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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】制御装置、無線装置、方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20221220BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20221220BHJP
   H04B 7/0456 20170101ALI20221220BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W16/28
H04B7/0456 100
H04B7/06 950
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019533907
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(86)【国際出願番号】 JP2018017857
(87)【国際公開番号】W WO2019026375
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】P 2017151381
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古市 匠
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-127792(JP,A)
【文献】特開2016-195363(JP,A)
【文献】国際公開第2015/125891(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/190357(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/136739(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04B 7/0456
H04B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次システムに割り当てられた周波数帯域のうち、一部又は全部を二次利用する二次システムに属する無線装置を制御する制御装置であって、
前記一次システムに対する干渉量の計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得する第1の取得部と、
前記二次システムに属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得する第2の取得部と、
前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する決定部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知する通知部と、
を備え、
前記決定部は、前記一次システムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、前記一次システムの保護が可能なビームの使用を許容する、
制御装置。
【請求項2】
前記基準点は、前記二次システムによる干渉から前記一次システムが保護される領域の任意の地点である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記無線装置に許容されるビームに関する情報は、許容されるビームパターンを示す情報と当該ビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報との組み合わせを1つ以上含む情報である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記無線装置に許容されるビームに関する情報は、周波数に対応付けられる、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記周波数は、70/80GHz帯に含まれる、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1のビームパターン情報は、プリコーディング行列を1つ以上含むコードブック、ウェイト行列、ステアリングベクトル、又はアンテナの仰角、方位角及びビーム幅の組み合わせの、少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記無線装置に許容される複数のビームのうち、組み合わせて送信することが許容されないビームの組み合わせを決定し、決定結果を前記無線装置に許容されるビームに関する情報に反映する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第2の取得部は、前記無線装置により、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいて選択された、ビームに関する情報を取得し、
前記通知部は、前記無線装置により選択されたビームの使用可否を示す情報を前記無線装置に通知する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記二次システム又は三次システムに属する、他の無線装置の第3の地理位置情報、第2のアンテナ情報及び前記他の無線装置が使用可能なビームパターンを示す第2のビームパターン情報を取得する第3の取得部をさらに備え、
前記決定部は、前記他の無線装置の前記第3の地理位置情報、前記第2のアンテナ情報及び前記第2のビームパターン情報にさらに基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記決定部は、前記無線装置に許容されるビームに関する情報から、前記他の無線装置に与える干渉量が所定の閾値を超えるビームを示す情報を削除する、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記決定部は、前記無線装置及び前記他の無線装置の周波数アクセス優先度にさらに基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する、請求項9に記載の制御装置。
【請求項12】
前記通知部は、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を、前記無線装置と通信する端末装置のハンドオーバ先の他の無線装置を選択する他の制御装置に通知する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項13】
一次システムに割り当てられた周波数帯域のうち、一部又は全部を二次利用する二次システムに属する無線装置であって、
前記無線装置の第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を、前記無線装置を制御する制御装置に通知する通知部と、
前記一次システムに対する干渉量の計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得する取得部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームを送信する処理部と、
を備え、
前記制御装置は、前記一次システムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、前記一次システムの保護が可能なビームの使用を許容する、
無線装置。
【請求項14】
前記処理部は、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいて送信するビームを選択し、
前記通知部は、前記処理部により選択されたビームに関する情報を前記制御装置に通知し、
前記取得部は、前記処理部により選択されたビームの使用可否を示す情報を取得する、請求項13に記載の無線装置。
【請求項15】
一次システムに割り当てられた周波数帯域のうち、一部又は全部を二次利用する二次システムに属する無線装置を制御する方法であって、
前記一次システムに対する干渉量の計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得することと、
前記二次システムに属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得することと、
前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報をプロセッサにより決定することと、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知することと、
を含み、
前記決定することは、前記一次システムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、前記一次システムの保護が可能なビームの使用を許容する、
方法。
【請求項16】
一次システムに割り当てられた周波数帯域のうち、一部又は全部を二次利用する二次システムに属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を、前記無線装置を制御する制御装置に通知することと、
前記一次システムに対する干渉量の計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得することと、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームをプロセッサにより送信することと、
を含み、
前記制御装置は、前記一次システムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、前記一次システムの保護が可能なビームの使用を許容する、
方法。
【請求項17】
コンピュータを、
一次システムに割り当てられた周波数帯域のうち、一部又は全部を二次利用する二次システムに属する無線装置を制御する制御装置であって、
前記一次システムに対する干渉量の計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得する第1の取得部と、
前記二次システムに属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得する第2の取得部と、
前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する決定部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知する通知部と、
を備え、
前記決定部は、前記一次システムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、前記一次システムの保護が可能なビームの使用を許容する、
制御装置として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【請求項18】
コンピュータを、
一次システムに割り当てられた周波数帯域のうち、一部又は全部を二次利用する二次システムに属する無線装置であって、
前記無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を、前記無線装置を制御する制御装置に通知する通知部と、
前記一次システムに対する干渉量の計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得する取得部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームを送信する処理部と、
を備え、
前記制御装置は、前記一次システムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、前記一次システムの保護が可能なビームの使用を許容する、
無線装置として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、無線装置、方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セルラーネットワーク、無線LAN(Local Area Network)、TV放送システム、衛星通信システム、及びPMSE(Program Making Special Events)等の、多種多様な無線システムが普及している。各々の無線システムを正常に動作させるために、各々の無線システム間で干渉が生じないよう、利用する周波数リソースが管理されることが望ましい。このことは、ひとつの無線システムに含まれる局所的なネットワーク間に関しても同様である。
