(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】スイッチ装置、電流判定方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H02J1/00 309Q
(21)【出願番号】P 2019225848
(22)【出願日】2019-12-13
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】澤野 峻一
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/054138(WO,A1)
【文献】特開2018-011411(JP,A)
【文献】特開2019-205252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に着脱可能に接続されるコネクタと、
直流電源から前記コネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチと、
前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられ、サブスイッチを有するスイッチ回路と、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きく、
前記処理部は、
前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得し、
取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定
し、
前記直流電源から前記コネクタへの第3電流経路に設けられ、一端が前記接続ノードに接続される抵抗と、
前記接続ノードに一端が接続されているキャパシタと
を備え、
前記処理部は、
前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で前記ノード電圧情報を取得し、
前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で取得した前記ノード電圧情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定する
処理を実行するスイッチ装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記負荷が前記コネクタに接続されたと判定した場合、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で前記ノード電圧情報を取得する処理を実行する
請求項
1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記抵抗の抵抗値は、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値よりも大きい
請求項
1又は請求項
2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
負荷に着脱可能に接続されるコネクタと、
直流電源から前記コネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチと、
前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられ、サブスイッチを有するスイッチ回路と、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きく、
前記処理部は、
前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得し、
取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定
し、
前記処理部は、
前記メインスイッチがオンである場合、前記スイッチ電流を示す電流情報を取得し、
取得した電流情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定する
処理を実行するスイッチ装置。
【請求項5】
前記処理部は、
取得したノード電圧情報に基づいて前記負荷の抵抗成分値を算出し、
算出した抵抗成分値に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に流れる前記スイッチ電流が前記電流閾値未満であるか否かを判定する
処理を実行する請求項1
から請求項4のいずれか1つに記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記スイッチ回路は、前記サブスイッチと直列に接続される第2の抵抗を有する
請求項1から請求項
5のいずれか1つに記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記処理部は動作を休止し、
前記処理部は、動作を再開した場合、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で前記ノード電圧情報を取得する処理を実行する
請求項1から請求項
6のいずれか1つに記載のスイッチ装置。
【請求項8】
抵抗成分値がゼロオームである負荷が前記コネクタに接続され、かつ、前記メインスイッチ及びサブスイッチそれぞれがオフ及びオンである場合に流れる電流は、発煙を引き起こさない正常値である
請求項1から請求項
7のいずれか1つに記載のスイッチ装置。
【請求項9】
直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、
取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップと、
前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で前記ノード電圧情報を取得するステップと、
前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で取得した前記ノード電圧情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定するステップと
をコンピュータが実行し、
前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きく、
前記直流電源から前記コネクタへの第3電流経路に設けられる抵抗の一端が前記接続ノードに接続され、
前記接続ノードにキャパシタの一端が接続されている
電流判定方法。
【請求項10】
直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、
取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップと、
前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で前記ノード電圧情報を取得するステップと、
前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で取得した前記ノード電圧情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定するステップと
をコンピュータに実行させるために用いられ、
スイッチのオン抵抗値よりも大きく、
前記直流電源から前記コネクタへの第3電流経路に設けられる抵抗の一端が前記接続ノードに接続され、
前記接続ノードにキャパシタの一端が接続されている
コンピュータプログラム。
【請求項11】
直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、
取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップと、
前記メインスイッチがオンである場合、前記スイッチ電流を示す電流情報を取得するステップと、
取得した電流情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定するステップと
をコンピュータが実行し、
前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きい
電流判定方法。
【請求項12】
直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、
取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップと、
前記メインスイッチがオンである場合、前記スイッチ電流を示す電流情報を取得するステップと、
取得した電流情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定するステップと
をコンピュータに実行させるために用いられ、
前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きい
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチ装置、電流判定方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、直流電源から負荷への電流経路にスイッチが配置されているスイッチ装置(例えば、特許文献1を参照)が搭載されている。特許文献1に記載のスイッチ装置では、スイッチをオン又はオフに切替えることによって、直流電源から負荷への給電を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直流電源から負荷への電流経路にスイッチが配置されている従来のスイッチ装置として、負荷に着脱可能に接続されるコネクタを有するスイッチ装置が挙げられる。このスイッチ装置では、スイッチがオンである場合、直流電源は、スイッチ及びコネクタを介して負荷に電力を供給する。スイッチを介して流れる電流は、コネクタに接続される負荷の抵抗成分値が小さい程、大きい。コネクタに、抵抗成分値が小さい負荷がコネクタに接続された場合、スイッチを介して過電流が流れる可能性がある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、過電流の通流を防止することができるスイッチ装置、電流判定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るスイッチ装置は、負荷に着脱可能に接続されるコネクタと、直流電源から前記コネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチと、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられ、サブスイッチを有するスイッチ回路と、処理を実行する処理部とを備え、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きく、前記処理部は、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得し、取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する処理を実行する。
