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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】浮遊式水流発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/10 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
F03B13/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018233527
(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公開番号】P2020094552
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】村田 祥
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-534375(JP,A)
【文献】特表2017-501344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線まわりの回転運動が提供されて、前記回転運動に応じて発電する発電機と、
水流を受けて前記回転軸線まわりの前記回転運動を生じさせるタービンブレードと、
前記タービンブレードが回転可能に取り付けられ、前記発電機を収容する浮体と、
を備え、
前記タービンブレードは、
前記回転軸線と交差する方向に沿って延在する中空のブレード本体部と、
前記ブレード本体部の内部に設けられ、前記ブレード本体部の内部に水が浸入した場合に、前記タービンブレードの浮力に寄与する前記ブレード本体部内の浮力寄与容積が、所望の容積量を下回らないようにする浮力発生部と、
を含み、
前記浮力発生部は、複数のブロックを含み、
前記浮力発生部の前記ブロックと前記ブレード本体部の内面との間には、空隙が設けられている、浮遊式水流発電装置。
【請求項2】
前記浮力発生部は、表面及び内部に複数の気泡が形成された発泡樹脂を含む、請求項1に記載の浮遊式水流発電装置。
【請求項3】
前記発泡樹脂の圧縮強度は、前記ブレード本体部に浸入した水から受ける静水圧よりも大きい、請求項2に記載の浮遊式水流発電装置。
【請求項4】
前記発泡樹脂は、シリコーン樹脂を含んでいる、請求項3に記載の浮遊式水流発電装置。
【請求項5】
前記浮力発生部は、前記ブレード本体部の内部に充填された現場発泡樹脂であり、前記ブレード本体部の内面に接触している、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の浮遊式水流発電装置。
【請求項6】
回転軸線まわりの回転運動が提供されて、前記回転運動に応じて発電する発電機と、
水流を受けて前記回転軸線まわりの前記回転運動を生じさせるタービンブレードと、
前記タービンブレードが回転可能に取り付けられ、前記発電機を収容する浮体と、
を備え、
前記タービンブレードは、
前記回転軸線と交差する方向に沿って延在する中空のブレード本体部と、
前記ブレード本体部の内部に設けられ、前記ブレード本体部の内部に水が浸入した場合に、前記タービンブレードの浮力に寄与する前記ブレード本体部内の浮力寄与容積が、所望の容積量を下回らないようにする浮力発生部と、
を含み、
前記浮力発生部は、複数のブロックを含み、
前記浮力発生部の前記ブロックは、前記ブレード本体部の内面から離間しており、
前記浮力発生部の前記ブロックと前記ブレード本体部の内面との間には、前記ブロックと前記ブレード本体部の内面とを互いに接着する接着剤が設けられている、浮遊式水流発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浮遊式水流発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中を浮遊しながら水流を利用して発電を行う浮遊式水流発電装置が知られている。このような浮遊式水流発電装置は、水中で浮遊する浮体の内部に発電機を備え、発電機のロータに接続されたシャフトには、水流を受けて回転する複数のタービンブレードが設けられている。これらのタービンブレードの回転に応じてロータが回転することで、発電機が発電する。このような浮遊式水流発電装置に用いられるタービンブレードとして、例えば特許文献1に記載された羽根が知られている。この羽根の外側シェルの内部は樹脂で充填されており、この樹脂は外側シェルの内壁に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2013-518213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような浮遊式水流発電装置を長期間にわたって使用すると、タービンブレードの内部へ徐々に水が浸入することがあり得る。タービンブレードの内部への水の浸入は、タービンブレードの浮力に影響を及ぼす。タービンブレードの浮力の変化は、浮遊式水流発電装置が設置される水深及び浮遊式水流発電装置の姿勢に影響を及ぼし、ひいては発電効率の低下又は非常停止といった種々の問題を招き得るため、浮遊式水流発電装置の継続的な運用を妨げる要因となり得る。
