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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】制御システム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20221220BHJP
【FI】
H04N21/436
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019023507
(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公開番号】P2020136719
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 喬
(72)【発明者】
【氏名】中川 幸一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 貴
(72)【発明者】
【氏名】関本 竜平
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074505(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021600(WO,A1)
【文献】特開2019-016881(JP,A)
【文献】国際公開第2018/097542(WO,A1)
【文献】特開2008-079128(JP,A)
【文献】特開2002-354351(JP,A)
【文献】国際公開第2010/146806(WO,A1)
【文献】特開平04-207432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置と、
操作者の操作に応じた制御内容と前記複数の制御装置の機能とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、
前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを備え、
前記複数の制御装置のうち第1制御装置は、前記第1制御装置と前記テレビジョン受信機とを接続する通信線を介して前記制御信号を送信し、
前記複数の制御装置のうち第2制御装置は、無線媒体を利用して前記制御信号を送信し、
前記第2制御装置が前記制御主体として決定された場合、前記指示部の指示に応じて前記第2制御装置が前記制御信号を送信すると、前記テレビジョン受信機の音の変化から前記制御信号が前記テレビジョン受信機に到達したか否かを判定する到達判定部をさらに備え、
前記指示部は、前記制御信号が前記テレビジョン受信機に到達していないと判定されると、前記制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを前記第1制御装置に指示す
御システム。
【請求項2】
それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置と、
操作者の操作に応じた制御内容と前記複数の制御装置の機能とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、
前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを備え、
前記指示部は、所定の制御内容に応じた他の制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを前記複数の制御装置のうち第2制御装置に指示し、
前記指示部の指示に応じて前記第2制御装置が前記他の制御信号を送信すると、前記複数の制御装置のうち第1制御装置を介して取得された前記テレビジョン受信機の状態を示す状態情報に基づいて、前記第1制御装置と前記第2制御装置の制御対象が同一のテレビジョン受信機であるか否かを判定する対象判定部をさらに備え、
前記決定部は、前記制御対象が同一のテレビジョン受信機であると判定されると、前記第1制御装置と前記第2制御装置との中から前記制御主体を決定す
御システム。
【請求項3】
それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置と、
理装置とを備え、
前記管理装置は、
操作者の操作に応じた制御内容と前記複数の制御装置の機能とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、
前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを有し、
前記指示部は、前記制御内容を示す情報と前記制御主体として決定された前記制御装置の識別子とを前記複数の制御装置に含まれる第1制御装置に送信し、
前記第1制御装置は、
前記管理装置から前記情報及び前記識別子を受信する第1受信部と、
前記識別子に基づいて当該第1制御装置が前記制御主体であるか否かを判定する主体判定部と、
当該第1制御装置が前記制御主体であると判定されると、前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信する第1送信部と、
当該第1制御装置が前記制御主体ではないと判定されると、前記識別子が識別する第2制御装置に前記情報を転送する転送部とを有し、
前記第2制御装置は、
前記第1制御装置から前記情報を受信する第2受信部と、
前記制御装置から前記情報を受信すると、前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信する第2送信部とを有す
御システム。
【請求項4】
前記決定部は、前記制御内容が前記テレビジョン受信機に映像を表示させることを示す場合には、前記テレビジョン受信機に接続された複数のチューナが対応する複数の解像度に応じて、前記制御主体を決定し、
前記複数のチューナのうち前記制御主体に対応するチューナは、当該チューナが対応する解像度の映像に応じた放送波を受信し、
前記テレビジョン受信機は、前記放送波に応じた前記解像度の前記映像を表示する
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記複数の制御装置は、前記第1制御装置と前記第2制御装置とを含み、
前記第1制御装置は、第1解像度に対応する第1チューナを有し、
前記テレビジョン受信機は、第2解像度に対応する第2チューナと表示部とを有し、
前記決定部は、前記第1解像度が前記第2解像度以上の場合には、前記制御主体を前記第1制御装置に決定し、
前記第1チューナは、前記制御主体として前記第1制御装置が決定されると、前記第1解像度の映像に応じた第1放送波を受信し、
前記表示部は、前記第1チューナが前記第1放送波を受信すると、前記第1放送波に応じた前記第1解像度の前記映像を表示する
請求項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記決定部は、前記第2解像度が前記第1解像度より高い場合には、前記制御主体を前記第2制御装置に決定し、
前記第2チューナは、前記制御主体として前記第2制御装置が決定されると、前記第2解像度の映像に応じた第2放送波を受信し、
前記表示部は、前記第2チューナが前記第2放送波を受信すると、前記第2放送波に応じた前記第2解像度の前記映像を表示する
請求項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記複数の制御装置のうち前記第1制御装置は、前記第1制御装置と前記テレビジョン受信機とを接続する通信線を介して前記制御信号を送信し、
前記複数の制御装置のうち前記第2制御装置は、無線媒体を利用して前記制御信号を送信する
請求項からのいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置の機能と操作者の操作に応じた制御内容とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、
前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを備え
