(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】電子部品実装装置、及び電子部品実装方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20221220BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20221220BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
H05K13/02 D
H05K13/04 C
(21)【出願番号】P 2018127834
(22)【出願日】2018-07-04
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金山 康之
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-217600(JP,A)
【文献】特開2013-115337(JP,A)
【文献】特開2017-157712(JP,A)
【文献】特開昭62-033495(JP,A)
【文献】特開2014-241344(JP,A)
【文献】特開2012-222102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に同形状であり、電流の定格値により本体部材の色及び前記本体部材に設けられる記号が異なる複数の電子部品を供給位置に順次供給する
ボールフィーダを含む電子部品供給装置と、
前記供給位置に供給された前記電子部品を基板に実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドに支持され、前記供給位置に配置され、前記実装ヘッドのノズルに保持される前の前記電子部品の画像を示す画像データを取得するカメラと、
前記カメラで取得された前記電子部品の画像データが出力される画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信可能であり、前記画像処理装置から出力された判定データに基づいて、前記実装ヘッドを制御する制御指令を出力する制御装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
参照色を示す参照色データを取得する参照色データ取得部と、
参照記号を示す参照記号データを取得する参照記号データ取得部と、
前記カメラから前記電子部品の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記参照色と前記画像から導出される前記電子部品の本体部材の実際の色を示す撮影色とを照合する色照合部と、
前記参照記号と前記画像から導出される前記電子部品に設けられている撮影記号とを照合する記号照合部と、
前記参照色と前記撮影色との照合データに基づいて前記電子部品を判定して、前記電子部品の判定データを出力する処理部と、を有
し、
前記処理部は、前記参照記号と前記撮影記号との照合データに基づいて前記電子部品を判定して、前記電子部品の判定データを出力し、
前記電子部品の判定は、前記電子部品の向きの判定を含み、
前記制御装置は、前記判定データに基づいて、複数の前記電子部品が基板において同方向を向くように前記制御指令を出力する、
電子部品実装装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記照合データに基づいて、前記電子部品が基板に実装されるべき電子部品であるか否かを判定する、
請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記参照色データ取得部は、複数の前記参照色のそれぞれを示す前記参照色データを取得し、
前記色照合部は、複数の前記参照色のそれぞれと前記撮影色とを照合し、
前記処理部は、前記照合データに基づいて、前記電子部品の種類を判定する、
請求項1又は請求項2に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記参照記号及び前記撮影記号のそれぞれは、文字及び数字の一方又は両方を含む、
請求項
1から請求項
3のいずれか一項に記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
相互に同形状であり、電流の定格値により本体部材の色及び前記本体部材に設けられる記号が異なる複数の電子部品を供給位置に
ボールフィーダを含む電子部品供給装置で順次供給することと、
前記供給位置に供給された前記電子部品を実装ヘッドで基板に実装することと、
前記実装ヘッドに支持され、前記供給位置に配置され、前記実装ヘッドのノズルに保持される前の前記電子部品の画像を示す画像データをカメラで取得することと、
参照色を示す参照色データを取得することと、
参照記号を示す参照記号データを取得することと、
前記カメラから前記電子部品の画像データを取得することと、
前記参照色と前記画像から導出される前記電子部品の本体部材の実際の色を示す撮影色とを照合することと、
前記参照記号と前記画像から導出される前記電子部品に設けられている撮影記号とを照合することと、
前記参照色と前記撮影色との照合データに基づいて前記電子部品を判定して、前記電子部品の判定データを出力することと、
前記参照記号と前記撮影記号との照合データに基づいて前記電子部品を判定して、前記電子部品の判定データを出力することと、
前記判定データに基づいて、電子部品を基板に実装する実装ヘッドを制御する制御指令を出力することと、を含
み、
前記電子部品の判定は、前記電子部品の向きの判定を含み、
前記判定データに基づいて、複数の前記電子部品が基板において同方向を向くように前記制御指令を出力する、
電子部品実装方法。
【請求項6】
前記電子部品の判定は、前記電子部品が基板に実装されるべき電子部品であるか否かの判定を含み、
前記判定データに基づいて、前記電子部品が基板に実装されるべき電子部品であると判定した場合、前記電子部品が基板に実装されるように前記制御指令を出力し、前記電子部品が基板に実装されるべき電子部品でないと判定した場合、前記電子部品が廃棄位置に移動されるように前記制御指令を出力する、
請求項
5に記載の電子部品実装方法。
【請求項7】
複数の前記参照色のそれぞれと前記撮影色とを照合し、
前記電子部品の判定は、前記電子部品の種類の判定を含み、
前記判定データに基づいて、前記電子部品が指定された基板の実装位置に実装されるように前記制御指令を出力する、
請求項
5又は請求項
