(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】積層電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0585 20100101AFI20221220BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20221220BHJP
H01M 10/0565 20100101ALI20221220BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20221220BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20221220BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M10/0562
H01M10/0565
H01M50/586
H01M50/593
(21)【出願番号】P 2019058630
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一裕
(72)【発明者】
【氏名】坂本 竜斗
【審査官】結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-153140(JP,A)
【文献】特開2018-181528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0585
H01M 10/0562
H01M 10/0565
H01M 50/586
H01M 50/593
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層、及び前記絶縁層を介して互いに積層されている複数の積層電池ユニットを有しており、
前記積層電池ユニットが、第1の集電体層、第1の活物質層、固体電解質層、第2の活物質層、第2の集電体層、第2の活物質層、固体電解質層、第1の活物質層、及び第1の集電体層がこの順に積層されてなる構成を有しており、
前記絶縁層の外縁が、当該絶縁層に隣接して積層されている前記積層電池ユニットの前記第1の活物質層及び前記第2の活物質層の外縁より外側に存在しており、かつ当該絶縁層に隣接して積層されている前記積層電池ユニットの前記第1の集電体層及び前記第2の集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在して
おり、
前記絶縁層が、絶縁性樹脂及び絶縁性無機粒子の混合物である絶縁性材料から成膜されている、
積層電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器や自動車等の電源として、様々な積層電池(例えば、全固体電池)が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、少なくとも第1の電極の集電体、第1の電極の活物質層、固体電解質層、第1の電極の対極である第2の電極の活物質層、第2の電極の集電体、第2の電極の活物質層、固体電解質層、及び第1の電極の活物質層がこの順に積層された電池ユニットの2つ以上が積層されて成り、この電池ユニットの第1の電極の集電体と、該集電体に隣接して積層された電池ユニットとを接着するための接着材を有することを特徴とする、全固体電池が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層を有している複数の全固体電池セルが、バイポーラ型又はモノポーラ型で積層されている積層型全固体電池の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-204377号公報
【文献】特開2016-136490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
積層電池を製造する際には、通常、積層電池を構成する積層電池ユニットを製造してから、これらの積層電池ユニットを重ねて積層させ、その後、集電端子等を取り付け、そして積層された積層電池ユニットを外装体等に封止する。
【0007】
積層電池ユニットを構成する各層の面積が異なることが多いため、このような積層電池ユニットを積層する際に、積層電池ユニット間のズレが発生すると、1つの積層電池ユニットの活物質層が、隣接している積層電池ユニットのそれと対極の活物質層の集電体層と接触する可能性があり、これによって短絡が発生することがある。
【0008】
特に、積層電池を低拘束力で拘束する場合、又は積層電池を量産する場合、積層電池ユニット間のズレが全く発生しないように積層電池を製造することは、非常に困難である。
【0009】
そこで、本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであり、積層電池ユニット間のズレに起因する短絡の発生を抑制できる積層電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の本発明者らは、以下の積層電池により、上記課題を解決できることを見出した:
