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特許7197244免疫応答調節剤として使用するための分岐鎖連結基を有するアミド置換イミダゾ[4,5-C]キノリン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】免疫応答調節剤として使用するための分岐鎖連結基を有するアミド置換イミダゾ[4,5-C]キノリン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20221220BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20221220BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20221220BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20221220BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221220BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20221220BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
C07D471/04 105C
A61K31/4745
A61K39/39
A61P31/12
A61P35/00
A61P37/04
A61P43/00 111
C07D471/04 CSP
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020534235
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2018060122
(87)【国際公開番号】W WO2019123178
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】62/608,334
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】グリースグラバー,ジョージ ダブリュ.
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-501466(JP,A)
【文献】特表2001-502699(JP,A)
【文献】特表2007-521317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
nは、0又は1の整数であり、
Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及び-C(O)-O-アルキルからなる群から選択され、
Xはアルキレンであり、前記アルキレン基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、
R2は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択され、
R3はアルキルであり、前記アルキル基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R4は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソプロピルからなる群から選択される]
の化合物、又は製薬上許容されるその塩。
【請求項2】
XがC1-8アルキレンである、請求項1に記載の化合物又は塩。
【請求項3】
R1が、-CHOCH又は-CHOCHCHである、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項4】
R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項5】
R3がC5-19アルキルである、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項6】
Rが、ヒドロキシ、F、及びClからなる群から選択される、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項7】
nが0である、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項8】
R4が水素である、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項9】
ワクチンアジュバントとして使用するための、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物又は塩の治療有効量を、製薬上許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年12月20日に出願された米国特許仮出願第62/608334号の優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(背景技術)
いくつかの薬剤化合物は、免疫システムの特定の重要な側面を刺激することによって、及び特定の他の側面を抑制することによって、作用する(例えば、米国特許第6,039,969号(Tomai et al.)、及び同第6,200,592号(Tomai et al.))。これらの化合物は、時として、免疫応答調節剤(immune response modifier、IRM)と呼ばれる。いくつかのIRM化合物は、ウイルス性疾患、腫瘍形成、及びT2-媒介性疾患を処置するのに有用である。いくつかのIRM化合物は、ワクチンアジュバントとして有用である。
【0003】
IRM化合物は、次の二環系及び三環系に基づいて報告されてきた:1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(例えば、米国特許第4,689,338号(Gerster));1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(例えば、米国特許第5,446,153号(Lindstrom et al.));1H-イミダゾ[4,5-c][1,5]ナフチリジン-4-アミン(例えば、米国特許第6,194,425号(Gerster et al.));チアゾロ[4,5-c]キノロン-4-アミン及びオキサゾロ[4,5-c]キノロン-4-アミン(例えば、米国特許第6,110,929号(Gerster et al.));6,7,8,9-1H-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(例えば、米国特許第5,352,784号(Nikolaides et al.));2H-ピラゾロ[3,4-c]キノロン-4-アミン(例えば、米国特許第7,544,697号(Hays et al.));並びにN-1及び2置換1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(例えば、米国特許第6,331,539号(Crooks et al.)、同第6,451,810号(Coleman et al.)、同第6,664,264号(Dellaria et al.)、同第8,691,837号(Krepski et al.)、同第8,088,790号(Kshirsagar et al.)、同第8,673,932号(Kshirsagar et al.)、同第8,697,873号(Krepski et al.)、同第7,915,281号(Moser et al.))。
【発明の概要】
【0004】
ヒト及び動物におけるサイトカイン生合成の誘導に有用となり得る新規化合物を開示する。このような化合物は、次式I:
【化1】
[式中、R、R1、R2、R3、R4、X、及びnは下記定義のとおりである]のものである。
【0005】
ラセミ体(式VI)も開示する[式中、R、R1、R2、R3、R4、X、及びnは下記定義のとおりである]。
【化2】
【0006】
式I及び式VIの化合物及び塩、例えば、製薬上許容される塩は、ヒト又は動物に投与した場合に、サイトカイン生合成を誘導し(例えば少なくとも1種のサイトカインの合成を誘導する)、また他の方法で免疫応答を調節する能力があることから、免疫応答調節剤として使用することができる。そのため、この化合物は、こうした免疫応答の変化に応答するウイルス性疾患及び腫瘍などの様々な状態の処置に使用することができる。この化合物は、ワクチンと組み合わせて投与する場合、ワクチンアジュバントとして使用することもできる。
【0007】
式Iの化合物又は式VIの化合物の有効量(製薬上許容されるその塩を含む)を含有する医薬組成物を開示する。
【0008】
式Iの化合物若しくは式VIの化合物及び/又は製薬上許容されるその塩をヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法、ヒト又は動物におけるウイルス性疾患を処置する方法、及びヒト又は動物における腫瘍性疾患を処置する方法も開示する。
【0009】
式Iの化合物及び式VIの化合物を合成する方法を提供する。
【0010】
上記の本発明の概要は、本発明の開示される各実施形態又は全ての実施の記載することを意図するものではない。以下の記載は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。以下の記載の全体を通し、いくつかの箇所において、様々に組み合わせて使用することのできる複数の実施例を列挙することで指針を提供する。いずれの場合でも、記載した列挙は、代表的な群としての役割を果たすのみであり、全てを網羅する列挙として解釈してはならない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用するとき、「a(1つの)」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」、及び「1つ以上」は、互換的に使用され、単数のみが明確に要求されている場合又は状況から明白に必要とされる場合を除き、単数及び複数の両方を包含することを意図する。
【0012】
本明細書で使用するとき、「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で特定の利益を提供し得る、本開示の実施形態を指す。しかし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況において好ましい場合がある。更にまた、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から排除することを意図するものでもない。
【0013】
「Ph」は、フェニル基の略称として使用される。
【0014】
「BOC」は、-C(O)OC(CHの略称として使用される。
【0015】
「CBZ」は、-C(O)OCHPhの略称として使用される。
【0016】
本明細書で使用するとき、「製薬上許容される担体」は、1種以上の本開示の化合物又は塩の治療有効量を、選択した投与経路によって対象に送達でき、対象によって概ね耐容され、かつ許容可能な毒性プロファイル(好ましくは、投与用量で微毒~無毒)を有する担体を含む。いくつかの好適な製薬上許容される担体は、Remington’s Pharmaceutical Science,18thEdition(1990),Mack Publishing Co.に記載されており、当業者は容易に選択できる。
【0017】
「治療有効量」及び「有効量」は、サイトカイン誘導、免疫調節、抗腫瘍活性、及び/又は抗ウイルス活性などの治療的又は予防的効果を誘導するのに十分な化合物又は塩の量と定義される。
【0018】
「処置する」、「処置」、又はそれらのバリエーションは、状態に関する症状又は兆候を、任意の程度で低減する、進行を制限する、改善する、予防する、又は解消することを指す。
【0019】
「改善する」及び「改善」は、症状又は特定の状態の臨床的特徴の範囲、重症度、頻度、及び/又は可能性における任意の低減を指す。
【0020】
「抗原」は、ある程度免疫特異的な方法で、抗体によって結合され得る任意の物質を指す。
【0021】
用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、及び接頭辞「アルキ(ケ)」は、直鎖基、分枝鎖基、環状基、及びこれらの組み合わせ、例えば、シクロアルキル及びシクロアルケニルを含む。アルキル基は、飽和脂肪族炭化水素である。アルケニル基は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素である。アルキニル基は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素である。特に断らない限り、これらの基は1~20個の炭素原子を含有し、アルケニル基は2~20個の炭素原子を含有し、アルキニル基は2~20個の原子を含有する。いくつかの実施形態では、これらの基は、合計で最大20個の炭素原子、最大18個の炭素原子、最大16個の炭素原子、最大14個の炭素原子、最大12個の炭素原子、最大10個の炭素原子、最大8個の炭素原子、最大3個の炭素原子、又は最大2個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、これらの基は、少なくとも1個の炭素原子、少なくとも2個の炭素原子、少なくとも3個の炭素原子、又は少なくとも4個の炭素原子を有する。環状基は、単環式であっても多環式であってもよく、好ましくは3~10個の環炭素原子を有する。代表的な環状基としては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、アダマンチル、並びに置換及び非置換のボルニル、ノルボルニル、及びノルボルネニルなどが挙げられる。
【0022】
用語「Cx-yアルキル」、「Cx-yアルコキシ」、「Cx-yアルキレン」は、X~Y個の炭素原子を有する直鎖基、分枝鎖基、環状基、及びこれらの組み合わせを含む。例えば、「C1-5アルキル」は、1個の炭素、2個の炭素、3個の炭素、4個の炭素、及び5個の炭素のアルキル基を含む。「C1-5アルキル」のいくつかの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、異性体ペンチル、シクロプロピル、シクロペンチル、-CH-シクロプロピルが挙げられる。
【0023】
特に断らない限り、「アルキレン」、「アルケニレン」、及び「アルキニレン」は、上記定義の「アルキル」、「アルケニル」、及び「アルキニル」のジラジカル(diradical)等価物である。用語「アルキレニル」、「アルケニレニル」、及び「アルキニレニル」は、それぞれ、「アルキレン」、「アルケニレン」、及び「アルキニレン」が置換されている場合に使用される。例えば、アルコキシアルキレニル基は、アルコキシ基が結合したアルキレン部分(例えば、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHOCHCHなど)を含む。更なる例として、ヒドロキシアルキレニル基は、ヒドロキシル基が結合したアルキレン部分(例えば、-CHOH、-CHCHOHなど)を含む。更に別の例として、アリールアルキレニル基は、アリール基が結合したアルキレン部分[例えば、-CHPh、-CHCHPhなど]を含む。
【0024】
1つ以上の-O-基が任意に「介在されていてもよい」炭素原子を有するアルキレン基とは、-O-の両側に炭素原子を有することを指す。例として、-CHCH-O-CHCH-、-CH-CH-O-CH-CH-O-CHCH-、-(CH2-4-(OCHCH-)1-5、-(CH2-6-(OCHCH-)1-4などが挙げられる。
【0025】
用語「アリール」は、本明細書で使用するとき、炭素環式芳香族環、又は環系を含む。アリール基の例としては、フェニル(本明細書では略称「Ph」で表される)、ナフチル、及びビフェニルが挙げられる。
【0026】
用語「アリーレン」、「-アリーレン-」、「ヘテロアリーレン」、及び「-ヘテロアリーレン-」は、上記定義の「アリール」基及び「ヘテロアリール」基のジラジカル等価物である。用語「アリーレニル」及び「ヘテロアリーレニル」は、「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」が置換されている場合に使用される。例えば、アルキルアリーレニル基は、アルキル基が結合したアリーレン部分(例えば、-Ph-CH)を含む。
【0027】
化合物の「塩」としては、製薬上許容される塩、例えば、Berge,Stephen M.「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Sciences,1977,66,pages 1-19に記載されている塩などが挙げられる。例えば、塩は、遊離塩基化合物(すなわち、塩形態でない化合物)を、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、パモ酸、キシナホ酸、及びシュウ酸などと反応させることによって調製できる。典型的な製薬上許容される塩としては、塩酸塩及び二塩酸塩が挙げられる。
【0028】
本開示は、次式I:
【化3】
[式中、R、R1、R2、R3、R4、X、及びnは、下記定義のとおりである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0029】
式Iの化合物及び塩、例えば、製薬上許容される塩について、
Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及び-C(O)-O-アルキルからなる群から選択され、
nは、0又は1の整数であり、
Xはアルキレンであり、このアルキレン基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、
R2は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択され、
R3はアルキルであり、このアルキル基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R4は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソプロピルからなる群から選択される。
【0030】
式Iのいくつかの実施形態では、nは0である。
【0031】
式Iのいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、及び-C(O)-O-C1-5アルキルからなる群から選択される。
【0032】
式Iのいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択される。
【0033】
式Iのいくつかの実施形態では、Rはハロゲンである。
【0034】
式Iのいくつかの実施形態では、Rは、ヒドロキシ、F、及びClからなる群から選択される。
【0035】
式Iのいくつかの実施形態では、R1は、-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルである。
【0036】
式Iのいくつかの実施形態では、R1は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCHCHCHCH、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択される。
