(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】表示装置、照明装置、導光部材及び導光構造
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2018245958
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平本 幸治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 真文
(72)【発明者】
【氏名】仲本 浩
(72)【発明者】
【氏名】利部 憲
(72)【発明者】
【氏名】杉山 健
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2006-0111997(KR,A)
【文献】特開2010-080130(JP,A)
【文献】特開2006-302687(JP,A)
【文献】特開2016-045995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
F21S 2/00
F21V 8/00
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側からの光の一部又は全部を他面側に透過させる表示パネルと、
前記表示パネルの前記一面側に設けられる照明装置と、を備え、
前記照明装置は、
光を発する光源と、
透光性を有し、前記表示パネルと対向する第1方向の配置が前記光源の配置に対応する導光部材とを備え、
前記導光部材は、
前記第1方向に開口して前記光源が内側に配置される孔と、
前記孔の周囲を囲う導光部とを有し、
前記導光部の一面側には、前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成され、
前記導光部の他面側には、前記第1方向及び前記平面に対して傾斜する第2傾斜面が形成され
、
前記第2傾斜面は、前記表示パネルと対向する前記光源の端部の位置に対して前記表示パネル側に突出する突出部を含み、
前記突出部の前記表示パネル側に設けられる被覆部材を備える
表示装置。
【請求項2】
一面側からの光の一部又は全部を他面側に透過させる表示パネルの前記一面側に設けられる照明装置であって、
光源と、
透光性を有し、前記表示パネルと対向する第1方向の配置が前記光源の配置に対応する導光部材とを備え、
前記導光部材は、
前記第1方向に開口して前記光源が内側に配置される孔と、
前記孔の周囲を囲う導光部とを有し、
前記導光部の一面側には、前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成され、
前記導光部の他面側には、前記第1方向及び前記平面に対して傾斜する第2傾斜面が形成され
、
前記第2傾斜面は、前記表示パネルと対向する前記光源の端部の位置に対して前記表示パネル側に突出する突出部を含み、
前記突出部の前記表示パネル側に設けられる被覆部材を備える
照明装置。
【請求項3】
一面側からの光の一部又は全部を他面側に透過させる表示パネルの前記一面側に設けられる照明装置が有する光源が配置され、前記表示パネルと対向する第1方向に開口している孔と、
透光性を有し、前記孔の周囲を囲う導光部とを有し、
前記導光部の一面側には、前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成され、
前記導光部の他面側には、前記第1方向及び前記平面に対して傾斜する第2傾斜面が形成され
、
前記第2傾斜面は、前記表示パネルと対向する前記光源の端部の位置に対して前記表示パネル側に突出する突出部を含み、
前記突出部の前記表示パネル側に設けられる被覆部材を備える
導光部材。
【請求項4】
第1方向に開口して内側に光源が配置される孔の周囲を囲う透光性の導光部の一面側に前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成され、
前記導光部の他面側には、前記第1方向及び前記平面に対して傾斜する第2傾斜面が形成され
、
前記第2傾斜面は、前記導光部の他面側における前記光源の端部の位置に対して前記他面側から突出する突出部を含み、
前記突出部の先端を覆うように設けられる被覆部材を備える
