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特許7196888座席運用システム、座席運用方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】座席運用システム、座席運用方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20221220BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221220BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020163836
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056056
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2020-09-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】江田 由理
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-164302(JP,A)
【文献】特開2008-287499(JP,A)
【文献】特開2010-128751(JP,A)
【文献】特開2008-130021(JP,A)
【文献】特開2009-199119(JP,A)
【文献】特開2004-295686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証図形を読み取らせた対象者の個人認証を行う認証手段と、
前記個人認証に成功した場合、前記個人認証に成功した前記対象者の前記認証図形が読み取られた位置から所定範囲内の座席のうち、割り当てられている座席優先度が最も低い座席を選択し、前記対象者に割り当てられている個人優先度が、選択された前記座席に割り当てられている前記座席優先度よりも高ければ、当該座席の状態の値を、前記対象者が占有を要求できる状態を表す値にする確保手段と、
を備える座席運用システム。
【請求項2】
前記認証手段は、前記対象者の同伴者の個人認証を行い、
前記確保手段は、前記対象者の個人認証と前記同伴者の個人認証とに成功した場合、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度及び前記同伴者の各々に割り当てられている個人優先度と、前記座席優先度とに基づいて、前記対象者及び前記同伴者のために前記座席を確保する
請求項1に記載の座席運用システム。
【請求項3】
前記対象者の位置を検出する検出手段をさらに備え、
前記確保手段は、検出された前記位置に基づいて、前記座席を確保する
請求項1又は2に記載の座席運用システム。
【請求項4】
複数の出入り口の各々について、出入り口から所定の範囲内の座席のうち、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度よりも低い座席優先度が割り当てられている、前記対象者のグループの人数の連続する座席の組み合わせの数である、利用者が座席を確保しやすい度合を表す確保容易性を推定する推定手段と、
前記対象者に、前記確保容易性に基づく情報を通知する第1通知手段と、
をさらに備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【請求項5】
新たに前記対象者が占有を要求できる状態になった前記座席に着席者が存在する場合、当該座席の前記着席者に対して当該座席を譲渡するよう促す通知を行う第2通知手段
をさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【請求項6】
前記対象者のために確保された前記座席への前記対象者の着席を確認する確認手段と、
前記座席への前記対象者の前記着席が確認された場合、当該座席の座席優先度を、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度に基づいて更新する更新手段と、
をさらに備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【請求項7】
前記確保手段は、複数の対象者の個人認証が成功した場合、当該複数の対象者の各々に割り当てられている前記個人優先度と、前記座席の前記座席優先度との比較の結果に基づいて、当該座席が割り当てる前記対象者を前記複数の対象者から選択する
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【請求項8】
確保された前記座席を表す表示を行う表示手段
をさらに備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【請求項9】
コンピュータが、
認証図形を読み取らせた対象者の個人認証を行い、
前記個人認証に成功した場合、前記個人認証に成功した前記対象者の前記認証図形が読み取られた位置から所定範囲内の座席のうち、割り当てられている座席優先度が最も低い座席を選択し、前記対象者に割り当てられている個人優先度が、選択された前記座席に割り当てられている前記座席優先度よりも高ければ、当該座席の状態の値を、前記対象者が占有を要求できる状態を表す値にする、
座席運用方法。
【請求項10】
認証図形を読み取らせた対象者の個人認証を行う認証処理と、
前記個人認証に成功した場合、前記個人認証に成功した前記対象者の前記認証図形が読み取られた位置から所定範囲内の座席のうち、割り当てられている座席優先度が最も低い座席を選択し、前記対象者に割り当てられている個人優先度が、選択された前記座席に割り当てられている前記座席優先度よりも高ければ、当該座席の状態の値を、前記対象者が占有を要求できる状態を表す値にする確保処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座席を運用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、公共の交通機関の優先席が「必要そう」と判断される人は、見た目が「優先席」の表示に描かれている人や、「マタニティマーク」を身に着けている人である。優先席では、外見によって判断された、座席を必要とする人に、座席を譲ることが推奨されている。
【0003】
しかし、優先席を必要とする人は、必ずしも外見によって判断できない。例えば、健常者に見える人が、実際には障碍者である場合がある。また、一口に高齢者や妊婦と言っても必要度は人により異なる。妊婦でない人がマタニティマークを身に着けていることもある。以下、更に詳しく説明する。
【0004】
特に妊娠初期の妊婦を、外見によって妊婦と判断することは難しい。しかし、妊婦には見えないが、体調不良である妊婦も存在する。周囲の人が、妊婦が妊婦であること、そして、その妊婦が座席を必要としていることを、外見から判断することは難しい。そのため、日本では、妊婦がマタニティマーク”を鞄につけてアピールすることによって、「周囲の思いやりを期待する」ことが行われてきた。この「マタニティマーク」は、自治体への「妊娠の届出」を実施した妊婦に対して、母子手帳とともに配布される。
【0005】
しかし、妊婦が身に着けているマタニティマークは、周囲の人から見えにくいことも多い。たとえば、座席を必要とする妊婦が、マタニティマークを付けたバッグを保持していても、座席に座っている人は、目の前に立っているそのような妊婦のマタニティマークを発見できないことも多い。また、一度配布されたマタニティマークは回収されない。そのため、マタニティマークが悪用されるという問題が生じている。例えば、妊婦でない人が、マタニティマークを鞄に着け、座席を優先的に利用するという事態が発生している。
また、妊娠中の体調は、時期によっても、人によってもさまざまである。体調不良が全く無い妊婦も居れば、そうでない人もいる。例えば立ちくらみで立っていることが困難な妊婦など、医師によって「妊娠悪阻」と診断されている妊婦は、たとえ見た目では妊婦であると判断できない妊婦であっても、健常者や体調不良の無い妊婦よりも優先されるべきであると考えられる。「優先席」の標識には、全ての妊婦が一律に優先されるべきであると解釈できるように記述されているが、必ずしもすべての妊婦が同程度に優先されるべきではない。実際には、妊婦の状態はさまざまであり、座席の必要度を見た目で判断することは困難である。
【0006】
上述のように、外見から判断できないが、座席を必要とする障碍を持つ人も存在する。人が座席をどの程度必要としているかを、外見に基づいて正確に判断することは困難である。
【0007】
また、座席を必要とする人が優先席の数よりも多かったとしても、座席を必要とする人が、一般席の乗客だけでなく優先席の乗客であっても他の乗客に座席を譲られるとは限らない。優先席に空きがあっても、一般の人は、優先席に座りにくいと感じている。
【0008】
見た目によって座席が必要な人に座席を譲るよう推奨しても、座席の必要性が高い人から座席に座れるように座席を運用することは、容易ではない。
【0009】
座席が必要な人が着席しやすくするシステムの例が、特許文献1及び2によって開示されている。
【0010】
引用文献1には、身体的弱者に発行されたIC(Integrated Circuit)カードである優先席カードがかざされた読み取り装置の付近の優先席を収納状態から解放状態にするシステムが記載されている。
【0011】
引用文献2には、乗客のICカードから取得された年齢や身体状態などの情報が所定の条件を満たした場合、その乗客に座席を譲るように他の乗客に対して促す座席管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2009-258835号公報
【文献】特開2004-295686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1及び2の技術では、ICカードを所持している人間が、そのICカードの正当な所有者であることを前提としている。特許文献1及び2のシステムでは、有効なICカードの所有者ではない人が、その有効なICカードを使用できる。その場合、座席を必要としている人が座席を確保する可能性が低下する。
【0014】
本開示の目的の1つは、座席を必要としている人が座席を確保する可能性を向上できる座席運用システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の一態様に係る座席運用システムは、対象者の個人認証を行う認証手段と、前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する確保手段と、を備える。
【0016】
本開示の一態様に係る座席運用方法は、対象者の個人認証を行い、前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する。
【0017】
本開示の一態様に係るプログラムは、対象者の個人認証を行う認証処理と、前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する確保処理と、をコンピュータに実行させる。本開示の一態様は、上述のプログラムを記憶する記憶媒体によっても実現される。
【発明の効果】
【0018】
本開示には、座席を必要としている人が座席を確保する可能性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本開示の第1の実施形態に係る座席運用システムの構成の例を表すブロック図である。
図2図2は、本開示の第1の実施形態に係る座席運用システムの動作の例を表すフローチャートである。
図3図3は、本開示の第2の実施形態に係る座席運用システムの構成を模式的に表す図である。
図4図4は、本開示の第2の実施形態の座席運用装置の構成の例を表すブロック図である。
図5図5は、本開示の第2の実施形態の車両搭載装置の構成の例を表すブロック図である。
図6図6は、本開示の第2の実施形態の利用者端末装置の構成の例を表すブロック図である。
図7図7は、本開示の第2の実施形態の個人情報登録装置の構成の例を表すブロック図である。
図8図8は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの動作の全体を表すフローチャートである。
図9図9は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの優先度設定処理の動作の例を表すフローチャートである。
図10図10は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの同伴者優先度設定処理の動作の例を表すフローチャートである。
図11図11は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの必要リソース算出処理の動作の例を表すフローチャートである。
図12図12は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
図13図13は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの譲渡通知処理の動作の例を表すフローチャートである。
図14図14は、本開示の第2の実施形態の座席運用システムの利用確認処理の動作の例を表すフローチャートである。
図15図15は、本開示の第2の実施形態の第6の変形例の座席運用システムの、座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
図16図16は、本開示の第2の実施形態の第6の変形例の座席運用システムの、個別座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
図17図17は、本開示の第2の実施形態の第7の変形例の座席運用システムの、座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
図18図18は、本開示の第2の実施形態の第7の変形例の座席運用システムの、未確保座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
図19A図19Aは、本開示の第2の実施形態の第8の変形例の座席運用システムの、動作の全体の例を表すフローチャートである。
図19B図19Bは、本開示の第2の実施形態の第8の変形例の座席運用システムの、動作の全体の例を表すフローチャートである。
図20図20は、本開示の第2の実施形態の第8の変形例の座席運用システムの譲渡通知処理の動作の例を表すフローチャートである。
図21図21は、本開示の第2の実施形態の第8の変形例の本変形例の座席運用システムの座席追加確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
図22図22は、本開示の第2の実施形態の第9の変形例の座席運用システムの動作の例を表すフローチャートである。
図23図23は、本開示の第2の実施形態の第10の変形例の座席運用システムの動作の例を表すフローチャートである。
図24図24は、本開示の実施形態に係る、座席運用システム、座席運用装置、車両搭載装置、利用者端末装置、及び、個人情報登録装置の各々を実現することができる、コンピュータのハードウェア構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本開示の実施形態について図面を使用して詳細に説明する。
【0021】
<第1の実施形態>
まず、本開示の第1の実施形態について説明する。本実施形態は、本開示の基本的な実施形態である。
【0022】
<構成>
図1は、本実施形態に係る座席運用システムの構成の例を表すブロック図である。図1に示す例は、座席運用システム10は、本開示の一態様に係る座席運用システム10は、認証部11と、確保部12と、を備える。認証部11は、対象者の個人認証を行う。確保部12は、前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する。
【0023】
対象者は、例えば、公共の交通機関などの利用者である。公共の交通機関は、例えば、列車、バス等である。対象者は、複数の座席と立席とが存在する施設の利用者であってもよい。以下では、対象者が公共の交通機関などの利用者であるとして説明する。
【0024】
個人認証は、例えば、指紋認証、静脈認証、掌紋認証、顔認証、虹彩認証、音声認証などの、生体情報に基づく認証を行う生体認証である。認証部11は、例えば、対象者からセンサによって得られた生体情報に基づく情報と、あらかじめ登録されている、対象者の生体情報に基づく情報とを比較する、生体情報は、例えば、指紋センサによって取得された指紋画像、静脈センサによって取得された静脈画像、掌紋センサによって取得された掌紋画像、カメラによって撮影された顔画像、又は、赤外線カメラなどのカメラによって撮影された光彩画像等である。生体情報は、画像に限定されない。生体情報は、音声データ等の他のデータであってもよい。生体情報に基づく情報は、例えば、生体情報から抽出された特徴を表す情報である。比較の結果、対象者からセンサによって得られた生体情報と、あらかじめ登録されている、対象者の生体情報とが、同じ生体から得られた情報である判定した場合、認証部11は、個人認証が成功したと判定する。個人認証において比較されるデータを、認証データと表記する。あらかじめ登録されている認証データを、登録認証データとも表記する。登録認証データと比較される認証データを、照合認証データとも表記する。個人認証は、なりすましを防ぐことができる認証方法であれば、生体認証でなくてもよい。認証部11は、既存の個人認証の方法から選択された個人認証の方法によって、個人認証を行ってよい。
【0025】
以下の説明において、優先度は、座席を必要とする度合いを表す。優先度は、例えば、数値によって表される。上述の個人優先度は、個人に割り当てられている優先度である。個人優先度は、例えば、対象者の、病状、障碍の状態、妊娠の状態などに基づいて、医師等によって決定された優先度である。医師等によって座席が必要であると判断された人には、その人の状態に応じた個人優先度が、例えばその医師等によって割り当てられる。以下の説明では、優先度が高いほど、座席の必要性が高い。例えば、人物Aの優先度が人物Bの優先度よりも高い場合、人物Aの方が、人物Bよりも、座席が必要な状態である。一般の人、優先度が割り当てられていない人、及び、個人認証が成功していない人は、座席が必要であると判断された人に割り当てられる優先度よりも低い優先度が割り当てられているとみなされる。座席の座席優先度として、その座席に着席している人の優先度が設定される。着席している人がいない座席には、最も低い優先度が座席優先度として設定される。
【0026】
対象者の個人認証が成功した場合、確保部12は、例えば、対象者の個人優先度に基づく優先度と、座席の座席優先度とを比較する。対象者の個人優先度に基づく優先度は、例えば、対象者の個人優先度である。対象者の個人優先度に基づく優先度は、後で説明する他の優先度であってもよい。確保部12は、対象者の個人優先度が座席の座席優先度よりも高い場合、その座席を対象者のために確保する。確保部12は、例えば、複数の座席のうち、最も低い座席優先度の座席を選択してもよい。確保部12は、他の基準に従って座席を選択してもよい。確保部12は、対象者の個人優先度に基づく優先度と、選択された座席の座席優先度とを比較してもよい。対象者のために座席を確保するとは、例えば、対象者がその座席の占有を座席運用システムに要求できる状態にすることを表す。
【0027】
なお、以上の説明における定義は、例である。これらの定義は、上述の例に限られない。