絶縁層、及び前記絶縁層を介して互いに積層されている複数の積層電池ユニットを有しており、
前記積層電池ユニットが、第1の集電体層、第1の活物質層、固体電解質層、第2の活物質層、第2の集電体層、第2の活物質層、固体電解質層、第1の活物質層、及び第1の集電体層がこの順に積層されてなる構成を有しており、
前記絶縁層の外縁が、当該絶縁層に隣接して積層されている前記積層電池ユニットの前記第1の活物質層及び前記第2の活物質層の外縁より外側に存在しており、かつ当該絶縁層に隣接して積層されている前記積層電池ユニットの前記第1の集電体層及び前記第2の集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在している。
【発明の効果】
【0011】
本開示の積層電池によれば、積層電池ユニット間のズレに起因する短絡の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示積層電池の一形態の構成を説明するための概略断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の積層電池の一部に基づいて、絶縁層の外縁の範囲を説明するための図である。
【
図3】
図3は、従来の積層電池の積層電池ユニット間のズレに起因する短絡を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図において、同一又は相当する部分には同一の参照符号を付し、重複説明は省略する。実施の形態の各構成要素は、全てが必須のものであるとは限らず、一部の構成要素を省略可能な場合もある。ただし、以下の図に示される形態は本開示の例示であり、本開示を限定するものではない。
【0014】
《積層電池》
本開示の積層電池は、
絶縁層、及び絶縁層を介して互いに積層されている複数の積層電池ユニットを有しており、
積層電池ユニットが、第1の集電体層、第1の活物質層、固体電解質層、第2の活物質層、第2の集電体層、第2の活物質層、固体電解質層、第1の活物質層、及び第1の集電体層がこの順に積層されてなる構成を有しており、
絶縁層の外縁が、当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第1の活物質層及び第2の活物質層の外縁より外側に存在しており、かつ当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第1の集電体層及び第2の集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在している。
【0015】
本開示でいう「第1の集電体層」及び「第1の活物質層」はそれぞれ、「第2の集電体層」及び「第2の活物質層」と対極であることを意味する。
【0016】
すなわち、「第1の集電体層」及び「第1の活物質層」が、それぞれ「正極集電体層」及び「正極活物質層」であるときには、「第2の集電体層」及び「第2の活物質層」は、それぞれ「負極集電体層」及び「負極活物質層」である。また同様に、「第1の集電体層」及び「第1の活物質層」が、それぞれ「負極集電体層」及び「負極活物質層」であるときには、「第2の集電体層」及び「第2の活物質層」は、それぞれ「正極集電体層」及び「正極活物質層」である。
【0017】
本開示において、層の「外縁」とは、積層電池の積層方向から見たときの、かかる層の面方向の最も外側の縁を意味する。
【0018】
本開示において、集電体層の「集電接続部」とは、集電体層の一部であって、積層電池が発生した電力を外部に取り出すための集電端子(例えば、集電タブ)と接続される部分を指す。この集電接続部は、集電体層の周縁部から突出している突出部であってもよい。
【0019】
本開示において、絶縁層の外縁が、当該絶縁層に隣接して積層されている前記積層電池ユニットの第1の活物質層及び第2の活物質層の外縁より外側に存在していることとは、積層方向からみたときに、絶縁層の外縁が、当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第1の活物質層及び第2の活物質層のいずれの外縁よりも外側に延出していることを意味する。
【0020】
また、絶縁層の外縁が、当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第1の集電体層及び第2の集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在していることとは、積層方向からみたときに、当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第1の集電体層及び第2の集電体層のそれぞれの集電接続部は、当該絶縁層の外縁よりも外側に延出していることを意味する。
【0021】