【0003】
周波数リソースの管理に関して、将来の周波数リソースの枯渇を緩和するための対策の1つとして、周波数共用が検討されている。例えば、ある無線システムに割り当てられた周波数チャネルを、他の無線システムに一時的に利用させるための仕組みが検討されている。このような仕組みは、周波数の二次利用とも称される場合がある。一般的に、周波数チャネルが優先的に割り当てられているシステムは一次システム(Primary System)、当該周波数チャネルを二次利用するシステムは二次システム(Secondary System)と呼ばれる。
【0004】
周波数の二次利用に関する取り組みの一例として、下記非特許文献1に示すように、FCC(Federal Communications Commission)が発令した、24GHz以上の周波数帯における移動体通信利用に係る報告及び命令(R&O:Report & Order)がある。当該R&Oには、周波数共用に関する最終法制案が付属されている。
【0005】
周波数共用に関する法制化に連動して、周波数共用に関する技術開発が活発に行われている。例えば、下記特許文献1では、無線通信装置の二次元的な位置情報及び高さ情報に基づいて、共用可能な周波数帯域の当該無線通信装置による使用条件を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-19134号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】FCC 16-89, “REPORT AND ORDER AND FURTHER NOTICE OF PROPOSED RULEMAKING”, July 14, 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記各文献においては、二次システムがビームフォーミングを行う場合については何ら考慮されていなかった。ビームの方向に応じて一次システムに与える干渉の大きさは変わり得るため、ビームフォーミングが行われる場合とそうでない場合とでは、望ましい周波数の二次利用の方法は異なると考えられる。
【0009】
そこで、本開示では、二次システムがビームフォーミングを行う場合に適した周波数の二次利用の仕組みを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によれば、第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得する第1の取得部と、前記第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得する第2の取得部と、前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する決定部と、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知する通知部と、を備える制御装置が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、制御装置による制御に基づいて動作する、第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置であって、前記無線装置の第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を前記制御装置に通知する通知部と、前記第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得する取得部と、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームを送信する処理部と、を備える無線装置が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得することと、前記第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得することと、前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報をプロセッサにより決定することと、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知することと、を含む方法が提供される。
【0013】
また、本開示によれば、制御装置による制御に基づいて動作する、第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を前記制御装置に通知することと、前記第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得することと、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームをプロセッサにより送信することと、を含む方法が提供される。
【0014】
また、本開示によれば、コンピュータを、第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得する第1の取得部と、前記第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得する第2の取得部と、前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する決定部と、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知する通知部と、として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0015】
また、本開示によれば、コンピュータを、制御装置による制御に基づいて動作する、第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を前記制御装置に通知する通知部と、前記第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得する取得部と、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームを送信する処理部と、として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本開示によれば、二次システムがビームフォーミングを行う場合に適した周波数の二次利用の仕組みが提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ビームフォーミングが行われる環境における一次システムの保護を説明するための図である。
図2】ビームフォーミングが行われる環境における一次システムの保護を説明するための図である。
図3】本開示の一実施形態に係るシステムの構成の一例を説明するための図である。
図4】本実施形態に係る周波数監理データベースの論理的な構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る無線ノードの論理的な構成の一例を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係るシステムにおいて実行されるビームマネジメント処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】本実施形態に係る周波数監理データベースにより実行されるビームマネジメント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】典型的なハンドオーバを説明するための図である。
図9】本実施形態に係るシステムにおいて行われるハンドオーバの一例を説明するための図である。
図10】本実施形態に係るシステムにおいて実行される、ハンドオーバ時のビームマネジメント処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11】サーバの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図12】eNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。
図13】eNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて無線ノード300A、300B及び300Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、無線ノード300A、300B及び300Cを特に区別する必要が無い場合には、単に無線ノード300と称する。
【0020】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
2.構成例
2.1.全体構成例
2.2.周波数監理データベースの構成例
2.3.無線ノードの構成例
3.技術的特徴
3.1.基本動作
3.2.無線ノードが増加する場合の動作
3.3.ハンドオーバへの応用
4.応用例
5.まとめ
【0021】
<<1.はじめに>>
2016年7月14日、FCC(Federal Communications Commission)は、24GHz以上の周波数帯における移動体通信利用に係る報告及び命令(R&O:Report & Order)を発令した。当該R&Oには、周波数共用に関する最終法制案が付属されている。当該最終法制案に基づいて、新たなFCC規則が採択される見通しとなっている。さらに、R&Oでは、いくつかの周波数帯について、FNPRM(Further Notice of Proposed Rulemaking)に関するさらなる意見募集が行われている。とりわけ、71-76GHz及び81-86GHz(70/80GHz帯)については、2016年8月25日に採択された47 C.F.R Part 96で規定される、CBRS(Citizens Broadband Radio Service)の仕組みに基づく周波数共用が提案されている。
【0022】
70/80GHz帯においては、現職システム(Incumbent system)は、一例として下記の表1に示すシステムが運用されている。現職システムは、一次システムの一例である。二次利用者(即ち、二次システム(Secondary system))及び三次利用者(即ち、三次システム)は、現職システムに対して致命的な干渉を与えないようにすることが求められる。このような現職システムの保護は、Incumbent protectionとも称される。二次利用者は、CBRSの仕組みにおけるPAL(Priority Access License)ユーザに相当する。三次利用者は、CBRSの仕組みにおけるGAA(General Authorized Access)ユーザに相当する。
【0023】
【表1】
【0024】
Incumbent protectionでは、排他領域(Exclusion Zone)又は保護領域(Protection Zone)を設けることで、現職システムを保護する手法が従来から知られている。かかる方法においては、周波数監理データベースが、二次システムの位置情報に基づいて、当該二次システムが利用可能な周波数及び最大許容送信電力を決定する。最大許容送信電力とは、二次システムに許容される最大の送信電力である。
【0025】
このような保護手法の一例として、欧州におけるTVWS(TV band White Space)の法制化ガイドラインであるECC Report 186がある。当該法制化ガイドラインでは、一次システムの受信干渉電力の算出参照点(Reference point)と、二次システムとの間の伝搬損失に基づき、二次システムの最大許容送信電力を定める手法が推奨されている。他にも、当該法制化ガイドラインでは、累積干渉電力を考慮して、二次システムの最大許容送信電力を定める手法が推奨されている。
【0026】
ここで、70/80GHzのような高周波数帯においては、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を活用してビームフォーミング(ビームステアリング)を行うことが想定される。また、どのビームを送信すべきかを管理するビームマネジメントが、空間的に行われるようになると考えられる。しかしながら、ビームフォーミングが行われる環境における一次システムを保護する技術は開発されていなかった。
【0027】
