(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/66 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H04L12/66
(21)【出願番号】P 2019096389
(22)【出願日】2019-05-22
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴久
(72)【発明者】
【氏名】福井 誠之
(72)【発明者】
【氏名】西口 侑希
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-062847(JP,A)
【文献】特開2014-138245(JP,A)
【文献】国際公開第2014/076919(WO,A1)
【文献】特開2003-185234(JP,A)
【文献】国際公開第2013/136465(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0111979(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1905484(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な1または複数の通信機器とを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
利用者に関するサービス提供要求を、前記サービスのレベルの指定とともに受信する第1受信部と、
前記利用者に対応付けられたデバイスのうち、前記サービスのレベルの指定に対応するデバイスを選択する選択部と、
前記1または複数の通信機器のうち、選択された前記デバイスに接続された通信機器に、前記サービス提供要求に対応する指示を送信する第1送信部とを含み、
前記1または複数の通信機器は、
前記指示を受信する第2受信部と、
前記指示を前記デバイスに送信する第2送信部とを含む
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第1受信部が、前記指示に対応する情報を前記1または複数の通信機器から受信した場合、前記第1送信部は、前記情報を、前記サービス提供要求の送信元に送信する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
空調機に動作指示を送信する空調制御部と、
前記空調機に前記動作指示を送信する前に前記デバイスから送信された気温の測定値と前記動作指示を送信した所定時間後に前記デバイスから送信された気温の測定値とに基づいて、前記空調機と前記デバイスとが同じ場所に存在するかを判定する判定部と、
前記空調機と前記デバイスとが同じ場所に存在すると判定された場合、予め記憶された前記デバイスの検知場所を用いて、前記空調機の設置場所を示す情報を更新する更新部とをさらに含む
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記空調機を含む前記情報処理システムのネットワークトポロジーを生成し、前記ネットワークトポロジーを複数のネットワークグループに分割するトポロジー生成部をさらに含み、
前記空調制御部は、複数の前記空調機が前記複数のネットワークグループに分散配置されている場合、前記動作指示を送信する処理を、前記複数のネットワークグループ内の前記空調機に対して並列で実行する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が所有するデバイスまたは利用者の周辺に存在するデバイスから、サービスに関連する各種情報を取得し、サービスを提供する技術が利用されている。
【0003】
関連する技術として、コンテンツサーバが、受信した送信端末および受信端末の固有情報に基づいて、コンテンツあるいはコンテンツに関する情報を取得し、周辺機器に送信する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、関連する技術として、利用者の周辺に存在するサービス提供場所と、当該サービス提供場所に関する他の利用者の情報とを提示する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
また、関連する技術として、実世界のオブジェクトに関する情報である実世界オブジェクト情報をサイバー世界を構成するコンピュータシステムにより認識する技術が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-223506号公報
【文献】特開2015-069569号公報
【文献】特開2004-192623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サービスの提供要求を受信した場合、利用者が所有するデバイスまたは利用者の周辺に存在するデバイス等のうち、どのデバイスをそのサービスに用いるかを利用者が選択することが考えられる。しかし、利用者がデバイスを選択する場合、その利用者の手間が増加する。
【0008】
1つの側面として、本発明は、利用者がデバイスの選択をしなくても、そのデバイスを用いたサービスの提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、情報処理システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な1または複数の通信機器とを備える。前記情報処理装置は、利用者に関するサービス提供要求を、前記サービスのレベルの指定とともに受信する第1受信部と、前記利用者に対応付けられたデバイスのうち、前記サービスのレベルの指定に対応するデバイスを選択する選択部と、前記1または複数の通信機器のうち、選択された前記デバイスに接続された通信機器に、前記サービス提供要求に対応する指示を送信する第1送信部とを含み、前記1または複数の通信機器は、前記指示を受信する第2受信部と、前記指示を前記デバイスに送信する第2送信部とを含む。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面によれば、利用者がデバイスの選択をしなくても、そのデバイスを用いたサービスの提供を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態におけるサーバおよびデバイス用ゲートウェイの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】利用者情報に対するデバイス削除処理の一例を示す図である。
【
図4】利用者情報に対するデバイス追加処理の第1の例を示す図である。
【
