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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】水素製造システム
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20221220BHJP
   C01B 3/56 20060101ALI20221220BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20221220BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20221220BHJP
   H01M 8/0668 20160101ALI20221220BHJP
【FI】
C01B3/38
C01B3/56 Z
H01M8/12 101
H01M8/0612
H01M8/0668
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019004718
(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2020111492
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫛 拓人
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 広基
(72)【発明者】
【氏名】江口 晃平
【審査官】田口 裕健
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184550(JP,A)
【文献】特開2005-019245(JP,A)
【文献】特開2004-124847(JP,A)
【文献】特開2010-212141(JP,A)
【文献】特開2009-143744(JP,A)
【文献】特開2018-166085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00- 3/58
H01M 8/00- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素供給源から炭化水素が原料として供給されると共に、前記炭化水素を改質して水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質器と、前記改質器と接続され、前記改質ガスを製品水素と不純物であるオフガスとに分離して製品水素に精製する水素精製器と、を有する水素製造装置と、
燃料ガスが供給されることにより発電する発電装置と、
前記水素製造装置から前記発電装置に前記オフガスを供給するオフガス導入流路と、
を備える水素製造システムであって、
前記発電装置は、燃焼用燃料ガス供給管から燃焼用燃料ガスが供給されると共に前記オフガス導入流路が連通された燃焼室を有する、前記改質器と異なる発電用改質器を備え、
前記オフガスが燃料として前記燃焼室に供給されると共に、前記燃焼室の燃焼排ガスが外気中に排出されることで、前記発電装置で前記オフガスを使用することによって前記オフガスに含有される一酸化炭素を酸化して外気中に排出する、水素製造システム。
【請求項2】
前記発電装置は、燃料ガスが供給される燃料極と、酸化ガスが供給される空気極と、前記燃料極と前記空気極とを隔てる電解質とを有し、一酸化炭素を利用して発電する燃料電池であり、前記オフガス導入流路から前記燃料電池の燃料極に前記オフガスが供給されると共に、前記燃料極の排ガスが外気中に排出される請求項1記載の水素製造システム。
【請求項3】
前記発電装置で発電された電力を前記水素製造装置に供給する請求項1または請求項2に記載の水素製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造システムに関し、特に、炭化水素原料を改質して水素を製造する水素製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水素を得るための水素製造装置としては、原料炭化水素を水蒸気改質装置で改質ガスに改質した後、PSA(Pressure Swing Adsorption)装置(水素精製器)へ供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の水素製造装置では、PSA装置から送出されたオフガスを水蒸気改質装置に燃料として戻すことで、水素製造装置全体の熱効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-335502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、PSA装置から水蒸気改質装置に供給されるオフガス流量は、定常時でも周期的な変動があるため流量制御が複雑となり、流量調整弁やその制御装置等が必要となり、装置の簡略化という点において改善の余地がある。
【0005】
