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特許7197297基地局装置、端末装置、および、通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】基地局装置、端末装置、および、通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20221220BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221220BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20221220BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W72/04 131
H04W72/04 132
H04W74/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018134080
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2020014081
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(74)【代理人】
【識別番号】100160783
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 裕之
(73)【特許権者】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】劉 麗清
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】星野 正幸
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;NR;Medium Acce,3GPP TS 38.321 V15.2.0,2018年06月20日,5.15節,https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/38_series/38.321/38321-f20.zip
【文献】3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Univer,3GPP TS 36.213 V15.1.0,2018年04月03日,6.2節,https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/36_series/36.213/36213-f10.zip
【文献】Sharp,Remaining issues on Msg3 PUSCH frequency resource allocation[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809110,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809110.zip>,2018年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信する端末装置であって、
初期上りリンク(UL)帯域部分(BWP)の設定と、追加のUL BWPの設定とを、無線リソース制御(RRC)メッセージを介して受信し、ランダムアクセスレスポンス(RAR)ULグラントを含むRARメッセージを受信する受信部と、
アクティブなUL BWPにおいて、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を送信する送信部と
前記初期UL BWPと前記追加のUL BWPとの間でアクティブなUL BWPを切り替える処理部と
を備え、
前記初期UL BWPと、前記追加のUL BWPとのうち、一つが、前記アクティブなUL BWPとしてアクティベートされ、
前記PUSCHは、前記RAR ULグラントによりスケジューリングされ、
前記RAR ULグラントに含まれる固定ビットサイズの第1のフィールドは、前記PUSCHの周波数リソースの割り当てを示すのに用いられ、
前記初期UL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記第1のフィールドのビットをトランケートするか、前記第1のフィールドにビットを挿入するかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づ
前記追加のUL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記第1のフィールドのビットをトランケートするか、前記第1のフィールドにビットを挿入するかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づく、
端末装置。
【請求項2】
端末装置と通信する基地局装置であって、
初期上りリンク(UL)帯域部分(BWP)の設定と、追加のUL BWPの設定とを、無線リソース制御(RRC)メッセージを介して送信し、ランダムアクセスレスポンス(RAR)ULグラントを含むRARメッセージを送信する送信部と、
アクティブなUL BWPにおいて、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を受信する受信部と
を備え、
前記初期UL BWPと、前記追加のUL BWPとのうち、一つが、前記アクティブなUL BWPとしてアクティベートされ、
前記PUSCHは、前記RAR ULグラントによりスケジューリングされ、
前記RAR ULグラントに含まれる固定ビットサイズの第1のフィールドは、前記PUSCHの周波数リソースの割り当てを示すのに用いられ、
前記初期UL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記端末装置により、前記第1のフィールドのビットがトランケートされるか、前記端末装置により、前記第1のフィールドにビットが挿入されるかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づ
前記追加のUL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記端末装置により、前記第1のフィールドのビットがトランケートされるか、前記端末装置により、前記第1のフィールドにビットが挿入されるかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づく、
基地局装置。
【請求項3】
基地局装置と通信する端末装置における通信方法であって、
初期上りリンク(UL)帯域部分(BWP)の設定と、追加のUL BWPの設定とを、無線リソース制御(RRC)メッセージを介して受信するステップと、
ランダムアクセスレスポンス(RAR)ULグラントを含むRARメッセージを受信するステップと、
アクティブなUL BWPにおいて、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を送信するステップと、
前記初期UL BWPと前記追加のUL BWPとの間でアクティブなUL BWPを切り替えるステップと、
を有し、
前記初期UL BWPと、前記追加のUL BWPとのうち、一つが、前記アクティブなUL BWPとしてアクティベートされ、
前記PUSCHは、前記RAR ULグラントによりスケジューリングされ、
前記RAR ULグラントに含まれる固定ビットサイズの第1のフィールドは、前記PUSCHの周波数リソースの割り当てを示すのに用いられ、
前記初期UL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記第1のフィールドのビットをトランケートするか、前記第1のフィールドにビットを挿入するかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づ
前記追加のUL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記第1のフィールドのビットをトランケートするか、前記第1のフィールドにビットを挿入するかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づく、
通信方法。
【請求項4】
端末装置と通信する基地局装置における通信方法であって、
初期上りリンク(UL)帯域部分(BWP)の設定と、追加のUL BWPの設定とを、無線リソース制御(RRC)メッセージを介して送信するステップと、
ランダムアクセスレスポンス(RAR)ULグラントを含むRARメッセージを送信するステップと、
アクティブなUL BWPにおいて、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を受信するステップと
を有し、
前記初期UL BWPと、前記追加のUL BWPとのうち、一つが、前記アクティブなUL BWPとしてアクティベートされ、
前記PUSCHは、前記RAR ULグラントによりスケジューリングされ、
前記RAR ULグラントに含まれる固定ビットサイズの第1のフィールドは、前記PUSCHの周波数リソースの割り当てを示すのに用いられ、
前記初期UL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記端末装置により、前記第1のフィールドのビットがトランケートされるか、前記端末装置により、前記第1のフィールドにビットが挿入されるかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づ
前記追加のUL BWPが前記アクティブなUL BWPであるときは、前記端末装置により、前記第1のフィールドのビットがトランケートされるか、前記端末装置により、前記第1のフィールドにビットが挿入されるかは、前記初期UL BWPの帯域幅に基づく、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、端末装置、および、通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第5世代のセルラーシステムに向けた無線アクセス方式および無線ネットワーク技術として、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP: The Third Generation Partnership Project)において、LTE(Long Term Evolution)-Advanced Pro及びNR(New Radio technology)の技術検討及び規格策定が行われている(非特許文献1)。
【0003】
第5世代のセルラーシステムでは、高速・大容量伝送を実現するeMBB(enhanced Mobile BroadBand)、低遅延・高信頼通信を実現するURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency
Communication)、IoT(Internet of Things)などマシン型デバイスが多数接続するmMTC(massive Machine Type Communication)の3つがサービスの想定シナリオとして要求されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】RP-161214, NTT DOCOMO, “Revision of SI: Study on New Radio Access Technology”, 2016年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記のような無線通信システムにおいて、効率的な通信を可能とする端末装置、基地局装置、通信方法、および、集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の態様は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の一態様における競合ベースランダムアクセス手順を行う端末装置は、RARメッセージを含むPDSCHを受信する受信部と、前記RARメッセージに含まれる第1のULグラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドに基づき、リソース割り当てを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0007】
(2)また、本発明の一態様における競合ベースランダムアクセス手順を行う端末装置と通信する基地局装置は、リソース割り当てを示すMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドを含む第1のULグラントを生成する制御部と、RARメッセージを含むPDSCHを送信する送信部と、を備え、前記第1のULグラントは、前記RARメッセージに含まれ、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0008】
(3)また、本発明の一態様における通信方法は、端末装置の通信方法であって、RARメッセージを含むPDSCHを受信し、前記RARメッセージに含まれる第1のULグラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドに基づき、リソース割り当てを制御し、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0009】
(4)また、本発明の一態様における通信方法は、基地局装置の通信方法であって、リソース割り当てを示すMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドを含む第1のULグラントを生成し、RARメッセージを含むPDSCHを送信し、前記第1のULグラントは、前記RARメッセージに含まれ、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0010】
(5)また、本発明の一態様における集積回路は、端末装置に実装される集積回路であって、RARメッセージを含むPDSCHを受信する機能と、前記RARメッセージに含まれる第1のULグラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドに基づき、リソース割り当てを制御する機能と、前記端末装置1に発揮させ、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0011】
(6)また、本発明の一態様における集積回路は、基地局装置に実装される集積回路であって、リソース割り当てを示すMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドを含む第1のULグラントを生成する機能と、RARメッセージを含むPDSCHを送信する機能と、前記基地局装置に発揮させ、前記第1のULグラントは、前記RARメッセージに含まれ、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、基地局装置と端末装置が、効率的に通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの概念を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るSS/PBCHブロックおよびSSバーストセットの例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る上りリンクおよび下りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るサブフレーム、スロット、ミニスロットの時間領域における関係を示した図である。
図5】本発明の実施形態に係るスロットまたはサブフレームの一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るビームフォーミングの一例を示した図である。
図7】本発明の実施形態に係るBWP設定の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る端末装置1のランダムアクセス手順の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るRAR UL グラントに含まれるフィールドの一例を示す図である。
図10】本実施形態に係る‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’フィールドの解釈の一例を示す図である。
図11】本実施形態に係るBWPに対する上りリンクリソース割り当てタイプ1を説明する一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係るRIVを算出する一例を示す図である。
図13】本実施形態に係るPRACH機会に対するSSBインデックスの割当の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係るMACエンティティのランダムアクセス手順の一例を示すフロー図である。
図15】本発明の実施形態に係る端末装置1の構成を示す概略ブロック図である。
図16】本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態における無線通信システムの概念図である。図1において、無線通信システムは、端末装置1A、端末装置1B、および基地局装置3を具備する。以下、端末装置1A、および、端末装置1Bを、端末装置1とも称する。
【0016】
端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置3は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(Node B)、eNB(evolved Node B)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)、NR NB(NR Node B)、NNB、T
RP(Transmission and Reception Point)、gNBとも称される。基地局装置3は、コアネットワーク装置を含んでも良い。また、基地局装置3は、1つまたは複数の送受信点4(transmission reception point)を具備しても良い。以下で説明する基地局装置3の機能/処理の少なくとも一部は、該基地局装置3が具備する各々の送受信点4における機能/処理であってもよい。基地局装置3は、基地局装置3によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置1をサーブしてもよい。また、基地局装置3は、1つまたは複数の送受信点4によって制御される通信可能範囲(通信エリア)を1つまたは複数のセルとして端末装置1をサーブしてもよい。また、1つのセルを複数の部分領域(Beamed area)にわけ、それぞれの部分領域において端末装置1をサーブしてもよい。ここで、部分領域は、ビームフォーミングで使用されるビームのインデックスあるいはプリコーディングのインデックスに基づいて識別されてもよい。
【0017】
基地局装置3から端末装置1への無線通信リンクを下りリンクと称する。端末装置1から基地局装置3への無線通信リンクを上りリンクと称する。
【0018】
図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信では、サイクリックプレフィックス(CP: Cyclic Prefix)を含む直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、シングルキャリア周波数多重(SC-FDM: Single-Carrier Frequency Division Multiplexing)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-S-OFDM: Discrete Fourier Transform Spread OFDM)、マルチキャリア符号分割多重(MC-CDM: Multi-Carrier Code Division Multiplexing)が用いられてもよい。
【0019】
また、図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信では、ユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC: Universal-Filtered Multi-Carrier)、フィルタOFDM(F-OFDM: Filtered OFDM)、窓関数が乗算されたOFDM(Windowed OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC: Filter-Bank Multi-Carrier)が用いられてもよい。
【0020】
なお、本実施形態ではOFDMを伝送方式としてOFDMシンボルで説明するが、上述の他の伝送方式の場合を用いた場合も本発明に含まれる。
【0021】
また、図1において、端末装置1と基地局装置3の間の無線通信では、CPを用いない、あるいはCPの代わりにゼロパディングをした上述の伝送方式が用いられてもよい。また、CPやゼロパディングは前方と後方の両方に付加されてもよい。
【0022】
本実施形態の一態様は、LTEやLTE-A/LTE-A Proといった無線アクセス技術(RAT: Radio Access Technology)とのキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティにおいてオペレーションされてもよい。このとき、一部またはすべてのセルまたはセルグループ、キャリアまたはキャリアグループ(例えば、プライマリセル(PCell: Primary Cell)、セカンダリセル(SCell: Secondary Cell)、プライマリセカンダリセル(PSCell)、MCG(Master Cell Group)、SCG(Secondary Cell Group)
など)で用いられてもよい。また、単独でオペレーションするスタンドアローンで用いられてもよい。デュアルコネクティビティオペレーションにおいては、SpCell(Special Cell)は、MAC(MAC: Medium Access Control)エンティティがMCGに関連付けられているか、SCGに関連付けられているかに応じて、それぞれ、MCGのPCellまた
は、SCGのPSCellと称する。デュアルコネクティビティオペレーションでなければ、Sp
Cell(Special Cell)は、PCellと称する。SpCell(Special Cell)は、PU
CCH送信と、競合ベースランダムアクセスをサポートする。
【0023】
本実施形態では、端末装置1に対して1つまたは複数のサービングセルが設定されてもよい。設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリセルと1つまたは複数のセカンダリセルとを含んでもよい。プライマリセルは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャが行なわれたサービングセル、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャを開始したサービングセル、または、
ハンドオーバプロシージャにおいてプライマリセルと指示されたセルであってもよい。RRC(Radio Resource Control)コネクションが確立された時点、または、後に、1つまたは複数のセカンダリセルが設定されてもよい。ただし、設定された複数のサービングセルは、1つのプライマリセカンダリセルを含んでもよい。プライマリセカンダリセルは、端末装置1が設定された1つまたは複数のセカンダリセルのうち、上りリンクにおいて制御情報を送信可能なセカンダリセルであってもよい。また、端末装置1に対して、マスターセルグループとセカンダリセルグループの2種類のサービングセルのサブセットが設定されてもよい。マスターセルグループは1つのプライマリセルと0個以上のセカンダリセルで構成されてもよい。セカンダリセルグループは1つのプライマリセカンダリセルと0個以上のセカンダリセルで構成されてもよい。
【0024】
本実施形態の無線通信システムは、TDD(Time Division Duplex)および/またはFDD(Frequency Division Duplex)が適用されてよい。複数のセルの全てに対してTD
D(Time Division Duplex)方式またはFDD(Frequency Division Duplex)方式が適
用されてもよい。また、TDD方式が適用されるセルとFDD方式が適用されるセルが集約されてもよい。TDD方式はアンペアードスペクトラムオペレーション(Unpaired spectrum operation)と称されてもよい。FDD方式はペアードスペクトラムオペレーショ
ン(Paired spectrum operation)と称されてもよい。
【0025】
下りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアを下りリンクコンポーネントキャリア(あるいは下りリンクキャリア)と称する。上りリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアを上りリンクコンポーネントキャリア(あるいは上りリンクキャリア)と称する。サイドリンクにおいて、サービングセルに対応するキャリアをサイドリンクコンポーネントキャリア(あるいはサイドリンクキャリア)と称する。下りリンクコンポーネントキャリア、上りリンクコンポーネントキャリア、および/またはサイドリンクコンポーネントキャリアを総称してコンポーネントキャリア(あるいはキャリア)と称する。
【0026】
本実施形態の物理チャネルおよび物理信号について説明する。
【0027】
図1において、端末装置1と基地局装置3の無線通信では、以下の物理チャネルが用い
られる。
【0028】
・PBCH(Physical Broadcast CHannel)
・PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)
・PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)
・PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)
・PRACH(Physical Random Access CHannel)
【0029】
PBCHは、端末装置1が必要な重要なシステム情報を含む重要情報ブロック(MIB: Master Information Block、EIB: Essential Information Block、BCH:Broadcast Channel)を報知するために用いられる。
【0030】
また、PBCHは、同期信号のブロック(SS/PBCHブロックとも称する)の周期内の時間インデックスを報知するために用いられてよい。ここで、時間インデックスは、セル内の同期信号およびPBCHのインデックスを示す情報である。例えば、3つの送信ビーム(送信フィルタ設定、受信空間パラメータに関する擬似同位置(QCL:Quasi Co-Location))の想定を用いてSS/PBCHブロックを送信する場合、予め定められた
周期内または設定された周期内の時間順を示してよい。また、端末装置は、時間インデックスの違いを送信ビームの違いと認識してもよい。
【0031】
PDCCHは、下りリンクの無線通信(基地局装置3から端末装置1への無線通信)において、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信する(また
は運ぶ)ために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、1つまたは複数のDCI(DCIフォーマットと称してもよい)が定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIとして定義され、情報ビットへマップされる。PDCCHは、PDCCH候補において送信される。端末装置1は、サービングセルにおいてPDCCH候補(candidate)のセットをモニタする。モニタすることは、あるDCIフ
ォーマットに応じてPDCCHのデコードを試みることを意味する。
【0032】
例えば、以下のDCIフォーマットが定義されてよい。
・DCIフォーマット0_0
・DCIフォーマット0_1
・DCIフォーマット1_0
・DCIフォーマット1_1
・DCIフォーマット2_0
・DCIフォーマット2_1
・DCIフォーマット2_2
・DCIフォーマット2_3
【0033】
DCIフォーマット0_0は、PUSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報を含んでよい。
【0034】
DCIフォーマット0_1は、PUSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報、帯域部分(BWP:BandWidth Part)を示す情報、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)リクエス
ト、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)リクエスト、アン
テナポートに関する情報を含んでよい。
【0035】
DCIフォーマット1_0は、PDSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソー
ス割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報を含んでよい。
【0036】
DCIフォーマット1_1は、PDSCHのスケジューリング情報(周波数領域リソース割り当て及び時間領域リソース割り当て)を示す情報、帯域部分(BWP)を示す情報、送信設定指示(TCI:Transmission Configuration Indication)、アンテナポート
に関する情報を含んでよい。
【0037】
DCIフォーマット2_0は、1つまたは複数のスロットのスロットフォーマットを通知するために用いられる。スロットフォーマットは、スロット内の各OFDMシンボルが下りリンク、フレキシブル、上りリンクのいずれかに分類されたものとして定義される。例えば、スロットフォーマットが28の場合、スロットフォーマット28が指示されたスロット内の14シンボルのOFDMシンボルに対してDDDDDDDDDDDDFUが適用される。ここで、Dが下りリンクシンボル、Fがフレキシブルシンボル、Uが上りリンクシンボルである。なお、スロットについては後述する。
【0038】
DCIフォーマット2_1は、端末装置1に対して、送信がないと想定してよい物理リソースブロックとOFDMシンボルを通知するために用いられる。なお、この情報はプリエンプション指示(間欠送信指示)と称してよい。
【0039】
DCIフォーマット2_2は、PUSCHおよびPUSCHのための送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)コマンドの送信のために用いられる。
【0040】
DCIフォーマット2_3は、1または複数の端末装置1によるサウンディング参照信号(SRS)送信のためのTPCコマンドのグループを送信するために用いられる。また、TPCコマンドとともに、SRSリクエストが送信されてもよい。また、DCIフォーマット2_3に、PUSCHおよびPUCCHのない上りリンク、またはSRSの送信電力制御がPUSCHの送信電力制御と紐付いていない上りリンクのために、SRSリクエストとTPCコマンドが定義されてよい。
