(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】等距離調整機構を有する裁断機
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20221220BHJP
F16B 33/02 20060101ALI20221220BHJP
F16B 27/00 20060101ALI20221220BHJP
B26D 7/26 20060101ALI20221220BHJP
F16H 25/24 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
F16H25/20 A
F16B33/02 Z
F16B27/00 Z
B26D7/26
F16H25/24 A
(21)【出願番号】P 2021074142
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2021-04-27
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506069527
【氏名又は名称】全利機械股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】許豈彬
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-089437(JP,A)
【文献】特公昭39-020441(JP,B1)
【文献】実開昭59-103949(JP,U)
【文献】特開2004-076770(JP,A)
【文献】特開2010-090987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
F16B 33/02
F16B 27/00
B26D 7/26
F16H 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の等距離調整機構と、裁断装置と、少なくとも1つの上輸送装置と、少なくとも1つの下輸送装置を含み、
前記等距離調整機構は、
接続区間と、
該接続区間に設置される少なくとも1つの固定式従動部品と、
該接続区間の一端と接続され、表面に第1雄ねじ山が設けられた少なくとも1つの第1区間と、
第1雌ねじ山を含み、該第1雌ねじ山により該第1区間の該第1雄ねじ山と噛合し、第1雄ねじ山及び該第1雌ねじ山は第1ピッチを有する少なくとも1つの第1従動部品と、
該第1区間の一端と接続され、表面に第2雄ねじ山が設けられた少なくとも1つの第2区間と、
第2雌ねじ山を含み、該第2雌ねじ山により該第2区間の該第2雄ねじ山と噛合し、該第2雄ねじ山及び該第2雌ねじ山は第2ピッチを有し、該第2ピッチは該第1ピッチの2倍である少なくとも1つの第2従動部品と、を含
み、
該接続区間及び該第1区間は第1棒体であり、該第2区間は第2棒体であり、該第1棒体及び該第2棒体は軸継手により接続され、
前記上輸送装置及び前記下輸送装置は両者の間の被裁断物の輸送に用いられ、
前記裁断装置は前記上輸送装置及び/又は前記下輸送装置と隣接し、前記被裁断物を切断し、
前記複数の等距離調整機構はそれぞれ前記裁断装置、前記上輸送装置及び前記下輸送装置と接続され、裁断装置、上輸送装置及び下輸送装置の間隔を調整する、
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項2】
該第2区間の一端と接続され、表面に少なくとも1つの第nねじ山が設けられ、該第nねじ山の第nピッチは該第1ピッチのn倍である少なくとも1つの第n区間を含む、請求項1に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
請求項1に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項3】
該第2棒体の数量は2つであり、それぞれ該第1棒体の両端と接続される、請求項
1に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項4】