【0005】
本開示は、長期間にわたって継続的に運用可能な浮遊式水流発電装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る浮遊式水流発電装置は、回転軸線まわりの回転運動が提供されて、回転運動に応じて発電する発電機と、水流を受けて回転軸線まわりの回転運動を生じさせるタービンブレードと、タービンブレードが回転可能に取り付けられ、発電機を収容する浮体と、を備え、タービンブレードは、回転軸線と交差する方向に沿って延在する中空のブレード本体部と、ブレード本体部の内部に設けられ、ブレード本体部の内部に水が浸入した場合に、タービンブレードの浮力に寄与するブレード本体部内の浮力寄与容積が、所望の容積量を下回らないようにする浮力発生部と、を含む。
【0007】
この浮遊式水流発電装置では、タービンブレードのブレード本体部の内部に浮力発生部が設けられており、この浮力発生部が、タービンブレードのブレード本体部の内部に水が浸入した場合に、タービンブレードの浮力に寄与するブレード本体部内の浮力寄与容積が所望の容積量を下回らないようにする。このため、浮遊式水流発電装置の長期間の使用に伴ってブレード本体部の内部へ水が浸入した場合であっても、タービンブレードの浮力を一定以上に保つことができる。その結果、ブレード本体部の内部への水の浸入によって、浮遊式水流発電装置が設置される水深及び浮遊式水流発電装置の姿勢が大きく変化してしまう事態を抑制できる。したがって、上述した浮遊式水流発電装置によれば、長期間にわたる継続的な運用が可能となる。
【0008】
いくつかの態様において、浮力発生部は、表面及び内部に複数の気泡が形成された発泡樹脂を含んでもよい。この構成によれば、ブレード本体部の内部へ水が浸入した場合であっても、浮力発生部の発泡樹脂の内部に形成された各気泡の存在によって、ブレード本体部内の浮力寄与容積を一定以上に保つことが可能となる。したがって、上述した構成によれば、ブレード本体部の内部に水が浸入した場合に、タービンブレードの浮力に寄与するブレード本体部内の浮力寄与容積が所望の容積量を下回らないようにする構成を好適に実現できる。
【0009】
いくつかの態様において、発泡樹脂の圧縮強度は、ブレード本体部に浸入した水から受ける静水圧よりも大きくてもよい。また、発泡樹脂は、シリコーン樹脂を含んでいてもよい。このような構成によれば、ブレード本体部に浸入した水から静水圧を受けた場合でも、発泡樹脂の構造を維持できる。これにより、発泡樹脂の内部に形成された各気泡をより確実に維持できるため、ブレード本体部内において一定以上の浮力寄与容積をより確実に保つことが可能となる。したがって、上述した構成によれば、ブレード本体部の内部に水が浸入した場合に、タービンブレードの浮力に寄与するブレード本体部内の浮力寄与容積が所望の容積量を下回らないようにする構成をより確実に実現できる。
【0010】
いくつかの態様において、浮力発生部は、ブレード本体部の内部に充填された現場発泡樹脂であり、ブレード本体部の内面に接触していてもよい。この場合、ブレード本体部の内面の形状に沿うように浮力発生部を成形(3次元加工)する必要がないので、タービンブレードの製造が容易となる。更に、浮力発生部は、ブレード本体部の内面に接触しているので、ブレード本体部の機械的強度は浮力発生部によって補強される。これにより、タービンブレードの機械的強度の向上が図られる。
【0011】
いくつかの態様において、浮力発生部は、複数のブロックを含み、浮力発生部のブロックとブレード本体部の内面との間には、空隙が設けられていてもよい。このようにブレード本体部の内部に空隙が設けられていることによって、ブレード本体部の内部において各ブロックの体積を調整することが可能となる。これにより、ブレード本体部内の浮力寄与容積を容易に調整することが可能となる。
【0012】
いくつかの態様において、浮力発生部は、複数のブロックを含み、浮力発生部のブロックは、ブレード本体部の内面から離間しており、浮力発生部のブロックとブレード本体部の内面との間には、ブロックとブレード本体部の内面とを互いに接着する接着剤が設けられていてもよい。この場合、ブレード本体部の機械的強度は、接着剤を介して各ブロックによって補強される。これにより、タービンブレードの機械的強度の向上が図られる。
【発明の効果】
【0013】
本開示のいくつかの態様によれば、長期間にわたって継続的に運用可能な浮遊式水流発電装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、浮遊式水流発電装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2図2は、図1に示す浮体のポッドを軸線方向から平面視した図である。