6に記載の電子部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、電子部品実装装置、及び電子部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の製造工程において、電子部品を基板に実装する電子部品実装装置が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子部品が誤った状態で基板に実装されてしまうことを抑制するために、基板に実装される前に電子部品を正しく認識する必要がある。同形状の複数の電子部品を基板に実装する場合、電子部品を正しく認識することが困難となる可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、同形状の複数の電子部品を基板に実装する場合において、電子部品を正しく認識することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、参照色を示す参照色データを取得する参照色データ取得部と、電子部品の画像を示す画像データを取得する画像データ取得部と、前記参照色と前記画像から導出される前記電子部品の撮影色とを照合する色照合部と、前記参照色と前記撮影色との照合データに基づいて前記電子部品を判定して、前記電子部品の判定データを出力する処理部と、を備える画像処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、同形状の複数の電子部品を基板に実装する場合において、電子部品を正しく認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電子部品実装装置の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る実装ヘッドの一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るノズルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る電子部品の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る制御装置及び画像処理装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る電子部品実装方法の一例を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る電子部品実装方法の一例を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る制御装置及び画像処理装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る電子部品実装方法の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面のX軸と平行な方向をX軸方向とし、所定面においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向とし、所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。X軸を中心とする回転方向をθX方向とし、Y軸を中心とする回転方向をθY方向とし、Z軸を中心とする回転方向をθZ方向とする。所定面はXY平面である。
【0011】
[第1実施形態]
<電子部品実装装置>
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の一例を模式的に示す図である。電子部品実装装置1は、電子部品Cを基板Pに実装する。
図1に示すように、電子部品実装装置1は、ベース部材2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、電子部品Cを供給する電子部品供給装置4と、電子部品Cを基板Pに実装する実装ヘッド5と、実装ヘッド5に支持されるノズル6と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置7と、ノズル6を移動するノズル移動装置8と、電子部品Cを撮影する撮影装置9と、電子部品Cを貯留する貯留装置10と、制御装置20と備える。
【0012】
基板搬送装置3は、基板Pを保持して移動可能な保持部材3Hと、保持部材3Hをガイドするガイド機構3Gとを有する。保持部材3Hは、基板Pの表面とXY平面とが平行となるように基板Pを保持する。保持部材3Hは、ガイド機構3GにガイドされてX軸方向に移動する。基板搬送装置3は、電子部品Cの実装処理が実施される処理位置MPに基板Pを搬送する。
【0013】
電子部品供給装置4は、複数の電子部品Cを供給位置SPに順次供給する。電子部品供給装置4は、ボールフィーダを含む。電子部品供給装置4は、複数の電子部品Cが収容されるボール4Bと、ボール4Bに接続されるシュート4Sと、ボール4B及びシュート4Sのそれぞれに配置されるガイド機構4Gとを含む。供給位置SPは、シュート4Sの先端部に規定される。複数の電子部品Cがボール4Bに投入される。電子部品供給装置4は、振動力及び空気力の少なくとも一方を使って、ボール4Bに収容されている電子部品Cをシュート4Sの先端部に規定されている供給位置SPに供給する。ボール4Bに収容されている電子部品Cは、ガイド機構4Gにガイドされて供給位置SPまで移動する。
【0014】
実装ヘッド5は、電子部品供給装置4の供給位置SPに供給された電子部品Cをノズル6で保持して、処理位置MPに配置されている基板Pの表面に実装する。
【0015】
ヘッド移動装置7は、X軸駆動装置7X及びY軸駆動装置7Yを有する。X軸駆動装置7X及びY軸駆動装置7Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸駆動装置7Xは、実装ヘッド5に連結される。X軸駆動装置7Xの作動により、実装ヘッド5がX軸方向に移動する。Y軸駆動装置7Yは、X軸駆動装置7Xを介して実装ヘッド5に連結される。Y軸駆動装置7Yの作動によりX軸駆動装置7XがY軸方向に移動することによって、実装ヘッド5がY軸方向に移動する。
【0016】
貯留装置10は、基板Pに実装されない電子部品Cを貯留する。貯留装置10は廃棄位置DPを含む。供給位置SPに供給されたものの基板Pに実装されない電子部品Cは、実装ヘッド5により貯留装置10に廃棄される。
【0017】
<実装ヘッド>
図2は、本実施形態に係る実装ヘッド5の一例を模式的に示す図である。実装ヘッド5は、電子部品Cを解放可能に保持するノズル6を有する。実装ヘッド5は、供給位置SP及び処理位置MPのそれぞれにノズル6が配置されるように、XY平面内において移動可能である。実装ヘッド5は、電子部品供給装置4から供給された電子部品Cをノズル6で保持して基板Pに実装する。
【0018】
ノズル6は、供給位置SPにおいて、電子部品供給装置4から供給された電子部品Cを保持する。ノズル6は、供給位置SPにおいて電子部品Cを保持した後、処理位置MPまで搬送し、基板Pに実装する。処理位置MPにおいて電子部品Cが基板Pに実装された後、ノズル6は、電子部品Cを解放する。
【0019】
実装ヘッド5は、ノズル6をZ軸方向及びθZ方向に移動可能に支持する。ノズル6は、シャフト6Sを介して実装ヘッド5のベースフレーム5Fに支持される。実装ヘッド5は、ノズル6をZ軸方向及びθZ方向に移動可能なノズル移動装置8を有する。ノズル移動装置8は、ベースフレーム5Fに支持される。ノズル移動装置8は、ノズル6をZ軸方向に移動するZ軸駆動装置8Zと、ノズル6をθZ方向に回転する回転駆動装置8Rとを含む。Z軸駆動装置8Zは、モータのようなアクチュエータを含み、ノズル6をZ軸方向に移動するための動力を発生する。回転駆動装置8Rは、モータのようなアクチュエータを含み、ノズル6をθZ方向に回転するための動力を発生する。
【0020】