導光構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、照明装置、導光部材及び導光構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の点状光源を所定の間隔で配置して、表示パネルを背面側から照明する構成が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光ダイオード(LED:light emitting diode)のような点状光源を採用すると、LEDが直下に位置する箇所の輝度が相対的に最も明るく、LED同士の間隔に対応する箇所の輝度が相対的に暗くなる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、光源からの距離による輝度低下を低減できる表示装置、照明装置、導光部材及び導光構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による表示装置は、一面側からの光の一部又は全部を他面側に透過させる表示パネルと、前記表示パネルの前記一面側に設けられる照明装置と、を備え、前記照明装置は、光を発する光源と、透光性を有し、前記表示パネルと対向する第1方向の配置が前記光源の配置に対応する導光部材とを備え、前記導光部材は、前記第1方向に開口して前記光源が内側に配置される孔と、前記孔の周囲を囲う導光部とを有し、前記導光部の一面側には、前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成されている。
【0007】
本発明の一態様による照明装置は、一面側からの光の一部又は全部を他面側に透過させる表示パネルの前記一面側に設けられる照明装置であって、光源と、透光性を有し、前記表示パネルと対向する第1方向の配置が前記光源の配置に対応する導光部材とを備え、前記導光部材は、前記第1方向に開口して前記光源が内側に配置される孔と、前記孔の周囲を囲う導光部とを有し、前記導光部の一面側には、前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成されている。
【0008】
本発明の一態様による導光部材は、一面側からの光の一部又は全部を他面側に透過させる表示パネルの前記一面側に設けられる照明装置が有する光源が配置され、前記表示パネルと対向する第1方向に開口している孔と、透光性を有し、前記孔の周囲を囲う導光部とを有し、前記導光部の一面側には、前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成されている。
【0009】
本発明の一態様による導光構造は、第1方向に開口して内側に光源が配置される孔の周囲を囲う透光性の導光部の一面側に前記第1方向及び前記第1方向に直交する平面に対して傾斜する第1傾斜面が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態の表示装置が備える主要構成を示す模式的な積層構造図である。
【
図2】
図2は、照明装置の主要構成を他面側から見た場合を示す模式的な斜視図である。
【
図3】
図3は、光源と導光部材との関係を示すX-Y平面図である。
【
図5】
図5は、
図4の範囲B内の構成を拡大して示す断面図である。
【
図6】
図6は、変形例1が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。
【
図7】
図7は、変形例2が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。
【
図8】
図8は、変形例3が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。
【
図9】
図9は、変形例4が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。
【
図10】
図10は、光源と変形例4の導光部材との関係を示すX-Y平面図である。
【
図11】
図11は、光源と変形例5の導光部材との関係を示すX-Y平面図である。
【
図12】
図12は、鏡面加工が施された構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2傾斜面22が省略された導光部材の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明と異なる表示装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
図1は、実施形態の表示装置100が備える主要構成を示す模式的な積層構造図である。表示装置100は、表示パネルPと、照明装置1とを備える。表示パネルPは、光透過型であり、透過する光を用いて画像を表示する。
図1では、模式的にZ方向に沿う光に符号Lを付しているが、後述するように、照明装置1からの光はZ方向に沿う光に限らない。
【0013】