一方、水素製造装置の簡略化の観点からは、水素精製器から外気中にオフガスを排出することも考えられる。この場合には、オフガスに含まれる一酸化炭素(の濃度)が問題となる。
【0006】
本発明の課題は、簡単な構成で、オフガス中の一酸化炭素濃度を低減して外気中に排出する水素製造システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の水素製造システムは、炭化水素供給源から炭化水素が原料として供給されると共に、前記炭化水素を改質して水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質器と、前記改質器と接続され、前記改質ガスを製品水素と不純物であるオフガスとに分離して製品水素精製する水素精製器と、を有する水素製造装置と、燃料ガスが供給されることにより発電する発電装置と、前記水素製造装置から前記発電装置に前記オフガスを供給するオフガス導入流路と、を備える水素製造システムであって、前記発電装置で前記オフガスを使用することによって前記オフガスに含有される一酸化炭素を酸化して外気中に排出する。
【0008】
この水素製造システムでは、改質器で炭化水素から改質された改質ガスが水素精製器で製品水素と不純物であるオフガスとに分離される。水素精製器から排出されたオフガスは、オフガス導入流路を介して発電装置に供給される。発電装置において、オフガスが使用されることにより、オフガスに含有される一酸化炭素が酸化される。すなわち、水素精製器のオフガスは、発電装置で一酸化炭素が除去又は削減された後、外気中に排出される。
【0009】
したがって、この水素製造システムでは、水素製造装置に新たな構成要素を付け加えることなく、発電装置にオフガスを供給するだけで、オフガス中の一酸化炭素を除去又は削減して外気中に排出できる。すなわち、水素製造システム全体が簡単な構成でオフガスを処理することができる。
【0010】
請求項2記載の水素製造システムは、請求項1記載の水素製造システムにおいて、前記発電装置は、燃料ガスが供給される燃料極と、酸化ガスが供給される空気極と、前記燃料極と前記空気極とを隔てる電解質とを有し、一酸化炭素を利用して発電する燃料電池であり、前記オフガス導入流路から前記燃料電池の燃料極に前記オフガスが供給されると共に、前記燃料極の排ガスが外気中に排出される。
【0011】
この水素製造システムでは、水素精製器で生成されたオフガスが、オフガス導入流路を介して一酸化炭素を利用して発電する燃料電池の燃料極に供給される。例えば、酸化物イオン伝導性の固体酸化物形燃料電池では、空気極に供給される酸素が酸素イオンとなり、電解質を透過して燃料極に到達する。この結果、燃料極側に供給されたオフガス中に含有される一酸化炭素がこの酸素イオンと反応して二酸化炭素に変換される。このように、水素精製器のオフガスが酸化物イオン伝導性の固体酸化物形燃料電池において一酸化炭素を除去又は削減された後、排ガスとして外気中に排出される。
【0012】
なお、酸化物イオン伝導性の固体酸化物形燃料電池を例示して説明したが、プロトン伝導性の固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池等のように、一酸化炭素を利用して発電する燃料電池であれば良い。
【0013】
したがって、この水素製造システムでは、水素製造装置に新たな構成要素を付け加えることなく、発電装置を構成する燃料電池の燃料極にオフガスを供給するだけで、オフガス中の一酸化炭素を除去又は削減して外気中に排出できる。すなわち、水素製造システム全体が簡単な構成でオフガスを処理することができる。
【0014】
また、燃料電池の燃料極に燃料としてオフガスを供給しているので、燃料電池(燃料極)に供給する燃料ガスを削減することができ、水素製造システム全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0015】
請求項1記載の水素製造システムは、前記発電装置は、燃焼用燃料ガス供給管から燃焼用燃料ガスが供給されると共に前記オフガス導入流路が連通された燃焼室を有する、前記改質器と異なる発電用改質器を備え、前記オフガスが燃料として前記燃焼室に供給されると共に、前記燃焼室の燃焼排ガスが外気中に排出される。
【0016】
この水素製造システムでは、水素精製器で生成されたオフガスが、オフガス導入流路を介して発電装置の燃焼室に供給される。この燃焼室では、オフガスに含有される一酸化炭素が燃焼により酸化されて二酸化炭素に変換される。このように、オフガスは、燃焼室で燃料として使用されることにより、一酸化炭素が除去又は削減された後、燃焼排ガスとして外気中に排出される。
【0017】
したがって、この水素製造システムでは。水素製造装置に新たな構成要素を付け加えることなく、発電装置を構成する燃焼室にオフガスを供給するだけで、オフガス中の一酸化炭素を除去又は削減して外気中に排出できる。すなわち、水素製造システム全体が簡単な構成でオフガスを処理することができる。
【0018】