該第1従動部品はナットの該第1雌ねじ山により該第1区間の該第1雄ねじ山と接続され、該第2従動部品はナットの第2雌ねじ山により該第2区間の該第2雄ねじ山と接続される、請求項1に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項5】
該固定式従動部品、該第1従動部品及び該第2従動部品は、それぞれカッター又は輸送ユニットと連結される、請求項1に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項6】
複数の等距離調整機構と、裁断装置と、少なくとも1つの上輸送装置と、少なくとも1つの下輸送装置を含み、
前記等距離調整機構は、
表面に2つの第1雄ねじ山が設けられ、該2つの第1雄ねじ山における螺旋の回転方向が異なる少なくとも1つの第1区間と、
第1雌ねじ山を含み、該第1雌ねじ山により該第1区間の該2つの第1雄ねじ山とそれぞれ噛合し、第1雄ねじ山及び該第1雌ねじ山は第1ピッチを有する2つの第1従動部品と、
該第1区間の両端とそれぞれ接続され、表面に第2雄ねじ山が設けられた2つの第2区間と、
第2雌ねじ山を含み、該第2雌ねじ山により該2つの第2区間の該第2雄ねじ山とそれぞれ噛合し、該第2雄ねじ山及び該第2雌ねじ山は第2ピッチを有し、該第2ピッチは該第1ピッチの3倍である2つの第2従動部品と、を含
み、
前記上輸送装置及び前記下輸送装置は両者の間の被裁断物の輸送に用いられ、
前記裁断装置は前記上輸送装置及び/又は前記下輸送装置と隣接し、前記被裁断物を切断し、
前記複数の等距離調整機構はそれぞれ前記裁断装置、前記上輸送装置及び前記下輸送装置と接続され、裁断装置、上輸送装置及び下輸送装置の間隔を調整する、
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項7】
該2つの第2区間の一端とそれぞれ接続され、表面に第nねじ山が設けられ、該第nねじ山の第nピッチは該第1ピッチの(2n-1)倍である2つの第n区間を含む、請求項
6に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項8】
該第1区間は第1棒体であり、該第2区間は第2棒体であり、該第1棒体及び該第2棒体は軸継手により接続される、請求項
6に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項9】
該第1従動部品はナットの該第1雌ねじ山により該第1区間の該第1雄ねじ山と接続され、該第2従動部品はナットの該第2雌ねじ山により該第2区間の該第2雄ねじ山と接続される、請求項
6に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【請求項10】
該第1従動部品及び該第2従動部品はそれぞれカッター又は輸送ユニットと連結される、請求項
6に記載の
等距離調整機構を有する裁断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒体に設置された複数の従動部品を等距離に調整でき、これにより使用の利便性を高めた等距離調整機構を有する裁断機に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、第1下輸送ベルト111、第2下輸送ベルト113、第1上輸送ベルト131、第2上輸送ベルト133及び刃15を含む従来の裁断機構10を示す。第1下輸送ベルト111及び第1上輸送ベルト131の間、第2下輸送ベルト113及び第2上輸送ベルト133の間は、輸送高さ14分離れている。
【0003】
第1下輸送ベルト111及び第1上輸送ベルト131は、被裁断物12を第2下輸送ベルト113及び第2上輸送ベルト133の方向に輸送できる。
【0004】
第2上輸送ベルト133及び第1上輸送ベルト131は隣接し、両者の間に間隙16が存在する。第2下輸送ベルト113及び第1下輸送ベルト111は隣接し、両者の間に間隙16が存在する。刃15は第1上輸送ベルト131及び第2上輸送ベルト133の間に位置し、両者の間の間隙16の上方に位置する。
【0005】
第1下輸送ベルト111、第2下輸送ベルト113、第1上輸送ベルト131及び第2上輸送ベルト133が被裁断物12を所定位置に送ると、刃15が被裁断物12の方向に移動し、間隙16内に進入する。これにより被裁断物12を切断して複数の物品121が生産される。