ノズル6は、ヘッド移動装置7及びノズル移動装置8により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル6は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
【0021】
撮影装置9は、実装ヘッド5のベースフレーム5Fに支持される。撮影装置9は、カメラ11と、画像処理装置30とを含む。カメラ11は、供給位置SPにおいて電子部品Cを撮影する。カメラ11は、供給位置SPに配置されノズル6に保持される前の電子部品Cの画像データを取得する。カメラ11は、供給位置SPに配置された電子部品Cを上方から撮影する。供給位置SPは、処理位置MPよりも-Y側に配置される。カメラ11は、実装ヘッド5の-Y側の側面に固定される。カメラ11で取得された電子部品Cの画像データは、画像処理装置30に出力される。
【0022】
また、実装ヘッド5は、ノズル6に保持されている電子部品Cの状態を検出する検出装置12を有する。電子部品Cの状態は、電子部品Cの形状及び電子部品Cの位置の少なくとも一方を含む。検出装置12は、検出光であるレーザ光を使って、ノズル6に保持されている電子部品Cの状態を検出する。検出装置12は、ベースフレーム5Fの下部に連結されているブラケット5Bに支持される。
【0023】
検出装置12は、ノズル6に保持されている電子部品Cにレーザ光を照射可能な照射装置12Aと、照射装置12Aから射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光可能な受光装置12Bとを有する。照射装置12Aは、レーザ光を射出可能な発光素子を含む。受光装置12Bは、レーザ光を受光可能な受光素子を含む。受光装置12Bは、照射装置12Aと対向する位置に配置される。Z軸方向における照射装置12Aの位置と受光装置12Bの位置とは等しい。検出装置12は、ノズル6に保持された電子部品Cにレーザ光を照射して電子部品Cの状態を検出する。なお、上記検出装置12は、照射承知12Aからレーザ光を照射させたが、照射装置として、可視光(LED光)を照射させてもよい。
【0024】
ヘッド移動装置7の作動によりベースフレーム5Fが移動することによって、ベースフレーム5Fに支持されているノズル6、ノズル移動装置8、撮影装置9、及び検出装置12のそれぞれは、ベースフレーム5Fと一緒に移動する。
【0025】
<ノズル>
図3は、本実施形態に係るノズル6の一例を示す図である。ノズル6は、電子部品Cの少なくとも一部を挟んで保持するグリッパノズルである。ノズル6は、ノズル本体6Bと、ノズル本体6Bに支持され、電子部品Cを保持するアーム部6Hと、アーム部6Hの少なくとも一部を駆動するアーム駆動装置6Dと、アーム部6Hに設けられた凸部6Tとを有する。アーム部6Hは、固定アーム6Haと、可動アーム6Hbとを含む。可動アーム6Hbは、ノズル本体6Bに支持される。可動アーム6Hbは、ヒンジ機構6Pの回動軸を中心に回動可能である。ヒンジ機構6Pは、可動アーム6Hbとノズル本体6Bとを回動可能に接続する。可動アーム6Hbは、ヒンジ機構6Pの回動軸を中心に、固定アーム6Haに接近する方向及び離れる方向の一方から他方へ移動するように回動可能である。アーム駆動装置6Dは、可動アーム6Hbを移動可能な動力を発生するアクチュエータを含む。アーム駆動装置6Dは、固定アーム6Haと対向する可動アーム6Hbの一部分が固定アーム6Haに接近する方向及び離れる方向の一方から他方へ移動するように、可動アーム6Hbを移動可能である。
【0026】
アーム部6Hは、電子部品Cを解放可能に保持する。アーム部6Hは、固定アーム6Haと可動アーム6Hbとで電子部品Cを挟んで保持する。ノズル6は、固定アーム6Haと可動アーム6Hbとの間に電子部品Cの少なくとも一部が配置されている状態で、固定アーム6Haと可動アーム6Hbとの距離を小さくすることによって、電子部品Cを保持する。
【0027】
凸部6Tは、下方を向く固定アーム6Haの支持面に設けられる。凸部6Tは、固定アーム6Haと可動アーム6Hbとの間において、支持面から下方に突出するように設けられる。
【0028】
<電子部品>
図4は、本実施形態に係る電子部品Cの一例を示す図である。電子部品Cは、挿入型電子部品である。電子部品Cは、本体部材Caと、本体部材Caから突出する一対の突起部材Cbとを有する。本体部材Caは、合成樹脂製である。突起部材Cbは、金属製である。突起部材Cbは、本体部材Caの下面から下方に突出する。
図3に示すように、ノズル6は、電子部品Cの本体部材Caを挟んで保持する。
【0029】
電子部品Cとして、電力ヒューズの一種である自動車用ヒューズが例示される。電力ヒューズは、電気回路に定格値以上の電流が供給される場合、電流の供給を遮断して電気回路を保護する。
【0030】
本体部材Caの色は、電力ヒューズが遮断する電流の定格値に基づいて定められる。電力ヒューズにより遮断される電流の定格値が10[A]である場合、本体部材Caの色は、第1色(例えば赤色)に定められる。電力ヒューズが遮断する電流の定格値が15[A]である場合、本体部材Caの色は、第2色(例えば青色)に定められる。電力ヒューズが遮断する電流の定格値が20[A]である場合、本体部材Caの色は、第3色(例えば黄色)に定められる。電力ヒューズが遮断する電流の定格値が30[A]である場合、本体部材Caの色は、第4色(例えば緑色)に定められる。
【0031】
また、本体部材Caには、電力ヒューズが遮断する電流の定格値に基づいて記号が設けられる。記号は、文字及び数字の一方又は両方を含む。電力ヒューズにより遮断される電流の定格値が10[A]である場合、本体部材Caに「10」又は「10A」のような記号が設けられる。電力ヒューズが遮断する電流の定格値が15[A]である場合、本体部材Caに「15」又は「15A」のような記号が設けられる。電力ヒューズが遮断する電流の定格値が20[A]である場合、本体部材Caに「20」又は「20A」のような記号が設けられる。電力ヒューズが遮断する電流の定格値が30[A]である場合、本体部材Caに「30」又は「30A」のような記号が設けられる。
【0032】
本実施形態において、複数の電子部品Cのそれぞれは、同形状である。種類が異なる複数の電子部品Cでも、複数の電子部品Cの外形及び大きさは実質的に等しい。電子部品Cの種類は、電流の定格値を含む。電流の定格値が異なり、本体部材Caの色又は本体部材Caに設けられる記号が異なる複数の電子部品Cでも、複数の電子部品Cの外形及び大きさは実質的に等しい。例えば本体部材Caが第1色である電子部品Cの形状と、本体部材Caが第2色である電子部品Cの形状とは、実質的に等しい。
【0033】
図4は、一例として、電流の定格値が10[A]である第1種類の電子部品Cと、電流の定格値が30[A]である第4種類の電子部品Cとを示す。
図4に示すように、第1種類の電子部品Cの形状と第3種類の電子部品Cの形状とは、実質的に等しい。図示は省略するが、電流の定格値が15[A]である第2種類の電子部品Cの形状及び電流の定格値が20[A]である第3種類の電子部品Cの形状は、第1種類の電子部品Cの形状及び第4種類の電子部品Cの形状と実質的に等しい。
【0034】
<制御装置及び画像処理装置>
図5は、本実施形態に係る制御装置20及び画像処理装置30の一例を示す機能ブロック図である。
【0035】