【0041】
下りリンクに対するDCIを、下りリンクグラント(downlink grant)、または、下りリンクアサインメント(downlink assignment)とも称する。ここで、上りリンクに対す
るDCIを、上りリンクグラント(uplink grant)、または、上りリンクアサインメント(Uplink assignment)とも称する。
【0042】
1つのPDCCHで送信されるDCIフォーマットに付加されるCRC(Cyclic Redundancy Check)パリティビットは、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)、CS-RNTI(Configured Scheduling-Radio Network Temporary Identifier)、RA-RNTI(Random Access-Radio Network Temporary Identity)、または、Temporary C-RNTIでスクランブルされる。C-RNTIおよびCS-RNTIは、セル内において端末装置を識別するための識別子である。Temporary C-RNTIは、競合ベースのランダムアクセス手順(contention based random access
procedure)中に、ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置1を識別するための識別子である。
【0043】
C-RNTI(端末装置の識別子(識別情報))は、1つまたは複数のスロットにおけるPDSCHまたはPUSCHを制御するために用いられる。CS-RNTIは、PDSCHまたはPUSCHのリソースを周期的に割り当てるために用いられる。Temporary C-RNTI(TC-RNTI)は、1つまたは複数のスロットにおけるPDSCH送信またはPUSCH送信を制御するために用いられる。Temporary C-RNTIは、ランダムアクセスメッセージ3の再送信、およびランダムアクセスメッセー
ジ4の送信をスケジュールするために用いられる。RA-RNTI(ランダムアクセス応答識別情報)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信した物理ランダムアクセスチャネルの周波数および時間の位置情報に応じて決定される。
【0044】
PUCCHは、上りリンクの無線通信(端末装置1から基地局装置3の無線通信)において、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用い
られる。ここで、上りリンク制御情報には、下りリンクのチャネルの状態を示すために用いられるチャネル状態情報(CSI: Channel State Information)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、UL-SCHリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(SR: Scheduling Request)が含まれてもよい。また、上りリンク制御情報には、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)が含ま
れてもよい。HARQ-ACKは、下りリンクデータ(Transport block, Medium Access
Control Protocol Data Unit: MAC PDU, Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対する
HARQ-ACKを示してもよい。
【0045】
PDSCHは、媒介アクセス(MAC: Medium Access Control)層からの下りリンクデータ(DL-SCH: Downlink Shared CHannel)の送信に用いられる。また、下りリンクの場合
にはシステム情報(SI: System Information)やランダムアクセス応答(RAR: Random Access Response)などの送信にも用いられる。
【0046】
PUSCHは、MAC層からの上りリンクデータ(UL-SCH: Uplink Shared CHannel)
または上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはCSIを送信するために用いられてもよい。また、CSIのみ、または、HARQ-ACKおよびCSIのみを送信するために用いられてもよい。すなわち、UCIのみを送信するために用いられてもよい。
【0047】
ここで、基地局装置3と端末装置1は、上位層(上位レイヤ:higher layer)において信号をやり取り(送受信)する。例えば、基地局装置3と端末装置1は、無線リソース制御(RRC: Radio Resource Control)層において、RRCシグナリング(RRC message: Radio Resource Control message、RRC information: Radio Resource Control informationとも称される)を送受信してもよい。また、基地局装置3と端末装置1は、MAC(Medium Access Control)層において、MACコントロールエレメントを送受信してもよい。ここで、RRCシグナリング、および/または、MACコントロールエレメントを、上位層の信号(上位レイヤ信号:higher layer signaling)とも称する。ここでの上位層は、物理層から見た上位層を意味するため、MAC層、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS(Non Access Stratum)層などの1つまたは複数を含んでもよい。例えば、MAC層の処理において上位層とは、RRC層、RLC層、PDCP層、NAS層などの1つまたは複数を含んでもよい。
【0048】
PDSCHまたはPUSCHは、RRCシグナリング、および、MACコントロールエレメントを送信するために用いられてもよい。ここで、PDSCHにおいて、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置1に対して共通のシグナリングであってもよい。また、基地局装置3から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置1に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)で
あってもよい。すなわち、端末装置固有(UEスペシフィック)の情報は、ある端末装置1に対して専用のシグナリングを用いて送信されてもよい。また、PUSCHは、上りリンクにおいてUEの能力(UE Capability)の送信に用いられてもよい。
【0049】
図1において、下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理信号が用いられる。ここで、下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するために使用されな
いが、物理層によって使用される。
・同期信号(Synchronization signal: SS)
・参照信号(Reference Signal: RS)
【0050】
同期信号は、プライマリ同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal)およびセカンダリ同期信号(SSS)を含んでよい。PSSとSSSを用いてセルIDが検出されてよい。
【0051】
同期信号は、端末装置1が下りリンクの周波数領域および時間領域の同期をとるために用いられる。ここで、同期信号は、端末装置1が基地局装置3によるプリコーディングまたはビームフォーミングにおけるプリコーディングまたはビームの選択に用いられて良い。なお、ビームは、送信または受信フィルタ設定、あるいは空間ドメイン送信フィルタまたは空間ドメイン受信フィルタと呼ばれてもよい。
【0052】
参照信号は、端末装置1が物理チャネルの伝搬路補償を行うために用いられる。ここで、参照信号は、端末装置1が下りリンクのCSIを算出するためにも用いられてよい。また、参照信号は、無線パラメータやサブキャリア間隔などのヌメロロジーやFFTの窓同期などができる程度の細かい同期(Fine synchronization)に用いられて良い。
【0053】
本実施形態において、以下の下りリンク参照信号のいずれか1つまたは複数が用いられる。
・DMRS(Demodulation Reference Signal)
・CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)
・PTRS(Phase Tracking Reference Signal)
・TRS(Tracking Reference Signal)
【0054】
DMRSは、変調信号を復調するために使用される。なお、DMRSには、PBCHを復調するための参照信号と、PDSCHを復調するための参照信号の2種類が定義されてもよいし、両方をDMRSと称してもよい。CSI-RSは、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)の測定およびビームマネジメントに使用され、周期的ま
たはセミパーシステントまたは非周期のCSI参照信号の送信方法が適用される。CSI-RSには、ノンゼロパワー(NZP:Non-Zero Power)CSI-RSと、送信電力(または受信電力)がゼロである(ゼロパワー(ZP:Zero Power)CSI-RSが定義されてよい。ここで、ZP CSI-RSは送信電力がゼロまたは送信されないCSI-RSリソースと定義されてよい。PTRSは、位相雑音に起因する周波数オフセットを保証する目的で、時間軸で位相をトラックするために使用される。TRSは、高速移動時におけるドップラーシフトを保証するために使用される。なお、TRSはCSI-RSの1つの設定として用いられてよい。例えば、1ポートのCSI-RSがTRSとして無線リソースが設定されてもよい。
【0055】
本実施形態において、以下の上りリンク参照信号のいずれか1つまたは複数が用いられる。
・DMRS(Demodulation Reference Signal)
・PTRS(Phase Tracking Reference Signal)
・SRS(Sounding Reference Signal)
【0056】
DMRSは、変調信号を復調するために使用される。なお、DMRSには、PUCCHを復調するための参照信号と、PUSCHを復調するための参照信号の2種類が定義されてもよいし、両方をDMRSと称してもよい。SRSは、上りリンクチャネル状態情報(CSI)の測定、チャネルサウンディング、およびビームマネジメントに使用される。P
TRSは、位相雑音に起因する周波数オフセットを保証する目的で、時間軸で位相をトラックするために使用される。
【0057】
下りリンク物理チャネルおよび/または下りリンク物理シグナルを総称して、下りリンク信号と称する。上りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理シグナルを総称して、上りリンク信号と称する。下りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルと称する。下りリンク物理シグナルおよび/または上りリンク物理シグナルを総称して、物理シグナルと称する。
【0058】
BCH、UL-SCHおよびDL-SCHは、トランスポートチャネルである。媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で用いられるチャネルをトランスポー
トチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(TB:transport block)および/またはMAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。MAC層においてトランスポートブロック毎にHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の制御が行われる。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliver)データの単位である。物理層において、トランスポートブロッ
クはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理が行われる。
【0059】
図2は、本実施形態に係るSS/PBCHブロック(同期信号ブロック、SSブロック、SSBとも称される)およびSSバーストセット(同期信号バーストセットとも称される)の例を示す図である。図2は、周期的に送信されるSSバーストセット内に2つのSS/PBCHブロックが含まれ、SS/PBCHブロックは、連続する4OFDMシンボルで構成される例を示している。
【0060】
SS/PBCHブロックは、少なくとも同期信号(PSS、SSS)、および/またはPBCHを含む単位ブロックである。SS/PBCHブロックに含まれる信号/チャネルを送信することを、SS/PBCHブロックを送信すると表現する。基地局装置3はSSバーストセット内の1つまたは複数のSS/PBCHブロックを用いて同期信号および/またはPBCHを送信する場合に、SS/PBCHブロック毎に独立した下りリンク送信ビームを用いてもよい。
【0061】
図2において、1つのSS/PBCHブロックにはPSS、SSS、PBCHが時間/周波数多重されている。ただし、PSS、SSSおよび/またはPBCHが時間領域で多重される順番は図2に示す例と異なってもよい。
【0062】
SSバーストセットは、周期的に送信されてよい。例えば、初期アクセスに使用されるための周期と、接続されている(ConnectedまたはRRC_Connected)端末装置のために設定する周期が定義されてもよい。また、接続されている(ConnectedまたはRRC_Connected)端末装置のために設定する周期はRRC層で設定されてよい。また、接続されている(ConnectedまたはRRC_Connected)端末のために設定する周期は潜在的に送信する可能性がある時間領域の無線リソースの周期であって、実際には基地局装置3が送信するかどうかを決めてもよい。また、初期アクセスに使用されるための周期は、仕様書などに予め定義されてよい。
【0063】
SSバーストセットは、システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)に基
づいて決定されてよい。また、SSバーストセットの開始位置(バウンダリ)は、SFNと周期に基づいて決定されてよい。
【0064】
SS/PBCHブロックは、SSバーストセット内の時間的な位置に応じてSSBインデックス(SSB/PBCHブロックインデックスと称されてもよい)が割り当てられる
。端末装置1は、検出したSS/PBCHブロックに含まれるPBCHの情報および/または参照信号の情報に基づいてSSBインデックスを算出する。
【0065】
複数のSSバーストセットにおける各SSバーストセット内における相対的な時間が同じSS/PBCHブロックは、同じSSBインデックスが割り当てられる。複数のSSバーストセットにおける各SSバーストセット内における相対的な時間が同じSS/PBCHブロックは、QCLである(あるいは同じ下りリンク送信ビームが適用されている)と想定されてもよい。また、複数のSSバーストセットにおける各SSバーストセット内における相対的な時間が同じSS/PBCHブロックにおけるアンテナポートは、平均遅延、ドップラーシフト、空間相関に関してQCLであると想定されてもよい。
【0066】
あるSSバーストセットの周期内で、同じSSBインデックスが割り当てられているSS/PBCHブロックは、平均遅延、平均ゲイン、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、空間相関に関してQCLであると想定されてもよい。QCLである1つまたは複数のSS/PBCHブロック(あるいは参照信号であってもよい)に対応する設定をQCL設定と称してもよい。
【0067】
SS/PBCHブロック数(SSブロック数あるいはSSB数と称されてもよい)は、例えばSSバースト、またはSSバーストセット内、またはSS/PBCHブロックの周期の中のSS/PBCHブロック数(個数)として定義されてよい。また、SS/PBCHブロック数は、SSバースト内、またはSSバーストセット内、またはSS/PBCHブロックの周期の中のセル選択のためのビームグループの数を示してもよい。ここで、ビームグループは、SSバースト内、またはSSバーストセット内、またはSS/PBCHブロックの周期の中に含まれる異なるSS/PBCHブロックの数または異なるビームの数として定義されてよい。
【0068】
以下、本実施形態で説明する参照信号は、下りリンク参照信号、同期信号、SS/PBCHブロック、下りリンクDM-RS、CSI-RS、上りリンク参照信号、SRS、および/または、上りリンクDM-RSを含む。例えば、下りリンク参照信号、同期信号および/またはSS/PBCHブロックを参照信号と称してもよい。下りリンクで使用される参照信号は、下りリンク参照信号、同期信号、SS/PBCHブロック、下りリンクDM-RS、CSI-RSなどを含む。上りリンクで使用される参照信号は、上りリンク参照信号、SRS、および/または、上りリンクDM-RSなどを含む。
【0069】
また、参照信号は、無線リソース測定(RRM:Radio Resource Measurement)に用いられてよい。また、参照信号は、ビームマネジメントに用いられてよい。
【0070】
ビームマネジメントは、送信装置(下りリンクの場合は基地局装置3であり、上りリンクの場合は端末装置1である)におけるアナログおよび/またはディジタルビームと、受信装置(下りリンクの場合は端末装置1、上りリンクの場合は基地局装置3である)におけるアナログおよび/またはディジタルビームの指向性を合わせ、ビーム利得を獲得するための基地局装置3および/または端末装置1の手続きであってよい。
【0071】
なお、ビームペアリンクを構成、設定または確立する手続きとして、下記の手続きを含んでよい。
・ビーム選択(Beam selection)
・ビーム改善(Beam refinement)
・ビームリカバリ(Beam recovery)
【0072】
例えば、ビーム選択は、基地局装置3と端末装置1の間の通信においてビームを選択す
る手続きであってよい。また、ビーム改善は、さらに利得の高いビームの選択、あるいは端末装置1の移動によって最適な基地局装置3と端末装置1の間のビームの変更をする手続きであってよい。ビームリカバリは、基地局装置3と端末装置1の間の通信において遮蔽物や人の通過などにより生じるブロッケージにより通信リンクの品質が低下した際にビームを再選択する手続きであってよい。
【0073】
ビームマネジメントには、ビーム選択、ビーム改善が含まれてよい。ビームリカバリには、下記の手続きを含んでよい。
・ビーム失敗(beam failure)の検出
・新しいビームの発見
・ビームリカバリリクエストの送信
・ビームリカバリリクエストに対する応答のモニタ
【0074】
例えば、端末装置1における基地局装置3の送信ビームを選択する際にCSI-RSまたはSS/PBCHブロックに含まれるSSSのRSRP(Reference Signal Received Power)を用いてもよいし、CSIを用いてもよい。また、基地局装置3への報告として
CSI-RSリソースインデックス(CRI:CSI-RS Resource Index)を用いてもよい
し、SS/PBCHブロックに含まれるPBCHおよび/またはPBCHの復調に用いられる復調用参照信号(DMRS)の系列で指示されるインデックスを用いてもよい。
【0075】
また、基地局装置3は、端末装置1へビームを指示する際にCRIまたはSS/PBCHの時間インデックスを指示し、端末装置1は、指示されたCRIまたはSS/PBCHの時間インデックスに基づいて受信する。このとき、端末装置1は指示されたCRIまたはSS/PBCHの時間インデックスに基づいて空間フィルタを設定し、受信してよい。また、端末装置1は、疑似同位置(QCL:Quasi Co-Location)の想定を用いて受信し
てもよい。ある信号(アンテナポート、同期信号、参照信号など)が別の信号(アンテナポート、同期信号、参照信号など)と「QCLである」または、「QCLの想定が用いられる」とは、ある信号が別の信号と関連付けられていると解釈できる。
【0076】
もしあるアンテナポートにおけるあるシンボルが搬送されるチャネルの長区間特性(Long Term Property)が他方のアンテナポートにおけるあるシンボルが搬送されるチャネルから推論されうるなら、2つのアンテナポートはQCLであるといわれる。チャネルの長区間特性は、遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得、及び平均遅延の1つまたは複数を含む。例えば、アンテナポート1とアンテナポート2が平均遅延に関してQCLである場合、アンテナポート1の受信タイミングからアンテナポート2の受信タイミングが推論されうることを意味する。
【0077】
このQCLは、ビームマネジメントにも拡張されうる。そのために、空間に拡張したQCLが新たに定義されてもよい。例えば、空間ドメインのQCLの想定におけるチャネルの長区間特性(Long term property)として、無線リンクあるいはチャネルにおける到来角(AoA(Angle of Arrival), ZoA(Zenith angle of Arrival)など)および/または
角度広がり(Angle Spread、例えばASA(Angle Spread of Arrival)やZSA(Zenith angle Spread of Arrival))、送出角(AoD, ZoDなど)やその角度広がり(Angle Spread、
例えばASD(Angle Spread of Departure)やZSD(Zenith angle Spread of Departure)
)、空間相関(Spatial Correlation)、受信空間パラメータであってもよい。
【0078】
例えば、アンテナポート1とアンテナポート2の間で受信空間パラメータに関してQCLであるとみなせる場合、アンテナポート1からの信号を受信する受信ビーム(受信空間フィルタ)からアンテナポート2からの信号を受信する受信ビームが推論されうることを意味する。
【0079】
QCLタイプとして、QCLであるとみなしてよい長区間特性の組み合わせが定義されてよい。例えば、以下のタイプが定義されてよい。
・タイプA:ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド
・タイプB:ドップラーシフト、ドップラースプレッド
・タイプC:平均遅延、ドップラーシフト
・タイプD:受信空間パラメータ
【0080】
上述のQCLタイプは、RRCおよび/またはMAC層および/またはDCIで1つまたは2つの参照信号とPDCCHやPDSCH DMRSとのQCLの想定を送信設定指示(TCI:Transmission Configuration Indication)として設定および/または指示
してもよい。例えば、端末装置1がPDCCHを受信する際のTCIの1つの状態として、SS/PBCHブロックのインデックス#2とQCLタイプA+QCLタイプBが設定および/または指示された場合、端末装置1は、PDCCH DMRSを受信する際、SS/PBCHブロックインデックス#2の受信におけるドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド、受信空間パラメータとチャネルの長区間特性とみなしてPDCCHのDMRSを受信して同期や伝搬路推定をしてもよい。このとき、TCIにより指示される参照信号(上述の例ではSS/PBCHブロック)をソース参照信号、ソース参照信号を受信する際のチャネルの長区間特性から推論される長区間特性の影響を受ける参照信号(上述の例ではPDCCH DMRS)をターゲット参照信号と称してよい。また、TCIは、RRCで1つまたは複数のTCI状態と各状態に対してソース参照信号とQCLタイプの組み合わせが設定され、MAC層またはDCIにより端末装置1に指示されてよい。
【0081】
この方法により、ビームマネジメントおよびビーム指示/報告として、空間ドメインのQCLの想定と無線リソース(時間および/または周波数)によりビームマネジメントと等価な基地局装置3、端末装置1の動作が定義されてもよい。
【0082】
以下、サブフレームについて説明する。本実施形態ではサブフレームと称するが、リソースユニット、無線フレーム、時間区間、時間間隔などと称されてもよい。
【0083】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る上りリンクおよび下りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。無線フレームのそれぞれは、10ms長である。また、無線フレームのそれぞれは10個のサブフレームおよびW個のスロットから構成される。また、1スロットは、X個のOFDMシンボルで構成される。つまり、1サブフレームの長さは1msである。スロットのそれぞれは、サブキャリア間隔によって時間長が定義される。例えば、OFDMシンボルのサブキャリア間隔が15kHz、NCP(Normal Cyclic Prefix)の場合、X=7あるいはX=14であり、それぞれ0.5msおよび1msである。また、サブキャリア間隔が60kHzの場合は、X=7あるいはX=14であり、それぞれ0.125msおよび0.25msである。また、例えば、X=14の場合、サブキャリア間隔が15kHzの場合はW=10であり、サブキャリア間隔が60kHzの場合はW=40である。図3は、X=7の場合を一例として示している。なお、X=14の場合にも同様に拡張できる。また、上りリンクスロットも同様に定義され、下りリンクスロットと上りリンクスロットは別々に定義されてもよい。また、図3のセルの帯域幅は帯域の一部(BWP:BandWidth Part)として定義されてもよい。また、スロットは、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と定義されてもよい。スロットは、TTIとして定義されなくてもよい。TTIは、トランスポートブロックの送信期間であってもよい。
【0084】
スロットのそれぞれにおいて送信される信号または物理チャネルは、リソースグリッド
によって表現されてよい。リソースグリッドは、それぞれのヌメロロジー(サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックス長)およびそれぞれのキャリアに対して、複数のサブキャリアと複数のOFDMシンボルによって定義される。1つのスロットを構成する
サブキャリアの数は、セルの下りリンクおよび上りリンクの帯域幅にそれぞれ依存する。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれをリソースエレメントと称する。リソースエレメントは、サブキャリアの番号とOFDMシンボルの番号とを用いて識別されてよい。
【0085】
リソースグリッドは、ある物理下りリンクチャネル(PDSCHなど)あるいは上りリンクチャネル(PUSCHなど)のリソースエレメントのマッピングを表現するために用いられる。例えば、サブキャリア間隔が15kHzの場合、サブフレームに含まれるOFDMシンボル数X=14で、NCPの場合には、1つの物理リソースブロックは、時間領域において14個の連続するOFDMシンボルと周波数領域において12*Nmax個の連続するサブキャリアとから定義される。Nmaxは、後述するサブキャリア間隔設定μにより決定されるリソースブロックの最大数である。つまり、リソースグリッドは、(14*12*Nmax,μ)個のリソースエレメントから構成される。ECP(Extended CP)の場合、サブキャリア間隔60kHzにおいてのみサポートされるので、1つの物理
リソースブロックは、例えば、時間領域において12(1スロットに含まれるOFDMシンボル数)*4(1サブフレームに含まれるスロット数)=48個の連続するOFDMシンボルと、周波数領域において12*Nmax,μ個の連続するサブキャリアとにより定義される。つまり、リソースグリッドは、(48*12*Nmax,μ)個のリソースエレメントから構成される。
【0086】
リソースブロックとして、参照リソースブロック、共通リソースブロック、物理リソースブロック、仮想リソースブロックが定義される。1リソースブロックは、周波数領域で連続する12サブキャリアとして定義される。参照リソースブロックは、全てのサブキャリアにおいて共通であり、例えば15kHzのサブキャリア間隔でリソースブロックを構成し、昇順に番号が付されてよい。参照リソースブロックインデックス0におけるサブキャリアインデックス0は、参照ポイントA(point A)と称されてよい(単に“参照ポイ
ント”と称されてもよい)。共通リソースブロックは、参照ポイントAから各サブキャリア間隔設定μにおいて0から昇順で番号が付されるリソースブロックである。上述のリソースグリッドはこの共通リソースブロックにより定義される。物理リソースブロックは、後述する帯域部分(BWP)の中に含まれる0から昇順で番号が付されたリソースブロックであり、物理リソースブロックは、帯域部分(BWP)の中に含まれる0から昇順で番号が付されたリソースブロックである。ある物理上りリンクチャネルは、まず仮想リソースブロックにマップされる。その後、仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマップされる。以下、リソースブロックは仮想リソースブロックであってもよいし、物理リソースブロックであってもよいし、共通リソースブロックであってもよいし、参照リソースブロックであってもよい。
【0087】
次に、サブキャリア間隔設定μについて説明する。上述のようにNRでは、1つまたは複数のOFDMヌメロロジーがサポートされる。あるBWPにおいて、サブキャリア間隔設定μ(μ=0,1,...,5)と、サイクリックプレフィックス長は、下りリンクのBWPに対して上位レイヤ(上位層)で与えられ、上りリンクのBWPにおいて上位レイヤで与えられる。ここで、μが与えられると、サブキャリア間隔Δfは、Δf=2^μ・15(kHz)で与えられる。
【0088】
サブキャリア間隔設定μにおいて、スロットは、サブフレーム内で0からN^{subframe,μ}_{slot}-1に昇順に数えられ、フレーム内で0からN^{frame,μ}_{slot}-1に昇順に
数えられる。スロット設定およびサイクリックプレフィックスに基づいてN^{slot}_{symb}の連続するOFDMシンボルがスロット内にある。N^{slot}_{symb}は14である。サブ
フレーム内のスロットn^{μ}_{s}のスタートは、同じサブフレーム内のn^{μ}_{s} N^{slot}_{symb}番目のOFDMシンボルのスタートと時間でアラインされている。
【0089】
次に、サブフレーム、スロット、ミニスロットについて説明する。図4は、サブフレーム、スロット、ミニスロットの時間領域における関係を示した図である。同図のように、3種類の時間ユニットが定義される。サブフレームは、サブキャリア間隔によらず1msであり、スロットに含まれるOFDMシンボル数は7または14であり、スロット長はサブキャリア間隔により異なる。ここで、サブキャリア間隔が15kHzの場合、1サブフレームには14OFDMシンボル含まれる。下りリンクスロットはPDSCHマッピングタイプAと称されてよい。上りリンクスロットはPUSCHマッピングタイプAと称されてよい。
