(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】濃度測定装置、濃度測定方法及び非一時的記録媒体
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20221220BHJP
A61B 5/1455 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G01N21/17 610
A61B5/1455
(21)【出願番号】P 2020557454
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(86)【国際出願番号】 JP2018043732
(87)【国際公開番号】W WO2020110222
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】石原 康利
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-079559(JP,A)
【文献】特開2001-356089(JP,A)
【文献】特開2013-000506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0110311(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/61
A61B 5/00 - A61B 5/22
G01N 29/24
A61B 10/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的成分と非目的成分とを有する測定対象に第1の波長の光を照射する第1照射部と、
前記第1の波長と異なる波長である第2の波長の光を前記測定対象に照射する第2照射部と、
前記第2の波長との間において、前記非目的成分の吸収スペクトルのシフトに関する所定の相関関係を有する波長である第3の波長の光を照射する第3照射部を含むM(Mは1以上の整数)個の照射部と、
前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射し
て、前記第2照射部が前記第2の波長の光を第1の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量
、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第1取得部と、
前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射し
て、前記第2照射部が前記第2の波長の光を前記第1の強度と異なる第2の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量
、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて前記測定対象の温度変化に関する情報である温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記温度情報と前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて、前記目的成分の濃度を取得する濃度取得部と、
を備え
る濃度測定装置。
【請求項2】
前記濃度取得部は、多変量解析によって前記濃度を取得する、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項3】
前記濃度取得部は、予め学習された学習モデルであって、前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量と前記温度情報と前記濃度との関係を表す学習モデルに基づいて、前記濃度を取得する、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項4】
前記第2の波長は、前記目的成分の吸光度が前記非目的成分の吸光度より小さい波長である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項5】
前記第2の波長は、前記非目的成分の吸収スペクトルを所定の大きさ以上に変化させる波長である、
請求項4に記載の濃度測定装置。
【請求項6】
前記第2の波長は、前記非目的成分の吸光度が極大である波長である、
請求項5に記載の濃度測定装置。
【請求項7】
前記第2の波長は、前記非目的成分の吸光度が極大である波長を中心とした±70ナノメートルの範囲内の波長である、
請求項5に記載の濃度測定装置。
【請求項8】
前記第1の波長は、前記目的成分の吸光度が極大である波長を中心とした±70ナノメートルの範囲内の波長である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項9】
前記第1の波長は、目的成分の吸光度が極大である波長である、
請求項2に記載の濃度測定装置。
【請求項10】
前記第1取得部が取得した前記物理量と前記第2取得部が取得した前記物理量とに基づいて、前記物理量に対する環境の影響を表す値である補正係数を取得し、取得した前記補正係数によって、前記第1取得部が取得した前記物理量と前記第2取得部が取得した前記物理量とを補正する補正部、
をさらに備える請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項11】
前記環境の影響は、前記非目的成分の量である、
請求項10に記載の濃度測定装置。
【請求項12】
前記環境の影響は、前記第1の波長に対する前記非目的成分の吸光度と前記第2の波長に対する前記非目的成分の吸光度である、
請求項10に記載の濃度測定装置。
【請求項13】
前記環境の影響は、前記第1の波長の光を受光する受光部の性能である、
請求項10に記載の濃度測定装置。
【請求項14】
前記第1の波長の光と、前記第2の波長の光との少なくとも一方は、符号化された光である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項15】
前記第2の波長と前記第3の波長とは、前記非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する波長である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項16】
前記第2の波長と前記第3の波長とは、前記非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する波長である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項17】
前記物理量は前記測定対象に照射された光の透過光、散乱光又は反射光の強度である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項18】
前記物理量は、前記測定対象に照射された光の透過光の強度である、
請求項17に記載の濃度測定装置。
【請求項19】
前記物理量は前記測定対象に照射された光によって前記測定対象に発生した振動波の振幅である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項20】
前記振動波は前記測定対象に照射された光によって前記測定対象に発生した弾性波の振幅である、
請求項19に記載の濃度測定装置。
【請求項21】
前記振動波は前記測定対象に照射された光によって前記測定対象に発生した熱波の振幅である、
請求項19に記載の濃度測定装置。
【請求項22】
圧力が加わったときに前記圧力の大きさに比例する電圧を発生させる圧電体と、
前記圧電体に張力を与えて前記圧電体を前記測定対象に密着させる保持具と
を備え、
前記第1取得部及び前記第2取得部は、前記圧電体が発生した電圧に基づいて前記物理量を取得する、
請求項19に記載の濃度測定装置。
【請求項23】
前記温度情報は、前記非目的成分の吸収スペクトルのシフト量である、
請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項24】
目的成分と非目的成分とを有する測定対象に第1の波長の光を照射する第1照射部と、前記第1の波長と異なる波長である第2の波長の光を前記測定対象に照射する第2照射部と、
前記第2の波長との間において、前記非目的成分の吸収スペクトルのシフトに関する所定の相関関係を有する波長である第3の波長の光を照射する第3照射部を含むM(Mは1以上の整数)個の照射部と、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射し
て、前記第2照射部が前記第2の波長の光を第1の強度で前記測定対象に照射した場合に、前記測定対象の変化に起因する物理量
、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第1取得部と、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射し
て、前記第2照射部が前記第2の波長の光を前記第1の強度と異なる第2の強度で前記測定対象に照射した場合に、前記測定対象の変化に起因する物理量
、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて前記測定対象の温度変化に関する情報である温度情報を取得する温度情報取得部と、前記温度情報と前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて、前記目的成分の濃度を取得する濃度取得部と、を備え
る濃度測定装置が行う濃度測定方法であって、
前記測定対象に前記第1の波長の光を照射する第1照射ステップと、
前記第2の波長の光を前記測定対象に照射する第2照射ステップと、
前記第3の波長の光を前記測定対象に照射する第3照射ステップと、
前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射し
て、前記第2照射部が前記第2の波長の光を第1の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量
、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第1取得ステップと、