【0028】
<動作>
次に、本実施形態の座席運用システム10の動作について、図面を使用して詳細に説明する。
【0029】
図2は、本実施形態に係る座席運用システム10の動作の例を表すフローチャートである。図2に示す例では、まず、認証部11が、対象者の個人認証を行う(ステップS11)。対象者の個人認証が成功した場合(ステップS12においてYES)、確保部12は、対象者の個人優先度と座席の座席優先度とに基づいて、座席を確保する(ステップS13)。対象者の個人認証が成功しなかった場合(ステップS12においてNO)、座席運用システム10は、図2に示す動作を終了する。対象者の個人認証が成功しなかった場合は、例えば、対象者の個人認証が行われ、行われた個人認証が失敗した場合である。対象者の個人認証が成功しなかった場合は、例えば、対象者の個人認証が行われなかった場合である。
【0030】
<効果>
本実施形態には、座席を必要としている人が座席を確保する可能性を向上できるという効果がある。その理由は、確保部12が、認証部11による個人認証が成功した対象者に割り当てられている個人優先度に基づく優先度と、座席の座席優先度とに基づいて、その対象者のためにその座席を確保するからである。対象者の個人認証に成功した場合に、その対象者に割り当てられている個人優先度に基づいて座席の確保が行われるので、座席を必要としない人のために不正に座席が確保されるのを防ぐことができる。そのため、座席を必要とする人の代わりに座席を必要としない人が座席を占有することを防ぐことができる。したがって、座席を必要としている人が座席を確保する可能性を向上できる。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0032】
<構成>
図3は、本実施形態に係る座席運用システムの構成を模式的に表す図である。図3に示す例では、座席運用システム1は、座席運用装置100と、車両搭載装置200と、利用者端末装置300と、個人情報登録装置400とを含む。座席運用装置100は、車両搭載装置200、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置400の各々と、通信可能に接続される。図3に示す例では、座席運用装置100は、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置400の各々と、通信ネットワーク500を介して接続されている。通信ネットワーク500は、例えば、インタネットである。座席運用装置100は、車両搭載装置200と、通信ネットワーク500とは異なる通信ネットワークを介して接続されている。座席運用装置100は、車両搭載装置200と、例えばイントラネットとして実装されている通信ネットワーク、又は、他の通信経路を介して接続されていてもよい。
【0033】
次に、座席運用システム1に含まれる装置の概要について説明する。これらの装置については、後で詳細に説明する。
【0034】
<概要>
個人情報登録装置400は、利用者の個人優先度を含む個人情報を登録する装置である。個人情報登録装置400では、例えばオペレータが、利用者の個人優先度を登録する。個人情報登録装置400は、利用者の個人情報を座席運用装置100に送信する。
【0035】
座席運用装置100は、個人情報登録装置400から利用者の個人情報を受信する。また、利用者は、座席運用装置100に、例えば指紋の画像等の生体情報を、個人認証のための情報を登録する。以下の説明では、座席運用装置100は、個人認証として生体認証を行う。その場合、利用者は、座席運用装置100に、例えば指紋の画像等の生体情報を、個人認証として情報を登録する。具体的には、利用者は、座席運用装置100に、利用者を識別する情報である利用者IDと、生体情報を入力する。利用者IDは、座席運用装置100において一意に設定される。座席運用装置100は、例えば、登録時に入力された生体情報(以下、登録生体情報)から特徴量(以下、登録特徴量と表記)を抽出し、利用者の利用者IDと、個人情報として受信した優先度と、抽出した特徴量とを関連付ける。座席運用装置100は、互いに関連付けられた利用者の利用者IDと、優先度と、抽出した特徴量(すなわち登録特徴量)とを記憶する。
【0036】
本実施形態では、車両搭載装置200は、例えば電車などの車両に搭載される。車両に乗車する利用者は、例えば、車両の出入り口において、利用者IDを入力し、更に、個人認証(本実施形態では指紋認証などの生体認証)のための情報(すなわち、ここでは生体情報)を入力する。車両搭載装置200は、入力された生体情報(以下では、入力生体情報と表記する)から、特徴量(以下、入力特徴量と表記)を抽出する。車両搭載装置200は、入力された利用者IDと、入力特徴量とを、座席運用装置100に送信する。
【0037】
車両搭載装置200は、さらに、座席の座席優先度を含む座席情報を、座席運用装置100に送信する。
【0038】
座席運用装置100は、入力された利用者IDと、入力特徴量とを、車両搭載装置200から受け取る。座席運用装置100は、上述の座席情報を、車両搭載装置200から受信する。
【0039】
座席運用装置100は、車両搭載装置200から受信した利用者IDに関連付けられている登録特徴量と、車両搭載装置200から受信した入力特徴量とに基づいて、車両搭載装置200に利用者IDと生体情報とを入力した利用者の認証を行う。具体的には、座席運用装置100は、車両搭載装置200から受信した利用者IDに関連付けられている登録特徴量と、車両搭載装置200から受信した入力特徴量とを比較し、その登録特徴量と入力特徴量とが、同一の生体から得られた生体情報から抽出された特徴量であるか否かを判定する。座席運用装置100は、その登録特徴量と入力特徴量とが、同一の生体から得られた生体情報から抽出された特徴量であると判定した場合、車両搭載装置200に利用者IDと生体情報とを入力した利用者の個人認証が成功したと判定する。そうでない場合、座席運用装置100は、その利用者の個人認証が失敗したと判定する。座席運用装置100は、利用者の個人認証が成功した場合、利用者の利用者IDに関連付けて記憶されている、利用者の個人優先度を、利用者の適用優先度に設定する。座席運用装置100は、利用者の個人認証が失敗した場合、一般の利用者の優先度としてあらかじめ定められている優先度を、その利用者の適用優先度に設定する。利用者に同伴者がいる場合については、後で詳細に説明する。
【0040】
座席運用装置100は、例えば利用者が利用者IDと生体情報とを入力した場所と、利用者の適用優先度と、座席の座席優先度とに基づいて、利用者が利用可能な座席を抽出する。座席運用装置100は、車両搭載装置200に、抽出された座席を示す表示を行うよう指示する。座席を示す表示は、例えば、座席に設置されているLED(Light Emitting Diode)等を点灯することである。座席運用装置100は、さらに、抽出された座席の位置を示す情報を、利用者の利用者端末装置300に送信する。座席運用装置100は、抽出された座席に着席者が存在する場合、抽出された座席の着席者がその座席の使用権を失ったことを示す通知を行うよう、車両搭載装置200を制御する。座席の使用権を失ったことを示す通知は、上述のLEDの点灯、所定の音の発生、及び、座面の振動のいずれかなどである。
【0041】
利用者端末装置300は、抽出された座席を示す情報を受け取り、受け取った座席を示す情報を表示する。
【0042】
以上の説明は、本実施形態の座席運用システム1の概要である。本実施形態の座席運用システム1及び座席運用システム1の各装置の機能及び動作は、以上の説明に限られない。本実施形態の座席運用システム1及び座席運用システム1の各装置は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、以上の説明と異なる機能を備え、以上の説明と異なる動作を行ってもよい。
【0043】
<詳細>
次に、本実施形態の座席運用システム1及び座席運用システム1の各装置について、詳細に説明する。まず、座席運用システム1が含む各装置の構成の概要について説明し、その後、各装置の各構成要素について詳細に説明する。
【0044】
<<座席運用装置100>>
図4は、本実施形態の座席運用装置100の構成の例を表すブロック図である。図4に示す例では、座席運用装置100は、認証部101と、確保部102と、推定部103と、更新部104と、位置検出部111と、着席者検出部112と、着席確認部113と、第1通知部121と、第2通知部122と、第3通知部123と、確認部124とを含む。座席運用装置100は、さらに、認証用センサ部131と、ID情報センサ部132と、個人情報取得部141と、個人情報記憶部142と、座席情報取得部151と、座席情報記憶部152と、通信部161とを含む。
【0045】
<<車両搭載装置200>>
図5は、本実施形態の車両搭載装置200の構成の例を表すブロック図である。図5に示す例では車両搭載装置200は、制御部201と、座席情報記憶部202と、認証用センサ部211と、位置確認センサ部212と、着席者センサ部221と、着席確認センサ部222と、表示部223と、通知実行部224とを含む。認証用センサ部211及び位置確認センサ部212は、例えば、車両の出入り口付近に取り付けられる。認証用センサ部211及び位置確認センサ部212が取り付けられている部分を、出入口ユニット210と表記する。着席者センサ部221と、着席確認センサ部222と、表示部223と、通知実行部224とは、座席に取り付けられる。着席者センサ部221と、着席確認センサ部222と、表示部223と、通知実行部224とが取り付けられている部分を、座席端末ユニット220と表記する。
【0046】
<<利用者端末装置300>>
図6は、本実施形態の利用者端末装置300の構成の例を表すブロック図である。図6に示す例では、利用者端末装置300は、表示部301と、入力部302と、制御部303と、表示制御部304と、表示情報生成部305と、通信部306とを含む。利用者端末装置300は、例えば、専用のアプリケーションを実行するスマートフォンなどの情報端末装置によって実現できる。
【0047】
<<個人情報登録装置400>>
図7は、本実施形態の個人情報登録装置400の構成の例を表すブロック図である。図7に示す例では、個人情報登録装置400は、入力部401と、個人情報処理部402と、個人情報記憶部403と、通信部404とを含む。
【0048】
図4から図7に示す構成では、装置に含まれる各構成要素はバスを介して互いに接続される。ただし、接続の形式は必ずしもバスに限られない。
【0049】
<座席利用前>
最初に、座席を利用する前、例えば、利用者が座席運用システム1を利用するための手続きを行う際に動作する、座席運用システム1の構成要素について説明する。
【0050】
<<個人情報登録装置400の構成要素>>
まず、図7に示す、個人情報登録装置400の構成要素について詳細に説明する。
【0051】
<<入力部401>>
入力部401は、例えば個人情報登録装置400のオペレータ等が、利用者の登録者IDと、医師等が決定した個人優先度とを入力する装置である。登録者IDは、例えば個人情報登録装置400において一意に設定された、利用者を識別する情報である。後述の個人情報処理部402が、利用者IDを生成してもよい。利用者IDとして、例えば、登録者の氏名、年齢、住所等の組み合わせのような、個人情報登録装置400において利用者を識別できる情報が使用されてもよい。個人情報登録装置400のオペレータ等は、利用者の登録者IDと、利用者の優先度とを、入力部401によって入力する。利用者が同伴する可能性がある同伴者が存在する場合、個人情報登録装置400のオペレータ等は、同伴者の登録者IDと、同伴者の個人優先度とを、入力部401によって入力する。同伴者は、例えば、乳児、幼児、介護が必要な人などの、保護者や介護者が必要な人である。なお、利用者の監視下において単独で行動できる幼児等は、同伴者ではなく利用者として登録してもよい。そして、利用者のサポート無しでは行動することが難しい人のみを、同伴者として登録してもよい。同伴者の個人優先度は、同様に医師等によって決定される。個人優先度に対して、その個人優先度が有効な期間である有効期間が設定されてもよい。有効期間は、個人優先度が変化しないと医師等が判断した期間であってよい。例えば乳児や幼児の優先度は、年齢に基づいて定められていてもよい。オペレータ等は、さらに、利用者の個人優先度以外の個人情報を入力する。利用者の個人優先度以外の個人情報は、例えば、年齢を特定できる情報(例えば、生年月日)、及び、その他の個人情報である。オペレータ等は、さらに、入力部401によって入力してもよい。利用者の同伴者が存在する場合、オペレータ等は、さらに、同伴者の年齢の個人情報を、入力部401によって入力する。利用者が複数の同伴者を同伴する可能性がある場合、オペレータなどは、複数の同伴者の、優先度を含む個人情報を入力する。なお、個人情報登録装置400に登録される個人情報は、後述の座席運用装置100の個人情報とは別に登録される。個人情報登録装置400に登録される個人情報は、後述の座席運用装置100の個人情報と、個人優先度を除いて同一でなくてよい。
【0052】
上述の個人情報は、登録者ID、個人優先度、及び、年齢など他の個人情報を含む情報である。以下の説明では、このような情報を、個人情報と表記する。利用者が同伴者を同伴する可能性がある場合、利用者の個人情報は、同伴する可能性がある同伴者の個人情報と関連付けられていてよい。
【0053】
利用者の個人情報は、その利用者が同伴する可能性がある全ての同伴者の個人情報に関連付けられていてよい。同じ同伴者の個人情報が、その同伴者を同伴する可能性がある異なる複数の利用者の個人情報に関連付けられていてもよい。
【0054】
<<個人情報処理部402>>
個人情報処理部402は、入力部401を介してオペレータ等によって入力された個人情報を、所定のフォーマットで、個人情報記憶部403に格納する。個人情報処理部402は、例えば座席運用装置100から利用者の個人情報の要求を後述の通信部404を介して受け取ると、利用者の個人情報を個人情報記憶部403から読み出す。個人情報処理部402は、読み出した利用者の個人情報を、通信部404を介して座席運用装置100に送信する。
【0055】
<<個人情報記憶部403>>
個人情報記憶部403は、個人情報処理部402によって格納された、利用者の個人情報を記憶する。
【0056】
<<通信部404>>
通信部404は、個人情報登録装置400が、例えば座席運用装置100等の他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、個人情報処理部402は、通信部404を介して座席運用装置100から利用者の登録者IDと個人情報の要求とを受け取り、通信部404を介して座席運用装置100に登録者IDによって特定される利用者の個人情報を送信する。なお、通信部404が座席運用装置100に送信する個人情報は、利用者の個人優先度を含む。通信部404が座席運用装置100に送信する個人情報は、利用者の個人優先度であってもよい。
【0057】
<<座席運用装置100の構成要素>>
次に、図4に示す、座席運用装置100の構成要素について詳細に説明する。
【0058】
<<個人情報取得部141>>
個人情報取得部141は、個人情報登録装置400から、個人優先度を含む個人情報を取得する。以下、個人情報取得部141についてさらに詳細に説明する。
【0059】
利用者が座席運用装置100の利用を開始する際(例えば、座席運用装置100の利用者登録をする際)、個人情報取得部141は、例えば、座席運用装置100の入力装置から、その入力装置を使用して利用者によって入力された、登録者IDと、利用者IDと、例えばパスフレーズなどに基づく認証情報と、その他の個人情報などを受け取る。個人情報取得部141は、利用者IDを入力装置から受け取るのではなく、利用者IDを所定の方法に従って生成してもよい。利用者IDは、利用者に、例えば座席運用装置100において一意に割り当てられ、利用者を識別できる情報である。その他の個人情報は、たとえば、氏名、年齢、同伴する可能性のある同伴者の氏名、年齢などを含む。また、個人情報取得部141は、認証用センサ部131によって取得された利用者の生体情報から、認証部101によって抽出された特徴量を、認証部101から利用者の登録特徴量として取得する。利用者に、同伴する可能性のある同伴者がいる場合、個人情報取得部141は、認証用センサ部131によって取得された同伴者の生体情報から、認証部101によって抽出された特徴量を、認証部101から同伴者の登録特徴量として取得する。そして、上述のように、個人情報取得部141は、個人情報登録装置400から、利用者の個人優先度を含む個人情報を取得する。その際、個人情報取得部141は、例えば、利用者の登録者IDと個人情報の要求とを個人情報登録装置400に送信し、送信した登録者IDによって特定される利用者の個人優先度を個人情報登録装置400から受け取る。利用者に、同伴する可能性がある同伴者がいる場合、個人情報登録装置400から、利用者の個人情報に関連付けられている同伴者の個人優先度を取得する。
【0060】
個人情報取得部141は、取得した情報、例えば、利用者IDと、認証情報と、個人優先度と、登録特徴量とを互いに関連付け、互いに関連付けられた、利用者IDと、認証情報と、個人優先度と、登録特徴量とを、個人情報として個人情報記憶部142に格納する。利用者に、同伴する可能性がある同伴者がいる場合、個人情報取得部141は、利用者の利用者IDに、更に、同伴者の個人情報(例えば同伴者の利用者IDと、認証情報と、個人優先度と、登録特徴量と)を関連付ける。そして、個人情報取得部141は、利用者の同伴者の個人情報(例えば、利用者IDと、認証情報と、個人優先度と、登録特徴量と)を、個人情報記憶部142にさらに格納する。
【0061】
<<個人情報記憶部142>>
個人情報記憶部142は、個人情報取得部141によって格納された、上述の、利用者の個人情報を記憶する。
【0062】
<<認証用センサ部131>>
認証用センサ部131は、生体情報を取得する。利用者は、座席運用装置100の利用開始時に、認証用センサ部131を用いて、利用者の生体情報を座席運用装置100に登録する。利用者に同伴する可能性がある同伴者がいる場合、利用者は、座席運用装置100の利用開始時に、認証用センサ部131を用いて、同伴者の生体情報を座席運用装置100に登録する。複数の同伴者がいる場合、利用者は、複数の同伴者の各々の生体情報を登録する。言い換えると、利用者は、座席運用装置100の利用開始時に、認証用センサ部131に利用者の生体情報を読み取らせる。同伴する可能性がある同伴者がいる場合、利用者は、座席運用装置100の利用開始時に、認証用センサ部131に、同伴者の生体情報を読み取らせる。複数の同伴者がいる場合、利用者は、認証用センサ部131に、複数の同伴者の各々の生体情報を読み取らせる。
【0063】
本実施形態では、生体情報は指紋の情報であり、認証用センサ部131は指紋センサである。指紋の情報は、例えば、指紋画像である。認証用センサ部131は、指紋画像を取得し、取得した指紋画像を認証部101に送信する。認証部101は、指紋画像から特徴を抽出し、抽出した特徴を表す特徴データを個人情報取得部141に送出する。認証部101については、後で詳細に説明する。
【0064】
<座席利用時>
次に、利用者が座席を利用する際に動作する、座席運用システム1の構成要素について詳細に説明する。
【0065】
<<利用者端末装置300の詳細>>
図6に示す、利用者端末装置300の構成要素について説明する。上述のように、本実施形態の利用者端末装置300は、例えば、専用のアプリケーションを実行するスマートフォンによって実現される。