具体的には、表示パネルPは、一面(背面P1)側から照明されて他面(表示面P2)側に画像を表示する。表示パネルPは、例えば複数の画素が配置された透過型の液晶表示パネルであるが、半透過型の液晶表示パネルであってもよいし、他の方式による透過型の表示パネルであってもよい。照明装置1は、表示パネルPの一面側に設けられて表示パネルPを照明する。以下の説明では、互いに直交する3方向をX方向、Y方向及びZ方向とする。照明装置1と表示パネルPはZ方向で対向している。また、表示パネルPの表示面はX-Y平面に相当する。なお、これら3方向は互いに直交していない構成を採用することも可能である。
【0014】
図2は、照明装置1の主要構成を他面側から見た場合を示す模式的な斜視図である。
図2では、光源基板10、光源11等の他の構成に対する導光部材20の位置関係を簡便に示す目的で、後述する
図3等を参照して説明する導光部材20の具体的な形状に関する描写を省略している。また、
図2では、他面側から見た光源11と導光部材20との位置関係をより明確に示す目的で、光学シート30の構成を一部切り欠いた状態で図示している。
【0015】
図1及び
図2に示すように、照明装置1は、光源基板10と、複数の光源11と、導光部材20と、光学シート30とを備える。光源基板10は、複数の光源11が配置される基板であり、光源11に接続される配線等を有する。
【0016】
光源11は、例えばLEDのような発光素子であり、電力供給に応じて光を発する。光源11に対する電力供給は、光源基板10の配線を介して行われる。光源基板10には図示しないLEDの駆動回路が接続される。より具体的には、光源11の底面に端子が形成され、当該端子が光源基板10の配線に接続されている。各光源11は、当該駆動回路の制御下で個別に点灯/消灯が可能となっている。また、点灯時の明るさも個別に調整可能となっている。
【0017】
図2に示すように、複数の光源11は、X-Y平面に沿ってX方向及びY方向にマトリクス状に配置される。
図2では、X方向に5つ並び、Y方向に5つ並ぶ5×5の光源11がマトリクス状に配置されている例を示しているが、光源11の数及び配置は任意である。なお、複数の光源11の配置は、上記マトリクス状に限らず、千鳥状配置や放射状配置、及びこれらを一部欠落させた配置を含め様々な配置が可能である。
【0018】
なお、
図1の光源11からの矢印で模式的に示すように、光源11からの光は、放射状に照射される。より具体的には、光源11からの光は、光源11の上面からのみならず、側面からも出射される。すなわち、光源11からの光の多くはZ方向の成分のみならず、X方向及びY方向の成分を有している。従って、光源11からの光は、Z方向に限らず、X-Y平面に沿う方向の光も含む。
【0019】
導光部材20は、所定の間隔で複数の孔(貫通孔)21と、孔21の周囲を囲う導光部Dとを有する。導光部材20を光源基板10に重ねて配置することにより、各光源11が孔21に収容される。
【0020】
導光部材20は、透光性を有する合成樹脂又はガラスを用いて形成された部材であるが、光に対する面の角度によって光を反射又は透過させる透光性の部材であれば、具体的な素材については適宜変更可能である。すなわち、導光部材20自体の屈折率、反射率や光拡散性は、適宜変更可能である。導光部材20は、光源11からの光を表示パネルP側に誘導する。導光部材20が光源11からの光に与える具体的な影響については後述する。
【0021】
光学シート30は、光源11から発せられた光を拡散させる。
図2に示す光学シート30は、それぞれ光学特性が異なる4つの光学シート31,32,33,34が積層された構成であるが、これに限られるものでなく、単層の光学シートであってもよいし、2層、3層又は5層以上の積層構造を有する光学シートであってもよい。
【0022】
図3は、光源11と導光部材20との関係を示すX-Y平面図である。
図4は、
図3のA-A断面図である。導光部材20は、所定の間隔で設けられる複数の孔21と、これら複数の孔21の周囲に設けられる導光部Dとを備えている。導光部Dは、第2傾斜面22、第1傾斜面23、対向面24を有する。また、第2傾斜面22は孔21の壁面の一部を構成する。なお、導光部材20は透光性の板材からなるが、対向面24を含む平面を出射面、光源基板10と接触する面を含む平面を背面と称することがある。
【0023】
図5は、
図4の範囲B内の構成を拡大して示す断面図である。孔21は、導光部材20の光源基板10側の面(背面)から表示パネルP側の面(出射面)まで貫通する孔である。光源11からのZ方向に出射される光は、光学シート30を通過して表示パネルPを照明する。
【0024】
より具体的には、孔21は、背面側の第1開口21a及び出射面側の第2開口21bを有し、いずれもX-Y平面の形状が矩形状である。また、実施形態では、光源11は、X-Y平面の形状が矩形状であってX方向及びY方向の寸法が1[mm]である。これに対し、第1開口21aのX方向及びY方向の寸法が1.6[mm]である。理想的には、光源11は、X-Y平面視点で孔21の中央に配置されるが、厳密に中央であることは必須でない。光源11は、孔21の内側に配置されていればよい。なお、上記数値は例示であって、適宜変更可能である。このように、導光部材20は、第1方向(Z方向)に開口して内側に光源11が配置される孔21が設けられた導光構造を有する。