図1及び図2は、ビームフォーミングが行われる環境における一次システムの保護を説明するための図である。図1及び図2に示すように、一次システムの無線ノード10の近隣に二次システムの無線ノード20が位置している。二次システムの無線ノード20は、同時に2種類のビーム21を送信することができるものとする。二次システムの無線ノード20は、任意の方向に、任意の距離に到達するビーム21を送信することが可能である。ビーム21の方向は、後述するビームパターンにより決まる。ビーム21が到達する距離は、ビームパターンと送信電力とにより決まる。例えば、ビームの指向性が鋭くなるほど指向性ゲインが増加し、同じ送信電力でも遠くにビームが到達するようになる。
【0028】
一次システムの無線ノード10を保護するためには、二次システムの無線ノード20から送信されるビーム21が保護領域境界(protection contour)11を超えて保護領域境界11の内側に到達しないようにすることが望ましい。図1に示した例では、二次システムの無線ノード20は、一次システムの無線ノード10の方向にビーム21Aを送信し、他の方向にビーム21Bを送信している。ビーム21A及びビーム21Bのいずれも、保護領域境界11の内側に到達していない。図2に示した例では、二次システムの無線ノード20は、一次システムの無線ノード10の方向にビーム21Cを送信し、他の方向にビーム21Dを送信している。ビーム21Dは、保護領域境界11の内側に到達していない一方で、ビーム21Cは、保護領域境界11の内側に到達している。
【0029】
従来の保護方法では、二次システムの無線ノード20の位置に応じて最大許容送信電力が定められる。その際、二次システムの無線ノード20の最大許容送信電力は、最も干渉が大きくなる状況を想定して、二次システムの無線ノード20が一次システムの無線ノード10の方向にビームを送信しても、一次システムの無線ノード10が保護されるように定められる。例えば、二次システムの無線ノード20の最大許容送信電力は、ビーム21Aを基準に定められる。これにより、二次システムの無線ノード20は、ビーム21Cのような保護領域境界11の内側に到達するビームの送信が抑制される。しかし、それだけに留まらず、一次システムの無線ノード10の方向以外の方向へのビームにも、同じ最大許容送信電力が適用されてしまう。そのため、ビーム21Bのような、送信しても一次システムを保護可能なビームまでもが、一律に抑制されてしまうこととなる。
【0030】
周波数の利用効率を考慮すれば、一次システムの保護が困難になるビームを選択的に禁止され、一次システムを保護可能なビームについては許容されることが望ましい。即ち、図1に示したビーム21A及びビーム21Bの送信が共に許容されることが望ましい。
【0031】
そこで、本開示では、上記事情に鑑み、二次システムがビームフォーミングを行う場合に適した周波数の二次利用の仕組みを提供する。
【0032】
<<2.構成例>>
<2.1.全体構成例>
図3は、本開示の一実施形態に係るシステム1の構成の一例を説明するための図である。図3に示すように、本実施形態に係るシステム1は、周波数監理データベース100、ネットワークマネージャ200、及び複数の無線ノード300(300A~300E)を含む。
【0033】
周波数監理データベース100は、周波数二次利用の監理を行う制御装置である。詳しくは、周波数監理データベース100は、第1の無線業務(例えば、一次システム)に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務(例えば、二次システム)に属する無線装置の監理を行う制御装置である。具体的には、周波数監理データベース100は、無線ノード300に対して、二次利用可能な周波数情報を提供したり、周波数二次利用を認可及び管理したりする。さらに、周波数監理データベース100は、無線ノード300によるビームフォーミングを考慮して、周波数二次利用に関する制御を行う。ここで、無線業務とは無線サービス(service)であり、セルラー通信のような双方向の通信と、レーダのような一方向の無線送受信と、を含む概念である。
【0034】
ネットワークマネージャ200は、管理下のネットワークを管理する制御装置である。例えば、ネットワークマネージャ200は、管理下の無線ノード300の情報を一元的に収集して周波数監理データベース100に送信したり、周波数監理データベース100から受信した情報を管理下の無線ノード300に送信したりする。
【0035】
無線ノード300は、二次システムに属する無線装置である。無線ノード300は、周波数監理データベース100による制御に基づいて動作する。例えば、無線ノード300は、周波数監理データベース100による制御に基づいて、図示しない端末装置に無線サービスを提供する。なお、本明細書では、無線ノード300は、セルラー通信のような双方向の通信を行う通信装置であるものとする。
【0036】
基本的には、無線ノード300(300A~300C)は、ネットワークマネージャ200よる制御に基づいて動作する。この場合、無線ノード300は、ネットワークマネージャ200を介して、又はネットワークマネージャ200が無線ノード300の代理で、周波数監理データベース100にアクセスする。
【0037】
例外的に、無線ノード300(300D及び300E)は、ネットワークマネージャ200による制御を受けずに動作する場合、直接的に周波数監理データベース100にアクセスする。
【0038】
<2.2.周波数監理データベースの構成例>
図4は、本実施形態に係る周波数監理データベース100の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、周波数監理データベース100は、ネットワーク通信部110、記憶部120及び制御部130を備える。
【0039】
(1)ネットワーク通信部110
ネットワーク通信部110は、情報を送受信する。例えば、ネットワーク通信部110は、他のノードへの情報を送信し、他のノードからの情報を受信する。例えば、上記他のノードは、他の周波数監理データベース100、ネットワークマネージャ200、及び無線ノード300を含む。
【0040】
(2)記憶部120
記憶部120は、周波数監理データベース100の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
【0041】
(3)制御部130
制御部130は、周波数監理データベース100全体の動作を制御して、周波数監理データベース100の様々な機能を提供する。制御部130は、第1の取得部131、第2の取得部132、第3の取得部133、決定部134及び通知部135を含む。
【0042】
第1の取得部131は、一次システムに関する情報を取得する機能を有する。第2の取得部132は、二次システムに属する無線ノード300に関する情報を取得する機能を有する。第3の取得部133は、無線ノード300以外の無線ノードに関する情報を取得する機能を有する。第1の取得部131~第3の取得部133による情報の取得は、ネットワーク通信部110による情報の送受信、又は記憶部120に記憶された情報の読み出しにより実現される。
【0043】
決定部134は、無線ノード300に関する制御内容を決定する機能を有する。例えば、決定部134は、無線ノード300に許容されるビームに関する情報を決定する。また、決定部134は、無線ノード300が使用しようするビームの使用可否を決定する。
【0044】
通知部135は、決定部134により決定された情報を他のノードに通知する機能を有する。通知部135による情報の通知は、ネットワーク通信部110による情報の送受信により実現される。なお、通知部135は、無線ノード300への通知を、ネットワークマネージャ200を介して行ってもよいし、ネットワークマネージャ200を介さずに行ってもよい。
【0045】
これらの構成要素の詳細な動作については後に詳しく説明する。制御部130は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、制御部130は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。
【0046】
<2.3.無線ノードの構成例>
図5は、本実施形態に係る無線ノード300の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図5を参照すると、無線ノード300は、アンテナ部310、無線通信部320、ネットワーク通信部330、記憶部340及び制御部350を備える。
【0047】
(1)アンテナ部310
アンテナ部310は、無線通信部320により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部310は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部320へ出力する。
【0048】
(2)無線通信部320
無線通信部320は、信号を送受信する。例えば、無線通信部320は、端末装置へのダウンリンク信号を送信し、端末装置からのアップリンク信号を受信する。
【0049】
(3)ネットワーク通信部330
ネットワーク通信部330は、情報を送受信する。例えば、ネットワーク通信部330は、他のノードへの情報を送信し、他のノードからの情報を受信する。例えば、上記他のノードは、周波数監理データベース100、ネットワークマネージャ200及び他の無線ノード300を含む。
【0050】
(4)記憶部340
記憶部340は、無線ノード300の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
【0051】
(5)制御部350
制御部350は、無線ノード300全体の動作を制御して、無線ノード300の様々な機能を提供する。制御部350は、通知部351、取得部352及び処理部353を含む。
【0052】
通知部351は、無線ノード300に関する情報を他のノードに通知する機能を有する。通知部351による情報の通知は、ネットワーク通信部330による情報の送受信により実現される。
【0053】
取得部352は、無線ノード300に関する情報を他のノードから取得する機能を有する。取得部352による情報の取得は、ネットワーク通信部330による情報の送受信により実現される。
【0054】
処理部353は、無線サービスに関する様々な処理を行う機能を有する。例えば、処理部353は、無線ノード300に許容されるビームに関する情報に基づいて送信するビームを選択し、選択したビームを用いて送信信号を送信する。なお、処理部353は、ディジタルビームフォーミング、アナログビームフォーミング又はこれらの両方を実施することで、ビームを形成する。ビームを用いた送信信号の送信は、無線通信部320による信号処理及びアンテナ部310による電波の放射により実現される。
【0055】
これらの構成要素の詳細な動作については後に詳しく説明する。制御部350は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、制御部350は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。
【0056】
<<3.技術的特徴>>
<3.1.基本動作>
(1)一次システムに関する情報
周波数監理データベース100(第1の取得部131)は、一次システムに関する情報を取得する。周波数監理データベース100は、一次システムとの通信により一次システムに関する情報を取得してもよいし、予め一次システムに関する情報を記憶していてもよい。例えば、周波数監理データベース100は、一次システムの干渉計算のための基準点の地理位置情報(第1の地理位置情報に相当)を取得する。この基準点は、参照点(Reference Point)とも称される場合がある。基準点は、例えば図1及び図2を参照して上記説明した保護領域境界11上の任意の地点である。
【0057】
地理位置情報とは、地理的な位置を示す情報である。例えば、地理位置情報は、経度及び緯度を含む。地理位置情報は、特定の地点を同定可能な、例えば予め定義された細かいグリッドを示す座標情報であってもよい。他にも、地理位置情報は、基準となる位置に基づく相対的な位置情報であってもよい。地理位置情報は、二次元的な位置情報に限定されず、高さを含む三次元的な位置情報であってもよい。
【0058】
また、周波数監理データベース100は、一次システムの干渉計算のための基準点における干渉許容量を算出又は取得する。例えば、周波数監理データベース100は、法制上定められた規定値を取得して、干渉許容量とする。周波数監理データベース100は、法制上定められた規定値にマージンを持たせた値を算出して、干渉許容量としてもよい。干渉許容量が、値ではなく、所定の通信品質からの許容劣化度として規定される場合がある。その場合、周波数監理データベース100は、所定の通信品質が許容劣化度の分だけ劣化した場合の通信品質を示す値を算出して、干渉許容量とする。例えば、所定のSNRから0.05%の劣化が許容される場合、所定のSNRが0.05%劣化したときの通信品質をSINRとして算出して、干渉許容量とする。