【0006】
上記裁断機構10は、主に輸送ベルトが被裁断物12を送る速度を調整するか、又は刃15の裁断頻度を調整することにより、裁断後に生産される物品121の長さを調整する。しかしながら上記裁断機構10には、裁断効率が好ましくない問題が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、次の等距離調整機構を有する裁断機を提供することにある。
主に棒体に複数の区間を画成し、各区間の表面に異なるピッチを有するねじ山をそれぞれ設け、各区間のねじ山のピッチは棒体の中心から両端の方向に向かって次第に増加する。複数の従動部品は、棒体の各区間にそれぞれ設置される。棒体が回転するとき、棒体の中心の両側に位置する各従動部品は棒体に沿って移動し、棒体の中心を対称点として中心に接近するか、又は離れる。各従動部品が棒体に沿って移動するとき、隣接する各従動部品の間隔は同じに保持され、これにより各従動部品を等距離に調整する目的を達成する。
【0008】
本発明の目的は、次の等距離調整機構を有する裁断機を提供することにある。
棒体に設置される従動部品の数量は奇数個であり、棒体の各区間にそれぞれ設置される。棒体中央に位置する区間の表面にはねじ山を設けず、棒体中央の区間の両側に第1区間、第2区間、…及び第n区間がそれぞれ順番に設けられる。第2区間のねじ山のピッチは第1区間の2倍であり、第n区間のねじ山のピッチは第1区間のn倍である。
【0009】
本発明の目的は、次の等距離調整機構を有する裁断機を提供することにある。
棒体に設置される従動部品の数量は偶数個であり、棒体の各区間にそれぞれ設置される。各従動部品は棒体の中心から対称に設置される。第1区間は棒体中央に位置し、第1区間の両側に第2区間、…及び第n区間がそれぞれ順番に設けられる。第2区間のねじ山のピッチは第1区間の3倍であり、第n区間のねじ山のピッチは第1区間の(2n-1)倍である。
【0010】
本発明の目的は、特に裁断機に適用される次の等距離調整機構を有する裁断機を提供することにある。
各従動部品は刃又は輸送ユニットと連結でき、等距離の方式で裁断機の各刃及び/又は各輸送ユニットを調整できる。具体的には、裁断機は被裁断物の長さに基づいて、各刃及び/又は輸送ユニットの間隔を調整でき、これにより裁断機は被裁断物を同じ長さの複数の物品に切断できる。切断後の被裁断物から廃棄物が生じるのを効果的に減少させるか、又は長さが同じでない物品の形成を防止することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、複数の等距離調整機構と、裁断装置と、少なくとも1つの上輸送装置と、少なくとも1つの下輸送装置を含み、前記等距離調整機構は、
接続区間と、接続区間に設置される少なくとも1つの固定式従動部品と、接続区間の一端と接続され、表面に第1雄ねじ山が設けられた少なくとも1つの第1区間と、第1雌ねじ山を含み、第1雌ねじ山により第1区間の第1雄ねじ山と噛合し、第1雄ねじ山及び第1雌ねじ山は第1ピッチを有する少なくとも1つの第1従動部品と、第1区間の一端と接続され、表面に第2雄ねじ山が設けられた少なくとも1つの第2区間と、第2雌ねじ山を含み、第2雌ねじ山により第2区間の第2雄ねじ山と噛合し、第2雄ねじ山及び第2雌ねじ山は第2ピッチを有し、第2ピッチは第1ピッチの2倍である少なくとも1つの第2従動部品と、を含み、前記上輸送装置及び前記下輸送装置は両者の間の被裁断物の輸送に用いられ、前記裁断装置は前記上輸送装置及び/又は前記下輸送装置と隣接し、前記被裁断物を切断し、前記複数の等距離調整機構はそれぞれ前記裁断装置、前記上輸送装置及び前記下輸送装置と接続され、裁断装置、上輸送装置及び下輸送装置の間隔を調整する、等距離調整機構を有する裁断機を提供する。
【0012】