図1は、本開示積層電池の一形態の構成を説明するための概略断面図である。
【0022】
図1に示されている積層電池100は、絶縁層22~24、及びこれらの絶縁層22~24を介して互いに積層されている4つの積層電池ユニット10~40を有している。
【0023】
なお、積層電池両端面に、絶縁層を更に有していてもよく、有さなくてもよい。例えば、積層電池100は、その両端面(すなわち、積層電池ユニット10及び40のそれぞれの端面)に絶縁層21及び25を有している。
【0024】
また、
図1及び後述する
図2において、説明の便宜上、絶縁層と積層電池ユニットとの間に間隔をあけたものとしているが、実際の積層電池では、絶縁層と積層電池ユニットとは、少なくとも一部接触しており、好ましくは全部接触している。
【0025】
積層電池ユニット10は、第1の集電体層1a、第1の活物質層2a、固体電解質層3a、第2の活物質層4a、第2の集電体層5a、第2の活物質層6a、固体電解質層7a、第1の活物質層8a、及び第1の集電体層9aがこの順に積層されてなる構成を有している。なお、積層電池ユニット20、30及び40は、積層電池ユニット10と同じように構成されているため、ここでは、説明を省略する。
【0026】
また、
図1に示されている積層電池100において、積層電池ユニット10、20、30及び40のそれぞれの第1の集電体層の集電接続部は、集電端子11と接続しており、積層電池ユニット10、20、30及び40のそれぞれの第2の集電体層の集電接続部は、集電端子12と接続している。
【0027】
また、積層電池100において、絶縁層22~24のそれぞれの外縁は、それぞれの絶縁層22~24に隣接して積層されている積層電池ユニット10、20、30及び40の、第1の活物質層及び第2の活物質層の外縁より外側に存在しており、かつそれぞれの絶縁層22~24に隣接して積層されている積層電池ユニット10、20、30及び40の、第1の集電体層及び第2の集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在している。
【0028】
また、この絶縁層の外縁に関して、
図2は、
図1の積層電池100の一部に基づいて、絶縁層の外縁の範囲を説明するための図である。
【0029】
より具体的には、
図2に示されているように、絶縁層22の外縁は、絶縁層22に隣接して積層されている積層電池ユニット10及び20のそれぞれの第1の活物質層2a、8a、2b及び8b、並びに第2の活物質層4a、6a、4b及び6bの外縁より外側に存在している。これによって、仮に積層電池ユニット10と20との間のズレが発生したとしても、活物質層が、それと対極する活物質層の集電体層と接触することを防ぐことができる。
【0030】
また、絶縁層22の外縁は、絶縁層22に隣接して積層されている積層電池ユニット10及び20のそれぞれの第1の集電体層1a、9a、1b及び9b、並びに第2の集電体層5a及び5bのそれぞれの集電接続部よりも内側に存在している。これによって、絶縁層は、第1の集電体層及び第2の集電体層のそれぞれの集電接続部と集電端子との接続を防げにくくなる。
【0031】
なお、
図2の場合、積層電池ユニット10及び20において、第2の活物質層4a、6a、4b及び6bの外縁が、第1の活物質層2a、8a、2b及び8bの外縁よりも外側に存在しており、また、第2の集電体層5a及び5bの外縁が、第1の集電体層1a、9a、1b及び9bの外縁よりも外側に存在しているため、絶縁層22の外縁は、第2の活物質層4a、6a、4b及び6bの外縁から、第2の集電体層5a及び5bの外縁までの範囲であってよい。
【0032】
本開示の積層電池は、このような絶縁層を有していることによって、積層電池を製造する際に積層電池ユニット間のズレが発生したとしても、絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの任意の活物質層が、他の積層電池ユニットのそれと対極の集電体層と接触することを防げるため、積層電池ユニット間のズレに起因する短絡の発生を抑制することができる。
【0033】
本開示に対して、従来の積層電池の積層電池ユニット間のズレが発生すると、短絡が発生する可能性がある。例えば、
図3は、従来の積層電池の積層電池ユニット間のズレに起因する短絡を説明するための図である。
【0034】
図3(a)は、積層電池ユニット10と20との間のズレがないときの状態を示す図である。
図3(b)は、積層電池ユニット10と20との間のズレが発生したときの状態を示す図である。
【0035】
図3(a)に示されている状態では、隣接して積層されている積層電池ユニット10及び20の集電体層の集電接続部は、A側面側及びB側面側から外側に延在している。この状態では、積層電池ユニット10と20との間のズレがないため、積層電池ユニット10及び20のうちのいずれかの活物質層が、隣接する積層電池ユニットのそれと対極の集電体層と接触する可能性も低い。
【0036】
一方、