【0059】
(2)二次システムに関する情報
周波数監理データベース100(第2の取得部132)は、二次システムに関する情報を取得する。典型的には、周波数監理データベース100は、二次システムとの通信により二次システムに関する情報を取得する。例えば、周波数監理データベース100は、無線ノード300の地理位置情報(第2の地理位置情報に相当)、アンテナ情報(第1のアンテナ情報に相当)、及び無線ノード300が使用可能なビームパターンを示すビームパターン情報(第1のビームパターン情報に相当)を取得する。例えば、周波数監理データベース100は、無線ノード300からこれらの情報を取得する。
【0060】
アンテナ情報とは、アンテナに関する各種情報を含む情報である。例えば、アンテナ情報は、アンテナモデル、アンテナゲイン、アンテナ素子数、アンテナ次元(二次元又は三次元)、アンテナ素子間隔、設置仰角、設置方位角、又は設置高さの少なくともいずれかを含む。また、アンテナ情報は、ビーム幅を示す情報を含み得る。アンテナの向きを動的に変更可能なアンテナに関しては、アンテナ情報は、仰角の可動域、又は方位角の可動域の少なくともいずれかを含み得る。
【0061】
ビームパターン情報とは、ビームの形状(方向を含む)を規定する情報である。例えば、ビームパターン情報は、プリコーディング行列を1つ以上含むコードブック、ウェイト行列又はステアリングベクトルの少なくともいずれかを含む。アンテナの向きを動的に変更可能なアンテナに関しては、ビームパターン情報は、アンテナの仰角、方位角及びビーム幅の組み合わせを含み得る。
【0062】
無線ノード300(例えば、通知部351)は、無線ノード300の地理位置情報、アンテナ情報、及び無線ノード300が使用可能なビームパターンを示すビームパターン情報を周波数監理データベース100に通知する。無線ノード300は、ネットワークマネージャ200を介して周波数監理データベース100にこれらの情報を通知してもよいし、ネットワークマネージャ200を介さずに周波数監理データベース100にこれらの情報を通知してもよい。
【0063】
なお、これらの情報は、無線ノード300が移動体通信事業者等により設置される場合(即ち、Professional Installされる場合)、設置時に関係機関へ提出される設置情報に含まれる場合がある。その場合、周波数監理データベース100は、無線ノード300からの通知に代えて、かかる設置情報を取得してもよい。
【0064】
(3)許容ビーム情報の決定
周波数監理データベース100(例えば、決定部134)は、一次システムの地理位置情報、干渉許容量、並びに二次システムに属する無線ノード300の地理位置情報、アンテナ情報及びビームパターン情報に基づいて、無線ノード300に許容されるビームに関する情報を決定する。例えば、周波数監理データベース100は、無線ノード300が使用可能なビームのうち、一部のビームの使用を抑制し、他の一部のビームの使用を許容する。これにより、無線ノード300が使用可能なビームのうち、一次システム等の他のシステムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、保護可能なビームの使用を許容する、といった、柔軟なビームマネジメントが実現可能となる。
【0065】
無線ノード300に許容されるビームに関する情報は、許容されるビームパターンを示す情報と、当該ビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報との組み合わせを1つ以上含む情報である。このように、許容されるビームパターンごとに許容される送信電力が決定されることで、ビームの方向ごとに送信電力が決定されることになる。従って、例えば一次システムの方向に向くビームには小さい送信電力が許容され、他の方向を向くビームには大きい送信電力が許容される、といった柔軟なビームマネジメントが実現可能となる。また、一次システムの方向を向かないビームには大きい送信電力が許容されるので、無線ノード300は、より遠くに位置する端末装置へ無線サービスを提供可能になり、周波数の利用効率が向上する。なお、許容されるビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報は、許容される送信電力の範囲を示す情報であってもよいし、許容される送信電力そのものを示す情報であってもよい。前者に相当する情報は、例えば許容可能最大送信電力である。無線ノード300に許容されるビームに関する情報を、以下では許容ビーム情報とも称する。
【0066】
許容ビーム情報は、周波数に対応付けられてもよい。詳しくは、許容ビーム情報は、周波数と、当該周波数において許容されるビームパターンを示す情報と、当該周波数において当該ビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報との組み合わせを1つ以上含む情報であってもよい。周波数ごとに一次システムへの干渉許容量が異なり得る。この点、許容ビーム情報が周波数に対応付けられることで、周波数ごとの干渉許容量に応じた柔軟なビームマネジメントが実現可能となる。
【0067】
なお、許容ビーム情報が対応付けられる周波数は、70/80GHz帯に含まれる周波数である。具体的には、許容ビーム情報が対応付けられる周波数は、71GHz~86GHzに含まれる任意の幅の周波数である。ビームフォーミングが行われ得る周波数帯が70/80GHz帯である。そのため、許容ビーム情報が対応付けられる周波数が70/80GHz帯に含まれることで、ビームフォーミングが行われ得る周波数帯に限定してビームマネジメントを行うことができる。
【0068】
下記の表2に、許容ビーム情報の一例を示す。
【0069】
【表2】
【0070】
上記表2に示した例においては、周波数F1においては、送信電力P1とビームパターンB1との組み合わせ、送信電力P2とビームパターンB2との組み合わせ、及び送信電力P3とビームパターンB3との組み合わせが許容される。また、周波数F2においては、送信電力P3とビームパターンB3との組み合わせ、及び送信電力P4とビームパターンB4との組み合わせが許容される。
【0071】
以下、許容ビーム情報の具体的な決定方法について説明する。
【0072】
・第1の方法
第1の方法によれば、周波数監理データベース100は、指向性ゲインと送信電力との組み合わせによって、許容ビーム情報を決定する。以下、第1の方法について詳しく説明する。
【0073】
一次システムの干渉計算のための基準点と無線ノード300との間のパスロスを、m[dB]とする。当該基準点における干渉許容量をIreqとする。無線ノード300の送信電力をP[dBm]とする。一次システムの方向を向く指向性ゲインをG[dB]と仮定する。周波数監理データベース100は、無線ノード300の送信電力Pと指向性ゲインGとの和から、基準点と無線ノード300との間のパスロスmを引いた値が、当該基準点における干渉許容量Ireqを超えないように、無線ノード300の送信電力Pと指向性ゲインGとを決定する。即ち、周波数監理データベース100は、下記数式(1)を満たす、無線ノード300の送信電力Pと指向性ゲインGとを決定する。
req≧P+G-m …(1)
【0074】
換言すると、周波数監理データベース100は、下記数式(2)を満たす、無線ノード300の送信電力Pと指向性ゲインGとを決定する。下記数式(2)は、上記数式(1)を変形したものである。
req+m≧P+G …(2)
【0075】
上記数式(2)の右辺は、EIRP(Equivalent isotropically radiated power)である。
【0076】
例えば、無線ノード300は、x[dBm]刻みで送信電力Pを変更可能であると仮定する。その場合、周波数監理データベース100は、x[dBm]刻みで送信電力Pを変更しながら、各々の送信電力Pにおいて上記数式(2)を満たす指向性ゲインGを決定する。詳しくは、まず、周波数監理データベース100は、無線ノード300のビームパターン情報に基づいて、無線ノード300が形成可能なひとつ以上のビームパターンの各々の指向性ゲインGの値を算出する。そして、周波数監理データベース100は、算出した複数の指向性ゲインGのうち、上記数式(2)を満たす指向性ゲインGを選択する。
【0077】
このようにして得られた、送信電力Pと、当該送信電力Pにおいて上記数式(2)を満たす指向性ゲインGに対応するビームパターンを示す情報と、の組み合わせの集合が、許容ビーム情報である。
【0078】
・第2の方法
第2の方法によれば、周波数監理データベース100は、一次システムの基準点における干渉許容量を満たす(即ち、下回る)ステアリングベクトル又はウェイト行列と送信電力との組み合わせを、許容ビーム情報として決定する。以下、第2の方法について詳しく説明する。
【0079】
以下では、保護領域境界が一次システムの基準点であるものとする。保護領域境界における信号yを、次式により定義する。
【0080】
【数1】
【0081】
ここで、hはチャネルベクトルである。wは、ステアリングベクトルである。sは送信信号である。
【0082】
保護領域境界における干渉許容量をIreqとする。一次システムの保護のためには、次式が成立することが望ましい。
【0083】
【数2】
【0084】
ここで、送信信号sと白色雑音nとの相関を0とし、チャネルベクトルhが平均0分散1の複素ガウス乱数であると仮定する。すると、上記数式(4)は、次式のように変形される。
【0085】
【数3】
【0086】
周波数監理データベース100は、上記数式(6)を満たす、送信電力Pとステアリングベクトルwとの組み合わせを決定する。このようにして得られた、送信電力Pと、当該送信電力Pにおいて上記数式(6)を満たすステアリングベクトルwと、の組み合わせの集合が、許容ビーム情報である。
【0087】
ウェイト行列を算出する場合も、上記と同様にして送信電力とウェイト行列とが満たすべき条件式が求められる。そして、周波数監理データベース100は、かかる条件式を満たす、送信電力とウェイト行列との組み合わせを決定する。このようにして得られた、送信電力と、当該送信電力において条件式を満たすウェイト行列と、の組み合わせの集合が、許容ビーム情報である。
【0088】
・第3の方法
第3の方法によれば、周波数監理データベース100は、一次システムの基準点における干渉許容量を満たす(即ち、下回る)プリコーディング行列をコードブックから抽出することで、許容ビーム情報を決定する。以下、第3の方法について詳しく説明する。
【0089】
コードブックFは、ひとつ以上のプリコーディング行列Fを含む。即ち、F={F,F,…,F}である。一次システムの保護のためには、次式が成立することが望ましい。
【0090】
【数4】
【0091】
ここで、Hはチャネルベクトルである。Ireqは一次システムの基準点における干渉許容量である。rは、一次システムの基準点における信号である。
【0092】
周波数監理データベース100は、上記数式(7)を満たすプリコーディング行列Fを探索する。探索の結果得られた、プリコーディング行列Fの集合が、許容ビーム情報である。
【0093】
以上、許容ビーム情報の具体的な決定方法について説明した。
【0094】
ここで、単体で送信される場合に許容されるビームであっても、複数同時に送信されることは許容されない場合があり得る。そのような場合の一例として、複数のビームが同時に送信されることで、干渉の累積効果が発生し、一次システムの基準点における干渉許容量が満たされなくなることがある。他の一例として、複数のビームが同時に送信されることで、干渉の累積効果が発生し、他の無線ノード300が端末装置に対して所定のQoS(Quality of Service)を提供することが困難になることがある。
【0095】
そこで、周波数監理データベース100(例えば、決定部134)は、無線ノード300に許容される複数のビームのうち、組み合わせて送信することが許容されないビームの組み合わせを決定し、決定結果を許容ビーム情報に反映する。詳しくは、周波数監理データベース100は、許容されるビームパターンを示す情報と当該ビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報との組み合わせの集合のうち、同時に使用することが許容されない複数の組み合わせを決定する。そして、周波数監理データベース100は、決定結果を許容ビーム情報に反映する。例えば、周波数監理データベース100は、許容ビーム情報に、当該許容ビーム情報に含まれる許容されるビームを示す情報(ビームパターンを示す情報と送信電力を示す情報との組み合わせ)のうち、同時に使用することが許容されない複数のビームを示す情報を追加してもよい。若しくは、周波数監理データベース100は、許容ビーム情報から、当該許容ビーム情報に含まれる許容されるビームを示す情報のうち、同時に使用することが許容されない複数のビームの少なくとも一部のビームを示す情報を削除してもよい。
