(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20221220BHJP
B41J 2/18 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B41J2/14 603
B41J2/14 605
B41J2/14 607
B41J2/14 305
B41J2/14
B41J2/14 611
B41J2/18
(21)【出願番号】P 2019072138
(22)【出願日】2019-04-04
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】水野 泰介
(72)【発明者】
【氏名】林 秀樹
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-147374(JP,A)
【文献】特開2018-154065(JP,A)
【文献】特開2018-24254(JP,A)
【文献】特開2017-65248(JP,A)
【文献】特開2002-254643(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/77162(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向と直交する第1方向に配列された複数の第1個別流路と、
前記第1方向に延び、前記複数の第1個別流路に連通する第1共通流路と、
前記第1共通流路よりも下方において、前記第1方向に延び、前記複数の第1個別流路に連通する第2共通流路と、を備え、
前記複数の第1個別流路は、それぞれ、第1ノズルと、前記第1ノズルに連通し、前記第1ノズルよりも上方に配置された第1圧力室と、を含み、
前記第1共通流路及び前記第2共通流路は、複数の前記第1圧力室よりも上方において、鉛直方向に互いに重なり、かつ、それぞれ、前記複数の第1圧力室と鉛直方向に重なることを特徴とする、液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記第1共通流路は、前記複数の第1個別流路の入口に連通し、
前記第2共通流路は、前記複数の第1個別流路の出口に連通し、
前記第2共通流路の流路面積は、前記第1共通流路の流路面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
鉛直方向において前記第1共通流路と前記第2共通流路との間に、前記第1共通流路に接する第1ダンパ膜と前記第2共通流路に接する第2ダンパ膜とで形成された、ダンパ室が設けられたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第1共通流路は、前記第2共通流路よりも、前記第1方向の長さが短く、かつ、前記第1方向及び鉛直方向の双方と直交する第2方向の長さが長く、
前記第1共通流路の上面に、第1開口が形成され、
前記第2共通流路における、前記第1共通流路に対して前記第1方向に突出した部分の上面に、第2開口が形成されたことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記第1共通流路及び前記第2共通流路の一方は、前記第1共通流路及び前記第2共通流路の他方よりも、前記第1方向及び鉛直方向の双方と直交する第2方向の長さが長く、かつ、鉛直方向の長さが短いことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
鉛直方向において前記第1共通流路と前記第1圧力室との間に配置され、前記第1共通流路と前記第1圧力室とを連結する第1連結流路と、
鉛直方向において前記第2共通流路と前記第1圧力室との間に配置され、前記第2共通流路と前記第1圧力室とを連結する第2連結流路と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記複数の第1個別流路のそれぞれにおいて、前記第1ノズルは、前記第1圧力室の直下に位置することを特徴とする、請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記第1共通流路における前記第1圧力室と鉛直方向に重ならない部分から、前記第1圧力室よりも下方まで、鉛直方向に延びる第1流路部と、
前記第1圧力室よりも下方に配置された第2流路部であって、前記第1流路部に連通する一端と、前記第1圧力室と鉛直方向に重なりかつ前記第1圧力室に連通する他端とを有する第2流路部と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記第1共通流路及び前記第2共通流路が形成された筐体と、
前記筐体よりも下方に配置され、前記複数の第1個別流路が形成された流路基板と、を備え、
前記第1流路部は、前記筐体及び前記流路基板に形成された穴で構成され、
前記第2流路部は、前記流路基板の下端に形成された穴で構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記第1方向に配列された複数の第2個別流路であって、前記第1方向及び鉛直方向の双方と直交する第2方向に前記複数の第1個別流路と並ぶ複数の第2個別流路をさらに備え、
前記第1共通流路及び前記第2共通流路は、それぞれ、前記複数の第2個別流路に連通し、
前記複数の第2個別流路は、それぞれ、第2ノズルと、前記第2ノズルに連通し、前記第2ノズルよりも上方に配置された第2圧力室と、を含み、
前記第1共通流路及び前記第2共通流路は、複数の前記第2圧力室よりも上方に配置され、かつ、それぞれ、前記複数の第2圧力室と鉛直方向に重なることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項11】
前記第1共通流路は、前記複数の第1個別流路の入口に連通し、
前記第2共通流路は、前記複数の第1個別流路の出口に連通し、
前記複数の第1個別流路は、それぞれ、前記第1ノズルと前記第1圧力室とを接続する第1接続流路をさらに含み、
前記複数の第2個別流路は、それぞれ、前記第2ノズルと前記第2圧力室とを接続する第2接続流路をさらに含み、
前記第2方向において前記第1圧力室と前記第2圧力室との間に配置され、前記第2共通流路から下方に延びる中間流路と、
前記第1接続流路と前記中間流路とを連通させる第1排出流路と、
前記第2接続流路と前記中間流路とを連通させる第2排出流路と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項12】
前記複数の第1圧力室及び前記複数の第2圧力室が形成された圧力室基板と、
前記圧力室基板の上面に配置され、前記複数の第1圧力室及び前記複数の第2圧力室のそれぞれと鉛直方向に重なる複数のアクチュエータを有するアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータ基板の上面に配置され、前記複数のアクチュエータが収容される凹部を有する保護基板と、を備え、
前記中間流路の鉛直方向の長さは、前記保護基板、前記アクチュエータ基板及び前記圧力室基板からなる部分の鉛直方向の長さ以上であることを特徴とする、請求項11に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項13】
前記第1排出流路及び前記第2排出流路は、それぞれ、前記第1ノズル及び前記第2ノズルとの鉛直方向の距離が、前記アクチュエータ基板との鉛直方向の距離よりも短いことを特徴とする、請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項14】
