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特許7197208商品認識システム、商品認識装置、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】商品認識システム、商品認識装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20221220BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20221220BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221220BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20221220BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/01 301D
G06Q30/06
G06F3/0481
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021010438
(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公開番号】P2022114229
(43)【公開日】2022-08-05
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 修平
【審査官】葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-266358(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104077842(CN,A)
【文献】特開2001-216571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06T 7/00
G06Q 20/20、30/06
G06Q 50/12
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが決済する際に決済対象物を含む複数の物の画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる複数の物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された複数の物がそれぞれ前記決済対象物か決済非対象物かを推定する推定部と、
前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する表示部と、を備え
前記表示部は、前記決済対象物と前記決済非対象物とを含む画面を表示し、前記表示された画面において前記決済対象物よりも前記決済非対象物を強調して表示して、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別する
商品認識システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記決済対象物と前記決済非対象物とを含む画面を表示し、前記表示された画面において前記決済非対象物に対応する領域を網掛けして表示し、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別する
請求項に記載の商品認識システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記画像に含まれる物の外形を特徴量とし、当該物を識別する
請求項1又は2に記載の商品認識システム。
【請求項4】
前記決済対象物は、有料でユーザに対して提供される物であり、
前記決済非対象物は、無料でユーザに対して提供される物である
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の商品認識システム。
【請求項5】
ユーザが決済する際に決済対象物を含む複数の物の画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる複数の物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された複数の物がそれぞれ前記決済対象物か決済非対象物かを推定する推定部と、
前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する表示部と、を備え
前記表示部は、前記決済対象物と前記決済非対象物とを含む画面を表示し、前記表示された画面において前記決済対象物よりも前記決済非対象物を強調して表示して、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別する
商品認識装置。
【請求項6】
ユーザが決済する際に決済対象物を含む複数の物の画像を取得することと、
前記画像に含まれる複数の物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された複数の物がそれぞれ前記決済対象物か決済非対象物かを推定することと、
前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示することと、を含み、
前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示することは、前記決済対象物と前記決済非対象物とを含む画面を表示し、前記表示された画面において前記決済対象物よりも前記決済非対象物を強調して表示して、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別することを含む
方法。
【請求項7】
ユーザが決済する際に決済対象物を含む複数の物の画像を取得する処理と、