【0090】
ミニスロット(サブスロットと称されてもよい)は、スロットに含まれるOFDMシンボル数よりも少ないOFDMシンボルで構成される時間ユニットである。同図はミニスロットが2OFDMシンボルで構成される場合を一例として示している。ミニスロット内のOFDMシンボルは、スロットを構成するOFDMシンボルタイミングに一致してもよい。なお、スケジューリングの最小単位はスロットまたはミニスロットでよい。また、ミニスロットを割り当てることを、ノンスロットベースのスケジューリングと称してもよい。また、ミニスロットをスケジューリングされることを参照信号とデータのスタート位置の相対的な時間位置が固定であるリソースがスケジュールされたと表現されてもよい。下りリンクミニスロットはPDSCHマッピングタイプBと称されてよい。上りリンクミニスロットはPUSCHマッピングタイプBと称されてよい。
【0091】
図5は、スロットフォーマットの一例を示す図である。ここでは、サブキャリア間隔15kHzにおいてスロット長が1msの場合を例として示している。同図において、Dは下りリンク、Uは上りリンクを示している。同図に示されるように、ある時間区間内(例えば、システムにおいて1つのUEに対して割り当てなければならない最小の時間区間)においては、
・下りリンクシンボル
・フレキシブルシンボル
・上りリンクシンボル
のうち1つまたは複数を含んでよい。なお、これらの割合はスロットフォーマットとして予め定められてもよい。また、スロット内に含まれる下りリンクのOFDMシンボル数またはスロット内のスタート位置および終了位置で定義されてもよい。また、スロット内に含まれる上りリンクのOFDMシンボルまたはDFT-S-OFDMシンボル数またはスロット内のスタート位置および終了位置で定義されてよい。なお、スロットをスケジューリングされることを参照信号とスロット境界の相対的な時間位置が固定であるリソースがスケジュールされたと表現されてもよい。
【0092】
端末装置1は、下りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルで下りリンク信号または下りリンクチャネルを受信してよい。端末装置1は、上りリンクシンボルまたはフレキシブルシンボルで上りリンク信号または下りリンクチャネルを送信してよい。
【0093】
図5(a)は、ある時間区間(例えば、1UEに割当可能な時間リソースの最小単位、またはタイムユニットなどとも称されてよい。また、時間リソースの最小単位を複数束ねてタイムユニットと称されてもよい。)で、全て下りリンク送信に用いられている例であり、図5(b)は、最初の時間リソースで例えばPDCCHを介して上りリンクのスケジューリングを行い、PDCCHの処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成を含むフレキシブルシンボルを介して上りリンク信号を送信する。図5(c)は、最初の時間リソースでPDCCHおよび/または下りリンクのPDSCHの送信に用いられ
、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介してPUSCHまたはPUCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号はHARQ-ACKおよび/またはCSI、すなわちUCIの送信に用いられてよい。図5(d)は、最初の時間リソースでPDCCHおよび/またはPDSCHの送信に用いられ、処理遅延及び下りから上りの切り替え時間、送信信号の生成のためのギャップを介して上りリンクのPUSCHおよび/またはPUCCHの送信に用いられる。ここで、一例としては、上りリンク信号は上りリンクデータ、すなわちUL-SCHの送信に用いられてもよい。図5(e)は、全て上りリンク送信(PUSCHまたはPUCCH)に用いられている例である。
【0094】
上述の下りリンクパート、上りリンクパートは、LTEと同様複数のOFDMシンボルで構成されてよい。
【0095】
図6は、ビームフォーミングの一例を示した図である。複数のアンテナエレメントは1つの送信ユニット(TXRU: Transceiver unit)50に接続され、アンテナエレメント毎の位相シフタ51によって位相を制御し、アンテナエレメント52から送信することで送信信号に対して任意の方向にビームを向けることができる。典型的には、TXRUがアンテナポートとして定義されてよく、端末装置1においてはアンテナポートのみが定義されてよい。位相シフタ51を制御することで任意の方向に指向性を向けることができるため、基地局装置3は端末装置1に対して利得の高いビームを用いて通信することができる。
【0096】
以下、帯域部分(BWP, Bandwidth part)について説明する。BWPは、キャリアBWPとも称される。BWPは、下りリンクと上りリンクのそれぞれに設定されてよい。BWPは、共通リソースブロックの連続するサブセットから選択された連続する物理リソースの集合として定義される。端末装置1は、ある時間に1つの下りリンクキャリアBWP(DL BWP)が活性化される4つまでのBWPを設定されうる。端末装置1は、ある時間に1つの上りリンクキャリアBWP(UL BWP)が活性化される4つまでのBWPを設定されうる。キャリアアグリゲーションの場合には、BWPは各サービングセルで設定されてもよい。このとき、あるサービングセルにおいてBWPが1つ設定されていることを、BWPが設定されていないと表現されてもよい。また、BWPが2つ以上設定されていることをBWPが設定されていると表現されてもよい。
【0097】
<MAC entity動作>
活性化されたサービングセルにおいて、常に一つのアクティブな(活性化された)BWPがある。あるサービングセルに対するBWP切り替え(BWP switching)は、インアク
ティブな(非活性化された)BWPを活性化(activate)し、アクティブな(活性化された)BWPを非活性化(deactivate)するために使用される。あるサービングセルに対するBWP切り替え(BWP switching)は、下りリンク割り当てまたは上りリンクグラント
を示すPDCCHによって制御される。あるサービングセルに対するBWP切り替え(BWP switching)は、さらに、BWPインアクティブタイマー(BWP inactivity timer)や
、RRCシグナリングによってや、ランダムアクセスプロシージャの開始時にMACエンティティ自身によって制御されてもよい。SpCell(PCellまたはPSCell)の追加ま
たは、SCellの活性化において、一つのBWPが、下りリンク割り当てまたは上りリンクグラントを示すPDCCHを受信することなしに第一にアクティブである。第一にアクティブなDL BWP (first active DL BWP) およびUL BWP(first active UL BWP)は、基地局装置3から端末装置1に送られるRRCメッセージで指定されるかもしれない。あるサービングセルに対するアクティブなBWPは、基地局装置3から端末装置1に送られるRRCまたはPDCCHで指定される。また、第一にアクティブなDL BWP (first active DL BWP) およびUL BWP(first active UL BWP)は、メッセージ4に含まれてもよい。アンペアードスペクトラム(Unpaired spectrum)(TDDバンドな
ど)では、DL BWPとUL BWPはペアされていて、BWP切り替えは、ULとDLに対して共通である。BWPが設定されているアクティベートされたサービングセルのそれぞれに対する、アクティブなBWPにおいて、端末装置1のMACエンティティは、ノーマル処理を適用する。ノーマル処理には、UL-SCHを送信する、RACHを送信する、PDCCHをモニタする、PUCCHを送信する、SRSを送信する、およびDL-SCHを受信することを含む。BWPが設定されているアクティベートされたサービングセルのそれぞれに対する、インアクティブなBWPにおいて、端末装置1のMACエンティティは、UL-SCHを送信しない、RACHを送信しない、PDCCHをモニタしない、PUCCHを送信しない、SRSを送信しない、およびDL-SCHを受信しない。あるサービングセルが非活性化された場合、アクティブなBWPは、存在しないようにしてもよい(例えば、アクティブなBWPは非活性化される)。
【0098】
<RRC動作>
RRCメッセージ(報知されるシステム情報や、専用RRCメッセージで送られる情報)に含まれるBWPインフォメーションエレメント(IE)は、BWPを設定するために使われる。基地局装置3から送信されたRRCメッセージは、端末装置1によって受信される。それぞれのサービングセルに対して、ネットワーク(基地局装置3など)は、少なくとも下りリンクのBWPと1つ(もしサービングセルが上りリンクの設定された場合など)または2つ(付録のアップリンク(supplementary uplink)が使われる場合など)の上りリンクBWPを含む少なくとも初期BWP(initial BWP)を、端末装置1に対して、
設定する。さらに、ネットワークは、追加の上りリンクBWPや下りリンクBWPをあるサービングセルに対して設定するかもしれない。BWP設定は、上りリンクパラメータと下りリンクパラメータに分けられる。また、BWP設定は、共通(common)パラメータと専用(dedicated)パラメータに分けられる。共通パラメータ(BWP上りリンク共通I
EやBWP下りリンク共通IEなど)は、セル特有である。プライマリセルの初期BWPの共通パラメータは、システム情報でも提供される。他のすべてのサービングセルに対しては、ネットワークは専用信号で共通パラメータを提供する。BWPは、BWP IDで識別される。初期BWPは、BWP IDが0である。他のBWPのBWP IDは、1から4までの値を取る。
【0099】
初期DL BWPは、タイプ0PDCCHコモンサーチスペースのためのコントロールリソースセット(CORESET)のためのPRB位置(location)と連続的なPRBの数、サブキャリア間隔、および、サイクリックプレフィックスによって定義されてもよい。即ち、初期DL BWPはMIBに含まれるpdcch-ConfigSIB1、または、ServingCellCongfigCommonに含まれるPDCCH-ConfigCommonによって設定されてもよい。インフォメーションエレメントServingCellCongfigCommonは端末装置1に対するサービングセルのセル固有パラメータを設定するために使われる。この場合、初期DL BWPのサイズはNsize BWP、0である。Nsize BWP、0は初期DL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。ここで、初期DL BWPはサイズNsize BWP、0の初期DL BWPである。
【0100】
また、端末装置1には、初期DL BWPがSIB1(systemInformationBlockType1
)またはServingCellCongfigCommon(例えば、ServingCellConfigCommonSIB)によって提供されてもよい。インフォメーションエレメントServingCellCongfigCommonSIBは、SIB1内の端末装置1に対するサービングセルのセル固有パラメータを設定するために使われる。この場合、初期DL BWPのサイズはNsize BWP、1である。Nsize BWP、1はNsize BWP、0と等しいでもよいsize BWP、1はNsize BWP、0と異なってもよい。ここで、初期DL BWPはサイズNsize BWP、1の初期DL BWPである。
【0101】
端末装置1には、初期UL BWPがSIB1(systemInformationBlockType1)また
はinitialUplinkBWPによって提供されてもよい。インフォメーションエレメントinitialUplinkBWPは、初期UL BWPを設定するために使われる。
【0102】
本実施形態において、明示しないかぎり、初期DL BWPはNsize BWP、0の初期DL BWPであってもよいし、Nsize BWP、1の初期DL BWPであってもよい。
【0103】
端末装置1は、1つのプライマリセルと15までのセカンダリセルが設定されてよい。
【0104】
図14は、本実施形態に係るMACエンティティのランダムアクセス手順の一例を示すフロー図である。
【0105】
<ランダムアクセス手順の開始(S1001)>
図14において、S1001はランダムアクセス手順の開始(random access procedure initialization)に関する手順である。S1001において、ランダムアクセス手順は、PDCCHオーダー、MACエンティティ自身、下位レイヤからのビーム失敗(beam failure)の通知、あるいはRRC等によって開始(initiate)される。SCellにおけるランダムアクセス手順は0b000000にセットしないra-PreambleIndexを含むPDCCHオーダーのみによって開始される。
【0106】
S1001において、端末装置1は、ランダムアクセス手順を開始する(initiate)前に上位層を介してランダムアクセス設定情報を受信する。該ランダムアクセス設定情報には下記の情報または下記の情報を決定/設定するための情報の1つまたは複数のエレメントが含まれてよい。
・prach-ConfigIndex:ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数の時間/周波数リソース(ランダムアクセスチャネル機会(occasion)、PRACH機会(PRACH occasion)、RACH機会とも称される)のセット
・preambleReceivedTargetPower:プリアンブルの初期電力(目標受信電力であってよい)
・rsrp-ThresholdSSB:SS/PBCHブロック(関連するランダムアクセスプリアンブルおよび/またはPRACH機会であってもよい)の選択のための参照信号受信電力(RSRP)の閾値
・rsrp-ThresholdCSI-RS:CSI-RS(関連するランダムアクセスプリアンブルおよび/またはPRACH機会であってもよい)の選択のための参照信号受信電力(RSRP)の閾値
・rsrp-ThresholdSSB-SUL:NUL(Normal Uplink)キャリアとSUL
(Supplementary Uplink)キャリアとの間の選択のための参照信号受信電力(RSRP)の閾値
・powerControlOffset:ランダムアクセス手順がビーム失敗リカバリのために開始された場合にrsrp-ThresholdSSBとrsrp-ThresholdCSI-RSとの間の電力オフセット
・powerRampingStep:パワーランピングステップ(パワーランピングファクター)。プリアンブル送信カウンタPREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERに基づいてラン
プアップされる送信電力のステップを示す
・ra-PreambleIndex:利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルあるいは前記複数のランダムアクセスプリアンブルグループにおいて利用可能な1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブル
・ra-ssb-OccasionMaskIndex:MACエンティティがランダムアクセスプリアンブルを送信するSS/PBCHブロックに割り当てられたPRACH機会を決定するための情報
・ra-OccasionList:MACエンティティがランダムアクセスプリアンブルを送信してもよいCSI-RSに割り当てられたPRACH機会を決定するための情報・preamTransMax:プリアンブル送信の最大回数
・ssb-perRACH-OccasionAndCB-PreamblesPerSSB(SpCell only):各PRACH機会にマップされるSS/PBCHブロックの数お
よび各SS/PBCHブロックにマップされるランダムアクセスプリアンブルの数を示すパラメータ
・ra-ResponseWindow: ランダムアクセス応答(SpCell only)をモニ
タするタイムウィンドウ
・ra-ContentionResolutionTimer:衝突解消(コンテンションレゾリューション:Contention Resolution)タイマー
・numberOfRA-PreamblesGroupA:各SS/PBCHブロックのためのランダムアクスプリアンブルグループA内のランダムアクセスプリアンブルの数・PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER:プリアンブル送信カウンタ
・DELTA_PREAMBLE:ランダムアクセスプリアンブルフォーマットに基づく電力オフセット値
・PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTER:プリアンブル電力ランピングカウンタ
・PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER:初期ランダムアクセスプリアンブル電力。ランダムアクセスプリアンブル送信に対する初期送信電力を示す。
・PREAMBLE_BACKOFF:ランダムアクセスプリアンブル送信のタイミング
を調整するために使われる。
【0107】
あるサービングセルにランダムアクセス手順が開始される時に、MACエンティティは、Msg3バッファをフレッシュし、状態変数PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを1にセットし、状態変数PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTERを1にセットし、状態変数PREAMBLE_BACKOFFを0msにセットする。ランダムアクセス手順に使われるキャリアが明示的に通知されるならば、MACエンティティは、ランダムアクセス手順を行うために通知されたキャリアを選択し、状態変数PCMAXを通知されたキャリアの最大送信電力値にセットする。MACエンティティは、ランダムアクセス手順に使われるキャリアが明示的に通知されない、かつ、該サービングセルに対してSULキャリアが設定されており、かつ、下りリンクパスロス参照のRSRPがrsrp-ThresholdSSB-SULより小さい場合に、ランダムアクセス手順を行うためにSULキャリアを選択し、状態変数PCMAXをSULキャリアの最大送信電力値にセットする。その以外の場合に、MACエンティティは、ランダムアクセス手順を行うためにNULキャリアを選択し、状態変数PCMAXをNULキャリアの最大送信電力値にセットする。
【0108】
<ランダムアクセス手順の開始(S1002)>
S1002はランダムアクセスリソースの選択手順(random access resource selection)である。以下、端末装置1のMACレイヤにおけるランダムアクセスリソース(時間/周波数リソースおよび/またはプリアンブルインデックスを含む)の選択手順について説明する。
【0109】
端末装置1は、送信するランダムアクセスプリアンブルのプリアンブルインデックス(
PREAMBLE_INDEXと称されてもよい)に対して下記の手順で値をセットする。
【0110】
端末装置1(MACエンティティ)は、(1)下位レイヤからのビーム失敗の通知によってランダムアクセス手順が開始され、(2)RRCパラメータでSS/PBCHブロック(SSBとも称される)またはCSI-RSに関連付けられたビーム失敗リカバリ要求のための非競合ベースランダムアクセスのためのランダムアクセスリソース(PRACH機会であってもよい)が提供されており、かつ(3)一つ以上のSS/PBCHブロックまたはCSI-RSのRSRPが所定の閾値を超えている場合に、RSRPが前記所定の閾値を超えているSS/PBCHブロックまたはCSI-RSを選択する。CSI-RSが選択された、かつ、選択されたCSI-RSに関連つけられるra-PreambleIndexがなければ、MACエンティティは、選択されたSS/PBCHブロックに関連付けられたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックス(PREAMBLE_INDEX)にセットしてもよい。それ以外の場合、MACエンティティは、該選択されたSS/PBCHブロックまたはCSI-RSに関連付けられたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックスにセットする。
【0111】
端末装置1は、(1)PDCCHまたはRRCでra-PreambleIndexが提供され、(2)該ra-PreambleIndexの値が競合ベースランダムアクセス手順を指示する値(例えば0b000000)ではなく、かつ(3)RRCでSS/PBCHブロックまたはCSI-RSと非競合ベースランダムアクセスのためのランダムアクセスリソースが関連付けられていない場合に、シグナルされたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックスにセットする。0bxxxxxxは、6ビットの情報フィールドに配置されているビット列を意味している。
【0112】
端末装置1は、(1)SS/PBCHブロックと関連付けられる非競合ベースランダムアクセスのためのランダムアクセスリソースがRRCから提供されており、かつ(2)関連付けられたSS/PBCHブロックのうちRSRPが所定の閾値を超えるSS/PBCHブロックが1つ以上利用可能である場合に、RSRPが前記所定の閾値を超えているSS/PBCHブロックのうち1つを選択し、該選択されたSS/PBCHブロックに関連付けられたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックスにセットする。
【0113】
端末装置1は、(1)RRCでCSI-RSと非競合ベースランダムアクセスのためのランダムアクセスリソースが関連付けられており、かつ(2)関連付けられたCSI-RSのうちRSRPが所定の閾値を超えるCSI-RSが1つ以上利用可能である場合に、RSRPが前記所定の閾値を超えているCSI-RSの1つを選択し、該選択されたCSI-RSに関連付けられたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックスにセットする。
【0114】
端末装置1は、上記条件のいずれの条件も満たさない場合、競合ベースランダムアクセス手順を行なう。競合ベースランダムアクセス手順においては、端末装置1は、設定された閾値を超えるSS/PBCHブロックのRSRPを持つSS/PBCHブロックを選択し、プリアンブルグループの選択を行う。SS/PBCHブロックとランダムアクセスプリアンブルの関係が設定されている場合は、端末装置1は、選択されたSS/PBCHブロックと選択されたプリアンブルグループに関連付けられた1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルからランダムにra-PreambleIndexを選択し、選択されたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックスにセットする。
【0115】
MACエンティティは、1つのSS/PBCHブロックを選択し、かつPRACH機会
とSS/PBCHブロックの関連付け(association)が設定されている場合、選択した
SS/PBCHブロックに関連付けられているPRACH機会のうち次に利用可能なPRACH機会を決定してもよい。ただし、端末装置1は、1つのCSI-RSを選択し、かつPRACH機会とCSI-RSの関連付け(association)が設定されている場合、選
択したCSI-RSに関連付けられているPRACH機会のうち次に利用可能なPRACH機会を決定してもよい。
【0116】
利用可能なPRACH機会は、マスクインデックス情報、SSBインデックス情報、RRCパラメータで設定されるリソース設定、および/または選択された参照信号(SS/PBCHブロックまたはCSI-RS)に基づいて、特定されてもよい。RRCパラメータで設定されるリソース設定は、SS/PBCHブロック毎のリソース設定、および/またはCSI-RS毎のリソース設定を含む。
【0117】
基地局装置3は、RRCメッセージで、SS/PBCHブロック毎のリソース設定および/またはCSI-RS毎のリソース設定を、端末装置1に送信してもよい。端末装置1は、RRCメッセージで、SS/PBCHブロック毎のリソース設定および/またはCSI-RS毎のリソース設定を、基地局装置3から受信する。基地局装置3は、マスクインデックス情報および/またはSSBインデックス情報を端末装置1に送信してもよい。端末装置1は、マスクインデックス情報および/またはSSBインデックス情報を、基地局装置3から取得する。端末装置1は、ある条件に基づいて、参照信号(SS/PBCHブロックまたはCSI-RS)を選択してもよい。端末装置1は、次に利用可能なPRACH機会を、マスクインデックス情報、SSBインデックス情報、RRCパラメータで設定されるリソース設定、および選択された参照信号(SS/PBCHブロックまたはCSI-RS)に基づいて特定してもよい。端末装置1のMACエンティティは、選択されたPRACH機会を使用してランダムアクセスプリアンブルを送信するように物理レイヤに指示してもよい。
【0118】
マスクインデックス情報は、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能なPRACH機会のインデックスを示す情報である。マスクインデックス情報は、prach-ConfigurationIndexで定められる1つまたは複数のPRACH機会のグループの一部のPRACH機会を示す情報であってもよい。また、マスクインデックス情報は、SSBインデックス情報で特定される特定のSSBインデックスがマップされたPRACH機会のグループ内の一部のPRACH機会を示す情報であってもよい。
【0119】
SSBインデックス情報は、基地局装置3が送信する1つまたは複数のSS/PBCHブロックのいずれかひとつに対応するSSBインデックスを示す情報である。メッセージ0を受信した端末装置1は、SSBインデックス情報で示されるSSBインデックスがマップされたPRACH機会のグループを特定する。各PRACH機会にマップされるSSBインデックスは、PRACH設定インデックスと上位レイヤパラメータSB-perRACH-Occasion、および上位レイヤパラメータcb-preamblePerSSBによって決まる。
【0120】
<ランダムアクセスプリアンブルの送信(S1003)>
S1003はランダムアクセスプリアンブルの送信(random access preamble transmission)に関する手順である。各ランダムアクセスプリアンブルに対して、MACエンテ
ィティは、(1)状態変数PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERが1より大きい、かつ(2)上位レイヤから停止されている電力ランプカウンタの通知が受信されていない、かつ(3)選択されたSS/PBCHブロックが変更されていない場合に、状態変数PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTERを1つインクリメントする。
【0121】
次に、MACエンティティは、DELTA_PREAMBLEの値を選択し、状態変数PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを所定の値にセットする。所定の値はpreambleReceivedTargetPower+DELTA_PREAMBLE+(PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTER―1)*powerRampingStepによって算出される。
【0122】
次に、MACエンティティは、ビーム失敗リカバリ要求のために非競合ベースランダムアクセスプリアンブル以外の場合に、ランダムアクセスプリアンブルが送信されるPRACH機会に関連付けられるRA-RNTIを算出する。該RA-RNTIは、RA-RNTI=1+s_id+14×t_id+14×80×f_id+14×80×8×ul_carrier_idによって算出される。ここで、s_idは、送信されるPRACHの最初のOFDMシンボルのインデックスであり、0から13までの値を取る。t_idは、システムフレーム内のPRACHの最初のスロットのインデックスであり、0から79までの値を取る。f_idは、周波数領域でPRACHのインデックスであり、0から7までの値を取る。ul_carrier_idはMsg1送信に使われる上りリンクキャリアである。NULキャリアに対するul_carrier_idは0であり、SULキャリアに対するul_carrier_idは1である。
【0123】
MACエンティティは、選択されたPRACHを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信するように物理レイヤに指示する。
【0124】
<ランダムアクセス応答の受信(S1004)>
S1004はランダムアクセス応答の受信(random access response reception)に関する手順である。一旦ランダムアクセスプリアンブルが送信されると、MACエンティティは、測定ギャップの可能な発生に関わらず、以下の動作を行う。ここで、ランダムアクセス応答はランダムアクセス応答のためのMAC PDUであってもよい。
【0125】
MAC PDU(ランダムアクセス応答のMAC PDU)は、1つまたは複数のMAC subPDUsと可能なパディングから構成されている。各MAC subPDUは、以下の何れかで構成されている。
・Backoff Indicatorのみを含むMAC サブヘッダ(subheader)
・RAPIDのみを示すMAC サブヘッダ(subheader)
・RAPIDを示すMAC サブヘッダ(subheader)とMAC RAR(MAC payload for Random Access Response)
【0126】
Backoff Indicatorのみを含むMAC subPDUはMAC PDUの先頭に配置される。パディングはMAC PDUの最後に配置される。RAPIDのみを含むMAC subPDU、および、RAPIDとMAC RARを含むMAC subPDUは、Backoff Indicatorのみを含むMAC subPDUとパディングとの間のどこにでも配置されることができる。
【0127】
MAC RARは固定のサイズで、0にセットするリザーブビット(Reserved bits)、送信タイミング調整情報(TAコマンド,Timing Advance Command),ULグラント(UL
grant、RAR UL grant)、および、TEMPORARY_C-RNTIから構成されている。以下、RARメッセージはMAC RARであってもよい。RARメッセージはランダムアクセス応答であってもよい。
【0128】
S1004において、MACエンティティがビーム失敗リカバリ要求のために非競合ベースランダムアクセスプリアンブルを送信したならば、MACエンティティはランダムア