前記複数の第1個別流路に属する複数の前記第1ノズル及び前記複数の第2個別流路に属する複数の前記第2ノズルが形成されたノズルプレートを備え、
前記中間流路、前記第1排出流路及び前記第2排出流路は、前記ノズルプレートにおける、前記第2方向において前記複数の第1ノズルと前記複数の第2ノズルとの間の部分によって画定されていることを特徴とする、請求項13に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項15】
前記第2方向において前記第1圧力室と前記第2圧力室との間に配置され、前記第2共通流路から下方に延びる中間流路と、
前記中間流路と前記第1圧力室とを連通させる第1連通流路と、
前記中間流路と前記第2圧力室とを連通させる第2連通流路と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項16】
前記第1共通流路は、前記複数の第1個別流路の入口に連通し、
前記第2共通流路は、前記複数の第1個別流路の出口に連通し、
前記複数の第1圧力室及び前記複数の第2圧力室が形成された圧力室基板と、
前記圧力室基板の上面に配置され、前記複数の第1圧力室及び前記複数の第2圧力室のそれぞれと鉛直方向に重なる複数のアクチュエータを有するアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータ基板の上面に配置され、前記複数のアクチュエータが収容される凹部を有する保護基板と、を備え、
前記中間流路の鉛直方向の長さは、前記保護基板及び前記アクチュエータ基板からなる部分の鉛直方向の長さ以上であり、
前記中間流路は、前記圧力室基板の上面に形成された凹部で構成され、
前記第1連通流路及び前記第2連通流路は、前記圧力室基板の上面に形成されかつ前記凹部に接続する溝で構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項17】
前記複数の第1圧力室が形成された圧力室基板と、
前記圧力室基板の上面に配置され、前記複数の第1圧力室のそれぞれと鉛直方向に重なる複数のアクチュエータを有するアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータ基板の上面に配置され、前記複数のアクチュエータが収容される凹部を有する保護基板と、を備えたことを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項18】
前記保護基板は、前記第2共通流路の下面を画定することを特徴とする、請求項17に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項19】
前記複数のアクチュエータと電気的に接続され、前記複数のアクチュエータに駆動信号を供給する駆動回路であって、鉛直方向において前記第2共通流路と前記保護基板との間に挟まれた駆動回路を備え、
前記駆動回路は、前記第2共通流路を画定する壁に接触することを特徴とする、請求項17に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項20】
前記複数のアクチュエータと電気的に接続され、前記複数のアクチュエータに駆動信号を供給する駆動回路であって、鉛直方向において前記第2共通流路と前記保護基板との間に挟まれた駆動回路と、
前記第2共通流路を画定する壁と前記駆動回路とに接触し、弾性を有する伝熱部材と、を備えたことを特徴とする、請求項17に記載の液体吐出ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の個別流路、第1共通流路及び第2共通流路を備えた液体吐出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヘッド長手方向(第1方向)に配列された複数の個別流路と、それぞれ複数の個別流路に連通するマニホールド及び循環流路(共通流路)とを備えた液体吐出ヘッドが示されている。複数の個別流路は、それぞれ、ノズルと、ノズルよりも上方に配置された圧力発生室(圧力室)とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-134507号公報(
図3、
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、マニホールド、複数の圧力発生室(圧力室)及び循環流路が、ヘッド幅方向(第2方向)に並んでいる。この場合、各共通流路について、圧力損失低減等の目的で容積を大きくしようとすると、液体吐出ヘッドが第2方向に大型化し得る。
【0005】
本発明の目的は、第2方向の大型化を抑制しつつ各共通流路の容積を大きくできる液体吐出ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、鉛直方向と直交する第1方向に配列された複数の第1個別流路と、前記第1方向に延び、前記複数の第1個別流路に連通する第1共通流路と、前記第1共通流路よりも下方において、前記第1方向に延び、前記複数の第1個別流路に連通する第2共通流路と、を備え、前記複数の第1個別流路は、それぞれ、第1ノズルと、前記第1ノズルに連通し、前記第1ノズルよりも上方に配置された第1圧力室と、を含み、前記第1共通流路及び前記第2共通流路は、複数の前記第1圧力室よりも上方において、鉛直方向に互いに重なり、かつ、それぞれ、前記複数の第1圧力室と鉛直方向に重なることを特徴とする、液体吐出ヘッドが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第2方向の大型化を抑制しつつ各共通流路の容積を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るヘッドを備えたプリンタの平面図である。
【
図2】
図1のプリンタに含まれる1つのヘッドの平面図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿ったヘッドの断面図である。
【
図4】
図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るヘッドの
図3に対応する断面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係るヘッドの
図3に対応する断面図である。
【
図7】本発明の第4実施形態に係るヘッドの
図3に対応する断面図である。
【
図8】本発明の第5実施形態に係るヘッドの
図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
先ず、
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るヘッド1を備えたプリンタ100の全体構成について説明する。
【0010】
プリンタ100は、4つのヘッド1を含むヘッドユニット1x、プラテン3、搬送機構4及び制御部5を備えている。
【0011】
プラテン3の上面に、用紙9が載置される。
【0012】
搬送機構4は、搬送方向にプラテン3を挟んで配置された2つのローラ対4a,4bを有する。制御部5の制御により搬送モータ4m(
図4参照)が駆動されると、ローラ対4a,4bが用紙9を挟持した状態で回転し、用紙9が搬送方向に搬送される。
【0013】
ヘッドユニット1xは、紙幅方向(搬送方向及び鉛直方向の双方と直交する方向)に長尺であり、位置が固定された状態でノズル11(
