(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20221220BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20221220BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H04N1/387 110
B41J21/00 A
G06F3/12 303
G06F3/12 308
G06F3/12 322
G06F3/12 343
(21)【出願番号】P 2019001800
(22)【出願日】2019-01-09
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加茂 碧唯
(72)【発明者】
【氏名】岸本 康成
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-173803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38- 1/393
B41J 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定型部分となる定型データと可変部分となる可変データを合成する画像処理における前記可変データを取得する取得手段と、
前記可変データを予め定められたルールに従ってグループ化するグループ化手段と、
前記グループ化手段によりグループ化されたグループ毎に、各グループに定められた可変データと前記定型データとを合成した合成画像を出力する画像出力手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記画像出力手段は、前記グループ毎に一の合成画像を出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
各グループに定められた可変データは、前記グループに
対応して予め
生成され記憶された可変データである
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
各グループに定められた可変データは、前記グループに属する可変データのいずれかである
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
各グループに定められた可変データは、前記グループに属する可変データに対して予め定められた条件を満たす可変データである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記グループに属する可変データと当該グループに定められた可変データは、文字列を含み、前記グループに属する可変データが含む文字列と当該グループに定められた可変データが含む文字列が予め定められた条件を満たす
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記グループに属する可変データと当該グループに定められた可変データは、画像を含み、前記グループに属する可変データが含む画像と当該グループに定められた可変データが予め定められた条件を満たす
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得手段は、
前記定型データに対する前記可変データのレイアウトを表すレイアウトデータを取得し、
前記画像出力手段は、前記レイアウトデータに従って前記可変データを前記定型データに合成し、
前記レイアウトデータを編集する編集手段と、
前記編集手段で編集されたレイアウトデータを出力するレイアウト出力手段と
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像出力手段は、前記編集手段で編集されたレイアウトデータに従って前記可変データを前記定型データに合成して出力する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、
定型部分となる定型データと可変部分となる可変データを合成する画像処理における前記可変データを取得する取得手段と、
前記可変データを予め定められたルールに従ってグループ化するグループ化手段と、
前記グループ化手段によりグループ化されたグループ毎に、各グループに定められた可変データと前記定型データとを合成した合成画像を出力する画像出力手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バリアブル印刷に係る発明として、例えば特許文献1に開示された情報処理システムがある。この情報処理システムにおいては、バリアブル印刷の発注者は、バリアブル印刷において可変部分となる氏名や住所などの個人情報をPCで暗号化して印刷業者のPCへ送信する。印刷業者のPCは、暗号化された個人情報を復号化し、復号化した氏名や住所を印刷のレイアウトの情報に従って印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バリアブル印刷を行う場合、可変部分となる氏名や住所のレイアウトが適切であるか確認を行う必要がある。可変部分のレイアウトの確認を外部に委託した場合、可変部分が暗号化されていると、レイアウトの確認を行う側では全ての氏名や住所について実際に印刷を行ってみないとレイアウトが適切であるか判定できず、印刷の数が多くなるとレイアウトの確認に手間がかかることとなる。
