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特許7196979ポイント付与システム及びポイント付与方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ポイント付与システム及びポイント付与方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20221220BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221220BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q30/02 350
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021163749
(22)【出願日】2021-10-04
(62)【分割の表示】P 2017125373の分割
【原出願日】2017-06-27
(65)【公開番号】P2022000817
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】諸永 耕平
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/064024(WO,A1)
【文献】特開2012-186921(JP,A)
【文献】特開2012-155385(JP,A)
【文献】特開2014-230306(JP,A)
【文献】特開2013-045229(JP,A)
【文献】特開2012-088892(JP,A)
【文献】HEMSデータによるCO2削減行動の評価マニュアル,[online],凸版印刷株式会社,2015年05月,pp.1-41,https://www.toppan.co.jp/library/japanese/news/files/toppan20150518_1.pdf,[検索日 2021.03.24]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与システムであり、
前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出部と、
前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出部と、
前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出部と、
前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与部と、
前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、少なくとも、前記カテゴリ毎のグループにおいてインフラの消費特性の近さに基づき、前記需要家のサブグループを作成するサブグループ生成部と
を備え、
前記省インフラポイント付与部が、
前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与するものであり、
前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する
ことを特徴とするポイント付与システム。
【請求項2】
複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与システムであり、
前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出部と、
前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出部と、
前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出部と、
前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与部と
前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、少なくとも、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、前記需要家それぞれのクラスター分析を行い、サブグループを作成するサブグループ生成部と
を備え、
前記省インフラポイント付与部が、
前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与するものであり、
前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する
ことを特徴とするポイント付与システム。
【請求項3】
複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与システムであり、
前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出部と、
前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出部と、
前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出部と、
前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与部と
前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、ポイント付与期間における省インフラルギー活動から離脱する離脱率を推定する離脱率推定モデルを生成する離脱率推定モデル生成部と
を備え、
前記省インフラポイント付与部が、
前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与する
ことを特徴とするポイント付与システム。
【請求項4】
前記平均変化率算出部が前記カテゴリのグループ毎に前記平均変化率を求め、前記差分変化率算出部が前記グループに属する前記需要家の各々の前記差分変化率を求める
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項5】
前記省インフラポイント付与部が、前記省インフラポイントを算出する際、前記差分変化率と「0」とを比較し、数値の大きい方を結果として出力する関数を用いて前記省インフラポイントを算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項6】
前記省インフラポイント付与部が、前記省インフラポイントを算出する際、前記差分変化率に対して所定の定数を加算して前記省インフラポイントを算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項7】
前記省インフラポイント付与部が、前記省インフラポイントを算出する際、前記差分変化率に対して所定のポイント係数を乗算する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項8】
少なくとも、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、前記需要家それぞれのクラスター分析を行い、サブグループを作成するサブグループ生成部をさらに備え、
前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項9】
前記サブグループ生成部が、
新らしく顧客になった需要家の各々を、前記クラスター分析により、前記サブグループそれぞれに振り分ける
ことを特徴とする請求項8に記載のポイント付与システム。
【請求項10】
前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、
前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、ポイント付与期間における省インフラルギー活動から離脱する離脱率を推定する離脱率推定モデルを生成する離脱率推定モデル生成部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項11】
前記インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家における電力消費量及びガス消費量の各々を熱量に換算し、当該熱量の各々を加算して前記インフラ消費量とする
