(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ユーザ端末、無線通信方法、基地局及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 80/00 20090101AFI20221220BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221220BHJP
H04W 72/02 20090101ALI20221220BHJP
【FI】
H04W80/00
H04W16/28
H04W72/02
(21)【出願番号】P 2019542179
(86)(22)【出願日】2018-02-02
(86)【国際出願番号】 US2018016660
(87)【国際公開番号】W WO2018144876
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-02-02
(32)【優先日】2017-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】柿島 佑一
(72)【発明者】
【氏名】ナ チョンニン
(72)【発明者】
【氏名】武田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0207843(US,A1)
【文献】Xinwei,Further Discussion on Beam Management in Random Access Procedures[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1612255,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1612255.zip>,2016年11月04日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リソースを使用して基地局(BS)から送信される複数の同期信号ブロック(SSB)を受信
し、前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す表示子を送信させるための情報を前記BSから受信する受信部と、
前記第1リソースから少なくとも1つの第2リソースを選択するリソース選択を実行する制御部と、
前記第2リソースを示
す表示子を前記BSへ送信する送信部と、を有し、
前記複数のSSBのそれぞれは、前記第1リソースのそれぞれに関連付けられており、
前記制御部は、前記
複数のSSBのそれぞれの参照信号受信電力(RSRP)を測定し、
前記受信部が前記情報を受信し、前記
複数のSSBのそれぞれのRSRPが所定の値以下である場合、
前記制御部は前記第1リソースに選択すべきリソースがないと決定し、
前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す前
記表示子を
前記送信部はMAC制御要素(MAC CE)で前記BSへ1ビットの情報
として送信することを特徴とするユーザ端末。
【請求項2】
前記第1リソースの数が2の所定のビット数乗未満である、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記第1リソースの数が2の所定のビット数乗に等しい、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項4】
ユーザ端末が、第1リソースを使用して基地局(BS)から送信される複数の同期信号ブロック(SSB)を受信
し、前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す表示子を送信させるための情報を前記BSから受信する工程と、
前記ユーザ端末が、前記第1リソースから少なくとも1つの第2リソースを選択するリソース選択を実行する工程と
、
前記ユーザ端末が、前記第2リソースを示
す表示子を
前記BSに送信する工程と、を有し、
前記複数のSSBのそれぞれは、前記第1リソースのそれぞれに関連付けられており、
更に、前記ユーザ端末が、前記
複数のSSBのそれぞれの参照信号受信電力(RSRP)を測定し、前記
複数のSSBのそれぞれのRSRPが所定の値以下である場合、前記第1リソースに選択すべきリソースがないと決定する工程と
、
前記ユーザ端末が、
前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す前
記表示子を
MAC制御要素(MAC CE)で前記BSへ1ビットの情報
として送信する工程と、を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項5】
第1リソースを使用して複数の同期信号ブロック(SSB)をユーザ端末に送信
し、前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す表示子を前記ユーザ端末に送信させるための情報を送信する送信部と、
前記第1リソースから選択された第2リソースを示
