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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
A63F5/04 603A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019188346
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021062017
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】三澤 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】和田 学
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真寛
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】大澤 友和
(72)【発明者】
【氏名】岩井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】西澤 暢
(72)【発明者】
【氏名】内田 翔也
(72)【発明者】
【氏名】萩原 雄一
(72)【発明者】
【氏名】木村 優介
(72)【発明者】
【氏名】森山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰彦
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-078540(JP,A)
【文献】特開2004-267442(JP,A)
【文献】「四武将リーチ 直江兼続リーチ」,youtube[online][video],2016年11月07日,<https://www.youtube.com/watch?v=UqNZ7c4kc0Y>,1:24-1:43/2:00
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備えた遊技機において、
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像と、前記特定の表示についての画像であって、前記第1画像よりもサイズが大きい第2画像と、が記憶されており、
前記表示手段において前記特定の表示を拡大させる拡大演出を、前記第1画像を拡大した所定画像、あるいは、前記第2画像を縮小した所定画像、のうちの少なくともいずれかを用いて実行可能となっており、
前記拡大演出が実行された場合、少なくとも、前記所定画像、前記第2画像が、この順に表示され、
前記拡大演出の実行中に、前記所定画像が所定時間の間表示された後、前記所定画像の前面に前記所定画像の周縁を覆うエフェクトが表示され、
前記所定時間は、前記所定画像の周縁におけるジャギーを遊技者が認識することができない程度の長さとなっている
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備えた遊技機において、
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像と、前記特定の表示についての画像であって、前記第1画像よりもサイズが大きい第2画像と、が記憶されており、
前記表示手段において前記特定の表示を縮小させる縮小演出を、前記第2画像を縮小した所定画像、あるいは、前記第1画像を拡大した所定画像、のうちの少なくともいずれかを用いて実行可能となっており、
前記縮小演出が実行された場合、少なくとも、前記所定画像、前記第1画像が、この順に表示され、
前記縮小演出の実行中に、前記所定画像が所定時間の間表示された後、前記所定画像の前面に前記所定画像の周縁を覆うエフェクトが表示され、
前記所定時間は、前記所定画像の周縁におけるジャギーを遊技者が認識することができない程度の長さとなっている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップボタン等を備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技媒体(メダル)がベットされた後、スタートレバーが操作されたことを検出すると、複数のリールの回転が開始する。また、各リールに対応して設けられたストップボタンが操作されたことを検出すると、当該ストップボタンに対応するリールの回転が停止する。このとき、払い出しの対象となる有効ライン上に当選役に対応する図柄組み合わせが表示されると、所定枚数のメダルが払い出される等、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0003】
また、遊技機として、遊技盤、および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技媒体(遊技球)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。遊技機としてのスロットマシンやパチンコ遊技機には、液晶ユニットを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-200498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液晶ユニットは液晶ディスプレイ(表示手段)を備えており、遊技機の制御手段が遊技状態等に応じて表示手段の表示内容を変化させることで演出(表示演出)が行われる。この制御手段による表示演出の一つに、小サイズ(例えば、画面の1/4サイズ)の画像の表示を徐々に拡大させ、大サイズ(例えば全画面サイズ)の画像の表示になるとその拡大を停止させる拡大演出がある。この拡大演出に、例えば小サイズの画像の表示から大サイズの画像の表示になるまでの一連の動画を用いる場合、記憶手段(ROM)の容量が圧迫される(容量に負担がかかる)おそれがあった。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、記憶手段の容量に負担をかけずに画像表示の拡大演出または縮小演出を実現できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像と、前記特定の表示についての第2画像とが記憶されており、前記第2画像は前記第1画像よりもサイズが大きく、
前記制御手段は、前記特定の表示を拡大させていく演出において、前記第1画像、前記第1画像を拡大した画像、前記第2画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、特定の表示を拡大させていく演出において、前記第1画像、前記第1画像を拡大した画像、前記第2画像の順に表示手段に表示するため、予め第1画像と第2画像とを記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担を減らすことができる。
【0009】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像と、前記特定の表示についての第2画像とが記憶されており、前記第2画像は前記第1画像よりもサイズが大きく、
前記制御手段は、前記特定の表示を拡大させていく演出において、前記第1画像、前記第2画像を縮小した画像、前記第2画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、特定の表示を拡大させていく演出において、前記第1画像、前記第2画像を縮小した画像、前記第2画像の順に前記表示手段に表示するため、予め第1画像と第2画像とを記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担を減らすことができる。
【0011】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像が記憶されており、
前記制御手段は、前記特定の表示を拡大させていく演出において、前記第1画像、前記第1画像を拡大した画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、特定の表示を拡大させていく演出において、前記第1画像、前記第1画像を拡大した画像の順に表示手段に表示するため、予め第1画像を記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担をさらに減らすことができる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第2画像が記憶されており、
前記制御手段は、前記特定の表示を拡大させていく演出において、前記第2画像を縮小した画像、前記第2画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、特定の表示を拡大させていく演出において、前記第2画像を縮小した画像、前記第2画像の順に前記表示手段に表示するため、予め第2画像を記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担をさらに減らすことができる。
【0015】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像と、前記特定の表示についての第2画像とが記憶されており、前記第2画像は前記第1画像よりもサイズが大きく、