クセスプリアンブル送信の終わりから最初のPDCCH機会で、ランダムアクセス応答ウインドウ(ra-ResponseWindow)をスタートする。そして、ランダムアクセス応答ウインドウがランニングしている間に、MACエンティティはビーム失敗リカバリ要求への応答のために、C-RNTIによって識別されたSpCellのPDCCHをモニタする。ここで、ランダムアクセス応答ウインドウの期間(ウインドウサイズ)は上位レイヤパラメータBeamFailureRecoveryConfigに含まれるra-ResponseWindowによって与えられる。それ以外の場合、MACエンティティはランダムアクセスプリアンブル送信の終わりから最初のPDCCH機会で、ランダムアクセス応答ウインドウ(ra-ResponseWindow)をスタートする。ここで、ランダムアクセス応答ウインドウの期間(ウインドウサイズ)は上位レイヤパラメータRACH-ConfigCommonに含まれるra-ResponseWindowによって与えられる。そして、MACエンティティは、ランダムアクセス応答ウインドウがランニングしている間に、MACエンティティはランダムアクセス応答のために、RA-RNTIによって識別されたSpCellのPDCCHをモニタする。ここで、インフォメーションエレメントBeamFailureRecoveryConfigは、ビーム失敗検出の場合に、端末装置1に対してビーム失敗リカバリのためにRACHリソースおよび候補ビームの設定に使われる。インフォメーションエレメントRACH-ConfigCommonは、セル固有のランダムアクセスパラメータを指定するために使われる。
【0129】
MACエンティティは、(1)下位レイヤからPDCCH送信の受信通知が受け取られ、かつ(2)PDCCH送信がC-RNTIによってスクランブルされ、かつ(3)MACエンティティがビーム失敗リカバリ要求のために非競合ベースランダムアクセスプリアンブルを送信した場合に、ランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなしてもよい。
【0130】
次に、MACエンティティは、(1)下りリンクアサインメントがRA-RNTIのPDCCHにおいて受信され、かつ(2)受信されたトランスポートブロックが成功裏にデコードされる場合に、以下の動作を行う。
【0131】
MACエンティティは、ランダムアクセス応答がBackoffIndicatorを含むMAC subPDUを含んでいる場合に、PREAMBLE_BACKOFFをMAC subPDUに含まれるBIフィールドの値に設定する。それ以外の場合、MACエンティティはPREAMBLE_BACKOFFを0msにセットする。
【0132】
MACエンティティは、ランダムアクセス応答が送信されたPREAMBLE_INDEXに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むMAC subPDUを含んでいる場合に、ランダムアクセス応答の受信が成功したとみなしてもよい。
【0133】
(1)ランダムアクセス応答の受信が成功したとみなし、且つ(2)該ランダムアクセス応答がRAPIDのみを含むMAC subPDUを含む場合に、MACエンティティはランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなし、そして、SIリクエスト(symstem information request)に対する肯定応答(acknowledgement)の受信を上位レイヤに示す。ここで、条件(2)が満たされない場合、MACエンティティは、ランダムアクセスプリアンブルが送信されるサービングセルに以下の動作Aを適用する。
【0134】
<動作Aの開始>
MACエンティティは、受信した送信タイミング調整情報(Timing Advance Command)を処理し、下位レイヤに最新のランダムアクセスプリアンブル送信に適用されるpreambleReceivedTargetPowerおよびパワーランピングの量を示す。ここで、該送信タイミング調
整情報は、受信したランダムアクセスプリアンブルから端末装置1と基地局装置3との間
の送信タイミングのずれを調整するために用いられる。
【0135】
ランダムアクセス手順に対するサービングセルがSRSのみのためのSCellである場合、MACエンティティは受信したULグラントを無視してもよい。それ以外の場合、MACエンティティは受信したULグラントの値を処理し下位レイヤに示す。
【0136】
ランダムアクセスプリアンブルがMACエンティティによって競合ベースランダムアクセスプリアンブルの範囲の中から選択されない場合、MACエンティティはランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなしてもよい。
【0137】
<動作Aの終了>
ランダムアクセスプリアンブルがMACエンティティによって競合ベースランダムアクセスプリアンブルの範囲の中から選択される場合、MACエンティティはTEMPORARY_C-RNTIを受信したランダムアクセス応答に含まれるTemporary C-RNTIフィールドの値にセットする。続いて、該ランダムアクセス応答がこのランダムアクセス手順の中で初めて成功裏に受信された場合、MACエンティティは、CCCH論理チャネル(common control channel logical channel)に対して送信が行われていないならば、次の上りリンク送信にC-RNTI MAC CEを含むことを所定のエンティティ(Multiplexing and assembly enity)に通知し、そして、所定のエンティティ(Multiplexing and assembly enity)から送信用のMAC PDUを取得し、取得したMAC PDUをMsg3バッファに格納する。MACエンティティは、CCCH論理チャネルに対して送信が行われる場合に、所定のエンティティ(Multiplexing and assembly enity)から送信用のMAC PDUを取得し、取得したMAC PDUをMsg3バッフ
ァに格納する。
【0138】
MACエンティティは、以下の条件(3)から(4)の少なくとも1つが満たされるならば、ランダムアクセス応答が成功裏に受信されていないとみなし、プリアンブル送信カウンタ(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)を1つインクリメントする。MACエンティティは、プリアンブル送信カウンタの値が所定の値(プリアンブル送信の最大回数+1)に達し、且つ、ランダムアクセスプリアンブルがSpCellで送信される場合に、上位レイヤにランダムアクセス問題を示す。そして、ランダムアクセス手順がSIリクエストのために開始された場合、MACエンティティは、ランダムアクセス手順が成功裏に完了していないとみなす。
【0139】
MACエンティティは、プリアンブル送信カウンタの値が所定の値(プリアンブル送信の最大回数+1)に達し、且つ、ランダムアクセスプリアンブルがSCellで送信される場合に、ランダムアクセス手順が成功裏に完了していないとみなす。
【0140】
条件(3)は、RACH-ConfigCommonで設定されたランダムアクセス応答ウインドウの期間が満了し(expired)、且つ、送信されたプリアンブルインデックス
と一致するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むランダムアクセス応答が受信されていないということである。条件(4)は、BeamFailureRecoveryConfigで設定されたランダムアクセス応答ウインドウの期間が満了し(expired)、
且つ、C-RNTIによってスクランブルされるPDCCHが受信されていないということである。
【0141】
ランダムアクセス手順が完了していない場合、MACエンティティは、該ランダムアクセス手順でランダムアクセスプリアンブルがMAC自身によって競合ベースランダムアクセスプリアンブルの範囲の中から選択されたならば、0とPREAMBLE_BACKOFFとの間でランダムバックオフ時間を選択し、選択されたバックオッフ時間で次のラン
ダムアクセスプリアンブル送信を遅らせ、そして、S1002を実行する。ランダムアクセス手順が完了していない場合、MACエンティティは、該ランダムアクセス手順でランダムアクセスプリアンブルがMAC自身によって競合ベースランダムアクセスプリアンブルの範囲の中から選択されていないならば、S1002を実行する。
【0142】
MACエンティティは、送信されたプリアンブルインデックスと一致するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むランダムアクセス応答を成功裏に受信したら、ランダムアクセス応答ウインドウをストップしてもよい。
【0143】
端末装置1はULグラントに基づいてPUSCHでメッセージ3を送信する。
【0144】
<衝突解消(S1005)>
S1005は衝突解消(Contention Resolution)に関する手順である。
【0145】
一旦Msg3が送信されると、MACエンティティは、衝突解消タイマーをスタートし、および、各HARQ再送信時に衝突解消タイマーを再スタートする。MACエンティティは、測定ギャップの可能な発生に関わらず、衝突解消タイマーがランニングしている間にPDCCHをモニタする。
【0146】
下位レイヤからPDCCH送信の受信通知を受け取って、かつ、C-RNTI MAC
CEがMsg3に含まれている場合、MACエンティティは、以下の条件(5)から(7)の少なくとも1つが満たされるならば、競合解消が成功するとみなし、衝突解消タイマーをストップし、TEMPORARY_C-RNTIを破棄し、ランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなす。
【0147】
条件(5)は、ランダムアクセス手順がMACサブレイア自身またはRRCサブレイアによって開始され、PDCCH送信がC-RNTIによってスクランブルされ、且つ、該PDCCH送信が初期送信のための上りリンクグラントを含むということである。条件(6)は、ランダムアクセス手順がPDCCHオーダーによって開始され、かつ、PDCCH送信はC-RNTIによってスクランブルされるということである。条件(7)は、ランダムアクセス手順がビーム失敗リカバリのために開始され、且つ、PDCCH送信はC-RNTIによってスクランブルされるということである。
【0148】
CCCH SDU(UE contention resolution Identity)がMsg3に含まれ、且つ、
PDCCH送信がTEMPORARY_C-RNTIによってスクランブルされる場合、MACエンティティは、MAC PDUが成功裏にデコードされるならば、衝突解消タイマーをストップする。続いて、成功裏にデコードされたMAC PDUがUE衝突解消アイデンティティ(UE contention resolution identity)MAC CEを含み、且つ、M
AC CE内のUE衝突解消アイデンティティがMsg3で送信されたCCCH SDUとマッチする場合、MACエンティティは、衝突解消が成功するとみなし、MAC PDUの分解(disassembly)および逆多重化(demultiplexing)を終了する。そして、ランダ
ムアクセス手順がSIリクエストのために開始された場合に、MACエンティティはSIリクエストに対する肯定応答の受信を上位レイヤに示す。ランダムアクセス手順がSIリクエストのために開始されない場合、MACエンティティはC-RNTIをTEMPORARY_C-RNTIの値にセットする。続いて、MACエンティティは、TEMPORARY_C-RNTIを破棄し、ランダムアクセス手順が成功裏に完了するとみなす。
【0149】
MACエンティティは、MAC CE内のUE衝突解消アイデンティティがMsg3で送信されたCCCH SDUとマッチしない場合に、TEMPORARY_C-RNTIを破棄し、衝突解消が成功しないとみなし、成功裏にデコードされたMAC PDUを破
棄する。
【0150】
MACエンティティは、衝突解消タイマーが満了した場合に、TEMPORARY_C-RNTIを破棄し(discard)、競合解消が成功しないとみなす。MACエンティティ
は、競合解消が成功しないとみなされる場合に、Msg3バッファ内のMAC PDUの送信に使われるHARQバッファをフラッシュし、プリアンブル送信カウンタ(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)を1つインクリメントする。プリアンブル送信カウンタの値が所定の値(プリアンブル送信の最大回数+1)に達したら、MACエンティティは上位レイヤにランダムアクセス問題を示す。そして、ランダムアクセス手順がSIリクエストのために開始された場合、MACエンティティは、ランダムアクセス手順が成功裏に完了していないとみなす。
【0151】
ランダムアクセス手順が完了していない場合、MACエンティティは、0とPREAMBLE_BACKOFFとの間でランダムバックオフ時間を選択し、選択されたバックオッフ時間で次のランダムアクセスプリアンブル送信を遅らせ、S1002を実行する。
【0152】
ランダムアクセス手順が完了すると、MACエンティティは、ビーム失敗リカバリ要求のための非競合ベースランダムアクセス手順以外の非競合ベースランダムアクセス手順に対して、明示的にシグナリングされた非競合ベースランダムアクセスリソースを破棄し、Msg3バッファ内のMAC PDUの送信に使われるHARQバッファをフラッシュする。
【0153】
以下、本実施形態におけるコントロールリソースセット(CORESET)について説明する。
【0154】
コントロールリソースセット(CORESET, Control resource set)は下りリンク制御情
報をサーチするための時間および周波数リソースである。CORESETの設定情報には、CORESETの識別子(ControlResourceSetId、CORESET-ID)とCORESETの周波数リソースを特定する情報が含まれる。インフォメーションエレメントControlResourceSetId(CORESETの識別子)は、あるサービングセルにおけるコントロールリソースセットを特定するために使われる。CORESETの識別子は、あるサービングセルにおけるBWP間で使われる。CORESETの識別子は、サービングセルにおけるBWP間でユニークである。各BWPのCORESETの数は、初期CORESETを含めて、3に制限される。あるサービングセルにおいて、CORESETの識別子の値は、0から11までの値を取る。
【0155】
CORESETの識別子0(ControlResourceSetId 0)で特定されるコントロールリソースセットはCORESET#0と称する。CORESET#0は、MIBに含まれるpdcch-ConfigSIB1、または、ServingCellCongfigCommonに含まれるPDCCH-ConfigCommonによって設定されてもよい。即ち、CORESET#0の設定情報は、MIBに含まれるpdcch-ConfigSIB1、または、ServingCellCongfigCommonに含まれるPDCCH-ConfigCommonであってもよい。CORESET#0の設定情報は、PDCCH-ConfigSIB1またはPDCCH-ConfigCommonに含まれるcontrolResourceSetZeroによって設定されてもよい。つまり、インフォメーションエレメントcontrolResourceSetZeroは、初期DL BWPのCORESET#0(コモンCORESET)を示すために用いられる。pdcch-ConfigSIB1で示されるCORESETは、CORESET#0である。MIBまたは専用コンフィギュレーション内のインフォメーションエレメントpdcch-ConfigSIB1は、初期DL BWPを設定する
ために用いられる。CORESET#0に対するCORESETの設定情報pdcch-ConfigSIB1には、CORESETの識別子とCORESETの周波数リソース(例えば、連続的なリソースブロックの数)および時間リソース(連続的なシンボルの数)を明示的に特定する情報は含まれないが、CORESET#0に対するCORESETの周波数リソース(例えば、連続的なリソースブロックの数)および時間リソース(連続的なシンボルの数)は、pdcch-ConfigSIB1に含まれる情報によって暗示的に特定できる。インフォメーションエレメントPDCCH-ConfigCommonは、SIBで提供されるセル固有のPDCCHパラメータを設定するために用いられる。また、PDCCH-ConfigCommonはハンドオーバ、および、PSCellおよび/またはSCellの追加時にも提供されてもよい。CORESET#0の設定情報は、初期BWPの設定の中に含まれる。即ち、CORESET#0の設定情報は、初期BWP以外のBWPの設定の中に含まれなくてもよい。controlResourceSetZeroは、pdcch-ConfigSIB1の内4ビット(例えば、MSB 4ビット、最上位ビットの4ビット)に対応する。CORESET#0はタイプ0PDCCHコモンサーチスペースのためのコントロールリソースセットである。
【0156】
追加のコモンCORESET(additional common control resource set)の設定情報は、PDCCH-ConfigCommonに含まれるcommonControlResourceSetによって設定されてもよい。追加のコモンCORESETの設定情報は、ランダムアクセス手順に使われる追加のコモンCORESETを指定するために使用されてもよい。追加のコモンCORESETの設定情報は、各BWPの設定の中に含まれてもよい。commonControlResourceSetに示されるCORESETの識別子は0以外の値を取る。
【0157】
コモンCORESETは、ランダムアクセス手順に使われるCORESET(例えば、追加のコモンCORESET)であってもよい。また、本実施形態において、コモンCORESETには、CORESET#0および/または追加のコモンCORESETの設定情報で設定されたCORESETが含まれてもよい。つまり、コモンCORESETはCORESET#0および/または追加のコモンCORESETを含んでもよい。CORESET#0はコモンCORESET#0と称してもよい。端末装置1、コモンCORESETが設定されているBWP以外のBWPにおいても、コモンCORESETの設定情報を参照(取得)してもよい。
【0158】
1つまたは複数のCORESETの設定情報は、PDCCH-Configによって設定されてもよい。インフォメーションエレメントPDCCH-Configは、あるBWPに対してUE固有のPDCCHパラメータ(例えば、CORSET、サーチスペースなど)を設定するために用いられる。PDCCH-Configは、各BWPの設定の中に含まれてもよい。
【0159】
即ち、本実施形態において、MIBで示されるコモンCORESETの設定情報はpdcch-ConfigSIB1であり、PDCCH-ConfigCommonで示されるコモンCORESETの設定情報はcontrolResourceSetZeroであり、PDCCH-ConfigCommonで示されるコモンCORESET(追加のコモンCORESET)の設定情報はcommonControlResourceSetである。また、PDCCH-Configで示される1つまたは複数のCORESET(UE specifically configured Control Resource Sets、UE固有CORESET)の設定情報はcontrolResourceSetToAddModListである。
【0160】
サーチスペースはPDCCH候補(PDCCH candidates)をサーチするために定義される。サーチスペースの設定情報に含まれるsearchSpaceTypeは、該サーチス
ペースがコモンサーチスペース(Common Search Space, CSS)であるかUE固有サーチスペース(UE-specific Search Space, USS)であるを示す。UE固有サーチスペースは、
少なくとも、端末装置1がセットしているC-RNTIの値から導き出される。すなわち、UE固有サーチスペースは、端末装置1毎に個別に導き出される。コモンサーチスペースは、複数の端末装置1の間で共通のサーチスペースであり、予め定められたインデックスのCCE(Control Channel Element)から構成される。CCEは、複数のリソースエ
レメントから構成される。サーチスペースの設定情報には、該サーチスペースでモニタされるDCIフォーマットの情報が含まれる。
【0161】
サーチスペースの設定情報には、CORESETの設定情報で特定されるCORESETの識別子が含まれる。サーチスペースの設定情報の中に含まれるCORESETの識別子で特定されるCORESETは、該サーチスペースと関連付けられる。言い換えると、該サーチスペースに関連付けられるCORESETは、該サーチスペースに含まれるCORESETの識別子で特定するCORESETである。該サーチスペースの設定情報で示されるDCIフォーマットは、関連付けられるCORESETでモニタされる。各サーチスペースは一つのCORESETに関連付けられる。例えば、ランダムアクセス手順のためのサーチスペースの設定情報はra-SearchSpaceによって設定されてもよい。即ち、ra-SearchSpaceと関連付けられるCORESETでRA-RNTIまたはTC-RNTIによってスクランブルされるCRCが付加されたDCIフォーマットがモニタされる。
【0162】
前述のように、CORESET#0の設定情報は、初期DL BWPの設定の中に含まれる。CORESET#0の設定情報は、初期DLBWP以外のBWP(追加のBWP)の設定の中に含まれなくてもよい。初期DL BWP以外のBWP(追加のBWP)がCORESET#0の設定情報を参照(refer, acquireなど)する場合には、周波数領域においてCORESET#0およびSSブロックが追加のBWPに含まれ、且つ、同じサブキャリア間隔を用いることを少なくとも満たすことが必要かもしれない。別の言い方で言えば、初期BWP以外のBWP(追加のBWP)がCORESET#0の設定情報を参照(refer, acquireなど)する場合には、周波数領域において初期DL BWPの帯域幅およびSSブロックが追加のBWPに含まれ、且つ、同じサブキャリア間隔を用いることを少なくとも満たすことが必要かもしれない。この時、追加のBWPに対して設定されているサーチスペース(例えば、ra-SearchSpace)は、CORESET#0の識別子0を示すことにより、CORESET#0の設定情報を参照(refer, acquireなど)することができる。また、周波数領域において初期DL BWPの帯域幅が追加のDL
BWPに含まれ、且つ、SSブロックが追加のDL BWPに含まれ、且つ、同じサブキャリア間隔を用いる条件の内何れかが満たさない場合、端末装置1は追加のDL BWPがCORESET#0の設定情報を参照することを期待しなくてもよい。即ち、この場合、基地局装置3は、端末装置1に対して追加のDL BWPがCORESET#0の設定情報を参照することを設定しなくてもよい。ここで、初期DL BWPはサイズNsize BWP、0の初期DL BWPであってもよい。
【0163】
ある(追加)DL BWPが他のBWPのCORESETの設定情報を参照(refer, acquireなど)する場合には、周波数領域においてそのCORESET(または、そのBWPの帯域幅)および/またはそのBWPが含む(関連する)SSブロックが追加のBWPに含まれ、且つ、同じサブキャリア間隔を用いることを少なくとも満たすことが必要かもしれない。つまり、周波数領域においてそのCORESET(または、そのBWPの帯域幅)が追加のDL BWPに含まれ、且つ、そのBWPが含む(関連する)SSブロックが追加のDL BWPに含まれ、且つ、同じサブキャリア間隔を用いる条件の内何れかが満たさない場合、端末装置1は追加のDL BWPがそのBWPに対して設定されているCORESETの設定情報を参照することを期待しなくてもよい。
【0164】
端末装置1は、PDCCHをモニタリングするように設定されているそれぞれのアクティブなサービングセルに配置される、1つまたは複数のCORESETにおいて、PDCCHの候補のセットをモニタする。PDCCHの候補のセットは、1つまたは複数のサーチスペースセットに対応している。モニタリングすることは、モニタされる1つまたは複数のDCIフォーマットに応じてそれぞれのPDCCHの候補をデコードすることを意味する。端末装置1がモニタするPDCCHの候補のセットは、PDCCHサーチスペースセットPDCCH search space sets)で定義される。一つのサーチスペースセットは、コモンサーチスペースセットまたはUE固有サーチスペースセットである。上記では、サーチスペースセットをサーチスペース、コモンサーチスペースセットをコモンサーチスペース、UE固有サーチスペースセットをUE固有サーチスペースと称している。端末装置1は、1つまたは複数の以下のサーチスペースセットでPDCCH候補をモニタする。
- タイプ0PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type0-PDCCH common search
space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、MIBで示
されるサーチスペースゼロ(searchSpaceZero)またはPDCCH-ConfigCom
monで示されるサーチスペースSIB1(searchSpaceSIB1)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるSI-RNRIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。
- タイプ0APDCCHコモンサーチスペースセット(a Type0A-PDCCH common search space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-ConfigCommonで示されるサーチスペースOSI(searchSpace-OSI)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるSI-RNRIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。
- タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type1-PDCCH common search
space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH
-ConfigCommonで示されるランダムアクセス手順のためのサーチスペース(ra-SearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおける
RA-RNRIまたはTC-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順のためのサーチスペースセットである。
- タイプ2PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type2-PDCCH common search
space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH
-ConfigCommonで示されるページング手順のためのサーチスペース(pagingSearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、プライマリセルにおけるP-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。
- タイプ3PDCCHコモンサーチスペースセット(a Type3-PDCCH common search
space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH
-Configで示されるサーチスペースタイプがコモンのサーチスペース(SearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、INT-RNTI、SFI-RNTI、TPC-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI、またはTPC-SRS-RNTIでスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。プライマリライセルに対しては、C-RNTI、またはCS-RNTI(s)でスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。
- UE固有サーチスペースセット(a UE-specific search space set): このサーチスペースセットは、上位層のパラメータである、PDCCH-Configで示されるサーチスペースタイプがUE固有のサーチスペース(SearchSpace)によって設定される。このサーチスペースは、C-RNTI、またはCS-RNTI(s)でスクランブルされたCRCのDCIフォーマットのモニタリングのためのものである。
【0165】
もし、端末装置1が、対応する上位層パラメータ(searchSpaceZero, searchSpaceSIB1, searchSpaceOtherSystemInformation, pagingSearchSpace, ra-SearchSpaceなど) に
よって、1つまたは複数のサーチスペースセットを提供されて、端末装置1が、C-RNTIまたはCS-RNTIを提供されている場合、端末装置1は、C-RNTIまたはCS-RNTIを持つDCI format 0_0 と DCI format 1_0のためのPDCCH候補を、その1つまたは複数のサーチスペースセットでモニタしてもよい。
【0166】
BWPの設定情報はDL BWPの設定情報とUL BWPの設定情報に分けられる。BWPの設定情報には、インフォメーションエレメントbwp-Id(BWPの識別子)が含まれる。DL BWPの設定情報に含まれるBWPの識別子は、あるサービングセルにおけるDL BWPを特定(参照)するために使われる。UL BWPの設定情報に含まれるBWPの識別子は、あるサービングセルにおけるUL BWPを特定(参照)するために使われる。BWPの識別子はDL BWPとUL BWPのそれぞれに対して付与される。例えば、DL BWPに対応するBWPの識別子はDL BWP インデックス(DL BWP index)と称してもよい。UL BWPに対応するBWPの識別子はUL BWP インデックス(UL BWP index)と称してもよい。初期DL BWPは、DL BWPの識別子0によって参照される。初期UL BWPは、UL BWPの識別子0によって参照される。他のDL BWPまたは他のUL BWPのそれぞれは、BWPの識別子 1からmaxNrofBWPsまでに参照されてもよい。つまり、0にセットしたBWPの識別子(bwp-Id=0)は、初期BWPに関連つけられ、他のBWPに使われることができない。maxNrofBWPsはサービングセルあたりのBWPの最大数であり、4である。即ち、他のBWPの識別子の値は、1から4までの値を取る。他の上位レイヤの設定情報は、BWPの識別子を利用して特定のBWPに関連付けられる。DL BWPとUL BWPが同じBWPの識別子を有することは、DL BWPとUL BWPがペアされていることを意味してもよい。
【0167】
図7は本発明の実施形態に関わるBWP設定の一例を示す図である。
【0168】
各サービングセルに対して、少なくとも1つのDL BWPと1つのUL BWPを含む1つ初期BWPが設定される。そして、あるサービングセルに対して、追加のBWP(追加のUL BWPおよび/または追加のDL BWP)が設定されてもよい。追加のBWPが最大4つまで設定されてもよい。しかし、1つのサービングセルにおいて、アクティブになるDL BWPは1つであり、アクティブになるUL BWPは1つである。
