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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】金銭処理装置用表示システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20221220BHJP
   G07D 1/00 20060101ALI20221220BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20221220BHJP
【FI】
G07G1/00 331A
G07D1/00 Z
G07D11/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019025836
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2020135227
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新妻 信行
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116327(JP,A)
【文献】特開2015-069477(JP,A)
【文献】特開2014-010697(JP,A)
【文献】特開2013-257622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00
G07G 1/00
G07D 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金銭の入出金を処理する金銭処理装置に電気的に接続され、かつ所定の情報を表示する表示手段と、
前記金銭処理装置で生じたエラーを解除して正常状態へ復帰するためのエラー解除操作が、該エラー解除操作の進捗の各段階に応じて複数用意されたエラー解除操作用の画像データを含むエラー解除操作手順データを格納する記憶手段と、
前記金銭処理装置でエラーが生じたことが検出手段を通じて検出された場合、該エラーに対応するエラー解除操作手順データを前記記憶手段から読み出すとともに、前記エラー解除操作用の画像データをエラー解除操作の進捗の各段階毎に前記表示手段に順次表示させる制御手段と
を備えた金銭処理装置用表示システムであって、
前記記憶手段は、前記エラー解除操作とは異なってエラーの発生の原因を取り除くためのメンテナンス操作が、該メンテナンス操作の進捗の各段階に応じて複数用意されたメンテナンス操作用の画像データを含むメンテナンス手順データを有し、
前記制御手段は、前記エラー解除操作用の画像データを前記表示手段に順次表示させる際に、前記メンテナンス操作用の画像データを表示させるための入力部を前記表示手段に表示させるものであり、前記入力部を通じて入力操作された場合に、該エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーに関連するメンテナンス手順データを前記記憶手段から読み出すとともに、前記メンテナンス操作用の画像データを前記表示手段に表示させることを特徴とする金銭処理装置用表示システム。
【請求項2】
前記エラー解除操作用の画像データは、エラー解除操作の進捗の各段階で操作者が目にする前記金銭処理装置の状況のものであって、エラー解除操作の進捗の各段階に応じて複数用意されており、
前記メンテナンス操作用の画像データは、メンテナンス操作の進捗の各段階で操作者が目にする前記金銭処理装置の状況のものであって、メンテナンス操作の進捗の各段階に応じて複数用意されていることを特徴とする請求項1に記載の金銭処理装置用表示システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記メンテナンス操作用の画像データを前記表示手段に表示させている際に新たなエラーが生じたことが前記検出手段を通じて検出された場合、該新たなエラーを操作中エラーとして、前記エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーと区別することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金銭処理装置用表示システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記操作中エラーを前記エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーとともに履歴情報として記録する場合、該操作中エラーについては予め決められた印を付与して記録することで、区別することを特徴とする請求項3に記載の金銭処理装置用表示システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記操作中エラーについては履歴情報に記録しないことで、区別することを特徴とする請求項3に記載の金銭処理装置用表示システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記入力部を通じて入力操作されてから前記金銭処理装置が前記正常状態に復帰するまでに前記検出手段により検出された新たなエラーを前記操作中エラーとすることを特徴とする請求項3~5のいずれか1つに記載の金銭処理装置用表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金銭処理装置用表示システムに関し、より詳細には、例えばスーパーマーケット等の店舗のPOS(Point Of Sales)レジスタ装置に接続される金銭処理装置のエラーを解除して正常状態に復帰させる金銭処理装置用表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において、POS端末に接続された自動釣銭機等の金銭処理装置が知られている。このような金銭処理装置は通常、買い物客から預かった紙幣や硬貨を入金して収納庫に収納する一方で、出金指示により収納庫から釣銭を出金する。
