(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 41/29 20180101AFI20221220BHJP
F21S 41/255 20180101ALI20221220BHJP
F21S 41/27 20180101ALI20221220BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20221220BHJP
F21S 41/64 20180101ALI20221220BHJP
F21S 41/675 20180101ALI20221220BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221220BHJP
F21W 103/60 20180101ALN20221220BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20221220BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/255
F21S41/27
F21S41/143
F21S41/64
F21S41/675
F21Y115:10
F21W103:60
F21W102:13
(21)【出願番号】P 2019028753
(22)【出願日】2019-02-20
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆芳
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3163899(JP,U)
【文献】特開2015-201347(JP,A)
【文献】実開昭63-52202(JP,U)
【文献】特開2018-45978(JP,A)
【文献】特開2015-138735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/29
F21S 41/255
F21S 41/27
F21S 41/143
F21S 41/64
F21S 41/675
F21W 102/13
F21W 103/60
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットにおいて、
上記投影レンズは、ユニット前後方向に並んで配置された第1および第2レンズを備えており、
上記第1および第2レンズは、共通のレンズホルダに支持されており、
上記レンズホルダのユニット前後方向の第1端面における周方向の2箇所に、ユニット前後方向に延びる第1および第2位置決めピンが形成されており、
上記第1および第2レンズの各々に、上記第1および第2位置決めピンと係合する第1および第2係合部が形成されている、ことを特徴とする灯具ユニット。
【請求項2】
上記第1係合部は、上記第1位置決めピンと係合する位置決め孔で構成されており、
上記第2係合部は、上記第2位置決めピンと係合する位置決め溝で構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の灯具ユニット。
【請求項3】
上記第1および第2位置決めピンの各々は、小径部と大径部とが階段状に形成された段付きピンで構成されており、
上記第1レンズに形成された第1および第2係合部は、上記第1および第2位置決めピンの小径部と係合しており、
上記第2レンズに形成された第1および第2係合部は、上記第1および第2位置決めピンの大径部と係合している、ことを特徴とする請求項1または2記載の灯具ユニット。
【請求項4】
上記レンズホルダの第1端面における周方向の複数箇所に、上記第2レンズを支持するためのレンズ支持部が形成されており、
上記第1および第2レンズの各々に、外周フランジ部が形成されており、
上記第1レンズは、該第1レンズの外周フランジ部を上記第2レンズの外周フランジ部に当接させた状態で配置されており、
上記第2レンズは、該第2レンズの外周フランジ部を上記レンズ支持部に当接させた状態で配置されている、ことを特徴とする請求項1~3いずれか記載の灯具ユニット。
【請求項5】
上記投影レンズは、上記第1および第2レンズに対してユニット前後方向に並んで配置された状態で上記レンズホルダに支持された第3レンズを備えており、
上記レンズホルダの上記第1端面とは反対側の第2端面における周方向の2箇所に、ユニット前後方向に延びる第3および第4位置決めピンが形成されており、
上記第3レンズに、上記第3および第4位置決めピンと係合する第3および第4係合部が形成されている、ことを特徴とする請求項1~4いずれか記載の灯具ユニット。
【請求項6】
上記光源からの出射光を上記投影レンズへ向けて反射させる空間光変調器または上記光源として上記投影レンズへ向けて直射光を出射させるマイクロLEDアレイを備えている、ことを特徴とする請求項1~5いずれか記載の灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、投影レンズを備えた灯具ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光源からの光を投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような灯具ユニットにおける投影レンズの構成として、ユニット前後方向に並んで配置された複数のレンズを備えたものが記載されている。
【0004】