【0037】
式Iのいくつかの実施形態では、R1は、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択される。
【0038】
式Iのいくつかの実施形態では、R1は、-CHOCH、-CHOCHCHからなる群から選択される。
【0039】
式Iのいくつかの実施形態では、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。
【0040】
式Iのいくつかの実施形態では、R2は水素である。
【0041】
式Iのいくつかの実施形態では、R2は、水素、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCHからなる群から選択される。
【0042】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC1-19アルキルである。
【0043】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC1-4アルキルである。
【0044】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC5-17アルキルである。
【0045】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC7-19アルキルである。
【0046】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC7-17アルキルである。
【0047】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC9-19アルキルである。
【0048】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC9-17アルキルである。
【0049】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC11-17アルキルである。
【0050】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC11-15アルキルである。
【0051】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC7-11アルキルである。
【0052】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC19アルキルである。
【0053】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC17アルキルである。
【0054】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC15アルキルである。
【0055】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC13アルキルである。
【0056】
式Iのいくつかの実施形態では、R3はC11アルキルである。
【0057】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-(CH4-18CHである。
【0058】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-(CH6-16CHである。
【0059】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-(CH8-16CHである。
【0060】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-(CH10-16CHである。
【0061】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CH(CHCH、-CHCH(CH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH10CH、-CH(CH11CH、-CH(CH12CH、-CH(CH13CH、-CH(CH14CH、-CH(CH15CH、-CH(CH16CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される。
【0062】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CH(CHCH、-CHCH(CH、-CH(CHCH、-CH(CHCHからなる群から選択される。
【0063】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、-CH(CH13CH、-CH(CH15CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される。
【0064】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、及び-CH(CH13CHからなる群から選択される。
【0065】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CHCHである。
【0066】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CHCHである。
【0067】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CH11CHである。
【0068】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CH13CHである。
【0069】
式Iのいくつかの実施形態では、R3は、-CHCH-O-(CH1-16CH、-CHCHCH-O-(CH1-15CH、-CH(CHCH-O-(CH1-14CH、-CH(CHCH-O-(CH1-13CH、-CH(CHCH-O-(CH1-12CH、-CH(CHCH-O-(CH1-11CH、-CH(CHCH-O-(CH1-10CH、-CH(CHCH-O-(CH1-9CH、-CH(CHCH-O-(CH1-8CH、-CH(CHCH-O-(CH1-7CH、-CH(CH10CH-O-(CH1-6CH、-CH(CH11CH-O-(CH1-5CH、-CH(CH12CH-O-(CH1-4CH、-CH(CH13CH-O-(CH1-3CH、-CH(CH14CH-O-(CH1-2CH、-CH(CH15CH-O-CHCH、-CH(CH1-17-OCHからなる群から選択される。
【0070】
式Iのいくつかの実施形態では、R4は、水素及びメチルからなる群から選択される。
【0071】
式Iのいくつかの実施形態では、R4は水素である。
【0072】
式Iのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンである。
【0073】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているC1-8アルキレンである。
【0074】
式Iのいくつかの実施形態では、XはC1-8アルキレンである。
【0075】
式Iのいくつかの実施形態では、XはC2-6アルキレンである。
【0076】
式Iのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンである。
【0077】
式Iのいくつかの実施形態では、XはC2-4アルキレンである。
【0078】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCHCH-、-CHCH-O-CHCH-、及び-CHCH-O-CHCHCH-からなる群から選択される。
【0079】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される。
【0080】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-である。
【0081】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0082】
式Iのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0083】
式Iのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0084】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCH-からなる群から選択され、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0085】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH、-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0086】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC9-15アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0087】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC11-15アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0088】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、及び-CH(CH13CHからなる群から選択され、R4は水素であり、nは0である。
【0089】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CHCHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0090】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CHCHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0091】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CH11CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0092】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CH13CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0093】
式Iのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CH15CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0094】
式Iのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0095】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも80%鏡像体過剰率(80%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも90%鏡像体過剰率(90%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも95%鏡像体過剰率(95%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも97%鏡像体過剰率(97%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも98%鏡像体過剰率(98%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも99%鏡像体過剰率(99%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも99.5%鏡像体過剰率(99.5%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも99.8%鏡像体過剰率(99.8%ee)の鏡像体純度を有する。
【0096】
好ましい実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも95%ee、少なくとも97%ee、又は少なくとも98%eeの鏡像体純度を有する。
【0097】
下記の式II、III、IV、及びVの化合物は、式Iの化合物の調製のための中間体化合物として有用である。
【0098】
本開示は、次式II:
【化4】
[式中、R、R1、R2、R4、X、及びnは、式Iについて上記定義のとおりであり、R3aは、-OC(CH、-OCHPh、及び-OCH-(9-フルオレニル)からなる群から選択される]の中間体化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0099】
式IIのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される。
【0100】
式IIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-である。
【0101】
式IIのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1は、C1-5アルキル及び-C1~3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3aは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0102】
式IIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3aは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0103】
式IIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3aは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0104】
式IIのいくつかの実施形態では、Xは、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCH-からなる群から選択され、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3aは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0105】
式IIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3aは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0106】
式IIのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0107】
本開示は、次式III:
【化5】
[式中、R、R1、R2、R4、X、及びnは、式I及びIIについて上記定義のとおりであり、R3bは、アルキル、-OC(CH、-OCHPh、及び-OCH-(9-フルオレニル)からなる群から選択される]の中間体化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0108】
式IIIのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される。
【0109】
式IIIのいくつかの実施形態では、R3bは-C1-10アルキルである。
【0110】
式IIIのいくつかの実施形態では、R3bは-C10-20アルキルである。
【0111】
式IIIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-である。
【0112】
式IIIのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3bは、アルキル又は-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0113】
式IIIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0114】
式IIIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0115】
式IIIのいくつかの実施形態では、Xは、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCH-からなる群から選択され、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0116】
式IIIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0117】
式IIIのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0118】
本開示は、次式IV:
【化6】
[式中、R、R1、R4、X、R3b及びnは、式I及びIIIについて上記定義のとおりである]の中間体化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0119】
式IVのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される。
【0120】
式IVのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-である。
【0121】
式IVのいくつかの実施形態では、R3bは-C1-10アルキルである。
【0122】
式IVのいくつかの実施形態では、R3bは-C10-20アルキルである。
【0123】
式IVのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R3bは、アルキル又は-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0124】
式IVのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0125】
式IVのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0126】
式IVのいくつかの実施形態では、Xは、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCH-からなる群から選択され、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0127】
式IVのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R3bは-OC(CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0128】
式IVのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0129】
本開示は、次式V:
【化7】
[式中、R、R1、R2、X、及びnは、式I及びIIについて上記定義のとおりであり、R5は水素又は-NHである]の中間体化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0130】
式Vのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される。
【0131】
式Vのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-である。
【0132】
式Vのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R5は、水素又は-NHであり、nは0である。
【0133】
式Vのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R5は、水素又は-NHであり、nは0である。
【0134】
式Vのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R5は水素又は-NHであり、nは0である。
【0135】
式Vのいくつかの実施形態では、Xは、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCH-からなる群から選択され、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R5は水素又は-NHであり、nは0である。
【0136】
式Vのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R5は水素又は-NHであり、nは0である。
【0137】
式Vのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0138】
いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも80%鏡像体過剰率(80%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも90%鏡像体過剰率(90%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも95%鏡像体過剰率(95%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも97%鏡像体過剰率(97%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも98%鏡像体過剰率(98%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも99%鏡像体過剰率(99%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも99.5%鏡像体過剰率(99.5%ee)の鏡像体純度を有する。いくつかの実施形態では、式II~Vから選択される化合物は、少なくとも99.8%鏡像体過剰率(99.8%ee)の鏡像体純度を有する。
【0139】
本開示は、次式VI:
【化8】
[式中、R、R1、R2、R3、R4、X、及びnは、式Iについて上記定義のとおりである]の化合物、及び製薬上許容されるその塩を提供する。
【0140】
式VIのいくつかの実施形態では、nは0である。
【0141】
式VIのいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、及び-C(O)-O-C1-5アルキルからなる群から選択される。
【0142】
式VIのいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択される。
【0143】
式VIのいくつかの実施形態では、Rはハロゲンである。
【0144】
式VIのいくつかの実施形態では、Rは、ヒドロキシ、F、及びClからなる群から選択される。
【0145】
式VIのいくつかの実施形態では、R1は、-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルである。
【0146】
式VIのいくつかの実施形態では、R1は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCHCHCHCH、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択される。
【0147】
式VIのいくつかの実施形態では、R1は、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択される。
【0148】
式VIのいくつかの実施形態では、R1は、-CHOCH、-CHOCHCHからなる群から選択される。
【0149】
式VIのいくつかの実施形態では、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される。
【0150】
式VIのいくつかの実施形態では、R2は水素である。
【0151】
式VIのいくつかの実施形態では、R2は、水素、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCHからなる群から選択される。
【0152】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC1-19アルキルである。
【0153】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC1-4アルキルである。
【0154】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC5-17アルキルである。
【0155】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC7-19アルキルである。
【0156】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC7-17アルキルである。
【0157】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC9-19アルキルである。
【0158】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC9-17アルキルである。
【0159】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC11-17アルキルである。
【0160】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC11-15アルキルである。
【0161】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC7-11アルキルである。
【0162】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC19アルキルである。
【0163】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC17アルキルである。
【0164】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC15アルキルである。
【0165】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC13アルキルである。
【0166】
式VIのいくつかの実施形態では、R3はC11アルキルである。
【0167】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-(CH4-18CHである。
【0168】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-(CH6-16CHである。
【0169】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-(CH8-16CHである。
【0170】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-(CH10-16CHである。
【0171】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CH(CHCH、-CHCH(CH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH10CH、-CH(CH11CH、-CH(CH12CH、-CH(CH13CH、-CH(CH14CH、-CH(CH15CH、-CH(CH16CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される。
【0172】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CH(CHCH、-CHCH(CH、-CH(CHCH、及び-CH(CHCHからなる群から選択される。
【0173】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、-CH(CH13CH、-CH(CH15CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される。
【0174】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、及び-CH(CH13CHからなる群から選択される。
【0175】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CHCHである。
【0176】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CHCHである。
【0177】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CH11CHである。
【0178】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は-CH(CH13CHである。
【0179】
式VIのいくつかの実施形態では、R3は、-CHCH-O-(CH1-16CH、-CHCHCH-O-(CH1-15CH、-CH(CHCH-O-(CH1-14CH、-CH(CHCH-O-(CH1-13CH、-CH(CHCH-O-(CH1-12CH、-CH(CHCH-O-(CH1-11CH、-CH(CHCH-O-(CH1-10CH、-CH(CHCH-O-(CH1-9CH、-CH(CHCH-O-(CH1-8CH、-CH(CHCH-O-(CH1-7CH、-CH(CH10CH-O-(CH1-6CH、-CH(CH11CH-O-(CH1-5CH、-CH(CH12CH-O-(CH1-4CH、-CH(CH13CH-O-(CH1-3CH、-CH(CH14CH-O-(CH1-2CH、-CH(CH15CH-O-CHCH、-CH(CH1-17-OCHからなる群から選択される。
【0180】
式VIのいくつかの実施形態では、R4は、水素及びメチルからなる群から選択される。
【0181】
式VIのいくつかの実施形態では、R4は水素である。
【0182】
式VIのいくつかの実施形態では、Xはアルキレンである。
【0183】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているC1-8アルキレンである。
【0184】
式VIのいくつかの実施形態では、XはC1-8アルキレンである。
【0185】
式VIのいくつかの実施形態では、XはC2-6アルキレンである。
【0186】
式VIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンである。
【0187】
式VIのいくつかの実施形態では、XはC2-4アルキレンである。
【0188】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCHCH-、-CHCH-O-CHCH-、及び-CHCH-O-CHCHCH-からなる群から選択される。
【0189】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される。
【0190】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-である。
【0191】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0192】
式VIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0193】
式VIのいくつかの実施形態では、XはC2-5アルキレンであり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0194】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCH-からなる群から選択され、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0195】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC7-17アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0196】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC9-15アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0197】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3はC11-15アルキルであり、R4は水素であり、nは0である。
【0198】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、及び-CH(CH13CHからなる群から選択され、R4は水素であり、nは0である。
【0199】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CHCHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0200】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CHCHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0201】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CH11CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0202】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CH13CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0203】
式VIのいくつかの実施形態では、Xは-CHCHCH-であり、R1は、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2は水素であり、R3は-CH(CH15CHであり、R4は水素であり、nは0である。
【0204】
式VIのいくつかの実施形態では、化合物は、塩の形態で存在する。塩は、典型的には、製薬上許容される塩である。最も一般的には、塩は、塩酸塩又は二塩酸塩である。
【0205】
式I、II、III、V、及びVIの化合物について、置換基Rは、好ましくは、イミダゾ[4,5-c]キノリン環のC-7又はC-8のいずれかに結合している。R置換基は、最も好ましくは、イミダゾ[4,5-c]キノリン環のC-7に結合している。イミダゾ[4,5-c]キノリン環についての番号付けを図Aに示す。
【化9】
【0206】
式I又は式VIの例示的な化合物を、表1~24に示す。表1~24において、各行は、定義されたn、R1、R2、R3、R4、及びXを有する特定の化合物を表す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【0207】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つからなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0208】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は、-CHOCH又は-CHOCHCHであり、R2は、水素、メチル、又はエチルであり、R3はC5-19アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0209】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は、-CHOCH又は-CHOCHCHであり、R2は、水素、メチル、又はエチルであり、R3はC9-17アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0210】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は-CHOCHCHであり、R2は水素であり、R3はC5-19アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0211】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は-CHOCHCHであり、R2は水素であり、R3はC9-17アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0212】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は-CHOCHCHであり、R2は-CHであり、R3はC5-19アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0213】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は-CHOCHCHであり、R2は-CHであり、R3はC9-17アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0214】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は-CHOCHCHであり、R2は-CHCHであり、R3はC5-19アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0215】
