(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】スイッチカバー、スイッチカバーセット、スイッチカバーの取付方法、及び、スイッチカバーの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 9/02 20060101AFI20221220BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20221220BHJP
H01H 11/00 20060101ALI20221220BHJP
H01H 23/04 20060101ALI20221220BHJP
H01H 13/04 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01H9/02 E
H01H9/16 E
H01H11/00 N
H01H23/04 Z
H01H13/04 B
H01H11/00 B
(21)【出願番号】P 2022130297
(22)【出願日】2022-08-17
【審査請求日】2022-08-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522284270
【氏名又は名称】辻中 広道
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】辻中 広道
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-127624(JP,U)
【文献】特開2017-126526(JP,A)
【文献】特開平05-094735(JP,A)
【文献】実開昭61-141729(JP,U)
【文献】特許第4426038(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3188049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/02
H01H 9/16
H01H 11/00
H01H 23/04
H01H 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取り付けられる取付枠と、前記取付枠を覆うように取り付け可能な化粧プレートと、操作ボタンとして
の板状のハンドル
とを有するスイッチ装置を覆うように設けられるスイッチカバーであって、
当該スイッチカバーの裏面には、前記ハンドルの取付箇所としてハンドル取付部が設けられ、前記ハンドル取付部に前記ハンドルが取り付けられると、当該スイッチカバーが前記ハンドルに被さる状態になり、
当該スイッチカバーは、前記ハンドルが前記スイッチ装置のスイッチ本体に装着された装着状態で、前記ハンドルと一体で操作ボタンとして機能する、スイッチカバー
(但し、前記化粧プレートの開口部に収まる大きさのスイッチカバーを除く)。
【請求項2】
前記スイッチ本体にライトが設けられ、
前記ハンドルでは、前記装着状態で前記ライトに対面する位置に窓部が設けられ、
前記スイッチカバーでは、前記装着状態で前記窓部に対面する位置に、外側窓部が設けられている、請求項1に記載のスイッチカバー。
【請求項3】
前記ハンドル取付部として、前記ハンドルが嵌め込まれる凹部が設けられている、請求項1に記載のスイッチカバー。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つに記載のスイッチカバーが、前記スイッチ装置のスイッチ本体と同数設けられた、スイッチカバーセット。
【請求項5】
操作ボタンとして板状のハンドルが設けられたスイッチ装置を覆うように設けられるスイッチカバーが、前記スイッチ装置のスイッチ本体と同数設けられたスイッチカバーセットであって、
前記スイッチカバーの裏面には、前記ハンドルの取付箇所としてハンドル取付部が設けられ、前記ハンドル取付部に前記ハンドルが取り付けられると、前記スイッチカバーが前記ハンドルに被さる状態になり、
前記スイッチカバーは、前記ハンドルが前記スイッチ装置のスイッチ本体に装着された装着状態で、前記ハンドルと一体で操作ボタンとして機能し、
当該スイッチカバーセットの裏面の外周に沿う縁部に、突出部が設けられている
、スイッチカバーセット。
【請求項6】
壁面に取り付けられた取付枠と、
前記取付枠に取り付けられたスイッチ本体と、