この「特許文献1」に記載された灯具ユニットにおいては、複数のレンズが共通のレンズホルダに支持された構成となっている。その際、これら複数のレンズは、レンズホルダの内周面に形成された階段状のレンズ支持部や、他のレンズの外周フランジ部に当接するように配置されたスリーブに支持された構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記「特許文献1」に記載された灯具ユニットにおいては、複数のレンズが階段状に形成された別々のレンズ支持部やスリーブに支持されているので、レンズ相互間の位置関係精度を十分に確保することが容易でない。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、投影レンズを備えた灯具ユニットにおいて、投影レンズが複数のレンズで構成されている場合であっても、レンズ相互間の位置関係精度を高めることができる灯具ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、複数のレンズのレンズホルダへの支持構造に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係る灯具ユニットは、
光源からの光を投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットにおいて、
上記投影レンズは、ユニット前後方向に並んで配置された第1および第2レンズを備えており、
上記第1および第2レンズは、共通のレンズホルダに支持されており、
上記レンズホルダのユニット前後方向の第1端面における周方向の2箇所に、ユニット前後方向に延びる第1および第2位置決めピンが形成されており、
上記第1および第2レンズの各々に、上記第1および第2位置決めピンと係合する第1および第2係合部が形成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「灯具ユニット」は、光源からの出射光を直接投影レンズに入射させる構成となっていてもよいし、光源からの出射光を他の光学部材を介して投影レンズに入射させる構成となっていてもよい。
【0011】
上記「第1および第2レンズ」の各々の具体的な形状や材質等は特に限定されるものではない。
【0012】
上記「レンズホルダ」の具体的な形状や材質等は特に限定されるものではない。
【0013】
上記「第1端面」は、レンズホルダの前端面であってもよいし後端面であってもよい。
【0014】
上記「第1および第2位置決めピン」は、レンズホルダの第1端面における周方向の2箇所に形成されていれば、その具体的な形成位置は特に限定されるものではない。また、上記「第1および第2位置決めピン」は、レンズホルダと一体的に形成されていてもよいし、レンズホルダとは別体で構成された部材の一部がレンズホルダに埋め込まれることにより形成されていてもよい。
【0015】
上記「第1および第2係合部」は、第1および第2位置決めピンと係合するように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
本願発明に係る灯具ユニットは、その投影レンズとしてユニット前後方向に並んで配置された第1および第2レンズを備えているが、これらを支持するレンズホルダには、そのユニット前後方向の第1端面における周方向の2箇所に、ユニット前後方向に延びる第1および第2位置決めピンが形成されており、一方、第1および第2レンズの各々には、第1および第2位置決めピンと係合する第1および第2係合部が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0017】
すなわち、第1および第2レンズの各々は、その第1および第2係合部とレンズホルダの第1および第2位置決めピンとの係合によって、投影レンズの光軸と直交する平面内において位置決めがなされるので、投影レンズの光軸と直交する方向に関して第1および第2レンズの位置関係精度を高めることができる。
【0018】
このように本願発明によれば、投影レンズを備えた灯具ユニットにおいて、投影レンズが複数のレンズで構成されている場合であっても、レンズ相互間の位置関係精度を高めることができる。
【0019】
しかも、このような構成を採用することにより、レンズホルダの内周面に階段状のレンズ支持部を形成する必要がなくなり、これによりレンズホルダの外径形状を小さくすることができる。
【0020】
上記構成において、さらに、第1および第2レンズの各々の構成として、第1係合部が第1位置決めピンと係合する位置決め孔で構成されるとともに、第2係合部が第2位置決めピンと係合する位置決め溝で構成されたものとすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、第1および第2レンズの各々は、その位置決め孔と第1位置決めピンとの係合によって投影レンズの光軸と直交する平面内において並進方向の位置決めがなされた上で、その位置決め溝と第2位置決めピンとの係合によって第1位置決めピンを中心とする回転方向の位置決めがなされるので、第1および第2位置決めピン相互間の間隔を厳密に管理しなくても、投影レンズの光軸と直交する方向に関して第1および第2レンズの位置関係精度を高めることができる。
【0022】
上記構成において、さらに、第1および第2位置決めピンの各々を、小径部と大径部とが階段状に形成された段付きピンで構成した上で、第1レンズに形成された第1および第2係合部が第1および第2位置決めピンの小径部と係合するとともに、第2レンズに形成された第1および第2係合部が第1および第2位置決めピンの大径部と係合する構成とすれば、第1および第2位置決めピンを形成する際の寸法管理を容易に行うことができる。
【0023】