前記画像に含まれる複数の物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された複数の物がそれぞれ前記決済対象物か決済非対象物かを推定する処理と、
前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する処理と、をコンピュータに実行させ
前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する処理は、前記決済対象物と前記決済非対象物とを含む画面を表示し、前記表示された画面において前記決済対象物よりも前記決済非対象物を強調して表示して、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別することを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品認識システム、商品認識装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像認識によって商品の決済を実行するPOS(Point Of Sales)システムは種々提案されている。例えば特許文献1では、撮像手段で撮像された商品の画像に基づき、当該商品の候補となる商品候補を認識し、認識手段が認識した商品候補を表示するPOSシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-038719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術に係るPOSシステムでは、画像認識において、ユーザに対して無料で提供する決済非対象物をユーザに対して有料で提供する決済対象物と誤認識してしまうことがあった。図9は、画像認識において水をみそ汁と誤認識してしまった一例である。その場合、ユーザに対して、決済非対象物にもかかわらず、みそ汁の料金分を追加で請求することとなり、余分な料金を負担させる。つまり、POSシステムでは、商品の誤認識を気づかずに決済してしまうという課題があった。
【0005】
本開示は、そのような問題点を解決することによって、商品の誤認識を気づかずに決済してしまうことを低減することができる商品認識システム、商品認識装置、方法及びプログラムを提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の商品認識システムは、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物の画像を取得する画像取得部と、前記画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された物が前記決済対象物か決済非対象物かを推定する推定部と、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する表示部と、を備える。
【0007】
本開示の商品認識装置は、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物の画像を取得する画像取得部と、前記画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された物が前記決済対象物か決済非対象物かを推定する推定部と、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する表示部と、を備える。
【0008】
本開示の方法は、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物の画像を取得することと、前記画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された物が前記決済対象物か決済非対象物かを推定することと、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示することと、を含む。
【0009】
本開示のプログラムは、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物の画像を取得する処理と、前記画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と前記決済対象物か否かを示す情報とを参照して、前記識別された物が前記決済対象物か決済非対象物かを推定する処理と、前記決済対象物と前記決済非対象物とを区別して前記ユーザに表示する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によって、商品の誤認識を気づかずに決済してしまうことを低減することができる商品認識システム、商品認識装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態にかかる商品認識システムの構成を示す模式図である。
図2】第1の実施形態にかかる商品認識システムの動作を示すフローチャートである。
図3】第2の実施形態にかかる商品認識システムの概略的な構成を示す模式図である。
図4】第2の実施形態にかかる商品認識システムの構成を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態にかかる商品認識装置の学習動作を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態にかかる商品認識装置における登録画面を示す模式図である。
図7】第2の実施形態にかかる商品認識装置の推定動作を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態にかかる商品認識装置における推定画面を示す模式図である。
図9】背景技術にかかる商品認識システムにおける商品の誤認識の一例を示す模式図である。