制御装置20は、電子部品実装装置1を制御するコンピュータシステムを含む。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置とを有する。
【0036】
画像処理装置30は、カメラ11で撮影された電子部品Cの画像を処理するコンピュータシステムを含む。画像処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置とを有する。
【0037】
制御装置20は、画像処理装置30と通信可能である。制御装置20は、生産プログラム記憶部21と、参照色データ記憶部22と、生産プログラム出力部24と、参照色データ送信部25と、制御指令出力部27とを有する。
【0038】
生産プログラム記憶部21は、電子部品実装装置1の動作手順が記述されたプログラムを示す生産プログラムを記憶する。生産プログラムは、電子部品実装装置1により生産される電子機器に基づいて予め決定され、生産プログラム記憶部21に記憶される。
【0039】
参照色データ記憶部22は、電子部品Cの色に係る参照色を示す参照色データを記憶する。参照色とは、電子機器の生産に使用されるべき電子部品Cの色、すなわち基板Pに実装されるべき電子部品Cの色をいう。つまり、参照色は、基板Pに実装されるべき電子部品Cの正解の色を示す。本実施形態において、参照色は、基板Pに実装されるべき電子部品Cの本体部材Caの色を示す。基板Pに実装されるべき電子部品Cは、生産プログラムに基づいて予め決定される。参照色を示す参照色データは、生産プログラムに基づいて予め決定され、参照色データ記憶部22に記憶される。
【0040】
生産プログラム出力部24は、生産プログラムを生産プログラム記憶部21から抽出して、制御指令出力部27に出力する。また、生産プログラム出力部24は、生産プログラムに基づいて、基板Pに実装されるべき電子部品Cの色を示す参照色データを参照色データ記憶部22から抽出して、参照色データ送信部25に出力する。
【0041】
参照色データ送信部25は、生産プログラム出力部24から出力された参照色データを、画像処理装置30に送信する。
【0042】
制御指令出力部27は、生産プログラムに基づいて、実装ヘッド5を制御する制御指令を出力する。実装ヘッド5を制御する制御指令は、ヘッド移動装置7を制御する制御指令、ノズル移動装置8を制御する制御指令、及びアーム駆動装置6Dを制御する制御指令の少なくとも一つを含む。
【0043】
画像処理装置30は、参照色データ取得部31と、画像データ取得部33と、色照合部34と、処理部36と、判定データ送信部37とを有する。
【0044】
参照色データ取得部31は、参照色データ送信部25から送信された参照色を示す参照色データを取得する。
【0045】
画像データ取得部33は、カメラ11により撮影された電子部品Cの画像を示す画像データを取得する。カメラ11は、電子部品Cのカラーの画像を取得可能である。画像データは、電子部品Cのカラーの画像を示す。
【0046】
色照合部34は、参照色データ取得部31により取得された参照色と画像データ取得部33により取得された画像から導出される電子部品Cの撮影色とを照合する。撮影色とは、カメラ11により撮影された画像における色をいう。すなわち、撮影色は、供給位置SPに供給された電子部品Cの実際の色を示す。色照合部34は、参照色と撮影色との照合結果を示す照合データを処理部36に出力する。
【0047】
本実施形態において、参照色と撮影色との照合データは、参照色と撮影色との一致度を示す。色照合部34は、参照色及び撮影色のそれぞれの色相、明度、及び彩度を導出する。色照合部34は、参照色の色相と撮影色の色相とを比較し、参照色の明度と撮影色の明度とを比較し、参照色の彩度と撮影色の彩度とを比較する。参照色の色相と撮影色の色相とが一致する場合又は参照色の色相と撮影色の色相との差が予め規定されている色相閾値以下である場合、色照合部34は、参照色の色相と撮影色の色相とが一致すると判定する。参照色の明度と撮影色の明度とが一致する場合又は参照色の明度と撮影色の明度との差が予め規定されている明度閾値以下である場合、色照合部34は、参照色の明度と撮影色の明度とが一致すると判定する。参照色の彩度と撮影色の彩度とが一致する場合又は参照色の彩度と撮影色の彩度との差が予め規定されている彩度閾値以下である場合、色照合部34は、参照色の彩度と撮影色の彩度とが一致すると判定する。参照色と撮影色との色相、明度、及び彩度の全てが一致すると判定した場合、色照合部34は、参照色と撮影色とは一致すると判定する。参照色と撮影色との色相、明度、及び彩度の少なくとも一つが一致しないと判定した場合、色照合部34は、参照色と撮影色とは一致しないと判定する。
【0048】
処理部36は、色照合部34から出力された参照色と撮影色との照合データに基づいて、電子部品Cを判定する。
【0049】
本実施形態において、処理部36による電子部品Cの判定は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かの判定を含む。
【0050】
処理部36は、参照色と撮影色との照合データに基づいて、電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定する。処理部36は、電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かの判定結果を示す電子部品Cの判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0051】
処理部36は、参照色と撮影色との照合データに基づいて、参照色と撮影色とが一致すると判定した場合、供給位置SPに供給された電子部品Cは基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定する。処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであることを示す判定データである正判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0052】
処理部36は、参照色と撮影色との照合データに基づいて、参照色と撮影色とが一致しないと判定した場合、供給位置SPに供給された電子部品Cは基板Pに実装されるべき電子部品Cでないと判定する。処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないことを示す判定データである否判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0053】
判定データ送信部37は、処理部36から出力された判定データを制御装置20に送信する。制御指令出力部27は、判定データ送信部37から送信された判定データを取得する。制御指令出力部27は、処理部36から出力され判定データ送信部37から送信された判定データに基づいて、実装ヘッド5を制御する制御指令を出力する。
【0054】
<電子部品実装方法>
図6は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を模式的に示す図である。
【0055】