上記構成において、さらに、レンズホルダの第1端面における周方向の複数箇所に第2レンズを支持するためのレンズ支持部が形成されるとともに、第1および第2レンズの各々に外周フランジ部が形成された構成とした上で、第1レンズがその外周フランジ部を第2レンズの外周フランジ部に当接させた状態で配置されるとともに、第2レンズがその外周フランジ部をレンズホルダのレンズ支持部に当接させた状態で配置された構成とすれば、ユニット前後方向に関しても第1および第2レンズの位置関係精度を高めることができる。
【0024】
上記構成において、さらに、投影レンズの構成として、第1および第2レンズに対してユニット前後方向に並んで配置された状態でレンズホルダに支持された第3レンズを備えたものとした上で、レンズホルダにおいて第1端面とは反対側の第2端面における周方向の2箇所に第3および第4位置決めピンが形成されるとともに、第3レンズに第3および第4位置決めピンと係合する第3および第4係合部が形成された構成とすれば、レンズホルダの外径形状を大きくすることなく、第1および第2レンズと第3レンズとの位置関係精度を確保することができる。
【0025】
上記構成において、さらに、本願発明に係る灯具ユニットとして、光源からの出射光を投影レンズへ向けて反射させる空間光変調器を備えた構成または光源として投影レンズへ向けて直射光を出射させるマイクロLEDアレイを備えた構成とした場合には、空間光変調器またはマイクロLEDアレイと投影レンズとの位置関係精度を高めることが、灯具ユニットとしての光学的機能を十分に発揮させる上で重要となるので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
【0026】
上記「空間光変調器」は、光源からの光を反射させる際にその反射光の空間的な分布を制御することが可能なものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えばデジタルマイクロミラーを用いたものや反射型液晶を用いたもの等が採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る灯具ユニットを備えた車両用灯具を示す側断面図
【
図4】上記灯具ユニットのレンズ側サブアッシーを取り出して示す正面図
【
図6】上記レンズ側サブアッシーを分解して示す斜視図
【
図7】
図5の要部詳細図であって、(a)は
図5のVIIa部詳細図、(b)は
図5のVIIb 部詳細図、(c)は
図5のVIIc 部詳細図、(d)は
図5のVIId 部詳細図
【
図8】(a)は上記レンズ側サブアッシーの要部を拡大して示す正面図、(b)は上記実施形態の変形例を示す(a)と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、本願発明の一実施形態に係る灯具ユニット10を備えた車両用灯具100を示す側断面図である。また、
図2は、灯具ユニット10を示す斜視図であり、
図3は、灯具ユニット10を示す平面図である。
【0030】
これらの図において、Xで示す方向が「ユニット前方」であり、Yで示す方向が「ユニット前方」と直交する「左方向」(ユニット正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
【0031】
車両用灯具100は、車両の前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ102と透光カバー104とで形成される灯室内に、灯具ユニット10がその前後方向(すなわちユニット前後方向)を車両前後方向と一致させるように光軸調整が行われた状態で収容された構成となっている。
【0032】
灯具ユニット10は、空間光変調ユニット20と、光源側サブアッシー50と、レンズ側サブアッシー70とを備えている。そして、この灯具ユニット10は、その空間光変調ユニット20の一部を構成するブラケット40において図示しない取付構造を介してランプボディ102に支持されている。
【0033】
空間光変調ユニット20は、空間光変調器30と、この空間光変調器30よりもユニット後方側に配置された支持基板22と、この支持基板22よりもユニット後方側に配置されたヒートシンク24と、空間光変調器30よりもユニット前方側に配置されたブラケット40とを備えている。
【0034】
ブラケット40は、金属製の部材であって、ユニット前後方向と直交する鉛直面に沿って延びる鉛直面部40Aと、この鉛直面部40Aの下端縁からユニット前方へ向けて略水平面に沿って延びる水平面部40Bとを備えている。
【0035】
光源側サブアッシー50は、基板56に搭載された左右1対の光源(具体的には発光ダイオード)52と、これら光源52からの出射光を空間光変調ユニット20へ向けて反射させるリフレクタ54と、これらを支持するベース部材60とを備えており、そのベース部材60においてブラケット40の水平面部40Bに支持されている。その際、リフレクタ54の反射面は、各光源52からの出射光を投影レンズ72の後側焦点F(
図1参照)の近傍に収束させるように構成されている。
【0036】
レンズ側サブアッシー70は、ユニット前後方向に延びる光軸Axを有する投影レンズ72と、この投影レンズ72を支持するレンズホルダ74とを備えており、そのレンズホルダ74においてブラケット40の水平面部40Bに支持されている。
【0037】
光源側サブアッシー50よりもユニット前方側でかつレンズ側サブアッシー70よりも下方側には、各光源52の点灯によって発生する熱を放散させるためのヒートシンク80と放熱ファン82とが配置されている。ヒートシンク80は、伝熱板84および左右1対のヒートパイプ86を介して光源側サブアッシー50の伝熱板62と連結されている。
