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特許7197501異なる基準信号の混合に基づくRLM及びビーム障害検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】異なる基準信号の混合に基づくRLM及びビーム障害検出
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20221220BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20221220BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20221220BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20221220BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221220BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W16/28
H04W56/00 130
H04L27/26 114
H04W72/04 136
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019552537
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 SE2018050308
(87)【国際公開番号】W WO2018174806
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2019-11-18
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/078131
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100161399
【弁理士】
【氏名又は名称】大戸 隆広
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴァ, イカロ エル. ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ティデスタフ, クラエス
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ウグルル, ウムット
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/122232(WO,A1)
【文献】3GPP TSG RAN,"Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Requirements for support of radio resource management (Release 14)",3GPP TS 36.133 V14.2.0 (2016-12),<https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/36_series/36.133/36133-e20.zip>,2017年01月15日,135,136頁
【文献】Intel Corporation,Beam recovery[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1701730,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97/Docs/R2-1701730.zip>,2017年02月13日
【文献】Ericsson,RLM and RLF in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1700868,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97/Docs/R2-1700868.zip>,2017年02月13日
【文献】Intel Corporation,Beam recovery[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1701730,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97/Docs/R2-1701730.zip>,2017年02月13日
【文献】Ericsson,RLM and RLF in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1700868,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97/Docs/R2-1700868.zip>,2017年02月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器、UE、(50)における方法(600)であって、
ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数の無線リンク管理、RLM、測定ソースに基づいて測定を実行すること(602)であって、前記測定は、所与のセル又はビームの品質を示し、前記複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1基準信号、RS、と、前記1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、を含む、こと(602)と、
複数の評価期間のそれぞれについて及び測定を実行するために使用される前記複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースについての測定を非同期状態閾値に対して比較すること(604)と、
前記比較に基づいて評価期間ごとに非同期状態イベントをトリガすることと、
非同期状態イベントの判定された発生に基づいて1つ以上のRLM動作を実行すること(608)と、
を有する、方法(600)。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(600)であって、前記複数のRLM測定ソースは、1つ以上のチャネル状態情報基準信号、CSI‐RS、と、1つ以上の同期信号ブロック(SSB)からの基準信号とを含む、方法(600)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法(600)であって、非同期状態イベントの前記判定された発生に基づいて前記1つ以上のRLM動作を実行すること(608)は、閾値回数の連続した非同期状態イベントが発生したと判定することに応答して第1RLM動作を実行することを含む、方法(600)。
【請求項4】
請求項3に記載の方法(600)であって、前記第1RLM動作は、タイマを開始することを含む、方法(600)。
【請求項5】
請求項3に記載の方法(600)であって、前記第1RLM動作は、上位層通知を提供することと、無線リンク障害、RLF、を宣言することと、ビーム障害を宣言することと、のうちの1つを含む、方法(600)。
【請求項6】
請求項3乃至5の何れか1項に記載の方法(600)であって、連続した非同期状態イベントの前記閾値回数は、前記複数のRLM測定ソースの各ソースについて別々に確立される、方法(600)。
【請求項7】
請求項3乃至6の何れか1項に記載の方法(600)であって、前記複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上についての連続した非同期状態イベントの前記閾値回数は、異なるRLM測定ソースによって共有される、方法(600)。
【請求項8】
請求項1に記載の方法(600)であって、前記複数のRLM測定ソースに基づいて前記測定を実行すること(602)は、
前記ビーム形成されたダウンリンク信号のうちの1つ以上の制御チャネル領域であって、前記UE(50)のための制御チャネル・メッセージに関連する制御チャネル領域を監視することと、
前記制御チャネル領域の所与のサブフレーム内にデータがスケジュールされると判定することに応答して、
評価期間中に、1つ以上の第1RSを使用して第1品質推定を計算することによって第1測定を判定することであって、前記第1RSは、前記制御チャネル領域内の復調基準シンボル、DMRS、である、ことと、
前記評価期間中に、前記1つ以上の第2RSを使用して第2品質推定を計算することによって第2測定を判定することであって、前記1つ以上の第2RSは、1つ以上の1次同期信号、PSS、と、1つ以上の2次同期信号、SSS、と、1つ以上の3次同期信号、TSS、と、物理ブロードキャスト・チャネル、PBCH、のために使用される1つ以上のDMRSと、チャネル状態情報‐参照信号、CSI‐RSのうちの1つ以上と、1つ以上のモビリティ基準信号、MRS、と、1つ以上のビーム測定基準信号、BRS、と、のうちの1つである、ことと、
を含む、方法(600)。
【請求項9】
請求項8に記載の方法(600)であって、前記第1品質推定は、前記評価期間にわたって前記1つ以上の第1RSから測定された第1無線信号メトリックの平均として計算され、前記第2品質推定は、前記評価期間にわたって前記1つ以上の第2RSから測定された第2無線信号メトリックの平均として計算される、
方法(600)。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法(600)であって、
前記複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上についての構成情報を受信することと、
前記構成情報に基づいて前記測定を実行することと、
をさらに有する、方法(600)。
【請求項11】
ユーザ機器、UE、(50)であって、
ビーム形成されたダウンリンク信号を受信するように構成された送受信機回路(56)と、
前記送受信機回路(56)に動作可能に関連付けられた処理回路(52)であって、
前記ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数の無線リンク管理、RLM、測定ソースに基づいて測定を実行すること(602)であって、前記測定は、所与のセル又はビームの品質を示し、前記複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1基準信号、RS、と、前記1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、を含む、ことと、
複数の評価期間のそれぞれについて及び測定を実行するために使用される前記複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースについての測定を非同期状態閾値に対して比較することと、
前記比較に基づいて評価期間ごとに非同期状態イベントをトリガすることと、
非同期状態イベントの判定された発生に基づいて1つ以上のRLM動作を実行することと、
を行うように構成された処理回路(52)とを有する、UE(50)。
【請求項12】