【0025】
第2傾斜面22は、導光部材20の出射面側に設けられる。第2傾斜面22は、Z方向及びX-Y平面に対して傾斜する。具体的には、第2傾斜面22は、孔21の中途部21dを基端として、当該中途部21dから連続して出射面に向かうにつれて孔の中心線21cから離間する方向に延在する孔21の内壁面である。第2傾斜面22によって、光源11から発せられる光の一部は、導光部材20による反射及び屈折の少なくとも一方の影響を受けることなく、即ち、導光部材20を介することなく出射される。これらの光はZ方向の成分が多く含まれており、導光部材20による誘導を必要とすることなく十分な輝度で表示パネルPに向けて出射される。なお、第2傾斜面22の基端部となる上記中途部21dは、導光部材20の厚さ方向中心よりも背面側に設けられることが好ましい。また、当該中途部21dは、孔21に収容された光源11の出射面よりも背面側が好ましく、光源11の光源基板10からの高さの半分よりも背面側に設けられることがより好ましい。
【0026】
第1傾斜面23は、導光部材20の背面側に設けられる。第1傾斜面23は、Z方向及びX-Y平面に対して傾斜する。具体的には、第1傾斜面23は、孔21の第1開口21aの開口縁25を基端として、当該開口縁25から連続して出射面に向かうにつれて孔21の中心線21cから離間する方向に延在する。開口縁25を基端とした第1傾斜面23の傾斜は、X-Y平面に沿う任意の方向において光源11から最も遠い終端CLまで連続する。終端CLの位置は、例えば、隣り合う2つの孔21の中心線21cから等距離となる中間線上に位置する。隣り合う2つの孔21の間には、上記中間線を境に対称的に連続する2つの第1傾斜面23を屋根部とした空間SPが形成される。このように、導光部材20は、Z方向及びX-Y平面に対して傾斜する第1傾斜面23が形成された導光構造を有する。
【0027】
なお、実施形態では、X方向及びY方向の光源11の配置ピッチは6[mm]である。導光部材20の孔21のピッチも6mmである。従って、ある孔21の中心から終端CLまでのX方向(Y方向)の距離は3[mm]であるが、これは一例であって適宜変更可能である。
【0028】
図5に示すように、導光部材20の構造は、終端CLを挟んで隣り合う2つの光源11の間で対称である。
【0029】
図5に示すように、孔21の内周面に対してX-Y平面に沿って進入した光L2、L3より具体的には、光源11から出射される光のうち、Z方向成分よりもX-Y成分が大きいもの、或いは、Z方向のマイナスの成分を含む光の一部は、第2傾斜面22から導光部材20の内部に向かって屈折して入射し、第1傾斜面23側に向かう。そしてこれら光L2、L3は、第1傾斜面23によって表示パネルP側に反射されることで、光源11からの出射角度に比して光源から遠方となる位置で表示パネルP側に向かう。なお、第1傾斜面23と第2傾斜面22は、X-Y平面に対する傾斜角度が異なる。第1傾斜面23は、第2傾斜面22よりもX-Y平面に対する傾斜角度が急角度である。
【0030】
なお、第1傾斜面23の傾斜角度、第2傾斜面22の傾斜角度、起点の位置は、光源11から発せられる光のうちX-Y平面に沿って射出される光をより表示パネルP側に向けやすくなるよう調整されることが望ましい。
【0031】
対向面24は、導光部Dの出射面側に設けられる。対向面24は、X-Y平面に沿い、光学シートと対向する。対向面24は、
図5の光L2,L3が示すように、導光部D内部を通過する光が出射する面である。対向面24で生じる屈折によって光L2,L3の出射角度が若干大きくなる。
【0032】
実施形態では、光源11と導光部材20は、光学シート30と対向する面がX-Y平面に沿う同一平面上に位置する。具体的には、
図5に示すように、導光部材20の厚さHは、光源基板10に対する光源11の高さに対応する。また、光源11の上面と導光部材20の出射面とが一致しているともいえる。このため、光源基板10に対する対向面24のZ方向の位置は、光源基板10を底部とした光源11の上面と同じ位置である。なお、これら光源11の上面と導光部材20の出射面とが同一平面上にない構成も採用することができる。例えば、導光部材20の出射面よりも光源11の上面の方が光源基板10に近い位置である構成を採用することができる。この場合、当該光源11の上面(頭頂部)は孔21内に位置することになる。
【0033】
なお、実施形態では、導光部材20の厚みHが0.8[mm]であるが、これは一例であって適宜変更可能である。
【0034】
以上、実施形態によれば、