【0038】
そして、灯具ユニット10は、リフレクタ54で反射した各光源52からの光を空間光変調器30および投影レンズ72を介してユニット前方へ向けて照射することにより、種々の配光パターン(例えば、ロービーム用配光パターンやハイビーム用配光パターンあるいは車両走行状況に応じて変化する配光パターンさらには車両前方路面に文字や記号等を描画する配光パターン等)を精度良く形成し得る構成となっている。
【0039】
空間光変調器30は、デジタルマイクロミラーディバイス(DMD)であって、複数の反射素子(具体的には数十万個の微小ミラー)がマトリクス状に配置された反射制御部30Aを備えており、その反射制御部30Aが投影レンズ72の後側焦点Fにおいて光軸Axと直交する鉛直面上に位置するようにした状態で配置されている。そして、この空間光変調器30は、その反射制御部30Aを構成する複数の反射素子の各々の反射面の角度を制御することによって、リフレクタ54で反射して各反射素子に到達した左右1対の光源52からの光を、投影レンズ72へ向かう方向(
図1において実線で示す方向)と投影レンズ72から外れた方向(
図1において2点鎖線で示す方向)とのいずれかの方向を選択して反射させるようになっている。
【0040】
支持基板22は、光軸Axと直交する鉛直面に沿って延びるように配置されており、その前面には導電パターン(図示せず)が形成されている。そして、空間光変調器30は、ソケット26を介してこの支持基板22と電気的に接続されている。
【0041】
空間光変調ユニット20は、その空間光変調器30がブラケット40の鉛直面部40Aとヒートシンク24とによってユニット前後方向両側から支持された構成となっている。ブラケット40の鉛直面部40Aと空間光変調器30との間には、板状部材32とガスケット34とが配置されており、ブラケット40の鉛直面部40Aには透光カバー36が支持されている。
【0042】
次に、レンズ側サブアッシー70の具体的な構成について説明する。
【0043】
図4は、灯具ユニット10からレンズ側サブアッシー70を取り出して示す正面図であり、
図5は、
図4のV-V線断面図である。また、
図6は、レンズ側サブアッシー70を分解して示す斜視図である。
【0044】
これらの図にも示すように、投影レンズ72は、光軸Ax上においてユニット前後方向に並んで配置された第1、第2および第3レンズ72A、72B、72Cで構成されている。
【0045】
最もユニット前方側に位置する第1レンズ72Aは、ユニット前方へ向けて膨らんだ平凸レンズとして構成されており、中央に位置する第2レンズ72Bは、両凹レンズとして構成されており、最もユニット後方側に位置する第3レンズ72Cは、両凸レンズとして構成されている。
【0046】
第1~第3レンズ72A~72Cは、いずれも樹脂レンズで構成されている。具体的には、第1および第3レンズ72A、72Cはアクリル樹脂製であり、第2レンズ72Bはポリカーボネート樹脂製である。
【0047】
第1~第3レンズ72A~72Cは、その上端部が水平面に沿って僅かに切除されるとともにその下部部が水平面に沿って比較的大きく切除された構成となっている。そして、第1~第3レンズ72A~72Cは、その外周縁部において共通のレンズホルダ74に支持されている(これについては後述する)。
【0048】
レンズホルダ74は、金属製(例えばアルミダイカスト製)の部材であって、投影レンズ72を筒状に囲むように形成されたホルダ本体74Aと、このホルダ本体74Aの外周面の下端部から左右両側に張り出すように形成された左右1対の脚部74Bとを備えている。
【0049】
ホルダ本体74Aには、ユニット前方側から第1金具76Aが装着されるとともにユニット後方側から第2金具76Bが装着されており、これにより第1~第3レンズ72A~72Cがホルダ本体74Aに固定される構成となっている(これについても後述する)。
【0050】
左右1対の脚部74Bは、その先端部が水平面に沿って延びるように形成されている。各脚部74Bの先端部には、ユニット前後方向に延びる前後1対の長孔74Ba(
図6参照)が形成されている。そして、レンズホルダ74は、これら長孔74Baにおいてブラケット40の水平面部40Bにネジ締めされることにより、ユニット前後方向の位置が微調整された状態でブラケット40に固定されるようになっている。
【0051】
投影レンズ72を構成する第1、第2および第3レンズ72A、72B、72Cの外周縁部には、左右1対の外周フランジ部72Ac、72Bc、72Ccがそれぞれ形成されている。
【0052】
各外周フランジ部72Ac~72Ccは、第1~第3レンズ72A~72Cの各外周縁部に沿って一定幅で延びるように形成されており、光軸Axと直交する方向に平板状に突出している。その際、両凹レンズとして構成された第2レンズ72Bにおいては、その外周面の前端位置に左右1対の外周フランジ部72Bcが形成されている。
【0053】
そして、レンズホルダ74に対して、第1および第2レンズ72A、72Bは、左右1対の外周フランジ部72Ac、72Bcが重ね合わされた状態でホルダ本体74Aの前端面74Aaに支持されており、第3レンズ72Cは、左右1対の外周フランジ部72Ccにおいてホルダ本体74Aの後端面74Abに支持されている。
【0054】
ホルダ本体74Aには、その前端面74Aaにおける周方向の2箇所に、ユニット前方へ向けて延びる第1および第2位置決めピン74A1、74A2が形成されるとともに、その後端面74Abにおける周方向の2箇所に、ユニット後方へ向けて延びる第3および第4位置決めピン74A3、74A4が形成されている。
【0055】