前記複数の制御装置のうち第1制御装置は、前記第1制御装置と前記テレビジョン受信機とを接続する通信線を介して前記制御信号を送信し、
前記複数の制御装置のうち第2制御装置は、無線媒体を利用して前記制御信号を送信し、
前記第2制御装置が前記制御主体として決定された場合、前記指示部の指示に応じて前記第2制御装置が前記制御信号を送信すると、前記テレビジョン受信機の音の変化から前記制御信号が前記テレビジョン受信機に到達したか否かを判定する到達判定部をさらに備え、
前記指示部は、前記制御信号が前記テレビジョン受信機に到達していないと判定されると、前記制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを前記第1制御装置に指示する
理装置。
【請求項9】
それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置の機能と操作者の操作に応じた制御内容とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、
前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを備え、
前記指示部は、所定の制御内容に応じた他の制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを前記複数の制御装置のうち第2制御装置に指示し、
前記指示部の指示に応じて前記第2制御装置が前記他の制御信号を送信すると、前記複数の制御装置のうち第1制御装置を介して取得された前記テレビジョン受信機の状態を示す状態情報に基づいて、前記第1制御装置と前記第2制御装置の制御対象が同一のテレビジョン受信機であるか否かを判定する対象判定部をさらに備え、
前記決定部は、前記制御対象が同一のテレビジョン受信機であると判定されると、前記第1制御装置と前記第2制御装置との中から前記制御主体を決定する
管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
操作者の操作に応じて家電を制御する技術が知られている。例えば特許文献1には、ネットワークを介して各種機器を統合して制御する統合コントローラが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-111157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、同一の家電に対して単一の制御主体が制御を行っているが、同一の家電に対して制御を行う制御主体が複数存在する場合がある。例えばテレビジョン受信機に対して制御を行う制御主体には、テレビジョン受信機に有線で接続された制御装置と無線で接続された他の制御装置とが両方とも存在する場合がある。このような場合、これらの制御主体のうち操作者の操作に適さない制御主体が家電に対する制御を行うと、操作者の操作に応じて家電の動作が最適に行われない場合がある。
本発明は、複数の制御装置のうち操作者の操作に適した制御装置がテレビジョン受信機を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置と、操作者の操作に応じた制御内容と前記複数の制御装置の機能とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを備える制御システムを提供する。
【0006】
前記決定部は、前記制御内容が前記テレビジョン受信機に映像を表示させることを示す場合には、前記テレビジョン受信機に接続された複数のチューナが対応する複数の解像度に応じて、前記制御主体を決定し、前記複数のチューナのうち前記制御主体に対応するチューナは、当該チューナが対応する解像度の映像に応じた放送波を受信し、前記テレビジョン受信機は、前記放送波に応じた前記解像度の前記映像を表示してもよい。
【0007】
前記複数の制御装置は、第1制御装置と第2制御装置とを含み、前記第1制御装置は、第1解像度に対応する第1チューナを有し、前記テレビジョン受信機は、前記第1解像度とは異なる第2解像度に対応する第2チューナと表示部とを有し、前記決定部は、前記第1解像度が前記第2解像度より高い場合には、前記制御主体を前記第1制御装置に決定し、前記第1チューナは、前記制御主体として前記第1制御装置が決定されると、前記第1解像度の映像に応じた第1放送波を受信し、前記表示部は、前記第1チューナが前記第1放送波を受信すると、前記第1放送波に応じた前記第1解像度の前記映像を表示してもよい。
【0008】
前記決定部は、前記第2解像度が前記第1解像度より高い場合には、前記制御主体を前記第2制御装置に決定し、前記第2チューナは、前記制御主体として前記第2制御装置が決定されると、前記第2解像度の映像に応じた第2放送波を受信し、前記表示部は、前記第2チューナが前記第2放送波を受信すると、前記第2放送波に応じた前記第2解像度の前記映像を表示してもよい。
【0009】
前記複数の制御装置のうち第1制御装置は、前記第1制御装置と前記テレビジョン受信機とを接続する通信線を介して前記制御信号を送信し、前記複数の制御装置のうち第2制御装置は、無線媒体を利用して前記制御信号を送信してもよい。
【0010】
前記制御システムは、前記第2制御装置が前記制御主体として決定された場合、前記指示部の指示に応じて前記第2制御装置が前記制御信号を送信すると、前記テレビジョン受信機の音の変化から前記制御信号が前記テレビジョン受信機に到達したか否かを判定する到達判定部をさらに備え、前記指示部は、前記制御信号が前記テレビジョン受信機に到達していないと判定されると、前記制御信号を前記テレビジョン受信機に送信してもよい。
【0011】
前記指示部は、所定の制御内容に応じた他の制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを前記複数の制御装置のうち第2制御装置に指示し、前記制御システムは、前記指示部の指示に応じて前記第2制御装置が前記他の制御信号を送信すると、前記複数の制御装置のうち第1制御装置を介して取得された前記テレビジョン受信機の状態を示す状態情報に基づいて、前記第1制御装置と前記第2制御装置の制御対象が同一のテレビジョン受信機であるか否かを判定する対象判定部をさらに備え、前記決定部は、前記制御対象が同一のテレビジョン受信機であると判定されると、前記第1制御装置と前記第2制御装置との中から前記制御主体を決定してもよい。
【0012】
前記制御システムは、前記決定部と、前記指示部とを有する管理装置をさらに備え、前記指示部は、前記制御内容を示す情報と前記制御主体として決定された前記制御装置の識別子とを前記複数の制御装置に含まれる第1制御装置に送信し、前記第1制御装置は、前記管理装置から前記情報及び前記識別子を受信する第1受信部と、前記識別子に基づいて当該第1制御装置が前記制御主体であるか否かを判定する主体判定部と、当該第1制御装置が前記制御主体であると判定されると、前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信する第1送信部と、当該第1制御装置が前記制御主体ではないと判定されると、前記識別子が識別する第2制御装置に前記情報を転送する転送部とを有し、前記第2制御装置は、前記第1制御装置から前記情報を受信する第2受信部と、前記制御装置から前記情報を受信すると、前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信する第2送信部とを有してもよい。
【0013】
また、本発明は、それぞれテレビジョン受信機に対する制御を行う複数の制御装置であって、当該制御に関する機能が互いに異なる前記複数の制御装置の機能と操作者の操作に応じた制御内容とに基づいて、前記テレビジョン受信機に対する制御主体を前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に決定する決定部と、前記制御内容に応じた制御信号を前記テレビジョン受信機に送信することを、前記制御主体として決定された前記制御装置に指示する指示部とを備える管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の制御装置のうち操作者の操作に適した制御装置がテレビジョン受信機を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る制御システム100の構成の一例を示す図である。