制御装置20において、生産プログラム出力部24は、生産プログラムを生産プログラム記憶部21から抽出して、制御指令出力部27に出力する。また、生産プログラム出力部24は、生産プログラムに基づいて、参照色データを参照色データ記憶部22から抽出して、参照色データ送信部25に出力する。参照色データ送信部25は、参照色データを画像処理装置30に送信する(ステップSA11)。
【0056】
画像処理装置30において、参照色データ取得部31は、参照色データ送信部25から送信された参照色データを取得する(ステップSB11)。
【0057】
制御指令出力部27は、生産プログラムに基づいてヘッド移動装置7を制御して、実装ヘッド5を供給位置SPに移動させる(ステップSA12)。
【0058】
図7に示すように、制御指令出力部27は、ノズル6で電子部品Cを保持する前に、供給位置SPに配置されている電子部品Cをカメラ11で撮影する(ステップSA13)。
【0059】
カメラ11は、電子部品Cの画像データを画像データ取得部33に出力する。画像データ取得部33は、電子部品Cの画像データを取得する(ステップSB12)。
【0060】
色照合部34は、参照色データ取得部31により取得された参照色と画像データ取得部33により取得された画像から導出される電子部品Cの撮影色とを照合する(ステップSB13)。
【0061】
色照合部34は、参照色と撮影色との一致度を示す照合データを処理部36に出力する。処理部36は、参照色と撮影色との照合データに基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定する(ステップSB14)。
【0062】
ステップSB14において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定した場合(ステップSB14:Yes)、処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであることを示す正判定データを判定データ送信部37に出力する(ステップSB15)。
【0063】
ステップSB14において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないと判定した場合(ステップSB14:No)、処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないことを示す否判定データを判定データ送信部37に出力する(ステップSB16)。
【0064】
判定データ送信部37は、処理部36から出力された正判定データ及び否判定データのいずれか一方を示す判定データを制御装置20に送信する(ステップSB17)。
【0065】
制御指令出力部27は、判定データ送信部37から送信された判定データを取得する(ステップSA14)。
【0066】
制御指令出力部27は、画像処理装置30から送信された判定データに基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定する(ステップSA15)。
【0067】
ステップSA15において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定した場合(ステップSA15:Yes)、制御指令出力部27は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるように実装ヘッド5に制御指令を出力する(ステップSA16)。
【0068】
実装ヘッド5は、制御指令に基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cをノズル6で保持した後、処理位置MPに配置されている基板Pに搬送する。実装ヘッド5は、処理位置MPに配置されている基板Pの表面に電子部品Cを実装する。
【0069】
ステップSA15において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないと判定した場合(ステップSA15:No)、制御指令出力部27は、供給位置SPに供給された電子部品Cが廃棄位置DPに移動されるように実装ヘッド5に制御指令を出力する(ステップSA17)。
【0070】
実装ヘッド5は、制御指令に基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cをノズル6で保持した後、廃棄位置DPを含む貯留装置10に搬送する。実装ヘッド5は、貯留装置10に電子部品Cを廃棄する。
【0071】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、電子部品供給装置4から同形状の複数の電子部品Cが順次供給される場合において、電子部品Cがカメラ11で撮影され、参照色と画像から導出される電子部品Cの撮影色とが照合され、参照色と撮影色との照合データに基づいて、電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かが判定される。電子部品Cの形状に基づいて電子部品Cを判定するのではなく、電子部品Cの色に基づいて電子部品Cを判定するので、同形状の複数の電子部品Cを基板Pに実装する場合においても、電子部品Cを正しく認識することができる。
【0072】
例えば定格値が10[A]である第1種類の電子部品Cを実装する生産プログラムにおいて、第1種類とは別の種類(例えば第2種類)の電子部品Cが供給位置SPに供給されてしまう可能性がある。本実施形態において、電子部品Cは挿入型電子部品であり、ボールフィーダによって供給位置SPに供給される。ボールフィーダが使用される場合、作業者は、多数の電子部品Cをボール4Bに投入する。ボール4Bに投入された複数の電子部品Cの全てが第1種類の電子部品Cであればよいものの、例えばヒューマンエラーに起因して、ボール4Bに投入される電子部品Cの中に別の種類(例えば第2種類)の電子部品Cが混在してしまう可能性がある。第1種類の電子部品Cの電流の定格値と第2種類の電子部品Cの電流の定格値とは異なるため、第1種類の電子部品Cを実装する生産プログラムにおいて、第2種類の電子部品Cが基板Pに実装されてしまうと、不良な電子機器が生産されてしまうこととなる。第1種類の電子部品Cの形状と第2種類の電子部品Cの形状とは等しいため、検出装置12を用いて第1種類の電子部品Cと第2種類の電子部品Cとを判別することは困難である。
【0073】
本実施形態によれば、カラーの画像を取得可能なカメラ11が設けられ、供給位置SPに供給された電子部品Cの色に基づいて、電子部品Cが判定される。したがって、基板Pに実装されるべき電子部品Cと形状は同じであるが種類(機能)が異なる電子部品Cが基板Pに実装されてしまうことが抑制される。基板Pに実装されるべきでない電子部品Cが、基板Pに誤って実装されてしまうことが抑制されるため、不良な電子機器が生産されてしまうことが抑制される。
【0074】
本実施形態において、供給位置SPは処理位置MPよりも-Y側に配置され、カメラ11は、実装ヘッド5の側面において供給位置SPに最も近い-Y側の側面に固定される。これにより、供給位置SPに配置されている電子部品Cをカメラ11で撮影するとき、実装ヘッド5の移動距離を抑制することができる。
【0075】