す表示子の受信を制御する制御部と、を有し、
前記複数のSSBのそれぞれは、前記第1リソースのそれぞれに関連付けられており、
前記制御部は、前記
複数のSSBのそれぞれの参照信号受信電力(RSRP)が所定の値以下である場合に前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す
前記表示子を
MAC制御要素(MAC CE)で1ビットの情報として送信することを前記ユーザ端末に要求することを特徴とする基地局。
【請求項6】
ユーザ端末及び基地局(BS)を有する通信システムであって、
前記ユーザ端末は、
第1リソースを使用して前記BSから送信される複数の同期信号ブロック(SSB)を受信
し、前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す表示子を送信させるための情報を前記BSから受信する受信部と、
前記第1リソースから少なくとも1つの第2リソースを選択するリソース選択を実行する制御部と、
前記第2リソースを示
す表示子を前記BSへ送信する送信部と、を有し、
前記複数のSSBのそれぞれは、前記第1リソースのそれぞれに関連付けられており、
前記制御部は、前記複数のSSBのそれぞれの参照信号受信電力(RSRP)を測定し、
前記受信部が前記情報を受信し、前記複数のSSBのそれぞれのRSRPが所定の値以下である場合、前記制御部は前記第1リソースに選択すべきリソースがないと決定し、
前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す前記表示子を前記送信部はMAC制御要素(MAC CE)で前記BSへ1ビットの情報として送信し、
前記BSは、
前記第1リソースを使用して前記複数のSSBを前記ユーザ端末に送信
し、前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す表示子を前記ユーザ端末に送信させるための情報を送信する送信部と、
前記第1リソースから選択された前記第2リソースを示す
前記表示子の受信を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記複数のSSBのそれぞれの参照信号受信電力(RSRP)が所定の値以下である場合に前記第1リソースに選択すべきリソースがないことを示す前記表示子を前記MAC制御要素(MAC CE)で1ビットの情報として送信することを前記ユーザ端末に要求することを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、圏外のリソースを報告するユーザ端末及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のロングタームエボリューション-アドバンスド(Long Term Evolution-Advanced:LTE-A)システムRel.13において、ユーザ端末(UE)は、ビーム関連情報(プリコーディング関連情報ともいう、例えば、CSI-RSリソース表示子(CSI-RS Resource Indicator:CRI)及びプリコーディング行列表示子(Precoding Matrix Indicator:PMI)など)及びチャネル品質表示子(Channel Quality Indicator:CQI)の組み合わせでチャネル状態情報(Channel State Information:CSI)を無線基地局(eNB)へ報告する。伝搬状態が悪い場合、UEはCQIのペイロードを「0」に設定することで、「圏外」の状態であることをeNBに通知する。
【0003】
一方、New Radio(NR、5th generation mobile communication system(5G))システムにおいて、UEは、ビーム関連情報及びCQIの組み合わせでCSIを次世代無線基地局(gNB)へ報告する必要はない。例えば、ビームマネジメントの初期段階において、UEは、ビーム関連情報のみで(CQIなしで)CSIを報告してもよい。つまり、NRシステムにおいて、圏外状態であることを報告する過去の方法はサポートされていない。結果として、ビーム形成されたチャネル状態情報参照信号(Channel State Information-Reference signal:CSI-RS)が圏外であり、ビームが悪い状態である場合であり、実際には使用できないビームであっても、UEはビームの1つを報告することを要求される。係る場合、gNBは、使用できないビームに基づいてCSIの報告がなされることを認識できず、その結果、gNBは最良でないビームを選択し、当該ビームでデータを送信する可能性がある。これにより、通信障害が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.211 V13.4.0
【文献】3GPP TS 36.213 V13.4.0
【発明の概要】
【0005】