図2】音声認識サーバ130のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】制御システム100の機能構成の一例を示す図である。
図4】制御システム100の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図5】制御システム100の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6】制御主体を決定する方法の一例を示す図である。
図7】変形例に係る管理サーバ140の機能構成の一例を示す図である。
図8】変形例に係るTV受信機170の音量の変化の一例を示す図である。
図9】変形例に係るTV受信機170の音量の変化の別の例を示す図である。
図10】変形例に係る管理サーバ140の機能構成の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.構成
図1は、本実施形態に係る制御システム100の構成の一例を示す図である。制御システム100は、家電の音声操作を実現するエージェントサービスを提供する。制御システム100には、入出力端末110と、ユーザ端末120と、音声認識サーバ130と、管理サーバ140と、セットトップボックス150(以下、「STB150」という。)と、赤外線装置160と、テレビジョン受信機170(以下、「TV受信機170」という。)とが含まれる。
【0017】
ユーザ端末120、音声認識サーバ130、管理サーバ140、及びSTB150は、通信ネットワーク180を介して接続されている。通信ネットワーク180は、これらの装置の間の通信を中継する。通信ネットワーク180には、例えばインターネットと移動体通信ネットワークとが含まれる。また、音声認識サーバ130と管理サーバ140とは、通信ネットワーク180とは異なるローカルネットワークを介して接続されていてもよい。入出力端末110、赤外線装置160、及びTV受信機170は、それぞれSTB150に接続されている。なお、赤外線装置160は通信ネットワーク180に直接接続され、通信ネットワーク180を介してSTB150に接続されてもよい。入出力端末110とSTB150、赤外線装置160とSTB150とは、それぞれ例えばBluetooth(登録商標)に従って予めペアリングされていてもよい。TV受信機170とSTB150とは、通信線190を介して接続されている。TV受信機170とSTB150との間の通信方式としては、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)が用いられてもよい。
【0018】
入出力端末110は、音声の入出力に用いられる装置である。入出力端末110は、例えばマイクロフォンとスピーカとを備える。マイクロフォンは、操作者の音声等の音を取得して音声信号に変換する。スピーカは、音声信号に応じた音声を出力する。
【0019】
ユーザ端末120は、通信機能を有し、操作者に持ち運ばれて音声の入出力に用いられる装置である。ユーザ端末120には、例えばスマートフォン、タブレット端末が含まれる。ユーザ端末120は、上述した入出力端末110と同様に、マイクロフォンとスピーカとを備える。また、ユーザ端末120には、上述したエージェントサービスの機能を実現するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされている。
【0020】
図2は、音声認識サーバ130のハードウェア構成の一例を示す図である。音声認識サーバ130は、操作者の音声からTV受信機170に対する制御内容を認識する装置である。音声認識サーバ130は、物理的には、プロセッサ131、メモリ132、ストレージ133、通信装置134、バス135などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。音声認識サーバ130のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0021】
プロセッサ131は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ131は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサ131は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ133及び/又は通信装置134からメモリ132に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、音声認識サーバ130の動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。音声認識サーバ130において実行される各種処理は、1つのプロセッサ131により実行されてもよいし、2以上のプロセッサ131により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ131は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0022】
メモリ132は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ132は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ132は、本発明の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0023】
ストレージ133は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ133は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0024】
通信装置134は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置134は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0025】
また、プロセッサ131やメモリ132などの各装置は、情報を通信するためのバス135によって接続される。バス135は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0026】
また、音声認識サーバ130は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ131は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0027】
図1に戻り、管理サーバ140は、通信ネットワーク180を介して接続されているユーザ端末120及びSTB150を管理する装置である。例えば管理サーバ140は、音声認識サーバ130が認識した制御内容に応じた制御信号を送信することをSTB150又は赤外線装置160のいずれかに指示する。管理サーバ140は、物理的には、音声認識サーバ130と同様の構成を備える。
【0028】