本発明は、表面に2つの第1雄ねじ山が設けられ、2つの第1雄ねじ山における螺旋の回転方向が異なる少なくとも1つの第1区間と、第1雌ねじ山を含み、第1雌ねじ山により第1区間の2つの第1雄ねじ山とそれぞれ噛合し、第1雄ねじ山及び第1雌ねじ山は第1ピッチを有する2つの第1従動部品と、第1区間の両端とそれぞれ接続され、表面に第2雄ねじ山が設けられた2つの第2区間と、第2雌ねじ山を含み、第2雌ねじ山により2つの第2区間の第2雄ねじ山とそれぞれ噛合し、第2雄ねじ山及び第2雌ねじ山は第2ピッチを有し、第2ピッチは第1ピッチの3倍である2つの第2従動部品と、を含み、前記上輸送装置及び前記下輸送装置は両者の間の被裁断物の輸送に用いられ、前記裁断装置は前記上輸送装置及び/又は前記下輸送装置と隣接し、前記被裁断物を切断し、前記複数の等距離調整機構はそれぞれ前記裁断装置、前記上輸送装置及び前記下輸送装置と接続され、裁断装置、上輸送装置及び下輸送装置の間隔を調整する、もう1つの等距離調整機構を有する裁断機を提供する。
【0013】
前記等距離調整機構を有する裁断機は、第2区間の一端と接続され、表面に少なくとも1つの第nねじ山が設けられ、第nねじ山の第nピッチは第1ピッチのn倍である少なくとも1つの第n区間を含む。
【0014】
前記等距離調整機構を有する裁断機において、接続区間及び第1区間は第1棒体であり、第2区間は第2棒体であり、第1棒体及び第2棒体は軸継手により接続される。
【0015】
前記等距離調整機構を有する裁断機において、第2棒体の数量は2つであり、それぞれ第1棒体の両端と接続される。
【0016】
前記等距離調整機構を有する裁断機において、第1従動部品はナットの第1雌ねじ山により第1区間の第1雄ねじ山と接続され、第2従動部品はナットの第2雌ねじ山により第2区間の第2雄ねじ山と接続される。
【0017】
前記等距離調整機構を有する裁断機において、固定式従動部品、第1従動部品及び/又は第2従動部品は、それぞれカッター又は輸送ユニットと接続される。
【0018】
前記等距離調整機構を有する裁断機は、2つの第2区間の一端とそれぞれ接続され、表面に第nねじ山が設けられ、第nねじ山の第nピッチは第1ピッチの(2n-1)倍である2つの第n区間を含む。
【0019】
前記等距離調整機構を有する裁断機において、第1区間は第1棒体であり、第2区間は第2棒体であり、第1棒体及び第2棒体は軸継手により接続される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】本発明の等距離調整機構における一実施例の構造概要図である。
【
図3】本発明の等距離調整機構における一実施例の断面概要図である。
【
図4】本発明の等距離調整機構を使用した裁断機の一実施例の側面図である。
【
図5】本発明の等距離調整機構における別の実施例の構造概要図である。
【
図6】本発明の等距離調整機構における別の実施例の断面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図2及び
図3を同時に参照されたい。本発明の等距離調整機構20は、主に棒体21の延伸方向に接続区間211、該接続区間211から一定の距離離れた少なくとも1つの第1区間213、及び該第1区間213から一定の距離離れた少なくとも1つの第1従動部品233を画成する。
【0022】
本発明の実施例において、棒体21が1つの接続区間211、2つの第1区間213及び2つの第2区間215を含む例について説明を行う。2つの第1区間213及び2つの第2区間215は、接続区間211を中心として、該棒体21の両側端に左右対称に設けられる。本発明の実施例において、従動部品の数量を奇数個の例について説明を行う。棒体21中央に位置する接続区間211に、左右に移動しない1つの固定式従動部品231が設置される。
【0023】
異なる実施例において、棒体21に1つの接続区間211、1つの第1区間213及び1つの第2区間215のみを設けることが可能である。
【0024】
接続区間211の表面にねじ山を設けないため、接続区間211が棒体21の回転により回転するとき、固定式従動部品231は接続区間211に伴って回転及び移動することがない。例えば、固定式従動部品231に貫通孔が設けられ、貫通孔中に軸受が結合され、接続区間211は固定式従動部品231の軸受を通過する。
【0025】
第1区間213の表面に第1雄ねじ山が設けられる。本発明の実施例において、2つの第1区間213は接続区間211の左側端及び右側端にそれぞれ位置し、2つの第1区間213の表面における第1雄ねじ山の螺旋方向は異なる。例えば、1つの第1区間213の表面における第1雄ねじ山は左旋であり、もう1つの第1区間213の表面における第1雄ねじ山は右旋である。