図3図3は、図1のタービンブレード付近を拡大した拡大図である。
図4図4は、図1に示すタービンブレードの断面図である。
図5図5は、図3のV-V線に沿って切断したときのタービンブレードの断面図である。
図6図6(a)~図6(c)は、タービンブレードの製造工程を示す断面図である。
図7図7は、タービンブレードの変形例を示す断面図である。
図8図8は、タービンブレードの変形例を示す断面図である。
図9図9は、タービンブレードの別の変形例を示す断面図である。
図10図10は、タービンブレードの別の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0016】
以下の説明において、「上流」又は「下流」との語は、水の流れを基準として用いられる。「前」との語は、水の流れの上流側を意味し、「後」との語は、水の流れの下流側を意味する。「左」又は「右」との語は、水の流れに対して垂直で且つ水平な方向を意味し、後方すなわち下流側から見た場合を基準として用いられる。
【0017】
図1は、本実施形態に係る浮遊式水流発電装置1を示す概略構成図である。図2は、浮遊式水流発電装置1の浮体10に含まれるポッド11を回転軸線L方向から平面視した図である。本実施形態において、浮遊式水流発電装置1は、海水中で浮遊しながら、海流(水流)FLを利用して発電する浮遊式海流発電装置である。以下の説明では、「浮遊式水流発電装置1」を、単に「発電装置1」という。
【0018】
図1に示されるように、発電装置1は、海水中において所定の深度(水深)で浮遊する浮体10と、浮体10に対して回転可能に取り付けられるタービン20と、浮体10に収容されておりタービン20の回転によって発電する発電機40とを備える。浮体10は、海底に固定されたシンカー50に対して、係留索55を介して接続されている。なお、シンカー50に代えてアンカーが用いられてもよい。
【0019】
浮体10は、一対のポッド11と、クロスビーム12とを含んでいる。各ポッド11は、例えば左右方向に沿って互いに離間した位置に配置されている。各ポッド11は、連結部であるクロスビーム12によって互いに連結されている。各ポッド11は、前後方向に沿って延在する中空の容器である。各ポッド11の形状は、前後方向から見て例えば円筒形状である。各ポッド11は、例えば互いに同一の構造(大きさ及び形状等)を有している。ポッド11は、その後部に設けられるタービン20を回転可能に支持する。さらにポッド11は、タービン20に適正な浮力を付与する。
【0020】
この浮力は、各ポッド11に搭載される浮力調整機構(不図示)によって提供される。浮力調整機構は、浮力調整用のタンクを含んでおり、このタンクに海水を注排水することによって、浮体10の内部の空間容積量が調整される。浮力調整機構は、具体的には、各ポッド11及びクロスビーム12の内部の空間容積量をそれぞれ調整する。浮力調整機構は、これらの空間容積量の調整によって、浮体10に加わる浮力を調整する。
【0021】
クロスビーム12は、一対のポッド11の間において左右方向に沿って延在する中空の板状部材である。クロスビーム12は、その内部に空洞を有することによって、浮力を発生している。クロスビーム12の形状は、浮遊する発電装置1の姿勢を安定させるべく、左右方向から見て例えば翼形状である。クロスビーム12の左右方向の両端は、例えば、一対のポッド11の胴部の中央部にそれぞれ固定されている。また、クロスビーム12には、係留索55が接続されている。係留索55は、クロスビーム12に代えてポッド11に接続されていてもよい。
【0022】
タービン20は、ポッド11の後部に配置されている。このような構成は、いわゆるダウンウィンド型である。なお、タービン20は、アップウィンド型であってもよい。タービン20は、ハブ21と、ハブ21に設けられた1枚若しくは複数枚(例えば2枚)のタービンブレード22とを含んでいる。ハブ21は、ポッド11の後端部に取り付けられており、ポッド11の内部において発電機40の回転軸41に接続されている。ハブ21は、回転軸41の回転軸線Lを中心として回転方向R(図2参照)に回転可能である。回転軸線Lは、前後方向に沿って延在しており、前後方向から見た場合にポッド11の中心軸線と一致する。
【0023】
タービンブレード22は、回転軸線Lまわりの回転運動を生じさせる翼部材であり、海流FLを受けてハブ21と一体となって回転する。タービンブレード22による回転運動は、回転軸41を介して発電機40に提供される。発電機40は、この回転駆動力に応じて発電する。なお、各タービンブレード22のピッチ角度は、任意の角度に調整可能とされている。
【0024】