図2及び
図3参照)から用紙9に対してインクを吐出するライン式である。4つのヘッド1は、それぞれ紙幅方向に長尺であり、紙幅方向に千鳥状に配列されている。
【0014】
制御部5は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有する。ASICは、ROMに格納されたプログラムに従い、記録処理等を実行する。記録処理において、制御部5は、PC等の外部装置から入力された記録指令(画像データを含む。)に基づき、各ヘッド1のドライバIC1d及び搬送モータ4m(共に
図4参照)を制御し、用紙9上に画像を記録する。
【0015】
次いで、
図2及び
図3を参照し、ヘッド1の構成について説明する。
【0016】
ヘッド1は、
図3に示すように、流路基板10、アクチュエータ基板30、保護基板40及び筐体50を有する。
【0017】
流路基板10は、鉛直方向に積層された2枚のプレート10a,10bで構成されている。プレート10a(本発明に係る「圧力室基板」)には、複数の圧力室12が形成されている。プレート10b(本発明に係る「ノズルプレート」)には、複数のノズル11が形成されている。
【0018】
ノズル11は、圧力室12毎に設けられており、圧力室12よりも下方に配置され、圧力室12に連通している。本実施形態において、ノズル11は圧力室12の直下に位置し、ノズル11と圧力室12との間に別の流路(例えば、後述の第2実施形態における接続流路215)が介在していない。
【0019】
複数の圧力室12は、
図2に示すように、ヘッド1の長手方向(紙幅方向。本発明に係る「第1方向」に該当し、以下「第1方向」という。)に千鳥状に配列されている。圧力室12は、鉛直方向と直交する平面において、ヘッド1の幅方向(搬送方向と平行な方向。本発明に係る「第2方向」であり、以下「第2方向」という。)に長尺な略矩形状である。ノズル11は、鉛直方向と直交する平面において、圧力室12の中央に配置されている。
【0020】
圧力室12における第2方向の一端及び他端には、第1連結流路13及び第2連結流路14が連結している。第1連結流路13及び第2連結流路14は、それぞれ、
図3に示すように、圧力室12から上方に延びている。
【0021】
ノズル11、圧力室12、第1連結流路13及び第2連結流路14は、個別流路16A,16Bを構成している。個別流路16A,16Bは、それぞれ、1つのノズル11と、1つの圧力室12と、1つの第1連結流路13と、1つの第2連結流路14とを含む。第1連結流路13の上端が個別流路16A,16Bの入口16xに該当し、第2連結流路14の上端が個別流路16A,16Bの出口16yに該当する。
【0022】
複数の第1個別流路16Aは、
図2に示すように、第1方向に1列に等間隔で配列されている。複数の第2個別流路16Bは、複数の第1個別流路16Aと第2方向に並び、第1方向に1列に等間隔で配列されている。
【0023】
第1個別流路16Aに属する圧力室12が本発明に係る「第1圧力室」に該当し、第2個別流路16Bに属する圧力室12が本発明に係る「第2圧力室」に該当する。
【0024】
第1個別流路16Aに属するノズル11が本発明に係る「第1ノズル」に該当し、第2個別流路16Bに属するノズル11が本発明に係る「第2ノズル」に該当する。
【0025】
個別流路16A,16Bに属する複数の第1連結流路13は、個別流路16A,16Bに属する複数の第2連結流路14に対して、第2方向の両側に配置されている。第2方向において、第1個別流路16Aに属する第1連結流路13と、第2個別流路16Bに属する第1連結流路13との間に、第1個別流路16Aに属する第2連結流路14と、第2個別流路16Bに属する第2連結流路14とが配置されている。
【0026】
図3に示すように、プレート10bは、プレート10aよりも第2方向の長さが短く、複数の圧力室12を下方から覆うように、プレート10aの下面に接着されている。
【0027】
アクチュエータ基板30は、下から順に、振動板31、2つの共通電極32、複数の圧電体33及び複数の個別電極34を含む。
【0028】
振動板31は、プレート10aの上面に接着され、プレート10aに形成された全ての圧力室12を覆っている。また、振動板31には、第1連結流路13及び第2連結流路14を構成する貫通孔が形成されている。
【0029】
2つの共通電極32は、振動板31の上面に形成され、個別流路16A,16Bの列毎に、複数の圧力室12に跨るように、第1方向に延びている。各共通電極32は、各個別流路16A,16Bに属する複数の圧力室12と鉛直方向に重なっている。
【0030】
圧電体33及び個別電極34は、圧力室12毎に設けられており、各圧力室12と鉛直方向に重なっている。
【0031】
個別電極34及び共通電極32は、ドライバIC1d(
図4参照)と電気的に接続されている。ドライバIC1dは、共通電極32の電位をグランド電位に維持する一方、個別電極34の電位を変化させる。具体的には、ドライバIC1dは、制御部5からの制御信号に基づいて駆動信号を生成し、当該駆動信号を個別電極34に付与する。これにより、個別電極34の電位が所定の駆動電位とグランド電位との間で変化する。このとき、振動板31及び圧電体33において個別電極34と圧力室12とで挟まれた部分(アクチュエータ30x)が、圧力室12に向かって凸となるように変形することにより、圧力室12の容積が変化し、圧力室12内のインクに圧力が付与され、ノズル11からインクが吐出される。
【0032】
保護基板40は、振動板31の上面に接着されている。
【0033】
保護基板40の下面には、第1方向に延びる2つの凹部40xが形成されている。2つの凹部40xのうち、一方は、第1個別流路16Aに属する複数の圧力室12と鉛直方向に重なり、他方は、第2個別流路16Bに属する複数の圧力室12と鉛直方向に重なっている。各凹部40x内に、各個別流路16A,16Bに対応する複数のアクチュエータ30xが収容されている。
【0034】
また、保護基板40には、第1連結流路13及び第2連結流路14を構成する貫通孔が形成されている。
【0035】
筐体50は、保護基板40の上面に接着されている。筐体50は、鉛直方向に積層された5枚のプレート50a~50eで構成されている。筐体50には、プレート50b~50eに形成された貫通孔により、供給流路51(本発明に係る「第1共通流路」)と、帰還流路52(本発明に係る「第2共通流路」)と、鉛直流路53a,53bとが形成されている。帰還流路52の下面は保護基板40により画定されており、保護基板40の上面が帰還流路52の下面に該当する。
【0036】
鉛直流路53a,53bは、凹部40xと鉛直方向に重なっていない。鉛直流路53a,53bが凹部40xと鉛直方向に重なると、プレート50eと保護基板40との接着時に押圧力が作用し難くなり、接着不良が生じ得る。これに対し、本構成によれば、接着不良を抑制できる。
【0037】
流路51,52,53a,53bは、個別流路16A,16Bよりも上方に配置され、ヘッド1に形成された全ての圧力室12と鉛直方向に重なっている。帰還流路52及び鉛直流路53a,53bは、供給流路51よりも下方において、供給流路51と鉛直方向に重なっている。供給流路51は、帰還流路52よりも第2方向の長さが長く、帰還流路52に対して第2方向の両側に突出している。供給流路51の鉛直方向の長さ51Hは、帰還流路52の鉛直方向の長さ52Hよりも短い。帰還流路52の流路面積(第1方向と直交する面積)は、供給流路51の流路面積よりも小さい。
【0038】
供給流路51及び帰還流路52は、