【0026】
第1従動部品233は貫通孔を含み、貫通孔内に第1雌ねじ山が設けられ、第1雌ねじ山は第1区間213の第1雄ねじ山と噛合する。第1区間213が棒体21の回転により回転するとき、2つの第1従動部品233は第1区間213又は棒体21の長軸方向に沿ってそれぞれ左右に移動する。
【0027】
第2区間215の表面に第2雄ねじ山が設けられる。本発明の実施例において、2つの第2区間215は2つの第1区間213の左側端及び右側端にそれぞれ位置し、2つの第2区間215の表面における第2雄ねじ山の螺旋の回転方向は異なる。例えば、1つの第2区間215の表面における第2雄ねじ山は左旋であり、もう1つの第2区間215の表面における第2雄ねじ山は右旋である。
【0028】
第2従動部品235は貫通孔を含み、貫通孔内に第2雌ねじ山が設けられ、第2雌ねじ山は第2区間215の第2雄ねじ山と噛合する。第2区間215が棒体21の回転により回転するとき、2つの第2従動部品235は第2区間215又は棒体の長軸方向に沿ってそれぞれ左右に移動する。
【0029】
棒体21に設置される複数の従動部品間の間隔は同じである。具体的には、第1従動部品233及び固定式従動部品231の間の距離は第1間隔G1であり、第2従動部品235及び第1従動部品233の間の距離は第2間隔G2であり、第1間隔G1及び第2間隔G2の大きさは同じである。
【0030】
接続区間211、第1区間213及び第2区間215は同一の棒体21で画成される異なる区間であり、棒体21に伴って共に回転する。棒体21が回転するとき、固定式従動部品231は接続区間211及び棒体21の回転に相対して移動することはなく、第1従動部品233及び第2従動部品235は棒体21の長軸方向に沿って移動する。
【0031】
本発明の実施例において、前記第2雌ねじ山及び第2雄ねじ山の第2ピッチ(pitch)は、第1雌ねじ山及び第1雄ねじ山の第1ピッチの2倍である。従って第2従動部品235が棒体21の長軸方向に沿って移動する距離は、第1従動部品233が棒体21の長軸方向に沿って移動する距離の2倍である。
【0032】
具体的には、棒体21が回転するとき、第1区間213及び第2区間215は共に回転し、第1従動部品233及び第2従動部品235は棒体21に沿って固定式従動部品231に同時に接近するか、又は離れる。このほか、第1従動部品233及び第2従動部品235が移動するとき、第1従動部品233及び固定式従動部品231の間の第1間隔G1は、第2従動部品235及び第1従動部品233の間の第2間隔G2と等しい。
【0033】
本発明の上記実施例において、1つの接続区間211、1つの固定式従動部品231、2つの第1区間213、2つの第1従動部品233、2つの第2区間215及び2つの第2従動部品235で説明を行う。
実際に応用するとき、等距離調整機構20は少なくとも1つの第n区間219を含むことも可能である。第n区間219は第2区間213の一端と接続され、第n区間219の表面に少なくとも1つの第nねじ山が設けられ、第nねじ山の第nピッチは第1ピッチのn倍である。例えば、等距離調整機構20は少なくとも1つの第3区間、少なくとも1つの第3従動部品、…少なくとも1つの第n区間219及び少なくとも1つの第n従動部品239を含むことが可能であり、それぞれ第3区間の表面に第3ねじ山が設けられ、…第n区間219の表面に第nねじ山が設けられる。第3ねじ山の第3ピッチは第1ねじ山の第1ピッチの3倍であり、第nねじ山の第nピッチは第1ねじ山の第1ピッチのn倍である。
【0034】
本発明の一実施例において、第1従動部品233、第2従動部品235、…及び第n従動部品239のいずれにもナット25が設置され、ナット25を介して第1区間213、第2区間215、…及び第n区間219とそれぞれ接続される。各ナット25の雌ねじ山のピッチは、接続される第1区間213、第2区間215、…及び第n区間219の雄ねじ山のピッチとそれぞれ同じである。例えば、第1従動部品233はナットの第1雌ねじ山により第1区間213の第1雄ねじ山と接続され、第2従動部品235はナットの第2雌ねじ山により第2区間215の第2雄ねじ山と接続される。
