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  • 特許-半導体装置および半導体装置の製造方法 図1
  • 特許-半導体装置および半導体装置の製造方法 図2
  • 特許-半導体装置および半導体装置の製造方法 図3
  • 特許-半導体装置および半導体装置の製造方法 図4
  • 特許-半導体装置および半導体装置の製造方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20221220BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20221220BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01L21/88 R
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022508619
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2020011478
(87)【国際公開番号】W WO2021186503
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 正裕
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-202883(JP,A)
【文献】特開2006-086183(JP,A)
【文献】特開平06-151355(JP,A)
【文献】特開2015-070026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1の面と第2の面を有する半導体基板と、
前記第1の面の上に順に、どちらも導電性を有する第1の層と第2の層が交互に同数積層された密着層と
前記密着層の上に形成された金属層と、を備え、
前記第1の層は、前記半導体基板を構成する元素を含む材料から成り、
前記第2の層は前記第1の層より、前記金属層との密着性が高く、
前記密着層は、前記第1の層および前記第2の層を合わせて4層以上有し、
前記密着層を構成する前記第1の層および前記第2の層の中では、前記金属層に接する前記第2の層を除くと前記半導体基板に接する前記第1の層の膜厚が最も厚く、前記半導体基板に接する前記第1の層を除くと前記金属層に接する前記第2の層の膜厚が最も厚く、
前記半導体基板はSiCから成り、
前記金属層はAuから成り、
前記第1の層はSiまたはWSiから成り、
前記第2の層はTiまたはNiから成る半導体装置。
【請求項2】
前記半導体基板に接する前記第1の層および前記金属層に接する前記第2の層は、どちらも膜厚が10nm以上である請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板には、前記第1の面から前記第2の面まで貫通するバイアホールが設けられ、
前記第2の面に、前記バイアホールを覆う電極が設けられ、
前記密着層は、前記電極の前記バイアホールに臨む面、前記バイアホールの側面および前記第1の面の上に形成された請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板の上に順に、どちらも導電性を有する第1の層と第2の層を交互に同数成膜する第1の工程と、
前記第1の工程で最後に成膜した前記第2の層の上に金属層を形成する第2の工程と、を備え、
前記第1の層は、前記半導体基板を構成する元素を含む材料から成り、
前記第2の層は前記第1の層より、前記金属層との密着性が高く、
前記第1の工程では、前記第1の層および前記第2の層を合わせて4層以上、ALD法を用いて、同一チャンバ内で連続して成膜し、
前記第1の工程で成膜した前記第1の層および前記第2の層の中では、前記金属層に接する前記第2の層を除くと前記半導体基板に接する前記第1の層の膜厚が最も厚く、前記半導体基板に接する前記第1の層を除くと前記金属層に接する前記第2の層の膜厚が最も厚
前記半導体基板はSiCから成り、
前記金属層はAuから成り、
前記第1の層はSiまたはWSiから成り、
前記第2の層はTiまたはNiから成る半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程と前記第2の工程の間に、前記第1の工程で前記第1の層と前記第2の層を成膜する際の成膜上限温度より高い温度で熱処理する工程を備えた請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体基板と金属層の間に密着層を挟んだ半導体装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。密着層を挟むことで、半導体基板と金属層の密着性を高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-112634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の半導体装置では、半導体基板と金属層の密着性が十分でない場合がある。例えば、半導体基板がSiCから成る場合、密着層に、よく使われるTiまたはNiを用いると、半導体基板と密着層の密着性が十分ではない。これは、SiCとTiまたはNiの密着性が十分でないことによる。
