(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】在庫管理方法、プログラム及び在庫管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221220BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20221220BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221220BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G05B19/418 Z
G06Q30/06 320
(21)【出願番号】P 2021171235
(22)【出願日】2021-10-19
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】上原 敬
(72)【発明者】
【氏名】丸 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】石附 洋徳
(72)【発明者】
【氏名】美馬 千里
(72)【発明者】
【氏名】大熊 眞次郎
(72)【発明者】
【氏名】会田 孝之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 暢
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-244470(JP,A)
【文献】特開2005-190041(JP,A)
【文献】特開2008-15873(JP,A)
【文献】特表2015-528946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要及び優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、
複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
在庫管理方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、
複数の前記対象物のそれぞれの需要又は需要及び優先度の情報を取得する、
請求項1に記載の在庫管理方法。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記コンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて前記対象物が有する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整し、
前記調整により前記割り当てられた前記部品の数量から、複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
請求項1又は2の在庫管理方法。
【請求項4】
前記需要には、前記対象物に対する注文数が含まれ、
前記コンピュータは、
前記注文数と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物が有する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項5】
前記需要には、前記対象物に対するユーザの行動履歴が含まれ、
前記行動履歴には、前記対象物が有する前記コンポーネントの前記ユーザの閲覧または選択が含まれ、
前記コンピュータは、
前記閲覧の回数若しくは時間又は前記選択の回数の少なくとも何れかと前記部品在庫数とに基づいて前記対象物が有する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項6】
前記優先度の情報には、前記対象物が限定モデルか否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記限定モデルを構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記限定モデル以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より多くするよう調整する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項7】
前記優先度の情報には、前記対象物がプロモーション公開日に公開される公開製品であるか否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記プロモーション公開日以降の所定の期間において、前記公開製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を前記公開製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より多くなるよう調整する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項8】
前記優先度の情報には、前記対象物が刻印サービス対応可能な刻印可能製品であるか否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記刻印可能製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記刻印可能製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より、所定の期間において多くなるよう調整する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項9】
前記優先度の情報には、前記対象物が過去のある販売期間における売上上位のベストセラー製品であるか否かの情報が含まれ、
前記ベストセラー製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記ベストセラー製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より、所定の期間において多くなるよう調整する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項10】
前記優先度の情報には、前記対象物が新製品か否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記新製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記新製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より多くするよう調整する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項11】
前記コンピュータは、
前記部品の数量の調整を、前記優先度の情報を用いずに行う需要モードと、前記優先度の情報も用いて行う優先度モードのどちらのモードで行うか決定し、
前記需要モードに決定したら、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整し、
前記優先度モードに決定したら、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記優先度と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項12】
前記優先度の情報には、優先度を使用すべき時期である優先度使用時期が含まれ、
前記コンピュータは、
前記優先度の情報に含まれる前記優先度使用時期を含む優先度使用期間に入った前記対象物があるか否かを判定し、
前記優先度使用期間に入った前記対象物があると判定した場合に、前記部品の数量の調整を、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記優先度と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する優先度モードで行い、
前記優先度使用期間に入った前記対象物がないと判定した場合に、前記部品の数量の調整を、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する需要モードで行う、
請求項1から11のいずれか1項に記載の在庫管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要及び優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項14】
制御部を備える在庫管理装置であって、
前記制御部は、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要又は優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
在庫管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理方法、プログラム及び在庫管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の製造によって効率的に利益を上げるためには、需要変動に柔軟に対応する必要がある。そして、そのためには、生産計画の立案サイクルを短縮し、かつその精度を上げる必要がある。このような要求に応えるために、例えば、特許文献1には、販売側からの要求や需要予測値通りの生産の可否だけでなく、いつなら何台供給可能であるのか算出する生産計画立案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている生産計画立案システムは、製品の生産要求情報と部品表情報と各部品の在庫及び入庫予定に関する情報に基づいて生産計画を立案する。しかし、この生産計画で数量等が考慮されている資材は各部品であり、複数の部品を有するコンポーネントについては考慮されていないため、コンポーネントの在庫切れが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の部品を有するコンポーネントを含む製品の需要又は需要及び優先度に基づいて、コンポーネントの在庫切れをできるだけ防ぐことができる在庫管理方法、プログラム及び在庫管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る在庫管理方法の一態様は、