STB150は、TV受信機170に対する制御を行う制御装置である。また、STB150は、各種の放送波を受信して、受信した放送波に応じた映像及び音声(以下、総称して「コンテンツ」という場合がある。)をTV受信機170に供給する。さらに、STB150は、放送又は映像に関連する各種のサービス又は機能を提供してもよい。ここでは、STB150が受信する放送には、専門チャンネル放送、BS(Broadcasting Satellites)放送、及び地上デジタルテレビ放送が含まれるものとする。STB150は、物理的には、音声認識サーバ130と同様の構成に加えて、チューナ151を備える。チューナ151は、チューナ151が対応する解像度の映像を放送するための放送波を受信して映像信号及び音声信号に変換する。例えばチューナ151が4K解像度に対応している場合、チューナ151は、4K放送の規格に従って4K解像度の映像を放送するための放送波(以下、「4K放送波」という。)を受信する。この4K解像度とは、水平3840画素以上かつ垂直2160画素以上の画面解像度をいう。また、STB150には、上述したエージェントサービスの機能を実現するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされている。
【0029】
赤外線装置160は、赤外線を利用してTV受信機170に対する制御を行う制御装置である。ただし、STB150と赤外線装置160とは、制御に関する機能が互いに異なる。例えば赤外線装置160は、STB150によらずTV受信機170単体でもって実現される機能については制御することができるが、TV受信機170単体では実現されずSTB150を用いて実現される機能については制御することができない。赤外線装置160は、TV受信機170から所定の範囲内に設置されている。この所定の範囲は、例えば所定量以上の赤外線が届く範囲である。STB150は、物理的には、音声認識サーバ130と同様の構成に加えて、赤外線を発する発信器161を備える。
【0030】
TV受信機170は、特定の放送の放送波を受信して、受信した放送波に応じた映像を表示するとともに対応する音声を出力する家電である。また、TV受信機170は、STB150から映像及び音声が供給されると、この映像を表示するとともにこの音声を出力する。ここでは、特定の放送には、地上デジタルテレビ放送が含まれるものとする。この場合、TV受信機170が受信し得る放送のコンテンツと、STB150が受信し得る放送のコンテンツとは、少なくとも一部が重複する。TV受信機170は、チューナ171と表示部172を備える。このように、TV受信機170には、チューナ171とチューナ151とが両方とも接続されている。チューナ171は、上述したチューナ151と同様に、チューナ171が対応する解像度の映像を放送するための放送波を受信して映像信号に変換する。チューナ171が対応する解像度は、上述したチューナ151が対応する解像度と異なっていてもよい。表示部172は、所定の解像度でもって映像信号に応じた映像を表示する。ここでは、表示部172の解像度が4K解像度であるものとする。この場合、表示部172に表示される映像の解像度は、最大4K解像度までとなる。
【0031】
図3は、制御システム100の機能構成の一例を示す図である。音声認識サーバ130は、機能的には、受信部231と、音声認識部232と、送信部233とを有する。これらの機能は、プロセッサ131、メモリ132などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ131が演算を行い、通信装置134による通信や、メモリ132又はストレージ133におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0032】
受信部231は、入出力端末110又はユーザ端末120が操作者の音声を取得し、この音声に応じた音声信号が入出力端末110又はユーザ端末120から送信されると、この音声信号を受信する。操作者の音声には、例えば制御対象と制御内容とが含まれる。この制御対象は、例えばTV受信機170である。制御内容は、例えばTV受信機170の動作を示す内容である。受信部231が受信した音声信号は音声認識部232に供給される。
【0033】
音声認識部232は、受信部231が受信した音声信号に音声認識処理を施して、この音声信号が示す音声の内容を認識する。このとき、文脈を踏まえて操作者の意図を解釈するのが好ましい。音声認識の方法としては、例えば隠れマルコフモデルと呼ばれる音響モデルを用いた方法、深層学習を用いた方法が挙げられる。ただし、音声認識の方法は、これらの方法に限定されず、どのような方法であってもよい。音声認識部232が認識した内容を示す音声認識の結果は、送信部233に供給される。
【0034】
送信部233は、音声認識部232が行った音声認識の結果を管理サーバ140に送信する。なお、この送信は、通信ネットワーク180を介して行われてもよいし、通信ネットワーク180とは異なるローカルネットワークを介して行われてもよい。
【0035】
管理サーバ140は、機能的には、受信部241と、決定部242と、指示部243とを有する。これらの機能は、上述した音声認識サーバ130と同様に、プロセッサ、メモリなどのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサが演算を行い、通信装置による通信や、メモリ又はストレージにおけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0036】
受信部241は、音声認識サーバ130から操作者の音声認識の結果が送信されると、この音声認識の結果を受信する。受信部241が受信した音声認識の結果は、決定部242及び指示部243に供給される。
【0037】
決定部242は、操作者の操作に応じた制御内容とSTB150及び赤外線装置160の制御に関する機能とに基づいて、TV受信機170に対する制御主体をSTB150又は赤外線装置160のいずれかに決定する。制御内容は、例えば音声認識の結果に含まれる。制御に関する機能には、例えば制御可能な機能の他、チューナ151及びチューナ171の解像度が含まれてもよい。例えば操作者の操作に応じた制御内容がTV受信機170に放送された映像を表示させることを示す場合には、STB150が制御を行うときはSTB150のチューナ151を用いて映像が表示される一方、赤外線装置160が制御を行うときはTV受信機170のチューナ171を用いて映像が表示される。このように、STB150はチューナ151に対応しているため、STB150の機能には、STB150のチューナ151の解像度が含まれてもよい。また、赤外線装置160はTV受信機170のチューナ171に対応しているため、赤外線装置160の機能には、チューナ171の解像度が含まれてもよい。なお、STB150及び赤外線装置160の制御に関する機能を示す情報は、例えばSTB150から又はTV受信機170からSTB150を介して取得され、管理サーバ140のストレージに記憶されてもよい。或いは、STB150及び赤外線装置160の制御に関する機能を示す情報は、管理者の操作に応じて入力され、管理サーバ140のストレージに記憶されてもよい。制御主体は、例えばSTB150と赤外線装置160とのうち、操作者の操作に応じた制御内容をより良い形で実現できる機能を有する制御装置に決定される。決定部242が決定した制御主体を識別する情報は、指示部243に供給される。
【0038】
指示部243は、決定部242が決定した制御主体に対し、制御内容に応じた制御信号をTV受信機170に送信するよう指示する。具体的には指示部243は、制御内容に応じた制御信号をTV受信機170に送信するよう指示する制御指示を生成し、この制御指示を制御主体に送信する。この制御指示には、制御主体を一意に識別する識別子が含まれる。このとき、例えば制御指示はまずSTB150に送信される。制御主体が赤外線装置160である場合には、STB150から赤外線装置160に制御指示が転送される。すなわち、制御主体がSTB150である場合には、制御指示は制御主体に直接送信される。一方、制御主体が赤外線装置160である場合には、制御指示はSTB150を介して制御主体に送信される。
【0039】
STB150は、機能的には、受信部251と、主体判定部252と、送信部253と、転送部254とを有する。これらの機能は、上述した音声認識サーバ130と同様に、プロセッサ、メモリなどのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサが演算を行い、通信装置による通信や、メモリ又はストレージにおけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0040】