【0007】
本開示の一態様に係る電流判定方法では、直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップとをコンピュータが実行し、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きい。
【0008】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップとをコンピュータに実行させるために用いられ、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きい。
【0009】
なお、本開示を、このような特徴的な処理部を備えるスイッチ装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする電流判定方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、本開示を、スイッチ装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、スイッチ装置を含む電源システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、過電流の通流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図2】スイッチ装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【
図3】マイコンの要部構成を示すブロック図である。
【
図4】接続検知処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】電流判定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】給電制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2におけるマイコンの要部構成を示すブロック図である。
【
図8】休止処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】起動処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態3におけるスイッチ装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0013】
(1)本開示の一態様に係るスイッチ装置は、負荷に着脱可能に接続されるコネクタと、直流電源から前記コネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチと、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられ、サブスイッチを有するスイッチ回路と、処理を実行する処理部とを備え、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きく、前記処理部は、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得し、取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する処理を実行する。
【0014】
(2)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、前記処理部は、取得したノード電圧情報に基づいて前記負荷の抵抗成分値を算出し、算出した抵抗成分値に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に流れる前記スイッチ電流が前記電流閾値未満であるか否かを判定する処理を実行する。
【0015】
(3)本開示の一態様に係るスイッチ装置は、前記直流電源から前記コネクタへの第3電流経路に設けられ、一端が前記接続ノードに接続される抵抗と、前記接続ノードに一端が接続されているキャパシタとを備え、前記処理部は、前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で前記ノード電圧情報を取得し、前記メインスイッチ及びサブスイッチがオフである状態で取得した前記ノード電圧情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定する処理を実行する。
【0016】
(4)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、前記処理部は、前記負荷が前記コネクタに接続されたと判定した場合、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で前記ノード電圧情報を取得する処理を実行する。
【0017】
(5)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、前記抵抗の抵抗値は、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値よりも大きい。
【0018】
(6)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、前記処理部は、前記メインスイッチがオンである場合、前記スイッチ電流を示す電流情報を取得し、取得した電流情報に基づいて前記負荷が前記コネクタに接続されているか否かを判定する処理を実行する。
【0019】
(7)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、前記スイッチ回路は、前記サブスイッチと直列に接続される第2の抵抗を有する。
【0020】
(8)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、前記処理部は動作を休止し、前記処理部は、動作を再開した場合、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で前記ノード電圧情報を取得する処理を実行する。
【0021】
(9)本開示の一態様に係るスイッチ装置では、抵抗成分値がゼロオームである負荷が前記コネクタに接続され、かつ、前記メインスイッチ及びサブスイッチそれぞれがオフ及びオンである場合に流れる電流は、発煙を引き起こさない正常値である。
【0022】
(10)本開示の一態様に係る電流判定方法では、直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップとをコンピュータが実行し、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きい。
【0023】
(11)本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、直流電源から、負荷に着脱可能に接続されるコネクタへの第1電流経路に設けられたメインスイッチがオフであり、かつ、前記直流電源から前記コネクタへの第2電流経路に設けられたスイッチ回路が有するサブスイッチがオンである状態で、前記メインスイッチ及びサブスイッチの下流側の接続ノードのノード電圧を示すノード電圧情報を取得するステップと、取得したノード電圧情報に基づいて、前記メインスイッチがオンに切替わった場合に前記メインスイッチを介して流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定するステップとをコンピュータに実行させるために用いられ、前記サブスイッチがオンである場合における前記スイッチ回路の抵抗値は、前記メインスイッチのオン抵抗値よりも大きい。
【0024】
上記の一態様に係るスイッチ装置、電流判定方法及びコンピュータプログラムにあっては、メインスイッチをオンにする前に、サブスイッチをオンに切替え、ノード電圧情報を取得する。負荷がコネクタに接続している場合において、メインスイッチがオフであり、かつ、サブスイッチがオンであるとき、ノード電圧は、スイッチ回路及び負荷が直流電源の電圧を分圧することによって得られる電圧であり、負荷の抵抗成分値が大きい程、大きい。メインスイッチをオンに切替えた場合に流れるスイッチ電流は、負荷の抵抗成分値が大きい程、小さい。従って、ノード電圧が高い程、メインスイッチをオンに切替えた場合に流れるスイッチ電流は小さい。
【0025】
ノード電圧情報、即ち、ノード電圧に基づいて、メインスイッチがオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。スイッチ電流が電流閾値未満であると判定した場合、メインスイッチをオンに切替える。このため、電流閾値を超える過電流の通流が防止される。
【0026】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、メインスイッチがオフであり、かつ、サブスイッチがオンである場合におけるノード電圧に基づいて、負荷の抵抗成分値を算出する。算出した抵抗成分値に基づいて、メインスイッチがオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。
【0027】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、負荷がコネクタに接続されていない場合において、メインスイッチ及びサブスイッチがオフであるとき、キャパシタの両端間の電圧が直流電源の電圧となるまでキャパシタは充電される。従って、キャパシタの両端間の電圧は高い。一方、負荷がコネクタに接続されている場合において、メインスイッチ及びサブスイッチがオフであるとき、キャパシタは、キャパシタの両端間の電圧が、抵抗及び負荷が直流電源の電圧を分圧することによって得られる電圧となるまで放電する。従って、キャパシタの両端間の電圧は低い。従って、メインスイッチ及びサブスイッチがオフである場合におけるノード電圧、即ち、キャパシタの両端間の電圧に基づいて、負荷がコネクタに接続しているか否かを判定することができる。
