(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/428 20140101AFI20221220BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20221220BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20221220BHJP
【FI】
A63F13/428
A63F13/55
A63F13/80 D
(21)【出願番号】P 2021094621
(22)【出願日】2021-06-04
【審査請求日】2022-01-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】川野 貴志
(72)【発明者】
【氏名】門口 光
(72)【発明者】
【氏名】小波 まどか
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛志
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第6290562(JP,B2)
【文献】特開2021-077310(JP,A)
【文献】特開2020-171712(JP,A)
【文献】特開2014-064932(JP,A)
【文献】特開2007-334443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98,
G06F 3/01, 3/048-3/04895,
G06T 1/00,11/00-11/40,
11/60-13/80,
15/00-17/00,17/05,
17/10-17/30,
19/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのモーションを検出する検出装置と、前記モーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、前記ゲーム画面の前記キャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合に当該特定の状況にて実行されるべき動作として予め設定された既定動作を特定する動作特定手段と、
前記特定の状況において前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する動作制御手段と、
前記特定の進行が複数種類の進行を含む場合に、当該複数種類の進行と、当該複数種類の進行にそれぞれ対応する複数の既定動作とを関連付ける動作データに基づいて、前記複数種類の進行のうち前記特定の進行として生じた進行の種類に対応する既定動作を判別する動作判別手段と、
を備え、
前記動作制御手段は、前記特定の進行において当該特定の進行として生じた進行の種類に対応する既定動作を実行するように、前記キャラクタの動作を制御する、ゲームシステム。
【請求項2】
前記動作制御手段は、前記特定の状況として前記ゲームにおける特定の進行を利用し、当該特定の進行において当該特定の進行に設定された前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記特定の状況は、前記ユーザによる動作指示を入力する入力装置が接続される場合に、前記ゲームにおける特定の進行、及び前記動作指示が実行された状況の両方を含み、
前記既定動作は、前記特定の進行に予め設定された動作としての特別動作、及び前記動作指示に予め設定された動作としての指示動作を含み、
前記動作制御手段は、前記動作指示が実行された状況において前記指示動作、及び、前記特定の進行において前記特別動作を、それぞれ前記既定動作として前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに実行するように、前記キャラクタの動作を制御する、請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記特定の進行において前記動作指示が実行された場合に前記特別動作を、当該特別動作に前記動作指示を反映した編集動作に編集する動作編集手段を備え、
前記動作制御手段は、前記特定の進行において前記特別動作として前記編集動作を実行するように、前記キャラクタの動作を制御する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲームとして、前記ユーザによって解答されるべき問題を含むクイズゲームが提供され、
前記特定の状況として、前記クイズゲームにおいて前記ユーザが前記問題に正解した場合、及び前記問題に不正解した場合の少なくともいずれか一方が利用される、請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記検出装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータを、請求項1~5のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項7】
ユーザのモーションを検出する検出装置と、前記モーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、前記ゲーム画面の前記キャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合に当該特定の状況にて実行されるべき動作として予め設定された既定動作を特定する動作特定手順と、
前記特定の状況において前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する動作制御手順と、
前記特定の進行が複数種類の進行を含む場合に、当該複数種類の進行と、当該複数種類の進行にそれぞれ対応する複数の既定動作とを関連付ける動作データに基づいて、前記複
数種類の
進行のうち前記特定の進行として生じた進行の種類に対応する既定動作を判別する動作判別手順と、
を実行させ、
前記動作制御手順は、前記特定の進行において当該特定の進行として生じた進行の種類に対応する既定動作を実行するように、前記キャラクタの動作を制御する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのモーションを検出する検出装置と、そのモーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、ゲーム画面のキャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのモーションを検出する検出装置と、そのモーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、ゲーム画面のキャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、ユーザの頭部の動きを検出する検出装置としてジャイロセンサ等が設けられたHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、及びユーザの鼻や口などを撮影するカメラを利用し、頭部の動きや顔の動作(表情)を仮想空間におけるユーザを模したアバターオブジェクトに反映するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、ユーザには自由な動作が許容され、その自由な動作がアバターオブジェクト(キャラクタ)に反映される。これにより、仮想空間におけるリアリティの向上を図ることができるかもしれない。しかし、顔の動作、或いはその他の体の動作による感情表現が苦手なユーザも存在する。特許文献1のシステムでは、そのようなユーザは、キャラクタの動作を通じた感情表現を十分に活用できない可能性がある。
【0005】
また、ゲームのキャラクタには演出、或いは進行の都合等から見て好ましい動作という概念が生じる場合がある。例えば、クイズゲームにおいて出題された問題(クイズ)に正解した場合、その問題に正解したユーザに対応するキャラクタには、演出、或いは盛り上げの側面からすると、一般的に正解を派手に祝う動作が望まれる傾向にある。少なくとも正解を喜ぶ動作の方が演出的には好ましい場合が多い。しかし、特許文献1のシステムでは、仮想空間の状況から見て好ましい動作をキャラクタが実行するとは限らない。
【0006】