請求項11に記載のUE(50)であって、前記複数のRLM測定ソースは、1つ以上のチャネル状態情報基準信号、CSI‐RS、と、1つ以上の同期信号ブロック(SSB)からの基準信号とを含む、UE(50)。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のUE(50)であって、前記処理回路(52)は、閾値回数の連続した非同期状態イベントが発生したと判定することに応答して第1RLM動作を実行することによって、非同期状態イベントの前記判定された発生に基づいて前記1つ以上のRLM動作を実行するように構成される、UE(50)。
【請求項14】
請求項13に記載のUE(50)であって、前記第1RLM動作は、タイマを開始することを含む、UE(50)。
【請求項15】
請求項13に記載のUE(50)であって、前記第1RLM動作は、上位層通知を提供することと、無線リンク障害、RLF、を宣言することと、ビーム障害を宣言することと、のうちの1つを含む、UE(50)。
【請求項16】
請求項13乃至15の何れか1項に記載のUE(50)であって、連続した非同期状態イベントの前記閾値回数は、前記複数のRLM測定ソースの各ソースについて別々に確立される、UE(50)。
【請求項17】
請求項13乃至15の何れか1項に記載のUE(50)であって、前記複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上についての連続した非同期状態イベントの前記閾値回数は、異なるRLM測定ソースによって共有される、UE(50)。
【請求項18】
請求項11に記載のUE(50)であって、前記処理回路(52)は、
前記ビーム形成されたダウンリンク信号のうちの1つ以上の制御チャネル領域であって、前記UE(50)のための制御チャネル・メッセージに関連する制御チャネル領域を監視することと、
前記制御チャネル領域の所与のサブフレーム内にデータがスケジュールされると判定することに応答して、
評価期間中に、1つ以上の第1RSを使用して第1品質推定を計算することによって第1測定を判定することであって、前記第1RSは、前記制御チャネル領域内の復調基準シンボル、DMRS、である、ことと、
前記評価期間中に、前記1つ以上の第2RSを使用して第2品質推定を計算することによって第2測定を判定することであって、前記1つ以上の第2RSは、1つ以上の1次同期信号、PSS、と、1つ以上の2次同期信号、SSS、と、1つ以上の3次同期信号、TSS、と、物理ブロードキャスト・チャネル、PBCH、のために使用される1つ以上のDMRSと、チャネル状態情報‐参照信号、CSI‐RSのうちの1つ以上と、1つ以上のモビリティ基準信号、MRS、と、1つ以上のビーム測定基準信号、BRS、と、のうちの1つである、ことと、
を行うことによって、前記複数のRLM測定ソースに基づいて前記測定を実行するように構成される、UE(50)。
【請求項19】
請求項18に記載のUE(50)であって、前記第1品質推定は、前記評価期間にわたって前記1つ以上の第1RSから測定された第1無線信号メトリックの平均として計算され、前記第2品質推定は、前記評価期間にわたって前記1つ以上の第2RSから測定された第2無線信号メトリックの平均として計算される、
UE(50)。
【請求項20】
請求項11乃至19の何れか1項に記載のUE(50)であって、前記処理回路(52)は、
前記複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上についての構成情報を受信することと、
前記構成情報に基づいて前記測定を実行することと、
を行うように構成される、UE(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、ワイヤレス通信システムに関し、より詳細に、このようなシステムにおけるワイヤレス・デバイスによる無線リンク監視(RLM)及びビーム障害検出に関する。
【背景技術】
【0002】
LTEにおける無線リンク監視(RLM)
第3世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)によって開発されたロングターム・エボリューション(LTE)ワイヤレス・システムは、広く展開された第4世代ワイヤレス通信システムである。LTE及びその先行システムにおいて、3GPP文書で「ユーザ機器」又は「UE」と呼ばれるワイヤレス・デバイスにおけるRLM機能の目的は、RRC_CONNECTED状態であるサービング・セルのダウンリンク無線リンク品質を監視することである。この監視は、所与のLTEセルに常に関連付けられ、物理セル識別子(PCI)から導出されるセル固有基準信号(CRS)に基づく。次いで、3GPP TS36.213、v14.0.0に記載されているように、RLMは、RRC_CONNECTED状態である場合に、自身のサービング・セルに対して同期状態(in-sync)であるか非同期状態(out-of-sync)であるかをUEが判定できるようにする。
【0003】
CRSの測定に基づくUEのダウンリンク無線リンク品質の推定は、RLMの目的で、非同期状態閾値Qout及び同期状態閾値Qinと比較される。これらの閾値は、サービング・セルからの仮想物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信のブロック誤り率(BLER)に関して標準化される。具体的に、Qoutは10%BLERに相当し、Qinは2%BLERに相当する。DRXが使用中であるか否かにかかわらず、同じ閾値レベルが適用可能である。
【0004】
CRSベースのダウンリンク品質と仮想PDCCH BLERとの間のマッピングは、UE実装に依存する。しかし、3GPP TS36.521‐1、v14.0.0に記載されているように、性能は、様々な環境に対して規定された適合性テストによって検証される。また、PDCCHがどこでスケジューリングされる予定かをUEが必ずしも知るわけでないので、ダウンリンク品質は帯域全体にわたるCRSに基づいて計算される。図1に示すように、PDCCH送信は、ダウンリンク送信帯域幅全体にわたって任意の場所でスケジュールされうる。
【0005】
間欠受信(DRX)が構成されていない場合に、200ミリ秒周期にわたって推定されたダウンリンク無線リンク品質が閾値Qoutよりも悪くなると、非同期状態が発生する。同様に、DRXなしで、100ミリ秒期間にわたって推定されたダウンリンク無線リンク品質が閾値Qinよりも良好になると、同期状態が発生する。非同期状態が検出されると、UEは同期状態の評価を開始する。非同期状態及び同期状態の発生は、UEの物理層によってその上位層に内部的に報告され、次いで、上位層は、無線リンク障害(RLF)の評価のために第3層(すなわち、上位層)フィルタリングを適用してもよい。上位層RLM手順を図2に示す。
【0006】
DRXが使用中である場合に、非同期状態評価期間及び同期状態評価期間は、十分なUE電力節約を可能にするために延長され、構成されたDRXサイクル長に依存する。UEは、非同期状態が発生するたびに同期状態評価を開始する。したがって、非同期状態及び同期状態の評価に、同じ期間(TEvaluate_Qout_DRX)が使用される。ただし、満了までRLFタイマ(T310)を開始すると、同期状態評価期間は100ミリ秒に短縮され、これはDRXがない場合と同じである。タイマT310がN310回の連続した同期状態インジケーションに起因して停止されるならば、UEは、DRXベースの期間(TEvaluate_Qout_DRX)に従って同期状態評価を実行する。
【0007】
LTEにおけるRLMのために使用される全方法論(すなわち、PDCCH品質を「推定」するためにCRSを測定すること)は、UEがPDCCH及びCRSの両方を送信する単一の接続エンティティであるLTEセルに接続されるという事実に依拠する。
【0008】
5G開発
3GPP[3GPP RP‐1606713]では、ニュー・ラジオ(NR)という名称の新しい5G無線アクセス技術の研究項目が開始されている。企業は以下の設計原理、すなわち、「NR」と呼ばれる新しい5G無線アクセス技術のためのウルトラ・リーン設計、及びビームフォーミングの大規模な使用に関する前提に合意した。これまでのところ、RLMの詳細は確立されていない。しかし、企業は、RLMが設計される際にビームフォーミングを考慮に入れる必要があるという見解を表明したが、これはLTEの場合ではない。これに加えて、UEがどのようにセルの品質を測定すべきかに関する懸念が表明されている。
【0009】
既存のソリューションの問題
以下は、LTEにおける既存のソリューションと比較して、RLM及びビーム障害検出のための新しいソリューションの必要性を駆動しうる5G NRの原理のいくつかである。
【0010】
新しい5G無線(NR)におけるウルトラ・リーン設計
NRは、ウルトラ・リーン・システムであることが期待され、これは、エネルギー効率の良い未来に耐えるシステムを目指して、常時オン送信の最小化を意味する。3GPPにおける初期の前提は、この原理が承認されており、NRがリーン・システムであるべきであるという共通の理解があることを示している。RAN1#84bisでは、RAN1はウルトラ・リーン設計に関して以下の合意を行った。
【0011】
NR設計は、柔軟に利用することができる、又は将来的に後方互換性の問題を引き起こすことなくブランキングされたままにすることができる時間及び周波数リソースの量を最大にするように努めなければならない。ブランク・リソースは、将来の使用のために使用されうる。また、NR設計は、構成可能/割り当て可能な時間/周波数リソース内の物理層機能(信号、チャネル、シグナリング)のために、常時オン信号の送信を最小化し、信号及びチャネルを閉じ込めるように努めなければならない。
【0012】
しかし、上述したように、LTEにおけるRLMは、すべてのサブフレームにおいて送信される広帯域信号であるCRSに基づいている。NRにおけるRLM設計に関するリーン設計原理の主な結果は、すべてのサブフレームにおいて送信される広帯域信号の設計を回避することが望まれることである。したがって、リーン設計は、NRにおけるRLMのためのLTEソリューションの使用を禁止する。
【0013】
新しい5G無線(NR)におけるビームフォーミング
NRは100GHzまでの周波数範囲を考慮するという共通理解がある。LTEに現在割り当てられている周波数帯域と比較すると、新しい帯域の一部は、より低い回折及びより高い屋外/屋内透過損失のような、はるかに困難な伝搬特性を有することになる。その結果、信号は角の周りを伝播し、壁を貫通する能力が低くなる。さらに、高周波数帯域では、大気/雨の減衰及びより高い身体損失がNR信号のカバレージをさらにスポット状にする。幸いにも、より高い周波数での動作はより小さいアンテナ素子を使用することを可能にし、これは、多くのアンテナ素子を有するアンテナ・アレイを可能にする。このようなアンテナ・アレイは、複数のアンテナ素子が狭ビームを形成するために使用され、それによって困難な伝搬特性を補償するビームフォーイングを容易にする。これらの理由で、NRはカバレージを提供するために大規模なビームフォーミングに依存することが広く受け入れられており、このことは、NRがしばしばビーム・ベース・システムと呼ばれることを意味する。
【0014】