図2に示すように、それぞれ、第1方向に延びている。鉛直流路53a,53bは、供給流路51における第2方向の一端及び他端それぞれにおいて、第1方向に延びている。鉛直流路53a,53bは、第1方向において供給流路51と同じ長さを有する。
【0039】
供給流路51は、鉛直流路53a,53bを介して、ヘッド1に形成された全ての個別流路16A,16Bの入口16xに連通している。鉛直流路53aは、供給流路51における第2方向の一端と、複数の第1個別流路16Aの入口16xとを連結している。鉛直流路53bは、供給流路51における第2方向の他端と、複数の第2個別流路16Bの入口16xとを連結している。鉛直流路53a,53bの下面には、複数の入口16xが第1方向に並んでいる。供給流路51は、鉛直流路53aを介して複数の第1個別流路16Aの入口16xに連通し、鉛直流路53bを介して複数の第2個別流路16Bの入口16xに連通している。
【0040】
帰還流路52は、各個別流路16A,16Bに属する第2連結流路14の直上に配置され、ヘッド1に形成された全ての個別流路16A,16Bの出口16yに連通している。帰還流路52の下面には、第2方向の一端及び他端それぞれにおいて、複数の出口16yが第1方向に並んでいる。
【0041】
供給流路51は、ヘッド1に形成された全ての圧力室12と、鉛直方向に全体的に重なっている。一方、帰還流路52は、ヘッド1に形成された全ての圧力室12と、鉛直方向に部分的に重なっている。具体的には、帰還流路52は、第1個別流路16Aに属する圧力室12における第2方向の一端(
図2及び
図3において右側の端部)、及び、第2個別流路16Bに属する圧力室12における第2方向の他端(
図2及び
図3において左側の端部)と、鉛直方向に重なっている。
【0042】
図3に示すように、鉛直方向において供給流路51と帰還流路52との間に、ダンパ室80が設けられている。ダンパ室80は、供給流路51における鉛直流路53a,53bが連結する部分を除く全領域と鉛直方向に重なり、帰還流路52の全領域と鉛直方向に重なっている。また、図示は省略するが、ダンパ室80は、第1方向の両端において、大気と連通している。したがって、ダンパ室80の圧力は、大気圧と同じである。
【0043】
ダンパ室80は、供給流路51に接する第1ダンパ膜81と、帰還流路52に接する第2ダンパ膜82とで形成されている。プレート50cの下面に、ハーフエッチング等により、ダンパ室80を構成する窪みが形成されている。当該窪みの底部における、供給流路51と鉛直方向に重なる部分が、第1ダンパ膜81として機能する。プレート50dは、上記窪みを下方から覆うように、プレート50cの下面に接着されている。プレート50dにおける、上記窪みを覆う部分のうち、帰還流路52と鉛直方向に重なる部分が、第2ダンパ膜82として機能する。
【0044】
第1ダンパ膜81の第2方向の長さは、第2ダンパ膜82の第2方向の長さよりも長い。また、第1ダンパ膜81のヤング率は、第2ダンパ膜82のヤング率よりも高い。例えば、プレート50cは金属(SUS等)からなり、プレート50dは樹脂(ポリイミド等)からなる。
【0045】
供給流路51の上面を画定するプレート50aの厚みは、ダンパ膜81,82の厚みと略同じである。したがって、供給流路51は、上面及び下面の双方に、ダンパ膜が設けられている。
【0046】
帰還流路52は、
図2に示すように、供給流路51よりも第1方向の長さが長く、供給流路51に対して第1方向の両側に突出している。
【0047】
供給流路51の上面に、供給口51x(本発明に係る「第1開口」)が形成されている。供給口51xは、鉛直方向と直交する平面において、供給流路51の中央に配置されている。供給流路51は、供給口51xを介して、サブタンク(図示略)に連通している。サブタンクは、メインタンクに連通し、メインタンクから供給されたインクを貯留している。サブタンク内のインクは、制御部5の制御により循環ポンプ7p(
図4参照)が駆動されることで、供給口51xから供給流路51に流入する。供給流路51に流入したインクは、鉛直流路53aを介して各個別流路16Aに分配され、鉛直流路53bを介して各個別流路16Bに分配される。
【0048】
帰還流路52の上面に、帰還口52x(本発明に係る「第2開口」)が形成されている。帰還口52xは、帰還流路52における供給流路51に対して第1方向に突出した部分に配置されている。帰還流路52は、帰還口52xを介して、サブタンク(図示略)に連通している。個別流路16A,16B内のインクは、帰還流路52に流入し、帰還口52xを通ってサブタンクに戻される。
【0049】
供給流路51から各個別流路16A,16Bに分配されたインクは、
図3に示すように、第1連結流路13を通って圧力室12に入り、圧力室12内を第2方向に移動し、一部がノズル11から吐出され、残りは第2連結流路14を通って帰還流路52に流入する。
【0050】
このようにサブタンクとヘッド1との間でインクを循環させることで、ヘッド1の流路内のエアの排出やインクの増粘防止が実現される。また、インクが沈降成分(沈降が生じ得る成分。顔料等)を含む場合、当該成分が攪拌されて沈降が防止される。
【0051】
なお、ノズル11にメニスカスを保持する観点等から、帰還流路52は、第2方向の長さが3mm、鉛直方向の長さ52Hが0.3mm程度が好ましく、鉛直流路53a,53bは、第2方向の長さが1.5mm、鉛直方向の長さが0.205mm程度が好ましく、個別流路16A,16B当たりの循環流量は、50nl/s程度が好ましい。
【0052】
以上に述べたように、本実施形態によれば、供給流路51、帰還流路52及び複数の圧力室12が、鉛直方向に互いに異なる位置にあり、かつ、鉛直方向に互いに重なっている(
図3参照)。これにより、ヘッド1が第2方向に大型化することを抑制しつつ、流路51,52の容積を大きくできる。しかも、本実施形態では、供給流路51が帰還流路52よりも上方に配置されているため、浮力の作用により、供給流路51から圧力室12内へのエアの侵入を抑制できる。
【0053】
帰還流路52の流路面積は、供給流路51の流路面積よりも小さい(
図3参照)。これにより、帰還流路52内の流速が大きくなり、帰還流路52を介したエアの排出を効率よく行える。
【0054】
鉛直方向において供給流路51と帰還流路52との間に、ダンパ室80が設けられている(
図3参照)。この場合、供給流路51及び帰還流路52に対して個別にダンパ室を設ける場合に比べ、構成が簡素化され、かつ、ヘッド1を鉛直方向に小型化できる。
【0055】
供給流路51の上面に供給口51xが形成され、帰還流路52における、供給流路51に対して第1方向に突出した部分の上面に、帰還口52xが形成されている(
図2参照)。この場合、供給流路51及び帰還流路52が鉛直方向に互いに重なる構成において、供給口51xに対するチューブの取り付け、及び、帰還口52xに対するチューブの取り付けを、上方から行うことができ、取付作業が容易である。
【0056】
供給流路51は、帰還流路52よりも、第2方向の長さが長く、かつ、鉛直方向の長さが短い(
図3参照)。この場合、供給流路51と帰還流路52との間の流路抵抗の差を低減でき、メニスカスを確実に保持できる。
【0057】
供給流路51と圧力室12とを連結する第1連結流路13が、鉛直方向において供給流路51と圧力室12との間に配置され、帰還流路52と圧力室12とを連結する第2連結流路14が、鉛直方向において帰還流路52と圧力室12との間に配置されている(