図5】利用者情報に対するデバイス追加処理の第2の例を示す図である。
【
図6】情報処理端末の第1の表示例を示す図である。
【
図7】情報処理端末の第2の表示例を示す図である。
【
図8】デバイス用ゲートウェイの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】サーバの情報更新処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施形態におけるサーバの要求対応処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態におけるデバイス選択の実施例を示す図である。
【
図12】第2の実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態におけるシステム構成の詳細例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態におけるサーバおよびデバイス用ゲートウェイの機能構成の一例を示す図である。
【
図15】デバイス情報に対する設置場所追加処理の一例を示す図である。
【
図16】利用者情報に対する空調機情報の追加処理の一例を示す図である。
【
図17】デバイス情報に対する設置場所追加処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】第2の実施形態におけるサーバの要求対応処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】ネットワークトポロジーの一例を示す図である。
【
図20】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。実施形態のシステムは、サーバ1とデバイス用ゲートウェイ2-1,2-2とウェアラブルデバイス3-1,3-2と固定デバイス4と情報処理端末5とネットワーク6とを含む。以下、デバイス用ゲートウェイ2-1,2-2を区別しない場合、デバイス用ゲートウェイ2と称することがある。ウェアラブルデバイス3-1,3-2を区別しない場合、ウェアラブルデバイス3と称することがある。ウェアラブルデバイス3と固定デバイス4とを区別しない場合、デバイスと称することがある。デバイス用ゲートウェイ2、ウェアラブルデバイス3、固定デバイス4、情報処理端末5の数はいくつであってもよい。サーバ1、デバイス用ゲートウェイ2、情報処理端末5は、ネットワーク6を介して相互に通信を行うことができる。
【0013】
サーバ1は、サービスの提供に関する処理を実行する。サービスは、例えば、体温測定、脈拍測定、気温測定、または湿度測定等である。サーバ1は、情報処理端末5からサービス提供要求を受信する。そして、サーバ1は、ウェアラブルデバイス3および固定デバイス4のうち、サービス提供要求に対応するデバイスを選択する。そして、サーバ1は、選択したデバイスに、デバイス用ゲートウェイ2を介して、サービス提供要求に対応する指示を送信する。送信する指示は、例えば、体温、脈拍、気温または湿度等の送信指示である。サーバ1は、情報処理装置の一例である。
【0014】
デバイス用ゲートウェイ2は、サーバ1から受信した指示を、ウェアラブルデバイス3または固定デバイス4に送信する。また、デバイス用ゲートウェイ2は、その指示に応じてウェアラブルデバイス3または固定デバイス4から送信された情報をサーバ1に送信する。デバイス用ゲートウェイ2は、通信機器の一例である。
【0015】
ウェアラブルデバイス3は、例えば、体温計、脈拍計、気温計、または湿度計等の機能を有し、内蔵電池で駆動する。ウェアラブルデバイス3は、デバイス用ゲートウェイ2を介して受信した指示に応じて、サーバ1に情報を送信する。ウェアラブルデバイス3は、例えば、測定した体温、脈拍、気温または湿度を、デバイス用ゲートウェイ2を介してサーバ1に送信する。ウェアラブルデバイス3は、例えば、デバイス用ゲートウェイ2と無線通信を行うことができる。
【0016】
固定デバイス4は、例えば、温度計または湿度計等の機能を有し、系統電源からの電力により駆動する。固定デバイス4は、デバイス用ゲートウェイ2を介して受信した指示に応じて、サーバ1に情報を送信する。固定デバイス4は、例えば、測定した温度および湿度を、デバイス用ゲートウェイ2を介してサーバ1に送信する。ウェアラブルデバイス3は、デバイス用ゲートウェイ2と通信を行うことができる。固定デバイス4は、例えば、デバイス用ゲートウェイ2と有線で通信を行うことができる。
【0017】
情報処理端末5は、例えば、管理者が所有するタブレット端末、またはスマートフォン等である。ネットワーク6は、例えば、Local Area Network(LAN)、またはWide Area Network(WAN)である。
【0018】
図2は、第1の実施形態におけるサーバ1およびデバイス用ゲートウェイ2の機能構成の一例を示す図である。サーバ1は、第1受信部11と第1更新部12と選択部13と第1送信部14と記憶部15とを含む。
【0019】
第1受信部11は、デバイス用ゲートウェイ2からデバイスに関する検知情報を受信する。検知情報は、例えば、検知したデバイスの識別情報、および検知場所(例えば、デバイス用ゲートウェイ2の識別情報)を含む。
【0020】
第1受信部11は、利用者に関するサービス提供要求を、サービスに用いる機能およびサービスレベルの指定とともに受信する。サービスに用いる機能は、例えば、体温測定、脈拍測定、気温測定、および湿度測定等である。サービスレベルは、例えば、情報の精度を示す。そして、第1受信部11は、第1送信部14が送信したデバイスへの指示に対する情報を、デバイス用ゲートウェイ2を介して、デバイスから受信する。
【0021】
第1更新部12は、第1受信部11がデバイス用ゲートウェイ2からデバイスに関する検知情報を受信した場合、受信した検知情報に基づいて、記憶部15に記憶された検知情報および利用者情報を更新する。
【0022】
選択部13は、第1受信部11が利用者に関するサービス提供要求を受信した場合、記憶部15の利用者情報を参照し、その利用者に対応付けられたデバイスのうち、サービスに用いる機能およびサービスレベルの指定に対応するデバイスを選択する。利用者情報は、例えば、利用者名、利用者が保持するデバイスの識別情報、そのデバイスのサービスレベル等を含む。
【0023】
第1送信部14は、選択部13が選択したデバイスに接続されたデバイス用ゲートウェイ2に、サービス提供要求に対応する指示を選択先のデバイスの宛先情報とともに送信する。また、第1送信部14は、第1受信部11がその指示に対応する情報をデバイス用ゲートウェイ2から受信した場合、サービス提供要求の送信元の情報処理端末5にその情報を送信する。
【0024】
