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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】コークス収縮率の測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 57/00 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
C10B57/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019076287
(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2020172605
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】松尾 翔平
(72)【発明者】
【氏名】窪田 征弘
(72)【発明者】
【氏名】愛澤 禎典
(72)【発明者】
【氏名】上坊 和弥
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-101143(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0248140(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を備えた炉体と、
炉内に配置され、石炭からなる試料を載置するための底板と、
炉内に載置された試料を炉外から撮像するためのカメラと、
前記炉体の上方に向かって延びる第1のロッドが上部に設けられるとともに、前記底板に密着する下降位置と、前記底板よりも上方の上昇位置との間で昇降可能な有天筒状の試料容器と、
前記下降位置に位置する前記試料容器が前記上昇位置に向かって上動することを抑制する上動抑制状態と、前記下降位置に位置する前記試料容器が前記上昇位置に向かって上動することが可能な上動可能状態との間で切り替え可能な上動抑制調整機構と、
を有することを特徴とするコークス収縮率の測定装置。
【請求項2】
前記炉体は、前記底板が配置される乾留部と、前記乾留部から前記カメラに向かって延びる撮影通路部とを含む反応容器を有することを特徴とする請求項1に記載のコークス収縮率の測定装置。
【請求項3】
前記第1のロッドは、前記試料容器の昇降用のロッドであり、
前記第1のロッドと独立して昇降可能な試料押さえ用の第2のロッドが設けられており、
前記第2のロッドは、前記試料容器の上部を貫通して前記試料容器の内部に向かって延びるとともに、下端部には押さえ板が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコークス収縮率の測定装置。
【請求項4】
前記底板には、前記下降位置に位置する前記試料容器の下部外周を覆う囲い堰が設置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のコークス収縮率の測定装置。
【請求項5】
前記上動抑制調整機構は、前記第1のロッドを挟圧する挟圧位置と前記第1のロッドを挟圧しない非挟圧位置との間で切り替え可能な固定具と、前記固定具に取り付けられるバネとを含み、
前記上動抑制状態において、前記固定具は前記挟圧位置に設定されており、かつ、前記バネは前記固定具及び前記第1のロッドを介して前記試料容器を前記底板に向かって押圧する方向に付勢していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のコークス収縮率の測定装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のコークス収縮率の測定装置を用いてコークスの収縮率を測定する方法であって、
前記上動抑制調整機構を前記上動抑制状態に設定した状態で、前記発熱体を作動させる第1ステップと、
前記試料の温度が再固化温度以上の所定温度に到達したときに、前記上動抑制調整機構を前記上動可能状態に切り替えるとともに、前記試料容器を前記上昇位置に退避させる第2ステップと、
前記カメラによって前記底板に載置された前記試料を撮像して、前記試料の試料長さを取得する第3ステップと、
前記試料容器の内寸と前記第3ステップで取得した前記試料長さとに基づき、コークスの収縮率を算出する第4ステップと、
を有することを特徴とするコークス収縮率の測定方法。
【請求項7】
前記第4ステップにおいて、式(1)を用いて、コークスの収縮率を算出することを特徴とする請求項6に記載のコークス収縮率の測定方法。

【請求項8】