本開示の一以上の実施の形態は、第1リソースを使用して基地局(BS)から送信された複数のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を受信する受信部を有するユーザ端末(UE)に関する。当該複数のCSI-RSのそれぞれは、第1リソースのそれぞれに関連付けられている。当該UEは、少なくとも1つの第2リソースを、第1リソースから選択するリソース選択を実行する制御部を有する。当該UEは、第2リソースを示す第1表示子をBSに送信する送信部を有する。当該第1表示子は、第1リソースが圏外であることを示す。
【0006】
本開示の一以上の実施の形態は、第1リソースを使用して基地局(BS)から送信された複数のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を受信する受信部を有するユーザ端末(UE)に関する。当該複数のCSI-RSのそれぞれは、第1リソースのそれぞれに関連付けられている。当該UEは、複数のCSI-RSのそれぞれの参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)を測定し、第1リソースから少なくとも1つの第2リソースを選択する制御部を有する。当該UEは、第2リソースを示す表示子と第2リソースのRSRPを示すRSRP情報とをBSに送信する送信部を有する。当該制御部が、第2リソースが圏外であると決定すると、RSRP情報は、第2リソースが圏外であることを示す。
【0007】
本開示の一以上の実施の形態は、第1リソースを使用して基地局(BS)から送信された複数のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)をユーザ端末(UE)が受信することを含むユーザ端末の無線通信方法に関する。当該複数のCSI-RSのそれぞれは、第1リソースのそれぞれに関連付けられ、少なくとも1つの第2リソースが第1リソースから選択されるリソース選択をUEが実行し、第1リソースがリソース選択において圏外であるかどうかをUEが決定し、UEが第2リソースを示す第1表示子をBSに送信する。第1リソースが圏外であると決定された場合、第1表示子は、第1リソースが圏外であることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一以上の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の第1の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の動作例を示すシーケンス図である。
【
図3】本開示の第2の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の動作例を示すシーケンス図である。
【
図4】本開示の第2の態様における一以上の実施の形態に係る、従来のBIテーブルおよび新たに設計されたBIテーブルの一例を示す図である。
【
図5】本開示の第2の態様における一以上の実施の形態による、従来のBIテーブルと新たに設計されたBIテーブルとを暗黙的に切り替える動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の第3の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の動作例を示すシーケンス図である。
【
図7】本開示の第2の態様における一以上の実施の形態による、従来のPMIテーブルと新たに設計されたPMIテーブルとを暗黙的に切り替える動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の第4の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の動作例を示すシーケンス図である。
【
図9】本開示の第5の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の動作例を示すシーケンス図である。
【
図10】本開示の一以上の実施の形態に係るBSの概略構成を示す図である。
【
図11】本開示の一以上の実施の形態に係るUEの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を詳細に説明する。本開示の実施の形態では、本開示のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が述べられている。しかし、これらの具体的な詳細なしで本開示を実施できることは、当業者には明らかである。他の例では、本開示を曖昧にすることを避けるために、周知の特徴は詳細に説明されていない。
【0010】
本開示の一又は複数の実施の形態において、ビーム、リソース、RSリソース、CSI-RSリソース、は互いに読み替えられてもよい。
【0011】
本開示の一又は複数の実施の形態において、ビームインデックス(BI)、CSI-RSリソース表示子(CRI)または同期信号ブロックリソース表示子(SSBRI)、は互いに読み替えられてもよい。
【0012】