記憶部15は、利用者情報、検知情報、および、サービスに用いられるデバイスに関する情報であるデバイス情報を含む。
【0025】
デバイス用ゲートウェイ2は、第2受信部21と検知情報生成部22と第2送信部23とを含む。
【0026】
第2受信部21は、サーバ1の第1送信部14から送信されたサービス提供要求に対応する指示と選択部13が選択したデバイスの宛先情報を受信する。
【0027】
検知情報生成部22は、デバイスの接続を検知した場合、検知情報を生成する。第2送信部23は、検知情報生成部22が生成した検知情報をサーバ1に送信する。
【0028】
第2送信部23は、サーバ1の第1送信部14から送信されたサービス提供要求に対応する指示を、受信した宛先情報が示すデバイスに送信する。そして、第2受信部21は、指示に応じてデバイスから送信された情報を受信する。第2送信部23は、第2受信部21がデバイスから受信した情報をサーバ1に送信する。
【0029】
図3は、利用者情報に対するデバイス削除処理の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ1の記憶部15に利用者情報、検知情報、およびデバイス情報が記憶されており、第1受信部11が新たに検知情報を受信したとする。第1更新部12は、第1受信部11が受信した検知情報に含まれるデバイスに関する検知情報を、記憶部15から取得する。
図3に示す例では、「スマートデバイスA」が含まれる検知情報を受信しているため、第1更新部12は、「スマートデバイスA」に関する検知情報を記憶部15から取得する。なお、「スマートデバイスA」は、ウェアラブルデバイス3の一例である。
【0030】
第1更新部12は、取得した記憶部15内の検知情報の検知場所と、受信した検知情報の検知場所とを比較し、同一であるか判定する。なお、検知情報の検知場所として、デバイスが接続する通信機器が記録されている。記憶部15内の検知情報の検知場所は、「ゲートウェイA」であるが、受信した検知情報の検知場所は、「ゲートウェイB」であり、同一でない。例えば、スマートデバイスAを保持する利用者が移動したことにより、検知場所が変更されたことが考えられる。なお、「ゲートウェイA」、「ゲートウェイB」は、デバイス用ゲートウェイ2の例である。
【0031】
なお、複数のデバイスが同一のデバイス用ゲートウェイ2と接続されている場合、その複数のデバイスは近い場所(例えば、同じ部屋内)に存在すると想定される。よって、検知情報の検知場所、およびデバイス情報の設置場所には、通信機器(デバイス用ゲートウェイ2)の識別情報が用いられている。
【0032】
第1更新部12は、デバイス情報を参照し、記憶部15から取得した検知情報が示す検知場所と同じ場所が設置場所として記録されているデバイス情報を取得する。
図3に示す例では、第1更新部12は、検知場所が「ゲートウェイA」である「固定気温計1」のデバイス情報を取得する。なお、「固定気温計1」は、固定デバイス4の一例である。第1更新部12は、受信した検知情報に示されるデバイス名が記録された利用者情報から、取得したデバイス情報に対応する情報を削除する。
図3に示す例では、受信した検知情報に「スマートデバイスA」が記録されているため、第1更新部12は、所有デバイスとして「スマートデバイスA」が記録された利用者情報から、「固定気温計1」に関する情報を削除する。
【0033】
図4は、利用者情報に対するデバイス追加処理の第1の例を示す図である。
図4に示す処理は、
図3に示す処理の後に実行される処理である。第1更新部12は、デバイス情報を参照し、受信した検知情報が示す検知場所と同じ場所が設置場所として記録されているデバイス情報を取得する。
図4に示す例では、受信した検知情報が示す検知場所が「ゲートウェイB」であるため、第1更新部12は、デバイス情報のうち、設置場所が「ゲートウェイB」である「固定気温計2」の情報を取得する。なお、「固定気温計2」は、固定デバイス4の一例である。
【0034】
第1更新部12は、受信した検知情報に示されるデバイス名が記録された利用者情報に、取得したデバイス情報に対応する情報を追加する。
図4に示す例では、受信した検知情報に「スマートデバイスA」が記録されているため、第1更新部12は、所有デバイスとして「スマートデバイスA」が記録された利用者情報に、「固定気温計2」に関する情報を追加する。
【0035】
また、第1更新部12は、受信した検知情報を用いて、記憶部15の検知情報を更新する。
図4に示す例では、受信した検知情報を用いて、記憶部15に記憶された「スマートデバイスA」に関する検知情報の検知場所を、「ゲートウェイA」から「ゲートウェイB」に更新する。
【0036】
図3、
図4の処理により、例えば、利用者が移動したことによって周辺の固定デバイス4が変化した場合に、第1更新部12は、利用者情報において利用者と対応づけられるデバイスの情報を更新する。
【0037】
図5は、利用者情報に対するデバイス追加処理の第2の例を示す図である。
図4に示す第1の例では、利用者情報に新たな機能を追加しない例を示したが、
図5に示す例では、利用者情報に新たな機能を追加する例を示す。なお、利用者情報からデバイスの情報を削除する処理については、
図3に示す例と同様であるため、説明を省略する。
図5に示す例は、デバイス情報に「固定気温計2」ではなく「固定湿度計1」が存在する点で
図4に示す例と異なる。なお、「固定湿度計1」は、固定デバイス4の一例である。
【0038】
第1更新部12は、デバイス情報を参照し、受信した検知情報が示す検知場所と同じ場所が設置場所として記録されているデバイス情報を取得する。
図5に示す例では、受信した検知情報が示す検知場所が「ゲートウェイB」であるため、第1更新部12は、デバイス情報のうち、設置場所が「ゲートウェイB」である「固定湿度計1」の情報を取得する。
【0039】
第1更新部12は、受信した検知情報に示されるデバイス名が記録された利用者情報に、取得したデバイス情報に対応する情報を追加する。
図5に示す例では、受信した検知情報に「スマートデバイスA」が記録されているため、第1更新部12は、所有デバイスとして「スマートデバイスA」が記録された利用者情報に、「固定湿度計1」に関する情報を追加する。
【0040】
第1更新部12は、デバイス情報を利用者情報に追加する際、追加するデバイス情報の機能が利用者情報に存在しない場合、その機能を利用者情報に追加する。デバイス情報において、「固定湿度計1」の機能は「湿度測定」であるが、利用者情報に「湿度測定」は存在しない。よって、第1更新部12は、利用者情報に「固定湿度計1」に関する情報を追加する際に、機能として「湿度測定」を追加する。
【0041】
第1更新部12は、受信した検知情報を用いて、記憶部15の検知情報を更新する。