前記第4ステップにおいて、式(2)を用いて、コークスの収縮率を算出することを特徴とする請求項6に記載のコークス収縮率の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークスの収縮率を測定する測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉用コークスの製造においては、配合する炭種とその配合率が常に一定に保たれるわけではなく、種々の要因に基づいて配合炭種や配合率の変更が行われる。配合炭を変更する際にも、目標とするコークス粒径を常に維持することが要請されている。したがって、配合炭の変更に際しては、変更後において目標コークス粒径を確保できるよう、コークス粒径を正確に推定することが必要であり、推定したコークス粒径が目標コークス粒径に一致するように石炭の配合を設計することが重要である。
【0003】
コークスの粒径を推定する手法として、石炭が再固化した後の乾留過程におけるコークスの収縮率(以下、「コークスの収縮率」或いは単に「収縮率」と称する)をもとにしてコークスの粒径を推定する手法が広く知られている。
【0004】
一般的に、高炉用コークスの製造に用いられる原料炭は、400℃前後で軟化溶融して、膨張し、500℃前後で再固化する。再固化した石炭は、熱分解により収縮して、緻密なコークスとなる。この過程でのコークスの収縮により生成する亀裂がコークス粒径に大きく影響するため、コークスの収縮率を測定することは、コークスの製造において重要な課題である。
【0005】
ここで、コークスの収縮率の測定は、再固化温度到達時の石炭長さと、収縮後のコークス長さとの比率から算出されるため、再固化温度到達時の石炭長さの測定精度が低下すると、コークスの収縮率を正確に測定することができない。
【0006】
コークスの収縮率を測定する方法として、特許文献1には、X線CTを用いて乾留中のコークスの形状を画像データとして取得し、形状の変化から収縮量を測定する手法が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、外部細管と表面に多数の孔が形成された内部細管との二重構造からなる容器と、内部細管に充填された石炭の上端に接するピストンとを備え、再固化温度と温度Tにおける石炭長さの差をピストンの位置から求めることによって収縮率を測定する方法、つまり、高温ディラトメータ(以下、高温DMと称する)によってコークスの収縮率を測定する測定方法が記載されている。
【0008】
特許文献3には、測定対象はコークスではないが、収縮率を測定する方法として、コンパレータ等を用いて、加熱炉内の耐火物材料試料の長さ変化を、炉外からのぞき穴を通じて計測する試験方法であって、非接触式のリニアイメージセンサーを用いて、耐火物材料の試料の長さ変化を自動で測定する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2016-183311号公報
【文献】特開2005-232349号公報
【文献】特開平6-167468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1では、X線CTを用いているため、その分解能は通常のカメラと比較して低いことから、精度よく測定するにはサンプルサイズを比較的大きく設定する必要があり(特許文献1では、幅48 mm×長さ48 mm×高さ150 mm)、試料内に温度勾配が形成されると考えられる。試料内に温度分布が形成された場合、収縮量が試料内で一様ではないために、測定される収縮率は平均化された見かけの収縮率となり、測定精度が悪くなると考えられる。また、試料内において温度勾配が形成された場合には、試料の変形や亀裂が形成され、収縮率の測定に影響を及ぼす可能性がある。
【0011】
これに対し、特許文献2の高温DMを用いる方法では、試料が少量のため、昇温時の試料に温度勾配はほとんど形成されない。しかし、温度と石炭長さとの関係を規定するグラフから、石炭長さの変動挙動が大きく変わる温度を目視により判別して、この温度を再固化温度として特定する必要があるため、測定者によって再固化温度が異なる可能性があるといった課題があった。さらに、石炭種によっては石炭長さの変動挙動がそれほど大きくなく、再固化温度が明瞭でない場合があるため、正確な再固化温度を特定することができなかった。また、対象とする試料が膨張率の高い石炭である場合には、膨張した石炭がピストンに固着して、コークスの収縮率を測定することができない場合があり、恒常的に安定して測定することができなかった。
【0012】
そこで、本発明者等は、昇温時の試料に温度勾配がほとんど形成されることなく、高温DMの課題(再固化温度の判別困難、石炭の固着)を解決するために、無機材料を対象とした特許文献3の測定方法をコークスの収縮率測定に用いることを検討した。具体的には、膨張率の高い石炭を加熱炉で加熱して、コークス長さの変位量をイメージセンサで測定する試験を行った。しかしながら、石炭が軟化・膨張したときに、イメージセンサによる撮像エリアから石炭が漏れ出てしまい、コークス長さの変位量を測定することができなかった。