【0169】
図7において、あるサービングセルにおいて、端末装置1に対して1つの初期BWP(BWP#0)と2つの追加のBWP(BWP#1とBWP#2)が設定されている。801は初期DL BWP(DL BWP#0)である。802は初期UL BWP(UL BWP#0)である。805は追加のDL BWP(DL BWP#1)である。806は追加のUL BWP(UL BWP#1)。808は追加のDL BWP(DL BWP#2)である。809は追加のUL BWP(UL BWP#2)。以下、DL BWP#1がアクティベートされていて、UL BWP#0がアクティベートされているということを想定する。つまり、DL BWP#0とUL BWP#1はインアクティブなBWPである。DL BWP#2とUL BWP#2はインアクティブなBWPである。この場合、アクティベートされたDL BWP#1はアクティブなDL BWP(アクティブなDL BWP、currently active DL BWP)と称してもよい。アクティベートされた
初期UL BWP#0は初期アクティブなULBWP(initial active UL BWP)と称し
てもよい。端末装置1は、アクティブなDL BWP#1で下りリンク受信を実行し、初期アクティブなUL BWPで上りリンク送信を実行する。
【0170】
803は初期DL BWPに対して設定されるCORESET#0である。804は初
期DL BWPに対して設定される追加のコモンCORESETである。807は追加のBWP#1に対して設定されるCORESETである。810は追加のBWP#2に対して設定されるCORESETである。807と810はUE固有CORESET(UE specifically configured Control Resource Sets)と称してもよい。前述のように、CORESET#0(803)の設定情報はpdcch-ConfigSIB1、または、PDCCH-ConfigCommonによって設定されてもよい。追加のコモンCORESET(804)の設定情報は、PDCCH-ConfigCommonに含まれるcommonControlResourceSetによって設定されてもよい。CORESET(807と810)の設定情報は、PDCCH-Configに含まれるcontrolResourceSetToAddModListによって設定されてもよい。803のCORESETの識別子の値は0で与えられる。804のCORESETの識別子の値は1で与えられてもよい。807のCORESETの識別子の値は3で与えられてもよい。810のCORESETの識別子の値は6で与えられてもよい。DL BWP#0に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は1にセットされ、DL BWP#2に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は6にセットされる。
【0171】
図7において、DL BWP#0、DL BWP#1およびDL BWP#2のそれぞ
れに対してra-searchspaceが設定されている。前述のように、ランダムアクセス手順のためのサーチスペースの設定情報はra-SearchSpaceによって設定されてもよい。第一の例として、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子は該DL BWPに対して設定されているCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子の値にセットしてもよいし、または、初期BWPに対して設定されているra-SearchSpaceに含まれるCORESETの識別子の値にセットしてもよい。即ち、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは該DL BWPに対して設定されているCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子を示してもよいし、または、初期BWPに対して設定されているra-SearchSpaceに含まれるCORESETの識別子を示してもよい。つまり、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは該DL BWPおよび初期DL BWP以外の他のDL BWPに対して設定されているコモンおよびUE固有CORESETの識別子を示されなくてもよい。別の言い方で言えば、基地局装置3が、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは該DL BWPおよび初期DL BWP以外の他のDL BWPに対して設定されているコモンおよびUE固有CORESETの識別子を示されないようにRRCメッセージを送信してもよい。例えば、DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は1にセットされてもよいし、3にセットされてもよい。DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は6にセットされない。DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値が1にセットされた場合、端末装置1、CORESETの識別子1で特定されるCORESET#1(804)の設定情報に基づいて、アクティブなDL BWP#1で該ra-searchspaceに含まれるDCIフォーマットをモニタする。DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値が3にセットされた場合、端末装置1、CORESETの識別子3で特定されるCORESET#3(807)の設定情報に基づいて、アクティブなDL BWP#1で該ra-searchspaceに含まれるDCIフォーマットをモニタする。即ち、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは、コモンCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子を示してもよい。例えば、DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は、1にセットされてもよい。すなわち、初期DL BWPに、CORESET#1が設定されている場
合は、CORESET#0は、ra-searchspaceとして呼び出すことができない。初期DL BWPに、CORESET#1が設定されていない場合は、CORESET#0は、ra-searchspaceとして呼び出すことができる。ただし、第一の例の拡張として、初期DL BWPに、CORESET#1が設定されている場合にも、CORESET#0を、該DL BWPが、ra-searchspaceとして呼び出すことができるようにしてもよい。
【0172】
また、第二の例として、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子は該DL BWPに対して設定されているコモンCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子の値にセットされてもよいし、または、他のBWPに対して設定されているランダムアクセス手続きのためのコモンCORESETの識別子の値にセットしてもよい。即ち、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは該DL BWPに対して設定されているコモンCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子を示してもよいし、または、他のBWPに対して設定されているランダムアクセス手続きのためのコモンCORESETの識別子を示してもよい。例えば、DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は1にセットされてもよいし、3にセットされてもよいし、6にセットされてもよい。すなわち、初期DL BWPに、CORESET#1が設定されている場合は、CORESET#0は、該DL BWPのra-searchspaceとして呼び出すことができない。初期DL BWPに、CORESET#1が設定されていない場合は、CORESET#0は、該DL BWPのra-searchspaceとして呼び出すことができる。
【0173】
また、第三の例として、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子は端末装置1に設定されているすべてのコモンCORESETの識別子の値にセットされてもよい。即ち、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは該サービングセルに設定されているすべてのコモンCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子をしめしてもよい。例えば、DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は0、1、3、6にセットされてもよい。
【0174】
該DL BWPに対して設定されているCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子の値にセットしてもよいし、または、他のBWPに対して設定されているCORESETの識別子の値にセットしてもよい。即ち、あるDL BWPに対して設定されているra-searchspaceは該DL BWPに対して設定されているCORESETの設定情報を特定するCORESETの識別子を示してもよいし、または、他のBWPに対して設定されているコモンCORESETの識別子を示してもよい。例えば、DL BWP#1に対してra-searchspaceに含まれるCORESETの識別子の値は0にセットされてもよいし、1にセットされてもよいし、3にセットされてもよいし、6にセットされてもよい。
【0175】
本実施形態のランダムアクセス手順(Random Access procedure)について説明する。
ランダムアクセス手順は、競合ベース(CB:Contention Based)と非競合ベース(non-CB)(CF:Contention Freeと称してもよい)の2つの手順に分類される。競合ベースランダムアクセスはCBRA、非競合ベースランダムアクセスはCFRAとも称される
【0176】
ランダムアクセス手順は、(i)PRACHにおけるランダムアクセスプリアンブル(メッセージ1、Msg1)の送信、(ii)PDCCH/PDSCHを伴うランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(メッセージ2、Msg2)の受信、および、適用可能な場合、(
iii)メッセージ3PUSCH(Msg3 PUSCH)の送信、(iv)衝突解消のためのPDSCHの受信、を有してもよい。
【0177】
競合ベースのランダムアクセス手順は、PDCCHオーダー、MACエンティティ、下位レイヤからのビーム失敗(beam failure)の通知、あるいはRRC等によって開始(initiate)される。ビーム失敗通知が、端末装置1のMACエンティティに端末装置1の物理レイヤから提供された場合に、ある条件を満たした場合、端末装置1のMACエンティティは、ランダムアクセス手順を開始する。ビーム失敗通知が、端末装置1のMACエンティティに端末装置1の物理レイヤから提供された場合に、ある条件を満たしたかどうかを判断し、ランダムアクセス手順を開始する手続きを、ビーム失敗リカバリ手順と称してもよい。このランダムアクセス手順は、ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順である。MACエンティティによって開始されるランダムアクセス手順は、スケジューリングリクエスト手続きによって開始されるランダムアクセス手順を含む。ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順は、MACエンティティによって開始されるランダムアクセス手順と考えられるかもしれないし、考えられないかもしれない。ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順とスケジューリングリクエスト手続きによって開始されるランダムアクセス手順で、異なる手続きを行う場合があるため、ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順とスケジューリングリクエスト手続きを、区別するようにしてもよい。ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順とスケジューリングリクエスト手続きを、MACエンティティによって開始されるランダムアクセス手順としてもよい。ある実施形態では、スケジューリングリクエスト手続きによって開始されるランダムアクセス手順をMACエンティティによって開始されるランダムアクセス手順と称し、ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順を下位レイヤからのビーム失敗の通知によるランダムアクセス手順と称するようにしてもよい。以下、下位レイヤからのビーム失敗の通知を受けた場合のランダムアクセス手順の開始は、ビーム失敗リカバリ要求のためのランダムアクセス手順の開始を意味してもよい。
【0178】
端末装置1は、基地局装置3と接続(通信)していない状態からの初期アクセス時、および/または、基地局装置3と接続中であるが端末装置1に送信可能な上りリンクデータあるいは送信可能なサイドリンクデータが発生した場合のスケジューリングリクエスト時などにおいて競合ベースのランダムアクセス手順を行なう。ただし、競合ベースのランダムアクセスの用途はこれらに限定されない。
【0179】
端末装置1に送信可能な上りリンクデータが発生していることは、送信可能な上りリンクデータに対応するバッファステータスレポートがトリガーされていることを含んでもよい。端末装置1に送信可能な上りリンクデータが発生していることは、送信可能な上りリンクデータの発生に基づいてトリガーされたスケジューリングリクエストがペンディングされていることを含んでもよい。
【0180】
端末装置1に送信可能なサイドリンクデータが発生していることは、送信可能なサイドリンクデータに対応するバッファステータスレポートがトリガーされていることを含んでもよい。端末装置1に送信可能なサイドリンクデータが発生していることは、送信可能なサイドリンクデータの発生に基づいてトリガーされたスケジューリングリクエストがペンディングされていることを含んでもよい。
【0181】
非競合ベースのランダムアクセス手順は、端末装置1が基地局装置3からランダムアクセス手順の開始を指示する情報を受けた場合に開始されてもよい。非競合ベースランダムアクセス手順は、端末装置1のMACレイヤが、下位レイヤからビーム失敗の通知を受けた場合に開始されてもよい。
【0182】
非競合ベースのランダムアクセスは、基地局装置3と端末装置1とが接続中であるがハンドオーバや移動局装置の送信タイミングが有効でない場合に、迅速に端末装置1と基地局装置3との間の上りリンク同期をとるために用いられてよい。非競合ベースランダムアクセスは、端末装置1においてビーム失敗が発生した場合にビーム失敗リカバリ要求を送信するために用いられてよい。ただし、非競合ベースのランダムアクセスの用途はこれらに限定されない。
【0183】
ただし、該ランダムアクセス手順の開始を指示する情報はメッセージ0、Msg.0、NR-PDCCHオーダー、PDCCHオーダーなどと称されてもよい。
【0184】
ただし、端末装置1は、メッセージ0で指示されたランダムアクセスプリアンブルインデックスが所定の値(例えば、インデックスを示すビットが全て0である場合)であった場合に、端末装置1が利用可能なプリアンブルのセットの中からランダムに1つを選択して送信する競合ベースのランダムアクセス手順を行なってもよい。
【0185】
ただし、ランダムアクセス設定情報には、セル内で共通の情報が含まれてもよく、端末装置1毎に異なる専用(dedicated)の情報が含まれてもよい。
【0186】
ただし、ランダムアクセス設定情報の一部は、SSバーストセット内の全てのSS/PBCHブロックに関連付けられていてもよい。ただし、ランダムアクセス設定情報の一部は設定された1つまたは複数のCSI-RSの全てに関連付けられてもよい。ただし、ランダムアクセス設定情報の一部は1つの下りリンク送信ビーム(あるいはビームインデックス)に関連付けられていてもよい。
【0187】
ただし、ランダムアクセス設定情報の一部はSSバーストセット内の1つのSS/PBCHブロックに関連付けられていてもよい。ただし、ランダムアクセス設定情報の一部は設定された1つまたは複数のCSI-RSのうちの1つに関連付けられてもよい。ただし、ランダムアクセス設定情報の一部は1つの下りリンク送信ビーム(あるいはビームインデックス)に関連付けられていてもよい。ただし、1つのSS/PBCHブロック、1つのCSI-RS、および/または1つの下りリンク送信ビームに関連付けられた情報には、対応する1つのSS/PBCHブロック、1つのCSI-RS、および/または1つの下りリンク送信ビームを特定するためのインデックス情報(例えば、SSBインデックス、ビームインデックス、あるいはQCL設定インデックスであってよい)が含まれてもよい。
【0188】
以下、PRACH機会について説明する。
【0189】
ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のPRACH機会のセットは、上位レイヤ(上位レイヤ信号)で提供される上位レイヤパラメータprach-ConfigIndexで特定されてよい。prach-ConfigIndexで与えられるPRACH設定(物理ランダムアクセスチャネル設定)インデックスと、予め定められたテーブル(ランダムアクセスチャネル設定(PRACH config)テーブルとも称される)に従い、ランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な1つまたは複数のPRACH機会のセットが特定される。ただし、特定される1つまたは複数のPRACH機会は、基地局装置3が送信する1つまたは複数のSS/PBCHブロックのそれぞれに関連付けられるPRACH機会の集合であってよい。
【0190】
ただし、PRACH設定インデックスは、ランダムアクセス設定テーブルに示されるPRACH機会のセットが時間的に繰り返される周期(PRACH設定周期(物理ランダムアクセスチャネル設定周期:PRACH configuration period))、ランダムアクセスプリア
ンブルを送信可能なサブキャリアインデックス、リソースブロックインデックス、サブフレーム番号、スロット番号、システムフレーム番号、シンボル番号、および/または、プリアンブルのフォーマットの設定に用いられてもよい。
【0191】
ただし、各PRACH機会にマップされるSS/PBCHブロックの数は、上位レイヤで提供される上位レイヤパラメータSSB-perRACH-Occasionで示されてよい。SSB-perRACH-Occasionが1より小さい値である場合は、連続する複数のPRACH機会に対して1つのSS/PBCHブロックがマップされる。
【0192】
ただし、各SS/PBCHブロックにマップされるランダムアクセスプリアンブルの数は、上位レイヤで提供される上位レイヤパラメータcb-preamblePerSSBで示されてよい。各PRACH機会で各SS/PBCHブロックにマップされるランダムアクセスプリアンブルの数は、SSB-perRACH-Occasionとcb-preamblePerSSBから算出されてよい。各PRACH機会で各SS/PBCHブロックにマップされるランダムアクセスプリアンブルのインデックスは、SB-perRACH-Occasion、cb-preamblePerSSB、および、SSBインデックスから特定されてよい。
【0193】
PRACH機会に対して、SSBインデックスは下記のルールでマップされてよい。
(1)1番目に、1つのPRACH機会でプリアンブルインデックスの昇順でマップされる。例えば、PRACH機会のプリアンブル数が64であり、各PRACH機会で各SS/PBCHブロックにマップされるランダムアクセスプリアンブルの数が32である場合に、あるPRACH機会にマップされるSSBインデックスはnとn+1となる。
(2)2番目に、周波数多重された複数のPRACH機会に対して周波数リソースインデックスの昇順でマップされる。例えば、2つのPRACH機会が周波数多重されており、周波数リソースインデックスの小さいPRACH機会にマップされるSSBインデックスがnとn+1である場合、周波数リソースインデックスの大きいPRACH機会にマップされるSSBインデックスはn+2とn+3となる。
(3)3番目に、PRACHスロット内で時間多重された複数のPRACH機会に対して時間リソースインデックスの昇順でマップされる。例えば、上記(2)の例に加えてPRACHスロット内で時間方向に更に2つのPRACH機会が多重されている場合、これらのPRACH機会にマップされるSSBインデックスはn+4、n+5およびn+6、n+7となる。
(4)4番目に、複数のPRACHスロットに対しインデックスの昇順でマップされる。例えば、上記(3)の例に加えて次のPRACHスロットにRACH機会が存在する場合に、マップされるSSBインデックスはn+8、n+9、…となる。ただし、上記の例において、n+xが、SSBインデックスの最大値より大きくなった場合には、SSBインデックスの値は0に戻る。
【0194】
図13は、本発明の実施形態に係るPRACH機会に対するSSBインデックスの割当の一例を示す図である。図13は、ある時間区間で2つのPRACHスロットが存在し、1つのPRACHスロット内に時間方向に2つ、周波数方向に2つのPRACH機会(RO)が存在し、SSBインデックスが0~11まで存在する場合の例を示している。1つのPRACH機会には2つのSSBインデックスがマップされており、上記(1)~(4)のルールに従いSSBインデックスがマップされ、7つ目のPRACH機会から再度SSBインデックス0からマップされている。
【0195】
各PRACH機会に対してSSBインデックスがマップされるが、prach-ConfigIndexで特定されるPRACH設定周期内の全てのPRACH機会を用いた場合でも全てのSSBインデックス(基地局装置3が送信する全てのSS/PBCHブロッ
ク)にマップされない場合、SSBインデックスは複数のPRACH設定周期にわたってマップされてもよい。ただし、基地局装置3が送信する全てのSS/PBCHブロックの数は上位レイヤパラメータによって示されてもよい。全てのSSBインデックスが少なくとも1回マップされるようにPRACH設定周期を所定の回数繰り返した周期をアソシエーション周期(association period)と称する。アソシエーション周期を構成するPRACH設定周期の回数は、予め定められた複数の値のセットから上記条件を満たす最小の値が用いられてよい。該予め定められた複数の値のセットは、PRACH設定周期毎に定められていてもよい。ただし、アソシエーション周期内のPRACH機会に対して全てのSSBインデックスがマップされた上で、残されたPRACH機会の数がSS/PBCHブロックの数より多い場合には、再度SSBインデックスがマップされてもよい。ただし、アソシエーション周期内のPRACH機会に対して全てのSSBインデックスがマップされた上で、残されたPRACH機会の数がSS/PBCHブロックの数より少ない場合には、残されたPRACH機会にはSSBインデックスがマップされなくてもよい。全てのSSBインデックスに対して1度ずつPRACH機会が割り当てられるサイクルをSSBインデックス割当サイクルと称する。SSB-perRACH-Occasionが1以上である場合、1度のSSBインデックス割当サイクルに各SSBインデックスは1つのPRACH機会にマップされる。SSB-perRACH-Occasionが1より小さい値である場合、1度のSSBインデックス割当サイクルに各SSBインデックスは1/SSB-perRACH-OccasionのPRACH機会にマップされる。端末装置1は、PRACH設定インデックスで示されるPRACH設定周期と上位レイヤ(上位レイヤ信号)で提供される上位レイヤパラメータで特定されるSS/PBCHブロックの数に基づいてアソシエーション周期を特定してもよい。
【0196】
ランダムアクセス設定情報に含まれる1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルグループのそれぞれは、参照信号(例えば、SS/PBCHブロック、CSI-RSまたは下りリンク送信ビーム)毎に関連付けられていてもよい。端末装置1は受信した参照信号(例えば、SS/PBCHブロック、CSI-RSまたは下りリンク送信ビーム)に基づいてのランダムアクセスプリアンブルグループを選択してもよい。
【0197】
ただし、各SS/PBCHブロックに関連付けられているランダムアクセスプリアンブルグループは、上位層で通知される1つまたは複数のパラメータによって特定されてもよい。該1つまたは複数のパラメータの1つは、利用可能な1つまたは複数のプリアンブルのうちの1つのインデックス(例えばスタートインデックス)であってもよい。1つまたは複数のパラメータの1つは、SS/PBCHブロックあたりで競合ベースランダムアクセスに使用可能なプリアンブルの数であってもよい。該1つまたは複数のパラメータの1つは、SS/PBCHブロックあたりで競合ベースランダムアクセスに使用可能なプリアンブルの数と非競合ベースランダムアクセスに使用可能なプリアンブルの数の合計であってもよい。該1つまたは複数のパラメータの1つは、1つのPRACH機会に関連付けられているSS/PBCHブロックの数であってもよい。
【0198】
ただし、端末装置1は、それぞれ1つの下りリンク送信ビームを用いて送信された1つまたは複数の下りリンク信号を受信し、その中の1つの下りリンク信号に関連付けられたランダムアクセス設定情報を受信し、該受信したランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセス手順を行なってもよい。端末装置1は、SSバーストセット内の1つまたは複数のSS/PBCHブロックを受信し、その中の1つのSS/PBCHブロックに関連付けられたランダムアクセス設定情報を受信し、該受信したランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセス手順を行なってもよい。端末装置1は、1つまたは複数のCSI-RSを受信し、その中の1つのCSI-RSに関連付けられたランダムアクセス設定情報を受信し、該受信したランダムアクセス設定情報に基づいてランダムアクセス手順を行なってもよい。
【0199】
1つまたは複数のランダムアクセス設定情報は、1つのランダムアクセスチャネル設定(RACH-Config)および/または1つの物理ランダムアクセスチャネル設定(PRACH-Config)で構成されてもよい。
【0200】
ランダムアクセスチャネル設定の中に参照信号毎のランダムアクセスに関するパラメータが含まれてもよい。
【0201】
物理ランダムアクセスチャネル設定中に参照信号毎の物理ランダムアクセスチャネルに関するパラメータ(PRACH設定のインデックス、PRACH機会など)が含まれてもよい。
【0202】
1つのランダムアクセス設定情報は、1つの参照信号に対応するランダムアクセスに関するパラメータを示し、複数のランダムアクセス設定情報は、複数の参照信号に対応する複数のランダムアクセスに関するパラメータを示してもよい。
【0203】
1つのランダムアクセス設定情報は、1つの参照信号に対応する物理ランダムアクセスに関するパラメータを示し、複数の参照信号に対応する複数のランダムアクセスに関するパラメータを示してもよい。
【0204】
対応する参照信号が選択されれば、参照信号に対応するランダムアクセス設定情報(参照信号に対応するランダムアクセスチャネル設定、参照信号に対応する物理ランダムアクセスチャネル設定)が選択されるようにしてもよい。
【0205】
ただし、端末装置1は、ランダムアクセスプリアンブルを送信する基地局装置3および/または送受信点4とは異なる基地局装置3および/または送受信点4から1つまたは複数のランダムアクセス設定情報を受信してもよい。例えば、端末装置1は第1の基地局装置3から受信したランダムアクセス設定情報の少なくとも1つに基づいて第2の基地局装置3へランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。
【0206】
ただし、基地局装置3は、端末装置1が送信したランダムアクセスプリアンブルを受信することにより、該端末装置1へ下りリンク信号を送信する際に適用すべき下りリンク送信ビームを決定してもよい。端末装置1は、ある下りリンク送信ビームに関連付けられたランダムアクセス設定情報に示されるPRACH機会を用いてランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。基地局装置3は、端末装置1から受信したランダムアクセスプリアンブル、および/または、該ランダムアクセスプリアンブルを受信したPRACH機会に基づいて、該端末装置1へ下りリンク信号を送信する際に適用すべき下りリンク送信ビームを決定してもよい。
【0207】
基地局装置3は、端末装置1に対して、1つまたは複数のランダムアクセス設定情報(ランダムアクセスリソースを含んでもよい)を含むRRCパラメータをRRCメッセージとして端末装置1に送信する。
【0208】
端末装置1は、基地局装置3との間の伝搬路特性に基づいてランダムアクセス手順に使用する1つまたは複数の利用可能なランダムアクセスプリアンブルおよび/または1つまたは複数の利用可能なPRACH機会を選択してもよい。端末装置1は、基地局装置3から受信した参照信号(例えば、SS/PBCHブロックおよび/またはCSI-RS)により測定した伝搬路特性(例えば参照信号受信電力(RSRP)であってよい)に基づいてランダムアクセス手順に使用する1つまたは複数の利用可能なランダムアクセスプリアンブルおよび/または1つまたは複数のPRACH機会を選択してもよい。
【0209】
本実施形態において、上りリンクリソース割り当てには、上りリンクリソース割り当てタイプ0と上りリンクリソース割り当てタイプ1がサポートされる。上りリンクリソース割り当てタイプ0(uplink resoruce allocation type 0、上りリンクタイプ0リソース割り当て)では、リソースブロックアサインメント情報は、端末装置1に対して割り当てられるリソースブロックグループ(RBGs, Resource Block Groups)を示すビットマップ
を含んでいる。リソースブロックグループは連続的な仮想リソースブロックのセットであり、上位層のパラメータから定義されてもよい。
【0210】
以下、上りリンクリソース割り当てタイプ1(uplink resoruce allocation type 1、
上りリンクタイプ1リソース割り当て)について説明する。
【0211】
リソースブロックアサインメント情報は、スケジュールされた端末装置1に対して、サイズNsize BWPのアクティブなBWPで連続的に割り当てられる非インターリーブ仮想リソースブロックのセットを示す。ここで、サイズNsize BWPはアクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。DCIフォーマット0_0がCORESET#0でのタイプ0―PDCCHコモンサーチスペースセットにおいて検出された場合、サイズNsize BWPは初期UL BWPの帯域幅を示す。