前記制御手段は、前記特定の表示を縮小させていく演出において、前記第2画像、前記第2画像を縮小した画像、前記第1画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、特定の表示を縮小させていく演出において、前記第2画像、前記第2画像を縮小した画像、前記第1画像の順に表示手段に表示するため、予め第1画像と第2画像とを記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担を減らすことができる。
【0017】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像と、前記特定の表示についての第2画像とが記憶されており、前記第2画像は前記第1画像よりもサイズが大きく、
前記制御手段は、前記特定の表示を縮小させていく演出において、前記第2画像、前記第1画像を拡大した画像、前記第1画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、特定の表示を縮小させていく演出において、前記第2画像、前記第1画像を拡大した画像、前記第1画像の順に前記表示手段に表示するため、予め第1画像と第2画像とを記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担を減らすことができる。
【0019】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第1画像が記憶されており、
前記制御手段は、前記特定の表示を縮小させていく演出において、前記第1画像を拡大した画像、前記第1画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、特定の表示を縮小させていく演出において、前記第1画像を拡大した画像、前記第1画像の順に表示手段に表示するため、予め第1画像を記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担をさらに減らすことができる。
【0021】
また、本発明の遊技機は、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への画像の表示を制御する制御手段と、
画像が記憶された記憶手段と、を備え
前記記憶手段には、特定の表示についての第2画像が記憶されており、
前記制御手段は、前記特定の表示を縮小させていく演出において、前記第2画像、前記第2画像を縮小した画像の順に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、特定の表示を縮小させていく演出において、前記第2画像、前記第2画像を縮小した画像の順に表示手段に表示するため、予め第2画像を記憶手段に用意しておけばよく、記憶手段の容量負担をさらに減らすことができる。
【0023】
また、本発明の前記構成において、前記制御手段は、前記演出に用いる前記第1画像を拡大した画像または前記第2画像を縮小した画像にエフェクトを施し、前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0024】
このような構成によれば、第1画像を拡大した画像が粗さを有する場合や、第2画像を縮小した画像に潰れが生じている場合であってもエフェクトによりその粗さや潰れを目立たなくすることができる。これにより、拡大演出または縮小演出の見た目上の違和感をなくすことができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、記憶手段の容量に負担をかけずに画像表示の拡大演出または縮小演出を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機(スロットマシン)の一例を示すもので、その斜視図である。
図2】同、機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る遊技機(パチンコ遊技機)の一例を示すもので、その斜視図である。
図4】同、遊技盤を正面側から見た図である。
図5】同、機能ブロック図である。
図6】本発明の遊技機の液晶ディスプレイの表示を示すもので、モード選択画像が表示されている状態を示す図である。
図7】同、(a)はモード選択画像の表示を示す図であり、(b)(c)は拡大アクション画像の表示を示す図であり、(d)はモードBの拡大画像の表示を示す図である。
図8】同、(a)はモード選択画像の表示を示す図であり、(b)(c)は拡大アクション画像にエフェクトが施された表示を示す図であり、(d)はモードBの拡大画像の表示を示す図である。
図9】同、(a)はモード選択画像の表示を示す図であり、(b)は拡大アクション画像にエフェクトが施された表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
(スロットマシン)
まず遊技機の一つであるスロットマシンについて説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0028】
図1に示すように、スロットマシン100は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体111と、当該筐体111の前面側開口を開閉する前扉112とを備えている。筐体111の内側には、回転自在な第1リール131、第2リール132および第3リール133がユニット化されたリールユニット130と、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前扉112は、上扉112aと下扉112bとに分割されており、これら上扉112aおよび下扉112bはそれぞれ筐体111に対して開閉自在となっている。
【0029】
上扉112aは、筐体111に、例えばヒンジを介して回動可能に連結されており、筐体111の開口の上部を開閉するようになっている。また、下扉112bは、筐体111に、例えばヒンジを介して回動可能に連結されており、筐体111の開口の下部を開閉するようになっている。
【0030】
上扉112aには、液晶ディスプレイ113、スピーカ114等の演出用の装置、および表示窓(透視窓)115が設けられている。液晶ディスプレイ113は、ほぼ鉛直に設けられている。液晶ディスプレイ113には、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。スピーカ114からは、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉112には、報知や演出等を行うための照明装置116が複数設けられている。なお、演出用の装置(演出装置)として、液晶ディスプレイ113やスピーカ114、照明装置116等の他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を設けてもよい。
【0031】
筐体111内には、交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニット130と、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。リールユニット130は、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個のリール131,132,133とを備えている。基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。この基板ユニットは、スロットマシン100の遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
【0032】
上扉112aの下部に設けられた表示窓115は、上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられている。この表示窓115の奥には、3個のリール(第1リール131、第2リール132および第3リール133)が横一列に設けられている。図示を省略しているが、各リールの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配置されており、各リールが停止すると、表示窓115を介して1リール当たり3個の連続する図柄が表示される。
【0033】
表示窓115には、各リール131,132,133の図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール131,132,133の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施の形態のスロットマシン100では、横3本と斜め2本とからなる計5本の有効ラインが設定されている。また、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。そして、3個のリール131~133が停止したときに有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否か判定される。
【0034】