板状のハンドルとを備えたスイッチ装置であって、
当該スイッチ装置を覆うように設けられるスイッチカバーが、当該スイッチ装置において前記スイッチ本体と同数設けられたスイッチカバーセッ
トを備え、
前記スイッチカバーの裏面には、前記ハンドルの取付箇所としてハンドル取付部が設けられ、前記ハンドル取付部に前記ハンドルが取り付けられると、前記スイッチカバーが前記ハンドルに被さる状態になり、
前記ハンドルは、前記スイッチカバーに取り付けられた状態で
、前記スイッチ本体に装着され
、
前記スイッチカバーは、前記ハンドルが前記スイッチ本体に装着された装着状態で、前記ハンドルと一体で操作ボタンとして機能し、
前記取付枠を覆う枠状の化粧プレートを取り外した状態で、前記ハンドルが前記スイッチ本体に装着されている、スイッチ装置。
【請求項7】
操作ボタンとして板状のハンドルが設けられたスイッチ装置に対し、前記スイッチ装置を覆うスイッチカバーを取り付けるスイッチカバーの取付方法であって、
前記スイッチカバーが前記ハンドルに被さる状態になるように、前記スイッチカバーに前記ハンドルを取り付ける取付ステップと、
前記取付ステップ後に、前記スイッチカバーに取り付けられたハンドルを、前記スイッチ装置のスイッチ本体に装着する装着ステップとを行う、スイッチカバーの取付方法。
【請求項8】
前記装着ステップを行う前に、前記スイッチ装置から枠状の化粧プレートを取り外すステップを行う、請求項7に記載のスイッチカバーの取付方法。
【請求項9】
壁面に取り付けられる取付枠と、前記取付枠を覆うように取り付け可能な化粧プレートと、操作ボタンとして
の板状のハンドル
とを有するスイッチ装置を覆うように設けられるスイッチカバーの製造方法であって、
前記スイッチカバーの材料となる板材の裏面に、前記ハンドルの正面寸法に基づいて前記ハンドルを嵌め込み可能なハンドル取付部を形成するステップを行う、スイッチカバーの製造方法
(但し、前記化粧プレートの開口部に収まる大きさのスイッチカバーの製造方法を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ボタンとしてハンドルが用いられたスイッチ装置用のスイッチカバー等に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の壁面などに設けられるスイッチ装置の中で、操作ボタンとして板状のハンドルが設けられたスイッチ装置が広く使用されている。特許文献1及び特許文献2には、この種のスイッチ装置が記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1に記載のスイッチ装置は、スイッチ本体、取付ユニット、化粧プレート、及び、操作板(ハンドル)を備えている。このスイッチ装置では、押圧操作に伴い配線回路のオン/オフを行うスイッチ本体が、室内の壁面等にねじ止めされる取付ユニットに装着される。取付ユニットは、化粧プレートによって被覆される。操作板は、化粧プレートの中央部に形成した開口部を介してスイッチ本体の作動子に装着され、外部から加えられる押圧力を作動子に伝える。このスイッチ装置では、操作板の表面中央部に矩形の凹部が形成され、凹部の底面には化粧シートが配置され、さらに透明フードが嵌め込まれる。
【0004】
また、特許文献2には、操作ハンドルの表面を押圧することによって部屋の照明器具を点灯させるスイッチプレートが記載されている。操作ハンドルの表面には、照明器具が点灯する部屋を意味する文字と、その文字を意味する点字とが付されている。また、操作ハンドルの表面には、照明器具が点灯する部屋を意味する絵柄がインクジェットプリンタによって付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4426038号公報