また、NRでは、アナログ、ハイブリッド、及びデジタルの異なるアンテナ・アーキテクチャがサポートされるべきであることも知られている。これは、特にアナログ/ハイブリッド・ビームフォーミングの場合に、いくつの方向が同時にカバーされうるかという点で、いくつかの制限を意味する。所与の送信受信点(TRP)/アクセス・ノード/アンテナ・アレイにおいて良好なビーム方向を見つけるために、典型的には、ビーム・スイープ手順が採用される。ビーム・スイープ手順の典型的な例は、同期信号及び/又はビーム識別信号を含むビームを、いくつかの可能な方向のそれぞれにおいて、一度に1つ又はいくつかの方向に、ノードが向けることである。これは図3に示されており、図示されたローブのそれぞれはビームを表し、ビームは連続的に、スイープする方式で、又は同時に、又は何らかの組み合わせで送信されてもよい。同じカバレッジ特性が各ビーム内の同期信号及びビーム識別信号の両方に適用されるならば、UEは、TRPに同期するだけでなく、所与の位置で最良のビーム知識を得ることもできる。
【0015】
ビーム障害検出及び回復
NRにおける高いビームフォーミング利得に起因して、なんらかのビーム障害検出及び回復メカニズムの必要性が重要な問題として現れる。狭ビームを介して所望のUE位置において信号エネルギーをピンポイントで示すことに起因して、より高いアンテナ利得及びより低いセル間干渉の両方のおかげで、セル・エッジにおいて高い信号対干渉プラス雑音比(SINR)レベルを可能にするので、狭いビームフォーミングは、NRにおけるキーとなる構成要素と考えられる。しかし、これらの狭ビームを形成することは、高モビリティのシナリオにおけるビーム・パターンの不整合を犠牲にすることになる。UEがその位置を突然変えるならば、視線角度に突然の変化があるか、又はビーム・パターンが伝搬環境における遮断効果によって物理的に妨害されるならば、受信信号の品質が急激に低下する可能性がある。いずれの場合も、ネットワークは任意の自発的なビーム障害を監視及び検出し、必要なときにビーム回復手順を実行することが必要とされる。UEがビーム品質の突然の低下を経験する可能性は、LTEのようなレガシー・システムと比較して、NRにおいてより重大な問題である。
【0016】
自身のサービング・セルにもはや到達可能ではないとUEが仮定する場合にRLF手順をトリガする前に又は新しいセルの探索を開始する前に、1つのビームから、依然として同じサービング・セル内にある別のビームに切り替えることによって、リンク問題が回復されうるかどうかをUEが最初に検出することが必要である。これは、多くのビームが同じベースバンド又はアンテナ・ボードを共有できるからである。同じセル内の他のビームが利用可能である場合、単にUEが単一のビームと通信できないので、リソース無線制御(RRC)接続を再確立する必要はない。軽量及び高速ビーム回復手順は、ビーム障害がある場合に開始されるべきであり、これは、RLF手順を使用することと比較して、UE性能を大幅に改善できる。
【0017】
NRにおけるモビリティ基準信号:3GPP前提
これまでの3GPPの議論では、モビリティ(例えば、ハンドオーバ、又はHO)に関連する測定のためにUEによって使用されるモビリティ基準信号(MRS)に関するいくつかの合意があった。ビーム及びNRセル定義との関係に関する、(少なくともネットワーク制御モビリティのために、データ送信について最適化される)RRC関与を伴うRRC_CONNECTEDモード・モビリティにおけるダウンリンク・ベースのモビリティについての合意は、以下を含んでもよい。1)UEは、少なくとも、1つ以上の個別のビームを測定し、gNB(NR基地局)は、HOを実行するためにそれらのビームを考慮するメカニズムを有するべきである。これは、少なくともgNB間ハンドオーバをトリガし、HOピンポン及びHO障害を低減するために必要であることに留意されたい。UEは、複数のビームの個別の品質及び/又は組み合わされた品質を報告してもよい。2)UEは、自身のサービング・セルからのビームと、無線リソース管理(RRM)測定のための非サービング・セルからのビームとを区別できるべきである。UEは、ビームが自身のサービング・セルからのものであるかどうかを判定できるべきである。サービング/非サービング・セルが「サービング/非サービング・ビーム集合」と呼ばれうるかどうか、UEが専用シグナリングを介して通知されるか又はいくつかのブロードキャスト信号に基づいてUEによって暗黙的に検出されるか、及び接続モードのセルがアイドル・モードのセルにどのように関係するかは、まだ決定されていない。3)セル品質は、個別のビームからの測定に基づいて導出されてもよい。
【0018】
他の合意は、4)RRC_CONNECTEDのUEが常時オン基準信号(例えば、同期信号)を使用してRRM測定を実行できるべきであること、及び5)RRC_CONNECTEDのUEが追加の基準信号(例えば、チャネル状態情報(CSI)‐RS、MRSなど)上でRRM測定(モビリティ目的のための測定)を実行できるべきであることを含む。6)ネットワークは、追加のRS及び/又はIDLE RS上で実行される専用シグナリングを介してRRM測定を構成できるべきである。
【0019】
また、合意は、7)データ復調のための可変/構成可能な復調基準信号(DMRS)パターンのサポートがあり、少なくとも1つの構成がフロント・ロードDMRSパターンをサポートすることも含む。合意はまた、8)少なくとも、NR2次同期信号(NR‐SSS)が、IDLEモードにおけるL3モビリティのためのダウンリンク・ベースのRRM測定のために使用されることを含む。IDLEモードでの測定のために(定義されているならば)PBCHのためのDM‐RSの潜在的な追加の使用があるかどうか、及びNR‐SSSのみがRRM測定のための要件を満たすかどうかは、まだ決定されていない。
【0020】
合意は、9)第3層(L3)モビリティのためのCONNECTEDモードRRM測定のために、IDLEモード基準信号に加えて、CSI‐RSが使用されうることを含む。測定のための隣接セルの検出は、NR‐SSに基づく。また、合意は、10)ビーム障害が、PDCCHが所定の品質を下回ると定義されることも含む。ネットワークは、少なくともRACH領域においてUEがビーム・リンク回復要求を送信するためのリソースを構成する。
【発明の概要】
【0021】
ワイヤレス・デバイス(例えば、UE)が自身のサービング・セル品質を測定できる技法が以下で詳細に説明され、ここで、セルは、リーン設計で、すなわち、帯域全体で及びすべてのサブフレームにわたって送信される常時オン基準信号なしで、ビームフォーミング方式の信号を送信している。
【0022】
本発明の実施形態は、UE及びネットワーク無線アクセス・ノードを含み、UEは、所与のセル又はビーム(又はセル内のリンク)の品質をUEに示すために使用されうる複数の「ソース」に基づいてRLMを実行する。これらのRLM測定ソースは、2つ以上の異なる基準信号であってもよいし、基準信号と、非基準信号データ(例えば、PDCCH復号成功、CSIインジケーションなど)から取得された物理チャネル品質インジケータとの混合であってもよい。この説明の目的のために、ビーム障害検出は、RLMの形成と考えられる。したがって、本書で説明される実施形態は、RLMを実行すること、RLM測定ソース、及びRLM動作を実行することに言及するが、これらの測定ソース及び動作は、より一般に、ビーム障害検出及びRLMの両方に適しており、ビーム障害検出及びRLMの両方を含むことを意味する。
【0023】
これらの実施形態は、接続された状態で割り当てをスケジューリングするためにUEによって監視されるPDCCHのようなメイン・ダウンリンク制御チャネルの推定された品質にも基づくRLMを含んでもよい。レガシー・モバイル・システム(例えば、LTE)では、PDCCH品質が単一の基準信号タイプ(例えば、CRS)の受信信号強度のみに基づいて推定されるが、これらの実施形態は複数のソースに依存する。また、レガシー・システムでは、CRSは常に送信され(その結果、単一のソースが常に利用可能である)、一方、5Gでは、送信はまばらであり、常に利用可能であるわけではないので、複数のソースの使用は有利なソリューションとなる。
【0024】
実施形態の1つの主な利点は、UEがRLM及びビーム障害検出のために、PDCCH、DMRS、又はPDCCHインジケーションを日和見的に使用できることである。さらに、UEは、データがスケジュールされていない場合に、(おそらく周期的である)追加の基準信号を使用できる。UEがスケジュールされる場合に、DMRSに基づくRLMは非常に正確である。UEがスケジュールされない場合に、RLMのために余分なオーバヘッドが必要とされず、UEは、このような仮想PDCCHが追加の基準信号と同様のリソース上で構成されると想定される仮想PDCCH品質を依然として推定できる。
【0025】
実施形態の利点は、ビーム・ベースのネットワーク内のUEがすべての利用可能なRS型を活用し、最も正確なRLM測定を提供するものを監視できることを含む。そのため、RLM精度が向上する。UEは、異なるRSタイプを使用する柔軟性を有するので、ネットワークは、RLM精度を改善するために、あまりに多くの無線リソースを構成することに頼る必要がない。スタンドアロンのリーンRSがRLMに使用されるならば、ネットワークは、先に記載された第1及び第3ソリューションにおいて提案されるように、より多くの周波数リソースを構成することを要求されてもよい。したがって、RLMのために異なるRSタイプを使用することは、ネットワークにおいてよりリーンなシグナリングを達成するのに役立つ。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、ユーザ機器(UE)における方法は、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行することを含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。複数のソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの2つ以上を含む。測定を実行するために使用される複数のソースのそれぞれについて、本方法は、個別のソースについての測定が第1閾値未満であることに応答して、当該測定が非同期状態イベントを示すと判定することを含む。本方法は、非同期状態イベントの判定された発生に基づいて、RLM又はビーム障害検出動作を実行することをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、ユーザ機器(UE)における方法は、評価期間の第1時間間隔中に、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信されたRLM又はビーム障害検出ソースを使用して測定を実行することを含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの1つを含む。本方法は、評価期間の先頭から第1時間間隔中のソースの発生回数を判定することを含む。本方法は、発生回数が発生閾値を満たしたと判定したことに応答して、評価期間の残りの間、ソースを1次ソースとして使用して測定を実行し続けることを含む。本方法はまた、発生回数が発生閾値を満たしていないと判定したことに応答して、1つ以上の第1RSのうちの異なる1つ、1つ以上の第2RS、及びビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータを2次ソースとして選択し、代わりに、評価期間の残りの間、2次ソースを使用して測定を実行することを含む。