図1は、本開示の一以上の実施の形態における無線通信システム1である。無線通信システム1は、ユーザ端末(UE)10および基地局(BS)20を含む。無線通信システム1は、New Radio(NR)システムであってもよい。無線通信システム1は、本明細書で説明される特定の構成に限定されず、LTE / LTE-Advanced(LTE-A)システムなどの任意のタイプの無線通信システムであってもよい。
【0013】
BS20は、BS20のセル内のUE10と、上りリンク(UL)信号と下りリンク(DL)信号を通信してもよい。DL及びUL信号は、制御情報およびユーザデータを含んでもよい。BS20は、新しい世代のNodeB(gNB)であってもよい。
【0014】
BS20は、アンテナ、隣接するBS20と通信するための通信インターフェース(例えば、X2インターフェース)、コアネットワークと通信するための通信インターフェース(例えば、S1インターフェース)、およびUE10との送受信信号を処理する制御部又は回路としてのCPU(中央処理装置)などを含む。BS20の動作は、制御部が、記憶部に格納されたデータ及びプログラムを、処理又は実行することにより実装されてもよい。しかしながら、BS20は、上述のハードウェア構成に限定されず、当業者によって理解されるような他の適切なハードウェア構成によって実現されてもよい。無線通信システム1のより広いサービスエリアをカバーするように、多数のBS20を配置されてもよい。
【0015】
UE10は、MIMO技術を使用して、制御情報およびユーザデータを含むDL及びUL信号をBS20と通信してもよい。UE10は、移動局、スマートフォン、携帯電話、タブレット、モバイルルータ、またはウェアラブルデバイスなどの無線通信機能を有する情報処理装置であってもよい。無線通信システム1は、1つ又は複数のUE10を含んでいてもよい。UE10は、BS20から少なくとも1つの参照信号(Reference Signal:RS)を受信してもよい。本開示の一以上の実施の形態では、RSはCSI-RSであってもよい。本開示の一以上の実施の形態では、RSは同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)であってもよい。
【0016】
UE10は、プロセッサなどのCPU、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、およびBS20及びUE10と無線信号を送受信する無線通信装置を含む。例えば、以下に説明するUE10の動作は、CPUがメモリに格納されたデータ及びプログラムを処理又は実行することにより実装されてもよい。ただし、UE10は、上述したハードウェア構成に限定されず、例えば、以下に説明する処理を実現する回路で構成されてもよい。
【0017】
本開示の一以上の実施の形態では、
図1に示すように、ステップS1において、BS20は、RS「1」から「4」を送信してもよく、当該RSは、それぞれBI「1」から「4」を有する同じ又は異なるビーム形成で送信されてもよい。したがって、BS20は、リソースを使用してUE10に複数のRSを送信してもよい。複数のRSのそれぞれは、それぞれのリソースに関連付けられている。
【0018】
本開示の一以上の実施の形態では、UE10が選択すべき適切なビームがない場合、UE10は、ビームを「圏外」(圏外状態)として決定(determine)する。UE10がBS20からRSを受信すると、UE10は、ビームが「圏外」であるかどうかを決定してもよい。例えば、各RSの参照信号受信電力(RSRP)が所定の基準値より低い場合、UE10はビームを圏外として決定する。さらに、各RSに基づいて計算されたチャネル品質表示子(CQI)が所定の基準値よりも低い場合、UE10はビームを圏外として決定する。さらに、所定のリソースについて信号が検出されない場合、UE10はビームを圏外として決定する。
【0019】
例えば、
図1において、UE10が、BI「3」のビームが最良のビームであると決定すると、ステップS2Aで、UE10はBI「3」をBS20に送信してもよい。一方、UE10がビームを圏外と決定した場合、ステップS2Bで、UE10は、フィードバックとしてCQIが送信されなくても、圏外表示子をBS20に送信してもよい。
【0020】
(第1の態様)
以下、本開示の第1の態様について詳細に説明する。本開示の第1の態様における一以上の実施の形態によれば、圏外はビーム関連情報に多重化されてもよい。例えば、ビーム関連情報は、BI、CRI、SSBRI、及びプリコーディング行列表示子(PMI)の少なくとも1つであってもよい。例えば、ビーム関連情報は、単一であってもよいし、複数であってもよい。
図2は、本開示の第1の態様における一以上の実施の形態によるビーム選択方式の例示的な動作を示すシーケンス図である。
【0021】
図2において、ステップS11では、BS20は複数のRSを送信してもよい。当該複数のRSは、それぞれ異なるビームを使用して送信されてもよい。複数のRSのそれぞれは、それぞれのビーム(リソース)に関連付けられている。
【0022】
UE10は、ビーム(リソース)を使用してBS20から送信された複数のRSを受信すると、ステップS12で、RS送信に使用されるリソースから少なくとも1つのビームが選択されるビーム選択を実行し、当該ビームが圏外であるかどうか決定する。例えば、ビームが圏外であるとUE10が決定すると、ステップS13において、所定のビット数(例えば、1)によって示される圏外表示子を送信してもよい。
