IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダーリン,ヘンリーの特許一覧

<>
  • 特許-モジュール式スピーカシステム 図1
  • 特許-モジュール式スピーカシステム 図2
  • 特許-モジュール式スピーカシステム 図3
  • 特許-モジュール式スピーカシステム 図4
  • 特許-モジュール式スピーカシステム 図5
  • 特許-モジュール式スピーカシステム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】モジュール式スピーカシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H04R1/02 101Z
H04R1/02 101B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019552132
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 GB2018050819
(87)【国際公開番号】W WO2018178667
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】1705150.9
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519336414
【氏名又は名称】ダーリン,ヘンリー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ダーリン,ヘンリー
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-291081(JP,A)
【文献】特開2001-016673(JP,A)
【文献】実開昭53-084340(JP,U)
【文献】実開昭54-113535(JP,U)
【文献】特開平02-312393(JP,A)
【文献】実開平03-065389(JP,U)
【文献】実開平03-107893(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの側面及び基部から形成された箱に似た構造を有し、第1の面を有する第1のスピーカキャビネットと、使用中に前記第1の面を通して放出すべき音響を作り出すための第1のスピーカとを備えるモジュール式スピーカシステムであって、前記モジュール式スピーカシステムは、前記第1のスピーカキャビネットとは別個の第2のスピーカキャビネットを備え、前記第2のスピーカキャビネットは4つの側面及び基部から形成された箱に似た構造を有し、かつ、第2のスピーカを含み、前記第1のスピーカキャビネットは、前記第2のスピーカ前記第1のスピーカキャビネットの背後に取り外し可能に取り付けられた状態で、使用中に前記第2のスピーカが作り出す音響が第1の通路を通って移動して、前記第1のスピーカキャビネットの前記第1の面を通して放出されるように配列された前記第1の通路を含むモジュール式スピーカシステム。
【請求項2】
前記第1のスピーカキャビネットは、第3のスピーカを含む第3のスピーカキャビネットが前記第1のスピーカキャビネットに隣接して配置された状態で、使用中に前記第3のスピーカが作り出す音響が第2の通路を通って移動して、前記第1のスピーカキャビネットの前記第1の面を通して放出されるように配列された前記第2の通路をさらに備える、請求項1に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項3】
前記第1のスピーカキャビネット内の前記第2の通路に隣接して配列された、第3のスピーカを含む第3のスピーカキャビネットをさらに備える、請求項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項4】
第2のスピーカキャビネットは、第3のスピーカを含む第3のスピーカキャビネットが前記第2のスピーカキャビネットに隣接して配置された状態で、使用中に前記第3のスピーカが作り出す前記音響が第3の通路、ならびに前記第1の通路および/または前記第2の通路のいずれかを通って移動して、前記第1のスピーカキャビネットの前記第1の面を通って放出されるように配列された前記第3の通路をさらに備える、請求項2又は3に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項5】
前記第2のスピーカキャビネットは、前記第2のスピーカから前記第2のスピーカキャビネットの外側の表面内の開口部まで前記音響を伝達するように配列された第4の通路を含み、前記開口部の場所は、前記第1のスピーカキャビネットおよび前記第2のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、前記第1のスピーカキャビネット内の前記第1の通路の端部と一直線に合う、請求項1又は2に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項6】
前記第3のスピーカキャビネットは、前記第3のスピーカから前記第3のスピーカキャビネットの外側の表面内の開口部まで前記音響を伝達するように配列された第5の通路を含み、前記開口部の場所は、前記第1のスピーカキャビネットおよび前記第2のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、前記第1のスピーカキャビネット内の前記第1の通路の端部と一直線に合う、または前記第2のスピーカキャビネットおよび前記第3のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、前記第2のスピーカキャビネット内の前記第3の通路の端部と一直線に合う、請求項4に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項7】