図4に示す例では、「スマートデバイスA」に関する検知情報の検知場所を、「ゲートウェイA」から「ゲートウェイB」に更新する。
【0042】
図6は、情報処理端末5の第1の表示例を示す図である。
図6に示す表示例は、情報処理端末5に搭載された、作業環境を管理するアプリケーションを実行した場合の表示例である。情報処理端末5は、サービス提供要求をサーバ1に送信し、サーバ1から、サービス提供要求に応じた情報を受信する。受信する情報は、例えば、管理対象の利用者(作業員A~D)の周辺のデバイスから得られた気温および湿度等である。
【0043】
情報処理端末5は、受信した情報に基づいて、各利用者の作業環境の状態を表示する。例えば、情報処理端末5は、気温および湿度が所定範囲内である場合、「良好」と表示し、気温および湿度のうちの少なくとも一方が所定範囲外である場合、「注意」と表示する。
【0044】
作業環境を管理するアプリケーションは、情報取得頻度が高く、利用者の周辺の気温および湿度に関して、高い精度を要求しないとする。その場合、例えば、情報処理端末5は、サービス提供要求をサーバ1に送信する際、サービスレベルとして「低」を指定する。また、
図3~
図5の例に示すように、固定デバイス4(固定気温計1、固定気温計2、および固定湿度計1)には、サービスレベルとして「低」が設定されている。固定デバイス4と利用者の位置が離れている場合、利用者の近くの気温と固定デバイス4が測定した気温が異なる可能性がある。すなわち、固定デバイス4の気温を利用者の近くの気温として用いる場合、精度が低いと言える。
【0045】
サーバ1は、サービス提供要求とともに受信したサービスレベルの指定が「低」である場合、固定デバイス4から情報を取得し、情報処理端末5に送信する。これにより、ウェアラブルデバイス3の電池の消耗を抑えることができる。
【0046】
ただし、利用者情報において管理対象の利用者に対応付けられているデバイスに、指定されたサービスレベルに対応するデバイス(例えば、固定デバイス4)が存在しない可能性がある。その場合、サーバ1の選択部13は、利用者情報において、管理対象の利用者に対応付けられている他のデバイス(例えば、ウェアラブルデバイス3)を選択する。なお、選択部13は、他のデバイスが複数存在する場合、指定されたサービスレベルに最も近いサービスレベルが付与されたデバイスを選択する。例えば、指定されたサービスレベルが「低」であり、利用者に対応付けられているデバイスのサービスレベルに「中」、「高」のみ存在する場合、選択部13は、サービスレベルが「中」であるデバイスを選択する。これにより、サーバ1は、管理対象の利用者の周辺に指定されたサービスレベルのデバイスが存在しない場合であっても、サービス提供要求に応じた情報を取得することができる。
【0047】
例えば、利用者が常駐する作業エリア等には、固定デバイス4が設置され、通路のように利用者が短期間存在する場所には、設置コストを抑制するため、固定デバイス4が設置されない可能性がある。固定デバイス4が設置されない場所では、例えば、ウェアラブルデバイス3が情報収集に用いられる。
【0048】
図7は、情報処理端末5の第2の表示例を示す図である。
図7に示す表示例は、情報処理端末5に搭載された、利用者の健康を管理するアプリケーションを実行した場合の表示例である。情報処理端末5は、サービス提供要求をサーバ1に送信し、サーバ1から、サービス提供要求に応じた情報を受信する。受信する情報は、例えば、管理対象の利用者の周辺のデバイスから得られた体温、脈拍、気温および湿度等である。
【0049】
図7に示す例では、情報処理端末5は、管理対象の利用者の周辺のデバイスから得られた気温データを取得し、気温の推移をグラフとして表示している。利用者の健康を管理するアプリケーションは、情報取得頻度は低いが、取得する気温等の情報に関して高い精度を要求する。そのため、例えば、情報処理端末5は、サービス提供要求をサーバ1に送信する際、サービスレベルとして「高」を指定する。
図3~
図5の例に示すように、ウェアラブルセンサAには、サービスレベルとして「高」が設定されている。よって、サービス提供要求とともに送信されたサービスレベルの指定が「高」である場合、サーバ1は、ウェアラブルデバイス3から情報を取得し、情報処理端末5に送信する。
【0050】
ウェアラブルデバイス3は、利用者が身に着けているデバイスであるため、ウェアラブルデバイス3が測定する気温は、固定デバイス4が測定する気温と比べて、利用者の近くの気温を高い精度で示していると言える。すなわち、サーバ1は、サービスレベルとして「高」が指定されている場合、ウェアラブルデバイス3から情報を取得することにより、高い精度の情報を得ることができる。
【0051】
図8は、デバイス用ゲートウェイ2の処理の一例を示すフローチャートである。デバイス用ゲートウェイ2は、デバイス(ウェアラブルデバイス3または固定デバイス4)の接続を検知しない場合(ステップS101でNO)、デバイスの接続を検知するまで、待機する。
【0052】
デバイス用ゲートウェイ2の検知情報生成部22は、デバイスの接続を検知した場合(ステップS101でYES)、検知情報を生成する(ステップS102)。検知情報は、例えば、デバイスの識別情報、および検知場所の識別情報である。検知場所の識別情報は、例えば、デバイスの接続を検知したデバイス用ゲートウェイ2の識別情報である。第2送信部23は、生成された検知情報をサーバ1に送信する(ステップS103)。
【0053】
図9は、サーバ1の情報更新処理の一例を示すフローチャートである。サーバ1は、第1受信部11がデバイス用ゲートウェイ2から検知情報を受信しない場合(ステップS201でNO)、デバイス用ゲートウェイ2から検知情報を受信するまで、待機する。サーバ1の第1受信部11がデバイス用ゲートウェイ2から検知情報を受信した場合(ステップS201でYES)、第1更新部12は、受信した検知情報に記録されたデバイスに関する検知情報を記憶部15から取得する(ステップS202)。
【0054】
第1更新部12は、取得した記憶部15内の検知情報の検知場所と、受信した検知情報の検知場所とを比較し、同一であるか判定する(ステップS203)。ステップS203でYESの場合、サーバ1は、情報更新処理を終了する。ステップS203でNOの場合、利用者が移動したことにより、その利用者が持つデバイス(例えば、ウェアラブルデバイス3)の場所が変更されたことが考えられる。
【0055】
ステップS203でNOの場合、第1更新部12は、ステップS202で記憶部15から取得した検知情報が示す検知場所と同じ場所が設置場所として記録されているデバイス情報を取得する(ステップS204)。第1更新部12は、受信した検知情報に示されるデバイス名が記録された利用者情報から、ステップS204で取得したデバイス情報に対応する情報を削除する(ステップS205)。上述のように、利用者が移動したと考えられ、利用者情報に記録されているデバイスは、現在の利用者の周辺に存在しないと考えられるためである。