発電装置1には、発電機40により発電された電力を送電するための送電ケーブル60が設けられている。送電ケーブル60の一端は、クロスビーム12を介してポッド11内の発電機40に接続されており、送電ケーブル60の他端は、例えばシンカー50内に設けられた中継器(又は変圧器等)を介して海底送電ケーブル65に接続されている。海底送電ケーブル65は、海底に敷設されており、例えば地上の電力系統(外部電源等)に接続される。発電機40によって発電された電力は、送電ケーブル60及び海底送電ケーブル65を通じて、当該電力系統に送電される。逆に、当該電力系統から各ポッド11に給電することもできる。なお、中継器は、シンカー50外の海底に設置されてもよい。
【0025】
ここで、図3図4及び図5を参照しながら、タービンブレード22の構成についてより具体的に説明する。図3は、図1に示すタービンブレード22付近を拡大した拡大図である。図4は、図3に示すタービンブレード22の翼弦線を通る仮想平面Pを設定し、当該仮想平面Pを切断面としたときのタービンブレード22の断面図である。図5は、図3のV-V線に沿って切断したときのタービンブレード22の断面図である。なお、図3は、タービンブレード22を切り欠いて、その内部を示している。図3及び図5に示される仮想平面Pは、上述したように翼弦線を通るとともに、回転軸線Lと交差する方向Dに沿って延びる平面である。
【0026】
タービンブレード22は、図3図4及び図5に示されるように、タービンブレード22の骨組みを構成する一対の骨組部30と、骨組部30を覆う中空のブレード本体部31と、ブレード本体部31の内部に設けられる浮力発生部32とを含んでいる。一対の骨組部30及びブレード本体部31のそれぞれは、例えば繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)を含んで構成されている。一対の骨組部30及びブレード本体部31のそれぞれは、例えば金属を含んでもよく、その他の材質を含んでもよい。
【0027】
一対の骨組部30は、図3及び図4に示されるように、ブレード本体部31の内部において方向Dに沿って延在する板状の支持部材である。一対の骨組部30は、ブレード本体部31の内面31aを翼厚方向(図5における紙面上下方向)に支持している。具体的には、骨組部30は、ブレード本体部31の内面31aに対して接着剤33によって接着されている。一対の骨組部30は、図4に示されるように、タービンブレード22の翼幅方向に延びる軸線を挟んで両側にそれぞれ配置されている。図5の断面視において、各骨組部30の断面形状は、タービンブレード22の当該軸線の中央に向かって開口する略U字状である。
【0028】
ブレード本体部31は、図3及び図4に示されるように、一対の骨組部30を収容すると共に方向Dに沿って延在するカバー部材である。ブレード本体部31の形状は、ブレード本体部31の方向Dにおける先端(ハブ21とは反対側の一端)に向かうにつれて先細っている。ブレード本体部31は、ブレード本体部31の基端(ハブ21側の他端)側に開口を有している。当該開口の形状は、方向Dから見て例えば円形状であり、当該開口は、ブレード本体部31の内面31aに繋がっている。内面31aの形状は、ブレード本体部31の外面形状に沿った形状である。ブレード本体部31の板厚、すなわちブレード本体部31の外面と内面31aとの距離は、例えば均一であってもよい。ブレード本体部31は、図3及び図5に示されるように、仮想平面Pを境界として2個の外皮31A及び外皮31Bを含む。外皮31A及び外皮31Bの縁部同士は、例えば接着剤34によって互いに接合されている。
【0029】
浮力発生部32は、ブレード本体部31の内部に収容される固体物質である。浮力発生部32は、具体的には、発泡樹脂を含んで構成されている。発泡樹脂は、表面及び内部に複数の気泡が形成された構造を有している。浮力発生部32に含まれる発泡樹脂がこのような構造を有しているため、浮力発生部32の内部には、複数の気泡Va(図4参照)が含まれる。浮力発生部32の内部の各気泡Vaの空間容積の合計は、タービンブレード22の浮力に寄与する浮力寄与容積を構成するものとしてよい。
【0030】
なお、浮力寄与容積は、上記のように各気泡Vaの空間容積を合計したものとしてもよいし、各気泡Vaの空間容積と、浮力発生部32において各気泡Vaを囲む樹脂部分の容積とを合計した容積としてもよい。つまり、浮力発生部32において、海水の比重よりも小さい構造部分の容積を浮力寄与容積としてもよい。また、各気泡Vaと樹脂部分とを含めた浮力発生部32が有する平均的な比重が、海水の比重よりも小さければよい。本開示で言う比重とは、樹脂部分の値であってもよいし、上記のように樹脂部分と各気泡Vaとを含めた平均的な値であってもよい。さらに、本開示で言う発泡樹脂は、平均的な値として0より大きく且つ1.0以下の比重を有する樹脂材料を意味するものとしてもよい。本実施形態では、発泡樹脂が、現場で発泡可能な現場発泡樹脂である場合を例示する。現場発泡樹脂の材料として、例えば発泡シリコーン、発泡ウレタン、発泡エポキシ、発泡ポリエステル、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンテレフタラート、又は発泡フェノール等が挙げられる。