前記スピーカキャビネットの任意の1つは、反射ポートを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項8】
前記第2のスピーカキャビネットの前記反射ポートは、前記第1のスピーカキャビネットおよび前記第2のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、前記第1のスピーカキャビネットにより妨げられていないように配列される、請求項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項9】
請求項と直接または間接的に従属関係にあるとき、前記第2のスピーカキャビネットの前記反射ポートは、前記開口部として前記第2のスピーカキャビネットの同じ側面上に配列される、請求項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項10】
前記第1のスピーカキャビネットの前記反射ポートは、前記第1の面上に配列される、請求項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項11】
前記スピーカキャビネットは、前記スピーカキャビネットを一緒に解放可能なように取り付けるための取付手段を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項12】
前記取付手段は、外箱留め金を含む、請求項11に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項13】
前記取付手段は、前記第1のスピーカキャビネットおよび前記第2のスピーカキャビネットの各々の上に一方の部分が配列された、2つの協同する部分を含む、請求項11または12に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項14】
前記第1のスピーカキャビネットと前記第2のスピーカキャビネットの両方は、各キャビネット上で1対の取付手段の間の距離が同じになるように配列される前記1対の取付手段を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項15】
2つの第1のスピーカキャビネットおよび2つの第2のスピーカキャビネットを備え、前記2つの第1のスピーカキャビネットおよび前記2つの第2のスピーカキャビネットは、前記2つの第1のスピーカキャビネットが横に並んでおり、かつ前記2つの第2のスピーカキャビネットが前記2つの第1のスピーカキャビネットに隣接して横に並んでいる状態で、前記2つの第1のスピーカキャビネットおよび前記2つの第2のスピーカキャビネットをすべて一緒に解放可能なように取り付けるための取付手段を含む、請求項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項16】
前記2つの第1のスピーカキャビネットの2つの第1の通路は、前記2つの横に並んだ第1のスピーカキャビネットの中央に、または前記中央に向けて配列される、請求項15に記載のモジュール式スピーカシステム。
【請求項17】
前記通路のいずれの端部も解放可能なように遮断するための閉塞手段をさらに備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のモジュール式スピーカシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にモジュール式スピーカシステムに関し、詳細だが限定することなく、放出音圧レベルが100dBを超える場合に使用するスピーカシステムで有用である。
【背景技術】
【0002】
そのような状況では、スピーカから離れた距離でさえ、聴衆が満足して聞こえ得るレベルで音響の全周波数範囲が放出されることを確実にするために、多くの異なるスピーカキャビネットを必要とする。
【0003】
そのようなスピーカキャビネットは、典型的には互いに上下し、隣接して積み重ねられるが、貴重な舞台スペースを取る、または舞台の両側にスピーカキャビネットの塔を構築する必要がある。これを回避する1つの方法は、積み重ねたスピーカキャビネットを吊り下げることであるが、吊り下げるには、さらなる基礎構造を必要とし、これにより、費用および据付時間が増大し、依然として場所を取る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周波数全域を提供するが、より狭い空間を占有し、組立ておよび分解をするのが簡単な多数のスピーカキャビネットを提供することができることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の様態では、本発明は、第1の面を有する第1のスピーカキャビネットと、使用中に第1の面を通して放出すべき音響を作り出すための第1のスピーカとを備えるモジュール式スピーカシステムであって、第1のスピーカキャビネットは、第2のスピーカを含む第2のスピーカキャビネットが第1のスピーカキャビネットに隣接して配置された状態で、使用中に第2のスピーカが作り出す音響が第1の通路を通って移動して、第1のスピーカキャビネットの第1の面を通して放出されるように配列された第1の通路を含むモジュール式スピーカシステムを提供する。