本方法は、1次ソース及び2次ソースのうちの少なくとも1つを使用して実行された測定に基づいて、RLM又はビーム障害検出動作を実行することをさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのアクセス・ノードにおける方法は、ビーム形成されたダウンリンク信号において、複数のRLM又はビーム障害検出ソースを送信することを含み、複数のソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSとを含む。本方法はまた、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のソースに基づいて測定を実行するようにUEを構成することを含み、測定は所与のセル又はビームの品質を示し、UEは、測定から判定された同期状態イベント及び非同期状態イベントの発生に基づいて、RLM又はビーム障害検出動作を実行できるようにされる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、UEは、ビーム形成されたダウンリンク信号を受信するように構成された送受信機回路と、送受信機回路に動作可能に関連付けられた処理回路とを含む。処理回路は、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行するように構成され、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの2つ以上を含む。処理回路は、複数の評価期間のそれぞれについて及び測定を実行するために使用される複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースの測定が第1閾値未満であることに応答して当該測定が非同期状態イベントを示すかどうかを判定するように構成される。処理回路はまた、非同期状態イベントの判定された発生に基づいて1つ以上のRLM動作を実行するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、UEは、ビーム形成されたダウンリンク信号を受信するように構成された送受信機回路と、送受信機回路に動作可能に関連付けられた処理回路とを含む。処理回路は、評価期間の第1時間間隔中に、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信されたRLMソースを使用して測定を実行するように構成され、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。RLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの1つを含む。処理回路は、評価期間の先頭から第1時間間隔中のRLM測定ソースの発生回数を判定するように構成される。処理回路は、発生回数が発生閾値を満たしたと判定することに応答して、評価期間の残りの間、1次ソースとしてRLM測定ソースを使用して測定を実行し続け、発生回数が発生閾値を満たさないと判定することに応答して、2次ソースとして、1つ以上の第1RS、1つ以上の第2RS、及びビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータのうちの異なる1つを選択し、代わりに、評価期間の残りの間、2次ソースを使用して測定を実行するように構成される。処理回路はまた、1次ソース及び2次ソースのうちの少なくとも1つを使用して実行された測定に基づいて、1つ以上のRLM動作を実行するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、ワイヤレス通信システムのアクセス・ノードは、ビーム形成されたダウンリンク信号を送信し、UEと通信するように構成された送受信機回路と、送受信機回路に動作可能に関連付けられた処理回路とを含む。処理回路は、送受信機回路を介してビーム形成されたダウンリンク信号内で、複数のRLM測定ソースを送信するように構成され、複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSとを含む。処理回路はまた、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行するようにUEを構成するように構成され、測定は、所与のセル又はビームの品質を示し、それによって、測定から判定された同期状態イベント及び非同期状態イベントの発生に基づいてUEが1つ以上のRLM動作を実行できるようにする。
【0032】
本発明のさらなる態様は、上記に要約された方法に対応する装置、コンピュータ・プログラム製品、又はコンピュータ可読記憶媒体、並びに上記に要約された装置及びUEの機能実装を対象とする。
【0033】
当然のことながら、本発明は、上記の特徴及び利点に限定されるものではない。当業者は以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ることで、さらなる特徴及び利点を認識するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】ダウンリンク送信帯域幅全体にわたってPDCCHをどのようにスケジュールできるかを説明する。
図2】LTEにおける上位層RLM手順を説明する。
図3】ビーム・スイープ手順を説明する。
図4】いくつかの実施形態による、本書に記載されるRLM手順を容易にする基準信号送信の原理を説明する。
図5】いくつかの実施形態による、ワイヤレス・デバイスのブロック図である。
図6】いくつかの実施形態による、ワイヤレス・デバイスにおける方法を説明する。
図7】いくつかの実施形態による、評価期間ごとに生成されるソースごとの1つのSINRを説明する図である。
図8】いくつかの実施形態による、評価期間ごとに異なるソースが使用されうるが、評価期間ごとに生成される1つのSINRを説明する図である。
図9】いくつかの実施形態による、ワイヤレス・デバイスにおける別の方法を説明する。
図10】いくつかの実施形態による、RLM/RLF手順中のパラメータの単一の集合の使用を説明するフローチャートである。
図11】いくつかの実施形態による、RLM/RLF手順中のパラメータの複数の集合の使用を説明するフローチャートである。
図12】いくつかの実施形態による、いくつかのパラメータが異なるソースによって共有される、RLM/RLF手順中のパラメータの複数の集合の使用を説明するフローチャートである。
図13】いくつかの実施形態によるネットワーク・ノードのブロック図である。
図14】いくつかの実施形態による、ネットワーク・ノードにおける方法を説明する。
図15】いくつかの実施形態による、類似のビーム・パターン上のPDCCH及びDMRSを説明する図である。
図16】いくつかの実施形態による、類似の周波数リソース上のPDCCH及びDMRSを説明する図である。
図17】いくつかの実施形態による、モビリティRS及びPDCCHリソース構成を説明する図である。
図18】いくつかの実施形態による、異なるビーム上のモビリティRS及びPDCCHを説明する図である。
図19】いくつかの実施形態による、PDCCH機会を伴うモビリティRS構成を説明する図である。
図20】いくつかの実施形態による、すべてのPDCCH機会以外のモビリティRS構成を説明する図である。
図21】いくつかの実施形態による、RLM周期性を伴うPDCCH機会以外のモビリティRS構成を説明する図である。
図22】いくつかの実施形態による、ワイヤレス・デバイスの機能的実装を説明するブロック図である。
図23】いくつかの実施形態による、ワイヤレス・デバイスの別の機能的実装を説明するブロック図である。
図24】いくつかの実施形態による、ネットワーク・ノードの機能的実装を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
上述したように、LTEにおける共通信号及びチャネルは、全方向性で、すなわちビームフォーミングなしで送信される。すなわち、これは、基地局において多くのアンテナが利用可能であり、信号及びチャネルをビーム形成するために異なる方法でアンテナを組み合わせることができるNRの場合ではない。NRにおけるビームフォーミングの大規模な使用の主な結果は、LTEにおいてはPDCCHの品質を推定するためにCRS品質が使用されうることが非常に明らかであったが、NRにおいてはチャネル及び基準信号がビームフォーミングされうる様々な方法のために、これが不明確になることである。言い換えれば、PDCCHが送信されるのと同じ方法で任意の特定の基準信号が送信されることは、一般的なこととして仮定することができない。UEの観点からのこの曖昧さは、典型的にはリアルタイム・ネットワーク要件に基づいて判定される様々な種類のビームフォーミング方式を介して基準信号及びチャネルがネットワークによって送信されうることに起因する。これらの要件は例えば、基準信号対制御チャネルに起因する無線オーバヘッドに対する異なる許容レベル、又は基準信号対制御チャネルに対する異なるカバレージ要件を含んでもよい。
【0036】
NR設計原理からのこれらの2つの課題にもかかわらず、接続モードにあるNR UEは、UEがネットワークによって到達されうるように自身のセル品質が依然として十分に良好であるかどうかを検証するために、依然としてRLMを実行する必要がある。そうでなければ、上位層に通知されるべきであり、UE自律動作がトリガされるべきである。
【0037】
ビームフォーミングが使用されるネットワークにおけるRLMのための第1提案ソリューションは、接続モード・モビリティをサポートするように構成された同じ周期的RSに基づいてUEが無線リソース管理(RRM)測定を実行することによってRLMを実行することを含む。ネットワーク側では、無線アクセス・ノードがRLM目的のために再使用されるようにこれらの基準信号を送信するのと同じ方法で、無線アクセス・ノードはダウンリンク制御チャネル情報を送信する。この文脈では、「RLMを実行する」とは、RRM測定を実行し、制御チャネルが同じ方法で、すなわち、同様のビームフォーミング特性及び/又は同様の又は代表的な周波数リソースで送信されたと仮定して、所与のメトリック、例えば、無線信号受信電力(RSRP)の値を、例えば、ブロック誤り率(BLER)に関して、ダウンリンク制御チャネル品質を表す閾値と比較することを意味する。
【0038】
このアプローチの1つの態様は、モビリティ測定に使用されるサービング・セルのビーム形成されたRSの品質と、非基準信号データから取得されたダウンリンク制御チャネルの品質との相関をネットワークが保証することである。ここで、「相関する」とは、ビーム形成されたRSの周波数リソースが、可能な全帯域幅内で、ダウンリンク・チャネルに使用されるものとオーバラップしているか、又は非常に近いことを示す。この相関は、ネットワーク側で、同じビームフォーミング構成(例えば、方向、ビーム幅、電力分布、同じアンテナ・パネルなど)で、そのUEのために構成されたモビリティRSを送信しているのと同じ方法で、ダウンリンク制御チャネル情報をビームフォーミングすることによって行われる。
【0039】
図4は、この例示的なシステムによって実行されるRLMを容易にする基準信号送信の原理を説明する。図4の左側に見られるように、各ビームは、主にモビリティ目的のためにUEに対して構成されるRSを搬送する。「UEに対して構成される」によって意味されることは、接続モードのUEがサービング・セル/ビーム信号及び/又は非サービング・セル/ビーム信号に関して、測定及び報告条件に関する情報を提供されることである。様々な実施形態では、これらのRSがビーム識別子(ID)、ビームIDプラス・グループID(例えば、セルIDとして理解されてもよい)、又は単にグループIDを搬送してもよい。図4の右側に見られるように、PDCCHのようなダウンリンク制御チャネルは、モビリティ目的のために使用されるRSと同じビームフォーミング特性を使用して送信される。これは、たとえ異なる時間に送信されたとしても、RSと「同じビーム」でダウンリンク制御チャネルを送信することとして理解されてもよい。