図5を参照して説明した光L2,L3のように、導光部D内の第1傾斜面23でこれらの光L2,L3が反射することによって光源11からの光をより効率的に表示パネルP側に向かわせることができる。また、光L2,L3のように、光源11の近傍からではなく、導光部材20の内部を光が通過することで、光源11からX-Y平面視点でより離れた位置に光を拡散させることができる。これにより、光源11からの距離によるX-Y平面視点での輝度ムラを低減できる。
【0035】
また、
図5を参照して説明した光L1のように、第2傾斜面22によって、光路中に導光部Dが介在しないことによって、反射を伴わなくても表示パネルP側に向かう光をそのまま表示パネルP側に向かわせることができる。
【0036】
また、導光部Dは光源11の周囲に設けられている。これによって導光部材20は光源11の厚さ相当の厚みHに抑えられている。より具体的には、光源11の直上及びその周囲には導光部Dが設けられず、光源11からの光のうち、Z方向の成分がX方向やY方向の成分よりも大きい光は導光部Dを介することなく表示パネルP側に出射される。このため、導光部材20の厚みHが光源11の厚み程度に抑えられ、より薄型の光源装置1、ひいてはより薄型の表示装置100が提供される。
【0037】
仮に、導光部材20がない場合、
図14に示すように、光源11からの光を拡散させるために、すなわち、光源間の輝度ムラを十分に低減するためには、光源11と光学シート30との間に光の拡散のための間隔apを大きく(例えば光源11の高さ以上となる大きさ)設ける必要があり、当該間隔apによって表示装置全体の厚みが増すことによって薄型化をより困難にする。これに対し、実施形態によれば、
図1に示すように導光部材20がない場合に比して間隔apをより小さく(例えば光源11の高さと同じかそれ以下の大きさ)することができ、より薄型の表示装置100を提供できる。
【0038】
なお、間隔apは、0であってもよいし、0を超える値であってもよいが、実施形態の光源11のピッチを考慮しても1[mm]以下にすることができる。
【0039】
(変形例)
以下、
図6から
図11を参照して、実施形態の変形例について説明する。変形例の説明では、実施形態と同様の構成に同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
(変形例1)
図6は、変形例1が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。
図6及び後述する
図7から
図9は、実施形態の説明における
図4の範囲B内の構成を拡大して示す断面図である。
【0041】
変形例1において導光部材20Aの背面側に設けられる傾斜面は、光源11に対する位置及びX-Y平面に対する角度がそれぞれ異なる複数の傾斜(傾斜23A、溝26)を含む。具体的には、変形例1の導光部材20Aは、実施形態の第1傾斜面23に代えて設けられる傾斜23Aと、孔21が並ぶ方向に隣り合う傾斜23A同士の中間位置に設けられる溝26とを含む。傾斜23Aと溝26とは、X-Y平面に対する傾斜の角度が異なる。
図6に示す例では、溝26は、傾斜23AよりもX-Y平面に対して大きい角度を有して対向面24Aの背後に設けられている。これによって、より多くの光を対向面24Aから出射することができる。
【0042】
図6及び後述する
図7から
図9に示す傾斜23Aは、第1傾斜面23に比してX-Y平面に対する傾斜の角度が小さいが、これは一例であってこれに限られるものでない。傾斜23Aは、X-Y平面に対する傾斜の角度が第1傾斜面23と同様であってもよいし、第1傾斜面23よりも大きい角度であってもよい。
【0043】
また、
図6及び後述する
図7から
図9に示す傾斜22Aは、実施形態の第2傾斜面22に代えて設けられる。傾斜22Aは、第2傾斜面22に比してX-Y平面に対する傾斜の角度が小さいが、これは一例であってこれに限られるものでない。傾斜22Aは、X-Y平面に対する傾斜の角度が第2傾斜面22と同様であってもよいし、第2傾斜面22よりも大きい角度であってもよい。これに伴い、
図6及び後述する
図7から
図9に示す対向面24Aは、X方向の幅が対向面24よりも小さくなっているが、これは一例であってこれに限られるものでない。対向面24Aの幅は、X-Y平面に対する傾斜22Aの傾斜の角度に応じる。なお、溝26は、傾斜22AよりもX-Y平面に対して大きい角度を有している。
【0044】
(変形例2)
図7は、変形例2が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。変形例2以降の変形例については、
図6を参照して説明した変形例1との差異について説明し、同様の構成について同じ符号を付して省略する。
【0045】