受信部251は、管理サーバ140から制御指示が送信されると、この制御指示を受信する。受信部251が受信した制御指示は、主体判定部252に供給される。
【0041】
主体判定部252は、受信部251が受信した制御指示に含まれる識別子に基づいて、STB150が制御主体であるか否かを判定する。この判定は、例えば制御指示にSTB150の識別子が含まれるか否かによって行われる。主体判定部252の判定結果は、送信部253又は転送部254に供給される。
【0042】
送信部253は、主体判定部252においてSTB150が制御主体であると判定されると、制御指示に従って制御内容に応じた制御信号をTV受信機170に送信する。この制御信号は、通信線190を介して送信される。
【0043】
転送部254は、主体判定部252においてSTB150が制御主体ではないと判定されると、制御指示に含まれる識別子が識別する他の制御装置、すなわち赤外線装置160に制御指示を転送する。
【0044】
赤外線装置160は、機能的には、受信部261と、送信部262とを有する。これらの機能は、上述した音声認識サーバ130と同様に、プロセッサ、メモリなどのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサが演算を行い、通信装置又は発信器161による通信や、メモリ又はストレージにおけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0045】
受信部261は、STB150から制御指示が転送されると、この制御指示を受信する。受信部251が受信した制御指示は、送信部262に供給される。
【0046】
送信部262は、受信部261が受信した制御指示に従って制御内容に応じた制御信号をTV受信機170に送信する。この制御信号は、赤外線を利用して発信器161から送信される。
【0047】
2.動作
図4及び図5は、制御システム100の動作の一例を示すシーケンスチャートである。入出力端末110又はユーザ端末120は、例えば操作者が所定のキーワードを音声で発すると、これを契機として起動される。ここでは、操作者が入出力端末110を起動させた後、TV受信機170にサッカー番組の再生を指示するために、入出力端末110に向かって「サッカーを見せて」という音声を発した場合を想定する。
【0048】
ステップS11において、入出力端末110は、操作者の音声を取得して音声信号に変換する。例えば「サッカーを見せて」という音声が音声信号に変換される。
【0049】
ステップS12において、入出力端末110は、ステップS11において得られた音声信号をSTB150に送信する。STB150は、この音声信号を受信部251にて受信する。
【0050】
ステップS13において、STB150は、受信した音声信号を送信部253から音声認識サーバ130に送信する。音声認識サーバ130は、この音声信号を受信部231にて受信する。
【0051】
ステップS14において、音声認識サーバ130は、音声認識部232にて音声信号が示す音声の内容を認識する。このとき、音声が日本語である場合には、日本語の文脈を踏まえて音声の内容が解釈される。例えば「サッカーを見せて」という音声が認識された場合、TV受信機170にてサッカー番組を再生するという制御内容が認識される。
【0052】
ステップS15において、音声認識サーバ130は、ステップS14において行われた音声認識の結果を送信部233から管理サーバ140に送信する。管理サーバ140は、この音声認識の結果を受信部241にて受信する。
【0053】
ステップS16において、管理サーバ140は、受信した音声認識の結果に基づいて、決定部242にて制御主体を決定する。
【0054】
図6は、制御主体を決定する方法の一例を示す図である。この例では、STB150のチューナ151の解像度がTV受信機170のチューナ171の解像度以上である場合には、STB150が制御主体に決定される。一方、STB150のチューナ151の解像度がTV受信機170のチューナ171の解像度より低い場合には、すなわちTV受信機170のチューナ171の解像度がSTB150のチューナ151の解像度より高い場合には、赤外線装置160が制御主体に決定される。なお、チューナ151の解像度及びチューナ171の解像度は、予め管理サーバ140のストレージに記憶されている。例えばSTB150のチューナ151の解像度が4K解像度であり、TV受信機170のチューナ171の解像度も4K解像度である場合には、STB150が制御主体に決定される。
【0055】
ステップS17において、管理サーバ140は、音声認識の結果に基づいて、指示部243にて制御指示を生成する。例えば制御指示には、制御対象の家電に対する命令と制御主体を一意に識別する識別子とが含まれる。例えばSTB150が制御主体に決定され、音声認識の結果にTV受信機170にてサッカー番組を再生するという制御内容が含まれる場合、制御指示には、TV受信機170にてサッカー番組を再生しろという命令と、STB150の識別子とが含まれる。
【0056】
ステップS18において、管理サーバ140は、ステップS17において生成された制御指示を指示部243からSTB150に送信する。STB150は、この制御指示を受信部251にて受信する。
【0057】
ステップS19において、STB150は、受信した制御指示に基づいて、主体判定部252にて制御主体がSTB150であるか否かを判定する。例えば制御指示にSTB150の識別子が含まれる場合、制御主体がSTB150であると判定される。この場合、ステップS19の判定がYESになり、処理はステップS20に進む。
【0058】
ステップS20において、STB150は、受信した制御指示に応じた制御信号を送信部253からTV受信機170に送信する。例えば制御指示にTV受信機170にてサッカー番組を再生しろという命令が含まれる場合、TV受信機170に対してサッカー番組を再生するよう制御する制御信号がTV受信機170に送信される。また、この場合、チューナ151がサッカー番組の映像と音声とを示す放送波を受信して、映像信号及び音声信号に変換する。例えばチューナ151が4K解像度に対応している場合には、デジタルテレビ放送の4K放送波が受信され、映像信号及び音声信号に変換される。そして、この映像信号及び音声信号が制御信号とともにTV受信機170に送信される。TV受信機170は、この制御信号、映像信号、及び音声信号を受信する。
【0059】
ステップS21おいて、TV受信機170は、受信した制御信号に従って動作する。例えばサッカー番組を再生するよう制御する制御信号が受信された場合、TV受信機170はサッカーの番組を再生する動作を行う。具体的には、制御信号とともに受信された映像信号に応じたサッカー番組の映像が表示部172に表示されるとともに、音声信号に応じたサッカー番組の音声が出力される。例えばSTB150のチューナ151が4K解像度に対応している場合には、デジタルテレビ放送の4K解像度の映像が表示されるとともにこの映像に対応する音声が出力される。なお、このとき、TV受信機170のチューナ171は使用されない。
【0060】
一方、上述したステップS16において、例えばSTB150のチューナ151の解像度が2K解像度であり、TV受信機170のチューナ171の解像度が4K解像度である場合には、赤外線装置160が制御主体に決定される。この場合、上述したステップS18では、赤外線装置160の識別子を含む制御指示がSTB150に送信される。続くステップS19では、制御指示にSTB150の識別子が含まれないため、制御主体がSTB150ではないと判定される。この場合、ステップS19の判定がNOになり、処理は図5に示すステップS22に進む。
【0061】
ステップS22において、STB150は、受信した制御指示を、この制御指示に含まれる識別子から識別される制御主体に転送部254から転送する。例えば制御指示に赤外線装置160の識別子が含まれる場合、この制御指示が赤外線装置160に転送される。赤外線装置160は、受信部261にてこの制御指示を受信する。