【0040】
しかし、RRM測定の要件を満たすために、モビリティ測定に使用されるこれらのビーム形成されたRSは、狭帯域信号(例えば、6つの中央物理リソース・ブロック(PRB))であることが想定されてきた。一方、ダウンリンク制御チャネルは、(LTE PDCCHとして)帯域全体で送信されるか、(LTE ePDCCH及び場合によってはNRにおけるダウンリンク制御チャネル設計として)局所化/分散されることができる。
【0041】
第2提案ソリューションでは、アクセス・ノードは、モビリティ測定に使用されるビーム形成されたRSのバージョンであるが、所与のUEのDL制御チャネルの探索空間の同じ周波数リソースにおいて周波数領域で繰り返される新しい信号に基づいて、RLM測定を実行できる。モビリティのために使用されるビーム形成されたRSのこれらの複数のバージョンはまた、いくつかの追加の時間領域ダイバーシティを提供するために、及び/又はビームフォーミング送信が同等であることを可能にするために、異なるサブフレームにおいて送信されてもよい。
【0042】
しかし、PDCCHの復調は依然としてDMRSに基づくので、モビリティのために使用されるRSに適用されたビームフォーミングと、PDCCHに適用されたビームフォーミングとの間に不整合がある可能性がある。このような不整合は、RS及びPDCCHの両方の送信が同じ周波数リソース上で構成される場合であっても存在しうる。
【0043】
第3提案ソリューションでは、PDCCHがDMRSに基づいて確実に復号されうるように、DMRSが既にPDCCHと同じリソース上で構成され、同じビームフォーミング・パターンで送信される必要があるので、RLMは、DMRSのようなUE固有のRSに基づくことができる。この構成では、このようなDMRSがPDCCH品質を正確に反映することができ、したがって、RLMに適している。
【0044】
しかし、DMRSは、UEがPDCCHでスケジュールされる場合にのみネットワークによって構成される。UEは、PDCCHが当該UEのためにスケジュールされない場合に、その無線リンク品質を監視することができない。この問題を解決するために、第3提案ソリューションは、UEが任意のPDCCHでスケジュールされない場合であっても、ネットワークがUE固有のRS送信でUEを構成できるビーム・ベースのシステムにおいて、UEが日和見的な方法でRLMを実行可能にされる場合も含んでもよい。このUE固有のRSは、DMRSとして、又はUE固有のビームフォーミング・パターン上で送信されるダミーPDCCH送信として構成されうる。このソリューションは、RLM機能に対して高い測定精度を提供するが、RLM性能におけるこのような利得は余分な無線シグナリング・オーバヘッドを犠牲として得られる。このオーバヘッドは、特に、スケジュールされていないPDCCH持続時間が長い場合、及びRLM測定を実行する多数のRRC_CONNECTED UEが存在する場合に、ネットワーク性能に有害でありうる。
【0045】
RLMのために単一のRS構成を使用する場合に制限が存在する。第1及び第2提案ソリューションは、モビリティのために使用され、RLMのために再使用されるビーム形成された信号の単一の構成のみに依存する。モビリティのために使用されるPDCCH及びRSが同じビームフォーミング・パターンを通じて類似のリソース上で両方とも送信される場合に、RLM測定は、UEにおいて正確に実行されうる。しかし、ビーム・ベースのシステムにおける本質的な利点の1つは、データ及び制御チャネルの動的かつ日和見的なUE固有の構成である。例えば、UE固有の伝搬条件を十分に利用することによってデータ・チャネル上でスペクトル効率が最大化されうるように、高いアンテナ指向性を有する遠隔接続モードのUEに到達するようにUE固有の狭ビーム幅パターンがネットワークによって形成されうる。制御チャネルはまた、データ・チャネルが常に復号されうることを保証するために、データ・チャネルと同じビーム・パターン上で結合される必要がある。したがって、単一のソースとしてモビリティのために使用されるRSは、UE固有のビーム・パターンが日和見的に構成されるようなビーム・ベースのネットワークにおいて、正確なRLM性能を与えることができない。要約すると、モビリティのために使用されるビーム形成されたRSに基づくソリューションは、低いシグナリング・オーバヘッドを必要とするが、動的なUE固有のビーム構成を有する日和見的なビーム・ベースのネットワークではRLM測定の精度を高くすることができない。
【0046】
第3提案ソリューションは、RLMのためのUE固有のRS(例えば、DMRS)のみに依存する。UEがPDCCHでスケジュールされる場合に、DMRSがいずれにせよ送信されるので、オーバヘッドは存在しない。しかし、パケット・データの非アクティビティのせいでネットワークによってPDCCHがスケジュールされない場合に、日和見的RLMソリューションは、重大なオーバヘッドをもたらす可能性がある。RLM測定を実行するために多数のRRC_CONNECTED UEが必要とされる場合に、オーバヘッドの量が特に高くなりうる。各アクティブUEは、第3提案ソリューションに従ってRLMを実行するためにUE固有のRSに依拠するので、この問題は回避することができない。要約すると、UE固有のRSベースのソリューションは、ビーム・ベースのネットワークにおいて高いRLM精度を保証できるが、特にユーザ・データ・パケットのトラフィック・パターンが断続的で断片化されている場合に、混雑したビーム・ベースのネットワークにおいてシグナリング・オーバヘッドが高すぎる可能性がある。
【0047】
したがって、本書では、RLM測定中に単一のビーム形成されたRS構成を使用することの内在的な制限が、リーン・シグナリングが本質的な性能インジケータであるビーム・ベースのシステムにおいて性能欠点を与えることであると認識される。各RSタイプは、ビーム・ベースのリーン・システムにおける様々なリンク及びネットワーク条件に応じて、RLMに対して明らかな優位性を有する。
【0048】
図5は、いくつかの実施形態による、ワイヤレス・デバイス50として示される、対応するワイヤレス・デバイスの図を説明する。ワイヤレス・デバイス50は、セルラ・ネットワークにおけるUEのようなネットワークにおいて動作しうる任意のワイヤレス端末を表すとみなされてもよい。他の例は、通信デバイス、ターゲット・デバイス、デバイス・ツー・デバイス(D2D)UE、マシン・タイプUE、すなわちマシン・ツー・マシン通信(M2M)が可能なUE、UEを具備するセンサ、PDA(携帯情報端末)、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ埋め込み型(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、顧客宅内装置(CPE)などを含んでもよい。
【0049】
ワイヤレス・デバイス50は、アンテナ54及び送受信機回路56を介して、広域セルラ・ネットワーク内の無線ネットワーク・ノード又は基地局と通信するように構成される。送受信機回路56は、セルラ通信サービスを使用する目的のために、無線アクセス技術に従って信号を送信及び受信するように集合的に構成された送信機回路、受信機回路、及び関連する制御回路を含んでもよい。この無線アクセス技術は、この議論の目的のためにNRである。
【0050】
ワイヤレス・デバイス50はまた、無線送受信機回路56に動作可能に関連付けられた1つ以上の処理回路52を含む。処理回路52は、1つ以上のデジタル処理回路62、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はこれらの任意の混合を備える。より一般的に、処理回路52は、固定回路、又は本書で教示される機能を実装するプログラム命令の実行を介して具体的に適合されるプログラマブル回路を備えてもよいし、又は固定回路とプログラムされた回路との何らかの混合を備えてもよい。処理回路52は、マルチコアであってもよい。
【0051】
処理回路52はまた、メモリ64を含む。メモリ64は、いくつかの実施形態では、1つ以上のコンピュータ・プログラム66、及び場合によっては構成データ68を格納する。メモリ64は、コンピュータ・プログラム66のための非一時的記憶装置を提供し、ディスク記憶装置、ソリッドステート・メモリ記憶装置、又はこれらの任意の混合のような1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を備えてもよい。ここで、「非一時的」とは、永続的、半永続的、又は少なくとも一時的に永続的な記憶装置であり、不揮発性メモリ内の長期記憶装置と、例えば、プログラム実行のためのワーキング・メモリ内の記憶装置との両方を包含する。非限定的な例として、メモリ64は、SRAM、DRAM、EEPROM、及びフラッシュメモリのうちの任意の1つ以上を備え、これらは処理回路52内にあってもよく、及び/又は処理回路52とは別個であってもよい。一般に、メモリ64は、コンピュータ・プログラム66及びユーザ機器50によって使用される任意の構成データ68の一時的でない記憶装置を提供する1つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を備える。処理回路52は例えば、メモリ64に格納された適切なプログラム・コードを使用して、以下に詳述する方法及び/又はシグナリング・プロセスのうちの1つ以上を実行するように構成されてもよい。
【0052】
ワイヤレス・デバイス50の処理回路52は、いくつかの実施形態によれば、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された(任意のビーム障害検出ソースを含む)複数のRLMソースに基づいて測定を実行するように構成され、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる、例えば、1つ以上の第1RSとは異なるタイプの1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの2つ以上を含む。処理回路52はまた、複数の評価期間のそれぞれについて、及び測定を実行するために使用される複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースについての測定が第1閾値未満であることに応答して、当該測定が非同期状態イベントを示すかどうかを判定するか、又は、個別のRLM測定ソースについての測定が第2閾値を超えていることに応答して、当該測定が同期状態イベントを示すかどうかを判定するように構成される。処理回路52はさらに、同期状態イベント及び/又は非同期状態イベントの判定された発生に基づいて、1つ以上の(任意のビーム障害検出動作を含む)RLM動作を実行するように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、処理回路52は、図6に示されるような方法600を実行するように構成される。方法600は、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行することを含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す(ブロック602)。複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの2つ以上を含む。方法600はまた、複数の評価期間のそれぞれについて、及び測定を実行するために使用される複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースについての測定が第1閾値未満であることに応答して、当該測定が非同期状態イベントを示すと判定することを含む(ブロック604)。同様に、この方法はまた、複数の評価期間のそれぞれについて、及び測定を実行するために使用される複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースのための測定が第2閾値を上回ることに応答して、当該測定が同期状態イベントを示すと判定することを含んでもよい(ブロック606)。一部の場合に、ブロック604及び606は、RLF又はビーム検出障害を宣言するかどうかを判定するより広範なステップの一部とみなされてもよい。より広範なステップはまた、各測定が同期状態イベントを示すか非同期状態イベントを示すかを判定することを含んでもよい。方法600は、測定に基づいて1つ以上のRLM動作を実行することをさらに含む。これは、同期状態イベント及び非同期状態イベントの判定された発生に基づいてRLM動作を実行することを含んでもよい(ブロック608)。