【0003】
そのような金銭処理装置にエラーが発生した場合、POSレジスタ装置の表示部に、該金銭処理装置で発生したエラーを解除して正常状態へ復帰するためのエラー解除操作を画像データとしてエラー解除操作の進捗状況に応じて順次表示させる金銭処理装置用表示システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5239384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、金銭処理装置でのエラーの発生には原因があり、その原因を取り除かないと、エラーが再発する虞れがある。このエラーの発生原因には、機器の故障もあるが、繰り返し使用される構成要素の消耗や汚れ、異物の混入等もある。具体的に説明すると、金銭処理装置において硬貨詰まりというエラーが発生した場合、詰まった硬貨を取り除くのがエラー解除操作である。しかしながら、硬貨詰まりには、硬貨を搬送する搬送路の汚れ等が発生原因として考えられ、搬送路を清掃しない限り、硬貨詰まりのエラーが繰り返し発生することになる。
【0006】
上述した金銭処理装置用表示システムは、金銭処理装置でエラーが発生した場合に、エラー解除の操作性及び利便性を向上させる有用なものであったが、あくまでエラーが発生したときのエラー解除操作の提示であり、将来的なエラーの発生を低減できるものではなかった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、エラー解除の操作性及び利便性を向上させつつ、将来的なエラーの発生を必要に応じて低減させることができる金銭処理装置用表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る金銭処理装置用表示システムは、金銭の入出金を処理する金銭処理装置に電気的に接続され、かつ所定の情報を表示する表示手段と、前記金銭処理装置で生じたエラーを解除して正常状態へ復帰するためのエラー解除操作が、該エラー解除操作の進捗の各段階に応じて複数用意されたエラー解除操作用の画像データを含むエラー解除操作手順データを格納する記憶手段と、前記金銭処理装置でエラーが生じたことが検出手段を通じて検出された場合、該エラーに対応するエラー解除操作手順データを前記記憶手段から読み出すとともに、前記エラー解除操作用の画像データをエラー解除操作の進捗の各段階毎に前記表示手段に順次表示させる制御手段とを備えた金銭処理装置用表示システムであって、前記記憶手段は、前記エラー解除操作とは異なってエラーの発生の原因を取り除くためのメンテナンス操作が、該メンテナンス操作の進捗の各段階に応じて複数用意されたメンテナンス操作用の画像データを含むメンテナンス手順データを有し、前記制御手段は、前記エラー解除操作用の画像データを前記表示手段に順次表示させる際に、前記メンテナンス操作用の画像データを表示させるための入力部を前記表示手段に表示させるものであり、前記入力部を通じて入力操作された場合に、該エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーに関連するメンテナンス手順データを前記記憶手段から読み出すとともに、前記メンテナンス操作用の画像データを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記金銭処理装置用表示システムにおいて、前記エラー解除操作用の画像データは、エラー解除操作の進捗の各段階で操作者が目にする前記金銭処理装置の状況のものであって、エラー解除操作の進捗の各段階に応じて複数用意されており、前記メンテナンス操作用の画像データは、メンテナンス操作の進捗の各段階で操作者が目にする前記金銭処理装置の状況のものであって、メンテナンス操作の進捗の各段階に応じて複数用意されていることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記金銭処理装置用表示システムにおいて、前記制御手段は、前記メンテナンス操作用の画像データを前記表示手段に表示させている際に新たなエラーが生じたことが前記検出手段を通じて検出された場合、該新たなエラーを操作中エラーとして、前記エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーと区別することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記金銭処理装置用表示システムにおいて、前記制御手段は、前記操作中エラーを前記エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーとともに履歴情報として記録する場合、該操作中エラーについては予め決められた印を付与して記録することで、区別することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記金銭処理装置用表示システムにおいて、前記制御手段は、前記操作中エラーについては履歴情報に記録しないことで、区別することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記金銭処理装置用表示システムにおいて、前記制御手段は、前記入力部を通じて入力操作されてから前記金銭処理装置が前記正常状態に復帰するまでに前記検出手段により検出された新たなエラーを前記操作中エラーとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御手段が、金銭処理装置でエラーが生じたことが検出手段を通じて検出された場合、該エラーに対応するエラー解除操作手順データを記憶手段から読み出すとともに、エラー解除操作用の画像データをエラー解除操作の進捗の各段階毎に表示手段に順次表示させるので、取扱説明書等を用意させる必要もなく、操作者に表示手段の表示にしたがってエラー解除操作を行わせることができる。