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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】広告対価演算システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221220BHJP
【FI】
G06Q30/02 438
G06Q30/02 382
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018551080
(86)(22)【出願日】2017-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2017036960
(87)【国際公開番号】W WO2018092474
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2016223926
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】首藤 綾
(72)【発明者】
【氏名】手島 飛鳥
(72)【発明者】
【氏名】平井 暢一
(72)【発明者】
【氏名】貝野 由利子
(72)【発明者】
【氏名】大石 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】栗原 研一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 功
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 聡子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 太一
(72)【発明者】
【氏名】梶尾 祐介
(72)【発明者】
【氏名】和田 勝
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-010839(JP,A)
【文献】特開2003-271868(JP,A)
【文献】特開2002-259841(JP,A)
【文献】特開2005-141535(JP,A)
【文献】特開2002-288520(JP,A)
【文献】特開2004-118536(JP,A)
【文献】特開2014-164439(JP,A)
【文献】特開2002-041840(JP,A)
【文献】特開2002-322623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の位置情報、時間情報および識別情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記位置情報および前記時間情報に基づいて、前記移動体への広告掲載に対する対価を決定する決定部と、
前記決定部で決定した前記対価についての情報を送信する送信部と
を備え、
前記決定部は、広告媒体として登録された複数の登録移動体の登録識別情報を記憶する記憶部の中に、前記受信部で受信した前記識別情報と一致する前記登録識別情報がある場合に、前記対価を決定し、
前記記憶部は、前記登録識別情報ごとに、前記登録識別情報と関連付けられた登録送信先情報を記憶し、
前記送信部は、前記登録送信先情報に基づいて、前記対価についての情報を送信し、
前記記憶部は、広告用の画像データと、前記画像データもしくは前記画像データを変換することにより得られる印刷データに基づいた印刷を行うことの可能な印刷所についての印刷所情報とを記憶し、
前記決定部は、前記登録識別情報と、前記印刷所情報とに基づいて、前記登録識別情報に含まれる地域に最も近い前記印刷所を決定し、
前記送信部は、前記決定部で決定した前記印刷所についての前記印刷所情報に基づいて、前記画像データもしくは前記印刷データを送信する
広告対価演算システム。
【請求項2】
前記決定部は、前記位置情報および前記時間情報が特典条件に該当する場合には、前記位置情報および前記時間情報が前記特典条件に該当しない場合と比べて前記対価を増額する
請求項1に記載の広告対価演算システム。
【請求項3】
前記受信部は、前記移動体の識別情報および送信先情報を受信するとともに、受信した前記識別情報および前記送信先情報を、前記登録移動体の前記登録識別情報および前記登録送信先情報として前記記憶部に記憶させる
請求項1に記載の広告対価演算システム。
【請求項4】
前記記憶部は、走行地域および走行距離のうち、少なくとも前記走行地域についての情報を要望情報として記憶し、
前記送信部は、前記登録送信先情報に基づいて、前記要望情報を送信する
請求項1に記載の広告対価演算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告対価演算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
広告は、人目に触れる様々な場所に設けられる。近年では、通常は広告スペースとして利用されないような場所に広告を掲載する例が多数、見受けられる。例えば、バンボディの大型トラックの荷台の側面や、バス・タクシーの側面などに、広告を掲載する例が多数、見受けられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】http://adtruck.jp/case.php
【発明の概要】
【0004】
ところで、上述したような移動体は、常に、広告に適した場所を走行したり、広告に適した時間帯に走行したりするとは限らない。そのため、固定した場所に広告を掲載する場合と比べて、費用対効果を実感し難い。従って、広告主が移動体への広告掲載における費用対効果を実感し易い広告対価演算システムを提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施形態に係る広告対価演算システムは、移動体の位置情報および時間情報を受信する受信部と、受信部で受信した位置情報および時間情報に基づいて、移動体への広告掲載に対する対価を決定する決定部とを備えている。
【0006】
本開示の一実施形態に係る広告対価演算システムでは、移動体の位置情報および時間情報に基づいて、移動体への広告掲載に対する対価が決定される。これにより、広告主は、広告の掲載された移動体の走行場所や時間帯の広告価値に応じた対価を広告掲載費用として支払うことができる。
【0009】
本開示の一実施形態に係る広告対価演算システムによれば、移動体の位置情報および時間情報に基づいて、移動体への広告掲載に対する対価を決定するようにしたので、広告主は広告価値に応じた対価を広告掲載費用として支払うことができる。その結果、移動体への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施の形態に係る広告対価演算システムの概略構成例を表す図である。
図2】情報記録層の断面構成例を表す図である。
図3図1のデータサーバ装置の機能ブロック例を表す図である。
図4図3のリクエストデータについてのデータベースの構成例を表す図である。
図5図3のポイントデータについてのデータベースの構成例を表す図である。
図6図5のポイントデータの詳細例を表す図である。
図7図3の登録データについてのデータベースの構成例を表す図である。
図8図3の走行データについてのデータベースの構成例を表す図である。
図9図3の履歴データについてのデータベースの構成例を表す図である。
図10図3の対価データについてのデータベースの構成例を表す図である。
図11図3の印刷所データについてのデータベースの構成例を表す図である。
図12図1の印刷装置の機能ブロック例を表す図である。
図13図1のウェブサーバ装置の機能ブロック例を表す図である。
図14図1の広告主用の端末装置の機能ブロック例を表す図である。
図15図1のドライバ用の端末装置の機能ブロック例を表す図である。
図16図1の広告対価演算システムにおける登録データ登録時の処理手順の一例を表す図である。
図17図1の広告対価演算システムにおけるリクエストデータおよびポイントデータの登録時の処理手順の一例を表す図である。
図18図1の広告対価演算システムにおける対価決定時の処理手順の一例を表す図である。
図19図1の広告対価演算システムにおけるポイントデータ閲覧時の処理手順の一例を表す図である。
図20図1の広告対価演算システムにおける印刷要求時の処理手順の一例を表す図である。
図21図1の広告対価演算システムの概略構成の一変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態
広告主からの依頼に基づいて広告を移動体に印刷した例
2.変形例
変形例A:ドライバからの要求に基づいて広告を移動体に印刷した例
変形例B:広告を移動体に貼り付けた例
【0012】
<実施の形態>
[構成]
本開示の一実施の形態に係る広告対価演算システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る広告対価演算システム1の概略構成例を表したものである。広告対価演算システム1は、広告主1100からの依頼に基づいて広告が印刷された移動体1000の走行データに基づいて、ドライバ1200に支払う広告掲載費用を決定するシステムである。以下では、移動体1000に印刷された広告を適宜、「広告1300」と称するものとする。