コンピュータが、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要及び優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、
複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の部品を有するコンポーネントを含む対象物の需要又は需要及び優先度に基づいて、コンポーネントの在庫切れをできるだけ防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る製品カスタマイズシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る腕時計のコンポーネントの一例を示す図である。
【
図3】実施の形態に係るECサイト装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態に係るECサイトにおけるカスタマイズ可能な製品のインターネットショッピング用の画面の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態に係るECサイトにおいて選択された製品の詳細情報を表示する画面の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態に係るECサイトにおいて製品をカスタマイズする画面の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態に係るECサイトにおいて製品のコンポーネントが選択された画面の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態に係るコンポーネント画像情報の一例を示す図である。
【
図9】実施の形態に係る価格情報等を説明するための図である。
【
図10】実施の形態に係る在庫管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図11】実施の形態に係るコンポーネント構成マスタの一例を示す図である。
【
図12】実施の形態に係る生産管理サーバが記憶している部品表の一例を示す図である。
【
図13】実施の形態に係るマッピングルールの一例を示す図である。
【
図14】実施の形態に係るコンポーネント在庫の算出方法を説明するための図である。
【
図15】実施の形態に係るカスタマイズ処理のフローチャートの第1の部分である。
【
図16】実施の形態に係るカスタマイズ処理のフローチャートの第2の部分である。
【
図17】実施の形態に係る在庫管理処理のフローチャートである。
【
図18】実施の形態に係る部品引当処理のフローチャートである。
【
図19】実施の形態に係る在庫管理処理及び部品引当処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る表示制御方法等について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施の形態)
理解を容易にするため、以下、実施の形態に係る表示制御方法等を、
図1に示す製品カスタマイズシステム1000に適用した場合を例にして説明する。製品カスタマイズシステム1000は、
図1に示すように、ECサイト装置100と在庫管理装置200とを備える。
【0011】
ECサイト装置100は、在庫管理装置200から取得した在庫情報に基づいてカスタマイズ可能な製品を販売するEC(Electronic Commerce)サイトを提供するサーバである。ユーザはPC(Personal Computer)やスマートフォン等のユーザ端末300からECサイト装置100にアクセスすることで、製品を自分の好みにカスタマイズして購入することができる。
【0012】
このカスタマイズ可能な製品は、複数のコンポーネントから構成され、コンポーネントの仕様(後述するバリエーション)を変更することによってカスタマイズが行われる。また、コンポーネントは、1つ以上のパーツ(部品)から構成される。カスタマイズ可能な製品及びコンポーネントの一例として、
図2に示す腕時計500を例にして説明する。
【0013】
この腕時計500は、バンド(S)コンポーネント510、バンド(L)コンポーネント520、美錠コンポーネント530、遊環コンポーネント540、ベゼルコンポーネント550、ガラスコンポーネント560等の複数のコンポーネントを組み合わせて構成される。そして、各コンポーネントは複数の仕様(色、材質、個数等)の中から選択可能になっており、選択され得る仕様は、バリエーション(選択可能仕様)と呼ばれる。
【0014】
例えばバンド(S)コンポーネント510には、色違いのバリエーションとして、バンド(S)コンポーネント510A、バンド(S)コンポーネント510B、バンド(S)コンポーネント510C等が用意されている。また、バンド(S)コンポーネント510は、バンド(S)511とバネ棒512という2つのパーツ(部品)から構成され、色の異なるバンド(S)511をバネ棒512と組み合わせることで複数のバリエーションが提供される。
【0015】
つまりバリエーション(選択可能仕様)とは、例えばバンド(S)コンポーネント510を構成するパーツ(部品)の色、材質、個数等を変更したものを示す。具体的には、バンド(S)コンポーネント510Aは、バンドの色がオレンジ色で材質は樹脂のものであり、バンド(S)コンポーネント510Bは、バンドの色が黒色で材質はメタルのものであるというように、バリエーションによってパーツの色、材質、個数等のプロパティ(属性)は任意に変更されたものになる。バリエーションの数も任意であり、各コンポーネントで同じである必要はない。
【0016】
図示しないが、他のコンポーネントも同様に、1つ以上のパーツ(部品)から構成され、パーツの色、材質、個数等を変更することで、複数のバリエーションが提供される。
【0017】
図1に戻り、ECサイト装置100は、ユーザ端末300から受け付けたユーザの行動履歴(ECサイトにおけるユーザの製品やコンポーネントの閲覧、選択、注文等の履歴)の情報を在庫管理装置200に送信する。また、ECサイト装置100は、ユーザ端末300から製品の購入決済を受け付けると、生産管理サーバ400に、その製品の製造依頼を送信する。
【0018】
在庫管理装置200は、コンポーネントとパーツ(部品)との対応を把握しており、部品の在庫からコンポーネントの在庫(提供可能数)を算出し、コンポーネントの在庫が足りない場合には、不足する部品の数を部品の補充計画として、生産管理サーバ400に送信する。
【0019】
より詳細には、在庫管理装置200は、ECサイト装置100からユーザの行動履歴の情報を、生産管理サーバ400からパーツ(部品)の在庫数の情報を、それぞれ取得し、これらの情報に基づいて算出したコンポーネントの在庫情報を、ECサイト装置100に送信する。また、これらの情報に基づき、パーツ(部品)の在庫切れが予想される場合には、在庫切れを防ぐためのパーツ補充計画を算出し、生産管理サーバ400に送信する。
【0020】
生産管理サーバ400は、パーツ(部品)の在庫、製品の生産等を管理するサーバである。例えば、生産管理サーバ400は、パーツ(部品)の在庫情報を在庫管理装置200に送信し、製品の製造状況をECサイト装置100に送信する。なお、生産管理サーバ400は、コンポーネントの情報(後述するコンポーネント構成マスタの情報)を任意のタイミングで取得している。生産管理サーバ400によるコンポーネント構成マスタの情報の取得については、後述する。
【0021】
以下、ECサイト装置100と在庫管理装置200の機能構成等について順に説明する。
【0022】
ECサイト装置100は、機能構成として、
図3に示すように、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を備える。
【0023】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行し、ECサイト装置100を、ECサイトのウェブサーバとして機能させる。
【0024】
記憶部120は、制御部110が実行するプログラムや、必要なデータを記憶する。記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等を含み得るが、これらに限られるものではない。
【0025】
通信部130は、ECサイト装置100が、在庫管理装置200、ユーザ端末300、生産管理サーバ400等とデータを送受信するための通信インタフェースである。
【0026】
以上の機能構成を備えることにより、ECサイト装置100は、ユーザ端末300から接続されると、ECサイトの機能を提供し、ユーザ端末300の表示部である画面310に、例えば
図4に示すように、インターネットショッピングが可能な腕時計の一覧を表示させる。
【0027】
図4では、「ウォッチ#1」という型番の腕時計として、カスタマイズが行われていない「デフォルトモデル」、デザイナーA氏がカスタマイズした「デザイナーA氏カスタマイズモデル」、人気スポーツ選手のO選手がカスタマイズした「O選手カスタマイズモデル」が画面310に表示されている。これは表示の一例であり、ECサイト装置100は、例えば異なる型番の腕時計を画面310に表示させたり、異なる型番のカスタマイズモデルを画面310に表示させてもよい。また、ECサイト装置100は、ECサイトの最初のページでは各型番の腕時計のデフォルトモデルのみを表示させ、カスタマイズモデルは別の専用ページに表示させてもよい。
【0028】
図4に示す画面310上で、ユーザが例えば「ウォッチ#1デザイナーA氏カスタマイズモデル」を選択する(例えば選択したい腕時計を画面上でクリックしたり、タップしたりする)と、ECサイト装置100は、ユーザ端末300の画面310に、
図5に示すような、選択された製品の詳細情報を表示するページを表示させる。製品の詳細情報としてどのような情報を表示させるかは任意であるが、
図5では、選択された腕時計を様々な角度(複数の視線方向)から見た画像である複数のアングル画像312を表示させる。
【0029】