図3(b)に示されているように、積層電池ユニット10と20との間のズレが発生した状態では、積層電池ユニット20の集電体層の集電接続部が、B側面側から外側に長く延在している。この場合、この積層電池ユニット10の活物質層6aは、積層電池ユニット20のそれと対極の集電体層1bと接触しやすく、したがって短絡が発生しやすくなっている。
【0037】
〈絶縁層〉
絶縁層は、絶縁性材料を主成分として含んでいる。絶縁性材料として、特に限定されず、例えば絶縁性樹脂、絶縁性無機粒子、又はこれら混合物であってよい。絶縁性及び摩擦係数を向上する観点から、絶縁性樹脂及び絶縁性無機粒子の混合物であることが好ましい。
【0038】
絶縁性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂であってよい。
【0039】
絶縁性無機粒子としては、特に限定されず、例えば酸化アルミニウム、ベーマイト等のセラミックであってよい。
【0040】
絶縁層の厚さは、特に限定されず、例えば1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、又は100μm以上であってよく、また300μm以下、200μm以下、100μm以下、50μm以下、20μm以下、19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下、11μm以下、又は10μm以下であってよい。
【0041】
絶縁層は、市販のものを用いてもよく、絶縁性材料から成膜されてもよい。
【0042】
市販の絶縁層として、例えば、NITOFLON(ニトフロン;登録商標)フィルム(日東電工株式会社製)等を用いてよい。
【0043】
絶縁性材料から成膜される場合は、操作の便宜上の観点から、積層電池ユニットの第1の集電体層を基材として、その上に絶縁層を成膜することが好ましい。ただし、この場合、絶縁層の基材となる第1の集電体層のサイズは、少なくとも本開示にかかる絶縁層のサイズの範囲を満たすことが好ましい。
【0044】
すなわち、この場合の第1の集電体層の外縁は、当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第1の活物質層及び第2の活物質層の外縁より外側に存在しており、かつ当該絶縁層に隣接して積層されている積層電池ユニットの第2の集電体層の集電接続部よりも内側に存在していることが好ましい。
【0045】
〈積層電池ユニット〉
積層電池ユニットは、第1の集電体層、第1の活物質層、固体電解質層、第2の活物質層、第2の集電体層、第2の活物質層、固体電解質層、第1の活物質層、及び第1の集電体層がこの順に積層されてなる構成を有している。
【0046】
本開示において、積層電池ユニットを構成する第1の集電体層は、その第1の活物質層と隣接している側の片面に導電性炭素によって被覆されていてよい。
【0047】
導電性炭素は、第1の集電体層の材料よりも柔軟性が高いため、第1の集電体層の片面を導電性炭素で被覆することによって、第1の集電体層とその隣接の第1の活物質層との接触点を増やすことができる。すなわち、第1の集電体層とその隣接の第1の活物質層との界面おいて、抵抗を低減することができ、放電容量の向上に寄与する効果がある観点から好ましい。
【0048】
このような導電性炭素による被覆膜の厚さは、特に限定されず、例えば0.5μm以上、1.0μm以上、1.5μm以上、又は2.0μm以上であってよく、また5.0μm以下、4.0μm以下、又は3.0μm以下であってよい。
【0049】
導電性炭素としては、特に限定されず、例えばカーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
【0050】
また、これらの導電性炭素は、バインダーと混合させたものであってもよい。バインダーとしては、特に限定されず、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ブタジエンゴム(BR)又はスチレンブタジエンゴム(SBR)等の材料、又はこれらの組合せであってよい。
【0051】
積層電池ユニットの厚さは、特に限定されず、全固体電池の目的・用途に合わせて、適宜設定することができる。例えば、積層電池ユニットの厚さは、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、又は500μm以上であってよく、また1000μm以下、900μm以下、800μm以下、700μm以下、又は600μm以下であってよい。
【0052】
以下では、本開示にかかる積層電池ユニットを構成しうる各部材について詳細に説明する。
【0053】
なお、本開示を容易に理解するために、全固体リチウムイオン二次電池積層電池ユニットにかかる各部材を例として説明するが、本開示の積層電池は、リチウムイオン二次電池に限定されず、幅広く適用できる。
【0054】
(正極集電体層)