また、発電装置の燃焼室で燃料としてオフガスを使用しているので、燃焼室に供給する燃料ガスを削減することができ、水素製造システム全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0019】
請求項3記載の水素製造システムは、請求項1または2に記載の水素製造システムにおいて、前記発電装置で発電された電力を前記水素製造装置に供給する。
【0020】
この水素製造システムでは、水素製造装置から供給されたオフガスが使用されることによって発電された電力の少なくとも一部が水素製造装置に供給されることにより、水素製造装置のエネルギー効率が向上する。
【発明の効果】
【0021】
請求項1、2記載の発明に係る水素製造システムは、上記構成としたので、簡単な構成で、オフガス中の一酸化炭素濃度を低減して外気中に排出することができる。
【0022】
請求項3記載の発明に係る水素製造システムは、水素製造装置のエネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係る水素製造システムを示した概略構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る多重筒型改質器を示した断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る水素製造システムを示した概略構成図である。
図4】他の例1に係る多重筒型改質器を示した断面図である。
図5】他の例2に係る多重筒型改質器を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る水素製造システムの一例を図1及び図2を参照して説明する。
【0025】
本実施形態に係る水素製造システム100は、図1に示すように、水素製造装置10と発電装置102とを備えている。
【0026】
〈水素製造装置〉
水素製造装置10は、図1に示すように、炭化水素(都市ガス)から水蒸気改質した改質ガスを生成する多重筒型改質器(以下、「改質器」という場合がある)12と、改質ガスを圧縮する圧縮機80と、圧縮された改質ガスから不純物を除去して水素ガスを精製する水素精製器90と、を備えている。また、水素製造装置10は、圧縮機80の上流側、下流側でそれぞれ改質ガスから水分を分離・除去する昇圧前水分離部50、昇圧後水分離部60と、改質器12の後述する燃焼排ガスから水分を分離・除去する燃焼排ガス水分離部70と、を備えている。
【0027】
なお、この水素製造装置10は、炭化水素原料から水素を製造するものであり、本実施形態では、炭化水素原料の一例としてメタンを主成分とする都市ガスが用いられる場合について説明する。
【0028】
(多重筒型改質器)
多重筒型改質器12は、図2に示すように、多重に配置された複数の筒状壁21、22、23、24(以下、「筒状壁21~24」という場合がある)を有している。複数の筒状壁21~24は、例えば円筒状や楕円筒状に形成される。複数の筒状壁21~24のうち内側から一番目の筒状壁21の内部には、燃焼室25が形成されており、この燃焼室25の上部には、バーナー26が下向きに配置されている。この多重筒型改質器12は、改質器の一例である。
【0029】
さらに、この燃焼室25の上端部には、空気供給部18(図1参照)から燃焼用空気を供給するための空気供給管40が接続されている。バーナー26には、さらに都市ガスを供給するための原料供給管33から分岐された原料分岐管33Aが接続されている。原料分岐管33Aには、空気供給管40から分岐された空気分岐管40Aが接続されている。したがって、バーナー26には、都市ガスに空気が混合された気体が、供給される構成である。
【0030】
一番目の筒状壁21と二番目の筒状壁22との間には、燃焼排ガス流路27が形成されている。燃焼排ガス流路27の下端部は、燃焼室25と連通されており、燃焼排ガス流路27の上端部には、ガスを排出するためのガス排出管28が接続されている。燃焼室25から排出された燃焼排ガスは、燃焼排ガス流路27を下側から上側に流れ、ガス排出管28を通じて燃焼排ガス水分離部70へ送出される構成である。
【0031】
また、二番目の筒状壁22と三番目の筒状壁23との間には、第1流路31が形成されている。この第1流路31の上部は、予熱流路32として形成されており、この予熱流路32の上端部には、都市ガスを供給するための原料供給管33と、改質用水を供給するための改質用水供給管34とが接続されている。さらに、二番目の筒状壁22と三番目の筒状壁23との間には、螺旋部材35が設けられており、この螺旋部材35により、予熱流路32は、螺旋状に形成されている。
【0032】
予熱流路32には、都市ガスが原料供給管33から供給可能とされ、さらに、改質用水が改質用水供給管34から供給可能とされている。都市ガス及び改質用水は、予熱流路32を上側から下側に流れ、二番目の筒状壁22を介して燃焼排ガスと熱交換され水が気化される構成である。この予熱流路32では、都市ガス及び気相の改質用水(水蒸気)が混合されることにより、混合ガスが生成される構成である。
【0033】
