(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20221220BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20221220BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20221220BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20221220BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20221220BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W88/04
H04W84/10 110
H04W92/18
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2018216182
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】栗田 武
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-005294(JP,A)
【文献】特開2009-303144(JP,A)
【文献】特開2005-223722(JP,A)
【文献】特開2012-054732(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017498(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部を有し、
前記指示部は、指示する前記中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた前記指示情報を送信
し、
前記指示部は、前記端末装置の推定位置から予め定められた第1の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、接続を指示する旨を示す接続指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信し、前記第1の範囲外であって予め定められた第2の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、前記端末装置の探索を促す所定の情報を含む探索指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信する
管理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の管理装置であって、
前記端末装置と通信を確立することにより得られる情報は、前記中継装置の持ち主の属性に応じた、前記端末装置の探索を促す情報である
管理装置。
【請求項3】
請求項1
または請求項2に記載の管理装置であって、
前記中継装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の推定位置と、に基づいて、指示する前記中継装置を選択する選択部を有し、
前記指示部は、前記選択部が選択した前記中継装置に対して前記指示情報を送信する
管理装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の管理装置であって、
前記選択部は、前記端末装置の推定位置から予め定められた第1の範囲内に前記中継装置が存在する場合、当該第1の範囲内に存在する前記中継装置を指示する前記中継装置として選択し、前記第1の範囲内に前記中継装置が存在しない場合、前記第1の範囲外であって予め定められた第2の範囲内に存在する前記中継装置を指示する前記中継装置として選択する
管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項
4までのいずれか1項に記載の管理装置であって、
前記指示部は、前記中継装置から前記端末装置との間の通信が切断した旨を示す情報を受信した場合に、前記指示情報を所定の前記中継装置に対して送信する
管理装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の管理装置であって、
前記端末装置との間の通信が切断した旨を示す情報には、前記中継装置の位置を示す位置情報が含まれており、
前記指示部は、前記端末装置の推定位置として、前記位置情報が示す位置を用いる
管理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項
6までのいずれか1項に記載の管理装置であって、
前記中継装置から受信した問い合わせに応じて、前記中継装置が通信を確立しようとしている前記端末装置と前記中継装置とが通信を確立する際に必要となる情報である接続情報を送信する送信部を有する
管理装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の管理装置であって、
前記送信部は、前記端末装置が収集したデータの送信先である処理装置と通信を確立するための必要となる情報を前記接続情報に含めて前記中継装置に対して送信する
管理装置。
【請求項9】
管理装置が、
予め定められた所定の条件を満たす場合、端末装置との通信の確立を指示し、指示する中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた情報である指示情報を、前記中継装置に対して送信
し、
前記端末装置の推定位置から予め定められた第1の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、接続を指示する旨を示す接続指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信し、前記第1の範囲外であって予め定められた第2の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、前記端末装置の探索を促す所定の情報を含む探索指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信する
管理方法。
【請求項10】
管理装置に、
端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部を実現させ、
前記指示部は、指示する前記中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた前記指示情報を送信
し、