正極集電体層に用いられる導電性材料は、特に限定されず、例えば、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよい。
【0055】
正極集電体層の形状としては、特に限定されず、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。これらの中で、箔状が好ましい。
【0056】
(正極活物質層)
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、好ましくは後述する固体電解質を更に含む。そのほか、使用用途や使用目的等に合わせて、例えば、導電助剤又はバインダー等の全固体電池の正極活物質層に用いられる添加剤を含むことができる。
【0057】
正極活物質の材料として、特に限定されない。例えば、正極活物質は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、Li1.5Co1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、Li1+xMn2-x-yMyO4(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li-Mnスピネル等であってよい。
【0058】
導電助剤としては、特に限定されない。例えば、導電助剤は、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)及びカーボンナノ繊維等の炭素材並びに金属材等であってよい。
【0059】
バインダーとしては、特に限定されない。例えば、バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ブタジエンゴム(BR)又はスチレンブタジエンゴム(SBR)等の材料、又はこれらの組合せであってよい。
【0060】
(固体電解質層)
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質として、特に限定されず、全固体電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。例えば、固体電解質は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、又はポリマー電解質等であってよい。
【0061】
硫化物固体電解質の例として、硫化物系非晶質固体電解質、硫化物系結晶質固体電解質、又はアルジロダイト型固体電解質等が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な硫化物固体電解質の例として、Li2S-P2S5系(Li7P3S11、Li3PS4、Li8P2S9等)、Li2S-SiS2、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P2S5、LiI-LiBr-Li2S-P2S5、Li2S-P2S5-GeS2(Li13GeP3S16、Li10GeP2S12等)、LiI-Li2S-P2O5、LiI-Li3PO4-P2S5、Li7-xPS6-xClx等;又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0062】
酸化物固体電解質の例として、Li7La3Zr2O12、Li7-xLa3Zr1-xNbxO12、Li7-3xLa3Zr2AlxO12、Li3xLa2/3-xTiO3、Li1+xAlxTi2-x(PO4)3、Li1+xAlxGe2-x(PO4)3、Li3PO4、又はLi3+xPO4-xNx(LiPON)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
ポリマー電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、及びこれらの共重合体等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
固体電解質は、ガラスであっても、結晶化ガラス(ガラスセラミック)であってもよい。また、固体電解質層は、上述した固体電解質以外に、必要に応じてバインダー等を含んでもよい。具体例として、上述の「正極活物質層」で列挙された「バインダー」と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0065】
(負極活物質層)
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含み、好ましくは上述した固体電解質を更に含む。そのほか、使用用途や使用目的等に合わせて、例えば、導電助剤又はバインダー等の全固体電池の負極活物質層に用いられる添加剤を含むことができる。
【0066】
負極活物質の材料として、特に限定されず、リチウムイオン等の金属イオンを吸蔵及び放出可能であることが好ましい。例えば、負極活物質は、酸化系負極活物質、合金系負極活物質又は炭素材料等であってよいが、これらに限定されない。
【0067】