【0005】
本発明は、定型部分と可変部分とを合成する画像処理において、可変部分のレイアウトの確認を効率よく行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、定型部分となる定型データと可変部分となる可変データを合成する画像処理における前記可変データを取得する取得手段と、前記可変データを予め定められたルールに従ってグループ化するグループ化手段と、前記グループ化手段によりグループ化されたグループ毎に、各グループに定められた可変データと前記定型データとを合成した合成画像を出力する画像出力手段とを備える。
【0007】
本発明の請求項2に係る情報処理装置においては、前記画像出力手段は、前記グループ毎に一の合成画像を出力する。
【0008】
本発明の請求項3に係る情報処理装置においては、各グループに定められた可変データは、前記グループに属する可変データとは異なる予め定められた可変データである。
【0009】
本発明の請求項4に係る情報処理装置においては、各グループに定められた可変データは、前記グループに属する可変データのいずれかである。
【0010】
本発明の請求項5に係る情報処理装置においては、各グループに定められた可変データは、前記グループに属する可変データに対して予め定められた条件を満たす可変データである。
【0011】
本発明の請求項6に係る情報処理装置においては、前記グループに属する可変データと当該グループに定められた可変データは、文字列を含み、前記グループに属する可変データが含む文字列と当該グループに定められた可変データが含む文字列が予め定められた条件を満たす。
【0012】
本発明の請求項7に係る情報処理装置においては、前記グループに属する可変データと当該グループに定められた可変データは、画像を含み、前記グループに属する可変データが含む画像と当該グループに定められた可変データが予め定められた条件を満たす。
【0013】
本発明の請求項8に係る情報処理装置においては、前記取得手段は、可変データのレイアウトを表すレイアウトデータを取得し、前記画像出力手段は、前記レイアウトデータに従って前記可変データを前記定型データに合成し、前記レイアウトデータを編集する編集手段と、前記編集手段で編集されたレイアウトデータを出力するレイアウト出力手段とを備える。
【0014】
本発明の請求項9に係る情報処理装置においては、前記画像出力手段は、前記編集手段で編集されたレイアウトデータに従って前記可変データを前記定型データに合成して出力する。
【0015】
本発明の請求項10に係るプログラムは、コンピュータを、定型部分となる定型データと可変部分となる可変データを合成する画像処理における前記可変データを取得する取得手段と、前記可変データを予め定められたルールに従ってグループ化するグループ化手段と、前記グループ化手段によりグループ化されたグループ毎に、各グループに定められた可変データと前記定型データとを合成した合成画像を出力する画像出力手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に係る情報処理装置によれば、定型部分と可変部分とを合成する画像処理において、可変データごとに全て合成して出力する構成と比較して、可変部分のレイアウトの確認を効率よく行うことができる。
本発明の請求項2に係る情報処理装置によれば、出力する画像の数を抑え、レイアウトの確認を効率よく行うことができる。
本発明の請求項3に係る情報処理装置によれば、個人情報が漏洩するのを防ぐことができる。
本発明の請求項4に係る情報処理装置によれば、画像処理で使用される可変データでレイアウトの確認を行うことができる。
本発明の請求項5に係る情報処理装置によれば、合成したときに生成される画像に近い画像でレイアウトの確認を行うことができる。
本発明の請求項6に係る情報処理装置によれば、合成したときに生成される文字列に近い文字列でレイアウトの確認を行うことができる。
本発明の請求項7に係る情報処理装置によれば、合成したときに生成される画像に近い画像でレイアウトの確認を行うことができる。
本発明の請求項8に係る情報処理装置によれば、適切でないレイアウトを修正することができる。
本発明の請求項9に係る情報処理装置によれば、編集されたレイアウトの確認を行うことができる。
本発明の請求項10に係るプログラムによれば、定型部分と可変部分とを合成する画像処理において、可変データごとに全て合成して出力する構成と比較して、可変部分のレイアウトの確認を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態の情報処理システム1に係る装置を示した図。
【
図2】情報処理装置10のハードウェア構成を示した図。
【
図4】制御部101Bが行う処理の流れを示したフローチャート。
【
図6】可変データの文字数のカウント結果の一例を示した図。
【
図10】定型データとダミーデータとを合成した画像の一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態である情報処理システム1に係る装置を示した図である。情報処理システム1は、バリアブル印刷に係るシステムであり、バリアブル印刷のレイアウトの表示や編集の機能を有する。通信回線2は、データ通信が行われる通信回線であり、データ通信を行う複数のコンピュータ装置が接続される。通信回線2には、例えば有線LAN(Local Area Network)および無線LANが含まれる。