そこで、本発明は、リアリティの向上、及びゲームの状況に応じたキャラクタの動作の実現の両立を図ることができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームシステムは、ユーザのモーションを検出する検出装置と、前記モーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、前記ゲーム画面の前記キャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステムであって、前記ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合に当該特定の状況にて実行されるべき動作として予め設定された既定動作を特定する動作特定手段と、前記特定の状況において前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する動作制御手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記検出装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、ユーザのモーションを検出する検出装置と、前記モーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタを含むゲーム画面を表示する表示装置とに接続され、前記ゲーム画面の前記キャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合に当該特定の状況にて実行されるべき動作として予め設定された既定動作を特定する動作特定手順と、前記特定の状況において前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する動作制御手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図3】クイズゲーム用のゲーム画面の一例を模式的に示す図。
【
図5】特定の進行とその進行に設定される特別動作との関係を説明するための説明図。
【
図7】動作指示と指示動作との関係を説明するための説明図。
【
図9】動作制御処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ゲーム機3として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置が利用されてよい。そのようなコンピュータ装置には、例えばユーザ端末装置も含まれる。ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、そのようなコンピュータ装置には、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、据置型の家庭用ゲーム機、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といったモバイル端末装置が含まれる。このような各種のコンピュータ装置が適宜にゲーム機3として利用されてよいが、
図1の例では商業用(業務用)のゲーム機がゲーム機3として利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
【0013】
ゲーム機3は、ユーザのモーション(表情の変化を含む各種の動き、或いは動作)に応じた動作を実行するキャラクタを介して進行するゲームを提供する。ゲーム機3は、このようなゲームとして、例えばアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、或いは音楽ゲームといった各種のゲームを適宜に提供してよいが、一例としてクイズゲームを提供する。クイズゲームは、出題された問題にユーザが解答し、その解答の正否を評価するタイプのゲームである。クイズゲームは、一人のユーザのみプレイする一人プレイにて提供されてもよいが、一例として複数のユーザが同時にプレイする複数プレイにて提供される。複数プレイの場合において、クイズゲームは複数のユーザ(グループ)で協力する協力型のゲームであってもよいが、以下ではクイズゲームがグループ内で成績を競う対戦型のゲームとして構成される場合について説明する。
【0014】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0015】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ゲーム機3がクイズゲームを提供するために必要な各種のサービスを適宜に含み得るが、一例としてマッチングサービスを含んでいる。マッチングサービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザがクイズゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするサービスである。複数プレイにおけるグループは適宜に形成されてよいが、一例としてこのようなマッチングサービスを通じて形成される。つまり、クイズゲームでは、マッチングサービスを通じて、同じ店舗6、或いは異なる店舗6に設置される各ゲーム機3を利用する各ユーザが対戦者としてマッチングされる。
【0016】
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、ゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を適宜に含んでいてもよい。
【0017】
次に、
図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0018】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバ用プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、各種のサービスの提供に必要な各種のデータを含む。このようなデータは、クイズゲーム用の各種のデータを適宜に含み得るが、
図2の例ではプレイデータPD、出題データQD、及び動作データADが示されている。
【0019】
プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。また、クイズゲームは、例えば過去の成績に応じて各ユーザをランキングしたり、そのランキング等に応じた複数のリーグを形成したりするように構成されてよく、このような場合、プレイデータPDはランキングや所属リーグ等の管理にも利用される。
【0020】
出題データQDは、クイズゲームにおいて出題される問題、及びその問題の解答の管理に使用されるデータである。このため、出題データQDには、各種の問題と各問題に対応する解答とが関連付けて記述される。出題データQDは、例えばその他にも各問題が属するジャンルやヒント等の各問題の出題に関連する各種の情報を適宜に含んでいてよい。
【0021】
動作データADは、クイズゲームにおけるキャラクタの動作を補助するためのデータである。上述のようにクイズゲーム内においてキャラクタはユーザのモーションに応じた動作(以下、モーション動作と呼ぶ場合がある)を実行するが、予め設定(指定)された動作(以下、既定動作と呼ぶ場合がある)を実行する場合もある。動作データADは、既定動作の実現のために使用される。動作データADの詳細は後述する。
【0022】
また、制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバ用プログラムPG1との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。制御ユニット21には、各種の論理的装置が適宜に設けられるが、
図2の例ではゲーム機サービス管理部24が示されている。ゲーム機サービス管理部24は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する論理的装置である。例えば、そのような処理には、上述のマッチングサービスを実現するための周知な処理等が含まれる。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0023】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、
図2の例ではマッチング部36、動作判別部37、表示制御部38、及び進行制御部39が示されている。
【0024】
マッチング部36は、マッチングサービスを通じたマッチングに関連する各種の処理を実行する論理的装置である。例えば、マッチング部36は、クイズゲームをプレイするためのマッチングをセンターサーバ2にリクエストしたり、その結果を取得したり、各グループに属する複数のユーザを特定したりする処理を実行する。
【0025】
動作判別部37は、クイズゲームをプレイするユーザのモーションを判別するための各種の処理を実行する論理的装置である。また、ユーザのモーションは適宜に活用されてよく、例えばクイズゲームにおける回答の入力(回答として動作が要求される場合を含む)、或いはヒントの要求といった各種のプレイ行為のために活用されてもよいが、一例として上述のようにクイズゲームに登場する各キャラクタの動作に反映されるように活用される。
【0026】