前記指示部は、前記端末装置の推定位置から予め定められた第1の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、接続を指示する旨を示す接続指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信し、前記第1の範囲外であって予め定められた第2の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、前記端末装置の探索を促す所定の情報を含む探索指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データ収集端末などの端末装置をインターネットなどのコンピュータ通信網へ出来る限り常時接続するための技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、情報を処理する処理部と、外部機器との間で疎結合の近距離無線通信を行う通信部と、を有するウェアラブル機器が記載されている。特許文献1によると、通信部は、不特定多数の機器が接続可能なゲートウェイ機器に疎結合の近距離無線通信により通信接続され、ゲートウェイ機器を介してコンピュータ通信網に通信接続される。また、処理部は、ウェアラブル機器の情報を疎結合の近距離無線通信により送信することに基づいて取得した報知情報の報知処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術の場合、ウェアラブル機器などの端末装置は、ゲートウェイ機器の近くに行かないとインターネットなどのコンピュータ通信網に接続できない。そのため、ゲートウェイ機器が壊れたなどの理由によりゲートウェイ機器が近くにない場合やゲートウェイ機器の場所が分からない場合などにおいて、コンピュータ通信網と接続できないおそれがあった。
【0006】
このように、端末装置を出来る限りインターネットなどのコンピュータ通信網と接続可能とすることが難しい場合がある、という問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、端末装置を出来る限りインターネットなどのコンピュータ通信網と接続可能とすることが難しい場合がある、という課題を解決する管理装置、指示方法、プログラム、端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である管理装置は、
端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部を有し、
前記指示部は、指示する前記中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた前記指示情報を送信する
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の他の形態である管理方法は、
管理装置が、
予め定められた所定の条件を満たす場合、端末装置との通信の確立を指示し、指示する中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた情報である指示情報を、前記中継装置に対して送信する
という構成をとる。
【0010】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
管理装置に、
端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部を実現させ、
前記指示部は、指示する前記中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた前記指示情報を送信する
プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のように構成されることにより、端末装置を出来る限りインターネットなどのコンピュータ通信網と接続することが可能な、管理装置、管理方法、プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる通信システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1で示す管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2で示す収集端末情報の一例を示す図である。
【
図4】
図2で示す中継装置情報の一例を示す図である。
【
図5】
図2で示す処理機器情報の一例を示す図である。
【
図7】
図1で示す中継装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図1で示す収集端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】通信システムにおける処理の一例を説明するための図である。
【
図10】通信システムにおいてペアリングが切断された際の処理の一例を説明するための図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態における管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を
図1から
図12までを参照して説明する。
図1は、通信システム1の構成の一例を示す図である。
図2は、管理サーバ2の構成の一例を示すブロック図である。
図3は、収集端末情報221の一例を示す図である。
図4は、中継装置情報222の一例を示す図である。
図5は、処理機器情報223の一例を示す図である。
図6は、候補選択処理の一例を説明するための図である。
図7は、中継装置3の構成の一例を示すブロック図である。
図8は、収集端末4の構成の一例を示すブロック図である。
図9、
図10は、通信システムにおける処理の一例を説明するための図である。
図11、
図12は、通信システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0014】
本発明の第1の実施形態では、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信機能のみを有し携帯電話回線を用いた無線通信機能などを有さない収集端末4が収集したデータを、スマートフォンなどの中継装置3を介して、管理サーバ2へと送信する通信システム1について説明する。本実施形態において説明する通信システム1では、管理サーバ2は、収集端末4と中継装置3との接続をサポートする。後述するように、管理サーバ2は、例えば、位置情報を取得する手段を有さない収集端末4の位置を示す情報として、中継装置3の位置を示す情報を用いる。また、管理サーバ2は、収集端末4と中継装置3との間の通信が切断されると、想定される収集端末4の位置周辺の中継装置3に対して、収集端末4との通信を確立する旨の指示(指示情報)を送信する。
【0015】
図1は、通信システム1全体の構成の一例を示している。
図1を参照すると、通信システム1は、例えば、管理サーバ2と中継装置3と収集端末4とクラウド5とを有している。
図1で示すように、中継装置3と収集端末4とは、Bluetoothなどの近距離無線通信機能を用いて互いに通信可能なよう接続することが出来る。また、中継装置3と管理サーバ2とは、4G、5Gなどの携帯電話回線を用いた無線通信機能などを活用することで、互いに通信可能なよう接続することが出来る。同様に、中継装置3とクラウド5とは、携帯電話回線を用いた無線通信機能などを活用することで、互いに通信可能なよう接続することが出来る。