スロットマシン100では、遊技開始に伴って各リール131,132,133が回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、各リール131,132,133が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0035】
下扉112bの上部には、スロットマシン100を操作するための操作部150が設けられている。下扉112bの下部には、スロットマシン100の内部(ホッパー装置)よりメダルを払い出すメダル払い出し口125と、メダル払い出し口125から排出された(払い出された)メダルを溜めておくためのメダル受け皿126等が設けられている。本実施の形態では、操作部150とメダル受け皿126との間に、液晶ディスプレイが設けられている。以下、液晶ディスプレイ113という場合、操作部150とメダル受け皿126との間のこの液晶ディスプレイが含まれていてもよいものとする。
【0036】
操作部150には、メダルを投入するためのメダル投入口121、クレジット(貯留)されたメダルをベットするためのMAXベットボタン(ベットボタン)122、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー123、回転している各リール131,132,133を停止させるための3個のストップボタン124等が設けられている。メダル投入口121の奥には、メダル投入口121から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。また、メダル投入口121の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタンが設けられていてもよい。また、最大数(3枚)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン122の他、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(ベットボタン)が設けられていてもよい。
【0037】
また、操作部150には、遊技の演出等を選択するための演出設定操作部(十字ボタン)や、表示ユニット(第1メイン表示器、第2メイン表示器)等が設けられていてもよい。なお、演出設定操作部は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を備えている。
【0038】
また、操作部150には演出ボタン128が設けられている。演出ボタン128は、遊技者によって押下操作可能に形成されており、押下されることで例えば液晶ディスプレイ113に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。演出ボタン128は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、押下操作が有効な状態となる。演出ボタン128を設けることで、遊技者の遊技への参加意識が高まり、遊技の興趣が向上する。なお、演出ボタン128の配置は、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
【0039】
また、操作部150には、メダルを払い出す精算処理を実行するための精算ボタン152が設けられている。精算ボタン152の操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。本実施の形態における精算ボタン152の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ここで、ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合の精算ボタン152の操作による精算パターンとしては、例えば2つのパターンがある。一つ目は、1回の精算ボタン152の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンである。二つ目は、1回目の精算ボタン152の操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの精算後の2回目の精算ボタン152の操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンである。
【0040】
スロットマシン100では、メダル投入口121にメダルが投入、または、MAXベットボタン122が操作(押下)されて規定枚数のメダルがベット(投入)されることで、スタートレバー123の操作が有効化される。すなわち、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、有効化されたスタートレバー123が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール131,132,133が回転を開始し、各リール131,132,133の回転速度が一定速度(所定の速度)に到達して定常回転となるとストップボタン124の操作が有効化される。そして、有効化されたストップボタン124が操作されると、操作されたストップボタン124に対応する各リール131,132,133が停止する。すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0041】
スロットマシン100の内部には、遊技に関するコマンドを決定して該コマンドを送信する主制御装置(メイン制御基板)200と、主制御装置200から前記コマンドを受信してその受信したコマンドに対応する処理を実行する副制御装置(サブ制御基板)300とが設けられている。
主制御装置200は、MAXベットボタンを含むベットボタン122、スタートレバー123、ストップボタン124、メダル投入口121から投入されるメダルの通過を検知する通過検知センサ、精算ボタン152等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリールユニット(リール131,132,133)、ホッパー装置等の出力手段の制御を行なう。
【0042】
副制御装置300は、主制御装置200から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて、液晶ディスプレイ113およびスピーカ114等の演出装置の制御を行なう。
【0043】
主制御装置200と副制御装置300とは電気的に接続されており、主制御装置200から副制御装置300へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド信号)の送信が可能となっているが、副制御装置300から主制御装置200へは情報を送信できないようになっている。また、主制御装置200や副制御装置300等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0044】
図2に示すように、主制御装置200は、遊技制御手段201および主記憶手段202等を備えている。遊技制御手段201は、遊技の進行を制御する。遊技制御手段201は、メダルが投入され、スタートレバー123が操作されると、当選役抽選により役の当否を決定するとともに、リール131,132,133を回転させ、ストップボタン124に対する停止操作が行われると、当選役抽選の結果に応じて回転中のリールを停止させて、有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて役が入賞したか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことによって、遊技を進行させるメインループ処理を行う。主記憶手段202には、当選役抽選テーブル、当選フラグの設定情報、メダルのクレジット数等が記憶されている。
【0045】
図2に示すように、副制御装置(制御手段)300は、演出制御手段301および副記憶手段(記憶手段)302等を備えている。演出制御手段301は、主に遊技中や待機中の各演出を制御する。演出制御手段301は、液晶ディスプレイ113を介しての表示演出や、スピーカ114を介しての音響演出や、照明装置116を介しての発光演出に関する制御を行う。演出制御手段301は、例えば、遊技状態等に応じて液晶ディスプレイ113の表示内容を変化させたり、スピーカ114から音を出力させたり、照明装置116を点灯/消灯させたりし、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出を実行する。具体的には、メダルの投入や、ベットボタン122、精算ボタン152、スタートレバー123、ストップボタン124に対する操作や、遊技状態の変動等に応じて、液晶ディスプレイ113の表示内容を変化させたり、スピーカ114から音を出力させたりする。副記憶手段302には、受信したコマンドと対応付けられた演出データ(画像データ、音データ等)等が記憶されている。
【0046】
(パチンコ遊技機)
次に遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明する。
図3は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。パチンコ遊技機1は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、パチンコ遊技機1の外側面を形成する外枠2と、パチンコ遊技機1の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