また、第1流路31における予熱流路32の下側には、改質触媒層36が設けられており、予熱流路32にて生成された混合ガスは、改質触媒層36へ供給される構成である。改質触媒層36では、燃焼排ガス流路27を流れる燃焼排ガスからの熱を受け、混合ガスが水蒸気改質反応することによって、水素を主成分とする改質ガスが生成される構成である。
【0034】
さらに、三番目の筒状壁23と四番目の筒状壁24との間には、第2流路42が形成されている。第2流路42の下端部は、第1流路31の下端部と連通されている。第2流路42の下部は、改質ガス流路43として形成されており、第2流路42の上端部には、改質ガス排出管44が接続されている。
【0035】
また、第2流路42における改質ガス流路43よりも上側には、CO変成触媒層45が設けられており、改質触媒層36にて生成された改質ガスは、改質ガス流路43を通過した後、CO変成触媒層45へ供給される構成である。CO変成触媒層45では、改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気が反応して、水素と二酸化炭素に変換され、一酸化炭素が低減可能とされている。
【0036】
さらに、CO変成触媒層45の上側には、酸化剤ガス供給管46が接続されており、第2流路42におけるCO変成触媒層45よりも上側には、CO選択酸化触媒層47が設けられている。酸化剤ガス供給管46を通じて取り入れられた酸化剤ガス、及び、CO変成触媒層45を通過した改質ガスは、CO選択酸化触媒層47へ供給される構成である。CO選択酸化触媒層47では、例えば白金やルテニウム等の貴金属触媒上で一酸化炭素が酸素と反応して二酸化炭素に変換され、一酸化炭素が除去可能とされている。CO変成触媒層45及びCO選択酸化触媒層47で一酸化炭素が低減された改質ガスG1は、改質ガス排出管44を通じて排出される構成である。
【0037】
多重筒型改質器12において生成された改質ガスは、図1に示すように、昇圧前水分離部50、圧縮機80、昇圧後水分離部60、及び水素精製器90をこの順番で流れる。つまり、ガスの流れ方向において、上流側から下流側に、多重筒型改質器12、昇圧前水分離部50、圧縮機80、昇圧後水分離部60、及び水素精製器90がこの順番で配置されている。
【0038】
(昇圧前水分離部)
昇圧前水分離部50には、多重筒型改質器12から改質ガスG1を流入させる改質ガス排出管44の下流端が接続されている。昇圧前水分離部50の底部には水回収管59が接続され、昇圧前水分離部50の上部には連絡流路管56が接続されている。改質ガスG1は、昇圧前水分離部50の上流の改質ガス排出管44に配置された熱交換器HE1において、冷却水との熱交換による冷却により水が凝縮されて分離され、昇圧前水分離部50の下部に水(液相)が貯留可能とされている。当該水(液相)は、水回収管59へ送出される構成である。水が凝縮された後の改質ガスG2は、連絡流路管56へ送出される構成である。
【0039】
(圧縮機)
圧縮機80には、昇圧前水分離部50からの改質ガスG2が流れる連絡流路管56と、昇圧後水分離部60へ供給される改質ガスG2が流れる連絡流路管66とが接続されている。圧縮機80は、昇圧前水分離部50から供給された改質ガスG2を圧縮し、昇圧後水分離部60へ供給可能とされている。
【0040】
(昇圧後水分離部)
昇圧後水分離部60には、圧縮機80から改質ガスG2を流入させる連絡流路管66の下流端が接続されている。昇圧後水分離部60の底部には水回収管69が接続され、昇圧後水分離部60の上部には連絡流路管68が接続されている。改質ガスG2は、昇圧後水分離部60の上流の連絡流路管66に配置された熱交換器HE2において、冷却水との熱交換による冷却により水が凝縮されて分離され、昇圧後水分離部60の下部に水(液相)が貯留可能されている。当該水(液相)は、水回収管69へ送出される構成である。水が凝縮された後の改質ガスG3は、連絡流路管68へ送出される構成である。
【0041】
(水素精製器)
水素精製器90には、昇圧後水分離部60からの改質ガスG3が流れる連絡流路管68の下流端と、水素精製器90のオフガスが流れるオフガス供給管104の上流端とが接続されている。
【0042】
水素精製器90は、一例として、PSA装置が使用されている。この水素精製器90では、一対の吸着槽を備え、一方の吸着槽で吸着剤に不純物を吸着させる吸着工程を行い、他方の吸着槽で吸着剤に吸着した不純物を脱着させる脱着工程を行い、次に一方の吸着槽で脱着工程、他方の吸着槽で吸着工程を行う。これを周期的に繰り返すことで、改質ガスG3を水素と一酸化炭素を含む不純物(オフガスOG)とに連続的に分離して、水素が精製される構成である。精製された水素は、水素供給管92へ送出され、不図示のタンクへ貯留されたり、水素供給ラインへ送出可能とされている。
【0043】
水素精製器90のオフガスは、オフガス供給管104を介して発電装置102の後述する燃料ガス供給管116へ供給可能とされている。なお、オフガス供給管104がオフガス導入路に相当する。
【0044】
(燃焼排ガス水分離部)