前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射し
て、前記第2照射部が前記第2の波長の光を前記第1の強度と異なる第2の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量
、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第2取得ステップと、
前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて前記測定対象の温度変化に関する情報である温度情報を取得する温度情報取得ステップと、
前記温度情報と前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて、前記非目的成分の濃度を取得する濃度取得ステップと、
を有する濃度測定方法。
【請求項25】
請求項1に記載の濃度測定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶する非一時的記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃度測定装置、濃度測定方法及び非一時的記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、糖尿病の患者数が爆発的に増加しており、2030年には糖尿病の患者が全世界で5億5000万人に達すると予測されている(非特許文献1参照)。糖尿病の治療は、血糖値管理に基づく食餌・運動療法が基本であり、血糖値管理のために血糖値を1日に数回計測する必要がある。一般的な血糖値測定器では採血を必要とするが、疼痛・衛生面・医療廃棄物が問題となっている。そこで、非侵襲・非観血な血糖値計測装置の確立が渇望されている。
【0003】
このような要求に応じて、光の透過・反射・散乱に関する情報から血糖値を計測する方法が精力的に研究されている(特許文献1~4、非特許文献2参照)。しかしながら、これらの方法は、血糖値管理に必要な計測精度(±10ミリグラム毎デシリットル程度)に対して透過光強度が不十分なため、正確な血糖値推定が困難であるという問題がある。
【0004】
これに対して、物質に吸収された光エネルギーが熱波・弾性波に変換される光音響効果を利用した血糖値計測法が研究されている(特許文献5~6を参照)。これらの方法は、透過光を利用した方法に比べて検出信号が大きく、また、励起光の変調周波数を制御することで計測領域を深さ方向に特定できる特徴を有する(非特許文献3を参照)。
【0005】
しかしながら、上述した方法を用いた場合、測定結果に非目的成分である水分に由来する信号による雑音が混ざり、計測された血糖値の信頼性・正確性を著しく低下させてしまうという問題がある。これは、測定対象たる生体に含まれるグルコースの分光スペクトルと水の分光スペクトルが互いに重なり合っているためである。
【0006】
すなわち、ある波長の光で得られたエネルギーのみを用いてグルコース濃度の計測を行った場合、当該エネルギーがグルコースに由来するものなのか、水に由来するものなのかを区別できないという問題がある。さらに、生体内に多く含まれる水分が種々の要因によって僅かに変化しただけでも、グルコース濃度を誤って計測するおそれがある。
【0007】
この問題を解決する一つの方法として、対象物体から検出される分光スペクトルを複数の波長において計測し、多変量解析やニューラルネットワークを用いて、測定対象に含まれる物質の濃度を推定する方法が知られている(非特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平10-325794号公報
【文献】特開平11-216131号公報
【文献】特開2004-147706号公報
【文献】特開2005-37253号公報
【文献】特開2008-191160号公報
【文献】特開2009-165634号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】国際糖尿病連合(International Diabetes Federation)著、「International Diabetes Federation, Diabetes atlas 5th edition」、2011年
【文献】David D. Cunningham, Julie A. Stenken 編、「In Vivo Glucose Sensing」、Wiley、2010年
【文献】和田森直、石原康利 著、「光音響分光法による測定可能深さに関する基礎検討」、生体医工学、2011年2月10日、第49巻、pp.220-225
【文献】尾崎幸洋、宇田明史、赤井俊雄 著、「化学者のための多変量解析」、講談社、2002年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した非特許文献4に記載の方法のように、複数の波長において分光スペクトルの計測を行う場合、複数の波長の光源と検出装置を配置する必要があり、装置が複雑化し、また計測に時間が掛かってしまうという問題がある。特に、生体におけるグルコースの量は微量であり、分光スペクトルの計測を行う全ての波長において高い計測精度が求められる。そのため、非特許文献4に記載の方法を用いる場合、装置の複雑化及び計測の長時間化の問題は顕著に現れる。
【0011】
そこで、これらの問題を解決するために、本発明は、簡素な装置を用いて測定対象に含まれる目的成分の濃度を測定することが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、目的成分と非目的成分とを有する測定対象に第1の波長の光を照射する第1照射部と、前記第1の波長と異なる波長である第2の波長の光を前記測定対象に照射する第2照射部と、前記第2の波長との間において、前記非目的成分の吸収スペクトルのシフトに関する所定の相関関係を有する波長である第3の波長の光を照射する第3照射部を含むM(Mは1以上の整数)個の照射部と、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射して、前記第2照射部が前記第2の波長の光を第1の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第1取得部と、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射して、前記第2照射部が前記第2の波長の光を前記第1の強度と異なる第2の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて前記測定対象の温度変化に関する情報である温度情報を取得する温度情報取得部と、前記温度情報と前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて、前記目的成分の濃度を取得する濃度取得部と、を備える濃度測定装置である。
【0013】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記濃度取得部は、多変量解析によって前記濃度を取得する。
【0014】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記濃度取得部は、予め学習された学習モデルであって、前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量と前記温度情報と前記濃度との関係を表す学習モデルに基づいて、前記濃度を取得する。
【0015】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第2の波長は、前記目的成分の吸光度が前記非目的成分の吸光度より小さい波長である。
【0016】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第2の波長は、前記非目的成分の吸収スペクトルを所定の大きさ以上に変化させる波長である。
【0017】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第2の波長は、前記非目的成分の吸光度が極大である波長である。
【0018】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第2の波長は、前記非目的成分の吸光度が極大である波長を中心とした±70ナノメートルの範囲内の波長である。
【0019】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第1の波長は、前記目的成分の吸光度が極大である波長を中心とした±70ナノメートルの範囲内の波長である。
【0020】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第1の波長は、目的成分の吸光度が極大である波長である。
【0021】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第1取得部が取得した前記物理量と前記第2取得部が取得した前記物理量とに基づいて、前記物理量に対する環境の影響を表す値である補正係数を取得し、取得した前記補正係数によって、前記第1取得部が取得した前記物理量と前記第2取得部が取得した前記物理量とを補正する補正部をさらに備える。
【0022】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記環境の影響は、前記非目的成分の量である。
【0023】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記環境の影響は、前記第1の波長に対する前記非目的成分の吸光度と前記第2の波長に対する前記非目的成分の吸光度とである。
【0024】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記環境の影響は、前記第1の波長の光を受光する受光部の性能である。
【0025】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第1の波長の光と、前記第2の波長の光との少なくとも一方は、符号化された光である。