【0016】
なお、
図1では、通信システム1の構成の概要を示しており、通信システム1の構成は
図1で示す場合に限定されない。例えば、通信システム1は、複数の中継装置3や複数の収集端末4を含むことが出来る。また、通信システム1は、複数の管理サーバ2や複数のクラウド5を含んでも構わない。また、中継装置3と管理サーバ2との間の接続や中継装置3とクラウド5との間の接続は、例えば、Wi-Fiなどの他の無線通信機能により行っても構わない。
【0017】
管理サーバ2は、通信システム1全体の管理を行う情報処理装置である。例えば、管理サーバ2は、中継装置3からの問い合わせに応じて、中継装置3が収集端末4やクラウド5と接続するために必要な情報を中継装置3に対して送信する。また、管理サーバ2は、必要に応じて、収集端末4との通信を確立するよう所定範囲内の中継装置3に対して指示する。
【0018】
図2は、管理サーバ2の構成の一例を示している。
図2を参照すると、管理サーバ2は、例えば、通信I/F部21と、記憶部22と、演算処理部23とを含んでいる。管理サーバ2は、
図2で示す構成の他に、キーボードやマウスなどの操作入力装置から構成される操作入力部や、LCD(Liquid Crystal Display)などの画面表示装置から構成される画面表示部など、一般的な情報処理装置が有する構成を備えても構わない。
【0019】
通信I/F部21は、データ通信回路から構成される。通信I/F部21は、有線または無線を介して接続された図示しない外部装置などとの間でデータ通信を行う。例えば、通信I/F部21は、有線や無線を介して接続された無線通信基地局を介して、中継装置3との間でデータ通信を行う。なお、無線通信基地局と中継装置3との間の通信は、例えば、携帯電話回線を用いた無線通信やWi-Fiなどにより行われる。
【0020】
記憶部22は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置から構成される。記憶部22は、演算処理部23における各種処理に必要な処理情報およびプログラム224を記憶する。プログラム224は、演算処理部23に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム224は、通信I/F部21などのデータ入出力機能を介して図示しない外部装置や記憶媒体から予め読み込まれて記憶部22に保存される。記憶部22に記憶される主な処理情報には、例えば、収集端末情報221と、中継装置情報222と、処理機器情報223と、がある。
【0021】
収集端末情報221は、収集端末4に関する情報である。収集端末情報221には、中継装置3が収集端末4と通信を確立する際に必要となる情報などが含まれている。
図3は、収集端末情報221の一例を示している。
図3を参照すると、収集端末情報221では、例えば、固有IDと、近距離無線通信接続情報と、データ容量情報と、位置情報と、が対応づけられている。例えば、
図3の一行目では、固有ID「xxxxxx」と、近距離無線通信接続情報「0123」と、データ容量情報「Y GB」と、位置情報「zzzzzzzz」と、が対応づけられている。
【0022】
ここで、収集端末情報221中の固有IDとは、収集端末4ごとに付与される収集端末4の識別子である。また、近距離無線通信接続情報は、対応付する固有IDを有する収集端末4と通信を確立する際に必要となる情報である。近距離無線通信接続情報は、例えば、PINコードなどの鍵情報である。また、データ容量情報は、例えば、収集端末4が有する記憶装置(後述する記憶部44)の容量を示す情報である。データ容量情報は、収集端末4が既に使用している容量を示す情報などを含んでいても構わない。また、位置情報は、収集端末4の位置を示す情報である。位置情報は、例えば、緯度経度などを示している。
【0023】
なお、後述するように、本実施形態における収集端末4は、自身の位置情報を取得する手段を有していない。そのため、収集端末情報221中の位置情報には、例えば、中継装置3の位置情報が格納される。これは、中継装置3と近距離無線通信中の収集端末4は、中継装置3の近傍に位置していると推定されるためである。つまり、本実施形態においては、中継装置3の位置を収集端末4の推定位置とする。なお、収集端末4がGPSなどの位置を確認する機能を有する場合、収集端末4自身が確認した位置情報を収集端末情報221中の位置情報としても構わない。
【0024】
また、
図3で示す各種対応付けられた情報のうち、固有IDと近距離無線通信接続情報とは、基本的に更新されない。一方、収集端末情報221に含まれる位置情報は、中継装置3から受信した情報に応じて随時更新される。
【0025】
中継装置情報222は、中継装置3に関する情報である。中継装置情報222には、管理サーバ2が所定の指示を送る中継装置3を選択する際に必要となる情報などが含まれている。
図4は、中継装置情報222の一例を示している。
図4を参照すると、中継装置情報222では、例えば、固有IDと、位置情報と、が対応づけられている。例えば、
図4の一行目では、固有ID「XXXXXX」と、位置情報「xyzxyzxz」と、が対応づけられている。
【0026】
ここで、中継装置情報222中の固有IDとは、中継装置3ごとに付与される中継装置3の識別子である。また、位置情報は、中継装置3の位置を示す情報である。位置情報は、例えば、緯度経度などを示している。位置情報は、中継装置3から受信した情報に応じて随時更新される。
【0027】
処理機器情報223は、処理機器であるクラウド5に関する情報である。処理機器情報223には、中継装置3がクラウド5と通信を確立する際に必要となる情報などが含まれている。
図5は、処理機器情報223の一例を示している。
図5を参照すると、処理機器情報223では、例えば、固有IDと、IPアドレスと、認証情報と、が対応づけられている。例えば、
図5の一行目では、固有ID「aaaaaa」と、IPアドレス「bbb.b.b.b」と、認証情報「ABCDEF」と、が対応づけられている。
【0028】
ここで、処理機器情報223中の固有IDとは、処理機器であるクラウド5ごとに付与されるクラウド5の識別子である。また、IPアドレスは、処理機器であるクラウド5のIPアドレスである。また、認証情報は、クラウド5と通信を確立する際に必要となる鍵情報などの情報である。
【0029】
以上が、記憶部22が記憶する情報の一例である。なお、記憶部22が記憶する収集端末情報221、中継装置情報222、処理機器情報223には、上述した例以外の情報を含めても構わない。
【0030】