【0028】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、負荷がコネクタに接続されたと判定した場合、前記メインスイッチがオフであり、かつ、前記サブスイッチがオンである状態で前記ノード電圧情報を取得する。その後、メインスイッチがオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。
【0029】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、抵抗の抵抗値は大きいので、メインスイッチ及びサブスイッチの一方がオンである場合、抵抗を介して流れる電流は実質的にゼロAである。
【0030】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、メインスイッチがオンである場合においては、負荷がコネクタに接続されているとき、スイッチ電流が流れる。一方、メインスイッチがオンである場合において、負荷がコネクタに接続されていないとき、スイッチ電流は流れない。このため、メインスイッチがオンである場合においては、スイッチ電流に基づいて、負荷がコネクタに接続されているか否かを判定することができる。
【0031】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、サブスイッチがオンに切替わった場合にスイッチ回路を介して過電流が流れることを防止する必要がある。従って、サブスイッチがオンである場合におけるスイッチ回路の抵抗値は大きいことが好ましい。第2の抵抗がサブスイッチに直列に接続されているので、サブスイッチのオン抵抗値が小さい場合であっても、サブスイッチがオンであるときの抵抗値が大きいスイッチ回路を実現することができる。
【0032】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、処理部は、動作を再開する場合、メインスイッチがオフであり、かつ、サブスイッチがオンである状態で取得したノード電圧情報に基づいてメインスイッチがオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。従って、処理部が休止している間に、コネクタに接続されている負荷が、抵抗成分値が小さい負荷に変更された場合に誤ってメインスイッチ20がオンに切替わることはない。
【0033】
上記の一態様に係るスイッチ装置にあっては、サブスイッチがオンである場合におけるスイッチ回路の抵抗値は大きい。このため、抵抗成分値がゼロオームである負荷がコネクタに接続され、かつ、メインスイッチ及びサブスイッチそれぞれがオフ及びオンである場合に流れる電流は小さく、発煙が引き起こされることはない。
【0034】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電源システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0035】
(実施形態1)
<電源システムの構成>
図1は実施形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は、好適に車両に搭載されており、スイッチ装置10、直流電源11及び負荷12を備える。スイッチ装置10は、メインスイッチ20及び装置コネクタTaを有する。負荷12は負荷コネクタTbを有する。スイッチ装置10は直流電源11の正極に接続されている。直流電源11の負極は接地されている。装置コネクタTaは負荷コネクタTbに着脱可能に接続される。負荷コネクタTbが装置コネクタTaに接続することによって、負荷12が装置コネクタTaに接続される。
【0036】
直流電源11は、例えばバッテリである。負荷12は、例えば、車両内に持ち込まれる電気機器であり、抵抗成分を有する。負荷12に供給されている電力が一定電力以上である場合、負荷12は作動する。一定電力は、ゼロWを超える値である。負荷12に供給されている電力が一定電力未満である場合、負荷12は動作を停止する。
【0037】
負荷12が装置コネクタTaに接続されている場合において、メインスイッチ20がオフからオンに切替わったとき、直流電源11は、メインスイッチ20及び装置コネクタTaを介して負荷12に電力を供給する。このとき、負荷12に供給される電力は一定電力以上であり、負荷12は作動する。同様の場合において、メインスイッチ20がオンからオフに切替わったとき、直流電源11が負荷12に供給する電力は、一定電力未満である電力に低下し、負荷12は動作を停止する。
【0038】
スイッチ装置10には、負荷12の作動を指示する作動信号と、負荷12の動作の停止を指示する停止信号とが入力される。スイッチ装置10では、作動信号が入力された場合、メインスイッチ20をオンに切替え、負荷12を作動させる。スイッチ装置10では、停止信号が入力された場合、メインスイッチ20をオフに切替え、負荷12の動作を停止させる。
【0039】
スイッチ装置10を介して過電流が流れる可能性がある負荷12が装置コネクタTaに接続された場合、スイッチ装置10は、負荷12への給電が不可能であることを示す報知信号を図示しない装置に出力する。負荷12が装置コネクタTaに接続されていない状態でスイッチ装置10に作動信号が入力された場合、スイッチ装置10は、負荷12の非接続を示す報知信号を図示しない装置に出力する。
【0040】
<スイッチ装置10の構成>
スイッチ装置10は、メインスイッチ20及び装置コネクタTaに加えて、電流出力回路21、電源検出部22、マイクロコンピュータ(以下マイコンという)23、駆動回路24、電流抵抗25、スイッチ回路26、切替えスイッチ27、スイッチ抵抗28、回路抵抗29、キャパシタ30及び電圧検出部31を有する。スイッチ回路26は、サブスイッチ40及びスイッチ抵抗41,42を有する。メインスイッチ20はNチャネル型のFET(Field Effect Transistor)である。切替えスイッチ27はNPN型のバイポーラトランジスタである。サブスイッチ40はPチャネル型のFETである。
【0041】
メインスイッチ20のドレインは、直流電源11の正極に接続されている。メインスイッチ20のソースは、電流出力回路21に接続されている。電流出力回路21は、更に、装置コネクタTaに接続されている。装置コネクタTaは接地されている。負荷12が装置コネクタTaに接続された場合、負荷12は、電流出力回路21に接続されるとともに接地される。
【0042】
メインスイッチ20のドレインは、更に、電源検出部22に接続されている。電源検出部22はマイコン23に接続されている。メインスイッチ20のゲートは駆動回路24に接続されている。駆動回路24は更にマイコン23に接続されている。電流出力回路21は、更に、電流抵抗25の一端に接続されている。電流抵抗25の他端は接地されている。電流出力回路21及び電流抵抗25間の接続ノードは、マイコン23及び駆動回路24に接続されている。
【0043】
メインスイッチ20のドレインは、更に、スイッチ回路26のサブスイッチ40のソースに接続されている。サブスイッチ40のドレインは、電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードに接続されている。スイッチ回路26内では、サブスイッチ40のソース及びゲート間にスイッチ抵抗41が接続されている。サブスイッチ40のゲートは、更に、スイッチ抵抗42の一端に接続されている。スイッチ抵抗42の他端は、切替えスイッチ27のコレクタに接続されている。切替えスイッチ27のエミッタは接地されている。切替えスイッチ27のベースはスイッチ抵抗28の一端に接続されている。スイッチ抵抗28の他端はマイコン23に接続されている。
【0044】
メインスイッチ20のドレインは、更に、回路抵抗29の一端に接続されている。回路抵抗29の他端は、電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードに接続されている。この接続ノードは、更に、キャパシタ30の一端と、電圧検出部31とに接続されている。キャパシタ30の他端は接地されている。電圧検出部31はマイコン23に接続されている。
【0045】
電源検出部22は、接地電位を基準とした直流電源11の電圧を検出する。以下では、接地電位を基準とした直流電源11の電圧を電源電圧と記載する。電源検出部22は、検出した電源電圧を示す電源電圧情報をマイコン23に出力する。電源電圧情報は、アナログ値であり、例えば、検出した電源電圧に比例する電圧である。直流電源11は、負荷12に加えて、図示しない一又は複数の第2の負荷にも電力を供給する。直流電源11の正極は、スイッチ装置10だけではなく、一又は複数の第2の負荷に接続されている。直流電源11から流れる電流に応じて、直流電源11の電源電圧は変動する。直流電源11から流れる電流が大きい程、電源電圧は低い。
【0046】
メインスイッチ20においては、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧以上である場合、ドレイン及びソース間の抵抗値が十分に小さい。このとき、メインスイッチ20はオンであり、ドレイン及びソースを介して電流が流れることが可能である。メインスイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧未満である場合、ドレイン及びソース間の抵抗値は十分に大きい。このとき、メインスイッチ20はオフであり、ドレイン及びソースを介して電流が流れることはない。
【0047】
マイコン23には、作動信号及び停止信号が入力される。作動信号がマイコン23に入力された場合、メインスイッチ20のオンへの切替えを指示するオン指示を駆動回路24に出力する。オン指示が駆動回路24に入力された場合、駆動回路24は、接地電位を基準としたメインスイッチ20のゲートの電圧を上昇させる。これにより、メインスイッチ20において、ソースを基準としたゲートの電圧が一定電圧以上となり、メインスイッチ20はオンに切替わる。
【0048】
停止信号がマイコン23に入力された場合、マイコン23は、メインスイッチ20のオフへの切替えを指示するオフ指示を駆動回路24に出力する。オフ指示が駆動回路24に入力された場合、メインスイッチ20において、接地電位を基準としたゲートの電圧を低下させる。これにより、メインスイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧未満となり、メインスイッチ20はオフに切替わる。
以上のように、駆動回路24はメインスイッチ20をオン又はオフに切替える。
【0049】
負荷12が装置コネクタTaに接続されている場合において、メインスイッチ20がオンであるとき、直流電源11の正極から、電流がメインスイッチ20、電流出力回路21、装置コネクタTa及び負荷12の順に電流が流れる。これにより、負荷12は作動する。以下では、直流電源11からメインスイッチ20及び電流出力回路21の順に流れ、電流出力回路21の装置コネクタTa側の一端から出力される電流をスイッチ電流と記載する。