【0066】
<<入力部302>>
入力部302は、ユーザが入力を行う装置である。利用者端末装置300がスマートフォンである場合、入力部302は、例えばタッチパネルである。利用者は、入力部302を使用して、利用者IDを入力する。利用者は、入力部302を使用して、例えばパスフレーズなどに基づく認証情報を入力する。
【0067】
<<制御部303>>
制御部303は、利用者IDと認証情報を表す情報とを、例えば通信部306を介して、座席運用装置100に送信する。座席運用装置100の認証部101は、例えば通信部161を介して、利用者IDと認証情報を表す情報とを受け取る。認証部101は、受け取った利用者IDと認証情報を表す情報と、個人情報記憶部142に格納されている個人情報とに基づいて、認証を行う。この認証は、パスフレーズ等の同一であるか否かに基づく一般的な認証である。認証部101は、認証に成功したか否かを表す情報を、通信部161と通信部306とを介して、制御部303に送信する。認証に成功した場合、制御部303は、表示情報生成部305に、利用者IDを表す図形を生成させる。
【0068】
なお、制御部303は、利用者端末装置300に割り当てられている端末IDを座席運用装置100に送信し、座席運用装置100から、端末IDに関連付けられている利用者IDを受け取ってもよい。端末IDは、例えば動作中の利用者端末装置300に一意に割り当てられている情報である。制御部303は、端末IDにアクセスできるよう構成されている。この場合、利用者は、利用者ID及び認証情報を入力する必要はない。また、制御部303は、利用者ID及び認証情報に基づく認証を行う必要はない。座席運用装置100の個人情報記憶部142は、利用者IDに関連付けられた端末IDを記憶する。例えば、後述の認証図形を表示する専用のアプリケーションの利用開始時に、例えば制御部303が、利用者の利用者IDを受け取り、利用者IDと端末IDとを座席運用装置100に送信してもよい。座席運用装置100の個人情報取得部141が、利用者IDと端末IDとを受信し、端末IDを利用者IDに関連付け、利用者IDに関連付けられた端末IDを、個人情報記憶部142に格納する。制御部303は、一度取得した利用者の利用者IDを、保持していてもよい。
【0069】
<<表示情報生成部305>>
表示情報生成部305は、制御部303による制御のもと、所定の方法に従って、利用者の利用者IDを表す図形を生成する。利用者IDを表す図形(以下、認証図形)は、例えば、QRコード(登録商標、Quick Response)である。例えば、利用者が、上述の専用のアプリケーションを実行する利用者端末装置300において、認証図形を表示する動作を行うと、制御部303は、表示制御部304に、認証図形を生成させる。認証図形は、QRコード以外の、利用者IDを一意に表すことができ利用者IDを特定できる図形であってもよい。表示情報生成部305は、生成した認証図形を表す情報を、表示制御部304に送信する。
【0070】
<<表示制御部304>>
表示制御部304は、生成した認証図形を表す情報を受け取り、受け取った情報に基づいて、表示図形を表示部301に表示する。
【0071】
<<表示部301>>
表示部301は、例えば、ディスプレイである。利用者端末装置300がスマートフォンである場合、表示部301は、例えばタッチパネルである。認証図形は、表示制御部304によって、表示部301に表示される。利用者は、表示部301に表示された認証図形を、位置確認センサ部212に読み取らせる。
【0072】
<<車両搭載装置200の詳細>>
次に、図5に示す、車両搭載装置200の構成要素について詳細に説明する。出入口ユニット210(すなわち、出入口ユニット210に含まれる認証用センサ部211及び位置確認センサ部212)は、例えば車両の出入口に取り付けられる。車両に複数の出入り口が存在する場合、出入口ユニット210は、複数の出入口の各々に取り付けられる。座席端末ユニット220(すなわち、座席端末ユニット220に含まれる、着席者センサ部221、着席確認センサ部222、表示部223及び通知実行部224)は、座席運用装置100の管理下にある座席の各々に取り付けられる。
【0073】
<<位置確認センサ部212>>
位置確認センサ部212は、上述の認証図形を読み取ることができるセンサである。利用者は、例えば乗車時に、利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を、位置確認センサ部212に読み取らせる。位置確認センサ部212は、読み取った認証図形を表すデータを、制御部201に送出する。
【0074】
<<認証用センサ部211>>
認証用センサ部211は、生体情報を表すデータを読み取るセンサである。例えば、生体情報が読み取られる生体が指紋である場合、生体情報は、指紋画像である。利用者は、例えば乗車時に、認証図形を位置確認センサ部212に読み取らせた後、認証用センサ部211に生体情報(指紋画像)を認証用センサ部211に読み取らせる。認証用センサ部211は、読み取った生体情報を、制御部201に送出する。利用者に同伴者がいない場合、認証用センサ部211は、利用者の生体情報を、制御部201に送出する。利用者に同伴者がいる場合、利用者は、全ての同伴者の生体情報も認証用センサ部211に読み取らせる。認証用センサ部211は、利用者の生体情報と、利用者の同伴者の生体情報とを、制御部201に送出する。
【0075】
<<制御部201>>
制御部201は、認証図形を表すデータを、位置確認センサ部212から受け取る。制御部201は、車両内における位置確認センサ部212(例えば、位置確認センサ部212を含む出入口ユニット210)の位置をあらかじめ保持している。制御部201は、受け取った認証図形から、利用者IDを特定する。制御部201は、認証図形を送出した位置確認センサ部212の位置を、利用者の位置とする。制御部201は、更に、認証用センサ部211から、生体情報(例えば指紋データ)を受け取る。制御部201は、受け取った指紋データから特徴を抽出し、抽出した特徴を表す特徴を表す特徴データを生成する。
【0076】
利用者に同伴者がいない場合、制御部201は、利用者の生体情報を受け取り、受け取った生体情報から、利用者の特徴データを生成する。利用者に同伴者がいる場合、制御部201は、利用者の生体情報と、同伴者の生体情報とを受け取る。制御部201は、利用者の生体情報と、同伴者の生体情報と、の各々から、特徴データを生成する。
【0077】
制御部201は、特定した利用者の利用者IDと、利用者の位置と、生体情報から抽出した特徴を表す特徴データとを、座席運用装置100に送信する。利用者に同伴者がいない場合、制御部201は、特徴データとして、利用者の特徴データを座席運用装置100に送信する。利用者に同伴者がいる場合、制御部201は、特徴データとして、利用者の特徴データと同伴者の特徴データとを、座席運用装置100に送信する。
【0078】
制御部201は、座席の各々の着席者センサ部221から、座席に着席者が着席しているか否かを表す着席情報を受け取る。着席者センサ部221については、後で詳細に説明する。制御部201は、受け取った着席情報が表す、各座席における着席者の有無を表す情報を、座席運用装置100に送出する。制御部201は、例えば、着席者センサ部221から受け取った、座席に着席者が着席しているか否かを表す着席情報が変化した場合に、変化後の着席情報を、座席運用装置100に送出する。また、制御部201は、受け取った着席情報が表す、各座席における着席者の有無を表す情報を、座席情報記憶部202に格納する。
【0079】
制御部201は、座席の譲渡を促す譲渡通知を行う座席の情報を座席運用装置100から受け取り、受け取った座席の情報が示す座席の通知実行部224を、譲渡通知が行われている状態の動作を行うよう制御する。通知実行部224については、後で詳細に説明する。
【0080】
制御部201は、利用者のために確保した座席の情報を座席運用装置100から受け取り、受け取った座席の情報が示す座席の表示部223を、確保された座席を示すように制御する。
【0081】
また、制御部201は、着席確認センサ部222から、着席確認センサ部222によって読み取られた認証図形を受け取る。制御部201は、着席確認センサ部222から受け取った認証図形から利用者IDを特定し、着席確認センサ部222が設置されている座席の位置を表す情報と、特定した利用者IDとを、座席運用装置100に送出する。
【0082】
制御部201は、座席運用装置100から、各座席の座席優先度を受け取り、受け取った各座席の座席優先度を表す情報を、座席情報記憶部202に格納する。
【0083】
<<座席情報記憶部202>>
座席情報記憶部202は、その座席情報記憶部202を含む車両搭載装置200が搭載されている車両の座席の各々の、着席者の有無を表す情報と、座席優先度を表す情報とを記憶する。
【0084】
<<通信部203>>
通信部203は、車両搭載装置200と座席運用装置100との間の通信を中継する通信インタフェースである。
【0085】
<<着席者センサ部221>>
着席者センサ部221は、座席に着席者が存在するか否かを検出する人感センサである。着席者センサ部221は、検出した、座席に着席者が存在するか否かを表す情報を、制御部201に送出する。着席者センサ部221は、例えば、座席の座面に設置された重量センサである。その場合、所定重量以上の重量が検出された場合、着席者センサ部221は、その着席者センサ部221が設置されている座席に着席者を検出する。所定重量以上の重量が検出されない場合、着席者センサ部221は、その着席者センサ部221が設置されている座席に着席者を検出しない。着席者センサ部221は、座席に着席者が存在するか否かを検出できる、他の既存のセンサのいずれかであってもよい。
【0086】
<<着席確認センサ部222>>
着席確認センサ部222は、上述の認証図形を読み取るセンサである。利用者は、座席に座る際、利用者端末装置300に表示された認証図形を、その座席に取り付けられている着席確認センサ部222に読み取らせる。着席確認センサ部222は、位置確認センサ部212と同様の機能を備えるセンサであってよい。着席確認センサ部222は、読み取った認証図形を表すデータを、制御部201に送出する。
【0087】
<<表示部223>>
表示部223は、例えば制御部201による制御によって、利用者に割り当てられた座席を示す。表示部223は、例えば、座席に取り付けられたLEDなどの発光装置によって実現できる。例えば、表示部223が光っている座席が、利用者に割り当てられた座席である。
【0088】
<<通知実行部224>>
通知実行部224は、例えば制御部201による制御によって、座席の着席者に、座席を譲渡するよう促す譲渡通知を行う。通知実行部224は、例えば、光、音、及び、振動などの少なくともいずれか1つ以上によって、着席者に譲渡通知を行う。通知実行部224が、例えば、光、音、及び、振動などの少なくともいずれか1つ以上を発生させている状態が、通知実行部224が譲渡通知を行っている状態である。通知実行部224は、LEDなどの発光装置、譲渡を促す音声を発生させるスピーカなどの音声発生装置、及び、座面の下に取り付けられ振動を発生させるバイブレータなどの少なくとも1つ以上によって実現される。通知実行部224は、例えばディスプレイによって実現されうる。この場合、通知実行部224は、座席を譲渡することを表す表示を行うことによって、譲渡通知を行ってもよい。表示部223を実現するLEDなどの発光装置が通知実行部224として動作してもよい。
【0089】
<<座席運用装置100の構成要素>>
次に、図4に示す、座席運用装置100の他の構成要素について詳細に説明する。
【0090】
<<ID情報センサ部132>>
ID情報センサ部132は、認証図形を読み取るセンサである。ID情報センサ部132は、車両搭載装置200の、位置確認センサ部212及び着席確認センサ部222と同様の機能を備える。利用者は、車両を利用する前に、ID情報センサ部132に、上述の認証図形を読み取らせる。ID情報センサ部132は、例えば、改札の内側など、駅の構内に設置されている。ID情報センサ部132が取り付けられる場所は、限定されない。利用者は、例えば、駅の改札から入場した後、認証図形をID情報センサ部132に読み取らせる。ID情報センサ部132は、読み取った認証図形を、例えば推定部103に送出する。
【0091】
<<認証部101>>
認証部101は、通信部161を介して、利用者端末装置300から、利用者の利用者IDと、パスフレーズなどに基づく認証情報を表す情報とを受け取る。認証部101は、受け取った利用者IDに関連付けられている認証情報を個人情報記憶部142から読み出す。認証部101は、受け取った認証情報と読み出した認証情報とを比較することによって、受け取った認証情報と読み出した認証情報とが、同一のパスフレーズ等に基づく認証情報であるか否かを判定することによって、認証を行う。認証部101は、受け取った認証情報と読み出した認証情報とを比較することによって、受け取った認証情報と読み出した認証情報とが、同一のパスフレーズ等に基づく認証情報である場合、認証が成功したと判定する。なお、認証部101は、通信部161を介して、利用者端末装置300から、利用者IDと認証情報を表す情報とではなく、端末IDを受け取るように構成されていてもよい。この場合、認証部101は、受け取った端末IDと同一の端末IDが、個人情報記憶部141に格納されていれば、その端末IDに関連付けられている利用者IDによって特定される利用者の認証が成功したと判定する。この場合、端末IDが認証情報に該当する。これらの認証を、認証情報に基づく認証と表記する。認証部101は、認証情報に基づく認証の結果を、利用者端末装置300に送出する。
【0092】
認証部101は、さらに、車両搭載装置200から、利用者の利用者IDと、車両搭載装置200の認証用センサ部211によって読み取られた生体情報から抽出された特徴データとを受け取る。認証部101は、受け取った利用者IDに関連付けられている特徴データを、個人情報記憶部142から読み出す。認証部101は、受け取った特徴データと、読み出した特徴データとを比較することによって、受け取った特徴データと、読み出した特徴データとが、同一の生体から読み取られた生体情報から抽出された特徴データであるか否かを判定する、生体認証を行う。認証部101は、生体認証の結果を表す情報、確保部102に送出する。
【0093】
利用者に同伴者がいる場合、認証部101は、車両搭載装置200から、利用者の同伴者の生体情報から抽出された特徴データを受け取る。
【0094】
<<座席情報取得部151>>
座席情報取得部151は、各々の座席に着席者がいるか否かを表す情報と、各々の座席の座席優先度の情報とを、車両搭載装置200から取得する。座席情報取得部151は、各々の座席に着席者がいるか否かを表す情報と、各々の座席の座席優先度の情報とを、座席情報記憶部152に格納する。なお、着席者がいない座席の座席優先度は、着席者がいないことを表す優先度に設定されていてよい。その場合、座席優先度が、着席者の有無を表す。
【0095】
座席情報取得部151は、複数の列車の複数の車両について、座席の各々における座席優先度を取得し、取得した座席優先度を、座席情報記憶部152に格納する。
【0096】
<<座席情報記憶部152>>
座席情報記憶部152は、各々の座席に着席者がいるか否かを表す情報と、各々の座席の座席優先度の情報とを記憶する。空席の座席の座席優先度が、着席者がいないことを表す優先度に設定される場合、座席情報記憶部152は、座席の各々の座席優先度を記憶する。座席情報記憶部152は、複数の列車の複数の車両について、座席の各々における座席優先度を記憶する。
【0097】
以下の説明において、特に記載が無い場合、座席は、利用者が乗車した車両の座席であり、座席優先度は、利用者が乗車した車両の座席の座席優先度である。また、特に記載がない場合、車両は、1つの車両に限られない。車両は、連結して走行し、走行中に乗客が互いに移動可能な、複数の車両を指していてもよい。
【0098】
<<推定部103>>
推定部103は、利用者の適用優先度と、座席の各々の座席優先度とに基づいて、利用者が座席を確保しやすい出入口を推定する。具体的には、推定部103は、例えば利用者端末装置300を使用して利用者によって指定された列車の出入口の各々の、利用者が座席を確保しやすい度合を表す確保容易性を推定する。推定部103は、推定された確保容易性に基づいて、出入口を推定する。利用者が座席を確保しやすい出入口は、例えば、入り口から所定の範囲内に、利用者のグループが利用できる連増する座席の組み合わせの数の多さに基づいて選択された出入口である。確保容易性は、例えば、入り口から所定の範囲内に、利用者のグループが利用できる連増する座席の組み合わせの数である。
【0099】
<<推定部103>>
推定部103は、利用者の適用優先度と、座席の各々の座席優先度とに基づいて、利用者が座席を確保しやすい出入口を推定する。具体的には、推定部103は、例えば利用者端末装置300を使用して利用者によって指定された列車の出入口の各々の、利用者が座席を確保しやすい度合を表す確保容易性を推定する。推定部103は、推定された確保容易性に基づいて、出入口を推定する。利用者が座席を確保しやすい出入口は、例えば、入り口から所定の範囲内、利用者のグループが利用できる連続する座席の組み合わせの数の多さに基づいて選択された出入口である。確保容易性は、例えば、入り口から所定の範囲内、利用者のグループが利用できる連続する座席の組み合わせの数である。
【0100】
推定部103は、推定した、利用者が座席を確保しやすい出入口の情報を、第1通知部121に送出する。利用者が座席を確保しやすい出入口の情報は、例えば、確保容易性が最も高い出入口の情報である。利用者が座席を確保しやすい出入口の情報は、例えば、指定された列車の出入口ごとの、確保容易性を表す情報であってもよい。
【0101】
<<第1通知部121>>
第1通知部121は、推定部103から、利用者が座席を確保しやすい出入口の情報を受け取る。第1通知部121は、利用者が座席を確保しやすい出入口の情報を、利用者の利用者端末装置300に送信する。例えば、利用者端末装置300の制御部303が、利用者が座席を確保しやすい出入口の情報を受け取り、表示情報生成部305によって、利用者が座席を確保しやすい出入口の情報を表す表示を生成する。制御部303は、生成された利用者が座席を確保しやすい出入口の情報を表す表示を、表示制御部304によって表示部301に表示させる。
【0102】
<<確保部102>>
確保部102は、認証部101から、利用者の生体認証の結果を表す情報を受け取る。利用者の生体認証に成功した場合(すなわち、利用者の生体認証の結果を表す情報が生体認証に成功したことを表す場合)、確保部102は、利用者の適用優先度を、個人情報記憶部142に格納されている、利用者の個人優先度に設定する。利用者の生体認証に失敗した場合(すなわち、生体認証の結果を表す情報が生体認証に失敗したことを表す場合)、確保部102は、利用者の適用優先度を、一般の利用者の優先度としてあらかじめ定められている優先度に設定する。
【0103】
利用者に同伴者がいる場合、確保部102は、更に、同伴者の生体情報の結果を表す情報を、認証部101から受け取る。同伴者の生体認証に成功した場合(すなわち、同伴者の生体認証の結果を表す情報が生体認証に成功したことを表す場合)、確保部102は、同伴者の適用優先度を、個人情報記憶部142に格納されている、同伴者の個人優先度に設定する。上述のように、同伴者の個人優先度などの個人情報は、その同伴者を同伴する利用者の個人情報に関連付けられる。同伴者の生体認証に失敗した場合(すなわち、生体認証の結果を表す情報が生体認証に失敗したことを表す場合)、確保部102は、同伴者の適用優先度を、一般の利用者の優先度としてあらかじめ定められている優先度に設定する。利用者に複数の同伴者がいる場合、複数の同伴者の各々の適用優先度を、同様に設定する。
