出射面の位置と配光との関係を例示するための模式図である。
【
図5】(a)、(b)は、発光素子の光の出射面の位置と配光との関係を例示するための模式図である。
【
図6】(a)~(c)は、他の実施形態に係る発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
【
図7】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。また、車両用照明装置1は、複数の用途を兼用するものとすることができる。例えば、車両用照明装置1は、ストップランプとテールランプを兼用するものであってもよいし、ポジションランプとターンシグナルランプを兼用するものであってもよい。以下においては、一例として、車両用照明装置1がストップランプとテールランプを兼用するものである場合を例示する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、
図1における車両用照明装置1のA-A線方向の模式断面図である。
図1および
図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40を設けることができる。
【0012】
ソケット10は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有することができる。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けることができる。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11aを有することができる。凹部11aの底面11a1には、伝熱部40を介して発光モジュール20を設けることができる。
【0013】
装着部11には、少なくとも1つのスリット11bを設けることができる。スリット11bの内部には、基板21の角部を設けることができる。装着部11の周方向におけるスリット11bの寸法(幅寸法)は、基板21の角部の寸法よりも僅かに大きくすることができる。この様にすれば、スリット11bの内部に基板21の角部を挿入することで、基板21の位置決めを行うことができる。
【0014】
また、スリット11bを設けるようにすれば、基板21の平面形状を大きくすることができる。そのため、基板21上に実装する素子の数を増加させることができる。あるいは、装着部11の外形寸法を小さくすることができるので、装着部11の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0015】
バヨネット12は、装着部11の外側面に設けることができる。例えば、バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対峙させることができる。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いることができる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0016】
フランジ13は、板状を呈するものとすることができる。例えば、フランジ13は、円板状を呈したものとすることができる。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置することができる。
【0017】
放熱フィン14は、フランジ13の装着部11側とは反対側に設けることができる。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、
図1および
図2に例示をしたソケット10には複数の放熱フィンが設けられている。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、板状を呈したものとすることができる。
【0018】
また、ソケット10には、コネクタ105を挿入する孔10bを設けることができる。孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105を挿入することができる。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとすることができる。
【0019】
発光モジュール20において発生した熱は、主に、装着部11およびフランジ13を介して放熱フィン14に伝わる。放熱フィン14に伝わった熱は、主に、放熱フィン14から外部に放出される。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。例えば、ソケット10は、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
【0020】
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどからなるフィラーを混合させたものとすることができる。
【0021】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。また、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、インサート成形法などを用いて、給電部30と一体成形することもできる。
【0022】
給電部30は、給電端子31および絶縁部32を有することができる。
給電端子31は、棒状体とすることができる。給電端子31は、凹部11aの底面11a1から突出することができる。給電端子31は、複数設けることができる。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けることができる。絶縁部32は、給電端子31とソケット10との間に設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光モジュール20側の端面、および絶縁部32の放熱フィン14側の端面から突出することができる。複数の給電端子31の発光モジュール20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続することができる。例えば、給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けすることができる。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出することができる。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105を嵌め合わせることができる。給電端子31は、導電性を有することができる。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0023】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、アルミニウム合金などの金属や、炭素からなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、絶縁部32は、給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けることができる。また、絶縁部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有することができる。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムからなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、絶縁部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持することができる。