【0013】
広告1300は、例えば、送り手である広告主1100が受け手である消費者の態度や行動に影響を与える目的で製作される情報を含んでいる。広告1300は、例えば、そのような情報の他に、消費者の目を引くデザイン(例えば、イラストや写真など)を含んでいてもよい。移動体1000は、例えば、バス、タクシー、トラック、レンタカーなどの業務用自動車、または、ワンボックスカーやSUV(Sport Utility Vehicle)などの個人利用の自動車である。広告1300は、例えば、バンボディの大型トラックの荷台の側面や、バス・タクシー・レンタカー・ワンボックスカー・SUVなどの側面などに配置される。移動体1000の印刷面は、例えば、図2に示したような情報記録層900を有している。
【0014】
情報記録層900は、様々な情報が視認可能に記録されるものである。情報記録層900は、例えば、基体910と、記録層920,940,960と、断熱層930,950と、保護層970とを有している。記録層920、断熱層930、記録層940、断熱層950、記録層960、保護層970は、基体910の表面に、この順に形成されている。
【0015】
基体910は、その表面に各層を形成するための基板として機能するものである。基体910は光を透過するものであってもよいし、光を透過しないものであってもよい。光を透過しない場合には、基体910の表面の色は、例えば白色であってもよいし、白色以外の色であってもよい。
【0016】
記録層920,940,960は、発色状態と消色状態との間で可逆的に状態を変化させることができるものである。記録層920,940,960は、発色状態における色が互いに異なる色になるように構成されている。具体的には、この例では、記録層920は、マゼンタ色に発色可能であり、記録層940は、シアン色に発色可能であり、記録層960は、黄色に発色可能である。なお、記録層920,940,960は、上記の例に限定されるものではなく、3つの記録層920,940,960と3色(マゼンタ色、シアン色、黄色)とがどのように対応していてもよい。また、記録層920,940,960は、消色状態では透明になる。これにより、情報記録層900は、広い色域の色を用いて、情報を記録することができるようになっている。
【0017】
記録層920,940,960のそれぞれは、例えば、ロイコ染料を含んで構成されている。この場合、記録層920,940,960のそれぞれは、例えば、ロイコ染料に加え、顕色剤と、光熱変換材料と、ポリマーとを含んで構成されている。ロイコ染料は、熱により顕色剤と結合して発色状態になり、あるいは顕色剤と分離して消色状態になるものである。3つの記録層920,940,960のロイコ染料は、発色状態における色が互いに異なるものである。光熱変換材料は、赤外光を吸収して熱を発するものである。3つの記録層920,940,960の光熱変換材料は、吸収する赤外光の波長が互いに異なるものである。
【0018】
断熱層930は、記録層920と記録層940との間で互いに熱が伝わりにくくするためのものである。断熱層950は、記録層940と記録層960との間で互いに熱が伝わりにくくするためのものである。保護層970は、情報記録層900の表面を保護するためのものである。断熱層930,950および保護層970は、透明な材料を用いて構成されている。
【0019】
上記の構成により、移動体1000に、様々な情報を視認可能に記録することができる。具体的には、情報記録層900に情報(文字や図形)を記録する場合には、その文字パターンや図形パターンに基づいて赤外光が情報記録層900に照射される。この赤外光の波長は、記録したい文字や図形の色に応じた波長に設定される。記録層920,940,960のそれぞれでは、光熱変換材料が、その光熱変換材料に対応する波長の赤外光を吸収して熱を発する。そして、その光熱変換材料により生じた熱により、ロイコ染料が顕色剤と結合して発色状態になり、あるいは顕色剤と分離して消色状態になる。このようにして、移動体1000には、様々な情報が視認可能に記録される。また、情報記録層900は、視認可能に記録された情報を書き換えることもできるようになっている。
【0020】
なお、広告対価演算システム1において、情報記録層900の設けられていない移動体1000の印刷面に対して、インクを塗布することによる印刷処理を行うことにより、広告1300が形成されてもよい。
【0021】
広告対価演算システム1は、例えば、データサーバ装置200、印刷装置300、ウェブサーバ装置400、広告主1100が用いる端末装置500およびドライバ1200が用いる端末装置600を備えている。データサーバ装置200、印刷装置300、ウェブサーバ装置400、端末装置500および端末装置600は、ネットワーク100を介して相互に接続される。ネットワーク100は、例えば、インターネットで標準的に利用されている通信プロトコル(TCP/IP)を用いて通信を行うネットワークである。ネットワーク100は、例えば、そのネットワーク独自の通信プロトコルを用いて通信を行うセキュアなネットワークであってもよい。ネットワーク100は、例えば、インターネット、イントラネット、または、ローカルエリアネットワークである。ネットワーク100と、データサーバ装置200、印刷装置300、ウェブサーバ装置400、端末装置500または端末装置600との接続は、例えば、有線LAN(Local Area Network)であってもよいし、Wi-Fi等の無線LANや、携帯電話回線などであってもよい。
【0022】
(データサーバ装置200)
図3は、データサーバ装置200の概略構成例を表したものである。データサーバ装置200は、例えば、記憶部210、通信部220および制御部230を有している。制御部230は、通信部220を介して外部から入力された情報を処理したり、記憶部210から読み出した情報を、通信部220を介して外部に出力したりする。通信部220は、ネットワーク100を介して、他の機器と通信を行う。
【0023】
記憶部210は、例えば、不揮発性メモリによって構成されており、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、抵抗変化型メモリなどによって構成されている。記憶部210には、例えば、複数の画像データ211が記憶される。各画像データ211は、例えば、広告主1100からの提供によって、データサーバ装置200に記憶される。各画像データ211は、例えば、広告1300用の画像データと、広告1300用の画像データに付加されたファイル名とを含んでいる。
【0024】
記憶部210は、さらに、例えば、図4図11に示したように、検索や蓄積が容易にできるよう整理されたデータベース212,213,214,215,216,217,218を有している。
【0025】
図4は、リクエストデータ511(要望情報)についてのデータベース212の構成例を表したものである。複数のリクエストデータ511は、例えば、データベース212に格納される。従って、記憶部210は、複数のリクエストデータ511を記憶する。以下では、データベース212が図4に示した構成となっているものとして説明する。なお、データベース212は、図4に示した構成に限定されるものではない。
【0026】
各リクエストデータ511は、例えば、多数の広告主1100からの個々のリクエストデータ511を識別するためのリクエストID(Identification)を含んでいる。各リクエストデータ511は、広告媒体としての移動体1000への要件についての情報を含んでいる。従って、広告対価演算システム1は、広告主1100からのリクエストデータ511の受け付けを、広告主1100からの広告掲載依頼として扱うことができる。各リクエストデータ511は、例えば、リクエストID、ファイル名および車体情報を含んでいる。各リクエストデータ511は、例えば、リクエストIDごとに、リクエストIDと関連付けられたファイル名および車体情報を含んでいる。各リクエストデータ511は、例えば、さらに、走行地域および走行距離のうち、少なくとも走行地域を含んでいる。各リクエストデータ511は、例えば、リクエストIDごとに、リクエストIDと関連付けられた走行地域を含んでいる。さらに、各リクエストデータ511は、例えば、リクエストIDごとに、リクエストIDと関連付けられた走行距離を含んでいる。
【0027】
ファイル名は、画像データ211のファイル名である。車体情報は、広告掲載対象の車体についての情報である。車体情報は、例えば、メーカ、車種、年式、型番、国などの情報を含んでいる。走行地域は、広告掲載対象の車体が走行する地域についての情報である。走行距離は、広告掲載対象の車体の走行距離についての情報である。
【0028】
図5は、ポイントデータ512についてのデータベース213の構成例を表したものである。複数のポイントデータ512は、例えば、データベース21に格納される。従って、記憶部210は、複数のポイントデータ512を記憶する。以下では、ポイントデータ512が図5に示した構成となっているものとして説明する。なお、ポイントデータ512は、図5に示した構成に限定されるものではない。
【0029】