図3参照)。つまり、連結流路13,14が、圧力室12よりも上方に配置されている。この場合、浮力の作用により、第1連結流路13を介した圧力室12内へのエア侵入の抑制、及び、第2連結流路14を介した圧力室12からのエアの排出を、効率よく行える。
【0058】
個別流路16A,16Bにおいて、ノズル11は、圧力室12の直下に位置する(
図3参照)。圧力室12の上部でインクの流入及び流出が行われる構成のため、接続流路215の直下にノズル11があると、ノズル11近傍にまで循環のインクの流れが及ばす、ノズル11内のインク増粘防止効果を得難い。これに対し、本構成では、圧力室12の直下にノズル11があるため、圧力室内を通るインクの流れにより、ノズル11内のインク増粘防止効果が得られる。
【0059】
供給流路51及び帰還流路52は、第1個別流路16Aのみではなく第2個別流路16Bとも連通し、第1個別流路16A及び第2個別流路16Bに属する複数の圧力室12の上方に配置され、これら圧力室12と鉛直方向に重なっている(
図3参照)。この場合、第1個別流路16A及び第2個別流路16Bのそれぞれに対して供給流路51及び帰還流路52を設ける場合に比べ、流路構成が簡素化し、さらに、流路51,52の容積を大きくし易い。
【0060】
アクチュエータ基板30の上面に、保護基板40が配置されている(
図3参照)。この場合、保護基板40によりアクチュエータ30xを保護できる。
【0061】
保護基板40は、帰還流路52の下面を画定している(
図3参照)。この場合、帰還流路52の下面を画定するための部材を別途設ける場合に比べ、部品点数を削減できる。
【0062】
<第2実施形態>
続いて、
図5を参照し、本発明の第2実施形態に係るヘッド201について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0063】
ヘッド201は、流路基板210、アクチュエータ基板30、保護基板40及び筐体250を有する。
【0064】
流路基板210は、鉛直方向に積層された3枚のプレート210a~210cと、プレート210cの下面に接着された2枚のプレート210d及び1枚のプレート210eとで構成されている。プレート210a(本発明に係る「圧力室基板」)には、複数の圧力室12が形成されている。プレート210bは、プレート210aの下面に接着されている。プレート210cは、プレート210bの下面に接着されている。2枚のプレート210dは、第2方向において互いに離隔している。プレート210dは、他のプレート210a~210c,210eよりも厚みが小さく、ダンパ膜として機能する。プレート210eは、プレート210cの第2方向の中央であって、第2方向において2枚のプレート210dの間に配置されている。プレート210e(本発明に係る「ノズルプレート」)には、複数のノズル11が形成されている。
【0065】
第1個別流路216Aは、第1実施形態の第1個別流路16Aと同様、第1方向に1列に等間隔で配列されている。第2個別流路216Bは、第1実施形態の第2個別流路16Bと同様、複数の第1個別流路216Aと第2方向に並び、第1方向に1列に等間隔で配列されている。
【0066】
第1個別流路216Aに属する圧力室12が本発明に係る「第1圧力室」に該当し、第2個別流路216Bに属する圧力室12が本発明に係る「第2圧力室」に該当する。
【0067】
第1個別流路216Aに属するノズル11が本発明に係る「第1ノズル」に該当し、第2個別流路216Bに属するノズル11が本発明に係る「第2ノズル」に該当する。
【0068】
個別流路216A,216Bの構成は、第1実施形態の個別流路16A,16Bの構成と異なる。個別流路216A,216Bは、それぞれ、1つのノズル11と、1つの圧力室12と、1つの導入流路213と、1つの接続流路215と、1つの排出流路214とを含む。
【0069】
導入流路213は、圧力室12における第2方向の一端から、下方に延びている。導入流路213の下端が、個別流路216A,216Bの入口216xに該当する。
【0070】
接続流路215は、圧力室12における第2方向の他端から下方に延び、ノズル11と圧力室12とを接続している。
【0071】
排出流路214は、接続流路215の下端の側面から、第2方向に延びている。排出流路214の先端が、個別流路216A,216Bの出口216yに該当する。
【0072】
排出流路214は、プレート210eによって画定されており、鉛直方向においてノズル11と接する位置にある。排出流路214は、ノズル11との鉛直方向の距離(本実施形態では略ゼロ)が、アクチュエータ基板30との鉛直方向の距離よりも短い。
【0073】
第1個別流路216Aに属する排出流路214が本発明に係る「第1排出流路」に該当し、第2個別流路216Bに属する排出流路214が本発明に係る「第2排出流路」に該当する。
【0074】
個別流路216A,216Bに属する複数の導入流路213は、個別流路216A,216Bに属する複数の排出流路214に対し、第2方向の両側に配置されている。第2方向において、第1個別流路216Aに属する導入流路213と、第2個別流路216Bに属する導入流路213との間に、第1個別流路216Aに属する排出流路214と、第2個別流路216Bに属する排出流路214とが配置されている。
【0075】
第2方向において第1個別流路216Aに属する圧力室12と第2個別流路216Bに属する圧力室12との間に、中間流路254が配置されている。中間流路254は、帰還流路252(本発明に係る「第2共通流路」)の第2方向の中央から下方に延び、個別流路216A,216Bの排出流路214に連結している。
【0076】
中間流路254は、保護基板40に形成された貫通孔と、振動板31に形成された貫通孔と、プレート210a~210cに形成された貫通孔とで構成されている。中間流路254の鉛直方向の長さは、保護基板40、アクチュエータ基板30及びプレート210aからなる部分の鉛直方向の長さ以上である。
【0077】
中間流路254の下端、及び、排出流路214は、プレート210eにおける、第2方向において第1個別流路216Aに属するノズル11と第2個別流路216Bに属するノズル11との間の部分によって画定されている。
【0078】
中間流路254は、帰還流路252と同様、第1方向に延びている。中間流路254は、第1方向において帰還流路252と同じ長さを有する。
【0079】
中間流路254は、帰還流路252と、各個別流路216A,216Bの出口216yとを連結している。中間流路254における第2方向の一方の側面には、複数の第1個別流路216Aの出口216yが第1方向に並んでいる。中間流路254における第2方向の他方の側面には、複数の第2個別流路216Bの出口216yが第1方向に並んでいる。
【0080】
筐体250は、保護基板40の上面に接着されている。筐体250は、鉛直方向に積層された5枚のプレート250a~250eで構成されている。筐体250には、プレート250b~250eに形成された貫通孔により、供給流路251(本発明に係る「第1共通流路」)と、帰還流路252と、鉛直流路253a,253bとが形成されている。鉛直流路253a,253bは、プレート250c,250d,250eに形成された貫通孔と、保護基板40に形成された貫通孔と、振動板31に形成された貫通孔と、プレート210a~210cに形成された貫通孔とで構成されている。
【0081】
供給流路251及び帰還流路252は、個別流路216A,216Bよりも上方に配置され、ヘッド1に形成された全ての圧力室12と鉛直方向に重なっている。帰還流路252及び鉛直流路253a,253bは、供給流路251よりも下方において、供給流路251と鉛直方向に重なっている。