【0013】
本願発明は、再固化後のコークスの収縮率をより正確に測定することを目的とする。また、測定装置に石炭が固着することを防止して、コークスの収縮率測定を安定化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者等は、石炭が撮像エリアから漏れ出すという課題を解決するために、容器内の閉塞した空間で石炭からなる試料を加熱することにより、容器の内寸に沿った形状に試料の形状を律すること、および再固化温度に到達した後は、コークスの長さを測定するために、容器をコークスから退避させて試料を撮像することで、コークスの収縮率を正確に測定できるという知見に基づき、本発明を完成させた。
【0015】
本願発明に係るコークス収縮率の測定装置は、(1)発熱体を備えた炉体と、炉内に配置され、石炭からなる試料を載置するための底板と、炉内に載置された試料を炉外から撮像するためのカメラと、前記炉体の上方に向かって延びる第1のロッドが上部に設けられるとともに、前記底板に密着する下降位置と、前記底板よりも上方の上昇位置との間で昇降可能な有天筒状の試料容器と、前記下降位置に位置する前記試料容器が前記上昇位置に向かって上動することを抑制する上動抑制状態と、前記下降位置に位置する前記試料容器が前記上昇位置に向かって上動することが可能な上動可能状態との間で切り替え可能な上動抑制調整機構と、を有することを特徴とするコークス収縮率の測定装置。
【0016】
(2)前記炉体は、前記底板が配置される乾留部と、前記乾留部から前記カメラに向かって延びる撮影通路部とを含む反応容器を有することを特徴とする上記(1)に記載のコークス収縮率の測定装置。
【0017】
(3)前記第1のロッドは、前記試料容器の昇降用のロッドであり、前記第1のロッドと独立して昇降可能な試料押さえ用の第2のロッドが設けられており、前記第2のロッドは、前記試料容器の上部を貫通して前記試料容器の内部に向かって延びるとともに、下端部には押さえ板が設けられていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のコークス収縮率の測定装置。
【0018】
(4)前記底板には、前記下降位置に位置する前記試料容器の下部外周を覆う囲い堰が設置されていることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のコークス収縮率の測定装置。
【0019】
(5)前記上動抑制調整機構は、前記第1のロッドを挟圧する挟圧位置と前記第1のロッドを挟圧しない非挟圧位置との間で切り替え可能な固定具と、前記固定具に取り付けられるバネとを含み、前記上動抑制状態において、前記固定具は前記挟圧位置に設定されており、かつ、前記バネは前記固定具及び前記第1のロッドを介して前記試料容器を前記底板に向かって押圧する方向に付勢していることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載のコークス収縮率の測定装置。
【0020】
(6)上記(1)又は(2)に記載のコークス収縮率の測定装置を用いてコークスの収縮率を測定する方法であって、前記上動抑制調整機構を前記上動抑制状態に設定した状態で、前記発熱体を作動させる第1ステップと、前記試料の温度が再固化温度以上の所定温度に到達したときに、前記上動抑制調整機構を前記上動可能状態に切り替えるとともに、前記試料容器を前記上昇位置に退避させる第2ステップと、前記カメラによって前記底板に載置された前記試料を撮像して、前記試料の試料長さを取得する第3ステップと、前記試料容器の内寸と前記第3ステップで取得した前記試料長さとに基づき、コークスの収縮率を算出する第4ステップと、を有することを特徴とするコークス収縮率の測定方法。
【0021】
(7)前記第4ステップにおいて、式(1)を用いて、コークスの収縮率を算出することを特徴とする上記(6)に記載のコークス収縮率の測定方法。
【0022】
(8)前記第4ステップにおいて、式(2)を用いて、コークスの収縮率を算出することを特徴とする上記(6)に記載のコークス収縮率の測定方法。

・・・式(2)
【0023】
(9)前記第2ステップにおいて、試料の上部を押さえ板で押さえながら、前記試料容器を前記上昇位置に退避させることを特徴とする上記(6)乃至(8)のいずれか一つに記載のコークス収縮率の測定方法。
【0024】