【0047】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が設けられている。
【0048】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、パチンコ遊技機1から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20をパチンコ遊技機1に向かって右回りに回転させる操作を行うと、パチンコ遊技機1の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0049】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0050】
上皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、パチンコ遊技機1で行われる演出が変化する。詳細には演出操作装置26は、押しボタンスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を内蔵しており、演出操作装置26を押下する操作と、演出操作装置26を回転させる操作を検出することができるようになっている。
【0051】
図4は、図3で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図4に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0052】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。
【0053】
本実施の形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0054】
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0055】
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
【0056】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図4は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
【0057】
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図4は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0058】
遊技球の発射装置は、図3で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0059】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0060】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
パチンコ遊技機1は、図5に示す主制御装置(メイン制御基板)200および副制御装置(サブ制御基板)300を含む制御基板によって制御される。そして、主制御装置200や副制御装置300等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。主制御装置200と副制御装置300との間では、主制御装置200から副制御装置300への単方向通信のみが可能となっており、副制御装置300からは主制御装置200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0061】
図5に示すように、主制御装置200は、遊技制御手段201および主記憶手段202等を備えている。主制御装置200は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
【0062】
副制御装置(制御手段)300は、演出制御手段301および副記憶手段(記憶手段)302等を備えている。副制御装置300は、主制御装置200から送信されたコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
【0063】
演出制御手段301は、前枠ランプ12(照明装置)を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、スピーカ14から演出音を出力させたり、演出物(可動役物)を動作させたりする等、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出を演出装置に実行させる。
【0064】
(演出制御)
次に、上述したスロットマシン100やパチンコ遊技機1の副制御装置300による演出(表示演出)の制御について説明する。演出制御手段301は、主制御装置200から送信されたコマンド(信号)や、演出ボタン128(図1)または演出操作装置26(図3)の操作に基づき出力された信号等に基づいて、副記憶手段(サブROM)302に記憶されている演出データをRAMに読み出して演算処理を行い、演出の実行を制御する。
【0065】
演出制御手段301は、待機中における画像や遊技の進行に応じた画像を、画像を表示する表示手段、すなわち液晶ディスプレイ113(図1)または液晶ディスプレイ32(図4)に表示させる制御を行う。なお、液晶ディスプレイ113または液晶ディスプレイ32の液晶基板が、演出制御手段301の一部または全部を備えることとしてもよい。
【0066】
副記憶手段302には、背景画像データ、キャラクタ画像データ、文字画像データ(例えば「BONUS確定」という文字)、図形画像データ(例えばハート形)、遊技者への報知画像データ(例えば演出ボタン128の操作指示)等の画像データが格納されている。これらの画像データには、静止画データの他、動画データ(アニメーションデータ)(ムービーデータ)が含まれている。演出制御手段301は、主制御装置200から送信されたコマンド(例えばボーナス入賞を示すコマンド)に基づいて、所定の画像データを副記憶手段302から読み出し、所定の画像を表示手段に表示する。
【0067】
ここで、演出制御手段301による表示制御の例を説明する。例えば、演出制御手段301は、複数の画像データを副記憶手段302から読み出して、それらの画像を交互に(順番に)表示手段に表示することで、画像の揺動を実現する。また、演出制御手段301は、同一の画像データであって透明度の異なるものを副記憶手段302から読み出し、透明度の低い画像から透明度の高い画像へと順に表示することで、フェードアウトを実現する。また、演出制御手段301は、背景画像と、キャラクタ画像と、遊技者への報知画像とを同時に表示する際にそれらが重畳する領域が存在する場合、例えば、背景画像よりもキャラクタ画像が手前に見え、キャラクタ画像よりも遊技者への報知画像が手前に見えるように制御する。
【0068】
演出制御手段301が実行する演出(表示演出)の一つにモード選択演出がある。モード選択演出では、モード選択画像が液晶ディスプレイに表示される。モード選択画像は、例えば特定の遊技状態での遊技中等に、遊技者に、演出の異なる複数のモードの中から所望のモードを選択させる際に表示される画像である。
【0069】
図6は、モード選択画像の一例を示す図である。矩形状である液晶ディスプレイの1画面を均等に4分割した各領域に、モードA~モードDに対応する画像(モードA画像~モードD画像)が表示されている。モード選択演出では、特定のモードが選択されると、その特定のモードに対応する画像の表示が拡大されていく演出(拡大演出)が実行されるものがある。
【0070】
図6に示すモード選択画像が表示されている場合、遊技者は、例えば演出ボタン128(図1)または演出操作装置26(図3)を操作し、モードA~モードDの中からいずれか1つのモードを選択できる。ここで、遊技者がモードBを選択したとする。モードBが選択されると、拡大演出が開始され、モードB画像(1画面の1/4サイズ)の表示が拡大され、モードB画像の表示が所定のサイズ(本実施の形態では全画面サイズ、すなわち液晶ディスプレイの画面全体を占めるサイズ)に到達するとその拡大が停止する。
【0071】
この拡大演出に、1画面の1/4サイズの画像の表示が徐々に大きくなり、全画面サイズの画像の表示になるまでの一連の動画を用いる場合、各モード(モードA~モードD)に対応する当該動画をそれぞれ用意(副記憶手段302に記憶)しなければならず、副記憶手段302(ROM)の使用量が大きくなる。換言すると、副記憶手段302の記憶容量が圧迫される(記憶容量に負担がかかる)。ROM自体の画像や動画を保存する領域全体の保存容量には限りがある。また、静止画用と動画用とでは保存領域が分けられており、それぞれの保存領域には保存容量に限りがある。したがって、ROMに格納できる動画の容量は制限されているため、ROMの空き容量が不足する。これにより、他の演出に使用できる容量が減るという問題が生じる。また、より大容量のROMを用いる場合には、コストアップの要因となる。
【0072】