【0056】
第1更新部12は、デバイス情報を参照し、受信した検知情報が示す検知場所と同じ場所が設置場所として記録されているデバイス情報を取得する(ステップS206)。第1更新部12は、受信した検知情報に示されるデバイス名が記録された利用者情報に、ステップS206で取得したデバイス情報に対応する情報を追加する(ステップS207)。ステップS206、S207の処理により、利用者の移動先に存在するデバイスが利用者情報において利用者と対応付けられて記憶される。
【0057】
第1更新部12は、受信した検知情報を用いて、記憶部15の検知情報を更新する(ステップS208)。第1更新部12は、例えば、受信した検知情報に示された検知場所で、記憶部15の検知情報内に示された検知場所を置き換える。
【0058】
上述のように、ステップS203でNOの場合、利用者が移動したことにより、その利用者が持つデバイスの場所が変わったことが考えられる。よって、第1更新部12は、ステップS204~S207の処理により、利用者情報において、その利用者に対応づけて記録されたデバイスの情報を更新する。
【0059】
図10は、第1の実施形態におけるサーバの要求対応処理の一例を示すフローチャートである。サーバ1の第1受信部11は、情報処理端末5から、利用者に関するサービス提供要求を、利用者の指定、サービスに用いる機能の指定、およびサービスレベルの指定とともに受信する(ステップS301)。なお、指定可能なサービスに用いる機能が1つである場合、第1受信部11は、サービスに用いる機能の指定を受信しなくてもよい。
【0060】
選択部13は、記憶部15に記憶された利用者情報のうち、ステップS301のサービス提供要求において指定された利用者の利用者情報を記憶部15から取得する(ステップS302)。選択部13は、参照した利用者情報において利用者に対応付けられているデバイスのうち、サービスに用いる機能の指定に対応するデバイスが存在するか判定する(ステップS303)。ステップS303でNOの場合、サーバ1は、処理を終了する。
【0061】
ステップS303でYESの場合、選択部13は、参照した利用者情報においてサービスに用いる機能の指定に対応するデバイスのうち、サービスレベルの指定に対応するデバイスを選択する(ステップS304)。選択部13は、例えば、サービスレベルの指定に最も近いサービスレベルが設定されたデバイスを選択してもよい。例えば、サービスレベルの指定が「低」であり、利用者情報内に、サービスレベルが「低」のデバイスが存在する場合、選択部13は、サービスレベルが「低」のデバイスを選択する。また、例えば、サービスレベルの指定が「低」であり、利用者情報内に、サービスレベルが「中」のデバイスと、サービスレベルが「高」のデバイスが存在していた場合、選択部13は、サービスレベルが「中」のデバイスを選択する。
【0062】
第1送信部14は、デバイス用ゲートウェイ2を介して、選択部13が選択したデバイスに、サービス提供要求に対応する指示を送信する(ステップS305)。例えば、サービスに用いる機能の指定が気温測定である場合、第1送信部14は、気温の測定値の送信指示をデバイスに送信する。
【0063】
第1受信部11は、ステップS305で送信した指示に対応する情報を、デバイス用ゲートウェイ2を介して、デバイスから受信する(ステップS306)。第1送信部14は、ステップS306で第1受信部11が受信した情報を、サービス提供要求の送信元の情報処理端末5に送信する(ステップS307)。情報処理端末5は、
図6、
図7の例に示すように、受信した情報に基づいて、様々な表示を行う。
【0064】
以上のように、サーバ1は、指定されたサービスレベルに基づいて、サービスに利用するデバイスを選択する。そのため、サーバ1は、利用者がデバイスの選択をしなくても、そのデバイスを用いたサービスの提供を可能とすることができる。
【0065】
図11は、第1の実施形態におけるデバイス選択の実施例を示す図である。
図11に示すサーバは、サーバ1に相当し、ゲートウェイA,Bは、デバイス用ゲートウェイ2に相当する。また、
図11に示すスマートデバイスA,Bは、ウェアラブルデバイス3に相当し、気温計の機能を有する。また、
図11に示す固定気温計1は、固定デバイス4に相当し、情報処理端末は情報処理端末5に相当し、ネットワークは、ネットワーク6に相当する。
【0066】
情報処理端末は、管理者の操作に応じて、サービス提供要求として、気温データの送信要求をサーバに送信する(S1)。気温データの送信要求において、作業員A,B、サービスレベル「低」が指定されているとする。サーバに記憶された利用者情報において、作業員Aには、サービスレベルが「高」であるスマートデバイスAとサービスレベルが「低」である固定気温計1とが対応付けられている。よって、サーバは、指定されたサービスレベル「低」に対応する固定気温計1に、気温データ送信指示を送信する(S2-1)。
【0067】
また、利用者情報において、作業員Bには、指定されたサービスレベル「低」に対応するデバイスは、対応付けられておらず、サービスレベルが「高」であるスマートデバイスBのみが対応付けられている。よって、サーバは、スマートデバイスBに、気温データ送信指示を送信する(2-2)。
【0068】
作業員Aのように、複数のデバイスが対応づけられていても、サーバが、サービス提供に用いるデバイスを自動選択する。よって、本実施形態のシステムは、利用者がデバイスの選択をしなくても、そのデバイスを用いたサービスの提供を可能とする。
【0069】
図12は、第2の実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
図12に示すシステム構成は、空調機7と空調機用ゲートウェイ8とを含む点で
図1に示すシステム構成と異なる。
【0070】
空調機7は、空調機用ゲートウェイ8を介して、サーバ1から指示を受信し、その指示に従って空調制御を行う。また、空調機用ゲートウェイ8に複数の空調機7が接続していてもよい。または、第2の実施形態におけるシステムは、加湿器、除湿器等を含んでいてもよい。
【0071】
空調機用ゲートウェイ8は、ネットワーク6を介して、サーバ1から空調機7の動作に関する指示を受信し、受信した指示を空調機7に送信する。第2の実施形態におけるシステムは、複数の空調機用ゲートウェイ8を含んでいてもよい。
【0072】
図13は、第2の実施形態におけるシステム構成の詳細例を示す図である。なお、
図13に示すネットワークスイッチ9-1~9-3は、
図12のネットワーク6に含まれているとする。ネットワークスイッチ9-1~9-3を区別しない場合、ネットワークスイッチ9と称する。