【0096】
許容ビーム情報に、組み合わせて送信することが許容されないビームの組み合わせの決定結果が反映されることで、無線ノード300に、同時に送信することが許容されないビームを同時に送信させないようにすることができる。したがって、無線ノード300が同時に複数のビームを送信する場合であっても、同時に送信するビームの組み合わせによらず、一次システムを保護することが可能となる。
【0097】
(4)許容ビーム情報に基づく動作
周波数監理データベース100(例えば、通知部135)は、許容ビーム情報を無線ノード300又は無線ノード300に関する装置に通知する。無線ノード300に関する装置とは、無線ノード300を管理下におくネットワークマネージャ200である。
【0098】
無線ノード300(例えば、取得部352)は、周波数監理データベース100から通知された許容ビーム情報を取得する。
【0099】
無線ノード300(例えば、処理部353)は、許容ビーム情報に基づいてビームを送信する。詳しくは、無線ノード300は、許容ビーム情報に含まれる、許容されるビームパターンを示す情報と、当該ビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報との組み合わせのうち、使用する組み合わせを選択する。そして、無線ノード300は、選択した組み合わせに係るビームパターンを示す情報に基づいてビームを形成し、当該ビームを用いて、且つ当該組み合わせに係る送信電力で送信信号を送信する。ビームパターンを示す情報がプリコーディング行列、ウェイト行列又はステアリングベクトルである場合、無線ノード300は、送信信号にこれらの行列を掛けることで、ビームを形成する。ビームパターンを示す情報がアンテナの仰角、方位角及びビーム幅の組み合わせである場合、無線ノード300は、アンテナをこれらのパラメータに応じて物理的に動かすことで、ビームを形成する。なお、無線ノード300は、許容される送信電力以下であれば、任意の送信電力で送信信号を送信可能である。また、無線ノード300は、許容されるビームを複数選択して、複数のビームを同時に送信してもよい。
【0100】
無線ノード300は、送信するビームを選択後(即ち、使用するビームパターン及び送信電力を選択後)、実際に送信を開始する前に周波数監理データベース100による許可を得てもよい。
【0101】
その場合、まず、無線ノード300(例えば、処理部353)は、許容ビーム情報に基づいて送信するビームを選択する。その後、無線ノード300(例えば、通知部351)は、選択されたビームに関する情報を周波数監理データベース100に通知する。ここで、選択されたビームに関する情報は、選択されたビームパターンを示す情報と、当該ビームパターンを使用する際に使用する送信電力を示す情報との組み合わせを1つ以上含む情報である。
【0102】
周波数監理データベース100(例えば、第2の取得部132)は、無線ノード300により、許容ビーム情報に基づいて選択された、ビームに関する情報を取得する。次いで、周波数監理データベース100(例えば、決定部134)は、無線ノード300により選択されたビームに関する情報に基づいて、無線ノード300により選択されたビームの使用可否を決定する。例えば、周波数監理データベース100は、無線ノード300により選択されたビーム(即ち、ビームパターン及び送信電力)が、有効であるか否か、又は他のシステムに悪影響を及ぼさないか等を評価して、使用可否を決定する。そして、周波数監理データベース100(例えば、通知部135)は、無線ノード300により選択されたビームの使用可否を示す情報を無線ノード300に通知する。
【0103】
無線ノード300(例えば、取得部352)は、無線ノード300により選択されたビームの使用可否を示す情報を取得する。そして、無線ノード300(例えば、処理部353)は、かかる使用可否を示す情報に基づいて、使用が許可されたビームを用いて送信信号を送信する。
【0104】
このように、無線ノード300がビームを実際に送信する前に、周波数監理データベース100が、当該ビームの使用可否を決定する。これにより、一次システム等の他のシステムへの干渉をより確実に抑制することが可能となる。
【0105】
(5)処理の流れ
以下では、図6を参照して、上記説明したビームマネジメントに係る処理の流れの一例を説明する。
【0106】
図6は、本実施形態に係るシステム1において実行されるビームマネジメント処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、周波数監理データベース100及び無線ノード300が関与する。
【0107】
図6に示すように、まず、周波数監理データベース100は、一次システムの基準点の地理位置情報を取得し、基準点の干渉許容量を算出又は取得する(ステップS102)。
次いで、無線ノード300は、無線ノード300の地理位置情報、アンテナ情報、及び無線ノード300が使用可能なビームパターンを示すビームパターン情報を無線ノード300に通知する(ステップS104)。そして、周波数監理データベース100は、一次システムの基準点の地理位置情報及び基準点の干渉許容量、並びに無線ノード300の地理位置情報、アンテナ情報、及びビームパターン情報に基づいて、無線ノード300の許容ビーム情報を決定する(ステップS106)。その後、周波数監理データベース100は、決定した無線ノード300の許容ビーム情報を、無線ノード300に通知する(ステップS108)。
【0108】
無線ノード300は、通知された許容ビーム情報に基づいて送信するビームを選択し(ステップS110)、選択したビームに関する情報を周波数監理データベース100に通知する(ステップS112)。周波数監理データベース100は、無線ノード300により選択されたビームに関する情報に基づいて、無線ノード300により選択されたビームの使用可否を決定する(ステップS114)。その後、周波数監理データベース100は、決定結果、即ち無線ノード300により選択されたビームの使用可否を示す情報を、無線ノード300に通知する(ステップS116)。そして、無線ノード300は、周波数監理データベース100により使用が許可されたビームを用いて、送信信号を送信する(ステップS118)。
【0109】
<3.2.無線ノードが増加する場合の動作>
続いて、運用される無線ノード300が増加する場合のビームマネジメントについて説明する。
【0110】
無線ノード300が動作中に、第2の無線業務(例えば、二次システム)又は第3の無線業務(例えば、三次システム)に属する他の無線ノード300が、新たに動作を開始する場合がある。その場合、周波数監理データベース100は、一次システムの保護を実現するために、当該他の無線ノード300に対し上述したビームマネジメント処理を行う。以下では、動作中の無線ノード300を、第1の無線ノード300とも称する。新たに動作を開始する無線ノード300を、第2の無線ノード300とも称する。
【0111】
しかし、第1の無線ノード300と第2の無線ノード300との間で、干渉が生じ得る。干渉の大きさによっては、第1の無線ノード300又は第2の無線ノード300の少なくともいずれかにおいて、十分な通信品質を確保できないおそれがある。また、第1の無線ノード300と第2の無線ノード300との間で異なる周波数アクセス優先度が設けられている場合には、周波数アクセス優先度を考慮したビームマネジメントが行われることが望ましい。なお、周波数アクセス優先度とは、二次利用可能な周波数を利用する優先度を示し、優先度が高い無線ノードほど優先的に周波数を二次利用することが可能である。
【0112】
そこで、以下では、第1の無線ノード300及び第2の無線ノード300を対象としたビームマネジメントについて説明する。
【0113】
周波数監理データベース100(例えば、第3の取得部133)は、第2の無線ノード300の地理位置情報(第3の地理位置情報に相当)、アンテナ情報(第2のアンテナ情報に相当)及び、当該他の無線ノード300が使用可能なビームパターンを示すビームパターン情報(第2のビームパターン情報に相当)を取得する。地理位置情報、アンテナ情報、及びビームパターン情報の内容は、上記説明した通りである。
【0114】
周波数監理データベース100(例えば、決定部134)は、第2の無線ノード300の地理位置情報、アンテナ情報及びビームパターン情報にさらに基づいて、第1の無線ノード300の許容ビーム情報を決定する。詳しくは、まず、周波数監理データベース100は、一次システムの地理位置情報、干渉許容量、並びに第2の無線ノード300の地理位置情報、アンテナ情報及びビームパターン情報に基づいて、第2の無線ノード300の許容ビーム情報を決定する。次いで、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300の許容ビーム情報と第2の無線ノード300の許容ビーム情報とを比較する。なお、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300に関しては、許容ビーム情報と共に、又は許容ビーム情報に代えて、第1の無線ノード300が使用中のビームを示す情報を比較対象としてもよい。許容ビーム情報が比較対象となる場合、第1の無線ノード300が送信し得るすべてのビームに関し、第2の無線ノード300に与え得る干渉が評価される。一方で、使用中のビームが比較対象となる場合、第1の無線ノード300が現在送信しているビームに関し、第2の無線ノード300に与え得る干渉が評価される。そして、周波数監理データベース100は、比較結果に基づいて、第1の無線ノード300の許容ビーム情報と第2の無線ノード300の許容ビーム情報の少なくともいずれか一方を変更する。
【0115】
具体的には、まず、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300の地理位置情報と第2の無線ノード300の地理位置情報とに基づいて、これらの通信ノード間のパスロスを計算する。次いで、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300及び第2の無線ノード300の許容ビーム情報において許容されたビームのうち、互いに有害な干渉を与え得るビームを同定する。例えば、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300から送信されるビームの、第2の無線ノード300に与える干渉量が所定の閾値を超えるビームを、有害な干渉を与え得るビームとして同定する。所定の閾値は、例えば上述した干渉許容量と同様の手法で取得又は算出される。そして、周波数監理データベース100は、同定した有害な干渉を与え得るビームを示す情報を、許容ビーム情報に反映する。例えば、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300の許容ビーム情報から、第2の無線ノード300に有害な干渉を与え得るビームを示す情報(ビームパターンを示す情報と送信電力を示す情報との組み合わせ)を削除する。第2の無線ノード300の許容ビーム情報についても同様である。
【0116】
許容ビーム情報から、他の無線ノード300に有害な干渉を与え得るビームの情報を削除することで、無線ノード300に、他の無線ノード300に有害な干渉を与え得るビームを送信させないようにすることができる。したがって、第1の無線ノード300が動作中に第2の無線ノード300が新たに動作を開始する場合に、一次システムを保護しつつ、互いに有害な干渉を与え合わないようにすることが可能となる。
【0117】
第1の無線ノード300と第2の無線ノード300との間で異なる周波数アクセス優先度が設定される場合がある。その場合、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300及び第2の無線ノード300の周波数アクセス優先度にさらに基づいて、第1の無線ノード300及び第2の無線ノード300の許容ビーム情報を決定する。具体的には、周波数監理データベース100は、周波数アクセス優先度が低い方の無線ノード300に、他方の無線ノード300の方向を向くビームの送信を禁止する。即ち、周波数監理データベース100は、周波数アクセス優先度が低い方の無線ノード300の許容ビーム情報から、他方の無線ノード300の方向を向くビームを示す情報を削除する。