【0104】
確保部102は、利用者の適用優先度と、同伴者の適用優先度とに基づいて、利用者の適用優先度を更新する。同伴者の適用優先度が一般の利用者の優先度である場合、確保部102は、利用者の適用優先度が上昇しないように、利用者の適用優先度を更新する。同伴者の適用優先度が一般の利用者の優先度よりも高い場合、確保部102は、利用者の適用優先度が上昇するように、利用者の適用優先度を更新する。複数の同伴者がいる場合、一般の利用者の優先度と同じ適用優先度の同伴者によって利用者の適用優先度が上昇せず、一般の利用者の優先度よりも高い適用優先度を持つ同伴者によって利用者の適用優先度が上昇するように、利用者の適用優先度を更新する。
【0105】
以下、優先度の具体例について説明する。一般の利用者の優先度は、例えば、0である。そして、座席を必要とする(すなわち、医師等によって座席が必要であると認められた)人の個人優先度として、1以上の値が設定される。個人優先度は、座席がより必要であるほど、個人優先度が大きくなるように、設定される。この場合、空席の優先度は、例えば-1に設定されていてよい。
【0106】
この例において、利用者に同伴者がいる場合、確保部102は、利用者の適用優先度を以下のように更新する。確保部102は、利用者の同伴者がいる場合、利用者の適用優先度を、利用者の生体認証の結果に基づいて決定された利用者の適用優先度と、利用者が同伴している同伴者の生体認証の結果に基づいて決定された同伴者の適用優先度と、の和によって更新する。
【0107】
利用者に同伴者がいる場合の利用者の適用優先度の更新方法は、この例に限られない。例えば、確保部102は、生体認証の結果に基づいて決定された、利用者の適用優先度と利用者の同伴者の適用優先度と、のうち、最も高い適用優先度を、利用者の適用優先度にすることもできる。また、優先度の値も、以上の例に限られない。
【0108】
確保部102は、利用者の個人情報に基づいて、利用者のために確保する座席の数を決定する。
【0109】
確保部102は、利用者の位置と、利用者の適用優先度と、各座席の座席優先度とに基づいて、利用者が利用できる座席を抽出する。
【0110】
利用者及び同伴者がそれぞれ必要な座席の数(以下、必要座席数と表記)は、例えば、年齢に基づいてあらかじめ定められる。例えば、乳児(例えば、0歳から1歳までの乳児)の必要座席数は、その乳児を同伴する利用者が抱いて座席に座るとして、0席である。1人の幼児(例えば、2歳から5歳の幼児)の必要座席数は、例えば、0.5席である。乳児及び幼児以外の人の必要座席数は、一人当たり1席である。本実施形態では、利用者の年齢は、利用者の個人情報に含まれる。利用者の同伴者の個人情報は、利用者の個人情報に関連付けられる。したがって、利用者の同伴者の年齢は、その利用者の個人情報に関連付けられている、同伴者の個人情報に含まれる。
【0111】
確保部102は、利用者及びその同伴者が利用できる座席数を、上述のように年齢に応じて定まる利用者及びその同伴者の必要座席数の和にする。確保部102は、座席数の端数が生じた場合、切り上げを行う。言い換えると、確保部102は、算出した座席数が整数ではなかった場合、座席数が整数になるように切り上げを行うことによって得られた整数を、利用者(利用者に同伴者がいる場合、利用者及び同伴者)が利用できる座席数とする。
【0112】
確保部102は、例えば、利用者が乗車時に認証図形を読み取らせた位置確認センサ部212の位置を、利用者の位置とする。
【0113】
確保部102は、例えば、利用者の位置から所定範囲内の座席から、座席情報記憶部152に格納されている座席優先度が、利用者の適用優先度よりも低い、利用者が利用できる座席数の座席を、利用者が利用できる座席として抽出する。確保部102は、例えば、利用者が利用できる座席数の、連続する座席を抽出する。
【0114】
利用者が利用できる座席を抽出できた場合、確保部102は、抽出した座席を表す情報を、確認部124に送出する。抽出した座席を表す情報は、例えば、座席の位置である。後述のように、確認部124は、抽出した座席を表す情報と、その座席を利用するか否かの問い合わせを表す情報とを、利用者端末装置300に送信し、利用者による回答を利用者端末装置300から受け取る。確認部124は、受け取った回答を確保部102に送信する。
【0115】
確保部102は、確認部124を介して受け取った利用者の回答が、座席を利用しないことを示している場合、その利用者に対する処理を終了する。
【0116】
確認部124を介して受け取った利用者の回答が、座席を利用することを示している場合、確保部102は、抽出した座席を表す情報を、着席者検出部112に送出する。着席者検出部112については後で詳細に説明する。
【0117】
確保部102は、更に、抽出した座席を表す情報を、利用者のために確保した座席を表す情報として、第3通知部123に送出する。後述のように、第3通知部123は、利用者のために確保した座席を表す情報を受け取る。第3通知部123は、利用者のために確保した座席を表す情報を、利用者に通知する。具体的には、第3通知部123は、利用者のために確保した座席を表す情報を、車両搭載装置200に送信する。車両搭載装置200の制御部201が、利用者のために確保した座席を表す情報を受け取り、その座席に設置されている表示部223を、利用者のために確保した座席を示すように制御する。
【0118】
利用者が利用できる座席を抽出できなかった場合、確保部102は、座席を抽出できなかったことを示す情報を、確認部124に送出する。後述のように、確認部124は、座席を確保できなかったことを表す情報と、座席が確保できた場合にその座席を利用する意向があるか否かの問い合わせを表す情報とを、利用者端末装置300に送信し、利用者の回答を利用者端末装置300から受け取る。確認部124は、受け取った回答を確保部102に送信する。
【0119】
確保部102は、確認部124を介して受け取った利用者の回答が、座席を利用する意向が無いことを示している場合、その利用者に対する処理を終了する。
【0120】
利用者が利用できる座席を抽出できず、利用者の回答が座席を利用する意向があることを示している場合、確保部102は、利用者が利用できる座席の抽出を継続する。具体的には、確保部102は、所定の基準に基づいて定まるタイミングで、利用者が利用できる座席の抽出を続ける。確保部102は、例えば、所定の時間ごとに、利用者が利用できる座席を抽出してもよい。確保部102は、例えば、座席情報記憶部152に格納されている座席優先度の変化を監視し、座席情報記憶部152に格納されているいずれかの座席の座席優先度が変化した場合に、利用者が利用できる座席を抽出してもよい。確保部102は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両と次の駅との間の距離が所定距離を下回った場合に、利用者が利用できる座席を抽出してもよい。
【0121】
<<確認部124>>
確認部124は、確保部102から、利用者が利用できる座席を表す情報を受け取った場合、車両内における利用者の位置と座席の位置とを表す情報と、その座席を利用するか否かの問い合わせを表す情報とを、利用者端末装置300に送信する。
【0122】
利用者端末装置300の制御部303は、通信部306を介して、車両内における利用者の位置と座席の位置とを表す情報と、その座席を利用するか否かの問い合わせを表す情報とを受け取る。利用者端末装置300の制御部303は、受け取った情報を表示制御部304によって表示部301に表示し、利用者が入力部302によって入力した回答を受け取る。利用者端末装置300の制御部303は、受け取った回答を確認部124に送信する。確認部124は、受け取った回答を確保部102に送出する。
【0123】
確認部124は、確保部102から、利用者が利用できる座席が存在しないことを示す未確保情報を受け取った場合、未確保情報と、座席が確保できた場合にその座席を利用する意向があるか否かの問い合わせを表す意向情報とを、利用者端末装置300に送信する。
【0124】
利用者端末装置300の制御部303は、通信部306を介して、利用者が利用できる座席が存在しないことを示す未確保情報と、座席が確保できた場合にその座席を利用する意向があるか否かの問い合わせを表す意向情報とを受け取る。利用者端末装置300の制御部303は、受け取った情報を表示制御部304によって表示部301に表示し、利用者が入力部302によって入力した回答を受け取る。利用者端末装置300の制御部303は、受け取った回答を確認部124に送出する。確認部124は、受け取った回答を確保部102に送出する。
【0125】
<<第3通知部123>>
第3通知部123は、利用者のために確保した座席を表す情報を受け取る。第3通知部123は、利用者のために確保した座席を表す情報を、利用者に通知する。具体的には、第3通知部123は、利用者のために確保した座席を表す情報を、車両搭載装置200に送信する。車両搭載装置200の制御部201が、利用者のために確保した座席を表す情報を受け取り、その座席に設置されている表示部223を、利用者のために確保した座席を示すように制御する。
【0126】
<<着席者検出部112>>
着席者検出部112は、確保部102から、抽出された座席を表す情報(例えば、抽出された座席の位置を表す情報)を受け取る。着席者検出部112は、抽出された座席に着席者がいるか否かを検出する。複数の座席が抽出されている場合、着席者検出部112は、抽出された座席の各々に着席者がいるか否かを検出する。
【0127】
着席者検出部112は、例えば、座席情報記憶部152に格納されている座席情報において、抽出された座席に着席者がいるか否かを確認してもよい。着席者検出部112は、例えば、通信部161を介して、車両搭載装置200に、抽出した座席に着席者がいるか否かの問い合わせを行ってもよい。その場合、車両搭載装置200の制御部201が、通信部203を介してその問い合わせを受け取り、受け取った問い合わせが示す座席に着席者がいるか否かを、その座席に設置されている着席者センサ部221によって検出する。制御部201は、その座席に着席者がいるか否かを表す情報を、通信部203を介して座席運用装置100の着席者検出部112に送出する。
【0128】
着席者検出部112は、車両搭載装置200から、利用者のために確保した座席に、着席者いる座席が存在する場合、利用者のために確保した座席のうち着席者がいる座席を特定する情報を、第2通知部122に送出する。
【0129】
また、着席者検出部112は、後述の着席確認部113によって利用者の着席が確認された後、利用者のために確保された座席を特定する情報を着席確認部113から受け取る。着席者検出部112は、利用者のために確保された座席の着席者の有無を検出する。検出の方法は、上述の方法と同じである。着席者検出部112は、利用者のために確保された座席の着席者の有無を表す情報を、着席確認部113に送出する。
【0130】
<<第2通知部122>>
第2通知部122は、着席者検出部112から座席を特定する情報を受け取る。着席者検出部112から座席を特定する情報を受け取った場合、第2通知部122は、その座席を特定する情報によって特定される座席の着席者に、その座席を譲渡するよう促す譲渡通知を行う。着席者検出部112によって、利用者のために確保した座席に着席者が検出されなくなった場合、第2通知部122は、譲渡通知を終了する。
【0131】
具体的には、第2通知部122は、譲渡通知を車両搭載装置200に送信する。例えば、車両搭載装置200の制御部201が譲渡通知を受信する。譲渡通知を受信した場合、制御部201は、通知実行部224を、譲渡要求が行われている状態になるよう制御する。
【0132】
譲渡通知が行われている座席の着席者センサ部221が、着席者を検出しなくなった場合、例えば制御部201が、座席運用装置100の着席者検出部112に、その座席に着席者が検出されなくなったことを通知する。着席者検出部112は、着席者が検出されなくなった座席を特定する情報を、第2通知部122に送出する。第2通知部122は、譲渡通知が行われている座席において着席者が検出されなくなった場合、車両搭載装置200の制御部201に、着席者が検出されなくなった座席を特定する情報と、譲渡通知を終了する指示とを送信する。着席者が検出されなくなった座席を特定する情報と、譲渡通知を終了する指示とを受け取った場合、制御部201は、着席者が検出されなくなった座席を特定する情報によって特定された座席の通知実行部224を、譲渡通知を行っていない状態になるように制御する。
【0133】
なお、譲渡通知が行われている座席の着席者センサ部221が、着席者を検出しなくなった場合、制御部201は、第2通知部122に通知を行うことなく、その座席の通知実行部224を、譲渡通知を行っていない状態になるように制御してよい。
【0134】
<<着席確認部113>>
着席確認部113は、利用者の着席を確認する。言い換えると、着席確認部113は、利用者の着席を検出する。例えば、着席確認部113は、利用者のために確保された座席に利用者が着席したことを確認する。着席確認部113は、利用者のために確保された座席ではない座席に利用者が着席したことを確認してもよい。より詳細には、着席確認部113は、利用者のために確保した座席への着席者が確認された場合、その着席者がその利用者であるか否かを確認する(言い換えると、判定する)。着席確認部113は、その着席者がその利用者であるか否かを、利用者のために確保された座席に設置されている着席確認センサ部222による、利用者の利用者IDを表す認証図形の読み取りの有無に基づいて判定する。具体的には、利用者のために確保された座席に設置されている着席確認センサ部222が、利用者の利用者IDを表す認証図形の読み取った場合、着席確認部113は、利用者のために確保された座席の着席者が、その利用者であると判定する。利用者のために確保された座席に設置されている着席確認センサ部222が、利用者の利用者IDを表す認証図形の読み取らないまま所定条件が満たされた場合、着席確認部113は、利用者のために確保された座席の着席者が、その利用者ではないと判定する。所定条件は、例えば、利用者のために確保された座席への着席者が検出されてから、認証図形が読み取られないまま所定時間が経過することである。所定条件は、例えば、利用者のために確保された座席への着席者が検出されてから、認証図形が読み取られないまま、次の駅に到着することである。
【0135】
以下、さらに詳細に説明する。
【0136】
利用者のために確保された座席の着席者センサ部221が着席者を検出すると、制御部201は、たとえばその座席の通知実行部224を、その座席の着席者が認証図形を着席確認センサ部222に読ませることを、音、光、振動等により促す状態になるよう制御する。また、利用者のために確保された座席の着席者センサ部221が着席者を検出すると、制御部201は、利用者のために確保された座席に着席者が検出されたことを、着席確認部113に通知する。
【0137】
利用者は、座席に着席すると、利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を、座席に取り付けられている着席確認センサ部222に読み取らせる。着席確認センサ部222は、読み取った認証図形を表すデータを制御部201に送出する。認証図形を表すデータを着席確認センサ部222から受け取った場合、制御部201は、読み取った認証図形を表すデータから、利用者IDを特定する。制御部201は、特定した利用者IDを表す情報を、座席運用装置100の着席確認部113に送信する。制御部201は、さらに、特定した利用者IDが特定された認証図形を読み取った着席確認センサ部222が設置されている座席を特定する情報を、座席運用装置100の着席確認部113に送信する。
【0138】
着席確認部113は、着席確認センサ部222が読み取った認証図形から特定した利用者IDを表す情報と、座席を特定する情報とを車両搭載装置200から受け取る。利用者IDを表す情報と、座席を特定する情報とを受け取った場合、着席確認部113は、その座席を特定する情報によって特定された座席に、その利用者IDによって特定される利用者が着席したと判定する(言い換えると、確認する)。
【0139】
利用者に同伴者がいる場合も、利用者は認証図形を利用者自身が着席する座席の着席確認センサ部222に読み取らせる。利用者及び同伴者は、同伴者が着席する座席の着席確認センサ部222に認証図形を読み取らせる必要はない。いずれかの座席の着席確認センサ部222が認証図形を読み取った場合、同様に、制御部201は、利用者IDと座席を特定する情報とを着席確認部113に送信する。着席確認部113は、同様に、利用者IDと座席を特定する情報とを受け取る。利用者の利用者IDと座席を特定する情報とを受け取った場合、着席確認部113は、利用者及び同伴者が、利用者及び同伴者のために確保された複数の座席に着席したと判定する。なお、座席を特定する情報が示す座席が、利用者及び同伴者のために確保された複数の座席に含まれない場合、着席確認部113は、利用者及び同伴者が、受け取った座席を特定する情報が示す座席、及び、利用者及び同伴者のために確保された複数の座席に着席したと判定してよい。この場合、それらの座席のうち、着席者がいない座席は、後述の条件を満たした時点で、空席と判定される。
【0140】
着席確認部113は、利用者の着席を確認した場合、利用者の利用者IDを表す情報と、利用者のために確保された座席を示す情報とを、更新部104に送出する。
【0141】
着席確認部113は、さらに、利用者のために確保した座席を特定する情報を着席者検出部112に送出し、利用者のために確保した座席の、検出された着席者の有無を表す情報を、着席者検出部112から受け取る。利用者及び同伴者が複数の座席に着席したと判定した場合、着席確認部113は、それらの複数の座席を特定する情報を着席者検出部112に送出し、それらの複数の座席の各々の座席の着席者の有無を表す情報を着席者検出部112から受け取る。
【0142】
着席確認部113は、利用者のために確保した座席の着席者が確認されなくなってからの時間が所定の条件を満たした場合、その座席は空席になったと判定する。所定の条件は、例えば、空席になってから次の駅に到着するまでの時間、空席が継続することである。
【0143】
着席確認部113は、利用者のために確保された座席に着席者が検出された後、認証図形が読み取られないまま、上述の所定の条件が満たされた場合、利用者のために確保された座席に利用者ではない人が着席したと判定する。利用者のために確保された座席に利用者ではない人が着席したと判定した場合、着席確認部113は、認証されていない人を表す、あらかじめ定められた利用者IDと、利用者のために確保された座席を特定する情報とを、更新部104に送出する。
【0144】
認証図形が読み取られた場合、着席確認部113は、次に認証図形が読み取られないまま、確保終了に関する所定の条件が満たされると、利用者を一般の人として扱ってもよい。なお、制御部201が、後述のように通知実行に関する所定条件が満たされると利用継続動作を促すように構成される場合、確保終了に関する所定の条件は、通知実行に関する所定条件よりも後に満たされるように設定される。この確保終了に関する所定の条件は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、駅を発車した後、認証図形が読み取られないまま、次の駅に停車することである。確保終了に関する所定の条件は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、あらかじめ入力された降車駅に到着した後、認証図形が読み取られないまま、その降車駅を発車し次の駅に停車することであってもよい。この場合、利用者は、例えば、利用者端末装置300の入力部302によって降車駅を入力してよい。利用者端末装置300の表示情報生成部305は、入力された降車駅を表す図形(上述の認証図形と同じ種類の図形)を生成してよい。表示制御部304は、生成した図形を表示してよい。そして、利用者は、降車駅を表す図形を着席確認センサ部222に読み取らせることによって、降車駅の情報を入力してよい。この場合、例えば制御部201が、降車駅を表す図形から降車駅を特定し、降車駅を表す情報を着席確認部113に送信してよい。