図5に示す画面310では3つのアングル画像312しか示されていないが、本実施の形態では、ユーザが選択可能なコンポーネントのそれぞれについて、そのコンポーネントを効果的に視認可能なアングル画像が用意されている。また、製品全体のデザインを確認するためのアングル画像(例えば、表からの全体俯瞰、裏からの全体俯瞰、真横からの画像、巻カット画像等)も用意されている。もっとも、アングル画像312を何種類用意するか、またどのような角度からの画像をアングル画像312とするかは任意である。
【0030】
図5に示す画面310上で、ユーザが右上のカスタマイズボタン311を押す(例えばクリック、タップ等する)と、ECサイト装置100は、ユーザ端末300の画面310に、
図6に示すような、製品の各コンポーネントをカスタマイズするためのカスタマイズ用画面を表示させる。
図6はカスタマイズ用画面の一例であるが、この例では、カスタマイズする製品のデフォルトのアングル画像312(例えば正面から見たアングル画像)が画面中央付近に大きく表示され、画面下には選択可能なアングル画像312の一覧がサムネイル画像314で表示され、画面右には選択可能なコンポーネント313の一覧が表示されている。
【0031】
図6では、コンポーネント選択のところにコンポーネント313として、Bezel、Face、Short Band、Long Band、Buckle、Band Loopが表示されているが、これらは、それぞれベゼルコンポーネント550、ガラスコンポーネント560、バンド(S)コンポーネント510、バンド(L)コンポーネント520、美錠コンポーネント530、遊環コンポーネント540に対応する。
【0032】
ここで、ユーザがサムネイル画像314の一覧の中から見たいアングル画像312を選択すると、ECサイト装置100は、選択されたアングル画像312を画面310の中央付近に大きく表示させる。
【0033】
また、ユーザがコンポーネント313の一覧の中からカスタマイズしたいコンポーネント313を選択すると、ECサイト装置100は、
図7に示すように、選択されたコンポーネント313(
図7ではバンド(S)コンポーネント510)を効果的に視認できるアングル画像312を選択し、選択したアングル画像312を画面310の中央付近に大きく表示させる。この、選択されたコンポーネント313が見易くなるような(効果的に視認できる)アングル画像312を有効アングル画像という。
【0034】
そして、ECサイト装置100は、選択されたコンポーネント313についてのカスタマイズ用アイテム(選択可能なバリエーション)315の一覧を画面310に表示させる。ここでは、バンド(S)コンポーネント510の選択可能なバリエーションとして色のバリエーションアイテムが選択できるようになっている。また、既に選択済みの色にはチェックマーク316を付け、部品不足のため提供できない(すなわち、在庫切れの)色には売り切れマーク317を表示させる。
【0035】
ユーザがバンド(S)コンポーネント510のカスタマイズ用アイテム315として、現在選択されている色とは異なる色を選択すると、画面310上のアングル画像312(有効アングル画像)における腕時計のバンド(S)コンポーネント510の色が、選択された色に変更される。
【0036】
ユーザは、カスタマイズ用画面で、カスタマイズしたいコンポーネントについてバリエーションを選択して、腕時計をカスタマイズすることができる。そして、カスタマイズが完了したら、完了ボタン318を押すことにより、カスタマイズを終了することができる。また、ユーザはシェアボタン319を押すことにより、カスタマイズしたモデルの画像に関する情報をSNS(Social Networking Service)等に投稿することができる。
【0037】
ここで
図3に戻り、記憶部120が記憶する各種情報について説明する。コンポーネント画像情報121は、各コンポーネントの各アングルについての各バリエーションの画像素材(バリエーション画像)の情報である。例えば、ベゼルコンポーネントのコンポーネント画像情報121としては、
図8に示すように、ベゼルコンポーネントの各バリエーションについて、各アングル画像用の画像素材が記憶されている。他のコンポーネントについても同様のコンポーネント画像情報121が記憶部120に記憶されている。
【0038】
アングル画像情報122は、各製品のアングル画像が、どのコンポーネントの画像素材を合成することによって生成されるかを示す情報である。制御部110は、コンポーネント画像情報121の画像素材をアングル画像情報122に基づいて合成することにより、製品の任意のアングル画像を生成することができる。
【0039】
コンポーネント在庫情報123は、各コンポーネントの各バリエーションの在庫の情報である。コンポーネント在庫情報123は、在庫管理装置200が算出し、制御部110が通信部130を介して在庫管理装置200から取得したものである。在庫が0のバリエーションについては、上述のカスタマイズ用画面において売り切れマーク317を表示させる。
【0040】
価格情報124は、各製品のデフォルトモデル及び各コンポーネントの各バリエーションの価格の情報である。例えば、「ウォッチ#2」という型番の腕時計が、コンポーネントA、コンポーネントB及びコンポーネントCから構成され、これらの各バリエーション及びデフォルトモデルの価格が
図9に示すものであった場合を例として説明する。
【0041】
図9の例では、在庫情報123で、コンポーネントBのバリエーションB-3の在庫数が0であるため、バリエーションB-3は購入できないが、他のバリエーションは購入可能である。ここで、ユーザがウォッチ#2のカスタマイズ用画面において、コンポーネントAのバリエーションA-1、コンポーネントBのバリエーションB-2及びコンポーネントCのバリエーションC-2を選択したとする。この場合、制御部110は、価格情報124を参照して、デフォルトモデルの価格20,000円に、選択したバリエーションの価格(0+2,000+1,000)を加算した23,000円を、ウォッチ#2の今回のカスタマイズモデルの価格として算出する。
【0042】
図3に戻り、行動履歴情報125は、ユーザがECサイトにおいて、どの製品やコンポーネント(バリエーション)を閲覧したか(閲覧回数や閲覧時間はどの程度か)、選択したか(選択回数はどの程度か)、また、注文したか等の履歴の情報である。
【0043】
カスタマイズ情報126は、
図4に示すように一覧表示される各製品モデルにおいて、各コンポーネントとして、どのバリエーションが選択されたカスタマイズモデルであるかを示す情報である。特定の人物(デザイナー、有名人等)や特定の装置(人工知能等)等の特定の主体によってカスタマイズされたモデルの場合には、その特定の主体の名称(主体を一意に特定するID(Identification)でもよい)もカスタマイズ情報126として保存される。また、例えばデザイナーによっては自分が選択したバリエーションからの変更を許可しない場合もあるため、選択されているバリエーションの変更が禁止されているコンポーネントについては、そのコンポーネントの変更が不可であることを示す情報もカスタマイズ情報126に含めて保存される。
【0044】
次に、在庫管理装置200について説明する。在庫管理装置200は、機能構成として、
図10に示すように、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を備える。
【0045】
制御部210は、例えばCPU等のプロセッサで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されているプログラムにより、後述する在庫管理処理等を実行する。
【0046】
記憶部220は、制御部210が実行するプログラムや、必要なデータを記憶する。記憶部220は、RAM、ROM、SSD、HDD等を含み得るが、これらに限られるものではない。
【0047】
通信部230は、在庫管理装置200が、ECサイト装置100、生産管理サーバ400等とデータを送受信するための通信インタフェースである。
【0048】
次に、記憶部220が記憶する各種情報について説明する。コンポーネント構成マスタ221は、各コンポーネントの各バリエーションがどのような部品から構成されるかを示す情報である。例えば、ガラスコンポーネントのコンポーネント構成マスタは、
図11に示すように、ガラスコンポーネントのバリエーション毎に、そのバリエーションを構成する部品の一覧を示す情報になっている。
【0049】
マッピングルール222は、生産管理サーバ400が記憶している各製品の部品表(基幹システム部品表)からコンポーネント構成マスタ221を抽出するためのルールである。なお、生産管理サーバ400が記憶している各製品の部品表とは、
図12に示すように、製品(
図12の例では腕時計)の構成を木構造で表し、木構造の葉に相当する部分にその製品を構成する部品を並べたものである。
【0050】
この木構造のノードが本実施の形態のコンポーネントとたまたま対応する場合もあり得るが、生産管理サーバ400が記憶しているデータは、基本的には製品カスタマイズについては特に考慮されていないため、一般には部品とコンポーネントとを対応付けるための条件が必要である。この条件を集めたものがマッピングルール222である。
【0051】
マッピングルール222の一例は、具体的には
図13に示すように、部品表における位置を特定する条件(「親」、「除外-子」)、例外条件(「割合QTY」)、バリエーション条件(「バリエーション対象」、「バリエーション対象外」)等からなる。
【0052】
図13を参照すると、例えばガラスコンポーネント560は、
図12に示す部品表においてウォッチヘッド401を親に持つ部品の中で、裏ブタ403やベゼル406を除外した部品なので、点線402,404,405,407で囲われた部品が対応することがわかる。また、バリエーション対象として「印刷ガラス#*」が指定されている(*は正規表現で任意の文字列に対応する)ので、ガラスコンポーネント560のバリエーションは、印刷ガラスを異ならせることによって得られることがわかる。
【0053】
その他のコンポーネントも同様にして部品表中の部品と対応付けることができる。ただし、本実施の形態では、遊環コンポーネント540については、1つの遊環からなる遊環1コンポーネントと、3つの細い遊環からなる遊環3コンポーネントがあり、遊環3コンポーネントは、遊環3-1コンポーネントと遊環3-2コンポーネントと遊環3-3コンポーネントとをそれぞれ1つずつ組み合わせて構成される。遊環3-1コンポーネントと遊環3-2コンポーネントと遊環3-3コンポーネントのそれぞれの割合QTYが1になっているのは、このことを示すためである。
