(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/52 20060101AFI20221220BHJP
B62D 49/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B60Q1/52
B62D49/00 C
B62D49/00 N
(21)【出願番号】P 2019102911
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土居 一紀
(72)【発明者】
【氏名】萩山 丈士
(72)【発明者】
【氏名】越智 孝司
(72)【発明者】
【氏名】梶原 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】加茂田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】楫野 豊
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 志郎
(72)【発明者】
【氏名】町田 章紘
(72)【発明者】
【氏名】田中 誠治
(72)【発明者】
【氏名】藤家 久定
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-114927(JP,A)
【文献】特開2006-193049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/52
B62D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席(7)を囲うキャビン(16)の側方に後輪(5L,5R)を覆うフェンダ(19L,19R)を備えた作業車両において、
前記フェンダ(19L,19R)に湾曲支持アーム(56L,56R)を連結し、
前記湾曲支持アーム(56L,56R)に車体側方の障害物を検出する超音波センサ(53fL,53rL,53fR,53rR)を取り付け、
前記湾曲支持アーム(56L,56R)に連結したライトブラケット(54L,54R)を介して、前記フェンダ(19L,19R)の上方に車両の状態を表示する表示灯(52L,52R)を設けたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記キャビン(16)の前支柱(18L,18R)と中間支柱(62L,62R)との間にドア(60L,60R)を設け、前記中間支柱(62L,62R)と後支柱(20L,20R)との間に開閉窓(63L,63R)を設け、前記表示灯(52L,52R)を前記中間支柱(62L,62R)の近傍に設けてなる請求項1に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用トラクタ等の作業車両に関し、特に自立走行等の作業車両における表示灯の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周辺に情報を表示する表示灯を走行状態に合わせてルーフ上方に突出させたり、収納したりできる車載用表示装置が公知である(特許文献1)。また、操縦室の作業員の安全を確保するために当該作業員が目視できる位置に表示灯を設ける構成がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-58481号公報
【文献】特開2004-18212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示の構成は、表示の視認性と破損の防止を両立させるため車載用表示装置をルーフ上方に突出させる姿勢と車体に収容させる姿勢とに変更するアクチュエータを必要としてコスト上昇の原因となる。また、特許文献2の構成は操縦室の作業員が目視できる箇所への設置が条件となって、周辺への情報表示の点で改善が求められる。
【0005】
本発明は上記に鑑み、安価な構成で破損から保護でき、かつ周辺への視認性を確保できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0007】
第1の本発明は、運転席(7)を囲うキャビン(16)の側方に後輪(5L,5R)を覆うフェンダ(19L,19R)を備えた作業車両において、
前記フェンダ(19L,19R)に湾曲支持アーム(56L,56R)を連結し、
前記湾曲支持アーム(56L,56R)に車体側方の障害物を検出する超音波センサ(53fL,53rL,53fR,53rR)を取り付け、