【0024】
絶縁部32は、絶縁性を有することができる。絶縁部32は、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。ここで、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、-40℃~85℃となる。そのため、絶縁部32の材料の熱膨張係数は、ソケット10の材料の熱膨張係数となるべく近くなるようにすることが好ましい。この様にすれば、絶縁部32とソケット10との間に発生する熱応力を低減させることができる。例えば、絶縁部32の材料は、ソケット10に含まれる高熱伝導性樹脂としたり、この高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂としたりすることができる。
【0025】
絶縁部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内面に接着したりすることができる。また、インサート成形法により、ソケット10と、給電部30とを一体成形することもできる。
【0026】
伝熱部40は、基板21と、凹部11aの底面11a1との間に設けることができる。伝熱部40は、接着部を介して凹部11aの底面11a1に設けることができる。すなわち、伝熱部40は、凹部11aの底面11a1に接着することができる。伝熱部40と凹部11aの底面11a1とを接着する接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)とすることが好ましい。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
【0027】
また、伝熱部40は、インサート成形法により、凹部11aの底面11a1に埋め込むこともできる。また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)からなる層を介して、凹部11aの底面11a1に取り付けることもできる。熱伝導グリスの種類には特に限定はないが、例えば、変性シリコーンに、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)を用いたフィラーが混合されたものとすることができる。熱伝導グリスの熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上、5W/(m・K)以下とすることができる。
【0028】
伝熱部40は、例えば、発光モジュール20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくするために設けられる。そのため、伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。伝熱部40は、板状を呈し、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。
【0029】
発光モジュール20は、基板21、発光素子22a(第1の発光素子の一例に相当する)、発光素子22b(第2の発光素子の一例に相当する)、抵抗23、制御素子24、枠部25、封止部26、および光学要素27を有することができる。
基板21は、ソケット10の一方の端部側に設けられている。基板21は、接着部を介して伝熱部40に設けることができる。すなわち、基板21は、伝熱部40に接着することができる。接着剤は、例えば、伝熱部40と凹部11aの底面11a1とを接着する接着剤と同じとすることができる。
【0030】
基板21は、板状を呈したものとすることができる。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。発光素子22a、22bの発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0031】
また、基板21の表面には、配線パターン21aを設けることができる。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料から形成することもできるし、銅を主成分とする材料などから形成することもできる。この場合、テールランプの配線パターンと、ストップランプの配線パターンを設けることができる。
【0032】
発光素子22a、22bは、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けることができる。発光素子22a、22bは、基板21の上に設けることができる。発光素子22a、22bは、枠部25の内側に設けることができる。発光素子22a、22bは、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続することができる。例えば、発光素子22aは、テールランプの配線パターンと電気的に接続することができる。複数の発光素子22bは、ストップランプの配線パターンと電気的に接続することができる。
【0033】
この場合、平面視において(車両用照明装置1を中心軸に沿った方向から見た場合に)、枠部25の中央領域に1つの発光素子22aを設け、これをテールランプ用の発光素子22aとすることができる。また、発光素子22aの周囲に複数の発光素子22bを設け、これらをストップランプ用の発光素子22bとすることができる。本実施の形態に係る車両用照明装置1においては、発光素子22aの中心を中心として、4つの発光素子22bが互いに等距離となるように設けられている。この場合、発光素子22aの中心を中心とする十字の4つの端部のそれぞれに発光素子22bを設けることができる。また、発光素子22aの中心を中心とする正方形の4つの角部のそれぞれに発光素子22bを設けることもできる。なお、発光素子22bの数や配置の変形例については後述する(
図6(a)~(c)を参照)。
【0034】
複数の発光素子22bは、電気的に直列接続することができる。また、発光素子22a、22bは、抵抗23と電気的に直列接続することができる。なお、発光素子22bの数は、4つに限定されるわけではないが、4つの発光素子22bを設ければ、ランバート配光となるようにすることが容易となる。
【0035】
発光素子22a、22bは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22a、22bは、チップ状の発光素子とすることができる。チップ状の発光素子22a、22bは、COB(Chip On Board)により実装することができる。この様にすれば、狭い領域に多くの発光素子22a、22bを設けることができる。そのため、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0036】
チップ状の発光素子22a、22bは、フリップチップ型の発光素子、上部電極型の発光素子、および上下電極型の発光素子のいずれかとすることができる。
上部電極型の発光素子または上下電極型の発光素子は、例えば、ワイヤーボンディング法により配線パターン21aと電気的に接続することができる。この場合、配線と配線パターン21aとの接続部分をファーストボンディング部とし、配線と発光素子22a、22bの電極との接続部分をセカンドボンディング部とすることが好ましい。すなわち、ワイヤーボンディングの配線と発光素子22a、22bの電極との接続部分はセカンドボンディング部とすることが好ましい。ワイヤーボンディングの配線と基板21の配線パターン21aとの接続部分はファーストボンディング部とすることが好ましい。この様にすれば、形成された配線の高さ(ループの高さ)を低くすることができるので、光学要素27と配線が干渉するのを抑制することができる。