【0054】
以上説明したように、マッピングルール222により、制御部210は、部品表からコンポーネント構成マスタ221を容易に生成することができる。そして、制御部210は、生成されたコンポーネント構成マスタ221の情報を、通信部230を介して生産管理サーバ400に送信する。そして、生産管理サーバ400は、その筐体内部に搭載された図示しない通信部を介して、コンポーネント構成マスタ221の情報を受信(取得)する。ここで、生産管理サーバ400にコンポーネント構成マスタ221の情報を送信した詳細については後述する。
【0055】
図10に戻り、部品在庫情報223は、各部品の在庫の情報であり、生産管理サーバ400が記憶している各部品の在庫の情報を、制御部210が通信部230を介して取得したものである。
【0056】
コンポーネント需要情報224は、ECサイト装置100がユーザから取得したコンポーネントの需要に関する情報である。この情報は、単にコンポーネントの注文数の情報であってもよいし、ECサイト装置100に蓄積された行動履歴情報125に基づいて、コンポーネントの将来の需要も見越した情報であってもよい。
【0057】
コンポーネント在庫情報225は、後述する在庫管理処理によって取得される各コンポーネントの供給可能数(コンポーネント在庫)の情報である。ECサイト装置100は、定期的に在庫管理装置200に対して、現在のコンポーネント在庫の情報を要求し、コンポーネント在庫情報225を更新する。
【0058】
優先度情報226は、コンポーネント在庫を算出するときに、優先度が高い製品を構成するコンポーネント(バリエーション)に対しては、部品を優先的に割り当てて、供給不可(在庫切れ)となることを防ぐようにするための情報である。例えば、製品が新製品や何らかの限定モデルである場合や、刻印サービス対応製品(刻印可能製品)である場合や、過去のある販売期間における売上上位モデル(ベストセラー製品)である場合や、プロモーション公開日(SNS、ホームページ、動画等での公開日、予約開始日、発売日等)以降のプロモーション期間(例えば3ヶ月間)、ユーザの記念日(誕生日、結婚記念日等)を含む所定の期間(例えば記念日の1ヶ月前から記念日の1週間後まで)等においては、その製品の優先度や、その製品を構成するコンポーネント(バリエーション)の優先度が高くなるように優先度情報226が設定されている。
【0059】
例えば、製品が何らかの限定モデルである場合、優先度情報226を用いることで、制御部210は、限定モデルを構成するコンポーネントに割り当てる部品の数量を、限定モデル以外の製品を構成するコンポーネントに割り当てる部品の数量より多くなるよう調整することができる。これにより、限定モデルの品切れをできるだけ防ぐようにすることができる。
【0060】
また、製品がプロモーション公開日に公開される公開製品である場合、優先度情報226を用いることで、制御部210は、プロモーション公開日以降の所定の期間(例えば3ヶ月間)において、公開製品を構成するコンポーネントに割り当てる部品の数量を公開製品以外の製品を構成するコンポーネントに割り当てる部品の数量より多くなるよう調整することができる。これにより、公開製品の品切れをできるだけ防ぐようにすることができる。
【0061】
また、製品が刻印可能製品である場合、優先度情報226を用いることで、制御部210は、刻印可能製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記刻印可能製品以外の製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より、所定の期間において多くなるよう調整することができる。これにより、刻印可能製品の品切れをできるだけ防ぐようにすることができる。
【0062】
また、製品がベストセラー製品である場合、優先度情報226を用いることで、制御部210は、ベストセラー製品を構成するコンポーネントに割り当てる部品の数量を、ベストセラー製品以外の製品を構成するコンポーネントに割り当てる部品の数量より、所定の期間(例えばその製品がベストセラー製品ではなくなるまでの期間)において多くなるよう調整することができる。これにより、ベストセラー製品の品切れをできるだけ防ぐようにすることができる。
【0063】
以上の機能構成を備えることにより、在庫管理装置200は、生産管理サーバ400から部品の在庫の情報を取得し、需要に応じて、又は需要及び優先度に応じて、各部品をコンポーネントに割り当てることで、複数の部品で構成されるコンポーネントの在庫切れをできるだけ防ぐことができる。
【0064】
例えば、
図14に示すように、部品α、部品β及び部品γから構成されるコンポーネントAがあるとする。そして、部品γはγ-1の1種類のみだが、部品αがα-1~α-5の5種類、部品βがβ-1~β-3の3種類から選択され、コンポーネントAは、5種類のバリエーション(A-1~A-5)を有する場合の例で説明する。
図14は、コンポーネントAの各バリエーション(A-1~A-5)において、○が記入されている欄に対応する部品(A-1なら、α-1、β-1及びγ-1)から構成されることを示している。
【0065】
図14に示す例では、各部品の在庫数は全て400ずつあるものとし、コンポーネントの各バリエーションの需要数は、A-1が400、A-2が160、A-3が120、A-4が80、A-5が40としている。
【0066】
この場合、単純にバリエーションA-1の需要を満たすために部品を割り当てると、部品γ-1の400個を全てバリエーションA-1に割り当てることになるため、バリエーションA-1の提供可能数は400になるが、その他のバリエーション(A-2~A-5)の提供可能数は0になってしまう。バリエーションA-1だけは在庫切れを防ぎたい等、バリエーションA-1の優先度を高くしたい場合にはこのような部品割り当てでもよいが、通常は他のバリエーションにも均等に部品を割り当てたい場合が多い。
【0067】
本実施の形態では、各バリエーションに均等に、又は優先度に応じて部品を割り当てるために、後述する在庫引き当て処理を行う。これにより、全てのバリエーションを同じ優先度で扱う場合には、各バリエーションの供給可能数(コンポーネント在庫)として、A-1が200、A-2が80、A-3が60、A-4が40、A-5が20となるように部品の割り当てが行われる。また、例えばバリエーションA-2の優先度のみ他のバリエーションより高く、バリエーションA-2以外の各バリエーションの優先度が同じ場合には、A-1が150、A-2が160、A-3が45、A-4が30、A-5が15となるように部品の割り当てが行われる。このような部品の割り当ては、後述する在庫管理処理及び部品引当処理で行われる。
【0068】
次に、
図15及び
図16を参照して、ECサイト装置100の制御部110が実行するカスタマイズ処理について説明する。この処理は、ECサイト装置100が提供するECサイトにアクセスしたユーザ端末300から、カスタマイズ可能製品の紹介ページへのアクセスがあると開始される。
【0069】
まず、制御部110は、ユーザ端末300の画面310に、
図4に示すように、製品モデル選択画面として、カスタマイズ可能な製品モデルの一覧を表示させる(ステップS101)。ここで表示される製品モデルは、カスタマイズの対象となる製品モデル(基底対象物)である。基底対象物の各コンポーネントは、デフォルト又は特定の主体が選択したバリエーション(基底仕様)が選択された状態になっている。製品モデルの一覧表示としては、各製品モデルの名称(型番やカスタマイズを行った主体(人物等)を識別できる情報)のみを一覧表示してもよいし、各製品モデルの画像のみを一覧表示してもよいし、名称と画像を両方とも一覧表示してもよい。
【0070】
この一覧表示において、制御部110は基本的に同一の型番の製品(デフォルトモデルや各種カスタマイズモデル)をひとまとまりにして表示させる。そして制御部110が、同一の型番の製品のまとまりの中で、各製品モデルをどのような順番で表示させるかは任意であるが、あるコンポーネントを基準コンポーネントとして、この基準コンポーネントのバリエーションのプロパティ(属性)に応じて、まとめて一覧にしてもよい。例えばベゼルコンポーネントを基準コンポーネントにし、ベゼルコンポーネントを構成するパーツの色毎、材質毎等をまとめて一覧表示にすることで、同じ色のベゼルの製品モデル、同じ材質のベゼルの製品モデルが隣り合って配置されるので、基準コンポーネント以外のコンポーネントのバリエーションの違いによって各製品のイメージがどのように変わるかを比較しやすくなる。
【0071】
また、カスタマイズを行った主体毎にまとめて一覧にしてもよい。このようにすると、例えば、デザイナーA氏がカスタマイズしたモデルがまとまって表示されるので、特定のデザイナーや有名人がカスタマイズしたモデルの中から製品モデルを選択したいと思っているユーザにとっては、選択しやすくなる。また、カスタマイズを行った主体の種類毎にまとめて表示させてもよい。例えば、デザイナー、スポーツ選手、芸能人、楽器奏者、パソコンのAIといった種類毎に、それぞれがカスタマイズしたモデルがまとまって表示される。これにより、デザイナーA氏がカスタマイズしたモデル、デザイナーB氏がカスタマイズしたモデルが並べて表示されるので、デザイナーによるカスタマイズの特徴(色の使い方や色の配置関係等)を容易に比較することができる。
【0072】
図15に戻り、次に制御部110は、表示された製品モデルの中からいずれかのモデルが選択されたか否かを判定する(ステップS102)。いずれのモデルも選択されなければ(ステップS102;No)、ステップS102に戻る。
【0073】
いずれかのモデルが選択されたら(ステップS102;Yes)、制御部110は、ユーザ端末300の画面310に、
図5に示すように、選択されたモデルの詳細情報を表示させる(ステップS103)。なお、煩雑になるため、
図15及び
図16では省略しているが、これ以降選択されたモデルが注文される可能性があるため、制御部110は、選択されているモデルやコンポーネント(バリエーション)の情報を、照会中の注文(照会中注文)の情報として扱う。
【0074】