【0006】
このようにして、第1のスピーカキャビネットを前方に、第2のスピーカキャビネットを背後にして前後に並ぶ手法で、第2のスピーカキャビネットを第1のスピーカキャビネットに取り付け得る。第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットからの音響が、同じ第1の面から放出され得るように、第2のスピーカキャビネットから放出される音響は、第1の通路を通って第1の面に移動し得る。このようにして、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットは、前後に並べて配列して、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットを互いに上下に積み重ねる、または横に並べる必要をなくし得る。
【0007】
第1の面は、キャビネットの一方の側面内にある1つまたは複数の開口部であり得る。開口部は、一方の側面の全体にわたり広がり得る。第1の面は、キャビネットの孔の開いた側面であり得る。第1の面は、織物遮蔽物などのカバーを含み得るが、他の材料が企図される。
【0008】
第1の通路の一方の端部は、第1の面と異なる、第1のスピーカキャビネットの側面から伸長し得る。たとえば、第1の通路の一方の端部は、キャビネットの第1の面と反対の側面上のキャビネットの面から伸長し得る。第1の通路の横断面形状および/または面積は、第1の通路の長さに沿って変わり得る。第1の通路の長手方向の軸は、直線であり得る。あるいは、第1の通路の長手方向の軸は、その長さに沿って弯曲部を含み得る。
【0009】
第1の通路の他方の端部は、第1の面上で開口し得る。
【0010】
第1のスピーカキャビネットは、第3のスピーカを含む第3のスピーカキャビネットが第1のスピーカキャビネットに隣接して配置された状態で、使用中に第3のスピーカが作り出す音響が第2の通路を通って移動して、第1のスピーカキャビネットの第1の面を通して放出され得るように配列された第2の通路をさらに備え得る。
【0011】
モジュール式スピーカは、第1のスピーカキャビネット内の第1の通路に隣接して配列された、第2のスピーカを含む第2のスピーカキャビネットを備え得る。
【0012】
モジュール式スピーカシステムは、第1のスピーカキャビネット内の第2の通路に隣接して配列された、第3のスピーカを含む第3のスピーカキャビネットをさらに備え得る。
【0013】
スピーカキャビネットは、スピーカが配列される少なくとも1つの空所をそれぞれの中に伴う、箱に似た構造物を備え得る。あるいは空所は、間仕切壁を含むことにより分割され得る。
【0014】
第2のスピーカキャビネットは、第3のスピーカを含む第3のスピーカキャビネットが第2のスピーカキャビネットに隣接して配置された状態で、使用中に第3のスピーカが作り出す音響が第3の通路、ならびに第1の通路および/または第2の通路を通って移動して、第1のスピーカキャビネットの第1の面を通して放出され得るように配列された第3の通路をさらに備え得る。
【0015】
第2のスピーカキャビネットは、第2のスピーカから第2のスピーカキャビネットの外側の表面内の開口部まで音響を伝達するように配列された第4の通路を含み得る、そして、開口部の場所は、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、第1のスピーカキャビネット内の第1の通路の端部と一直線に合う。
【0016】
あるいは、第4の通路の代わりに、第2のスピーカは、第2のスピーカキャビネットの前面に、または前面に隣接して、配列され得る。この点に関して、第2のスピーカに隣接する、第2のスピーカキャビネットの前面の領域は、実質的に開口した状態であり得る。
【0017】
第3のスピーカキャビネットは、第3のスピーカから第3のスピーカキャビネットの外側の表面内の開口部まで音響を伝達するように配列された第5の通路を含み得る、そして、開口部の場所は、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、第1のスピーカキャビネット内の第1の通路の端部と一直線に合う、または第2のスピーカキャビネットおよび第3のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、第2のスピーカキャビネット内の第3の通路の端部と一直線に合う。
【0018】
第1のスピーカキャビネットは、使用中に第1のスピーカから放出される音響が移動して、第1の面に到達する第6の通路を含み得る。この配列は、第1のスピーカが第1の面に、または第1の面に隣接して置かれた場合ではなく、第1の面の背面に置かれた場合に採用し得る。
【0019】
第1のスピーカキャビネット、第2のスピーカキャビネット、および第3のスピーカキャビネットの任意の1つは、反射ポートを含み得る。反射ポートにより、任意のスピーカの後方から得られる音響は、開口部を介してスピーカキャビネットから出ることができるようになり得る。これらの反射ポートにより、スピーカの後方から放出される音響は、どの壁も通過する必要なしにスピーカキャビネットから直接出ることができるようになる。反射ポートのデザイン(形状、サイズ)を利用して、スピーカの裏が位置する、キャビネットにより形成されるチャンバを調節し得る。
【0020】