【0118】
これにより、周波数アクセス優先度が低い方の無線ノード300に、周波数アクセス優先度が高い方の無線ノード300に有害な干渉を与え得るビームを送信させないようにすることができる。したがって、第1の無線ノード300が動作中に第2の無線ノード300が新たに動作を開始する場合に、一次システムを保護しつつ、周波数アクセス優先度が低い方の無線ノード300に有害な干渉を与えないようにすることが可能となる。
【0119】
なお、第2の無線ノード300に許容されるビームの同定が困難である場合、又は許容されるビームがない場合、周波数監理データベース100は、第2の無線ノード300による周波数利用を拒否してもよい。
【0120】
以下では、図7を参照して、上記説明したビームマネジメントに係る処理の流れの一例を説明する。
【0121】
図7は、本実施形態に係る周波数監理データベース100により実行されるビームマネジメント処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、本フローが実行されるよりも前に、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300の許容ビーム情報を決定し、無線ノード300は、当該許容ビーム情報に基づいて、許容されたビームを送信しているものとする。
【0122】
図7に示すように、周波数監理データベース100は、第2の無線ノード300の許容ビーム情報を決定する(ステップS202)。次いで、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300の許容ビーム情報と第2の無線ノード300の許容ビーム情報とを比較する(ステップS204)。次に、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300と無線ノード300は互いに有害な干渉を与えるか否かを判定する(ステップS206)。
【0123】
互いに有害な干渉を与えると判定された場合(ステップS206/YES)、周波数監理データベース100は、第1の無線ノード300の許容ビーム情報と第2の無線ノード300の許容ビーム情報の少なくともいずれかを変更する(ステップS208)。例えば、周波数監理データベース100は、一方の許容ビーム情報から、他方の無線ノード300に有害な干渉を与え得るビームの情報を削除する。そして、周波数監理データベース100は、変更後の第1の無線ノード300の許容ビーム情報を第1の無線ノード300に通知し、変更後の第2の無線ノード300の許容ビーム情報を第2の無線ノード300に通知する(ステップS210)。
【0124】
一方で、互いに有害な干渉を与えないと判定された場合(ステップS206/NO)、周波数監理データベース100は、上記ステップS202において決定された第2の無線ノード300の許容ビーム情報を第2の無線ノード300に通知する(ステップS210)。
【0125】
<3.3.ハンドオーバへの応用>
図8は、典型的なハンドオーバを説明するための図である。図8に示すように、基地局30A及び基地局30Bが隣接して位置している。基地局30Aは、セル31Aを運用しており、セル31A内に位置する端末装置に対し、ビームフォーミングを行なわずに無線通信サービスを提供する。同様に、基地局30Bは、セル31Bを運用しており、セル31B内に位置する端末装置に対し、ビームフォーミングを行なわずに無線通信サービスを提供する。セル31Aとセル31Bとの境界部分にあるセルエッジ32は、基地局30A及び基地局30Bのいずれからも遠い。そのため、セルエッジ32に端末装置400が位置する場合、端末装置400のモビリティに応じてハンドオーバが行われる。
【0126】
例えば、端末装置400は、基地局30Bと接続して、基地局30Bからの信号33を受信しているものとする。端末装置400が、セル31Bの中央からセルエッジ32へ移動すると、符号35に示す、基地局30Bから基地局30Aへのハンドオーバが行われる。そして、端末装置400は、基地局30Aと接続して、基地局30Aからの信号34を受信するようになる。
【0127】
図8を参照して上記説明した例は、基地局がビームフォーミングを行わない場合のハンドオーバの例である。これに対し、ビームフォーミングを行う無線ノード300と通信する端末装置がハンドオーバする場合には、ビームフォーミングを行わない場合に生じなかった不都合が生じ得る。この不都合について、及び本実施形態に係るシステム1によるこの不都合の解決方法について、図9を参照して説明する。
【0128】
図9は、本実施形態に係るシステム1において行われるハンドオーバの一例を説明するための図である。図9に示すように、無線ノード300A、300B及び300Cが隣接して位置している。図9に示した例では、無線ノード300A~300Bは、ビームフォーミングを行って無線通信サービスを提供する基地局である。詳しくは、無線ノード300Aは、セル301Aを運用しており、セル301A内に位置する端末装置に対し、ビーム303A及び303Bを用いて無線通信サービスを提供する。無線ノード300Bは、セル301Bを運用しており、セル301B内に位置する端末装置に対し、ビーム303C~303Eを用いて無線通信サービスを提供する。無線ノード300Cは、セル301Cを運用しており、セル301C内に位置する端末装置に対し、ビーム303F及び303Gを用いて無線通信サービスを提供する。無線ノード300A~300Cは、ネットワークマネージャ200と接続し、ネットワークマネージャ200による制御に基づいて動作する。セル301A、セル301B及びとセル301Cの境界部分にあるセルエッジ302は、無線ノード300A~300Cのいずれからも遠い。そのため、セルエッジ302に端末装置400が位置する場合、端末装置400のモビリティに応じてハンドオーバが行われる。
【0129】
例えば、端末装置400は、無線ノード300Bと接続して、無線ノード300Bからのビーム303Cを受信しているものとする。端末装置400が、セル301Bの中央からセルエッジ302へ移動すると、無線ノード300Bから無線ノード300A又は無線ノード300Cのいずれかへのハンドオーバが行われる。
【0130】
ここで、無線ノード300A及び300Bは、無線ノード300Cの方向へのビームの送信が許容されている一方で、無線ノード300Cは、無線ノード300A又は無線ノード300Bの方向へのビームの送信が許容されていない。これは、無線ノード300Cから無線ノード300A又は無線ノード300Bへの干渉を抑制するためである。そのため、図9に示すように、セルエッジ302には、無線ノード300Cからビームが提供(即ち、送信)されない。従って、ターゲット基地局として無線ノード300Cが選択されて、符号304に示す、無線ノード300Bから無線ノード300Cへのハンドオーバが行われると、端末装置400は、ハンドオーバ前後で継続してビームを受信できなくなる。そのため、ソフトハンドオーバが困難になる、という不都合が生じる。ソフトハンドオーバとは、無線通信サービスを継続しながらハンドオーバを行うことである。
【0131】
そこで、本実施形態に係るシステム1は、許容ビーム情報を用いることにより、端末装置400のターゲット基地局として無線ノード300Aを選択して、符号305に示す、無線ノード300Bから無線ノード300Aへのハンドオーバを行う。図9に示すように、セルエッジ302には、無線ノード300A及び300Bからビームが提供される。これにより、端末装置400は、ハンドオーバ前後で継続してビームを受信して、ソフトハンドオーバを行うことが可能となる。以下、本実施形態のシステム1におけるハンドオーバ時の動作について詳しく説明する。
【0132】
周波数監理データベース100(例えば、通知部135)は、無線ノード300A~300Cの許容ビーム情報を、無線ノード300A~300Cと通信する端末装置400のハンドオーバ先の無線ノード300を選択する他の制御装置(即ち、ネットワークマネージャ200)に通知する。ネットワークマネージャ200は、周波数監理データベース100から通知された許容ビーム情報を取得する。
【0133】
そして、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300A~300Cの許容ビーム情報に基づいて、端末装置400のハンドオーバ先の無線ノード300を選択する。例えば、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300A及び300Bの許容ビーム情報に基づいて、無線ノード300A及び300Bにはセルエッジ302を向くビームの提供が許容されていることを認識する。また、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Cの許容ビーム情報に基づいて、無線ノード300Cにはセルエッジ302を向くビームの提供が許容されていないことを認識する。そして、ネットワークマネージャ200は、端末装置400のハンドオーバ先の無線ノード300として、セルエッジ302を向くビームの提供が許容されている無線ノード300Aを選択する。
【0134】
ネットワークマネージャ200は、ハンドオーバ先として無線ノード300Aを選択したことを無線ノード300Bに通知する。つまり、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Bから無線ノード300Aへのハンドオーバ手続きの開始を指示する。これにより、無線ノード300Bから無線ノード300Aへのハンドオーバが実現される。
【0135】
ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Aに対し、使用すべきビームを指示する情報を通知してもよい。例えば、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Aに対し、セルエッジ302を向くビームを使用するよう指示する。これにより、端末装置400は、より確実に、ハンドオーバ前後で継続してビームを受信することが可能となる。
【0136】
以下では、図10を参照して、図9を参照して上記説明したハンドオーバ時のビームマネジメントに係る処理の流れの一例を説明する。
【0137】
図10は、本実施形態に係るシステム1において実行される、ハンドオーバ時のビームマネジメント処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、無線ノード300B、無線ノード300A、ネットワークマネージャ200及び周波数監理データベース100が関与する。
【0138】
図10に示すように、まず、ネットワークマネージャ200は、利用可能周波数情報リクエストを周波数監理データベース100に通知する(ステップS302)。次いで、周波数監理データベース100は、リクエストされた利用可能周波数情報をネットワークマネージャ200に通知する(ステップS304)。利用可能周波数情報とは、無線ノード300が二次利用可能な周波数に関する情報である。本実施形態では、利用可能周波数情報は、無線ノード300の許容ビーム情報を含む。ネットワークマネージャ200は、管理下の無線ノード300A~300Cの各々の利用可能周波数情報をリクエストして、無線ノード300A~300Cの許容ビーム情報を含む利用可能周波数情報を取得する。
【0139】
次に、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300A及び300Bの各々に、動作パラメータ設定を行う(ステップS306)。動作パラメータ設定は、例えば使用すべき周波数の設定等を含む。本実施形態では、動作パラメータ設定は、使用すべきビームを示す情報を含む。無線ノード300A及び300Bの各々は、ネットワークマネージャ200から指示されたビームを使用して、セル内の端末装置に無線通信サービスを提供する。
【0140】
次いで、ネットワークマネージャ200は、端末装置400の移動を認識する(ステップS308)。ここでは、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Bに接続して動作していた端末装置400が、セルエッジ302に移動したことを認識する。その際、ネットワークマネージャ200は、端末装置400のモビリティを管理するエンティティ(例えば、LTEにおけるMME(Mobility Management Entity))から、端末装置400のモビリティ情報を取得することで、当該移動を認識してもよい。
【0141】