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のポイント付与システム。
【請求項12】
複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与方法であり、
インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出過程と、
平均変化率算出部が、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出過程と、
差分変化率算出部が、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出過程と、
省インフラポイント付与部が、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与過程と
サブグループ生成部が、少なくとも、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づいて複数のカテゴリに分けられた当該カテゴリ毎のグループにおいてインフラの消費特性の近さに基づき、前記需要家のサブグループを作成するサブグループ生成過程と、
を含み、
前記省インフラポイント付与過程には、
省インフラポイント付与部が、
前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを含み、
前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する
ことを特徴とするポイント付与方法。
【請求項13】
複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与方法であり、
インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出過程と、
平均変化率算出部が、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出過程と、
差分変化率算出部が、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出過程と、
省インフラポイント付与部が、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与過程と、
サブグループ生成部が、少なくとも、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づいて複数のカテゴリに分けられた当該カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、前記需要家それぞれのクラスター分析を行い、サブグループを作成するサブグループ生成過程と
を備え、
前記省インフラポイント付与部が、
前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを含み、
前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する
ことを特徴とするポイント付与方法。
【請求項14】
複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与方法であり、
インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出過程と、
平均変化率算出部が、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出過程と、
差分変化率算出部が、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出過程と、
省インフラポイント付与部が、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与過程と、
離脱率推定モデル生成部が、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づいて複数のカテゴリに分けられた当該カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、ポイント付与期間における省インフラルギー活動から離脱する離脱率を推定する離脱率推定モデルを生成する離脱率推定モデル生成過程と、
を備え、
前記省インフラポイント付与部が、
前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを含む
ポイント付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力、ガス、灯油及び水などのインフラの消費量を低減した際に、この消費量の低減に対応してポイントを付与するポイント付与システム及びポイント付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーを含むインフラの消費量の低減を実現するための施策として、需要家が行った省インフラ消費量に対応して、省インフラ(例えば、省エネ(省エネルギー))ポイントの付与を行うことで、省インフラ消費を習慣化させ、長期的な省インフラ(エネルギー)対策とすることが考えられている。
例えば、需要家が節電した節電の量を的確に比較するため、家族構成と電力の消費パターンが類似している世帯をグループ化して、このグループ内における世帯間の電力消費量の比較を行う構成がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の世帯のエネルギー消費量の平均値を求め、この平均値と世帯毎のエネルギー消費量との差分に対応して、世帯の各々に対して省エネ活動ポイント(すなわち、省インフラポイント)を付与する構成がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5537339号公報
【文献】特開2013-101569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1においては、需要家の家における家族の在宅状態に応じた消費電力の評価を行っている。しかしながら、特許文献1においては、消費電力の絶対値を用いているため、在宅人数の電力パターンが同一であるとしても、そもそもの需要家間の使用電力量が同一ではないため、使用電力量が多いほど電力消費量も大きくなり、省インフラの努力が大きく評価されるため、需要家間で不公平感が発生する。
【0006】
また、特許文献2は、複数の需要家のエネルギー消費量の平均値を求め、それぞれの需要家のエネルギー消費量と差分に応じて省インフラポイントを付与している。しかしながら、特許文献2においても、特許文献1と同様に、エネルギー消費量が絶対値であるため、そもそもの需要家間のインフラの消費量が同一ではないため、インフラ消費量が多いほど省エネルギー消費量が大きく評価されるため、需要家間で不公平感が発生する。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、需要家間のインフラ消費量が同一でなくとも、需要家間で公平に省インフラ消費量に対応した省インフラポイントを付与するポイント付与システム及びポイント付与方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のポイント付与システムは、複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与システムであり、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出部と、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出部と、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出部と、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与部と、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、少なくとも、前記カテゴリ毎のグループにおいてインフラの消費特性の近さに基づき、前記需要家のサブグループを作成するサブグループ生成部とを備え、前記省インフラポイント付与部が、前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与するものであり、前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与することを特徴とする。