例えば、収集端末情報221には、収集端末4が収集するデータがたまる速度を示す情報や、ペアリングを切断してからの経過時間を示す情報、前回ペアリングを行った時間(データをクラウド5へと送信した時間)を示す情報などを含めることが出来る。また、例えば、中継装置情報222には、中継装置3の持ち主の属性を示す情報を含めることが出来る。ここで、中継装置3の持ち主の属性を示す情報とは、例えば、所定のゲームを利用しているか、何の割引を希望しているか、何のポイントを利用しているか、など、中継装置3のオペレータの好みや望みに応じた情報である。また、例えば、処理機器情報223には、データ処理対象となる収集端末4の固有IDを示す情報を含めることが出来る。つまり、処理機器情報223は、クラウド5の固有IDと、IPアドレスと、認証情報と、収集端末4の固有IDと、を対応づけても構わない。
【0031】
演算処理部23は、MPUなどのプロセッサとその周辺回路を有する。演算処理部23は、記憶部22からプログラム224を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム224とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部23で実現される主な処理部には、例えば、受信部231と、接続情報送信部232と、候補選択部233と、候補指示部234(指示部)と、がある。
【0032】
受信部231は、中継装置3が送信した情報を、例えば無線通信基地局を介して受信する。
【0033】
例えば、受信部231は、中継装置3から、収集端末4の固有IDを含む問い合わせを受信する。受信部231が中継装置3から問い合わせを受信すると、後述するように、接続情報送信部232は、所定の接続情報を、無線通信基地局を介して中継装置3に対して送信する。
【0034】
また、例えば、受信部231は、中継装置3から、中継装置3の位置情報を含むペアリング完了通知や、中継装置3の位置情報を含むペアリング切断通知を受信する。ペアリング完了通知やペアリング切断通知を受信すると、受信部231は、受信した通知に基づいて、収集端末情報221に含まれる位置情報や中継装置情報222に含まれる位置情報を更新する。つまり、受信部231は、収集端末情報221に含まれる位置情報や中継装置情報222に含まれる位置情報を、ペアリング完了通知やペアリング切断通知に含まれる位置情報に更新する。また、受信部231がペアリング切断通知を受信した場合、後述するように、候補選択部233は、所定の選択処理を開始する。
【0035】
例えば、以上のように、受信部231は、問い合わせ、ペアリング完了通知、ペアリング切断通知、などの各種情報を、無線通信基地局を介して中継装置3から受信する。
【0036】
接続情報送信部232は、受信部231が中継装置3から問い合わせを受信した場合に、中継装置3が収集端末4やクラウド5と通信を確立する際に必要となる情報を中継装置3に対して送信する。
【0037】
例えば、接続情報送信部232は、受信部231が問い合わせを受信すると、記憶部22が記憶する収集端末情報221を参照する。そして、接続情報送信部232は、問い合わせに含まれる収集端末4の固有IDに対応する近距離無線通信接続情報を取得する。また、接続情報送信部232は、記憶部22が記憶する処理機器情報223を参照する。そして、接続情報送信部232は、問い合わせに含まれる固有IDが示す収集端末4が収集したデータを処理するクラウド5のIPアドレス、認証情報を取得する。このように、接続情報送信部232は、受信部231が受信した問い合わせに応じて、収集端末4やクラウド5と接続する際に必要となる情報を記憶部22から取得する。その後、接続情報送信部232は、取得した情報である近距離無線通信接続情報、クラウド5のIPアドレス、認証情報、を含む接続情報を中継装置3に対して送信する。
【0038】
例えば、以上のように、接続情報送信部232は、受信部231が受信した問い合わせに応じて、近距離無線通信接続情報、IPアドレス、認証情報、などの収集端末4やクラウド5と通信を確立する際に必要となる情報を含む接続情報を、中継装置3に対して送信する。
【0039】
候補選択部233は、受信部231が中継装置3からペアリング切断通知を受信した場合など所定の場合に、収集端末4と通信の確立を行うよう指示する中継装置3を選択する。例えば、候補選択部233は、受信部231がペアリング切断通知を受信すると、中継装置情報222を参照する。そして、候補選択部233は、中継装置情報222に含まれる位置情報に基づいて、中継装置3の選択処理を開始する。
【0040】
図6は、候補選択部233による選択処理の一例を説明するための図である。
図6を参照すると、例えば、候補選択部233は、中継装置情報222に含まれる位置情報に基づいて、ペアリング切断通知に含まれる位置情報が示す場所(収集端末4の推定位置)から予め定められた第1の範囲内に、ペアリングを切断した中継装置3以外の中継装置3が存在するか否か確認する。そして、第1の範囲内に該当する中継装置3が存在する場合、候補選択部233は、第1の範囲内に存在する中継装置3を指示する中継装置3として選択する。例えば、
図6の場合、候補選択部233は、第1の範囲内に存在する3台の中継装置3を指示する中継装置3として選択する。
【0041】
一方、第1の範囲内に該当する中継装置3が存在しない場合、候補選択部233は、第1の範囲よりも広い第2の範囲内に、ペアリングを切断した中継装置3以外の中継装置3が存在するか否か確認する。そして、第2の範囲内に該当する中継装置3が存在する場合、候補選択部233は、第2の範囲内に存在する中継装置3を指示する中継装置3として選択する。例えば、
図6のうち第1の範囲内に存在する3台の中継装置3がなかったとすると、候補選択部233は、第1の範囲の外側で第2の範囲内に存在する4台の中継装置3を指示する中継装置3として選択する。一方、第2の範囲内に該当する中継装置3が存在しない場合、候補選択部233は、接続候補の選択を終了する。
【0042】
例えば、以上のように、候補選択部233は、中継装置情報222に含まれる位置情報(中継装置3の位置情報)と、ペアリング切断通知に含まれる位置情報(収集端末4の推定位置)と、に基づいて、指示する中継装置3を選択する。
【0043】
なお、第1の範囲と第2の範囲とは、予め定められた任意の値で構わない。例えば、第1の範囲は半径1kmであり、第2の範囲は半径5kmである。第1の範囲と第2の範囲の値は、例示した以外であっても構わない。
【0044】
また、候補選択部233は、上述した処理以外を行うよう構成しても構わない。例えば、候補選択部233は、各中継装置3に対して、自身の位置を示す位置情報を送信するよう指示することにより中継装置情報222を更新したうえで、上記選択処理を行うよう構成しても構わない。また、候補選択部233は、第2の範囲による選別を行わずに、第1の範囲内に中継装置3が存在しない場合、全ての中継装置3を指示する中継装置3として選択するよう構成しても構わない。また、候補選択部233は、例えば、第1の範囲内に存在する中継装置3に対して候補指示部234が所定の指示を行ったにも構わらず、所定時間内に指示した中継装置3から問い合わせを受信しない場合、第2の範囲内に存在する中継装置3を追加的に選択するよう構成しても構わない。このように、候補選択部233は、時間の経過に応じて選択する中継装置3の範囲を広げるよう構成しても構わない。