燃焼排ガス水分離部70には、改質器12の燃焼排ガス流路27から燃焼排ガスを導くガス排出管28の下流端が接続されている。燃焼排ガス水分離部70の底部には水回収管78が接続され、燃焼排ガス水分離部70の上部にはガス排出管76が接続されている。燃焼室25から排出される燃焼排ガスは、燃焼排ガス水分離部70の上流のガス排出管28に配置された熱交換器HE3において、冷却水との熱交換による冷却により水が凝縮されて分離され、燃焼排ガス水分離部70の下部に水(液相)が貯留可能とされている。当該水(液相)は、水回収管78へ送出される構成である。水が凝縮された後の燃焼排ガスは、ガス排出管76から外部へ排出される構成である。
【0045】
水回収管59、69、78の各々の下流端は、改質用水供給管34に接続されている。改質用水供給管34には、溶存イオン成分を除去するための水処理器(イオン交換樹脂)34Aが設けられている。また、改質用水供給管34には、外部水供給部17が接続されている。外部水供給部17から改質用水供給管34に、例えば純水または市水が供給される構成である。
【0046】
さらに、改質用水供給管34には、ポンプP1が設けられている。昇圧前水分離部50、昇圧後水分離部60、燃焼排ガス水分離部70で分離された水、又は外部水供給部17から供給された水は、ポンプP1によって多重筒型改質器12へ供給される構成である。
【0047】
〈発電装置〉
発電装置102は、酸化物イオン伝導性の固体酸化物形燃料電池(以下、「燃料電池」という場合がある)106を備えている。燃料電池106のセルには、空気極108と、燃料極110と、空気極108と燃料極110とを隔てる電解質膜112と、を有する。図1には、燃料電池106の1つのセルを構成する空気極108、燃料極110と、電解質膜112だけを模式的に記載したが、セルには図示しないセパレータも含んでいる。また、燃料電池106は、複数のセルが積層されることによりスタック(燃料電池スタック)が構成されているものである。以下、図1に基づいて説明するが、「空気極108、燃料極110と接続」とは、複数のセルの各空気極108、各燃料極110と接続されていることを意味する。なお、電解質膜112が電解質に相当する。
【0048】
空気極108に対しては、酸化ガス(空気)を供給する酸化ガス供給管114が接続されている。すなわち、空気極108に酸化ガスが供給される構成である。
【0049】
燃料極110に対しては、水素と一酸化炭素を含む燃料ガス(例えば、炭化水素から水蒸気改質によって得られた水素と一酸化炭素を含む燃料ガス)を供給する燃料ガス供給管116が接続されている。この燃料ガス供給管116の途中には、オフガス供給管104の下流端が接続されており、燃料ガスに一酸化炭素を含有するオフガスが混合されて燃料極に供給される構成である。
【0050】
一方、空気極108、燃料極110には、外部に連通する排気管118が接続されており、排気管118を介して空気極108、燃料極110で生じた排ガスを外気中に排出する構成である。空気極108、燃料極110の排気管118は、模式的に1本にまとめて記載しているが、別々の排気管で構成しても良い。
【0051】
なお、発電装置102から水素製造装置10の配電盤98まで電力供給配線120が配設されており、発電装置102から水素製造装置10に電力が供給可能とされている。この水素製造装置10に供給された電力によって、水素製造装置10(圧縮機80や水素精製器90、ポンプP1等)が駆動される構成である。
【0052】
(作用)
次に、水素製造システム100の作用について説明する。
【0053】
都市ガスが、原料供給管33から多重筒型改質器12に供給される。図2に示すように、多重筒型改質器12へ供給された都市ガスは、多重筒型改質器12の予熱流路32で改質用の水と混合されつつ加熱され、改質触媒層36へ供給される。改質触媒層36では、燃焼排ガス流路27を流れる燃焼排ガスからの熱を受けて混合ガスが水蒸気改質反応によって、水素を主成分とする改質ガスが生成される。この改質ガスは、改質ガス流路43を通ってCO変成触媒層45へ供給される。CO変成触媒層45では、改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気が反応して、水素と二酸化炭素に変換され、一酸化炭素が低減される。
【0054】
さらに、CO変成触媒層45を通過した改質ガスは、酸化剤ガス供給管46から供給される酸化ガス(空気)と共にCO選択酸化触媒層47へ供給され、貴金属触媒上で一酸化炭素が酸素と反応して二酸化炭素に変換され、一酸化炭素が除去される。CO選択酸化触媒層47で一酸化炭素が低減された改質ガスG1は、改質ガス排出管44へ送出される。
【0055】
この際、多重筒型改質器12の燃焼室25では、原料分岐管33Aと空気分岐管40Aから供給された都市ガスと空気とが混合された気体がバーナー26によって燃焼される。燃焼排ガスは、燃焼室25から燃焼排ガス流路27、ガス排出管28を介して燃焼排ガス水分離部70へ供給される。図1に示すように、燃焼排ガスに含まれる水は、熱交換器HE3での熱交換により冷却されて凝縮され、燃焼排ガス水分離部70に貯留され、水回収管78へ送出される。水が分離された燃焼排ガスは、ガス排出管76から外気中へ排出される。
【0056】