【0031】
浮力発生部32は、ブレード本体部31の内部のうち一対の骨組部30を除く部分に設けられている。具体的には、浮力発生部32は、ブレード本体部31の内面31aと各骨組部30との間、及び各骨組部30の間にそれぞれ設けられている。本実施形態では、浮力発生部32の発泡樹脂が現場発泡樹脂であるため、現場発泡樹脂をブレード本体部31の内部で発泡させることによりブレード本体部31の内部に浮力発生部32が隙間なく充填される。したがって、本実施形態では、ブレード本体部31の内面31aと各骨組部30との間、及び各骨組部30の間は、図4及び図5に示されるように、浮力発生部32によって全て埋められている。
【0032】
このように浮力発生部32がブレード本体部31の内部に隙間なく充填されるため、浮力発生部32は、ブレード本体部31の内面31a及び各骨組部30の表面にそれぞれ接触した状態となっている。また、このように浮力発生部32がブレード本体部31の内部に充填される場合、ブレード本体部31の内部においてタービンブレード22の浮力に寄与する浮力寄与容積は、浮力発生部32の内部の各気泡Vaの空間容積の総和に相当するとしてよい。この浮力寄与容積は、ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合に、所望の空間容積量を下回らないように設定される。
【0033】
本実施形態のように、浮力発生部32がブレード本体部31の内部に隙間なく充填された場合において、「ブレード本体部31の内部に海水が浸入する場合」とは、ブレード本体部31に形成され得る貫通穴から、発泡樹脂の表面に形成された気泡(窪み)に海水が入り込んだ場合を想定している。また、上記の「所望の空間容積量」とは、発電装置1が浮遊する水深及び発電装置1の姿勢を維持するために必要となる、ブレード本体部31の内部の空間容積量の下限値を意味する。また、この空間容積量の範囲は、前述した浮力調整機構による浮力の調整が可能な範囲とされる。したがって、浮力発生部32の内部の浮力寄与容積は、当該下限値以上となるように設定される。
【0034】
また、浮力発生部32の発泡樹脂は、ブレード本体部31に浸入した海水から受ける静水圧に対する耐圧性を有している。すなわち、浮力発生部32の発泡樹脂の圧縮強度は、当該静水圧よりも大きい。当該静水圧は、例えば0MPaより大きく且つ1MPa以下の範囲内である。この静水圧の範囲は、発電装置1が運用される深度である0mより大きく且つ100m以下の範囲に対応している。
【0035】
発泡樹脂の圧縮強度は、「JIS-K7220」に準じた圧縮強度試験により得た値としてよい。具体的には、発泡樹脂から直径10mmの円柱状に切り出した試験片を、直径200mm、高さ200mmの円筒状の耐圧容器の内部に配置する。その後、試験片に対して、ハンドポンプによる圧縮負荷(上限2.5MPa)を高さ方向に加える。発泡樹脂の圧縮強度は、このように試験片に圧縮負荷を加えたときにおいて、試験片が耐えることができる最大荷重を、試験前の試験片の加重方向に垂直な断面積で除した値である。
【0036】
このように測定される圧縮強度が上記の静水圧よりも大きい発泡樹脂を採用することによって、浮力発生部32を当該静水圧に耐え得る強固な構造にすることが可能となる。このような圧縮強度を有する発泡樹脂の材料として、例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂等が挙げられる。また、このような圧縮強度を有する発泡樹脂の一例として、深海用のROV(遠隔操作無人探査機:Remotely operated vehicle)に用いられる発泡樹脂(Diab社製、型番:HCP30)が挙げられる。この発泡樹脂は、比重0.2を有し、3.0MPa以上且つ3.9MPa以下の圧縮強度を有する。Diab社製の型番HCP30の発泡樹脂以外の例として、GENERAL PLASTIC社製の型番R-3312の発泡樹脂が挙げられる。この発泡樹脂は、比重0.24を有し,2.75MPa以下の圧縮強度を有する。
【0037】
また、本実施形態のように、浮力発生部32の発泡樹脂が現場発泡樹脂である場合、上述した圧縮強度を有する現場発泡樹脂は、現場発泡樹脂の材料に微小球を含有してもよい。この微小球の例として、中空ガラス微小球、中空アルミノ・ケイ酸塩微小球、中空フェノール微小球、又は、ガラスエポキシ、炭素エポキシ、或いは熱塑性樹脂によって形成される微小球等が挙げられる。
【0038】
以上の構成を備えるタービンブレード22の製造方法について説明する。図6(a)、図6(b)及び図6(c)は、タービンブレード22の製造工程を示す断面図である。図6(a)、図6(b)及び図6(c)は、図5に対応する断面を示している。まず、図6(a)に示されるように、ブレード本体部31を構成する外皮31A及び外皮31Bを形成する。次に、図6(b)に示されるように、外皮31Aの内側に一対の骨組部30を接着剤33によって固定する。その後、一対の骨組部30において外皮31Aとは反対側の部分に更に接着剤33を塗布し、外皮31A及び/又は外皮31Bの縁部に接着剤34を塗布する。そして、接着剤33によって一対の骨組部30と外皮31Bとを互いに固定すると共に、接着剤34によって外皮31A及び外皮31Bの縁部同士を互いに固定する。