図2に示すように、例えば、圏外表示子のパラメータ「0」は「N/A(圏外ではない)」を、「1」は、「圏外」をそれぞれ示す。この表示子は、例えばビームインデックス(BI)などの他の報告情報と個別に又は共に報告することができる。
【0023】
したがって、本開示の第1の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10は、CQIフォーマットを使用することなく、圏外をBS20に通知することができる。
【0024】
さらに、本開示の第1の態様における一以上の実施の形態によれば、例えば、BS20は、UE10が圏外であることをBS20に通知すべきかどうかを示す情報を、RRC(Radio Resource Control)シグナリングによってUE10に送信してもよい。別の例として、UEがビーム関連情報のみを報告するように構成される場合(例えばRSRP又はCQIなどのビーム受信品質情報なしで)、UE10は、圏外表示子をBS20に通知するべきである。
【0025】
(第2の態様)
以下、本開示の第2の態様について詳細に説明する。本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によれば、圏外はビーム関連情報に多重化されてもよい。本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10は、新たに設計されたBIテーブルを使用して、圏外をBS20に通知してもよい。
図3は、本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によるビーム選択方式の例示的な動作を示すシーケンス図である。
図2のステップと同じ
図3のステップには、同じ参照符号を付してある。
【0026】
本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によれば、ステップS12において、UE10は、RS送信に使用されるリソースから少なくともビームが選択されるビーム選択を実行し、ステップS12において、当該ビームが圏外かどうかを決定する。
【0027】
当該ビームが圏外ではないとUE10が決定すると、UE10は、ステップS13aにおいて、選択されたビームを示すBI(又はCRI)を送信してもよい。
【0028】
一方、UE10が、当該ビームが圏外であると決定した場合、UE10は、ステップS13aにおいて、ビームが圏外であることを示すBIをBS20に送信してもよい。
図3の例では、BIは、新しく設計されたBIテーブルを使用して圏外を示す「11」として設定してもよい。例えば、UE10は、複数のRSの各々のRSRPが所定の値より大きくない場合、ビームが圏外であると決定してもよい。
【0029】
したがって、本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10は、CQIフォーマットを使用せずにBIフィードバックの圏外をBS20に通知することができる。
【0030】
本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によれば、従来のBIテーブルと新たに設計されたBIテーブルとを切り替えてもよい。
図4は、本開示の第2の態様における一以上の実施の形態に係る従来のBIテーブル及び新たに設計されたBIテーブルの一例を示す図である。従来の方法では、リソース選択において第1のリソースが圏外であるとUE10が決定したときに、UE10は、選択されたリソースを示す表示子を送信する。つまり、従来の方法では、当該表示子はビームが圏外であることを示さない。
【0031】
例えば、従来のBIテーブルと新しく設計されたBIテーブルとを明示的に切り替えてもよい。例えば、従来のBIテーブルおよび新たに設計されたBIテーブルは、BS20からUE10へのRRCシグナリングに基づいて切り替えられてもよい。
【0032】
例えば、UEがビーム関連情報のみを報告するように構成されている場合(ビームの受信品質情報(例えば、RSRP又はCQI)なしで)、UEはBIフィードバックのために新しく設計されたBIテーブルを使用してもよい(S104)。
【0033】
例えば、従来のBIテーブルと新しく設計されたBIテーブルとを暗黙的に切り替えてもよい。
図5に示すように、BIが「x」ビットとして定義されると(ステップS101)、UE10は、選択されたリソース(ビーム)「y」の数が「2
X」であるかを判定する(ステップS102)。その判定が「yes」(すなわち、「y」=「2
X」)の場合、UE10は、BIフィードバックのために従来のBIテーブルを使用してもよい(S103)。一方、その判定が「no」(すなわち、「y」<「2
X」)の場合、UEはBIフィードバック用に新しく設計されたBIテーブルを使用してもよい(S104)。
【0034】
さらに、ステップS102において、その判定が「no」(すなわち、「y」<「2