本実施形態において、実装ヘッド5を制御する制御装置20と、電子部品Cを判定する画像処理装置30とは、別々のコンピュータシステムである。画像処理装置30から制御装置20に対して判定データが送信され、カメラ11で取得された画像データは送信されない。撮影装置9は、カメラ11と画像処理装置30とを含み、カメラ11で取得された画像データは、画像処理装置30に送信され、制御装置20には送信されない。すなわち、画像データは、撮影装置9の内部において通信されるものの、制御装置20には送信されない。データ容量が大きい画像データが撮影装置9から制御装置20に転送されると、データ転送に要する負荷及び時間が増えてしまう。本実施形態においては、データ容量が大きい画像データは制御装置20に送信されないので、例えばデータ送信遅延に起因する判定処理の遅れ又は実装処理の遅れが抑制される。そのため、電子部品実装装置1の生産性の低下が抑制される。
【0076】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0077】
本実施形態においては、供給位置MPに異なる色の電子部品Cが順次配置され、電子部品Cの色に基づいて、電子部品Cの種類を判定する例について説明する。
【0078】
<電子部品実装方法>
図8は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
図9は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を模式的に示す図である。
【0079】
制御装置20において、参照色データ送信部25は、参照色データを画像処理装置30に送信する。本実施形態において、参照色データ送信部25は、複数の参照色のそれぞれを示す参照色データを画像処理装置30に送信する(ステップSA21)。
【0080】
画像処理装置30において、参照色データ取得部31は、参照色データ送信部25から送信された複数の参照色のそれぞれを示す参照色データを取得する(ステップSB21)。
【0081】
制御指令出力部27は、生産プログラムに基づいてヘッド移動装置7を制御して、実装ヘッド5を供給位置SPに移動させる(ステップSA22)。
【0082】
制御指令出力部27は、ノズル6で電子部品Cを保持する前に、供給位置SPに配置されている電子部品Cをカメラ11で撮影する(ステップSA23)。
【0083】
カメラ11は、電子部品Cの画像データを画像データ取得部33に出力する。画像データ取得部33は、電子部品Cの画像データを取得する(ステップSB22)。
【0084】
色照合部34は、参照色データ取得部31により取得された複数の参照色のそれぞれと画像データ取得部33により取得された画像から導出される電子部品Cの撮影色とを照合する(ステップSB23)。
【0085】
色照合部34は、複数の参照色のそれぞれと撮影色とを照合して、複数の参照色から撮影色に一致する参照色をサーチする。色照合部34は、複数の参照色から撮影色に一致する参照色を示す照合データを処理部36に出力する。処理部36は、参照色と撮影色との照合データに基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cの種類を判定する(ステップSB24)。
【0086】
処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cの種類を示す判定データを判定データ送信部37に出力する。判定データ送信部37は、処理部36から出力された電子部品Cの種類を示す判定データを制御装置20に送信する(ステップSB25)。
【0087】
制御指令出力部27は、判定データ送信部37から送信された判定データを取得する(ステップSA24)。
【0088】
制御指令出力部27は、画像処理装置30から送信された判定データに基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pにおいて指定された基板の実装位置IPに実装されるように実装ヘッド5に制御指令を出力する(ステップSA25)。
【0089】
図9に示すように、供給位置SPに供給された電子部品C1の撮影色が第1色(例えば赤色)であり、供給位置SPに供給された電子部品C1が第1種類の電子部品Cであると判定された場合、制御指令出力部27は、電子部品C1が基板Pの実装位置IP1に実装されるように、実装ヘッド5に制御指令を出力する。
【0090】
供給位置SPに供給された電子部品C2の撮影色が第2色(例えば青色)であり、供給位置SPに供給された電子部品C2が第2種類の電子部品Cであると判定された場合、制御指令出力部27は、電子部品C2が基板Pの実装位置IP2に実装されるように、実装ヘッド5に制御指令を出力する。
【0091】
供給位置SPに供給された電子部品C3の撮影色が第3色(例えば黄色)であり、供給位置SPに供給された電子部品C3が第3種類の電子部品Cであると判定された場合、制御指令出力部27は、電子部品C3が基板Pの実装位置IP3に実装されるように、実装ヘッド5に制御指令を出力する。
【0092】
供給位置SPに供給された電子部品C4の撮影色が第4色(例えば緑色)であり、供給位置SPに供給された電子部品C4が第4種類の電子部品Cであると判定された場合、制御指令出力部27は、電子部品C4が基板Pの実装位置IP4に実装されるように、実装ヘッド5に制御指令を出力する。
【0093】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の参照色のそれぞれと撮影色とが照合され、複数の参照色から撮影色に一致する参照色がサーチされる。撮影色に一致する参照色に基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cの種類が判定される。これにより、異なる種類の電子部品Cが供給位置SPにランダムに供給されても、画像処理装置30は、供給位置SPに供給された電子部品Cの種類を判定することができる。制御装置20は、電子部品Cの種類に基づいて実装ヘッド5を制御することにより、生産プログラムに基づいて指定された実装位置IPに電子部品Cを正しく実装することができる。
【0094】
本実施形態においても、画像処理装置30は、複数の参照色のそれぞれと撮影色とを照合することにより、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定することができる。
【0095】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0096】
本実施形態においては、電子部品Cに設けられている記号に基づいて、電子部品Cを判定する例について説明する。電子部品Cに設けられている記号は、
図4を参照して説明したような、「10」又は「30」若しくは「10A」又は「30A」のような文字及び数字の一方又は両方を含む。
【0097】
<制御装置及び画像処理装置>
図10は、本実施形態に係る制御装置20及び画像処理装置30の一例を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、本実施形態において、制御装置20は、上述の実施形態で説明した構成要素に加えて、参照記号データ記憶部23と、参照記号データ送信部26とを有する。
【0098】