【0045】
また、候補選択部233が選択処理を開始するタイミングは、受信部231がペアリング切断通知を受信したタイミングに限定されない。例えば、候補選択部233は、収集端末情報221に基づいて、前回ペアリングを行ってから予め定められた所定時間経過した場合や、空き容量が予め定められた閾値以下になると推定されるタイミングなどで選択処理を開始するよう構成しても構わない。
【0046】
候補指示部234は、候補選択部233が選択した中継装置3に対して、所定の指示を行う。例えば、候補指示部234は、指示する中継装置3が第1の範囲内の中継装置3かそれ以外の中継装置3かなどに基づいて、異なる指示を行う。
【0047】
例えば、候補指示部234は、第1の範囲内に存在する中継装置3に対して指示する場合、接続を指示する旨を示す接続指示を中継装置3に対して送信する。接続指示には、例えば、接続を指示する旨、ペアリング切断通知に含まれる位置情報、などが含まれている。一方、第1の範囲外に存在する中継装置3に対して指示する場合(第2の範囲内に存在する中継装置3に対して指示する場合)、候補指示部234は、探索のモチベーションを与えるための所定の情報を含む探索指示を中継装置3に対して送信する。探索指示には、例えば、接続を指示する旨、ペアリング切断通知に含まれる位置情報、モチベーションを与えるための所定の情報、などが含まれている。
【0048】
ここで、探索のモチベーションを与えるための所定の情報とは、例えば、中継装置3にインストールされているゲーム内にレアキャラやレアアイテムを発生させる情報や、金銭的なインセンティブを与える情報、通信料割引や所定のポイントを付与する情報などである。探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、例えば、上記のような探索することによる利益を中継装置3に発生させることで、中継装置3のオペレータに収集端末4の探索を促す。つまり、探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、探索を促す情報である、ということも出来る。
【0049】
具体的には、例えば、スマートフォンである中継装置3で稼働する位置情報を用いたソーシャルゲームで実現する場合、上記探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、ペアリング切断通知に含まれる位置情報が示す場所にレアアイテムやレアキャラが入手できるイベントなどを実現させるための情報である。また、探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、例えば、ペアリング切断通知に含まれる位置情報が示す場所に行くことで生じる、当該位置近傍に位置するお店の割引券などである。もちろん、上記例示した以外の何らかの利益を生じさせる情報であっても構わない。
【0050】
例えば、以上のように、候補指示部234は、第1の範囲内に存在する中継装置3に対して指示する場合、接続指示を行う。一方、第2の範囲内に存在する中継装置3に対して指示する場合、候補指示部234は、探索指示を行う。このように、候補指示部234は、指示する中継装置3のペアリング切断通知に含まれる位置情報(つまり、収集端末4の推定位置)が示す場所からの離れ具合(例えば、第1の範囲内か否か)に応じた指示を行う。
【0051】
なお、探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、中継装置3にゲームがインストールされているか、中継装置3のオペレータが何の割引を望んでいるか、など、中継装置3の持ち主であるオペレータの属性に応じた情報とすることが出来る。例えば、候補指示部234は、中継装置情報222に格納されている持ち主の属性を示す情報に基づいて、探索のモチベーションを与えるための所定の情報として何を用いるか決定することが出来る。なお、候補指示部234は、複数種類の探索のモチベーションを与えるための所定の情報を送信しても構わない。この場合、例えば、中継装置3のオペレータによりどの情報を採用するか選択可能なよう構成しても構わない。
【0052】
また、探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、例えば、ペアリング切断通知に含まれる位置情報が示す場所からの離れ具合に応じて変化するよう構成しても構わない。例えば、探索のモチベーションを与えるための所定の情報は、ペアリング切断通知に含まれる位置情報が示す場所から離れれば離れるほど、よりレアなキャラやアイテムを発生させる、より大きな金銭的なインセンティブを与える、割引率を大きくする、より大きなポイントを付与する、情報とすることが出来る。このように、探索のモチベーションを与えるための所定の情報も離れ具合に応じて変化するよう構成しても構わない。
【0053】
以上が、演算処理部23で実現される主な処理部の一例である。
【0054】
中継装置3は、収集端末4、管理サーバ2、クラウド5などと通信を行う装置であり、例えば、スマートフォンなどの携帯端末である。中継装置3は、Bluetoothなどの近距離無線通信により収集端末4と通信を行うことが出来る。また、中継装置3は、携帯電話回線を用いた無線通信機能やWi-Fiなどの無線通信機能により、無線通信基地局などを介して、管理サーバ2やクラウド5と通信を行うことが出来る。
【0055】
本実施形態の場合、中継装置3は、接続指示や探索指示を管理サーバ2から受信する。接続指示や探索指示を受信すると、中継装置3は、中継装置3の予めインストールされている地図情報上やゲーム上などに、接続指示や探索指示に含まれる位置情報が示す場所を表示する。これにより、接続指示や探索指示を受信した中継装置3のオペレータは、接続指示や探索指示に含まれる位置情報が示す場所に容易に近づくことが出来る。
【0056】
図7は、本実施形態に特徴的な中継装置3の構成の一例を示すブロック図である。
図7を参照すると、中継装置3は、位置情報取得部31と、近距離無線通信部32と、携帯電話回線通信部33と、を有している。また、中継装置3は、Wi-Fi通信機能、地図表示機能や各種ゲームを実行する機能など、一般的なスマートフォンなどの携帯端末が有する機能を有している。なお、例えば、中継装置3は、記憶装置とCPUなどの演算装置とを有しており、記憶装置が記憶するプログラムを演算装置が実行することで、上記各処理部を実現する。
【0057】
位置情報取得部31は、GPSなどを用いて、中継装置3の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部31が取得した位置情報は、携帯電話回線通信部33を介して、管理サーバ2へと送信される。
【0058】