【0005】
密着性が十分でない問題を解決するために、密着層を2層構造とすることが考えられる。この2層のうち、半導体基板と接する層(第1の層)を半導体基板との密着性が高い材料で形成し、金属層と接する層(第2の層)を金属層との密着性が高い材料で形成する。しかしこの場合、密着層の中に界面が1つだけ形成されるため、半導体装置が反った場合などのように密着層に応力が掛かると、この1つの界面に応力が集中してしまう。応力集中は、この界面での膜剥がれ、膜浮き等につながる。すわなち、半導体基板と金属層の密着性が低下する。
【0006】
密着性低下の問題を解決するために、密着層を第1の層と第2の層が繰り返される構造とし、密着層内に複数の界面を形成することで、応力集中を防止することが考えられる。しかしこの場合、膜の数が増えるため密着層の膜厚が厚くなり、密着層の膜厚方向の電気抵抗が増大する。密着層の膜厚を薄く抑えるために第1の層および第2の層の膜厚を薄くすると、今度は、拡散等により半導体基板と第1の層との界面付近に第2の層の成分が移動してくるため、この界面における密着性低下が起こる。この問題は金属層と第2の層との界面でも同様に起こる。
【0007】
本開示は上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、半導体基板と金属層の密着性の低下を防止しつつ、密着層を薄く抑えた半導体装置および半導体装置の製造方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この開示に係る半導体装置は、互いに対向する第1の面と第2の面を有する半導体基板と、第1の面の上に順に、どちらも導電性を有する第1の層と第2の層が交互に同数積層された密着層と密着層の上に形成された金属層と、を備え、第1の層は、半導体基板を構成する元素を含む材料から成り、第2の層は第1の層より、金属層との密着性が高く、密着層は、第1の層および第2の層を合わせて4層以上有し、密着層を構成する第1の層および第2の層の中では、金属層に接する第2の層を除くと半導体基板に接する第1の層の膜厚が最も厚く、半導体基板に接する第1の層を除くと金属層に接する第2の層の膜厚が最も厚く、半導体基板はSiCから成り、金属層はAuから成り、第1の層はSiまたはWSiから成り、第2の層はTiまたはNiから成る
【0009】
また、この開示に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に順に、どちらも導電性を有する第1の層と第2の層を交互に同数成膜する第1の工程と、第1の工程で最後に成膜した第2の層の上に金属層を形成する第2の工程と、を備え、第1の層は、半導体基板を構成する元素を含む材料から成り、第2の層は第1の層より、金属層との密着性が高く、第1の工程では、第1の層および第2の層を合わせて4層以上、ALD法を用いて、同一チャンバ内で連続して成膜し、第1の工程で成膜した第1の層および第2の層の中では、金属層に接する第2の層を除くと半導体基板に接する第1の層の膜厚が最も厚く、半導体基板に接する第1の層を除くと金属層に接する第2の層の膜厚が最も厚く半導体基板はSiCから成り、金属層はAuから成り、第1の層はSiまたはWSiから成り、第2の層はTiまたはNiから成る
【発明の効果】
【0010】
本開示の半導体装置および半導体装置の製造方法によれば、第1の層は半導体基板を構成する元素を含む材料から成る。また、第1の層と第2の層の中では、金属層に接する第2の層を除くと半導体基板に接する第1の層の膜厚が最も厚く、半導体基板に接する第1の層を除くと金属層に接する第2の層の膜厚が最も厚い。そのため、半導体基板と金属層の密着性の低下を防止しつつ、密着層を薄く抑えた半導体装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る半導体装置を示す断面図である。
図2】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
図3】実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。
図4図3の一部を拡大した図である。
図5】実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
実施の形態1に係る半導体装置の構成を説明する。実施の形態1に係る半導体装置は図1に示した半導体装置10である。図1は半導体装置10の断面図である。
【0013】
半導体装置10は半導体基板12を備える。半導体基板12は互いに対向する第1の表面14と第2の表面16を有する。半導体基板12は例えばSiCから成る。
【0014】
半導体基板12の第1の表面14の上に密着層18が形成されている。密着層18は、第1の表面14側から順に第1の層20と第2の層22が交互に同数積層されている。第1の層20と第2の層22はどちらも導電性を有する。第1の層20は、半導体基板12を構成する元素を含む材料、例えばSiから成る。第2の層22は例えばTiから成る。密着層18は、第1の層20および第2の層22を合わせて4層以上、望ましくは6層以上有すればよい。
【0015】