具体的には、クイズゲームは適宜に提供されてよく、例えば後述のスピーカSP及びマイクMIを通じてそれぞれ音声による問題の出題、及び解答の入力が実行されるように提供されてもよいが、一例として後述のモニタMO及びタッチパネルTPを通じてゲーム画面による問題の出題、及びタッチ操作による解答の入力が実行されるように提供される。同様に、ゲーム画面は適宜に構成されてよく、クイズゲームもそのゲーム画面を通じて適宜に提供されてよいが、一例としてゲーム画面は各ユーザに対応するアバタとしてのキャラクタ(ユーザキャラクタと呼ぶ場合がある)を含み、クイズゲームはそのユーザキャラクタを介して進行する。そして、ゲーム画面におけるそのユーザキャラクタの動作にユーザの実際の動作(モーション)が反映される。このため、動作判別部37が実行する処理には、例えば各ユーザの動作を判別したり、その判別結果に基づくキャラクタの動作を判別したりする処理が含まれる。
【0027】
表示制御部38は、クイズゲームをプレイするためのゲーム画面の表示を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。このような処理には、例えば、ゲーム画面に問題を提示したりその解答を提示したりする処理が含まれる。同様に、表示制御部38が実行する処理には、ユーザの動作或いは既定動作を反映したユーザキャラクタをゲーム画面に表示したり(ユーザキャラクタにモーション動作、或いは既定動作を実行させたり)、適宜の位置にユーザキャラクタを配置したりする処理が含まれる。例えば、表示制御部38は、ユーザキャラクタに既定動作を実行させるための処理の一つとして、動作制御処理を実行する。動作制御処理の手順の詳細は後述する。
【0028】
進行制御部39は、クイズゲームの進行を制御するための各種の処理を実行する論理的装置である。進行制御部39は、クイズゲームの進行に関連する各種の処理を適宜に実行し得るが、例えば各ユーザ(ユーザキャラクタ)の解答の正否を判別したり、その結果を集計したりする処理を実行する。
【0029】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、
図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPG2に従ってユーザにクイズゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えばクイズゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいてよいが、
図2の例ではプレイデータPD、出題データQD、及び動作データADが示されている。
【0030】
ゲームデータGDは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばゲーム機3にプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部32に記憶されてもよい。このようにゲームデータGDは適宜の手法により記憶部32に記憶され得るが、一例としてプレイデータPD、出題データQD、及び動作データADは必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。
【0031】
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、
図2の例では出力装置としてモニタMO、及びスピーカSPが接続されている。つまり、ゲーム機3に設けられる出力装置には、モニタMO、及びスピーカSPが含まれる。モニタMOは、クイズゲームのための各種画像を含むゲーム画面を表示するための表示装置である。モニタMOは、制御ユニット31からの出力信号に従ってクイズゲームを提供するための各種のゲーム画面(画像)を表示する。
【0032】
スピーカSPは、各種音声を再生するための音声出力装置である。スピーカSPは適宜に利用されてよく、例えば上述のように問題の出題に利用されてもよいが、一例としてBGM等の各種音声の再生に利用される。具体的には、スピーカSPは、制御ユニット31からの出力信号に従ってクイズゲーム用のBGM等の各種音声を再生する。
【0033】
一方、制御ユニット31に接続される入力装置の一例として、
図2の例ではカメラCA、タッチパネルTP、マイクMI、及びコントロールパネルCPが示されている。カメラCAは、ゲーム機3をプレイするユーザを撮影するための周知の光学装置である。カメラCAは、撮影結果を制御ユニット31に出力する。ユーザの動作がユーザキャラクタに反映される場合、ユーザの動作(モーション)を検出するための各種の検出装置が適宜にゲーム機3に設けられ得るが、
図2の例ではそのような検出装置の一例としてカメラCAが設けられている。
【0034】
タッチパネルTPは、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力する周知の入力装置である。ゲーム機3には、クイズゲームをプレイするための各種のプレイ行為が適宜の入力装置を介して入力されてよいが、
図2の例ではプレイ行為としてのタッチ操作を入力するためのタッチパネルTPが設けられている。タッチ操作は、クイズゲームにおいて例えば問題のジャンルの選択や解答の選択といった各種の選択等に使用される。タッチパネルTPは、タッチ操作の位置に応じた信号を制御ユニット31に出力する。
【0035】
マイクMIは、音声を電気信号に変換する周知の音響機器である。マイクMIは適宜に利用されてよく、例えば上述のように解答の入力等に利用されてもよいが、一例としてユーザが発する音声の入力に利用される。例えば、クイズゲームでは、ユーザによるトークが許容されてよく、マイクMIはそのようなトーク(音声)の入力に使用される。具体的には、マイクMIは、ユーザが発する音声を電気信号に変換し、その信号を制御ユニット31に出力する。
【0036】
コントロールパネルCPは周知の入力装置である。コントロールパネルCPは適宜に構成されてよく、例えばモニタ、及びタッチパネルが更に設けられていてもよく、それらのモニタ及びタッチパネルを通じてゲームの進行を補助するための各種操作が入力されてもよいが、一例として押しボタンが設けられる。押しボタンは、ユーザによって押す操作が実行される周知の操作部である。押しボタンは、適宜に使用されてよいが、一例として既定動作の入力の補助に使用される。そして、コントロールパネルCPは、押しボタンへの押す操作に応じた信号を制御ユニット31に出力する。なお、ゲーム機3には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。例えば、このような入力装置には、所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれる。しかし、これらの図示は省略した。
【0037】
次に、
図3を参照して、クイズゲーム用のゲーム画面について説明する。
図3は、クイズゲーム用のゲーム画面50の一例を模式的に示す図である。クイズゲームはプレイ用に各種のゲーム画面を含み得るが、
図3の例はそのようなゲーム画面の一種としてクイズゲームにおいて出題、及び解答時に表示される解答用のゲーム画面(以下、解答画面50と呼ぶ場合がある)を示している。
図3に示すように、解答画面50は、ユーザキャラクタ51、解答席52、問題表示領域53、及び制限時間領域54を含んでいる。
【0038】
ユーザキャラクタ51は、上述のように各ユーザのアバタ(具現化)としてのキャラクタである。解答画面50にはグループに属するユーザの人数に応じた数のユーザキャラクタ51が表示されるが、
図3の例では五人のユーザにそれぞれ対応する五体のユーザキャラクタ51が表示されている。解答画面50において、各ユーザキャラクタ51は、モーション動作、或いは既定動作といった各種の動作を実行する。このため、各ユーザキャラクタ51の動作は、センターサーバ2を介してグループに属するゲーム機3間において共有される。
【0039】
解答席52は、クイズゲームにおいて解答者として機能するキャラクタが配置されるべき位置である。解答画面50にはユーザキャラクタ51の数に応じた数の解答席52が設けられるが、
図3の例では五体のユーザキャラクタ51にそれぞれ対応する五つの解答席52が等間隔で横並びに設けられている。各解答席52には適宜にユーザキャラクタ51が配置されてよく、例えばレベル等の過去の実績に応じて配置されてもよいが、一例としてランダムに配置される。各解答席52には、出題された問題に対する各ユーザキャラクタ51(換言すれば各ユーザ)の解答が表示される解答表示部52Aが設けられる。
【0040】
問題表示領域53は、クイズとして出題される問題が表示される領域である。また、クイズゲームは適宜の数のクイズ(解答されるべき問題)、及びそれを出題するための各種の出題形式を含んでいてよく、その出題形式は各ユーザに適宜に提示されてよいが、
図3の例では問題表示領域53を通じて提示される。つまり、問題表示領域53は、クイズの問題に加えて、出題形式の情報を含んでいる。例えば、クイズゲームは、最も早く所定のタッチ操作を実行したユーザにのみ解答権が与えられる早押し形式、全ユーザに所定時間及び解答権が与えられ、所定時間の経過後に全ユーザの解答及びその正否が提示される全員参加形式といった各種の形式を含んでいてよい。そして、例えば早押し形式の場合には早押しクイズ等の情報が、全員参加形式の場合には全員参加等の情報が、それぞれ問題表示領域53に提示され得るが、