【0062】
ステップS23において、赤外線装置160は、受信した制御指示に応じた制御信号を赤外線を利用して送信部262からTV受信機170に送信する。例えば制御指示にTV受信機170にてサッカー番組を再生しろという命令が含まれる場合、TV受信機170に対してサッカー番組を再生するよう制御する制御信号がTV受信機170に送信される。
【0063】
ステップS24において、TV受信機170は、受信した制御信号に従って動作する。例えばサッカー番組を再生するよう制御する制御信号が受信された場合、TV受信機170はサッカーの番組を再生する動作を行う。具体的には、チューナ171がサッカー番組の映像と音声とを示す放送波を受信して映像信号及び音声信号に変換し、この映像信号に応じたサッカー番組の映像が表示部172に表示されるとともに音声信号に応じたサッカー番組の音声が出力される。例えばTV受信機170のチューナ171が4K解像度に対応している場合には、デジタルテレビ放送の4K放送波が受信され、デジタルテレビ放送の4K解像度の映像が表示されるとともにこの映像に対応する音声が出力される。なお、このとき、STB150のチューナ151は使用されない。
【0064】
なお、操作者がユーザ端末120に向かって音声を発した場合には、入出力端末110に代えてユーザ端末120が音声を取得する。この場合、ユーザ端末120は、この音声を音声信号に変換して通信ネットワーク180を介して音声認識サーバ130に送信する。以降の処理は、上述したステップS14以降の処理と同様である。
【0065】
なお、本実施形態では、「STB150」、「赤外線装置160」、「管理サーバ140」、「チューナ151」、「チューナ171」、「受信部251」、「送信部253」、「受信部261」、「送信部262」は、それぞれ本発明に係る「第1制御装置」、「第2制御装置」、「管理装置」、「第1チューナ」、「第2チューナ」、「第1受信部」、「第1送信部」、「第2受信部」、「第2送信部」として用いられている。また、本実施形態では、「チューナ151が対応する解像度」、「チューナ171が対応する解像度」、「チューナ151」が受信した「放送波」、「チューナ171」が受信した「放送波」、「命令」は、それぞれ本発明に係る「第1解像度」、「第2解像度」、「第1放送波」、「第2放送波」、「制御内容を示す情報」として用いられている。
【0066】
以上説明した実施形態によれば、操作者がTV受信機170に映像を表示させることを指示する操作を行った場合には、TV受信機170に対する制御を行うSTB150と赤外線装置160とのうち、より高い解像度での映像を表示させることが可能な制御装置が制御主体に決定されるため、操作者の操作に適した制御装置がTV受信機170を制御することができる。また、STB150とTV受信機170とは異なる装置である一方、操作者は「テレビ」等のTV受信機170を示す用語を用いてSTB150とTV受信機170とを総称する場合がある。このような場合にも、STB150の方が操作者の操作に適している場合には、STB150がTV受信機170を制御することができる。
【0067】
さらに、チューナ151及び171のうち、より解像度が高いチューナ、すなわち解像度の観点から映像を表示させるのに適したチューナに対応する制御主体を決定することができる。さらに、STB150のチューナ151の解像度がTV受信機170のチューナ171の解像度より高い場合にはSTB150が制御主体となるため、この場合に赤外線装置160が制御主体になるときに比べてTV受信機170に表示される映像の解像度が高くなる。例えばSTB150のチューナ151の解像度が4K解像度でありTV受信機170のチューナ171の解像度が2K解像度である場合に、赤外線装置160が制御主体となると、チューナ171が受信した2K解像度の映像を表示させるための放送波に応じて2K解像度の映像が表示される。しかし、この場合に、STB150が制御主体となると、チューナ151が受信した4K放送波に応じて4K解像度の映像が表示される。反対に、TV受信機170のチューナ171の解像度がSTB150のチューナ151の解像度より高い場合には赤外線装置160が制御主体となるため、この場合にSTB150が制御主体になるときに比べてTV受信機170に表示される映像の解像度が高くなる。
【0068】
さらに、赤外線装置160は赤外線通信を行うため、TV受信機170が制御装置用の通信線190の差し込み口を1つしか有していない場合であっても、TV受信機170に対して複数の制御装置を設けることができる。さらに、STB150が制御主体を識別して制御指示を転送するため、赤外線装置160は自装置が制御主体であるか否かを判定する処理を行わなくてよい。
【0069】
3.変形例
上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されない。上述した実施形態に対し、種々の変形がなされてもよい。例えば上述した実施形態が以下のように変形されてもよい。また、以下の変形例は1以上の他の変形例と組み合わせて用いられてもよい。
【0070】
3.1.変形例1
上述した実施形態において、制御主体の決定に用いられる要素は、チューナ151及び171の解像度に限定されない。例えば制御主体は、コンテンツの視聴契約の有無によって決定されてもよい。視聴契約が締結されていないコンテンツについては、操作者がそのコンテンツの表示を指示する操作を行っても、コンテンツは表示されない。例えば、操作者が「BSの第1放送局つけて」という音声を発して、BS放送の映像の表示を指示する音声操作を行った場合を想定する。この場合、操作者に関してBS放送の視聴契約が締結されている場合には、STB150が制御主体に決定されてもよい。STB150が制御主体に決定されると、STB150のチューナ151がBS放送の放送波を受信し、TV受信機170にBS放送の映像が表示される。この処理により、操作者はBS放送の映像を視聴することができる。一方、操作者に関してBS放送のコンテンツの視聴契約が締結されていない場合には、赤外線装置160が制御主体に決定されてもよい。
【0071】
また、操作者が「1チャンネル見せて」という音声を発して、地上デジタルテレビ放送のコンテンツの表示を指示する音声操作を行った場合、制御主体は、STB150が地上デジタルテレビ放送の再送信エリア内に設置されているか否かによって決定されてもよい。STB150が地上デジタルテレビ放送の再送信エリア外に設置されている場合、STB150のチューナ151を用いて地上デジタルテレビ放送の放送波に応じた映像をTV受信機170に表示させることができない。ただし、この場合にも、TV受信機170のチューナ171を用いて地上デジタルテレビ放送の放送波に応じた映像をTV受信機170に表示させることはできる。例えばSTB150が地上デジタルテレビ放送の再送信エリア内に設置されているある場合には、STB150が制御主体に決定されてもよい。STB150が制御主体に決定されると、STB150のチューナ151が地上デジタルテレビ放送の放送波を受信し、TV受信機170に地上デジタルテレビ放送の映像が表示される。一方、STB150が地上デジタルテレビ放送の再送信エリア外に設置されている場合には、赤外線装置160が制御主体に決定されてもよい。赤外線装置160が制御主体に決定されると、TV受信機170のチューナ171が地上デジタルテレビ放送の放送波を受信し、TV受信機170に地上デジタルテレビ放送の映像が表示される。この処理によれば、操作者はSTB150が地上デジタルテレビ放送の再送信エリア内に設置されているか否かに関わらず、地上デジタルテレビ放送の映像を視聴することができる。
【0072】