【0028】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第2の波長と前記第3の波長とは、前記非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する波長である。
【0029】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記第2の波長と前記第3の波長とは、前記非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する波長である。
【0030】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記物理量は前記測定対象に照射された光の透過光、散乱光又は反射光の強度である。
【0031】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記物理量は、前記測定対象に照射された光の透過光の強度である。
【0032】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記物理量は前記測定対象に照射された光によって前記測定対象に発生した振動波の振幅である。
【0033】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記振動波は前記測定対象に照射された光によって前記測定対象に発生した熱波の振幅である。
【0034】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記振動波は前記測定対象に照射された光によって前記測定対象に発生した熱波による音波の振幅である。
【0035】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、圧力が加わったときに前記圧力の大きさに比例する電圧を発生させる圧電体と、前記圧電体に張力を与えて前記圧電体を前記測定対象に密着させる保持具とを備え、前記第1取得部及び前記第2取得部は、前記圧電体が発生した電圧に基づいて前記物理量を取得する。
【0036】
本発明の一態様は、上記の濃度測定装置であって、前記温度情報は、前記非目的成分の吸収スペクトルのシフト量である。
【0037】
本発明の一態様は、目的成分と非目的成分とを有する測定対象に第1の波長の光を照射する第1照射部と、前記第1の波長と異なる波長である第2の波長の光を前記測定対象に照射する第2照射部と、前記第2の波長との間において、前記非目的成分の吸収スペクトルのシフトに関する所定の相関関係を有する波長である第3の波長の光を照射する第3照射部を含むM(Mは1以上の整数)個の照射部と、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射して、前記第2照射部が前記第2の波長の光を第1の強度で前記測定対象に照射した場合に、前記測定対象の変化に起因する物理量、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第1取得部と、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射して、前記第2照射部が前記第2の波長の光を前記第1の強度と異なる第2の強度で前記測定対象に照射した場合に、前記測定対象の変化に起因する物理量、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて前記測定対象の温度変化に関する情報である温度情報を取得する温度情報取得部と、前記温度情報と前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて、前記目的成分の濃度を取得する濃度取得部と、を備える濃度測定装置が行う濃度測定方法であって、前記測定対象に前記第1の波長の光を照射する第1照射ステップと、前記第2の波長の光を前記測定対象に照射する第2照射ステップと、前記第3の波長の光を前記測定対象に照射する第3照射ステップと、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射して、前記第2照射部が前記第2の波長の光を第1の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第1取得ステップと、前記第1照射部が前記第1の波長の光を前記測定対象に照射して、前記第2照射部が前記第2の波長の光を前記第1の強度と異なる第2の強度で前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、及び、前記第3照射部が前記第3の波長の光を前記測定対象に照射した場合に前記測定対象の変化に起因する物理量、をそれぞれ取得する第2取得ステップと、前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて前記測定対象の温度変化に関する情報である温度情報を取得する温度情報取得ステップと、前記温度情報と前記第1取得部が取得した物理量と前記第2取得部が取得した物理量とに基づいて、前記非目的成分の濃度を取得する濃度取得ステップと、を有する濃度測定方法である。
【0038】
本発明の一態様は、請求項1に記載の濃度測定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶する非一時的記録媒体である。
【発明の効果】
【0039】
本発明により、簡素な装置を用いて測定対象に含まれる目的成分の濃度を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】第1の実施形態の濃度測定装置1の機能構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における第1の波長の光と第2の波長の光との目的成分の吸収スペクトルと非目的成分の吸収スペクトルとの関係を示す図である。
【
図3】第1の実施形態における情報処理部100の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態における情報処理部100がグルコースの濃度を取得する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】第1の実施形態における生体9の吸収スペクトルの第2の波長の強度に対する依存性を示すシミュレーション結果を示す第1の図である。
【
図6】第1の実施形態における生体9の吸収スペクトルの第2の波長の強度に対する依存性を示すシミュレーション結果を示す第2の図である。
【
図7】第2の実施形態の濃度測定装置2の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】第2の実施形態における感圧部26の構造の一例を示す図である。
【
図9】第2の実施形態における情報処理部200の機能構成の一例を示す図である。
【
図10】第2の実施形態における情報処理部200がグルコースの濃度を取得する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】変形例の濃度測定装置1aの機能構成の一例を示す図である。
【
図12】変形例における情報処理部100aの機能構成の一例を示す図である。
【
図13】シミュレーションに用いられた水とグルコースとの吸収スペクトルの一例を示す図である。
【
図14】多変量解析によって取得されたグルコースの濃度の真値との誤差を示すシミュレーション結果の一例を示す第1の図である。
【
図15】多変量解析によって取得したグルコースの濃度の真値との誤差を示すシミュレーション結果の一例を示す第2の図である。
【
図16】濃度測定装置1、2及び1aが機械学習の学習結果に基づいて取得したグルコースの濃度と真値との誤差の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。以下、本発明の実施形態の一例として、生体内の血糖値(グルコース濃度)を計測するための形態を例に挙げ、計測の目的成分がグルコース、非目的成分が水であると仮定して説明する。しかしながら、これらの対象物質が異なる場合や非目的成分の数が複数となる場合でも、同様の概念によって本発明を適用することが可能である。例えば、目的成分をグルコースとし、非目的成分を水、タンパク質及び脂質とする場合や、目的成分をヘモグロビンとし、非目的成分をタンパク質や脂質とする場合などが挙げられる。
【0042】
(原理の概要)
まず、実施形態の原理の概要を説明する。説明に先立っていくつかの言葉の定義をしておく。以下、グルコースの吸光度が大きい波長の光を目的成分励起光という。以下、水の吸光度が大きい波長の光を非目的成分励起光という。以下、目的成分励起光と強度が強度E1である非目的成分励起光(以下「第1非目的成分励起光」という。)とが測定対象の生体に照射された場合における目的成分励起光の透過光を第1目的成分透過光という。以下、目的成分励起光と第1非目的成分励起光とが測定対象の生体に照射された場合における非目的成分励起光I1の透過光を第1非目的成分透過光という。以下、目的成分励起光と強度が第2強度E2である非目的成分励起光(以下「第2非目的成分励起光」という。)とが測定対象の生体に照射された場合における目的成分励起光の透過光を第2目的成分透過光という。第2強度E2は第1強度E1よりも大きな値である。以下、目的成分励起光と第2強度の非目的成分励起光とが測定対象の生体に照射された場合における第2強度の非目的成分励起光の透過光を第2非目的成分透過光という。
【0043】
実施形態の原理の概要の説明に戻る。実施形態の発明は、第1目的成分透過光の強度と第2目的成分透過光の強度との差と、第1非目的成分透過光の強度と第2非目的成分透過光の強度との差とに基づき、グルコース濃度を取得する。
生体9に照射される非目的成分励起光の強度が変化すると、水の温度が変化するため、水の吸収スペクトルがシフトする。そのため、第1目的成分透過光の強度と第2目的成分透過光の強度との差と、第1非目的成分透過光の強度と第2非目的成分透過光の強度との差とに基づいて、水の吸収スペクトルのシフト量が取得される。なお、生体9に照射される非目的成分励起光の強度の変化に対するグルコースの吸収スペクトルの変化の大きさは水の吸収スペクトルの変化の大きさに対して無視できるほど小さい。このことは、第1目的成分透過光の強度と第2目的成分透過光の強度との差が、目的成分励起光の波長における水の吸収スペクトルの変化に起因することを意味する。そのため、水の吸収スペクトルのシフト量と第1目的成分透過光の強度と第2目的成分透過光の強度との差とに基づいて、目的成分励起光の吸光度に対する水の影響が取得される。目的成分励起光の吸光度に対する水の影響が取得されるため、第1目的成分透過光の強度と第2目的成分透過光の強度との差に基づいて、目的成分励起光の吸光度に対するグルコースの影響が取得され、グルコースの濃度が取得される。