(10)前記押さえ板と試料との間にシート状部材を介在させた状態で、前記第2ステップを行うことを特徴とする上記(9)に記載のコークス収縮率の測定方法。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、昇温時の試料に温度勾配がほとんど形成されることがなく、再固化温度を正確に測定しづらい試料でも、コークス収縮率を正確に測定できる。また、試料が膨張率の高い石炭であっても、測定装置に固着することがないため、安定して測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】コークスの収縮率測定装置の概略図である。
図2】測定装置を簡略化して図示した模式図である(再固化温度到達前)。
図3】測定装置を簡略化して図示した模式図である(中空ロッド引き上げ時)。
図4】測定装置を簡略化して図示した模式図である(内部ロッド引き上げ時)。
図5】収縮率と石炭の揮発分(VM)との関係を示している(試料容器の熱膨張を考慮しない)。
図6】収縮率と石炭の揮発分(VM)との関係を示している(試料容器の熱膨張を考慮する)。
図7】実施例2の実験結果である。
図8】収縮率と試料温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面を参照しながら、本発明に係るコークス収縮率の測定装置(以下、測定装置と略す)の一実施形態について説明する。図1は、測定装置の概略図である。測定装置100は、炉体10と、反応容器20と、枠体30と、試料容器の昇降用ロッドである中空ロッド40(第1のロッドに相当する)と、試料押さえ用ロッドである内部ロッド50(第2のロッドに相当する)と、シート60と、試料容器70と、囲い堰80と、カメラ90と、光源91とを備えており、机200に支持されている。測定装置100は、石炭からなる試料Cを加熱して、加熱後の収縮率を算出するために用いられる。
【0028】
炉体10は、発熱体10aを有しており、炉体10の内部には反応容器20が収められている。反応容器20の内部で試料Cを乾留することにより、乾留時に試料Cから発生したタール等が炉体10に付着することを防止できる。反応容器20は、試料容器70が収容される乾留部21と、乾留部21からカメラ90及び光源91に向かって水平方向に延びる撮影通路部22とを有しており、撮影通路部22の両端部には窓22aが設けられている。窓22aは、光を透過させる光透過性部材によって構成されており、例えば透明ガラスなどを用いることができる。
【0029】
乾留部21には、撮影通路部22を臨む位置に試料容器70を載置するための底板21aが設けられており、乾留部21の上端開口は、炉体10の上端から突出するとともに、容器蓋21bによって閉塞されている。つまり、反応容器20は、容器蓋21b及び窓22aによって開口が閉じられた密閉構造となっており、外部から空気が流入しないようになっている。上述の構成によれば、試料Cを無酸素状態で加熱できるため、酸素によって試料Cが燃焼することを防止できる。
【0030】
ただし、反応容器20は、省略することもできる。この場合、炉内に直接底板21aを設置するとともに、底板21aの上で加熱された試料Cを炉外から撮像するための窓を炉体10の外壁に取り付ける必要がある。
【0031】
撮影通路部22には、ガス導入管23が延出しており、このガス導入管23を介して反応容器20の内部に非酸化性ガス(例えば、窒素ガス)が吹き込まれる。これにより、非酸化性ガス雰囲気下で試料Cを乾留することができる。乾留部21には、容器蓋21bを貫通して炉外に延びるガス排出管24が延出しており、このガス排出管24を介して非酸化性ガスや乾留中に試料Cから発生したガスを炉外に排出することができる。
【0032】
上述の構成によれば、試料容器70と窓22aとの間に非酸化性ガスが流れるフローを形成することができるため、乾留中に試料Cから発生したタール等が窓22aに付着することを抑制できる。
【0033】
枠体30は、上下方向に延びており、枠体30の下端部には、容器蓋21bに接する枠体フランジ部30aが設けられている。容器蓋21b及び枠体フランジ部30aは、互いに締結部材30bによって連結されている。なお、図1では、枠体30の中間部を省略して図示する。
【0034】
中空ロッド40は、枠体30の内部に昇降移動可能に収められており、中空ロッド40の下端部は、容器蓋21b及び枠体フランジ部30aを貫通して、反応容器20(乾留部21)の内部に延出している。試料容器70は、有天筒状に形成されており、上部である天面には中空ロッド40の下端部が連設されている。
【0035】
中空ロッド40を昇降移動させることにより、試料容器70を底板21aに密着する下降位置と、底板21aよりも上方の上昇位置との間で動作させることができる。なお、図1は、試料容器70が下降位置に位置する状態を示している。また、後述する図3は、試料容器70が上昇位置に位置する状態を示している。
【0036】