図10】第3の実施形態にかかる商品認識システムの構成を示すブロック図である。
図11】本実施形態にかかるハードウェアの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る商品認識システム1の構成を説明する。商品認識システム1は、画像取得部11、推定部12、表示部13を備える。画像取得部11は、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物の画像を取得する。推定部12は、画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と決済対象物か否かを示す情報とを参照して、識別された物が決済対象物か決済非対象物かを推定する。表示部13は、決済対象物と決済非対象物とを区別してユーザに表示する。
【0014】
続いて、図2を用いて、第1の実施形態に係る商品認識システム1の動作を説明する。
まず、画像取得部11は、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物の画像を取得する(ステップS11)。次に、推定部12は、画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶された物の識別情報と決済対象物か否かを示す情報とを参照して、識別された物が決済対象物か決済非対象物かを推定する(ステップS12)。次に、表示部13は、決済対象物と決済非対象物とを区別してユーザに表示する(ステップS13)。
【0015】
したがって、ユーザは、第1の実施形態に係る商品認識システム1では、決済非対象物を決済対象物と誤認識しているか否かを察知できる。さらに、ユーザは、商品認識システム1の当該誤認識があった場合、当該誤認識を察知できることで、商品の決済を訂正することができる。つまり、商品認識システム1では、ユーザが商品の誤認識を気づかずに決済してしまうことを低減することができる。
【0016】
(第2の実施形態)
続いて、図3図4を用いて、第2の実施形態に係る商品認識システム2の構成を説明する。商品認識システム2は、第1の実施形態に係る商品認識システム1を具体的に示したものである。
図3に示すように、商品認識システム2は、商品認識装置10及び撮像装置20を備え、商品群30の画像を認識することによって、商品群30の決済を実行する。商品認識システム2は、例えば社員食堂やセルフ食堂などの食堂、セルフうどん等のレストランの店舗のレジに設置される。本実施形態では、商品認識システム1を食堂のレジに設置したと仮定して説明する。
【0017】
撮像装置20は、例えばカメラなどの撮像機能を有する装置であり、商品群30を撮像し、撮像画像を商品認識装置10に送信する。撮像装置20は、レジにおいてトレーの上に載せられる商品群30を上方から撮像し、撮像された商品群30を含む画像を商品認識装置10に送信する。
【0018】
商品認識装置10は、例えばスマートフォン、タブレット、PC(Personal Computer)、レジ装置等の端末である。ここで、商品認識装置10は、狭義の第1の実施形態に係る商品認識システム1を構成する。詳細には、図4に示すように、商品認識装置10は、画像取得部11、推定部12、表示部13、学習部14、記憶部15、通信部16及び決済部17を備える。なお、商品認識装置10は、撮像装置20を備えていてもよい。
【0019】
画像取得部11は、ユーザが決済する際に決済対象物を含む物(商品)の撮像画像を取得し、取得された撮像画像を推定部12に供給する。また、画像取得部11は、物(商品)の撮像画像を撮像装置20から取得し、取得された撮像画像を学習部14に供給する。
【0020】
推定部12は、画像に含まれる物を識別し、予め紐づけて記憶部15に記憶された商品の識別情報と決済対象物か否かを示す情報とを参照して、識別された商品が決済対象物か決済非対象物かを推定する。例えば、推定部12は、画像に含まれる商品の外形などを特徴量とし、画像に含まれる商品を識別し、商品名を推定する。そして、推定部12は、推定された商品名と、予め紐づけて記憶部15に記憶された商品の商品名の情報と決済対象物か否かを示す情報とを参照して、当該推定された商品が決済対象物と決済非対象物とのいずれであるかの情報を推定する。そして、推定部12は、推定された商品の商品名、及び当該商品が決済対象物と決済非対象物とのいずれであるかの情報を表示部13に供給する。また、推定部12は、識別された商品の金額等の決済に必要な情報を加えて推定し、推定された情報を決済部17に供給する。
【0021】
ここで、決済非対象物は、無料でユーザに対して提供される物である。決済非対象物は、例えば日本料理では、コップに入った水(お茶)、箸、小皿、匙であり、西洋料理では、コップに入った水、スプーン、フォーク、ナイフであり、中華料理では、コップに入った水(お茶)、箸、小皿、れんげである。一方、決済対象物は、有料でユーザに対して提供される物であり、例えば、親子丼、ラーメンなどの料理である。なお、決済非対象物と決済対象物とは前述したものに限られず、各々設定できる。
【0022】
表示部13は、推定部12によって推定された決済対象物と決済非対象物とを区別してディスプレイ等を用いてユーザに対して表示する。具体的には、表示部13は、決済対象物と決済非対象物とを含む画面を表示し、表示された画面において決済対象物よりも決済非対象物を強調して表示して、決済対象物と決済非対象物とを区別する。例えば、表示部13は、表示された画面において決済非対象物に対応する領域を網掛けして表示し、決済対象物と決済非対象物とを区別する。なお、表示部13は、表示された画面において決済非対象物に対応する領域を網掛けして表示することに限られず、例えば色を変化や、決済非対象物に対応する領域を太線で囲うなどして決済対象物よりも決済非対象物を強調して表示してもよい。