各ポイントデータ512には、例えば、多数の広告主1100からの個々のリクエストデータ511を識別するためのリクエストID(Identification)が付加される。各ポイントデータ512は、広告掲載における広告主1100の特別な要望についての情報と、その要望に応えた移動体1000に対する特別な対価(ボーナス)についての情報とを含んでいる。従って、広告対価演算システム1は、広告主1100からのポイントデータ512の受け付けを、広告主1100からのボーナス提供として扱うことができる。各ポイントデータ512は、例えば、走行地域、走行ルート、走行時間帯、走行速度、走行曜日、特定の地域・時間帯、および特定のルート・時間帯を含んでいる。
【0030】
走行地域は、リクエストデータ511に含まれる地域の中で、特に、ドライバ1200に走行を希望する地域である。走行ルートは、リクエストデータ511に含まれる地域の中で、特に、広告主1100がドライバ1200に走行を希望するルートである。走行時間帯は、広告主1100がドライバ1200に走行を希望する時間帯である。走行速度は、広告主1100がドライバ1200に希望する移動体1000の速度である。走行曜日は、広告主1100がドライバ1200に走行を希望する曜日である。特定の地域・時間帯は、イベントが開催される予定の地域・時間帯である。特定のルート・時間帯は、イベントが開催される予定のルート・時間帯である。
【0031】
図6は、ポイントデータ512の詳細な構成例を表したものである。ポイントデータ512は、例えば、走行地域、走行ルート、走行時間帯、走行速度、走行曜日、特定の地域・時間帯、および特定のルート・時間帯を含んでいる。ポイントデータ512は、例えば、さらに、広告単価およびイベントON時を含んでいてもよい。「イベントON時」とは、イベントが予定されている時を指している。イベントとは、例えば、広告主1100が自社製品の宣伝のために特別に主催するイベントを指している。
【0032】
ポイントデータ512の走行地域には、例えば、A:○○市、B:△△市、C:**町、D:□□町といった、地域についての情報が箇条書きされている。ポイントデータ512の走行地域に含まれる地域ごとに、例えば、広告単価に対して乗算する係数(以下、単に「係数」と称する。)が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の走行地域に含まれる地域ごとに、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。「イベントのON」とは、イベントが予定されていることを指している。「イベントのOFF」とは、イベントが予定されていないことを指している。係数は、ドライバ1200に対するインセンティブとしての側面を有している。係数は、係数の大きな地域での走行をドライバ1200に促す仕組みである。
【0033】
ポイントデータ512の走行ルートには、例えば、A:国道○号線、B:国道△号線、C:県道*号線、D:市道*号線といった、道路についての情報が箇条書きされている。ポイントデータ512の走行ルートに含まれる道路ごとに、例えば、係数が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の走行ルートに含まれる道路ごとに、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。係数は、係数の大きな走行ルートでの走行をドライバ1200に促す仕組みである。
【0034】
ポイントデータ512の走行時間帯には、例えば、A:9:00~16:00、B:16:00~21:00、C:21:00~05:00、D:05:00~09:00といった、時間帯についての情報が箇条書きされている。ポイントデータ512の走行時間帯に含まれる時間帯ごとに、例えば、係数が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の走行時間帯に含まれる時間帯ごとに、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。係数は、係数の大きな時間帯での走行をドライバ1200に促す仕組みである。
【0035】
ポイントデータ512の走行速度には、例えば、A:80km/h以上、B:50km/h~80km/h、C:20km/h~50km/h、D:0km/h~20km/hといった、移動体1000の速度についての情報が箇条書きされている。ポイントデータ512の走行速度に含まれる速度ごとに、例えば、係数が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の走行速度に含まれる速度ごとに、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。係数は、係数の大きな速度での走行をドライバ1200に促す仕組みである。
【0036】
ポイントデータ512の走行曜日には、例えば、A:平日、B:土日、C:祝日といった、移動体1000が走行する曜日についての情報が箇条書きされている。ポイントデータ512の走行曜日に含まれる曜日ごとに、例えば、係数が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の走行曜日に含まれる曜日ごとに、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。係数は、係数の大きな曜日での走行をドライバ1200に促す仕組みである。
【0037】
ポイントデータ512の「特定の地域・時間帯」には、例えば、係数が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の「特定の地域・時間帯」には、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。ポイントデータ512の「特定の地域・時間帯」に割り当てられた係数は、ポイントデータ512の走行地域などに割り当てられた係数よりも大きな値となっている。値の大きな係数が、「特定の地域・時間帯」での走行をドライバ1200に促す。
【0038】
ポイントデータ512の「特定のルート・時間帯」には、例えば、係数が割り当てられている。さらに、ポイントデータ512の「特定のルート・時間帯」には、例えば、イベントのONまたはOFFが選択されている。ポイントデータ512の「特定のルート・時間帯」に割り当てられた係数は、ポイントデータ512の走行ルートなどに割り当てられた係数よりも大きな値となっている。値の大きな係数が、「特定のルート・時間帯」での走行をドライバ1200に促す。
【0039】
ポイントデータ512の広告単価には、例えば、単位時間当たりの広告単価および単位距離あたりの広告単価が箇条書きされている。ポイントデータ512の「イベントON時」には、イベントON時の係数が割り当てられている。つまり、「イベントON時」には、イベント欄がONとなっている各係数が、イベントON時の係数に差し替えられ、より大きな値となる。ポイントデータ512の広告単価は、例えば、金額であってもよいし、金額に換算可能なポイントであってもよい。
【0040】
図7は、登録データ611についてのデータベース214の構成例を表したものである。複数の登録データ611は、例えば、データベース214に格納される。従って、記憶部210は、複数の登録データ611を記憶する。以下では、データベース214が図7に示した構成となっているものとして説明する。なお、データベース214は、図7に示した構成に限定されるものではない。
【0041】
各登録データ611は、例えば、多数の移動体1000を識別するための登録ユーザID(Identification)(登録識別情報)を含んでいる。各登録データ611は、さらに、広告媒体としての移動体1000についての情報を含んでいる。従って、広告対価演算システム1は、ドライバ1200からの登録データ611の受け付けを、広告媒体のエントリーとして扱うことができる。各登録データ611は、例えば、登録ユーザID、登録送信先情報、車体情報、居住情報、走行距離および走行時間帯を含んでいる。各登録データ611は、登録ユーザIDごとに、登録ユーザIDと関連付けられた登録送信先情報を含んでいる。
【0042】
登録送信先情報は、例えば、ウェブサーバ装置400が端末装置600に対してデータ(例えば、対価データ41)を送信する際に必要となるアドレス情報である。アドレス情報としては、例えば、端末装置600のアドレスまたは電子メールアドレスなどが挙げられる。車体情報は、例えば、移動体1000のメーカ、車種、年式、型番、国などの情報を含んでいる。居住情報は、例えば、移動体1000を駐車させる駐車場の居所についての情報である。走行距離は、移動体1000の走行距離についての情報である。走行時間帯は、移動体1000が普段、走行する時間帯についての情報である。
【0043】
図8は、走行データ612についてのデータベース215の構成例を表したものである。複数の走行データ612は、例えば、データベース215に格納される。従って、記憶部210は、複数の走行データ612を記憶する。以下では、データベース215が図8に示した構成となっているものとして説明する。なお、データベース215は、図8に示した構成に限定されるものではない。
【0044】