前記湾曲支持アーム(56L,56R)に連結したライトブラケット(54L,54R)を介して、前記フェンダ(19L,19R)の上方に車両の状態を表示する表示灯(52L,52R)を設けたことを特徴とする作業車両である。
第2の本発明は、前記キャビン(16)の前支柱(18L,18R)と中間支柱(62L,62R)との間にドア(60L,60R)を設け、前記中間支柱(62L,62R)と後支柱(20L,20R)との間に開閉窓(63L,63R)を設け、前記表示灯(52L,52R)を前記中間支柱(62L,62R)の近傍に設けてなる第1の本発明の作業車両である。
本発明に関連する第1の発明は、運転席7を囲うキャビン16の側方に後輪5L,5Rを覆うフェンダ19L,19Rを備えた作業車両において、フェンダ19L,19Rの上方に車両の状態を表示する表示灯52L,52Rを設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、本発明に関連する第1の発明において、キャビン16の前支柱18L,18Rと中間支柱62L,62Rとの間にドア60L,60Rを設け、中間支柱62L,62Rと後支柱20L,20Rとの間に開閉窓63L,63Rを設け、表示灯52L,52Rを中間支柱62L,62Rの近傍に設けてなる。
【0009】
本発明に関連する第3の発明は、本発明に関連する第1又は第2の発明において、フェンダ19L,19Rに、車体側方の障害物等を検出する監視センサ53L,53Rを取り付けるための取付ステー45L,45Rを備え、取付ステー45L,45Rに表示灯52L,52Rを支持するブラケット54L,54Rを設けてなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、キャビン16の側方において、フェンダ19L,19Rの上方に表示灯52L,52Rを設けるものであるから、障害物等へ接触し難く破損を防ぐことができる。また、キャビン16の側方にあるから周囲からの視認が容易で良好である。
本発明に関連する第1の発明によると、キャビン16の側方において、フェンダ19L,19Rの上方に表示灯52L,52Rを設けるものであるから、障害物等へ接触し難く破損を防ぐことができる。また、キャビン16の側方にあるから周囲からの視認が容易で良好である。
【0011】
本発明に関連する第2の発明によると、本発明に関連する第1の発明の効果に加え、表示灯52L,52Rは、ドア60L,60Rの開閉時や開閉窓63L,63Rの開閉時に接触せず、破損の恐れもない。
【0012】
本発明に関連する第3の発明によると、本発明に関連する第1又は第2の発明の効果に加え、監視センサ53L,53R取付のための取付ステー45L,45Rを利用して表示灯52L,52R及びその支持ブラケット54L,54Rを設けるものであるから、適宜の取付ステー45L,45Rに強度を具備させることができ、安定良く支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】キャビン及びフェンダを前方上方からみた斜視図である。
【
図8】(A)表示灯及びその支持構成を示す側面図、(B)その平面図、(C)その背面図、(D)その前面図である。
【
図9】(A)(B)モニタ支持構成の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、トラクタを示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にディーゼルエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪4及び後輪5に伝えるようにしている。エンジンEの後方に前輪4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケース8を備え、このシリンダケース8の左右両側には、油圧昇降機構の一部を構成するリフトアーム9が回動自在に取り付けられている。リフトアーム9は昇降用油圧シリンダ10の伸縮作動により上下動する。車体後部には、トップリンク11と左右のロアーリンク12からなる3点リンク機構を設け、同リンク機構にロータリ作業機Rを装着し、リフトロッド13を介してロアーリンク12をリフトアーム9に連結することにより、作業機Rを昇降可能に構成している。
【0016】
前記ハンドル6や運転席7等は、キャビン16によって覆われている。キャビン16は、例えば防振ゴム等の弾性部材を介して車体に固定されてあり、車体の振動がキャビン16に伝達されにくくしている。
【0017】