なお、フリップチップ型の発光素子22a、22bとすれば、発光素子22a、22bと配線パターン21aとを接続する配線がないので、光学要素27と発光素子22a、22bとの間の距離を短くすることができる。
【0037】
抵抗23は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けることができる。抵抗23は、基板21の上に設けることができる。抵抗23は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続することができる。抵抗23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、
図1に例示をした抵抗23は、膜状の抵抗器である。
【0038】
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗23が膜状の抵抗器であれば、抵抗23と基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗23を一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができる。また、複数の抵抗23における抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0039】
ここで、発光素子22a、22bの順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22a、22bから出射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22a、22bから出射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗23により、発光素子22a、22bに流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。この場合、抵抗23の抵抗値を変化させることで、発光素子22a、22bに流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
【0040】
抵抗23が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22a、22bの順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗23を選択することができる。抵抗23が膜状の抵抗器の場合には、抵抗23の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、抵抗23にレーザ光を照射すれば抵抗23の一部を容易に除去することができる。抵抗23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22a、22bの数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0041】
制御素子24は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けることができる。制御素子24は、基板21の上に設けることができる。制御素子24は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続することができる。制御素子24は、逆方向電圧が発光素子22a、22bに印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22a、22bに印加されないようにするために設けることができる。制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
【0042】
その他、発光素子22a、22bの断線の検出や、誤点灯防止などのために、プルダウン抵抗を設けることもできる。また、配線パターン21aや膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むものとすることができる。
【0043】
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けることができる。枠部25は、基板21の上に接着することができる。枠部25は、枠状を呈するものとすることができる。枠部25に囲まれた領域には発光素子22a、22bを設けることができる。例えば、枠部25は、発光素子22a、22bを囲むことができる。枠部25は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
【0044】
また、樹脂に酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22a、22bから出射した光に対する反射率を向上させることができる。なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22a、22bから出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。また、枠部25は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0045】
枠部25の内面25aの少なくとも一部は、基板21から離れるに従い枠部25の中心軸から離れる方向に傾斜する傾斜面とすることができる。枠部25の内面25aは、基板21の面に略垂直な面とすることもできる。枠部25の内面25aの少なくとも一部は、内側に向けて突出する曲面とすることもできる。なお、枠部25の内面25aが傾斜面となっていれば、内面に入射した光を車両用照明装置1の正面側に向けて出射するのが容易となる。枠部25は、封止部26の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。
【0046】
封止部26は、枠部25により囲まれた領域に設けることができる。封止部26は、枠部25に囲まれた領域を覆うように設けることができる。すなわち、封止部26は、発光素子22a、22bを覆うよう設けることができる。封止部26は、透光性を有する材料から形成することができる。封止部26は、例えば、枠部25により囲まれた領域に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などとすることができる。また、封止部26には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0047】
光学要素27は、発光素子22a、22bから出射した光を拡散して、所定の配光特性が得られるようにする。光学要素27は、例えば、凸レンズとすることができる。なお、光学要素27は、例えば、凹レンズなどであってもよい。ここでは一例として、光学要素27が凸レンズである場合を例に挙げて説明する。
【0048】
光学要素27は、透光性材料から形成することができる。光学要素27は、例えば、シリコーン樹脂やアクリル樹脂などの透光性樹脂、ガラスなどから形成することができる。光学要素27は、例えば、射出成形法やモールド成形法などにより形成することができる。
【0049】
図3(a)は、発光素子22a、22b、および光学要素27を例示するための模式平面図である。
図3(b)は、(a)における発光素子22a、22b、および光学要素27のB-B線方向の模式断面図である。
図3(a)、(b)に示すように、光学要素27は、枠部25の基板21側とは反対側の端部に設けられている。光学要素27の周縁近傍は、枠部25の外側に設けることができる。光学要素27は、封止部26の基板21側とは反対側の端面、および、枠部25の基板21側とは反対側の端面の少なくともいずれかに接合することができる。