なお、実施形態の発明は、必ずしも透過光を取得してグルコースの濃度を取得する必要は無い。実施形態の発明は、例えば振動波の振幅等、生体9に照射された光の透過光の強度に比例する物理量によってグルコースの濃度を取得してもよい。なお、振動波は、弾性波と、熱波によって生じる音波とを含む。
なお、第1強度E1が0であってもよい。第1強度E1が0であるとは、第1目的成分励起光が照射されないことを意味する。
ここまでで、実施形態の原理の概要の説明を終了する。
【0044】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の濃度測定装置1の機能構成の一例を示す図である。
濃度測定装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)11やメモリ12や補助記憶装置13などを備え、プログラムを実行することによって入力部10、第1照射部14、第2照射部15、受光部16及び出力部17を備える装置として機能する。濃度測定装置1は、プログラムを実行することによって、入力部10、第1照射部14、第2照射部15及び受光部16の動作を制御し、受光部16が受光した結果に基づいて、目的成分の濃度を取得する。
【0045】
補助記憶装置13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。補助記憶装置13は濃度測定装置1の動作に関するプログラムを記憶する。
CPU11は、メモリ12又は補助記憶装置13に記憶されたプログラムを実行することで情報処理部100として機能する。
入力部10は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部10は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部10は、自装置に対する情報の入力を受け付ける。入力部10は、入力された情報を情報処理部100に出力する。
【0046】
第1照射部14は、第1の波長の光を、測定対象である生体9に照射する。本実施形態において、第1の波長の光は、目的成分励起光である。第1の波長の光は、グルコースの吸光度が極大である1600ナノメートルの波長の光である。なお、第1の波長の光は、必ずしもグルコースの吸光度が極大である波長の光でなくてもよい。
第1の波長の光は、例えば、グルコースの吸光度が略極大である波長の近傍の波長である1600±70ナノメートルの波長の光であってもよい。すなわち、第1の波長は、グルコースの吸光度が極大である波長を中心とした±70ナノメートルの範囲内の波長であってもよい。
第1の波長の光は、例えば、グルコースの吸光度が略極大である1600±30ナノメートルの波長の光であってもよい。第1の波長の光が、グルコースの吸光度が略極大である1600±30ナノメートルの波長の光である場合、第1の波長の光が1600±70ナノメートルの波長の光である場合よりも精度よくグルコース濃度が計測される。
第1の波長の光は、例えば、グルコースの吸光度が略極大である1600ナノメートルの波長の光であってもよい。第1の波長の光が、グルコースの吸光度が略極大である1600ナノメートルの波長の光である場合、第1の波長の光が1600±30ナノメートルの波長の光である場合よりもより高精度にグルコース濃度が計測される。
【0047】
第1照射部14は、どのように第1の波長の光を照射してもよい。第1照射部14は、例えば、レーザダイオードドライバや半導体レーザを備え、レーザダイオードドライバや半導体レーザによって第1の波長の光を照射してもよい。第1照射部14は、例えば、汎用の安価なレーザを備え1600±70ナノメートルの波長の光を照射してもよい。第1照射部14が照射する光はCW(Continuous Wave)光である。
【0048】
また、第1照射部14は、第1の波長の光の照射方向と、第1の波長の光の光源である第1光源と生体9との間の距離と、光の照射角度と、第1の波長の光の放射強度とを調整する機構である第1照射部調整機構を備える。第1照射部14は、第1照射部調整機構によって照射する光の強度を制御する。第1照射部14が第1照射部調整機構を備えるため、濃度測定装置1は、第1光源と生体9との間の角度や距離によらずに一定の精度でグルコース濃度の計測を行うことができる。但し、照射の距離、角度、強度の調整機構をすべて備える必要はなく、必要に応じて代替機能を設けることもできるが、用途や性能に応じて適宜省略することができる。
【0049】
第2照射部15は、目的成分であるグルコースの吸光度が非目的成分である水の吸光度より小さい波長である第2の波長の光を、測定対象である生体9に照射する。第2の波長の光は、非目的成分励起光である。
【0050】
第2の波長の光は、例えば、グルコースの吸光度が水の吸光度より小さくかつ水の吸光度が極大である波長である1450ナノメートルの光である。なお、第2の波長の光は、必ずしも水の吸光度が極大である波長でなくてもよい。
例えば、第2の波長の光は、水の吸光度が極大である波長近傍の波長である1450±70ナノメートルの波長の光であってもよい。すなわち、第2の波長は、水の吸光度が極大である波長を中心とした±70ナノメートルの範囲内の波長であってもよい。
第2の波長の光は、水の吸光度が略極大である波長である1450±50ナノメートルの波長の光であってもよい。第2の波長の光が、水の吸光度が略極大である波長である1450±50ナノメートルの波長の光である場合、第2の波長の光が、1450±70ナノメートルの波長の光である場合よりも精度よくグルコース濃度が計測される。
第2の波長の光は、水の吸光度が極大である波長である1450ナノメートルの波長の光であってもよい。第2の波長の光が、水の吸光度が極大である波長である1450ナノメートルの波長の光である場合、第2の波長の光が、1450±50ナノメートルの波長の光である場合よりも精度よくグルコース濃度が計測される。
【0051】
第2照射部15は、どのように第2の波長の光を照射してもよい。第2照射部15は、例えば、レーザダイオードドライバや半導体レーザを備え、レーザダイオードドライバや半導体レーザによって第2の波長の光を照射してもよい。第2照射部15は、例えば、汎用の安価なレーザを備え、汎用の安価なレーザによって1450±70ナノメートルの波長の光を照射してもよい。第2照射部15が照射する光はCW(Continuous Wave)光である。
【0052】
また、第2照射部15は、第2の波長の光の照射方向と、第2の波長の光の光源である第2光源と生体9との間の距離と、光の照射角度と、第2の波長の光の放射強度とを調整する機構である第2照射部調整機構を備える。第2照射部15は、第2照射部調整機構によって照射する光の強度を制御する。第2照射部15が第2照射部調整機構を備えるため、濃度測定装置1は、第2光源と生体9との間の角度や距離によらずに一定の精度でグルコース濃度の計測を行うことができる。但し、照射の距離、角度、強度の調整機構をすべて備える必要はなく、必要に応じて代替機能を設けることもできるが、用途や性能に応じて適宜省略することができる。
【0053】
受光部16は、光電効果を有する硫化鉛(PbS)や、光起電力効果を有するインジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)等の検出器を備える。受光部16は、第1照射部14が照射した光であって生体9を透過した光を受光する。受光部16は、第2照射部15が照射した光であって生体9を透過した光を受光する。
受光部16は、どのように第1の波長の光の透過光と第2の波長の光の透過光とを受光してもよい。受光部16は、例えば、受光部16と生体9との間に第1の波長の光と第2の波長の光とだけを通過させるバンドパスフィルタを備えることで、第1の波長の光の透過光と第2の波長の光の透過光とだけを受光してもよい。
【0054】
出力部17は、自装置が取得した目的成分の濃度を出力する。出力部17は、自装置が取得した目的成分の濃度を出力可能であればどのようなものであってもよい。出力部17は、例えば、自装置を外部の装置に接続するためのインタフェースを含んで構成されてもよい。出力部17は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成されてもよい。出力部17は、例えば、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。
【0055】
図2は、第1の実施形態における第1の波長の光と第2の波長の光との目的成分の吸収スペクトルと非目的成分の吸収スペクトルとの関係を示す図である。
図2の横軸は波長を表す。
図2の縦軸は吸光度を表す。
図2において、目的成分はグルコースである。
図2において非目的成分は水である。
図2は、第1の波長がグルコースの吸収スペクトルが略極大である1600ナノメートルであることを示す。
図2は、第2の波長が水の吸収スペクトルが略極大である1450ナノメートルであることを示す。
【0056】
図3は、第1の実施形態における情報処理部100の機能構成の一例を示す図である。
情報処理部100は、制御部110、第1強度取得部120、第2強度取得部130、補正部140、温度情報取得部150及び濃度取得部160を備える。
【0057】
制御部110は、第1照射部14、第2照射部15及び受光部16の動作を制御する。制御部110は、例えば、第1照射部14及び第2照射部15が生体9に光を照射するタイミングを制御する。制御部110は、例えば、第1照射部14及び第2照射部15の照射距離、角度、強度を制御するように構成することも可能である。
【0058】