各走行データ612は、例えば、多数の移動体1000を識別するための登録ユーザIDを含んでいる。各走行データ612は、後述のGPS通信部630によって取得された情報を含んでいる。各走行データ612は、例えば、登録ユーザID、移動体1000の位置情報および時間情報を含んでいる。各走行データ612は、例えば、登録ユーザIDごとに、登録ユーザIDと関連付けられた移動体1000の位置情報および時間情報を含んでいる。各走行データ612に含まれる位置情報は、例えば、緯度経度についての情報である。各走行データ612に含まれる時間情報は、例えば、年月日および時刻を含む情報である。
【0045】
図9は、履歴データ411についてのデータベース216の構成例を表したものである。複数の履歴データ411は、例えば、データベース216に格納される。以下では、データベース216が図9に示した構成となっているものとして説明する。なお、データベース216は、図9に示した構成に限定されるものではない。
【0046】
各履歴データ411には、例えば、多数の移動体1000を識別するための登録ユーザIDが付加される。各履歴データ411は、ポイントデータ512に含まれる「特定の地域・時間帯」に移動体1000が走行した回数と、ポイントデータ512に含まれる「特定のルート・時間帯」に移動体1000が走行した回数とを含んでいる。
【0047】
図10は、対価データ412についてのデータベース217の構成例を表したものである。複数の対価データ412は、例えば、データベース217に格納される。従って、記憶部210は、複数の対価データ412を記憶する。以下では、データベース217が図10に示した構成となっているものとして説明する。なお、データベース217は、図10に示した構成に限定されるものではない。
【0048】
各対価データ412は、例えば、多数の移動体1000を識別するための登録ユーザIDを含んでいる。各対価データ412は、移動体1000への広告掲載に対する対価についての情報を含んでいる。各対価データ412は、例えば、移動体1000への広告掲載に対する対価についての情報として、金銭、または、金銭的な価値のあるポイントについての情報を含んでいる。各対価データ412は、例えば、登録ユーザIDごとに、登録ユーザIDと関連付けられた対価についての情報を含んでいる。
【0049】
図11は、印刷所データ219についてのデータベース218の構成例を表したものである。複数の印刷所データ219は、例えば、データベース218に格納される。従って、記憶部210は、複数の印刷所データ219を記憶する。以下では、データベース218が図11に示した構成となっているものとして説明する。なお、データベース218は、図11に示した構成に限定されるものではない。
【0050】
各印刷所データ219は、広告用の画像データ211もしくはこの画像データ211を変換することにより得られる印刷データ340Aに基づいた印刷を行うことの可能な印刷所についての印刷所情報を含んでいる。各印刷所データ219は、例えば、印刷所情報として、多数の印刷所を識別するための登録印刷所IDを含んでいる。各印刷所データ219は、さらに、例えば、印刷所情報として、登録送信先情報および地域を含んでいる。各印刷所データ219に含まれる登録送信先情報は、例えば、ウェブサーバ装置400が印刷装置300に対してデータ(画像データ211もしくは印刷データ340A)を送信する際に必要となる、印刷装置300のアドレスである。各印刷所データ219に含まれる地域は、例えば、印刷所の居所についての情報である。各印刷所データ219は、例えば、登録印刷所IDごとに、登録印刷所IDと関連付けられた登録送信先情報を含んでいる。印刷所としては、例えば、印刷会社、板金工場、自動車修理工場、または、ガソリンスタンドなどが挙げられる。
【0051】
記憶部210は、さらに、例えば、図3に示したように、必要に応じて、地図データ221およびカレンダデータ222を有している。地図データ221は、緯度経度についての情報に対して住所が対応付けられたデータである。カレンダデータ222は、年月日および時刻に対して曜日が対応付けられたデータである。
【0052】
(印刷装置300)
印刷装置300は、ウェブサーバ装置400から入力された信号に基づいて、印刷処理を行う。印刷装置300は、例えば、情報記録層900を有する移動体1000の印刷面に対する印刷処理を行う。印刷装置300は、例えば、情報記録層900を有しない移動体1000の印刷面に対して、インクを塗布することによる印刷処理を行うようになっていてもよい。印刷装置300は、本開示の「記憶部」「記憶装置」の一具体例に対応する。
【0053】
図12は、印刷装置300の概略構成例を表したものである。印刷装置300は、例えば、印刷部310、記憶部320、通信部330および制御部340を有している。制御部340は、プロセッサを含んで構成されている。制御部340は、例えば、通信部330を介して外部から入力されたデータ(画像データ211もしくは印刷データ340A)を印刷部310に出力する。制御部340は、さらに、例えば、通信部330を介して外部から入力されたデータ(画像データ211もしくは印刷データ340A)を記憶部320に記憶させる。通信部330は、ネットワーク100を介して、他の機器と通信を行う。印刷部310は、例えば、制御部340から入力されたデータ(画像データ211もしくは印刷データ340A)基づいて、印刷処理を行う。印刷部310における印刷処理としては、例えば、ロイコ染料を含む情報記録層900に対してレーザを照射する処理や、印刷面に対してインクを塗布する処理が挙げられる。印刷データは、例えば、ロイコ染料を含んで構成された情報記録層900に対する印刷に適したデータ形式となっている。なお、印刷装置300に入力されたデータが画像データ211である場合には、制御部340は、例えば、画像データ211を、印刷データ340Aに変換し、印刷部310に出力する。
【0054】
(ウェブサーバ装置400)
図13は、ウェブサーバ装置400の概略構成例を表したものである。ウェブサーバ装置400は、端末装置500,600におけるユーザインターフェースを提供する。ウェブサーバ装置400は、さらに、受信した走行データ612を用いた演算を行う。具体的には、ウェブサーバ装置400は、移動体1000の走行データ612を受信し、受信した走行データ612に基づいて、移動体1000への広告掲載に対する対価を決定する。ウェブサーバ装置400は、例えば、記憶部410、通信部420および制御部430を有している。ウェブサーバ装置400は、本開示の「広告対価演算システムにおける受信部」「決定部」「広告対価演算システムにおける送信部」「外部機器」の一具体例に対応する。
【0055】
通信部420は、ネットワーク100を介して、広告対価演算システム1内の他の装置(データサーバ装置200等)と通信を行う。記憶部410は、例えば、不揮発性メモリによって構成されており、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ、抵抗変化型メモリなどによって構成されている。記憶部410は、制御部430によって実行されるプログラム(例えば、ウェブサーバプログラム413や、ウェブアプリケーションプログラム414)などを記憶している。ウェブアプリケーションプログラム414は、ネットワーク100を介して使用するアプリケーションプログラムである。ウェブアプリケーションプログラム414は、ウェブサーバプログラム413と後述のウェブブラウザプログラム513もしくは後述のウェブブラウザプログラム613とが協調することによって動作する。制御部430は、プロセッサを含んで構成されており、例えば、記憶部410に記憶されたウェブサーバプログラム413や、ウェブアプリケーションプログラム414などを実行する。制御部430の機能は、例えば、制御部430によって、ウェブサーバプログラム413やウェブアプリケーションプログラム414が実行されることによって実現される。記憶部410には、例えば、履歴データ411および対価データ412が記憶される。履歴データ411および対価データ412は、制御部430によって、ウェブサーバプログラム41やウェブアプリケーションプログラム41が実行されることによって導出される。
【0056】
具体的には、制御部430は、広告媒体として登録するための移動体1000の登録データ611を、端末装置600および通信部420を介して受信する。登録データ611は、ドライバ1200によって端末装置600に入力された情報である。制御部430は、受信した登録データ611を、通信部420を介して記憶部210のデータベース213に記憶させる。
【0057】
制御部430は、リクエストデータ511およびポイントデータ512を、端末装置500および通信部420を介して受け付ける。リクエストデータ511およびポイントデータ512は、広告主1100によって端末装置500に入力された情報である。制御部430は、リクエストデータ511およびポイントデータ512を受け付けると、リクエストデータ511およびポイントデータ512を、通信部420を介して記憶部210のデータベース212に格納する。
【0058】