近距離無線通信部32は、アンテナなどを介して、例えば、収集端末4との間で近距離無線通信を行う。例えば、中継装置3の近距離無線通信部32は、収集端末4から収集端末4の固有IDを受信する。また、近距離無線通信部32は、管理サーバ2から受信した近距離無線通信接続情報を用いて、収集端末4との間でペアリングを行って、収集端末4と近距離無線通信を行う。また、近距離無線通信部32は、収集端末4が収集したデータを収集端末4から受信する。
【0059】
携帯電話回線通信部33は、アンテナなどを介して、例えば、管理サーバ2やクラウド5と携帯電話回線を用いた無線通信を行う。例えば、中継装置3は、収集端末4から当該収集端末4の固有IDを受信すると、携帯電話回線通信部33を用いて、管理サーバ2に対して収集端末4の固有IDを含む問い合わせを送信する。また、携帯電話回線通信部33は、収集端末4との間でペアリングを実行して収集端末4と近距離無線通信を開始した際に、位置情報取得部31が取得した位置情報を含むペアリング完了通知を管理サーバ2に対して送信する。また、携帯電話回線通信部33は、収集端末4との間のペアリングが切断された際に、位置情報取得部31が取得した位置情報を含むペアリング切断通知を管理サーバ2に対して送信する。
【0060】
また、中継装置3の携帯電話回線通信部33は、管理サーバ2から接続情報を受信すると、受信した接続情報に含まれるクラウド5のIPアドレス、認証情報を用いて、クラウド5との通信を確立する。また、携帯電話回線通信部33は、収集端末4から当該収集端末4が取得したデータを受信すると、クラウド5に対して収集端末4から受信したデータを送信する。
【0061】
以上のように、中継装置3は、当該中継装置3の位置情報を含む情報を管理サーバ2へと送信するとともに、収集端末4が収集したデータをクラウド5へと送信する際の中継を行う。
【0062】
収集端末4は、当該収集端末4を保持するオペレータのデータ(例えば、脈拍、血圧、酸素飽和度などの収集端末4を保持するオペレータの身体に関するデータ)を収集する端末装置である。収集端末4は、例えば、スマートウォッチなどの身体に装着される情報処理装置である。
【0063】
本実施形態における収集端末4は、例えば、消費電力の抑制などを目的として、携帯電話回線を用いた無線通信機能やWi-Fiなどの無線通信機能を有していない。また、収集端末4は、GPSなどを有しておらず、自身の位置を示す情報を取得する手段を有していない。
【0064】
図8は、本実施形態に特徴的な収集端末4の構成の一例を示すブロック図である。
図8を参照すると、収集端末4は、例えば、近距離無線通信部41と、収集手段42と、秘密分散部43と、記憶部44とを有している。例えば、収集端末4は記憶装置とCPUなどの演算装置とを有しており、記憶装置が記憶するプログラムを演算装置が実行することで、上記各処理部を実現する。また、記憶部44には、収集手段42が収集したデータである収集データが格納される。
【0065】
近距離無線通信部41は、アンテナなどを介して、例えば、中継装置3との間で近距離無線通信を行う。例えば、収集端末4の近距離無線通信部41は、接続可能な収集端末4を探している中継装置3などに対して、自身の固有IDを送信する。また、収集端末4の近距離無線通信部41は、中継装置3との間でペアリングを実行して中継装置3と近距離無線通信を行う。また、収集端末4の近距離無線通信部41は、ペアリング実行中の中継装置3に対して、収集手段42が収集したデータ(記憶部44に格納されたデータ)を送信する。
【0066】
収集手段42は、センサなどを用いて、脈拍、血圧、酸素飽和度などの収集端末4を保持するオペレータの身体に関するデータを取得する。そして、収集手段42は、取得したデータを収集データとして記憶部44に格納する。
【0067】
秘密分散部43は、収集手段42が取得したデータを秘密分散する。本実施形態においては、秘密分散部43の処理については限定しない。秘密分散部43は、既知の技術を用いて秘密分散を行う。収集端末4の近距離無線通信部41は、ペアリング実行中の中継装置3に対して、収集手段42が収集したデータ(記憶部44に格納されたデータ)を秘密分散部43が秘密分散した結果を送信することになる。
【0068】
記憶部44は、メモリなどの記憶装置である。記憶部44には、収集手段42が取得したデータである収集データが格納される。
【0069】
以上のように、収集端末4は、収集手段42を用いて所定のデータを収集するとともに、近距離無線通信部41を用いて収集したデータをペアリング実行中の中継装置3に対して送信する。
【0070】
クラウド5は、中継装置3から受信したデータを処理する。また、クラウド5は、処理した結果に応じた情報を、中継装置3を介して収集端末4に送信することが出来る。本実施形態においては、クラウド5の構成については特に限定しない。
【0071】
以上が、通信システム1が有する管理サーバ2、中継装置3、収集端末4、クラウド5の構成の一例である。
【0072】
続いて、
図9から
図12までを参照して、通信システム1の動作の一例について説明する。
図9は、通信システム1における処理の一例を説明するための図である。
図10は、通信システム1においてペアリングが切断された際の処理の一例を説明するための図である。
図11、
図12は、通信システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
まず、
図9、
図11を参照して、収集端末4が収集したデータを、中継装置3を介してクラウド5まで送信する際の通信システム1の動作の一例について説明する。
図11を参照すると、中継装置3は、通信待ち状態の収集端末4を発見する(ステップS101、
図9の1)。すると、中継装置3は、収集端末4から当該収集端末4の固有IDを受信する。
【0074】
中継装置3は、管理サーバ2に対して、収集端末4の固有IDを含む問い合わせを送信する(ステップS102、
図9の2)。
【0075】
管理サーバ2の受信部231は、中継装置3から収集端末4の固有IDを含む問い合わせを受信する。すると、接続情報送信部232は、記憶部22を参照して、問い合わせに含まれる固有IDに対応する近距離無線通信接続情報と、クラウド5のIPアドレスと、認証情報と、を取得する。そして、接続情報送信部232は、取得した情報である近距離無線通信接続情報、クラウド5のIPアドレス、認証情報、を含む接続情報を中継装置3に対して送信する(ステップS201、
図9の3)。
【0076】
中継装置3は、管理サーバ2から受信した接続情報に含まれる近距離無線通信接続情報を用いて、収集端末4との間でペアリングを行う。これにより、中継装置3と収集端末4との間でペアリングが成立する(ステップS103、301、
図9の4)。
【0077】
中継装置3は、ペアリングが成立した旨を示すペアリング完了通知を管理サーバ2に対して送信する(ステップS104、
図9の5)。なお、中継装置3が送信するペアリング完了通知には、中継装置3の位置情報が少なくとも含まれている。
【0078】
収集端末4は、中継装置3に対して、当該収集端末4が取得したデータを送信する(ステップS302、
図9の6)。収集端末4と中継装置3との間の通信は、近距離無線通信を用いて行われる。