酸化系負極活物質としては、特に限定されず、例えばチタン酸リチウム(LTO)粒子等が挙げられる。
【0068】
合金系負極活物質として、特に限定されず、例えば、Si合金系負極活物質、又はSn合金系負極活物質等が挙げられる。Si合金系負極活物質には、ケイ素、ケイ素酸化物、ケイ素炭化物、ケイ素窒化物、又はこれらの固溶体等がある。また、Si合金系負極活物質には、ケイ素以外の元素、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Ti等を含むことができる。Sn合金系負極活物質には、スズ、スズ酸化物、スズ窒化物、又はこれらの固溶体等がある。また、Sn合金系負極活物質には、スズ以外の元素、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Ti、Si等を含むことができる。これらの中で、Si合金系負極活物質が好ましい。
【0069】
炭素材料として、特に限定されず、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン、又はグラファイト等が挙げられる。
【0070】
負極活物質層に用いられる固体電解質、導電助剤、バインダー等その他の添加剤については、上述した「正極活物質層」及び「固体電解質層」の項目で説明したものを適宜採用することができる。
【0071】
(負極集電体層)
負極集電体層に用いられる導電性材料は、特に限定されず、例えば、負極集電体層に用いられる導電性材料は、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよいが、これらに限定されない。
【実施例】
【0072】
以下、本開示について実施例の形式で詳細に説明する。以下の実施例は、本開示の用途を何ら限定するものではない。
【0073】
《実施例1》
1.正極活物質層の作製
ポリプロピレン製容器に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、正極活物質粒子、硫化物固体電解質(Li2S-P2S5系ガラスセラミック)、及びVGCF(昭和電工社製)を加え、超音波分散装置(エスエムテー製、UH-50)で30秒間に亘って攪拌した。次に、容器を振とう器(柴田科学株式会社製、TTM-1)で3分間に亘って振とうさせ、更に超音波分散装置で30秒間に亘って攪拌した。そして、更に振とう器で3分間に亘って振とうして、得られた正極活物質層を構成する材料を、アプリケーターを使用してブレード法にてアルミニウム箔上に塗布した。塗布した正極活物質層を構成する材料を、自然乾燥させた後、100℃のホットプレート上で30分間に亘って乾燥させることにより、アルミニウム箔上に正極活物質層を製膜した。
【0074】
なお、正極活物質粒子は、転動流動式コーティング装置(パウレック社製)を用いて、大気雰囲気下で、正極活物質粒子(Li1.5Co1/3Ni1/3Mn1/3O2を主相とする粒子)にニオブ酸リチウムをコーティングし、大気雰囲気火で焼成を行うことによって、得られたニオブ酸リチウムの被覆層を有する正極活物質粒子として用いた。
【0075】
2.負極活物質層の作製
ポリプロピレン製容器に、PVdF、負極活物質粒子(LTO粒子)、及び硫化物固体電解質(Li2S-P2S5系ガラスセラミック)を加え、超音波分散装置(エスエムテー製、UH-50)で30秒間に亘って攪拌した。得られた負極活物質層を構成する材料を、アプリケーターを使用してブレード法にて銅箔の両面に塗布した。塗布した負極活物質層を構成する材料を、自然乾燥させた後、100℃のホットプレート上で30分間に亘って乾燥させることにより、銅箔の両面に負極活物質層を製膜した。
【0076】
3.固体電解質層の作製
ポリプロピレン製容器に、ヘプタン、ブタジエンゴム(BR)、及び硫化物固体電解質(Li2S-P2S5系ガラスセラミック)を加え、超音波分散装置(エスエムテー製、UH-50)で30秒間に亘って攪拌した。次に、容器を振とう器(柴田科学株式会社製、TTM-1)で3分間に亘って振とうさせ、更に超音波分散装置で30秒間に亘って攪拌した。そして、更に振とう器で3分間に亘って振とうして、得られた固体電解質層を構成する材料を、アプリケーターを使用してブレード法にてアルミニウム箔上に塗布した。塗布した固体電解質層を構成する材料を、自然乾燥させた後、100℃のホットプレート上で30分間に亘って乾燥させることにより、アルミニウム箔上に固体電解質層を製膜した。
【0077】
4.積層電池ユニットの作製
まず、負極活物質層と固体電解質層とが直接接触するように、負極集電体層と固体電解質層とを張り合わせて、プレスして、「アルミニウム箔-固体電解質層-負極活物質層-銅箔(負極集電体層)-負極活物質層-固体電解質層-アルミニウム箔」の構成を有する積層体を得た。
【0078】