また、制御部110は、ユーザがどのモデルやバリエーションを閲覧したり選択したり購入したりしたかという情報(モデルやバリエーションの閲覧行動(閲覧時間、閲覧回数等)、選択行動(選択回数等)、購入実績等の情報)を行動履歴情報125として、記憶部120に蓄積する。そして、制御部110は、必要に応じて(例えばステップS107の前に)照会中注文の情報や行動履歴情報125を在庫管理装置200に送信する。これにより、制御部110は、在庫管理装置200から、コンポーネント在庫情報123を取得することができる。
【0075】
図15に戻り、制御部110は、カスタマイズボタン311が押されたか否かを判定する(ステップS104)。カスタマイズボタン311が押されなければ(ステップS104;No)、ステップS104に戻る。なお、煩雑になるため、
図15では省略しているが、例えば
図5に示す画面310の右上に小さく表示されている製品モデルが選択されたら、制御部110は、ステップS103に戻って、選択されたモデルの詳細情報を表示させる。
【0076】
カスタマイズボタン311が押されたら(ステップS104;Yes)、制御部110は、ユーザ端末300の画面310に、
図6に示すように、カスタマイズ用画面を表示させる(ステップS105)。そして、制御部110は、
図6に示す画面310で、いずれかのコンポーネント313が選択されたか否かを判定する(ステップS106)。
【0077】
いずれかのコンポーネント313が選択されたら(ステップS106;Yes)、制御部110は、選択されたコンポーネント(着目コンポーネント)が効果的に視認できるアングル画像(有効アングル画像)を記憶部120から取得し、ユーザ端末300の画面310に、
図7に示すように、アングル画像312(有効アングル画像)、カスタマイズ用アイテム315等を表示させる(ステップS107)。なお、カスタマイズ用アイテム315を表示させる際には、制御部110は在庫情報123を参照し、在庫が0のバリエーションに対応するカスタマイズ用アイテム315には品切れを表す情報として、売り切れマーク317を表示させる。また、ステップS107において、アングル画像312(有効アングル画像)とカスタマイズ用アイテム315に加えて、サムネイル画像314を表示させてもよい。
【0078】
また、説明が煩雑になるため
図15では省略したが、ステップS106での判定がYesの場合、制御部110は、カスタマイズ情報126を参照し、選択されたコンポーネント313の変更が不可となっている場合には、ステップS107には進まずに、ステップS110に進む。その際、制御部110は、そのコンポーネントの変更ができないことを通知する情報(例えば「変更できません」というメッセージ)を画面310に表示させてもよい。
【0079】
そして、制御部110は、いずれかのカスタマイズ用アイテム315が選択されたか否かを判定する(ステップS108)。カスタマイズ用アイテム315が選択されていないなら(ステップS108;No)、ステップS110に進む。
【0080】
カスタマイズ用アイテム315が選択されたなら(ステップS108;Yes)、制御部110は、選択されたカスタマイズ用アイテム315に応じて、アングル画像312とサムネイル画像314の表示を変更し(ステップS109)、ステップS110に進む。
【0081】
ステップS109では、制御部110は、
図8に示すようなコンポーネント画像情報121を参照し、現在カスタマイズ対象として選択されている着目コンポーネントの各アングルについて、選択されたカスタマイズ用アイテム315に対応するバリエーション(選定仕様)の画像素材(バリエーション画像)をアングル画像312やサムネイル画像314に合成する。これにより、アングル画像312やサムネイル画像314に含まれる着目コンポーネントの表示態様は、選定仕様の画像素材(選定仕様画像)の態様に変更され、ユーザはバリエーションを変更したカスタマイズモデルの画像を確認することができるようになる。
【0082】
そして、ステップS110では、制御部110は、ステップS106で選択されたコンポーネント313以外のコンポーネント313が選択されたか否かを判定する。そのようなコンポーネント313が選択されていないなら(ステップS110;No)、ステップS108に戻る。
【0083】
ステップS106で選択されたコンポーネント313以外のコンポーネント313が選択されたなら(ステップS110;Yes)、ステップS106に戻る。
【0084】
一方、ステップS106で、いずれのコンポーネント313も選択されていないなら(ステップS106;No)、制御部110は、シェアボタン319が押されたか否かを判定する(ステップS111)。シェアボタン319が押されていないなら(ステップS111;No)、ステップS113に進む。
【0085】
シェアボタン319が押されたなら(ステップS111;Yes)、制御部110は、カスタマイズされた製品のシェア用画像(シェア用画像に関する情報)をSNS等に送信し(ステップS112)、ステップS113に進む。なお、ステップS112でのシェア用画像(送信用画像)の送信先は特定のSNSに限らない。送信先の設定次第で制御部110はシェア用画像を任意の外部装置に送信することが可能である。
【0086】
また、ステップS112で制御部110は、シェア用画像を直接SNSに送信することはせずに、ユーザ端末300の画面310にシェア用画像を表示させて、ユーザによる確認後にSNSに送信するようにしてもよい。また、制御部110は、シェア用画像とともにダウンロードボタンを画面310に表示させて、ダウンロードボタンが押されると、シェア用画像をユーザ端末300にダウンロードさせてもよい。この場合、ユーザは、ユーザ端末300等のシェア用画像をダウンロードしたユーザのデバイスからシェア用画像をSNS等へ投稿できるようになる。
【0087】
ステップS113では、制御部110は、完了ボタン318が押されたか否かを判定する。完了ボタン318が押されたなら(ステップS113;Yes)、制御部110は、カスタマイズされた製品の購入に必要な価格を導出し(ステップS114)、カスタマイズされた製品の価格とアングル画像を画面310に表示させる(ステップS115)。その際、制御部110は、カスタマイズされた製品を様々な角度から視認して確認できるように、複数のアングル画像を並べて画面310に表示させてもよい。
【0088】
そして、制御部110は決済処理を行い(ステップS116)、購入決済が完了したか否かを判定する(ステップS117)。購入決済が完了していなければ(ステップS117;No)、制御部110は、カスタマイズ処理を終了する。これは、ユーザが製品をカスタマイズしてはみたものの、最終的には購入するまでに至らなかった場合である。
【0089】
購入決済が完了していれば(ステップS117;Yes)、制御部110は、カスタマイズされた製品のアングル画像(有効アングル画像)と複数のサムネイル画像のうちの少なくとも1つの画像に関する情報や部品一覧が出力された生産指示書を生成して、生産管理サーバ400に送信し(ステップS118)、カスタマイズ処理を終了する。なお、購入決済が完了すると、今回の注文の内容が確定するため、制御部110は確定注文として扱い、以後必要に応じて在庫管理装置200に確定注文の情報として送信することになる。
【0090】
なお、生産管理サーバ400は、ステップS118で送信された、製造依頼としての生産指示書を受信すると、在庫管理装置200から適宜送信されてくるコンポーネント構成マスタ221の情報に基づいて、生産指示書に記載されているカスタマイズされた製品における各コンポーネントのバリエーション(選定仕様)の情報から、部品表(基幹システム部品表)上の部品に展開する。そして、生産管理サーバ400は、展開された部品の情報を用いて、カスタマイズされた製品の製造指示を行う。
【0091】
一方、完了ボタン318が押されなければ(ステップS113;No)、制御部110は、カスタマイズ用画面を閉じるボタンが押されたか否かを判定する(ステップS119)。カスタマイズ用画面を閉じるボタンが押されていないなら(ステップS119;No)、制御部110は、ステップS106に戻る。カスタマイズ用画面を閉じるボタンが押されたなら(ステップS119;Yes)、制御部110は、カスタマイズ処理を終了する。
【0092】
以上のカスタマイズ処理により、ユーザは製品モデル選択画面から好みのモデルを選択して、自分の好きなように製品をカスタマイズして、注文したり、SNS等でシェアしたりすることができる。そして、製品モデル選択画面には、特定の主体がカスタマイズした基底対象物も表示されており、ユーザはこの基底対象物を選択することにより、ユーザ以外の特定の主体によってカスタマイズされたものをベースとして、製品をカスタマイズすることができる。このように、ECサイト装置100は、カスタマイズ装置として機能する。
【0093】
また、カスタマイズ用画面においては、ユーザが選択したコンポーネントに応じて、そのコンポーネントを効果的に視認可能な有効アングル画像が表示されるので、ECサイト装置100は、表示制御装置として機能し、ユーザが選択したコンポーネントをわかりやすく表示させることができる。
【0094】
次に、
図17を参照して、在庫管理装置200の制御部210が実行する在庫管理処理について説明する。在庫管理処理は任意のタイミングで実行可能だが、例えば、ECサイト装置100から、コンポーネント在庫の情報が要求されると、制御部210は、在庫管理処理を開始する。
【0095】
まず、制御部210は、マスタ情報を取得する(ステップS201)。マスタ情報とは、例えばコンポーネント構成マスタ221であり、制御部210は、ステップS201で生産管理サーバ400から通信部230を介して各製品の部品表を取得し、マッピングルール222に基づいてコンポーネント構成マスタ221を生成する。制御部210は、コンポーネント構成マスタ221以外のマスタ情報についても、必要なマスタ情報については、ステップS201で取得する。ただし、マスタ情報が更新される頻度は高くないため、全てのマスタ情報が変更されていないことが明らかな場合には、制御部210はステップS201をスキップしてもよい。また、制御部210は、在庫管理処理を行う前であれば、任意のタイミングでマスタ情報を取得(例えば部品表を取得してコンポーネント構成マスタを更新)してもよい。
【0096】
なお、煩雑になるため