【0035】
本発明の実施例において、接続区間211、第1区間213、第2区間215、…及び第n区間219は同一の棒体21の異なる区間であり、各区間に対応するねじ山がそれぞれ設けられる。本発明の別の実施例において、接続区間211及び2つの第1区間213は第1棒体221でよく、第1棒体221の両端に螺旋の回転方向が異なる第1ねじ山がそれぞれ設けられる。第2区間215、…及び第n区間219はそれぞれ第2棒体225、…及び第n棒体229でよく、軸継手24により隣接する棒体と接続できる。第2棒体225及び第n棒体229の数量は2個であり、2つの第2棒体225は第1棒体221の両端とそれぞれ接続され、2つの第n棒体229は2つの第2棒体225の両端とそれぞれ接続される。
【0036】
本発明の実施例に記載の等距離調整機構20は、主に棒体21を回転させることにより、棒体21に設置された複数の従動部品を等距離に調整する。例えば棒体21はサーボモータ27と接続でき、サーボモータ27により棒体21を回転させる。本発明の一実施例において、固定式従動部品231、第1従動部品233、第2従動部品235、…及び第n従動部品239は、それぞれ刃又は輸送ユニットと連結でき、棒体21を回転させることにより、各刃及び各輸送ユニットの間の間隔を調整する。詳細な実施方式を後述する実施例でさらに説明する。
【0037】
図4を参照されたい。
図4は、本発明の等距離調整機構を使用した裁断機の一実施例の側面図である。
本発明に記載の等距離調整機構20は裁断機30に応用でき、裁断機30は複数の等距離調整機構20、裁断装置31、少なくとも1つの上輸送装置33及び少なくとも1つの下輸送装置35を含む。上輸送装置33及び下輸送装置35は両者の間の被裁断物32の輸送に用いられ、例えば上輸送装置33及び下輸送装置35は輸送ベルトでよく、両者の間に間隙が存在する。裁断装置31は上輸送装置33及び/又は下輸送装置35と隣接し、例えば裁断装置31は下輸送装置35の下方に位置し、被裁断物32を切断して複数の物品321が生産される。
【0038】
本発明の実施例において、裁断機30は3つの等距離調整機構20を有する。各等距離調整機構20の棒体21はそれぞれ裁断装置31、上輸送装置33及び下輸送装置35と接続され、裁断装置31、上輸送装置33及び下輸送装置35の間隔を調整する。
【0039】
裁断装置31は奇数個の刃を含み、それぞれ中央刃311、2つの第1刃313及び2つの第2刃315である。2つの第1刃313はそれぞれ中央刃311の両側に位置し、2つの第2刃315は第1刃313における中央刃311に面していない側に位置し、中央刃311は棒体21に相対して移動することはない。
【0040】
上輸送装置33及び下輸送装置35は奇数の輸送ユニットを含み、上輸送装置33は中央上輸送ユニット331、2つの第1上輸送ユニット333及び2つの第2上輸送ユニット335を含む。2つの第1上輸送ユニット333は中央上輸送ユニット331の両側にそれぞれ位置し、2つの第2上輸送ユニット335は第1上輸送ユニット333における中央上輸送ユニット331に面していない側に位置し、中央上輸送ユニット331は棒体21に相対して移動することはない。
【0041】
下輸送装置35は、中央下輸送ユニット351、2つの第1下輸送ユニット353及び2つの第2下輸送ユニット355を含む。2つの第1下輸送ユニット353は中央下輸送ユニット351の両側にそれぞれ位置し、2つの第2下輸送ユニット355は第1下輸送ユニット353における中央下輸送ユニット351に面していない側に位置し、中央下輸送ユニット351は棒体21に相対して移動することはない。
【0042】
本発明の上記実施例において、裁断装置31は5つの刃を含み、上輸送装置33及び下輸送装置35は5つの輸送ユニットを含む。異なる実施例において、刃及び輸送ユニットの数量は3つであるか、又は5つより多くてもよい。
【0043】
等距離調整機構20は各刃及び各輸送ユニットの間隔を調整でき、これにより裁断機30は被裁断物32の長さに基づいて、等距離の方式で各刃及び各輸送ユニットを調整できる。これにより裁断機30は被裁断物32を同じ長さの複数の物品321に裁断でき、裁断後に生じる廃棄物を効果的に減少させるか、又は解消できる。