直流電源11の正極からメインスイッチ20、電流出力回路21及び装置コネクタTaの順に流れる電流の電流経路は第1電流経路に相当する。第1電流経路にメインスイッチ20が設けられている。
【0050】
電流出力回路21は、スイッチ電流が流れた場合、スイッチ電流の所定数分の1である電流を電流抵抗25に出力する。電流出力回路21は、例えばカレントミラー回路を含む。所定数は例えば1000である。マイコン23及び駆動回路24には、電流抵抗25の両端間の電圧が電流情報として入力される。
【0051】
スイッチ電流、電流抵抗25の抵抗値及び所定数それぞれをIs、rc及びNと記載する。電流抵抗25の両端間の電圧は、Is・rc/Nによって算出される。「・」は積を表す。抵抗値rc及び所定数Nは一定値である。このため、電流抵抗25の両端間の電圧はスイッチ電流Isに比例し、電流情報はスイッチ電流Isを示す。
【0052】
直流電源11がメインスイッチ20を介して負荷12に電力を供給している場合において、メインスイッチ20がオフに切替わったとき、直流電源11が負荷12に供給される電力は一定電力未満となり、負荷12は動作を停止する。
【0053】
負荷12が装置コネクタTaに接続されていない場合、メインスイッチ20がオンであるか否かに無関係に、スイッチ電流が流れることはない。また、メインスイッチ20がオフである場合も、スイッチ電流が流れることはない。スイッチ電流が流れていない場合、電流出力回路21は電流を電流抵抗25に出力せず、ゼロVが電流情報としてマイコン23及び駆動回路24に入力される。
【0054】
駆動回路24は、入力された電流情報が示すスイッチ電流が遮断閾値以上となった場合、マイコン23から入力される信号に無関係に、メインスイッチ20をオフに切替える。駆動回路24は、メインスイッチ20をオフに切替えた後においては、入力される電流情報に無関係に、メインスイッチ20のオフを維持する。遮断閾値は、一定値であり、予め設定されている。
【0055】
切替えスイッチ27について、エミッタの電位を基準としたベースの電圧が一定電圧以上である場合、コレクタ及びエミッタ間の抵抗値は十分に小さい。このとき、切替えスイッチ27はオンであり、コレクタ及びエミッタを介して電流が流れることが可能である。切替えスイッチ27について、エミッタの電位を基準としたベースの電圧が一定電圧未満である場合、コレクタ及びエミッタ間の抵抗値は十分に大きい。このとき、切替えスイッチ27はオフであり、コレクタ及びエミッタを介して電流が流れることはない。
【0056】
マイコン23は、接地電位を基準とした切替えスイッチ27のベースの電圧を上昇させる。これにより、切替えスイッチ27において、エミッタの電位を基準としたベースの電圧が一定電圧以上となり、切替えスイッチ27はオンに切替わる。マイコン23は、接地電位を基準とした切替えスイッチ27のベースの電圧を低下させる。これにより、切替えスイッチ27において、エミッタの電位を基準としたベースの電圧が一定電圧未満となり、切替えスイッチ27はオフに切替わる。以上のように、マイコン23は切替えスイッチ27をオン又はオフに切替える。
【0057】
スイッチ回路26のサブスイッチ40について、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧未満である場合、ソース及びドレイン間の抵抗値が十分に小さい。このとき、サブスイッチ40はオンであり、ソース及びドレインを介して電流が流れることが可能である。スイッチ回路26のサブスイッチ40について、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧以上である場合、ソース及びドレイン間の抵抗値が十分に大きい。このとき、サブスイッチ40はオフであり、ソース及びドレインを介して電流が流れることはない。サブスイッチ40に関する一定電圧はゼロV未満である。
【0058】
切替えスイッチ27がオフである場合、電流がスイッチ抵抗41,42の順に流れることはない。このとき、サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧は、ゼロVであり、一定電圧を超えている。結果、サブスイッチ40はオフである。マイコン23が切替えスイッチ27をオンに切替えた場合、電流がスイッチ抵抗41,42の順に流れる。このとき、サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧は、一定電圧未満となり、サブスイッチ40はオンに切替わる。
【0059】
マイコン23が切替えスイッチ27をオフに切替えた場合、スイッチ抵抗41,42を介した電流の通流は停止する。これにより、サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧は、ゼロVに上昇し、一定電圧を超える。結果、サブスイッチ40はオフに切替わる。
以上のように、マイコン23は、切替えスイッチ27をオンに切替えることによってサブスイッチ40をオンに切替えるとともに、切替えスイッチ27をオフに切替えることによってサブスイッチ40をオフに切替える。
【0060】
サブスイッチ40のオン抵抗値、即ち、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値は、メインスイッチ20のオン抵抗値よりも十分に大きい。回路抵抗29の抵抗値は、サブスイッチ40のオン抵抗値、即ち、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値よりも十分に大きい。メインスイッチ20のオン抵抗値は例えば数オームである。サブスイッチ40のオン抵抗値は、例えば数百オームから数キロオームの範囲に属する抵抗値である。Nチャネル型のFETのオン抵抗値は、通常、数オーム以下である。このため、サブスイッチ40として、オン抵抗値が大きいPチャネル型のFETが用いられている。回路抵抗は例えば数メガオームである。スイッチのオン抵抗値は、スイッチがオンである場合におけるスイッチの抵抗値である。
【0061】
電圧検出部31は、電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードの電圧を検出する。以下では、電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードの電圧をノード電圧と記載する。ノード電圧は、接地電位を基準とした電圧である。電圧検出部31は、ノード電圧を検出した場合、検出したノード電圧を示すノード電圧情報をマイコン23に出力する。ノード電圧情報は、アナログ値であり、例えば、ノード電圧に比例する電圧を示す。
【0062】
マイコン23は、メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである状態で電圧検出部31から取得したノード電圧情報に基づいて、負荷12が装置コネクタTaに接続されたか否かを判定する。マイコン23は、負荷12が装置コネクタTaに接続されたと判定した場合、メインスイッチ20がオフであり、かつ、サブスイッチ40がオンである状態で電源検出部22及び電圧検出部31から取得した電源電圧情報及びノード電圧情報に基づいて、負荷12の抵抗成分値を算出する。
【0063】
マイコン23は、算出した抵抗成分値に基づいて、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。電流閾値は、一定値であり、予め設定されている。電流閾値は前述した遮断閾値未満である。マイコン23は、スイッチ電流が電流閾値未満であると判定した場合、入力される信号に従って、メインスイッチ20をオン又はオフに切替える。マイコン23は、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値以上であると判定した場合、又は、負荷12が装置コネクタTaに接続されていない状態で作動信号が入力された場合、報知信号を出力する。
【0064】
<スイッチ装置10の動作例>
図2は、スイッチ装置10の動作例を示すタイミングチャートである。
図2には、メインスイッチ20及びサブスイッチ40の状態の推移と、ノード電圧の推移とが示されている。これらの推移について、横軸には時間が示されている。
図2において、Vbは電源電圧を示す。V1は、サブスイッチ40がオンである場合において、スイッチ回路26及び負荷12が電源電圧Vbを分圧することによって得られる第1分圧電圧を示す。V2は、回路抵抗29及び負荷12が電源電圧Vbを分圧することによって得られる第2分圧電圧を示す。
図2には、電源電圧Vbが安定している場合におけるスイッチ装置10の動作例が示されている。
【0065】
前述したように、回路抵抗29の抵抗値は、サブスイッチ40のオン抵抗値よりも十分に大きい。このため、第2分圧電圧V2は第1分圧電圧V1よりも十分に低い。Vthは、負荷コネクタTbが装置コネクタTaに接続されているか否かを判定するための電圧閾値である。電圧閾値Vthは、電源電圧Vb未満であり、かつ、第2分圧電圧V2を超えている。
【0066】
負荷12の抵抗成分値は、回路抵抗29の抵抗値よりも十分に小さい。負荷12として、抵抗成分値が例えば数キロオーム以下である負荷が想定される。回路抵抗29の抵抗値は、前述したように、例えば数メガオームである。このため、第2分圧電圧V2はゼロVに近い値である。
【0067】
メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである場合において、負荷12が装置コネクタTaに接続されていないとき、直流電源11の正極から電流が回路抵抗29及びキャパシタ30の順に流れる。これにより、ノード電圧、即ち、キャパシタ30の両端間の電圧は電源電圧Vbとなるまで充電される。従って、負荷12が装置コネクタTaに接続されていない場合、電圧検出部31が検出したノード電圧は、電源電圧Vbに実質的に一致し、電圧閾値Vth以上である。マイコン23は、メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである場合において、ノード電圧が電圧閾値Vth以上であるとき、装置コネクタTaは負荷コネクタTbに接続されていないと判定する。
【0068】
キャパシタ30の静電容量は小さい。このため、キャパシタ30が充電されている場合、ノード電圧が上昇する速度は速い。キャパシタ30が放電している場合、ノード電圧が低下する速度も速い。
【0069】
メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである場合において、負荷12が装置コネクタTaに接続されたとき、キャパシタ30は、ノード電圧が第2分圧電圧V2となるまで、負荷12を介して放電する。負荷12が装置コネクタTaに接続されている場合、ノード電圧は電圧閾値Vth未満である。マイコン23は、メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである場合において、ノード電圧が電圧閾値Vth未満であるとき、負荷12が装置コネクタTaに接続されていると判定する。
【0070】
メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである場合において、負荷12が装置コネクタTaに接続されたとき、直流電源11の正極から、電流が回路抵抗29、装置コネクタTa及び負荷12の順に流れる。回路抵抗29及び装置コネクタTaの順に流れる電流の電流経路は第3電流経路に相当する。第3電流経路に回路抵抗29が設けられている。
【0071】
前述したように、回路抵抗29の抵抗値は十分に大きい。このため、メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである場合、負荷12を流れる電流は小さい。このため、負荷12に供給される電力は一定電力未満であり、負荷12が作動することはない。
【0072】
マイコン23は、負荷12が装置コネクタTaに接続されたと判定した場合、サブスイッチ40をオンに切替える。このとき、直流電源11の正極から、電流がサブスイッチ40、装置コネクタTa及び負荷12の順に流れる。直流電源11の正極からサブスイッチ40及び装置コネクタTaの順に流れる電流の電流経路は第2電流経路に相当する。第2電流経路に、サブスイッチ40、即ち、スイッチ回路26が設けられている。電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードは、メインスイッチ20及びサブスイッチ40の下流側の接続ノードである。
【0073】
前述したように、回路抵抗29の抵抗値は、サブスイッチ40のオン抵抗値よりも十分に大きい。このため、サブスイッチ40がオンである場合に回路抵抗29を介して流れる電流は実質的にゼロAである。また、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値、即ち、サブスイッチ40のオン抵抗値は大きいため、負荷12を流れる電流は小さい。従って、負荷12に供給される電力は一定電力未満であり、負荷12が作動することはない。
【0074】
更に、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値は大きいので、抵抗成分値がゼロオームである負荷12が装置コネクタTaに接続され、かつ、メインスイッチ20及びサブスイッチ40それぞれがオフ及びオンである場合に流れる電流は小さい。この電流は、サブスイッチ40、直流電源11及びサブスイッチ40を接続する接続線、又は、サブスイッチ40及び装置コネクタTaを接続する接続線等において発煙を引き起こさない正常値である。抵抗成分値がゼロオームである負荷12が装置コネクタTaに接続され、かつ、メインスイッチ20及びサブスイッチ40それぞれがオフ及びオンである場合に流れる電流は、サブスイッチ40の温度を異常な温度に上昇させることもない。このため、サブスイッチ40において故障が発生することもない。ここで、ゼロオームは、厳密な値ではなく、実質的な値である。
【0075】
メインスイッチ20がオフであり、かつ、負荷12が装置コネクタTaに接続されている状態でサブスイッチ40がオンに切替わった場合、直流電源11は、ノード電圧が第1分圧電圧V1になるまでキャパシタ30を充電する。マイコン23は、電源検出部22が検出した電源電圧Vbと、メインスイッチ20がオフであり、かつ、サブスイッチ40がオンである状態で電圧検出部31が検出したノード電圧、即ち、第1分圧電圧V1とに基づいて、負荷12の抵抗成分値を算出する。
【0076】
サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値をrsと記載する。負荷12の抵抗成分値をrdと記載する。第1分圧電圧V1は、抵抗値rs、抵抗成分値rd及び電源電圧Vbを用いて下記式で表される。
V1=Vb・(rd/(rs+rd))
スイッチ回路26の抵抗値rsは、予め計測されており、既知の値である。電源電圧Vb及び第1分圧電圧V1それぞれは、電源検出部22及び電圧検出部31によって検出される。従って、スイッチ回路26の抵抗値rsを算出することができる。
【0077】
マイコン23は、第1分圧電圧V1を示すノード電圧情報を取得した後、サブスイッチ40をオフに切替える。これにより、キャパシタ30は、ノード電圧が第2分圧電圧V2となるまで放電する。
【0078】
マイコン23は、算出したスイッチ回路26の抵抗値rsに基づいて、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流、即ち、Vb/rsが電流閾値未満であるか否かを判定する。マイコン23は、スイッチ電流が電流閾値以上であると判定した場合、負荷12への給電が不可能であることを示す報知信号を出力する。マイコン23は、スイッチ電流が電流閾値未満であると判定した場合、負荷12への給電を制御する給電制御処理を実行する。給電制御処理では、マイコン23は、入力された信号に基づいてメインスイッチ20をオン又はオフに切替える。給電制御処理が実行されている間、サブスイッチ40はオフに維持される。
【0079】
前述したように、メインスイッチ20がオンである場合、負荷12に電力が供給され、負荷12が作動する。メインスイッチ20のオン抵抗値は、回路抵抗29の抵抗値よりも十分に小さいので、メインスイッチ20がオンである場合に回路抵抗29を介して流れる電流は実質的にゼロAである。メインスイッチ20がオンである場合、キャパシタ30は、ノード電圧が電源電圧Vbとなるまで充電される。メインスイッチ20がオフである場合、キャパシタ30は、ノード電圧が第2分圧電圧V2となるまで放電する。
【0080】
マイコン23は、給電制御処理を実行している間、負荷12が装置コネクタTaに接続されているか否かを周期的に判定する。マイコン23は、負荷12が接続されていない場合において、メインスイッチ20がオフであるとき、ノード電圧が電源電圧Vbであるので、前述したように、ノード電圧が電圧閾値Vth以上であるか否かを判定する。
【0081】
サブスイッチ40がオフであり、かつ、メインスイッチ20がオンである場合において、負荷12が装置コネクタTaに接続されているとき、スイッチ電流が流れる。同様の場合において、負荷12が装置コネクタTaに接続されていないとき、スイッチ電流が流れず、マイコン23に入力される電流情報が示すスイッチ電流はゼロAである。マイコン23は、メインスイッチ20がオンである場合、入力される電流情報に基づいて、負荷12が装置コネクタTaに接続されているか否かを判定する。
【0082】
<マイコン23の構成>
図3はマイコン23の要部構成を示すブロック図である。マイコン23は、A/D変換部50,51,52、出力部53,54、切替え部55、入力部56,57,58,59、記憶部60及び制御部61を有する。A/D変換部50,51,52、出力部53,54、切替え部55、入力部56、記憶部60及び制御部61は内部バス62に接続されている。A/D変換部50,51,52それぞれは、更に、入力部57,58,59に接続されている。入力部57,58,59それぞれは、電源検出部22、電流抵抗25の一端及び電圧検出部31に接続されている。出力部53は、更に、駆動回路24に接続されている。切替え部55は、スイッチ抵抗28を介して切替えスイッチ27のベースに接続されている。
【0083】
電源検出部22から入力部57に、アナログの電源電圧情報が入力される。入力部57は、アナログの電源電圧情報が入力された場合、入力されたアナログの電源電圧情報をA/D変換部50に出力する。A/D変換部50は、入力部57から入力されたアナログの電源電圧情報をデジタルの電源電圧情報に変換する。制御部61は、A/D変換部50からデジタルの電源電圧情報を取得する。制御部61が取得した電源電圧情報が示す電源電圧は、取得時点において電源検出部22が検出した電源電圧と実質的に一致する。
【0084】
出力部53は、制御部61の指示に従ってオン指示及びオフ指示を駆動回路24に出力する。前述したように、駆動回路24は、オン指示が入力された場合、メインスイッチ20をオンに切替え、オフ指示を入力された場合、メインスイッチ20をオフに切替える。
【0085】
電流抵抗25の一端から入力部58にアナログの電流情報が入力される。入力部58は、アナログの電流情報が入力された場合、入力されたアナログの電流情報をA/D変換部51に出力する。A/D変換部51は、入力部58から入力されたアナログの電流情報をデジタルの電流情報に変換する。制御部61は、A/D変換部51からデジタルの電流情報を取得する。制御部61が取得した電流情報が示すスイッチ電流は、取得時点において検出されたスイッチ電流と実質的に一致する。
【0086】
制御部61は、切替え部55にサブスイッチ40のオン又はオフへの切替えを指示する。制御部61がサブスイッチ40のオンへの切替えを指示した場合、切替え部55は、接地電位を基準とした切替えスイッチ27のベースの電圧を上昇させ、切替えスイッチ27をオンに切替える。前述したように、切替えスイッチ27がオンに切替わった場合、サブスイッチ40はオンに切替わる。制御部61がサブスイッチ40のオフへの切替えを指示した場合、切替え部55は、接地電位を基準とした切替えスイッチ27のベースの電圧を低下させ、切替えスイッチ27をオフに切替える。前述したように、切替えスイッチ27がオフに切替わった場合、サブスイッチ40はオフに切替わる。
【0087】
電圧検出部31から入力部59に、アナログのノード電圧情報が入力される。入力部59は、アナログのノード電圧情報が入力された場合、入力されたアナログのノード電圧情報をA/D変換部52に出力する。A/D変換部52は、入力部59から入力されたアナログのノード電圧情報をデジタルのノード電圧情報に変換する。制御部61は、A/D変換部52からデジタルのノード電圧情報を取得する。制御部61が取得したノード電圧情報が示すノード電圧は、取得時点において電源検出部22が検出したノード電圧と実質的に一致する。
【0088】
作動信号及び停止信号は入力部56に入力される。入力部56は、信号が入力された場合、入力された信号を制御部61に通知する。
出力部54は、制御部61の指示に従って報知信号を出力する。
【0089】