【0145】
なお、着席確認部113は、降車駅への接近に関する条件が満たされた場合に、降車駅への接近を利用者に通知してもよい。着席確認部113は、例えば、制御部201に、降車駅への接近を知らせる通知を通知実行部224に行わせる制御をさせることによって、降車駅への接近を利用者に通知する。通知実行部224は、降車駅への接近を知らせる通知を、例えば、あらかじめ定められたパターンの、音、光、振動等によって行う。降車駅への接近に関する条件は、例えば、列車の運行ダイヤの情報に基づく降車駅への到着の時刻までの時間が、所定時間以下になることであってもよい。降車駅への到着の時刻は、列車がダイヤ通りに運行された場合の降車駅への到着の予定時刻であってもよい。この場合、着席確認部113は、各列車の運行ダイヤ情報を保持するよう構成される。降車駅への到着の時刻は、列車の運行情報に基づいて予想された降車駅への到着の予定時刻であってもよい。この場合、着席確認部113は、各列車の各駅への到着の予想時刻を推定する、既存の列車運行システムから、列車の降車駅への到着の予定時刻を取得するよう構成される。降車駅への接近に関する条件は、例えば、列車の位置と降車駅との間の距離が、所定距離以下になることであってもよい。この場合、着席確認部113は、各列車の走行位置を管理する、既存の列車運行システムから、列車と降車駅との距離を取得するよう構成されていてよい。着席確認部113は、各駅の位置を保持し、たとえばGPSなどを用いて位置を取得するよう構成された車両搭載装置200から列車の位置を取得し、列車の位置と降車駅の位置との間の距離を算出するよう構成されていてもよい。
【0146】
また、着席確認部113は、車両搭載装置200が搭載されている列車の終着駅への接近に関する条件が満たされた場合に、例えば、制御部201に、終着駅への接近を知らせる通知を、その列車の全ての座席の通知実行部224に行わせるよう構成されていてもよい。そのような通知によって、着席確認部113は、その列車の全ての座席の着席者に終着駅の接近を通知してもよい。終着駅への接近を知らせる通知は、降車駅への接近を知らせる通知と同じであってもよい。通知実行部224は、終着駅への接近を知らせる通知を、降車駅への接近を知らせる通知とは異なるパターンの、音、光、振動等によって行ってもよい。終着駅への接近に関する条件は、降車駅への接近に関する条件と同様であってよい。言い換えると、終着駅への接近に関する条件は、上述の降車駅への接近に関する条件の、降車駅を終着駅に置き換えた条件であってよい。着席確認部113は、上述の終着駅への接近に関する条件に必要な、車両搭載装置200が搭載されている列車の降車駅の情報を、既存の列車運行システムから取得するよう構成される。
【0147】
利用者を一般の人として扱う場合、着席確認部113は、認証されていない人を表す、あらかじめ定められた利用者IDと、利用者のために確保された座席を特定する情報とを、更新部104に送出する。
【0148】
認証図形が読み取られた後、通知実行に関する所定条件が満たされると、制御部201は、たとえばその座席の通知実行部224が、その座席の着席者に、利用継続動作を行うよう促す通知を行うように、その通知実行部224を制御する。利用継続動作を行うよう促す通知は、例えば、あらかじめ定められたパターンの、音、光、振動等によって行われる。利用継続動作を行うよう促す通知は、利用継続動作を行うよう促す文字列の表示や、利用継続動作を行うよう促す音声の再生によって行われてもよい。この場合、通知実行部224は、利用継続動作を行うよう促す文字列の表示や、利用継続動作を行うよう促す音声の再生を行えるよう構成される。利用継続動作は、利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を、着席確認センサ部222に読み取らせることである。制御部201は、利用継続動作を行うよう促す通知が所定時間継続されるよう、通知実行部224を制御してもよい。制御部201は、確保終了に関する所定の条件が満たされるまで、利用継続動作を行うよう促す通知が所定時間継続されるよう、通知実行部224を制御してもよい。制御部201は、利用継続動作を行うよう促す通知が開始されてから所定時間が経過するか確保終了に関する所定の条件が満たされるまで、利用継続動作を行うよう促す通知が所定時間継続されるよう、通知実行部224を制御してもよい。
【0149】
通知実行に関する所定条件は、利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を、着席確認センサ部222に読み取らせることによって、利用者のために確保された座席の確保が継続される状態になることである。
【0150】
例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、駅を発車してから次の駅に到着するまでの間に利用継続動作を行うと座席の確保が継続される場合、通知実行に関する所定条件は、その車両が駅を発車することである。車両搭載装置200が搭載されている車両が、降車駅に到着した後に、駅を発車してから次の駅に到着するまでの間に利用継続動作を行うと座席の確保が継続される場合、通知実行に関する所定条件は、その車両が降車駅に到着した後に駅を発車することである。
【0151】
なお、通知実行に関する所定条件は、上述の確保終了に関する所定の条件が満たされるよりも前に、満たされるように設定される。上述のように、確保終了に関する場合の所定の条件は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、駅を発車した後、認証図形が読み取られないまま、次の駅に停車することである。この場合、通知実行に関する所定条件は、例えば、駅を発車することである。確保終了に関する所定の条件は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、あらかじめ入力された降車駅に到着した後、認証図形が読み取られないまま、その降車駅を発車し次の駅に停車することであってもよい。この場合、通知実行に関する所定条件は、例えば、降車駅を発車することである。
【0152】
通知実行に関する条件は、これらの例に限られない。通知実行に関する所定条件は、利用者が利用継続動作を行える条件に基づいて適宜定められていてよい。
【0153】
着席確認部113は、利用者のために確保されている座席を含むすべての座席の、着席者の有無を検出する。座席が空席であることが検出された場合、着席確認部113は、空席であることを表す、あらかじめ定められた利用者IDと、着席者が検出されなかった座席を特定する情報とを更新部104に送出する。着席確認部113は、認証が行われてない人の利用者IDとしてあらかじめ定められている利用者IDと、利用者のために確保され認証図形が読み取られた座席以外の、着席者が存在する座席を特定する情報とを、更新部104に送出する。
【0154】
<<更新部104>>
更新部104は、利用者の利用者IDを表す情報と、利用者のために確保された座席を示す情報とを、着席確認部113から受け取る。更新部104は、利用者のために確保された座席の座席優先度を、利用者IDが表す利用者の適用優先度によって更新する。
【0155】
具体的には、更新部104は、受け取った利用者IDが示す利用者の適用優先度を、確保部102から受け取る。更新部104は、座席情報記憶部152に格納されている、各座席の座席優先度のうち、受け取った座席を示す情報によって示される座席の座席優先度を、受け取った利用者IDが表す利用者の適用優先度によって更新する。
【0156】
更新部104は、更に、利用者の適用優先度を表す情報と、利用者のために確保された座席を示す情報とを、車両搭載装置200の制御部201に送信してもよい。その場合、制御部201は、利用者の適用優先度を表す情報と、利用者のために確保された座席を示す情報とを受け取る。制御部201は、座席情報記憶部202に格納されている、利用者のために確保された座席を示す情報によって示される座席の座席優先度を、受け取った適用優先度によって置き換える。
【0157】
認証されていない人を表す、あらかじめ定められた利用者IDと、座席を特定する情報とを受け取った場合は、更新部104は、座席を特定する情報によって特定される座席の座席優先度を、一般の人の優先度によって更新する。言い換えると、更新部104は、座席を特定する情報によって特定される座席の座席優先度を、一般の人の優先度によって置き換える。
【0158】
空席を表す利用者IDと、座席を特定する情報とを受け取った場合、更新部104は、座席を特定する情報によって特定される座席の座席優先度を、空席の優先度によって更新する。言い換えると、更新部104は、座席を特定する情報によって特定される座席の座席優先度を、空席の優先度によって置き換える。
【0159】
<動作>
次に、本実施形態の座席運用システム1の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0160】
図8は、本実施形態の座席運用システム1の動作の全体を表すフローチャートである。図8に示す例は、利用者の乗車時における座席運用システム1の動作の全体を表す。
【0161】
図8に示す例では、位置確認センサ部212が、利用者の利用者IDを読み取る(ステップS1001)。具体的には、利用者は、利用者端末装置300の表示部301に、認証図形を表示させる動作を行い、表示部301に表示された認証図形を、位置確認センサ部212に読み取らせる。位置確認センサ部212は、利用者の利用者端末装置300の表示部301に表示された、利用者の利用者IDを表す認証図形を読み取る。
【0162】
次に、座席運用システム1は、優先度設定処理を実行する(ステップS1002)。優先度設定処理については、後で詳細に説明する。優先度設定処理によって、利用者の適用優先度が決定される。
【0163】
次に、座席運用システム1は、必要リソース算出処理を実行する(ステップS1004)。必要リソース算出処理によって、利用者(または、利用者及び利用者の同伴者)のために確保される座席の数が決定される。
【0164】
次に、確保部102は、利用者の位置を特定する(ステップS1005)。確保部102は、例えば、ステップS1001において利用者の利用者IDを表す認証図形を読み取った位置確認センサ部212が設置されている場所を、利用者の位置として特定する。
【0165】
次に、座席運用システム1は、座席確保処理を実行する(ステップS1006)。座席確保処理によって、利用者が利用できる座席の抽出が行われる。ステップS1006において、利用者が利用できる座席が抽出された場合、利用者に対して、抽出された座席を利用者が利用するか否かの問い合わせが行われる。利用者が利用できる座席が抽出されなかった場合、利用者が利用できる座席が抽出された場合にその座席を利用する意向があるか否かの問い合わせが行われる。
【0166】
利用者が座席を利用しない場合(ステップS1007においてNO)、座席運用システム1は、図8に示す動作を終了する。
【0167】
利用者が座席を利用する場合(ステップS1007においてYES)、座席運用システム1は、譲渡通知処理を実行する(ステップS1008)。ステップS1008の譲渡通知処理において、利用者のために確保された座席に着席者がいる場合、その座席の着席者に向けて、譲渡通知が行われる。
【0168】
次に、座席運用システム1は、利用者確認処理を実行する(ステップS1009)。ステップS1009の利用者確認処理において、利用者のために確保された座席に利用者が着席したこと、利用者が着席を継続していること、利用者が離席したことなどが確認される。
【0169】
次に、本実施形態の座席運用システム1の優先度設定処理の動作について説明する。
【0170】
図9は、本実施形態の座席運用システム1の優先度設定処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0171】
図9に示す例では、まず、認証部101が、利用者の個人認証を実行する(ステップS1101)。ステップS1101の個人認証は、例えば指紋認証などの生体認証である。
【0172】
個人認証が失敗した場合(ステップS1102においてNO)、確保部102は、利用者の適用優先度を非優先に設定する(ステップS1105)。この非優先は、あらかじめ定められた、一般の人の優先度を表す。そして、座席運用システム1は、図9に示す動作を終了する。
【0173】
個人認証が成功した場合(ステップS1102においてYES)、確保部102は、利用者の適用優先度を、利用者の個人優先度に設定する(ステップS1103)。次に、座席運用システム1は、同伴者優先度設定処理を行う(ステップS1104)。同伴者優先度設定処理において、利用者に同伴者がいる場合、同伴者の適用優先度が決定され、更に、利用者の適用優先度が更新される。そして、座席運用システム1は、図9に示す動作を終了する。
【0174】
次に、本実施形態の座席運用システム1の同伴者優先度設定処理の動作について説明する。
【0175】
図10は、本実施形態の座席運用システム1の同伴者優先度設定処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0176】
図10に示す例では、利用者に同伴者が存在しない場合(ステップS1111においてNO)、座席運用システム1は、図10に示す動作を終了する。認証部101は、例えば、利用者が認証用センサ部211に生体情報を読み取らせてから、所定の読み取り終了条件が満たされるまでの間に、認証用センサ部211が生体情報を読み取った場合、利用者に同伴者が存在すると判定する。そして、認証部101は、例えば、利用者が認証用センサ部211に生体情報を読み取らせてから、読み取り終了条件が満たされるまでの間に、認証用センサ部211が読み取った生体情報を、利用者の同伴者の生体情報と判定する。読み取り終了条件は、例えば、利用者が認証用センサ部211に生体情報を読み取らせてから所定時間が経過することである。読み取り終了条件は、例えば、生体情報の読み取りの終了を指示する操作を行うことである。生体情報の読み取りの終了を指示する操作は、例えば、出入口ユニット211に特定の操作を行うことである。特定の操作は、例えば、他の利用者が認証図形を再び読み取らせること、認証終了を表す認証図形を読み取らせること、入出力ユニット211に取り付けられているスイッチを操作すること、などのいずれかであってもよい。特定の操作は、これらの例に限られない。読み取り終了条件は、これらの例に限られない。
【0177】
利用者に同伴者が存在する場合(ステップS1111においてYES)、認証部101が、同伴者の個人認証を実行する(ステップS1112)。ステップS1112における個人認証は、例えば、指紋認証などの生体認証である。ステップS1112における個人認証は、図9に示すステップS1101における個人認証と同じ種類の個人認証であってよい。
【0178】
個人認証が失敗した場合(ステップS1113においてNO)、確保部102は、個人認証が行われた同伴者の適用優先度を非優先に設定する(ステップS1114)。ステップS1114の後、座席運用システム1の動作は、ステップS1116に進む。個人認証が成功した場合(ステップS1113においてYES)、確保部102は、同伴者の適用優先度を、同伴者の個人優先度に設定する(ステップS1115)。ステップS1116の後、座席運用システム1の動作は、ステップS1116に進む。
【0179】
他の同伴者が存在する場合(ステップS1116においてYES)、座席運用システム1の動作は、ステップS1112に戻る。他の同伴者が存在しない場合(ステップS1116においてNO)、確保部102は、利用者の適用優先度を、既に設定されている利用者の適用優先度と、同伴者の適用優先度と、に基づく優先度に設定する(ステップS1117)。言い換えると、ステップS1117において、確保部102は、に設定されている利用者の適用優先度と、同伴者の適用優先度と、に基づいて、利用者の適用優先度を更新する。そして、座席運用システム1は、図10に示す動作を終了する。
【0180】
次に、本実施形態の座席運用システム1の必要リソース算出処理の動作について説明する。
【0181】
図11は、本実施形態の座席運用システム1の必要リソース算出処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0182】
図11に示す例では、利用者の同伴者が存在しない場合(ステップS1121においてNO)、確保部102は、必要リソースを、利用者のみの必要リソースに決定する(ステップS1122)。ここでは、必要リソースは、着席に必要な座席の数である。ステップS1122において、確保部102は、必要リソースとして、利用者が着席するのに必要な座席の数を、利用者が1人で使用する座席の数である、1つの座席に決定する。そして、座席運用システム1は、図11に示す動作を終了する。
【0183】
利用者の同伴者が存在する場合(ステップS1121においてYES)、確保部102は、同伴者の情報に基づいて、同伴者の必要リソースを算出する(ステップS1123)。同伴者の情報は、例えば、上述の、同伴者の個人情報に含まれる、同伴者の年齢である。必要リソースは、上述のように、着席に必要な座席の数である。同伴者の必要リソースは、同伴者の全員が着席するのに必要な座席の数である。
【0184】
次に、確保部102は、利用者の必要リソースを、利用者のみの必要リソースと、同伴者の必要リソースとの和に決定する(ステップS1124)。ステップS1124において、利用者の必要リソースは、利用者及び同伴者の全員が着席するのに必要な座席の数に決定される。そして、座席運用システム1は、図11に示す動作を終了する。
【0185】
次に、本実施形態の座席運用システム1の座席確保処理の動作について詳細に説明する。
【0186】
図12は、本実施形態の座席運用システム1の座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0187】
図12に示す例では、確保部102が、利用者の適用優先度と、座席の座席優先度とに基づいて、利用者が利用可能な座席を抽出する(ステップS1201)。確保部102は、例えば、利用者の位置に基づく所定範囲の座席から、座席優先度が利用者の適用優先度よりも低い、必要リソース分の座席を抽出する。
【0188】
利用者が利用可能な座席が抽出された場合(ステップS1202においてYES)、確認部124は、利用者に、座席を利用するか確認する(ステップS1203)。利用者が座席を利用しない場合(ステップS1204においてNO)、座席運用システム1は、図12に示す動作を終了する。利用者が座席を利用する場合(ステップS1204においてYES)、座席運用システム1の動作は、ステップS1205に進む。
【0189】
利用可能は座席が抽出されなかった場合(ステップS1202においてNO)、確認部124は、座席が抽出された場合に、利用者に座席を利用する意向があるか確認する(ステップS1211)。利用者に座席を利用する意向が無い場合(ステップS1212においてNO)、座席運用システム1は、図12に示す動作を終了する。