参照記号データ記憶部23は、電子部品Cに設けられる記号に係る参照記号を示す参照記号データを記憶する。参照記号とは、電子機器の生産に使用されるべき電子部品Cに設けられる記号、すなわち基板Pに実装されるべき電子部品Cに設けられる記号をいう。つまり、参照記号は、基板Pに実装されるべき電子部品Cに設けられる正解の記号を示す。本実施形態において、参照記号は、基板Pに実装されるべき電子部品Cの本体部材Caに設けられる文字及び数字の一方又は両方を含む。基板Pに実装されるべき電子部品Cは、生産プログラムに基づいて予め決定される。参照記号を示す参照記号データは、生産プログラムに基づいて予め決定され、参照記号データ記憶部23に記憶される。
【0099】
生産プログラム出力部24は、生産プログラムに基づいて、基板Pに実装されるべき電子部品Cに設けられる記号を示す参照記号データを参照記号データ記憶部23から抽出して、参照記号データ送信部26に出力する。
【0100】
参照記号データ送信部26は、生産プログラム出力部24から出力された参照記号データを、画像処理装置30に送信する。
【0101】
画像処理装置30は、上述の実施形態で説明した構成要素に加えて、参照記号データ取得部32と、記号照合部35とを有する。
【0102】
参照記号データ取得部32は、参照記号データ送信部26から送信された参照記号を示す参照記号データを取得する。
【0103】
記号照合部35は、参照記号データ取得部32により取得された参照記号と画像データ取得部33により取得された画像から導出される電子部品Cに設けられている撮影記号とを照合する。撮影記号とは、カメラ11により撮影された画像における記号をいう。すなわち、撮影記号は、供給位置SPに供給された電子部品Cに実際に設けられている記号を示す。参照記号は、電子部品Cの本体部材Caに実際に設けられる文字及び数字の一方又は両方を含む。記号照合部35は、参照記号と撮影記号との照合結果を示す照合データを処理部36に出力する。
【0104】
本実施形態において、参照記号と撮影記号との照合データは、参照記号と撮影記号との一致度を示す。記号照合部35は、参照記号をテンプレートとして、テンプレートマッチング法により参照記号と撮影記号とが一致するか否かを判定する。テンプレートマッチング法により算出された参照記号と撮影記号との類似度が類似度閾値以上である場合、記号照合部35は、参照記号と撮影記号とは一致すると判定する。テンプレートマッチング法により算出された参照記号と撮影記号との類似度が類似度閾値未満である場合、記号照合部35は、参照記号と撮影記号とは一致しないと判定する。
【0105】
処理部36は、記号照合部35から出力された参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、電子部品Cを判定する。
【0106】
本実施形態において、処理部36による電子部品Cの判定は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かの判定を含む。また、処理部36による電子部品Cの判定は、電子部品Cの向きの判定を含む。
【0107】
処理部36は、参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定する。また、処理部36は、参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、供給位置SPに配置されている電子部品Cの向きを判定する。処理部36は、電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かの判定結果を示す電子部品Cの判定データ、及び電子部品Cの向きの判定結果を示す電子部品Cの判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0108】
処理部36は、参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、参照記号と撮影記号とが一致すると判定した場合、供給位置SPに供給された電子部品Cは基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定する。処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであることを示す判定データである正判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0109】
処理部36は、参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、参照記号と撮影記号とが一致しないと判定した場合、供給位置SPに供給された電子部品Cは基板Pに実装されるべき電子部品Cでないと判定する。処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないことを示す判定データである否判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0110】
また、処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定した場合、電子部品Cの向きを示す判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0111】
判定データ送信部37は、処理部36から出力された判定データを制御装置20に送信する。制御指令出力部27は、処理部36から出力され判定データ送信部37から送信された判定データに基づいて、実装ヘッド5を制御する制御指令を出力する。
【0112】
<電子部品実装方法>
図11は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
図12は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を模式的に示す図である。
【0113】
生産プログラム出力部24は、生産プログラムに基づいて、参照記号データを参照記号データ記憶部23から抽出して、参照記号データ送信部26に出力する。参照記号データ送信部26は、参照記号データを画像処理装置30に送信する(ステップSA31)。
【0114】
画像処理装置30において、参照記号データ取得部32は、参照記号データ送信部26から送信された参照記号データを取得する(ステップSB31)。
【0115】
制御指令出力部27は、生産プログラムに基づいてヘッド移動装置7を制御して、実装ヘッド5を供給位置SPに移動させる(ステップSA32)。
【0116】
制御指令出力部27は、ノズル6で電子部品Cを保持する前に、供給位置SPに配置されている電子部品Cをカメラ11で撮影する(ステップSA33)。
【0117】
カメラ11は、電子部品Cの画像データを画像データ取得部33に出力する。画像データ取得部33は、電子部品Cの画像データを取得する(ステップSB32)。
【0118】
記号照合部35は、参照記号データ取得部32により取得された参照記号と画像データ取得部33により取得された画像から導出される電子部品Cの撮影記号とを照合する(ステップSB33)。
【0119】
記号照合部35は、参照記号と撮影記号との一致度を示す照合データを処理部36に出力する。処理部36は、参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定する(ステップSB34)。