制御部430は、リクエストデータ511を受け付けると、さらに、記憶部210のデータベース21の中に、リクエストデータ511と一致する登録データ611があるか否か判定する。その結果、一致する登録データ611があった場合には、制御部430は、一致した登録データ611に含まれる登録送信先情報に基づいて、広告掲載依頼を送信する。制御部430は、広告掲載依頼の承諾を意味する印刷依頼を、端末装置600および通信部420を介して受け付ける。制御部430は、広告掲載依頼の承諾を意味する印刷依頼を受け付けると、リクエストデータ511に含まれるファイル名に対応する画像データ211を、記憶部210から読み出す。制御部430は、読み出した画像データ211を印刷データ340Aに変換し、変換により得られた印刷データ340Aを、通信部420を介して印刷装置300に出力する。印刷データ340Aは、印刷装置300によって理解可能なスクリプトで記述されたデータである。印刷データ340Aは、例えば、図2に示したような情報記録層900に対する印刷に適した形式のデータとなっている。なお、印刷データ340Aは、図2に示したような情報記録層900に対する印刷に適した形式のデータに限定されるものではない。印刷装置300が、外部から入力されたデータを印刷データに変換する機能を有している場合には、制御部430は、読み出した画像データ211を印刷データ340Aに変換せずに、印刷装置300に出力してもよい。
【0059】
制御部430は、走行データ612を、端末装置600および通信部420を介して受け付ける。走行データ612は、移動体1000の位置情報および時間情報を含んでいる。制御部430は、走行データ612を受け付けると、走行データ612を、通信部220を介して記憶部210のデータベース21に格納する。制御部430は、走行データ612を受け付けると、さらに、走行データ612に基づいて、移動体1000への広告掲載に対する対価(対価データ412)を決定する。制御部430は、例えば、決定した対価についての情報(対価データ412)を、通信部420を介して、端末装置600およびデータサーバ装置200に送信する。制御部430は、例えば、記憶部210のデータベース21の中に、走行データ612に含まれる登録ユーザIDと一致する登録ユーザIDがあるか否か判定する。その結果、記憶部210のデータベース21の中に、走行データ612に含まれる登録ユーザIDと一致する登録ユーザIDがある場合に、制御部430は、走行データ612に基づいて、移動体1000への広告掲載に対する対価(対価データ412)を決定する。制御部430は、さらに、走行データ612に含まれる登録ユーザIDに対応する登録送信先情報を記憶部210のデータベース21から読み出し、読み出した登録送信先情報に基づいて、決定した対価についての情報(対価データ412)を送信する。
【0060】
制御部430は、まず、例えば、記憶部210のデータベース212の中に、走行データ612に含まれる位置情報および時間情報と一致するリクエストデータ511があるか否か判定する。その結果、一致するリクエストデータ511があった場合には、制御部430は、一致したリクエストデータ511のリクエストIDに対応するポイントデータ512に含まれる広告単価および係数と、走行データ612に含まれる位置情報(位置情報a)および時間情報(時間情報b)とに基づいて、対価(対価データ412)を決定する。
【0061】
このとき、制御部430は、例えば、走行データ612に含まれる位置情報および時間情報が上記ポイントデータ512に含まれる特典内容に該当する場合には、走行データ612に含まれる位置情報および時間情報が上記特典内容に該当しない場合と比べて、対価(対価データ412)を増額する。ポイントデータ512に含まれる特典内容とは、例えば、係数が2以上の項目に該当する内容を指している。
【0062】
制御部430は、例えば、各走行データ612に含まれる位置情報を、地図データ221を用いて、緯度経度についての情報に変換する。制御部430は、例えば、各走行データ612に含まれる時間情報を、カレンダデータ222を用いて、西暦、日時および時刻を含む情報に変換する。制御部430は、例えば、そのようにして得られた緯度経度についての情報および西暦、日時および時刻を含む情報が上記特典内容に該当するか否かを判定する。その結果、緯度経度についての情報および西暦、日時および時刻を含む情報が上記特典内容に該当する場合には、制御部430は、例えば、通常よりも高い広告単価を用いて、対価(対価データ412)を決定する。
【0063】
制御部430は、例えば、位置情報aに対応する走行地域の係数(係数c)および時間情報bに対応する走行時間帯の係数(係数d)のうち、数値の大きな方の係数(例えば、係数c)を選択する。制御部430は、さらに、例えば、走行データ612に含まれる位置情報に基づいて、移動体1000の走行距離(走行距離e)を算出する。制御部430は、さらに、例えば、走行データ612に含まれる時間情報に基づいて、移動体1000の走行時間(走行時間f)を算出する。制御部430は、さらに、例えば、算出した走行距離eを単位距離で割ることにより得られた値(値g)および算出した走行時間fを単位時間で割ることにより得られた値(値h)のうち、数値の大きな方の値(例えば、値h)を選択する。制御部430は、さらに、例えば、選択した値(例えば、値h)と、選択した値(例えば、値h)に対応する広告単価(例えば、単位時間あたりの単価)とを互いに乗算することにより、対価データ412を導出する。
【0064】
(端末装置500)
図14は、端末装置500の概略構成例を表したものである。
【0065】
端末装置500は、例えば、記憶部510、通信部520、受付部530、表示部540および制御部550を有している。表示部540は、例えば、液晶パネルや有機ELパネルなどで構成されている。受付部530は、端末装置500におけるユーザインターフェースであり、例えば、表示部540の表示面に表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)である。記憶部510は、制御部550によって実行されるプログラム(例えば、ウェブブラウザプログラム51や、オペレーティングシステム)などを記憶している。記憶部510には、例えば、リクエストデータ511およびポイントデータ512が記憶される。
【0066】
制御部550は、プロセッサを含んで構成されており、記憶部510に記憶されたウェブブラウザプログラム51や、オペレーティングシステムなどを実行する。通信部520は、ネットワーク100を介して、広告対価演算システム1内の他の装置(ウェブサーバ装置400等)と通信を行う。端末装置500におけるユーザインターフェース(受付部530)は、例えば、ウェブサーバ装置400から取得したアプリケーション(例えば、htmlデータ)をウェブブラウザプログラム51で処理することにより実現される。
【0067】
制御部550は、リクエストデータ511およびポイントデータ512の、広告主1100からの入力を受け付ける。制御部550は、受け付けたリクエストデータ511およびポイントデータ512を、通信部520を介してウェブサーバ装置400に送信する。
【0068】
(端末装置600)
図15は、端末装置600の概略構成例を表したものである。端末装置600は、本開示の「端末装置」の一具体例に対応する。
【0069】
端末装置600は、例えば、記憶部610、通信部620、GPS通信部630、受付部640、表示部650および制御部660を有している。制御部660は、本開示の「端末装置における送信部」「端末装置における受信部」の一具体例に対応する。表示部650は、例えば、液晶パネルや有機ELパネルなどで構成されている。受付部640は、端末装置600におけるユーザインターフェースであり、例えば、表示部650の表示面に表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)である。受付部640は、例えば、広告媒体として登録するための移動体1000の登録データ611をドライバ1200から受け付ける。GPS通信部630は、衛星から受信した情報に基づいて、位置情報および時間情報を導出し、制御部660に出力する。記憶部610は、制御部660によって実行されるプログラム(例えば、ウェブブラウザプログラム613や、オペレーティングシステム)などを記憶している。記憶部610には、例えば、登録データ611および走行データ612が記憶される。記憶部610には、例えば、リクエストID614が記憶される。リクエストID614については後に詳述する。
【0070】
制御部660は、プロセッサを含んで構成されており、記憶部610に記憶されたウェブブラウザプログラム613や、オペレーティングシステムなどを実行する。通信部620は、ネットワーク100を介して、広告対価演算システム1内の他の装置(ウェブサーバ装置400等)と通信を行う。端末装置600におけるユーザインターフェース(受付部630)は、例えば、ウェブサーバ装置400から取得したアプリケーション(例えばhtmlデータ)をウェブブラウザプログラム613で処理することにより実現される。
【0071】
制御部660は、広告媒体として登録するための移動体1000の登録データ611の、ドライバ1200からの入力を、受付部640を介して受け付ける。制御部660は、受け付けた登録データ611をウェブサーバ装置400に送信する。制御部660は、受け付けた登録データ611を、ウェブサーバ装置400を介して、データサーバ装置200の記憶部210に送信する。
【0072】