図3の例では“フリップ早書きクイズ!”の情報が出題形式の情報として提示されている。“フリップ早書きクイズ!”は、全員に解答権が与えられるが、解答の正否は早い者順であり、最も早く正しい解答を提示したユーザキャラクタ51(
図3の例では真ん中のユーザキャラクタ51)のみが正解と判別される出題形式である。
【0041】
制限時間領域54は、解答時間(制限時間)の残り時間、つまり各ユーザが解答可能な残時間を示す領域である。例えば、“フリップ早書きクイズ!”等の各出題形式では、正解が出るまで制限時間なく解答が許容されてもよいが、一例として制限時間が設けられ、その制限時間の残り時間が制限時間領域54を通じて提示される。また、各ユーザキャラクタ51の解答権には、一つの問題に対して一度のみといった具合に出題形式等に応じて適宜の制限が設けられてもよいが、
図3の例ではそのような制限は設けられず、制限時間内において各解答者による複数の解答が許容される。つまり、各ユーザは正解が出るまで繰り返し解答を提示することができる。
【0042】
次に、
図4を参照して、ユーザキャラクタ51の動作について説明する。
図4は、ユーザキャラクタ51の動作を説明するための説明図である。
図4に示すように、ユーザキャラクタ51が実行する動作には、上述のモーション動作、及び既定動作が含まれる。モーション動作、及び既定動作は、プレイ状況に応じて適宜に実行されてよいが、一例としてモーション動作がプレイ中においてユーザのモーションに応じて随時実行される一方で、既定動作はプレイ状況が特定の状況に該当する場合に実行される。換言すれば、ユーザキャラクタ51は特定の状況において既定動作を実行し、それ以外の状況においてモーション動作を随時実行する。
【0043】
また、特定の状況としてクイズゲームにおける各種の状況が設定されてよく、既定動作は適宜の状況において実行されてよいが、一例として指示動作、及び特別動作を含んでいる。指示動作は、ユーザの動作指示に基づいて実行される既定動作である。つまり、指示動作は、特定の状況として動作指示が実行された状況が生じた場合に既定動作として実行される動作である。一方、特別動作は、ゲームの進行が特定の進行に該当する場合に実行される既定動作である。指示動作、及び特別動作は、特定の状況(特定の進行か動作指示か)に応じて既定動作として使い分けられる。一例として、ユーザキャラクタ51は、これらのモーション動作、及び既定動作をプレイ状況に応じて適宜に実行する。
【0044】
次に、
図5~
図7を参照して、特別動作、及び指示動作について更に説明する。
図5は、クイズゲームにおいて特定の進行として設定される進行(状況)と、その進行に設定される特別動作との関係を説明するための説明図。特別動作は一種類であってもよいが、
図5の例は特別動作として複数種類の進行が用意される場合を示している。さらに、一つの特定の進行に二以上の特別動作が設定され、ランダム等の各種の条件に応じて実際に実行されるべき特別動作が二以上の特別動作から決定されてもよいが、
図5の例は一つの特定の進行に一つの特別動作が設定される場合を示している。この場合、
図5に示すように、クイズゲームでは各ゲーム画面で生じる特定の進行毎に一つの特別動作が設定され、結果的に複数種類の進行に対応する複数の特別動作が用意される。
【0045】
具体的には、クイズゲームは各種のゲーム画面(換言すればゲーム画面の種類に応じた各種の工程)を適宜に含み得るが、
図5の例ではキャラクタ選択画面、マッチング画面、カード選択画面、解答画面50、中間結果画面、及び最終結果画面を含んでいる。キャラクタ選択画面は、キャラクタ選択機会を実現するためのゲーム画面である。キャラクタ選択機会は、ユーザキャラクタ51の候補として複数のキャラクタが用意される場合にそれらのキャラクタからプレイ用のユーザキャラクタ51を選択するための機会である。キャラクタ選択機会において生じ得る適宜の進行が特定の進行として設定されてよいが、
図5の例では“登録完了”が特定の進行として設定されている。“登録完了”は、キャラクタ選択機会における登録完了(選択完了)に対応する進行である。そして、その進行には、特別動作として“大喜び”を表現する動作が設定されている。この場合、キャラクタ選択機会(キャラクタ選択画面)の登録完了時において、ユーザキャラクタ51はモーション動作の代わりに“大喜び”を表現する特別動作を実行する。
【0046】
マッチング画面(不図示)は、マッチングを実現するためのマッチング機会において表示されるゲーム画面である。マッチング機会において生じ得る適宜の進行が特定の進行として設定されてよいが、
図5の例では“マッチング完了”が特定の進行として設定されている。“マッチング完了”は、マッチング機会におけるマッチング完了に対応する進行である。そして、その進行には、特別動作として“小喜び”を表現する動作が設定されている。この場合、マッチング機会(マッチング画面)のマッチング完了時において、ユーザキャラクタ51はモーション動作の代わりに“小喜び”を表現する特別動作を実行する。
【0047】
カード選択画面(不図示)は、カード(出題範囲のジャンル)を選択するためのカード選択機会を実現するためのゲーム画面である。カード選択機会において生じ得る適宜の進行が特定の進行として設定されてよいが、
図5の例では“カード決定”が特定の進行として設定されている。“カード決定”は、カード選択機会におけるカード決定(ジャンル決定)に対応する進行である。そして、その進行には、特別動作として“小喜び”を表現する動作が設定されている。この場合、カード選択機会(カード選択画面)におけるカード決定時において、ユーザキャラクタ51はモーション動作の代わりに、マッチング画面のマッチング完了時と同様の“小喜び”を表現する特別動作を実行する。
【0048】
解答画面50は上述のとおりであるが、出題及び解答に関する各種の進行を含んでいる。それらの適宜の進行が特定の進行として設定されてよいが、
図5の例では、“解答権獲得”、“解答権が埋まった”、“解答権が復活”、“正解”、“不正解”、及び“未回答(終了時)”の六つの進行が特定の進行として設定されている。“解答権獲得”は早押し等の解答権が設定される出題形式において解答権を獲得した場合に、“解答権が埋まった”は解答権が設定される出題形式において解答権の全てが埋まった(解答権を獲得できないことが確定した)場合に、“解答権が復活”は埋まってしまった解答権が復活した(解答権に空きが出た)場合に、それぞれ対応する進行である。また、“正解”、“不正解”、及び“未回答(終了時)”は、出題された問題に対する解答が正解の場合、不正解の場合、未回答の場合(解答を出していない場合)に、それぞれ対応する進行である。そして、これらには、“大喜び”、“悲しい”、“大喜び”、“大喜び”、“悲しい”、及び“悲しい”をそれぞれ表現する特別動作が順に設定されている。このため、解答画面50では、ユーザキャラクタ51は、解答権の獲得時、解答権が埋まってしまった時、その解答権が復活した時、問題に正解した時、不正解の時、未回答の時において、それぞれ“大喜び”、“悲しい”、“大喜び”、“大喜び”、“悲しい”、及び“悲しい”を表現する特別動作を実行する。
【0049】
中間結果画面(不図示)、及び最終結果画面(不図示)は、複数の問題が出題される場合の中間における結果発表に対応する中間結果発表を、終了時の最終的な結果発表に対応する最終結果発表を、それぞれ実現するためのゲーム画面である。中間結果発表、及び最終結果発表の適宜の進行が特定の進行として設定されてよいが、
図5の例ではいずれにおいても“1位”及び“最下位”の二つの進行が同様に特定の進行として設定されている。“1位”及び“最下位”はグループ内の成績順位として1位(最優秀)及び最下位にそれぞれ対応する進行であるが、中間結果発表では中間時における成績順位に、最終結果発表では最終的な成績順位に、それぞれ対応する。そして、それらの進行には、中間結果画面、及び最終結果画面のいずれにおいても、特別動作として“大喜び”及び“悲しい”を表現する動作がそれぞれに設定されている。この場合、グループ内の成績順位として1位(最優秀)の時、及び最下位の時に、中間結果画面、及び最終結果画面のいずれにおいても、ユーザキャラクタ51はモーション動作の代わりに“大喜び”及び“悲しい”をそれぞれ表現する特別動作を実行する。
【0050】
図6は、特別動作の一例を説明するための説明図である。特別動作は複数のキャラクタが用意される場合においてキャラクタ毎に個性が反映されてもよいし、男性型、或いは女性型といった適宜の分類毎の特性が反映されてもよいが、
図6の例は、女性型のキャラクタに適用される“大喜び”、“小喜び”、及び“悲しい”を表現する特別動作の一例を示している。また、
図6の例は、特別動作の説明の便宜のために、“大喜び”等の特別動作に変化する前のキャラクタも示している。