第1強度取得部120は、第1の波長の光と強度E1の第2の波長の光とが生体9に照射された場合に、受光部16が受光した光の強度を取得する。第1の波長の光と強度E1の第2の波長の光とが生体9に照射された場合に、受光部16が受光した光は、第1目的成分透過光及び第1非目的成分透過光である。第1の波長の光と強度E1の第2の波長の光とが生体9に照射された場合の水の温度は、第1の波長の光と強度E2の第2の波長の光とが生体9に照射された場合の水の温度よりも低温である。以下、第1の波長の光と強度E1の第1の波長の光とが生体9に照射された場合の水の状態を低温状態という。以下、低温状態の水を透過した光であって受光部16が受光した光を低温状態の透過光という。
第1強度取得部120は、取得した低温状態の透過光の強度を温度情報取得部150及び濃度取得部160に出力する。
【0059】
第2強度取得部130は、第1の波長の光と強度E2の第2の波長の光とが生体9に照射された場合に受光部16が受光した光の強度を取得する。第1の波長の光と強度E2の第2の波長の光とが生体9に照射された場合に、受光部16が受光した光は、第2目的成分透過光及び第2非目的成分透過光である。以下、第1の波長の光と強度E2の第2の波長の光とが生体9に照射された場合の水の状態を高温状態という。以下、高温状態の水を透過した光であって受光部16が受光した光を高温状態の透過光という。
第2強度取得部130は、取得した高温状態の透過光の強度を温度情報取得部150及び濃度取得部160に出力する。
【0060】
補正部140は、低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度とを示す情報(以下「第1測定結果情報」という。)に基づいて、第1補正係数を取得する。第1補正係数は、測定結果である低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度と、を補正する値である。
第1補正係数は水の量に応じて変わる値である。第1補正係数は、生体9に照射される光の波長に応じて変わる値である。第1補正係数は、受光部16の性能に応じた値である。
すなわち、第1補正係数は、環境の影響を表す値である。環境の影響は、例えば、水の量である。環境の影響は、例えば、第1の波長に対する水の吸光度と第2の波長に対する水の吸光度とである。環境の影響は、例えば、受光部16の性能である。
【0061】
補正部140は、第1測定結果情報に基づいて生体9の水の量を取得し、取得した水の量に基づいて第1補正係数を取得してもよい。なお、補正部140は、第1測定結果情報に基づいて生体9の水の量を取得し、取得した水の量と第1の波長と第2の波長とに基づいて第1補正係数を取得してもよい。
【0062】
補正部140は、どのように水の量を取得してもよい。補正部140は、例えば、多変量解析によって水の量を取得してもよい。補正部140は、例えば、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された、低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度と水の量との関係を表す学習モデルに基づいて水の量を取得してもよい。補正部140は、例えば、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された、低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度と第1の波長と第2の波長と水の量との関係を表す学習モデルに基づいて水の量を取得してもよい。
【0063】
補正部140は、取得した第1補正係数に基づいて、低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度とを補正する。
以下、説明の簡単のため、第1強度取得部120が取得した低温状態の透過光の強度の補正後の値も低温状態の透過光の強度という。以下、説明の簡単のため、第2強度取得部130が取得した高温状態の透過光の強度の補正後の値も高温状態の透過光の強度という。
【0064】
温度情報取得部150は、第1測定結果情報に基づいて、光の照射箇所における生体9の温度変化に関する情報(以下「温度情報)という。)を取得する。光の照射箇所とは、生体9の一部又は全部の箇所であって、第1の波長の光と第2の波長の光とが照射された箇所である。温度情報は、光の照射箇所における生体9の温度変化に関する情報であればどのような情報であってもよく、例えば、水の吸収スペクトルのシフト量であってもよい。
温度情報取得部150は、温度情報を取得可能であればどのような方法で温度情報を取得してもよい。温度情報取得部150は、例えば、多変数解析によって温度情報を取得してもよい。温度情報取得部150は、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された、第1測定結果情報と温度情報との関係を表す学習モデルに基づいて温度情報を取得してもよい。
【0065】
濃度取得部160は、温度情報取得部150が取得した温度情報と、第1測定結果情報とに基づき、第1濃度取得法によって、グルコースの濃度を取得する。第1濃度取得法は、温度情報及び第1測定結果情報に基づいてグルコースの濃度を取得可能な方法であればどのような方法であってもよい。第1濃度取得法は、例えば、多変数解析の方法であってもよい。第1濃度取得法は、予め補助記憶装置13に第1濃度学習モデルが記憶されている場合には、第1濃度学習モデルに基づいて、グルコースの濃度が取得される方法であってもよい。第1濃度学習モデルは、ニューラルネットワーク等の機械学習によって学習された学習モデルであって温度情報及び第1測定結果情報とグルコースの濃度との関係を表す学習モデルである。
【0066】
図4は、第1の実施形態における情報処理部100がグルコースの濃度を取得する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第1照射部14が生体9に第1の波長の光を照射し、第2照射部15が強度E1の第2の波長の光を生体9に照射する。第1強度取得部120は、低温状態の透過光の強度を取得する。第1強度取得部120は、取得した低温状態の透過光の強度を温度情報取得部150及び濃度取得部160に出力する(ステップS101)。なお、第1照射部14による照射と第2照射部15による照射とは同時であってもよいし、所定の時間差を有して実行されてもよい。
【0067】
第1照射部14が生体9に第1の波長の光を照射し、第2照射部15が強度E2の第2の波長の光を生体9に照射する。第2強度取得部130は、高温状態の透過光の強度を取得する。第2強度取得部130は、取得した高温状態の透過光の強度を温度情報取得部150及び濃度取得部160に出力する。(ステップS102)。なお、第1照射部14による照射と第2照射部15による照射とは同時であってもよいし、所定の時間差を有して実行されてもよい。
【0068】
補正部140が低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度とに基づいて第1補正係数を取得し、取得した第1補正係数に基づいて低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度とを補正する(ステップS103)。
【0069】
温度情報取得部150が、第1測定結果情報に基づいて、温度情報を取得する(ステップS104)。
濃度取得部160が、第1測定結果情報及び温度情報に基づき、温度情報を取得し、温度情報及び第1測定結果に基づき第1濃度取得法によってグルコースの濃度を取得する(ステップS105)。
【0070】
(実験結果)
ここで、
図5及び
図6によって、第1の実施形態における第2の波長の生体9への照射によって、生体9の吸収スペクトルが変化することを示す。
図5は、第1の実施形態における生体9の波長1590ナノメートルから波長1610ナノメートルの吸収スペクトルの第2の波長の強度に対する依存性を示すシミュレーション結果を示す図である。
図5は、第2の波長の強度が0mWである場合と、10mWである場合と、15mWである場合と、20mWである場合との吸収スペクトルを示す。
図5は、第2の波長の強度の変化によって、吸収スペクトルが変化することを示す。生体9の吸収スペクトルの変化量は、水の吸収スペクトルの変化量に略同一である。
【0071】
図6は、第1の実施形態における生体9の波長1386ナノメートルから波長1392ナノメートルの吸収スペクトルの第2の波長の強度に対する依存性を示すシミュレーション結果を示す図である。
図6は、第2の波長の強度が0mWである場合と、10mWである場合と、15mWである場合と、20mWである場合との吸収スペクトルを示す。
図6は、第2の波長の強度の変化によって、吸収スペクトルが変化することを示す。生体9の吸収スペクトルの変化量は、水の吸収スペクトルの変化量に略同一である。
【0072】
図5は、20mWの第2の波長が生体9へ照射されると波長1600ナノメートルで吸光度の変化が1.4%であることを示す。
図6は、20mWの第2の波長が生体9へ照射されると波長1390ナノメートルで吸光度の変化が1.7%であることを示す。このことは、20mWの第2の波長によって、生体9の温度が約2度変化したことを意味する。
【0073】
図5及び
図6が示すように、第2の波長によって第1の実施形態の濃度測定装置1が観測可能な程度の生体9の水の吸収スペクトルのシフトが生じる。そのため、第1の実施形態の濃度測定装置1は、生体9の水の吸収スペクトルのシフトを検知でき、生体9の水の吸収スペクトルの変化に基づいて、グルコースの濃度を測定することができる。
【0074】
このように構成された第1の実施形態の濃度測定装置1は、温度情報取得部150及び濃度取得部160を備えるため、第1測定結果情報に基づいて生体9のグルコースの濃度を取得することができる。そのため、第1の実施形態の濃度測定装置1は、簡素な装置を用いて測定対象に含まれる目的成分の濃度を測定することができる。
【0075】
なお、濃度測定装置1は、必ずしも透過光によって目的成分の濃度を測定する必要はない。濃度測定装置1は、反射光や散乱光によって目的成分の濃度を測定してもよい。
【0076】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の濃度測定装置2の機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態の濃度測定装置2は、生体9に照射する光の強度を変調し、光音響分光法を用いて生体9の目的深度におけるグルコース濃度を測定する。なお、目的深度とは、グルコースの濃度を計測すべき生体9の深度のことである。