記憶部60は不揮発性メモリである。記憶部60には、コンピュータプログラムPが記憶されている。制御部61は、処理を実行する処理素子、例えばCPU(Central Processing Unit)を有し、処理部として機能する。制御部61の処理素子(コンピュータ)は、コンピュータプログラムPを実行することによって、接続検知処理、電流判定処理及び前述した給電制御処理を並行して実行する。接続検知処理は、装置コネクタTaへの負荷12の接続を検知する処理である。電流判定処理は、メインスイッチ20をオンに切替えた場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する処理である。
【0090】
なお、コンピュータプログラムPは、制御部61が有する処理素子が読み取り可能に記憶媒体Eに記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体Eから読み出されたコンピュータプログラムPが記憶部60に書き込まれる。記憶媒体Eは、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。光ディスクは、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、又は、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。磁気ディスクは、例えばハードディスクである。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムPをダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムPを記憶部60に書き込んでもよい。
【0091】
また、制御部61が有する処理素子の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子がコンピュータプログラムPに従って、接続検知処理、電流判定処理及び給電制御処理を協同で実行してもよい。
【0092】
記憶部60には、コンピュータプログラムPの他に、接続フラグ及び許可フラグの値が記憶されている。接続フラグ及び許可フラグそれぞれの値はゼロ又は1である。接続フラグの値がゼロであることは、負荷12が装置コネクタTaに接続されていないことを意味する。接続フラグの値が1であることは、負荷12が装置コネクタTaに接続されていることを意味する。許可フラグの値がゼロであることは、メインスイッチ20のオンへの切替えが禁止されていることを意味する。許可フラグの値が1であることは、メインスイッチ20のオンへの切替えが許可されていることを意味する。
【0093】
<接続検知処理>
図4は接続検知処理の手順を示すフローチャートである。制御部61は、サブスイッチ40がオフである場合において接続検知処理を周期的に実行する。接続検知処理では、制御部61は、メインスイッチ20がオフであるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1では、出力部53が出力した最新の指示がオフ指示である場合、制御部61はメインスイッチ20がオフであると判定する。出力部53が出力した最新の指示がオン指示である場合、制御部61はメインスイッチ20がオンであると判定する。
【0094】
制御部61は、メインスイッチ20がオフであると判定した場合(S1:YES)、A/D変換部52からノード電圧情報を取得する(ステップS2)。次に、制御部61は、ステップS2で取得したノード電圧情報が示すノード電圧に基づいて、負荷12が装置コネクタTaに接続されているか否かを判定する(ステップS3)。スイッチ装置10の動作例で述べたように、ステップS3では、制御部61は、ノード電圧が電圧閾値以上である場合、負荷12が接続されていないと判定する。制御部61は、ノード電圧が電圧閾値未満である場合、負荷12が接続されていると判定する。
【0095】
制御部61は、負荷12が接続されていると判定した場合(S3:YES)、接続フラグの値を1に設定し(ステップS4)、接続検知処理を終了する。制御部61、負荷12が接続されていると判定した時点で接続フラグの値が1である場合、ステップS4の実行を省略し、接続検知処理を終了する。
【0096】
制御部61は、負荷12が接続されていないと判定した場合(S3:NO)、接続フラグの値をゼロに設定し(ステップS5)、接続検知処理を終了する。制御部61は、負荷12が接続されていないと判定した時点で接続フラグの値がゼロである場合、ステップS5の実行を省略し、接続検知処理を終了する。
【0097】
制御部61は、メインスイッチ20がオフではない、即ち、メインスイッチ20がオンであると判定した場合(S1:NO)、A/D変換部51から電流情報を取得する(ステップS6)。次に、制御部61は、ステップS6で取得した電流情報が示すスイッチ電流に基づいて、負荷12が装置コネクタTaに接続されているか否かを判定する(ステップS7)。スイッチ装置10の動作例で述べたように、ステップS7では、スイッチ電流がゼロAを超えている場合、制御部61は負荷12が接続されていると判定する。スイッチ電流がゼロAである場合、制御部61は負荷12が接続されていないと判定する。
【0098】
接続フラグの値が1ではない限り、出力部53はオン指示を駆動回路24に出力することはない。従って、駆動回路24は、接続フラグの値が1である状態でメインスイッチ20をオンに切替える。メインスイッチ20がオンである場合、接続フラグの値は1である。ステップS7が実行された時点では接続フラグの値は1である。
【0099】
制御部61は、負荷12が接続されていないと判定した場合(S7:NO)、出力部53に指示して、メインスイッチ20をオフに切替えさせる(ステップS8)。出力部53は、オフ指示を駆動回路24に出力することによってメインスイッチ20をオフに切替える。制御部61は、ステップS8を実行した後、接続フラグの値をゼロに設定する(ステップS9)。制御部61は、負荷12が接続されていると判定した場合(S7:YES)、又は、ステップS9を実行した後、接続検知処理を終了する。
【0100】
以上のように、接続検知処理では、制御部61は、メインスイッチ20がオフである場合、ノード電圧に基づいて負荷12の接続を検知し、メインスイッチ20がオンである場合、スイッチ電流に基づいて負荷12の接続を検知する。メインスイッチ20がオンであるにも関わらず、負荷12が接続されていない場合、駆動回路24はメインスイッチ20をオフに切替え、制御部61は接続フラグの値をゼロに設定する。負荷12が作動している間に負荷12及び装置コネクタTaの接続が外れた場合、スイッチ装置10の状態は、メインスイッチ20がオンであるにも関わらず、負荷12が接続されていない状態となる。
【0101】
<電流判定処理>
図5は電流判定処理の手順を示すフローチャートである。制御部61は、メインスイッチ20がオフである場合において電流判定処理を周期的に実行する。電流判定処理では、まず、制御部61は、接続フラグの値がゼロから1に変更されたか否か、即ち、負荷12が装置コネクタTaに接続されたか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11では、前回の電流判定処理の開始時点においてゼロであった接続フラグの値が1に変更されている場合、制御部61は接続フラグの値がゼロから1に変更されたと判定する。
【0102】
制御部61は、接続フラグの値がゼロから1に変更されていないと判定した場合(S11:NO)、電流判定処理を終了する。次の周期が到来した場合、制御部61は再び電流判定処理を実行する。従って、制御部61は、接続フラグの値がゼロから1に変更されていないと判定した場合、接続フラグの値がゼロから1に変更されるまで待機する。
【0103】
制御部61は、接続フラグの値がゼロから1に変更された、即ち、負荷12が装置コネクタTaに接続されたと判定した場合(S11:YES)、A/D変換部50から電源電圧情報を取得する(ステップS12)。次に、制御部61は、切替え部55に指示してサブスイッチ40をオンに切替えさせる(ステップS13)。前述したように、切替え部55は、切替えスイッチ27をオンに切替えることによって、サブスイッチ40をオンに切替える。サブスイッチ40がオンに切替わった場合、キャパシタ30は、ノード電圧が第1分圧電圧となるまで充電される。
【0104】
制御部61は、ステップS13を実行した後、A/D変換部52からノード電圧情報を取得する(ステップS14)。ステップS13の実行が終了してからステップS14の実行が開始されるまでの期間は、サブスイッチ40がオンに切替わってからキャパシタ30の充電が完了するまでにかかる期間よりも長い。従って、ステップS14で制御部61が取得したノード電圧情報が示すノード電圧は第1分圧電圧である。
【0105】
制御部61は、ステップS14を実行した後、切替え部55に指示してサブスイッチ40をオフに切替えさせる(ステップS15)。前述したように、切替え部55は、切替えスイッチ27をオフに切替えることによって、サブスイッチ40をオフに切替える。サブスイッチ40がオフに切替わった場合、キャパシタ30は放電し、ノード電圧は第2分圧電圧に低下する。
【0106】
制御部61は、ステップS15を実行した後、ステップS14で取得したノード電圧情報が示すノード電圧、即ち、第1分圧電圧に基づいて、負荷12の抵抗成分値を算出する(ステップS16)。次に、制御部61は、ステップS16で算出した抵抗成分値に基づいて、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する(ステップS17)。
【0107】
ステップS17の第1例として、制御部61は、ステップS12で取得した電源電圧情報が示す電源電圧と、ステップS16で算出した抵抗成分値とに基づいてスイッチ電流を算出する。制御部61は、算出したスイッチ電圧が電流閾値未満であるか否かを判定する。
【0108】
負荷12の抵抗成分値が大きい程、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流は小さい。従って、ステップS17の第2例として、制御部61は、ステップS16で算出した抵抗成分値が抵抗閾値以上である場合、スイッチ電流が電流閾値未満であると判定する。制御部61は、ステップS16で算出した抵抗成分値が抵抗閾値未満である場合、スイッチ電流が電流閾値以上であると判定する。抵抗閾値は、一定値であり、予め設定されている。
【0109】
制御部61は、スイッチ電流が電流閾値未満であると判定した場合(S17:YES)、許可フラグの値を1に設定し(ステップS18)、電流判定処理を終了する。制御部61は、スイッチ電流が電流閾値以上であると判定した場合(S17:NO)、出力部54に指示して、負荷12への給電が不可能であることを示す報知信号を出力させる(ステップS19)。次に、制御部61は、許可フラグの値をゼロに設定し(ステップS20)、電流判定処理を終了する。