本開示は、式I及び式VI[式中、nは0であり、R1は-CHOCHCHであり、R2は-CHCHであり、R3はC9-17アルキルであり、R4は水素であり、Xは-CHCHCH-である]からなる群から選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。
【0216】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つから選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてIFN-α生合成を誘導する方法を提供する。
【0217】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つから選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてIFN-γ生合成を誘導する方法を提供する。
【0218】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つから選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてTNF-α生合成を誘導する方法を提供する。
【0219】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つから選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてIP-10生合成を誘導する方法を提供する。
【0220】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つから選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてウイルス性疾患を処置する方法を提供する。
【0221】
本開示は、式I及び式VIの上記実施形態のいずれか1つから選択される化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物において腫瘍性疾患を処置する方法を提供する。
【0222】
本開示の化合物は、特に本明細書に含まれる記載を考慮することで、化学技術分野において周知のプロセスに類似したプロセスを含む合成経路によって合成することができる。出発物質は、Sigma-Aldrich Company(St.Louis,Mo)のような商業的供給源から一般に入手可能であり、又は当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1~26,Wiley,New York;Alan R.Katritsky,Otto Meth-Cohn,Charles W.Rees,Comprehensive Organic Functional Group Transformations,v 1~6,Pergamon Press,Oxford,England,(1995);Barry M.Trost and Ian Fleming,Comprehensive Organic Synthesis,v.1~8,Pergamon Press,Oxford,England,(1991);又はBeilsteins Handbuch der Organischen Chemie,4,Aufl.Ed.Springer-Verlag,Berlin,Germany(補遺を含む)(Beilsteinオンラインデータベースからも入手可能)に概ね記載されている方法によって調製される)。
【0223】
本開示の化合物は、例えば、反応スキームI及びII[式中、X、R、R2、R3、及びnは上記のとおりである]によって調製することができる。反応スキームIの工程(1)において、式Xの好適なジアミノアルキルカルボン酸(例えば、(S)-2,3-ジアミノプロピオン酸、(S)-2,4-ジアミノブタン酸、L-オルニチン、L-リジン、(S)-2,7-ジアミノヘプタン酸、(S)-2,8-ジアミノオクタン酸など)は、Masiukiewicz,Organic Preparations and Procedures International(OPPI),volume 34,2002,pages 531-537に記載されている一般手順によって、BOC基及びCBZ基で保護することができる。式Xの化合物を、酢酸銅(II)の水中溶液と反応させ、続いてアセトン中のジ-tert-ブチルカーボネート(BOC-無水物)の溶液と、次いで8キノリノールと反応させることができる。工程(2)において、次いで、得られた混合物をN-ヒドロキシスクシンイミド、炭酸ナトリウム、及びベンジルクロロカーボネート(CBZ-Cl)の溶液と順次反応させて、式XIの化合物をもたらすことができる。式XIのカルボン酸部分を、工程(3)において、この化合物をエチルクロロホルメート及び第三級アミンと反応させ、混合無水物を形成することによって、第一級アルコール(式XII)に還元することができ、混合無水物は続いて、NaBHで還元することができる。式XIIの化合物を、次いで、工程(4)において、例えば、ジアルキルサルフェート又はアルキルハライドなどのアルキル化剤と反応させることができる。得られた式XIIIのエーテルを、工程(5)において、水素及び炭素担持触媒パラジウムを使用して脱保護し、CBZが脱保護された式XIVの化合物をもたらすことができる。
【0224】
反応スキームIIでは、式XVの4-クロロ-3-ニトロキノリンを、工程(6)において、式XIVの化合物と反応させて、式XVIの3-ニトロキノリン-4-アミンをもたらす。反応は、トリエチルアミンなどの第三級アミンの存在下、式XIVのアミンを、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中の式XVの溶液に添加することによって行うことができる。式XVIは、式IVの実施形態である。式XVの4-クロロ-3-ニトロキノリン化合物及び置換類似体は、既知の化合物である(例えば、米国特許第3,700,674号(Diehl et al.)、同第5,389,640号(Gerster et al.)、同第6,110,929号(Gerster et al.)、同第7,923,560号(Wightman et al.)、及びそれらにおいて引用されている参考文献を参照されたい)。多くの場合、式XVの置換類似体(例えば、n=1であり、Rはハロゲン、アルコキシ、又はベンジルオキシ基である)は、市販の置換アニリンから出発して調製することができる。
【0225】
反応スキームIIの工程(7)において、式XVIのニトロ基を、アミノ基に還元することができる。還元は、水素、触媒量の炭素担持パラジウム又は炭素担持白金、及びメタノール又はアセトニトリルなどの溶媒を使用して、圧力ボトル内で行うことができる。反応は、Parr装置によって行うことができる。反応スキームIIの工程(8)において、得られた3,4-ジアミン化合物をカルボン酸(R2COH)と反応させて、式XVIIの1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンをもたらすことができる。カルボン酸の好適な等価物としては、塩化アシル、チオエステル、及び1,1-ジアルコキシアルキルアルカノエートが挙げられる。カルボン酸又は等価物は、式XVIIの化合物に所望のR2置換基をもたらすように選択する。例えば、トリエチルオルトホルメートは、R2が水素である化合物をもたらし、トリメチルオルトバレレートは、R2がn-ブチルである化合物をもたらすであろう。反応は、溶媒なし、又は不活性溶媒によって行うことができる。任意に、ピリジン塩酸塩などの触媒を含むことができる。式XVIIは、式IIIの実施形態である。
【0226】
反応スキームIIの工程(9)において、N-オキシドを形成することができる従来の酸化剤を使用し、式XVIIの1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンを酸化して、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-5N-オキシドをもたらすことができる。好ましくは、式XVIIの化合物のクロロホルム又はジクロロメタンなどの好適な溶媒中の溶液を、周囲温度で3-クロロ過安息香酸と反応させる。
【0227】
反応スキームIIの工程(10)において、N-オキシド化合物をアミノ化し、式XVIIIの1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンをもたらすことができる。工程(10)は、ジクロロメタン又はクロロホルムなどの不活性溶媒中で、N-オキシド化合物を、アシル化剤及びアミノ化剤とを反応させることを含む。好適なアシル化剤としては、ベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、又はパラトルエンスルホニルクロリドなどの、アルキルスルホニルクロリド又はアリールスルホニルクロリドが挙げられる。水酸化アンモニウムは、好適なアミノ化剤である。式XVIIIは、式IIの実施形態である。
【0228】
反応スキームIIの工程(11)において、加熱しながらエタノール中の濃塩化水素酸を使用し、BOC保護基を除去して、式XIXの化合物をもたらすことができる。式XIXは、式Vの実施形態である。
【0229】
反応スキームIIの工程(12)において、式XIXの1H-イミダ[4,5-c]キノリン-4-アミンを、従来の合成方法を使用して式XXのアミドに変換する。例えば、式XIXの化合物を、不活性溶媒(ジクロロメタン又はN,N-ジメチルホルムアミドなど)及び第三級アミン(トリエチルアミンなど)中、好適なカルボン酸クロリド(R3C(O)Cl)と反応させることができる。カルボン酸クロリドは、式XXの化合物に所望のR3置換基をもたらすように選択する。式XXは、式Iの実施形態である。
【化10】
【0230】
本開示の化合物は、反応スキームIIにおける反応工程の順序を、反応スキームIIIに示すように変更した代替的な合成経路によっても合成され得る。式XVIIの化合物から出発して、合成工程(11)及び(12)を、合成工程(9)及び(10)の前に実行する。式XXIは式Vの実施形態であり、式XXは式Iの実施形態である。
【化11】
【0231】
反応スキームIIの進行中間化合物XVIIは、反応スキームIVによって化合物XIIから調製することができる。反応スキームIVの工程(13)において、水素及び炭素担持触媒パラジウムを使用して、化合物XIIからCBZ保護基を除去し、式XXIIIの化合物をもたらすことができる。反応スキームIVの工程(14)において、4-クロロ-3-ニトロキノリン(式XV)を、式XXIIIの化合物と反応させて、式XXIVの3-ニトロキノリン-4-アミンをもたらすことができる。反応は、トリエチルアミンなどの第三級アミンの存在下、式XXIIIのアミンを、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中の式XVの溶液に添加することによって行うことができる。反応スキームIVの工程(15)において、式XXIVのニトロ基はアミノ基に還元される。反応は、水素、触媒量の炭素担持パラジウム又は炭素担持白金、及びメタノール又はアセトニトリルなどの溶媒を使用して、圧力ボトル内で行うことができる。反応は、Parr装置によって行うことができる。反応スキームIVの工程(16)において、得られた3,4-ジアミン置換化合物を、反応スキームIIの工程(8)について記載した方法によって、カルボン酸又はカルボン酸等価物と反応させることができる。反応スキームIVの工程(17)において、式XXVの化合物のアルコール置換基を、例えば、ジアルキルサルフェート又はアルキルハライドなどのアルキル化剤と反応させて、式XVIIの化合物を形成することができる。
【化12】
【0232】
工程(12)の前に、アルキルアルデヒド[R4C(O)H]を使用する、反応スキームIIのアルキルアミンXIX又は反応スキームIIIのアルキルアミンXXIの還元的アミノ化を使用して、R4がアルキルである記載の化合物(上述)を生成することができる。
【0233】
本開示の化合物は、式Xの出発α-アミノ酸化合物を、β-アミノ酸化合物、例えば(S)-3,4-ジアミノブタン酸、(S)-β-リジン、(S)-β-ホモリジン、又はβ-アミノ酸のアミン保護類似体などで置き換えて、反応スキームI~IVによって調製することができる。
【0234】
本開示の式VIの化合物は、式Xのジアミノアルキルカルボン酸のラセミバージョンを使用することによって、反応スキームI及びIIの手順から調製することもできる。
【0235】
式Iの化合物は、高い鏡像体純度を有する式Xのジアミノアルキルカルボン酸で反応スキームを開始することによって、調製することができる。あるいは、ジアミノアルキルカルボン酸のラセミ混合物、又は低鏡像体純度のジアミノアルキルカルボン酸(例えば、10~70%の鏡像体過剰率)を使用することができ、最終生成物は、鏡像体の混合物を分割するための任意の好適な手順を使用して、所望の式Iの鏡像体として最終生成物を単離する。鏡像体の混合物を分割するための周知の方法は、キラル固定相(chiral stationary phase、CSP)を有するカラムを使用したHPLCクロマトグラフィーである。鏡像体の混合物を分割するための別の標準的な方法には、混合物を光学的に純粋なカルボン酸と反応させて、例えば再結晶法又はクロマトグラフィー法によって、容易に分離することができるジアステレオマー塩を形成することが関与する。遊離塩基の再生によって、分割プロセスが完了する。高い鏡像体純度で利用可能な分割剤の例としては、限定するものではないが、(+)-酒石酸、(-)-マンデル酸、(-)-リンゴ酸、(+)-カンファー-10-スルホン酸、及び(+)-2,3-ジベンゾイル酒石酸が挙げられる。必要な場合、所望の鏡像体純度を達成するため、異なるタイプの分割工程を組み合わせることができ、複数の分割工程を利用することができる。鏡像体純度は、鏡像体過剰率(%ee)として表される。異性体の分割の方法は、参考文献:Y.Okamoto,Chemical Society Reviews,2008,37,pages 2593-2608、G.Gubitz,Biopharmaceutics and Drug Disposition,2001,22,pages 291-336、及びS.Mane,Analytical Methods,2016,8,pages 7567-7586に記載されている。
【0236】
加えて、式II~Vの化合物は、上記の好適な分割法を使用して、ラセミ混合物又は低い鏡像体純度の混合物から調製することができる。
【0237】
本開示の化合物の調製において、中間体化合物の特定の官能基を保護しながら、他の官能基を反応させることが必要となり得ることは、当業者に理解される。このような保護の必要性は、特定の官能基の性質及び特定の反応工程の条件に応じて異なる。官能基の保護及び脱保護のための反応のレビューは、P.G.M.Wuts,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,USA,2014に見出すことができる。
【0238】
分離及び精製の従来の方法及び技法を使用して、本開示の組成物に使用するIRM化合物を単離することができる。このような技法としては、例えば、あらゆるタイプのクロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography、HPLC)、シリカゲルなどの一般的な吸着剤を使用するカラムクロマトグラフィー、及び薄層クロマトグラフィー)、再結晶化、並びに分別(すなわち、液-液)抽出法を挙げることができる。
【0239】
本開示の化合物の鏡像体過剰率は、ガスクロマトグラフィー又はキラル固定相(CSP)を有するカラムによるHPLCなど、標準分析アッセイを使用して決定することができる。CSPを有する好適なカラムは、Chiral Technologies,Inc.(Westchester,PA)から入手可能である。
【0240】
鏡像体過剰率(%ee)は、等式1によって算出する。
【数1】
【0241】
鏡像体過剰率(ee%)は、等式2によって、多い方の鏡像体と少ない方の鏡像体とのシグナルのピーク面積を比較することによって、キラルHPLCクロマトグラムから算出することができる。
【数2】
【0242】
本開示の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で開裂できる官能基を化合物に結合することによっても調製できる。典型的には、開裂可能な官能基は、様々な機構(化学的変換(例えば、加水分解)又は酵素的変換など)によってin vivoで開裂し、本開示の化合物を生じることになる。プロドラッグの使用の考察は、T.Higuchi and W.Stella.「Prodrugs as Novel Delivery Systems」vol.14 of the ACS Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987によって提供される。
【0243】
医薬組成物及び生物活性
本開示の医薬組成物も想到される。本開示の医薬組成物は、本開示(本明細書に記載)の化合物又は塩の治療有効量を、製薬上許容される担体と組み合わせて含有する。
【0244】
式I又は式VIの化合物は、対象(ヒト又は動物)への投与に好適な任意の医薬組成物中に提供してもよく、任意の好適な形態で(例えば、溶液、懸濁液、エマルション、又は任意の形態の混合物として)、医薬組成物中に存在してもよい。医薬組成物は、任意の製薬上許容される賦形剤、担体、又はビヒクルによって製剤化され得る。いくつかの実施形態では、製薬上許容される担体は、水(例えば、リン酸緩衝生理食塩水又はクエン酸緩衝生理食塩水)を含む。いくつかの実施形態では、製薬用担体は、油(例えば、トウモロコシ油、ゴマ油、綿実油、ダイズ油、又はベニバナ油)を含む。医薬組成物は、懸濁化剤、界面活性剤、分散剤、及び防腐剤(酸化防止剤など)を含めた1種以上の添加剤を更に含んでもよい。
【0245】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式I又は式VIの化合物を、均質に分散した製剤中に組み込むことができる。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式I又は式VIの化合物を、乳化製剤中に組み込むことができる。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式I又は式VIの化合物を、水中油型製剤中に組み込むことができる。水中油型製剤は、油成分、水性成分、及び1種以上の界面活性剤を含むことができる(例えば、ダイズ油、TWEEN 80、SPAN 85、及びリン酸緩衝生理食塩水を含む製剤)。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式I又は式VIの化合物を、リポソーム製剤中に組み込むことができる。
【0246】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗原に対する免疫応答を発生させるのに有効な量で、抗原を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、抗原はワクチンである。