しかも制御手段が、エラー解除操作用の画像データを表示手段に順次表示させる際に、メンテナンス操作用の画像データを表示させるための入力部を表示手段に表示させ、入力部を通じて入力操作された場合に、該エラー解除操作用の画像データを表示させる原因となったエラーに関連するメンテナンス手順データを記憶手段から読み出すとともに、メンテナンス操作用の画像データを表示手段に表示させるので、表示手段の表示に従って操作者にメンテナンス操作を行わせることができる。従って、エラー解除の操作性及び利便性を向上させつつ、将来的なエラーの発生を必要に応じて低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態である金銭処理装置用表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、図1に示した制御部が実施するエラー解除操作表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
図3図3は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図4図4は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図5図5は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図6図6は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図7図7は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図8図8は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図9図9は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図10図10は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図11図11は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図12図12は、メンテナンス操作の手順を示すイメージ図である。
図13図13は、メンテナンス操作の手順を示すイメージ図である。
図14図14は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図15図15は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図16図16は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図17図17は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図18図18は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
図19図19は、エラー解除操作の手順を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る金銭処理装置用表示システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態である金銭処理装置用表示システムの構成を模式的に示すブロック図である。ここで例示する金銭処理装置用表示システムは、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において顧客との商取引が行われる際に情報の収集及び管理を行う端末機器としてのPOSレジスタ装置10で構成されており、このPOSレジスタ装置10には金銭処理装置としての自動釣銭機20が電気的に接続されている。
【0018】
まず自動釣銭機20について説明する。自動釣銭機20は、硬貨部21と、紙幣部22と、操作入力部23と、金銭制御部24とを備えて構成されている。
【0019】
硬貨部21は、硬貨の入出金を行うもので、各種のセンサ群21a及びアクチュエータ群21bを有している。この硬貨部21は、図示せぬ硬貨投入口を通じて投入された硬貨を1枚ずつ分離させた状態で供給して該硬貨の真偽及び金種を鑑別し、硬貨(正貨)を搬送後に振り分けて金種別に収納するものである。
【0020】
また硬貨部21は、出金指令に応じて、収納する硬貨を図示せぬ硬貨出金口に払い出すものである。かかる硬貨部21を構成するセンサ群21aは、該硬貨部21でのエラーが発生したことを検出する検出手段としてのセンサを含んでいる。
【0021】
紙幣部22は、紙幣の入出金を行うもので、各種のセンサ群22a及びアクチュエータ群22bを有している。この紙幣部22は、図示せぬ紙幣投入口に投入された紙幣を搬送し、その搬送途中において該紙幣の真偽及び金種を鑑別し、正貨であると判別された紙幣を金種に応じて振り分けて収納するものである。尚、正貨でないと判別された紙幣は図示せぬ紙幣出金口に搬送される。
【0022】
また紙幣部22は、出金指示があった場合、収納する紙幣を繰り出し、紙幣出金口から出金するものである。かかる紙幣部22を構成するセンサ群22aは、該紙幣部22でのエラーが発生したことを検出する検出手段としてのセンサを含んでいる。
【0023】
操作入力部23は、例えばテンキーや各種ボタン等により構成されており、入力操作を行う部位である。金銭制御部24は、予め記憶されたプログラムやデータに従って自動釣銭機20の動作を統括的に制御するものである。
【0024】