【0082】
供給流路251の鉛直方向の長さ251Hは、帰還流路252の鉛直方向の長さ252Hよりも短い。帰還流路252の流路面積(第1方向と直交する面積)は、供給流路251の流路面積よりも小さい。
【0083】
供給流路251及び帰還流路252は、それぞれ、第1方向に延びている。鉛直流路253a,253bは、供給流路251における第2方向の一端及び他端それぞれにおいて、第1方向に延びている。
【0084】
鉛直流路253a,253bの下端には、水平流路255a,255bが連結している。鉛直流路253aの下端における、第2方向の一方の側面から、水平流路255aが第2方向に延びている。鉛直流路253aの下端における、第2方向の他方の側面から、水平流路255bが第2方向に延びている。第2方向において鉛直流路253aと鉛直流路253bとの間に、水平流路255a,255bが配置されている。水平流路255a,255bは、第1方向に延びている。
【0085】
鉛直流路253a,253b及び水平流路255a,255bは、第1方向において供給流路51と同じ長さを有する。
【0086】
供給流路251は、鉛直流路253a,253b及び水平流路255a,255bを介して、ヘッド201に形成された全ての個別流路216A,216Bの入口216xに連通している。鉛直流路253a及び水平流路255aは、供給流路251における第2方向の一端と、複数の第1個別流路216Aの入口216xとを連結している。鉛直流路253b及び水平流路255bは、供給流路251における第2方向の他端と、複数の第2個別流路216Bの入口216xとを連結している。水平流路255a,255bの上面には、複数の入口216xが第1方向に並んでいる。供給流路251は、鉛直流路253a及び水平流路255aを介して複数の第1個別流路216Aの入口216xに連通し、鉛直流路253b及び水平流路255bを介して複数の第2個別流路216Bの入口216xに連通している。
【0087】
帰還流路252は、中間流路254の直上に配置され、中間流路254を介して、ヘッド201に形成された全ての個別流路216A,216Bの出口216yに連通している。帰還流路252の下面は保護基板40により画定されており、保護基板40の上面が帰還流路252の下面に該当する。
【0088】
供給流路251及び帰還流路252は、ヘッド201に形成された全ての圧力室12と、鉛直方向に全体的に重なっている。帰還流路252は、第1実施形態の帰還流路52(
図3参照)よりも第2方向に長い。供給流路251は、帰還流路252よりも第2方向の長さが長く、帰還流路252に対して第2方向の両側に突出している。
【0089】
循環ポンプ7p(
図4参照)の駆動により、供給口51x(
図2参照)から供給流路251に流入したインクは、鉛直流路253a及び水平流路255aを介して各個別流路216Aに分配され、鉛直流路253bを及び水平流路255b介して各個別流路216Bに分配される。各個別流路216A,216Bに分配されたインクは、導入流路213を通って圧力室12に入り、圧力室12内を第2方向に移動する。圧力室12の第2方向の他端に至ったインクは、接続流路215を通って下方に移動し、一部がノズル11から吐出され、残りは排出流路214を通って中間流路254に流入する。そしてインクは、中間流路254内を上方に移動して帰還流路252に流入し、帰還口52x(
図2参照)を通ってサブタンクに戻される。
【0090】
鉛直方向において供給流路251と帰還流路252との間に、ダンパ室280が設けられている。ダンパ室280は、供給流路251における鉛直流路253a,253bが連結する部分を除く全領域と鉛直方向に重なり、帰還流路252の全領域と鉛直方向に重なっている。また、図示は省略するが、ダンパ室280は、第1方向の両端において、大気と連通している。したがって、ダンパ室280の圧力は、大気圧と同じである。
【0091】
ダンパ室280は、供給流路251に接する第1ダンパ膜281と、帰還流路252に接する第2ダンパ膜282とで形成されている。プレート250cの下面に、ハーフエッチング等により、ダンパ室280を構成する窪みが形成されている。当該窪みの底部における、供給流路251と鉛直方向に重なる部分が、第1ダンパ膜281として機能する。プレート250dは、上記窪みを下方から覆うように、プレート250cの下面に接着されている。プレート250dにおける、上記窪みを覆う部分のうち、帰還流路252と鉛直方向に重なる部分が、第2ダンパ膜282として機能する。
【0092】
第1ダンパ膜281の第2方向の長さは、第2ダンパ膜282の第2方向の長さよりも長い。また、第1ダンパ膜281のヤング率は、第2ダンパ膜282のヤング率よりも高い。例えば、プレート250cは金属(SUS等)からなり、プレート250dは樹脂(ポリイミド等)からなる。
【0093】
供給流路251の上面を画定するプレート250aの厚みは、ダンパ膜281,282の厚みと略同じである。したがって、供給流路251は、上面及び下面の双方に、ダンパ膜が設けられている。
【0094】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成に基づく効果に加え、以下の効果が得られる。
【0095】
鉛直流路253a,253bは、本発明に係る「第1流路部」に該当し、供給流路251における圧力室12と鉛直方向に重ならない部分から、圧力室12よりも下方まで、鉛直方向に延びている。水平流路255a,255b及び導入流路213を含む部分は、本発明に係る「第2流路部」に該当し、圧力室12よりも下方に配置され、鉛直流路253a,253bに連通する一端と、圧力室12と鉛直方向に重なりかつ圧力室12に連通する他端とを有する。本実施形態によれば、鉛直流路253a,253bが圧力室12の側方において鉛直方向に延びることで、第1実施形態に比べ、供給流路251を第2方向に長く、供給流路251の容積を大きくできる。
【0096】
鉛直流路253a,253bは、筐体250及び流路基板210に形成された穴(具体的には、鉛直流路253a,253bは、プレート250c,250d,250eに形成された貫通孔と、保護基板40に形成された貫通孔と、振動板31に形成された貫通孔と、プレート210a~210cに形成された貫通孔)とで構成されている。水平流路255a,255bは、流路基板210の下端に形成された穴(具体的には、プレート210cに形成された貫通孔)で構成されている。この場合、鉛直流路253a,253bが圧力室12の側方において鉛直方向に延びる構成を、実効的に実現できる。
【0097】
第2方向において第1個別流路216Aに属する圧力室12と第2個別流路216Bに属する圧力室12との間に、中間流路254が配置されている。この場合、第2方向において第1個別流路216Aに属する圧力室12と第2個別流路216Bに属する圧力室12との間に、中間流路254の代わりに、帰還流路252が配置された場合に比べ、ヘッド201を第2方向に小型化できる。さらに、本実施形態では、接続流路215と中間流路254とが、排出流路214を介して連通している。この場合、後述の第3実施形態(圧力室12と中間流路354とが、排出流路314を介して連通した構成)に比べ、中間流路254が鉛直方向に長く、圧力室12よりも下方にあるノズル11近傍のインクを回収し易い。したがって、ノズル11近傍のインク増粘効果が高まる。
【0098】