【0110】
以上のように、電流判定処理では、負荷12が装置コネクタTaに接続された場合、負荷12の抵抗成分値を算出し、算出した抵抗成分値に基づいてスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。制御部61は、スイッチ電流が電流閾値未満であると判定した場合、許可フラグの値を1に設定し、メインスイッチ20のオンへの切替えを許可する。
【0111】
<給電制御処理>
図6は給電制御処理の手順を示すフローチャートである。制御部61は、サブスイッチ40がオフである場合において、給電制御処理を周期的に実行する。給電制御処理では、まず、制御部61は、入力部56に作動信号が入力されたか否かを判定する(ステップS31)。制御部61は、作動信号が入力されていないと判定した場合(S31:NO)、入力部56に停止信号が入力されたか否かを判定する(ステップS32)。制御部61は、停止信号が入力されていないと判定した場合(S32:NO)、給電制御処理を終了する。次の周期が到来した場合、制御部61は給電制御処理を再び実行する。従って、作動信号又は停止信号が入力部56に入力されていない場合、制御部61は、作動信号又は停止信号が入力部56に入力されるまで待機する。
【0112】
制御部61は、作動信号が入力されたと判定した場合(S31:YES)、接続フラグの値が1であるか否かを判定する(ステップS33)。制御部61は、接続フラグの値が1であると判定した場合(S33:YES)、許可フラグの値が1であるか否かを判定する(ステップS34)。制御部61は、許可フラグの値が1であると判定した場合(S34:YES)、出力部53に指示してメインスイッチ20をオンに切替えさせる(ステップS35)。出力部53は、オン指示を駆動回路24に出力することによってメインスイッチ20をオンに切替える。これにより、負荷12が作動する。
【0113】
制御部61は、接続フラグの値が1ではないと判定した場合(S33:NO)、又は、許可フラグの値が1ではないと判定した場合(S34:NO)、出力部54に指示して報知信号を出力させる(ステップS36)。接続フラグの値が1ではない場合、出力部54は、負荷12の非接続を示す報知信号を出力する。許可フラグの値が1ではない場合、出力部54は、負荷12への給電が不可能であることを示す報知信号を出力する。制御部61は、ステップS35,S36の一方を実行した場合、給電制御処理を終了する。
【0114】
制御部61は、停止信号が入力されたと判定した場合(S32:YES)、出力部53に指示して、メインスイッチ20をオフに切替えさせる(ステップS37)。前述したように、出力部53はオフ指示を駆動回路24に出力することによってメインスイッチ20をオフに切替える。これにより、負荷12は動作を停止する。制御部61は、ステップS37を実行した後、給電制御処理を終了する。
【0115】
以上のように、給電制御処理では、作動信号が入力された場合において、許可フラグの値が1であるとき、制御部61は、出力部53に指示してメインスイッチ20をオンに切替えさせる。許可フラグの値がゼロであるとき、制御部61は、出力部53に指示してメインスイッチ20をオンに切替えさせることはない。このため、電流閾値を超える過電流の通流が防止される。停止信号が入力された場合、制御部61は、出力部53に指示してメインスイッチ20をオフに切替えさせる。
【0116】
(実施形態2)
実施形態1において、消費電力が小さいスイッチ装置10を実現するために、制御部61が有する処理素子として、動作を休止する処理素子を用いてもよい。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成は、実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0117】
<マイコン23の構成>
図7は、実施形態2におけるマイコン23の要部構成を示すブロック図である。実施形態2を実施形態1と比較した場合、マイコン23の構成が異なる。実施形態2におけるマイコン23は、実施形態1におけるマイコン23が有する構成部に加えて、クロック信号出力部63を有する。クロック信号出力部63は、内部バス62に接続されるとともに、制御部61に直接に接続されている。
【0118】
クロック信号出力部63は、制御部61にクロック信号を出力する。クロック信号は、ハイレベル電圧及びローレベル電圧によって構成される。クロック信号が示す電圧は、周期的にローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わる。制御部61の処理素子は、クロック信号において、電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わる都度、1つの処理を実行する。
【0119】
制御部61は、内部バス62を介してクロック信号出力部63にクロック信号の出力を停止させる。クロック信号出力部63がクロック信号の出力を停止した場合、制御部61の処理素子は動作を休止する。
【0120】
作動信号及び停止信号は、入力部56だけではなく、クロック信号出力部63にも入力される。クロック信号出力部63は、クロック信号の出力を停止している状態で作動信号又は停止信号が入力された場合、制御部61へのクロック信号の出力を再開する。これにより、制御部61の処理素子は動作を再開する。
【0121】
制御部61の処理素子は、コンピュータプログラムPを実行することによって、接続検知処理、電流判定処理及び給電制御処理だけではなく、休止処理及び起動処理を実行する。休止処理は、クロック信号の出力を停止する処理である。起動処理は、制御部61が動作を再開した場合に最初に実行する処理である。
【0122】
<休止処理>
図8は休止処理の手順を示すフローチャートである。制御部61は休止処理を周期的に実行する。休止処理では、制御部61は、動作を休止するか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41では、制御部61は、メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである状態であるオフ期間が基準期間以上である場合に動作を休止すると判定する。制御部61は、オフ期間が基準時間未満である場合、動作を休止しないと判定する。
【0123】
制御部61は、動作を休止しないと判定した場合(S41:NO)、休止処理を終了する。次の周期が到来した場合、制御部61は再び休止処理を実行する。従って、制御部61は、動作を休止しないと判定した場合、オフ期間が基準期間以上となるまで待機する。
【0124】
制御部61は、動作を休止すると判定した場合(S41:YES)、クロック信号出力部63に指示して、制御部61へのクロック信号の出力を停止させ(ステップS42)、休止処理を終了する。前述したように、クロック信号の出力が停止した場合、制御部61は動作を休止する。制御部61が動作を停止した後において、作動信号又は停止信号がクロック信号出力部63に入力された場合、クロック信号出力部63はクロック信号の出力を再開し、制御部61は動作を再開する。
【0125】
<起動処理>
図9は、起動処理の手順を示すフローチャートである。制御部61は、動作を再開した場合、即ち、クロック信号の出力が再開された場合に起動処理を実行する。メインスイッチ20及びサブスイッチ40がオフである状態で制御部61は動作を休止するので、起動処理は、メインスイッチ20及びサブスイッチ40はオフである状態で実行される。起動処理の一部分は、電流判定処理の一部分と同様である。このため、起動処理について、電流判定処理の一部分と同様である処理、即ち、ステップS12~S20の説明を省略する。
【0126】
起動処理では、まず、制御部61は、A/D変換部52からノード電圧情報を取得する(ステップS51)。次に、制御部61は、ステップS51で取得したノード電圧情報が示すノード電圧に基づいて、接続検知処理のステップS3と同様に、負荷12が装置コネクタTaに接続されているか否かを判定する(ステップS52)。
【0127】
制御部61は、負荷12が接続されていないと判定した場合(S52:NO)、接続フラグの値をゼロに設定し(ステップS53)、起動処理を終了する。制御部61は、負荷12が接続されていると判定した場合(S52:YES)、接続フラグの値を1に設定する(ステップS54)。制御部61は、ステップS54を実行した後、ステップS12~S16を順次実行し、負荷12の抵抗成分値を算出する。制御部61は、算出した抵抗成分値に基づいて、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。制御部61は、判定結果に応じて許可フラグの値をゼロ又は1に設定する。
【0128】
制御部61は、ステップS18,S20の一方を実行した後、起動処理を終了する。制御部61は、起動処理を終了した後、接続検知処理、電流判定処理、給電制御処理及び休止処理を実行する。
【0129】
以上のように、起動処理では、制御部61は、負荷12が装置コネクタTaに接続されているか否かを判定する。制御部61は、負荷12が接続されていると判定した場合、負荷12の抵抗成分値を算出し、算出した抵抗成分値に基づいて、メインスイッチ20がオンに切替わった場合に流れるスイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。従って、制御部61が動作を休止している間に、負荷12として、装置コネクタTaに接続されている電気機器が、抵抗成分値が小さい電気機器に変更された場合に、制御部61が誤って、出力部53に指示して、メインスイッチ20をオンに切替えさせることはない。
実施形態2におけるスイッチ装置10は、実施形態1におけるスイッチ装置10が奏する効果を同様に奏する。
【0130】
<なお書き>
直流電源11の電源電圧が殆ど変動しない場合、実施形態1,2における電流判定処理において、制御部61はステップS12を省略してもよい。この場合、ステップS16では、制御部61は、電源電圧として、予め設定されている値を用いる。
【0131】
実施形態1,2における電流判定処理のステップS17では、制御部61は、ステップS16で算出した抵抗成分値に基づいて、スイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを判定する。しかしながら、ステップS17では、制御部61は、ステップS14で取得したノード電圧情報が示すノード電圧、即ち、第1分圧電圧に基づいて、スイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを直接に判定してもよい。前述したように、メインスイッチ20をオンに切替えた場合に流れるスイッチ電流は、負荷12の抵抗成分値が小さい程、大きい。負荷12の抵抗成分値は、第1分圧電圧が低い程、小さい。従って、スイッチ電流は、第1分圧電圧が低い程、大きい。