密着層18の上に金属層24が形成されている。金属層24は例えばAuから成る。第2の層22には第1の層20より金属層24との密着性が高い材料を用いる。
【0016】
密着層18を構成する第1の層20および第2の層22の中では、金属層24に接する第2の層22を除くと半導体基板12に接する第1の層20の膜厚が最も厚い。また、半導体基板12に接する第1の層20を除くと金属層24に接する第2の層22の膜厚が最も厚い。半導体基板12と接する第1の層20の膜厚は、例えば15nmである。金属層12と接する第1の層20の膜厚は、例えば15nmである。半導体基板12に接する第1の層20の膜厚は、この第1の層20の上にある第2の層22の成分が半導体基板12と第1の層20の界面付近まで移動してくるのを防ぐために10nm以上が望ましい。同様に、金属層24に接する第2の層22の膜厚は、この第2の層22の下にある第1の層20の成分が金属層24と第2の層22の界面付近まで移動してくるのを防ぐために10nm以上が望ましい。半導体基板12にも金属層24にも接していない第1の層20および第2の層22の膜厚は、例えば5nmである。
【0017】
図2を用いて半導体装置10の製造方法を説明する。
【0018】
まず図2(a)に示すように、半導体基板12の上に第1の層20を成膜する。半導体基板12はチャンバ内に入れられ、第1の層20がALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて成膜される。
【0019】
次に図2(b)に示すように、第1の層20の上に第2の層22を成膜する。成膜は、第1の層20の成膜時と同じチャンバ内で、成膜材料(プリカーサ)を切り替えて、ALD法を用いて連続して実施される。
【0020】
次に図2(c)に示すように、第1の層20と第2の層22を交互に成膜する。成膜は、第1の層20の成膜時および第2の層22の成膜時と同じチャンバ内で、成膜材料(プリカーサ)を切り替えて、ALD法を用いて連続して実施される。
【0021】
以上の工程を経て、密着層18が形成される。密着層18を形成するこれらの工程を合わせて第1の工程と呼ぶ。
【0022】
次に図2(d)に示すように、第1の工程で最後に成膜した第2の層22の上に金属層24を形成する。この工程を第2の工程と呼ぶ。金属層24の形成には、例えばスパッタ法、蒸着法、メッキ法などを用いる。
【0023】
以上のとおり実施の形態1によれば、第1の層20は半導体基板12を構成する元素を含む材料から成る。そのため第1の層20は半導体基板12との密着性が高い。密着層18の中で半導体基板12と接するのは第1の層20であるため、密着層18と半導体基板12の密着性は高くなる。
【0024】
また、第2の層22には第1の層20より金属層24との密着性が高い材料を用いるため、密着層18を第1の層20だけの単層構造にする場合より、密着層18と金属層24の密着性は高い。
【0025】
また、密着層18は第1の層20と第2の層22を合わせて4層以上有するため、密着層18内の界面は3つ以上ある。そのため、半導体装置が反った場合などのように密着層に応力が掛かっても、1つの界面に応力が集中することがない。
【0026】
また、密着層18を構成する第1の層20および第2の層22の中では、金属層24に接する第2の層22を除くと半導体基板12に接する第1の層20の膜厚が最も厚い。そのため、半導体基板12に接する第1の層20より上層にある第2の層22の成分が、拡散等により、この第1の層20を通って半導体基板12との界面付近まで移動することが妨げられる。よって、半導体基板12と密着層18との密着性低下が防止される。また、半導体基板12に接する第1の層20を除くと金属層24に接する第2の層22の膜厚が最も厚いため、金属層24に接する第2の層22より下層にある第1の層20の成分が、拡散等により、この第2の層22を通って金属層24との界面付近まで移動することが妨げられる。よって、金属層24と密着層18との密着性低下が防止される。
【0027】
このように、半導体基板12と金属層24の密着性低下が防止されることが分かる。
【0028】
また、半導体基板12に接する第1の層20と金属層24に接する第2の層22の2層以外は膜厚を薄くできるため、密着層全体の膜厚も薄く抑えられる。そのため、密着層の膜厚方向の電気抵抗が増大することもない。
【0029】
また、密着層18を構成する第1の層20および第2の層22の成膜をALD法を用いて同一チャンバ内で連続して行うため、第1の層20および第2の層22の膜厚が均一で、これらの層間の界面の清浄性が良好であり、密着層18内の密着性は高くなる。膜厚が均一になるのは膜厚制御性がよいALD法を用いるからである。第1の層20と第2の層22の界面の清浄性が良好であるのは、成膜を同一チャンバ内で連続して行うため、成膜中に半導体装置を不純物が多いチャンバ外に出さないからである。このように第1の層20と第2の層22の界面の清浄性が良好であるため、密着層18内の密着性が高くなる。
【0030】
なお、第1の工程と第2の工程の間に、第1の工程で第1の層と第2の層を成膜する際の成膜上限温度より高い温度で熱処理する工程を備えてもよい。ALD法では、プリカーサが気相で分解する温度(成膜上限温度)より高温では成膜できない。第1の工程のあと、第2の工程の前に、成膜上限温度より高い温度で熱処理を行うと、密着層18内の各層間の反応や相互拡散などにより、密着層18内の密着性が高まる。熱処理を第1の工程で使用したALD装置内で連続して実施すると、密着層18の最上面の清浄性が高まる。成膜上限温度は、プリカーサがTMA(トリメチルアルミニウム)の場合、約450℃である。