一方、図1に示すように、改質ガスG1は、改質ガス排出管44を経て、昇圧前水分離部50へ供給される。昇圧前水分離部50では、熱交換器HE1での熱交換による冷却により凝縮された水が貯留され、水回収管59へ送出される。水が分離された改質ガスG2は、連絡流路管56から圧縮機80へ供給され、圧縮機80によって圧縮される。
【0057】
圧縮された改質ガスG2は、連絡流路管66から昇圧後水分離部60へ供給される。昇圧後水分離部60では、熱交換器HE2での熱交換による冷却により凝縮された水が貯留され、水回収管69へ送出される。水が分離された改質ガスG3は、連絡流路管68から水素精製器90へ供給される。
【0058】
なお、昇圧前水分離部50、昇圧後水分離部60、燃焼排ガス水分離部70からそれぞれ水回収管59、69、78に送出された水は、改質用水供給管34に戻される。改質用水供給管34からは、ポンプP1の駆動により改質水として多重筒型改質器12へ供給される。
【0059】
水素精製器90では、圧力スイング方式が採用されており、一対の吸着槽の一方では吸着剤に水素以外の不純物が吸着され、他方の吸着槽では吸着剤に吸着された不純物が脱着されている。水素精製器90では、この吸着工程と脱着工程をそれぞれの吸着槽で一定の周期で繰り返すことにより、改質ガスG3から連続的に水素と不純物が分離されて水素が精製される。
【0060】
水素精製器90で精製された製品としての水素は水素供給管92へ送出され、不図示のタンクへ貯留されたり、水素供給ラインへ送られたりする。
【0061】
一方、水素精製器90から排出されたオフガスOGは、オフガス供給管104を介して発電装置102の燃料ガス供給管116に供給される。なお、このオフガスOGには、改質器12で除去しきれなかった一酸化炭素と水素精製器90で分離しきれなかった水素が含有されている。
【0062】
発電装置102では、固体酸化物形燃料電池106において、酸化ガス供給管114から空気極108に酸化ガス(空気)が供給されると共に、燃料ガス供給管116から燃料極110にオフガスが混入された燃料ガスが供給される。
【0063】
固体酸化物形燃料電池106では、空気極108に供給される酸素が酸素イオンとなり、電解質膜112を透過して燃料極110に到達する。この結果、燃料極110に供給された燃料ガス中に含まれる水素、一酸化炭素と酸素イオンが反応して水と二酸化炭素が生成されることにより、発電が行われる。
【0064】
また、燃料ガスに混入されたオフガスOG中の水素と一酸化炭素も燃料極110で酸素イオンと反応し、それぞれ水と二酸化炭素に変換されることにより、発電が行われる。
【0065】
なお、燃料極110で生成された水と二酸化炭素は、排気管118から外気中に排出される。
【0066】
この発電装置102(固体酸化物形燃料電池106)で発電された電力の少なくとも一部は、電力供給配線120を介して水素製造装置10の配電盤98に供給され、水素製造装置10の圧縮機80、水素精製器90、ポンプP1等に供給され、それぞれの駆動に用いられる。すなわち、水素製造装置10の駆動は、発電装置102の電力によって全て賄われている。
【0067】
但し、発電装置102から供給される電力は、水素製造装置10の駆動の一部を賄う構成でも良い。
【0068】
このように、水素製造システム100では、水素精製器90からオフガス供給管104を介して固体酸化物形燃料電池106の燃料ガス供給管116にオフガスOGが供給されている。したがって、オフガスOGが燃料ガスに混合され、固体酸化物形燃料電池106の燃料極110に燃料の一部として供給される。この結果、オフガスOGに含有される水素と一酸化炭素が、固体酸化物形燃料電池106の燃料極110で空気極108から移動してきた酸化イオンと反応して水と二酸化炭素に変換される。
【0069】
すなわち、水素精製器90のオフガスOGが固体酸化物形燃料電池106において一酸化炭素が除去又は削減された後、発電装置102から排ガスとして外気中に排出される。
【0070】
したがって、この水素製造システム100では水素製造装置10に新たな構成要素を付け加えることなく、発電装置102を構成する固体酸化物形燃料電池106の燃料極110にオフガスOGを供給するだけで、オフガスOG中の一酸化炭素を除去又は削減して外気中に排出できる。すなわち、水素精製器90のオフガスOGの一酸化炭素濃度を低減して排ガスとして外気中に排出することができる。
【0071】
また、水素製造装置10において水素精製器90のオフガスOGを燃料として改質器12(バーナー26)に戻す場合には、バーナー26の燃焼を所定状態に維持するために、圧力(流量)や組成が周期的に変動するオフガスOGに対応した流量制御が複雑になる。すなわち、この流量制御のために流量調整弁やその制御装置が別途必要となる。
【0072】
これに対して水素製造システム100では、燃料極110に供給される燃料ガスにオフガスを混合させているだけなので、流量制御が不要となり、構成が簡単になる。
【0073】
すなわち、水素製造システム100は、簡単な構造で水素精製器90のオフガスの一酸化炭素濃度を低減して外気中に排出することができる。