第1のスピーカキャビネットの反射ポートを第1の面上に配列し得る。しかしながら、スピーカキャビネットの別の側面に配列するなど、他の配列が企図される。
【0021】
第2のスピーカキャビネットの反射ポートは、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットが互いに隣接した状態で、第1のスピーカキャビネットにより妨げられていないように配列され得る。換言すれば、ポートは、第1のスピーカキャビネットが第2のスピーカキャビネットに取り付けられた状態で、第1のスピーカキャビネットがポートを遮断しないように、第2のスピーカキャビネットの表面上に位置決めされ得る。
【0022】
しかしながら、第2のスピーカキャビネットの反射ポートは、第2の通路の一方の端部と同じキャビネットの側面上に依然として配列され得る。そのような状況では、ポートの前に第1のスピーカキャビネットが伸長し得ないので、ポートは遮断されない。これは、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットが一緒に取り付けられた状態で、第1のスピーカキャビネットの表面に直接隣接した、第1のスピーカキャビネットの前記表面よりも大きい表面を第2のスピーカキャビネットが有するためであり得る。
【0023】
第2のスピーカキャビネットの反射ポートは、第4の通路の開口部と同じキャビネットの側面上に配列され得る。
【0024】
第1のスピーカキャビネットの反射ポートを第1の面上に配列し得る。
【0025】
スピーカキャビネットは、スピーカキャビネットを一緒に解放可能なように取り付けるための取付手段を含み得る。これらの取付手段は、典型的にはループ部分およびフック部分を含み、フック部分およびループ部分の一方は、2つのスピーカキャビネットの一方の上に位置決めされ、フック部分およびループ部分の他方は、2つのスピーカキャビネットの他方の上に位置決めされる。他のタイプの取付手段が企図される。
【0026】
取付手段は、外箱留め金を含み得る。取付手段は、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットの各々の上に一方の部分が配列された、2つの協同する部分を含み得る。
【0027】
第1のスピーカキャビネットも第2のスピーカキャビネットも、各キャビネット上で1対の取付手段の距離が同じになるように配列された1対の取付手段を含み得る。
【0028】
システムは、多くの異なるサイズおよび形状のスピーカキャビネットを企図するが、しかしながら、各スピーカキャビネットは、さまざまなスピーカキャビネットの組合せを互いに取り付け得るように同じ距離だけ間隔を置いて配置された2つの取付手段を含み得る。
【0029】
使用すべきスピーカに基づき選択した固有のサイズおよび形状、所望の周波数、適用分野、ならびに放出すべき音響の他の特性をそれぞれ有する、いくつかの異なる第1の、第2の、第3の、および場合によってはさらに多くのスピーカキャビネットを作り出すことが企図される。
【0030】
この点に関して、各第1のスピーカキャビネット上の第1の通路への入口の位置は、使用中に第2のスピーカキャビネットから放出される音響が第1の通路を介して第1のスピーカキャビネットの第1の面に到達するように、さまざまな第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットを正しく一直線に合わせ得るように、取付手段に対して同じ場所を有し得る。
【0031】
同様に、第1のスピーカキャビネットの背後に取り付けるように適合された各第2のスピーカキャビネット上の第2の通路の一端部の位置は、使用中に第2のスピーカキャビネットから放出される音響が第1の通路を介して第1のスピーカキャビネットの第1の面に到達するように、さまざまな第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットを正しく一直線に合わせ得るように、取付手段に対して同じ場所を有し得る。
【0032】
モジュール式スピーカシステムは、2つの第1のスピーカキャビネットおよび2つの第2のスピーカキャビネットを備え得る、その場合、スピーカキャビネットは、2つの第1のスピーカキャビネットが横に並んでおり、かつ2つの第2のスピーカキャビネットが2つの第1のスピーカキャビネットに隣接して横に並んでいる状態で、2つの第1のスピーカキャビネットおよび2つの第2のスピーカキャビネットをすべて一緒に解放可能なように取り付けるための取付手段を含む。
【0033】
2つの第1のスピーカキャビネットの2つの第1の通路は、2つの横に並んだ第1のスピーカキャビネットの中央に、または中央に向けて配列され得る。
【0034】
同様に、システムは、第1のスピーカキャビネットもしくは第2のスピーカキャビネットのうち3つ以上を含み得る、または実際は、2つ以上の第3のスピーカキャビネットもしくは第4のスピーカキャビネットを含み得る。
【0035】
通路のいずれも横断面形状および/または面積は、通路の長さに沿って変わり得る。通路の長手方向の軸は、直線であり得る。あるいは、通路の長手方向の軸は、その長さに沿って弯曲部を含み得る。
【0036】
モジュール式スピーカシステムは、第1の、第2の、第3の、または第4の通路のいずれの端部も解放可能なように遮断するための閉塞手段をさらに備え得る。そのような閉塞手段は、蝶番式もしくはスライド可能なフラップもしくは板であり得る、または全体が取外し可能で交換可能なキャビネットの壁であり得る。
【0037】