また、本実施形態では、排出流路214が、個別流路216A,216Bを構成する。この場合において、中間流路254を省略し、排出流路214を帰還流路252まで延ばすと、排出流路214の長さが長くなり、排出流路214の流路抵抗が大きくなることで、循環流量を増大させ難くなる。これに対し、本構成では、中間流路254を設け、排出流路214を帰還流路252まで延ばさないことで、排出流路214の流路抵抗を小さくでき、循環流量を増大させ易い。
【0099】
中間流路254の鉛直方向の長さは、保護基板40、アクチュエータ基板30及びプレート210aからなる部分の鉛直方向の長さ以上である。この場合、中間流路254が鉛直方向に長く、ノズル11近傍のインクを回収し易い構成を、実効的に実現できる。
【0100】
排出流路214は、ノズル11との鉛直方向の距離が、アクチュエータ基板30との鉛直方向の距離よりも短い。この場合、排出流路214が鉛直方向においてノズル11に近く、ノズル11近傍のインクを回収し易い構成を、より実効的に実現できる。
【0101】
中間流路254及び排出流路214は、プレート210eにおける、第2方向において第1個別流路216Aに属するノズル11と第2個別流路216Bに属するノズル11との間の部分によって画定されている。この場合、中間流路254が鉛直方向に長く、かつ、排出流路214が鉛直方向においてノズル11に近い構成を、容易に実現できる。また、第1個別流路216Aに属するノズル11と第2個別流路216Bに属するノズル11とが、1枚のプレート210eに形成されており、2枚のプレートに個別に形成された場合に比べ、プレートの接着作業の回数が削減され、ヘッド201の製造が容易である。
【0102】
<第3実施形態>
続いて、
図6を参照し、本発明の第3実施形態に係るヘッド301について説明する。本実施形態は、第2実施形態と類似しており、第2実施形態と同じ構成要素については、第2実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0103】
個別流路216A,216Bにおいて、排出流路314は、圧力室12の上部の側面から、第2方向に延びている。排出流路314の先端が、個別流路216A,216Bの出口316yに該当する。
【0104】
第1個別流路216Aに属する排出流路314が本発明に係る「第1連通流路」に該当し、第2個別流路216Bに属する排出流路314が本発明に係る「第2連通流路」に該当する。
【0105】
第2方向において第1個別流路216Aに属する圧力室12と第2個別流路216Bに属する圧力室12との間に、中間流路354が配置されている。中間流路354は、帰還流路252の第2方向の中央から下方に延び、各個別流路216A,216Bの排出流路314に連結している。
【0106】
中間流路354は、保護基板40に形成された貫通孔と、振動板31に形成された貫通孔と、プレート210aの上面にハーフエッチング等で形成された凹部とで構成されている。中間流路254の鉛直方向の長さは、保護基板40及びアクチュエータ基板30からなる部分の鉛直方向の長さ以上である。
【0107】
中間流路354の鉛直方向の長さは、第2実施形態の中間流路254の鉛直方向の長さよりも短い。
【0108】
排出流路314は、プレート210aの上面にハーフエッチング等で形成された溝で構成されている。当該溝は、中間流路354の下端を構成する凹部に接続している。
【0109】
中間流路354は、帰還流路252と同様、第1方向に延びている。中間流路354は、第1方向において帰還流路252と同じ長さを有する。
【0110】
中間流路354は、帰還流路252と、各個別流路216A,216Bの出口316yとを連結している。中間流路354における第2方向の一方の側面には、複数の第1個別流路216Aの出口316yが第1方向に並んでいる。中間流路354における第2方向の他方の側面には、複数の第2個別流路216Bの出口316yが第1方向に並んでいる。
【0111】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第2実施形態と同様、第2方向において第1個別流路216Aに属する圧力室12と第2個別流路216Bに属する圧力室12との間に、中間流路354が配置されている。この場合、第2方向において第1個別流路216Aに属する圧力室12と第2個別流路216Bに属する圧力室12との間に、中間流路354の代わりに、帰還流路252が配置された場合に比べ、ヘッド301を第2方向に小型化できる。また、第2実施形態と同様、中間流路354を設け、排出流路314を帰還流路252まで延ばさないことで、排出流路314の流路抵抗を小さくでき、循環流量を増大させ易いという効果も得られる。さらに、排出流路314が個別流路216A,216Bを構成し、中間流路354を設け、排出流路314を帰還流路252まで延ばさないことで、第2実施形態と同様、排出流路314の流路抵抗を小さくできる。
【0112】
中間流路354は、プレート210aの上面に形成された凹部で構成され、排出流路314は、プレート210aの上面に形成されかつ上記凹部に接続する溝で構成されている。この場合、圧力室12の上面に滞留したエアを、排出流路314を介して効率よく排出できる。
【0113】
<第4実施形態>
続いて、
図7を参照し、本発明の第4実施形態に係るヘッド401について説明する。本実施形態は、第2実施形態と類似しており、第2実施形態と同じ構成要素については、第2実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0114】
ヘッド401は、流路基板210、アクチュエータ基板30、保護基板40及び筐体250に加え、IC収容部材450を有する。
【0115】
IC収容部材450は、保護基板40の上面、及び、筐体250の下面に接着されている。IC収容部材450には、鉛直流路253a,253bを構成する貫通孔と、中間流路254を構成する貫通孔と、ドライバIC1d(本発明に係る「駆動回路」)を収容する2つの凹部450xとが形成されている。2つの凹部450xは、保護基板40に形成された2つの凹部40xのそれぞれと鉛直方向に重なり、第1方向に延びている。
【0116】
各ドライバIC1dは、各個別流路216A,216Bの列に対応する共通電極32、及び、各個別流路216A,216Bに対応する個別電極34と、配線(図示略)を介して電気的に接続されている。ドライバIC1dは、IC収容部材450における凹部450xの底壁と、保護基板40との間に挟まれている。
【0117】
帰還流路252の下面はIC収容部材450により画定されており、IC収容部材450の上面が帰還流路252の下面に該当する。ドライバIC1dは、鉛直方向において帰還流路252と保護基板40との間に挟まれ、帰還流路252を画定する壁(IC収容部材450における凹部450xの底壁)に接触している。
【0118】
以上に述べたように、本実施形態によれば、ドライバIC1dは、帰還流路252を画定する壁に接触している。この場合、ドライバIC1dの熱が壁を介して帰還流路252内のインクに伝わることで、ドライバIC1dを冷却できる。
【0119】
本実施形態では、ドライバIC1dが、供給流路251を画定する壁ではなく、帰還流路252を画定する壁に接触している。ドライバIC1dが供給流路251を画定する壁に接触する場合、ドライバIC1dの熱によって供給流路251内のインクの温度が上昇し、当該インクが圧力室12に供給されることで、吐出のバラツキやインクのサテライトが生じ得る。本構成では、当該問題を抑制できる。
【0120】
<第5実施形態>
続いて、