【文献】実用新案登録第3188049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来から、操作ボタンとしてハンドルが設けられたスイッチ装置に対し、様々な装飾手段が考案されているが、本願発明者は、簡易な装飾手段として、ハンドルに被せるスイッチカバーを考え出した。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、操作ボタンとしてハンドルが設けられたスイッチ装置に対し、簡易に装飾を行うことができるスイッチカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、操作ボタンとして板状のハンドルが設けられたスイッチ装置を覆うように設けられるスイッチカバーであって、当該スイッチカバーの裏面には、ハンドルの取付箇所としてハンドル取付部が設けられ、ハンドル取付部にハンドルが取り付けられると、当該スイッチカバーがハンドルに被さる状態になり、当該スイッチカバーは、ハンドルがスイッチ装置のスイッチ本体に装着された装着状態で、ハンドルと一体で操作ボタンとして機能する、スイッチカバーである。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、スイッチ本体にライトが設けられ、ハンドルでは、装着状態でライトに対面する位置に窓部が設けられ、スイッチカバーでは、装着状態で窓部に対面する位置に、外側窓部が設けられている。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、ハンドル取付部として、ハンドルが嵌め込まれる凹部が設けられている。
【0011】
第4の発明は、第1乃至3の何れか1つの発明のスイッチカバーが、スイッチ装置のスイッチ本体と同数設けられた、スイッチカバーセットである。
【0012】
第5の発明は、第4の発明において、スイッチカバーセットの裏面の外周に沿う縁部に、突出部が設けられている。
【0013】
第6の発明は、壁面に取り付けられた取付枠と、取付枠に取り付けられたスイッチ本体と、第4の発明のスイッチカバーセットと、スイッチカバーに取り付けられた状態で、スイッチ本体に装着されたハンドルとを備え、取付枠を覆う枠状の化粧プレートを取り外した状態で、ハンドルがスイッチ本体に装着されている、スイッチ装置である。
【0014】
第7の発明は、操作ボタンとして板状のハンドルが設けられたスイッチ装置に対し、スイッチ装置を覆うスイッチカバーを取り付けるスイッチカバーの取付方法であって、スイッチカバーがハンドルに被さる状態になるように、スイッチカバーにハンドルを取り付ける取付ステップと、取付ステップ後に、スイッチカバーに取り付けられたハンドルを、スイッチ装置のスイッチ本体に装着する装着ステップとを行う、スイッチカバーの取付方法である。
【0015】
第8の発明は、第7の発明において、装着ステップを行う前に、スイッチ装置から枠状の化粧プレートを取り外すステップを行う。
【0016】
第9の発明は、操作ボタンとして板状のハンドルが設けられたスイッチ装置を覆うように設けられるスイッチカバーの製造方法であって、スイッチカバーの材料となる板材の裏面に、ハンドルの正面寸法に基づいてハンドルを嵌め込み可能なハンドル取付部を形成するステップを行う、スイッチカバーの製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、スイッチカバーの裏面にハンドル取付部が設けられ、ハンドル取付部にハンドルが取り付けられると、スイッチカバーがハンドルに被さる状態になる。そして、スイッチカバーに取り付けられたハンドルがスイッチ本体に装着された装着状態では、スイッチカバーが、ハンドルと一体で操作ボタンとして機能する。装着状態では、スイッチカバーによって、スイッチ装置に意匠が付与された状態となる。本発明では、スイッチカバー自体にスイッチ本体への装着部を設ける必要がなく、スイッチカバーのハンドル取付部(例えば凹部)にハンドルを取り付けるという簡易な作業で、スイッチ装置の装飾を行うことができる。本発明によれば、操作ボタンとしてハンドルが設けられたスイッチ装置に対し、簡易に装飾を行うことができるスイッチカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1(a)は、スイッチカバーを具備しないスイッチ装置の分解斜視図であり、
図1(b)は、スイッチカバーを具備しないスイッチ装置の断面構成を示す概略構成図である。
【
図2】
図2(a)は、本実施形態に係るスイッチカバーの表面図であり、
図2(b)は、
図2(a)のスイッチカバーの裏面図であり、
図2(c)は、
図2(a)のスイッチカバーのA-A断面図であり、
図2(d)は、
図2(a)のスイッチカバーのB-B断面図である。
【
図3】
図3(a)は、本実施形態に係るスイッチカバーについてハンドルが凹部に嵌め込まれた状態の裏面図であり、
図3(b)は、スイッチカバーが装着されたスイッチ装置の断面構成を示す概略構成図である。