【0190】
利用者に座席を利用する意向がある場合(ステップS1212においてYES)、確保部102は、利用者が利用可能な座席を抽出する(ステップS1213)。ステップS1213の動作は、ステップS1201の動作と同じである。利用可能な座席が抽出されない場合(ステップS1214においてNO)、座席運用システム1の動作はステップS1213に戻り、確保部102は、ステップS1213の動作を行う。利用可能な座席が抽出された場合(ステップS1214においてYES)、座席運用システム1の動作は、ステップS1205に進む。
【0191】
ステップS1205において、確保部102が、利用者のために座席を確保する。確保部102は、抽出した座席を特定する情報、利用者のために確保した座席を特定する情報として、第3通知部123に送出する。
【0192】
次に、第3通知部123が、利用者のために確保された座席の情報を利用者に提示する(ステップS1206)。そして、座席運用システム1は、図12に示す動作を終了する。
【0193】
次に、本実施形態の座席運用システム1の譲渡通知処理の動作について説明する。
【0194】
図13は、本実施形態の座席運用システム1の譲渡通知処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0195】
図13に示す例では、着席者検出部112が、着席者センサ部221によって、利用者のために確保した座席の着席者の有無を検出する(ステップS1301)。利用者のために確保した座席に着席者が存在しない場合(ステップS1302においてNO)、座席運用システム1は、図13に示す動作を終了する。
【0196】
利用者のために確保した座席に着席者が存在する場合(ステップS1302においてYES)、第2通知部122が、通知実行部224によって、利用者のために確保した座席の着席者に譲渡通知を行う(ステップS1303)。第2通知部122は、譲渡通知を継続的に行う。
【0197】
着席者検出部112は、着席者センサ部221によって、利用者のために確保した座席の着席者の離席を検出する(ステップS1304)。離席者の離席が確認されない場合(ステップS1305においてNO)、座席運用システム1の動作は、ステップS1304に戻る。
【0198】
離席者の離席が確認された場合(ステップS1305においてYES)、第2通知部122は、譲渡通知を終了する(ステップS1306)。そして、座席運用システム1は、図13に示す動作を終了する。
【0199】
次に、本実施形態の座席運用システム1の利用確認処理の動作について説明する。
【0200】
図14は、本実施形態の座席運用システム1の利用確認処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0201】
図14に示す例では、着席者検出部112と着席確認部113が、利用者のために確保された座席への利用者の着席を確認する(ステップS1401)。具体的には、着席者検出部112が、利用者のために確保された座席への着席者を検出する。更に、着席確認部113が、利用者のために確保された座席の着席確認センサ部222によって利用者の利用者IDを表す認証図形が読み取られた場合、利用者のために確保された座席の着席者がその利用者であることを確認する。
【0202】
利用者の着席が確認されない場合(ステップS1402においてNO)、未着席の継続に関する所定条件が満たされていない場合(ステップS1403においてNO)、座席運用システム1の処理はステップS1401に戻る。未着席の継続に関する所定条件が満たされた場合(ステップS1403においてYES)、更新部104は、利用者のために確保された座席の確保を解除する(ステップS1407)。具体的には、更新部104は、利用者のために確保された座席に着席者が存在しない場合、その座席の座席優先度を、空席の優先度に変更する。更新部104は、利用者のために確保された座席に着席者が存在する場合、その座席の座席優先度を、一般の人の優先度(すなわち、上述の非優先)に変更する。そして、座席運用システム1は、図14に示す動作を終了する。
【0203】
利用者の着席が確認された場合(ステップS1402においてYES)、更新部104は、利用者の着席が確認された座席の座席優先度を更新する(ステップS1404)。具体的には、例えば、更新部104は、利用者の着席が確認された座席の座席優先度を、利用者の適用優先度によって置き換える。
【0204】
そして、着席確認部113は、確保終了条件が満たされたか判定する(ステップS1405)。
【0205】
具体的には、着席確認部113は、利用者のために確保された座席の着席者センサ部221による着席が確認できない状態(以下、離席状態と表記)の継続時間が、離席に関する所定条件を満たした場合に、確保終了条件が満たされたと判定する。離席に係る所定条件は、例えば、離席状態のまま、次の駅に到着することである。離席に係る所定条件は、例えば、離席状態のまま、所定時間が経過することであってもよい。離席に係る所定条件は、例えば、離席状態のまま、次の駅に到着するか、所定時間が経過することであってもよい。
【0206】
着席確認部113は、利用者のために確保された座席の着席者が、利用継続動作を行わない状態が、利用継続に関する所定条件を満たした場合に、確保終了条件が満たされたと判定する。利用継続動作は、利用者の利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を、着席確認センサ部222に読み取らせることである。利用継続に関する所定条件は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、駅を発車してから利用者が利用継続動作を行わない状態で、次の駅に到着することである。利用継続に関する所定条件は、例えば、車両搭載装置200が搭載されている車両が、あらかじめ入力された降車駅に到着した後に駅を発車してから利用者が利用継続動作を行わない状態で、次の駅に到着することであってもよい。
【0207】
確保終了条件が満たされる状態は、以上の例に限られない。例えば、着席確認部113は、利用者のために確保された座席の着席者センサ部221によってその座席の着席者の離席が確認された後、再びその座席の着席が確認された場合、再着席に関する所定条件が満たされない場合に、確保終了条件が満たされたと判定してもよい。再着席に関する所定条件は、例えば、利用者の認証図形が着席確認センサ部222に読み取られないまま、所定時間が経過することであってもよい。再着席に関する所定条件は、例えば、利用者の認証図形が着席確認センサ部222に読み取られないまま、車両搭載装置200が搭載されている車両が次の駅に到着することであってもよい。再着席に関する所定条件は、例えば、所定時間が経過し、かつ、車両搭載装置200が搭載されている車両が次の駅に到着することであってもよい。
【0208】
確保終了条件が満たされていない場合(ステップS1406においてNO)、座席運用システム1の動作は、ステップS1405に戻る。
【0209】
確保終了条件が満たされていない場合(ステップS1406においてNO)、座席運用システム1は、上述のステップS1407の動作を行った後、図14に示す動作を終了する。
【0210】
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
【0211】
<第2の実施形態の変形例>
以下では、第2の実施形態の変形例について説明する。以下のいずれかの2つ以上の変形例を第2の実施形態に適用することも可能である。
【0212】
<第1の変形例>
第2の実施形態では、乗車時に、同伴者の個人認証(例えば生体認証)が行われる。しかし、同伴者が乳幼児である場合、乗車時に指紋認証などの生体認証を行うことは必ずしも容易ではない。
【0213】
本変形例では、利用者が駅の改札内に入場した後、駅の構内に設置されている認証用センサ部131を用いて、あらかじめ同伴者の個人認証を行っておいてもよい。この場合、駅の構内に、認証用センサ部131と、ID情報センサ部132とが設置される。利用者は、駅の改札内に入場した後、利用者端末装置300の表示部301に表示させた利用者の利用者IDを表す認証図形を、ID情報センサ部132に読み取らせ、更に、認証用センサ部131によって同伴者の生体情報を読み取らせる。認証部101は、読み取った認証図形に基づいて利用者を特定し、読み取った生体情報に基づいて、特定した利用者の同伴者の個人認証を行う。同伴者の個人認証が成功した場合、認証部101は、その同伴者の個人認証が終了したことを表す情報を保持する。そして、認証部101は、利用者の乗車時の個人認証において、個人認証が終了した同伴者の個人認証を省略し、その同伴者の個人認証は成功したとして処理を行う。
【0214】
<第2の変形例>
上述のように、生体認証は指紋認証には限られない。生体認証は、例えば、静脈認証、顔認証、虹彩認証、顔認証、又は、掌紋認証等であってもよい。生体認証が静脈認証である場合、認証用センサ部131及び認証用センサ部211は、静脈センサである。生体認証が顔認証である場合、認証用センサ部131及び認証用センサ部211は、撮像装置である。この場合の撮像装置は、可視光のカメラであってもよく、赤外線カメラであってもよい。生体認証が虹彩認証である場合も、認証用センサ部131及び認証用センサ部211は、撮像装置である。この場合の撮像装置は、例えば、赤外線カメラである。生体認証が掌紋認証である場合、認証用センサ部131及び認証用センサ部211は、掌紋センサである。生体認証は音声認証であってもよい。その場合の認証用センサ部131及び認証用センサ部211は、指向性の高いマイク(例えば、マイクロホンアレイ)等であってもよい。
【0215】
<第3の変形例>
第2の実施形態では、利用者の利用者IDは、ID情報センサ部132や認証用センサ部211によって読み取られたQRコードなどの認証図形から、特定される。
【0216】
しかし、認証図形の代わりに、生体情報が使用されてもよい。この場合、認証用センサ部211が、位置確認センサ部212として動作する。認証用センサ部131が、ID情報センサ部132として動作する。また、着席確認センサ部222は、生体情報を読み取るセンサである。
【0217】
利用者は、認証図形を位置確認センサ部212に読み取らせる代わりに、生体情報を認証用センサ部211に読み取らせる。利用者は、認証図形を着席確認センサ部222に読み取らせる代わりに、生体情報を着席確認センサ部222に読み取らせる。利用者は、認証図形をID情報センサ部132に読み取らせる代わりに、生体情報を認証用センサ部131に読み取らせる。
【0218】
利用者IDを特定する、認証部101及び座席運用システム1の他の構成要素は、認証図形から利用者の利用者IDを特定する代わりに、読み取られた生体情報から抽出された特徴データと、個人情報記憶部に格納されている、全ての利用者の特徴データとを比較する。そして、認証部101及び座席運用システム1の他の構成要素は、読み取られた生体情報から抽出された特徴データと、最もよくマッチする特徴データを特定する。読み取られた生体情報から抽出された特徴データと最もよくマッチする特徴データは、読み取られた生体情報が得られた生体と同じ生体から得られた生体情報から抽出された特徴データである可能性が最も高い特徴データである。認証部101及び座席運用システム1の他の構成要素は、読み取られた生体情報から抽出された特徴データと、最もよくマッチする特徴データに関連付けられている登録者IDが、生体情報を読み取らせた利用者の利用者IDであると判定する。
【0219】
<第4の変形例>
座席運用装置100及び車両搭載装置200の構成は、図4及び図5に示す構成に限られない。例えば、図4に示す座席運用装置100の少なくとも一部の構成要素(ただし、認証用センサ部131及びID情報センサ部132を除く)を、車両搭載装置200が含んでいてもよい。図5に示す車両搭載装置200の少なくとも一部の構成要素(ただし、通信部203、出入口ユニット210及び座席端末ユニット220を除く)を、座席運用装置100が含んでいてもよい。
【0220】
<第5の変形例>
第2の実施形態の説明では、利用者は、主に、駅に停車する列車の利用者である。しかし、上述のように、第2の実施形態は、列車以外の、座席が指定席のみではない公共交通機関に適用することもできる。駅に停車する車両による交通機関である場合、第2の実施形態の説明をそのような交通機関にそのまま適用できる。例えば、第2の実施形態をバスに適用する場合、第2の実施形態の説明における「駅」は、「停留所」と読み替えればよい。バスの路線に停留所の場所でも自由に乗降できるフリー乗降区間が存在する場合や、停車する場所の名称が異なる交通機関の場合、第2の実施形態の説明における「駅」は、「乗客の乗降のための停車位置」と読み替えることができる。
【0221】
<第6の変形例>
また、第2の実施形態を、交通機関ではなく、指定席以外の座席が存在し客の入れ替わりがある施設に適用することもできる。この場合、車両搭載装置200の各要素は、座席運用装置100に含まれていてよい。この場合、第2の実施形態の説明における駅への到着及び駅からの発車は、適宜(例えば所定の時間間隔で)設定されたタイミングと読み替えることができる。また、第2の実施形態の説明における乗車を、施設への入場と読み替えることができる。なお、出入口ユニット210は、施設の出入口付近だけでなく、適宜配置されていてよい。
【0222】
<第6の変形例>
図12に示す、第2の実施形態の座席確保処理は、利用者は1組であることを前提としている。しかし、同じタイミングで複数の組の利用者が利用する可能性もある。その場合、座席運用システム1は、複数の利用者の各々の適用優先度に基づいて、複数の利用者の組に座席を確保することができる。以下では、そのような場合の座席確保処理について説明する。
【0223】
図15は、本開示の第2の実施形態の第6の変形例の座席運用システム1の、座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0224】
図15に示す例では、複数組の利用者の個人認証が成功していない場合(ステップS1501においてNO)、すなわち、1組の利用者の個人認証が成功した場合、座席運用システム1は、個人認証に成功した利用者に対して、個別座席確保処理を行う(ステップS1507)。そして、座席運用システム1は、図15に示す動作を終了する。個別座席確保処理については、後で説明する。
【0225】
複数の利用者の個人認証に成功した場合(ステップS1501においてYES)、確保部102は、座席が割り当てられていない、最も高い適用優先度の利用者を選択する(ステップS1502)。最も高い適用優先度の利用者が複数存在しない場合(ステップS1503においてNO)、すなわち、最も高い適用優先度の利用者が1組の場合、座席運用システム1は、最も高い適用優先度の利用者に対して、個別座席確保処理を行う(ステップS1505)。
【0226】
最も高い適用優先度の利用者が複数存在する場合(ステップS1503においてNO)、すなわち、最も高い適用優先度の、複数の組の利用者が存在する場合、確保部102は、所定の基準に基づいて、1組の利用者を選択する(ステップS1504)。ステップS1504において、確保部102は、最も早く個人認証に成功した利用者の組を選択してよい。確保部102は、他の基準に基づいて、1組の利用者を選択してもよい。
【0227】
確保部102は、選択した1組の利用者に対して、個別座席確保処理を行う(ステップS1505)。
【0228】
ステップS1505の個別座席確保処理の後、座席が割り当てられていない利用者が存在する場合(ステップS1506においてYES)、座席運用システム1の動作はステップS1504に戻る。座席が割り当てられていない利用者が存在しない場合(ステップS1506においてNO)、すなわち、全ての利用者の組に座席が割り当てられた場合、座席運用システム1は、図15に示す動作を終了する。
【0229】
次に、個別座席確保処理について説明する。
【0230】
図16は、本開示の第2の実施形態の第6の変形例の座席運用システム1の、個別座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。図16に示す個別座席確保処理は、図12に示す座席確保処理と同じである。本変形例の確保部102は、ステップS1507の個別座席確保処理において、図12に示す座席確保処理の動作と同じ動作を行う。本変形例の確保部102は、ステップS1505の個別座席確保処理において、選択された1組の利用者に対して、図12に示す座席確保処理の動作と同じ動作を行う。
【0231】
<第7の変形例>
図12に示す座席確保動作では、利用者の組(例えば、同伴者のいない利用者、又は、利用者とその利用者が同伴する同伴者とのグループ)の全ての人のための座席が抽出された場合に、利用者のための座席を確保する。しかし、同伴者のグループの全員の座席が確保されていなくても着席できる人から着席することが望まれ、かつ、グループに確保される座席が必ずしも連続してなくてもよい場合がありうる。以下では、そのような場合に対応できる座席確保処理について説明する。
【0232】
図17は、本開示の第2の実施形態の第7の変形例の座席運用システム1の、座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。なお、本変形例を第6の変形例と組み合わせる場合には、個別座席確保処理として、図17に示す動作が行われる。
【0233】
図17に示す例では、ステップS1201の動作、及び、ステップS1203からステップS1206までの動作は、それぞれ、図12に示す、ステップS1201の動作、及び、ステップS1203からステップS1206までの動作と同じである。また、図12のステップS1202においても利用者のグループ全員が利用できる座席が抽出された場合に、利用者が利用できる座席が確保されたと判定されるので、ステップS1202Aの動作は、ステップS1202の動作と同じである。
【0234】
図17に示す例では、ステップS1202Aにおいて、利用者のグループ全員が利用可能な座席が抽出されなかった場合(ステップS1202AにおいてNO)、未確保座席確保処理を行う(ステップS1207)。そして、座席運用システム1は、図17に示す動作を終了する。以下では、未確保座席確保処理について詳細に説明する。
【0235】
図18は、本開示の第2の実施形態の第7の変形例の座席運用システム1の、未確保座席確保処理の動作の例を表すフローチャートである。
【0236】
図18に示す例では、ステップS1212からステップS1214までの動作は、それぞれ、図12に示すステップS1212からステップS1214までの動作と同様である。ただし、図12のステップS1213では、確保部102が利用者のグループ全員が利用できる座席が抽出するのに対して、図18のステップS1213では、確保部102は、利用者のグループのうち、座席が割り当てられてない人の全員または一部が利用できる座席を抽出する。そして、ステップS1214において、利用者のグループのうち、座席が割り当てられてない人の全員または一部が利用できる座席が抽出された場合(ステップS1214においてYES)、確保部102は、利用者のために座席確保する(ステップS1415)。言い換えると、確保部102は、抽出された座席を、利用者のために確保された座席とする。そして、ステップS1215において利用者のために確保した座席の情報を、利用者に提示する(ステップS1216)。
【0237】