さらに、制御主体は、TV受信機170が表示中の画面によって決定されてもよい。TV受信機170がチューナ171を用いた映像を表示しているときに、STB150のチューナ151を用いた映像を表示するには、STB150から通信線190を介して供給される映像信号に応じた映像が表示されるように入力の切り替えを行う必要がある。反対に、TV受信機170がSTB150から提供された画面を表示しているときに、チューナ171を用いた映像を表示するには、チューナ171から供給される映像信号に応じた映像が表示されるように入力の切り替えを行う必要がある。そこで、例えばTV受信機170がSTB150から提供された画面を表示している場合には、STB150が制御主体に決定されてもよい。STB150が制御主体に決定されると、TV受信機170には、STB150から提供された画面から切り替えられて、STB150のチューナ151を用いた映像が表示される。一方、TV受信機170がそれ以外の画面を表示している場合には、赤外線装置160が制御主体に決定されてもよい。赤外線装置160が制御主体に決定されると、TV受信機170には、TV受信機170に表示されている画面から切り替えられて、チューナ171を用いた映像が表示される。
【0073】
さらに、制御主体は、操作者の操作の内容によって決定されてもよい。例えば、操作者が「音量上げて」という音声を発して、TV受信機170の音量の変更を指示する音声操作を行った場合には、赤外線装置160が制御主体に決定されてもよい。或いは、この場合にSTB150が制御主体に決定されてもよいが、その場合には、STB150が音量を変更するよう制御する制御信号をTV受信機170に送信し、この制御信号に従ってTV受信機170が音量の変更を行う。さらに、制御主体は、上述した複数の要素の少なくとも2つの組み合わせから決定されてもよい。
【0074】
3.2.変形例2
上述した実施形態において、赤外線装置160から制御信号が送信された場合において、制御信号がTV受信機170に到達していないときは、制御主体が赤外線装置160からSTB150に切り替えられてもよい。例えば赤外線装置160とTV受信機170との間に遮蔽物がある場合、赤外線装置160から送信された制御信号はTV受信機170に到達しない。この場合、制御信号はTV受信機170に受信されず、TV受信機170において制御信号に従った動作は行われない。この変形例では、入出力端末110は、TV受信機170の音を含む環境音を取得し、音声信号に変換して管理サーバ140に送信する。管理サーバ140は、図7に示すように、図3に示す機能構成に加えて、到達判定部244を有する。
【0075】
到達判定部244は、赤外線装置160が制御主体として決定された場合、指示部243の指示に応じて赤外線装置160が制御信号(以下、「前回の制御信号」という。)を送信すると、入出力端末110から受信した音声信号が示すTV受信機170の音の変化から、前回の制御信号がTV受信機170に到達したか否かを判定する。ここでは、まず前回の制御信号がチャンネルを変更するよう制御するものである場合を想定する。図8は、この変形例に係るTV受信機170の音量の変化の一例を示す図である。図8において縦軸はTV受信機170の音量を示し、横軸は時間を示す。前回の制御信号に従ってチャンネルが変更された場合には、図8に示すように、前回の制御信号が送信された時刻t1から所定期間内に、音量が所定の音量v1以下となる時間t2が数秒間発生する。この所定の音量v1は、例えば無音とみなせるような音量である。そのため、前回の制御信号の送信に応じてTV受信機170の音が図8に示すような変化パターンを有する場合には、前回の制御信号がTV受信機170に到達したと判定される。一方、前回の制御信号の送信に応じてTV受信機170の音が図8に示すような変化パターンを有さない場合には、前回の制御信号がTV受信機170に到達していないと判定される。
【0076】
次に、前回の制御信号が音量を上げるよう制御するものである場合を想定する。図9は、この変形例に係るTV受信機170の音量の変化の別の例を示す図である。図9において縦軸はTV受信機170の音量を示し、横軸は時間を示す。前回の制御信号に従って音量が上げられた場合には、図9に示すように、前回の制御信号が送信された時刻t1から所定期間内に、音量が大きくなる。そのため、前回の制御信号の送信に応じてTV受信機170の音が図9に示すような変化パターンを有する場合には、前回の制御信号がTV受信機170に到達したと判定される。一方、前回の制御信号の送信に応じてTV受信機170の音が図9に示すような変化パターンを有していない場合には、前回の制御信号がTV受信機170に到達していないと判定される。到達判定部244の判定結果は、指示部243に供給される。
【0077】
指示部243は、到達判定部244が前回の制御信号がTV受信機170に到達していないと判定すると、前回の制御信号と同じ内容の制御信号をTV受信機170に送信するようSTB150に指示する。例えば指示部243は、前回の制御信号と同じ制御内容を示す命令とSTB150の識別子とを含む制御指示を生成し、STB150に送信する。この処理により、前回の制御信号と同じ内容の制御信号がSTB150からTV受信機170に再送される。この変形例によれば、赤外線装置160から赤外線等の無線媒体を利用して送信された制御信号がTV受信機170に到達できない場合であっても、TV受信機170を制御することができる。
【0078】
3.3.変形例3
上述した実施形態において、複数のTV受信機170が設けられている場合、STB150と赤外線装置160とが同一のTV受信機170に接続されているか否かが自動で判定されてもよい。なお、この処理は、例えば上述した実施形態の動作の前に行われてもよい。この場合、指示部243は、所定の制御内容に応じた所定の制御信号をTV受信機170に送信するよう赤外線装置160に指示する。この所定の制御は、例えば電源の制御である。赤外線装置160は、指示部243の指示に応じて所定の制御信号をTV受信機170に送信する。赤外線装置160が所定の制御信号を送信すると、STB150は、TV受信機170の状態を検出し、検出した状態を示す状態情報を管理サーバ140に送信する。管理サーバ140は、図10に示すように、図3に示す機能構成に加えて、対象判定部245を有する。
【0079】
対象判定部245は、STB150から受信、すなわち取得した状態情報に基づいて、STB150の制御対象と赤外線装置160の制御対象とが同一のTV受信機170であるか否かを判定する。例えば、所定の制御信号が電源を入れるよう制御するものである場合、所定の制御信号の送信に応じてTV受信機170が電源の入った状態になったときは、STB150の制御対象と赤外線装置160の制御対象とが同一のTV受信機170であると判定される。一方、この場合において、所定の制御信号の送信に応じてTV受信機170が電源の入った状態にならなかったときは、STB150の制御対象と赤外線装置160の制御対象とが同一のTV受信機170ではないと判定される。対象判定部245の判定結果は、決定部242に供給される。
【0080】
決定部242は、対象判定部245の判定結果に基づいて同一のTV受信機170に対する制御を行う複数の制御装置の中から制御主体を決定する。例えばSTB150の制御対象と赤外線装置160の制御対象とが同一のTV受信機170であると判定された場合には、上述した実施形態のように、STB150と赤外線装置160との中から制御主体が決定される。この変形例によれば、TV受信機170に対する制御を行う複数の制御装置の中に異なるTV受信機170に対する制御を行う制御装置が含まれる場合でも、同一のTV受信機170に対する制御を行う2以上の制御装置のうち操作者の操作に適した制御装置がこのTV受信機170を制御することができる。
【0081】
3.4.変形例4
上述した実施形態において、操作者が行う操作は音声を用いた操作に限定されない。この操作は、例えばテキストを入力する方法、TV受信機170に表示された画面に含まれる操作画像を用いる方法等、どのような方法を用いて行われてもよい。なお、テキストは、チャット形式で入力されてもよい。
【0082】
3.5.変形例5
上述した実施形態において、STB150とTV受信機170とは必ずしも通信線190を介して接続されていなくてもよい。例えばSTB150とTV受信機170とは、無線媒体を利用して接続されていてもよい。この無線媒体は、赤外線、電波、可視光、音波、又は超音波であってもよい。また、TV受信機170とSTB150との間の通信方式も、HDMIに限定されず、他の通信方式が用いられてもよい。また、赤外線装置160に代えて、TV受信機170と通信線を介して接続される制御装置が用いられてもよい。