【0120】
ステップSB34において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定した場合(ステップSB34:Yes)、処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであることを示す正判定データを判定データ送信部37に出力する(ステップSB35)。
【0121】
ステップSB34において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないと判定した場合(ステップSB34:No)、処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないことを示す否判定データを判定データ送信部37に出力する(ステップSB36)。
【0122】
また、ステップSB34において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定した場合、処理部36は、供給位置SPに供給された電子部品Cの向きの判定結果を示す電子部品Cの判定データを判定データ送信部37に出力する。
【0123】
判定データ送信部37は、処理部36から出力された正判定データ及び否判定データのいずれか一方を示す判定データを制御装置20に送信する(ステップSB37)。
【0124】
制御指令出力部27は、判定データ送信部37から送信された判定データを取得する(ステップSA34)。
【0125】
制御指令出力部27は、画像処理装置30から送信された判定データに基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かを判定する(ステップSA35)。
【0126】
ステップSA35において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであると判定した場合(ステップSA35:Yes)、制御指令出力部27は、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるように実装ヘッド5に制御指令を出力する(ステップSA36)。
【0127】
図12に示すように、複数の電子部品Cがボールフィーダによって供給位置SPに順次供給される場合、XY平面内における複数の電子部品Cの向きが異なる可能性がある。複数の電子部品Cは同形状である。本実施形態において、XY平面内における複数の電子部品Cのそれぞれの外形は、長方形状である。電子部品Cの外形のみに着目すれば複数の電子部品Cが同方向を向いていると見なすことができる場合でも、
図12に示すように、XY平面内の規定方向(例えば-Y方向)から複数の電子部品Cを見た場合、記号を正しく見ることができる電子部品Cと、記号が逆さまに見える電子部品Cとが存在する場合がある。
【0128】
制御指令出力部27は、処理部36から出力された電子部品Cの向きを示す判定データに基づいて、複数の電子部品Cが基板Pにおいて同方向を向くように制御指令を出力する。すなわち、
図12に示すように、制御指令出力部27は、XY平面内の規定方向(例えば-X方向)から基板Pに実装された複数の電子部品Cを見た場合、全ての電子部品Cに設けられている記号を正しく見ることができるように、実装ヘッド5に制御指令を出力する。
【0129】
実装ヘッド5は、制御指令に基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cをノズル6で保持した後、処理位置MPに配置されている基板Pに搬送する。実装ヘッド5は、処理位置MPに配置されている基板Pの表面に電子部品Cを実装する。実装ヘッド5は、XY平面内の規定方向(例えば-X方向)から複数の電子部品Cを見た場合、全ての電子部品Cに設けられている記号を正しく見ることができるように、電子部品Cを基板Pに実装する。
【0130】
ステップSA35において、供給位置SPに供給された電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cでないと判定した場合(ステップSA35:No)、制御指令出力部27は、供給位置SPに供給された電子部品Cが廃棄位置DPに移動されるように実装ヘッド5に制御指令を出力する(ステップSA37)。
【0131】
実装ヘッド5は、制御指令に基づいて、供給位置SPに供給された電子部品Cをノズル6で保持した後、廃棄位置DPを含む貯留装置10に搬送する。実装ヘッド5は、貯留装置10に電子部品Cを廃棄する。
【0132】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、電子部品供給装置4から同形状の複数の電子部品Cが順次供給される場合において、電子部品Cがカメラ11で撮影され、参照記号と画像から導出される電子部品Cの撮影記号とが照合され、参照記号と撮影記号との照合データに基づいて、電子部品Cが基板Pに実装されるべき電子部品Cであるか否かが判定される。電子部品Cの形状に基づいて電子部品Cを判定するのではなく、電子部品Cに設けられている記号に基づいて電子部品Cを判定するので、同形状の複数の電子部品Cを基板Pに実装する場合においても、電子部品Cを正しく認識することができる。
【0133】
本実施形態によれば、供給位置SPに供給された電子部品Cに設けられている記号がカメラ11で撮影されるため、供給位置SPにおいて電子部品Cがどちらを向いているかを判定することができる。制御指令出力部27は、判定データに基づいて、複数の電子部品Cの記号が基板Pにおいて同方向を向くように制御指令を出力することができる。生産される電子機器において、複数の電子部品Cのそれぞれに設けられている記号が同方向を向いているので、電子機器の意匠性を高めることができる。
【0134】
なお、本実施形態において、処理部36は、電子部品Cの色と記号との両方を使って、電子部品Cを判定してもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…電子部品実装装置、2…ベース部材、3…基板搬送装置、3G…ガイド機構、3H…保持部材、4…電子部品供給装置、4B…ボール、4G…ガイド機構、4S…シュート、5…実装ヘッド、5B…ブラケット、5F…ベースフレーム、6…ノズル、6B…ノズル本体、6D…アーム駆動装置、6H…アーム部、6Ha…固定アーム、6Hb…可動アーム、6P…ヒンジ機構、6S…シャフト、6T…凸部、7…ヘッド移動装置、7X…X軸駆動装置、7Y…Y軸駆動装置、8…ノズル移動装置、8R…回転駆動装置、8Z…Z軸駆動装置、9…撮影装置、10…貯留装置、11…カメラ、12…検出装置、12A…照射装置、12B…受光装置、20…制御装置、21…生産プログラム記憶部、22…参照色データ記憶部、23…参照記号データ記憶部、24…生産プログラム出力部、25…参照色データ送信部、26…参照記号データ送信部、27…制御指令出力部、30…画像処理装置、31…参照色データ取得部、32…参照記号データ取得部、33…画像データ取得部、34…色照合部、35…記号照合部、36…処理部、37…判定データ送信部、C…電子部品、Ca…本体部材、Cb…突起部材、P…基板、DP…廃棄位置、IP…実装位置、MP…処理位置、SP…供給位置。