POSレジスタ装置10は、自動釣銭機20の上位機器であり、バーコードを不図示のバーコードリーダ(スキャナ)で読み取ることにより、商品名や価格、顧客情報等のデータが即時に入力されるパーソナルコンピュータベースのレジスタで構成されており、表示部11と制御部12とを備えて構成されている。
【0025】
表示部11は、例えば液晶タッチパネルで構成した表示手段であり、各種情報を表示するとともに、タッチ操作等の入力操作が可能なものである。
【0026】
制御部12は、記憶部13に記憶されたプログラムやデータにしたがってPOSレジスタ装置10の動作を統括的に制御する制御手段である。尚、制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0027】
そのような記憶部13には、エラー解除操作手順データ13a及びメンテナンス手順データ13bが格納されている。エラー解除操作手順データ13aは、自動釣銭機20を構成する硬貨部21及び紙幣部22の各構成要素毎に設けられており、該当する構成要素でエラーが発生した場合に、該エラーを解除して正常状態へ復帰させるためのエラー解除操作を手順毎に示す画像データ131(図3等参照)と、該手順毎の文言データ132(図3等参照)とを有している。
【0028】
メンテナンス手順データ13bは、自動釣銭機20を構成する硬貨部21及び紙幣部22の各構成要素毎に設けられており、該当する構成要素のメンテナンス操作を手順毎に示す画像データ141(図12参照)と、該手順毎の文言データ142(図12参照)とを有している。かかるメンテナンス操作としては、該当部分の汚れを取る等の清掃操作や、該当部分の交換を行う交換操作等を含むものであり、エラーが発生したときにそのエラー状態を正常状態へ復帰させるためのエラー解除操作とは異なるものである。
【0029】
図2は、図1に示した制御部12が実施するエラー解除操作表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0030】
このエラー解除操作表示処理において制御部12は、硬貨部21及び紙幣部22のセンサ群21a,22aのいずれかのセンサがエラー発生を検出したか否かを判断する(ステップS101)。より詳細には、制御部12は、自動釣銭機20の金銭制御部24よりエラーが発生した旨の信号が与えられたか否かを判断する。金銭制御部24よりエラーが発生した旨の信号が与えられたものと判断した場合、すなわち硬貨部21及び紙幣部22のセンサ群21a,22aのいずれかのセンサがエラー発生を検出したものと判断した場合(ステップS101:Yes)、制御部12は、エラー発生ユニットを特定する(ステップS102)。
【0031】
そのようにしてエラー発生ユニットを特定した制御部12は、記憶部13からエラー発生ユニットとなる構成要素のエラー解除操作手順データ13aを読み出し(ステップS103)、表示部11に順次表示させる(ステップS104)。
【0032】
かかるステップS104の処理について具体的に説明する。尚、ここでは硬貨部21における、硬貨の真偽及び金種を鑑別する検銭部がエラー発生ユニットであるとする。
【0033】
図3に示すように、制御部12は、最初のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨部を引き出してください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。かかる最初のエラー解除手順を表示してから所定時間(例えば2秒間~5秒間)の経過後、制御部12は、図4に示すように、第2のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨部を引き出してください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0034】
第2のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図5に示すように、第3のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「操作表示部を開けてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。かかる第3のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図6に示すように、第4のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「操作表示部を開けてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0035】
第4のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図7に示すように、第5のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨検銭搬送部を開けてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。かかる第5のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図8に示すように、第6のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨検銭搬送部を開けてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0036】