【0247】
医薬組成物は、任意の好適な方法(非経口又は非経口ではない方法)で投与することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮内、皮下、筋肉内、又は静脈内への注射によって投与することができる。
【0248】
式Iの化合物を含む医薬組成物の任意の実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも80%の鏡像体過剰率、少なくとも90%の鏡像体過剰率、少なくとも95%の鏡像体過剰率、少なくとも96%の鏡像体過剰率、少なくとも96%の鏡像体過剰率、少なくとも97%の鏡像体過剰率、少なくとも98%の鏡像体過剰率、少なくとも99%の鏡像体過剰率、少なくとも99.5%の鏡像体過剰率、又は少なくとも99.8%の鏡像体過剰率で、組成物中に存在する。
【0249】
式Iの化合物を含む医薬組成物の好ましい実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも95%の鏡像体過剰率、少なくとも96%の鏡像体過剰率、少なくとも97%の鏡像体過剰率、又は少なくとも98%の鏡像体過剰率で存在する。
【0250】
式Iの化合物を含む医薬組成物の任意の実施形態では、式Iの化合物と反対の鏡像体は、10%未満、5%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、又は0.1%未満で、組成物中に存在する。
【0251】
式Iの化合物を含む医薬組成物の好ましい実施形態では、式Iの化合物と反対の鏡像体は2.5%未満、2%未満、1.5%未満、又は1%以下で存在する。
【0252】
本開示の医薬組成物に使用する化合物又は塩の正確な量は、化合物又は塩の物理化学的性質、担体の性質、及び意図される投与レジメンなどの当業者に既知の要因によって変動するであろう。
【0253】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物又は式VIの化合物の濃度は、約0.05~2.4mg/mLであり得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物又は式VIの化合物の濃度は、約0.0005~0.06mg/mLであり得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物又は式VIの化合物の濃度は、約0.0005~0.01mg/mLであり得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物又は式VIの化合物の濃度は、約0.001~0.01mg/mLであり得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物又は式VIの化合物の濃度は、約0.0005~0.005mg/mLであり得る。
【0254】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、約100ナノグラム毎キログラム(ng/kg)~約50ミリグラム毎キログラム(mg/kg)、好ましくは約10マイクログラム毎キログラム(ng/kg)~約5mg/kgの用量の化合物又は塩を対象に提供するのに十分な活性成分又はプロドラッグを含有するであろう。
【0255】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、例えば、Dubois法によって計算して約0.01mg/m~約5.0mg/mの用量を提供するのに十分な活性成分又はプロドラッグを含有し(この方法では、対象の体表面積(m)を対象の体重を使用して計算する:m=(体重kg0.425×身長cm0.725)×0.007184)、ただしいくつかの実施形態では、本方法は、この範囲に入らない用量の化合物若しくは塩又は組成物を投与することによって実行してもよい。これらの実施形態のいくつかでは、本方法は、約0.1mg/m~約2.0mg/mの用量、例えば、約0.4mg/m~約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物を投与することを含む。
【0256】
種々の剤形を、本開示の化合物又は塩を、ヒト又は動物に投与するために使用してもよい。使用することができる剤形としては、例えば、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、非経口製剤、クリーム剤、軟膏剤、局所ゲル剤、エアロゾル製剤、液体製剤(例えば、水性製剤)、及び経皮パッチなどが挙げられる。これらの剤形は、従来の製薬上許容される担体及び添加剤と共に、従来の方法を使用して調製することができ、従来の方法は、概ね、活性成分を担体と合わせる工程を含む。好ましい剤形は、水性製剤中に溶解した、本開示の化合物又は塩のうちの1種以上を有する。
【0257】
本明細書に開示する化合物又は塩は、実施例の記載に準拠して実行した実験において、特定のサイトカインの産生を誘導する。これらの結果は、この化合物又は塩が、複数の異なる方法で免疫応答を増強するのに有用であり、そのため種々の疾病の処置に有用であることを示す。
【0258】
本明細書に記載の化合物若しくは塩は、処置レジメンにおいて単一の治療剤として投与することができ、又は本明細書に記載の化合物若しくは塩を、抗ウイルス剤、抗生物質、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、抗体などを含めた、他の活性剤と組み合わせて投与してもよい。
【0259】
本明細書に記載の化合物又は塩は、下記の試験により実行した実験において、サイトカイン(例えば、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IP-10)の産生を誘導する。これらの結果は、本開示の化合物又は塩が、複数の異なる方法で免疫応答を活性化するのに有用であり、そのため種々の疾病の処置に有用であることを示す。それ故、本開示の化合物又は塩(特に式I及びVIの化合物又は塩)は、サイトカイン生合成及び産生のアゴニスト、特にIFN-α、IFN-γ、TNF-α、及びIP-10のサイトカイン生合成及び産生のアゴニストである。
【0260】
本開示の化合物又は塩(特に式I及びVIの化合物又は塩)がサイトカイン産生を誘導する1つの方法は、免疫システムにおけるToll様受容体(Toll-like receptor、TLR)、特にTLR-7及び/又はTLR-8の活性化によるものと考えられるが、他の機構も関与し得る。サイトカイン誘導の免疫システム経路(すなわち、機構)において、本開示の化合物又は塩(式I及びVI)は、主にTLR-7及び/又はTLR-8のアゴニストとして作用すると考えられるが、他の経路又は活性も関与し得る。
【0261】
本明細書に記載の化合物又は塩の投与は、細胞において、インターフェロン-α(IFN-α)、インターフェロン-γ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、及びIP-10の産生を誘導することができる。本開示の化合物又は塩によって生合成を誘導できるサイトカインとしては、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IP-10、及びその他の種々のサイトカインが挙げられる。効果の中でもとりわけ、これらのサイトカインはウイルスの産生及び腫瘍細胞の増殖を阻害することができ、そのため、この化合物又は塩は、ウイルス性疾患及び腫瘍性疾患の処置に有用である。したがって、本開示は、本開示の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することによって、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法を提供する。サイトカイン産生の誘導のために化合物又は塩が投与されるヒト又は動物は、下記の1つ以上の疾患、疾病、又は状態、例えば、ウイルス性疾患又は腫瘍性疾患を有してもよく、化合物又は塩の投与は、治療的処置を提供し得る。あるいは、化合物又は塩の投与が予防的処置を提供し得るように、ヒト又は動物が疾患になる前に、化合物又は塩をヒト又は動物に投与してもよい。
【0262】
サイトカインの産生を誘導する能力に加えて、本明細書に記載の化合物又は塩は、自然免疫応答の他の側面にも影響し得る。例えば、ナチュラルキラー細胞の活性が刺激され得るが、これはサイトカイン誘導による効果と考えられる。化合物又は塩は、マクロファージも活性化する場合があり、これは次に一酸化窒素の分泌及び追加のサイトカインの産生を刺激する。加えて、化合物又は塩は、Bリンパ球の増殖及び分化を引き起こす場合がある。
【0263】
本明細書で特定する化合物若しくは塩又は組成物を処置に使用してもよい状態としては、限定するものではないが、
ウイルス性疾患、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV-I、HSV-II、CMV、若しくはVZV)、ポックスウイルス(例えば、天然痘若しくはワクシニアなどのオルソポックスウイルス、又は伝染性軟属腫)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルス若しくはエンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザ)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、及び呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus、RSV)、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポバウイルス(例えば、性器疣贅、尋常性疣贅、又は足底疣贅を引き起こすものなどのパピローマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス若しくはデングウイルス)、又はレトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)、エボラウイルスによる感染によって引き起こされる疾患。
【0264】
腫瘍性疾患、例えば、膀胱癌、子宮頚部形成異常、子宮頸癌、日光角化症、基底細胞癌、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、HPV関連頭頸部癌(例えば、HPV陽性中咽頭扁平上皮癌)、カポジ肉腫、黒色腫、扁平上皮癌、腎細胞癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病、食道癌、及びその他の癌;
アトピー性皮膚炎又は湿疹、好酸球増加、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、及びオメン症候群などのT2媒介性アトピー性疾患;
創傷修復に関連する疾患、例えば、ケロイド形成及び他のタイプの瘢痕化の阻害(例えば、慢性創傷を含めた創傷治療の促進)など;
マラリア、リーシュマニア症、クリプトスポリジア症、トキソプラズマ症、及びトリパノソーマ感染症を含むがこれらに限定されない寄生生物性疾患が挙げられる。
【0265】
加えて、本明細書に記載の化合物、塩、又は医薬組成物は、体液性免疫応答及び/又は細胞媒介性免疫応答のいずれかを増大させる任意の材料、例えば、腫瘍抗原(例えば、MAGE-3、NY-ESO-1);生きている、ウイルスイムノゲン、細菌イムノゲン、又は寄生生物のイムノゲン;不活化された、ウイルスイムノゲン、原生動物イムノゲン、真菌イムノゲン、又は細菌イムノゲン;トキソイド;毒素;多糖類;タンパク質;糖タンパク質;ペプチド;細胞ワクチン;DNAワクチン;自家ワクチン;組換えタンパク質などと併用するための、ワクチンアジュバントとして使用してもよい。
【0266】
本明細書で特定する化合物、塩、又は組成物のワクチンアジュバントとしての使用が有益となり得るワクチンの例としては、BCGワクチン、コレラワクチン、ペストワクチン、腸チフスワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、C型肝炎ワクチン、A型インフルエンザワクチン、B型インフルエンザワクチン、マラリアワクチン、パラインフルエンザワクチン、ポリオワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、流行性耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、黄熱病ワクチン、破傷風ワクチン、ジフテリアワクチン、ヘモフィルス・インフルエンザb型ワクチン、結核ワクチン、髄膜炎菌ワクチン及び肺炎球菌ワクチン、アデノウイルスワクチン、HIVワクチン、水痘ワクチン、サイトメガロウイルスワクチン、デング熱ワクチン、ネコ白血病ワクチン、家禽ペストワクチン、HSV-1ワクチン及びHSV-2ワクチン、豚コレラワクチン、日本脳炎ワクチン、呼吸器合胞体ウイルスワクチン、ロタウイルスワクチン、パピローマウイルスワクチン、黄熱病ワクチン、エボラウイルスワクチンが挙げられる。
【0267】
本明細書で特定する化合物、塩、又は医薬組成物は、大腸癌、頭頸部癌、乳癌、肺癌及び黒色腫に関連する腫瘍抗原と併用する場合に、ワクチンアジュバントとして特に有用であり得る。
【0268】
本明細書で特定する化合物、塩、又は医薬組成物は、低下した免疫機能を有する個体に特に有用であり得る。例えば、化合物、塩、又は組成物を、例えば、臓器移植患者、癌患者、及びHIV患者における細胞媒介性免疫の抑制後に発症する日和見感染症及び腫瘍の処置のために使用してもよい。
【0269】
上の疾患又は疾患のタイプの1つ以上、例えば、ウイルス性疾患又は腫瘍性疾患は、それを必要とする(疾患を有する)ヒト又は動物において、化合物、塩、又は組成物の治療有効量を、ヒト又は動物に投与することによって処置され得る。
【0270】
ヒト又は動物に、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物の有効量を、ワクチンアジュバントとして投与することによって予防接種されてもよい。一実施形態では、ヒト又は動物に予防接種する方法は、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物の有効量を、ワクチンアジュバントとしてヒト又は動物に投与することを含む。ワクチンアジュバントは、1つ以上の体液性免疫応答及び細胞媒介性免疫応答を増大させる材料と、それぞれを同じ組成物中に含むことによって、同時投与することができる。あるいは、ワクチンアジュバントと、体液性免疫応答及び/又は細胞媒介性免疫応答のいずれかを増大させる材料とが、別々の組成物中にあってもよい。
【0271】
本明細書で特定する化合物、塩、又は組成物は、獣医学用途において、予防的又は治療的ワクチンアジュバントとして使用されてもよい。本明細書で特定する化合物、塩、又は組成物は、例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、家禽(例えば、ニワトリ又はシチメンチョウ)などに投与してもよい。
【0272】
本明細書で特定する化合物若しくは塩又は組成物は、膀胱癌、子宮頚部形成異常、日光角化症、基底細胞癌、性器疣贅、ヘルペスウイルス感染症、又は皮膚T細胞リンパ腫を処置するための有効量をヒト又は動物を投与した場合に、特に有用であり得る。これらの状態について、本開示の化合物、塩、又は組成物の投与は、好ましくは局所的(すなわち、腫瘍、病変、疣贅、又は感染した組織などの表面への直接適用)である。
【0273】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物、塩、又は組成物、例えば、水性組成物の有効量を、少なくとも1つの膀胱腫瘍を有するヒト又は動物の膀胱に、膀胱内注入(例えば、カテーテルを使用する投与)によって投与する。
【0274】
サイトカイン生合成の誘導に有効な化合物又は塩の量は、典型的には、単球、マクロファージ、樹状細胞、及びB細胞などの1種以上の細胞タイプに、1種以上のサイトカイン、例えば、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、及びIP-10などを、これらのサイトカインのバックグラウンドレベルを超えて増大(誘導)された量で産生させるであろう。正確な用量は、当該技術分野において既知の要因によって変動するが、典型的には、約100ng/kg~約50mg/kg、好ましくは約10ng/kg~約5mg/kgの用量であろう。他の実施形態では、この量は、例えば、約0.01mg/m~約5.0mg/m(上記のDubois法によって計算)であり得るが、他の実施形態では、サイトカイン生合成の誘導は、この範囲に入らない用量で化合物又は塩を投与することによって実行してもよい。これらの実施形態のいくつかでは、本方法は、約0.1mg/m~約2.0mg/mの用量、例えば、約0.4mg/m~約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物若しくは塩又は組成物を投与することを含む。
【0275】
ヒト又は動物におけるウイルス感染症の処置方法、及びヒト又は動物における腫瘍性疾患の処置方法は、本明細書に記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含み得る。ウイルス感染症を処置又は阻害するための有効量とは、処置しないヒト又は動物と比較して、ウイルス性病変、ウイルス負荷、ウイルス産生速度、及び死亡率などのウイルス感染症の発現のうちの1つ以上の低減を引き起こす量であり得る。このような処置に有効である正確な量は、当該技術分野において既知の要因によって変動するが、通常は、約100ng/kg~約50mg/kg、好ましくは約10ng/kg~約5mg/kgの用量である。腫瘍性状態を処置するために有効な化合物又は塩の量は、腫瘍のサイズ又は腫瘍病巣の数の低減を引き起こす量であり得る。正確な量は、当該技術分野において既知の要因によって変動するが、典型的には、約100ng/kg~約50mg/kg、好ましくは約10ng/kg~約5mg/kgである。他の実施形態では、この量は典型的には、例えば、約0.01mg/m~約5.0mg/m(上記のDubois法によって計算)であるが、いくつかの実施形態では、サイトカイン生合成の誘導を、この範囲に入らない用量で化合物又は塩を投与することによって実行してもよい。これらの実施形態のいくつかでは、本方法は、約0.1mg/m~約2.0mg/mの用量、例えば、約0.4mg/m~約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物若しくは塩又は組成物を投与することを含む。
【0276】
実施形態
実施形態1は、式(I)
【化13】
[式中、
nは、0又は1の整数であり、
Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及び-C(O)-O-アルキルからなる群から選択され、
Xはアルキレンであり、このアルキレン基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、
R2は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択され、