【0019】
本発明に係る情報処理装置の一例である情報処理装置10A、10Bは、データ通信を行う装置であり、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータである。情報処理装置10A、10Bは、有線又は無線で通信回線2に接続し、通信回線2を介してデータ通信を行う。情報処理装置10A、10Bは、ハードウェア構成は同じであるため、以下各々を区別する必要がない場合は情報処理装置10と称する。本実施形態においては、複数の情報処理装置10が通信回線2に接続可能であるが、
図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、情報処理装置10A、10Bのみを示している。なお、情報処理装置10は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータに限定されるものではなく、例えば、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンであってもよい。
【0020】
本実施形態に係る情報処理装置10Aは、バリアブル印刷を発注する発注者により操作され、バリアブル印刷における可変部分を示す可変データの生成、バリアブル印刷における定型部分を示す定型データの生成、可変部分のレイアウトを示すレイアウトデータの生成や編集を行う。可変データは、例えばテキストデータであり、ダイレクトメールの受取人の氏名や宛先である住所を示す文字列である。定型データは、例えば、ダイレクトメールにおいて氏名や送り先の背景の画像を示す画像データである。レイアウトデータは、定型部分に対する可変部分の配置位置を示すデータである。レイアウトデータにおいては、可変部分を配置するための情報として、配置する可変データの種別、可変部分を配置する領域の座標、可変部分を配置する領域の幅、可変部分を配置する領域の高さ、可変部分で使用する文字のフォントの種別、可変部分で使用する文字のサイズ、可変部分に配置する文字の数等の情報が定義されている。
【0021】
情報処理装置10Bは、バリアブル印刷のレイアウトの確認を行う業者が操作する装置である。情報処理装置10Bは、情報処理装置10Aから可変データ、定型データおよびレイアウトデータを取得し、定型データが示す画像に可変データが示す氏名および住所を合成したときの画像、即ち、バリアブル印刷のために生成した画像を表示する。ここでは、実際に印刷を行う前に定型データと可変データがどのようなレイアウトで配置されたかを確認するための画像を表示する。
【0022】
(情報処理装置10の構成)
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。なお、以下の説明においては、情報処理装置10A、10Bの各部を区別する場合は、情報処理装置10A、10Bの符号の末尾を各部の符号の末尾に付する。例えば、情報処理装置10Aの記憶部102を説明する場合は記憶部102Aとし、情報処理装置10Bの記憶部102を説明する場合は記憶部102Bとする。
【0023】
ディスプレイ103は、例えば、文字やGUI(Graphical User Interface)などを表示する液晶ディスプレイ装置である。操作部104は、入力機器であるキーボード及びマウスを有し、ユーザに操作される。通信部105は、通信回線2を介したデータ通信を行う通信インターフェースとして機能する。
【0024】
記憶部102は、例えばハードディスク装置などの記憶装置を有しており、オペレーティングシステムのプログラムやアプリケーションプログラム、アプリケーションプログラムが使用するデータやデータベースなどを記憶する。記憶部102は、アプリケーションプログラムとして、例えば、表計算のアプリケーションプログラムや、バリアブル印刷の機能を有する文書編集のアプリケーションプログラムを記憶する。本実施形態においては、文書編集のアプリケーションプログラムにより、バリアブル印刷に係る定型データとレイアウトデータが生成され、表計算のアプリケーションプログラムにより可変データが生成される。
【0025】
記憶部102Aは、バリアブル印刷に係る定型データ、レイアウトデータおよび可変データと定型データを記憶する。記憶部102Bは、本発明に係るプログラムであるレイアウトプログラムを記憶する。レイアウトプログラムは、バリアブル印刷のレイアウトの画像を出力する機能を実現するプログラムである。
【0026】
また、記憶部102Bは、名字、名前、住所の地名を格納したデータベースDB1を記憶する。例えば、データベースDB1においては、名字として複数の名字が格納され、名前として複数の名前が格納されている。また、データベースDB1においては、住所の表記に用いられる都道府県名、郡名、市名、区名、町名、村名、字の地名、建物名を項目毎が複数格納されている。
【0027】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有している。情報処理装置10において実現する機能は、記憶部102に記憶されているプログラム(ソフトウェア)をCPU、メモリなどのハードウェア上に読み込ませることでCPUが演算を行い、記憶部102の制御、通信部105の制御、メモリ及び記憶部102におけるデータの読み出し及び/又は書き込みの制御を行うことで実現される。