次に、上記で得られた「アルミニウム箔-固体電解質層-負極活物質層-銅箔(負極集電体層)-負極活物質層-固体電解質層-アルミニウム箔」の構成を有する積層体のアルミニウム箔を剥がして、正極活物質層と固体電解質層とが直接接触するように、正極活物質層と固体電解質層とを張り合わせて、プレスして、「アルミニウム箔-正極活物質層-固体電解質層-負極活物質層-銅箔(負極集電体層)-負極活物質層-固体電解質層-正極活物質層-アルミニウム箔」の構成を有する積層体を得た。
【0079】
その後、アルミ二ウム箔を剥がし、プレスして、「正極活物質層-固体電解質層-負極活物質層-銅箔(負極集電体層)-負極活物質層-固体電解質層-正極活物質層」の構成を有する積層体を得た。
【0080】
そして、ブタジエンゴム(BR)を用いて、積層体「正極活物質層-固体電解質層-負極活物質層-銅箔(負極集電体層)-負極活物質層-固体電解質層-正極活物質層」の両面に、正極集電体層としての厚さ15μmのアルミニウム箔を張り付けて、実施例1の積層電池ユニットを得た。
【0081】
5.積層
絶縁層として、厚さ100μmのNITOFLON(ニトフロン;登録商標)フィルム(日東電工株式会社製)を用いて、この絶縁層の外縁が、上記で作製した正極活物質層及び負極活物質層の外縁よりも外側に存在でき、かつ上記で作製した負極集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在できるようなサイズで加工された。
【0082】
そして、この絶縁層を介して、10個の実施例1の積層電池ユニットを積層して、集電タブを溶接させた後、大気圧に対して-0.08MPaでラミネートフィルムで密封して、実施例1の全固体電池を製造した。
【0083】
《実施例2》
上述した実施例1の「4.積層電池ユニットの作製」において、正極集電体層として、アルミニウム箔の代わりに、下記で作製した片面に絶縁層としてのPVdF層を有するアルミニウム箔を用いたこと、及び実施例1の「5.積層」の代わりに、下記「7.積層」のとおりに行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の全固体電池を製造した。
【0084】
6.片面に絶縁層としてのPVdF層を有するアルミニウム箔の作製
有機溶剤に溶解したポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、アプリケーターを使用してブレード法にて厚さ15μmのアルミニウム箔上に塗布した。塗布したPVdFスラリーを、自然乾燥させた後、100℃のホットプレート上で30分間に亘って乾燥させることにより、アルミニウム箔の片面に厚さ2μmの絶縁層としてのPVdF層を有するアルミニウム箔を作製した。
【0085】
なお、このアルミ二ウム箔は、その外縁が上記で作製した正極活物質層及び負極活物質層の外縁よりも外側に存在でき、かつ上記で作製した負極集電体層のそれぞれの集電接続部よりも内側に存在できるようなサイズで切断された。
【0086】
そして、アルミニウム箔の絶縁層を有さない面を正極活物質層に向いているように、作製した片面に絶縁層としてのPVdF層を有するアルミニウム箔を、積層体「正極活物質層-固体電解質層-負極活物質層-銅箔(負極集電体層)-負極活物質層-固体電解質層-正極活物質層」の両面に張り付けて、実施例2の積層電池ユニットを得た。
【0087】
7.積層
10個の実施例2の積層電池ユニットを積層して、集電タブを溶接させた後、大気圧に対して-0.08MPaでラミネートフィルムで密封して、実施例2の全固体電池を製造した。
【0088】
《実施例3》
正極集電体層として、片面に絶縁層としてのPVdF層を有するアルミニウム箔の代わりに、下記で作製した片面に絶縁層としてのべーマイト/PVdF層を有するアルミニウム箔を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例3の全固体電池を製造した。
【0089】
8.片面に絶縁層としてのべーマイト/PVdF層を有するアルミニウム箔の作製
ポリプロピレン製容器に、ベーマイトとPVdFを体積比70:30(べーマイト:PVdF)になるように称量した。これを有機溶剤に分散し、たべーマイト/PVdFスラリーを調製した。このたべーマイト/PVdFスラリーを、アプリケーターを使用してブレード法にて厚さ15μmのアルミニウム箔上に塗布した。塗布したべーマイト/PVdFスラリーを、自然乾燥させた後、100℃のホットプレート上で30分間に亘って乾燥させることにより、アルミニウム箔の片面に厚さ10μmの絶縁層としてのべーマイト/PVdF層を有するアルミニウム箔を作製した。
【0090】
《実施例4》
実施例3で作製したアルミニウム箔の絶縁層を有さない面に、下記で調製した導電性炭素を含む組成物を2.0μmの厚さで塗布して、100℃で1時間乾燥することによって、片面が絶縁層(べーマイト/PVdF層)、もう片面が導電性炭素層を有するアルミニウム箔を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4の全固体電池を製造した。
【0091】
9.導電性炭素を含むスラリーの調製