【0044】
実際に応用するとき、各等距離調整機構20の棒体21はそれぞれサーボモータ27と接続でき、サーボモータ27が棒体21を回転させることにより、各刃及び各輸送ユニットの間隔を調整する。このほか、各棒体21を連動させることもでき、例えばベルト又は伝動用チェーンにより3つの棒体21を接続して、各棒体21を連動させる。これにより1つのサーボモータ27を1つの棒体21に接続するのみで、3つの棒体21を同期的に回転させることができ、各刃及び各輸送ユニットを等距離の方式で移動させる。
【0045】
図5及び
図6を参照されたい。
図5及び
図6は、本発明の等距離調整機構における別の実施例の構造概要図及び断面概要図である。
図に示すように、等距離調整機構40は主に少なくとも1つの第1区間411、2つの第1従動部品431、2つの第2区間413及び2つの第2従動部品433を含む。第1区間411及び第2区間413は棒体41で画成される異なる区間であり、2つの第2区間413は第1区間411の両端とそれぞれ接続される。
【0046】
第1区間411の表面に2つの第1雄ねじ山が設けられ、2つの第1雄ねじ山における螺旋の回転方向は異なり、それぞれ第1区間411の両端に位置する。例えば第1区間411の中心線C1の両側に左旋及び右旋の第1雄ねじ山がそれぞれ設けられ、2つの第1従動部品431が第1区間411の左旋及び右旋の第1雄ねじ山にそれぞれ設置される。
【0047】
第1区間411が第1従動部品431に相対して回転するとき、2つの第1従動部品431は第1区間411に沿って相対して移動し、例えば同時及び同期的に第1区間411の中心線C1から離れるか、又は接近する。
具体的には、第1従動部品431は第1区間411の第1雄ねじ山と噛合する第1雌ねじ山を含み、2つの第1従動部品431における第1雌ねじ山の螺旋の回転方向は異なり、それぞれ左旋及び右旋である。第1雄ねじ山及び第1雌ねじ山は第1ピッチを有する。例えば、第1従動部品431は貫通孔を含むことが可能であり、貫通孔内に第1雌ねじ山が設けられ、第1区間411は第1従動部品431の貫通孔内に位置する。
【0048】
2つの第2区間413の表面に第2雄ねじ山がそれぞれ設けられ、2つの第2区間413の表面における第2雄ねじ山の螺旋の回転方向は異なる。例えば1つの第2区間413の表面における第2雄ねじ山は左旋であり、もう1つの第2区間413の表面における第2雄ねじ山は右旋である。
【0049】
2つの第2従動部品433は2つの第2区間413にそれぞれ設置され、第2区間413が第2従動部品433に相対して回転するとき、2つの第2従動部品433は第2区間413に沿って相対して移動する。例えば、第1区間411の中心線C1から同時及び同期的に離れるか、又は接近する。
具体的には、第2従動部品433は第2雌ねじ山を含むことが可能であり、第2従動部品433の第2雌ねじ山は第2区間413の第2雄ねじ山と噛合し、第2雄ねじ山及び第2雌ねじ山は第2ピッチを有する。例えば第2従動部品433は貫通孔を含むことが可能であり、貫通孔内に第2雌ねじ山が設けられ、第2区間413は第2従動部品433の貫通孔内に位置する。
【0050】
実際に応用するとき、棒体21に複数の区間を設け、複数の従動部品を設置でき、各従動部品の間の間隔は同じである。具体的には、2つの第1従動部品431の間の距離は第1間隔G1であり、第2従動部品433及び第1従動部品431の間の距離は第2間隔G2であり、第1間隔G1及び第2間隔G2の大きさは同じである。
【0051】
本発明の実施例において、第1区間411及び第2区間413は同一の棒体41の異なる区間であり、棒体41に伴って共に回転する。棒体41が回転するとき、第1従動部品431及び第2従動部品433は棒体41に沿って移動する。
【0052】
第2雌ねじ山及び第2雄ねじ山の第2ピッチは、第1雌ねじ山及び第1雄ねじ山の第1ピッチの3倍である。従って第2従動部品433が棒体41に沿って移動する距離は、第1従動部品431が棒体41に沿って移動する距離の3倍である。
【0053】