【0028】
(情報処理装置10Bの機能構成)
図3は、レイアウトプログラムを実行した情報処理装置10Bにおいて実現する機能のうち、本発明に係る特徴的な機能の構成を示した機能ブロック図である。取得部1001は、通信部105を制御し、他の装置から送信されたレイアウトデータ、定型データおよび可変データを取得する。取得部1001は、本発明に係る取得手段の一例である。グループ化部1002は、取得部1001が取得した可変データを予め定められたルールに従ってグループ分けする。グループ化部1002は、本発明に係るグループ化手段の一例である。画像出力部1003は、レイアウトデータに従って定型データが示す画像と可変データが示す文字列とを合成した画像をディスプレイ103で表示する。画像出力部1003は、本発明に係る画像出力手段の一例である。編集部1004は、操作部104で行われた操作に従ってレイアウトデータを編集する。編集部1004は、本発明に係る編集手段およびレイアウト出力手段の一例である。
【0029】
(実施形態の動作例)
次に本実施形態の動作例について、ダイレクトメールの宛先の印刷をバリアブル印刷で行う場合を例として、
図4-
図10を用いて説明する。
【0030】
まず、バリアブル印刷の発注者は、情報処理装置10Aにおいて表計算のアプリケーションプログラムで可変データを生成し、文書編集のアプリケーションプログラムで定型データとレイアウトデータを生成する。
図5に可変データの一例を示す。
図5に示すように可変データは、ダイレクトメールの受取人のID、ダイレクトメールの受取人の氏名、ダイレクトメールの受取人の住所を含む。なお、可変データは、表計算のアプリケーションプログラムとは異なるプログラムで生成してもよい。また、定型データは、表計算、文書編集または画像編集のアプリケーションプログラムで生成してもよい。発注者は、情報処理装置10Bで可変データ群を暗号化し、定型データ、レイアウトデータおよび暗号化された可変データ群を情報処理装置10Bへ送信する。なお、定型データおよびレイアウトデータについても暗号化して送信してもよい。
【0031】
図4は、制御部101Bが行う処理の流れの一例を示したフローチャートである。情報処理装置10B(取得部1001)は、定型データおよび暗号化された可変データ群を受信する。制御部101Bは、暗号化されている可変データ群を復号化し、平文の可変データ群を得る(ステップSA1)。
【0032】
次に制御部101B(グループ化部1002)は、複数の可変データを予め定められたルールに従ってグループ化する(ステップSA2)。ここで、制御部101Bは、可変データ毎に、氏名について名字と名前の項目毎に文字数をカウントし、可変データ毎に、住所について都道府県、郡、市、区、町、村、字、番地、号、建物名、部屋・階の項目ごとに文字数をカウントする。
【0033】
図6は、
図5に例示した可変データに対する文字数のカウントの結果を示した図である。制御部101Bは、例えば、全項目で文字数が同じ可変データを同一のグループとするとのルールに従ってグループ化する。
図6に示したカウント結果の場合、IDが001、002、003の可変データは、名字、名前、都道府県、郡、市、区、町、村、字、番地、号、建物名、部屋・階の全項目で項目毎に文字数が一致するため、制御部101Bは、IDが001、002、003の可変データをグループG1とする。また、制御部101Bは、IDが004の可変データについては、別のグループG2とする。
【0034】
制御部101Bは、可変データのグループ化を終えると、各可変データがどのグループに属するかを表す管理表を生成する(ステップSA3)。
図7に管理表の一例を示す。管理表においては各可変データにグループ名が対応付けられる。IDが001、002、003の可変データは、グループG1に属するため、
図7に示すように「A」というグループ名が対応付けられ、IDが004の可変データは、グループG2に属するため、
図7に示すように「B」というグループ名が対応付けられる。
【0035】
次に制御部101Bは、可変データの項目毎の文字数のカウント結果とグループ化の結果から、グループに属する可変データの項目毎の文字数を格納した分類表を生成する(ステップSA4)。
図8に分類表の一例を示す。
【0036】
次に制御部101Bは、分類したグループ毎にレイアウト確認の表示のためのダミーの可変データを生成する(ステップSA5)。説明の便宜上、グループG1に対応して生成されるダミーの可変データをダミーデータAと称し、グループG2に対応して生成されるダミーの可変データをダミーデータBと称する。ここで制御部101Bは、データベースDB1と
図8に示す分類表を参照してダミーデータAとダミーデータBを生成する。
図9にダミーデータAとダミーデータBの一例を示す。
【0037】
例えば、制御部101Bは、グループG1に属する可変データにおいては、名字は全角の2文字であり、名前は全角の2文字であるため、データベースDB1から全角の2文字の名字をランダムに抽出してダミーデータAの名字とし、データベースDB1から全角の2文字の名前をランダムに抽出してダミーデータAの名前とする。
【0038】