試料容器70の形状は特に限定しないが、例えば、平面視楕円状に形成することができる。試料内の温度勾配が生じない範囲内であれば、試料容器70の寸法を大きくするほど、生成されるコークスのサイズも大きくなるため、測定精度を向上させることができる。試料容器70の内寸の最大値は、好ましくは、30mmである。30mmを超えると、試料内で温度勾配が生じる可能性があり、さらに、石炭の性状により乾留された試料Cの内部に亀裂が生成されるおそれもある。試料容器70は、乾留中に膨張する試料Cの膨張圧に耐え得る材料で構成されていればよく、例えば、煉瓦等の耐火物、ステンレス鋼板等の金属を用いることができる。
【0037】
試料容器70には、測定対象である試料Cを充填することができる。石炭の充填嵩密度は、特に限定しないが、例えば、実コークス炉を模擬して0.7~0.8g/cmに設定することができる。ただし、石炭の充填嵩密度を高めて(例えば、1g/cm超)、成形炭の収縮率を求めることもできる。石炭の充填嵩密度は、例えば、充填される石炭の含水量を調整することにより、変更することができる。
【0038】
ここで、試料Cを乾留すると、試料Cの膨張圧によって試料容器70に押し上げ力が働く。試料容器70が押し上げられると、底板21aと試料容器70との間に形成された隙間から、試料Cが漏れ出すおそれがあり、試料の形状を試料容器70の内寸に沿った形状に律することができなくなる。そこで、本実施形態の測定装置100には、乾留中に試料容器70が底板21aから浮き上がることを抑制するために、バネ31及び固定具32を含む上動抑制調整機構が実装されている。
【0039】
バネ31は、枠体30の内側に配設されており、中空ロッド40の外周面に巻き付けられている。バネ31の上端は枠体30に固定されており、バネ31の下端は固定具32に取り付けられている。固定具32には、例えば、リング状のセットカラーを用いることができる。固定具32は、枠体30の内側に配設されており、中空ロッド40の外周面に挿入されている。固定具32には、図示しないスリット締付部が設けられており、このスリット締付部を回動させることにより、固定具32の内径寸法を調節することができる。スリット締付部を締付方向に回動することにより、固定具32を中空ロッド40に圧接させることができる(上動抑制状態に相当する)。スリット締付部を締付方向とは反対方向に回動することにより、固定具32を中空ロッド40の外周面から離間させることができる(上動可能状態に相当する)。
【0040】
上述の構成において、バネ31を縮み方向にチャージした状態で固定具32を締め付けると、バネ31のバネ力によって試料容器70を底板21aに圧接させることができる。したがって、試料Cの膨張圧によって試料容器70に上向きの圧力が働いたときに、バネ31の反力によって試料容器70を底板21aに向かって押し戻すことができる。これにより、試料Cの軟化・膨張時に試料容器70が浮き上がり、試料容器70から試料Cが漏れ出すことを防止できる。その結果、再固化時における試料Cの形状を、試料容器70の内寸に沿った形状に律することができる。
【0041】
ただし、上動抑制調整機構は、上述の構成に限定するものではなく、試料Cの軟化・膨張時に試料容器70の浮き上がりを防止できる他の機構であってもよい。他の機構として、例えば、枠体30及び中空ロッド40を径方向に貫通するネジ部材を螺合させることにより、試料容器70の浮き上がりを防止してもよい。この場合、枠体30に螺合したネジ部材によって中空ロッド40の移動が規制されるため、試料Cの軟化・膨張時に上向きの圧力が試料容器70に働いても、試料容器70が底板21aから浮き上がることはない。
【0042】
内部ロッド50は、中空ロッド40の内部に収められており、容器蓋21b及び枠体フランジ部30aを貫通して、反応容器20(乾留部21)の内部に延出している。内部ロッド50は、中空ロッド40から独立して昇降移動させることができる。内部ロッド50の上端部は固定具51によって枠体30に固定されており、この固定具51には、固定具32と同様にリング状のセットカラーを用いることができる。セットカラーの詳細については、上述したので説明を繰り返さない。
【0043】
内部ロッド50の下端部には、平板状の押さえ板52が設けられており、この押さえ板52は試料容器70の上部に沿って延在している。シート60は、試料容器70に充填された試料Cと押さえ板52との間に配設されている。シート60には、例えば、和紙、濾紙等の薄いシート状部材や工作紙等の比較的厚いシート状部材を用いることができる。試料Cと押さえ板52との間にシート60を配設することにより、膨張した試料Cが押さえ板52に固着することを防止できる。
【0044】
囲い堰80は、リング状に形成されており、試料容器70の下端部の外周面に接触した状態で底板21aの上に載置されている。つまり、囲い堰80は、試料容器70の下端部を包囲する位置に配設されている。囲い堰80が設けられることにより、試料容器70と底板21aとの隙間から膨張した試料Cが漏れ出すことを、より効果的に防止できる。ただし、上述したように、上動抑制調整機構によって、試料容器70と底板21aとの間の隙間の形成が充分に抑制されている場合は、囲い堰80は省略してもよい。