【0079】
中継装置3は、管理サーバ2から受信した接続情報に含まれるクラウド5のIPアドレス、認証情報を用いて、クラウド5と通信を確立する。そして、中継装置3は、クラウド5に対して、収集端末4から受信したデータを送信する(ステップS105、
図9の7)。その後、クラウド5から所定の情報の送信などを行うことが出来る。
【0080】
以上が、収集端末4と中継装置3との間でペアリングを行って、収集端末4が収集したデータを、中継装置3を介してクラウド5まで送信する際の通信システム1の動作の一例である。
【0081】
続いて、
図10、
図12を参照して、ペアリングが切断した際の通信システム1の動作の一例について説明する。
図12を参照すると、収集端末4と中継装置3との間のペアリングが切断する(ステップS311、111、
図10のA)。これにより、収集端末4と中継装置3との間で無線通信が行われなくなる。
【0082】
中継装置3は、ペアリングが切断した旨を示すペアリング切断通知を管理サーバ2に対して送信する(ステップS112、
図10のB)。なお、中継装置3が送信するペアリング切断通知には、中継装置3の位置情報が少なくとも含まれている。
【0083】
管理サーバ2の受信部231は、中継装置3からペアリング切断通知を受信する。すると、管理サーバ2の受信部231は、受信した通知に基づいて、収集端末情報221に含まれる位置情報や中継装置情報222に含まれる位置情報を更新する(ステップS211)。つまり、受信部231は、収集端末情報221に含まれる位置情報や中継装置情報222に含まれる位置情報を、ペアリング切断通知に含まれる位置情報に更新する。
【0084】
候補選択部233は、中継装置情報222に含まれる位置情報に基づいて、中継装置3の選択処理を開始する。例えば、候補選択部233は、中継装置情報222に含まれる位置情報に基づいて、ペアリング切断通知に含まれる位置情報が示す場所から予め定められた第1の範囲内に、ペアリングを切断した中継装置3以外の中継装置3が存在するか否か確認する(ステップS212)。そして、第1の範囲内に該当する中継装置3が存在する場合、候補選択部233は、第1の範囲内に存在する中継装置3を指示する中継装置3として選択する(ステップS212、YES)。そして、候補指示部234は、第1の範囲内に存在する中継装置3に対して、接続指示を送信する(ステップS213、
図10のC)。接続指示には、例えば、接続を指示する旨、ペアリング切断通知に含まれる位置情報、などが含まれている。
【0085】
一方、第1の範囲内に該当する中継装置3が存在しない場合(ステップS212、NO)、候補選択部233は、第1の範囲よりも広い第2の範囲内に、ペアリングを切断した中継装置3以外の中継装置3が存在するか否か確認する(ステップS214)。そして、第2の範囲内に該当する中継装置3が存在する場合(ステップS214、YES)、候補選択部233は、第2の範囲内に存在する中継装置3を指示する中継装置3として選択する。そして、候補指示部234は、第2の範囲内に存在する中継装置3に対して、探索指示を送信する(ステップS215、
図10のC)。探索指示には、例えば、接続を指示する旨、ペアリング切断通知に含まれる位置情報、モチベーションを与えるための所定の情報、などが含まれている。一方、第2の範囲内に該当する中継装置3が存在しない場合(ステップS214、NO)、候補選択部233は、接続候補の選択を終了する。
【0086】
上述した接続指示または探索指示を受けて、中継装置3のオペレータは、収集端末4を探索する。その結果、中継装置3は、通信待ち状態の収集端末4を発見する(ステップS113、
図10のD)。以降の処理は、
図9、
図11を参照して既に説明したものと同様であるため、省略する。
【0087】
このように、管理サーバ2は、候補選択部233と、候補指示部234と、を有している。また、管理サーバ2は、中継装置3と収集端末4との間のペアリングが切断した際に、中継装置3からペアリング切断通知を受信する。このような構成により、管理サーバ2の候補選択部233は、中継装置3と収集端末4との間のペアリングが切断した際に、次に収集端末4と通信を確立する候補となる中継装置3を選択することが出来る。また、候補指示部234は、候補選択部233が選択した中継装置3に対して、接続指示や探索指示を送信することが出来る。その結果、管理サーバ2は、中継装置3に対して、収集端末4との間の通信の確立を促すことが可能となる。これにより、例えば、収集端末4のオペレータが中継装置3を有していない場合や、収集端末4のオペレータが有する中継装置3が故障した場合などにおいても、収集端末4とクラウド5との間で通信が確立する可能性を高めることが可能となり、出来る限り接続することが出来る。また、管理サーバ2は、想定される収集端末4の位置と指示する中継装置3の位置に応じて、接続情報と探索情報を使い分ける。このような構成により、収集端末4の近傍に中継装置3がない場合により効果的に収集端末4と通信を確立するよう中継装置3に対して促すことが可能となる。
【0088】
また、管理サーバ2は、中継装置3から受信した問い合わせに応じて、近距離無線通信接続情報、クラウド5のIPアドレス、認証情報、を含む接続情報を送信するよう構成されている。このような構成により、中継装置3は、余計な手間をかけることなく、収集端末4やクラウド5と通信を確立することが出来る。
【0089】
なお、本実施形態においては、通信システム1が収集端末4を有する場合について例示した。収集端末4は、例えば、スマートウォッチなどの身体に装着される情報処理装置ではなく、道路やトンネルなどの所定箇所に予め設置され、設置された場所のデータを取得するIOT機器であっても構わない。
【0090】
また、通信システム1は、収集端末4の代わりに、収集端末4を保持するオペレータのデータを収集しない端末装置を有しても構わない。通信システム1がデータを収集する機能を有さない場合、通信システム1は、クラウド5を有さなくても構わない。このような構成を有する通信システム1は、例えば、遊園地内の迷子を早期発見するシステムなどに適用することが出来る。例えば、子供に持たせた端末装置と、親が有する中継装置3とをペアリングする。そして、親子が離れてペアリングが切断した際には、付近に存在する中継装置3を有する大人に対して接続指示や探索指示を送信することで、付近に存在する大人に対して迷子の発見を依頼することが出来る。
【0091】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について
図13を参照して説明する。
【0092】
図13は、管理装置60の構成の一例を示している。
図13を参照すると、管理装置60は、指示部61を有している。例えば、管理装置60は、記憶装置とCPUなどの演算装置とを有しており、記憶装置が記憶するプログラムを演算装置が実行することで、上記処理部を実現する。
【0093】