【0054】
様々な場合において、複数のRLM測定ソースは、任意のDMRS又は物理チャネル品質インジケータを含んでもよい。例えば、RLM測定ソースは、1次同期信号(PSS)と、2次同期信号(SSS)と、3次同期信号(TSS)と、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)のために使用されるDMRSと、のうちの1つ以上と組み合わせて、ビーム形成されたダウンリンク信号内の物理制御チャネル領域に使用されるDMRSを含んでもよい。DMRSは、CSI‐RSと、モビリティのために使用されるビーム形成されたRSと、ビーム測定基準信号(BRS)と、のうちの1つ以上と組み合わせて、物理制御チャネル領域のために使用されてもよい。RLM測定ソースはまた、PSSと、SSSと、TSSと、PBCHのために使用されるDMRSと、のうちの1つ以上と組み合わせて、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された物理チャネル品質インジケータを含んでもよい。物理チャネル品質インジケータは、CSI‐RSと、モビリティのために使用されるビーム形成されたRSと、BRSと、のうちの1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0055】
同期状態イベント及び/又は非同期状態イベントの判定された発生に基づいてRLM動作を実行することは、閾値回数の連続した非同期状態イベントが発生したと判定することに応答して第1RLM動作を実行することと、閾値回数の連続した同期状態イベントが発生したと判定することに応答して第2RLM動作を実行することとを含んでもよい。一例で、第1RLM動作は、タイマを開始することを含み、第2RLM動作は、タイマを停止することを含む。別の例で、第1及び第2RLM動作のうちの1つは、上位層通知を提供すること、又はRLFを宣言すること及び/又はビーム障害を宣言することを含む。
【0056】
いくつかの実施形態で、連続した非同期状態イベントの閾値回数及び連続した同期状態イベントの閾値回数は、複数のRLM測定ソースの各RLM測定ソースについて別々に確立される。他の実施形態で、複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上のものについての連続した非同期状態イベントの閾値回数及び/又は連続した同期状態イベントの閾値回数は、異なるRLM測定ソースによって共有される。
【0057】
見て取れるように、これらの実施形態には、非同期状態測定閾値(Qout)、同期状態測定閾値(Qin)、非同期状態発生回数閾値(N1)、同期状態発生回数閾値(n2)、及びタイマ値(T1)といういくつかのパラメータが含まれてもよい。異なるソースは、パラメータのいずれか、又は異なるパラメータを使用できる。そして、各異なるソースはRLM中にそれ自身の手順を有することができ、又はこれに代えて、異なるRLM測定ソースがRLM中の1つの手順において使用されうる。
【0058】
本書で説明される実施形態では簡潔にするためにRLMのみが言及されるが、RLMは上述のように、RLMの形態としてビーム障害検出を含むことを意味する。
【0059】
方法600は、複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上のものについての構成情報を受信することと、構成情報に基づいて測定を実行することとを含んでもよい。
【0060】
RLM(及びビーム障害検出)のための測定を実行するための様々な方法が存在してもよい。第1代替方法で、ワイヤレス・デバイス(例えば、UE)は、自身の構成されたPDCCHを監視し、データが所与のサブフレーム内にスケジュールされる場合に、UEは品質推定を計算するためにPDCCH DMRSを日和見的に使用すべきである。これは、例えば、X個の無線フレーム(例えば、20個の無線フレーム=200ms)であってもよい、評価期間と呼ばれる予め定義された間隔において、複数のPDCCH機会にわたってさらに平均化されるSINR値であってもよい。同時に、同じ評価期間内に、UEは追加のソースを測定してもよく、これは、第1ソースを測定する場合、SSブロックRS(例えば、PSS/SSS/TSS又はPBCHのためのDMRS)を測定することを意味しうる。第2ソースを測定する場合に、これはCSI‐RSであり得、したがって、UEはまた、平均化された品質推定(例えば、同じ期間にわたって追加のソースに関連付けられたSINR)を生成する。したがって、この第1代替で、各RLM評価期間について、ソースごとに1つのSINR推定のような1つの平均品質推定が存在することになる。
【0061】
この第1代替の実施形態で、方法600は、複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行することを含んでもよく、これは、ビーム形成されたダウンリンク信号のうちの1つ以上の制御チャネル領域であって、ワイヤレス・デバイスのための制御チャネル・メッセージに関連付けられた制御チャネル領域を監視することを含む。データが制御チャネル領域の所与のサブフレームにスケジュールされると判定することに応答して、本方法は、評価期間中に、1つ以上の第1RSを使用して第1品質推定を計算することによって第1測定を判定することを含んでもよく、第1RSは、制御チャネル領域内のDMRSである。本方法は、評価期間中に、1つ以上の第2RSを使用して第2品質推定を計算することによって第2測定を判定することをさらに含んでもよく、1つ以上の第2RSは、1つ以上のPSSと、1つ以上のSSSと、1つ以上のTSSと、PBCHに使用される1つ以上のDMRSと、CSI‐RSのうちの1つ以上と、モビリティに使用される1つ以上のビーム形成されたRSと、1つ以上のBRSと、のうちの1つである。第1品質推定は、評価期間にわたって1つ以上の第1RSから測定された第1無線信号メトリックの平均として計算されてもよく、第2品質推定は、評価期間にわたって1つ以上の第2RSから測定された第2無線信号メトリックの平均として計算されてもよい。
【0062】
この品質推定、又は平均品質推定は、SINRであってもよい。図7は、評価期間ごと、ソースごとに1つのSINRの生成を示す。例えば、図7は、評価期間702、704及び706を示す。言い換えると、K個のソースが規定されるならば、期間当たりK個のSINR値が存在することになる。この実施形態の一側面は、測定評価期間ごとにK個のRLMソースについて、K個の品質推定(例えば、SINR値)が生成されることである。現在のシステムで、単一のソースに基づく単一の品質推定のみが生成される(LTEの場合のCRS)。図8は、評価期間ごとに1つのSINRが生成される実施形態を示すが、評価期間ごとに異なるソースが使用されうる。例えば、第1評価期間702において、PDCCH DMRSは、SINR平均を計算するために使用される。次の評価期間704で、SSブロックRS又はCSI‐RSが使用される。
【0063】
RLMのための測定を実行するための第2代替で、1次RLMソース及び2次RLMソースの概念が導入される。この実施形態で、UEは、RLM測定を実行するために、1次RLMソースに関連付けられたRLMの実行を常に開始し、それが存在しないか、又は十分なサンプルを提供しないならば、UEは2次ソースを使用すべきである。例えば、PDCCH DMRSは、おそらく、データがUEにスケジュールされている場合にのみ利用可能で1次ソースでありうる。次いで、PDCCHを監視する場合に、UEは、評価期間の先頭から所与の時間間隔(例えば、最初のX個の無線フレーム)内にPDCCHの発生回数が十分である可能性がある(すなわち、構成可能な閾値を超える)かどうかを検出すべきである。これは図8の評価期間704における間隔802によって示される。これらが十分である(例えば、最初のX個の無線フレーム内のPDCCH機会が閾値を満たす)ならば、UEはそれを当該測定評価期間704のためのRLMソースとして、又は少なくとも評価期間704の残り804として使用し続けるべきである。間隔802の間の発生回数が十分でない(例えば、最初のX個の無線フレーム内のPDCCH機会が閾値よりも低い)ならば、UEは、追加の予想されるソースの探索を開始するべきである。その後、UEは、現在の測定、過去の測定、履歴の信頼性、他のソースが利用可能又は検出されうるかのような複数の要因に基づいて選択されうる、2次ソースに今や基づいて、当該同じ測定評価期間704について、SINR推定のような品質推定を実行することになる。したがって、この第2代替で、各測定評価期間について、1次又は2次ソースのいずれかに関連付けることができるSINR推定のような単一の品質推定が存在する。
【0064】
現在のシステムでは、単一のソースが常に使用されることに留意されたい(LTEにおけるCRS)。実施形態の1つの側面は、各測定評価期間についてのSINR推定のような品質推定が異なるRLMソースに基づいて生成されていてもよいことである。例えば、第1期間702では(スケジュールされたデータが存在したので)PDDCHのためのDMRSが使用されるが、第2評価期間704ではPDCCHのDMRSからの十分なサンプルが存在しないので、NR‐SS又はCSI‐RSが使用される。
【0065】