図6の例では、特別動作に変化する前のユーザキャラクタ51が通常時ユーザキャラクタ51Nとして、“大喜び”を表現するユーザキャラクタ51が大喜びユーザキャラクタ51Hとして、小喜びを表現するユーザキャラクタ51が小喜びユーザキャラクタ51Sとして、“悲しい”を表現するユーザキャラクタ51が悲しいユーザキャラクタ51Uとして、それぞれ示されている。この場合、
図6に示すように、通常時ユーザキャラクタ51Nの動作は、クイズゲームに生じる特定の進行に応じて“大喜び”、“小喜び”、及び“悲しい”を表現する特別動作に変化する。
【0051】
具体的には、通常時ユーザキャラクタ51Nは、モーション動作に限らず、適宜の動作を実行し得るが、
図6の例ではモーション動作を実行している。また、モーション動作には、手の動きのみ、脚(通常時ユーザキャラクタ51Nの脚が表示される場合)の動きのみ、頭の動きのみ、或いは表情(顔)の動きのみといったユーザの適宜の部位のモーションのみが反映されても、全身の動きが反映されてもよいが、一例として腕、及び顔(表情)といった上半身のモーションが反映される。ただし、通常時ユーザキャラクタ51Nの表示される部位に応じて適宜に反映範囲は制限され得る。また、例えば顔が隠れていて検出できない場合等、ユーザのモーションを検出できない部位については適宜に所定の動作(表情等)が反映されてよい。マスクの着用が想定される場合における顔の検出等、予めモーションを検出できない部位が想定される場合には、その部位の動作として予め所定の動作が設定され、モーションの検出等は適宜に省略されてもよい。つまり、モーション動作は、ユーザのモーションに応じた動作を少なくとも一部に含む適宜の動作として構成されてよい。
【0052】
大喜びユーザキャラクタ51Hは、“大喜び”を表現するユーザキャラクタ51として例えばキャラクタ選択画面における登録完了時等の特定の進行において表示される。大喜びユーザキャラクタ51Hは、大喜びを表現する特別動作として適宜の動作を実行してよいが、
図6の例では右腕を上げる腕の動作、及び微笑みながらウインクする表情(顔の動作)を実行している。また、大喜びユーザキャラクタ51Hにおいて腕の動き及び顔の動き(表情)といった特別動作の全てが既定動作として予め設定されていてもよく、同一のユーザキャラクタ51Hは毎回同様の特定動作により大喜びを表現してもよいが、一例として顔の動作(表情)のみ既定動作として設定され、腕の動作にはユーザのモーションが反映される。つまり、大喜びユーザキャラクタ51Hは、キャラクタ選択画面における登録完了時等の特定の進行において、ユーザの実際の顔の動作(表情)にかかわらず、微笑みながらウインクする表情を浮かべるように顔を動作させる一方で、実際のユーザの腕のモーションに応じて腕を動作させる。このため、例えば
図5の例において“大喜び”が設定される進行では、大喜びユーザキャラクタ51Hはいずれにおいても大喜びを表現する同様の特別動作を実行するが、そこで共通するのは表情のみであり、腕の動作は相違する可能性がある。
【0053】
具体的には、モーション動作では、ユーザのモーションはカメラCAの撮影結果に基づく構造解析を通じてボーン情報(骨格の動き)を抽出することにより判別され、そのボーン情報がユーザキャラクタ51の骨格の動きに適用される。また、ユーザの顔の動き(表情)はカメラCAの撮影結果に基づく顔の特徴点分析により表情を解析するフェイシャル解析によって判別され、その解析結果に基づく表情がユーザキャラクタ51の表情に適用される。モーション動作は適宜に実現され得るが、一例としてこれらの構造解析及びフェイシャル解析により実現される。そして、大喜びユーザキャラクタ51Hの腕の動きはモーション動作と同様にボーン情報の適用により実現される一方で、顔の動きにはフェイシャル解析に基づく表情の適用が省略される。つまり、各種の解析結果に基づくユーザのモーションはモーション動作の全部、或いは一部等に適宜に反映されてよいが、一例として腕の動きに反映される一方で、顔の動きにはモーションに応じた動作の代わりに大喜びを表現する特別動作としての顔の動きが適用される。このため、
図6の例では大喜びユーザキャラクタ51Hは右腕を上げる腕の動作を実行しているが、これはユーザが実行した右腕を上げるモーションを反映した動作である。一例として、大喜びユーザキャラクタ51Hは、このようなユーザのモーションを反映するように編集された特別動作により大喜びを表現する。この例において特別動作が適用される顔の動作、つまりモーション動作に含まれる顔の動作が本発明の一部の動作として機能する。
【0054】
同様に、小喜びユーザキャラクタ51S、及び悲しいユーザキャラクタ51Uは、“小喜び”を表現するユーザキャラクタ51として例えばマッチング画面におけるマッチング完了時等に、“悲しい”を表現するユーザキャラクタ51として例えば解答画面50における不正解時等に、それぞれ表示される。小喜びユーザキャラクタ51S、及び悲しいユーザキャラクタ51Uは、小喜び及び悲しいの表現に対応する特別動作としてそれぞれ適宜の動作を実行してよいが、一例としていずれも大喜びユーザキャラクタ51Hと同様に、小喜び及び悲しいにそれぞれ対応する顔の動作(表情)を既定動作として実行しつつ、ユ腕の動作としてユーザのモーションを反映した動作を実行する。つまり、小喜びユーザキャラクタ51S、及び悲しいユーザキャラクタ51Uのいずれも、大喜びユーザキャラクタ51Hと同様にモーション動作の一部に既定動作を反映するように編集された特別動作により“小喜び”及び“悲しい”を表現する。
【0055】
具体的には、小喜びユーザキャラクタ51Sは、両手を合わせて(組んで)右頬の横に持っていく腕の動作、及び右に首を傾ける首の動作を実行しているが、これらはいずれもユーザの同様のモーションを反映した動作である。同様に、悲しいユーザキャラクタ51Uは、体の正面で両手を握りしめる腕の動作、及び前方に顔を傾ける首の動作を実行しているが、これらもユーザの同様のモーションを反映した動作である。一方で、小喜びユーザキャラクタ51Sは笑顔に対応する顔の動作(表情)を、悲しいユーザキャラクタ51Uは歯をかみしめる顔の動作を、それぞれ実行しているが、これらはいずれも“小喜び”及び“悲しい”を表現する既定動作として予め設定されている動作である。このため、
図5の例において“小喜び”が設定される進行では、小喜びユーザキャラクタ51Sはいずれにおいても小喜びを表現する同様の特別動作を実行するが、そこで共通するのは笑顔に対応する顔の動作のみであり、腕の動作は相違する可能性がある。悲しいユーザキャラクタ51Uについても同様である。一例として、通常時ユーザキャラクタ51Nは、このような特別動作(既定動作としての表情)を特定の進行において実行する。
【0056】
図7は、動作指示と指示動作との関係を説明するための説明図である。指示動作は複数のキャラクタが用意される場合においてキャラクタ毎に個性が反映されてもよいし、適宜の分類毎の特性が反映されてもよいが、
図7の例は性別(分類)に応じた特性が反映される場合を示している。また、一つ、或いは複数といった適宜の数の動作指示及びそれに対応する指示動作が用意されてよいが、
図7の例は性別毎に六つずつ動作指示及び指示動作が用意される場合を示している。具体的には、
図7に示すように、男性型、及び女性型のいずれのユーザキャラクタ51にも、“嬉しい”、“悲しい”、“驚き”、“好き”、“すごい”、及び“なるほど”の六つの感情にそれぞれ対応する六つの指示動作、並びにそれらの六つの指示動作にそれぞれ対応する六つの動作指示が用意されている。
【0057】
六つの動作指示は、入力装置、或いはそこに設けられる操作部等の要請に応じて適宜に設定されてよいが、
図7の例では“A”、“B”、“C”、“D”、及び“E”が設定されている。これらの動作指示は、適宜の入力装置を介して実現されてよく、例えばコントロールパネルCPにモニタ及びタッチパネルが設けられる場合には、そのモニタに表示される“A”、“B”、“C”、“D”、及び“E”にそれぞれ対応するタッチ領域へのタッチ操作を通じて実現されてもよい。このように動作指示は適宜に実現されてよいが、一例として“A”、“B”、“C”、“D”、及び“E”にそれぞれ対応する六つの押しボタンがコントロールパネルCPに設けられ、それらの押しボタンへの押す操作によって実現される。この例において、コントロールパネルCPが本発明の入力装置として機能する。
【0058】
また、六つの指示動作として、男性型、及び女性型のユーザキャラクタ51において一部、或いは全部が一致する動作が用意されてもよいが、
図6の例では全て相違する動作が用意されている。例えば、“嬉しい”の感情に対応する(表現する)指示動作として、男性型には“片手ガッツ”が、女性型には“片手上げ”が、それぞれ用意されている。また、これらの指示動作には音声(発声する動作)も含まれ、男性型は“よし!”の音声を、女性型は“やったあ!”の音声を、それぞれ指示動作の一部として発声する。音声はキャラクタ毎等において相違していてもよいが、一例として男性型及び女性型毎に一律の音声が用意される。この場合、“A”に対応する押しボタンへの押す操作により、男性型のユーザキャラクタ51は片手でガッツポーズを作り、“よし!”と発声する動作を、女性型のユーザキャラクタ51は片手を上げて“やったあ!”と発声する動作を、それぞれ実行する。