また、本発明のポイント付与システムは、複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与システムであり、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出部と、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出部と、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出部と、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与部と、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、少なくとも、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、前記需要家それぞれのクラスター分析を行い、サブグループを作成するサブグループ生成部とを備え、前記省インフラポイント付与部が、前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与するものであり、前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する。
また、本発明のポイント付与システムは、複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与システムであり、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出部と、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出部と、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出部と、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与部と、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、ポイント付与期間における省インフラルギー活動から離脱する離脱率を推定する離脱率推定モデルを生成する離脱率推定モデル生成部とを備え、前記省インフラポイント付与部が、前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを特徴とする。
【0009】
本発明のポイント付与システムは、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、前記平均変化率算出部が当該カテゴリのグループ毎に前記平均変化率を求め、前記差分変化率算出部が前記グループに属する前記需要家の各々の前記差分変化率を求めることを特徴とする。
【0010】
本発明のポイント付与システムは、前記省インフラポイント付与部が、前記省インフラポイントを算出する際、前記差分変化率と「0」とを比較し、数値の大きい方を結果として出力する関数を用いて前記省インフラポイントを算出することを特徴とする。
【0011】
本発明のポイント付与システムは、前記省インフラポイント付与部が、前記省インフラポイントを算出する際、前記差分変化率に対して所定の定数を加算して前記省インフラポイントを算出することを特徴とする。
【0012】
本発明のポイント付与システムは、前記省インフラポイント付与部が、前記省インフラポイントを算出する際、前記差分変化率に対して所定のポイント係数を乗算することを特徴とする。
【0013】
本発明のポイント付与システムは、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、少なくとも、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、前記需要家それぞれのクラスター分析を行い、サブグループを作成するサブグループ生成部をさらに備え、前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与する。
【0014】
本発明のポイント付与システムは、前記サブグループ生成部が、新らしく顧客になった需要家の各々を、前記クラスター分析により、前記サブグループそれぞれに振り分けることを特徴とする。
【0015】
本発明のポイント付与システムは、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づく複数のカテゴリに分けられており、前記カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、ポイント付与期間における省インフラ活動から離脱する離脱率を推定する離脱率推定モデルを生成する離脱率推定モデル生成部をさらに有することを特徴とする。
【0016】
本発明のポイント付与システムは、前記インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家における電力消費量及びガス消費量の各々を熱量に換算し、当該熱量の各々を加算して前記インフラ消費量とすることを特徴とする。
【0017】
本発明のポイント付与方法は、複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与方法であり、インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出過程と、平均変化率算出部が、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出過程と、差分変化率算出部が、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出過程と、省インフラポイント付与部が、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与過程とサブグループ生成部が、少なくとも、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づいて複数のカテゴリに分けられた当該カテゴリ毎のグループにおいてインフラの消費特性の近さに基づき、前記需要家のサブグループを作成するサブグループ生成過程と、を含み、前記省インフラポイント付与過程には、省インフラポイント付与部が、前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを含み、前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与することを特徴とする。
本発明のポイント付与方法は、複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与方法であり、インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出過程と、平均変化率算出部が、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出過程と、差分変化率算出部が、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出過程と、省インフラポイント付与部が、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与過程と、サブグループ生成部が、少なくとも、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づいて複数のカテゴリに分けられた当該カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、前記需要家それぞれのクラスター分析を行い、サブグループを作成するサブグループ生成過程とを備え、前記省インフラポイント付与部が、前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを含み、前記サブグループ毎に前記省インフラポイントを求めて付与することを特徴とする。