本発明に関する上記および他の特性、特徴、および利点は、本発明の原理を例として示す添付図面と併せて取り上げる以下の詳細な記述から明らかになるであろう。この記述は、本発明の範囲を限定することなく、例のためだけに示される。以下で引用する参考図は添付図を指す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】スピーカキャビネットが取り付けられていない状態のモジュール式スピーカシステムの透視図である。
図2】スピーカキャビネットを取り付けた状態の、図1のモジュール式スピーカシステムの透視図である。
図3】スピーカキャビネットが取り付けられていない状態の、別のモジュール式スピーカシステムの透視図である。
図4図2のモジュール式スピーカシステムの別の透視図である。
図5】スピーカキャビネットを取り付けた状態の、さらに別のモジュール式スピーカシステムの透視図である。
図6】異なるモジュール式スピーカシステムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明について、ある種の図面に関して記述するが、本発明は、それに限定されるのではなく、特許請求の範囲のみにより限定される。記述する図面は、簡略図でしかなく、限定するものではない。各図面は、本発明の特徴のすべてを含み得ず、したがって、本発明の一実施形態であると考えるべきでは必ずしもない。図面では、要素のいくつかに関するサイズは、誇張され、例示目的のため縮尺どおりに描かれていないことがあり得る。寸法および相対寸法は、本発明を実施するための実際の縮図に対応するわけではない。
【0040】
さらに、本明細書および特許請求の範囲の、第1の、第2の、第3のなどの用語は、類似要素を区別するために使用され、時間的に、空間的に、順序付けで、または他の任意の手法で、順序を記述するためのものでは必ずしもない。そのように使用する用語は、適切な状況の下で交換可能であること、および動作は、本明細書で記述または例示する以外の順序で可能であることを理解されたい。
【0041】
さらに、本明細書および特許請求の範囲の最上部、底部、真上に、真下になどの用語は、記述する目的で使用され、相対的な場所を記述するために使用されるのでは必ずしもない。そのように使用する用語は、適切な状況の下で交換可能であること、および動作は、本明細書で記述または例示する以外の向きで可能であることを理解されたい。
【0042】
特許請求の範囲で使用する用語「comprising(備える)」は、その後に列挙する手段に限定されると解釈されるべきではなく、他の要素またはステップを除外しないことに留意されたい。したがって、この用語は、言及する特徴、完全体、ステップ、または構成要素が、参照されるように存在することを指定すると解釈されるべきであるが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、もしくは構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。したがって、「手段AおよびBを備える機器」という表現の範囲は、構成要素AおよびBだけから構成される機器に限定されるべきではない。この用語は、本発明に関して、機器の関連性のある構成要素がAおよびBだけであることを意味する。
【0043】
同様に、本明細書で使用する用語「connected(接続された)」は、直接接続だけに限定されると解釈すべきではないことに留意されたい。したがって、「機器Bに接続された機器A」という表現の範囲は、機器Aの出力が機器Bの入力に直接接続されている機器またはシステムに限定されるべきではない。この表現は、他の機器または手段を含む経路であり得る、Aの出力とBの入力の間の経路が存在することを意味する。「接続された」は、2つ以上の要素が、直接物理的に、もしくは電気的に接触していること、または2つ以上の要素が、互いに直接接触しているのではなく、まだ依然として互いに協力する、または相互作用することを意味し得る。たとえば、無線接続が企図される。
【0044】
本明細書全体を通して「an embodiment(ある実施形態)」または「an aspect(ある態様)」への言及は、実施形態または態様に関連して記述する特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通してさまざまな場所で、「in one embodiment(一実施形態では)」、「in an embodiment(ある実施形態では)」、または「in an aspect(ある態様では)」という句の出現はすべて、同じ実施形態または態様を参照しているのでは必ずしもなく、異なる実施形態または態様を指し得る。さらに、1つもしくは複数の実施形態または態様で、本開示から当業者に明らかなように、本発明の任意の実施形態または態様の特定の特徴、構造、または特性を、任意の適切な手法で組み合わせ得る。
【0045】
同様に、本明細書では、本開示を簡素化するために、かつ発明のさまざまな態様の1つまたは複数を理解する手助けをするために、本発明のさまざまな特徴を、本発明の単一の実施形態、図、または記述で一緒にグループ化することがあることを認識されたい。しかしながらこの開示方法は、特許請求される本発明が、各請求項で明示的に列挙するよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。さらに、任意の個々の図または態様の記述を、本発明のある実施形態であると考えるべきでは必ずしもない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、本発明の態様は、前述の開示される単一の実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴に見いだされる。したがってこの結果として、詳細な記述に続く特許請求の範囲は、明示的にこの詳細な記述に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の、ある実施形態として単独で有効である。