【0132】
従って、ステップS17では、制御部61は、ステップS14で取得したノード電圧情報が示すノード電圧が基準電圧未満である場合、スイッチ電流が電流閾値以上であると判定する。制御部61は、ステップS14で取得したノード電圧情報が示すノード電圧が基準電圧以上である場合、スイッチ電流が電流閾値未満であると判定する。第1分圧電圧は、直流電源11の電源電圧に比例する。このため、ステップS17で用いる基準電圧は、ステップS12で取得した電源電圧情報が示す電源電圧に応じて変更される。
【0133】
電源電圧が高い程、基準電圧として高い電圧が用いられる。直流電源11の電源電圧が殆ど変動しない場合、制御部61は基準電圧を変更する必要はない。この場合、電流判定処理において、制御部61はステップS12を省略してもよい。更に、スイッチ装置10は電源検出部22を有する必要はなく、マイコン23は、A/D変換部50及び入力部57を有する必要もない。
【0134】
直流電源11の電源電圧が殆ど変動しない場合、実施形態2における起動処理では、制御部61は、電流判定処理と同様に、ステップS12の実行を省略してもよい。また、起動処理のステップS17では、制御部61は、電流判定処理のステップS17と同様に、ステップS14で取得したノード電圧情報が示すノード電圧、即ち、第1分圧電圧に基づいて、スイッチ電流が電流閾値未満であるか否かを直接に判定してもよい。
【0135】
実施形態2において、制御部61が動作を休止する方法は、クロック信号の出力を停止する方法に限定されない。通常、クロック信号出力部63が制御部61に出力しているクロック信号の周期、即ち、ローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わる間隔を第1周期と記載する。制御部61は、クロック信号出力部63に指示して、制御部61に出力しているクロック信号の周期を、第1周期から、第1周期よりも長い第2周期に変更させることによって、動作を休止してもよい。
【0136】
この構成では、作動信号及び停止信号はクロック信号出力部63に入力されない。制御部61は、クロック信号の周期が第2周期である間、クロック信号の電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わる都度、入力部56に作動信号又は停止信号が入力されたか否かを判定する。制御部61は、入力部56に作動信号又は停止信号が入力されたと判定した場合、クロック信号出力部63に指示して、クロック信号の周期を第1周期に変更させ、起動処理を実行する。
【0137】
クロック信号は、電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に周期的に切替わる信号に限定されず、電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に周期的に切替わる信号であってもよい。この場合、制御部61の処理素子は、クロック信号において、電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わる都度、処理を実行する。
【0138】
(実施形態3)
実施形態1では、スイッチ回路26のサブスイッチ40は、Pチャネル型のFETに限定されない。
以下では、実施形態3について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成は、実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0139】
<スイッチ装置10の構成>
図10は実施形態3におけるスイッチ装置10の要部構成を示すブロック図である。実施形態3におけるスイッチ装置10は、実施形態1におけるスイッチ装置10が有する構成部の中で、切替えスイッチ27及びスイッチ抵抗28を除く他の構成部を同様に有する。実施形態3におけるスイッチ装置10は、更に、駆動回路32を有する。実施形態3におけるスイッチ回路26は、実施形態1におけるスイッチ回路26が有する構成部に加えて、直列抵抗43を有する。実施形態3におけるサブスイッチ40は、Nチャネル型のFETである。
【0140】
スイッチ回路26のサブスイッチ40のドレインは、メインスイッチ20のドレインに接続されている。サブスイッチ40のソースは直列抵抗43の一端に接続されている。直列抵抗43は第2の抵抗として機能する。直列抵抗43の他端は、電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードに接続されている。サブスイッチ40のゲート及びソース間にスイッチ抵抗41が接続されている。サブスイッチ40のゲートは、更に、スイッチ抵抗42の一端に接続されている。スイッチ抵抗42の他端は駆動回路32に接続されている。駆動回路32は、更に、マイコン23の切替え部55に接続されている。
【0141】
サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧以上である場合、ドレイン及びソース間の抵抗値は十分に小さい。このとき、サブスイッチ40はオンであり、ドレイン及びソースを介して電流が流れることが可能である。サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧未満である場合、ドレイン及びソース間の抵抗値は十分に大きい。このとき、サブスイッチ40はオフであり、ドレイン及びソースを介して電流が流れることはない。
【0142】
マイコン23において、制御部61が切替え部55にサブスイッチ40のオンへの切替えを指示した場合、切替え部55は、サブスイッチ40のオンへの切替えを指示する第2のオン指示を出力する。駆動回路32は、第2のオン指示が入力された場合、駆動回路32は、接地電位を基準としたサブスイッチ40のゲートの電圧を上昇させる。これにより、サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧以上となり、サブスイッチ40はオンに切替わる。
【0143】
マイコン23において、制御部61が切替え部55にサブスイッチ40のオフへの切替えを指示した場合、切替え部55は、サブスイッチ40のオフへの切替えを指示する第2のオフ指示を出力する。駆動回路32は、第2のオフ指示が入力された場合、駆動回路32は、接地電位を基準としたサブスイッチ40のゲートの電圧を低下させる。これにより、サブスイッチ40において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧が一定電圧未満となり、サブスイッチ40はオフに切替わる。
【0144】
実施形態1の説明で述べたように、Nチャネル型のFETのオン抵抗値は、通常、数オームであり、小さい。実施形態3においては、スイッチ回路26として、サブスイッチ40がオンである場合における抵抗値が大きい回路を実現するために、サブスイッチ40に直列抵抗43が直列に接続されている。例えば、直列抵抗43の抵抗値が数百オームである場合、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値は数百オームである。
【0145】
実施形態3においても、実施形態1と同様に、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値は、メインスイッチ20のオン抵抗値よりも大きい。回路抵抗の抵抗値は、サブスイッチ40がオンである場合におけるスイッチ回路26の抵抗値よりも大きい。また、抵抗成分値がゼロオームである負荷12が装置コネクタTaに接続され、かつ、メインスイッチ20及びサブスイッチ40それぞれがオフ及びオンである場合に流れる電流は発煙を引き起こさない正常値である。
【0146】
実施形態3におけるスイッチ装置10は、実施形態1におけるスイッチ装置10が奏する効果を同様に奏する。
【0147】
<なお書き>
リレー接点のオン抵抗値は、Nチャネル型のFETのオン抵抗値よりも小さい。このため、実施形態3におけるサブスイッチ40として、リレー接点を用いてもよい。この場合、サブスイッチ40をオン又はオフに切替えるための構成がスイッチ装置10において設けられる。サブスイッチ40は切替え部55によってオン又はオフに切替えられる。実施形態3において、サブスイッチ40のオン抵抗値が大きい場合、サブスイッチ40のソースが電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードに接続されてもよい。
【0148】
実施形態1,2において、サブスイッチ40のオン抵抗値が小さい場合、サブスイッチ40のドレインに直列抵抗43の一端が直列に接続されてもよい。この場合、直列抵抗43の他端は、電流出力回路21及び装置コネクタTa間の接続ノードに接続される。
実施形態2におけるスイッチ装置10は、実施形態3におけるスイッチ装置10と同様に構成されてもよい。
【0149】
実施形態1~3において、サブスイッチ40は、FET又はリレー接点に限定されず、バイポーラトランジスタ又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチであってもよい。スイッチ電流を検出する構成は、スイッチ電流の所定数分の1である電流を電流抵抗25に出力する構成に限定されず、シャント抵抗又は電流センサを用いる構成であってもよい。シャント抵抗はメインスイッチ20のソースに直列に接続され、シャント抵抗の両端間の電圧に基づいてスイッチ電流が検出される。電流センサは、メインスイッチ20のソースに接続される接続線をスイッチ電流が流れた場合に発生する磁場の強度に基づいてスイッチ電流を検出する。
【0150】
開示された実施形態1~3はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0151】
1 電源システム
10 スイッチ装置
11 直流電源
12 負荷
20 メインスイッチ
21 電流出力回路
22 電源検出部
23 マイコン
24,32 駆動回路
25 電流抵抗
26 スイッチ回路
27 切替えスイッチ
28,41,42 スイッチ抵抗
29 回路抵抗
30 キャパシタ
31 電圧検出部
40 サブスイッチ
43 直列抵抗(第2の抵抗)
50,51,52 A/D変換部
53,54 出力部
55 切替え部
56,57,58,59 入力部
60 記憶部
61 制御部(処理部)
62 内部バス
63 クロック信号出力部
E 記憶媒体
P コンピュータプログラム
Ta 装置コネクタ
Tb 負荷コネクタ