制御部660は、登録データ611に合致するリクエストデータ511のリクエストIDと一致するリクエストIDのポイントデータ512の、ウェブサーバ装置400からの入力を、受付部640を介して受け付ける。以下では、登録データ611に合致するリクエストデータ511のリクエストIDと一致するリクエストIDのポイントデータ512を、特定のポイントデータ512と称するものとする。制御部660は、例えば、特定のポイントデータ512に含まれる走行地域、走行ルート、走行時間帯、走行速度および走行曜日のうち、少なくとも1つについての情報を要望情報として、ウェブサーバ装置400から受信する。制御部660は、例えば、受信した要望情報を提示(表示)させるための映像信号を生成し、表示部650に出力してもよい。表示部650は、制御部660から入力された映像信号に基づいて、要望情報を提示(表示)することができる。これにより、制御部660は、ドライバ1200に対して、広告主1100の要望(すなわち、対価の高い条件)を知らせることができる。
【0073】
制御部660は、GPS通信部630から取得したデータを用いて、走行データ612を生成する。制御部660は、生成した走行データ612を、通信部620を介してウェブサーバ装置400に送信する。制御部660は、対価データ41を、通信部620を介してウェブサーバ装置400から受信する。制御部660は、受信した対価データ41を提示(表示)させるための映像信号を生成し、表示部650に出力してもよい。表示部650は、制御部660から入力された映像信号に基づいて、対価データ41を提示(表示)することができる。これにより、制御部660は、ドライバ1200に対して対価の獲得を知らせることができる。
【0074】
制御部660は、広告掲載依頼を、通信部620を介してウェブサーバ装置400から受信する。制御部660は、受信した広告掲載依頼を提示(表示)させるための映像信号を生成し、表示部650に出力してもよい。表示部650は、制御部660から入力された映像信号に基づいて、広告掲載依頼を提示(表示)することができる。これにより、制御部660は、ドライバ1200に対して、広告掲載依頼が来たことを知らせることができる。制御部660は、広告掲載依頼の承諾を意味する印刷依頼の、ドライバ1200からの入力を受け付ける。制御部660は、広告掲載依頼の承諾を意味する印刷依頼を、通信部620を介してウェブサーバ装置400に送信する。
【0075】
[処理手順]
次に、広告対価演算システム1における処理手順について説明する。
【0076】
図16は、広告対価演算システム1における登録データ登録時の処理手順の一例を表したものである。まず、端末装置600は、登録データ611の、ドライバ1200からの入力を受け付ける(ステップS101)。次に、端末装置600は、受け付けた登録データ611を、ウェブサーバ装置400に送信する(ステップS102)。次に、ウェブサーバ装置400は、端末装置600から、登録データ611を受信する(ステップS103)。次に、ウェブサーバ装置400は、受信した登録データ611を、データサーバ装置200に送信する(ステップS104)。データサーバ装置200は、ウェブサーバ装置400から、登録データ611を受信する(ステップS105)。次に、データサーバ装置200は、受信した登録データ611を記憶部210に保存する(ステップS106)。
【0077】
図17は、広告対価演算システム1におけるリクエストデータおよびポイントデータの登録時の処理手順の一例を表したものである。端末装置600は、リクエストデータ511およびポイントデータ512の、広告主1100からの入力を受け付ける(ステップS201)。端末装置600は、受け付けたリクエストデータ511およびポイントデータ512をウェブサーバ装置400に送信する(ステップS202)。ウェブサーバ装置400は、端末装置600から、リクエストデータ511およびポイントデータ512を受信する(ステップS203)。ウェブサーバ装置400は、受信したリクエストデータ511およびポイントデータ512をデータサーバ装置200に送信する(ステップS204)。データサーバ装置200は、ウェブサーバ装置400から、リクエストデータ511およびポイントデータ512を受信する(ステップS205)。データサーバ装置200は、受信したリクエストデータ511およびポイントデータ512を記憶部210に保存する(ステップS206)。
【0078】
ウェブサーバ装置400は、リクエストデータ511を受け付けると、さらに、記憶部210のデータベース21の中に、リクエストデータ511と一致する登録データ611があるか否か判定する。その結果、一致する登録データ611があった場合には、ウェブサーバ装置400は、一致した登録データ611に含まれる登録送信先情報に基づいて、広告掲載依頼を送信する(ステップS207)。広告掲載依頼には、リクエストIDが含まれている。ウェブサーバ装置400は、例えば、一致した登録データ611に含まれる登録送信先情報に含まれるアドレス情報に基づいて、端末装置600に広告掲載依頼を送信する。端末装置600は、ウェブサーバ装置400から、広告掲載依頼を受信する(ステップS208)。端末装置600は、広告掲載依頼に含まれているリクエストIDをリクエストID614として記憶部610に記憶させる(図16参照)。端末装置600は、受信した広告掲載依頼についての情報を映像信号に変換し、表示部650に出力する。表示部650は、その映像信号を受信することにより、広告掲載依頼を表示する。
【0079】
端末装置600は、印刷依頼の、広告主1100からの入力を受け付ける。印刷依頼は、広告掲載依頼の承諾を意味する。次に、端末装置600は、受け付けた印刷依頼をウェブサーバ装置400に送信する(ステップS209)。ウェブサーバ装置400は、端末装置600から、印刷依頼を受信する(ステップS210)。ウェブサーバ装置400は、印刷依頼を受け付けると、一致した登録データ611に含まれる地域に最も近い印刷所の印刷所データ219を、記憶部210のデータベース218の中から選択する。さらに、ウェブサーバ装置400は、印刷依頼を受け付けると、リクエストデータ511に含まれるファイル名に対応する画像データ211を、記憶部210から読み出す(ステップS211)。ウェブサーバ装置400は、読み出した画像データ211を印刷データ340Aに変換する。ウェブサーバ装置400は、変換により得られた印刷データ340Aを、記憶部210のデータベース218の中から選択した印刷所データ219に含まれる登録送信先情報に基づいて、印刷装置300に送信する(ステップS212)。印刷装置300が、外部から入力されたデータを印刷データに変換する機能を有している場合には、ウェブサーバ装置400は、読み出した画像データ211を印刷データ340Aに変換せずに、印刷装置300に送信してもよい。印刷装置300は、ウェブサーバ装置400から、画像データ211もしくは印刷データ340Aを受信する(ステップS213)。印刷装置300は、印刷装置300は、ウェブサーバ装置400から入力されたデータ基づいて、印刷処理を行う(ステップS214)。印刷部310における印刷処理としては、例えば、ロイコ染料を含む情報記録層900に対してレーザを照射する処理や、印刷面に対してインクを塗布する処理が挙げられる。なお、印刷装置300に入力されたデータが印刷データに変換されていない場合には、印刷装置300は、例えば、ウェブサーバ装置400から入力された画像データ211を印刷データ340Aに変換し、変換により得られた印刷データ340Aに基づいて印刷処理を行う。
【0080】
図18は、広告対価演算システム1における対価決定時の処理手順の一例を表したものである。端末装置600は、GPS通信部630で得られた、移動体1000の位置情報および時間情報を用いて、走行データ612を生成する(ステップS301)。端末装置600は、生成した走行データ612をウェブサーバ装置400に送信する(ステップS302)。ウェブサーバ装置400は、端末装置600から、走行データ612を受信する(ステップS303)。ウェブサーバ装置400は、受信した走行データ612をデータサーバ装置200に送信する(ステップS304)。データサーバ装置200は、ウェブサーバ装置400から、走行データ612を受信する(ステップS305)。データサーバ装置200は、受信した走行データ612を記憶部210に保存する(ステップS306)。
【0081】
ウェブサーバ装置400は、受信した走行データ612に基づいて、移動体1000への広告掲載に対する対価(対価データ412)を決定する(ステップS307)。ウェブサーバ装置400は、決定した対価データ412を端末装置600に送信する(ステップS308)。端末装置600は、ウェブサーバ装置400から、対価データ412を受信する(ステップS309)。端末装置600は、受信した対価データ412を提示(表示)させるための映像信号を生成し、生成した映像信号に基づいて、対価データ41を提示(表示)する(ステップS310)。
【0082】
ウェブサーバ装置400は、さらに、決定した対価データ412をデータサーバ装置200に送信する(ステップS311)。データサーバ装置200は、ウェブサーバ装置400から、対価データ412を受信する(ステップS312)。データサーバ装置200は、受信した対価データ412を記憶部210に保存する(ステップS313)。
【0083】