また、制御部101Bは、宛先についても、項目毎に対応する文字数の文字列をデータベースDB1から抽出し、ダミーデータAとダミーデータBを生成する。例えば、制御部101Bは、グループG1に属する可変データにおいては、都道府県の項目は全角4文字であるため、データベースDB1から全角4文字の都道府県をランダムに抽出してダミーデータAの都道府県とし、他の項目についても、文字数が同じデータをデータベースDB1から抽出してダミーデータAとする。なお、ダミーデータにおける宛先は、実在する宛先でなくてもよい。
【0039】
次に制御部101B(画像出力部1003)は、受信したレイアウトデータに従って定型データとダミーデータAとを合成した画像と、受信したレイアウトデータに従って定型データとダミーデータBとを合成した画像をディスプレイ103Bで表示する(ステップSA6)。即ち、ここでは、グループ毎に定型データとダミーデータとを合成したレイアウト確認のための一つの画像が表示されることとなる。本実施形態では、取得したレイアウトデータには、可変データを配置するための情報が定義されている。具体的には、
図10(a)に示すように、氏名の文字列データを配置するための氏名枠10001、住所の文字列データを配置するための第1住所枠10002および第2住所枠10003が定義されている。レイアウト確認のための画像においては、ダミーデータに含まれる氏名と住所の文字列がそれぞれの枠に配置され、この配置された結果が画像として表示される。ここで、氏名枠10001、第1住所枠10002および第2住所枠10003は、実際にはバリアブル印刷される際には印刷されるものではない。そのため、定型データとダミーデータとを合成した画像をディスプレイ103Bで表示する際には、作業者の操作により、各枠の画像の表示と非表示を切り替えられるようにしてもよい。
【0040】
バリアブル印刷される画像のレイアウトの確認を行う作業者は、ディスプレイ103Bに表示される画像で可変データのレイアウトを確認する。作業者は、レイアウトに問題がある場合には、操作部104Bを操作してレイアウトを修正する。例えば、
図10(a)に例示したように、表示された画像において住所の番地が途中で改行されている場合、作業者は、番地の後で改行がなされるように可変データのレイアウトを編集する。制御部101Bは、編集されたレイアウトに従って定型データとダミーデータとを合成して表示する。制御部101B(編集部1004)は、レイアウトが修正された場合(ステップSA7でYES)、ユーザが行った操作に応じてレイアウトデータを編集する(ステップSA8)。この編集操作としては、具体的には、住所の番地が表示されている第1住所枠10002を表示させる操作と、
図10(b)に示すように番地の文字列の後に改行されるように枠を編集する操作を行う。このように操作することにより、グループG1に対するレイアウトデータにおける第2住所枠10003の座標データが変更される。
【0041】
制御部101Bは、レイアウトの修正の操作が行われていない場合(ステップSA7でNO)、レイアウトの確認を終了する操作が行われたか判断する(ステップSA9)。制御部101Bは、レイアウトの確認を終了する操作が行われていない場合(ステップSA9でNO)、処理の流れをステップSA7へ戻し、レイアウトの確認を終了する操作が行われている場合(ステップSA9でYES)、
図4の処理を終了する。
【0042】
作業者は、バリアブル印刷のレイアウトを修正した場合、情報処理装置10Bを操作し、修正されたレイアウトデータを情報処理装置10Aへ送信する。情報処理装置10Aは、情報処理装置10Bから送信されたレイアウトデータを受信する。発注者は、情報処理装置10Aを操作し、可変データ、定型データおよびレイアウトデータを、バリアブル印刷を行う印刷業者に送信する。
【0043】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0044】
上述した実施形態においては、可変データの全項目で項目毎に文字数が一致する可変データを同じグループとしているが、グループ化のルールは実施形態で記載したルールに限定されるものではない。例えば、氏名については、名字の文字数と名前の文字数の加算結果の一致を判断してもよい。具体的には、IDが005の可変データと、IDが006の可変データにおいて、宛先の全項目で項目毎に文字数が一致し、IDが005の可変データにおいては名字が全角の2文字で名前が全角の3文字であり、IDが006の可変データにおいては名字が全角の3文字で名前が全角の2文字である場合を想定する。この場合、上述した実施形態では、名字の文字数と名前の文字数が異なるため、IDが005の可変データと、IDが006の可変データは別グループとなる。一方、変形例においては、制御部101Bは、宛先の全項目で項目毎に文字数が一致し、名字の文字数と名前の文字数の加算結果がいずれも5で一致するため、IDが005の可変データと、IDが006の可変データを同一のグループとする。また、この変形例においては、ダミーデータを生成する場合、名字と名前の文字数の合計が5となるダミーデータを生成してもよい。
【0045】
上述した実施形態においては、ダミーデータは、データベースDB1に格納されている文字列を用いて生成されているが、ダミーデータを生成する方法は実施形態の方法に限定されるものではない。例えば、グループ分けした各グループに属する可変データに含まれている文字列を適用し、ダミーデータAについては、グループG1に属する可変データに含まれている文字列を適用し、ダミーデータBについては、グループG2に属する可変データに含まれている文字列を適用してもよい。また、ダミーデータAについては、グループG1に属するいずれかの可変データとし、ダミーデータBについては、グループG2に属するいずれかの可変データとしてもよい。