変形例2及び後述する変形例3,4では、導光部材の出射面側には、傾斜22Aに加えて、光源11に対する位置及びX-Y平面に対する角度が異なる複数の傾斜を含む。具体的には、変形例2の導光部材20Bは、傾斜22Aに加えて、対向面24Bに溝27を有する。
【0046】
溝27は、孔21に近い側から終端CLに近づくに従って対向面24Bから第1傾斜面23に近づく傾斜面を有する。このように、傾斜22Aと溝27とは、X-Y平面に対する角度がそれぞれ異なる。
【0047】
(変形例3)
図8は、変形例3が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。変形例3の導光部材20Cは、傾斜22Aに加えて、対向面24Cに複数の溝28を有する。各溝28の深さは、溝27よりも浅いが、同じであってもよいし、より深くてもよい。また、各溝28の深さは、最外側から内側に向かうにしたがって深くなる構成を採用することも可能である。
【0048】
(変形例4)
図9は、変形例4が有する特徴的な構成を拡大して示す断面図である。変形例4の導光部材20Dは、傾斜22Aに加えて、対向面24Dから表示パネルP側に突出する複数の突出部29を有する。
【0049】
図10は、光源11と変形例4の導光部材20Dとの関係を示すX-Y平面図である。突出部29は、X方向に並ぶ複数の光源11間の対向面24DにおいてY方向に沿うよう設けられる。係る突出部29は、対向面24D毎に複数設けられる。Y方向に沿う複数の突出部29は、X方向に並ぶ。また、突出部29は、Y方向に並ぶ複数の光源11間の対向面24DにおいてX方向に沿うよう設けられる。係る突出部29は、対向面24D毎に複数設けられる。X方向に沿う複数の突出部29は、Y方向に並ぶ。
【0050】
各突出部29の断面形状は、
図9に示すように、表示パネルP側を頂点とする二等辺三角形状である。突出部29の傾斜面のX-Y方向に対する角度は、傾斜22A、23Aよりも大きい。これにより、対向面24Dからの出射光を増大させることができる。
【0051】
また、X方向に沿う複数の突出部29とY方向に沿う複数の突出部29とが交差する位置には、被覆部材40が設けられる。被覆部材40は、突出部29の表示パネルP側の頭頂部を覆うよう、導光部材20Dの表示パネルP側に接着固定される。被覆部材40は、例えば、透光性を有する無色の樹脂製のカバーであるが、これに限られるものでなく、具体的な素材については適宜変更可能である。
【0052】
変形例4では、光学シート30は、被覆部材40が設けられた導光部材20Dの表示パネルP側に積層される。これによって、突出部29の物理的接触によって光学シート31の光学特性が影響を受けることを抑制することができる。
【0053】
図8に示す溝28及び
図9に示す突出部29は、隣り合う2つの光源11間に形成される数が6であるが、これは一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。また、これら溝28や突出部29の角度や大きさ、数は適宜変更可能である。
【0054】
(変形例5)
図11は、光源11と変形例5の導光部材20Eとの関係を示すX-Y平面図である。本変形例では、孔21の第1開口21a及び第2開口21bがそれぞれ円状に形成されている。これに伴い、各傾斜面は、すり鉢状に形成される。
【0055】
図12は、鏡面加工が施された構成例を示す図である。第1傾斜面23(又は傾斜23A及び溝26)の光源基板10側には、表示パネルP側に光をより確実に反射する鏡面加工を施してもよい。
図12では、
図5に示す構成の第1傾斜面23の光源基板10側に鏡面加工部23Mをさらに設けているが、これに限られるものでなく、傾斜23A及び溝26の光源基板10側にも鏡面加工部23Mと同様の構成を設けてもよい。鏡面加工部23Mは、例えば蒸着等の加工処理によって金属、合金又は酸化物等の化合物による薄膜を形成して当該薄膜を鏡面として機能させるようにしたものであるが、鏡面加工部23Mの具体的な形成方法はこれに限られるものでなく適宜変更可能である。例えば、ミラーシートを貼り付けるようにしてもよい。
【0056】
図13は、第2傾斜面22が省略された導光部材20の構成例を示す図である。
図5等を参照して説明した第2傾斜面22は、必須でない。例えば
図13に示すように、
図5の導光部材20から第2傾斜面22を省略した構成を採用してもよい。
【0057】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0058】
1 照明装置
10 光源基板
11 光源
20 導光部材
21 孔
22 第2傾斜面
23 第1傾斜面
24 対向面
25 底部
30,31,32,33,34 光学シート
40 被覆部材
100 表示装置
D 導光部
P 表示パネル
P1 背面
P2 表示面