【0046】
さらに、本明細書で記述するいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組合せは、本発明の範囲に入り、かつ当業者が理解するように、さらに別の実施形態を形成することが意図される。たとえば、以下の特許請求の範囲では、特許請求される実施形態のいずれも、任意の組合せで使用することができる。
【0047】
本明細書で提供する記述では、数多くの特有の詳細について示す。しかしながら、これらの特有の詳細なしに、本発明の実施形態を実施し得ることが理解される。他の実例では、周知の方法、構造、および技法について、この記述の理解を不明瞭にしないように、詳細に示さなかった。
【0048】
本発明の議論では、それとは反対に言及しない限り、パラメータの許される範囲の上限または下限に関する代替値の開示は、前記値の一方が他方よりも非常に好ましいという指示と相まって、前記代替値のうち、より好ましい代替値とあまり好ましくない代替値の間にある、前記パラメータの各中間値がそれ自体、前記あまり好ましくない値よりも好ましく、かつ前記あまり好ましくない値と前記中間値の間にある各値よりも好ましいという暗黙の言明と解釈されるべきである。
【0049】
「少なくとも1つ」という用語を使用することは、ある種の状況で1つだけを意味し得る。
【0050】
次に、本発明の原理について、本発明の代表的特徴に関係がある少なくとも1つの図面の詳細な記述により示す。本発明の、基になる概念または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って他の配列を構成することができることは明らかであり、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語のみにより限定される。
【0051】
図1には、第2のスピーカキャビネット20の右側に、第1のスピーカキャビネット10が別個に示されている。第1のスピーカキャビネット10は、4つの側壁と、スピーカ30の振動板が前方の側壁40(第1の面)内の孔を通して突出して位置決めされるようにスピーカ30が内部に配列される、箱に似た空所を形成する基部とを含む。前方の側壁40の中に切り込まれた孔から空所の中に部分的に伸長する中空管からそれぞれなる4つの反射ポート70は、スピーカ30の周囲に対称的に配列される。前方の側壁40は、バッフルと考えられ得る。箱に似た構造物の一方の側面に、前方の側面(第1の面)40から後方の側面60まで伸長するように、第1の通路50が配列される。通路50は、両方の端部で開口している。通路50は、第1のスピーカキャビネット10の基部に実質的に平行に配列された水平な筋かい部材52が存在することにより2つに分割される。
【0052】
第1のスピーカキャビネット10は、その理解を改善するために、第1のスピーカキャビネット10の上方の側面(蓋)が取り除かれた状態で示されている。
【0053】
第1のスピーカキャビネット10の後方の側面60の背後に、第2のスピーカキャビネット20が示されている。第2のスピーカキャビネット20は、4つの側面から形成された箱に似た構造物と、基部とを備える。前方の側面100は、第1のスピーカキャビネット10の後方の側面60に隣接して示されている。スピーカ80は、その振動板の前方の平面が前方の側面100の平面に対してほぼ45°の角度で置かれているように、前方の側面100と側壁の一方との間に配列された内壁90(バッフルとしても知られている)の中に配列される。前方の側面100は、スピーカ80からの音響が第2のスピーカキャビネット20から外に進むことができるようにする孔110を含む。
【0054】
反射ポート120は、前方の側面100の内部に配列される。短い通路が、このポート120から箱に似た構造物の空所の中に伸長する。
【0055】
スピーカ80は、前方の側面100から背後に置かれるので、通路105は、前方の側面100の前に形成され、前方の側面100まで伸長する。この通路105は、スピーカ80が配列される壁90、隣接する側壁の1つの一部、ならびに基部および上方の側面/蓋(キャビネットに関する理解を向上させるために示さず)の一部により制限される。この通路105は、前方の側面100に置かれている通路105の端部が開口して示されている。
【0056】
反射ポート120に隣接する前方の側面100上に突出部101が配列される。この突出部101は、2つのキャビネットが一緒に取り付けられたとき、第1のスピーカキャビネット10の後方の側面60上に提供された凹部91の中にぴったり合う。突出部101および凹部91は、一方を他方に取り付ける間、2つのキャビネットを一緒に位置決めするのに役立つ。
【0057】