本発明のポイント付与方法は、複数の評価周期からなるポイント付与期間において、前記評価周期における需要家の各々のインフラ消費量に応じて、前記需要家それぞれに対して省インフラポイントを付与するポイント付与方法であり、インフラ消費量変化率算出部が、前記需要家毎に、前記ポイント付与期間における基準の評価周期である基準評価周期の前記インフラ消費量により、前記評価周期のそれぞれの前記インフラ消費量を除算し、前記評価周期それぞれにおける前記インフラ消費量の基準評価周期のインフラ消費量に対する変化率を求めるインフラ消費量変化率算出過程と、平均変化率算出部が、前記需要家毎に求めた前記変化率を、それぞれの前記評価周期単位で平均し、平均変化率を求める平均変化率算出過程と、差分変化率算出部が、前記需要家毎の前記変化率から前記平均変化率を減算し、前記需要家毎の差分変化率を求める差分変化率算出過程と、省インフラポイント付与部が、前記差分変化率に応じた前記省インフラポイントを求めて付与する省インフラポイント付与過程と、離脱率推定モデル生成部が、前記需要家が需要家の世帯における家族構成に基づいて複数のカテゴリに分けられた当該カテゴリ毎のグループ内の前記需要家の各々の前記差分変化率及び前記需要家の世帯主の特徴情報に基づき、ポイント付与期間における省インフラルギー活動から離脱する離脱率を推定する離脱率推定モデルを生成する離脱率推定モデル生成過程と、を備え、前記省インフラポイント付与部が、前記カテゴリ毎のグループの各々に設定された省インフラポイントの原資内で、前記差分変化率の順位に対応した当該省インフラポイントを、前記グループにおける全ての需要家に付与することを含む。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、需要家間のインフラ消費量が同一でなくとも、需要家間で公平に省インフラ消費量に対応した省インフラポイントを付与するポイント付与システム、ポイント付与方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態によるポイント付与システムの構成例を示すブロック図である。
図2】グループデータベース107に記憶されているグループテーブルの構成例を示す図である。
図3】グループデータベース107に記憶されている需要家テーブルの構成例を示す図である。
図4】インフラ消費量データベース108に記憶されているインフラ消費量テーブルの構成例を示す図である。
図5】ポイント付与システムの表示部に表示される、ポイント付与のキャンペーン期間を設定する設定画面の一例を示す図である。
図6】グループデータベース107におけるキャンペーン設定情報テーブルの構成例を示す図である。
図7】変化率データベース109における消費量変化率テーブルの構成例を示す図である。
図8】変化率データベース109における平均変化率テーブルの構成例を示す図である。
図9】差分変化率データベース110における差分変化率テーブルの構成例を示す図である。
図10】省インフラポイント付与部106が行う付与ポイントを算出する処理を説明する図である。
図11】付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルの構成例を示す図である。
図12】第1の実施形態によるポイント付与システム100が行なう需要家に付与する付与ポイント算出処理の動作例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第3の実施形態によるポイント付与システムの構成例を示すブロック図である。
図14】本発明の第4の実施形態によるポイント付与システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるポイント付与システムの構成例を示すブロック図である。図1において、ポイント付与システム100は、データ入力部101、評価期間設定部102、インフラ消費量変化率算出部103、平均変化率算出部104、差分変化率算出部105、省インフラポイント付与部106、グループデータベース107、インフラ消費量データベース108、変化率データベース109、差分変化率データベース110及び付与ポイントデータベース111の各々を備えている。第1の実施形態においては、インフラとしてエネルギーである電力量を例として説明するが、ガス、灯油及び水道などのインフラに対しても同様に適用できる。
【0021】
データ入力部101は、図示しない外部装置あるいは入力手段から入力される、省インフラポイント付与のキャンペーン(達成した省インフラ消費量の程度に応じたポイントを付与し、需要家の各々における省インフラの実行を促すキャンペーン)に参加した需要家の各々を、属性情報のカテゴリにより分けたグループそれぞれのデータを示すグループテーブル及び、各グループにおける需要家の各々の情報を示す需要家テーブルをグループデータベース107に対して書き込んで記憶させる。
また、データ入力部101は、図示しない外部装置あるいは入力手段から入力される、需要家各々の所定の測定周期毎のインフラ消費量(エネルギー消費量)を読み込み、インフラ消費量データベース108のインフラ消費量テーブルに対して書き込んで記憶させる。
上記外部装置あるいは入力手段としては、スマートメーター、HEMS(Home Energy Management System)などの電力センサーや、あるいは検針表・請求書の写真データなどが挙げられる。
【0022】
図2は、グループデータベース107に記憶されているグループテーブルの構成例を示す図である。グループテーブルは、グループ識別情報に対応したレコードに、世帯数と属性情報とを示す欄が設けられている。グループ識別情報は、世帯の構成に基づくカテゴリに分割したグループの各々を識別する識別情報である。世帯数は、グループ識別情報の各々が示すグループそれぞれの世帯数(需要家数)を示している。属性情報は、世帯構成のカテゴリが示されている。
【0023】
図3は、グループデータベース107に記憶されている需要家テーブルの構成例を示す図である。需要家テーブルは、グループ毎に別々に設けられており、需要家識別情報に対応したレコードに、需要家名称と、需要家住所と、家族構成とを示す欄が設けられている。需要家識別情報は、需要家の各々を識別する識別情報である。需要家名称は、需要家の名前を示している。需要家住所は、需要家の住所を示している(電話番号を含んでいても良い)。家族構成は、需要家の世帯の家族の構成を示している。
【0024】
図4は、インフラ消費量データベース108に記憶されているインフラ消費量テーブルの構成例を示す図である。インフラ消費量テーブルは、需要家識別情報に対応したレコードに、測定周期毎のインフラ消費量としての電力情報(電力消費量)の欄が設けられている。この電力情報の欄には、測定周期(後述する評価周期とは異なる)毎の電力消費量が記載されている。測定周期は、インフラ消費量のサンプリング周期であり、例えばインフラ消費量が電力消費量の場合に1時間の周期で設定されており、それぞれの周期の日時を識別するためのタイムスタンプが付されている。
【0025】
図1に戻り、評価期間設定部102は、省インフラポイント付与のキャンペーンの期間を設定するためのカレンダーを含む設定画面を、図示しない表示部に表示させる。この設定画面において入力された情報は、キャンペーン設定情報とされる。
図5は、ポイント付与システムの表示部の表示画面に表示される、ポイント付与のキャンペーン期間を設定する設定画面の一例を示す図である。この図5において、X(1≦X≦12)月のカレンダーの画像であるカレンダー画像501が評価期間設定部102により、表示部の表示画面に表示される。
【0026】
ボタン502は、カレンダーの月を一ヶ月単位で前に戻すボタンである。キャンペーン期間設定者がマウスでボタン502をクリックすることにより、評価期間設定部102は、カレンダーの月が一ヶ月前に戻されたカレンダー画像501を表示部の表示画面に表示する。
ボタン503は、カレンダーの月を一ヶ月単位で進めるボタンである。担当者がマウスでボタン503をクリックすることにより、評価期間設定部102は、カレンダーの月が一ヶ月後に進んだカレンダー画像501を表示部の表示画面に表示する。
【0027】
また、表示部の表示画面に「開始日を設定して下さい」との表示がなれされている際、担当者がマウスでカレンダー画像501の日付をクリックすることにより、評価期間設定部102は、クリックされた日を、省インフラポイント付与のキャンペーン期間の開始日として設定する。そして、評価期間設定部102は、表示部の表示画面における開始日の欄504に、担当者の設定した日を表示する。
【0028】