X」)の場合、新たに設計されたBIテーブル内の「y」より大きいインデックスは、圏外を示してもよい。例えば、「y」より大きいインデックスである「y+1」は圏外を示してもよい。別の例として、新たに設計されたBIテーブルの最大インデックス(
図4の「11」)は圏外を示してもよい。別の例として、新たに設計されたBIテーブルの最小(第1)インデックス(
図4の「00」)は圏外を示してもよい。
【0035】
さらに、上記の例では、UE10が「2x」リソース(ビーム)で構成され、圏外を報告する必要がある場合、UE10は、BS20に報告されるリソースの候補からリソースの1つを除外してもよい。係る場合、BS20は、除外されるリソースを明示的または暗黙的に指定してもよい。別の例として、除外されるリソースは、所定のルールに基づいて決定されてもよい。例えば、所定のルールは、BIの最大(又は、最小)インデックスを除外されるリソースとして決定してもよい。
【0036】
したがって、BI(CRI又はSSBRI)が所定のビット数として定義されている場合であって、RS送信に使用されるビームの数が2の所定のビット数乗未満場合に、UE10は、選択されたビーム又は新しく設計されたBIを使用して、ビームが圏外であることを示す情報を送信する。一方、RS送信に使用されるビームの数が2の所定のビット数乗に等しい場合、UE10は、圏外を含まない従来のBIテーブルを使用して選択されたビームを送信する。別の例として、RS送信に使用されるビームの数が2の所定のビット数乗に等しい場合、UE10は、CRIのパラメータの1つを圏外に置換することにより圏外であることを示してもよい。
【0037】
(第3の態様)
以下、本開示の第3の態様について詳細に説明する。本開示の第2の態様における一以上の実施の形態によれば、圏外はビーム関連情報に多重化されてもよい。本開示の第3の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10は、新たに設計されたPMIテーブルを使用して、圏外をBS20に通知してもよい。
図6は、本開示の第3の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の動作例を示すシーケンス図である。
【0038】
本開示の第3の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10がステップS12において圏外であるとビームを決定すると、UE10は、BS20に、ステップS13bで新しく設計されたPMIテーブルを使用して、圏外であることを示すPMIを送信してもよい。例えば、UE10において圏外報告がアクティブ化されると、UE10は、圏外としてPMIインデックスを使用するために選択されるプリコーディングベクトルの候補の一部を除外してもよい(サブサンプリングの方法)。例えば、サブサンプリングの方法は、BS20によって設定され、及び/又は、仕様として定義されてもよい。
【0039】
したがって、本開示の第3の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10は、CQIフォーマットを使用することなく、PMIフィードバックの圏外をBS20に通知することができる。
【0040】
本開示の第3の態様における一以上の実施の形態によれば、従来のPMIテーブルと新たに設計されたPMIテーブルとを切り替えてもよい。
図7は、本開示の第3の態様における一以上の実施の形態に係る従来のPMIテーブルおよび新たに設計されたPMIテーブルの一例を示す図である。
【0041】
例えば、従来のPMIテーブルと新しく設計されたPMIテーブルを明示的に切り替えてもよい。例えば、従来のPMIテーブル及び新たに設計されたPMIテーブルは、BS20からUE10へのRRCシグナリングに基づいて切り替えられてもよい。
【0042】
本開示の第3の態様における一以上の実施の形態では、UE10は、BS20(gNB)がビーム関連情報の有無を検出できるため、ビーム関連情報の送信を停止してもよい。
【0043】
本開示の第3の態様における一以上の実施の形態では、UE10は、上りリンクにおけるビーム回復に使用される上りリンク信号を送信してもよい。
【0044】
(第4の態様)
以下、本開示の第4の態様について詳細に説明する。ビーム選択方式では、選択したBIと、選択したBIに対応する受信品質情報が用いられる。本開示の第4の態様における一以上の実施の形態によれば、受信品質情報(例えば、新たに設計されたRSRPテーブル)を使用して、圏外をBS20に通知してもよい。
図8は、本開示の第4の態様における一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の例示的な動作を示すシーケンス図である。
図2のステップと同じ
図8のステップには、同じ参照符号を付してある。
【0045】
本開示の第4の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10がステップS12において圏外であるビームを決定する場合、UE10は、BS20へ、BI及びステップS13cで新しく設計されたRSRPテーブルを用いて圏外であることを示すRSRPを送信してもよい。