本実施の形態では、上記の問題を回避しつつ拡大演出を実現する。副記憶手段302には、拡大演出の対象となる画像表示(特定の表示)について、第1画像データ(第1画像)(小サイズ)と、第1画像データよりもサイズの大きい第2画像データ(第2画像)(大サイズ)とがそれぞれ記憶されている。本実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを静止画(1フレーム分の1枚絵)データとする。第2画像データは、第1画像データを拡大した画像データ(データとして元々第1画像データよりも大きい)である。
【0073】
本実施の形態においては、第1画像データが、960pixel×540pixel(画面解像度)となっており、第2画像データが、1920pixel×1080pixel(画面解像度)となっており、第1画像データは第2画像データの1/4のサイズとなっている。なお、本実施の形態では、第1画像データは、図7(a)の表示(後述する)に用いられるため第2画像データ(全画面サイズ)の1/4のサイズとなっているが、演出画面の表示構成や第2画像データの大きさ次第では、第2画像データの1/4のサイズに限らない。すなわち、第1画像データは第2画像データよりも小さければ、第2画像データの1/2や1/3等の適宜のサイズとすることができ、第2画像データの1/4~1/3内のサイズとしてもよい。なお、本実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを矩形状とするが、矩形状に限らず、円形状等であってもよく、さらにはワイプ画像の画像データ、小窓画像の画像データ、キャラクタ画像の画像データ等であってもよい。また、第1画像データと第2画像データとは同一の外形を有するものに限らない。すなわち、第2画像データは、第1画像データと同一の表示(同一のコンテンツを表示)するものとなっていれば、その外形が異なっていてもよい。
【0074】
演出制御手段301は、モード選択演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードA~モードDの第1画像データ(小サイズ)を副記憶手段302から読み出して、モード選択画像を液晶ディスプレイに表示する(図7(a)参照)。具体的には、本実施の形態では、モードAの第1画像を左上に表示し、モードBの第1画像を右上に表示し、モードCの第1画像を左下に表示し、モードDの第1画像を右下に表示する。演出制御手段301は、拡大アクション前の第1画像を原寸大のまま(元のデータのまま)、液晶ディスプレイに表示する。
【0075】
ここで、モードBが選択されたとする。演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードB(特定の表示)の第1画像データを徐々に(段階的に)拡大し(すなわち拡大アクション画像を生成し)、第1画像データを拡大した画像を順に液晶ディスプレイに表示する(図7(b)、図7(c)参照)。拡大アクション画像とは、第1画像データを画像処理によって引き伸ばした画像である。この拡大アクション画像の一例としては、第1画像と第2画像との中間のサイズの画像がある。本実施の形態では、拡大アクション画像が2つ生成され表示される場合を示したが、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成され表示されるものであればよい。なお、図7(b)および図7(c)では、拡大アクション画像が表示されているレイヤーの背後のレイヤーにモード選択画像が表示されているが、拡大アクション画像が表示されているレイヤーの背後のレイヤーに風景画像等を表示させていてもよい。
【0076】
次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像(複数ある場合には最後の拡大アクション画像)の表示後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データ(大サイズ)を読み出し、第2画像を液晶ディスプレイに表示する(図7(d)参照)。換言すると、演出制御手段301は、拡大アクション画像の表示を第2画像データの表示に差し替える。演出制御手段301は、拡大アクション後の第2画像を原寸大のまま(元のデータのまま)、液晶ディスプレイに表示する。
なお図7では、モードBが選択されて拡大演出が実行される場合を示したが、他のモードが選択された場合にも同様の拡大演出が実行される。
【0077】
なお、本実施の形態では、図7(d)において、第2画像を全画面サイズ(液晶ディスプレイの画面全体を占める大きさ)としたが、これに限らず、第2画像を全画面サイズよりも小さいものとしてもよい。(すなわち、第2画像が表示されているレイヤーの背後のレイヤーに表示されているモード選択画像や風景画像等が見えていてもよい。)
ここで、図7(b)の拡大アクション画像を拡大アクション画像αとし、図7(c)の拡大アクション画像を拡大アクション画像βとする。拡大アクション画像αが表示されているレイヤーをレイヤーnとすると、拡大アクション画像βは、レイヤーnよりも手前のレイヤーn+1に表示される。図7(b)から図7(c)に移行する際に、レイヤーnの拡大アクション画像αを非表示としてからレイヤーn+1に拡大アクション画像βを表示させてもよく、レイヤーnに拡大アクション画像αを表示させたまま、レイヤーn+1に拡大アクション画像βを表示させてもよい。なお、重複するため説明を省略するが、図7(c)から図7(d)に移行する際も同様である。
【0078】
本実施の形態によれば、演出制御手段301は、特定の表示を拡大させる演出において、第1画像(小サイズ)を表示した後、拡大アクション画像としての第1画像データを拡大した画像を表示し、拡大アクション画像を表示した後、第2画像(大サイズ:元々用意されている画像)を表示するため、副記憶手段302の容量が圧迫される(容量に負担がかかる)のを防止できる。換言すると、副記憶手段302の使用量を削減できる。具体的には、静止画データである第1画像データおよび第2画像データを用意すればよいため、拡大演出(縮小状態の表示をし、次に拡大アクションの表示をし、次に拡大状態の表示をする)を一連の動画で実現する場合に比べて、拡大アクション部分のムービー(動画)を用意(記憶)しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。すなわち、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。
【0079】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを静止画データとしたが、本実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを動画データとする。第1画像データ(動画データ)および第2画像データ(動画データ)は、副記憶手段302に記憶されたピクセル数の異なる演出動画であり、本実施の形態では、第1画像データが960pixel×540pixelとなっており、第2画像データが1920pixel×1080pixelとなっている。動画は、同一内容の絵(画像)が所定秒数(例えば1秒等)ループして再生されるものである。なお、動画の内容は同一内容ではなく、内容が変化するものであってもよい。内容が変化する動画としては、キャラクタが走っている動画等がある。
【0080】
演出制御手段301は、モード選択演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードA~モードDの第1画像データを副記憶手段302から読み出し、それぞれの第1画像(動画)を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。ここで、モードBが選択されたとする。演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードBの第1画像(動画)の中の1フレームを徐々に(段階的に)拡大し(すなわち拡大アクション画像を生成し)、拡大アクション画像を順に液晶ディスプレイに表示する。動画は複数の画像により構成されるものであるが、拡大アクション画像すなわち第1画像を拡大した画像は、動画(第1画像)の中の1フレームを拡大したものとなる。
【0081】
演出制御手段301は、拡大アクション画像(複数ある場合には最後の拡大アクション画像)の表示後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データを読み出し、第2画像(動画)を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。このとき、拡大アクション画像(第1画像(動画)の1フレームを画像処理によって引き伸ばしたもの)と第2画像との切り替えは、同じ場面から動画が継続するように切り替える。
【0082】
なお、本実施の形態では第1画像データおよび第2画像データの両方を動画データとしたが、第1画像データまたは第2画像データのいずれか一方を動画データとし、他方を静止画データとしてもよい。そのように、第1画像データまたは第2画像データのいずれか一方を動画データとし、他方を静止画データとした場合や、第1画像データおよび第2画像データの両方を動画データとした場合であっても、拡大演出(縮小状態の表示をし、次に拡大アクションの表示をし、次に拡大状態の表示をする)を一連の動画で実現する場合に比べて、拡大アクション部分のムービー(動画)を用意(記憶)しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。すなわち、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。