【0023】
学習部14は、画像取得部11から撮像画像を取得し、取得された撮像画像に含まれる商品の画像と商品名、及び当該商品が決済対象物と決済非対象物とのいずれであるかの情報とを紐づけて記憶部15に記憶する。学習部14は、例えば画像取得部11から水(水の入った容器)の画像を取得し、水の画像に水の商品名と水が決済非対象物であることとを紐づけて記憶部15に記憶する。さらに、学習部14は、当該情報に加えて金額等の決済に必要な情報も撮像画像に含まれる商品の画像に紐づけて記憶する。
【0024】
記憶部15は、商品の画像と当該商品の商品名とを紐づけて記憶する。また、記憶部15は、商品の商品名と当該商品が決済対象物と決済非対象物とのいずれであるかの情報とを紐づけて記憶する。さらに、記憶部15は、当該情報に加えて金額等の決済に必要な情報も商品の商品名に紐づけて記憶する。
通信部16は、無線又は有線によって撮像装置20と通信し、情報の送受信を実行する。
決済部17は、推定部12から供給された情報をもとに画像取得部11によって取得された撮像画像に含まれる商品の決済を実行する。
【0025】
続いて、図5図9を用いて、第2の実施形態に係る商品認識装置10の動作を説明する。具体的には、商品認識装置10は、図5図6に示す学習動作と、図7図9に示す学習した情報に基づいて商品の推定を実行する推定動作を有する。
【0026】
まず、図5を用いて、第2の実施形態に係る商品認識装置10の学習動作を説明する。
図5に示すように、商品認識装置10の表示部13は、商品を登録するための登録画面をディスプレイに表示する(ステップS101)。そうすると、ユーザは、商品認識装置10に表示された登録画面に従って、撮像装置20を用いて学習対象の商品を撮像する。そして、撮像装置20は撮像した撮像画像を商品認識装置10に送信する。
【0027】
次に、商品認識装置10の学習部14は、通信部16を介して、撮像画像を撮像装置20から受信する(ステップS102)。そして、学習部14は、商品の画像を抽出する(ステップS103)。
【0028】
次に、学習部14は、抽出された商品の画像と商品名とを紐づける(ステップS104)。具体的には、表示部13は、抽出された商品の画像を登録画面に表示し、ユーザは抽出された商品に対応する商品名を登録画面に入力する。この際、学習部14は、商品の画像と入力された商品名とを紐づけて記憶部15に記憶する。
【0029】
さらに、ユーザは、登録画面に表示された抽出された商品の画像に関する情報に従って、抽出された商品が決済非対象物であるか否かを判定する。抽出された商品が決済非対象物である場合(ステップS105 YES)、ユーザは抽出された商品が決済非対象物であることを登録画面に入力する。そうすると、学習部14は、商品名と決済非対象物であることとを紐づけて記憶部15に記憶する(ステップS106)。抽出された商品が決済非対象物でない場合(ステップS105 NO)、商品認識装置10は処理を終了する。
【0030】
図6は、決済非対象物を登録する際の登録画面の一例を示す。図6に示すように、登録画面には、商品の画像、商品名の候補、当該商品が決済非対象物であるかをユーザが選択するためのチェックボックスが表示されている。ここで、登録画面において、ユーザは、親子丼、味噌汁、水及び箸の商品名の候補から商品の画像が水であることを選択している。さらに、登録画面において、ユーザは、決済非対象物であるかのチェックボックスにチェックをいれることによって、商品の画像、すなわち水が決済非対象物であることを選択している。この状態で学習が行われた場合、学習部14は、商品の画像が水であり、水が決済非対象物であることを記憶部15に記憶する。
【0031】
ここで、図5に示すように、商品認識装置10は、再度学習を行う場合、ステップS101の処理に戻り、再度、商品の画像に商品名および決済非対象物であるか否かの情報を紐づけて記憶部15に記憶してもよい。
【0032】
続いて、図7を用いて、第2の実施形態に係る商品認識装置10の推定動作を説明する。
まず、商品認識装置10の表示部13は、ユーザが決済する商品を推測するための推定画面をディスプレイに表示する(ステップS201)。次に、ユーザは、商品認識装置10に表示された推定画面に従って、撮像装置20を用いて推定対象の商品、例えば、ユーザが購入する商品を撮像する。その後、撮像装置20は撮像画像を商品認識装置10に送信する。
【0033】
商品認識装置10の推定部12は、通信部16を介して撮像画像を取得する(ステップS202)。次に、推定部12は、画像に含まれる物を識別し、商品名を推定する。例えば、推定部12は、画像に含まれる商品の外形を特徴量とし、画像に含まれる物を識別し、商品名を推定する。そして、推定部12は、推定された商品の商品名と、予め紐づけて記憶部15に記憶された商品の商品名の情報と決済対象物か否かを示す情報とを参照して、当該識別された商品が決済対象物と決済非対象物とのいずれであるかの情報を推定する(ステップS203)。
【0034】
次に、商品が決済非対象物である場合(ステップS204 YES)、表示部13は、網掛けありの商品名を推定画面に表示する(ステップS205)。具体的には、表示部13は、図8に示す推定画面では、「水」の画像を表示し、「水」の画像に対して商品名「水」を付して表示している。そして、表示部13は、「水」の画像を、決済非対象物であると推定したため、「水」の画像に対して、網掛けを表示する。
【0035】
一方、図7に示すように、商品が決済非対象物でない場合(ステップS204 NO)、表示部13は、網掛けなしの商品名を推定画面に表示する(ステップS206)。具体的には、表示部13は、図8に示す推定画面では、「親子丼」の画像を表示し、「親子丼」の画像に対して商品名「親子丼」を付して表示している。そして、表示部13は、「親子丼」の画像を、決済非対象物でないと推定したため、「親子丼」に対応する商品の画像に対して、網掛けを表示しない。