【0059】
同様に、“悲しい”、“驚き”、“好き”、“すごい”、及び“なるほど”の感情に対応する指示動作として、男性型には“両手を頭に天を仰ぐ”、“ぎょっと身を引く”、“サムズアップ”、“軽く拍手”、及び“右拳を左手の掌に振り下ろす”がそれぞれ用意され、それらの指示動作には“あ~!”、“え!?”、“いいね!”、“おぉ~”、及び“なるほど!”の音声がそれぞれ含まれる。この場合、男性型のユーザキャラクタ51は、“B”、“C”、“D”、及び“E”にそれぞれ対応する押しボタンへの押す操作により、両手を頭において天を仰ぎつつ“あ~!”と発声する動作、ぎょっと身を引きつつ“え!?”と驚きの声を発声する動作、サムズアップしつつ(両手の親指を立てつつ)“いいね!”と発声する動作、軽く拍手をしつつ“おぉ~”と感嘆の声を発声する動作、及び右拳を左手の掌に軽く振り下ろしつつ“なるほど!”と発声する動作を、それぞれ実行する。
【0060】
また、“悲しい”、“驚き”、“好き”、“すごい”、及び“なるほど”の感情に対応する指示動作として、女性型には“両手をバタバタ”、“口に手を当てる”、“両手を組み顔の横”、“拍手”、及び“右拳を左手の掌に振り下ろす”がそれぞれ用意され、それらの指示動作には“あ~っ”、“えっ!?”、“好きっ”、“すご~い!”、及び“なるほど!”の音声がそれぞれ含まれる。この場合、女性型のユーザキャラクタ51は、“B”、“C”、“D”、及び“E”にそれぞれ対応する押しボタンへの押す操作により、両手をバタバタと振りつつ“あ~っ”と発声する動作、口に手を当てつつ“えっ!?”と驚きの声を発声する動作、両手を組んで顔の横に置きつつ“好きっ”と発声する動作、拍手をしつつ“すご~い!”と感嘆の声を発声する動作、及び右拳を左手の掌に軽く振り下ろしつつ“なるほど!”と発声する動作を、それぞれ実行する。
【0061】
各指示動作は、その全てが既定動作として予め設定されていてもよく、同じユーザキャラクタ51であれば同じ押しボタンへの押す操作に伴い一律に毎回同じ指示動作を実行するように設定されてもよいが、一例として特別動作と同様にその一部にユーザのモーションが反映される。具体的には、各指示動作におけるユーザキャラクタ51の表情には、ユーザの実際の表情(モーション)が反映される。つまり、ユーザキャラクタ51は、“A”等に対応する押しボタンへの押す操作に伴い、特別動作と同様にモーション動作の一部に既定動作を反映するように編集された指示動作により“嬉しい”等の感情表現を実行する。
【0062】
次に、動作データADの詳細について説明する。
図8は、動作データADの構成の一例を示す図である。
図8に示すように、動作データADは、キャラクタ毎に既定動作を管理するための動作レコードADRを含んでいる。また、動作レコードADRは、このような管理を実現するために、“キャラクタ”、“状況”、“既定動作”、及び“種類”の情報を含んでいる。これらの情報は相互に関連付けられるように動作レコードADRに記録される。
【0063】
“キャラクタ”は、クイズゲームに複数のユーザキャラクタ51が用意される場合において各ユーザキャラクタ51を示す情報である。“キャラクタ”には各ユーザキャラクタ51を特定するための適宜の情報が記述されてよいが、一例として各ユーザキャラクタ51を識別するためにキャラクタ毎にユニークに付与されるキャラクタIDの情報が記述される。“状況”は、既定動作が実行されるべき特定の状況を示す情報である。“状況”には各種の状況が適宜に記述されてよいが、例えば“A”等に対応する押しボタンに押す操作が実行された状況が特定の状況に該当する場合、“状況”には“A”等の各押しボタンを示す情報が記述される。また、特定の状況としてキャラクタ選択画面における登録完了等の
図5の例の特定の進行が該当する場合、“状況”にはキャラクタ選択画面における登録完了といった
図5の例に示す各進行を示す情報が記述される。
【0064】
“既定動作”は、特定の状況において実行されるべき既定動作の内容を示す情報である。既定動作として“大喜び”等の複数の既定動作が用意される場合、“既定動作”の情報はこれらの既定動作の情報を含んでいる。具体的には、例えば
図7の例における“A”の押しボタンに対応する“片手ガッツ”の腕の動作及び“よし!”の発声の動作といった具合に、“既定動作”には
図7の例の各指示動作の内容を示す情報が記述される。また、
図5の例の場合には、“大喜び”、或いは微笑みながらウインクする表情(顔の動作)といったその“大喜び”に対応する具体的な特別動作の内容を示す情報が“既定動作”に記述される。
【0065】
“種類”は、各既定動作の種類を示す情報である。例えば、“種類”には、指示動作、或いは特別動作といった各既定動作の種類を示す情報が記述される。なお、動作データADは、これらの情報に限定されず、既定動作の種類等に応じて各種の情報を適宜に含んでいてよい。あるいは、上述の情報の一部等が適宜に省略されてもよい。例えば、クイズゲームに一体のユーザキャラクタ51しか用意されない場合には“キャラクタ”の情報は省略されてもよいし、既定情報の種類が一つしか用意されない場合には“種類”の情報は省略されてもよい。
【0066】
次に、
図9を参照して、動作制御処理について説明する。動作制御処理は、ユーザキャラクタ51の動作を制御するための処理である。ユーザキャラクタ51はモーション動作等に限定されず、各種の動作を実行してよいが、
図9の例はユーザキャラクタ51がモーション動作の代わりに既定動作を実行する場合を示している。また、既定動作はその全部の動作が予め設定され、モーション動作の代わりとして実行されてもよいが、一例としてその一部にユーザのモーションが反映されるように実行される。換言すれば、モーション動作の一部が既定動作に変化し、その一部においてモーション動作の代わりに既定動作が実行される。
図9の例は、このような既定動作にユーザのモーションが反映される場合の動作制御処理を示している。この場合、表示制御部38は、
図5の例の各進行に相当する場合、或いは
図7の例の“A”等に対応する押しボタンが押された場合といった特定の状況に該当する毎に
図9の動作制御処理を開始し、まず現在の状況において実行されるべき対象の動作として既定動作を特定する(ステップS101)。
【0067】
続いて表示制御部38は、現在の状況(特定の状況)に対応する既定動作を判別する(ステップS102)。つまり、表示制御部38は、特定の状況として用意される複数種類の状況のうち、現在の状況として実際に生じた状況の種類に対応する既定動作を判別する。具体的には、表示制御部38は、動作データADの“状況”及び“既定動作”を参照しつつ、現在の状況に対応する既定動作の内容(種類)を判別する。例えば、現在の状況がキャラクタ選択画面における登録完了等の特定の進行に該当する場合、表示制御部38は大喜び等のその特定の進行に設定される特別動作を現在の状況に対応する既定動作として判別する。同様に、例えば現在の状況が“A”等に対応する押しボタンが押された状況に該当する場合、表示制御部38はその“A”等の押された押しボタンに対応する指示動作を現在の状況に対応する既定動作として判別する。
【0068】
次に表示制御部38は、ステップS102で判別した既定動作を編集する(ステップS103)。表示制御部38は、適宜の編集を実行してよいが、一例として既定動作にユーザのモーションを反映するように編集を実行する。具体的には、表示制御部38は、ステップS102で判別した既定動作が特別動作に該当する場合には、カメラCAの検出結果に基づいてユーザの腕等の表情以外の部分におけるモーションを判別し、それらを既定動作の腕等の表情以外の部分に反映するように編集を実行する。あるいは、表示制御部38は、ステップS102で判別した既定動作が指示動作に該当する場合には、カメラCAの検出結果に基づいてユーザの表情(顔)の部分におけるモーションを判別し、それを既定動作の表情に反映するように編集を実行する。なお、編集は適宜に実現されてよく、一例として既定動作にモーション動作が反映される場合が説明されているが、これに限らず、例えば編集はモーション動作に既定動作を反映するように実行されてもよい。
【0069】
続いて表示制御部38は、実際にユーザキャラクタ51の動作を制御する(ステップS104)。具体的には、表示制御部38は、ステップS103で編集した編集後の既定動作をモーション動作の代わりにユーザキャラクタ51が実際に実行するように、ユーザキャラクタ51の動作(表示)を制御する(モーション動作の一部に既定動作が反映される場合には、モーション動作の一部が既定動作に変化し、その一部においてモーション動作の代わりに既定動作が実行されるように制御される)。そして、この制御の後に表示制御部38は今回の動作制御処理を終了する。これにより、特定の状況においてはモーション動作の代わりに既定動作を実行するようにユーザキャラクタ51の動作が制御される。具体的には、現在のプレイ状況が特定の進行に該当する場合には、ユーザキャラクタ51は既定動作として既定の表情、及びユーザのモーションに対応する腕の動作等を含む特別動作を実行するように制御される。一方、現在のプレイ状況が動作指示に該当する場合には、ユーザキャラクタ51は既定動作として既定の腕の動作等、及びユーザのモーションに対応する表情を含む特別動作を実行するように制御される。