第6のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図9に示すように、第7のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨検銭通過センサ部分に残っている硬貨があれば取り除いてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。かかる第7のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図10に示すように、第8のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「検銭部(1)を開け、詰まっている硬貨があれば取り除いてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0037】
第8のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図11に示すように、第9のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「検銭部(1)を開け、詰まっている硬貨があれば取り除いてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。この第9のエラー解除手順においては、上記画像データ131及び上記文言データ132とともに、メンテナンス操作用の画像データ141を表示させるための入力部14を表示部11に表示させる。
【0038】
この入力部14を通じて入力操作された場合、制御部12は、エラー解除操作用の画像データ131を表示させる原因となったエラーに関連するメンテナンス手順データ13bを記憶部13から読み出す。そして、制御部12は、図12に示すように、第1のメンテナンス手順となる自動釣銭機20の画像データ141と、該メンテナンス手順に対応した「手垢汚れをウェス等に無水アルコールをつけて拭き取って下さい。」の文言データ142とを表示部11に表示させる。更に、制御部12は、上記画像データ141及び上記文言データ142とともに、メンテナンス操作用の画像データ141等を閉じてエラー解除操作用の画像データ131等に遷移させるためのキャンセル用入力部15を表示部11に表示させる。
【0039】
キャンセル用入力部15が操作されることなく第1のメンテナンス手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図13に示すように、第2のメンテナンス手順となる自動釣銭機20の画像データ141と、該エラー解除手順に対応した「ベルトを手で回してプーリーを一周させ、溝に黒いカスが付着していればピンセット等で除去して下さい。」の文言データ142とを表示部11に表示させるとともに、キャンセル用入力部15を表示部11に表示させる。
【0040】
かかる第2のメンテナンス手順でメンテナンス手順データ13bが終了するため、制御部12は、所定時間の経過後、再び第1のメンテナンス手順の画像データ141及び文言データ142を表示することで、メンテナンス手順の表示を繰り返し、キャンセル用入力部15の入力待ちとなる。
【0041】
そして、キャンセル用入力部15が入力操作されると、制御部12は、図11に示した第9のエラー解除手順を表示部11に表示させる。
【0042】
ところで、第9のエラー解除手順を表示部11に表示させている場合に、入力部14を通じて入力操作されることなく所定時間を経過すると、制御部12は、図14に示すように、第10のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「検銭部(1)を閉じてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0043】
第10のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図15に示すように、第11のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「検銭搬送部を閉じてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。かかる第11のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図16に示すように、第12のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「操作表示部を閉じてください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0044】
第12のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図17に示すように、第13のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨部を戻してください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。かかる第13のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図18に示すように、第14のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「硬貨部を戻してください。」の文言データ132とを表示部11に表示させる。
【0045】
第14のエラー解除手順を表示してから所定時間の経過後、制御部12は、図19に示すように、第15のエラー解除手順となる自動釣銭機20の画像データ131と、該エラー解除手順に対応した「取消・復旧ボタンを押してください。」の文言データ132とを表示部11に表示させることにより、上記ステップS104の処理を行う。
【0046】
かかるステップS104の処理を行い、制御部12は、操作入力部23を構成する取消・復旧ボタンが押下操作されたか否かを判断することで、表示が終了したか否かを判断する(ステップS105)。
【0047】