第1および第2位置決めピン74A1、74A2は、光軸Axの左右両側において光軸Axを含む水平面上に位置しており、第3および第4位置決めピン74A3、74A4も、光軸Axの左右両側において光軸Axを含む水平面上に位置している。
【0056】
図7は、
図5の要部詳細図であって、
図7(a)は
図5のVIIa部詳細図、
図7(b)は
図5のVIIb 部詳細図、
図7(c)は
図5のVIIc 部詳細図、
図7(d)は
図5のVIId 部詳細図である。また、
図8(a)は、レンズ側サブアッシー70の要部を拡大して示す正面図である。
図7(a)および
図8(a)に示すように、ホルダ本体74Aの前端面74Aaにおいて右側(灯具ユニット正面視では左側)に位置する第1位置決めピン74A1は、先端側の小径部74A1Aと基端側の大径部74A1Bとが階段状に形成された段付きピンで構成されている。その際、小径部74A1Aおよび大径部74A1Bは、いずれも円形の断面形状で僅かに先細りとなるように形成されており、その接続部分は円錐面状に形成されている。また、小径部74A1Aの先端面は球面に近い表面形状を有している。
【0057】
図7(b)および
図8(a)に示すように、ホルダ本体74Aの前端面74Aaにおいて左側に位置する第2位置決めピン74A2も、小径部74A2Aと大径部74A2Bとが階段状に形成された段付きピンで構成されている。この第2位置決めピン74A2の具体的な形状は第1位置決めピン74A1の場合と同様である。
【0058】
図7(c)および(d)に示すように、第3および第4位置決めピン74A3、74A4は、いずれも円形の断面形状で僅かに先細りとなるように形成されており、その先端面は球面に近い表面形状を有している。
【0059】
一方、
図7(a)および
図8(a)に示すように、第1レンズ72Aにおける右側の外周フランジ部72Acには、第1位置決めピン74A1と係合する第1係合部72A1が形成されている。
【0060】
この第1係合部72A1は、第1位置決めピン74A1の小径部74A1Aと係合する略円筒状の位置決め孔で構成されている。その際、この第1係合部72A1は、ユニット後方へ向けて内径が徐々に小さくなるように形成されており、その後端縁の内径は第1位置決めピン74A1の小径部74A1Aの基端部の外径と略同じ値に設定されている。
【0061】
図7(b)および
図8(a)に示すように、第1レンズ72Aにおける左側の外周フランジ部72Acには、第2位置決めピン74A2と係合する第2係合部72A2が形成されている。
【0062】
この第2係合部72A2は、第2位置決めピン74A2の小径部74A2Aと係合する位置決め溝で構成されている。その際、この第2係合部72A2は、小径部74A2Aよりも右側の位置から左方向へ向けて延びるように形成されており、ユニット後方へ向けて上下幅が徐々に狭くなるように形成されている。そして、この第2係合部72A2の後端縁の上下幅は、第2位置決めピン74A2の小径部74A2Aの基端部の外径と略同じ値に設定されている。
【0063】
また、
図7(a)に示すように、第2レンズ72Bにおける右側の外周フランジ部72Bcには、第1位置決めピン74A1と係合する第1係合部72B1が形成されている。
【0064】
この第1係合部72B1は、第1位置決めピン74A1の大径部74A1Bと係合する略円筒状の位置決め孔で構成されている。その際、この第1係合部72B1は、ユニット後方へ向けて内径が徐々に小さくなるように形成されており、その後端縁の内径は第1位置決めピン74A1の大径部74A1Bの基端部近傍部位の外径と略同じ値に設定されている。
【0065】
図7(b)に示すように、第2レンズ72Bにおける左側の外周フランジ部72Bcには、第2位置決めピン74A2と係合する第2係合部72B2が形成されている。
【0066】
この第2係合部72B2は、第2位置決めピン74A2の大径部74A2Bと係合する位置決め溝で構成されている。その際、この第2係合部72B2は、大径部74A2Bよりも右側の位置から左方向へ向けて延びるように形成されており、ユニット後方へ向けて上下幅が徐々に狭くなるように形成されている。そして、この第2係合部72B2の後端縁の上下幅は、第2位置決めピン74A2の大径部74A2Bの基端部近傍部位の外径と略同じ値に設定されている。
【0067】
図7(c)に示すように、第3レンズ72Cにおける右側の外周フランジ部72Ccには、第3位置決めピン74A3と係合する第3係合部72C3が形成されている。
【0068】
この第3係合部72C3は、第3位置決めピン74A3と係合する略円筒状の位置決め孔で構成されている。その際、この第3係合部72C3は、ユニット前方へ向けて内径が徐々に小さくなるように形成されており、その前端縁の内径は第3位置決めピン74A3の基端部近傍部位の外径と略同じ値に設定されている。
【0069】
図7(d)に示すように、第3レンズ72Cにおける左側の外周フランジ部72Cには、第4位置決めピン74A4と係合する第4係合部72C4が形成されている。
【0070】
この第4係合部72C4は、第4位置決めピン74A4と係合する位置決め溝で構成されている。その際、この第4係合部72C4は、第4位置決めピン74A4よりも右側の位置から左方向へ向けて延びるように形成されており、ユニット前方へ向けて上下幅が徐々に狭くなるように形成されている。そして、この第4係合部72C4の前端縁の上下幅は、第4位置決めピン74A4の基端部近傍部位の外径と略同じ値に設定されている。
【0071】
なお、ホルダ本体74Aの前端面74Aaは、第1および第2位置決めピン74A1、74A2の周辺領域が凹んだ状態で形成されている。また、ホルダ本体74Aの後端面74Abは、第3および第4位置決めピン74A3、74A4の周辺領域が凹んだ状態で形成されている。