【
図4】
図4(a)は、本実施形態の第1変形例に係るスイッチカバーの表面図であり、
図4(b)は、
図4(a)のスイッチカバーの裏面図であり、
図4(c)は、
図4(a)のスイッチカバーのC-C断面図である。
【
図5】
図5(a)は、本実施形態の第2変形例に係るスイッチカバーの表面図であり、
図5(b)は、
図5(a)のスイッチカバーの裏面図であり、
図5(c)は、
図5(a)のスイッチカバーのD-D断面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の第3変形例に係るスイッチカバーの断面図である。
【
図7】
図7(a)は、本実施形態の第4変形例のスイッチ装置について、スイッチカバーを具備しない状態の断面構成を示す概略構成図であり、
図7(b)は、スイッチカバーが装着されたスイッチ装置の断面構成を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0020】
本実施形態は、操作ボタンとして平板状のハンドル4が用いられたスイッチ装置10に対し、意匠を付与するためのスイッチカバー20である。スイッチカバー20は、スイッチ装置10を覆うように設けられる。以下では、スイッチカバー20について説明を行う前に、スイッチ装置10について説明を行う。
【0021】
[スイッチ装置の構成]
スイッチ装置10は、建物の照明など電気製品のスイッチとして、例えば建物の壁面1に設けられる。スイッチ装置10は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、壁面1の開口部1aに取り付けられる取付枠2と、取付枠2に取り付けられるスイッチ本体3と、スイッチ本体3に装着されるハンドル4と、取付枠2に取り付けられるプレート枠5と、プレート枠5を被覆するようにプレート枠5に取り付けられる枠状の化粧プレート6とを備えている。
図1(a)では、スイッチ装置10が、2組のスイッチ本体3及びハンドル4を有する。なお、プレート枠5及び化粧プレート6は、スイッチ装置10に対しスイッチカバー20を取り付ける際は取り外される。
【0022】
取付枠2は、ネジ又はボルトなどの締付具7を通す挿通穴2aを上下に有する金属製の部材である。取付枠2は、各挿通穴2aを通した締付具7を、開口部1aの縁部の取付箇所9に締め付けることにより壁面1に固定される。例えば、開口部1aには、取付箇所9を有するスイッチボックスが嵌め込まれる。また、取付枠2には、上下に並ぶようにスイッチ本体3が取り付けられる。スイッチ本体3には、壁面1の裏側から延びる配線が接続される。
【0023】
スイッチ本体3は、表面に設けられた押釦ハンドル3aと、押釦ハンドル3aによって接続状態が切り替えられる接点部(図示省略)とを備えている。スイッチ本体3は、押釦ハンドル3aの押操作によって接点部の接続状態の切り替え(例えばオン/オフの切り替え)がなされて、対応する電気製品への通電状態の切り替えを行うことができる。スイッチ本体3の表側には、接点部がオン状態の時に点灯するライト(パイロットランプ)3bが設けられている。また、スイッチ本体3の表側には、軸部3cが設けられている。
【0024】
一方、ハンドル4の裏面には、軸受け部4aが設けられている。
図1(b)に示すように、ハンドル4は、軸受け部4aに対し軸部3cを嵌め込むことにより、押釦ハンドル3aを覆うようにスイッチ本体3に装着される。正面視のハンドル4は、略矩形状を呈する。ハンドル4では、スイッチ本体3に装着された状態で、ライト3bに対面する位置には、ライト3bの光を通過させる窓部4bが設けられている。
【0025】
プレート枠5は、ネジ又はボルトなどの締付具8を通す挿通穴5bを上下に有する樹脂製の部材である。プレート枠5は、挿通穴5bを通した締付具8を、取付枠2の取付箇所2bに締め付けることにより取付枠2に固定される。化粧プレート6は、プレート枠5及び化粧プレート6に設けられた嵌合構造によって、プレート枠5に取り付けられる。プレート枠5及び化粧プレート6は、ハンドル4を通す開口部5a,6aをそれぞれ有する。
【0026】
[スイッチカバーの構成]
スイッチ装置10は、プレート枠5及び化粧プレート6を取り外した状態で装着されるスイッチカバー20を備えている。スイッチ装置10は、ハンドル4と同数のスイッチカバー20を備えている。ハンドル4と同数のスイッチカバー20は、1つのスイッチ装置10に対応したスイッチカバーセットを構成している。本実施形態では、スイッチカバーセットが、上下対象に形成された2つのスイッチカバー20により構成されている。