【0073】
図13に示すように、部屋1には、空調機7-1、デバイス用ゲートウェイ2-1が設置され、ウェアラブルデバイス3-1を所持するユーザが存在する。部屋2には、空調機7-2、デバイス用ゲートウェイ2-2、固定デバイス4-1が設置され、ウェアラブルデバイス3-2を所持するユーザ、ウェアラブルデバイス3-3を所持するユーザが存在する。部屋3には、空調機7-3、デバイス用ゲートウェイ2-3、固定デバイス4-2が設置され、ウェアラブルデバイス3-4を所持するユーザが存在する。部屋4には、空調機7-4、デバイス用ゲートウェイ2-4が設置され、ウェアラブルデバイス3-5を所持するユーザが存在する。
【0074】
サーバ1にはネットワークスイッチ9-2が接続され、ネットワークスイッチ9-2には、ネットワークスイッチ9-1、9-3が接続されている。また、ネットワークスイッチ9-1には、デバイス用ゲートウェイ2-1、2-2、空調機用ゲートウェイ8-1が接続されている。デバイス用ゲートウェイ2-1には、ウェアラブルデバイス3-1が接続され、デバイス用ゲートウェイ2-2には、ウェアラブルデバイス3-2、3-3、固定デバイス4-1が接続されている。空調機用ゲートウェイ8-1には、空調機7-1および空調機7-2が接続されている。
【0075】
また、ネットワークスイッチ9-3には、デバイス用ゲートウェイ2-3、2-4、空調機用ゲートウェイ8-2が接続されている。デバイス用ゲートウェイ2-3には、ウェアラブルデバイス3-4、固定デバイス4-2が接続され、デバイス用ゲートウェイ2-4には、ウェアラブルデバイス3-5が接続されている。空調機用ゲートウェイ8-2には、空調機7-3および空調機7-4が接続されている。
【0076】
図13の例に示すように、第2の実施形態におけるシステムにおいて、一つの部屋には、一つの空調機7および一つのデバイス用ゲートウェイ2が設置されているとする。ゲートウェイ(デバイス用ゲートウェイ2または空調機用ゲートウェイ)は、物理的に近いネットワークスイッチ9に接続される可能性が高い。よって、ネットワークトポロジー上で近いデバイスは、物理的にも近い可能性が高い。例えば、同じネットワークスイッチ9の下位に接続されているゲートウェイおよびデバイスは、物理的に近い位置に存在する可能性が高い。また、異なるネットワークスイッチ9の下位に接続されているゲートウェイおよびデバイスは、物理的に近い位置に存在しない可能性が高い。
【0077】
図14は、第2の実施形態におけるサーバ1およびデバイス用ゲートウェイ2の機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態におけるサーバ1は、トポロジー生成部16と空調制御部17と判定部18と第2更新部19とを含む点で
図2に示す第1の実施形態におけるサーバ1と異なる。以下、第1の実施形態におけるサーバ1と同様の部分について、説明を省略する。
【0078】
第1受信部11は、第2の実施形態のシステムに含まれる各機器に関する情報、接続構成情報を受信する。
【0079】
トポロジー生成部16は、第1受信部11が受信した、各機器に関する情報、接続構成情報に基づいて、情報処理システム(例えば、
図13に示すシステム)のネットワークトポロジーを生成し、記憶部15に記憶させる。また、トポロジー生成部16は、ネットワークトポロジーをネットワークグループに分割する。なお、各機器に関する情報、接続構成情報の収集、トポロジー生成には、例えば、Home-network Topology Identifying Protocol(HTIP)等の技術が用いられる。
【0080】
空調制御部17は、第1送信部14を介して、空調機7に動作指示を送信する。空調制御部17は、例えば、空調機7に、電源ON、電源OFF、または温度設定変更等の指示を送信する。空調制御部17は、複数の空調機7が複数のネットワークグループに分散配置されている場合、動作指示を送信する処理を、複数のネットワークグループ内の空調機7に対して並列で実行する。
【0081】
第1受信部11は、選択部13により選択されたデバイス(ウェアラブルデバイス3または固定デバイス4)から定期的に情報(例えば、気温または湿度の測定値)を受信し、記憶部15に記憶させる。
【0082】
判定部18は、空調制御部17が空調機7に指示を送信する前にデバイスから送信された情報とその指示を送信した所定時間後にデバイスから送信された情報とに基づいて、空調機7とそのデバイスとが同じ場所に存在するかを判定する。
【0083】
判定部18は、例えば、空調制御部17が空調機7に指示を送信する前に第1受信部11が固定デバイス4から受信した情報と、空調制御部17が空調機7に指示を送信した所定時間後に第1受信部11が固定デバイス4から受信した情報との差分を算出する。判定部18は、算出した差分に基づいて、その空調機7とその固定デバイス4とが同じ場所(例えば、同じ部屋の中)に存在するかを判定する。判定部18は、例えば、算出した差分が所定の閾値以上であれば、その空調機7とその固定デバイス4とが同じ場所に存在すると判定し、算出した差分が所定の閾値未満であれば、その空調機7とその固定デバイス4とが同じ場所に存在しないと判定する。
【0084】
第2更新部19は、空調機7と固定デバイス4とが同じ場所に存在すると判定された場合、予め記憶された検知情報内の固定デバイス4の検知場所を用いて、記憶部15のデバイス情報内の空調機7の設置場所を示す情報を更新する。検知場所および設置場所には、例えば、デバイス用ゲートウェイ2の識別情報が記録される。
図13に示すように、本実施形態では、一つの部屋に一つのデバイス用ゲートウェイ2が設定されている。よって、検知情報の検知場所とデバイス情報の設置場所に同じデバイス用ゲートウェイ2が記録されている場合、その検知場所が示すデバイスとそのデバイス情報が示すデバイスは、同じ部屋に存在することが想定される。
【0085】
また、第2更新部19は、検知情報内のいずれかのウェアラブルデバイス3の検知場所とデバイス情報内のいずれかの空調機7の設置場所が同じである場合、そのウェアラブルデバイス3が記録された利用者情報内に、その空調機7に関する情報を追加する。
【0086】
空調制御部17は、利用者情報内への空調機7に関する情報の追加が完了した後、第1受信部11がデバイスから受信した情報に基づいて、そのデバイスと対応付けられて記録されている空調機7に動作指示を送信する。デバイスと対応付けられて記録されている空調機7とは、例えば、そのデバイスと同じ利用者情報内に記録されている空調機7である。デバイスは、ウェアラブルデバイス3または固定デバイス4である。
【0087】