また、表示部に「終了日を設定して下さい」との表示がなれされている際、担当者がマウスで表示部の表示画面におけるカレンダー画像501の日付をクリックする。このクリックの操作により、評価期間設定部102は、クリックされた日を、省インフラポイント付与のキャンペーン期間の終了日として設定する。そして、評価期間設定部102は、表示部の表示画面における終了日の欄505に、担当者が設定した日を表示する。開始日と終了日とで設定される期間が、省インフラポイント付与のキャンペーンの期間であるポイント付与期間となる。
【0029】
また、担当者は、表示部における評価周期の欄506に対し、評価に用いるインフラ消費量(電力消費量)を求める周期(使用された電力消費量を集計する周期)を入力する。このとき、担当者は、例えば、一週間、一ヶ月を示すデータを評価周期として、入力手段により欄506に対して入力する。
【0030】
また、担当者は、表示部における評価曜日の欄507に対し、評価の計算に用いるインフラ消費量(すなわち、エネルギー消費量としての電力消費量)として利用する曜日を示すデータを入力する。例えば、評価曜日として全曜日を示すデータが入力されると、評価周期における月曜日から日曜日までの全ての曜日のそれぞれの電力消費量の各々が上記評価周期の電力消費量として用いられる。月曜日と水曜日とが入力されると、評価周期における月曜日及び水曜日の電力消費量の各々が上記評価周期の電力消費量として用いられる。
【0031】
また、担当者は、表示部に表示された表示画面における評価時間の欄508に対し、評価に用いる電力消費量として利用する時間帯を入力する。例えば、評価時間として全日(0時~24時)を示すデータが入力されると、評価期間における各評価曜日の0時~24時までの24時間の電力消費量が上記評価周期の電力消費量として用いられる。一方、評価時間として11時から16時までの5時間が入力されると、評価期間における各評価曜日の11時から16時までの5時間における電力消費量が上記評価周期の電力消費量として用いられる。
【0032】
例えば、評価周期が一ヶ月であり、評価曜日が月曜日と水曜日であり、評価時間が11時から16時までの5時間である場合、インフラ消費量変化率算出部103は、一ヶ月内の全ての月曜日及び水曜日の各々における11時から16時までの5時間の電力消費量を、インフラ消費量データベース108のインフラ消費量テーブルから各々読み出し、読み出した電力消費量を合計した総計電力消費量を、評価周期における電力消費量である評価周期電力消費量として求める。
【0033】
また、担当者は、表示部に表示された表示画面における基準周期の欄509に対し、評価周期の評価周期電力消費量を評価する基準の基準周期電力消費量として利用する電力消費量を抽出する周期である基準周期を入力する。例えば、担当者が5月から8月までを省インフラポイント付与のキャンペーン期間とし、評価周期を一ヶ月単位として設定した場合、インフラ消費量変化率算出部103は、省インフラポイント付与のキャンペーンの開始される前の月である4月の一ヶ月間が基準周期として設定される。これにより、インフラ消費量変化率算出部103は、4月における上記評価曜日及び評価時間の電力消費量を加算し、求めた総計電力消費量を基準周期電力消費量とする。なお、基準周期と評価周期との期間は、必ずしも一致させる必要はない。
【0034】
そして、評価期間設定部102は、図5に示す設定画面において設定されたキャンペーン設定情報を、グループデータベース107におけるキャンペーン設定情報テーブルに対して書き込んで記憶させる。図6は、グループデータベース107におけるキャンペーン設定情報テーブルの構成例を示す図である。このキャンペーン設定情報テーブルは、グループ識別情報に対応したレコードに、このグループ識別情報の示すグループに対するキャンペーン設定情報として、キャンペーン開始日、キャンペーン終了日、評価周期設定、対象曜日及び対象時間の各々の欄が設けられている。
【0035】
キャンペーン開始日は、対応するグループに設定された省インフラポイント付与が設定されるキャンペーン期間が開始される日である。キャンペーン終了日は、対応するグループに設定された省インフラポイント付与が設定されるキャンペーン期間の終了する日である。評価周期設定は、対応するグループに設定された省インフラポイントを付与するインフラ消費量(電力消費量)を集計して評価ための周期である。対象曜日は、評価周期に含まれる曜日のいずれあるは組合わせまたは全ての曜日のそれぞれのインフラ消費量を集計するかが設定されている。対象時間は、評価対象期間における対象曜日のいずれの時間帯のインフラ消費量を集計するかが設定されている。
【0036】
図1に戻り、インフラ消費量変化率算出部103は、評価周期毎の評価周期電力消費量(分子)の各々を、基準周期電力消費量(分母)により除算し、基準周期電力消費量に対する評価周期それぞれの消費量変化率を算出する。そして、インフラ消費量変化率算出部103は、算出した消費量変化率を変化率データベース109における消費量変化率テーブルに書き込んで記憶させる。
【0037】
図7は、変化率データベース109における消費量変化率テーブルの構成例を示す図である。この図7において、消費量変化率テーブルは、需要家識別情報に対応したレコードに、評価周期毎の消費量変化率の欄が設けられている。消費量変化率の欄には、分子となった評価周期電力消費量に対応する評価周期の各々の日時を示すタイムスタンプが付されている。
【0038】
図1に戻り、平均変化率算出部104は、変化率データベース109における消費量変化率テーブルを参照し、カテゴリにより分類されたグループ単位で、評価周期毎にグループに属する需要家の消費量変化率を平均し、評価周期それぞれの需要家全体の消費量変化率の平均値である平均変化率を求める(算出する)。そして、平均変化率算出部104は、算出した平均変化率の各々を、変化率データベース109におけるそれぞれのグループに対応する平均変化率テーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0039】
図8は、変化率データベース109における平均変化率テーブルの構成例を示す図である。この図8において、平均変化率テーブルは、カテゴリで分類されたグループ毎に作成されている。平均変化率テーブルは、レコードにおいて、評価周期毎の平均変化率の欄が設けられている。平均変化率の欄には、平均値である平均変化率の算出に用いた消費量変化率に対応した評価周期の各々の日時を示すタイムスタンプが付されている。
【0040】
図1に戻り、差分変化率算出部105は、変化率データベース109における消費量変化率テーブルと、平均変化率テーブルとの各々を参照し、評価周期毎において、需要家各々の平均変化率から消費量変化率を減算し、平均変化率と消費量変化率との差分である差分変化率を需要家毎に求める(算出する)。そして、差分変化率算出部105は、算出した差分変化率を、差分変化率データベース110における差分変化率テーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0041】
図9は、差分変化率データベース110における差分変化率テーブルの構成例を示す図である。この図9において、差分変化率テーブルは、カテゴリで分類されたグループ毎に作成されている。差分変化率テーブルは、需要家識別情報毎のレコードの各々において、評価周期毎の差分変化率の欄が設けられている。差分変化率の欄には、差分変化率の算出に用いた消費量変化率に対応した評価周期の各々の日時を示すタイムスタンプが付されている。
【0042】
図1に戻り、省インフラポイント付与部106は、差分変化率データベース110における差分変化率テーブルを参照し、以下の(1)式に基づき、評価周期毎に、各需要家に対して付与する省インフラポイントの算出を行う。
PEC(省インフラポイント)=MAX(差分変化率,0)×α+β …(1)
関数MAXは、差分変化率と「0」とを比較し、数値の大きい方を結果として出力する関数である。差分変化率は、平均変化率から消費量変化率を除算した結果であるため、消費量変化率が平均変化率より大きい場合、減算結果として負(-)となる。ここで、関数MAXを用いているが、関数あるいは数式またはプログラムによる条件分岐のIF文(イフぶん)などで、差分変化率が負の場合に「0」を出力する構成であれば、いずれを用いても良い。
【0043】
この差分変化率が負となる場合は、この差分変化率となった需要家が、自身が属するグループにおける需要家のなかで、他の需要家に比較して省インフラ消費量の努力が低いことが原因である。しかしながら、平均変化率が負となった需要家から、省インフラポイントを徴収することは、この需要家のキャンペーンからの離脱の原因となるため、本実施形態においては関数MAXを用いて差分変化率が負の場合には「0」とする。
【0044】