【0046】
また、本発明においては、生成した分類表とダミーデータを記憶し、グループに対応して生成したダミーデータを、グループに対して予め定められたダミーデータとして記憶してもよい。この場合、新たに取得した可変データが、記憶されている分類表に含まれているグループに属する場合、属するグループに対応して記憶されている予め定められたダミーデータを使用して定型データとダミーデータを合成してもよい。具体的には、上述の
図4の処理を終えた後、制御部101Bは、
図8の分類表を記憶部102Bに記憶し、ダミーデータAをグループG1に定められたダミーデータとして記憶部102Bに記憶し、ダミーデータBをグループG2に定められたダミーデータとして記憶部102Bに記憶する。制御部101Bは、新たに取得した可変データの文字数のカウント結果と、記憶部102Bに記憶されている分類表とを比較し、新たに取得した可変データが記憶されている分類表に含まれているグループのいずれかに属するか判断する。制御部101は、新たに取得した可変データの一つまたは複数がグループG1に属する場合、データベースDB1から新たにダミーデータを生成するのではなく、グループG1に定められたデータとして記憶部102Bに記憶されているダミーデータAを取得し、取得したダミーデータAと定型データとを合成した画像をディスプレイ部103Bで表示する。
【0047】
上述した実施形態においては、ダミーデータを生成するときに、氏名と宛先の項目毎に文字数が一致する文字列をデータベースDB1から取得してダミーデータを生成しているが、ダミーデータを生成する構成は実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、可変データとダミーデータとの間において、各項目で文字数が同じであることに加え、文字の各々で画数が同じとの条件を予め定められた条件とし、当該条件を満たすダミーデータを生成してもよい。具体的には、制御部101Bは、グループG1に属するIDが001の可変データについて、各文字の画数を解析する。例えば、IDが001の可変データを制御部101Bが解析した場合、「山田」という名字ついて「山」の画数は3となり、「田」の画数は5となる。制御部101Bは、グループG1のダミーデータを生成する際に、名字の一文字目については画数が3の漢字をデータベースDB1から取得し、名字の二文字目については画数が5の漢字をデータベースDB1から取得してダミーデータAの名字とする。また、例えば、文字の画数ではなく可変データの文字の幅や高さを解析し、ダミーデータの文字の各々で幅および高さが可変データと同じとなるようにデータベースDB1から文字を取得してダミーデータを生成してもよい。
【0048】
上述した実施形態においては、可変データは文字列となっているが、文字列に限定されるものではなく画像であってもよい。可変データに画像が含まれる場合、制御部101Bは、可変データに含まれている画像の特徴を解析し、特徴が類似の画像を含む可変データを同一のグループとしてもよい。また、制御部101Bは、可変データに画像が含まれる場合、グループに対応するダミーデータを生成するときには、グループに属する可変データが含む画像と特徴が類似する画像をデータベースDB1から取得してダミーデータとしてもよい。ここで、特徴が類似するとは、被写体の種類が同じであることを条件としてもよい。
【0049】
例えば、制御部101Bは、被写体が同じであることを特徴が類似であるとし、可変データに含まれている画像が人物の画像である場合、人物の画像をデータベースDB1から取得してダミーデータとし、可変データに含まれている画像が風景の画像である場合、風景の画像をデータベースDB1から取得してダミーデータとしてもよい。また、データベースDB1から画像を取得してダミーデータとする場合、データベースDB1から取得した画像を拡大または縮小してもよい。
【0050】
また、制御部101Bは、画像のダミーデータを生成する場合、データベースDB1に含まれている複数の画像を合成してダミーデータを生成してもよい。例えば、制御部101Bは、人物の画像をダミーデータとする場合、データベースDB1に格納されている人物の画像を合成して得た人物の画像をダミーデータとしてもよい。また、グループ分けされたグループに属する可変データに含まれる画像をダミーデータとしてもよく、グループ分けされたグループに属する可変データに含まれる画像を加工してダミーデータとしてもよい。
【0051】
上述した実施形態においては、情報処理装置10は、編集部1004を有しているが、編集部1004を備えず、定型データとダミーデータとを合成した画像の表示のみを行う構成であってもよい。
【0052】
本発明に係る各装置のプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、インストールしてもよい。また、通信回線を介してプログラムをダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…情報処理システム、2…通信回線、10,10A,10B…情報処理装置、101,101B…制御部、102,102B…記憶部、103,102B…ディスプレイ、104,104B…操作部、105…通信部、1001…取得部、1002…グループ化部、1003…画像出力部、1004…編集部