【0046】
したがって、本開示の第4の態様における一以上の実施の形態によれば、圏外をRSRPと多重化してもよい。
【0047】
本開示の第4の態様における一以上の実施の形態によれば、例えば、RSRPがUE10からBS20に送信される場合、圏外がRSRPと多重化されてもよい。一方、RSRPがUE10からBS20に送信されない場合、圏外がビーム関連情報と多重化されてもよい。
【0048】
(第5の態様)
以下、本開示の第5の態様について詳細に説明する。ビーム選択方式では、選択したBIと、選択したBIに対応する受信品質情報が用いられる。本開示の第5の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10は、新たに設計されたCQIテーブルを使用して、圏外をBS20に通知してもよい。
図9は、本開示の第5の態様の一以上の実施の形態に係るビーム選択方式の例示的な動作を示すシーケンス図である。
図2のステップと同じ
図8のステップには、同じ参照符号を付してある。
【0049】
本開示の第5の態様における一以上の実施の形態によれば、UE10がステップS12において圏外であるビームを決定する場合、UE10は、BS20へ、BI及びステップS13dで新しく設計されたCQIテーブルを使用して圏外であることを示すCQIを送信してもよい。
【0050】
したがって、本発明の第5の態様における一以上の実施の形態によれば、圏外をCQIと多重化してもよい。
【0051】
第5の態様における一以上の実施の形態によれば、例えば、CQIがUE10からBS20に送信される場合、圏外がCQIと多重化されてもよい。一方、CQIがUE10からBS20に送信されない場合、圏外がビーム関連情報と多重化されてもよい。
【0052】
(基地局)
以下、
図10を参照して、本開示における一以上の実施の形態による基地局20について説明する。
図10は、本開示の実施の形態に係るBS20の概略構成を示す図である。BS20は、複数の送受信アンテナ(アンテナエレメントグループ)201、アンプ部202、送受信部(送信部/受信部)203、ベースバンド信号処理部204、呼処理部205、及び伝送路インターフェース部206を含んでもよい。
【0053】
下りリンクでBS20からUE20に送信されるユーザデータは、コアネットワーク30から伝送路インターフェース部206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0054】
ベースバンド信号処理部204において、信号は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割及び結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えばHARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部203に転送される。また、下り制御チャネルの信号に関しては、チャネル符号化及び逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部203に転送される。
【0055】
ベースバンド信号処理部204は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリングおよびブロードキャストチャネル)によって、セル内の通信のための制御情報(システム情報)を各UE10に通知する。
【0056】
各送受信部203において、アンテナごとにプリコーディングされてベースバンド信号処理部204から出力されるベースバンド信号は、無線周波数帯域への周波数変換処理を行われる。アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅し、得られた信号は送受信アンテナ201から送信される。
【0057】
UE10からBS20にULで送信されるデータについては、無線周波数信号は各送受信アンテナ201において受信され、アンプ部202において増幅され、送受信部203で周波数変換及びベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204へ入力される。
【0058】
ベースバンド信号処理部204は、受信したベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御受信処理、RLC層およびPDCP層受信処理を行う。得られた信号は、伝送路インターフェース部206を介してコアネットワーク30に転送される。呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理を行い、BS20の状態を管理し、無線リソースを管理する。
【0059】
(ユーザ端末)
本開示の一以上の実施の形態によるUE10を、
図11を参照して以下に説明する。