図17では省略したが、制御部210は、ステップS201で生成されたコンポーネント構成マスタ221の情報を通信部230を介して、生産管理サーバ400に送信する。また、制御部210は、ステップS201ではなく、任意のタイミングでコンポーネント構成マスタ221を更新した場合、更新完了後にコンポーネント構成マスタ221の情報を生産管理サーバ400に送信する。生産管理サーバ400が、上述したカスタマイズされた製品の製造指示を行う際に用いるコンポーネント構成マスタ221の情報を、予め取得しておくためである。
【0097】
次に、制御部210は、生産管理サーバ400から供給情報を取得する(ステップS202)。供給情報とは、例えば部品の実在庫数や、発注残数であり、生産管理サーバ400から通信部230を介して取得する。
【0098】
そして、制御部210は、ECサイト装置100から需要情報を取得する(ステップS203)。需要情報とは、例えば、確定注文(ECサイト装置100にて受注が確定した注文)、照会中注文(ECサイト装置100にて照会中で受注が未確定の注文)、需要予測(ECサイト装置100に蓄積されている行動履歴情報125に基づいて予測される需要、新製品や限定製品(限定モデル)の発売により予測される需要、SNS等において有名人等による製品のプロモーション公開により予測される需要、またはマーケティング戦略等に基づく需要)等の需要に関するデータである。
【0099】
次に制御部210は、需要情報と供給情報とに基づいて、各需要に対して供給を引き当てる処理を行うが、需要情報の種類(確定注文、照会中注文、需要予測)に応じて、順番に供給を引き当てていく。
【0100】
まず、制御部210は、確定注文を受け付けた製品を生産するのに必要な部品を引き当てる(ステップS204)。なお、ECサイト装置100で購入を受け付けている際に、製品を構成する部品に在庫0のものが存在した場合には、画面310に売り切れマーク317を表示させる等して、確定注文を受け付けないようにすることにより、確定注文を受け付けた製品を生産するのに必要な部品を全て引き当てても部品の在庫切れが発生しないことが保証されることになる。
【0101】
次に、制御部210は、確定注文に対して引き当てた後に残った各部品の供給数(確定注文引当残)に対して、照会中注文に対応する製品を生産するのに必要な部品を引き当てる(ステップS205)。この処理(部品引当処理)の詳細は後述する。
【0102】
次に、制御部210は、照会中注文に対して引き当てた後に残った各部品の供給数(照会中注文引当残)に対して、需要予測に対応する製品を生産するのに必要な部品を引き当てる(ステップS206)。
【0103】
次に、制御部210は、ステップS205及びステップS206で引き当てがされた部品の数量からコンポーネント提供可能数を算出し、コンポーネント在庫としてECサイト装置100に送信する(ステップS207)。
【0104】
そして、制御部210は、ステップS205及びステップS206で引き当てができなかった部品の数量を充足するためのパーツ補充計画(不足数量)を生産管理サーバ400に送信し(ステップS208)、在庫管理処理を終了する。
【0105】
この在庫管理処理によって、在庫管理装置200は、適切にコンポーネント在庫を算出してECサイト装置100に送信することができる。また、部品の在庫切れが生じる場合には、不足分をパーツ補充計画として、生産管理サーバ400に送信することができる。
【0106】
次に、
図18を参照して、在庫管理処理のステップS205で実行される部品引当処理について説明する。その際、具体的な需要及び供給として、
図14に示すコンポーネント需要及び部品在庫数を用いて説明する。
【0107】
まず、制御部210は、コンポーネント需要から各部品の従属需要数を算出する(ステップS301)。従属需要数とは、コンポーネント需要を満たすために、必要な部品の数量である。例えば、
図14で部品β-1は、コンポーネントAのバリエーションであるA-1及びA-2で用いられ、A-1及びA-2のコンポーネント需要はそれぞれ400及び160なので、部品β-1の従属需要数は、400+160=560となる。
【0108】
次に、制御部210は、優先度情報226を参照し、優先度の高いバリエーションが存在するか否かを判定する(ステップS302)。優先度の高いバリエーションが存在しないなら(ステップS302;No)、全てのバリエーションを対象にして、対象バリエーションを構成する全ての部品について以下のステップS305~S307の処理で引当可能数を設定することとして(ステップS303)、ステップS305に進む。
【0109】
一方、優先度の高いバリエーションが存在するなら(ステップS302;Yes)、優先度の高いバリエーションから順番に、同一の優先度のバリエーションを対象にして、対象バリエーションを構成する全ての部品について、以下のステップS305~S307の処理で引当可能数を設定することとして(ステップS304)、ステップS305に進む。
【0110】
そして、ステップS305では、制御部210は、各部品についてそれぞれ、従属需要数が在庫数未満であるか否かを判定する。従属需要数が在庫数未満であれば(ステップS305;Yes)、制御部210は、その部品についての引当可能数を従属需要数として(ステップS306)、ステップS308に進む。例えば、
図14で、部品α-2の従属需要数は160で在庫数は400なので、部品α-2の引当可能数は160となる。
【0111】
一方、従属需要数が在庫数以上であれば(ステップS305;No)、制御部210は、コンポーネント需要の比率に応じてその部品についての引当可能数を在庫数×コンポーネント需要の比率として(ステップS307)、ステップS308に進む。例えば、
図14で、A-1~A-5の優先度が全て同じ(均等)だった場合、部品γ-1の従属需要数は800で在庫数は400なので、在庫数をコンポーネント需要の比率で分配し、部品γ-1のA-1~A-5(コンポーネント需要の比率は10:4:3:2:1)への引当可能数は、それぞれ200、80,60、40、20となる。
【0112】
なお、例えば、
図14で、A-2の優先度のみ高く、他のA-1、A-3、A-4、A-5の優先度が全て同じ(均等)だった場合、部品γ-1の従属需要数の800のうち、A-2に対応する分は160であり、部品γ-1の在庫数は400なので、ステップS305での判定はYesとなり、A-2に対する部品γ-1の引当可能数は従属需要数である160となる。そして、残りのA-1、A-3、A-4、A-5については、部品γ-1の従属需要数は800から160(A-2に対応する分)を引いた640であり、部品γ-1の在庫の400のうち、160がA-2に引き当てられているので、在庫は240となる。したがって、ステップS305での判定はNoとなり、部品γ-1のA-1、A-3、A-4、A-5(コンポーネント需要の比率は10:3:2:1)への引当可能数は、在庫数である240をコンポーネント需要の比率である10:3:2:1で分配し、それぞれ150、45,30、15となる。
【0113】
そして、ステップS308では、制御部210は、コンポーネントを構成する各部品の引当可能数のうち、最小値を当該コンポーネントの供給可能数とし、部品引当処理を終了する。例えば、上記の例では、A-1~A-5の優先度が全て同じ(均等)だった場合も、A-2のみ優先度が高かった場合も、引当可能数の最小値は部品γ-1の引当可能数になるので、部品γ-1の引当可能数が、各バリエーションの供給可能数、すなわちコンポーネント在庫となる。
【0114】
以上の部品引当処理により、供給及び需要に基づいて各コンポーネントへの最適な部品割り当てが行われる。また、ステップS308で供給可能数が0となったコンポーネントについては、制御部210は、そのコンポーネントを在庫切れコンポーネント(供給不可となる可能性があるコンポーネント)として特定することができる。
【0115】
なお、この部品引当処理は、処理モードとして、優先度情報226を使用せずに、需要の情報のみを使用する需要モードと、需要の情報だけでなく優先度情報226も使用する優先度モードの2つのモードを備えるようにしてもよい。そして、この2つのモードを在庫管理装置200の管理者が選択できるようにしてもよい。この場合、需要モードではステップS302での判定は常にNoになり、優先度を使用する必要がなくなるため、部品引当処理の負荷を軽くすることができる。
【0116】
また優先度情報226に、優先度情報226を使用すべき時期である優先度使用時期(例えば新製品や限定モデルの発売日やホームページ等での製品情報公開日、SNS等を利用した新製品や限定モデルのプロモーション公開日や、ある製品のプロモーション期間(開始日~終了日)等)の情報が含まれる場合、制御部210は優先度情報226を参照し、現在の日時が優先度使用時期を含む所定の期間(優先度使用期間)に入ったら処理モードを需要モードから優先度モードに自動的に切り替え、優先度使用期間でなければ処理モードを優先度モードから需要モードに自動的に切り替えるようにしてもよい。ここで、優先度使用期間とは、優先度使用時期を含む所定の期間であり、例えば、発売日、製品情報公開日、プロモーション公開日等を含む所定の期間(例えば3ヶ月間)は優先度使用期間である。また、例えば、プロモーション期間のように、優先度使用時期が一定の期間を有する場合には、そのような優先度使用時期も優先度使用期間に含まれる。
【0117】
優先度使用期間を用いて処理モードを切り換える処理として、制御部210は、優先度情報226に含まれる優先度使用時期を含む優先度使用期間に入った製品があるか否かを判定し、優先度使用期間に入った製品があると判定した場合には部品の数量の調整を優先度モードで行い、優先度使用期間に入った製品がないと判定した場合には部品の数量の調整を需要モードで行うようにしてもいい。また、例えば制御部210は、新製品の発売日の所定の時刻に需要モードから優先度モードに自動で切り替え、発売日から所定の期間(例えば3ヶ月間)が経過したことを判定したら、優先度モードから需要モードに切り替えてもよい。このように処理モードを自動的に切り換えることにより、在庫管理装置200の管理者が処理モードを選択する手間を省くことができ、例えば新製品の発売日に優先度モードに自動で切り替わり、効率的に部品の優先割り当てを行うことができる。
【0118】
次に、
図19を参照して在庫管理処理の具体例を説明する。
図19に示すように、この例では、部品倉庫に「(1)在庫」に示す個数の分だけ各部品の在庫があり、ECサイト装置100からコンポーネントの各バリエーションに対して「(2)需要」に示すだけの照会中注文がある場合を想定する。また、説明を簡潔にするために、この例では、各バリエーションの優先度は同一であるものとし、確定注文や需要予測については考慮しない(それぞれ0である)こととする。