【0083】
3.6.変形例6
上述した実施形態において、STB150が受信するコンテンツは、専門チャンネル放送のコンテンツ、BS放送のコンテンツ、及び地上デジタルテレビ放送のコンテンツに限定されない。例えばSTB150が受信するコンテンツには、インターネット放送のコンテンツ、ビデオ・オン・デマンドにおいて配信されるコンテンツ、録画コンテンツが含まれてもよい。すなわち、STB150は、TV受信機170が出力し得るコンテンツであれば、どのようなコンテンツを受信してもよい。
【0084】
3.7.変形例7
上述した実施形態において、制御対象の家電はTV受信機170に限定されない。制御対象の家電は、エアーコンディショナー、照明等、操作者の操作に応じて動作する機器であればどのような機器であってもよい。
【0085】
3.8.変形例8
上述した実施形態において説明した制御システム100の構成は例示であり、これに限定されない。例えば制御システム100に含まれる各装置の数は、図1に示す例に限定されない。例えばSTB150又は赤外線装置160が複数設けられてもよい。また、制御システム100には、実施形態において説明した装置の少なくとも1つが含まれなくてもよいし、他の装置が含まれていてもよい。さらに、上述した実施形態において説明した入出力端末110、ユーザ端末120、音声認識サーバ130、管理サーバ140、STB150、赤外線装置160、及びTV受信機170のハードウェア構成及び機能構成は例示であり、これに限定されない。例えば入出力端末110及びユーザ端末120は、それぞれ音声認識サーバ130と同様のハードウェア構成を備えていてもよい。また、入出力端末110、ユーザ端末120、音声認識サーバ130、管理サーバ140、STB150、赤外線装置160、及びTV受信機170の機能の少なくとも一部が他の装置に実装されてもよい。すなわち、制御システム100の機能は、制御システム100に含まれる複数の装置の間でどのように分担されてもよい。例えば音声認識サーバ130の機能の少なくとも一部が管理サーバ140に実装されてもよい。反対に、管理サーバ140の機能の少なくとも一部が音声認識サーバ130に実装されてもよい。或いは、音声認識サーバ130と管理サーバ140とは、単一の装置であってもよい。
【0086】
3.9.変形例9
本発明は、制御システム100、入出力端末110、ユーザ端末120、音声認識サーバ130、管理サーバ140、STB150、赤外線装置160、又はTV受信機170において行われる処理のステップを備える方法として提供されてもよい。また、本発明は、入出力端末110、ユーザ端末120、音声認識サーバ130、管理サーバ140、STB150、赤外線装置160、又はTV受信機170において実行されるプログラムとして提供されてもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等を介したダウンロードにより提供されてもよい。
【0087】
3.10.その他の変形例
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0088】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0089】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0090】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0091】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0092】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0093】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい
【0094】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0095】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0096】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0097】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0098】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0099】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0100】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0101】
本開示において使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0102】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0103】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0104】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0105】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0106】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0107】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0108】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0109】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0110】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0111】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0112】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0113】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0114】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0115】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0116】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0117】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0118】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0119】
100:制御システム、110:入出力端末、120:ユーザ端末、130:音声認識サーバ、140:管理サーバ、150:セットトップボックス、151:チューナ、160:赤外線装置、170:テレビジョン受信機、171:チューナ、172:表示部、231:受信部、232:音声認識部、233:送信部、241:受信部、242:決定部、243:指示部、244:到達判定部、245:対象判定部、251:受信部、252:主体判定部、253:送信部、254:転送部、261:受信部、262:送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10