【0074】
さらに、このように水素精製器90のオフガスを燃料電池106(燃料極110)に供給される燃料ガスの一部として使用することで、燃料極110に供給される燃料ガスを削減することができ、水素製造システム100全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0075】
また、水素製造装置10から供給されたオフガスによって発電された発電装置102の電力の少なくとも一部を水素製造装置10に供給することにより、水素製造装置10のエネルギー効率を向上させることができる。
【0076】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る水素製造システム200について、図3を参照して説明する。第1実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と異なるのはオフガス供給管と発電装置のみなので、当該部分に関する構成、作用のみを説明し、第1実施形態と同様の作用効果については詳細な説明を省略する。
【0077】
(構成)
図3に示すように、水素製造システム200は、水素製造装置10と発電装置202とを備えている。
【0078】
発電装置202は、固体酸化物形燃料電池106と改質器204とを有する。改質器204には、炭化水素からなる都市ガスを供給可能な原料供給管206と改質用水供給管208とが接続されている。また、改質器204には、炭化水素と水から水蒸気改質によって生成された改質ガスを燃料極110に供給する改質ガス供給管210が接続されている。
【0079】
さらに、改質器204には、炭化水素と水を加熱して水蒸気改質を促進するための燃焼室212が形成されている。燃焼室212には、燃焼用燃料ガスを供給する燃焼用燃料ガス供給管213が接続されている。燃焼用燃料ガス供給管213の途中には、オフガス供給管214が接続されている。すなわち、オフガスOGがオフガス供給管214、燃焼用燃料ガス供給管213を介して燃焼室212に供給される構成である。なお、オフガス供給管214がオフガス導入流路に相当する。
【0080】
また、燃焼室212には、外気中に連通する排気管216が接続されており、燃焼室212の燃焼排ガスが外気中に排出される構成である。
【0081】
(作用)
このように、水素製造システム200では、水素精製器90のオフガスOGがオフガス供給管214を介して燃焼用燃料ガス供給管213に供給される。燃焼用燃料ガス供給管213では燃焼用燃料ガスにオフガスOGが混合され、改質器204の燃焼室212に供給される。
【0082】
オフガスOGを含む燃焼用燃料ガスが燃焼室212で燃焼されることにより、オフガスOGに含有される一酸化炭素が二酸化炭素に変換され、排気管216を介して燃焼排ガスとして外気中に排出される。
【0083】
すなわち、水素精製器90のオフガスOGが燃焼室212で燃焼されることにより、一酸化炭素が除去又は削減された後、燃焼排ガスとして排気管216を介して外気中に排出される。
【0084】
一方、改質器204では、原料供給管206と改質用水供給管208から都市ガス(炭化水素)と水が供給され、燃焼室212の燃焼排ガスと熱交換されることにより加熱され、水蒸気改質される。すなわち、水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスが生成される。この改質ガスが改質ガス供給管210を介して固体酸化物形燃料電池106の燃料極110に供給されることにより、燃料電池106では発電が行われる。
【0085】
このように、水素製造システム200では水素製造装置10に新たな構成要素を付け加えることなく、発電装置202を構成する燃焼室212にオフガスOGを供給するだけで、オフガスOG中の一酸化炭素を除去又は削減して外気中に排出できる。すなわち、水素精製器90のオフガスOGの一酸化炭素濃度を低減して排ガスとして外気中に排出することができる。
【0086】
すなわち、水素製造システム100は、簡単な構造で水素精製器90のオフガスの一酸化炭素濃度を低減して外気中に排出することができる。
【0087】
さらに、このように水素精製器90のオフガスを発電装置202の燃焼室212の燃焼用燃料ガスの少なくとも一部(全部でも良い)として使用することで、燃焼室212に供給する燃焼用燃料ガスの量(燃料使用率)を抑制することができる。すなわち、水素製造システム100全体のエネルギー効率が向上する。
【0088】
また、水素製造装置10から供給されたオフガスOGを燃焼室212で燃焼させることにより改質器204で改質ガスを生成させ、燃料電池106で発電した発電装置202から電力の少なくとも一部を水素製造装置10に供給することにより、水素製造装置10のエネルギー効率を向上させることができる。
【0089】
[他の例]
(他の例1)
なお、水素製造システム100、200において、改質器12は改質ガスから一酸化炭素を除去するために、CO変成触媒層45、CO選択酸化触媒層47を備える構成としたが、図4に示すように、改質器12からCO選択酸化触媒層47を除きCO変成触媒層45のみとした改質器12Aとすることもできる。