尚キャビン16は、フロア17と、フロア17左右前部に立設した前支柱18と、運転席7の後部左右に立設した後部支柱20と、左右フェンダ19中間部に立設する中間支柱62と、これら支柱上端同士を接続する上フレーム21とによって一体化した枠組み構成とし、ルーフ22で覆われている。
【0018】
前記キャビン16のルーフ22には、監視カメラ、障害物センサ、測位コントローラ、カメラコントローラ置等の運転支援に関する機器を備えている。以下これらの装着構成について詳述する。監視カメラ23はトラクタ車体の前方、後方及び側方を撮像し撮像データを取得し、また通信制御ユニットとしての後述測位コントローラ25は車体の位置を演算するための情報を、同じく通信制御ユニットとしてのカメラコントローラ27を介して撮像情報を車体1に装備した制御部Cに送信出力するよう構成している。障害物センサ24は、例えば赤外線センサとされ、車体前後の障害物を検出しうる。
【0019】
測位コントローラ25は、測位アンテナ(図示せず)、基地局(図示せず)情報受信アンテナ26、演算部(図示せず)、出力部(図示せず)を備えており、測位アンテナでGPS衛星等からの衛星信号を取得し、該衛星信号とアンテナ26で受信した基地局からの補正信号を演算部で処理することにより車体の位置情報や走行方位等を演算する。これら位置情報等は出力部にて制御部Cに送信されるものである。測位コントローラ25の前方下方には前方監視カメラ23fを設けている。
【0020】
測位コントローラ25の演算部等を内装する筐体25aは、前記ルーフ22の前部側上方に配置される。すなわち、左右の後車鏡44L、44Rを装着するブラケット44aL、44aRに適宜連結したブラケット部材45aL、45aR間に架け渡すよう水平姿勢に支持されたパイプ状又は丸棒状の取付ステー45を設け、該取付ステー45の左右中間部に測位コントローラ25の筐体25aを固定支持してなる。なお、この筐体25aはルーフ22に直接指示させてもよく、取付ステー45とルーフ22の両方に支持させてもよい。
【0021】
前記取付ステー45には、筐体25a及び該筐体25aから上方に立設される前記アンテナ26を保護するガード部材46を設ける。パイプ材を逆U型46aに成形したガード部材46の左右下部には左右外方に折曲して弾性支持金具48に嵌合させる嵌合パイプ部46b、この嵌合パイプ部46bから前方に折曲された把持部46cを備える。なお弾性支持金具48は、前記取付ステー45の中間部固定ブラケット47への取付座板部48a、弾性受部48bを備える構成である。ガード部材46の嵌合パイプ部46bが弾性支持金具48に嵌合保持されると、ガード部材46の本体である逆U型46aは、測位コントローラ25の筐体25aの左右幅よりもやや広く、かつアンテナ26よりもやや高く位置される状態となって筐体25a及びアンテナ26をガードできる。また、側面視において、ガード部材46はアンテナ26位置と同等かまたはやや後方に位置する関係となっており、車体を風雨から護るよう覆う幌部材を被せるときや取り外しのときにアンテナ26をガードでき、不測に干渉して破損する恐れが少ない。なお、ガード部材46は弾性支持金具48に対して着脱自在な構成であるから輸送時等には装着してアンテナ26のガードに供するが、圃場でトラクタ作業に際してはガード部材46を取り外しておくこともできる。装着時に弾性支持金具48への嵌合部中心に前後回動しうるが、後方への回動は把持部46cの先端がルーフ22に当接して阻止でき、前方への回動は上記の中間部固定ブラケット47の延長先端部に当接して阻止できる。
【0022】
カメラコントローラ27は、監視カメラ23の撮像データを演算処理する演算部、その演算結果を送信する送信回路(図示せず)、複数(図例では2本)の通信アンテナ28を備えた構成である。
【0023】
カメラコントローラ27を内装する筐体27aは、前記ルーフ22の後部側上方に配置されるように、左・右方固定アーム29L,29Rと後方固定アーム30によりキャビン16に取り付けられる。左方固定アーム29Lは、アーム部29aLとブラケット部29bLを一体連結するもので、このうちアーム部29aLは前記ルーフ22上面に沿う湾曲部を有し先端側を筐体27aの下方に連結してなり、ブラケット部29bLはキャビン16に設けた吊り金具31に着脱自在に連結された構成である。右方固定アーム29Rも同様の構成でアーム部29aRとブラケット部29bRとを連結構成してなる。
【0024】