【0119】
まず、在庫管理処理(
図17)のステップS201では、制御部210は、マッピングルール222に基づいて、生産管理サーバ400から取得した部品表からコンポーネント構成マスタを生成する。
【0120】
そして、ステップS202で、制御部210は、供給情報として、各部品の在庫数(
図19に示す「(1)在庫」)を生産管理サーバ400から取得する。そして、ステップS203で、需要情報として、照会中注文(
図19に示す「(2)需要」)をECサイト装置100から取得する。
【0121】
この例では、確定注文は0なので、ステップS204は実質的にスキップされるが、もし確定注文があるなら、その確定注文に対して在庫数を引き当てることになる。
【0122】
そして、ステップS205で、制御部210は、照会中注文に対して在庫数を引き当てるが、この処理は部品引当処理(
図18)で行われる。
【0123】
ベゼルコンポーネントについては、このコンポーネントを構成する部品はベゼルのみなので、ステップS301で「従属需要数=コンポーネント需要((2)需要)」となる。また、優先度の高いバリエーションは存在しないので、ステップS302での判定はNoとなり、ベゼルコンポーネントを構成する部品全て(すなわちベゼル)についてステップS305~S307の処理により、引当可能数が設定されることになる(ステップS303)。ベゼルについては、従属需要数>在庫数になっているので、ステップS305での判定はNoとなり、また異なるバリエーション間で共有している部品はないので比率はいずれも100%となる。したがってステップS307で、各ベゼルの在庫数((1)在庫)がそのまま引当可能数になる。そして、ベゼルのみでベゼルコンポーネントが構成されるので、
図19の「(3)供給可能数」に示すように、引当可能数がそのままコンポーネントの供給可能数となる(ステップS308)。
【0124】
また、ガラスコンポーネントについては、このコンポーネントを構成する部品のうち、印刷ガラスは「従属需要数=コンポーネント需要((2)需要)」かつ比率は100%である。また、その他の部品は2つのバリエーションで共通に用いられるので「従属需要数=コンポーネント需要((2)需要)の和=400」で、比率は同じなので、2つとも50%となる。そして、いずれも従属需要数>在庫数なので、ステップS305での判定はNoとなる。したがって、ステップS307で、印刷ガラスについては在庫数((1)在庫)がそのまま引当可能数(すなわち、印刷ガラス#1については100、印刷ガラス#2については80)になり、その他の部品は在庫数の50%(すなわち100)が引当可能数となる。そして、ステップS308で、コンポーネントを構成する各部品の引当可能数のうち、最小値を当該コンポーネントの供給可能数とするので、
図19の「(3)供給可能数」に示すように、ガラスコンポーネント#1の供給可能数は100、ガラスコンポーネント#2の供給可能数は80となる。
【0125】
そして、この例では、需要予測は0なので、ステップS206は実質的にスキップされる。また、この例では、ステップS205でベゼルや印刷ガラスの在庫数分が全て引き当たってしまっているので、需要予測があってもステップS206での引き当てはできないことになる。ガラスコンポーネントを構成する部品のうち印刷ガラス以外の部品については20だけ残っているが、印刷ガラスがないとガラスコンポーネントを構成できないため、これらはそのまま残る。もし引き当てられていない部品でコンポーネントを構成でき、需要予測があるなら、ステップS206でその需要予測に対してそれらの部品を引き当てることになる。
【0126】
そして、ステップS207で、コンポーネント在庫、すなわちステップS205で算出された各コンポーネントの供給可能数を、ECサイト装置に送信する。
【0127】
図19に示す例では、コンポーネント需要((2)需要)に対して、コンポーネント在庫((3)供給可能数)が少なくなってしまったが、これは部品の在庫数((1)在庫)が少なかったためである。したがって、ステップS208で制御部210は不足していた部品の数を算出して、パーツ補充計画として生産管理サーバ400に送信する。
【0128】
この例では、ベゼルや印刷ガラスについてはすべて引き当てられているので、「(2)需要-(3)供給可能数」が不足していた部品の数量になる。ただ、ガラスコンポーネントを構成する部品のうち印刷ガラス以外の部品については引き当てられていなかった分が20残っているため、「(2)需要(300+100)-(3)供給可能数(100+80)-引き当てられていない分(20)」=200が不足していた部品の数量になる。したがって制御部210は、
図19の「(4)補充計画」に示す数量をパーツ補充計画として生産管理サーバ400に送信することになる。
【0129】
以上説明したように、在庫管理装置200は、需要又は優先度に基づいて、コンポーネントの在庫切れをできるだけ防ぐことができるとともに、在庫切れが生じると予想される場合には、補充計画を作成することができる。
【0130】
(変形例)
なお、上述の実施の形態では、ECサイト装置100が提供するECサイトにユーザがユーザ端末300からウェブブラウザでアクセスして、カスタマイズ処理が行われることを想定しているが、カスタマイズ処理はこのような形態に限定されない。例えば、ユーザ端末300に、ウェブブラウザを使わずにECサイトにアクセスする専用のアプリケーションプログラムをインストールし、この専用アプリケーションプログラムでECサイトにアクセスすることでカスタマイズ処理が実行されるようにしてもよい。
【0131】
また、上述の実施の形態では、ECサイトにおいてユーザがカスタマイズ可能な製品モデル(基底対象物)としてデジタル時計を例として説明したが、カスタマイズの対象となる対象物は、デジタル時計に限定されない。例えば、デジタル時計に替えて又は加えて、アナログ時計やアナログとデジタルのコンビネーション時計(時計の盤面で時針や分針等によるアナログ表示で大きく時刻表示するとともに、時計の盤面の任意の位置に任意の大きさの開口部を設け、その開口部から液晶等によるデジタル表示で時刻等を表示する時計)を、カスタマイズ可能な製品モデル(基底対象物)としてもよい。また、ECサイトでは、時計に限らず、複数の任意のコンポーネントを有する任意の対象物をカスタマイズすることができるようにしてもよい。
【0132】
例えば、ECサイトにおいて、アナログ時計がカスタマイズ可能な対象物として追加される場合、アナログ時計を構成するコンポーネントが必要となる。アナログ時計用のコンポーネントとしては、例えばベゼルコンポーネント、文字盤コンポーネント、ショートバンドコンポーネント、ロングバンドコンポーネント、時針分針秒針コンポーネント、美錠コンポーネント、遊環コンポーネント、リューズコンポーネント等が考えられる。この場合における在庫管理処理のステップS201では、在庫管理装置200の制御部210は、生産管理サーバ400から各製品の部品表を取得し、アナログ時計に対応するために更新されたマッピングルール222に基づいて、コンポーネント構成マスタ221を生成する。その後は
図17のステップS202~S208の処理を同様に行うことで、アナログ時計用の各コンポーネントの在庫を取得してECサイト装置100に送信することができる。
【0133】
また、ECサイトでカスタマイズを行うために、ECサイト装置100のコンポーネント画像情報121には、各コンポーネントの各アングルについての各バリエーションの画像素材(バリエーション画像)を記憶させ、アングル画像情報122には、アナログ時計製品のアングル画像が、どのコンポーネントの画像素材を合成することによって生成されるかを示す情報を記憶させることで、対応が可能になる。アナログとデジタルのコンビネーション時計や、その他の対象物についても、それらを構成するコンポーネントに対応させたマッピングルール222、コンポーネント画像情報121、アングル画像情報122を用意することにより、制御部110及び制御部210は、それぞれ同様のカスタマイズ処理及び在庫管理処理を行うことが可能である。これにより、ユーザ端末300において、ユーザによる任意の対象物(アナログ時計、コンビネーション時計等)のカスタマイズを行うことが可能になる。
【0134】
また、上述の実施の形態では、主に対象物の外観をカスタマイズする例で説明したが、カスタマイズの対象は対象物の外観に限らない。
【0135】
また、ECサイト装置100も、在庫管理装置200も、通常のPC等のコンピュータによっても実現することができる。具体的には、上記実施の形態では、ECサイト装置100の制御部110が実行するプログラムが記憶部120に予め記憶され、在庫管理装置200の制御部210が実行するプログラムが記憶部220に予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)、メモリカード、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各処理を実行することができるコンピュータを構成してもよい。
【0136】
したがって、ユーザ端末300にECサイト装置100と同様のプログラムやデータを記憶させることにより、ユーザ端末300をECサイト装置100(表示制御装置やカスタマイズ装置)として機能させてもよい。また、ユーザ端末300とECサイト装置100とで、必要なデータを分担して記憶し、上述のカスタマイズ処理がユーザ端末300の制御部とECサイト装置100の制御部110とで協働して実行されるようにしてもよい。例えば、カスタマイズ中の画像表示はユーザ端末300の制御部がユーザ端末300の表示部に対して行い、在庫管理装置200や生産管理サーバ400との通信はECサイト装置100の制御部110が行うようにしてもよい。
【0137】
さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の各処理を実行できるように構成してもよい。
【0138】
また、制御部110及び制御部210は、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ、マルチコアプロセッサ等の任意のプロセッサ単体で構成されるものの他、これら任意のプロセッサと、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられて構成されてもよい。