図2には、2つのスピーカキャビネットが一緒に取り付けられて示されている。第2のスピーカキャビネットの前方の側面100の孔110は、第1のスピーカキャビネット10内の第1の通路への入口55よりも大きいことに留意されたい。壁53の部分の主要な平面が後方の側面60の平面に対してほぼ45°で置かれているように配列された壁53の部分が、第1のスピーカキャビネット10内に提供される。この壁53は、第2のスピーカキャビネット20の第2の通路105から第1のスピーカキャビネット10の第1の通路50の中に放出される音響を集中させるように作用する。壁53はまた、第1の通路50を調節するように作用し得る。
【0058】
第2のスピーカキャビネット20の反射ポート120は、第1のスピーカキャビネット10により遮られていないことに留意されたい。
【0059】
第2のスピーカキャビネットは、それ自体で「反射サブウーファ」であり得るが、第1のスピーカキャビネットと組み合わせたとき、「6次帯域通過サブウーファ」であり得る。
【0060】
図3には、第1のスピーカキャビネット210および第2のスピーカキャビネット220の別の配列が示されている。この場合も、両方のスピーカキャビネットは、箱に似た構造物を有する。図3は、両方のスピーカキャビネットを、それらの理解を向上させるために、それらの蓋211、221を取り除いて示す。第1のスピーカキャビネット210は、その振動板が、スピーカキャビネットの側壁の1つの内面の方を指すように、バッフル内に配列されたスピーカ230を含む。第3の通路252は、スピーカキャビネットの第1の面240に到達するまで、らせんに似た手法でスピーカ230から伸長する。仕切壁253は、第1の面240の近くで第3の通路を分割する。この仕切壁は、スピーカキャビネットを強化するように作用し得る。
【0061】
スピーカ230は、その駆動回路、および振動板の後方部分が、筐体に実質的に取り囲まれるように配列される。2つの反射ポート270は、この筐体から第1の面240に向かって伸長するように配列される。
【0062】
第1の通路250は、スピーカキャビネット210の一方の側面に合わせて配列される。第1の通路250は、第1のスピーカキャビネットの後方の側面内の開口部から第1の面240に至る。通路250は、第1の面240に近づくにつれて広くなる。
【0063】
第2のスピーカキャビネット220は、主要な平面が第2のスピーカキャビネット220の前方の側面300に対してほぼ45°で配列された内壁またはバッフル290により支えられるスピーカ280を有する。第2の通路305は、スピーカ280の前方から、第2のスピーカキャビネット220の前方の側面300に提供された孔310に至る。この第2の通路305は、その軸長に沿って実質的に一様な長方形の横断面を有する。
【0064】
2つのスピーカキャビネットを一緒に取り付けると、孔310は、使用中に第2のスピーカキャビネット内のスピーカから放出される音響が第1の通路250および第2の通路305を介して第1の面240に到達するように、第1のスピーカキャビネット210の後方内の孔と一直線に合う。ポートを含み得るが、第2のスピーカキャビネット220に関して反射ポートは何も示されていない。
【0065】
各蓋211、221の上に、取付手段215、225が示されている。第1のスピーカキャビネット上の取付手段215は、手動操作により第2のスピーカキャビネット上の取付手段225と係合可能である。
【0066】
図4は、第1のスピーカキャビネット10の前方右上からの、図2内の2つのスピーカキャビネットの透視図を示す。第1のスピーカキャビネット10内のスピーカ30は、前方の第1の側面40上に見える。第1のスピーカキャビネット10内のスピーカのための4つの反射ポート70もまた、スピーカの振動板の周囲に対称に配列されて見える。スピーカの左側に、第1の通路50の出口が見える。さらに、第1の面40の右側に、第2のスピーカキャビネット20内のスピーカからの反射ポート120が見える。
【0067】
最上部には、互いに相互に嵌合した取付手段115、125が見える。
【0068】
図5は、2つの第1のスピーカキャビネット510A、510Bおよび2つの第2のスピーカキャビネット520A、520Bからなる配列500を示す。明確にするために、すべてのスピーカキャビネットは、それらの上方の側面(蓋)が取り除かれている。2つの第1のスピーカキャビネットは、一緒に取り付けられ、2つの第2のスピーカキャビネットは、第1の2つのスピーカキャビネットに取り付けられる。スピーカキャビネットのタイプは、図3に関連して記述したスピーカキャビネットに類似する。
【0069】
2つの第1のスピーカキャビネット510A、510Bの前面は、第1の通路250の出口と、第2の通路252と、反射ポート270とを含む。
【0070】
図5には、スピーカは示されていないが、そのようなスピーカを受け入れるためのスピーカそれぞれのバッフル内の孔230A、280Aが、スピーカキャビネットの各々の中に示されている。
【0071】
配列500は、2つの隣接する2つの第1のスピーカキャビネットと2つの第2のスピーカキャビネットの間で前方から後方へ通過する軸を中心に対称性があることに留意されたい。換言すれば、右側の第1のスピーカキャビネット510Bおよび第2のスピーカキャビネット520Bは、2つの第1のスピーカキャビネット510A、510Bのスピーカが、実質的に反対方向に外側にそれぞれ向くように、左側の第1のスピーカキャビネット510Aおよび第2のスピーカキャビネット520Aと比較して180°だけ反転している。
【0072】
図6は、いくつかのスピーカキャビネット610、620、630を備える、代わりのモジュール式スピーカキャビネットシステム600を示す。これらのスピーカキャビネットは、互いに取り付けられて示されていないが、しかしながら、隣接する各スピーカキャビネットの間に隙間がまったくないように一緒に取り付けられたときのように、類似する一般的配列にあることを理解されたい。