【0083】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態および第2の実施の形態では、まず第1画像を表示し、次に第1画像を拡大した画像(拡大アクション画像)を表示し、次に第2画像を表示するものであった。本実施の形態では、まず第1画像を表示し、次に第2画像を縮小した画像(拡大アクション画像)を表示し、次に第2画像を表示することにより拡大演出を実現する。
【0084】
演出制御手段301は、モード選択演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードA~モードDの第1画像データを副記憶手段302から読み出し、それぞれの第1画像(動画)を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。ここで、モードBが選択されたとする。演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードBの第2画像データ(大サイズ)を副記憶手段302から読み出し、モードBの第2画像データを縮小するとともに、モードBの第2画像データを最も縮小したものから順に(段階的に)拡大していき、これらを拡大アクション画像として順に表示する。なお、モードBの第2画像データを最も縮小したもののサイズは、第1画像データのサイズよりも大きい。この拡大アクション画像の一例としては、第1画像と第2画像の中間のサイズの画像がある。なお、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成され表示されるものであればよい。次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像(複数ある場合には最後の拡大アクション画像)の表示後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データを読み出し、第2画像を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。
【0085】
本実施の形態によれば、演出制御手段301は、特定の表示を拡大させる演出において、第1画像を表示した後、拡大アクション画像としての第2画像データを縮小した画像を表示し、拡大アクション画像を表示した後、第2画像を表示するため、副記憶手段302の容量が圧迫される(容量に負担がかかる)のを防止できる。換言すると、副記憶手段302の使用量を削減できる。具体的には、第1画像データおよび第2画像データを用意すればよいため、拡大演出(縮小状態の表示をし、次に拡大アクションの表示をし、次に拡大状態の表示をする)を一連の動画で実現する場合に比べて、拡大アクション部分のムービー(動画)を用意(記憶)しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。すなわち、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。本効果は、第1画像データおよび第2画像データを静止画とした場合であっても、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも一方を動画とした場合であっても得られる。第2画像データが動画である場合、拡大アクション画像すなわち第2画像を縮小した画像は、動画(第2画像)の中の1フレームを縮小したものとなる。
【0086】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態および第2の実施の形態において、第1画像データ(第2画像データの1/4のサイズのピクセル数を有する)を拡大した画像を拡大アクション画像とする場合、画像によっては拡大することにより粗さが目立ち、いわゆるジャギーが視認されてしまうことで美観性が低下したり、拡大アクション画像の視認性が低下することがある。また、拡大アクション画像の後ろの画像(拡大アクション画像の背後のレイヤーに表示されている画像)の解像度とその画像の表示画面上の表示範囲とは合っているが、拡大アクション画像の解像度とその拡大アクション画像の表示画面上の表示範囲とが合っていないという場合、拡大アクション画像の視認性が低下することがある。このような拡大アクション画像の視認性の低下は、遊技の興趣の低下を招くおそれがある。
本実施の形態では、拡大アクションの実行中(拡大アクション画像の表示中)に、拡大アクション画像にエフェクトを施す。
【0087】
エフェクトに用いられるエフェクトデータは副記憶手段302に記憶(格納)されている。エフェクトデータは、ムービーデータ(動画のエフェクト)等であって、拡大演出以外の演出にも汎用的に使用されるデータである。なお、エフェクトデータは拡大演出(または後述する縮小演出)専用として用意されているものであってもよい。このエフェクトデータを用いて演出用画像にエフェクトを施した画面表示を行うことができる。エフェクトデータとしては、動きのあるエフェクト(例えば炎が揺れているようなもの)がある。なお、動きのないエフェクト(枠等)でもよい。動きのあるエフェクトデータとしては、フラッシュが明滅するもの、煙のようなもの等がある。拡大アクション画像に動きのあるエフェクトを施して表示することで、拡大アクション画像の粗さが目立つのを防止できる。なお、エフェクトデータは静止画データであってもよい。エフェクトデータを静止画データとした場合、ムービーデータ(動画)の場合に比べてROMの使用量を小さくできる。
【0088】
エフェクトの一例(エフェクトの例1)について説明する。図8は、拡大アクション画像の全面を覆う大きさを有するエフェクト(透過性を有しないエフェクト)を、拡大アクション画像が表示されているレイヤーの手前側(前側)のレイヤーに表示したものである。図8では、拡大アクション画像として煙のエフェクトを用いている。図8(a)に示すモード選択画像が表示されている状態でモードBが選択されると、演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードBの第1画像データを拡大した拡大アクション画像を生成するとともに、副記憶手段302から所定のエフェクトデータ(本例では煙のエフェクトのデータ)を読み出す。そして、図8(b)および図8(c)に示すように、演出制御手段301は、拡大アクション画像にエフェクト(煙のエフェクト)を施して表示する。
【0089】
次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像にエフェクトを施したものを表示した後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データ(大サイズ)を読み出し、第2画像を表示する(図8(d))。演出制御手段301は、エフェクトが表示されているレイヤーの手前側のレイヤーに第2画像を表示する。第2画像を表示するにあたり、その背後のレイヤーに表示されている画像を表示したままとしても非表示としてもよい。なお、エフェクトは、第1画像と拡大アクション画像と第2画像のうち、すべてに施されてもよく、また、少なくとも拡大アクション画像に施されていれば、それらのうちの一部に施されるものであってもよい。
【0090】
演出制御手段301は、第1画像を表示した後、拡大アクション画像にエフェクトを施して表示し、その後、第2画像を表示する。このため、拡大アクション画像としての第1画像データを拡大した(引き伸ばした)画像が粗さを有する場合であっても、エフェクトを施すことによってその粗さが目立たない。すなわち、画像を拡大させるアクションの表示中に、拡大アクション画像の粗さを目立たないようにすることができる。このため、拡大アクション画像の粗さが遊技者に視認されることがなく、特定の画像が拡大表示されていくような演出を行う際に、見た目上、違和感のない映像表現を実現することができる。これにより、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0091】
(エフェクトの例2)
図8で示したエフェクトの例1は透過性を有していないものとしたが、エフェクトは透過性を有するものとしてもよい。すなわち、半透明画像のエフェクト(ぼかし)としてもよい。このとき、エフェクトの透明度は、拡大アクション画像の粗さが目立たなくなる透明度に設定されている。要は、エフェクトは、拡大アクション画像を完全に遮るものに限らず、遊技者が視認した際に拡大アクション画像の粗さが目立たなくなっているもの(粗さが軽減されているもの)であればよい。
【0092】
(エフェクトの例3)
エフェクト(エフェクトのデザイン)は、拡大アクション画像の粗さを目立たなくするものであれば、拡大アクション画像の全面を覆うものに限らず、拡大アクション画像を部分的に覆うものでもよい。画像によっては拡大した際に周辺部分のみ粗さが目立つものが存在するため、そのような画像を用いる場合には、透過性を有しないエフェクトを粗さの目立つ部分(特に拡大アクション画像の縁(輪郭)部分)にかければよい。エフェクトとしては、拡大アクション画像の周辺部分を覆う太枠や模様(炎や草形状等)を用いることができる。このようにすることで、拡大アクション画像における粗い部分がエフェクトにより覆われ(遮られ)、拡大アクション画像の粗さが目立つのを防止できる。拡大アクション画像を部分的に覆うエフェクトは、拡大アクション画像の全面を覆うエフェクトに比べてROMの使用量が小さい。なお、本例において、拡大アクション画像を部分的に覆うエフェクトが、拡大アクション画像の粗さが目立たない程度の透過性を有するものとしてもよい。