【0072】
図4および6に示すように、レンズホルダ74のホルダ本体74Aには、その前端面74Aaにおける周方向の複数箇所(具体的には左右両側の各3箇所)に、第2レンズ72Bを支持するためのレンズ支持部74Aa1が形成されている。
【0073】
各レンズ支持部74Aa1は、ホルダ本体74Aの前端面74Aaにおいてユニット前方側に突出した状態で形成されており、その先端面は光軸Axと直交する同一鉛直面上に位置している。
【0074】
図6にも示すように、第2レンズ72Bは、その左右1対の外周フランジ部72Bcが左右3対のレンズ支持部74Aa1に当接した状態で配置されている。また、第1レンズ72Aは、その左右1対の外周フランジ部72Acが第2レンズ72Bの左右1対の外周フランジ部72Bcに当接した状態で配置されている。
【0075】
そして、第1金具76Aは、第1レンズ72Aの左右1対の外周フランジ部72Acに対してユニット前方側から当接した状態で配置されており、これにより第1および第2レンズ72A、72Bをユニット前後方向に関して位置決めするようになっている。
【0076】
一方、レンズホルダ74のホルダ本体74Aには、その後端面74Abにおける周方向の複数箇所(具体的には左右両側の各3箇所)に、第3レンズ72Cを支持するためのレンズ支持部74Ab1が形成されている。
【0077】
各レンズ支持部74Ab1は、ホルダ本体74Aの後端面74Abにおいてユニット後方側に突出した状態で形成されており、その先端面は光軸Axと直交する同一鉛直面上に位置している。
【0078】
第3レンズ72Cは、その左右1対の外周フランジ部72Ccが左右3対のレンズ支持部74Ab1に当接した状態で配置されている。
【0079】
そして、第2金具76Bは、第3レンズ72Cの左右1対の外周フランジ部72Ccに対してユニット後方側から当接した状態で配置されており、これにより第3レンズ72Cをユニット前後方向に関して位置決めするようになっている。
【0080】
図1および6に示すように、レンズホルダ74のホルダ本体74Aには、その上下両面壁部に前後1対の開口部74Acが形成されている。各開口部74Acは略横長矩形状の開口形状を有している。
【0081】
第1および第2金具76A、76Bは、金属板に曲げ加工を施すことにより形成されている。
【0082】
第1金具76Aは、光軸Axと直交する鉛直面内において第1レンズ72Aを囲むようにしてフレーム状に形成されており、その上下両端部にはユニット後方へ向けて略水平に延びる上下1対のフランジ部76Aaが形成されている。上下1対のフランジ部76Aa相互の間隔は、ホルダ本体74Aの高さ寸法と略同じ値に設定されている。各フランジ部76Aaには、光軸Ax側に切り起こされた切起し部76Abが形成されている。また、各フランジ部76Aaの基端部は波板状に形成されている。
【0083】
そして、ホルダ本体74Aの前端面74Aaに形成されたレンズ支持部74Aa1に第2レンズ72Bの外周フランジ部72Bcを当接させるとともに、この第2レンズ72Bの外周フランジ部72Bcに第1レンズ72Aの外周フランジ部72Acを当接させ、さらに、この第1レンズ72Aの外周フランジ部72Acに対して第1金具76Aをユニット前方側から当接させた状態で、その上下1対の切起し部76Abを、ホルダ本体74Aの上下両面壁部においてユニット前方側に位置する開口部74Acに係止することにより、第1および第2レンズ72A、72Bのレンズホルダ74への組付けが行われるようになっている。
【0084】
この組付けの際、第1金具76Aは、その波板状に形成された各フランジ部76Aaの基端部が弾性変形することによって第1および第2レンズ72A、72Bをレンズホルダ74側へ押圧し、これにより各切起し部76Abを各開口部74Acに対して確実に係止するようになっている。
【0085】
なお、第1金具76Aの内周面には左右1対の切欠き部76Acが形成されており、これにより上記組付けの際に第1および第2位置決めピン74A1、74A2の先端部が該第1金具76Aと干渉してしまうのを未然に防止するようになっている。
【0086】
一方、第2金具76Bは、光軸Axと直交する鉛直面内において第3レンズ72Cを囲むようにしてフレーム状に形成されており、その上下両端部にはユニット前方へ向けて略水平に延びる上下1対のフランジ部76Baが形成されている。
【0087】
この第2金具76Bにおいても、各フランジ部76Baには光軸Ax側に切り起こされた切起し部76Bbが形成されており、各フランジ部76Baの基端部は波板状に形成されている。また、この第2金具76Bの内周面には、第3および第4位置決めピン74A3、74A4との干渉を未然に防止するための左右1対の切欠き部76Bcが形成されている。
【0088】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0089】
本実施形態に係る灯具ユニット10は、その投影レンズ72としてユニット前後方向に並んで配置された第1および第2レンズ72A、72Bを備えているが、これらを支持するレンズホルダ74には、その前端面74Aa(ユニット前後方向の第1端面)における周方向の2箇所に、ユニット前後方向に延びる第1および第2位置決めピン74A1、74A2が形成されており、一方、第1および第2レンズ72A、72Bの各々には、第1および第2位置決めピン74A1、74A2と係合する第1および第2係合部72A1、72A2、72B1、72B2が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0090】