【0212】
上りリンクタイプ1リソースアサインメントフィールドは、開始リソースブロック(RBstart、開始仮想リソースブロック)と連続的に割り当てられたリソースブロックの数(LRBs)に対応するリソース指示値(RIV、Resource Indication Value)か
らなる。即ち、リソース指示値RIVはリソースアサインメントフィールドに示される。RBstartは割り当てられたリソースブロックの開始位置を示す。LRBsは割り当てられたリソースのリソースブロックの数(長さ、サイズ)を示す。リソース指示値RIVは、対応するUL BWPを対象として割り当てられるリソースを示す。対象となるUL BWPは、リソースアサインメント(リソースアサインメントフィールド)が適用されるUL BWPであってもよい。端末装置1は、まずリソースアサインメントが適用されるUL BWPを確定し、次に確定したUL BWP内のリソース割り当てを決定する。即ち、RIVの値は、リソースアサインメントが適用されるUL BWPのサイズ(Nsize BWP)、開始リソースブロック(RBstart)、および、連続的に割り当てられたリソースブロックの数(LRBs)によって算出される。別の言い方で言えば、端末装置1は、リソースアサインメントフィールドに示されるRIVの値とNsize BWPに基づいて、そのUL BWPで割り当てられたリソースブロックの開始位置と連続的に割り当てられるリソースブロックの数を算出する。つまり、端末装置1は、リソースアサインメントフィールドのビットをリソースアサインメントが適用されるUL BWPに対して解釈する。基地局装置3は、端末装置1に適用されるUL BWP内のリソース割り当てを決定し、適用されるUL BWPのサイズに基づき、RIVを生成し、RIVを示すビット列を含むリソースアサインメントを端末装置1に送信する。
端末装置1は、リソースアサインメントフィールドのビット列に基づき、適用するUL BWPの(PUSCHの)周波数方向のリソースブロック割り当てを特定する。
【0213】
図12は、RIVを算出する一例を示す図である。
【0214】
図12(A)において、Nsize BWPはアクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。RIVの値は、初期BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数Nsize BWP、リソースブロックの開始位置RBstart、および、連続的に割り当てられるリソースブロックの数LRBsに基づいて、算出される。RBstartはアクティブなUL BWPに対するリソースブロックの開始位置である。LRBsはアクティブなBWPに対する連続的に割り当てられるリソースブロックの数である。これ
により、アクティブなBWPに対する割り当てられるリソースは、リソースブロックの開始位置RBstart、および、連続的に割り当てるリソースブロックの数LRBsによって特定される。DCIフォーマットがコモンサーチスペースセット(例えば、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセット)で検出された場合、図12(A)におけるNsize BWPに対して初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数が使われる。
【0215】
図12(B)において、Nnitial BWPは、初期BWP(UL BWP)の帯域幅を示すリソースブロックの数である。Nactive BWPは、アクティブなBWP(UL BWP)の帯域幅を示すリソースブロックの数である。RIVの値は、初期BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数Nnitial BWP、リソースブロックの開始位置RB’start、および、連続的に割り当てられるリソースブロックの数L’RBsに基づいて、算出される。RB’startは初期BWPに対するリソースブロックの開始位置である。L’RBsは初期BWPに対する連続的に割り当てられるリソースブロックの数。RB’startと係数Kの掛け算はRBstartである。L’RBsと係数Kの掛け算はLRBsである。係数Kの値は、初期BWPの帯域幅とアクティブなBWPの帯域幅に基づき算出される。Nactive BWPがNnitial BW り大きい場合、Kの値は、セット{1,2,4,8}の中にK<=Floor(Nactive BWP/Nnitial BWP)を満たす最大の値である。ここで、関数Floor(A)は、Aを上回らない最大の整数を出力する。Nactive BWPがNnitial BW り等しいまたは小さい場合、Kの値は、1である。これにより、アクティブなBWPに対する割り当てられるリソースは、リソースブロックの開始位置RBstart、および、連続的に割り当てるリソースブロックの数LRBsによって特定される。
【0216】
図12(B)のリソース特定方法は、USSでのDCIフォーマットのサイズ(または、DCIフォーマットに含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドのサイズ)が初期BWPにより導出されが、アクティブなBWPに適用されるというケースに使われてもよい。DCIフォーマットは、DCIフォーマット0_0、および/または、DCIフォーマット0_1であってもよい。
【0217】
図11はBWPに対する上りリンクリソース割り当てタイプ1を説明する一例を示す図である。
【0218】
図11において、端末装置1に対して、1つの初期UL BWP(1101)と2つの追加のUL BWP(1102と1103)が設定されている。前述のように、共通リソースブロックnPRBは、ポイントAから各サブキャリア間隔設定μにおいて0から昇順で番号が付されるリソースブロックである。つまり、1114は番号0が付される共通リソースブロック(common resource block 0)である。サブキャリア間隔設定μにおいて
、共通リソースブロック0(共通リソースブロックインデックス0、nCRB#0)のサブキャリアインデックス0の中心は、ポイントAと一致する。1104はサブキャリア間隔設定μにおいて、キャリアの開始位置であり、上位層のパラメータOffsetToCarrierから与えられる。つまり、上位層のパラメータOffsetToCarrierはポイントAとキャリアの使用可能な最低のサブキャリアとの間の周波数領域におけるオフセットである。該オフセット(1115)は、サブキャリア間隔設定μにおいて、リソースブロックの数を示す。即ち、サブキャリア間隔設定μが異なると、該オフセットの周波数領域の帯域が異なる。サブキャリア間隔設定μにおいて、1104はキャリアが開始するリソースブロックの位置であってもよい。物理リソースブロックは、各BWPに対して0から昇順で番号が付されたリソースブロックである。各BWPインデックスiのサブキャリア間隔設定μにおいて、そのBWPインデックスiにおける物理リソースブロックnPRBと共通リソースブロックnCRBの関係は、(式3)nCRB=nPRB
start BWP、iによって与えられる。各BWPのサブキャリア間隔設定μにおいて、Nstart BWP、iは共通リソースブロックインデックス0に対するBWPインデックスiが開始する共通リソースブロックの数である。Nsize BWP、iは、BWPインデックスiのサブキャリア間隔設定μにおいて、インデックスiのBWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0219】
BWPの周波数領域の位置と帯域幅は、上位層のパラメータlocationAndBandwidthによって与えられる。具体的に言うと、BWPインデックスiの第1の物理リソースブロック(物理リソースブロックインデックス0)と連続的な物理リソースブロックの数は上位層のパラメータlocationAndBandwidthによって与えられる。上位層のパラメータlocationAndBandwidthに示される値はキャリアに対するRIVの値と解釈される。図12(A)のように、Nsize BWPが275にセットされる。そして、RIVの値により識別されるRBstartとLRBsはBWPの第1の物理リソースブロック(物理リソースブロックインデックス0)とBWPの帯域幅を示す連続的な物理リソースブロックの数を示す。BWPインデックスiの第1の物理リソースブロックは、上位層のパラメータOffsetToCarrierによって示される物理リソースブロック(1104)に対する物理リソースブロックオフセットである。BWPインデックスiの帯域幅を示すリソースブロックの数はNsize BWP、iである。BWPインデックスiのNstart BWP、iは、BWPインデックスiの第1の物理リソースブロックおよび上位層のパラメータOffsetToCarrierによって示されるオフセットから与えられる。
【0220】
即ち、図11において、UL BWP#0のサブキャリア間隔設定μにおいて、1105は、UL BWP#0(1101)における物理リソースブロックインデックス0(nPRB#0)である。UL BWP#0における物理リソースブロックと共通リソースブロックの関係は、nCRB=nPRB+Nstart BWP、0によって与えられる。UL BWP#0のサブキャリア間隔設定μにおいて、Nstart BWP、0(1107)は共通リソースブロックインデックス0に対するUL BWP#0が開始する共通リソースブロックである。Nsize BWP、0(1106)は、UL BWP#0のサブキャリア間隔設定μにおいて、UL BWP#0の帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0221】
図11において、UL BWP#1のサブキャリア間隔設定μにおいて、1108は、UL BWP#1(1102)における物理リソースブロックインデックス0(nPRB#0)である。UL BWP#1における物理リソースブロックと共通リソースブロックの関係は、nCRB=nPRB+Nstart BWP、1によって与えられる。UL BWP#1のサブキャリア間隔設定μにおいて、Nstart BWP、1(1110)は共通リソースブロックインデックス0に対するUL BWP#1が開始する共通リソースブロックである。Nsize BWP、1(1109)は、UL BWP#1のサブキャリア間隔設定μにおいて、UL BWP#0の帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0222】
図11において、UL BWP#2のサブキャリア間隔設定μにおいて、1111は、UL BWP#2(1102)における物理リソースブロックインデックス0(nPRB#0)である。UL BWP#2における物理リソースブロックと共通リソースブロックの関係は、nCRB=nPRB+Nstart BWP、2によって与えられる。UL BWP#2のサブキャリア間隔設定μにおいて、Nstart BWP、2(1113)は共通リソースブロックインデックス0に対するUL BWP#2が開始する共通リソースブロックである。Nsize BWP、2(1112)は、UL BWP#2のサブキャリア間隔設定μにおいて、UL BWP#2の帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0223】
図11からみると、端末装置1に設定されている各のBWPに対して、開始する位置(開始する共通リソースブロック、Nstart BWP)とリソースブロックの数(Nsize BWP)が異なっている。端末装置1は、リソースアサインメントフィールドのビットから示されるRIVを解釈する時に、リソースアサインメントが適用されるUL BWPを決定する必要がある。即ち、端末装置1は、リソースアサインメントが適用されるUL BWPを決定し、決定したUL BWPのNsize BWP、iに基づき、RIVを解釈して、開始リソースブロック(RBstart)、および、連続的に割り当てられたリソースブロックの数(LRBs)を算出することができる。算出したRBstartは、リソースアサインメントが適用されるUL BWPの物理リソースブロックインデックス0を基準として割り当てられたリソースがスタートする位置を示す。例えば、算出するRBstartの値が同じとしても、リソースアサインメントが適用されるUL BWPが異なると、開始する共通リソースブロックの位置が異なっている。
【0224】
また、リソースアサインメントが適用されるUL BWPのサイズNsize BWPが異なると、RIVの値を示すリソースアサインメントのビットの数も異なる。RIVの値を示せるようなリソースブロックアサインメントフィールドのビットはCeiling(log(Nsize BWP(Nsize BWP+1)/2))によって与えられる。
【0225】
図8は、本実施形態における端末装置1のランダムアクセス手順の一例を示す図である。
【0226】
<メッセージ1(S801)>
S801において、端末装置1は、PRACHを介してランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3へ送信する。この送信されるランダムアクセスプリアンブルをメッセージ1(Msg1)と称してもよい。ランダムアクセスプリアンブルの送信はPRACH送信とも称する。ランダムアクセスプリアンブルは、複数のシーケンスの中の一つのシーケンスを使うことによって、基地局装置3へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類(ランダムアクセスプリアンブルインデックスの番号は1番から64番まで)のシーケンスが用意されている。64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報(ra-PreambleIndexまたはプリアンブルインデックスであってよい)を基地局装置3へ示すことができる。この情報は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID, Random Access preamble Identifier)として示されてもよい。
【0227】
競合ベースのランダムアクセス手順の場合、端末装置1自身によってランダムアクセスプリアンブルのインデックスがランダムに選択される。競合ベースランダムアクセス手順においては、端末装置1は、設定された閾値を超えるSS/PBCHブロックのRSRPを持つSS/PBCHブロックを選択し、プリアンブルグループの選択を行う。SS/PBCHブロックとランダムアクセスプリアンブルの関係が設定されている場合は、端末装置1は、選択されたSS/PBCHブロックと選択されたプリアンブルグループに関連付けられた1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルからランダムにra-PreambleIndexを選択し、選択されたra-PreambleIndexをプリアンブルインデックス(PREAMBLE_INDEX)にセットする。また、例えば、選択されたSS/PBCHブロックと選択されたプリアンブルグループは、メッセージ3の送信サイズに基づいて、2つのサブグループに分けてもよい。端末装置1は、メッセージ3の送信サイズが小さい場合に小さいメッセージ3の送信サイズに対応するサブグループからランダムにプリアンブルインデックスを選択し、メッセージ3の送信サイズが大きい場合に大きいメッセージ3の送信サイズに対応するサブグループからランダムにプリアンブルインデックスを選択してもよい。メッセージサイズが小さい場合のインデックスは、通常、伝搬路の特性が悪い(または、端末装置1と基地局装置3間の距離が遠い)場合に選択され、メッセージサイズが大きい場合のインデックスは、伝搬路の特性が良い(または
、端末装置1と基地局装置3間の距離が近い)場合に選択される。
【0228】
非競合ベースランダムアクセス手順の場合、端末装置1によって基地局装置3から受信した情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルのインデックスが選択される。ここで、当該端末装置1によって基地局装置3から受信した情報は、PDCCHに含まれてもよい。基地局装置3から受信した情報のビットの値が全て0である場合、端末装置1によって競合ベースランダムアクセス手順が実行され、端末装置1自身によってランダムアクセスプリアンブルのインデックスが選択される。
【0229】
<メッセージ2(S802)>
次いで、メッセージ1を受信した基地局装置3は、S802において、端末装置1に送信を指示するための上りリンクグラント(RAR UL grant, Random Access Response Grant、RAR ULグラント)を含むRARメッセージを生成し、生成したRARメッセージを含むランダムアクセス応答をDL-SCHで端末装置1へ送信する。即ち、基地局装置3は、S801において送信されたランダムアクセスプリアンブルに対応するRARメッセージを含むランダムアクセス応答をプライマリセルにおけるPDSCHで送信する。当該PDSCHは、RA-RNTIを含むPDCCHに対応する。該RA-RNTIは、RA-RNTI=1+s_id+14×t_id+14×80×f_id+14×80×8×ul_carrier_idによって算出される。ここで、s_idは、送信されるPRACHの最初のOFDMシンボルのインデックスであり、0から13までの値を取る。t_idは、システムフレーム内のPRACHの最初のスロットのインデックスであり、0から79までの値を取る。f_idは、周波数領域でPRACHのインデックスであり、0から7までの値を取る。ul_carrier_idはMsg1送信に使われる上りリンクキャリアである。NULキャリアに対するul_carrier_idは0であり、SULキャリアに対するul_carrier_idは1である。
【0230】
ランダムアクセス応答を、メッセージ2またはMsg2と称してもよい。また、基地局装置3は、受信したランダムアクセスプリアンブルに対応したランダムアクセスプリアンブル識別子、および、該識別子に対応するRARメッセージ(MAC RAR)をメッセージ2に含める。基地局装置3は、受信したランダムアクセスプリアンブルから端末装置1と基地局装置3との間の送信タイミングのずれを算出し、該ずれを調整するための送信タイミング調整情報(TAコマンド,Timing Advance Command)をRARメッセージに含
める。該RARメッセージは、上りリンクグラントにマップされるランダムアクセスレスポンスグラントフィールド、Temporary C-RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)がマップされるTemporary C-RNTIフィールド、
および、TAコマンド(Timing Advance Command)を少なくとも含む。端末装置1は、TAコマンドに基づいて、PUSCH送信のタイミングを調整する。セルのグループ毎にPUSCH送信のタイミングが調整されてもよい。また、基地局装置3は、受信したランダムアクセスプリアンブルに対応したランダムアクセスプリアンブル識別子をメッセージ2に含める。
【0231】
PRACH送信に応答するために、端末装置1は、ランダムアクセス応答ウインドウの期間に、対応するRA-RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット1_0を検出(モニタ)する。該ランダムアクセス応答ウインドウの期間(ウインドウサイズ)は上位レイヤパラメータra-ResponseWindowによって与えられる。ウインドウサイズはType1-PDCCHコモンサーチスペースのサブキャリア間隔に基づくスロット数である。
【0232】
端末装置1がウインドウの期間内にRA-RNTIによってスクランブルされるCRCが付加されたDCIフォーマット1_0および1つのDL-SCHトランスポートブロッ
クを含むPDSCHを検出した場合、端末装置1はそのトランスポートブロックを上位レイヤに渡す。上位レイヤは、PRACH送信に関連するランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)のためにそのトランスポートブロックを解析する。上位レイアがそのDL
-SCHトランスポートブロックのRARメッセージに含まれるRAPIDを識別(identify)する場合、上位レイヤは物理レイヤに上りリンクグラントを示す。識別することは、受信したランダムアクセス応答に含まれるRAPIDと送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するRAPIDとが同一であること。上りリンクグラントは、物理レイヤにおいてランダムアクセスレスポンス上りリンクグラント(RAR UL grant)と称する。即ち、端末装置1はランダムアクセスプリアンブル識別子に対応するランダムアクセス応答(メッセージ2)をモニタすることで、基地局装置3から自装置宛てのRAR メッセージ(MAC RAR)を特定することができる。
【0233】
(i)端末装置1がウインドウの期間内にRA-RNTIによってスクランブルされるCRCが付加されたDCIフォーマット1_0を検出しない場合、または、(ii)端末装置1がウインドウの期間内にPDSCHにおけるDL-SCHトランスポートブロックを正しく受信しない場合、または、(iii)上位レイヤがPRACH送信に関連するRAPIDを識別しない場合、上位レイヤは物理レイヤにPRACHを送信するように指示する。
【0234】
受信したランダムアクセスレスポンスに、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれており、端末装置1によって基地局装置3から受信した情報に基づいてランダムアクセスプリアンブルが選択された場合、端末装置1は非競合ベースランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなし、ランダムアクセスレスポンスに含まれている上りリンクグラントに基づいてPUSCHを送信する。
受信したランダムアクセスレスポンスに、送信したランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれており、端末装置1自身によってランダムアクセスプリアンブルが選択された場合、TC-RNTIを受信したランダムアクセスレスポンスに含まれるTC-RNTIフィールドの値にセットし、ランダムアクセスレスポンスに含まれている上りリンクグラントに基づいてPUSCHでランダムアクセスメッセージ3を送信する。ランダムアクセスレスポンスに含まれている上りリンクグラントに対応するPUSCHは、対応するプリアンブルがPRACHで送信されたサービングセルにおいて送信される。
【0235】
RAR UL グラント(RAR uplink grant)はPUSCH送信(Msg3 PUSCH)のスケジューリングのために用いられる。端末装置1はRAR UL グラントに基づきメッセージ3の送信を行う。図9はRAR UL グラントに含まれるフィールドの一例を示す図である。
【0236】
図9における周波数ホッピングフラグ(Frequency hopping flag)の値が0である場合、端末装置1は周波数ホッピングなしでMsg3PUSCHを送信する。周波数ホッピングフラグ(Frequency hopping flag)の値が1である場合、端末装置1は周波数ホッピングを伴うMsg3 PUSCHを送信する。
【0237】
‘Msg3 PUSCH time resource allocation’フィールドはMsg3 PUSCHための時間領域のリソース割り当てを示すために用いられる。
‘MCS’フィールドはMsg3 PUSCHためのMCSインデックスの決定に用いられる。
‘TPC command for Msg3 PUSCH’フィールドはMsg3 PUSCHの送信電力のセッテイングのために用いられる。
競合ベースランダムアクセス手順において、‘CSI request’フィールドはリザーブ(reserved)される。非競合ベースランダムアクセス手順において、‘CSI request’フィールドはアピリオディックCSIレポートがPUSCH送信に含まれるどうかを決定するために用いられる。
【0238】
以下、‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’フィールドの解釈について説明する。該フィールドはメッセージ3のPUSCH送信に対してリソースの割り当てのために用いられる。‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’(Msg3 PUSCH
周波数リソースアサインメント、Msg3 PUSCH周波数リソース割り当て)フィー
ルドは固定サイズのリソースブロックアサインメント(fixed size resource block assignment)と称されてもよい。つまり、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントは、端末装置1に対して設定されているUL BWPの帯域幅に関係なく、固定のビット数を有する。端末装置1は、リソースアサインメントが適用されるUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数(Nsize BWP)に基づいて、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする。そして、端末装置1は、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりするによって、リソースアサインメントが適用されるUL BWPの帯域幅に適応させることができる。Nsize BWPが、リソースアサインメントが適用されるUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。以下のS802において、リソースアサインメントが適用されるUL BWPは、Msg3
PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPである。
【0239】
図10は、本実施形態に係る‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’フィールドの解釈の一例を示す図である。
【0240】
図10(A)における1001は固定の14ビットを有する‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’フィールドである。1002はNUL,hopホッピングビットである。1003は1001からNUL,hopホッピングビットを除いて残ったビットであり、(14-NUL,hop)ビットである。即ち、14ビットの1001は1002と1003から構成される。NUL,hopホッピングビットのビット数は、‘Frequency hopping flag’フィールドに示される値、および/または、Nsize BWPの帯域幅に基づいて、与えられる。例えば、NUL,hop例のビット数は、Nsize BWPのサイズが所定のリソースブロック数の値より小さい場合に、1ビットであってもよい。NUL,hop例のビット数は、Nsize BWPのサイズが所定のリソースブロック数の値より等しいまたは大きい場合に、2ビットであってもよい。所定のリソースブロック数の値は50であってもよい。Nsize BWPの説明は後述する。
【0241】
前述のように、周波数ホッピングフラグ(Frequency hopping flag)の値が0である場合、NUL,hopホッピングビットは0ビットである。この場合、1003は1001であり、14ビットを有する。周波数ホッピングフラグ(Frequency hopping flag)の値が1である場合、NUL,hopホッピングビットのビット数は、Nsize BWPの値が所定のリソースブロック数の値Yを超えているかどうかに基づいて、1ビットまたは2ビットに与えられてもよい。例えば、Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yより小さい場合、NUL,hopホッピングビットは1ビットに与えられてもよい。Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yより等しいまたは大きい場合、NUL,hopホッピングビットは2ビットに与えられてもよい。即ち、1003は12ビットまたは13ビットを有する。
【0242】
図10(B)はNsize BWPが所定のリソースブロック数の値Xより小さいまたは等しい場合に‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’フィールドのビットをトランケートする一例を示す図である。
【0243】
図10(B)において、端末装置1は、Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Xより小さいまたは等しい場合に、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントのビットを最小位ビット(LSB)からbビットトランケートする。つまり、bビットはトランケートされるビット数である。bの値は、(式1)b=Ceiling(log(Nsize BWP(Nsize BWP+1)/2))によって算出される。ここで、関数Ceiling(A)は、Aを下回らない最小の整数を出力する。トランケートされるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントは、トランケートされるリソースブロックアサインメントと称してもよい。端末装置1は、通常のDCI フォーマット0_0に対するルールに従って、トランケートされるリソースブロックアサインメントを解釈してもよい
【0244】
図10(B)において、1004は14ビットを有するMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントである。1005はNUL,hopホッピングビットである。10
06はMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントの中にNUL,hopホッピ
ングビット以外のビットである。1008はトランケートされるリソースブロックアサインメントである。1008のビット数は、bビットである。1007のビット数は14-bである。
【0245】
図10(C)はNsize BWPの帯域幅が所定のリソースブロック数の値Xより大きい場合に‘Msg3 PUSCH frequency resource allocation’フィールドのビットを挿入(insert)する一例を示す図である
【0246】
図10(C)において、1009は14ビットを有するMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントである。1010はNUL,hopホッピングビットである。10
12はMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントからNUL,hopホッピン
グビットを除いて残ったビットである。1012のビット数は、(14-NUL,hop
)ビットである。端末装置1は、Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Xに大きい場合に、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントの中にNUL,ho
ホッピングビットの後に‘0’の値にセットするb最上位ビット(MSB、most significant bits)を挿入する。つまり、bビットは挿入されるビットの数である。bの値は