利用者のグループ全員が利用化できる座席が抽出されていない場合(ステップS1217においてNO)、すなわち、利用者のグループにまだ座席が確保されていない人が存在する場合、座席運用システム1の動作は、ステップS1213に戻る。利用者のグループ全員が利用化できる座席が抽出された場合(ステップS1217においてYES)、すなわち、利用者のグループの全員に対して座席が確保された場合、座席運用システム1は、図18に示す動作を終了する。
【0238】
<第8の変形例>
第2の実施形態は、座席の譲渡を通知する(言い換えると、座席の譲渡の要求を行う)譲渡通知を受けた着席者は、必ず座席を譲渡することが前提である。しかし、着席者が眠り込んでいる場合など、譲渡通知が通知された着席者が、必ず譲渡通知に気づくとは限らない。譲渡通知が通知された着席者が、必ず座席を譲渡するとは限らない。しかし、譲渡通知が通知された着席者が、すぐに座席を譲渡しない場合であっても、すぐに座席を利用したい場合もある。本変形例は、譲渡通知が通知された着席者が、すぐに座席を譲渡しない場合に対応できる変形例である。
【0239】
図19A及び図19Bは、本開示の第2の実施形態の第8の変形例の座席運用システム1の、動作の全体の例を表すフローチャートである。
【0240】
図19Aの、ステップS1001からステップS1006までの動作は、図8に示す、ステップS1001からステップS1006までの動作と同じである。本変形例の座席運用システム1は、ステップS1001からステップS1006までの動作において、図8に示す、第2の実施形態の座席運用システム1のステップS1001からステップS1006までの動作と同様に動作する。
【0241】
図19Bの、ステップS1007及びステップS1009の動作は、図8に示す、ステップS1007及びステップS1009の動作と同じである。本変形例の座席運用システム1は、ステップS1007及びステップS1009の動作において、図8に示す、第2の実施形態の座席運用システム1のステップS1007及びステップS1009の動作と同様に動作する。
【0242】
図19Bに示す動作では、ステップS1008の動作と、ステップS1008とステップS1009との間の動作とが、図8に示す、第2の実施形態の座席運用システム1の動作と異なる。以下では、相違点について説明する。
【0243】
本変形例の座席運用システム1は、ステップS1008の譲渡通知処理の後、譲渡通知が成功した場合(ステップS1010においてNO)、座席運用システム1は、ステップS1009の動作を行う。譲渡通知が失敗した場合(ステップS1010においてYES)、座席運用システム1は、座席追加確保処理を行う(ステップS1011)。そして、座席運用システム1の動作は、ステップS1008に戻る。以下では、本変形例の譲渡通知処理の動作と、座席追加確保処理の動作とについて、図面を使用して詳細に説明する。
【0244】
図20は、本変形例の座席運用システム1の譲渡通知処理の動作の例を表すフローチャートである。図20に示す動作において、ステップS1301からステップS1306までの動作は、それぞれ、図13に示す、ステップS1301からステップS1306までの動作と同じである。本変形例の座席運用システム1は、ステップS1301からステップS1306までの各々のステップにおいて、図13に示す、対応するステップの動作と同様に動作する。
【0245】
図20に示す例では、ステップS1305において着席者の離席が確認されない場合(ステップS1305においてNO)の動作が、図13に示す例と異なる。この場合、譲渡通知の失敗に関する所定の条件が満たされていなければ(ステップS1311においてNO)、座席運用システム1の動作は、ステップS1304に戻る。譲渡通知の失敗に関する所定の条件が満たされていれば(ステップS1311においてYES)、確保部102は、譲渡通知が失敗したと判定する(ステップS1312)。そして、座席運用システム1は、図20に示す動作を終了する。図20に示す例では、車両搭載装置200の制御部201及び通知実行部224は、譲渡通知が失敗したと判定された場合であっても、利用者のために確保された座席の着席者の離席が検出されるまで、譲渡通知を継続してよい。車両搭載装置200の制御部201及び通知実行部224は、その着席者の離席が検出された場合に、譲渡通知を終了してよい。
【0246】
譲渡通知の失敗に関する所定の条件は、例えば、譲渡通知が開始されてから、利用者のために確保された座席の着席者の離席が確認されないまま、所定時間が経過することである。
【0247】
図21は、本変形例の本変形例の座席運用システム1の座席追加確保処理の動作の例を表すフローチャートである。図21に示す座席追加確保処理の動作は、図18に示す、未確保座席確保処理の動作と同じである。図21に示す動作において、本変形例の座席運用システム1は、図18に示す座席追加確保処理の動作と同様に動作する。この動作では、譲渡通知が失敗した座席のみ、代わりの座席が確保される。この場合、利用者のグループが複数の座席を使用する場合、連続する座席が確保されるとは限らない。
【0248】
利用者と同伴者とから構成される利用者のグループに連続する複数の座席が確保されることを保証する場合、座席運用システム1は、ステップS1011の座席追加確保処理の動作として、ステップS1008の座席確保処理と同じ動作を行う。
【0249】
<第9の変形例>
次に、第9の変形例として、座席運用システム1が、利用者が座席を確保しやすい出入口に関する情報(以下では、出入口情報と表記)を通知する、出入口推奨処理について説明する。出入口推奨処理は、利用者が乗車する出入口を選択する際に、出入口の選択の参考にするための情報を提供する。
【0250】
図22は、本変形例の座席運用システム1の動作の例を表すフローチャートである。
【0251】
利用者は、例えば、駅の改札内において、例えば利用者端末装置300において実行される専用のアプリケーションを用いて、出入口情報の提供を要求することによって、図22の動作が開始される。
【0252】
図22に示す例では、ステップS1001からステップS1004までの動作は、図8に示す動作における、ステップS1001からステップS1004までの動作と同様である。ただし、ステップS1001において、ID情報センサ部132が、利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を読み取る。また、ステップS1002において、認証用センサ部131が、生体情報を読み取る。なお、ステップS1002において同伴者の生体認証をおこなった場合、座席運用システム1は、乗車時の利用者の同伴者の生体認証は成功したとみなし、乗車時における図8の動作のステップS1002における同伴者の生体認証を省略してもよい。
【0253】
ステップS1004の後、推定部103は、利用者端末装置300を用いた利用者の指示に基づいて、列車を特定する(ステップS1023)。利用者の指示は、例えば、列車を特定する指示を行うことである。利用者の指示は、例えば、時間帯を指示することである。この場合、推定部103は、指示された時間帯において、利用者の認証図形を読み取ったID情報センサ部132が設置されている駅を発車する列車を、例えば保持している時刻表情報に基づいて特定する。推定部103は、推定部103は、利用者の認証図形を読み取ったID情報センサ部132が設置されている駅を指示された時間帯に発車する列車のリストを、例えば確認部124を介して利用者端末装置300に提示し、利用者によって利用者端末装置300を用いて選択された列車の情報を、確認部124を介して受け取ってもよい。推定部103は、受け取った情報が示す列車を、ステップS1021において特定される列車としてもよい。
【0254】
次に、推定部103は、ステップS1002において得られた利用者の適用優先度と、特定した列車の各座席の座席優先度とに基づいて、特定した列車の各出入口の確保容易性を推定する(ステップS1024)。
【0255】
推定部103は、列車の各出入口の確保容易性に基づく情報を生成する(ステップS1025)。列車の各出入口の確保容易性に基づく情報の生成は、例えば、確保容易性が最も高い出入口の選択であってもよい。列車の各出入口の確保容易性に基づく情報の生成は、例えば、確保容易性が所定基準よりも高い出入口の選択であってもよい。
【0256】
そして、第1通知部121が、列車の各出入口の確保容易性に基づく情報を、利用者に通知する(ステップS1026)。そして、座席運用システム1は、図22に示す動作を終了する。
【0257】
第1通知部121は、例えば、列車の各出入口の確保容易性に基づく情報を、利用者の利用者端末装置300に送信してもよい。列車の各出入口の確保容易性に基づく情報は、例えば、最も確保容易性の高い出入口の情報である。列車の各出入口の確保容易性に基づく情報は、確保容易性が所定基準よりも高い出入口のリストであってもよい。列車の各出入口の確保容易性に基づく情報は、確保容易性が所定基準よりも高い出入口とその出入口の確保容易性を表す情報との組み合わせのリストであってもよい。
【0258】
<第10の変形例>
第9の変形例では、図22のステップS1002において、生体認証が行われる。しかし、生体認証が成功した場合の出入口情報をすぐに得たい場合が考えられる。
【0259】
第10の変形例は、生体認証が成功したとみなして、出入口情報を提供する変形例である。
【0260】
図23は、本変形例の座席運用システム1の動作の例を表すフローチャートである。
【0261】
利用者は、例えば、駅の改札内において、例えば利用者端末装置300において実行される専用のアプリケーションを用いて、出入口情報の提供を要求することによって、図23の動作が開始される。
【0262】
図23に示す例では、まず、ID情報センサ部132が、利用者端末装置300の表示部301に表示された認証図形を読み取ることによって、利用者の利用者IDを読み取る(ステップS1001)。認証部101が、認証図形から、利用者の利用者IDを特定する。
【0263】
次に、例えば確保部102が、確認部124を介して、利用者の同伴者の情報を受け取る(S1021)。確保部102は、例えば、利用者IDによって特定される利用者の個人情報に関連付けられている、同伴する可能性がある同伴者のリストを、確認部124を介して利用者端末装置300に送信する。そして、確保部102は、利用者によって選択された同伴者のリストを、利用者端末装置300から、確認部124を介して受け取る。
【0264】
確保部102は、利用者の個人優先度に基づいて、利用者の適用優先度を決定する(ステップS1022)。利用者に同伴者がいる場合は、確保部102は、利用者の個人優先度と同伴者の個人優先度とに基づいて、利用者の適用優先度を決定する。
【0265】
次に、座席運用システム1は、必要リソース算出処理を行う(ステップS1004)。必要リソース算出処理は、図11に示す必要リソース算出処理と同じである。
【0266】
その後の、ステップS1023からステップS1026までの処理は、図22に示す、第9の変形例の、ステップS1023からステップS1026までの処理と同じである。
【0267】
<第11の変形例>
次に、第11の変形例について説明する。第2の実施形態では、利用者の利用者IDに利用者IDがあらかじめ関連付けられている、利用者が同伴する可能性がある同伴者を、利用者が同伴している場合に、利用者の個人優先度とその同伴者の個人優先度とに基づいて、利用者の適用優先度が決定される。本変形例では、認証部101は、例えば、利用者が認証用センサ部211に生体情報を読み取らせてから、所定の読み取り終了条件が満たされるまでの間に、認証用センサ部211が読み取った生体情報を、利用者の同伴者の生体情報と判定する。
【0268】
読み取り終了条件は、例えば、利用者が認証用センサ部211に生体情報を読み取らせてから所定時間が経過することである。読み取り終了条件は、例えば、生体情報の読み取りの終了を指示する操作を行うことである。生体情報の読み取りの終了を指示する操作は、例えば、出入口ユニット211に特定の操作を行うことである。特定の操作は、例えば、他の利用者が認証図形を再び読み取らせること、認証終了を表す認証図形を読み取らせること、入出力ユニット211に取り付けられているスイッチを操作すること、などのいずれかであってもよい。特定の操作は、これらの例に限られない。読み取り終了条件は、これらの例に限られない。
【0269】
認証部101は、利用者の同伴者の生体情報と判定された生体情報から抽出された特徴データと、個人情報記憶部142に格納されている全ての利用者(同伴される可能性がある同伴者として登録されている利用者を含む)の特徴データとの比較を行う。利用者の同伴者の生体情報と判定された生体情報から抽出された特徴データを認証登頂データと表記し、個人情報記憶部142に格納されている特徴データを登録特徴データと表記する。比較の結果、認証特徴データが得られた生体と同一の生体から得られた登録特徴データが特定された場合、認証部101は、その登録特徴データに関連付けられている個人優先度を、利用者の同伴者の個人優先度に設定する。比較の結果、認証特徴データが得られた生体と同一の生体から得られた登録特徴データが特定されなかった場合、認証部101は、その同伴者の個人優先度を、非優先に設定する。
【0270】
<第12の変形例>
第2の実施形態では、個人情報登録装置400の個人情報記憶部403に格納される、利用者が同伴する可能性がある同伴者の登録者IDは、利用者の登録者IDに関連付けられている。第12の変形例では、同伴者の登録者IDは、利用者の登録者IDに関連付けられず、独立した利用者の登録者IDとして格納される。そして、座席運用装置100の利用開始時に、個人情報取得部141は、利用者の個人優先度とは独立に、同伴者の個人優先度を、個人情報登録装置400から受け取る。
【0271】
個人情報取得部141は、利用者の利用者IDと、利用者が同伴する可能性がある同伴者の利用者IDとを関連付けてもよい。その場合、座席運用システム1の他の動作は、第1の実施形態の座席運用システム1と同様である。
【0272】
個人情報取得部141は、利用者の利用者IDと、利用者が同伴する可能性がある同伴者の利用者IDとを関連付けなくてもよい。その場合、本変形例の座席運用システム1は、上述の第11の変形例と同様に動作する。
【0273】
<第13の変形例>
第13の変形例では、利用者IDは、例えば、乗車券の情報と関連付けられていてもよい。乗車券の情報は、例えば、IC(Integrated Circuit)カードの識別情報、QRコードによる乗車券の識別情報などである。生体情報を乗車券として使用する場合、乗車券の情報は、乗車券として使用される生体情報である。そして、乗車券の情報は、その乗車券を使用して駅に入場した時刻の情報と関連付けられている。
【0274】
利用者が乗車券を利用して駅の改札内に入場した後、利用者及び同伴者の少なくともいずれかは、例えば駅の改札内に設置されている認証用センサ部131に生体情報を読み取らせてもよい。その場合、認証部101は、例えば、認証用センサ部131によって読み取られた生体情報から抽出された特徴データと、登録されている利用者及び同伴者の全ての生体情報の特徴データとの間で、照合を行う。
【0275】
以下の説明では、この照合を、事前個人認証と表記する。この照合によって、いずれかの登録されている生体情報が、読み取られた生体情報と同じ生体から得られた生体情報であると判定された利用者を、事前個人認証に成功した利用者と表記する。この照合によって、いずれかの登録されている生体情報が、読み取られた生体情報と同じ生体から得られた生体情報であると判定された同伴者を、事前個人認証に成功した同伴者と表記する。
【0276】
認証部101は、利用者が駅の改札内に入場した後、利用者が位置確認センサ部212に認証図形を読み取らせるまでの間に、利用者の事前個人認証に成功している場合、その利用者の個人認証は成功したとみなす。この場合、認証部101、確保部102、及び、座席運表システム1の他の構成要素は、利用者が認証図形を読み取らせた後にその利用者の個人認証が成功した場合と同様に動作する。
【0277】
認証部101、利用者が駅の改札内に入場した後、利用者が位置確認センサ部212に認証図形を読み取らせるまでの間に、その利用者が同伴する可能性がある同伴者の事前個人認証に成功している場合、その同伴者の個人認証は成功したとみなす。この場合、認証部101、確保部102、及び、座席運表システム1の他の構成要素は、利用者が認証図形を読み取らせた後にその同伴者の個人認証が成功した場合と同様に動作する。
【0278】
なお、本変形例の利用者IDは、その利用者IDによって識別される利用者の、他の識別情報と関連付けられていてもよい。本変形例の利用者IDは、その利用者IDによって識別される利用者の、個人優先度以外の個人情報と関連付けられていてもよい。
【0279】
<第14の変形例>
第14の変形例では、利用者端末装置300が、認証用センサ部を備える。本変形例の座席運用システム1では、利用者端末装置300の認証用センサ部が、認証用センサ部131と同様に機能する。利用者が駅の改札内に入場した後、利用者及び同伴者のいずれかは、認証用センサ部131の代わりに、利用者端末装置300が備える認証用センサ部に、生体情報を読み取らせてよい。この場合、利用者端末装置300の制御部303が、読み取られた生体情報から特徴量データを抽出する。制御部303は、抽出した特徴量データを、認証部101に送信する。認証部101は、利用者端末装置300から送信された特徴量データと、登録されている生体情報の特徴量データとの間で、照合を行ってもよい。本変形例は、利用者端末装置300の認証用センサ部が、認証用センサ部131と同様に機能する点を除いて、第13の変形例と同じである。
【0280】
<第15の変形例>
第15の変形例では、認証用図形は、利用者IDではなく、座席運用システム1において一意に割り当てられている情報(以下ID情報と表記)を表す。利用者端末装置300の、例えば表示情報生成部305が、あらかじめ、割り当てられたID情報を保持していてよい。そして、表示情報生成部305は、ID情報から生成した認証図形を表示する。ユーザは、そのような認証図形を、位置確認センサ部212に読み取らせる。
【0281】
本変形例では、照合部101は、認証用図形が読み取られた後に読み取られた生体情報から抽出された特徴データと、登録されている生体情報の特徴データの各々と、の照合を行う。認証部101は、照合の結果、読み取られた生体情報と同じ生体から取得された生体情報が登録されている利用者を、生体情報を読み取らせた利用者として特定する。認証部101は、そのように特定された利用者の個人認証が成功したと判定する。認証部101は、利用者の同伴者の生体情報が読み取られた場合、同様に照合を行う。そして、認証部101は、生体情報を読み取らせた同伴者として特定された同伴者の個人認証が成功したと判定する。
【0282】
<他の実施形態>
座席運用システム10、座席運用装置100、車両搭載装置200、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置の各々は、記憶媒体から読み出されたプログラムがロードされたメモリと、そのプログラムを実行するプロセッサとを含むコンピュータによって実現することができる。コンピュータは、互いに通信可能に接続された複数のコンピュータであってもよい。座席運用システム10、座席運用装置100、車両搭載装置200、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置の各々は、専用のハードウェアによって実現することもできる。専用のハードウェアは、1つの回路、又は、互いに通信可能に接続された複数の回路であってもよい。座席運用システム10、座席運用装置100、車両搭載装置200、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置の各々は、前述のコンピュータと専用のハードウェアとの組み合わせによって実現することもできる。