【0031】
また、第1の層20と第2の層22は、それぞれ、密着層18内において全て同一材料としたが、同一材料でなくてもよい。例えば、下層からSi/Ti/Si/Ti/WSi/Ni/WSi/Niのように、第1の層20がSiまたはWSiから成り、第2の層22がTiまたはNiからなるような積層構造でもかまわない。
【0032】
また、第1の層20と第2の層22の成膜にALD法を用いるとしたが、スパッタ法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜してもよい。その場合でも、半導体基板12と金属層24の密着性低下が防止される効果は得られる。
【0033】
また、金属層24には金属だけでなく、合金、ポリシリコンなどの導電性がある材料を用いてもよい。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態2に係る半導体装置について説明する。実施の形態2に係る半導体装置は、バイアホールが形成された半導体基板を有する点が、実施の形態1の半導体装置10と異なる。ここではこの点も含め、主に実施の形態1との違いを記載する。
【0035】
実施の形態2に係る半導体装置の構成を説明する。実施の形態2に係る半導体装置は図3に示した半導体装置50である。図3は半導体装置50の断面図である。
【0036】
半導体装置50は半導体基板52を備える。半導体基板52は互いに対向する第1の表面54と第2の表面56を有する。半導体基板52は例えばSiCから成る。
【0037】
半導体基板52には、第1の表面54から第2の表面56まで貫通するバイアホール68が設けられている。
【0038】
半導体基板52の第2の表面56に、バイアホール68を覆う電極66が設けられている。電極66は例えばTi/Auから成る。
【0039】
電極66のバイアホール68に臨む面70、バイアホール68の側面72および第1の表面54の上に密着層58が形成されている。密着層58内の積層構造は実施の形態1の密着層18と同様である。図3では密着層58内の積層構造の図示は省略している。
【0040】
密着層58の上に金属層64が形成されている。金属層64は例えばAuから成る。
【0041】
図4図3の破線で囲まれた領域を拡大したものである。図4では密着層58内の積層構造を描いた。密着層58は、基板52側から金属層64に向けて、第1の層60と第1の層62が交互に同数積層されている。第1の層60と第2の層62はどちらも導電性を有する。第1の層60は、半導体基板52を構成する元素を含む材料、例えばSiから成る。第2の層62には第1の層60より、金属層64との密着性が高い材料を用いる。密着層58は、第1の層60および第2の層62を合わせて4層以上、望ましくは6層以上有すればよい。金属層64に接する第2の層62を除くと半導体基板12に接する第1の層60の膜厚が最も厚く、半導体基板52に接する第1の層60を除くと金属層64に接する第2の層62の膜厚が最も厚い。
【0042】
半導体装置50の製造方法を図5を用いて説明する。
【0043】
半導体装置50を製造方法は、まず図5(a)に示すように、半導体基板52の第2の表面56に電極66を形成する。電極66の形成には、例えばスパッタ法、蒸着法、メッキ法などを用いる。
【0044】
次に図5(b)に示すように、半導体基板52を第1の表面54側から電極66に達するまでエッチングしてバイアホール68を形成する。
【0045】
次に図5(c)に示すように、電極66のバイアホール68に臨む面70、バイアホール68の側面72および第1の表面54の上に密着層58を形成する。図5(c)では密着層58内の積層構造の図示は省略しているが、密着層58は実施の形態1の密着層18と同様に、半導体基板52側から第1の層60と第2の層62を交互に積層したものである。積層はALD法を用い、同じチャンバ内で連続して実施される。密着層58を形成する工程を第1の工程と呼ぶ。
【0046】
次に図5(d)に示すように、密着層58の上、すなわち第1の工程で最後に成膜した第2の層62の上に金属層64を形成する。この工程を第2の工程と呼ぶ。金属層64の形成には、例えばスパッタ法、蒸着法、メッキ法などを用いる。
【0047】
以上のとおり実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得られる。特に、半導体基板52としてSiC基板を用い、窒化ガリウム(GaN)を用いた高周波デバイスを半導体基板52の第2の表面56側に形成している場合は、半導体基板52と金属層64との密着性が低くなる可能性があるため、この実施の形態の適用が密着性低下の防止に有効である。
【符号の説明】
【0048】
10,50 半導体装置
12,52 半導体基板
14,54 第1の表面
16,56 第2の表面
18,58 密着層
20,60 第1の層
22,62 第2の層
24,64 金属層
66 電極
68 バイアホール
70 面
72 側面
図1
図2
図3
図4
図5