したがって、いくつかの実施形態で、ワイヤレス・デバイス50の処理回路52は、方法900を実行するように構成される。方法900は、評価期間の第1時間間隔中に、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信されたRLM測定ソースを使用して測定を実行することを含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す(ブロック902)。RLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる(例えば、異なるタイプの)1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの1つを含む。方法900はまた、評価期間の先頭から第1時間間隔中のソースの発生回数を判定することを含む(ブロック904)。方法900は、発生回数が発生閾値を満たしたと判定することに応答して、評価期間の残りの間、1次ソースとしてソースを使用して測定を実行し続けること(ブロック906)と、発生回数が発生閾値を満たさないと判定することに応答して、2次ソースとして、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと、のうちの異なる1つを選択し、代わりに、評価期間の残りの間、2次ソースを使用して測定を実行すること(ブロック908)とを含む。方法900は、1次ソース及び2次ソースのうちの少なくとも1つを使用して実行された測定に基づいて、1つ以上のRLM動作を実行することをさらに含む(ブロック910)。
【0066】
1次ソースを使用して測定を実行することは、1次ソースから取得された1つ以上の第1無線信号メトリックから評価期間のための第1品質推定を計算することを含んでもよく、2次ソースを使用して測定を実行することは、2次ソースから取得された1つ以上の第2無線信号メトリックから評価期間のための第2品質推定を計算することを含んでもよい。その後、方法900は、発生回数が発生閾値を満たしたと判定することに応答して、第1品質推定に基づいて1つ以上のRLM動作を実行することと、発生回数が発生閾値を満たさなかったと判定することに応答して、第2品質推定に基づいてRLM動作を実行することとをさらに含んでもよい。
【0067】
様々な場合において、1次ソースは、ビーム形成されたダウンリンク信号の制御チャネル領域内の1つ以上のDMRSであり、2次ソースは、1つ以上のPSSと、1つ以上のSSSと、1つ以上のTSSと、PBCHに使用される1つ以上のDMRSと、CSI‐RSの1つ以上と、1つ以上のMRSと、1つ以上のBRSと、のうちの1つである。一部の場合に、1次及び2次ソースに使用されるソースが切り換えられてもよい。
【0068】
RLMのための測定を実行するための第3代替で、1次ソースが十分な機会を提供しないことを検出し、2次ソースの使用を開始した後、UEは、サンプルを廃棄せず、1次ソースのさらなる又は新しい発生を待つ。十分な回数の新しい発生が存在するならば、期間の末尾に、UEは2つのSINRを生成し、1つは1次ソースに関連付けられ、もう1つは2次ソースに関連付けられる。ここで、期間ことに生成される単一のSINR値が存在してもよいし、周期ごとに複数のSINR値が存在してもよい。単一のソースの場合、当該ソースは期間ごとに変化してもよい。
【0069】
したがって、いくつかの実施形態で、方法900は、2次ソースを使用して測定を実行し始めた後に、評価期間中に1次ソースの新たな発生の閾値回数が発生したと判定することに応答して、評価期間中に1次ソースを使用して測定を実行することを継続することを含む。測定に基づいてRLM動作を実行することは、1次ソースを使用して実行された測定を使用するかどうかを選択することを含んでもよい。測定は、個別の測定に基づいて、2次ソースを使用して、又は両方を使用して実行され、選択に基づいてRLM動作を実行してもよい。
【0070】
これらの代替のいずれについても、2次ソースが同期信号(SS)ブロック集合で送信された信号である場合に、UEは、PDCCHのためのDMRSの不存在を検出した後、当該信号を期待できる。CSI‐RSの場合に、UEは、そのサービング・セルのためのCSI‐RS構成に応じて、当該無線フレーム内でのその発生を待つ必要があってもよい。一部の場合に、UEは、PDCCHについてのSINR平均を実際に実行せず、(おそらく、PDCCH探索空間内の周波数領域内の複数のリソース要素にわたって)当該特定のスケジュールされたサブフレームに関連付けられたCQIレポートのような他の品質インジケーションを使用する。しかし、PDCCHが等しく存在しないならば、サービング・セル内の追加のソースを探索するトリガは同様でありうる。
【0071】
上述した最初のステップはUEが測定を実行するものであるが、測定を実行する前に、UEは例えば、(RRC_CONNECTEDへの遷移時に、又はハンドオーバを介して)セルに接続する時点で、ネットワークによってRLMに関連付けられた測定構成を提供されていてもよいことに留意されたい。PDCCH DMRSの場合に、UEには、そのPDCCH探索空間の時間間隔の部分集合を提供されうる。追加のソースがNR‐SSである場合に、UEは、モビリティ測定イベント(例えば、A1~A6又は同等物)のために使用されるものとは異なってもよい時間領域フィルタリング・パラメータを用いて構成されうる。CSI‐RSが追加のRLMソースとして使用される場合に、UEはRLM目的のためだけに追加の構成を受信してもよく、これは、周波数領域におけるPDCCH探索空間を、(ネットワークがPDCCHをビーム形成するのと同じ方法でビーム形成される)RLMについてのCSI‐RS発生と一致させるようにネットワークに柔軟に与える。例えば、ビーム管理のために使用されるCSI‐RSはかなり頻繁に、ある帯域幅BW_CSI‐RSで送信されてもよく、一方、UEは、PDCCHのものと一致するCSI‐RS帯域幅の特定の部分上でRLMが測定するように構成されてもよい。
【0072】
したがって、いくつかの実施形態で、方法900は、ワイヤレス・デバイスが複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上のものについて構成情報をネットワークから受信することと、構成情報に基づいて測定を実行することとを含む。他の実施形態で、方法900は、1次ソース及び2次ソースのうちの少なくとも1つについての構成情報を受信することと、構成情報に基づいて測定を実行することとを含む。
【0073】
RLM測定を同期状態イベント又は非同期状態イベントのいずれかにマッピングするための様々な方法が存在してもよい。所与のRLM測定評価期間内にRLMソースごとに平均SINR(又は他の品質メトリック)測定が利用可能になると、UEは、ソースごとのSINR(又は他の品質推定)値を、評価期間ごとの同期状態イベント及び非同期状態イベントにマッピングする。このステップは、少なくとも2つの異なる代替を含んでもよい。1つの代替で、UEは、評価間隔(又は任意の他の事前規定されたRLM時間間隔)ごとに、SINR推定のような単一の品質推定を有する。単一の品質推定は、複数のソースのうちの1つから生成されるか、又は複数のソースのうちの1つに関連付けられる。別の代替で、UEは、評価間隔(又は他の事前規定されたRLM時間間隔)ごとのRLMソースごとに1つの品質推定を有し、UEはそれを生成するために使用されたソースごとに1つの品質推定を有する。
【0074】
評価期間ごとに単一の品質推定の場合に、間欠受信(DRX)が構成されていない場合に、単一の品質推定が、構成された閾値(Qout)よりも悪くなったときに、UEは、各評価期間に対して1つの非同期状態イベントをトリガする。同様に、DRXなしで、品質推定が、構成された閾値(Qin)よりも良くなったときに同期状態がトリガされる。測定評価期間において非同期状態イベントが検出されると、UEは、(より短いものでありうる別の同期状態評価期間内に)同期状態の評価を開始する。非同期状態及び同期状態の発生は、UEの物理層によってその上位層に内部的に報告され、次いで、これは、RLFの評価のために第3層(すなわち、上位層)フィルタリングを適用してもよい。
【0075】
第1アプローチでは、どのソースが使用されているかにかかわらず、評価期間ごとに閾値Qin及びQoutが構成される。したがって、RLM回復動作は、おそらく複数のソースからの非同期状態イベントの混合された発生に基づいてトリガされてもよい。どのRLMソースが非同期状態及び同期状態イベントをインクリメントする責任を負ったかにかかわらず、非同期状態及び同期状態の発生は、UEの物理層によってその上位層に内部的に報告される。
【0076】
この第1アプローチによれば、測定に基づいてRLM動作を実行するための方法の実施形態は、評価期間の残りの間に使用された1次ソース又は2次ソースのいずれかに対して取得された測定が第1閾値未満であることに応答して当該測定が非同期状態イベントを示すと判定すること、又は当該測定が第2閾値を超えることに応答して当該測定が同期状態イベントを示すと判定することを含んでもよい。その後、本方法は、同期状態イベント及び非同期状態イベントの判定された発生に基づいてRLM動作を実行することを含んでもよい。
【0077】
第2アプローチでは、どのソースが使用されているかにかかわらず、閾値Qin及びQoutが評価期間ごとに構成される。しかし、インクリメントはRLMソースごとに行われる。したがって、閾値は同じであるが、RLM回復動作はソースごとの非同期状態イベントの発生に基づいてトリガされてもよい。非同期状態及び同期状態の発生は、ソースごとにUEの物理層によってその上位層に内部的に報告される。
【0078】
この第2アプローチによれば、測定に基づいてRLM測定動作を実行する実施形態は、測定を実行するために使用される各RLM測定ソースについて、評価期間中の個別のRLM測定ソースについての測定が第1閾値未満であることに応答して当該測定が非同期状態イベントを示すと判定することと、評価期間中の個別のRLM測定ソースについての測定が第2閾値を超えることに応答して当該測定が同期状態イベントを示すと判定することとを含む。その後、本方法は、同期状態イベント及び非同期状態イベントの判定された発生に基づいて1つ以上のRLM動作を実行することを含む。
【0079】
いくつかの実施形態で、同期状態イベント及び非同期状態イベントの判定された発生に基づいてRLM動作を実行することは、閾値回数の連続した非同期状態イベントが発生したと判定することに応答して第1RLM動作を実行することと、閾値回数の連続した同期状態イベントが発生したと判定することに応答して第2RLM動作を実行することとを含む。第1RLM動作はタイマをトリガすることを含んでもよく、第2RLM動作はタイマを停止することを含んでもよい。他の実施形態で、第1及び第2RLM動作のうちの1つは、上位層通知を提供すること、RLFを宣言すること、又はビーム障害を宣言することを含む。
【0080】
一部の場合に、連続した非同期状態イベントの閾値回数及び連続した同期状態イベントの閾値回数は、1次ソース及び2次ソースのそれぞれについて別々に確立される。
【0081】
RLM動作を実行するこのステップのための第3アプローチで、閾値Qin及びQoutは、評価期間ごと及びRLM測定ソースごとに構成される。すなわち、所与のSINR推定のような所与の品質推定について、1つのRLM測定ソースについての非同期状態イベントがインクリメントするが、他のRLM測定ソースについてはインクリメントしないように、RLM測定ソースごとに異なる値が存在しうる。第2アプローチと同様に、インクリメントは、RLM測定ソースごとに行われる。したがって、RLM回復動作は、ソースごとの非同期状態イベントの発生に基づいてトリガされてもよく、上位層に依存して動作が異なる可能性もあるので、異なる閾値が適用されうる。非同期状態及び同期状態の発生はソースごとにUEの物理層によってその上位層に内部的に報告され、次いで、これはRLFの評価のために上位層フィルタリングを適用してもよい。
【0082】