前記後方固定アーム30は、前記ルーフ22上面に沿い所定間隔離れて左右一対のアーム部30L,30Rで構成され、両方の先端側は前記筐体27aの下方に連結し、途中部をルーフ22に固定金具32を介して固定される。そしてこれらアーム部30L,30Rの各後端部は、側面視倒L型に折曲形成した連結座板33の一壁面を共通の座板部としてそれぞれ溶接等の手段で固定することによって、左右連結状態とされる。また連結座板33の他壁面をルーフ22の下面に固定した固定ブラケット34に重合状態で着脱自在に固定するものである。更に左右一対の後方固定アーム30の左右一対アーム部30L,30Rは、それらの後端部付近で分岐する分岐アーム部30aL,30aRを一体成形している。これらの分岐アーム部30aL,30aRの先端側はナンバープレート装着用座板35で連結されている。
【0025】
上記のように、カメラコントローラ27の筐体27aは、左・右方固定アーム29L,29Rと後方固定アーム30により、ルーフ22上面から離れた状態でキャビン16に装着できるからルーフ22からの直接的な振動を受けず安定して作動することができる。
【0026】
前記ルーフ22の後部は、後支柱20よりも後方に張り出すように形成されて意匠的向上を図っており、またエアコンユニット装着空間を形成するようになっている。このルーフ22の後端張り出し部22aの下面側に、前記後方固定アーム30の前記連結座板33を利用して後方監視カメラ23rを装着し、分岐アーム部30aL,30aRを利用して後方障害物センサ24rを装着する。
【0027】
すなわち、連結座板33の前記他壁部中央に角度調整用長孔を形成したカメラブラケット36を着脱自在に設け、カメラブラケット36に後方監視カメラ23rを後方向きで下向角度調整可能に締付固定する構成としている。一方後方障害物センサ24rは、左右の分岐アーム部30aL,30aRを連結するように設けたセンサブラケット37に固定されるものである。下向きに装着されているが、図外長孔形成によって前後方向に微調整可能に設けている。なお、後方障害物センサ24rの後面は前記ナンバープレート装着用座板35で囲われる。
【0028】
後方障害物センサ24rは後方監視カメラ23rよりも上方に位置する構成となって、監視カメラ23rによる撮像を妨げることなく障害物センサ24rを配置できる。
【0029】
前記左・右方固定アーム29L,29Rのキャビン16への連結構成について説明する。ここで、符号L,Rはそれぞれ左側、右側を意味するものであるが、左・右方固定アームは左右共有の構成であるから、以下代表して左側のLを表記して説明する。左固定アーム29Lはアーム部29aLとブラケット部29bLとを一体連結するもので、このうちブラケット部29bLは、板金材を断面L型及び一側短辺部を折曲して縁部を溶着することで補強構造を呈するものとし、後支柱20に固定した吊り金具31Lの該後支柱20寄りの位置に着脱自在に固定する。なお、ブラケット部29bLの上面に前記アーム部29aLを溶接等の手段で連結固定する。そしてこのブラケット部29bLの下面に、角度調整用長孔を形成したカメラブラケット42Lを着脱自在に設けている。このカメラブラケット42Lには左方監視カメラ23Lを側方向きで下向き角度調整可能に設けている。この左方監視カメラ23Lによって車体左方の状況を撮像できる。吊り金具31Lに、左方監視カメラ23Lの側面及び後面を覆うようにカメラガード43Lを設けている。このようにカメラガード43Lを設けることにより、樹木等への不測の接触事故があっても監視カメラ23Lの破損を防止でき、また監視カメラ23Lがアンテナを付属する場合には、アンテナを保護できる形状とすることによって適切にアンテナをガードできる。
【0030】
前記カメラコントローラ27の演算部等を収容する筐体27aから上方に突出すべく立設する前記通信アンテナ28を保護するガード部材50を、ルーフ22又は左・右固定アーム29L、29Rに設けた弾性支持金具51に着脱自在に嵌合するもので、前記測位コントローラ25のアンテナ26を保護するガード部材46の形状および装着構成と同様に構成される。すなわち、複数(2本)の通信アンテナ28は左右に配設され、側面視においてガード部材50の逆U型50aはこれら通信アンテナ28よりも後方に位置すべく配置され、幌部材を被せるときや取り外しのときに通信アンテナ28をガードでき、不測に干渉して破損する恐れが少ない。
【0031】
ガード部材50の左右下部には左右外方に折曲して弾性支持金具51に嵌合させる嵌合パイプ部50b、この嵌合パイプ部50bから後方に折曲された把持部50cを備え、一方弾性支持金具51は、取付座板部51a、弾性受部51bを備えて、ガード部材50の嵌合パイプ部50bが弾性支持金具51に嵌合保持されると、ガード部材50の本体である逆U型50aは、障害物検出装置27の筐体27aの左右幅よりもやや広く、かつアンテナ28よりもやや高く配置される状態となって筐体27aやアンテナ28をガードできる。また、側面視において、ガード部材50はアンテナ28位置と同等かまたはやや前方に位置する関係となっており、幌部材を被せるときや取り外しのときにアンテナ28をガードできる。装着時の回動規制構成について、前方への回動はガード部材50の把持部50cのルーフ22への当接で阻止でき、後方への回動は左右方固定アーム29L,29Rに設置のストッパ49L,49Rへの当接によって阻止できる。