【0039】
これにより、図6(c)に示されるように、一対の骨組部30を覆うブレード本体部31が得られる。次に、ブレード本体部31の基端側の開口から現場発泡樹脂の材料を注入し、ブレード本体部31の内部で現場発泡樹脂を発泡させる。これにより、浮力発生部32がブレード本体部31の内部に隙間なく充填される。その結果、浮力発生部32がブレード本体部31の内面31aに接触した状態となる。以上の工程を経て、図3図4及び図5に示されるタービンブレード22が得られる。
【0040】
以上に説明した、本実施形態に係る発電装置1によって得られる作用・効果を、従来技術の課題と共に説明する。
【0041】
浮遊式水流発電装置には、通常、海水中において所定の浮力を得るために中空のタービンブレードが用いられる。タービンブレードが回転すると、水中における水深が周期的に変化する。この水深の変化によって、タービンブレードは、周期的な静水圧の変化を受ける。このような中空のタービンブレードを有する浮遊式水流発電装置を長期間にわたって使用すると、ピンホール又はクラック等による貫通穴がタービンブレードに形成されることがある。このような貫通穴に起因してタービンブレードに疲労破壊が生じると判断された場合には、タービンブレードを交換する必要がある。一方、タービンブレードに疲労破壊が生じないと判断された場合には、タービンブレードを交換せずにそのまま使用されることもある。
【0042】
このようにタービンブレードに貫通穴が形成された状態で浮遊式水流発電装置を使用すると、その貫通穴からタービンブレードの内部へ海水が浸入することが生じ得る。海水の侵入は、タービンブレードの浮力に影響を及ぼす。具体的には、タービンブレードの内部への海水の浸入によって、タービンブレード内における浮力寄与容積が減少するので、浮遊式水流発電装置全体の浮力バランスが変化することがある。また、タービンブレード内部へ海水が浸入すると、タービンブレードの質量が大きくなり慣性モーメントが増大するので、発電効率に影響を及ぼす可能性も生じる。さらには、タービンブレードの水中重量が変化し、浮遊式水流発電装置全体の重量バランスが変化することもあり得る。このような種々の変化は、浮遊式水流発電装置が設置される水深及び浮遊式水流発電装置の姿勢に影響を及ぼし、発電効率の低下又は非常停止といった種々の問題を招き得るため、浮遊式水流発電装置の継続的な運用を妨げる要因となり得る。
【0043】
また、タービンブレードの内部を、単に樹脂等の固体物質によって充填することによって、ブレード本体部31の内部への海水の浸入を抑制することも考えられる。しかし、その樹脂の比重が比較的大きい(例えば比重1.0以上且つ2.0以下)場合、タービンブレードの重量が過剰に大きくなってしまうおそれがある。その結果、浮遊式水流発電装置が設置される水深及び浮遊式水流発電装置の姿勢に大きな影響を及ぼすおそれがある。更に、このように大きな重量を有するタービンブレードが用いられる場合、タービンブレードの製造の際に大掛かりなクレーン等が必要になることがあるため、製造コストの増大を招くおそれがある。
【0044】
これに対し、本実施形態に係る発電装置1では、タービンブレード22のブレード本体部31の内部に浮力発生部32が設けられており、浮力発生部32は、タービンブレード22のブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合に、タービンブレード22の浮力に寄与するブレード本体部31内の浮力寄与容積が所望の容積量を下回らないようにする。このため、発電装置1の長期間の使用に伴ってブレード本体部31の内部へ海水が浸入した場合であっても、タービンブレード22の浮力を一定以上に保つことができる。換言すると、タービンブレード22の水中重量を所定の値以下に保つことができる。その結果、ブレード本体部31の内部への海水の浸入によって、発電装置1が設置される水深及び発電装置1の姿勢が大きく変化してしまう事態を抑制できる。したがって、本実施形態に係る発電装置1によれば、長期間にわたる継続的な運用が可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、浮力発生部32は、発泡樹脂を含んでいる。この構成によれば、ブレード本体部31の内部へ海水が浸入した場合であっても、浮力発生部32の発泡樹脂の内部に形成された各気泡Vaの存在によって、ブレード本体部31内の浮力寄与容積を一定以上に保つことが可能となる。したがって、上述した構成によれば、ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合に、タービンブレード22の浮力に寄与するブレード本体部31内の浮力寄与容積が所望の容積量を下回らないようにする構成を好適に実現できる。