R3はアルキルであり、このアルキル基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R4は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソプロピルからなる群から選択される]の化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0277】
実施形態2は、Rが、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、及び-C(O)-O-C1-5アルキルからなる群から選択される、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0278】
実施形態3は、Rが、ヒドロキシ、F、及びClからなる群から選択される、実施形態1又は2に記載の化合物又は塩である。
【0279】
実施形態4は、Rが、F及びClからなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0280】
実施形態5は、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0281】
実施形態6は、R4が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0282】
実施形態7は、R4が水素である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0283】
実施形態8は、Xがアルキレンである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0284】
実施形態9は、XがC1-8アルキレンである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0285】
実施形態10は、XがC1-5アルキレンである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0286】
実施形態11は、Xが、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCHCHCHCH-からなる群から選択される、実施形態1~9のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0287】
実施形態12は、Xが、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0288】
実施形態13は、Xが-CHCHCH-である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0289】
実施形態14は、R1が、-CHOCH又は-CHOCHCHである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0290】
実施形態15は、R1が-CHOCHCHである、実施形態1~14のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0291】
実施形態16は、R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0292】
実施形態17は、R2が水素である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0293】
実施形態18は、R3がC1-4アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0294】
実施形態19は、R3がC5-19アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0295】
実施形態20は、R3がC7-19アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0296】
実施形態21は、R3がC9-19アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0297】
実施形態22は、R3がC9-17アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0298】
実施形態23は、R3がC9-15アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0299】
実施形態24は、R3がC11-17アルキルである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0300】
実施形態25は、R3が、-CH(CH3-17CHからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0301】
実施形態26は、R3が、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、-CH(CH13CH、-CH(CH15CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0302】
実施形態27は、R3が、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、-CH(CH13CH、-CH(CH15CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0303】
実施形態28は、R3が、-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、-CH(CH13CH、-CH(CH15CH、及び-CH(CH17CHからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0304】
実施形態29は、R3が-CH(CHCHである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0305】
実施形態30は、R3が-CH(CHCHである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0306】
実施形態31は、R3が-CH(CH11CHである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0307】
実施形態32は、R3が-CH(CH13CHである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0308】
実施形態33は、R3が-CH(CH15CHである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0309】
実施形態34は、Xが、1つ以上の-O-基により任意に介在されているアルキレンであり、R1が、C1-5アルキル及び-C1~3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3がC7-17アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0310】
実施形態35は、XがC2-5アルキレンであり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3がC7-17アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0311】
実施形態36は、XがC2-5アルキレンであり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3がC7-17アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0312】
実施形態37は、Xが、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択され、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3がC7-17アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0313】
実施形態38は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3がC7-17アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0314】
実施形態39は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3がC9-15アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0315】
実施形態40は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3がC11-15アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0316】
実施形態41は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3が-CH(CHCH、-CH(CHCH、-CH(CH11CH、及び-CH(CH13CHからなる群から選択され、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0317】
実施形態42は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3が-CH(CHCHであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0318】
実施形態43は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3が-CH(CHCHであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0319】
実施形態44は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3が-CH(CH11CHであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0320】
実施形態45は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3が-CH(CH13CHであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0321】
実施形態46は、Xが-CHCHCH-であり、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が水素であり、R3が-CH(CH15CHであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態1に記載の化合物又は塩である。
【0322】
実施形態47は、製薬上許容される塩が塩酸塩である、実施形態1~46のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0323】
実施形態48は、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩の治療有効量を、製薬上許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物である。
【0324】
実施形態49は、化合物又は塩が、少なくとも80%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0325】
実施形態50は、化合物又は塩が、少なくとも90%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0326】
実施形態51は、化合物又は塩が、少なくとも95%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0327】
実施形態52は、化合物又は塩が、少なくとも97%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0328】
実施形態53は、化合物又は塩が、少なくとも98%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0329】
実施形態54は、化合物又は塩が、少なくとも99%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0330】
実施形態55は、化合物又は塩が、少なくとも99.5%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0331】
実施形態56は、化合物又は塩が、少なくとも99.8%の鏡像体過剰率で存在する、実施形態48に記載の医薬組成物である。
【0332】
実施形態57は、抗原を更に含む、実施形態48~56のいずれか1つに記載の医薬組成物である。
【0333】
実施形態58は、ヒト又は動物における感染性疾患の処置に使用するための、実施形態48~57のいずれか1つに記載の医薬組成物である。
【0334】
実施形態59は、ヒト又は動物におけるウイルス性、細菌性、真菌性、又は寄生生物性感染症の処置に使用するための、実施形態48~58のいずれか1つに記載の医薬組成物である。
【0335】
実施形態60は、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法である。
【0336】
実施形態61は、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてIFN-αの生合成を誘導する方法である。
【0337】
実施形態62は、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてIFN-γの生合成を誘導する方法である。
【0338】
実施形態63は、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてTNF-αの生合成を誘導する方法である。
【0339】
実施形態64は、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてIP-10の生合成を誘導する方法である。
【0340】
実施形態65は、ヒト又は動物における感染性疾患の処置において、ワクチンアジュバントとして使用するための、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0341】
実施形態66は、ヒト又は動物におけるウイルス性、細菌性、真菌性、又は寄生生物性感染症の処置において、ワクチンアジュバントとして使用するための、実施形態1~47のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0342】
実施形態67は、処置が治療的又は予防的処置である、実施形態65又は66に記載の化合物又は塩である。
【0343】
実施形態68は、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]アセトアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]プロパンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]-2-メチルプロパンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ブタンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]-3-メチルブタンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ペンタンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ヘキサンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]オクタンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ノナンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]デカンアミドからなる群から選択される化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0344】
実施形態69は、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ドデカンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]テトラデカンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ヘキサデカンアミドからなる群から選択される化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0345】
実施形態70は、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]オクタデカンアミド、
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]エイコサンアミド
からなる群から選択される化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0346】
実施形態71は、式(VI)
【化14】
[式中、
nは、0又は1の整数であり、
Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、及び-C(O)-O-アルキルからなる群から選択され、
Xはアルキレンであり、このアルキレン基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R1は、C1-5アルキル及び-C1-3アルキレン-O-C1-3アルキルからなる群から選択され、
R2は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、及びn-ブチル、-CHOCH、-CHOCHCH、及び-CHCHOCHからなる群から選択され、
R3はアルキルであり、このアルキル基は、1つ以上の-O-基により任意に介在されていてもよく、
R4は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソプロピルからなる群から選択される]の化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0347】
実施形態72は、Rが、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、及び-C(O)-O-C1-5アルキルからなる群から選択される、実施形態71に記載の化合物又は塩である。
【0348】
実施形態73は、Rが、ヒドロキシ、F、及びClからなる群から選択される、実施形態71又は72に記載の化合物又は塩である。