次に、ネットワークマネージャ200は、ハンドオーバ先の無線ノード300を決定する(ステップS310)。詳しくは、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300A~300Cの許容ビーム情報に基づいて、端末装置400のハンドオーバ先の無線ノード300として、セルエッジ302を向くビームの提供が許容されている無線ノード300Aを選択する。
【0142】
次に、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Aに、使用すべきビームを示す情報を含む、動作パラメータ変更命令を通知する(ステップS312)。例えば、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Aに対し、セルエッジ302にビームを提供するよう指示する。
【0143】
そして、ネットワークマネージャ200は、無線ノード300Bに、無線ノード300Aをハンドオーバ先とする、ハンドオーバ手続き開始命令を通知する(ステップS314)。この後、無線ノード300A及び300Bにより、ハンドオーバ手続きが行われる。
【0144】
<<4.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、周波数監理データベース100又はネットワークマネージャ200は、タワーサーバ、ラックサーバ、又はブレードサーバなどのいずれかの種類のサーバとして実現されてもよい。また、周波数監理データベース100又はネットワークマネージャ200は、サーバに搭載される制御モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール、又はブレードサーバのスロットに挿入されるカード若しくはブレード)であってもよい。
【0145】
また、例えば、無線ノード300は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、無線ノード300は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。無線ノード300は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、無線ノード300として動作してもよい。
【0146】
<4.1.周波数監理データベースに関する応用例>
図11は、本開示に係る技術が適用され得るサーバ700の概略的な構成の一例を示すブロック図である。サーバ700は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、ネットワークインタフェース704及びバス706を備える。
【0147】
プロセッサ701は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、サーバ700の各種機能を制御する。メモリ702は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ701により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ703は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。
【0148】
ネットワークインタフェース704は、サーバ700を有線通信ネットワーク705に接続するための有線通信インタフェースである。有線通信ネットワーク705は、EPC(Evolved Packet Core)などのコアネットワークであってもよく、又はインターネットなどのPDN(Packet Data Network)であってもよい。
【0149】
バス706は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703及びネットワークインタフェース704を互いに接続する。バス706は、速度の異なる2つ以上のバス(例えば、高速バス及び低速バス)を含んでもよい。
【0150】
図11に示したサーバ700において、図4を参照して説明した制御部130に含まれる1つ以上の構成要素(第1の取得部131、第2の取得部132、第3の取得部133、決定部134及び/又は通知部135)は、プロセッサ701において実装されてもよい。一例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)がサーバ700にインストールされ、プロセッサ701が当該プログラムを実行してもよい。別の例として、サーバ700は、プロセッサ701及びメモリ702を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムをメモリ702に記憶し、当該プログラムをプロセッサ701により実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてサーバ700又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるための上記プログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0151】
また、図11に示したサーバ700において、例えば、図4を参照して説明したネットワーク通信部110は、ネットワークインタフェース704において実装されてもよい。また、記憶部120は、メモリ702及び/又はストレージ703において実装されてもよい。
【0152】
<4.2.無線ノードに関する応用例>
(第1の応用例)
図12は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
【0153】
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNB800は、図12に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図12にはeNB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
【0154】
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
【0155】
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
【0156】
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB800と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
【0157】
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE-Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
【0158】
無線通信インタフェース825は、図12に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、図12に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図12には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
【0159】
図12に示したeNB800において、図5を参照して説明した制御部350に含まれる1つ以上の構成要素(通知部351、取得部352及び/又は処理部353)は、無線通信インタフェース825において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ821において実装されてもよい。一例として、eNB800は、無線通信インタフェース825の一部(例えば、BBプロセッサ826)若しくは全部、及び/又はコントローラ821を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB800にインストールされ、無線通信インタフェース825(例えば、BBプロセッサ826)及び/又はコントローラ821が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB800、基地局装置820又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0160】
また、図12に示したeNB800において、図5を参照して説明した無線通信部320は、無線通信インタフェース825(例えば、RF回路827)において実装されてもよい。また、アンテナ部310は、アンテナ810において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部330は、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823において実装されてもよい。また、記憶部340は、メモリ822において実装されてもよい。
【0161】
(第2の応用例)
図13は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
【0162】
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNB830は、図13に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図13にはeNB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
【0163】
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、図12を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
【0164】
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE-Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、図12を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、図13に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図13には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
【0165】
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
【0166】
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
【0167】
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
【0168】
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、図13に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図13には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
【0169】
図13に示したeNB830において、図5を参照して説明した制御部350に含まれる1つ以上の構成要素(通知部351、取得部352及び/又は処理部353)は、無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ851において実装されてもよい。一例として、eNB830は、無線通信インタフェース855の一部(例えば、BBプロセッサ856)若しくは全部、及び/又はコントローラ851を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB830にインストールされ、無線通信インタフェース855(例えば、BBプロセッサ856)及び/又はコントローラ851が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB830、基地局装置850又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0170】
また、図13に示したeNB830において、例えば、図5を参照して説明した無線通信部320は、無線通信インタフェース863(例えば、RF回路864)において実装されてもよい。また、アンテナ部310は、アンテナ840において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部330は、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853において実装されてもよい。また、記憶部340は、メモリ852において実装されてもよい。