(1)式において、係数αは、省インフラポイントを付与する事業者が任意に設定する、関数MAXの出力値に対して乗算する係数である。
また、定数βは、省インフラポイントを付与する事業者が任意に設定する、関数MAXと係数αとの乗算結果に加算する定数である。例えば、定数βは、省インフラポイント付与のキャンペーンに参加した需要家に対し、参加ポイント(参加賞)として与える省インフラポイントとして設定される。
【0045】
すなわち、需要家がせっかくキャンペーンに参加して、その需要家なりに目的とした省インフラ消費量を達成できるように頑張ったつもりであっても、世帯の都合によって、結果として「0」ポイントであると、「0」ポイントとなった需要家が、次の省インフラポイント付与のキャンペーンに参加しなくなる虞がある。このため、省インフラの結果が「0」ポイントであっても、次の省インフラポイント付与のキャンペーンに参加させることを目的として上記参加ポイントを付与することで、需要家が次の省インフラポイント付与のキャンペーンにも参加する意欲を与える。
【0046】
そして、省インフラポイント付与部106は、(1)式により算出した省インフラポイントPECを、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルに対して書き込んで記憶させる。
図10は、省インフラポイント付与部106が行う付与ポイント(省インフラポイントと称する場合もある)を算出する処理を説明する図である。図10において、縦軸がインフラ消費量(電力消費量)の消費量変化率(%)を示し、横軸が評価周期を示している。需要家の各々の基準周期におけるインフラ消費量により、それぞれの需要家の基準周期と、キャンペーン期間における評価周期#1から評価周期#nのインフラ消費量を除算した結果として、各需要家の消費量変化率(変化率)が求められる。また、グループ内における全ての需要家の各々の(キャンペーンに参加していることが前提)消費量変化率の平均値が平均変化率である。
【0047】
そして、差分変化率算出部105は、上述したように、評価周期毎に平均変化率から、需要家の各々の消費量変化率を減算し、それぞれの需要家の差分変化率を算出する。
差分変化率算出部105は、評価周期#1における差分変化率を、115%(平均変化率)-110%(消費量変化率)=5%(差分変化率)として算出する。
ここで、省インフラポイント付与部106は、(1)式において、α=1、β=0として、付与ポイントを算出すると、このモニターの需要家の付与ポイントを5ポイントと算出する。
【0048】
また、差分変化率算出部105は、評価周期#2における差分変化率を、130%(平均変化率)-140%(消費量変化率)=-10%(差分変化率)として算出する。しかしながら、省インフラポイント付与部106は、(1)式において、-10%でなく、0%が関数MAXにより求められるため、付与ポイントを0ポイントとして算出する。
同様に、差分変化率算出部105は、評価周期#nにおける差分変化率を、140%(平均変化率)-120%(消費量変化率)=20%(差分変化率)として算出する。
ここで、省インフラポイント付与部106は、(1)式において、α=1、β=0として、付与ポイントを算出すると、このモニターの需要家の付与ポイントを20ポイントと算出する。
【0049】
図11は、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルの構成例を示す図である。この図11において、付与ポイントテーブルは、カテゴリで分類されたグループ毎に作成されている。付与ポイントテーブルは、需要家識別情報毎のレコードの各々において、評価周期毎の付与ポイント、付与ポイント総計及びランキングの各々の欄が設けられている。付与ポイントの欄には、付与ポイントの算出に用いた差分変化率に対応した評価周期の各々の日時を示すタイムスタンプが付されている。付与ポイント総計は、省インフラポイント付与のキャンペーン期間中におけるそれぞれの評価周期における付与ポイントを加算した数値である。ランキングは、カテゴリで分類したグループ内において、付与ポイント総計が大きい方からの順番(ランク)を示している。
また、省インフラポイント付与部106は、評価周期毎にランキングを求める構成としても良い。
【0050】
また、省インフラポイント付与のキャンペーンの原資が予め設定されている場合、この原資をカテゴリで分類したグループの各々に、例えばグループ間の需要家数に対応した比率により原資を分割し、分割した原資を各グループの各々における付与ポイントのグループ原資として用いる。
また、付与ポイントを全ての需要家の各々に付与するとしたが、上述した原資を超えないようにするため、各グループにおいて付与ポイントを付与する需要家を下記の処理により抽出する構成としても良い。
【0051】
省インフラポイント付与部106は、グループ毎に、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルを参照し、グループ内における需要家のランキングにおいて、上位の需要家の付与ポイント総計を加算していき、このグループの最上位の需要家からグループ原資を超えるランキングの直前のランキングの需要家までを抽出する。そして、省インフラポイント付与部106は、抽出した需要家の各々を、それぞれの需要家の付与ポイント総計を付与ポイントとして付与する対象の需要家とする(後述するフローチャートに対応)。
【0052】
また、評価周期毎に付与ポイントの付与を行う場合、省インフラポイント付与部106は、上記グループ原資を評価周期の個数で除算し、評価周期グループ原資を求める。そして、省インフラポイント付与部106は、評価周期単位で、上位の需要家の付与ポイント総計を加算していき、このグループの最上位の需要家から評価周期グループ原資を超えるランキングの直前のランキングの需要家までを、その評価周期においてポイントを付与する需要家として抽出する構成としても良い。
【0053】
また、省インフラポイント付与部106は、グループ内における全ての需要家の各々の付与ポイント総計を加算した数値が、このグループのグループ原資を下回るまで、(1)式における係数αと定数βとを変化させて付与ポイントの数値を補正する構成としても良い。この構成の場合、グループ内の全ての需要家の各々に対して付与ポイントを付与することが可能となり、グループ内における需要家間の公平感を向上させて満足させることができる。
上述した構成により、付与ポイントを付与する事業者は、付与するポイントの原資を予め設定した範囲内に抑えることが可能となる。
【0054】
図12は、本実施形態によるポイント付与システム100が行なう需要家に付与する付与ポイント算出処理の動作例を示すフローチャートである。以下に説明するフローチャートは、省インフラポイント付与のキャンペーン期間における付与ポイント総計として付与する省インフラポイントを求めた場合の動作例を示している。以下のフローチャートにおいては、すでにグループの各々に対するキャンペーン設定情報が設定されているとして説明を行う。
【0055】
ステップS1:
データ入力部101は、グループデータベース107のグループテーブルを参照し、省インフラポイント付与のキャンペーンに参加を申請した需要家の各々をカテゴリ別のグループに分類する。
そして、データ入力部101は、グループ毎に需要家テーブルを作成し、グループデータベース107に対して書き込んで記憶させる。
【0056】
ステップS2:
インフラ消費量変化率算出部103は、インフラ消費量データベース108におけるインフラ消費量テーブル及びグループデータベース107におけるキャンペーン設定情報テーブルを参照し、所定のグループに含まれる需要家毎の評価周期の各々におけるインフラ消費量を、設定された曜日及び時間帯において加算し、需要家毎の評価周期それぞれにおける評価周期インフラ消費量(評価周期電力消費量)を求める。また、インフラ消費量変化率算出部103は、インフラ消費量データベース108におけるインフラ消費量テーブルを参照し、各需要家のキャンペーン期間の直前の評価周期における評価周期インフラ消費量を基準周期インフラ消費量として算出する。
【0057】
ステップS3:
そして、インフラ消費量変化率算出部103は、需要家毎に、評価周期の各々の評価消費インフラ消費量を、基準周期インフラ消費量により除算し、需要家毎の消費量変化率を算出する。また、インフラ消費量変化率算出部103は、算出した需要家毎の消費量変化率を、変化率データベース109における消費量変化率テーブルに書き込んで記憶させる。
【0058】
ステップS4:
平均変化率算出部104は、変化率データベース109における消費量変化率テーブルを参照し、評価周期毎における全ての需要家の各々の消費量変化率を平均化した平均変化率を算出する。そして、平均変化率算出部104は、算出した各評価周期における平均変化率を、変化率データベース109の平均変化率テーブルにおける対応する評価周期に対して書き込んで記憶させる。
【0059】
ステップS5:
差分変化率算出部105は、変化率データベース109における消費量変化率テーブル及び平均変化率テーブルを参照し、評価周期毎において、需要家各々の消費量変化率から平均変化率を減算し、評価周期毎の需要家それぞれの差分変化率を算出する。そして、差分変化率算出部105は、算出した評価周期毎の需要家それぞれの差分変化率を、需要家各々に対応させて、差分変化率データベース110における差分変化率テーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0060】
ステップS6:
省インフラポイント付与部106は、差分変化率データベース110における差分変化率テーブルを参照し、すでに説明した(1)式に基づき、評価周期毎における需要家各々に付与する省インフラポイントを算出する。そして、差分変化率算出部105は、算出した評価周期毎における需要家各々に付与する省インフラポイントを、需要家それぞれに対応させて、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0061】
ステップS7:
省インフラポイント付与部106は、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルを参照して、需要家毎に各評価周期における付与ポイントを加算し、加算結果として付与ポイント総計を求める。そして、省インフラポイント付与部106は、算出した付与ポイント総計を、需要家それぞれに対応させて、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0062】
ステップS8:
省インフラポイント付与部106は、付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルを参照して、グループにおける需要家各々の付与ポイント総計を比較し、付与ポイント総計が大きい順番にランク付けを行う。そして、省インフラポイント付与部106は、求めた各需要家のランキングを付与ポイントデータベース111における付与ポイントテーブルに書き込んで記憶させる。
【0063】
ステップS9:
省インフラポイント付与部106は、グループデータベース107のキャンペーン設定テーブルを参照し、このキャンペーン設定テーブルにおける全てのグループの各々に対する付与ポイントを求める処理が終了したか否かの判定を行う。このとき、省インフラポイント付与部106は、キャンペーン設定テーブルにおける全てのグループの各々に属する需要家それぞれ対する付与ポイントを求める処理が終了した場合、ポイント付与の処理を終了する。一方、省インフラポイント付与部106は、キャンペーン設定テーブルにおける全てのグループの各々に属する需要家それぞれに対する付与ポイントを求める処理が終了していない場合、処理をステップS2へ戻し、キャンペーン設定テーブルにおける残りのグループに対するポイント付与の処理を行う。
【0064】
上述したように、本実施形態によれば、評価周期毎に、この評価周期において需要家がインフラ消費量である評価周期インフラ消費量を、それぞれの需要家の基準周期インフラ消費量で除算した消費量変化率に基づき、付与ポイントを算出するため、需要家間のインフラ消費量が同一でなくとも、需要家の各々における省インフラ量を消費量変化率に変換した後、省インフラ消費量の評価を行っているため、それぞれの需要家の省インフラの努力を適切に数値化することが可能となり、需要家間で公平に省インフラ消費量に対応した省インフラポイントを付与することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、世帯構成に対応したカテゴリ毎に需要家のグループを形成しているため、インフラ消費量の傾向が同様な、すなわち曜日やその時間帯におけるインフラ消費量の増減のパターンが同様となるグループが形成でき、需要家間で公平に省インフラ消費量に対応した省インフラポイントを付与することができる。
また、本実施形態によれば、グループ毎に需要家の付与ポイントに対するランキングを行っているため、グループの各々に対する付与する省インフラポイントにおける原資が決定している場合、ランキングのいずれまでに省インフラポイントを付与するかにより、原資内においてキャンペーンを実施することが可能である。
【0066】
また、本実施形態においては、キャンペーン期間の全評価周期における付与ポイントの合計である付与ポイント総計により、需要家のランキングを行ったが、評価周期毎における付与ポイントを用いて、評価周期の各々での付与ポイントの大きさのランキングを行う構成としても良い。
【0067】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。第2の実施形態の構成は、図1に示す第1の実施形態のポイント付与システムの構成と同様である。以下、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる動作のみについて説明する。第2の実施形態においては、電力消費量のみでなくガス消費量を複合して、エネルギー消費量(すなわち、インフラ消費量)とし、付与ポイントの算出を行う。
【0068】
そのため、インフラ消費量変化率算出部103は、以下の(2)式を用いて、電力消費量(kW・h(キロワット時))とガス消費量(m)とを、その消費量の電力及びガスの各々が生成する熱量(MJ:メガジュール)に変換する。
すなわち、
エネルギー消費量=a・電力消費量/{(1/3.6)×10-6
+b・ガス消費量・45×10 …(2)
【0069】
上記(2)式により、電力消費量とガス消費量との各々を熱量に換算し、加算した結果をインフラ消費量であるエネルギー消費量とする。第1項が電力消費量(kW・h)を熱量に変換し、第2項がガス消費量(m)を熱量に換算している。ただし、ガスは、種類が都市ガスの「A13」であり、摂氏0度、圧力101.325キロパスカルの標準状態における熱量への換算となる。
また、(2)式における係数a及び係数bは、ポイント付与の計算に用いる際、エネルギー消費量における電力消費量とガス消費量とのいずれを大きく反映させるかの重み付けの係数であり、任意に変更することができ、それぞれ「1」がデフォルトの数値となっている。
【0070】
上述のように、(2)式により求めたエネルギー消費量をインフラ消費量として用いて、第1の実施形態で述べた消費量変化率を算出し、平均変化率を求め、差分変化率を求め、付与ポイントを計算する処理の各々を行い、評価周期毎の付与ポイントを算出する。 本実施形態によれば、インフラとして供給される量の単位が異なる電力消費量とガス消費量との各々を、それぞれ熱量という同一の単位に変換した後、この熱量をインフラ消費量として省インフラ消費量を評価するため、電力消費量とガス消費量との省エネルギー消費量を同一に評価することができ、複数のインフラに対応させて付与ポイントを算出することができる。
【0071】
また、評価期間毎において、電力消費量及びガス消費量の各々の消費量変化率を求め、それぞれに対して重み付け係数を乗じ、各乗算結果を加算してインフラ消費量の消費量変化率とする構成としても良い。そして、電力消費量及びガス消費量の各々を含むインフラ消費量の消費量変化率に基づき、すでに第1の実施形態において説明したように平均変化率を求め、得られる差分変化率により、省インフラポイントを(1)式により算出する構成としても良い。これにより、電力及びガスの各々のエネルギーの省インフラ消費量(省エネ消費量)に対応して、省インフラポイントを算出することができる。
【0072】
また、評価期間毎において、電力消費量、ガス消費量及び水道消費量の各々の消費量変化率を求め、それぞれに対して重み付け係数を乗じ、各乗算結果を加算してインフラ消費量の消費量変化率とする構成としても良い。そして、電力消費量、ガス消費量、灯油消費量及び水道消費量の全てを含むインフラ消費量の消費量変化率に基づき、すでに第1の実施形態において説明したように平均変化率を求め、得られる差分変化率により、省インフラポイントを(1)式により算出する構成としても良い。これにより、電力、ガス及び水道の全てのインフラの省インフラ消費量に対応して、省インフラポイントを算出することができる。