、(式2)b=(Ceiling(log(Nsize BWP(Nsize BWP+1)/2))―Z)によって算出される。Zの値は14であってもよい。bビットが挿入されるMs
g3 PUSCH周波数リソースアサインメントは、拡張されるリソースブロックアサインメントと称してもよい。端末装置1は、通常のDCI フォーマット0_0に対するルールに従って、拡張されるリソースブロックアサインメントを解釈してもよい。図10(C)において、1011のビット数はbビットである。1009は拡張されたリソースブロックアサインメントである。1009のビット数は、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントの14ビットとbビットの和である。
【0247】
前述のように、端末装置1に対して少なくとも1つのDL BWPと1つのUL BWPを含む1つ初期BWPが設定される。さらに、端末装置1に対して最大4つまでの追加のBWPが設定される。そして、端末装置1に対して設定されている各UL BWPのサイズ(Nsize BWP)は異なってもよい。UL BWPのサイズNsize BWPは対応するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。端末装置1は、リソース割り当てを特定する場合に、まずリソースアサインメントが適用されるUL BWPを確定し、次に確定したUL BWP内のリソース割り当てを決定する。
【0248】
端末装置1は、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする時に、リソースアサインメントが適用されるUL BWPを決定する。即ち、端末装置1は、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする時に使用されるUL BWPの帯域幅を示すNsize BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPに基づいて決定する。
【0249】
以下、本実施形態において、リソースアサインメントが適用されるUL BWP(解釈対象となるUL BWP)の帯域幅を示すNsize BWPの決定方法ついて説明する。基地局装置3は、ランダムアクセス手順におけるNsize BWPを決定し、決定したNsize BWPを用いて、RIVを生成し、周波数リソースアサインメントのフィールドに含めるビット列を確定し、PUSCH周波数リソースアサインメントを端末装置1に送信する。
【0250】
前述のように、端末装置1は、ランダムアクセス手順のためのサーチスペース(タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセット)でRA-RNTIまたはTC-RNTIによってスクランブルされるCRCが付加されたDCIフォーマットをモニタする。端末装置1は、このサーチスペースセットでRA-RNTIによってスクランブルされるCRCが付加されたDCIフォーマットをモニタすることによって、ランダムアクセス応答を受信する。端末装置1に対して、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットのためのCORESETの設定情報が示される。
【0251】
本実施形態の一態様であり、競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、ランダムアクセス手順のためのサーチスペース(タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセット)に関連付けられるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。即ち、競合ベースランダムアクセス手順において、Nsize BWPは、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。そして、端末装置1、該決定したNsize BWPを用いて、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする。トランケートされるリソースブロックアサインメントまたは拡張されるリソースブロックアサインメントのビットはRIVの値を示す。端末装置1は、決定したNsize BWP図12(A)のNsize BWPに用いて、RBstartとLRBsを算出することができる。RIVの値から算出されるRBstartは、リソースアサインメントが適用されるUL BWPの物理リソースブロックインデックス0を基準として割り当てられたリソースの開始位置を示す。別の言い方で言えば、RAR ULグラントから示されるリソース割り当ての番号付けは、リソースアサインメントが適用されるUL BWPに対応する物理リソースブロックインデックス0(リソースアサインメントが適用されるUL BWPの物理リソースブロックの最低番号)から昇順に開始する。
【0252】
本実施形態の一態様であり、競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPが初期DL BWPであるかどうかに基づいて、初期UL BWPまたはアクティブなUL BWPの何れかをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定する。例えば、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPが初期DL BWPである場合に、初期ULBWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。また、端末装置1は、タイプ1PDC
CHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPが初期DL BWPではない場合に、アクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。そして、Nsize BWPは、UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。そして、端末装置1、該リソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定したUL BWPの帯域幅であるNsize BWPを用いて、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする。
【0253】
また、本実施形態の一態様であり、競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがコモンCORESETであるかどうかに基づいて、初期UL BWPまたはアクティブなUL BWPの何れかをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定する。例えば、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがコモンCORESETである場合に、初期UL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。また、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがコモンCORESETではない場合に、アクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。そして、Nsize BWPは、リソースアサインメントが適用されるUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。そして、端末装置1、該決定したNsize BWPを用いて、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする。
【0254】
また、上記の態様の拡張として、競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがCORESET#0であるかどうかに基づいて、初期UL BWPまたはアクティブなUL BWPの何れかをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定する。例えば、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがCORESET#0である場合に、初期UL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。また、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがCORESET#0ではない場合に、アクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。また、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETが追加のコモンCORESETである場合に、追加のコモンCORESETが設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。つまり、端末装置1、追加のコモンCORESETが初期DL BWPに対して設定されている場合に、初期UL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。端末装置1、追加のコモンCORESETが追加のDL BWPに対して設定されている場合に、追加のDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。
【0255】
また、本実施形態の一態様であり、競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、常に初期UL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。即ち、競合ベースランダムアクセス手順において、Nsize BWPは、初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。そして、端末装置1、該決定したNsize BWPを用いて、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする。トランケートされるリソースブロックアサインメントまたは拡張されるリソースブロックアサインメントのビット
はRIVの値を示す。端末装置1は、決定したNsize BWP図12(A)のNsize BWPに用いて、RIVが生成されると確定する。RIVは、RBstartとLRBsから生成され、端末装置1は、RIVからRBstartとLRBsを取得する。RBstartは、初期UL BWPに対応する物理リソースブロックインデックス0を基準として割り当てられたリソースの開始位置を示す。別の言い方で言えば、RAR ULグラントから示されるリソース割り当ての番号付けは、初期UL BWPに対応する物理リソースブロックインデックス0(リソースアサインメントが適用されるUL BWPの物理リソースブロックの最低番号)から開始する。
【0256】
また、本実施形態の一態様であり、非競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、常にアクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。即ち、非競合ベースランダムアクセス手順において、Nsize BWPは、アクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。そして、端末装置1、該決定したNsize BWPを用いて、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする。トランケートされるリソースブロックアサインメントまたは拡張されるリソースブロックアサインメントのビットはRIVの値を示す。端末装置1は、決定したNsize BWP図12(A)のNsize BWPに用いて、RIVが生成されると確定する。RIVは、RBstartとLRBsから生成され、端末装置1は、RIVからRBstartとLRBsを取得する。。RBstartは、アクティブなUL BWPに対応する物理リソースブロックインデックス0を基準として割り当てられたリソースの開始位置を示す。別の言い方で言えば、RAR ULグラントから示されるリソース割り当ての番号付けは、アクティブなUL BWPに対応する物理リソースブロックインデックス0(リソースアサインメントが適用されるUL BWPの物理リソースブロックの最低番号)から開始する。
【0257】
上述した例からみると、競合ベースランダムアクセス手順において、リソースブロックアサインメント情報を示すRAR ULグラントを含むPDSCH(DL-SCHトランスポートブロック)をスケジュールするDCIフォーマット1_0がCORESET#0(または、初期DL BWPに対して設定されている追加のコモンCORESET)におけるコモンサーチスペース(例えば、タイプ1PDCCHコモンサーチスペース)で検出されたケースに対して、図12(A)におけるNsize BWPに初期UL BWPのサイズが使われる。ここで、DCIフォーマット1_0は、対応する対応するRA-RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット1_0である。
【0258】
上記の態様において、非競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETがコモンCORESETであるかどうかに関わらず、アクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定する。また、非競合ベースランダムアクセス手順において、端末装置1は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPが初期DL BWPであるかどうかに関わらず、アクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定する。
【0259】
即ち、端末装置1は、ランダムアクセス手順が競合ベースランダムアクセス手順と非競合ベースランダムアクセス手順の内何れかであるかに基づいて、初期UL BWPまたはアクティブなUL BWPの何れかをリソースアサインメントが適用されるUL BWP(Nsize BWP)として決定する。例えば、端末装置1は、ランダムアクセス手順が競合ベースランダムアクセス手順である場合に、初期UL BWPをリソースアサインメ
ントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。そして、Nsize BWPは初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。また、端末装置1は、ランダムアクセス手順が非競合ベースランダムアクセス手順である場合に、アクティブなUL BWPをリソースアサインメントが適用されるUL BWPとして決定してもよい。そして、Nsize BWPはアクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0260】
UL,hopホッピングビットのビット数は、リソースアサインメントが適用されるUL BWPのサイズ(Nsize BWP)が所定のリソースブロック数の値Yを超えているかどうかに基づいて、1ビットまたは2ビットに与えられてもよい。つまり、Nsize BWPが上述の態様で決めたリソースアサインメントが適用されるUL BWPの帯域幅を示すNsize BWPであってもよい。即ち、Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yより小さい場合、NUL,hopホッピングビットは1ビットに与えられてもよい。メッセージ3のPUSCH送信のために第2のホップの周波数オッフセットは、Floor(Nsize BWP/2)またはFloor(Nsize BWP/4)である。Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yより等しいまたは大きい場合、NUL,hopホッピングビットは2ビットに与えられてもよい。メッセージ3のPUSCH送信のために第2のホップの周波数オッフセットは、Floor(Nsize BWP/2)、Floor(Nsize BWP/4)、または、―Floor(Nsize BWP/4)である。
【0261】
前述のように、リソース割り当て(上りリンクタイプ0および/またはタイプ1リソース割り当て)のリソースブロック番号付け(RB Indexing)は該リソース割り当てを示す
リソースアサインメントが適用されるUL BWP内で決定される。具体的に言うと、DCIフォーマットにBWP指示フィールド(bandwidth part indicator field)が設定されていない場合、リソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1のアクティブなBWP内で決定される。ただし、DCIフォーマットにBWP指示フィールド(bandwidth part
indicator field)が設定されていない場合でも、CORESET#0(または、初期D
L BWPに対して設定されている追加のコモンCORESET)における任意のコモン
サーチスペースセットで検出されたDCIフォーマット0_0に対して、リソース割り当てのRB番号付けは、初期UL BWP内で決定される。即ち、DCIフォーマットにBWP指示フィールド(bandwidth part indicator field)が設定されていない場合でも、初期DL BWPに対して設定されているCORESETにおける任意のコモンサーチスペースセットで検出されたDCIフォーマット0_0に対して、リソース割り当てのRB番号付けは、初期UL BWP内で決定される。また、DCIフォーマットにBWP指示フィールド(bandwidth part indicator field)が設定されていない場合でも、アクティブなBWPに対して設定されているCORESETにおける任意のコモンサーチスペースセットで検出されたDCIフォーマット0_0に対して、リソース割り当てのRB番号付けは、アクティブなBWP内で決定される。
【0262】
DCIフォーマットにBWP指示フィールド(bandwidth part indicator field)が設定されている場合、リソース割り当てのRB番号付けは、該BWP指示フィールドに示されるBWP内で決定される。ただし、DCIフォーマットにBWP指示フィールド(bandwidth part indicator field)が設定されている場合でも、CORESET#0(または
、初期DL BWPに対して設定されている追加のコモンCORESET)における任意
のコモンサーチスペースセットで検出されたDCIフォーマット0_0に対して、リソース割り当てのRB番号付けは、初期UL BWP内で決定される。端末装置1は、端末装置1ためのPDCCHの検出時に、まずリソースアサインメントが適用されるUL BWPを確定し、次に確定したUL BWP内のいリソース割り当てを決定する。
【0263】
また、RAR ULグラントに対して、上りリンクタイプ1リソース割り当てのRB番
号付けは、端末装置1のアクティブなBWP内で決定されてもよい。また、競合ベースランダムアクセス手順において、RAR ULグラントに示されるリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1の初期UL BWP内で決定される。即ち、競合ベースランダムアクセス手順において、RAR ULグラント(MAC RAR)によってスケジュールされるPUSCHの周波数方向のリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1の初期UL BWP内で決定される。また、非競合ベースランダムアクセス手順において、RAR ULグラントに示されるリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1のアクティブなUL BWP内で決定される。即ち、非競合ベースランダムアクセス手順において、RAR ULグラント(MAC RAR)によってスケジュールされるPUSCHの周波数方向のリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1のアクティブなUL BWP内で決定される。
【0264】
また、競合ベースランダムアクセス手順において、RAR ULグラントを含むPDSCH(DL-SCHトランスポートブロック)をスケジュールするDCIフォーマット1_0がCORESET#0におけるコモンサーチスペース(例えば、タイプ1PDCCHコモンサーチスペース)で検出された場合、該RAR ULグラントに示されるリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1の初期UL BWP内で決定されてもよい。ここで、DCIフォーマット1_0は、対応する対応するRA-RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット1_0である。また、競合ベースランダムアクセス手順において、RAR ULグラントを含むPDSCH(DL-SCHトランスポートブロック)をスケジュールするDCIフォーマット1_0が追加のコモンCORESET(または、CORESET#0以外のCORESET)におけるコモンサーチスペース(例えば、タイプ1PDCCHコモンサーチスペース)で検出された場合、該RAR ULグラントに示されるリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1のアクティブなUL BWP内で決定されてもよい。ただし、RAR ULグラントを含むPDSCH(DL-SCHトランスポートブロック)をスケジュールするDCIフォーマット1_0が初期DL BWPに対して設定されている追加のコモンCORESETにおけるコモンサーチスペース(例えば、タイプ1PDCCHコモンサーチスペース)で検出された場合、該RAR ULグラントに示されるリソース割り当てのRB番号付けは、端末装置1の初期UL BWP内で決定されてもよい。
【0265】
また、Msg3 PUSCHの再送信をスケジュールするDCIフォーマット0_0に対して、リソース割り当てのRB番号付けは、RAR ULグラント(RAR ULグラントに含まれるリソースブロックアサインメント)が適用されるUL BWPで決定される。Msg3 PUSCHの再送信をスケジュールするDCIフォーマット0_0は、TC-RNTIによってスクランブルされる。DCIフォーマット0_0は、BWP指示フィールドを含まない。
【0266】
<メッセージ3(S803)>
端末装置1は、S802で受信したRARメッセージに含まれているRAR UL グラントに基づきメッセージ3のPUSCH送信を行う。メッセージ3の送信に対応するPUSCHは、対応するプリアンブルがPRACHで送信されたサービングセルにおいて送信される。具体的に言うと、メッセージ3の送信に対応するPUSCHは、アクティブなUL BWPにおいて送信される。
【0267】
<メッセージ3の再送信(S803a)>
メッセージ3の再送信は、RARメッセージに含まれるTC-RNTIによってスクランブルされるCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット0_0によってスケジュールされる。即ち、RARメッセージに含まれるRAR ULグラントに対応するPUSCHで送信されたトランスポートブロックのPUSCH再送信は、TC-RNTIに
よってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット0_0によってスケジュールされる。該DCIフォーマット0_0はタイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットのPDCCHで送信される。即ち、端末装置1は、S803でメッセージ3を送信した後に、メッセージ3の再送信をスケジュールするDCIフォーマット0_0をモニタしてもよい。S803aにおいて、端末装置1がメッセージ3の再送信をスケジュールするDCIフォーマット0_0を検出したら、S803bを実行する。
【0268】
メッセージ3の再送信をスケジュールするDCIフォーマット0_0には、周波数領域リソースアサインメント(frequency domain resource assignment)フィールドが含まれている。該フィールドのビットは、初期UL BWPに基づいて与えられる。具体的に言うと、該フィールドのビット数は、(式4)Ceiling(log(NUL、BWP RB(NUL、BWP RB+1)/2))によって算出される。ここで、NUL、BWP RBは、
初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。即ち、端末装置1に対して設定されている1つまたは複数のUL BWPの中、どのUL BWPでメッセージ3の再送信のためのリソースをスケジュールしようとしても、周波数領域リソースアサインメントフィールドのビット数は初期UL BWPの帯域幅に基づき固定値(同一値)になる。
【0269】
また、一例として、NUL、BWP RBは、ランダムアクセス手順のタイプに基づき、与えられてもよい。例えば、競合ベースランダムアクセス手順において、NUL、BWP RBは、初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。また、例えば、非競合ベースランダムアクセス手順において、NUL、BWP RBは、アクティブなUL
BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0270】
端末装置1は、初期UL BWPに基づく周波数領域リソースアサインメントフィールドのビットを該周波数領域リソースアサインメント(周波数領域リソースアサインメントフィールド)が適用されるUL BWPの帯域幅に適応させるために解釈する必要がある。前述のように、端末装置1は、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントに対してビットをトランケートしたり、挿入したりする時に、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPを決定する。ここで、DCIフォーマット0_0に含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドが適用されるUL BWPは、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPと上述したような同じ決定方法で決定されてもよい。即ち、DCIフォーマット0_0に含まれる周波数領域リソースアサインメントが適用されるUL BWPは、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPであってもよい。即ち、端末装置1は、周波数領域リソースアサインメントフィールドに示されるRIVの値に基づき、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPにのPUSCHの周波数方向のリソースブロック割り当てを特定してもよい。
【0271】
例えば、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPが初期UL BWP(または、初期アクティブなUL BWP)である場合、DCIフォーマット0_0に含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドが適用されるUL BWPは初期UL BWPである。基地局装置3は、リソースアサインメントが適用される初期UL BWPのサイズを用いて、RIVを生成し、周波数リソースアサインメントのフィールドに含めるビット列を確定し、端末装置1に送信する。そして、端末装置1は、実際にアクティベートされているUL BWPが何れかのUL BWPであるかに関わらず、リソースアサインメントが適用されるUL BWP(初期UL BWP)の物理リソースブロックにのPUSCHの周波数方向のリソース割り当てを特定する。端末装置1は、図12(A)を用いて、初期BWPの物理リソースブロックに対応するRBstartおよびLRBsを特定することができる。ここで、図12(A)におけるNsi
ze BWPは初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックである。つまり、周波数領域リソースアサインメントフィールドに示されるRIVの値は、リソースアサインメントが適用される初期UL BWPのサイズ、初期UL BWPのリソースブロックに対応するRBstartおよびLRBsに基づき与えられる。RBstartは、初期BWP
ULの物理リソースブロックインデックス0を基準としてリソース割り当ての開始位置を示すリソースブロックの数である。LRBsは、初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数を超えることができない。即ち、周波数領域リソースアサインメントフィールドに示されるリソースの番号付けは初期UL BWPの物理リソースブロックの最小番号から開始する。
【0272】
上述した例からみると、DCIフォーマット0_0がCORESET#0または初期DL BWPに対して設定されている追加のコモンCORESETにおけるタイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットで検出されたケースに対して、図12(A)におけるNsize BWPに初期UL BWPのサイズが使われる。ここで、DCIフォーマット0_0がCSSでモニタされてもよい。つまり、端末装置1は、アクティベートされているUL BWP(上りリンクデータが送信されるUL BWP)が初期UL BWPではない場合にも、初期UL BWPの周波数方向のリソースブロック割り当てを特定する。初期UL BWPの物理リソースブロックインデックス0とアクティブなUL BWPの物理リソースブロックインデックス0との間のリソースブロックオフセットの値は、各BWPに対して設定されている上位層のパラメータlocationAndBandwidthによって与えられる。また、DCIフォーマット0_0がCORESET#0または初期DL BWPに対して設定されている追加のコモンCORESETにおける任意のコモンサーチスペースセットで検出されたケースに対して、図12(A)におけるNsize BWPに初期UL BWPのサイズが使われる。
【0273】
例えば、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントが適用されるUL BWPがアクティブなUL BWPである場合、DCIフォーマット0_0に含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドが適用されるUL BWPはアクティブなUL BWPである。基地局装置3は、リソースアサインメントが適用されるアクティブなUL
BWPのサイズを用いて、RIVを生成し、周波数リソースアサインメントのフィールドに含めるビット列を確定し、端末装置1に送信する。そして、端末装置1は、周波数領域リソースアサインメントが適用されるアクティブなUL BWPのPUSCHの周波数方向のリソース割り当てを特定する。アクティブなUL BWPが初期アクティブなUL
BWPではない場合、端末装置1は、図12(B)の方法を用いて、アクティブなUL