すなわち、第1および第2レンズ72A、72Bの各々は、その第1および第2係合部72A1、72A2、72B1、72Bとレンズホルダ74の第1および第2位置決めピン74A1、74A2との係合によって、投影レンズ72の光軸Axと直交する平面内において位置決めがなされるので、投影レンズ72の光軸Axと直交する方向に関して第1および第2レンズ72A、72Bの位置関係精度を高めることができる。
【0091】
このように本実施形態によれば、投影レンズ72を備えた灯具ユニット10において、投影レンズ72が複数のレンズで構成されている場合であっても、レンズ相互間の位置関係精度を高めることができる。
【0092】
特に、本実施形態に係る灯具ユニット10は、光源52からの出射光を投影レンズ72へ向けて反射させる空間光変調器30を備えた構成となっており、この空間光変調器30と投影レンズ72との位置関係精度を高めることが、灯具ユニット10としての光学的機能を十分に発揮させる上で重要となるので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
【0093】
しかも、本実施形態の構成を採用することにより、レンズホルダ74の内周面に階段状のレンズ支持部を形成する必要がなくなり、これによりレンズホルダ74の外径形状を小さくすることができる。
【0094】
また本実施形態においては、第1および第2レンズ72A、72Bの各々の構成として、第1係合部72A1、72B1が第1位置決めピン74A1と係合する位置決め孔で構成されるとともに、第2係合部72A2、72B2が第2位置決めピン74A2と係合する位置決め溝で構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0095】
すなわち、第1および第2レンズ72A、72Bの各々は、その位置決め孔としての第1係合部72A1、72B1と第1位置決めピン74A1との係合によって投影レンズ72の光軸Axと直交する平面内において並進方向の位置決めがなされた上で、その位置決め溝としての第2係合部72A2、72B2と第2位置決めピン74A2との係合によって第1位置決めピン74A1を中心とする回転方向の位置決めがなされるので、第1および第2位置決めピン74A1、74A2相互間の間隔を厳密に管理しなくても、投影レンズ72の光軸Axと直交する方向に関して第1および第2レンズ72A、72Bの位置関係精度を高めることができる。
【0096】
さらに本実施形態においては、第1および第2位置決めピン74A1、74A2の各々が、小径部74A1A、74A2Aと大径部74A1B、74A2Bとが階段状に形成された段付きピンで構成されており、その上で、第1レンズ72Aに形成された第1および第2係合部72A1、72A2が第1および第2位置決めピン74A1、74A2の小径部74A1A、74A2Aと係合するとともに、第2レンズ72Bに形成された第1および第2係合部72B1、72B2が第1および第2位置決めピン74A1、74A2の大径部74A1B、74A2Bと係合しているので、第1および第2位置決めピン74A1、74A2を形成する際の寸法管理を容易に行うことができる。
【0097】
また本実施形態においては、レンズホルダ74の前端面74Aaにおける周方向の複数箇所に第2レンズ72Bを支持するためのレンズ支持部74Aa1が形成されるとともに、第1および第2レンズ72A、72Bの各々に外周フランジ部72Ac、72Bcが形成されており、その上で、第1レンズ72Aがその外周フランジ部72Acを第2レンズ72Bの外周フランジ部72Bcに当接させた状態で配置されるとともに、第2レンズ72Bcがその外周フランジ部72Bcをレンズホルダ74のレンズ支持部74Aa1に当接させた状態で配置されているので、ユニット前後方向に関しても第1および第2レンズ72A、72Bの位置関係精度を高めることができる。
【0098】
さらに本実施形態においては、投影レンズ72として、第1および第2レンズ72A、72Bに対してユニット前後方向に並んで配置された状態でレンズホルダ74に支持された第3レンズ72Cを備えており、その上で、レンズホルダ74の後端面74Ab(第1端面とは反対側の第2端面)における周方向の2箇所に第3および第4位置決めピン74A3、74A4が形成されるとともに、第3レンズ72Cに第3および第4位置決めピン74A3、74A4と係合する第3および第4係合部72C3、72C4が形成されているので、レンズホルダ74の外径形状を大きくすることなく、第1および第2レンズ72A、72Bと第3レンズ72Cとの位置関係精度を確保することができる。
【0099】
上記実施形態においては、第1および第2位置決めピン74A1、74A2の各々が段付きピンで構成されているものとして説明したが、段付きではない通常のピンで構成されたものを採用することも可能である。
【0100】
上記実施形態においては、第1レンズ72Aの外周フランジ部72Acと第2レンズ72Bの外周フランジ部72Bcとが直に当接しているものとして説明したが、スペーサ等を介して当接している構成を採用することも可能である。
【0101】
上記実施形態においては、レンズホルダ74の前端面74Aaに複数のレンズ(すなわち第1および第2レンズ72A、72B)が支持されている一方、レンズホルダ74の後端面74Abに単一のレンズ(すなわち第3レンズ72C)が支持されているものとして説明したが、レンズホルダ74の後端面74Abにも複数のレンズが支持された構成(例えば前後2枚ずつで計4枚のレンズ構成)とすることも可能である。その際、この後端面74Abにおいても前端面74Aaのレンズ支持構造と同様のレンズ支持構造を採用することにより、同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0102】