【0073】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態によるポイント付与システムの構成例を示すブロック図である。図13において、ポイント付与システム100Aは、データ入力部101、評価期間設定部102、インフラ消費量変化率算出部103、平均変化率算出部104、差分変化率算出部105、省インフラポイント付与部106、グループデータベース107、インフラ消費量データベース108、変化率データベース109、差分変化率データベース110、付与ポイントデータベース111及びサブグループ生成部112の各々を備えている。図13における構成において、図1の第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
また、第3の実施形態においては、インフラとしてエネルギーである電力量を例として説明するが、ガス及び水道などのインフラに対しても同様に適用できる。
【0074】
第3の実施形態におけるポイント付与システム100Aが第1の実施形態のポイント付与システム100と異なる点は、サブグループ生成部112が設けられていることである。以下、ポイント付与システム100Aにおけるサブグループ生成部112の動作について説明する。
【0075】
サブグループ生成部112は、AIにおける機械学習における教師無しの学習として、各カテゴリのグループに属する需要家のクラスター分析(クラスタリング)を行う。すなわち、サブグループ生成部112は、需要家の各々の世帯の人数、年齢、曜日ごとのインフラ消費量、時間毎のインフラ消費量、省インフラ消費量の変化傾向などを特徴量とした複数次元におけるクラスター分析により、グループに属する需要家の分類を行う。そして、サブグループ生成部112は、グループに属する需要家の各々が分類されたグループを、新たにサブグループとする。
また、サブグループ生成部112は、新らしく顧客になった需要家の各々を、カテゴリのグループにおけるクラスター分析により、サブグループそれぞれに振り分ける。
【0076】
そして、データ入力部101は、上記サブグループ毎に需要家サブテーブルを作成し、グループデータベース107に対して書き込んで記憶させる。
その後、データ入力部101、評価期間設定部102、インフラ消費量変化率算出部103、平均変化率算出部104、差分変化率算出部105及び省インフラポイント付与部106の各々は、第1の実施形態または第2の実施形態におけるグループをサブグループに換え、それぞれのサブグループに属する需要家それぞれに対する付与ポイントの算出を行う。
【0077】
上述した構成により、本実施形態によれば、各カテゴリのグループ毎に、そのグループにおいてよりインフラの消費特性が近い需要家からなるサブグループを生成し、サブグループ毎に、サブグループに属する需要家の各々に対する省インフラポイント付与のキャンペーンにおける付与ポイントを算出するため、第1の実施形態及び第2の実施形態に比較して、より需要家間の付与ポイントに対する公平感を向上させて満足させることが可能となる。
【0078】
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態によるポイント付与システムの構成例を示すブロック図である。図14において、ポイント付与システム100Bは、データ入力部101、評価期間設定部102、インフラ消費量変化率算出部103、平均変化率算出部104、差分変化率算出部105、省インフラポイント付与部106、グループデータベース107、インフラ消費量データベース108、変化率データベース109、差分変化率データベース110、付与ポイントデータベース111及び離脱率推定モデル生成部113の各々を備えている。図14における構成において、図1の第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。
また、第3の実施形態においては、インフラとしてエネルギーである電力量を例として説明するが、ガス、灯油及び水道などのインフラに対しても同様に適用できる。
【0079】
第4の実施形態におけるポイント付与システム100Bが第1の実施形態のポイント付与システム100と異なる点は、離脱率推定モデル生成部113が設けられていることである。以下、ポイント付与システム100Bにおける離脱率推定モデル生成部113の動作について説明する。
【0080】
離脱率推定モデル生成部113は、AIにおける機械学習における教師有りの学習として、各カテゴリのグループに属する需要家において、省インフラポイント付与のキャンペーンを離脱した需要家、及びポイント付与のキャンペーンを離脱しない需要家の各々の特徴ベクトルを入力とし、離脱率を出力とする離脱率推定モデルを生成する。離脱率推定モデルとしては、ニューラルネットワーク(パーセプトロン)、ロジスティック回帰、サポートベクターマシンなどの教師有りの機械学習手段のいずれを用いてもよい。
【0081】
また、離脱推定モデルに対して入力する特徴ベクトルとしては、需要家の各々の世帯の人数、年齢、曜日ごとのインフラ消費量、時間毎のインフラ消費量、省インフラ消費量の変化傾向、キャンペーンを離脱するまでの期間などに加え、事前に各需要家(例えば、需要家の世帯の世帯主)に対して行ったアンケート調査の結果に基づく特徴量により形成された複数次元のベクトルである。
離脱率推定モデル生成部113は、離脱率推定モデルに対して、省インフラポイント付与のキャンペーンを離脱した需要家の特徴ベクトルを入力した場合に出力が「1」に近づくように(「1」となるように)、また離脱率推定モデルに対して、省インフラポイント付与のキャンペーンを離脱しない需要家の特徴ベクトルを入力した場合に出力が「0」に近づくように(「0」となるように)、離脱率推定モデルをグループ毎に生成する学習の処理を行う。
【0082】
また、離脱率推定モデル生成部113は、新たに省インフラポイント付与のキャンペーンに参加する需要家の特徴ベクトルを、この需要家の属するグループに対応した離脱率推定モデルに対して入力し、この離脱率推定モデルの出力を、需要家の推定される離脱率とする。
そして、省インフラポイント付与部106は、需要家の推定された離脱率に基づき、(1)式における係数αあるいは定数βの数値を調整し、この需要家に対する付与ポイントの算出を行う。ここで、省インフラポイント付与部106は、例えば、予め設定された比率により、離脱率が高くなる(大きくなる)に従い、係数αあるいは定数βの数値を大きくし、省インフラポイントが多くなるように調整する。
【0083】
上述した構成により、本実施形態によれば、需要家の省インフラポイント付与のキャンペーンからの離脱率に対応して、需要家に付与する省インフラポイントを求めることが可能となり、離脱率が高い需要家に対してより多いインフラポイントを供給し、省インフラ量に対応して省インフラポイントを付与するキャンペーンに参加した需要家の省インフラに対する意欲を向上させ、キャンペーンからの離脱を抑制させて、グループ内における需要家の省インフラの効果を向上させることができる。
【0084】
なお、本発明における図1のポイント付与システム100と、図13のポイント付与システム100A、及び図14のポイント付与システム100Bとの各々の機能を実現するためのそれぞれプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することにより、省インフラ消費量に対応した省インフラポイントを算出する処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web)システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0085】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0086】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
100,100A,100B…ポイント付与システム
101…データ入力部
102…評価期間設定部
103…インフラ消費量変化率算出部
104…平均変化率算出部
105…差分変化率算出部
106…省インフラポイント付与部
107…グループデータベース
108…インフラ消費量データベース
109…変化率データベース
110…差分変化率データベース
111…付与ポイントデータベース
112…サブグループ生成部
113…離脱率推定モデル生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図14