【0027】
スイッチカバー20は、
図2に示すように、略矩形の平板状に形成されている。スイッチカバー20の材料には、木材、金属(例えばアルミ合金)、樹脂などを用いることができる。本実施形態では、スイッチカバー20の材料に木材が用いられている。スイッチカバー20の表面20aは、平坦面に形成されている。スイッチカバー20は、木材の木目を利用した意匠の表面20aを有する。なお、スイッチカバー20の表面20aには、凹凸や印刷、コーティング、他の素材の接着などによって、模様や図柄などの意匠を施してもよい。また、スイッチカバー20の外周形状は、矩形以外であってもよい。
【0028】
スイッチカバー20の裏面20bには、ハンドル4の取付箇所として、正面視が略矩形状の凹部21が形成されている。凹部21は、ハンドル取付部に相当する。凹部21は、隣のスイッチカバー20とは反対側及び両側方の3方向に壁面21aを有するが、隣のスイッチカバー20側には壁面21aを有さない。凹部21は、ハンドル4の外周形状と略同じ形状で、ハンドル4よりも僅かに大きく形成されている。凹部21には、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ハンドル4を嵌め込むことが可能である。凹部21は、両側方の一対の壁面21aによってハンドル4を挟み込んで保持する。
【0029】
スイッチカバー20の裏面20bでは、その縁部のうち壁面21aを有する側の3辺に沿って、突出部23が設けられている。突出部23は、スイッチカバーセットの裏面の外周に沿う縁部に形成されている。突出部23を設けることで、スイッチカバー20の裏面20bと壁面1の隙間が小さくなるため、人などがスイッチカバー20に引っ掛かってスイッチカバー20が外れる事態が生じにくくなる。また、スイッチカバー20には、ハンドル4の正面が凹部21の底面を向くように凹部21に嵌め込まれたハンドル4の窓部4bに対面する位置に、ライト3bの光を通過させる外側窓部22が設けられている。
図2では、外側窓部22の形状は円形であるが、矩形など任意の形状を選択することができる。なお、ライト3bを有しないタイプのスイッチ本体3の場合は、ハンドル4に窓部4bを設ける必要はなく、スイッチカバー20に外側窓部22を設ける必要もない。
【0030】
本実施形態では、ハンドル4の正面が凹部21の底面を向くように凹部21にハンドル4を嵌め込むことにより、スイッチカバー20がハンドル4に被さる状態になる。そして、凹部21に嵌め込まれたハンドル4がスイッチ本体3に装着された装着状態で、スイッチカバー20は、ハンドル4と一体で操作ボタンとして機能する。スイッチカバー20が取り付けられたスイッチ装置10では、スイッチカバー20の押操作によって接点部の接続状態の切り替えが可能となる。
【0031】
[スイッチカバーの製造方法]
続いて、スイッチカバー20の製造方法について説明を行う。
【0032】
スイッチカバー20は、その材料となる板材の裏面に、ハンドル4の正面寸法に基づいてハンドル4を嵌め込み可能な凹部21をハンドル取付部として形成する加工ステップを行うことにより製造することができる。スイッチカバー20の材料となる板材には、ハンドル4より一回り以上大きいものが使用される。凹部21の形成は、例えば切削加工によって行うことができる。なお、ハンドル4の正面寸法の情報を有していない場合は、加工ステップを行う前に、ハンドル4の正面寸法を計測するステップを行う。
【0033】
[スイッチカバーの取付方法]
続いて、スイッチカバー20の取付方法について説明を行う。以下では、まず既存のスイッチ装置10にスイッチカバー20を取り付ける取付方法について説明を行う、
【0034】
この取付方法では、既存のスイッチ装置10からプレート枠5及び化粧プレート6を取り外すステップを行い、取付枠2を露出させる。また、スイッチ本体3からハンドル4を取り外す。そして、スイッチカバー20がハンドル4に被さる状態になるように、凹部21にハンドル4を嵌め込むことによりスイッチカバー20にハンドル4を取り付ける取付ステップと、スイッチカバー20に取り付けられたハンドル4をスイッチ本体3に装着する装着ステップとをこの順番で行う。取付ステップでは、ハンドル4の正面が凹部21の底面を向くように凹部21にハンドル4が嵌め込まれる。以上の作業により、スイッチカバー20の取付は完了する。