上記実施形態においては、車両用灯具100が車両の前端部に設けられるヘッドランプであり、その灯室内に灯具ユニット10が収容された構成について説明したが、これ以外にも例えば、ヘッドランプよりも下方側のバンパー位置に設置される路面描画用ランプに灯具ユニット10が適用された構成や、車体後端部に設置される路面描画用ランプ等に灯具ユニット10が適用された構成とすることも可能である。
【0103】
上記実施形態においては、灯具ユニット10が車載用の灯具ユニットであるものとして説明したが、車載用以外の用途に用いることも可能である。
【0104】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0105】
図8(b)は、本変形例に係るレンズ側サブアッシー170の要部を示す、
図8(a)と同様の図である。
【0106】
本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、第1および第2レンズ172A、172Bの構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0107】
すなわち、本変形例の第1レンズ172Aにおいても、その右側(灯具ユニット正面視では左側)の外周フランジ部172Acにはレンズホルダ74の第1位置決めピン74A1と係合する第1係合部172A1が形成されるとともに、左側の外周フランジ部172Acにはレンズホルダ74の第2位置決めピン74A2と係合する第2係合部172A2が形成されているが、第1および第2係合部172A1、172A2が共に位置決め溝で構成されている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0108】
具体的には、第2係合部172A2は、上記実施形態の第2係合部72A2と同様、第2位置決めピン74A2の小径部74A2Aよりも右側の位置から左方向へ向けて延びるように形成されているが、その右端縁の位置が上記実施形態の場合よりも第2位置決めピン74A2の小径部74A2Aに近接した位置に設定されている。
【0109】
なお、この第2係合部172A2がユニット後方へ向けて上下幅が徐々に狭くなるように形成されており、その後端縁の上下幅が第2位置決めピン74A2の小径部74A2Aの基端部の外径と略同じ値に設定されている点に関しては、上記実施形態の場合と同様である。
【0110】
一方、第1係合部172A1は、光軸Axを含む鉛直面に関して第2係合部172A2と左右対称の形状を有している。
【0111】
これにより、本変形例の第1レンズ172Aは、その第1および第2係合部172A1、172A2が共に位置決め溝で構成されているにもかかわらず、レンズホルダ74に対して上下方向および左右方向の位置決めが十分になされた状態に維持されるようになっている。
【0112】
以上の点に関しては、第2レンズ172Bも第1レンズ172Aと同様の構成を有している。
【0113】
本変形例の構成を採用した場合においても、光軸Axと直交する方向に関して第1および第2レンズ172A、172Bの位置関係精度を高めることができる。
【0114】
また、本変形例の構成を採用した場合には、上記実施形態の場合に比して、第1および第2位置決めピン74A1、74A2相互間の間隔を厳密に管理することが必要となるが、第1および第2係合部172A1、172A2が共に位置決め溝で構成されているので第1および第2位置決めピン74A1、74A2との係合を容易に行うことができ、これによりレンズホルダ74に対する第1レンズ172Aの装着を容易に行うことができる。この点、第2レンズ172Bに関しても同様である。
【0115】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0116】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 灯具ユニット
20 空間光変調ユニット
22 支持基板
24 ヒートシンク
26 ソケット
30 空間光変調器
30A 反射制御部
32 板状部材
34 ガスケット
36 透光カバー
40 ブラケット
40A 鉛直面部
40B 水平面部
50 光源側サブアッシー
52 光源
54 リフレクタ
56 基板
60 ベース部材
62、84 伝熱板
70、170 レンズ側サブアッシー
72 投影レンズ
72A、172A 第1レンズ
72Ac、72Bc、72Cc、172Ac 外周フランジ部
72A1、72B1、172A1 第1係合部
72A2、72B2、172A2 第2係合部
72B、172B 第2レンズ
72C 第3レンズ
72C3 第3係合部
72C4 第4係合部
74 レンズホルダ
74A ホルダ本体
74Aa 前端面(第1端面)
74Aa1、74Ab1 レンズ支持部
74Ab 後端面(第2端面)
74Ac 開口部
74A1 第1位置決めピン
74A1A、74A2A 小径部
74A1B、74A2B 大径部
74A2 第2位置決めピン
74A3 第3位置決めピン
74A4 第4位置決めピン
74B 脚部
74Ba 長孔
76A 第1金具
76Aa、76Ba フランジ部
76Ab、76Bb 切起し部
76Ac、76Bc 切欠き部
76B 第2金具
80 ヒートシンク
82 放熱ファン
86 ヒートパイプ
100 車両用灯具
102 ランプボディ
104 透光カバー
Ax 光軸
F 後側焦点