以下、濃度測定装置1が備える各機能部と同様の機能をもつものについては、
図1及び
図3と同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0077】
濃度測定装置2は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)21やメモリ22や補助記憶装置23などを備え、プログラムを実行することによって、入力部10、第1照射部14、第1変調部24、第2照射部15、第2変調部25、感圧部26及び出力部17を備える装置として機能する。濃度測定装置2は、プログラムを実行することによって、入力部10、第1照射部14、第1変調部24、第2照射部15、第2変調部25及び感圧部26の動作を制御し、感圧部26が取得した結果に基づいて、目的成分の濃度を取得する。
【0078】
第1変調部24は、第1照射部14が照射する光の強度を、周波数ω1(第1の周波数)及び周波数ω2(第2の周波数)で変調する。なお、周波数ω1は、周波数ω1の光を生体9に照射した場合に、目的深度において生体9に発生した振動波が減衰せずに感圧部26に到達する周波数である。また、周波数ω2は、周波数ω2の光を生体9に照射した場合に、目的深度において生体9に発生した振動波が感圧部26に到達するまでに減衰する周波数である。つまり、周波数ω1で変調された光により生体9に発生する振動波は、真皮近傍に存在する生体水から生じる振動波と血管床のグルコースとの混合物質から振動波とを反映している。他方、周波数ω2で変調された光により生体9に発生する振動波は、真皮近傍に存在する生体水から生じる振動波を主に反映している。なお、振動波の強度は、周波数と深度に反比例する。周波数ω2は、周波数ω1より高い周波数である。
【0079】
第2変調部25は、第2照射部15が照射する光の強度を、周波数ω1、ω2と異なる周波数である周波数ω3で変調する。なお、濃度測定装置2は、必ずしも第2変調部25をひとつだけ備える必要は無い。濃度測定装置2は、第2変調部25を2つ以上備えてもよい。
【0080】
図8は、第2の実施形態における感圧部26の構造の一例を示す図である。
感圧部26は、第1照射部14が照射した光によって生体9に生じた振動波を検出する。感圧部26は、ポリフッ化ビニリデンなどの圧電体によって形成された圧電フィルム261と、圧電フィルム261に張力を与えつつ圧電フィルム261を保持する保持具262とを備える。圧電体は、圧力が加わったときに、加えられた圧力の大きさに比例する電圧を発生させる。圧電体は、圧力が加わったときに、加えられた圧力の大きさに比例する電圧を発生させるものであればどのようなものであってもよい。圧電体は、例えば、マイクであってもよい。
保持具262は、シリコンゴムなどの弾性体により形成されており、圧電フィルム261の片面を覆い、圧電フィルム261の外縁に連結される。なお、保持具262は、圧電フィルム261と外縁以外では接触しないよう形成される。
これにより、圧電フィルム261を生体9に当てて保持具262を生体9に対して押し付けることで、圧電フィルム261の外縁に対して外側方向に保持具262の弾性力が生じ、圧電フィルム261に張力があたえられる。保持具262の形状の例としては、
図8に示すように、圧電フィルム261に相対する内面及び外面が半球状に形成される形状が挙げられる。
なお、保持具262は、音響管を備えてもよい。音響管は、熱波によって発生する音波の振動を増強する装置である。
このように、圧電フィルム261と生体9とが接触しているときに、圧電フィルム261に張力を与えることで、圧電フィルム261と生体9とを密着させることができる。
【0081】
図9は、第2の実施形態における情報処理部200の機能構成の一例を示す図である。
情報処理部200は、制御部210、第1振幅取得部220、第2振幅取得部230、補正部240、温度情報取得部250及び濃度取得部260を備える。
【0082】
制御部210は、第1照射部14、第1変調部24、第2照射部15、第2変調部25及び感圧部26の動作を制御する。制御部210は、例えば、第1照射部14及び第2照射部15が生体9に光を照射するタイミングを制御する。制御部210は、例えば、第1変調部24の変調周波数と、第2変調部25の変調周波数とを制御する。
【0083】
第1振幅取得部220は、第1の波長の光と強度E1の第2の波長の光とが生体9に照射された場合に、感圧部26が検出した振動波の振幅(以下「低温状態の振幅」という。)を取得する。より具体的には、第1振幅取得部220は、感圧部26が備える圧電体が発生した電圧に基づいて低温状態の振幅を取得する。なお、振動波の振幅は、生体9に照射された光の透過光の強度に比例する。
【0084】
第2振幅取得部230は、第1の波長の光と強度E2の第2の波長の光とが生体9に照射された場合に感圧部26が検出した振動波の振幅(以下「高温状態の振幅」という。)を取得する。より具体的には、第2振幅取得部230は、感圧部26が備える圧電体が発生した電圧に基づいて高温状態の振幅を取得する。第2振幅取得部230は、取得した振動波の振幅を補正部240に出力する。
【0085】
補正部240は、低温状態の振幅と高温状態の振幅とを示す情報(以下「第2測定結果情報」という。)に基づいて、第2補正係数を取得する。
第2補正係数は、測定結果である低温状態の振幅と高温状態の振幅と、を補正する値である。第2補正係数は水の量に応じて変わる値である。第2補正係数は、生体9に照射される光の波長に応じて変わる値である。第2補正係数は、感圧部26の性能に応じた値である。
すなわち、第2補正係数は、環境の影響を表す値である。環境の影響は、例えば、水の量である、環境の影響は、例えば、第1の波長に対する水の吸光度と第2の波長に対する水の吸光度とである。環境の影響は、例えば、感圧部26の性能である。
【0086】
補正部240は、第2測定結果情報に基づいて生体9の水の量を取得し、取得した水の量に基づいて第2補正係数を取得する。なお、補正部240は、低温状態の振幅と高温状態の振幅とに基づいて生体9の水の量を取得し、取得した水の量と第1の波長と第2の波長とに基づいて第2補正係数を取得してもよい。
【0087】
補正部240は、どのように水の量を取得してもよい。補正部240は、例えば、多変量解析によって水の量を取得してもよい。補正部240は、例えば、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された、低温状態の振幅と高温状態の振幅と水の量との関係を表す学習モデルに基づいて水の量を取得してもよい。補正部240は、例えば、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された、低温状態の振幅と高温状態の振幅と第1の波長と第2の波長と水の量との関係を表す学習モデルに基づいて水の量を取得してもよい。
【0088】
補正部240は、取得した第2補正係数に基づいて、低温状態の振幅と高温状態の振幅とを補正する。
以下、説明の簡単のため、第1振幅取得部220が取得した振動波の振幅の補正後の値も低温状態の振幅という。以下、説明の簡単のため、第2振幅取得部230が取得した振動波の振幅の補正後の値も高温状態の振幅という。
【0089】
温度情報取得部250は、第2測定結果情報に基づいて、温度情報を取得する。温度情報取得部250は、温度情報を取得可能であればどのような方法で温度情報を取得してもよい。温度情報取得部250は、例えば、多変数解析によって温度情報を取得してもよい。温度情報取得部250は、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された、第2測定結果情報と温度情報との関係を表す学習モデルに基づいて温度情報を取得してもよい。
【0090】
濃度取得部260は、第2測定結果情報及び温度情報に基づいて、第2濃度取得法によって生体9におけるグルコースの濃度を取得する。第2濃度取得法は、第2測定結果情報及び温度情報に基づいてグルコースの濃度を取得可能な方法であればどのような方法であってもよい。第2濃度取得法は、例えば、多変数解析の方法であってもよい。第2濃度取得法は、予め補助記憶装置23に第2濃度学習モデルが記憶されている場合には、第2濃度学習モデルに基づいて、グルコースの濃度が取得される方法であってもよい。第2濃度学習モデルは、ニューラルネットワーク等の機械学習によって学習された学習モデルであって温度情報及び第2測定結果情報とグルコースの濃度との関係を表す学習モデルである。
【0091】
図10は、第2の実施形態における情報処理部200がグルコースの濃度を取得する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第1照射部14が生体9に第1の波長の光を照射し、第2照射部15が生体9に強度E1の第2の波長の光を照射する。感圧部26が検出した振動波に基づいて、第1振幅取得部220が低温状態の振幅を取得する。第1振幅取得部220は、取得した低温状態の振幅を補正部240に出力する(ステップS201)。なお、第1照射部14による照射と第2照射部15による照射とは同時であってもよいし、所定の時間差を有して実行されてもよい。
【0092】
第1照射部14が生体9に第1の波長の光を照射し、第2照射部15が生体9に強度E2の第2の波長の光を照射する。感圧部26が検出した振動波に基づいて、第2振幅取得部230が高温状態の振幅を取得する。第2振幅取得部230は、取得した高温状態の振幅を補正部240に出力する(ステップS202)。なお、第1照射部14による照射と第2照射部15による照射とは同時であってもよいし、所定の時間差を有して実行されてもよい。
【0093】
補正部240が低温状態の振幅と高温状態の振幅とに基づいて第2補正係数を取得し、取得した第2補正係数に基づいて低温状態の振幅と高温状態の振幅とを補正する(ステップS203)。
【0094】
温度情報取得部250が、第2測定結果情報に基づいて、温度情報を取得する(ステップS204)。
濃度取得部260が、温度情報及び第2測定結果情報に基づき、第2濃度取得法によってグルコースの濃度を取得する(ステップS205)。
【0095】