図19は、広告対価演算システム1における要望情報を表示する時の処理手順の一例を表したものである。端末装置600は、要望情報要求の、ドライバ1200からの入力を受け付ける(ステップS401)。要望情報要求は、広告主1100がドライバ1200に要望する情報(つまり、対価の高い条件)の要求を意味する。端末装置600は、要望情報要求を受け付けると、リクエストID614を記憶部610から読み出する(ステップS402)。端末装置600は、読み出したリクエストID614をウェブサーバ装置400に送信する(ステップS403)。ウェブサーバ装置400は、端末装置600から、リクエストID614を受信する(ステップS404)。ウェブサーバ装置400は、受信したリクエストID614と一致するリクエストIDを含むポイントデータ512を記憶部210のデータベース213から読み出す(ステップS405)。ウェブサーバ装置400は、読み出したポイントデータ512を端末装置600に送信する(ステップS406)。端末装置600は、ウェブサーバ装置400から、ポイントデータ512を受信する(ステップS407)。端末装置600は、受信したポイントデータ512を提示(表示)させるための映像信号を生成し、表示部650に出力する。表示部650は、制御部660から入力された映像信号に基づいて、ポイントデータ512を提示(表示)する(ステップS408)。これにより、制御部660は、ドライバ1200に対して要望情報(つまり、対価の高い条件)を知らせることができる。
【0084】
[効果]
次に、本実施の形態に係る広告対価演算システム1の効果について説明する。
【0085】
広告は、人目に触れる様々な場所に設けられる。近年では、通常は広告スペースとして利用されないような場所に広告を掲載する例が多数、見受けられる。例えば、バンボディの大型トラックの荷台の側面や、バス・タクシーの側面などに、広告を掲載する例が多数、見受けられる。
【0086】
ところで、上述したような移動体は、常に、広告に適した場所を走行したり、広告に適した時間帯に走行したりするとは限らない。そのため、固定した場所に広告を掲載する場合と比べて、費用対効果を実感することが容易ではない。
【0087】
一方、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、移動体1000の走行データ612に基づいて、移動体1000への広告掲載に対する対価が決定される。これにより、広告主1100は、広告1300の掲載された移動体1000の走行場所や時間帯の広告価値に応じた対価を広告掲載費用の全体または一部として支払うことができる。その結果、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、データベース214の中に、ウェブサーバ装置400で受信した登録ユーザIDと一致する登録ユーザIDがある場合に、対価(対価データ412)が決定される。これにより、対価(対価データ412)の演算が、現にデータベース214に登録されている移動体1000に限定されるので、ウェブサーバ装置400に対する、対価(対価データ412)の演算による負荷を少なくすることができる。その結果、ウェブサーバ装置400のコストを低く抑えることができるので、この広告対価演算システム1の利用料も低く抑えることができる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、ウェブサーバ装置400で決定した対価についての情報(対価データ412)が端末装置600に送信される。これにより、ドライバ1200は、広告1300を付けて移動体1000を走らせたことによる対価(対価データ412)を表示部650ですぐに確認することができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、登録送信先情報に基づいて、対価についての情報(対価データ412)が送信される。これにより、ドライバ1200は、広告1300を付けて移動体1000を走らせたことによる対価(対価データ412)を表示部650ですぐに確認することができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、走行データ612に含まれる位置情報および時間情報が上記特典条件に該当する場合には、走行データ612に含まれる位置情報および時間情報が上記特典条件に該当しない場合と比べて、対価(対価データ412)が増額される。これにより、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、広告媒体として登録するための移動体1000の識別情報および送信先情報が、移動体1000の登録データ611として記憶部210のデータベース214に記憶される。これにより、移動体1000ごとに対価(対価データ412)を管理することができ、さらに、対価(対価データ412)をドライバ1200に通知することができる。これにより、ドライバ1200は、広告1300を付けて移動体1000を走らせたことによる対価(対価データ412)を表示部650ですぐに確認することができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0093】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、ポイントデータ512が、登録送信先情報に基づいて送信される。これにより、ドライバ1200は、広告1300を付けて移動体1000を走らせたことによる対価(対価データ412)を表示部650ですぐに確認することができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、登録データ611および印刷所データ219に基づいて、画像データ211もしくは印刷データ340Aに基づく印刷の実施に適した印刷所が決定される。そして、決定された印刷所の登録送信先情報に基づいて、画像データ211もしくは印刷データ340Aが送信される。これにより、ドライバ1200が印刷のために移動体1000を運ぶ手間や、印刷のために印刷所と行うやりとりを最小限に抑えることができる。その結果、印刷コストを低く抑えることができるので、この広告対価演算システム1の利用料も低く抑えることができる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、印刷データ340Aが、ロイコ染料を含んで構成された情報記録層900に対する印刷に適したデータ形式となっている。これにより、移動体1000のボディに直接、インクを塗布することにより、広告1300を形成する場合と比べて、印刷コストを大幅に低減することができる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、移動体1000の走行データ612をウェブサーバ装置400に送信すると、走行データ612に基づいて決定された、移動体1000への広告掲載に対する対価についての情報がウェブサーバ装置400から得られる。これにより、広告主1100は、移動体1000のドライバ1200に対して、広告1300の掲載された移動体1000の走行場所や時間帯の広告価値に応じた対価を広告掲載費用として支払うことができる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0097】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、移動体1000の登録データ611が受け付けられ、受け付けられ登録データ611がデータサーバ装置200の記憶部210に送信される。このように、本実施の形態では、簡単な方法でドライバ登録をすることができるので、多くのドライバ1200の登録を促すことができる。その結果、ドライバ登録に要する費用を低く抑えることができる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、対価についての情報が端末装置600の表示部650に表示することができる。これにより、ドライバ1200は、移動体1000を走らせると対価がもらえる、ということを実感することができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0099】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、端末装置600は、走行地域、走行ルート、走行時間帯、走行速度および走行曜日のうち、少なくとも1つについての情報を要望情報として受信する。これにより、ドライバ1200に対して、対価の高い条件を知らせることができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0100】
また、本実施の形態に係る広告対価演算システム1では、端末装置600で受信した要望情報が表示部650に表示される。これにより、ドライバ1200は、移動体1000を走らせると対価がもらえる、ということを実感することができるので、ドライバ1200の、広告1300を付けて移動体1000を走らせることへのモチベーションを維持、向上させることができる。その結果、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0101】
<変形例>
[変形例A]