【0050】
凸レンズである光学要素27の基板21側とは反対側の面(光の出射面)27aは、基板21側とは反対側に向けて突出する曲面とすることができる。面27aは、例えば、球面の一部とすることができる。光学要素27の基板21側の面(光の入射面)27bは、基板21側に向けて突出する曲面とすることができる。面27bは、例えば、球面の一部とすることができる。面27bは、周縁に向かうに従い面27aに近づく方向に傾斜する傾斜面とすることができる。光学要素27の面27aの中心、面27bの中心、および、発光素子22aの中心は、直線上に設けることができる。
【0051】
前述したように、封止部26は、枠部25により囲まれた領域に樹脂を充填することで形成することができる。そして、光学要素27は、硬化前の封止部26の上に押し付ける様にして設けることができる。この場合、封止部26と光学要素27の面27bとの間に空隙が生じると意図した配光が得られなくなるおそれがある。そのため、光学要素27の面27bは、封止部26と密着するようにすることが好ましい。
【0052】
例えば、封止部26となる材料を枠部25により囲まれた領域に多めに充填し、光学要素27を充填された材料に押し付けた際に、材料の一部が枠部25の外部に流出するようにすることができる。この様にすれば、光学要素27の面27bが、封止部26と密着するようにすることができる。光学要素27を充填された材料に押し付けた際に空気が巻き込まれる場合がある。巻き込まれた空気が排出されずに残ると空隙が生ずることになる。
【0053】
光学要素27の面27bは、周縁に向かうに従い面27aに近づく方向に傾斜する傾斜面となっているので、充填された材料を枠部25の外側に押し出すのが容易となる。また、光学要素27と材料との間に巻き込まれた空気が排出されやすくなる。また、発光素子22a、22bや配線に過大な圧力が作用するのを抑制することができる。
【0054】
なお、この様な効果は、面27bが球面の一部でなくても得ることができる。例えば、面27bが、円錐、円錐台、角錐、角錐台などを構成する面であってもよい。また、封止部26となる材料の粘度などによっては、面27bは、基板21に略平行な平坦面とすることもできる。
ただし、面27bが球面の一部となっていれば、光学要素27に凸レンズの機能を持たせるのが容易となる。
【0055】
図3(b)に示すように、発光素子22aの光の出射面22a1と基板21との間の距離H1は、発光素子22bの光の出射面22b1と基板21との間の距離H2よりも大きくすることができる。この場合、発光素子22aの厚みが、発光素子22bの厚みより厚くなるようにすることができる。また、発光素子22aが接続される実装パッドの厚みを厚くしたり、発光素子22aと基板21との間にスペーサなどを設けたりすることもできる。
【0056】
図4(a)、(b)は、発光素子22aの光の出射面22a1の位置と配光との関係を例示するための模式図である。なお、
図4(a)、(b)は、枠部25の内面25aが、基板21の面に略垂直な面となっている場合である。
図4(a)は、発光素子22aの光の出射面22a1と基板21との間の距離H1が、発光素子22bの光の出射面22b1と基板21との間の距離H2と略同一の場合である。例えば、発光素子22aの厚みが発光素子22bの厚みと略同一の場合である。
図4(b)は、発光素子22aの光の出射面22a1と基板21との間の距離H1が、発光素子22bの光の出射面22b1と基板21との間の距離H2よりも大きい場合である(
図3(b)に例示をした場合である)。例えば、発光素子22aの厚みが発光素子22bの厚みよりも厚い場合である。
【0057】
図4(a)から分かるように、距離H1と距離H2とを略同一とすれば、
図4(b)に示すものと比べて、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光を減らすことができる。すなわち、配光角を狭めることができる。このことは、距離H1が距離H2よりも小さくなれば、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光をさらに減らせることを意味する。例えば、発光素子22aの厚みを発光素子22bの厚みよりも薄くすれば、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光を減らすことができる。
【0058】
図4(b)から分かるように、距離H1が距離H2よりも大きければ、
図4(a)に示すものと比べて、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光を増やすことができる。すなわち、配光角を広げることができる。またさらに、光学要素27の面27bで反射される光を減らすことができる。すなわち、光の取り出し効率が向上するので、光束を大きくすることができる。
【0059】
図5(a)、(b)は、発光素子22bの光の出射面22b1の位置と配光との関係を例示するための模式図である。なお、
図5(a)、(b)は、枠部25の内面25aが、基板21の面に略垂直な面となっている場合である。
図5(a)は、発光素子22bの光の出射面22b1と基板21との間の距離H2が、発光素子22aの光の出射面22a1と基板21との間の距離H1と略同一の場合である。例えば、発光素子22bの厚みが発光素子22aの厚みと略同一の場合である。
図5(b)は、発光素子22bの光の出射面22b1と基板21との間の距離H2が、発光素子22aの光の出射面22a1と基板21との間の距離H1よりも大きい場合である。例えば、発光素子22bの厚みが発光素子22aの厚みよりも厚い場合である。
【0060】
図5(a)から分かるように、距離H2と距離H1とを略同一とすれば、
図5(b)に示すものと比べて、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光を減らすことができる。すなわち、配光角を狭めることができる。このことは、距離H2が距離H1よりも小さくなれば、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光をさらに減らせることを意味する。例えば、発光素子22bの厚みを発光素子22aの厚みよりも薄くすれば、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光を減らすことができる。
【0061】
図5(b)から分かるように、距離H2が距離H1よりも大きければ、
図5(a)に示すものと比べて、発光モジュール20(車両用照明装置1)の側方に出射される光を増やすことができる。すなわち、配光角を広げることができる。またさらに、光学要素27の面27bで反射される光を減らすことができる。すなわち、光の取り出し効率が向上するので、光束を大きくすることができる。
【0062】
ここで、車両用照明装置1の用途によっては、好ましい配光が変わる場合がある。例えば、車両用照明装置1がストップランプの場合には、発光モジュール20の光の出射面の周縁領域が明るい配光が好ましい。一方、車両用照明装置1がテールランプの場合には、発光モジュール20の光の出射面の中央領域が明るい配光が好ましい。
【0063】
また、車両用照明装置は、用途の異なる複数の車両用照明装置を一体化したものとされる場合がある。例えば、前述した車両用照明装置1は、ストップランプの機能と、テールランプの機能とを備えた車両用照明装置とすることができる。この場合、発光素子22aをテールランプ用の発光素子とすることができる。発光素子22bをストップランプ用の発光素子とすることができる。