【0349】
実施形態74は、nが0である、実施形態71に記載の化合物又は塩である。
【0350】
実施形態75は、R4が水素である、実施形態71~74のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0351】
実施形態76は、R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択される、実施形態71~75のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0352】
実施形態77は、R2が水素である、実施形態71~76のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0353】
実施形態78は、R3がC1-4アルキルである、実施形態71~77のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0354】
実施形態79は、R3がC5-19アルキルである、実施形態71~77のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0355】
実施形態80は、R3が、-CH(CH3-17CHからなる群から選択される、実施形態71~77のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0356】
実施形態81は、XがC1-8アルキレンである、実施形態71~80のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0357】
実施形態82は、XがC2-5アルキレンである、実施形態71~81のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0358】
実施形態83は、Xが、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCH-、-CHCHCHCHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCHCHCHCH-からなる群から選択される、実施形態71~81のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0359】
実施形態84は、Xが、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択される、実施形態71~83のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0360】
実施形態85は、Xが-CHCHCH-である、実施形態71~84のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0361】
実施形態86は、Xが、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-からなる群から選択され、R1が、-CHOCH及び-CHOCHCHからなる群から選択され、R2が、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、R3がC7-17アルキルであり、R4が水素であり、nが0である、実施形態71に記載の化合物又は塩である。
【0362】
実施形態87は、製薬上許容される塩が塩酸塩である、実施形態71~86のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0363】
実施形態88は、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]アセトアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]プロパンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]-2-メチルプロパンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ブタンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]-3-メチルブタンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ペンタンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ヘキサンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]オクタンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ノナンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]デカンアミドからなる群から選択される化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0364】
実施形態89は、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ドデカンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]テトラデカンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]ヘキサデカンアミドからなる群から選択される化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0365】
実施形態90は、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]オクタデカンアミド、
N-[4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]エイコサンアミド
からなる群から選択される化合物、又は製薬上許容されるその塩である。
【0366】
実施形態91は、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩の治療有効量を、製薬上許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物である。
【0367】
実施形態92は、抗原を更に含む、実施形態91に記載の医薬組成物である。
【0368】
実施形態93は、ヒト又は動物における感染性疾患の処置に使用するための、実施形態91又は92に記載の医薬組成物である。
【0369】
実施形態94は、ヒト又は動物におけるウイルス性、細菌性、真菌性、又は寄生生物性感染症の処置に使用するための、実施形態91~93のいずれか1つに記載の医薬組成物である。
【0370】
実施形態95は、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてサイトカイン生合成を誘導する方法である。
【0371】
実施形態96は、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてIFN-αの生合成を誘導する方法である。
【0372】
実施形態97は、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてIFN-γの生合成を誘導する方法である。
【0373】
実施形態98は、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてTNF-αの生合成を誘導する方法である。
【0374】
実施形態99は、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩の有効量を、ヒト又は動物に投与することを含む、ヒト又は動物においてIP-10の生合成を誘導する方法である。
【0375】
実施形態100は、ヒト又は動物における感染性疾患の処置において、ワクチンアジュバントとして使用するための、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0376】
実施形態101は、ヒト又は動物におけるウイルス性、細菌性、真菌性、又は寄生生物性感染症の処置において、ワクチンアジュバントとして使用するための、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0377】
実施形態102は、処置が治療的又は予防的処置である、実施形態71~90のいずれか1つに記載の化合物又は塩である。
【0378】
本開示の目的及び利点を、本明細書に記載の実施例によって更に例示する。これらの実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びにその他の条件及び詳細は、単なる例示にすぎず、本開示を制限することを意図するものではない。当業者は、本開示の全体を慎重に検討した後で、実施例に具体的に記載されたものに追加して、材料及び条件を使用することができるであろう。
【実施例
【0379】
化合物の精製のための自動フラッシュクロマトグラフィー(automated flash chromatography、AFC)は、ISOLARA HPFCシステム(Biotage,Inc(Charlottesville,VA)から入手可能な、自動高速フラッシュクロマトグラフィー精製製品)を使用して実施した。各精製に使用する溶離剤は、実施例に記載する。いくつかのクロマトグラフィー分離では、溶離剤の極性成分として、80/18/2 v/v/vのクロロホルム/メタノール/濃水酸化アンモニウム(CMA)溶媒混合物を使用した。これらの分離において、CMAを、下に示す比でクロロホルムと混合した。
【0380】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)分析は、BRUKER A500 NMR分光計(Bruker Corporation(Billerica,MA))を使用して行った。
【0381】
N-δ-BOC-N-α-L-オルニチン(CAS番号7733-29-1)は、Masiukiewicz et al.in Organic Preparations and Procedures International(OPPI),volume 34,2002,pages 531-537の手順によって調製し、又はAlfa Aesar Company(Haverhill,MA)から入手した。
【0382】
エチルクロロホルメート、L-オルニチン塩酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、炭素担持10%パラジウム、N-メチルモルホリン、及び3-クロロ過安息香酸(57~86%)は、Sigma-Aldrich Company(St.Louis,MO)から入手した。
【0383】
ジエチルサルフェート、トリエチルオルトホルメート、炭素担持3%白金、及びピリジン塩酸塩は、Alfa Aesar Company(Haverhill,MA)から入手した。
【0384】
イソブチルクロロホルメート、及びミリストイルクロリドは、Oakwood Products Incorporated(Estill,SC)から入手した。
【0385】
デカノイルクロリドは、TCI America(Portland,OR)から入手した。
【0386】
ステアロイルクロリドは、MP Biomedicals Corporation(Santa Ana,CA)から入手した。
【0387】
実施例1
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]オクタデカンアミド
【化15】
【0388】
A剤(Part A)
15mLの無水テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)に溶解させたN-δ-BOC-N-α-CBZ-L-オルニチン(4.71g、12.9mmol)の撹拌溶液を、氷/メタノール浴において-15℃に冷却した。この溶液をN-メチルモルホリン(1.42mL、12.9mmol)と組み合わせ、続いてエチルクロロホルメート(1.23mL、12.9mmol)を添加した。5分間撹拌した後、反応混合物を濾過し、少量のTHFですすぎ、N-メチルモルホリン塩酸塩を除去した。得られた濾液を冷浴に戻し、7mLの水中、1.00gのNaBHの溶液を注意深く添加した。20分間撹拌した後、反応混合物を100mLの水と組み合わせ、続いて75mLの酢酸エチルを添加した。この層を分離し、有機部分を水及び飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して無色のシロップを得た。シロップをヘプタンから濃縮して、白色固体として、3.62gのtert-ブチルN-[(4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0389】
B剤(Part B)
20mLのトルエンに溶解させたN-[(4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメート(3.62g、10.3mmol)の撹拌溶液を、1.15gの50%NaOH溶液及びジエチルサルフェート(1.61mL、12.3mmol)と組み合わせた。次いで、テトラブチルアンモニウムクロリド水和物(200mg)を、反応混合物に添加した。2時間撹拌した後、反応混合物を10mLの飽和NHOH溶液でクエンチし、更に75分間撹拌した。次いで、反応物を水と組み合わせ、層同士を分離した。有機層を水(2×)及び飽和食塩水で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、無色のシロップを得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、20%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル)による精製は、白色結晶固体として、0.37gのtert-ブチルN-[(4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-エトキシ-ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0390】
C剤(Part C)
メタノール中のtert-ブチルN-[(4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-エトキシ-ペンチル]カルバメート(0.37g、0.97mmol)の溶液を圧力ボトルに入れ、40mgの炭素担持10%パラジウムを添加した。次いで、水素(40PSI)雰囲気下、ボトルを終夜振盪した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、メタノールですすぎ、減圧下で濾液を濃縮して、無色のシロップとして、197mgのtert-ブチルN-[(4S)-4-アミノ-5-エトキシ-ペンチル]カルバメートを得た。
【0391】
D剤(Part D)
15mLのジクロロメタンに溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-4-アミノ-5-エトキシ-ペンチル]カルバメート(197mg、0.801mmol)の溶液を、4-クロロ-3-ニトロキノリン(166mg、0.801mmol)及びトリエチルアミン(223μL、1.60mmol)と組み合わせ、反応混合物を窒素雰囲気下で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、黄色固体を得た。この固体を、20mLの酢酸エチルに溶解させ、水(3×)及び飽和食塩水で洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色固体を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、20%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル)による精製は、黄色固体として、283mgのtert-ブチルN-[(4S)-5-エトキシ-4-[(3-ニトロ-4-キノリル)アミノ]ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0392】
E剤(Part E)
15mLのアセトニトリル中のtert-ブチルN-[(4S)-5-エトキシ-4-[(3-ニトロ-4-キノリル)アミノ]ペンチル]カルバメート(283mg、0.677mmol)の懸濁液を圧力ボトルに入れ、次いで、80mgの炭素担持3%白金を添加した。次いで、水素(40PSI)雰囲気下、ボトルを90分間振盪した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、アセトニトリルですすぎ、減圧下で濾液を濃縮して、橙色の泡として、262mgのtert-ブチルN-[(4S)-4-[(3-アミノ-4-キノリル)アミノ]-5-エトキシ-ペンチル]カルバメートを得た。
【0393】
F剤(Part F)
10mLの酢酸n-プロピル中に溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-4-[(3-アミノ-4-キノリル)アミノ]-5-エトキシ-ペンチル]カルバメート(262mg、0.67mmol)の溶液を、トリエチルオルトホルメート(0.32mL、1.92mmol)及び50mgのピリジン塩酸塩と組み合わせ、混合物を105℃に終夜加熱した。冷却した反応混合物を25mLの酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO溶液、水、及び飽和食塩水で連続的に洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色のシロップを得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、2.5%メタノール/クロロホルムから5%メタノール/クロロホルム)による精製は、淡琥珀色のシロップとして、200mgのtert-ブチルN-[(4S)-5-エトキシ-4-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル-ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0394】
G剤(Part G)