指示部61は、端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する。例えば、指示部61は、指示する中継装置の端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた指示情報を送信する。
【0094】
このように、管理装置60は、指示部61を有している。このような構成により、管理装置60の指示部61は、端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信することで、収集端末との間の通信の確立を促すことが可能となる。また、指示部61は、指示する中継装置の端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた指示情報を送信する。これにより、より効果的に収集端末4と通信を確立するよう中継装置3に対して促すことが可能となる。
【0095】
また、上述した管理装置60は、当該管理装置60に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、管理装置60に端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部61を実現させ、指示部61は、指示する中継装置の端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた指示情報を送信するプログラムである。
【0096】
また、上述した管理装置60により実行される管理方法は、管理装置が、予め定められた所定の条件を満たす場合、端末装置との通信の確立を指示し、指示する中継装置の端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた情報である指示情報を、中継装置に対して送信する、という方法である。
【0097】
上述した構成を有する、プログラム、又は、管理方法、の発明であっても、上記管理装置60と同様の効果・作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0098】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における通信スループット推定装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0099】
(付記1)
端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部を有し、
前記指示部は、指示する前記中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた前記指示情報を送信する
管理装置。
(付記2)
付記1に記載の管理装置であって、
前記指示部は、前記端末装置の推定位置から予め定められた所定の範囲の外側に位置する前記中継装置に対して指示する場合、前記端末装置の探索を促す所定の情報を含む前記指示情報を送信する
管理装置。
(付記3)
付記1または付記2に記載の管理装置であって、
前記指示部は、前記端末装置の推定位置から予め定められた第1の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、接続を指示する旨を示す接続指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信し、前記第1の範囲外であって予め定められた第2の範囲内に存在する前記中継装置に対して指示する場合、前記端末装置の探索を促す所定の情報を含む探索指示を前記指示情報として前記中継装置に対して送信する
管理装置。
(付記4)
付記2または付記3に記載の管理装置であって、
前記端末装置と通信を確立することにより得られる情報は、前記中継装置の持ち主の属性に応じた、前記端末装置の探索を促す情報である
管理装置。
(付記5)
付記1から付記4までのいずれか1項に記載の管理装置であって、
前記中継装置の位置を示す位置情報と、前記端末装置の推定位置と、に基づいて、指示する前記中継装置を選択する選択部を有し、
前記指示部は、前記選択部が選択した前記中継装置に対して前記指示情報を送信する
管理装置。
(付記6)
付記5に記載の管理装置であって、
前記選択部は、前記端末装置の推定位置から予め定められた第1の範囲内に前記中継装置が存在する場合、当該第1の範囲内に存在する前記中継装置を指示する前記中継装置として選択し、前記第1の範囲内に前記中継装置が存在しない場合、前記第1の範囲外であって予め定められた第2の範囲内に存在する前記中継装置を指示する前記中継装置として選択する
管理装置。
(付記7)
付記1から付記6までのいずれか1項に記載の管理装置であって、
前記指示部は、前記中継装置から前記端末装置との間の通信が切断した旨を示す情報を受信した場合に、前記指示情報を所定の前記中継装置に対して送信する
管理装置。
(付記8)
付記7に記載の管理装置であって、
前記端末装置との間の通信が切断した旨を示す情報には、前記中継装置の位置を示す位置情報が含まれており、
前記指示部は、前記端末装置の推定位置として、前記位置情報が示す位置を用いる
管理装置。
(付記9)
付記1から付記8までのいずれか1項に記載の管理装置であって、
前記中継装置から受信した問い合わせに応じて、前記中継装置が通信を確立しようとしている前記端末装置と前記中継装置とが通信を確立する際に必要となる情報である接続情報を送信する送信部を有する
管理装置。
(付記10)
付記9に記載の管理装置であって、
前記送信部は、前記端末装置が収集したデータの送信先である処理装置と通信を確立するための必要となる情報を前記接続情報に含めて前記中継装置に対して送信する
管理装置。
(付記11)
管理装置が、
予め定められた所定の条件を満たす場合、端末装置との通信の確立を指示し、指示する中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた情報である指示情報を、前記中継装置に対して送信する
管理方法。
(付記12)
管理装置に、
端末装置との通信の確立を指示する指示情報を中継装置に対して送信する指示部を実現させ、
前記指示部は、指示する前記中継装置の前記端末装置の推定位置からの離れ具合に応じた前記指示情報を送信する
プログラム。
【0100】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0101】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0102】
1 通信システム
2 管理サーバ
21 通信I/F部
22 記憶部
221 収集端末情報
222 中継装置情報
223 処理機器情報
224 プログラム
23 演算処理部
231 受信部
232 接続情報送信部
233 候補選択部
234 候補指示部
3 中継装置
31 位置情報取得部
32 近距離無線通信部
33 携帯電話回線通信部
4 収集端末
41 近距離無線通信部
42 収集手段
43 秘密分散部
44 記憶部
5 クラウド
60 管理装置
61 指示部