【0093】
(エフェクトの例4)
拡大アクション画像とその背後に表示されている画像との境界が目立つ場合には、拡大アクション画像の外周縁を囲むエフェクトとしてもよい。すなわち、エフェクトとして、拡大アクション画像の外周縁の外側部分に隣接する太枠を用いてもよい。
【0094】
本実施の形態では、エフェクトが表示されるレイヤーと、拡大アクション画像が表示されるレイヤーとが異なり、前者のレイヤーが後者のレイヤーよりも手前側である場合を示した。ただし、これに限らず、エフェクトが表示されるレイヤーを、拡大アクション画像が表示されるレイヤーの背後側(後ろ側)のレイヤーとしてもよい。拡大アクション画像の後ろ側にエフェクトを表示することによっても、エフェクトに意識(視線)を向かせる等の効果により、拡大アクション画像の粗さを目立たなくすることができる。
【0095】
また、エフェクトを、拡大アクション画像の前側のレイヤーおよび拡大アクション画像の後ろ側のレイヤーの両方のレイヤーに表示させてもよい。このとき、前側のレイヤーと後ろ側のレイヤーとで同一のエフェクト(表示)としてもよいが、前側と後ろ側とで異なるエフェクト(表示)とし、それらのエフェクトをかける範囲が少なくとも一部重複しないようにして、拡大アクション画像の粗さがより目立たないようにしてもよい。
【0096】
また、本実施の形態では、エフェクトが表示されるレイヤーと、拡大アクション画像が表示されるレイヤーとをそれぞれ別々としたが、それらが同一のレイヤーに表示されるものとしてもよい。すなわち、拡大アクション画像にエフェクトを施すという場合に、拡大アクション画像にエフェクトデータを加算、乗算等する場合が含まれるものとしてもよい。拡大アクション画像とエフェクトデータとを乗算するという場合、拡大アクション画像が表示されているレイヤーの色と、エフェクトが表示されているレイヤーの色とを掛け合わせて合成することを指す。また、拡大アクション画像とエフェクトデータとを加算するという場合、拡大アクション画像が表示されているレイヤーの色と、エフェクトが表示されているレイヤーの色とを足すことを指す。拡大アクション画像とエフェクトデータとを乗算、加算等する場合、1つの画像データが生成され、その画像データが1つのレイヤーに表示されることとなる。
【0097】
また、エフェクトについて、拡大アクション画像の粗さおよびエフェクトの粗さが目立たなければ、エフェクトの解像度とそのエフェクトの表示画面上の表示範囲とが合っていないものを用いてもよい。具体的には、拡大アクション画像の粗さを目立たせなくするための専用のエフェクトデータの場合、表示範囲に対して解像度が低いものを用いてもよい。また、エフェクトデータが他の箇所で使用しているエフェクトデータと共用である等の場合、表示範囲に対して解像度が低い(または解像度が高い)ものを用いてもよい。このようにすることで、所定の表示範囲に合わせたエフェクトデータをそれぞれ用意する必要がなく、副記憶手段(ROM)302の使用量をさらに低減できる。
【0098】
なお、拡大アクション画像の粗さを目立たせないという点から考えると、エフェクト部分については解像度がその表示範囲と合っているものを用いることが望ましい。ただし、そのようにエフェクト部分の解像度をその表示範囲と合わせるように構成した場合でも、拡大アクション画像(第1画像の拡大画像あるいは第2画像の縮小画像)の部分において、すべて解像度とその表示範囲とを一致させた動画や静止画を用意する場合に比べて、副記憶手段(ROM)302の使用量を低減できるという効果を奏する。
【0099】
本実施の形態のように拡大アクション画像にエフェクトを施す処理は、第3の実施の形態に適用することもできる。第3の実施の形態において、第2画像データ(全画面サイズのピクセル数を有する)を縮小した画像を拡大アクション画像とする場合、画像によってはピクセル数が減少することにより情報が失われる(情報が潰れる)箇所が生じ、拡大アクション画像の視認性が低下する(見栄えが良くない状態となる)。
【0100】
拡大アクション画像としての第2画像データを縮小した画像が潰れを有する場合であっても、エフェクトを施すことによってその潰れが目立たない。すなわち、画像を拡大させるアクションの表示中に、画像の潰れを目立たないようにすることができる。このため、拡大アクション画像の潰れが遊技者に視認されることがなく、特定の画像が拡大表示されていくような演出を行う際に、見た目上、違和感のない映像表現を実現することができる。これにより、遊技の興趣の低下を防止できる。なお、エフェクトが第1画像や第2画像の縮小画像の拡大動作に合わせて同一の拡大率で拡大するものとしたが、粗さ等が目立たないのであれば、エフェクトのサイズが変化しないようになっていてもよい。また、エフェクトが四角枠のような、画面上における縦方向の直線と横方向の直線とで構成された枠の場合、エフェクトを拡大表示(縮小表示)した場合でも粗さが目立つことはない。
【0101】
また、拡大アクション画像にエフェクトを施さない仕様の場合には、開発時に、画像を拡大または縮小した際に、粗さや潰れが目立つかどうかをチェックする必要があるが、本実施の形態のように、エフェクトを施すように構成した場合、そのようなチェックの手間を省くことができる。これにより、開発効率を向上させることができる。
【0102】
上述のエフェクトの例3(拡大アクション画像を部分的に覆うエフェクト)について、補足説明をする。ここでは、図9を用いて、太枠エフェクトデータについて説明する。太枠エフェクトデータは、太枠が徐々に拡大されていくムービーデータである。
図9(a)は、モード選択画像が表示されている状態を示している。図9(b)は、図9(a)に示す状態でモードAが選択され、モードAの第1画像の拡大画像に太枠エフェクトが施された画像が表示された状態を示している。この太枠エフェクトに用いられる太枠エフェクトデータは、モードA~モードDのすべてについて用意されている必要はない。すなわち、モードA~モードDに対応する太枠エフェクトデータが副記憶手段302に記憶されている必要はない。すなわち、仮にモードBが選択された場合、図9(b)に示すモードAの太枠エフェクトデータのX座標を反転させたものを表示すればよい。また、仮にモードCが選択された場合、図9(b)に示すモードAの太枠エフェクトデータのY座標を反転させたものを表示すればよい。また、仮にモードDが選択された場合、図9(b)に示すモードAの太枠エフェクトデータのX座標およびY座標を反転させたものを表示すればよい。このように、1つのエフェクトデータで複数のモードに対応できるように構成することで、さらにROMの使用量を削減し、空き容量を増やすことができる。
【0103】
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態では、演出制御手段301が、第1画像を表示し、次に拡大アクション画像にエフェクトを施して表示し、次に第2画像を表示するものとした。拡大アクション画像にエフェクトを施して表示するという場合、拡大アクション画像およびエフェクトを同時に表示するものに限られない。本実施の形態では、拡大アクション画像にエフェクトを施して表示する際に、拡大アクション画像とエフェクトの表示タイミングが異なるものを示す。
【0104】
まず演出制御手段301は、第1画像を表示する。次に、演出制御手段301は、第1画像が表示されているレイヤーよりも手前のレイヤーに、拡大アクション画像を時間t1の間、表示する。この時間t1は、遊技者が拡大アクション画像の粗さ(潰れ)を視認できない程度の長さに設定されている。次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像が表示されているレイヤーの手前のレイヤーに、拡大アクション画像を覆う大きさを有するエフェクト(例えば炎のエフェクト)を表示する。次に、演出制御手段301は、エフェクトが表示されているレイヤーよりも手前のレイヤーに、第2画像を表示する。
【0105】
また、別の例として、まず演出制御手段301が、第1画像を表示する。次に、演出制御手段301は、第1画像を非表示とするとともに、拡大アクション画像を時間t1の間、表示する。次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像を非表示にするとともに、拡大アクション画像が表示されていた表示範囲Xを含む表示範囲Y(表示範囲Xよりも大きい)の大きさを有する透明度が低いエフェクト(例えば煙のようなもの)を表示する。次に、演出制御手段301は、エフェクトを非表示にするとともに、第2画像を表示する。
【0106】
このように、画像の粗さが視認できない程度の時間の間、拡大アクション画像を遊技者に見せて、その後に拡大アクション画像にエフェクトを施すことで、遊技者は選択した画像が拡大していることをより把握しやすくなる。これにより、遊技の興趣が向上する。なお、拡大アクション画像の表示時間をより短くすることで、拡大アクション画像の粗さがより目立たないようにすることができる。
【0107】