【0046】
また、本実施形態では、浮力発生部32の発泡樹脂の圧縮強度は、ブレード本体部31に浸入した海水から受ける静水圧よりも大きい。この発泡樹脂は、シリコーン樹脂を含んでもよい。このような構成によれば、ブレード本体部31に浸入した海水から静水圧を受けても発泡樹脂の構造を維持することができる。これにより、発泡樹脂の内部に形成された各気泡Vaの空間容積を維持できるため、ブレード本体部31内において一定以上の浮力寄与容積をより確実に保つことが可能となる。したがって、上述した構成によれば、ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合に、タービンブレード22の浮力に寄与するブレード本体部31内の浮力寄与容積が所望の容積量を下回らないようにする構成をより確実に実現できる。
【0047】
また、本実施形態では、浮力発生部32は、ブレード本体部31の内部に充填された現場発泡樹脂であり、ブレード本体部31の内面31aに接触している。この構成によれば、ブレード本体部31の内面31aの形状に沿うように浮力発生部32を3次元加工する必要がないので、タービンブレード22の製造が容易となる。更に、浮力発生部32は、ブレード本体部31の内面31aに接触しているので、ブレード本体部31の機械的強度は浮力発生部32によって補強される。これにより、タービンブレード22の機械的強度の向上が図られる。
【0048】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図7図8図9及び図10に示される各種の変形態様を採ってもよい。
【0049】
図7は、タービンブレード22の変形例であるタービンブレード22Aを示す断面図であり、図8は、当該変形例であるタービンブレード22Aを示す断面図である。図7は、図4に対応する断面を示しており、図8は、図5に対応する断面を示している。本変形例と上記実施形態との相違点は、浮力発生部の構成である。上記実施形態では、浮力発生部32の発泡樹脂が現場発泡樹脂である例を示した。しかし、本変形例では、浮力発生部32Aの発泡樹脂が、現場発泡樹脂以外の発泡樹脂である例を示す。
【0050】
本変形例に係るタービンブレード22Aでは、浮力発生部32Aは、複数のブロック32aを含んで構成されている。各ブロック32aは、ブレード本体部31に浸入した海水から受ける静水圧よりも大きい圧縮強度を有する発泡樹脂によって構成されている。すなわち、各ブロック32aは、発泡シリコーン、発泡ウレタン、発泡エポキシ、発泡ポリエステル、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンテレフタラート、又は発泡フェノール等の材料によって構成される。各ブロック32aは、ブレード本体部31が延在する方向Dに沿って並んで配置されており、ブレード本体部31の内面31aの形状に沿うように成形(3次元加工)されている。各ブロック32aとブレード本体部31の内面31aとの間には、空隙Vが設けられている。
【0051】
図7及び図8に示す例では、各ブロック32aは、ブレード本体部31の内面31a及び各骨組部30から離間しており、各ブロック32a同士も互いに離間している。このため、空隙Vは、ブロック32aとブレード本体部31の内面31aとの間、ブロック32aと骨組部30との間、及びブロック32a同士の間に設けられている。なお、本変形例では、ブレード本体部31の内部に空隙Vが設けられていればよく、各ブロック32aの全表面がブレード本体部31の内面31a及び骨組部30から離間している必要は無い。各ブロック32aの表面の一部が内面31a及び/又は骨組部30に接触してもよい。
【0052】
このようにブレード本体部31の内部に空隙Vが設けられている場合、空隙Vは、ブレード本体部31の内部に浸入する海水によって満たされる。したがって、本変形例において、ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合におけるブレード本体部31の内部の浮力寄与容積は、上記実施形態と同様、浮力発生部32の内部の各気泡Vaの空間容積の総和に相当するとしてよい。
【0053】
浮力発生部32の内部の浮力寄与容積は、前述したように、ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合に、所望の空間容積量を下回らないように設定される。なお、本変形例のように、ブレード本体部31の内部に空隙Vが設けられた場合において、「ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合」とは、ブレード本体部31に形成され得る貫通穴から、ブレード本体部31の内部の空隙Vに海水が浸入すると共に発泡樹脂の表面の気泡(窪み)に海水が入り込んだ場合を想定している。
【0054】