表示が終了したものと判断した場合(ステップS105:Yes)、制御部12は、正常状態に復帰したものとして表示部11に待機表示をさせ(ステップS106)、その後にエラー解除手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態である金銭処理装置用表示システムによれば、制御部12が、自動釣銭機20でエラーが生じたことがセンサ群21a,22aを通じて検出された場合、該エラーに対応するエラー解除操作手順データ13aを記憶部13から読み出すとともに、エラー解除操作用の画像データ131をエラー解除操作の進捗の各段階毎に表示部11に順次表示させるので、取扱説明書等を用意させる必要もなく、操作者に表示部11の表示にしたがってエラー解除操作を行わせることができる。しかも制御部12は、エラー解除操作用の画像データ131を表示部11に順次表示させる際に、メンテナンス操作用の画像データ141を表示させるための入力部14を表示部11に表示させ、入力部14を通じて入力操作された場合に、エラー解除操作用の画像データ131を表示させる原因となったエラーに関連するメンテナンス手順データ13bを記憶部13から読み出すとともに、メンテナンス操作用の画像データ141を表示部11に表示させるので、表示部11の表示に従って操作者にメンテナンス操作を行わせることができる。従って、エラー解除の操作性及び利便性を向上させつつ、将来的なエラーの発生を必要に応じて低減させることができる。
【0049】
ところで、上記メンテナンス操作用の画像データ141等を表示部11に表示させて、操作者にメンテナンス操作を行わせることにより、硬貨部21及び紙幣部22のセンサ群21a,22aのいずれかのセンサが新たなエラーの発生を検出する可能性がある。このように新たなエラーが発生が検出された場合、制御部12は、新たなエラーを操作中エラーとして、エラー解除操作用の画像データ131を表示させる原因となったエラー(上記エラー解除操作表示処理におけるステップS101で検出されたエラーであり、以下、実エラーとも称する)と区別することが好ましい。このように実エラーと操作中エラーとを区別することで、自動釣銭機20の運用により生ずるエラーの回数を正確に認識することができる。
【0050】
実エラーと操作中エラーとの区別については次のようにして行うことができる。すなわち、制御部12が、実エラー及び操作中エラーをともに履歴情報として記録する場合、該操作中エラーについては予め決められた印を付与して記録することにより区別することができる。また制御部12は、操作中エラーについては履歴情報に記録しないことで、操作中エラーを実エラーと区別することができる。
【0051】
このような制御部12は、エラー解除操作表示処理において、入力部14を通じて入力操作されてから自動釣銭機20が正常状態に復帰するまで、硬貨部21及び紙幣部22のセンサ群21a,22aにより検出された新たなエラーを操作中エラーとすることが好ましい。ここで自動釣銭機20が正常状態に復帰したものと判断するには、上述したように操作入力部23を構成する取消・復旧ボタンが押下操作された場合でもよいし、それ以外に、電源がオフからオンに切り替わった場合、リセット指示が上位機器であるPOSレジスタ装置10から与えられた場合、硬貨部21及び紙幣部22の構成要素が筐体にセットされたことが検知された場合、あるいはこれらの操作の組み合わせが成立した場合等であってもよい。
【0052】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0053】
上述した実施の形態では、金銭処理装置用表示システムがPOSレジスタ装置10により構成されていたが、本発明においては、金銭処理装置用表示システムを構成する表示部は、操作者が携帯する例えばタブレット等の携帯情報端末であってもよい。
【0054】
上述した実施の形態では、エラー解除操作表示処理において、キャンセル用入力部15が操作された場合に、メンテナンス操作用の画像データ141を表示させる前の第9のエラー解除手順のエラー解除操作用の画像データ131を表示させるようにしたが、本発明においては、メンテナンス操作用の画像データ141を表示させた後の画像の遷移先については特に限定されるものではない。従って、メンテナンス手順データ13b(メンテナンス操作用の画像データ141)を表示させた後は、正常状態に復帰したものとして待機表示をさせてもよいし、上記の例であれば第10のエラー解除手順のエラー解除操作用の画像データ131等を表示させるようにしてもよい。
【0055】
上述した実施の形態では、第9のエラー解除手順においてメンテナンス操作用の画像データ141を表示させるための入力部14を表示させていたが、本発明においては、メンテナンス操作用の画像データを表示させるための入力部を、任意のエラー解除手順におけるエラー解除操作用の画像データに付加してもよく、特に限定されるものではない。
【0056】
本発明においては、金銭処理装置が操作者の訓練を目的として模擬的にエラーを発生させる機能を有するものであってもよい。このように模擬的にエラーを発生させる場合、かかる模擬的なエラーについても操作中エラーと同様に、実エラーと区別することが好ましい。
【符号の説明】
【0057】
10 POSレジスタ装置
11 表示部
12 制御部
13 記憶部
13a エラー解除操作手順データ
13b メンテナンス手順データ
131 エラー解除操作用の画像データ
132 エラー解除操作用の文言データ
14 入力部
141 メンテナンス操作用の画像データ
142 メンテナンス操作用の文言データ
15 キャンセル用入力部
20 自動釣銭機
21 硬貨部
21a センサ群
21b アクチュエータ群
22 紙幣部
22a センサ群
22b アクチュエータ群
23 操作入力部
24 金銭制御部
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