【0032】
前記左・右固定アーム29L、29R及び後方固定アーム30には必要な通信ケーブルを沿わせて配策し、さらに保護カバー38L、38R、39で覆う構成としている。
【0033】
上記実施例では、通信制御ユニットの例として測位コントローラ25又はカメラコントローラ27としたが、ルーフ22上面にアンテナを伴って配置するいかなる通信制御ユニットにも応用できる。
【0034】
次いで、フェンダ19上面に構成する状態積層表示灯52支持構成及び機体左右側方の監視を行う監視センサとしての超音波センサ53の装着構成について説明する。左右のフェンダ19L,19Rの上面にライトブラケット54L,54Rを介して表示灯52L,52Rを固定する。フェンダ19L,19Rの傾斜前部から上方に亘る外側端縁部分に沿う形状の湾曲支持アーム56L,56Rを、複数の連結片57を介してフェンダ19L,19Rに連結している。この湾曲支持アーム56L,56Rの前側端部と後側端部に超音波センサ53fL、53rL及び53fR,53rRを取付けるとともに、中間部にライトブラケット54L,54Rを連結している。中間部に連結されるライトブラケット54L,54Rの上方部の支持座54aL,54aRに表示灯52L,52Rの底部を連結支持している。湾曲支持アーム56L,56Rの外側には意匠的価値を備えた側面カバー57L,57Rを前後及び中間の3か所で連結している。側面カバー57L,57Rの超音波センサ53f,53r対応箇所には開口部を形成し、中間部にはライトブラケット54L,54R貫通用孔を形成した膨出部を形成している。 超音波センサ53fL、53rL及び53fR,53rRは左右の湾曲支持アーム56L,56Rにそれぞれ配設されるものであり、車体の側方への照射信号とその反射信号を捉えて障害物の有無及び距離を検出できる。表示灯52L,52Rは、積層状で異なる警告色を点灯できる構成となっており、自律走行中のトラクタの状況を各種点灯方法によって、例えば通常作業走行を緑色点灯、異常有りを赤色点灯、障害物検出を黄色点灯、機体停止で点滅することで区別表示できる構成であり、フェンダ19L,19Rの上面にあって縦筒状としているから全方位から視認可能である。
【0035】
前記表示灯52L,52Rは、側面視においてキャビン16の前支柱18と中間支柱62の間に設けるドア60L,60Rのヒンジ部61付近に配設している。さらに該ヒンジ部61の連結対象としての中間支柱62L,62Rに重合する位置又はやや後方において、該中間支柱62L,62Rから可及的に離れた位置となるよう前記ライトブラケット54L,54R及びその支持座54aを配置している。なお、中間支柱62L,62Rの後部側に位置する開閉窓63L,63Rは後端側を支点に前側が開閉できる構成となっているが、この前側開閉時にも干渉しないような位置に支持座54aを設けている。このように構成することにより、ドア60L,60Rの開閉時の接触及び開閉窓63L,63Rの開閉時の接触を防止でき、かつ車体側面の広い角度範囲で視認できる。なお、
図7,
図8は車体左側に設ける支持アーム56Lと側面カバー57Lの例を示すが、機体右側には対象の構成の支持アーム56R、側面カバー57Rを備えている(
図2,
図5)。
【0036】
図9は、画像情報やセンサ情報を表示するモニタ画面64の支持構成を示す。キャビン室内側において、前記中間支柱のうち一方(図例では右側中間支柱62R)に、先端側にモニタ画面64の支持部を形成したモニタステー65の基端側を縦支軸66回りに回動可能に装着し、操縦席のオペレータに接近する位置(
図9(A))から、右側ドア60Rに接近する位置(同(B))に回動可能に設けている。このように構成すると、オペレータの運転姿勢等に応じて適宜に位置変更してモニタ表示できる。
【符号の説明】
【0037】
5L 後輪
5R 後輪
7 運転席
16 キャビン
18L前支柱
18R 前支柱
19L フェンダ
19R フェンダ
20L 後支柱
20R 後支柱
45L 取付ステー
45R 取付ステー
52L 表示灯
52R 表示灯
53L 監視センサ
53R 監視センサ
60L ドア
60R ドア
62L 中間支柱
62R 中間支柱
63L 開閉窓
63R 開閉窓