【0090】
このように構成した場合には、改質ガスG1に含有される一酸化炭素濃度が増加するため、水素精製器90のオフガスOGの一酸化濃度も増加する。この結果、水素製造システム100であれば、固体酸化物形燃料電池106の燃料極110に供給されるオフガス中の一酸化炭素濃度が向上するため、燃料ガスの供給量をその分削減することができる。一方、水素製造システム200であれば燃焼室212に供給する燃焼用燃料ガスを削減することができる。
【0091】
したがって、水素製造システム100、200のいずれでも改質器12Aの構造を簡略化しつつ、水素製造システム全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0092】
(他の例2)
また、図5に示すように、水素製造システム100、200において、改質ガスから一酸化炭素を除去するために、改質器12からCO選択酸化触媒層47を除きCO変成触媒層45のみとすると共に、CO変成触媒層45を拡大した改質器12Bとすることにより、CO変成触媒層45の一酸化炭素処理(除去)能力を改質器12Aよりも増大させることもできる。
【0093】
このように構成した場合には、改質ガスG1に含有される水素量が増加するため、水素精製器90で分離される水素量が増大する。すなわち、改質ガスG1から抽出される製品水素量を増加させることができる。
【0094】
(他の例3)
さらに、水素精製器90のオフガスOG中の一酸化炭素が発電装置102、202で使用されることを考慮すると、改質器12からCO変成触媒層45、CO選択酸化触媒層47を除去することも考えられる。
【0095】
この改質器を水素製造システム100に適用すれば、固体酸化物形燃料電池106の燃料極110に供給されるオフガスOGの一酸化炭素濃度が「他の例1」よりも増加するため、燃料極110に供給する燃料ガスの供給量を一層削減することができる。
【0096】
一方、この改質器を水素製造システム200に適用すれば、燃焼室212に供給する燃焼用燃料ガスを一層削減することができる。
【0097】
さらに、水素製造システム100、200の改質器12からCO変成触媒層45、CO選択酸化触媒層47を除去しているため、改質器12の構成が一層簡略化される。
【0098】
[その他]
第1、第2実施形態に係る水素製造システム100、200では、それぞれ改質器12、12A、12Bを多重筒型改質器としたが、これに限定されるものではない。炭化水素から水素を主成分とする改質ガスに改質可能なものであれば良い。
【0099】
また、第1、第2実施形態に係る水素製造システム100、200では、水素精製器90がPSA装置である場合について説明したが、改質ガスG3から水素を精製できるものであれば、これに限定するものではない。
【0100】
さらに、発電装置102、202から排ガス又は燃焼排ガスを外気中に排出するために排気管118、216が設けられていたが、これが発電装置102、202の内部に設けられていても良い。すなわち、発電装置102、202から直接外部に排出しても良い。
【0101】
また、第2実施形態の水素製造システム200では、発電装置202に固体酸化物形燃料電池106を使用したが、これに限定されるものではない。燃料電池106の燃料極110に水素を主成分とする改質ガス(燃料ガス)を供給可能なものであれば良い。
【0102】
さらに、水素製造システム200では、発電装置202の燃焼室212を改質器204内に形成された水蒸気改質用のものとしたが、これに限定するものではない。発電装置202の発電に関連してオフガスを燃焼可能なものであれば良い。
【0103】
また、第1実施形態、第2実施形態では、燃料電池106は多数のセルが積層された燃料電池スタックと説明したが、これに限定するものではない。
【0104】
さらに、第1実施形態、第2実施形態の発電装置102、202が、燃料電池106の排ガスを発電装置内で利用する、例えば、燃焼室212の燃料として利用するリサイクル式であることが好ましい。
【0105】
さらに、第1実施形態、第2実施形態の水素製造システム100、200では、発電装置102、202を酸化物イオン伝導性の固体酸化物形燃料電池106
としたが、プロトン伝導性の固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池等のように一酸化炭素を利用して発電する燃料電池であれば良い。また、発電装置は、燃料電池に限定されず、燃料ガスが供給されることによって発電するものであれば良い。例えば、発電装置がガスタービン装置やガスエンジン装置等であっても良い。
【符号の説明】
【0106】
10 水素製造装置
12、12A、12B 多重筒型改質器(改質器)
90 水素精製器
100、200 水素製造システム
102、202 発電装置
104、214 オフガス供給管(オフガス導入流路)
106 固体酸化物形燃料電池(燃料電池)
108 空気極
110 燃料極
112 電解質膜(電解質)
212 燃焼室
図1
図2
図3
図4
図5