図11は、本開示の実施の形態に係るUE10の概略構成である。UE10は、複数の送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部(送信部/受信部)1031を含む回路103、制御部104、およびアプリケーション部105を有する。
【0060】
下りリンクに関しては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号は、各アンプ部102で増幅され、送受信部1031でベースバンド信号に周波数変換される。これらのベースバンド信号は、制御部104でFFT処理、誤り訂正復号、再送制御などの受信処理が行われる。下りリンクユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤおよびMACレイヤよりも上位のレイヤに関する処理を実行する。下りリンクデータでは、ブロードキャスト情報もアプリケーション部105に転送される。
【0061】
一方、上りリンクユーザデータは、アプリケーション部105から制御部104に入力される。制御部104では、再送制御(ハイブリッドARQ)送信処理、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理などが行われ、得られた信号が各送受信部1031に転送される。送受信部1031では、制御部104から出力されたベースバンド信号が無線周波数帯域に変換される。その後、周波数変換された無線周波数信号はアンプ部102で増幅された後、送受信アンテナ101から送信される。
【0062】
(変形例)
本開示の一以上の実施の形態は、上りリンク及び下りリンクのそれぞれに独立して用いられてもよい。本開示の一以上の実施の形態は、上りリンクと下りリンクの両方に共通して用いられてもよい。
【0063】
本開示は、NRに基づくチャネル及びシグナリング方式の例を主に説明したが、本開示はそれに限定されない。本開示の一以上の実施の形態は、LTE/LTE-Aと同じ機能を有する別のチャネル及びシグナリング方式、新しく定義されたチャネル及びシグナリング方式に適用してもよい。
【0064】
本開示は、RSに基づくチャネル推定及びCSIフィードバック方式の例を主に説明したが、本開示はそれに限定されない。本開示の一以上の実施の形態は、別の同期信号、基準信号、およびCSI-RS、同期信号(SS)、測定RS(MRS)、モビリティRS(MRS)、およびビームRS(BRS)などの物理チャネルに適用できる。
【0065】
本開示は主に様々なシグナリング方法の例を説明したが、本開示の一以上の実施の形態によるシグナリングは明示的又は暗示的に実行されてもよい。
【0066】
本開示は主に様々なシグナリング方法の例を説明したが、本開示の一以上の実施の形態によるシグナリングは、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリング及び/又は下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)及びMAC制御要素(MAC CE)などの下位レイヤシグナリングであってもよい。さらに、本開示の一以上の実施の形態によるシグナリングは、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)及び/又はシステム情報ブロック(SIB:System Information Block)を使用してもよい。例えば、RRC、DCI、及びMAC CEのうちの少なくとも2つは、本開示の一以上の実施の形態によるシグナリングとして組み合わせて使用してもよい。
【0067】
本開示では、ビームフォーミングされたRS(ビームを使用したRS送信)の例を説明したが、物理信号/チャネルがビーム形成されているかどうかは、UEにとって透過的である。ビームフォーミングされたRS及びビームフォーミングされた信号は、それぞれRS及び信号と呼ばれてもよい。さらに、ビームフォーミングされたRSは、RSリソースと呼ばれてもよい。さらに、ビーム選択はリソース選択と呼ばれてもよい。さらに、ビームインデックスは、リソースインデックス(インジケータ)またはアンテナポートインデックスと呼ばれてもよい。
【0068】
本開示の一以上の実施の形態によるUEの送受信アンテナは、1次元アンテナ、平面アンテナ、および所定の3次元アンテナを具備するUEに適用することができる。
【0069】
本開示の一以上の実施の形態において、リソースブロック(RB)及びサブキャリアは互いに読み替えられてもよい。サブフレーム、シンボル、及びスロットは、互いに読み替えられてもよい。
【0070】
上記の例及び変形例は互いに組み合わせることができ、これらの例の様々な特徴は様々な組み合わせで互いに組み合わせることができる。本開示は、本明細書に開示された特定の組み合わせに限定されない。
【0071】
本開示は限られた数の実施の形態のみに関して説明されたが、本開示の利益を有する当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく他の様々な実施の形態が考案され得ることを認識する。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。