【0139】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0140】
(付記1)
コンピュータが、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要及び優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、
複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
在庫管理方法。
【0141】
(付記2)
前記コンピュータは、
複数の前記対象物のそれぞれの需要又は需要及び優先度の情報を取得する、
付記1に記載の在庫管理方法。
【0142】
(付記3)
前記コンピュータは、
前記コンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて前記対象物が有する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整し、
前記調整により前記割り当てられた前記部品の数量から、複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
付記1又は2の在庫管理方法。
【0143】
(付記4)
前記需要には、前記対象物に対する注文数が含まれ、
前記コンピュータは、
前記注文数と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物が有する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する、
付記1から3のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0144】
(付記5)
前記需要には、前記対象物に対するユーザの行動履歴が含まれ、
前記行動履歴には、前記対象物が有する前記コンポーネントの前記ユーザの閲覧または選択が含まれ、
前記コンピュータは、
前記閲覧の回数若しくは時間又は前記選択の回数の少なくとも何れかと前記部品在庫数とに基づいて前記対象物が有する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する、
付記1から4のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0145】
(付記6)
前記優先度の情報には、前記対象物が限定モデルか否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記限定モデルを構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記限定モデル以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より多くするよう調整する、
付記1から5のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0146】
(付記7)
前記優先度の情報には、前記対象物がプロモーション公開日に公開される公開製品であるか否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記プロモーション公開日以降の所定の期間において、前記公開製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を前記公開製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より多くなるよう調整する、
付記1から6のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0147】
(付記8)
前記優先度の情報には、前記対象物が刻印サービス対応可能な刻印可能製品であるか否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記刻印可能製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記刻印可能製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より、所定の期間において多くなるよう調整する、
付記1から7のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0148】
(付記9)
前記優先度の情報には、前記対象物が過去のある販売期間における売上上位のベストセラー製品であるか否かの情報が含まれ、
前記ベストセラー製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記ベストセラー製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より、所定の期間において多くなるよう調整する、
付記1から8のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0149】
(付記10)
前記優先度の情報には、前記対象物が新製品か否かの情報が含まれ、
前記コンピュータは、
前記新製品を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を、前記新製品以外の対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量より多くするよう調整する、
付記1から9のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0150】
(付記11)
前記コンピュータは、
前記部品の数量の調整を、前記優先度の情報を用いずに行う需要モードと、前記優先度の情報も用いて行う優先度モードのどちらのモードで行うか決定し、
前記需要モードに決定したら、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整し、
前記優先度モードに決定したら、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記優先度と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する、
付記1から10のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0151】
(付記12)
前記優先度の情報には、優先度を使用すべき時期である優先度使用時期が含まれ、
前記コンピュータは、
前記優先度の情報に含まれる前記優先度使用時期を含む優先度使用期間に入った前記対象物があるか否かを判定し、
前記優先度使用期間に入った前記対象物があると判定した場合に、前記部品の数量の調整を、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記優先度と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する優先度モードで行い、
前記優先度使用期間に入った前記対象物がないと判定した場合に、前記部品の数量の調整を、前記コンポーネント構成マスタと前記需要と前記部品在庫数とに基づいて前記対象物を構成する前記コンポーネントに割り当てる前記部品の数量を調整する需要モードで行う、
付記1から11のいずれか1つに記載の在庫管理方法。
【0152】
(付記13)
コンピュータに、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要及び優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
処理を実行させるプログラム。
【0153】
(付記14)
制御部を備える在庫管理装置であって、
前記制御部は、
対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、
前記対象物の需要又は需要又は優先度の情報を取得し、
前記コンポーネントと1つ以上の前記部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、前記需要又は前記需要及び優先度の情報と、前記部品在庫数と、に基づいて、複数の前記コンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する、
在庫管理装置。
【符号の説明】
【0154】
100…ECサイト装置、110,210…制御部、120,220…記憶部、121…コンポーネント画像情報、122…アングル画像情報、123…コンポーネント在庫情報、124…価格情報、125…行動履歴情報、126…カスタマイズ情報、130,230…通信部、200…在庫管理装置、221…コンポーネント構成マスタ、222…マッピングルール、223…部品在庫情報、224…コンポーネント需要情報、225…コンポーネント在庫情報、226…優先度情報、300…ユーザ端末、310…画面、311…カスタマイズボタン、312…アングル画像、313…コンポーネント、314…サムネイル画像、315…カスタマイズ用アイテム、316…チェックマーク、317…売り切れマーク、318…完了ボタン、319…シェアボタン、400…生産管理サーバ、401…ウォッチヘッド、402,404,405,407…点線、403…裏ブタ、406…ベゼル、500…腕時計、510,510A,510B,510C…バンド(S)コンポーネント、511…バンド(S)、512…バネ棒、520…バンド(L)コンポーネント、530…美錠コンポーネント、540…遊環コンポーネント、550…ベゼルコンポーネント、560…ガラスコンポーネント、1000…製品カスタマイズシステム
【要約】
【課題】複数の部品を有するコンポーネントを含む対象物の需要又は需要及び優先度に基づいて、コンポーネントの在庫切れをできるだけ防ぐ。
【解決手段】在庫管理方法は、コンピュータが、対象物が備えるコンポーネントが有する部品の在庫数である部品在庫数を取得し、対象物の需要又は需要及び優先度の情報を取得し、コンポーネントと1つ以上の部品との対応関係を示すコンポーネント構成マスタと、需要又は需要及び優先度の情報と、部品在庫数と、に基づいて、複数のコンポーネントのそれぞれの供給可能数を導出する。
【選択図】
図18