このように構成された第2の実施形態の濃度測定装置2は、濃度取得部260を備えるため、第2測定結果情報に基づいて生体9のグルコースの濃度を取得することができる。そのため、第2の実施形態の濃度測定装置2は、簡素な装置を用いて測定対象に含まれる目的成分の濃度を測定することができる。
【0096】
なお、第2の実施形態における感圧部26は
図8に示す感圧部26に限られない。例えば、感圧部26は圧電フィルム261のみから形成され、生体表面に貼付したり巻きつけたりしてもよい。また、感圧部26は、圧電フィルム261に代えて、マイクロフォン、圧電素子などの素子や、レーザ光を応用して微小変動を検出するシステムであってもよい。
【0097】
(変形例)
なお、第1の実施形態の濃度測定装置1と、第2の実施形態の濃度測定装置2とは、異なる条件での励起光の照射を複数回実行することで、生体9のグルコースの濃度を測定してもよい。
このように、濃度測定装置1及び濃度測定装置2が、条件の異なる複数回の励起光の照射の測定結果によってグルコースの濃度を測定することで、濃度測定装置1及び2は、グルコースの濃度の測定精度が高めることができる。
【0098】
なお、補正部140は必ずしも、第1測定結果情報に基づいて第1補正係数を取得する必要は無い。補正部140は、1600ナノメートルの波長の光及び1450ナノメートルの波長の光を水に照射する実験を行うことなどによって、予め算出された値を第1補正係数として取得してもよい。
なお、補正部240は必ずしも、第2測定結果情報に基づいて第2補正係数を取得する必要は無い。補正部240は、1600ナノメートルの波長の光及び1450ナノメートルの波長の光を水に照射する実験を行うことなどによって、予め算出された値を第2補正係数として取得してもよい。
【0099】
なお、濃度測定装置1において、生体9に照射される光は必ずしもCW光でなくてもよい。生体9に照射される光は所定のパターンを有し、符号化された光であってもよい。生体9に照射される光は、光の電力や照射時間や観測波長によって符号化されてもよい。
このように生体9に照射する光として、符号化された光が照射されることで、生体9に照射される光がCW光である場合よりも、濃度測定装置1によるグルコースの濃度の測定精度が向上する。
なお、濃度測定装置1は、例えば、第1変調部24及び第2変調部25を備え、制御部110によって第1変調部24及び第2変調部25の動作を制御することで、生体9に照射する光を符号化してもよい。
なお、濃度測定装置1aも濃度測定装置1と同様に、生体9に、所定の照射パターンを有し符号化された光を照射してもよい。
【0100】
なお、第2の波長は、目的成分であるグルコースの吸光度が非目的成分である水の吸光度より小さい波長であって、水の吸収スペクトルを所定の大きさ以上に変化させる波長であればどのような波長であってもよい。
第2の波長は、例えば、非目的成分の吸収スペクトルのシフト量を濃度測定装置1が測定可能な程度のシフト量であるように、非目的成分の吸収スペクトルをシフトさせる波長であれば、どのような波長であってもよい。第2の波長の光は、例えば、テラヘルツ波であってもよいし、紫外線であってもよい。
第2の波長は、非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の位置の波長であってもよい。
【0101】
なお、濃度測定装置1及び2は、必ずしも第2照射部15を1つだけ備える必要は無い。濃度測定装置1及び濃度測定装置2は、2つ以上の第2照射部15を備えてもよい。
以下、説明の簡単のため、濃度測定装置1が2つ以上の第2照射部15を備える場合について説明するが、以下の説明は濃度測定装置2が2つ以上の第2照射部15を備える場合についても、透過光の強度に基づいてグルコースの濃度が取得される代わりに振動波の振幅に基づいてグルコースの濃度が取得される点以外は同様である。
以下、1つ以上の第2照射部15を備える濃度測定装置1を濃度測定装置1aという。以下、濃度測定装置1aが備える第2照射部15をそれぞれ第n照射部15-(n-1)という(nは2以上N以下の整数。Nは2以上の整数)。第2照射部15-1は、例えば、第1実施形態における第2照射部15である。n=3である第2照射部15は、例えば、第3照射部15-2である。
【0102】
図11は、変形例の濃度測定装置1aの機能構成の一例を示す図である。以下、濃度測定装置1が備える各機能部と同様の機能をもつものは、
図1、
図3、
図7及び
図9と同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0103】
濃度測定装置1aは、第2照射部15に代えて第n照射部15―(n-1)を備える点と、受光部16に代えて受光部16aを備える点と、情報処理部100に代えて情報処理部100aを備える点とで、濃度測定装置1と異なる。
第2照射部15-1は、第1の実施形態における第2照射部15と同様である。第n照射部15-(n-1)は、第nの波長の光を照射する。第n照射部15-(n-1)は、照射する光の波長が第nの波長である以外の点は、第2照射部15と同様である。第nの波長は非目的成分励起光である。
【0104】
受光部16aは、第1照射部14が照射した光であって生体9を透過した光と第2照射部15が照射した光であって生体9を透過した光とを受光するだけでなく、第n照射部15-(n-1)が照射した光であって生体9を透過した光も受光する点で受光部16と異なる。
【0105】
情報処理部100aは、第1照射部14及び第2照射部15が生体9を照射した結果に代えて、第1照射部14と第n照射部15-(n-1)とのN個の照射部が生体9を照射した結果に基づいて、グルコースの濃度を取得する点で、情報処理部100と異なる。
【0106】
図12は、変形例における情報処理部100aの機能構成の一例を示す図である。
情報処理部100aは、制御部110に代えて制御部110aを備える点と、第1強度取得部120に代えて第1強度取得部120aを備える点と、第2強度取得部130に代えて第2強度取得部130aを備える点とで情報処理部100aと異なる。
【0107】
制御部110aは、第1照射部14、第n照射部15-(n-1)及び受光部16aの動作を制御する。制御部110aは、例えば、第1照射部14及び第n照射部15-(n-1)が生体9に光を照射するタイミングを制御する。
【0108】
第1強度取得部120aは、低温状態の透過光の強度を取得し、温度情報取得部150及び濃度取得部160に出力する。濃度測定装置1aにおける低温状態は、第1の波長の光と強度E1_nの第nの波長の光とが生体9に照射された場合の水の状態である。濃度測定装置1aにおける低温状態の透過光は、低温状態の水を透過した光であって受光部16aが受光した光である。
【0109】
第2強度取得部130aは、高温状態の透過光の強度を取得し、温度情報取得部150及び濃度取得部160に出力する。濃度測定装置1aにおける高温状態は、第nの波長の光と強度E2_nの第nの波長の光とが生体9に照射された場合の水の状態である。強度E2_nは、強度E1_nよりも大きな値である。濃度測定装置1aにおける高温状態の透過光は、高温状態の水を透過した光であって受光部16aが受光した光である。
【0110】
このように構成された変形例の濃度測定装置1aは、複数の非目的成分励起光を生体9に照射した結果に基づいて、グルコースの濃度を取得するため、グルコースの濃度の取得に用いるデータの数が濃度測定装置1よりも多い。そのため、濃度測定装置1aは、濃度測定装置1aによるグルコースの濃度の測定精度以上の精度でグルコースの濃度を測定することができる。
【0111】
なお、変形例の濃度測定装置1aにおいて、第2の波長と第3の波長とは、非目的成分の吸収スペクトルのシフトに関する所定の相関関係を有する波長であればどのような波長であってもよい。所定の相関関係を有する波長とは、非目的成分の吸収スペクトルのシフトによって互いに相関をもって変化する波長である。
所定の相関関係を有する波長は、例えば、非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長であってもよい。非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長とは、例えば、非目的成分が水である場合には、1450+70ナノメートルの波長と、1450-70ナノメートルの波長との2つの波長であってもよい。非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長とは、例えば、非目的成分が水である場合には、1450+20ナノメートルの波長と、1450-50ナノメートルの波長との2つの波長であってもよい。非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長は、非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として互いに符号が逆である変曲点の位置に位置する波長であってもよい。
【0112】
所定の相関関係を有する波長は、例えば、非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長であってもよい。非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長とは、例えば、H+10ナノメートルの波長と、H-10ナノメートルの波長との2つの波長であってもよい。Hは、非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の波長である。非目的成分の吸収スペクトルの変曲点の波長を原点として互いに符号が逆である位置に位置する2つの波長とは、例えば、H+7ナノメートルの波長と、H-5ナノメートルの波長との2つの波長であってもよい。
【0113】
なお、変形例の濃度測定装置1aが、非目的成分励起光を照射する3つ以上の照射部を有する場合には、それぞれの非目的成分励起光の波長は、所定の相関関係を有する波長である。3つ以上の非目的成分励起光の間の所定の相関関係とは、例えば、略半数の波長が非目的成分の吸収スペクトルのピークの波長を原点として正の側に位置し、残りの非目的成分励起光の波長が負の側に位置するという関係であってもよい。
ここまでで、
図11が示す変形例の濃度測定装置1aに関する説明を終了する。
【0114】