【0070】
以上に説明したように、この形態によれば、解答画面50等のゲーム画面に表示されるユーザキャラクタ51はユーザのモーションに応じて随時モーション動作を実行するものの、ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合には、そのユーザキャラクタ51によって実行されるべき動作として予め設定された既定動作が特定され、その既定動作がモーション動作の一部の代わりに実際に実行される。つまり、特定の状況に該当するか否かに応じてモーション動作と既定動作とが使い分けられる。
【0071】
具体的には、ユーザキャラクタ51は、ゲームの状況がクイズに正解した場合等の特定の進行に該当する場合には大喜びを表現する既定動作を、“A”等に対応する押しボタンに押す操作が実行された状況に該当する場合には“嬉しい”等を表現する既定動作を、モーション動作の代わりにそれぞれ実行する。つまり、特定の状況に該当するか否かに応じてモーション動作と既定動作とが使い分けられ、かつ特定の進行に該当するか否か、或いは動作指示が実行されたか否かといった特定の状況の種類に応じて複数の既定動作が更に使い分けられる。このため、モーションを通じた感情表現が得意でないユーザであっても、特定の進行に伴いその進行に設定された既定動作により、ユーザのモーションにかかわらずユーザキャラクタ51の感情表現が実現される。さらに、特定の進行以外の状況においても、“A”等に対応する押しボタンへの押す操作を通じて各押しボタンに対応する既定動作により、ユーザのモーションにかかわらずユーザキャラクタ51の感情表現が実現される。これらにより、モーション動作によりリアリティの向上を図りつつ、既定動作によりユーザキャラクタ51の動作をゲームの状況に応じた動作に導くことができる。結果として、リアリティの向上、及びゲームの状況に応じたユーザキャラクタ51の動作の実現の両立を図ることができる。
【0072】
特に特定の進行にはその進行により適した動作が求められる場合があるが、既定動作としてその特定の進行に好ましい動作を利用することにより、ユーザキャラクタ51の動作をゲームの進行により適した動作に導くことができる。結果として、ゲームの演出、或いは盛り上げ効果の向上、ひいては興趣性の向上につなげることができる。
【0073】
また、既定動作としてユーザキャラクタ51の一部にユーザのモーションが反映される場合、換言すればモーション動作の一部が既定動作に変化する場合、特定の状況における既定動作のリアリティの向上を図ることができる。例えば、特定の進行においてユーザの腕の動作を反映しつつ、予め設定された顔の動作を含む特別動作が実行される場合、顔の表現を通じて大喜び等の好ましい感情表現を実現しつつ、腕の動作を通じてユーザの現実動作との連動を図ることができる。これにより、リアリティの向上、及び状況により適した動作の実現の両立性の更なる向上を図ることができる。
【0074】
以上の形態において、ゲーム機3の表示制御部38が、
図9の手順を実行することにより本発明の動作特定手段、動作制御手段、及び動作判別手段として機能する。具体的には、表示制御部38が、
図9のステップS101を実行することにより動作特定手段として、ステップS104を実行することにより動作制御手段として、ステップS102を実行することにより動作判別手段として、それぞれ機能する。
【0075】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、既定動作にモーション動作が反映されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、既定動作が特別動作、及び指示動作を含み、特定の進行と動作指示とが重なった場合、特別動作に指示動作が反映されてもよいし、指示動作に特別動作が反映されてもよい。具体的には、特定の進行と動作指示とが重なった場合には、特別動作としての顔の動作と指示動作としての腕等の動作とが組み合わされるように編集された動作が既定動作として実行されてもよい。このような編集が実行される場合、一例として
図9の処理のステップS103にて実行される。このような処理が実行される場合、ゲーム機3の表示制御部38が、
図9の処理のステップS103を実行することにより本発明の動作編集手段として機能する。
【0076】
上述の形態では、ユーザのモーションは、既定動作の一部を変更するように反映されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ユーザのモーションは、既定動作における動作の程度や形態を変更するように反映されてもよい。具体的には、既定動作として笑顔の表情に対応する顔の動作が適用される場合において、ユーザのモーションにおける口角の動きがその笑顔に反映されてもよい。あるいは、ユーザも笑顔に対応するモーションを実行しているときにおいて、既定動作としての笑顔が大笑いに対応する顔の動作に変更されてもよい。同様の編集は、指示動作と特別動作との間に生じてもよい。具体的には、例えば、大喜びに対応する特定の進行において“A”に対応する押しボタンが操作された場合には、大喜びユーザキャラクタ51Hの動作に“よし!”と発生する動作が付加されてもよい。
【0077】
上述の形態では、動作指示として押しボタンへの押す操作が例示されている。しかし、動作指示は、このような形態に限定されない。例えば、動作指示は、マイクMIによる音声入力によって実現されてもよい。具体的には、例えば、“ありがとうございました”の音声が入力された場合にユーザキャラクタ51はお辞儀をする動作を既定動作として実行してもよい。つまり、動作指示として“ありがとうございました”の音声入力が利用されてもよい。同様に、“やりました”、或いは“さよなら”といった音声入力(動作指示)にガッツポーズをする動作、或いは手を振る動作といった既定動作が、それぞれ設定されていてもよい。このように各種の特定のワードが動作指示として設定され、その動作指示に対応する既定動作がモーション動作の代わりに実行されてもよい。また、このような音声入力による動作指示は、モーション動作と無関係に実行されてもよい。つまり、このような音声入力による動作指示は、モーション動作を実行しないキャラクタ(コンピュータによる自動制御のキャラクタ)に適用されてもよい。
【0078】
また、音声入力による動作指示を含む既定動作には、モーフィングの技術が適用されてよい。モーフィングは、変更前後の動作の不自然性を解消するために変更前の動作から変更後の動作に徐々に変化させる補間技術である。この場合において、変化前後の動作間に大きな乖離があるときには既定動作の適用が省略されてもよい。この場合において、押しボタンによる指示動作、音声入力による指示動作、或いは特別動作といった既定動作間には、適宜に例外が設定されてもよい。このため、例えば、特別動作は変化前後の動作間の乖離にかかわらず実行されてもよい。変化前後の動作間の乖離は適宜に判別されてよく、例えば、変化前後の動作間における特定の部位(全身であってもよい)の位置に基づいて判別されてもよい。具体的には、例えば、変化前後の動作間における特定の部位の位置が所定間隔よりも離れている場合に乖離が大きいと判別されてもよい。
【0079】
また、上述の形態では、
図9の処理はゲーム機3が実行している。結果として、ゲーム機3単体が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機3の役割(例えば
図9の処理)の全部、或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。このため、例えば
図9の処理の全部をセンターサーバ2が実行する場合、センターサーバ2単体(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、その反対にセンターサーバ2の役割の全部、又は一部をゲーム機3が実行してもよい。この場合、センターサーバ2は省略されてもよい。
【0080】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0081】
本発明のゲームシステムは、ユーザのモーションを検出する検出装置(CA)と、前記モーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタ(51)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(MO)とに接続され、前記ゲーム画面の前記キャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステム(3)であって、前記ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合に当該特定の状況にて実行されるべき動作として予め設定された既定動作を特定する動作特定手段(38)と、前記特定の状況において前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する動作制御手段(38)と、を備えるものである。