図8を参照し、本発明の第5実施形態に係るヘッド501について説明する。本実施形態は、第4実施形態と類似しており、第4実施形態と同じ構成要素については、第4実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0121】
IC収容部材450に形成された2つの凹部450xには、ドライバIC1dに加え、伝熱部材550が収容されている。伝熱部材550は、ドライバIC1dの上面に配置され、帰還流路252を画定する壁(IC収容部材450における凹部450xの底壁)とドライバIC1dとに接触している。伝熱部材550は、弾性及び熱伝導性を有する部材であり、例えばシート、グリス等からなる。
【0122】
以上に述べたように、本実施形態によれば、伝熱部材550が、帰還流路252を画定する壁とドライバIC1dとに接触している。この場合、ドライバIC1dの熱が、伝熱部材550及び壁を介して帰還流路252内のインクに伝わることで、ドライバIC1dを冷却できる。
【0123】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0124】
例えば、上述の実施形態では、供給流路が「第1共通流路」に該当し、帰還流路が「第2共通流路」に該当するが、これに限定されず、帰還流路が「第1共通流路」に該当し、供給流路が「第2共通流路」に該当してもよい。第1共通流路が各個別流路の入口及び出口の一方に連通し、第2共通流路が各個別流路の入口及び出口の他方に連通すればよい。
【0125】
上述の実施形態では、供給流路が、各圧力室の全体と鉛直方向に重なっているが、これに限定されず、各圧力室の一部と鉛直方向に重なってもよい。つまり、第1共通流路及び第2共通流路は、それぞれ、各圧力室の全体と鉛直方向に重なることに限定されず、各圧力室の一部と鉛直方向に重なってもよい。
【0126】
第1ダンパ膜のヤング率が第2ダンパ膜のヤング率よりも高いという要件を実現するため、上述の実施形態ではダンパ膜の材料を異ならせているが、これに限定されず、ダンパ膜の厚みを異ならせてもよい。例えば、第1ダンパ膜の厚みを、第2ダンパ膜の厚みより大きくしてもよい。
【0127】
第1ダンパ膜のヤング率と、第2ダンパ膜のヤング率とが、互いに同じであってもよい。例えば、第1ダンパ膜及び第2ダンパ膜が、共に樹脂(ポリイミド等)からなってもよい。
【0128】
鉛直方向において第1共通流路と第2共通流路との間に、ダンパ室が設けられなくてよい。例えば、第1共通流路及び第2共通流路に対して個別にダンパ室が設けられてもよい。また、ダンパ室は、共通流路の上面や下面に設けられることに限定されず、共通流路の側面に設けられてもよい。共通流路に対してダンパ室やダンパ膜を設けなくてもよい。
【0129】
筐体は、複数のプレートで構成されることに限定されず、例えば樹脂からなる一体成形品で構成されてもよい。
【0130】
第1実施形態では、鉛直流路53a,53bが、第1方向に延びて複数の個別流路16A,16Bに連通するが、これに限定されず、連結流路13のそれぞれに対して設けられ、個別流路16A,16Bを構成してもよい。この場合、鉛直流路53a,53bの上端が個別流路16A,16Bの入口16xに該当する。
【0131】
第1実施形態では、連結流路13,14が、個別流路16A,16Bを構成するが、これに限定されず、鉛直流路53a,53bと同様に、第1方向に延びてもよい。この場合、圧力室12の上端において、連結流路13,14と連結する部分が、個別流路16A,16Bの入口16x及び出口16yに該当する。
【0132】
第2実施形態では、鉛直流路253a,253b及び水平流路255a,255bが、第1方向に延びて複数の個別流路216A,216Bに連通するが、これに限定されず、導入流路213のそれぞれに対して設けられ、個別流路216A,216Bを構成してもよい。この場合、鉛直流路253a,253bの上端が個別流路216A,216Bの入口216xに該当する。
【0133】
第2実施形態では、導入流路213が、個別流路216A,216Bを構成するが、これに限定されず、鉛直流路253a,253b及び水平流路255a,255bと同様に、第1方向に延びてもよい。この場合、圧力室12の下端において、導入流路213と連結する部分が、個別流路216A,216Bの入口216xに該当する。
【0134】
第2及び第3実施形態では、排出流路214,314が個別流路216A,216Bを構成するが、これに限定されず、中間流路254,354と同様に、第1方向に延びてもよい。この場合、第2実施形態では、接続流路215の側面において排出流路214と連結する部分が個別流路216A,216Bの出口216yに該当し、第3実施形態では、圧力室12の側面において排出流路314と連結する部分が個別流路216A,216Bの出口316yに該当する。
【0135】
第4及び第5実施形態では、ドライバIC1dの冷却効果を高める観点から、第2共通流路を画定する壁(IC収容部材450における凹部450xの底壁)を、熱伝導性の高い材料(例えば、SUS等の金属)で構成することが好ましい。
【0136】
第1個別流路及び第2個別流路のそれぞれに対して、第1共通流路及び第2共通流路を設けてもよい。つまり、上述の実施形態では、第1共通流路及び第2共通流路が、第1個別流路及び第2個別流路の双方に連通するが、これに限定されず、第1共通流路及び第2共通流路が、第1個別流路には連通するが、第2個別流路には連通せず、第2個別流路に連通する別の共通流路が別途設けられてもよい。この場合において、第1個別流路及び第2個別流路に対し、種類(色等)の異なる液体を供給してよい。
【0137】
本発明において、第2個別流路は必須ではなく、第1個別流路と、これに連通する第1共通流路及び第2共通流路とが設けられればよい。
【0138】
上述の実施形態(
図1)では、ヘッドユニット1xが4つのヘッド1を含むが、ヘッドユニット1xが含むヘッド1の数は任意であり、例えばヘッドユニット1xが6つの又は8つのヘッド1を含んでもよい。また、本発明が適用される装置は、複数のヘッドを含むヘッドユニットを有することに限定されず、1つのヘッドを有してもよい。
【0139】
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。また、本発明は、画像の記録以外の用途で使用される液体吐出装置(例えば、基板に導電性の液体を吐出して導電パターンを形成する液体吐出装置)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0140】
1;201;301;401;501 ヘッド
1d ドライバIC(駆動回路)
10;210 流路基板
10a;210a プレート(圧力室基板)
10b;210e プレート(ノズルプレート)
11 ノズル
12 圧力室
13 第1連結流路
14 第2連結流路
16A;216A 第1個別流路
16B;216B 第2個別流路
16x;216x 入口
16y;216y;316y 出口
30 アクチュエータ基板
30x アクチュエータ
40 保護基板
40x 凹部
50;250 筐体
51;251 供給流路(第1共通流路)
51x 供給口(第1開口)
52;252 帰還流路(第2共通流路)
52x 帰還口(第2開口)
80;280 ダンパ室
81;281 第1ダンパ膜
82;282 第2ダンパ膜
100 プリンタ
213 導入流路(第2流路部)
214 排出流路
215 接続流路
253a,253b 鉛直流路(第1流路部)
254;354 中間流路
255a,255b 水平流路(第2流路部)
314 排出流路(連通流路)
550 伝熱部材