なお、情報処理部100及び100aは、第1測定結果情報に基づいて水の量を取得してもよい。情報処理部100及び100aは、どのように水の量を取得してもよい。情報処理部100及び100aは、例えば、多変量解析によって水の量を取得してもよい。情報処理部100及び100aは、例えば、予めニューラルネットワーク等の機械学習の方法によって学習された学習モデルであって、低温状態の透過光の強度と高温状態の透過光の強度と水の量との関係を表す学習モデルに基づいて水の量を取得してもよい。
【0115】
なお、第1の波長が、温度変化に対する水の吸光度の変化が線形である波長帯域に属する波長である場合には、濃度測定装置1及び濃度測定装置2は多変量解析の方法によって機械学習の方法によって測定されるグルコースの濃度の測定精度と同程度以上の精度でグルコースの濃度を測定することができる。
【0116】
一方で、第1の波長が、温度変化に対する水の吸光度の変化が非線形である波長帯域に属する波長である場合には、濃度測定装置1及び濃度測定装置2は、機械学習の方法によって、多変量解析の方法によって測定されるグルコースの濃度の測定精度以上の精度でグルコースの濃度を測定することができる。
なお、濃度測定装置1及び濃度測定装置2が多変量解析の方法によって濃度を測定する場合には、生体9に照射する波長ごとの生体9に生じる変化に関して、波長間の相関関係がある方が測定の精度が向上する。一方、濃度測定装置1及び濃度測定装置2が機械学習の方法によって濃度を測定する場合には、生体9に照射する波長ごとの生体9に生じる変化に関して、必ずしも相関関係が無くてもよい。
【0117】
図13~
図15によって、濃度測定装置1、2及び1aが多変量解析によって取得したグルコースの濃度と真値との誤差をシミュレーションした結果を説明する。
図13は、シミュレーションに用いられた水とグルコースとの吸収スペクトルの一例を示す図である。
シミュレーションに用いられた水は、1450ナノメートルに極大値をもつスペクトルである。シミュレーションに用いられたグルコースは、1600ナノメートルに極大値をもつスペクトルである。
図13において、解析波長点は、シミュレーションにおける第2の波長の候補を示す。
【0118】
図14は、非目的成分励起光として第2の波長の光のみが照射された場合に、濃度測定装置1、2及び1aが多変量解析によって取得したグルコースの濃度の真値との誤差を示すシミュレーション結果の一例を示す図である。
シミュレーションは、生体9の温度が28℃における生体9の吸収スペクトルであってグルコースの濃度が0%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%のそれぞれの場合の生体9の吸光スペクトルと、生体9の温度が30℃における生体9の吸収スペクトルであってグルコースの濃度が0%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%のそれぞれの場合の生体9の吸光スペクトルと、生体9の温度が32℃における生体9の吸収スペクトルであってグルコースの濃度が0%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%のそれぞれの場合の生体9の吸光スペクトルとの全部で15のスペクトルが既知であるとして実行された。
シミュレーションは、真値が31℃であって、グルコースの濃度が0.07%であると仮定して実行された。
【0119】
図14の横軸は波長を表す。
図14の縦軸は、誤差を表す。
図14において、水推定誤差は、ミシュレ―ションによって算出された誤差であって、濃度測定装置1、2及び1aが取得する水の量と真値との誤差を表す。
図14において、Glc推定誤差は、ミシュレ―ションによって算出された誤差であって、濃度測定装置1、2及び1aが取得するグルコースの濃度と真値との誤差を表す。
図14において、温度推定誤差は、ミシュレ―ションによって算出された誤差であって、濃度測定装置1、2及び1aが取得する水の温度と真値との誤差を表す。
図14は、非目的成分励起光として第2の波長の光のみが照射された場合に濃度測定装置1、2及び1aが多変量解析によって取得するグルコースの濃度は、真値との誤差が20%から25%であることを示す。
【0120】
図15は、非目的成分励起光として第2の波長の光と第3の波長の光とが照射された場合に、濃度測定装置1、2及び1aが多変量解析によって取得したグルコースの濃度の真値との誤差を示すシミュレーション結果の一例を示す図である。
シミュレーションは、
図14と同様の情報が既知であるとして実行された。すなわち、
図15においても、シミュレーションは、生体9の温度が28℃における生体9の吸収スペクトルであってグルコースの濃度が0%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%のそれぞれの場合の生体9の吸光スペクトルと、生体9の温度が30℃における生体9の吸収スペクトルであってグルコースの濃度が0%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%のそれぞれの場合の生体9の吸光スペクトルと、生体9の温度が32℃における生体9の吸収スペクトルであってグルコースの濃度が0%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%のそれぞれの場合の生体9の吸光スペクトルとの全部で15のスペクトルが既知であるとして実行された。
また、
図14と同様に、シミュレーションは、真値が31℃であって、グルコースの濃度が0.07%であると仮定して実行された。
【0121】
図15の横軸は波長を表す。
図15の縦軸は、誤差を表す。
図15は、非目的成分励起光として第2の波長の光と1450ナノメートルより長い第3の波長の光とが照射された場合には、濃度測定装置1、2及び1aが多変量解析によって取得するグルコースの濃度は、真値との誤差が5%~10%であることを示す。
また、
図15は、非目的成分励起光として第2の波長の光と1450ナノメートル以下の第3の波長の光とが照射された場合には、濃度測定装置1、2及び1aが多変量解析によって取得するグルコースの濃度は、真値との誤差が20%~25%であることを示す。
非目的成分励起光として第2の波長の光と1450ナノメートル以下の第3の波長の光とが照射された場合には、濃度測定装置1、2及び1aは機械学習の学習結果に基づいてグルコースの濃度を取得することが望ましい。
【0122】
図16は、濃度測定装置1、2及び1aが機械学習の学習結果に基づいて取得したグルコースの濃度と真値との誤差の一例を示す図である。
図16の結果を取得するための機械学習の教師データは、グルコースの濃度の真値を0.08~0.17%にまで0.01%刻みで変化させ、温度を35℃から37℃まで0.2℃刻みで変化させた場合に、濃度測定装置1、2及び1aが取得したグルコースの濃度の濃度である。
図16は、学習したモデルに基づいて、温度が36℃であって、真値が0.085~0.165%のグルコースの濃度を濃度測定装置1、2及び1aが取得した場合における濃度測定装置1、2及び1aが取得したグルコースの濃度と真値との誤差を示す。
図16は、濃度測定装置1、2及び1aが取得した温度と真値との誤差も示す。
図16は、学習したモデルに基づいた場合、濃度測定装置1、2及び1aが取得したグルコースの濃度と真値との誤差は、2%以下であることを示す。
【0123】
なお、濃度測定装置1、2及び1aの各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0124】
なお、情報処理部100、200及び100aは、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。また、情報処理部100、200及び100aは、測定結果を出力してもよい。また、情報処理部100、200及び100aは、測定結果を表示する表示装置を備えても良い。この場合、情報処理部100、200及び100aが備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、制御部110と、第1強度取得部120及び第2強度取得部130と、補正部140、温度情報取得部150及び濃度取得部160とは、それぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
【0125】
なお、濃度測定装置1、2及び1aは、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の装置を用いて実装されてもよい。
この場合、濃度測定装置1は、例えば、制御部110、第1照射部14、第2照射部15及び受光部16を備える光測定装置と、第1強度取得部120、第2強度取得部130、補正部140、温度情報取得部150及び濃度取得部160を備える処理装置と、の2つの装置で実装されてもよい。
【0126】
なお、強度E2は強度E1と異なる強度であれば、必ずしも、強度E1よりも強くなくてもよい。なお、透過光の強度と振動波の振幅とは、2乗した次元がエネルギーに比例する物理量である。なお、透過光の強度と、振動波の振幅とは、測定対象の変化に起因する物理量の一例である。なお、第1強度取得部120及び第1振幅取得部220は、第1取得部の一例である。なお、第2強度取得部130及び第2振幅取得部230は、第2取得部の一例である。なお、強度E1は第1の強度の一例である。なお、強度E2は第2の強度の一例である。なお、第3照射部15-2~第N照射部15-(N-1)は、M個の照射部の一例である。なおMは、1以上の整数である。なお、吸収スペクトルのシフト量は、吸収スペクトルの変化の一例である。なお、吸収スペクトルの変化は、必ずしもシフト量の変化だけでなく、吸収スペクトルの形状の変化であってもよい。
【0127】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0128】
1、2、1a…濃度測定装置、 11、21…CPU、 12、22…メモリ、13、23…補助記憶装置、 14…第1照射部、 15…第2照射部、 16、16a…受光部、 100、100a…情報処理部、 110、210…制御部、 120…第1強度取得部、 130…第2強度取得部、 140、240…補正部、 150、250…温度情報取得部、 160、260…濃度取得部、 24…第1変調部、 25…第2変調部、 26…感圧部、 220…第1振幅取得部、 230…第2振幅取得部