【0064】
前述したように、ストップランプの場合とテールランプの場合とでは好ましい配光が異なるものとなる。そのため、一般的には、レンズを用いて、それぞれの用途に適した配光が得られる様にしている。ところが、レンズは設計や製造が難しいので高価な部品となる。また、レンズは専用部品となるので、発光素子の数や配置などが変わるとレンズを変更する必要が生じ得る。そのため、製造コストの増大、在庫部品の増大、在庫管理の煩雑化を招いていた。
【0065】
本実施の形態に係る車両用照明装置1においては、発光素子22aの光の出射面22a1の位置と、発光素子22bの光の出射面22b1の位置とをそれぞれ変化させることで所望の配光が得られるようにしている。例えば、発光素子22aの光の出射面22a1と基板21との間の距離H1が、発光素子22bの光の出射面22b1と基板21との間の距離H2とは異なるようにすることができる。
そのため、本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、配光を容易に変更することができる。また、配光に応じて必要となる光学要素27の種類を減らすことができる。
【0066】
図6(a)~(c)は、他の実施形態に係る発光素子22bの配置を例示するための模式平面図である。
図3(a)に例示をしたものの場合には、発光素子22aの中心を中心とする十字の4つの端部のそれぞれに発光素子22bを設けている。
これに対して、
図6(a)に例示をしたものの場合には、発光素子22aの中心を中心とする正方形の4つの角部のそれぞれに発光素子22bを設けている。また、
図6(b)に例示をしたものの場合には、発光素子22aの中心を通る直線を対称軸として線対称となる位置に2つの発光素子22bを設けている。また、
図6(c)に例示をしたものの場合には、発光素子22aの中心を重心とする正三角形の3つの角部のそれぞれに発光素子22bを設けている。
すなわち、車両用照明装置1を中心軸に沿った方向から見た場合に、1つの発光素子22aが枠部25の中央領域に設けられるようにすることができる。1つの発光素子22aの中心を中心として回転対称となる位置に複数の発光素子22bを設けることができる。
発光素子22bの数や配置をこの様にしても、発光素子22aの光の出射面22a1の位置と、発光素子22bの光の出射面22b1の位置とをそれぞれ変化させることで所望の配光を得ることができる。
【0067】
また、前述した光学要素27の面27bは、斜面となっているが、基板21に略平行な平坦面とすることもできる。面27bが平坦面であっても、発光素子22aの光の出射面22a1の位置と、発光素子22bの光の出射面22b1の位置とをそれぞれ変化させることで所望の配光を得ることができる。ただし、面27bが斜面となっていれば、封止部26となる材料を枠部25の外側に押し出すのが容易となる。また、光学要素27と材料との間に巻き込まれた空気が排出されやすくなる。また、発光素子22a、22bや配線に過大な圧力が作用するのを抑制することができる。
【0068】
(車両用灯具)
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるリアコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるリアコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0069】
図7は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図7に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素103、シール部材104、およびコネクタ105を設けることができる。
【0070】
筐体101には車両用照明装置1を取り付けることができる。筐体101は、装着部11を保持することができる。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈したものとすることができる。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aを設けることができる。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部を設けることができる。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0071】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、例えば、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0072】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けることができる。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
【0073】
光学要素103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行うことができる。例えば、
図7に例示をした光学要素103はリフレクタとすることができる。この場合、光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンを形成することができる。
【0074】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けることができる。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0075】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間を密閉することができる。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0076】
コネクタ105は、孔10bの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることができる。コネクタ105には、図示しない電源などを電気的に接続することができる。そのため、コネクタ105を複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22a、22bとを電気的に接続することができる。
【0077】
また、コネクタ105は、段差部分を有することができる。そして、シール部材105aを、段差部分に取り付けることができる。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けることができる。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。
【0078】
シール部材105aは、環状を呈するものとすることができる。シール部材105aは、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。コネクタ105は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することもできる。
【0079】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、12 バヨネット、13 フランジ、14 放熱フィン、20 発光モジュール、21 基板、22a 発光素子、22a1 出射面、22b 発光素子、22b1 出射面、25 枠部、26 封止部、27 光学要素、27a 面、27b 面、100 車両用灯具、101 筐体