図15は、デバイス情報に対する設置場所追加処理の例を示す図である。例えば、第1受信部11は、定期的に、気温計1(固定デバイス4の一例)から情報を受信しているとする。また、空調制御部17は、空調機A(空調機7の一例)に空調機用ゲートウェイ8を介して動作指示を送信する。
【0088】
判定部18は、空調制御部17が空調機Aに指示を送信する前に第1受信部11が気温計1から受信した情報と、空調制御部17が空調機Aに指示を送信した所定時間後に第1受信部11が気温計1から受信した情報との差分を算出する。判定部18は、算出した差分が所定の閾値以上である場合、空調機Aと気温計1とが同じ場所(例えば、同じ部屋の中)に存在すると判定する。
【0089】
第2更新部19は、空調機Aと気温計1とが同じ場所に存在すると判定されたため、検知情報内の気温計1の検知場所(ゲートウェイA)を、デバイス情報内の空調機Aの設置場所として記録する。
【0090】
図16は、利用者情報に対する空調機情報の追加処理の一例を示す図である。第2更新部19は、検知情報内のいずれかのウェアラブルデバイス3の検知場所とデバイス情報内のいずれかの空調機7の設置場所が同じであるか判定する。
図16に示す例では、検知情報内のスマートデバイスAの検知場所とデバイス情報内の空調機Aの設置場所がいずれも「ゲートウェイA」であり、同じである。この場合、第2更新部19は、スマートデバイスAが記録された利用者情報に、デバイス情報内の空調機Aに関する情報を追加する。
【0091】
これにより、第2更新部19は、利用者が存在する部屋に設置されている空調機を、その利用者に対応付けて記録することができる。なお、利用者が移動した場合、スマートデバイスAが接続するデバイス用ゲートウェイ2が変化する。この場合、第2更新部19は、
図3、
図4に示す例と同様に、移動前に利用者情報に記録されていた空調機7の情報を削除し、移動後の場所に設置されている空調機7の情報を利用者情報に追加してもよい。
【0092】
図17は、デバイス情報に対する設置場所追加処理の一例を示すフローチャートである。空調制御部17は、第1送信部14を介して、空調機7に動作指示を送信する(ステップS401)。以下、ステップS401で動作指示を送信した空調機7を処理対象の空調機7と称する。判定部18は、処理対象の空調機7と同一サブネット内の固定デバイス4から第1受信部11が受信した気温の測定値を記憶部15から取得する(ステップS402)。例えば、処理対象の空調機7が
図13における空調機7-2である場合、ステップS402における同一サブネット内の固定デバイス4は、固定デバイス4-1であるとする。
【0093】
判定部18は、空調制御部17が空調機7に指示を送信する前に第1受信部11が固定デバイス4から受信した気温の測定値と、空調制御部17が空調機7に指示を送信した所定時間後に第1受信部11が固定デバイス4から受信した気温の測定値との差分を算出する(ステップS403)。判定部18は、ステップS403で算出した差分が所定の閾値以上であるか判定する(ステップS404)。ステップS404でNOの場合、処理対象の空調機7と同一サブネット内のネットワークスイッチ9より一階層上のネットワークスイッチ9が存在するか判定する(ステップS405)。処理対象の空調機7と同一サブネット内のネットワークスイッチ9が
図13におけるネットワークスイッチ9-1である場合、そのネットワークスイッチ9より一階層上のネットワークスイッチ9は、ネットワークスイッチ9-2であるとする。すなわち、
図13の構成を適用した場合、1回目のステップS405の処理結果はYESとなる。
【0094】
ステップS405でYESの場合、判定部18は、処理対象の空調機7と同一サブネット内のネットワークスイッチ9より一階層上のネットワークスイッチ9(処理対象スイッチ)の配下の他の固定デバイス4から気温の測定値を取得する(ステップS406)。ステップS406における処理対象スイッチが、
図13の例におけるネットワークスイッチ9-2である場合、他の固定デバイス4は、固定デバイス4-2である。なお、判定部18は、ステップS406の実行が2回目である場合、前回のステップS406における処理対象スイッチの1階層上のネットワークスイッチ9の配下の他の固定デバイス4から測定値を取得する。
【0095】
判定部18は、空調制御部17が空調機7に指示を送信する前に固定デバイス4から送信された気温の測定値と、空調制御部17が空調機7に指示を送信した所定時間後に固定デバイス4から送信された気温の測定値との差分を算出する(ステップS407)。判定部18は、ステップS407で算出した差分が所定の閾値以上であるか判定する(ステップS408)。
【0096】
ステップS408でNOの場合、ステップS405に遷移する。判定部18は、前回のステップS406における、処理対象スイッチよりもさらに1階層上のネットワークスイッチ9が存在するか判定する(ステップS405)。ステップS405でNOの場合、処理対象の空調機7に対する処理は終了する。
【0097】
ステップS404またはステップS408でYESの場合、第2更新部19は、測定値の差分が所定の閾値以上であった固定デバイス4の検知場所を、空調機7の設置場所として更新する(ステップS409)。
【0098】
図13に示すように、デバイスが接続するデバイス用ゲートウェイ2と空調機7が接続する空調機用ゲートウェイ8とは別の通信機器であるため、ネットワークの接続状況のみでは、デバイスが空調機7と同じ部屋に存在するかは不明である。しかし、本実施形態のサーバ1は、デバイスから得られた測定値に基づいて、空調機7の場所を特定することにより、デバイス情報における空調機7の設置場所を自動で更新することができる。なお、固定デバイス4から測定値を受信する例を示したが、サーバ1は、ウェアラブルデバイス3から測定値を受信し、ウェアラブルデバイス3の検知場所を用いて空調機7の設置場所を更新してもよい。
【0099】
なお、
図17の処理後、サーバ1が新たな検知情報を受信した場合、第2更新部19は、
図9に示す処理と同様の処理により、利用者情報に空調機7の情報を追加する。すなわち、第2の実施形態では、サーバ1は、
図9における「デバイス」が空調機7である場合の処理を実行する。
【0100】
図18は、第2の実施形態におけるサーバ1の要求対応処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示す処理は、利用者情報に空調機7の情報が追加された後に実行される。ステップS301~S307は、
図10におけるステップS301~307と同様であるため、説明を省略する。
【0101】