【0035】
次に、スイッチ装置10を壁面1に新設する場合のスイッチカバー20の取付方法について説明を行う。この場合、通常のスイッチ装置10の取付方法においてプレート枠5及び化粧プレート6の取付を行わず、取付ステップと装着ステップとをこの順番で行う。
【0036】
[本実施形態の効果等]
本実施形態では、スイッチカバー20自体にスイッチ本体3への装着部(軸受け部)を設ける必要がなく、スイッチカバー20のハンドル取付部(凹部)21にハンドル4を取り付けるという簡易な作業で、スイッチ装置10の装飾を行うことができる。本実施形態によれば、操作ボタンとしてハンドル4が設けられたスイッチ装置10に対し、簡易に装飾を行うことができるスイッチカバー20を提供することができる。
【0037】
なお、スイッチ装置10の工事について、スイッチ本体3を付け替える場合は、電気工事士の資格が必要となるが、本実施形態では、電気工事士の資格を有さない者であっても、スイッチ装置10にスイッチカバー20を取り付けることができる。
【0038】
[本実施形態の第1変形例]
本変形例は、スイッチ装置10が、1組のスイッチ本体3及びハンドル4を有する。この場合、
図4に示すように、スイッチカバー20には、全周囲に壁面21aを有する凹部21が形成される。
【0039】
[本実施形態の第2変形例]
本変形例は、スイッチ装置10が、3組のスイッチ本体3及びハンドル4を有する。この場合、
図5に示すように、真ん中のスイッチカバー20は、両側方のみに壁面21aを有する溝状の凹部21が形成される。上側のスイッチカバー20と下側のスイッチカバー20は、ともに実施形態と同様に、3方向に壁面21aを有する凹部21が形成される。
【0040】
[本実施形態の第3変形例]
本変形例は、ハンドル取付部21が、
図6に示すように、先端に爪部を有する引掛け部21により構成されている。この場合も、ハンドル取付部21にハンドル4が取り付けられると、スイッチカバー20がハンドル4に被さる状態になり、ハンドル4がスイッチ本体3に装着された装着状態で、スイッチカバー20は、ハンドル4と一体で操作ボタンとして機能する。
【0041】
[本実施形態の第4変形例]
本変形例では、スイッチ装置10の構成が実施形態とは異なる。スイッチ装置10では、
図7(a)に示すように、スイッチ本体3において押釦ハンドル3aの代わりに、支軸3dを中心に揺動自在に設けられた作動子3eが設けられている。そして、作動子3eにおいて横方向の両側に設けられた係止バネ3fに対し、ハンドル4の爪部4cが係合することで、作動子3eにハンドル4が装着されている。スイッチ本体3は、作動子3eが左右の一方に傾斜した場合にオン状態となり、作動子3eが左右の他方に傾斜した場合にオフ状態となる。また、スイッチ装置10は、プレート枠5を有しておらず、取付枠2に対し化粧プレート6が装着されている。
【0042】
本変形例でも、
図7(b)に示すように、スイッチカバー2のハンドル取付部(凹部)21にハンドル4が取り付けられると、スイッチカバー2がハンドル4に被さる状態になる。そして、ハンドル4がスイッチ装置10のスイッチ本体3に装着された装着状態で、スイッチカバー20は、ハンドル4と一体で操作ボタンとして機能する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、操作ボタンとしてハンドルが用いられたスイッチ装置用のスイッチカバー等に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
3 スイッチ本体
3b ライト
4 ハンドル
4b 窓部
10 スイッチ装置
20 スイッチカバー
21 凹部(ハンドル取付部)
22 外側窓部
23 突出部
【要約】
【課題】操作ボタンとしてハンドルが設けられたスイッチ装置に対し、簡易に装飾を行うことができるスイッチカバーを提供する。
【解決手段】スイッチカバー20の裏面には、ハンドル4の取付箇所としてハンドル取付部21が設けられている。ハンドル取付部21にハンドル4を取り付けることにより、スイッチカバー20がハンドル4に被せられた状態になり、スイッチカバー20は、ハンドル4がスイッチ装置10のスイッチ本体3に装着された装着状態で、ハンドル4と一体で操作ボタンとして機能する。
【選択図】
図3