【0082】
本発明によれば、ゲーム画面のキャラクタはユーザのモーションに応じたモーション動作を実行するものの、ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合には、そのキャラクタによって実行されるべき動作として予め設定された既定動作が特定され、その既定動作がモーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに実行される。これにより、モーション動作によりリアリティの向上を図りつつ、既定動作によりキャラクタの動作をゲームの状況に応じた動作に導くことができる。結果として、リアリティの向上、及びゲームの状況に応じたキャラクタの動作の実現の両立を図ることができる。
【0083】
特定の状況として、ゲームに生じる各種の状況が適宜に利用されてよい。例えば、ユーザによる特定の指示が実行された状況、或いはゲームにおける特定の進行(展開)等が、特定の状況として利用されてよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記動作制御手段は、前記特定の状況として前記ゲームにおける特定の進行を利用し、当該特定の進行において当該特定の進行に設定された前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御してもよい。この場合、特定の進行に設定される既定動作としてその進行に好ましい動作を利用することにより、キャラクタの動作をゲームの進行により適した動作に導くことができる。結果として、ゲームの演出の向上、ひいては興趣性の向上につなげることができる。
【0084】
特定の状況として一つの状況が利用されてもよいし、複数の状況が利用されてもよい。同様に、既定動作として、一種類の動作が用意されていても、複数種類の動作が用意されていてもよい。つまり、適宜の数の特定の状況、及び適宜の数の既定動作(一つの状況にランダム等の条件に応じて一つに特定される複数の既定動作が設定される場合を含む)が用意されていてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記特定の進行が複数種類の進行を含む場合に、当該複数種類の進行と、当該複数種類の進行にそれぞれ対応する複数の既定動作とを関連付ける動作データ(AD)に基づいて、前記複数の種類のうち前記特定の進行として生じた進行の種類に対応する既定動作を判別する動作判別手段(38)を備え、前記動作制御手段は、前記特定の進行において当該特定の進行として生じた進行の種類に対応する既定動作を実行するように、前記キャラクタの動作を制御する態様が採用されてもよい。
【0085】
特定の状況として複数の状況が利用される場合において、複数の状況は同種の状況であっても、異なる種類の状況であってもよい。例えば、複数の状況は、ゲームの進行に関連する状況、及びユーザの指示(各種操作等)に基づく状況を含んでいてもよい。つまり、複数の状況は、異種の一例として発生条件の相違する状況を含んでいてもよい。具体的には、本発明のゲームシステムの一態様において、前記特定の状況は、前記ユーザによる動作指示を入力する入力装置(CP)が接続される場合に、前記ゲームにおける特定の進行、及び前記動作指示が実行された状況の両方を含み、前記既定動作は、前記特定の進行に予め設定された動作としての特別動作、及び前記動作指示に予め設定された動作としての指示動作を含み、前記動作制御手段は、前記動作指示が実行された状況において前記指示動作を、前記特定の進行において前記特別動作を、前記既定動作として前記モーション動作の代わりに実行するように、前記キャラクタの動作を制御してもよい。
【0086】
既定動作は、適宜にモーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに実行されてよい。具体的には、既定動作はモーション動作の一部に適用され、その一部においてモーション動作の代わりに既定動作が実行されてよい。つまり、モーション動作の一部が既定動作に変化してもよい。また、モーション動作としてユーザの全部位のモーションを反映した動作が実行されても、上半身部分のみ、腕部分のみ、頭部のみ、或いは顔部分のみといった適宜の一部にユーザのモーションを反映した動作が実行されてもよい。この場合において、モーション動作のモーションを反映した動作以外の部分はコンピュータ制御(予め設定された所定の動作)により適宜に実現されてよい。例えば、モーション動作として、ユーザの顔を除く上半身のモーションがキャラクタの顔を除く上半身に反映された動作、及び所定の顔の動作の組合せが実行されてよい。そして、既定動作は、そのモーション動作において顔の動作を含む適宜の上半身の動作に適用されてよい。つまり、既定動作は、モーション動作におけるユーザのモーションを反映した動作が既定動作に変化しても、モーションを反映していない動作(所定の動作)が既定動作に変化してもよい。あるいは、既定動作は、モーション動作とは全く別の動作としてそのモーション動作の全体を置換するように実行されてもよい。同様に、既定動作が特別動作及び指示動作を含み、特定の進行及び動作指示の実行が重なった場合には、モーション動作の全部、或いは一部の代わりに特別動作及び指示動作が適宜に実行されてよい。例えばモーション動作の異なる部分が特別動作及び指示動作にそれぞれ変化してもよい。あるいは、モーション動作の全部或いは同じ部分が、特別動作及び指示動作のいずれかに変化してもよい。この場合、特別動作と指示動作との間には、例えば特別動作優先等の適宜の優先順位が設定されてよい。あるいは、特別動作に指示動作が反映されてもよい。あるいは、その反対に指示動作に特別動作が反映されてもよい。
【0087】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記特定の進行において前記動作指示が実行された場合に前記特別動作を、当該特別動作に前記動作指示を反映した編集動作に編集する動作編集手段(38)を備え、前記動作制御手段は、前記特定の進行において前記特別動作として前記編集動作を実行するように、前記キャラクタの動作を制御する態様が採用されてもよい。
【0088】
キャラクタを介して進行する限り、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲームといった各種のゲームが適宜にゲームとして提供されてよい。また、特定の状況は、それらのゲームに応じて適宜に設定されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームとして、前記ユーザによって解答されるべき問題を含むクイズゲームが提供され、前記特定の状況として、前記クイズゲームにおいて前記ユーザが前記問題に正解した場合、及び前記問題に不正解した場合の少なくともいずれか一方が利用されてもよい。
【0089】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記検出装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0090】
また、本発明の制御方法は、ユーザのモーションを検出する検出装置(CA)と、前記モーションに応じた動作を少なくとも一部に含むモーション動作を実行するキャラクタ(51)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(MO)とに接続され、前記ゲーム画面の前記キャラクタを介して進行するゲームを提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記ゲームのプレイ状況が特定の状況に該当する場合に当該特定の状況にて実行されるべき動作として予め設定された既定動作を特定する動作特定手順と、前記特定の状況において前記モーション動作の少なくとも一部の動作の代わりに前記既定動作を実行するように前記キャラクタの動作を制御する動作制御手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 ゲームシステム
2 センターサーバ
3 ゲーム機(ゲームシステム)
31 制御ユニット(コンピュータ)
38 表示制御部(動作特定手段、動作制御手段、動作判別手段、動作編集手段)
50 解答画面(ゲーム画面)
51 ユーザキャラクタ(キャラクタ)
AD 動作データ
CA カメラ(検出装置)
CP コントロールパネル(入力装置)
MO モニタ(表示装置)
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)