上記実施の形態では、広告主1100からの依頼に基づいて広告1300が印刷されていた。しかし、上記実施の形態において、広告対価演算システム1に移動体1000を登録したドライバ1200からの広告印刷要求に基づいて広告1300が印刷されてもよい。ただし、その場合には、費用対効果を鑑みて、広告印刷要求をしたドライバ1200の移動体1000の登録データ611が、広告主1100のリクエストデータ511と合致する場合にのみ、広告1300が印刷されるなどの制限があることが好ましい。
【0102】
例えば、図20に示したように、端末装置600が、広告印刷要求の、ドライバ1200からの入力を受け付けたとする(ステップS501)。すると、端末装置600は、受け付けた広告印刷要求をウェブサーバ装置400に送信する(ステップS502)。広告印刷要求には、例えば、登録ユーザIDが含まれている。ウェブサーバ装置400は、端末装置00から、広告印刷要求を受信する(ステップS503)。すると、ウェブサーバ装置400は、広告印刷要求に含まれる登録ユーザIDに対応する登録データ611が、広告主1100のリクエストデータ511と合致するか否か判定する(ステップS504)。合致すると判定された場合、ウェブサーバ装置400は、要求受領を端末装置00に送信する(ステップS505)。端末装置00は、ウェブサーバ装置400から、要求受領を受信する(ステップS506)。合致すると判定された場合、さらに、ウェブサーバ装置400は、合致したリクエストデータ511に対応する印刷データ340Aをデータサーバ装置200から読み出し(ステップS507)、印刷装置300に送信する(ステップS508)。印刷装置300は、ウェブサーバ装置400から、印刷データ340Aを受信する(ステップS509)。印刷装置300は、受信した印刷データ340Aに基づいて、所定の移動体1000に印刷する(ステップS510)。
【0103】
このように、ドライバ1200からの要求に応じて印刷がなされた場合であっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0104】
また、上記実施の形態において、広告対価演算システム1に移動体1000を登録したドライバ1200からの広告印刷要求に基づいて広告が印刷される場合には、ドライバ1200に、何らかの費用(例えば、印刷費用、デザイン費用など)を負担してもらってもよい。
【0105】
[変形例B]
上記実施の形態では、広告1300は、移動体1000に設けられた情報記録層900に対して形成されていた。しかし、例えば、図21に示したように、広告1300が、樹脂シールに印刷されていてもよい。ただし、この場合には、広告対価演算システム1は、印刷装置300の代わりに、樹脂シールに印刷可能な印刷装置700を備えている。さらに、広告1300付きの樹脂シールが、移動体1000に貼り付けられる。このようにした場合であっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0106】
広告1300付きの樹脂シールが移動体1000に貼り付けられているか否かの確認をすることができるような仕組みが広告対価演算システム1に設けられていることが好ましい。例えば、ドライバ1200が端末装置600において、広告対価演算システム1にログインする際に、端末装置600が、ドライバ1200に対して、移動体1000に貼り付けてある広告1300を撮影するように要求してもよい。端末装置600は、撮影により得られた画像データをウェブサーバ装置400に送信する。ウェブサーバ装置400が、端末装置600から送られてきた画像データと、記憶部210に格納された画像データ211とを対比し、これらが一致した場合に、ログイン許可を端末装置600に送信する。端末装置600は、ウェブサーバ装置400からログイン許可を受信すると、ドライバ1200の、広告対価演算システム1へのログインを許可する。このような仕組みが設けられていることにより、広告1300付きの樹脂シールの、移動体1000への貼り付け忘れを防止することができる。その結果、移動体1000に広告1300を付けずに移動体1000を走行させたときの対価の発生を防止することができる。また、移動体1000に付けた広告1300が需要者の目に触れる機会が多くなる。従って、移動体1000への広告掲載における費用対効果を実感し易くすることができる。
【0107】
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、移動体1000として自動車が例示されていた。しかし、移動体1000は、例えば、バイクや自転車などの車両であってもよいし、ショッピングカートや手荷物用のカバンなどであってもよい。
【0108】
なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0109】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
移動体の位置情報および時間情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記位置情報および前記時間情報に基づいて、前記移動体への広告掲載に対する対価を決定する決定部と
を備えた
広告対価演算システム。
(2)
前記受信部は、前記位置情報および前記時間情報とともに、前記移動体の識別情報を受信し、
前記決定部は、広告媒体として登録された複数の登録移動体の登録識別情報を記憶する記憶部の中に、前記受信部で受信した前記識別情報と一致する前記登録識別情報がある場合に、前記対価を決定する
(1)に記載の広告対価演算システム。
(3)
前記決定部で決定した前記対価についての情報を送信する送信部をさらに備えた
(1)または(2)に記載の広告対価演算システム。
(4)
前記決定部で決定した前記対価についての情報を送信する送信部をさらに備え、
前記記憶部は、前記登録識別情報ごとに、前記登録識別情報と関連付けられた登録送信先情報を記憶し、
前記送信部は、前記登録送信先情報に基づいて、前記対価についての情報を送信する
(2)に記載の広告対価演算システム。
(5)
前記決定部は、前記位置情報および前記時間情報が特典条件に該当する場合には、前記位置情報および前記時間情報が前記特典条件に該当しない場合と比べて前記対価を増額する
請求項1に記載の広告対価演算システム。
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の広告対価演算システム。
(6)
前記受信部は、前記移動体の識別情報および送信先情報を受信するとともに、受信した前記登録情報および前記送信先情報を、前記登録移動体の前記登録識別情報および前記登録送信先情報として前記記憶部に記憶させる
(4)に記載の広告対価演算システム。
(7)
前記記憶部は、走行地域および走行距離のうち、少なくとも前記走行地域についての情報を要望情報として記憶し、
前記送信部は、前記登録送信先情報に基づいて、前記要望情報を送信する
(4)ないし(6)のいずれか1つに記載の広告対価演算システム。
(8)
前記記憶部は、広告用の画像データと、前記画像データもしくは前記画像データを変換することにより得られる印刷データに基づいた印刷を行うことの可能な印刷所についての印刷所情報とを記憶し、
前記決定部は、前記登録識別情報と、前記印刷所情報とに基づいて、前記画像データもしくは前記印刷データに基づく印刷の実施に適した前記印刷所を決定し、 前記送信部は、前記決定部で決定した前記印刷所についての前記印刷所情報に基づいて、前記画像データもしくは前記印刷データを送信する
(4)ないし(7)のいずれか1つに記載の広告対価演算システム。
(9)
前記印刷データは、ロイコ染料を含んで構成された記録層に対する印刷に適したデータ形式となっている
(8)に記載の広告対価演算システム。
(10)
移動体の位置情報および時間情報を、前記位置情報および前記時間情報に基づいて前記移動体への広告掲載に対する対価を決定する外部機器に送信する送信部と、
前記外部機器から前記対価についての情報を受信する受信部と
を備えた
端末装置。
(11)
前記移動体の識別情報および送信先情報を受け付ける受付部をさらに備え、
前記送信部は、前記受付部で受け付けた前記識別情報および前記送信先情報を記憶装置に送信する
(10)に記載の端末装置。
(12)
前記受信部で受信した前記対価についての情報を表示する表示部をさらに備えた
(10)または(11)に記載の端末装置。
(13)
前記受信部は、走行地域、走行ルート、走行時間帯、走行速度および走行曜日のうち、少なくとも1つについての情報を要望情報として、前記外部機器から受信する
(10)ないし(12)のいずれか1つに記載の端末装置。
(14)
前記受信部で受信した前記要望情報を表示する表示部をさらに備えた
(13)に記載の端末装置。
【0110】
本出願は、日本国特許庁において2016年11月17日に出願された日本特許出願番号第2016-223926号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0111】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
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