【0045】
カメラ90は、図中右側の窓22aに対向する位置に配置されており、光源91は、図中左側の窓22aに対向する位置に配置されている。カメラ90は、窓22a及び撮影通路部22を介して、底板21aに載置された試料Cを撮像することができる。光源91は、窓22aを介して、反応容器20の内部を撮影に適した明るさに照明する。ただし、カメラ90が赤外線を照射する暗視カメラである場合には、光源91を省略してもよい。また、光源91は、図中右側の窓22aに対向する位置に配置してもよい。この場合、例えば、光源91の機能をカメラ90に実装してもよい。
【0046】
次に、図1乃至図4を参照しながら、測定装置100を用いたコークスの収縮率の測定方法について詳細に説明する。図2乃至図4は、測定装置を簡略化して図示する模式図であり、図2は試料Cが再固化温度に達する前の状態を示しており、図3は再固化温度到達後に中空ロッド40を引き上げた状態を示しており、図4は内部ロッド50を引き上げた状態を示している。
【0047】
初期状態において、固定具32,51は締付状態にあるものとする。図1及び図2を参照して、ガス導入管23から反応容器20の内部に窒素ガスを吹き込みながら、炉体10の発熱体10aを作動させる。発熱体10aを発熱させると、反応容器20及び試料容器70が加熱され、試料容器70に充填された試料Cの乾留が開始される。試料Cが石炭の軟化溶融温度に到達すると、試料Cが膨張することにより試料容器70の内圧が高まる。
【0048】
ここで、試料容器70は、上動しないように上動抑制調整機構によって底板21aに適切に押さえ付けられているため、試料Cは試料容器70の内面に沿った形状に膨張する。つまり、試料容器70の断面が楕円状に形成されている場合には、楕円柱状の試料Cが形成される。試料Cは、試料容器70の内寸を超えて膨張することはないため、カメラ90の撮影エリアから石炭が漏れ出すことはない。
【0049】
図1及び図3を参照して、試料Cの温度が再固化温度以上の所定温度に到達すると、固定具32を緩めて、中空ロッド40を上動させ、試料容器70を底板21aの上側に移動させる。この際、膨張した試料Cは試料容器70の内面に圧接しているため、試料容器70とともに上動するおそれがある。しかしながら、本実施形態では、固定具51によって内部ロッド50が昇降しない様に固定され、押さえ板52によって試料Cが押さえられているため、試料容器70のみが底板21aから退避する。このように、本実施形態の構成によれば、試料Cが試料容器70とともに退避することを防止できるため、カメラ90の撮影エリア内に設置された底板21aの上に試料Cを留めておくことができる。したがって、膨張率の高い石炭であっても、収縮率を測定することができる。つまり、従来手法のように、装置に石炭が固着して、収縮率の測定が不能となることを防止できる。なお、石炭の膨張率が比較的小さい場合には、試料容器70と試料Cとの間に働く摩擦力が小さいため、中空ロッド40及び押さえ板52を省略することができる。
【0050】
ここで、再固化温度以上の所定温度は、試料Cの再固化温度以上の適宜の温度に設定することができる。本実施形態では、試料容器70の内寸を基準としてコークスの収縮率を算出するため、再固化温度を厳密に特定して、再固化温度に到達した直後に試料容器70を引き上げる必要はない。試料容器70を引き上げるタイミングは、把握したい収縮挙動に応じて適宜変更することができる。例えば、再固化温度到達後に石炭が大きく収縮する石炭の一次収縮挙動を把握したい場合には、再固化温度に到達してから比較的早いタイミングで試料容器70を引き上げることが望ましい。試料容器70を引き上げるタイミングは特に限定されないが、再固化温度に到達した時点から、再固化温度よりも20℃高い温度に到達するまでの期間に引き上げることが例示される。一方、一次収縮後に石炭が比較的緩やかに収縮する石炭の二次収縮挙動を把握したい場合には、再固化温度に到達した時点から、二次収縮開始(例えば、700℃程度)前までの期間に試料容器70を引き上げればよい。再固化温度は、例えば、予め石炭の銘柄ごとに石炭の膨張性や溶融性を測定するために一般的に用いられる、ギーセラプラストメーターを用いて測定(JIS-M8801を参照)しておくことができる。なお、乾留中の試料Cの温度は、底板21aより熱電対を装入することで測定することができる。この場合、底板21aには測温用の孔が設けられる。ちなみに、同一の加熱条件で試験を繰り返すケースでは、昇温中の炉温と試料の温度との差が一定であることが確認できる場合がある。この場合、熱電対を用いず、昇温中の炉温をもとに、試料の温度を推算してもよい。