【0171】
<<5.まとめ>>
以上、図1図13を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。上記説明したように、本実施形態に係る周波数監理データベース100は、一次システムの干渉計算のための基準点の地理位置情報を取得し、当該基準点における干渉許容量を算出又は取得する。また、周波数監理データベース100は、二次システムに属する無線ノード300の、地理位置情報、アンテナ情報、及び当該無線ノード300が使用可能なビームパターンを示すビームパターン情報を取得する。そして、周波数監理データベース100は、取得又は算出したこれらの情報に基づいて、無線ノード300に許容されるビームに関する情報である許容ビーム情報を決定する。その後、周波数監理データベース100は、決定した許容ビーム情報を無線ノード300又は無線ノード300を管理下におくネットワークマネージャ200に通知する。
【0172】
このように、本実施形態では、周波数を二次利用し、且つビームフォーミングを行う無線ノード300に対し、許容されるビームに関する情報が決定される。これにより、無線ノード300が使用可能なビームのうち、一次システム等の他のシステムの保護が困難となるビームの使用を抑制し、保護可能なビームの使用を許容する、といった、柔軟なビームマネジメントが実現可能となる。
【0173】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0174】
例えば、上記実施形態では、周波数監理データベース100が、無線ノード300によるビームフォーミングを考慮して、ビームマネジメントを含む周波数二次利用に関する制御を行う制御装置であるものとして説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、無線ノード300により近い装置が、上記制御装置として動作してもよい。例えば、ネットワークマネージャ200が、上記制御装置として動作してもよい。また、MEC(Mobile Edge Computing)サーバが、上記制御装置として動作してもよい。
【0175】
また、上記実施形態では、無線ノード300が、自身の情報を周波数監理データベース100に通知して許容ビーム情報を取得し、送信するビームを選択するものとして説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、ネットワークマネージャ200が、管理下の無線ノード300の情報を周波数監理データベース100に通知して許容ビーム情報を取得し、送信させるビームを選択してもよい。その場合、ネットワークマネージャ200は、送信させるビームを示す情報を無線ノード300に通知し、無線ノード300は、かかる通知により指定されたビームを送信する。
【0176】
また、上記実施形態では、周波数監理データベース100が、一次システムに関する情報を保持するデータベース機能を有し、許容ビーム情報を決定する制御装置であるものとして説明したが、本技術はかかる例に限定されない。周波数監理データベース100の一次システムに関する情報を保持するデータベース機能と許容ビーム情報を決定する制御装置とは、独立に設けられてもよい。例えば、制御装置を無線ノード300またはネットワークマネージャ200が具備し、無線ノード300またはネットワークマネージャ200が、許容ビーム情報を自身で決定してもよい。
【0177】
また、許容ビーム情報を決定する制御装置が、他の制御装置と通信を行って、それぞれが制御対象とする無線ノード300間の共存を実現するように許容ビーム情報を決定してもよい。例えば、制御装置は、他の制御装置から無線ノード300の位置情報やカバレッジ情報等を取得し、それを一次システムとして扱い、上記実施形態と同様の手続きを踏むことで、共存を実現する許容ビーム情報を決定してもよい。
【0178】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0179】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0180】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得する第1の取得部と、
前記第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得する第2の取得部と、
前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する決定部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知する通知部と、
を備える制御装置。
(2)
前記無線装置に許容されるビームに関する情報は、許容されるビームパターンを示す情報と当該ビームパターンを使用する際に許容される送信電力を示す情報との組み合わせを1つ以上含む情報である、前記(1)に記載の制御装置。
(3)
前記無線装置に許容されるビームに関する情報は、周波数に対応付けられる、前記(2)に記載の制御装置。
(4)
前記周波数は、70/80GHz帯に含まれる、前記(3)に記載の制御装置。
(5)
前記第1のビームパターン情報は、プリコーディング行列を1つ以上含むコードブック、ウェイト行列、ステアリングベクトル、又はアンテナの仰角、方位角及びビーム幅の組み合わせの、少なくともいずれかを含む、前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の制御装置。
(6)
前記決定部は、前記無線装置に許容される複数のビームのうち、組み合わせて送信することが許容されないビームの組み合わせを決定し、決定結果を前記無線装置に許容されるビームに関する情報に反映する、前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の制御装置。
(7)
前記第2の取得部は、前記無線装置により、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいて選択された、ビームに関する情報を取得し、
前記通知部は、前記無線装置により選択されたビームの使用可否を示す情報を前記無線装置に通知する、前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の制御装置。
(8)
前記制御装置は、
前記第2の無線業務又は第3の無線業務に属する、他の無線装置の第3の地理位置情報、第2のアンテナ情報及び前記他の無線装置が使用可能なビームパターンを示す第2のビームパターン情報を取得する第3の取得部をさらに備え、
前記決定部は、前記他の無線装置の前記第3の地理位置情報、前記第2のアンテナ情報及び前記第2のビームパターン情報にさらに基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する、前記(1)~(7)のいずれか一項に記載の制御装置。
(9)
前記決定部は、前記無線装置に許容されるビームに関する情報から、前記他の無線装置に与える干渉量が所定の閾値を超えるビームを示す情報を削除する、前記(8)に記載の制御装置。
(10)
前記決定部は、前記無線装置及び前記他の無線装置の周波数アクセス優先度にさらに基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する、前記(8)又は(9)に記載の制御装置。
(11)
前記通知部は、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を、前記無線装置と通信する端末装置のハンドオーバ先の他の無線装置を選択する他の制御装置に通知する、前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の制御装置。
(12)
制御装置による制御に基づいて動作する、第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置であって、
前記無線装置の第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を前記制御装置に通知する通知部と、
前記第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得する取得部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームを送信する処理部と、
を備える無線装置。
(13)
前記処理部は、前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいて送信するビームを選択し、
前記通知部は、前記処理部により選択されたビームに関する情報を前記制御装置に通知し、
前記取得部は、前記処理部により選択されたビームの使用可否を示す情報を取得する、前記(12)に記載の無線装置。
(14)
第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得することと、
前記第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得することと、
前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報をプロセッサにより決定することと、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知することと、
を含む方法。
(15)
制御装置による制御に基づいて動作する、第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を前記制御装置に通知することと、
前記第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得することと、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームをプロセッサにより送信することと、
を含む方法。
(16)
コンピュータを、
第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報を取得し、前記基準点における干渉許容量を算出又は取得する第1の取得部と、
前記第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を取得する第2の取得部と、
前記基準点の前記第1の地理位置情報及び前記干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を決定する決定部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報を前記無線装置又は前記無線装置に関する装置に通知する通知部と、
として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
(17)
コンピュータを、
制御装置による制御に基づいて動作する、第1の無線業務に割り当てられた周波数のうち一部又は全部を共用する第2の無線業務に属する無線装置の、第2の地理位置情報、第1のアンテナ情報、及び前記無線装置が使用可能なビームパターンを示す第1のビームパターン情報を前記制御装置に通知する通知部と、
前記第1の無線業務の干渉計算のための基準点の第1の地理位置情報、及び前記基準点における干渉許容量、並びに前記無線装置の前記第2の地理位置情報、前記第1のアンテナ情報及び前記第1のビームパターン情報に基づいて、前記制御装置により決定された、前記無線装置に許容されるビームに関する情報を取得する取得部と、
前記無線装置に許容されるビームに関する情報に基づいてビームを送信する処理部と、
として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【符号の説明】
【0181】
1 システム
100 周波数監理データベース
110 ネットワーク通信部
120 記憶部
130 制御部
131 第1の取得部
132 第2の取得部
133 第3の取得部
134 決定部
135 通知部
200 ネットワークマネージャ
300 無線ノード
310 アンテナ部
320 無線通信部
330 ネットワーク通信部
340 記憶部
350 制御部
351 通知部
352 取得部
353 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13