BWPの物理リソースブロックに対応するRBstartおよびLRBsを特定することができる。この場合、図12(B)におけるNnitial BWPは、初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。Nactive BWPは、アクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。RIVの値は、初期BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数Nnitial BWP、リソースブロックの開始位置RB’start、および、連続的に割り当てるリソースブロックの数L’RBsに基づいて、与えられる。RBstartは、アクティブなUL BWPの物理リソースブロックインデックス0を基準としてリソース割り当ての開始位置を示すリソースブロックの数である。即ち、周波数領域リソースアサインメントフィールドに示されるリソースの番号付けはアクティブなUL BWPの物理リソースブロックの最低番号から開始する。
【0274】
上述した例からみると、CSS(任意のコモンサーチスペースセット、または、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセット)でのDCIフォーマット0_0のサイズ(または、DCIフォーマットに含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドのサイズ)が初期UL BWPのサイズにより導出されが、Msg3 PUSCH周波数リソースアサインメントフィールドのリソースアサインメントが適用されるUL BWPがア
クティブなUL BWPである場合には、図12(B)の方法が適用されてもよい。別の言い方で言えば、CSSでのDCIフォーマット0_0のサイズ(または、DCIフォーマットに含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドのサイズ)が初期UL BWPのサイズにより導出されが、該DCIフォーマット0_0のサイズ(または、DCIフォーマットに含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドのサイズ)が他のアクティブなUL BWP(初期UL BWP以外のアクティベートされるUL BWP)に適用される場合には、図12(B)の方法が適用されてもよい。ここで、CSSは、CORESET#0および初期DL BWPに対して設定されている追加のコモンCORESET以外のCORESETに関連付けられるCSSである。つまり、CSSは、初期DL BWP以外のDL BWPに対して設定されているCORESETに関連付けられるCSSである。ここで、DCIフォーマット0_0がTC-RNTIによってスクランブルされてもよい。即ち、DCIフォーマットが初期UL BWPのサイズにより導出されが、該DCIフォーマットが適用されるUL BWPが他のアクティブなUL BWPであり、且つ、DCIフォーマットにおけるサーチスペースセットが初期DL BWP以外のBWPに対して設定されているCORESETに関連付けられているコモンサーチスペースセット、または、UE固有サーチスペースセットである場合に、図12(B)の方法が適用されてもよい。
【0275】
前述のように、DCIフォーマット0_0に含まれる周波数領域リソースアサインメントフィールドのビット数は、初期UL BWPの帯域幅を示すNUL,BWP RBによって与えられる。周波数領域リソースアサインメントフィールドに含まれるNUL,hopホッピングビットのビット数は、NUL,BWP RBが所定のリソースブロック数の値Yを超えているかどうかに基づいて、1ビットまたは2ビットに与えられてもよい。また、周波数領域リソースアサインメントフィールドに含まれるNUL,hopホッピングビットのビット数は、Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yを超えているかどうかに基づいて、1ビットまたは2ビットに与えられてもよい。ここで、Nsize BWPは、周波数領域リソースアサインメントフィールドが適用されるUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。即ち、Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yより小さい場合、NUL,hopホッピングビットは1ビットに与えられてもよい。メッセージ3のPUSCH送信のために第2のホップの周波数オッフセットは、Floor(Nsize BWP/2)またはFloor(Nsize BWP/4)である。Nsize BWPが所定のリソースブロック数の値Yより等しいまたは大きい場合、NUL,hopホッピングビットは2ビットに与えられてもよい。メッセージ3のPUSCH送信のために第2のホップの周波数オッフセットは、Floor(Nsize BWP/2)、Floor(Nsize BWP/4)、または、―Floor(Nsize BWP/4)である。
【0276】
<メッセージ3の再送信(S803b)>
S803aにおいて、TC-RNTIによってスクランブルされるCRCパリティビットが付加されたDCIフォーマット0_0が検出したら、端末装置1は、S803で送信されたトランスポートブロックのPUSCH再送信を行う。
【0277】
<メッセージ4(S804)>
メッセージ3のPUSCH送信に応答するために、C-RNTIが示されない端末装置1は、UE衝突解消アイデンティティ(UE contention resolution identity)を含むP
DSCHをスケジュールするDCIフォーマット1_0をモニタする。ここで、このDCIフォーマット1_0は対応するTC-RNTIによってスクランブルされるCRCパリティビットが付加される。UE衝突解消アイデンティティを伴うPDSCH受信に応答するために、端末装置1はPUCCHでHARQ-ACK情報を送信する。該PUCCHの送信は、メッセージ3が送信されるアクティブなUL BWPで行ってもよい。
【0278】
これにより、ランダムアクセス手順を行う端末装置1は、基地局装置3に対する上りリンクデータ送信を行なうことができる。
【0279】
以下、本実施形態における装置の構成について説明する。
【0280】
図15は、本実施形態の端末装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置1は、無線送受信部10、および、上位層処理部14を含んで構成される。無線送受信部10は、アンテナ部11、RF(Radio Frequency)部12、および、ベー
スバンド部13を含んで構成される。上位層処理部14は、媒体アクセス制御層処理部15、無線リソース制御層処理部16を含んで構成される。無線送受信部10を送信部、受信部、モニタ部、または、物理層処理部とも称する。上位層処理部14を測定部、選択部または制御部14とも称する。
【0281】
上位層処理部14は、ユーザの操作等により生成された上りリンクデータ(トランスポートブロックと称されてもよい)を、無線送受信部10に出力する。上位層処理部14は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の一部あるいはすべての処理を行なう。上位層処理部14は、1つまたは複数の参照信号から、それぞれの参照信号の測定値に基づいて1つの参照信号を選択する機能を有してもよい。上位層処理部14は、1つまたは複数のPRACH機会から、選択した1つの参照信号に関連付けられたPRACH機会を選択する機能を有してもよい。上位層処理部14は、無線送受信部10で受信したランダムアクセス手順の開始を指示する情報に含まれるビット情報が所定の値であった場合に、上位レイヤ(例えばRRCレイヤ)で設定された1つまたは複数のインデックスから1つのインデックスを特定し、プリアンブルインデックスにセットする機能を有してもよい。上位層処理部14は、RRCで設定された1つまたは複数のインデックスのうち、選択した参照信号に関連付けられたインデックスを特定し、プリアンブルインデックスにセットする機能を有してもよい。上位層処理部14は、受信した情報(例えば、SSBインデックス情報および/またはマスクインデックス情報)に基づいて、次に利用可能なPRACH機会を決定する機能を有してもよい。上位層処理部14は、受信した情報(例えば、SSBインデックス情報)に基づいて、SS/PBCHブロックを選択する機能を有してもよい。
【0282】
上位層処理部14が備える媒体アクセス制御層処理部15は、MACレイヤ(媒体アクセス制御層)の処理を行なう。媒体アクセス制御層処理部15は、無線リソース制御層処理部16によって管理されている各種設定情報/パラメータに基づいて、スケジューリング要求の伝送の制御を行う。
【0283】
上位層処理部14が備える無線リソース制御層処理部16は、RRCレイヤ(無線リソース制御層)の処理を行なう。無線リソース制御層処理部16は、自装置の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した上位層の信号に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。すなわち、無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した各種設定情報/パラメータを示す情報に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。無線リソース制御層処理部16は、基地局装置3から受信した下りリンク制御情報に基づいてリソース割り当てを制御(特定)する。
【0284】
無線送受信部10は、変調、復調、符号化、復号化などの物理層の処理を行う。無線送受信部10は、基地局装置3から受信した信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部14に出力する。無線送受信部10は、データを変調、符号化することによ
って送信信号を生成し、基地局装置3に送信する。無線送受信部10は、あるセルにおける1つまたは複数の参照信号を受信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、1つまたは複数のPRACH機会を特定する情報(例えば、SSBインデックス情報および/またはマスクインデックス情報)を受信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、ランダムアクセス手順の開始を指示する指示情報を含む信号を受信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、所定のインデックスを特定する情報を受信する情報を受信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、ランダムアクセスプリンブルのインデックスを特定する情報を受信する機能を有してもよい。無線送受信部10は、上位層処理部14で決定したPRACH機会でランダムアクセスプリアンブルを送信する機能を有してもよい。
【0285】
RF部12は、アンテナ部11を介して受信した信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去する。RF
部12は、処理をしたアナログ信号をベースバンド部に出力する。
【0286】
ベースバンド部13は、RF部12から入力されたアナログ信号を、アナログ信号をデジタル信号に変換する。ベースバンド部13は、変換したデジタル信号からCP(Cyclic
Prefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。
【0287】
ベースバンド部13は、データを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、OFDMシンボルを生成し、生成されたOFDMシンボルにCPを付加し、ベースバンドのデジタル信号を生成し、ベースバンドのデジタル信号をアナログ信号に変換する。ベースバンド部13は、変換したアナログ信号をRF部12に出力する。
【0288】
RF部12は、ローパスフィルタを用いてベースバンド部13から入力されたアナログ信号から余分な周波数成分を除去し、アナログ信号を搬送波周波数にアップコンバート(up convert)し、アンテナ部11を介して送信する。また、RF部12は、電力を増幅する。また、RF部12は在圏セルにおいて送信する上りリンク信号および/または上りリンクチャネルの送信電力を決定する機能を備えてもよい。RF部12を送信電力制御部とも称する。
【0289】
図16は、本実施形態の基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置3は、無線送受信部30、および、上位層処理部34を含んで構成される。無線送受信部30は、アンテナ部31、RF部32、および、ベースバンド部33を含んで構成される。上位層処理部34は、媒体アクセス制御層処理部35、無線リソース制御層処理部36を含んで構成される。無線送受信部30を送信部、受信部、モニタ部、または、物理層処理部とも称する。また様々な条件に基づき各部の動作を制御する制御部を別途備えてもよい。上位層処理部34を、制御部34とも称する。
【0290】
上位層処理部34は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の一部あるいはすべての処理を行なう。上位層処理部34は、無線送受信部30で受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、1つまたは複数の参照信号から1つの参照信号を特定する機能を有してもよい。上位層処理部34は、少なくともSSBインデックス情報とマスクインデックス情報とからランダムアクセスプリアンブルをモニタするPRACH機会を特定してもよい。
【0291】
上位層処理部34が備える媒体アクセス制御層処理部35は、MACレイヤの処理を行
なう。媒体アクセス制御層処理部35は、無線リソース制御層処理部36によって管理されている各種設定情報/パラメータに基づいて、スケジューリングリクエストに関する処理を行う。
【0292】
上位層処理部34が備える無線リソース制御層処理部36は、RRCレイヤの処理を行なう。無線リソース制御層処理部36は、端末装置1にリソースの割当情報を含む下りリンク制御情報(上りリンクグラント、下りリンクグラント)を生成する。無線リソース制御層処理部36は、下りリンク制御情報、物理下りリンク共用チャネルに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック、ランダムアクセス応答)、システム情報、RRCメッセージ、MAC CE(Control Element)などを生成し、又は上位ノードから取
得し、無線送受信部30に出力する。また、無線リソース制御層処理部36は、端末装置1各々の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御層処理部36は、上位層の信号を介して端末装置1各々に対して各種設定情報/パラメータをセットしてもよい。すなわち、無線リソース制御層処理部36は、各種設定情報/パラメータを示す情報を送信/報知する。無線リソース制御層処理部36は、あるセルにおける1つまたは複数の参照信号の設定を特定するための情報を送信/報知してもよい。
【0293】
基地局装置3から端末装置1にRRCメッセージ、MAC CE、および/またはPDCCHを送信し、端末装置1がその受信に基づいて処理を行う場合、基地局装置3は、端末装置が、その処理を行っていることを想定して処理(端末装置1やシステムの制御)を行う。すなわち、基地局装置3は、端末装置にその受信に基づく処理を行わせるようにするRRCメッセージ、MAC CE、および/またはPDCCHを端末装置1に送っている。
【0294】
無線送受信部30は、1つまたは複数の参照信号を送信する機能を有する。また、無線送受信部30は、端末装置1から送信されたビーム失敗リカバリ要求を含む信号を受信する機能を有してもよい。無線送受信部30は、端末装置1に1つまたは複数のPRACH機会を特定する情報(例えば、SSBインデックス情報および/またはマスクインデックス情報)を送信する機能を有してもよい。無線送受信部30は、所定のインデックスを特定する情報を送信する機能を有してもよい。無線送受信部30は、ランダムアクセスプリアンブルのインデックスを特定する情報を送信する機能を有してもよい。無線送受信部30は、上位層処理部34で特定されたPRACH機会でランダムアクセスプリアンブルをモニタする機能を有してもよい。その他、無線送受信部30の一部の機能は、無線送受信部10と同様であるため説明を省略する。なお、基地局装置3が1つまたは複数の送受信点4と接続している場合、無線送受信部30の機能の一部あるいは全部が、各送受信点4に含まれてもよい。
【0295】
また、上位層処理部34は、基地局装置3間あるいは上位のネットワーク装置(MME、S-GW(Serving-GW))と基地局装置3との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図16において、その他の基地局装置3の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置3として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、上位層処理部34には、無線リソース管理(Radio Resource Management)層処理部や、アプリケーション層処理部が存在している。また上位層処理部34は、無線送受信部30から送信する複数の参照信号のそれぞれに対応する複数のスケジューリング要求リソースを設定する機能を有してもよい。
【0296】
なお、図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1および基地局装置3の機能および各手順を実現する要
素である。
【0297】
端末装置1が備える符号10から符号16が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。基地局装置3が備える符号30から符号36が付された部のそれぞれは、回路として構成されてもよい。
【0298】
(1)より具体的には、本発明の第1の態様における端末装置1は、RARメッセージを含むPDSCHを受信する受信部10と、前記RARメッセージに含まれる第1のULグラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドに基づき、リソース割り当てを制御する制御部16と、を備え、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、ランダムアクセス手順のタイプに基づき与えられる。
【0299】
(2)本発明の第1の態様において、前記ランダムアクセス手順のタイプは非競合ベースランダムアクセス手順である場合に、前記第1のリソースブロックの数はアクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0300】
(3)本発明の第1の態様において、前記ランダムアクセス手順のタイプが競合ベースランダムアクセス手順である場合に、前記第1のリソースブロックの数は初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0301】
(4)本発明の第2の態様における基地局装置3は、リソース割り当てを示すMsg3
PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドを含む第1のULグラントを生成する制御部36と、前記第1のULグラントを含むRARメッセージを含むPDSCHを送信する送信部30と、を備え、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、ランダムアクセス手順のタイプに基づき与えられる。
【0302】
(5)本発明の第2の態様において、前記ランダムアクセス手順のタイプは非競合ベースランダムアクセス手順である場合に、前記第1のリソースブロックの数はアクティブなUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0303】
(6)本発明の第2の態様において、前記ランダムアクセス手順のタイプが競合ベースランダムアクセス手順である場合に、前記第1のリソースブロックの数は初期UL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数である。
【0304】
(7)本発明の第3の態様における競合ベースランダムアクセス手順を行う端末装置1は、RARメッセージを含むPDSCHを受信する受信部10と、前記RARメッセージに含まれる第1のULグラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドに基づき、リソース割り当てを制御する制御部16と、を備え、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0305】
(8)本発明の第4の態様における競合ベースランダムアクセス手順を行う端末装置1と通信する基地局装置3は、リソース割り当てを示すMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドを含む第1のULグラントを生成する制御部36と、RARメッセージを含むPDSCHを送信する送信部30と、を備え、前記第1のULグラントは、前記RARメッセージに含まれ、前記制御部は、第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より小さいまたは等しい場合に、前記第1のフィールドのビットに最小位ビットからXビットをトランケートし、前記第1のリソースブロックの数が所定のリソースブロック数の値より大きい場合に、前記第1のフィールドのビットの中にホッピングビットの後に‘0’の値にセットするYビットの最上位ビットを挿入し、前記第1のリソースブロックの数は、タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットに示されるCORESETの設定情報が設定されているDL BWPと同じBWP識別子を有するUL BWPの帯域幅を示すリソースブロックの数であり、前記タイプ1PDCCHコモンサーチスペースセットはランダムアクセス手順に用いられるサーチスペースセットであり、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0306】
(9)本発明の第5の態様における端末装置1は、サーチスペースセットでTC-RNTIによってスクランブルされる第1のDCIフォーマットを受信する受信部10と、前記第1のDCIフォーマットに含まれる周波数領域リソースアサインメントを示す第2のフィールドに基づき、PUSCHのリソース割り当てを特定する制御部16と、を備え、第1のUL BWPの帯域幅を示す第1のリソースブロックの数に基づいて、RARメッセージに含まれる第1のUL グラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドのビットは、最小位ビットからトランケートされ、および/または、最上位ビットが挿入され、前記第2のフィールドのサイズは初期UL
BWPの帯域幅により導出され、前記制御部は、前記第2のフィールドに示されるRIVの値に基づき、前記第1のUL BWPに適用する周波数方向のリソースブロック割り当てを特定する。
【0307】
(10)本発明の第5の態様において、前記制御部は、前記第1のUL BWPは初期UL BWP以外のアクティブなUL BWPであり、且つ、前記サーチスペースセットが初期DL BWP以外のBWPに対して設定されているCORESETに関連付けられるコモンサーチスペース、または、UE固有サーチスペースである場合に、前記第2のフィールドに示されるRIVの値から初期UL BWPに基づきリソース割り当ての第1の開始位置と連続的に割り当てられた第1のリソースブロックの数を識別し、前記第1の開始位置と前記第1のリソースブロックの数を係数Kでスケーリングして得た第2の開始位置と第2のリソースブロックの数をアクティブなUL BWPの物理リソースブロックに適用し、PUSCHのリソース割り当てを特定し、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0308】
(11)本発明の第5の態様において、前記制御部は、前記第1のUL BWPは初期UL BWP以外のアクティブなUL BWPであり、且つ、前記サーチスペースセット
が初期DL BWPに対して設定されているCORESETに関連付けられるコモンサーチスペースである場合に、前記第2のフィールドに示されるRIVの値から初期UL BWPに基づきリソース割り当ての第1の開始位置と連続的に割り当てられた第1のリソースブロックの数を識別し、識別した前記第1の開始位置と前記第1のリソースブロックの数を初期UL BWPの物理リソースブロックに適用し、PUSCHのリソース割り当てを特定する。
【0309】
(12)本発明の第5の態様において、前記第1のUL BWPは初期UL BWPである場合に、前記第2のフィールドに示されるRIVの値から初期UL BWPに基づきリソース割り当ての第1の開始位置と連続的に割り当てられた第1のリソースブロックの数を識別し、識別した前記第1の開始位置と前記第1のリソースブロックの数を初期UL
BWPの物理リソースブロックに適用し、PUSCHのリソース割り当てを特定する。
【0310】
(13)本発明の第5の態様において、前記係数Kは、アクティブなUL BWPの帯域幅が初期UL BWPの帯域幅より大きい場合に、アクティブなUL BWPの帯域幅と初期UL BWPの比率で最も近い2のべき乗に切り捨てられた値で与えられ、その以外の場合に、1で与えられる。
【0311】
(14)本発明の第6の態様における基地局装置3は、リソース割り当て情報を示す周波数領域リソースアサインメントを示す第2のフィールドを含む第1のDCIフォーマットを生成する制御部36と、タイプ1PDCCCHコモンサーチスペースセットで前記第1のDCIフォーマットを送信する送信部30と、を備え、前記第1のDCIフォーマットはTC-RNTIによってスクランブルされ、第1のUL BWPの帯域幅を示す第1のリソースブロックの数に基づいて、RARメッセージに含まれる第1のUL グラントに示されるMsg3 PUSCH周波数リソースアサインメントを示す第1のフィールドのビットは、最小位ビットからトランケートされ、および/または、最上位ビットが挿入され、前記第2のフィールドのサイズは初期UL BWPの帯域幅により導出され、前記制御部は、端末装置に適用する前記第1のUL BWPのPUSCHの周波数方向のリソースブロック割り当てを特定し、前記第2のフィールドに示されるRIVの値を生成する。
【0312】
(15)本発明の第6の態様において、前記制御部は、前記第1のUL BWPは初期UL BWP以外のアクティブなUL BWPであり、且つ、前記コモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETは初期DL BWP以外のBWPに対して設定されているCORESETである場合に、生成する前記第2のフィールドに示されるRIVの値から初期UL BWPに基づきリソース割り当ての第1の開始位置と連続的に割り当てられた第1のリソースブロックの数を識別し、前記第1の開始位置と前記第1のリソースブロックの数を係数Kでスケーリングして得た第2の開始位置と第2のリソースブロックの数をアクティブなUL BWPの物理リソースブロックに適用し、端末装置に適用するPUSCHのリソース割り当てを特定し、前記CORESETは下りリンク制御情報をサーチするための時間および周波数リソースである。
【0313】
(16)本発明の第6の態様において、前記制御部は、前記第1のUL BWPは初期UL BWP以外のアクティブなUL BWPであり、且つ、前記コモンサーチスペースセットに関連付けられるCORESETは初期DL BWPに対して設定されているCORESETである場合に、生成する前記第2のフィールドに示されるRIVの値から初期UL BWPに基づきリソース割り当ての第1の開始位置と連続的に割り当てられた第1のリソースブロックの数を識別し、識別した前記第1の開始位置と前記第1のリソースブロックの数を初期UL BWPの物理リソースブロックに適用し、端末装置に適用するPUSCHのリソース割り当てを特定し、前記CORESETは下りリンク制御情報をサー
チするための時間および周波数リソースである。
【0314】
(17)本発明の第6の態様において、前記制御部は、前記第1のUL BWPは初期UL BWPである場合に、生成する前記第2のフィールドに示されるRIVの値から初期UL BWPに基づきリソース割り当ての第1の開始位置と連続的に割り当てられた第1のリソースブロックの数を識別し、識別した前記第1の開始位置と前記第1のリソースブロックの数を初期UL BWPの物理リソースブロックに適用し、端末装置に適用するPUSCHのリソース割り当てを特定する。
【0315】
(18)本発明の第6の態様において、前記係数Kは、アクティブなUL BWPの帯域幅が初期UL BWPの帯域幅より大きい場合に、アクティブなUL BWPの帯域幅と初期UL BWPの比率で最も近い2のべき乗に切り捨てられた値で与えられ、その以外の場合に、1で与えられる。
【0316】
これにより、端末装置1は、効率的に基地局装置3と通信することができる。
【0317】
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)、あるいはその他の記憶装置システムに格納される。
【0318】
尚、本発明に関わる実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、短時間動的にプログラムを保持する媒体、あるいはコンピュータが読み取り可能なその他の記録媒体であっても良い。
【0319】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、たとえば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本発明の一又は複数の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【0320】
なお、本発明に関わる実施形態では、基地局装置と端末装置で構成される通信システムに適用される例を記載したが、D2D(Device to Device)のような、端末同士が通信を行うシステムにおいても適用可能である。
【0321】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一
例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0322】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0323】
1(1A、1B) 端末装置
3 基地局装置
4 送受信点(TRP)
10 無線送受信部
11 アンテナ部
12 RF部
13 ベースバンド部
14 上位層処理部
15 媒体アクセス制御層処理部
16 無線リソース制御層処理部
30 無線送受信部
31 アンテナ部
32 RF部
33 ベースバンド部
34 上位層処理部
35 媒体アクセス制御層処理部
36 無線リソース制御層処理部
50 送信ユニット(TXRU)
51 位相シフタ
52 アンテナエレメント
図1
図2
図3
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