(第6の実施の形態)
第1の実施の形態~第3の実施の形態では、拡大演出において、第1画像を表示した後、拡大アクション画像(第1画像の拡大画像あるいは第2画像の縮小画像)を表示し、拡大アクション画像を表示した後、第2画像を表示するものを示した。この拡大演出を実現するにあたり、第1画像および第2画像の両方が必ずしも副記憶手段302に記憶されている必要はない。本実施の形態では、第1画像または第2画像のいずれか一方が副記憶手段302に記憶されている状態で拡大演出を実現する。
【0108】
第2画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第2画像の拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、第2画像を所定の表示サイズとなるように最も縮小した画像と、その最も縮小した画像から段階的にサイズが大きくなっていく画像とを拡大アクション画像として生成し、サイズが小さいものから順に表示する。なお、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。そして、最後の拡大アクション画像の表示後に、第2画像を原寸大のまま表示する。
【0109】
第1画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第1画像の拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、第1画像を原寸大のまま表示し、次に、第1画像を段階的にサイズが大きくなっていくように拡大した画像を拡大アクション画像として生成し、順に表示する。なお、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。
【0110】
このように拡大演出を、副記憶手段302に記憶されている第1画像または第2画像のいずれか一方を用いて実現することで、副記憶手段(ROM)302の使用量をより削減し、空き容量を増やすことができる。これにより、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。
【0111】
(第7の実施の形態)
第1の実施の形態~第6の実施の形態では、いずれも画像の表示の拡大演出を行う場合を示した。本実施の形態では、画像の表示の縮小演出を行う。
演出制御手段301は、特定の画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、対応する第2画像を原寸大のまま表示する。次に、演出制御手段301は、第2画像を徐々に(段階的に)縮小した画像(これを縮小アクション画像という)を生成し、順に表示する。なお、縮小アクション画像は複数生成されるものに限らず、少なくとも1つ生成されるものであればよい。次に、演出制御手段301は、最後の縮小アクション画像の表示後に、対応する第1画像を原寸大のまま表示する。
【0112】
また、次のようにしてもよい。演出制御手段301は、特定の画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、対応する第2画像を原寸大のまま表示する。次に、演出制御手段301は、対応する第1画像を所定の表示サイズ(第2画像の表示サイズよりは小さい)となるように最も拡大した画像と、その最も拡大した画像から段階的にサイズが小さくなっていく画像とを、縮小アクション画像として生成し、サイズの大きいものから順に表示する。なお、縮小アクション画像は複数生成されるものに限らず、少なくとも1つ生成されるものであればよい。次に、演出制御手段301は、最後の縮小アクション画像の表示後に、第1画像を原寸大のまま表示する。
【0113】
このように構成することで縮小演出の場合でも、第1画像および第2画像を用意すればよく、縮小演出を一連の動画で実現する場合に比べて、縮小アクション部分のムービー(動画)を用意しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。これにより、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。
【0114】
なお、本実施の形態では、第1画像と第2画像の両方が用意されている(すなわち副記憶手段302に記憶されている)ことを前提としたが、第6の実施の形態のように、第1画像または第2画像のいずれか一方が副記憶手段302に記憶されている状態で縮小演出が実現されるように構成してもよい。
【0115】
第2画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第2画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、第2画像を原寸大のまま表示し、次に、第2画像を段階的にサイズが小さくなっていくように縮小した画像を縮小アクション画像として生成し、順に表示する。なお、縮小アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。
【0116】
第1画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第1画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、第1画像を所定の表示サイズとなるように最も拡大した画像と、その最も拡大した画像から段階的にサイズが小さくなっていく画像とを縮小アクション画像として生成し、サイズが大きいものから順に表示する。なお、縮小アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。そして、演出制御手段301は、最後の縮小アクション画像の表示後に、第1画像を原寸大のまま表示する。
【0117】
このように縮小演出を、副記憶手段302に記憶されている第1画像または第2画像のいずれか一方を用いて実現することで、副記憶手段(ROM)302の使用量をより削減し、空き容量を増やすことができる。これにより、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。
【0118】
また、第4の実施の形態、第5の実施の形態で示したエフェクトに関する処理を、本実施の形態に係る縮小アクション画像に適用することができる。その場合、画像を縮小させるアクションの表示中に、画像の粗さや潰れを目立たないようにすることができる。また、エフェクトは、第1画像と縮小アクション画像と第2画像のうち、すべてに施されてもよく、また、少なくとも拡大アクション画像に施されていれば、それらのうちの一部に施されるものであってもよい。なお、エフェクトは第1画像の拡大画像や第2画像の縮小動作に合わせて同一の縮小率で縮小するものに限らず、粗さ等が目立たないのであれば、エフェクトのサイズが変化しないようになっていてもよい。
【0119】
(第8の実施の形態)
第1の実施の形態~第3の実施の形態では、モード選択画面で特定のモードが選択された場合の拡大演出について説明した。ここで、拡大演出の別の例を説明する。
本実施の形態に係る演出制御手段301は、特定の画像の拡大演出の実行を指示するコマンドを受信すると、対応する第1画像、第1画像を拡大した画像(拡大アクション画像)、対応する第2画像を順に表示していくが、その際に、拡大表示させていく画像表示がフェードインで始まるように制御する。例えばカットイン演出等で突然画像の表示を開始する場合に、演出制御手段301は、第1画像を次第に拡大するとともに、第1画像が次第にはっきりと表れるように(明瞭となるように)制御する。そして、最後に明瞭な第2画像を表示する。なお、拡大アクション画像を、第2画像を縮小した画像とする場合には、次第にそれを拡大しつつ明瞭なものとしていく。
【0120】
次に、縮小演出での例を説明する。演出制御手段301は、特定の画像の縮小演出の実行を指示するコマンドを受信すると、対応する第2画像、第2画像を縮小した画像(縮小アクション画像)、対応する第1画像を順に表示していくが、その際に、縮小表示させていく画像表示がフェードアウトするように制御する。演出制御手段301は、第2画像を次第に縮小するとともに、第2画像が次第に薄くなるように(消えるように)制御する。そして、最後に最も薄い第1画像を表示する。なお、縮小アクション画像を、第1画像を拡大したものとする場合には、次第にそれを縮小しつつ薄くしていく。
【0121】
このように構成することで、画像の大きさとともに画像の明瞭さ(明るさ)が変化するため、表示の変化がより強調されることとなり、遊技者を惹きつけることができる。
【0122】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンおよびパチンコ遊技機の制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は他の遊技機にも適用できる。
【0123】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
32 液晶ディスプレイ(表示手段)
100 スロットマシン(遊技機)
113 液晶ディスプレイ(表示手段)
300 副制御装置(制御手段)
302 副記憶手段(記憶手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9