本変形例に係るタービンブレード22Aを製造する際には、まず、発泡樹脂をブレード本体部31の内面31aの形状に沿うように3次元加工することによって、各ブロック32aを形成する。次に、ブレード本体部31を構成する外皮31Aの内側に一対の骨組部30を接着剤33によって固定した後、外皮31Aの内側に、更に各ブロック32aを方向Dに沿って並ぶように配置する。その後、一対の骨組部30において外皮31Aとは反対側の部分に更に接着剤33を塗布し、外皮31A及び/又は外皮31Bの縁部に接着剤34を塗布する。そして、接着剤33によって一対の骨組部30と外皮31Bとを互いに固定すると共に、接着剤34によって外皮31A及び外皮31Bの縁部同士を互いに固定する。これにより、図7及び図8に示されるタービンブレード22Aが得られる。
【0055】
このような形態であっても、上記実施形態と同様、タービンブレード22Aは、長期間にわたる継続的な運用が可能となる。更に、本変形例によれば、ブレード本体部31の内部に空隙Vが設けられていることによって、ブレード本体部31の内部において各ブロック32aの体積を調整することが可能となる。これにより、ブレード本体部31内の浮力寄与容積を容易に調整することが可能となる。
【0056】
図9は、図7及び図8に示すタービンブレード22Aの別の変形例であるタービンブレード22Bを示す断面図であり、図8は、当該変形例であるタービンブレード22Bを示す断面図である。図9は、図7に対応する断面を示しており、図10は、図8に対応する断面を示している。本変形例に係るタービンブレード22Bは、図7及び図8に示すタービンブレード22Aの構成に加えて、タービンブレード22Aのブレード本体部31の内部に設けられた空隙Vに接着剤Bが充填された構成となっている。接着剤Bは、各ブロック32aとブレード本体部31の内面31aとを互いに接着している。また、接着剤Bは、各ブロック32aと各骨組部30とを互いに接着すると共に、各ブロック32a同士を互いに接着する。接着剤Bは、ブレード本体部31に浸入した海水から受ける静水圧に対する耐圧性を有していなくてもよい。接着剤Bの材料として、例えば、エポキシ接着剤、ポリエステル接着剤、アクリル接着剤、又はウレタン接着剤等が挙げられる。接着剤Bの一例として、Kangda New Materials社製の型番WD3135sの接着剤が挙げられる。
【0057】
本変形例において、「ブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合」とは、例えば、ブレード本体部31に形成され得る貫通穴から浸入した海水の静水圧により接着剤Bが損傷することによって、接着剤Bの損傷部分からブレード本体部31の内部に海水が浸入した場合を想定している。このような形態であっても、上記実施形態と同様、タービンブレード22Bは、長期間にわたる継続的な運用が可能となる。更に、本変形例によれば、ブレード本体部31の機械的強度は、接着剤Bを介して各ブロック32aによって補強される。これにより、タービンブレード22の機械的強度の向上が図られる。
【0058】
本開示は、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態及び各変形例を、必要な目的及び効果に応じて互いに組み合わせてもよい。発電装置は、浮遊式海流発電装置に限られず、海以外の水中に設置されるその他の浮遊式発電装置であってもよい。例えば、発電装置は、浮遊式潮流発電装置であってもよい。また、浮体の構成は、上述した実施形態及び各変形例に限られず、適宜変更可能である。例えば、前後方向から見た各ポッドの形状は円形状に限られず他の形状であってもよく、各ポッドは互いに異なる構造を有してもよい。また、クロスビームは、その内部に空洞を有さず浮力を発生しない構造(例えばトラス構造等)であってもよい。クロスビームは、ポッドの上部又は下部に固定されてもよく、ポッドの前部又は後部に固定されてもよい。
【0059】
タービンブレードの構成は、上述した実施形態及び各変形例に限られず、適宜変更可能である。例えば、ブレード本体部を構成する2個の外皮の形状は、仮想平面Pに関して互いに異なる形状であってもよい。また、2個の外皮の縁部同士は、接着剤による接着以外の方法によって互いに接合されてもよい。同様に、外皮と骨組部とは、接着剤による接着以外の方法によって互いに接合されてもよい。また、浮力発生部は、発泡樹脂以外の材料を含んで構成されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 浮遊式水流発電装置
10 浮体
11 ポッド
12 クロスビーム
20 タービン
21 ハブ
22,22A,22B タービンブレード
30 骨組部
31 ブレード本体部
31A,31B 外皮
31a 内面
32,32A 浮力発生部
32a ブロック
40 発電機
41 回転軸
B 接着剤
D 方向
FL 海流
L 回転軸線
P 仮想平面
R 回転方向
V 空隙
Va 気泡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10