導電性炭素としてカーボンブラック及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)を体積比30:70(カーボンブラック:PVdF)になるように称量した。次に、有機溶剤を加え、導電性炭素を含むスラリーを調製した。
【0092】
《比較例1》
絶縁層を使用していないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の全固体電池を製造した。
【0093】
《比較例2》
絶縁層を使用していないこと、及び実施例4と同様な導電性炭素層を両面に有している第1の集電体層を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例1の全固体電池を製造した。
【0094】
《評価》
製造した各実施例及び比較例の全固体電池に対して、放電容量の測定及び振動試験を行って、評価した。
【0095】
(初期の放電容量の測定)
製造した各実施例及び比較例の全固体電池に対して、1.6V~2.7Vの範囲で、25℃において、0.33Cにて、CC-CV充電を行った後、CC-CV放電を行い、放電容量を測定し、比較例1の結果と比較した。その結果は、表1に示す。
【0096】
(振動試験)
上述した放電容量を測定した後、それぞれ100個の各実施例及び比較例の全固体電池に対して、振動試験を行った。
【0097】
具体的には、全固体電池を振動装置のプラットフォーム(振動台)に固定し、プラットフォームを正弦波形で振動させた。振動試験は、全固体電池のX方向、Y方向、Z方向に対してそれぞれ振動試験サイクルを12回ずつ行った。1回の振動試験サイクルは、7Hz→200Hz→7Hzを15分で対数掃引することにより周波数を変化させながら全固体電池を振動させた。
【0098】
振動試験サイクルでは、周波数7Hz~18Hzにおいては、ピーク加速度を1Gに維持し、周波数18Hz~50Hzでは、振動幅を0.8mm(全振幅1.6mm)に保ち、ピーク加速度が8Gとなるまで加速度を増加させた。周波数50Hz~200Hzでは、ピーク加速度を8Gに維持した。
【0099】
(振動試験後の放電容量の測定)
そして、上記の振動試験を行った後24時間後に、それぞれ100個の各実施例及び比較例の全固体電池に対して、1.6V~2.7Vの範囲で、25℃において、0.33Cにて、CC-CV充電を行った後、CC-CV放電を行い、放電容量を測定した。
【0100】
振動試験後の放電容量が、初期の放電容量を比較して90%未満だった全固体電池が、全体の5%未満であった場合には、「〇」と判断し、全体の5%以上であった場合には、「×」と判断した。その結果は、表1に示す。
【0101】
【0102】
表1から明らかであるように、絶縁層を用いなかった比較例1及び2の全固体電池は、振動試験を行った後、大幅な放電容量の低下が見られて、すなわち、短絡が発生してしまった結果が得られた。
【0103】
これに対して、絶縁層を用いた実施例1~4の全固体電池は、振動試験を行った後、放電容量の低下を抑制することができた。すなわち、短絡の発生を抑制できたことが分かった。
【0104】
また、絶縁層を用いた実施例1~4の全固体電池のうちに、実施例1の全固体電池は、その絶縁層が単独の形で互いに積層されている複数の積層電池ユニットの間に存在しており、かつ第1の集電体層の面積よりも大きかったため、短絡を抑制する効果が最も高いことが分かった。
【0105】
なお、実施例2~4の全固体電池は、短絡を抑制する効果が、実施例1の場合よりやや劣っている原因としては、これらの全固体電池に用いた絶縁層が第1の集電体層の片面に形成されていたため、例えば第1の集電体層の端部から絶縁層の端部が滑落してしまう可能性があり、これによって、短絡を抑制する効果が低下したのではないかと考えられる。
【0106】
また、実施例3及び4と、実施例2とを比較すると、ベーマイトを含む絶縁層を用いた実施例3及び4の全固体電池の短絡を抑制する効果が、ベーマイトを含まない実施例2の場合よりも高いことが分かった。これは、ベーマイトを含む絶縁層の表面の摩擦係数が、ベーマイトを含まないものより高くなり、振動による積層電池ユニットの間のズレを防げた結果である。
【0107】
また、実施例3と実施例4とを比較例すると、第1の集電体層の片面に導電性炭素層を有している実施例4の全固体電池の方が、導電性炭素層を有さない実施例3の全固体電池より放電容量が高いことが分かった。これは、導電性炭素が、第1の集電体層の材料よりも柔軟性が高いため、第1の集電体層の片面に導電性炭素層を有することによって、第1の集電体層とその隣接層(第1の活物質層)との接触点を増やすことができて、放電容量の向上に寄与した結果である。
【符号の説明】
【0108】
1a、1b、9a、9b 第1の集電体層
2a、2b 第1の活物質層
3a、3b、7a、7b 固体電解質層
4a、4b、6a、6b 第2の活物質層
5a、5b 第2の集電体層
11、12 集電端子
10、20、30、40 積層電池ユニット
100 積層電池