【0051】
図1及び図4を参照して、試料容器70を底板21aから退避させた後、固定具51による内部ロッド50の固定を解除して、内部ロッド50を上動させることにより、押さえ板52をカメラ90の撮像エリアから退避させる。本実施形態では、押さえ板52と試料Cとの間にシート60を介在させているため、押さえ板52に試料Cが固着することを防止できる。これにより、カメラ90の撮影エリア内に設置された底板21aの上に試料Cを留めておくことができる。
【0052】
押さえ板52をカメラ90の撮影エリアから退避させた後、光源91を発光させながら、カメラ90を作動させて試料Cを連続的に撮像する。これにより、時々刻々と収縮する試料Cのサイズ情報を連続的に取得することができる。最後に、撮影画像を解析して、撮像された試料長さに基づき、コークスの収縮率を以下の式(1)にしたがって算出する。
ここで、試料容器70の短軸方向と、カメラ90及び光源91の向き合う方向とが一致する向きに試料容器70を設置した場合には、試料C及び試料容器70それぞれの長軸方向における寸法が「撮像された試料長さ」となる。また、試料容器70の内寸は、常温での数値とする。
【0053】
ただし、測定精度を確保するために、試料容器70の熱膨張による内寸の変化を考慮する場合には、式(1)を補正した式(2)にしたがって、収縮率を算出してもよい。ここで、試料容器70の熱膨張割合は、石炭試料の再固化温度での値を用いる。
・・・式(2)
【0054】
なお、試料容器70からの試料の漏れ出し抑制については、昇温速度、ばね力及び底板21a上の囲い堰80の有無が影響を及ぼすことを知見した。具体的に、複数の試料Cをサンプルとして、図1の測定装置を用いて乾留し、試料漏れの有無について確認した。表1に試験条件を示す。試料Cには、膨張率の高い強粘結炭(JIS M 8801の膨張性試験により測定される全膨張率:180%)を使用し、石炭粒度は3mm以下100%に設定した。石炭が試料容器70に完全に固着することを抑制するために、試料容器70内の側面および天面に、カーボンの粉末を塗布するとともに、試料容器内の側面,天面と試料Cとの間に紙を介在させた。試料容器には断面が楕円状の筒状容器を用い、寸法は、長軸が30mm、短軸が20mm、高さ13.5mmであった。予め、石炭の再固化温度を、ギーセラプラストメーターを用いて測定しておき、試料容器70の温度が再固化温度に到達した後、再固化温度よりも10℃高い温度になるまでに、試料容器70を底板21aから退避させた。
【0055】
Case1では、実コークス炉の昇温速度である3.0℃/分よりも少し高い3.7℃/分で昇温し、ばねの力を22.5Nとして、囲い堰80を用いなかったところ、試料容器70が試料Cの膨張を拘束できず、試料容器70及び底板21aの隙間から殆どの試料Cが漏れ出した。Case2では、昇温速度を4.2℃/分とさらに高くし、ばねの力を88.2Nと強めるとともに、囲い堰80を用いたところ、僅かに試料Cの漏れ出しが確認されたものの、Case1と比較して漏れ出しが大幅に減少した。また、乾留された試料Cの形状を観察したところ、試料容器70の形状に沿った形状は維持できていた。Case3では、昇温速度を1.1℃/分と低くして、ばねの力は88.2Nで、囲い堰80も用いたところ、試料Cの漏れ出しはまったく確認されなかった。さらに、試料容器70を底板21aから退避させた後の試料の形状は、試料容器70の寸法条件を満足していることを確認した。以上より、膨張率の高い強粘結炭であっても、バネ力を適切に設定したり、囲い堰80を設けることにより、石炭の膨張を拘束でき、さらに再固化温度に到達した以降に、試料容器70を底板21aから退避させることにより、試料容器70の内面に沿った所定寸法の小片セミコークスを底板21a上に残すことができることを確認した。なお、昇温速度については、実コークス炉を模擬して、例えば3℃/分とすることが好ましいものの、上記の通り、昇温速度が低い方が、より確実に試料の漏れを抑制できるため、例えば1℃/分としても良い。しかし、昇温速度が低すぎると、石炭の軟化溶融性が著しく悪化しコークス化が十分でなくなることから、昇温速度の下限は0.5℃/分が好ましい。
以上の通り、使用する石炭試料の膨張性や昇温速度に対応して、試料漏れが抑制できるように、ばねの力や囲い堰80の有無を設定すれば良い。
【表1】
【実施例
【0056】
以下、実施例を示して、本発明についてより具体的に説明する。
(実施例1)