【0036】
ここで、ユーザは、表示された推定画面を参照し、自身が購入する商品が商品認識装置10に正しく認識されているか、つまり、決済非対象物を異なる有料の商品に誤認識していないか判断できる。そうすることによって、ユーザは後述する決済の際に、決済の訂正を行うことができる。
【0037】
次に、図7に示すように、商品認識装置10の推定部12は、商品の推定が正しかったと判断し、商品を確定する(ステップS207)。そして、商品が決済非対象物でない場合(ステップS208 NO)、推定部12は、推定された商品の商品情報を決済部17に供給する(ステップS209)。商品が決済非対象物である場合(ステップS208 YES)、推定部12は、決済非対象物の商品情報を削除する(ステップS210)。
最後に、決済部17は、推定部12から供給された商品情報をもとに商品の決済を行う(ステップS211)。
【0038】
したがって、第2の実施形態に係る商品認識システム2では、商品認識システム1と同様に、商品の誤認識を気づかずに決済してしまうことを低減することができる。また、商品認識システム2では、決済非対象物を網掛け表示するなど視覚的に決済非対象物を強調することによって、商品認識システム2における商品の誤認識に対するユーザの見逃しを低減することができる。
【0039】
続いて、図10を用いて、第3の実施形態に係る商品認識システム3の構成を説明する。図10に示すように、商品認識システム3は、商品認識サーバ40と少なくとも1台の商品認識装置50とを備える。ここで、商品認識サーバ40は、第2の実施形態に係る商品認識装置10の一部の処理を商品認識装置10の代わりに実行する。
【0040】
商品認識サーバ40は、第2の実施形態に係る商品認識装置10の画像取得部11、推定部12、学習部14、記憶部15を備える。また、商品認識サーバ40は、通信部41を備え、通信部41は、各商品認識装置50と無線又は有線によって通信する。
商品認識装置50は、第2の実施形態に係る撮像装置20、商品認識装置10の表示部13、通信部16及び決済部17を備える。また、商品認識装置50の通信部16は、商品認識サーバ40と無線又は有線によって通信する。
なお、商品認識サーバ40が代わりに実行する第2の実施形態に係る商品認識装置10の一部の処理は上述する機能に限られない。
【0041】
例えば、第3の実施形態に係る商品認識システム3は次の動作を実行する。
まず、商品認識装置50の撮像装置20は、ユーザが決済する際に決済対象物を含む商品の画像を撮像する。次に、商品認識サーバ40の画像取得部11は、撮像画像を商品認識装置50から取得する。次に、商品認識サーバ40の推定部12は、画像に含まれる商品を識別し、予め紐づけて記憶された商品の識別情報と決済対象物か否かを示す情報とを参照して、識別された物が決済対象物か決済非対象物かを推定する。そして、推定部12は、推定された情報を商品認識装置50に送信する。次に、商品認識装置50の表示部13は、決済対象物と決済非対象物とを区別してユーザに表示する。
【0042】
したがって、第3の実施形態に係る商品認識システム3では、商品認識システム2と同様の効果を奏する。また、商品認識システム3では、商品認識システム2に係る商品認識装置10の処理をまとめて商品認識サーバ40で実行できる。
【0043】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0044】
<ハードウェア構成>
続いて、図11を用いて、商品認識装置10、撮像装置20、商品認識サーバ40及び商品認識装置50に係るコンピュータ1000のハードウェア構成例を説明する。図11においてコンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002とを有している。プロセッサ1001は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1001は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ1002は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1002は、プロセッサ1001から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1001は、図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ1002にアクセスしてもよい。
【0045】
また、上述の実施形態における各装置は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。上述の実施形態における各装置の機能(処理)を、コンピュータにより実現してもよい。例えば、メモリ1002に実施形態における方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001で実行することにより実現してもよい。
【0046】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random Access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0047】
1 商品認識システム
2 商品認識システム
3 商品認識システム
10 商品認識装置
11 画像取得部
12 推定部
13 表示部
14 学習部
15 記憶部
16 通信部
17 決済部
20 撮像装置
30 商品群
40 商品認識サーバ
41 通信部
50 商品認識装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
図1
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