ステップS307の処理後、空調制御部17は、第1受信部11が、デバイスから受信した情報に基づいて、そのデバイスと対応づけて記録されている動作指示を送信する(ステップS308)。デバイスは、ウェアラブルデバイス3または固定デバイス4である。空調制御部17は、例えば、デバイスから受信した気温が第1閾値以上である場合、空調機7の冷房機能を動作させる指示を送信する。空調制御部17は、例えば、デバイスから受信した気温が第2閾値以下である場合、空調機7の暖房機能を動作させる指示を送信する。
【0102】
第2の実施形態のシステムが除湿器、加湿器を含んでおり、デバイスは、湿度計の機能を有していてもよい。その場合、ステップS308において、空調制御部17は、デバイスから受信した湿度が第3閾値以上である場合、除湿器に動作指示を送信する。また、空調制御部17は、例えば、デバイスから受信した湿度が第4閾値以下である場合、加湿器に動作指示を送信する。
【0103】
図19は、ネットワークトポロジーの一例を示す図である。トポロジー生成部16は、第1受信部11が受信した、各機器に関する情報、接続構成情報に基づいて、
図19の例に示すネットワークトポロジーを生成し、記憶部15に記憶させる。
図19に示すネットワークグループ31は、ネットワークスイッチ9-1およびネットワークスイッチ9-1の下位に接続された機器を含むグループである。ネットワークグループ32は、ネットワークスイッチ9-3およびネットワークスイッチ9-3の下位に接続された機器を含むグループである。
図19に示すように、複数の空調機7が、複数のネットワークグループに分散配置されている。
【0104】
サーバ1は、
図17に示す処理を実行する場合、空調機7を一旦全て停止した後、処理対象の空調機7を順番に動作させることが考えられる。システム内の複数の空調機7を同時に動作させた場合、どの空調機7が固定デバイス4の測定値に影響を与えているか判定することが困難だからである。しかし、空調機7の数が多い場合、全ての空調機7を順番に動作させるためには時間がかかる。
【0105】
上述のように、異なるネットワークスイッチ9の下位に接続されているゲートウェイおよびデバイスは、物理的に近い位置に存在しない可能性が高い。すなわち、異なるネットワークグループに属するデバイスは、物理的に近い位置に存在しない可能性が高いため、あるネットワークグループに存在する空調機7を動作させても他のネットワークグループのデバイスに影響を与えない可能性が高い。よって、サーバ1は、
図17に示す処理を、ネットワークグループ毎に並列で実行してもよい。これにより、サーバ1は、空調機7を順番に動作させてデバイス情報を更新する処理の時間を短縮させることが可能となり、停止させる空調機7の数を抑制することができる。
【0106】
以上のように、サーバ1は、利用者情報に空調機の情報を自動で追加し、デバイスから受信した情報に基づいて、空調機7等を動作させることにより、利用者の周辺環境を適切に制御することができる。
【0107】
次に、サーバ1のハードウェア構成の一例を説明する。
図20は、サーバ1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図20の例に示すように、サーバ1において、バス100に、プロセッサ111とメモリ112と補助記憶装置113と通信インタフェース114と媒体接続部115と入力装置116と出力装置117とが接続される。
【0108】
プロセッサ111は、メモリ112に展開されたプログラムを実行する。実行されるプログラムには、実施形態における処理を行うプログラムが適用されてもよい。
【0109】
メモリ112は、例えば、Random Access Memory(RAM)である。補助記憶装置113は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブや半導体メモリ等が適用されてもよい。補助記憶装置113に実施形態の処理を行うプログラムが記憶されていてもよい。
【0110】
通信インタフェース114は、Local Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)等の通信ネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換等を行う。
【0111】
媒体接続部115は、可搬型記録媒体118が接続可能なインタフェースである。可搬型記録媒体118には、光学式ディスク(例えば、Compact Disc(CD)またはDigital Versatile Disc(DVD)等)、半導体メモリ等が適用されてもよい。可搬型記録媒体118に実施形態の処理を行うプログラムが記録されていてもよい。
【0112】
入力装置116は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、利用者からの指示及び情報等の入力を受け付ける。
【0113】
出力装置117は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、利用者への問い合わせ又は指示、及び処理結果等を出力する。
【0114】
図2および
図14に示す記憶部15は、メモリ112、補助記憶装置113または可搬型記録媒体118等により実現されてもよい。
図2および
図14に示す第1受信部11、第1更新部12、選択部13、第1送信部14、
図14に示すトポロジー生成部16、空調制御部17、判定部18、第2更新部19は、メモリ112に展開された情報処理プログラムをプロセッサ111が実行することにより実現されてもよい。
【0115】
メモリ112、補助記憶装置113および可搬型記録媒体118は、コンピュータが読み取り可能であって非一時的な有形の記憶媒体であり、信号搬送波のような一時的な媒体ではない。
【0116】
なお、サーバ1が
図20に示す全ての構成要素を含んでいなくてもよく、一部の構成要素が省略されていてもよい。また、一部の構成要素がサーバ1の外部装置に存在し、サーバ1が外部装置に接続して、外部装置内の構成要素を利用してもよい。
【0117】
本実施形態は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更、追加、省略が適用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 サーバ
2 デバイス用ゲートウェイ
3 ウェアラブルデバイス
4 固定デバイス
5 情報処理端末
6 ネットワーク
7 空調機
8 空調機用ゲートウェイ
9 ネットワークスイッチ
11 第1受信部
12 第1更新部
13 選択部
14 第1送信部
15 記憶部
16 トポロジー生成部
17 空調制御部
18 判定部
19 第2更新部
21 第2受信部
22 検知情報生成部
23 第2送信部
100 バス
111 プロセッサ
112 メモリ
113 補助記憶装置
114 通信インタフェース
115 媒体接続部
116 入力装置
117 出力装置
118 可搬型記録媒体