【0073】
第1のスピーカキャビネット610は、前方壁640を有する。このキャビネットの内部に、4つのスピーカ630が、すなわち、前方壁640から後方壁660まで伸長し、かつ後方壁660および前方壁640内に提供される開口の両端部で開口した中央の通路650のどちらの側にも2つのスピーカが配列されている。使用中にこれらのスピーカ630の前方から放出された音響は、この中央の通路650を通って移動して、キャビネットの前方壁(第1の面)640に到達し、したがって、聴衆の方に放出される。
【0074】
2つの反射ポート620が、中央の通路650のいずれの側にも1つ、前方壁640上に提供される。これらの反射ポートにより、スピーカ630の後方からの音響が、キャビネットを出て、モジュール式システム600の前方に位置する聴衆に聞こえるようになる。
【0075】
第1のスピーカキャビネット610はまた、スピーカ630の後方とスピーカキャビネット610の側壁の間でスピーカキャビネット610のそれぞれの側に1つ位置決めされた、2つの通路653を含む。これらの通路653は、後方壁660から前方壁640まで伸長し、後方壁660および前方壁640内に提供される開口を伴って両側で開口する。
【0076】
また、第2のスピーカキャビネット620が描かれている。第2のスピーカキャビネット620は、その内部に、後方壁623から前方壁603まで伸長する中央の通路605のいずれの側にも配列された2つのスピーカ680を有する。使用中に2つのスピーカ680の前方から放出された音響は、中央の通路605を介して前方壁603まで移動する。中央の通路605は、使用中に、第2のスピーカキャビネット620内のスピーカ680からの音響が第2のスピーカキャビネット620の中央の通路605を通って、次いで、第1のスピーカキャビネット610の中央の通路650を通って移動するように一緒に取り付けられた第1のスピーカキャビネット610および第2のスピーカキャビネット620と一直線に合う。
【0077】
第2のスピーカキャビネット620はまた、スピーカ680の後方とスピーカキャビネット620の側壁の間でスピーカキャビネット620のいずれの側にも1つ位置決めされた、2つの通路666を含む。これらの通路666は、後方壁623から前方壁603まで伸長し、後方壁623および前方壁603内に提供される開口を伴って両端部で開口する。
【0078】
各通路666の端部が第2のスピーカキャビネット620の前方壁603の上で開口する地点は、第1のスピーカキャビネットおよび第2のスピーカキャビネットが一緒に取り付けられた状態で、各通路653が第1のスピーカキャビネット610の後方壁660の上で開口する地点と一直線に合うように配列される。
【0079】
第2のスピーカキャビネット620の後方に、2つの第3のスピーカキャビネット630が提供される。これらの第3のスピーカキャビネットは、両方とも第2のスピーカキャビネット620の後方壁623の背後で互いに横に並んでぴったり合うことができるように、第2のスピーカキャビネット620よりも小さい。
【0080】
第3のスピーカキャビネット630は、それぞれスピーカ699を含む。通路671は、各スピーカ699の前方から各スピーカキャビネット630の前方壁624まで至る。通路671が開口する、各第3のスピーカキャビネット630の前方壁624上の地点の場所は、通路671が、第2のスピーカキャビネット620の後方壁623上の通路666の各々の開口部と一直線に合わせられ得るように配列される。
【0081】
この手法では、使用中のときに第3のスピーカキャビネット603内のスピーカ699から放出される音響は、通路671、666、653を介して第1のスピーカキャビネット610の前方壁640に到達し得る。
【0082】
図示しないが、第2のスピーカキャビネットおよび/または第3のスピーカキャビネットはまた、反射ポートを含み得る。
【0083】
第1のスピーカキャビネット610および第2のスピーカキャビネット620は、単一のキャビネットとして示されているが、それぞれ互いに解放可能に取り付け可能な2つのキャビネットであり得ることが企図される。
【0084】
第1のスピーカキャビネット610、第2のスピーカキャビネット620、および第3のスピーカキャビネット630は、ほぼ同じ高さを有し得る。しかしながら、第1のスピーカキャビネット、第2のスピーカキャビネット、または第3のスピーカキャビネットのうち任意の1つまたは複数は、その他のスピーカキャビネットの最大高さの半分の高さを有し得ることもまた企図される。このようにして、半分の高さのそのスピーカキャビネットの2つの層を提供し得る。必要に応じて、通路653、666、671、605、650を変えて、任意のスピーカ630、680、699が放出する音響が前方壁640に到達するよう連続経路を確保し得る。
【0085】
使用中に、隣接するスピーカキャビネットを一緒に密封して、接合部で音響を損失させないために、隣接するスピーカキャビネットの間にガスケットを含むことが望ましいことがあり得る。ゴム製ガスケットが企図される。
【0086】
図に関しては、ある種の特徴の明確性を向上させるために、ある種の特徴が含まれていないことを理解されたい。たとえば、配線はまったく示されていないし、どんな防音用の気泡ゴムなども示されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6