具体的には、棒体41が回転するとき、第1区間411及び第2区間413は共に回転し、第1従動部品431及び第2従動部品433は棒体41に沿って同時及び同期的に第1区間411の中心線C1に接近するか、又は離れる。このほか、第1従動部品431及び第2従動部品433が移動するとき、2つの第1従動部品431の間の第1間隔G1は第2従動部品433及び第1従動部品431の間の第2間隔G2と等しい。
【0054】
本発明の上記実施例において、1つの第1区間411、2つの第1従動部品431、2つの第2区間413及び2つの第2従動部品433で説明を行う。実際に応用するとき、等距離調整機構40は2つの第n区間419及び2つの第n従動部品439を含むことが可能であり、2つの第n区間419は2つの第2区間413の一端とそれぞれ接続される。第n区間419の表面に第nねじ山が設けられ、第nねじ山の第nピッチは第1ピッチの(2n-1)倍であり、これにより各隣接する従動部品が移動するとき、同じ間隔を保持できる。
【0055】
本発明の一実施例において、第1従動部品431、第2従動部品433、…及び第n従動部品439のいずれにもナット25が設置され、ナット25を介して第1区間411、第2区間413、…及び第n区間419と接続される。
各ナット25の雌ねじ山のピッチは、接続される第1区間411、第2区間413、及び第n区間419の雄ねじ山のピッチとそれぞれ同じである。例えば、第1従動部品431はナットの第1雌ねじ山により第1区間411の第1雄ねじ山と接続され、第2従動部品433はナットの第2雌ねじ山により第2区間413の第2雄ねじ山と接続される。
【0056】
本発明の実施例において、第1区間411、第2区間413、…及び第n区間419は同一の棒体41の異なる区間であり、各区間に対応するねじ山がそれぞれ設けられる。本発明の別の実施例において、第1区間411、第2区間413、…及び第n区間419はそれぞれ第1棒体421、第2棒体423、…及び第n棒体429でもよく、軸継手24により隣接する棒体と接続できる。
【0057】
本発明の実施例に記載の等距離調整機構40は、同様に
図4の裁断機30に応用できる。例えば第1従動部品431、第2従動部品433、…及び第n従動部品439はそれぞれカッター又は輸送ユニットと接続される。
【0058】
具体的には、
図5及び
図6の等距離調整機構40と、
図2及び
図3の等距離調整機構20の構造は近く、両者の主な違いは、
図2及び
図3の等距離調整機構20は奇数個の従動部品を有し、
図5及び
図6の等距離調整機構40は偶数個の従動部品を有することである。従動部品が奇数又は偶数かに基づいて、棒体21/41に設ける各ねじ山のピッチの倍数関係を決定できる。これにより棒体21/41が回転するとき、各従動部品を等間隔の方式で棒体21/41に沿って移動させることが可能である。
【0059】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定しない。本発明の特許請求の範囲に記載の形状、構造、特徴及び主旨に基づく均等変化及び修飾は、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0060】
10 裁断機構
111 第1下輸送ベルト
113 第2下輸送ベルト
12 被裁断物
121 物品
131 第1上輸送ベルト
133 第2上輸送ベルト
14 輸送高さ
15 刃
16 間隙
20 等距離調整機構
21 棒体
211 接続区間
213 第1区間
215 第2区間
219 第n区間
221 第1棒体
225 第2棒体
229 第n棒体
231 固定式従動部品
233 第1従動部品
235 第2従動部品
239 第n従動部品
24 軸継手
25 ナット
27 サーボモータ
30 裁断機
31 裁断装置
311 中央刃
313 第1刃
315 第2刃
32 被裁断物
321 物品
33 上輸送装置
331 中央上輸送ユニット
333 第1上輸送ユニット
335 第2上輸送ユニット
35 下輸送装置
351 中央下輸送ユニット
353 第1下輸送ユニット
355 第2下輸送ユニット
40 等距離調整機構
41 棒体
411 第1区間
413 第2区間
419 第n区間
421 第1棒体
423 第2棒体
429 第n棒体
431 第1従動部品
433 第2従動部品
439 第n従動部品
G1 第1間隔
G2 第2間隔
C1 中心線