5mLのジクロロメタンに溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-5-エトキシ-4-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル-ペンチル]カルバメート(200mg、0.497mmol)の溶液を、3-クロロ過安息香酸(150mg、57~86%)と組み合わせ、反応物を45分間撹拌した。反応混合物を、1mLの濃NHOH溶液及びp-トルエンスルホニルクロリド(104mg、0.547mmol)と組み合わせた。45分間撹拌した後、反応混合物を10mLのジクロロメタンで希釈し、水(3×)及び飽和食塩水で洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、33%CMA/クロロホルムから50%CMA)による精製によって、淡褐色のシロップを得た。このシロップを、30mLのジクロロメタンに溶解させ、1N NaOH溶液(2×)、水、及び飽和食塩水で連続的に洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、2.5%メタノール/クロロホルムから10%メタノール/クロロホルム)による更なる精製は、71mgのtert-ブチルN-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]カルバメートの淡褐色のシロップをもたらした。
【0395】
H剤(Part H)
5mLのエタノールに溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]カルバメート(71mg、0.172mmol)の溶液を、0.5mLの濃塩酸溶液と組み合わせた。混合物を90℃に60分間加熱し、次いで、減圧下で濃縮した。得られたシロップをエタノールから濃縮して、硬い白色の泡として、62mgの1-[(1S)-4-アミノ-1-(エトキシメチル)ブチル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン二塩酸塩を得た。
【0396】
I剤(Part I)
1.2mLの無水N,N-ジメチルホルムアミド(dimethylformamide、DMF)に溶解させた1-[(1S)-4-アミノ-1-(エトキシメチル)ブチル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン二塩酸塩(62mg、0.16mmol)の溶液を、トリエチルアミン(67μL、0.48mmol)及びステアロイルクロリド(50mg、0.16mmol)と組み合わせた。90分間撹拌した後、反応混合物を2mLのジクロロメタンと組み合わせ、撹拌を90分間継続した。反応混合物を、20mLのジクロロメタン及び水で希釈した。少量のメタノールを添加し、得られたエマルションを分解した。層同士を分離し、有機部分を水(2×)及び飽和食塩水で洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、2.5%メタノール/クロロホルムから10%メタノール/クロロホルム)による精製によって、46mgの固体を得た。2mLの高温アセトニトリルからの結晶化は、白色粉末として、38mgのN-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]オクタデカンアミドをもたらした。H NMR(CDOD,500MHz)δ8.41(s,1H),8.27(d,J=8.2Hz,1H),7.74(d,J=8.3Hz,1H),7.54(t,J=7.7Hz,1H),7.38(t,J=7.6Hz,1H),5.39(m,1H),4.01(dd,J=5.8,10.4Hz,1H),3.93(dd,J=3.8,10.4Hz,1H),3.52(q,J=7.0Hz,2H),3.22(m,2H),2.19(m,2H),2.14(t,J=7.4Hz,2H),1.63-1.51(m,4H),1.32-1.23(m,24H),1.12(t,J=7.0Hz,3H),0.92(t,J=7.0Hz,3H)。
【0397】
実施例2
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]テトラデカンアミド
【化16】
【0398】
A剤(Part A)
15mLの無水THF中に溶解させたN-δ-BOC-N-α-CBZ-L-オルニチン(4.71g、12.9mmol)の撹拌溶液を、氷/メタノール浴において-15℃に冷却した。溶液にN-メチルモルホリン(1.43mL、13.0mmol)を添加し、続いてイソブチルクロロホルメート(1.69mL、13.0mmol)を添加した。5分間撹拌した後、反応混合物を濾過し、少量のTHFですすぎ、N-メチルモルホリン塩酸塩を除去した。得られた濾液を冷浴に戻し、7mLのHO中、1.00gのNaBHの溶液を注意深く添加した。20分間撹拌した後、反応混合物を100mLの水と組み合わせ、続いて100mLの酢酸エチルを添加した。層同士を分離し、追加の25mLの酢酸エチルで水性部分を抽出した。組み合わせた有機部分を水及び飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して無色のシロップを得た。シロップをエタノールから濃縮して、白色固体として、4.22gのtert-ブチルN-[(4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0399】
B剤(Part B)
50mLのメタノール中のtert-ブチルN-[(4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメート(4.22g、12.0mmol)の溶液を圧力ボトルに入れ、300mgの炭素担持10%パラジウムを添加した。次いで、水素(40PSI)雰囲気下、ボトルを終夜振盪した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、MeOHですすぎ、減圧下で濾液を濃縮して、無色のシロップとして、2.61gのtert-ブチルN-[(4S)-4-アミノ-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメートを得た。
【0400】
C剤(Part C)
50mLのジクロロメタンに溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-4-アミノ-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメート(2.61g、12.0mmol)の溶液を、4-クロロ-3-ニトロキノリン(2.49g、12.0mmol)及びトリエチルアミン(3.33mL、23.9mmol)と組み合わせ、反応混合物を窒素雰囲気下で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、黄色固体を得た。この固体を、125mLの酢酸エチルに溶解させ、水(3×)及び飽和食塩水で洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色固体として、4.23gのtert-ブチルN-[(4S)-5-ヒドロキシ-4-[(3-ニトロ-4-キノリル)アミノ]ペンチル]カルバメートを得た。
【0401】
D剤(Part D)
125mLのアセトニトリル中のtert-ブチルN-[(4S)-5-ヒドロキシ-4-[(3-ニトロ-4-キノリル)アミノ]ペンチル]カルバメート(4.23g、10.8mmol)の懸濁液を圧力ボトルに入れ、200mgの炭素担持3%白金を添加した。次いで、水素(40PSI)雰囲気下、ボトルを4時間振盪した。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、アセトニトリルですすぎ、減圧下で濾液を濃縮して、橙色の泡として、3.80gのtert-ブチルN-[(4S)-4-[(3-アミノ-4-キノリル)アミノ]-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメートを得た。
【0402】
E剤(Part E)
40mLの酢酸n-プロピル中に溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-4-[(3-アミノ-4-キノリル)アミノ]-5-ヒドロキシ-ペンチル]カルバメート(3.80g、10.6mmol)の溶液を、トリエチルオルトホルメート(3.50mL、21.1mmol)及び300mgのピリジン塩酸塩と組み合わせ、混合物を105℃に2日間加熱した。冷却した反応混合物を50mLの酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO溶液、水、及び飽和食塩水で連続的に洗浄した。有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色のシロップを得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、1%メタノール/クロロホルムから10%メタノール/クロロホルム)による精製は、白色の泡として、2.40gのtert-ブチルN-[(4S)-5-ヒドロキシ-4-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル-ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0403】
F剤(Part F)
200mLの丸底(bound bottom)フラスコに、1.04gの50%NaOH水溶液、及び150mgのテトラブチルアンモニウムクロリド水和物を投入した。40mLの高温トルエンに溶解させたtert-ブチルN-[(4S)-5-ヒドロキシ-4-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル-ペンチル]カルバメート(2.00g、5.40mmol)の溶液を添加し、反応混合物を85℃に加熱した。ジエチルサルフェート(886μL、6.77mmol)を添加し、混合物を4時間撹拌した。反応混合物を冷却し、10mLの飽和NHOH溶液でクエンチした。75分間撹拌した後、反応物を水及びトルエンと組み合わせ、層同士を分離した。有機層をHO(2×)及び飽和食塩水で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、無色のシロップを得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、20%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル)による精製は、金色のシロップとして、888mgのtert-ブチルN-[(4S)-5-エトキシ-4-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル-ペンチル]カルバメートをもたらした。
【0404】
G剤(Part G)
実施例1のG及びH剤の手順に従って、321mg(0.832mmol)の1-[(1S)-4-アミノ-1-(エトキシメチル)ブチル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン二塩酸塩をもたらした。この化合物を5mLの無水DMFに溶解させ、トリエチルアミン(347μL、2.50mmol)及びミリストイルクロリド(226μL、0.832mmol)と組み合わせた。終夜撹拌した後、25mLの水を反応混合物に添加した。得られた固体を濾過によって単離し、水ですすぎ、10%メタノール/クロロホルムに溶解させ、次いで減圧下で濃縮し、ワックス状固体を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、2%メタノール/クロロホルムから15%メタノール/クロロホルム)による精製によって、淡褐色固体を得た。アセトニトリルからの結晶化は、淡褐色固体として、30mgのN-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]テトラデカンアミドをもたらした。H NMR(CDOD,500MHz)δ8.42(s,1H),8.29(d,J=8.1Hz,1H),7.75(d,J=8.3Hz,1H),7.56(t,J=7.7Hz,1H),7.40(t,J=7.6Hz,1H),5.40(m,1H),4.01(dd,J=5.4,10.0Hz,1H),3.93(dd,J=3.0,10.2Hz,1H),3.52(q,J=6.9Hz,2H),3.22(m,2H),2.27-2.08(m,4H),1.64-1.50(m,4H),1.39-1.21(m,20H),1.11(t,J=7.0Hz,3H),0.91(t,J=6.8Hz,3H)。
【0405】
実施例3
N-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]デカンアミド
【化17】
【0406】
5mLの無水DMFに溶解させた1-[(1S)-4-アミノ-1-(エトキシメチル)ブチル]イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン二塩酸塩(360mg、0.933mmol)の溶液を、トリエチルアミン(390μL、2.80mmol)及びデカノイルクロリド(194μL、0.933mmol)と組み合わせた。終夜撹拌した後、25mLの水を反応混合物に添加した。得られた固体を濾過によって単離し、水ですすぎ、10%メタノール/クロロホルムに溶解させ、次いで減圧下で濃縮し、ワックス状固体を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、2%メタノール/クロロホルムから15%メタノール/クロロホルム)による精製によって、淡褐色固体を得た。アセトニトリルからの結晶化は、白色固体として、90mgのN-[(4S)-4-(4-アミノイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)-5-エトキシ-ペンチル]デカンアミドをもたらした。H NMR(CDOD,500MHz)δ8.54(s,1H),8.44(d,J=8.2Hz,1H),7.80(m,1H),7.72(m,1H),7.58(m,1H),5.44(m,1H),3.99(dd,J=6.3,10.4Hz,1H),3.95(dd,J=3.7,10.4Hz,1H),3.51(q,J=7.0Hz,2H),3.21(m,2H),2.21(m,2H),2.13(t,J=7.5Hz,2H),1.63-1.51(m,4H),1.33-1.22(m,12H),1.09(t,J=7.0Hz,3H),0.91(t,J=7.0Hz,3H)。
【0407】
ヒト細胞におけるサイトカイン誘導
健康なヒト供与者からの全血を、静脈穿刺によって、EDTAが入ったバキュテイナー管又はシリンジに採取した。密度勾配遠心分離により、ヒト末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell、PBMC)を全血から精製した。Histopaque 1077(15mL、Sigma(St.Louis,MO))を、6×50mL滅菌ポリプロピレンコニカルチューブに移した。Histopaqueに、ハンクス平衡塩溶液(Hank’s Balanced Salts Solution、HBSS)(Gibco,Life Technology(Grand Island NY))で1:2に希釈した15~25mLの血液を重層した。次いで、このチューブを、1370rpm、30分間、20℃で、中断なく遠心分離した(400×g、GH 3.8A Rotor)。
【0408】
PBMCを含有する境界面(軟膜)を回収し、新たな滅菌50mLコニカルポリプロピレン遠心管に入れた。PBMCを同体積のHBSSと混合し(境界面からの約20mLと約20mLのHBSS)、次いで、1090rpm、10分、20℃で、中断ありで遠心分離した(270×g、GH 3.8A Rotor)。遠心分離完了後、細胞を、2~3mLのACK赤血球溶解緩衝液(塩化アンモニウムカリウム溶液、Gibco,Life Technology)に再懸濁させ、20℃で2~5分間インキュベートした。次に、HBSS(40mL)を細胞に添加し、試料を270×g、10分間、20℃で遠心分離した。上清をデカンテーションし、細胞ペレットを5mLのAIM V(登録商標)培地(Gibco,Life Technology)に再懸濁させた。細胞溶液をBD Falcon 70ミクロンナイロンセルストレーナ(BD Biosciences(San Jose,CA))で濾過することによって、細胞凝集体及び破片を除去した。
【0409】
生細胞数を、Miltenyi FACS装置(Miltenyi Biotec Inc.(San Diego,CA))で計数することによって、又は血球計を使用することによって、決定した。血球計で細胞生存性を決定するため、細胞を0.4%トリパンブルー及びHBSSで1/10に希釈した(具体的には、50μLのトリパンブルー+40μLのHBSS+10μLの細胞溶液を微量遠心管に加え、混合した)。次いで、10μLの希釈した細胞を、血球計に適用し、生存PBMCの数を、顕微鏡により決定した。
【0410】
次いで、PBMC試料を、96ウェルプレート内で、8×10細胞/ウェルの濃度で、0.1mLのAIM-V培地中に再懸濁させた。各化合物をDMSOに可溶化し、3mMの原液を作製した。次いで、原液をAIM-V培地で更に希釈して、段階希釈液を調製した。次いで、希釈化合物(100μL)をPBMCに移し、30、10、3.3、1.1、0.37、0.12、0.04、0.01μMの最終化合物濃度を達成した。プレートは、陽性対照及び陰性対照の両方を有してした。陰性対照のウェルには、実施例の化合物なしで、AIM-V培地のみを入れた。陽性対照のウェルには、30、10、3.3、1.1、0.37、0.12、0.04、0.01μMの濃度に段階希釈したイミキモドを入れた。次いで、プレートを、37℃/5%COで21~24時間培養した。96ウェルプレートを、2100rpm、23℃で10分間遠心分離することによって、無細胞の上清を回収した。次いで、約160μLの上清をNUNC 96ウェルプレートに保存し、圧縮キャップで覆い、サイトカイン分析を行うまで-80℃で保存した。
【0411】
IFN-αサイトカインレベル(pg/mL)を、ELISA(ヒトIFN-α、pan specific、Mabtech(Cincinnati,OH)によって測定した。IFN-γ及びTNF-αレベル(pg/mL)は、製造業者の指示に従って、マルチプレックスビーズアッセイ(磁気ビーズ、R&D Systems(Minneapolis,MN))によって測定した。
【0412】
データを分析し、各化合物について、アッセイにおいて特定のサイトカインの誘導が観察された最小有効濃度(minimum effective concentration、MEC)を決定した。具体的には、各化合物の最小有効濃度(μM)は、測定されたサイトカイン応答を、陰性対照のウェルで観察されたレベルよりも少なくとも2倍高いレベル(ピコグラム(pictogram)/mL)で誘導した化合物の最低濃度として決定した。結果を表25に示す。表記「≦0.01」は、アッセイにおいて評価される化合物の最低濃度で、サイトカイン誘導が観察されたことを示す。
【表25】
【0413】
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な改変及び変更は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載の例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されることを意図するものではなく、このような実施例及び実施形態は例としてのみ提示されており、本発明の範囲は、本明細書で以下のとおり記載の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図しているものと理解されたい。