【0283】
図24は、座席運用システム10、座席運用装置100、車両搭載装置200、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置400の各々を実現することができる、コンピュータ10000のハードウェア構成の一例を表す図である。図24に示す例では、コンピュータ10000は、プロセッサ10001と、メモリ10002と、記憶装置10003と、I/O(Input/Output)インタフェース10004とを含む。また、コンピュータ10000は、記憶媒体10005にアクセスすることができる。メモリ10002と記憶装置10003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体10005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置10003が記憶媒体10005であってもよい。プロセッサ10001は、メモリ10002と、記憶装置10003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ10001は、I/Oインタフェース10004を介して、例えば、他の装置にアクセスすることができる。プロセッサ10001は、記憶媒体10005にアクセスすることができる。記憶媒体10005には、コンピュータ10000を、本開示の実施形態に係る装置として動作させるプログラムが格納されている。本開示の実施形態に係る装置は、座席運用システム10、座席運用装置100、車両搭載装置200、利用者端末装置300、及び、個人情報登録装置400のいずれかである。
【0284】
プロセッサ10001は、記憶媒体10005に格納されている、コンピュータ10000を、座席運用システム10として動作させるプログラムを、メモリ10002にロードする。そして、プロセッサ10001が、メモリ10002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ10000は、座席運用システム10として動作する。
【0285】
プロセッサ10001は、記憶媒体10005に格納されている、コンピュータ10000を、座席運用装置100として動作させるプログラムを、メモリ10002にロードする。そして、プロセッサ10001が、メモリ10002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ10000は、座席運用装置100として動作する。
【0286】
プロセッサ10001は、記憶媒体10005に格納されている、コンピュータ10000を、車両搭載装置200として動作させるプログラムを、メモリ10002にロードする。そして、プロセッサ10001が、メモリ10002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ10000は、車両搭載装置200として動作する。
【0287】
プロセッサ10001は、記憶媒体10005に格納されている、コンピュータ10000を、利用者端末装置300として動作させるプログラムを、メモリ10002にロードする。そして、プロセッサ10001が、メモリ10002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ10000は、利用者端末装置300として動作する。
【0288】
プロセッサ10001は、記憶媒体10005に格納されている、コンピュータ10000を、個人情報登録装置400として動作させるプログラムを、メモリ10002にロードする。そして、プロセッサ10001が、メモリ10002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ10000は、個人情報登録装置400として動作する。
【0289】
認証部11、及び、確保部12は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。
【0290】
認証部101、確保部102、推定部103、更新部104、位置検出部111、着席者検出部112、着席確認部113は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。第1通知部121、第2通知部122、第3通知部123、確認部124は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。認証用センサ部131、ID情報センサ部132、座席情報取得部151、座席情報記憶部152、通信部161は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。
【0291】
制御部201、通信部203、認証用センサ部211、位置確認センサ部212、着席者センサ部221、着席確認センサ部222、表示部223、通知実行部224は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。
【0292】
表示部301、入力部302、制御部303、表示制御部304、表示情報生成部305、通信部306は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。
【0293】
入力部401、個人情報処理部402、個人情報記憶部403、通信部404は、例えば、メモリ10002にロードされたプログラム実行するプロセッサ10001により実現することができる。
【0294】
また、個人情報取得部141、個人情報記憶部142、座席情報記憶部202は、コンピュータ10000が含むメモリ10002やハードディスク装置等の記憶装置10003により実現することができる。
【0295】
認証部11、確保部12の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0296】
認証部101、確保部102、推定部103、更新部104、位置検出部111、着席者検出部112、着席確認部113の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。第1通知部121、第2通知部122、第3通知部123、確認部124の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。認証用センサ部131、ID情報センサ部132、個人情報取得部141、個人情報記憶部142、座席情報取得部151、座席情報記憶部152、通信部161、制御部201の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0297】
制御部201、通信部203、認証用センサ部211、位置確認センサ部212、着席者センサ部221、着席確認センサ部222、表示部223、通知実行部224の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0298】
表示部301、入力部302、制御部303、表示制御部304、表示情報生成部305、通信部306の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0299】
入力部401、個人情報処理部402、個人情報記憶部403、通信部404の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
【0300】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0301】
(付記1)
対象者の個人認証を行う認証手段と、
前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する確保手段と、
を備える座席運用システム。
【0302】
(付記2)
前記認証手段は、前記対象者の同伴者の個人認証を行い、
前記確保手段は、前記対象者の個人認証と前記同伴者の個人認証とに成功した場合、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度及び前記同伴者の各々に割り当てられている個人優先度と、前記座席優先度とに基づいて、前記対象者及び前記同伴者のために前記座席を確保する
付記1に記載の座席運用システム。
【0303】
(付記3)
前記対象者の位置を検出する検出手段をさらに備え、
前記確保手段は、検出された前記位置に基づいて、前記座席を確保する
付記1又は2に記載の座席運用システム。
【0304】
(付記4)
複数の座席と当該複数の座席に到達する複数の出入り口との位置関係と、前記複数の座席の各々に割り当てられている座席優先度と、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度とに基づいて、前記複数の出入り口の、前記対象者による前記座席の確保の可能性を推定する推定手段と、
前記対象者に、前記可能性に基づく情報を通知する第1通知手段と、
をさらに備える付記1乃至3のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0305】
(付記5)
新たに確保された前記座席に着席者が存在する場合、当該座席の前記着席者に対して当該座席を譲渡するよう促す通知を行う第2通知手段
をさらに備える付記1乃至4のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0306】
(付記6)
前記対象者が、当該対象者のために確保された前記座席への着席を確認する確認手段と、
前記座席への前記対象者の前記着席が確認された場合、当該座席の座席優先度を、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度に基づいて更新する更新手段と、
をさらに備える付記1乃至5のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0307】
(付記7)
前記確保手段は、複数の対象者の個人認証が成功した場合、当該複数の対象者の各々に割り当てられている前記個人優先度と、前記座席の前記座席優先度との比較の結果に基づいて、当該座席が割り当てる前記対象者を前記複数の対象者から選択する
付記1乃至6のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0308】
(付記8)
確保された前記座席を表す表示を行う表示手段
をさらに備える付記1乃至7のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0309】
(付記9)
前記対象者に、確保された前記座席の情報を通知する第3通知手段
をさらに備える付記1乃至8のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0310】
(付記10)
前記個人優先度は、前記対象者の障害、病気、運動能力、妊娠の状態の少なくともいずれかに基づいて決定される
付記1乃至9のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0311】
(付記11)
前記認証手段は、前記個人認証を、生体認証によって行う
付記1乃至10のいずれか1項に記載の座席運用システム。
【0312】
(付記12)
対象者の個人認証を行い、
前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する、
座席運用方法。
【0313】
(付記13)
前記対象者の同伴者の個人認証を行い、
前記対象者の個人認証と前記同伴者の個人認証とに成功した場合、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度及び前記同伴者の各々に割り当てられている個人優先度と、前記座席優先度とに基づいて、前記対象者及び前記同伴者のために前記座席を確保する
付記12に記載の座席運用方法。
【0314】
(付記14)
前記対象者の位置を検出し、
検出された前記位置に基づいて、前記座席を確保する
付記12又は13に記載の座席運用方法。
【0315】
(付記15)
複数の座席と当該複数の座席に到達する複数の出入り口との位置関係と、前記複数の座席の各々に割り当てられている座席優先度と、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度とに基づいて、前記複数の出入り口の、前記対象者による前記座席の確保の可能性を推定し、
前記対象者に、前記可能性に基づく情報を通知する、
付記12乃至14のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0316】
(付記16)
新たに確保された前記座席に着席者が存在する場合、当該座席の前記着席者に対して当該座席を譲渡するよう促す通知を行う
付記12乃至15のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0317】
(付記17)
前記対象者が、当該対象者のために確保された前記座席への着席を確認し、
前記座席への前記対象者の前記着席が確認された場合、当該座席の座席優先度を、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度に基づいて更新する、
付記12乃至16のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0318】
(付記18)
複数の対象者の個人認証が成功した場合、当該複数の対象者の各々に割り当てられている前記個人優先度と、前記座席の前記座席優先度との比較の結果に基づいて、当該座席が割り当てる前記対象者を前記複数の対象者から選択する
付記12乃至17のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0319】
(付記19)
確保された前記座席を表す表示を行う
付記12乃至18のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0320】
(付記20)
前記対象者に、確保された前記座席の情報を通知する
付記12乃至19のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0321】
(付記21)
前記個人優先度は、前記対象者の障害、病気、運動能力、妊娠の状態の少なくともいずれかに基づいて決定される
付記12乃至20のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0322】
(付記22)
前記個人認証を、生体認証によって行う
付記12乃至21のいずれか1項に記載の座席運用方法。
【0323】
(付記23)
対象者の個人認証を行う認証処理と、
前記個人認証に成功した場合、前記対象者に割り当てられている個人優先度と、座席に割り当てられている座席優先度とに基づいて、前記対象者のために前記座席を確保する確保処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0324】
(付記24)
前記認証処理は、前記対象者の同伴者の個人認証を行い、
前記確保処理は、前記対象者の個人認証と前記同伴者の個人認証とに成功した場合、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度及び前記同伴者の各々に割り当てられている個人優先度と、前記座席優先度とに基づいて、前記対象者及び前記同伴者のために前記座席を確保する
付記23に記載のプログラム。
【0325】
(付記25)
前記対象者の位置を検出する検出処理をさらにコンピュータに実行させ、
前記確保処理は、検出された前記位置に基づいて、前記座席を確保する
付記23又は24に記載のプログラム。
【0326】
(付記26)
複数の座席と当該複数の座席に到達する複数の出入り口との位置関係と、前記複数の座席の各々に割り当てられている座席優先度と、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度とに基づいて、前記複数の出入り口の、前記対象者による前記座席の確保の可能性を推定する推定処理と、
前記対象者に、前記可能性に基づく情報を通知する第1通知処理と、
をさらにコンピュータに実行させる付記23乃至25のいずれか1項に記載のプログラム。
【0327】
(付記27)
新たに確保された前記座席に着席者が存在する場合、当該座席の前記着席者に対して当該座席を譲渡するよう促す通知を行う第2通知処理
をさらにコンピュータに実行させる付記23乃至26のいずれか1項に記載のプログラム。
【0328】
(付記28)
前記対象者が、当該対象者のために確保された前記座席への着席を確認する確認処理と、
前記座席への前記対象者の前記着席が確認された場合、当該座席の座席優先度を、前記対象者に割り当てられている前記個人優先度に基づいて更新する更新処理と、
をさらにコンピュータに実行させる付記23乃至27のいずれか1項に記載のプログラム。
【0329】
(付記29)
前記確保処理は、複数の対象者の個人認証が成功した場合、当該複数の対象者の各々に割り当てられている前記個人優先度と、前記座席の前記座席優先度との比較の結果に基づいて、当該座席が割り当てる前記対象者を前記複数の対象者から選択する
付記23乃至28のいずれか1項に記載のプログラム。
【0330】
(付記30)
確保された前記座席を表す表示を行う表示処理
をさらにコンピュータに実行させる付記23乃至29のいずれか1項に記載のプログラム。
【0331】
(付記31)
前記対象者に、確保された前記座席の情報を通知する第3通知処理
をさらにコンピュータに実行させる付記23乃至30のいずれか1項に記載のプログラム。
【0332】
(付記32)
前記個人優先度は、前記対象者の障害、病気、運動能力、妊娠の状態の少なくともいずれかに基づいて決定される
付記23乃至31のいずれか1項に記載のプログラム。
【0333】
(付記33)
前記認証処理は、前記個人認証を、生体認証によって行う
付記23乃至32のいずれか1項に記載のプログラム。
【0334】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0335】
1 座席運用システム
2 引用文献
10 座席運用システム
11 認証部
12 確保部
100 座席運用装置
101 認証部
102 確保部
103 推定部
104 更新部
111 位置検出部
112 着席者検出部
113 着席確認部
121 第1通知部
122 第2通知部
123 第3通知部
124 確認部
131 認証用センサ部
132 ID情報センサ部
141 個人情報取得部
142 個人情報記憶部
151 座席情報取得部
152 座席情報記憶部
161 通信部
200 車両搭載装置
201 制御部
202 座席情報記憶部
203 通信部
210 出入口ユニット
211 認証用センサ部
212 位置確認センサ部
220 座席端末ユニット
221 着席者センサ部
222 着席確認センサ部
223 表示部
224 通知実行部
300 利用者端末装置
301 表示部
302 入力部
303 制御部
304 表示制御部
305 表示情報生成部
306 通信部
400 個人情報登録装置
401 入力部
402 個人情報処理部
403 個人情報記憶部
404 通信部
500 通信ネットワーク
10000 コンピュータ
10001 プロセッサ
10002 メモリ
10003 記憶装置
10004 I/Oインタフェース
10005 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24