図1の測定装置(以下、単に「実施例」と称する場合がある)及び高温DMを用いて試料Cを乾留し、収縮率を測定した後、比較した。試料Cには、膨張率が比較的小さい4種類の石炭を使用した。具体的には、JIS M 8801の膨張性試験により測定される全膨張率が50.5%,44.7%,38.0%および1.5%の石炭を使用した。なお今回は、高温DMで測定しても、再固化温度の判別が比較的容易であり、かつ棚吊り現象を生じない石炭を選定しているため、これらの石炭の再固化温度および収縮率は、正確に算出することが可能である。このため、高温DMを基準測定法として測定を行った。一方、図1の測定装置を用いた実施例では、試料容器にSUS310Sを使用した。また、バネ31による試料容器の押圧力を88.2Nに設定するとともに、石炭が軟化溶融する温度域における昇温速度を1℃/分に設定して、乾留した。実コークス炉における操業条件を想定して、装入する石炭の石炭粒度を3mm以下100%、嵩密度を0.80dry-g/mに設定した。
【0057】
それぞれの石炭の再固化温度に達した時に試料容器を底板から退避させ、550℃まで昇温した後、試料を冷却した。試料の冷却後にセミコークスの寸法を測定することにより、室温から550℃までの収縮率を式(1)及び式(2)の双方を用いて算出し、それぞれの結果を比較した。なお、石炭の再固化温度は、予め高温DMにより測定した値を用いた。
【0058】
図5及び図6は、上記の4種類の石炭を用いた場合の550℃までの収縮率と石炭の揮発分(VM)との関係を示しており、図5の実施例Aでは、式(1)にしたがって膨張率(試料容器の熱膨張を考慮せずに算出した膨張率)を算出し、図6の実施例Bでは、式(2)にしたがって膨張率(試料容器の熱膨張を考慮して算出した膨張率)を算出した。また、実施例A、Bの方法によって測定した収縮率を〇で示し、基準測定法である高温DMによって測定した収縮率を□で示した。
【0059】
図5を参照して、試料容器の熱膨張を考慮しない「実施例A(補正無)」は、基準測定法よりも収縮率が全体的に小さくなった。図5及び図6を比較参照して、試料容器の熱膨張を考慮した「実施例B(補正有)」は、試料容器の熱膨張を考慮しない「実施例A(補正無)」よりも全体的に収縮率が高くなり、かつ、高温DMを用いた基準測定法により求めた収縮率の値に接近することがわかった。
【0060】
金属(SUS310S)製の試料容器は、石炭の再固化温度である450~490℃に到達するまでに0.76~0.83%膨張し、また再固化温度に到達する前の石炭は膨張することから、再固化が開始する温度における試料Cの寸法が試料容器の設計上の内寸と比較してやや大きくなり、収縮率の測定値に少し影響を及ぼしたものと考えられる。このため、式(1)にしたがって膨張率(試料容器の熱膨張を考慮せずに算出した膨張率)を算出可能であるが、より高い精度を要求される場合等は、式(2)にしたがって膨張率(試料容器の熱膨張を考慮して算出した膨張率)を算出することが好ましい。
【0061】
(実施例2)
膨張性の高い強粘結炭からなる試料(JIS M 8801の膨張性試験により測定される全膨張率:83.9%)を用いて、高温DM試験と比較した。石炭粒度は3mm以下100%とした。高温DMを用いた測定においては、同一条件の測定を2回実施した。図1の測定装置を用いた試験条件には、この石炭の再固化温度(490℃)から600℃までの昇温速度を1 ℃/分とし、600℃から1000℃までの昇温速度を5 ℃/分としてばねの力を88.2Nとして囲い堰がある条件を用いた。図1の測定装置を用いた試験においては、予め、試料の再固化温度をギーセラプラストメーターを用いて測定しておき、試料の温度が再固化温度である490℃より10℃高い500℃に到達したときに、試料容器を底板から退避させた。500℃から1000℃まで乾留しながら、カメラを用いて試料の変位量から連続的に収縮率を測定した。収縮率は、上述の式(2)から算出した。ここで、試料容器にSUS310Sを使用した。また、この試料容器は、この石炭の再固化温度である490℃に到達するまでに0.83 %膨張した。
【0062】
図7には、高温DM試験の1回目および2回目の結果を示す。高温DMを用いた場合には、図7に示すとおり、棚吊り現象によりピストンが固着したために、収縮率の測定を行うことができなかった。一方、同一の乾留条件で図1の測定装置を用いて乾留を行った後、試料Cの周辺を観察したところ、溶融物の漏れはなく、乾留後の試料Cは試料容器に沿ったきれいな形状であった。収縮率の測定結果は、図8に示す通り、500℃から1000℃まで連続的な収縮率の測定を行うことができた。最終的な収縮率は、12.0%であった。したがって、従来は測定が困難であった強粘結炭に対しても本装置を用いることでコークスの収縮率を測定できることがわかった。
【符号の説明】
【0063】
10 炉体
10a 発熱体
20 反応容器
21 乾留部
22 撮影通路部
30 枠体
31 バネ
32,51 固定具
40 中空ロッド
50 内部ロッド
52 押さえ板
60 シート
70 試料容器
80 囲い堰
90 カメラ
91 光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8