一部の場合に、1次及び2次ソースのうちの1つについての連続した非同期状態イベントの閾値回数及び連続した同期状態イベントの閾値回数のうちの少なくとも1つは、1次及び2次ソースとは異なるRLM測定ソースによって共有される。
【0083】
複数の(ソースごとの)品質推定が評価期間ごとに行われてもよい(すなわち、複数のSINR値)。評価期間ごとの複数のSINR推定のような複数の品質推定の第1例で、UEは、評価期間ごとに単一の品質推定(SINR推定)を選択する。非同期状態又は同期状態イベントを検出するために、UEは、ソースからの品質推定を組み合わせてもよい。上述の期間ごとの単一の品質推定(SINR推定)の使用に基づく前述の記載は、このアプローチにも適用してもよい。
【0084】
第2例で、UEは、複数の品質推定を使用して、ソースごとに非同期状態イベント及び同期状態イベントを独立してインクリメントできる。ここで、期間ごとの1つのインクリメントの代わりに、各品質推定に依存してソースごとに1つずつ、複数のインクリメントが存在しうることを除いて、評価期間ごとの単一の品質推定の場合の第2及び第3アプローチも適用される。
【0085】
動作を実行することは、UEが同期状態及び非同期状態イベントの発生に依存して、RLM関連イベント(例えば、タイマを開始すること、上位層への通知、RLF宣言など)を生成又は監視することを含んでもよい。非同期状態イベント及び同期状態イベントの判定されたインクリメントは、上位層に報告されてもよく、イベントの最大数の閾値が構成される。UEは、タイマT1がトリガされうるように、非同期状態イベントの回数が事前規定された閾値N1よりも高いかどうか、又はタイマT1が停止されうるように、同期状態イベントの回数がリンク回復を示す別の閾値N2よりも高いかどうかを、各期間について検証できてもよい。
【0086】
上述した様々なアプローチによれば、上位層に、測定評価期間ごとの非同期状態イベント又は同期状態イベントの発生、又はRLM測定ソースごとで測定評価期間ごとの非同期状態イベント又は同期状態イベントの発生が提供されてもよい。
【0087】
イベントが期間ごとにのみ通知される場合に、上位層は構成された2つの閾値、すなわち、非同期状態イベントのためのN1及び同期状態イベントのためのN2と、N1回の非同期状態イベントが満たされた場合にトリガされ、N2回の同期状態イベントが満たされた場合に停止されるタイマT1とを有する。タイマT1が満了したならば、UEは、回復動作をトリガできる。
【0088】
イベントが周期ごと及びソースごとに上位層に通知される場合に、非同期状態イベントについてはN1、同期状態イベントについてはN2、ソースごとにタイマT1など、複数の閾値が構成される可能性がある。そうすることによって、UE及びネットワークは、問題が検出されたRLM測定ソースに依存して閾値及び動作を規定する可能性を有する。すなわち、互いにやり取りすることなく実行される複数のRLM手順が存在する。
【0089】
別のアプローチは、各ソースが自身のN1及びN2を有するが、すべてのソースによって共有される1つのタイマT1だけが存在することである。ソース1のN1回の非同期状態イベントが満たされた場合に、タイマT1がトリガされる。ソース2のN2回の同期イベントが満足された場合に、タイマT1が停止される。すなわち、互いにやり取りして実行される複数のRLM手順が存在する。
【0090】
図10~12は、RLM手順中に複数のRLM測定ソースを使用するこれらの様々な変形のいくつかを示す。図10は、RLM/RLF手順中にすべてのRLM測定ソースによって使用されるパラメータの集合が1つしか存在しないケースである。図11は、各RLM測定ソースによって独立して使用されるパラメータの複数の集合が存在する場合の別のケースである。図12は、いくつかのパラメータが異なるソースによって共有され、いくつかが異なるソースによって排他的に使用される中間の例を示す。図10のステップ1002は、図10~12のすべてを代表するものとして、UEが1つ以上のソース(例えば、CSI‐RS、SSブロック信号など)に基づいてRLM測定を実行することを示す。
【0091】
より詳細に、図10は、UEがRLM/RLF手順中にパラメータの単一の集合を使用すること(ブロック1004)を示す。その後、測定又は品質推定が非同期状態閾値(Qout)よりも低いかどうかが判定される(判定1006)。そうであれば、非同期状態イベント・カウンタがインクリメントされる(ブロック1008)。非同期状態イベントの回数が閾値回数(N1)を満たすと判定された場合(判定1010)、タイマT1が開始される(ブロック1012)。
【0092】
測定又は品質推定が非同期状態閾値(Qout)よりも低くなく、実際に、測定又は品質推定が同期状態閾値(Qin)よりも高いと判定されたならば(判定1014)、同期状態イベント・カウンタがインクリメントされる(ブロック1016)。同期状態イベントの回数が閾値回数(N2)を満たすと判定された場合(判定1018)、タイマT1は停止される(ブロック1020)。
【0093】
いくつかの実施形態で、UEは、第1ソースの品質が第1閾値を下回るか、又は第2ソースが第2閾値(例えば、Qout、Qin、N1、N2)を下回る場合に、RLF又はビーム障害を宣言する。一部の場合に、第1閾値と第2閾値は同じである。他の場合に、第1閾値と第2閾値とは異なる。
【0094】
図11は、UEがRLM/RLF手順中にパラメータの複数の集合を使用することを示し、各集合は、ソースXのような1つのソースのためのものである(ブロック1102)。その後、ソースXについての測定又は品質推定がソースXについての非同期状態閾値(Qout_X)よりも低いかどうかが判定される(判定1104)。そうであれば、ソースXについての非同期状態イベント・カウンタがインクリメントされる(ブロック1106)。ソースXについての非同期状態イベントの回数がソースXの閾値回数(N1_X)を満たすと判定された場合(判定1108)、ソースXについてのタイマT1_Xが開始される(ブロック1110)。
【0095】
ソースXについての測定又は品質推定がソースXについての非同期状態閾値(Qout_X)よりも低くなく、実際に、測定又は品質推定がソースXについての同期状態閾値(Qin_X)よりも高いと判定されたならば(判定1112)、同期状態イベント・カウンタがソースXについてインクリメントされる(ブロック1114)。ソースXについての同期状態イベントの回数がソースXについての閾値回数(N2_X)を満たすと判定された場合(判定1116)、ソースXについてのタイマT1_Xが停止される(ブロック1118)。
【0096】
図12は、いくつかのパラメータが異なるソースによって共有されるRLM/RLF手順中に、UEがパラメータの複数の集合を使用すること(ブロック1202)を示す。その後、ソースXについての測定又は品質推定がソースXについての非同期状態閾値(Qout_X)よりも低いかどうかが判定される(判定1204)。そうであれば、ソースXについての非同期状態イベント・カウンタがインクリメントされる(ブロック1206)。ソースXについての非同期状態イベントの回数が閾値回数(N1)を満たすと判定された場合(判定1208)、タイマT1が開始される(ブロック1210)。
【0097】
ソースXについての測定又は品質推定がソースXについての非同期状態閾値(Qout_X)よりも低くなく、実際に、測定又は品質推定がソースXについての同期状態閾値(Qin_X)よりも高いと判定されたならば(判断1212)、同期状態イベント・カウンタがソースXについてインクリメントされる(ブロック1214)。ソースXについての同期状態イベントの回数が閾値回数(N2)を満たすと判定された場合(判定1216)、タイマT1が停止される(ブロック1218)。
【0098】
図13は、ワイヤレス通信ネットワークのアクセス・ノードの観点から、これらの開示された技術のうちの1つ以上を実行するように構成されてもよいネットワーク・ノード30の図を説明する。ネットワーク・ノード30は、基地局、無線基地局、基地送受信局、発展型ノードB(eノードB)、ノードB、又は中継ノードのような任意の種類のネットワーク・アクセス・ノードでありうる。以下で説明する非限定的な実施形態では、ネットワーク・ノード30がNRネットワーク内のセルラ・ネットワーク・アクセス・ノードとして動作するように構成されるものとして説明される。
【0099】
当業者は例えば、処理回路32による実行のための適切なプログラム命令の変更及び/又は追加を通じて、本書で説明される方法及びシグナリング・プロセスのうちの1つ以上を実行するように、各タイプのノードをどのように適合させてもよいかを容易に理解するだろう。
【0100】
ネットワーク・ノード30は、無線端末、他のネットワーク・アクセス・ノード、及び/又はコア・ネットワーク間の通信を容易にする。ネットワーク・ノード30は、コア・ネットワーク内の他のノード、無線ノード、及び/又はデータ及び/又はセルラ通信サービスを提供するためのネットワーク内の他のタイプのノードと通信するための回路を含む通信インタフェース回路38を含んでもよい。ネットワーク・ノード30は、アンテナ34及び送受信機回路36を使用してワイヤレス・デバイスと通信する。送受信機回路36は、セルラ通信サービスを提供するために、無線アクセス技術に従って信号を送信及び受信するように集合的に構成されている送信機回路、受信機回路、及び関連する制御回路を含んでもよい。
【0101】
また、ネットワーク・ノード30は、送受信機回路36及び一部の場合に通信インタフェース回路38に動作可能に関連付けられた1つ以上の処理回路32を含む。説明を簡単にするため、1つ以上の処理回路32を「処理回路32」又は「処理回路構成32」と呼る。この処理回路32は、1つ以上のデジタル・プロセッサ42、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、FPGA、CPLD、ASIC又はこの任意の組み合わせを含む。より一般的に、処理回路32は、固定回路、又は本書で教示される機能を実装するプログラム命令の実行を介して具体的に構成されるプログラマブル回路を備えてもよく、又は固定回路とプログラムされた回路との何らかの混合を備えてもよい。プロセッサ42はマルチコア、すなわち、性能の向上、電力消費の低減、及び複数のタスクのより効率的な同時処理のために利用される2つ以上のプロセッサ・コアを有してもよい。
【0102】
処理回路32はまた、メモリ44を含む。メモリ44は、いくつかの実施形態で、1つ以上のコンピュータ・プログラム46、及びオプションとして構成データ48を格納する。メモリ44は、コンピュータ・プログラム46のための非一時的記憶装置を提供し、ディスク記憶装置、ソリッドステート・メモリ記憶装置、又はこれらの任意の混合のような1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を備えてもよい。非限定的な例として、メモリ44はSRAM、DRAM、EEPROM、及びフラッシュメモリのうちの任意の1つ以上を含み、これらは、処理回路32内にあってもよく、及び/又は処理回路32とは別個であってもよい。一般に、メモリ44は、コンピュータ・プログラム46及びネットワーク・アクセス・ノード30によって使用される任意の構成データ48の一時的でない記憶装置を提供する1つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を備える。処理回路32は例えば、メモリ44に格納された適切なプログラム・コードを使用することによって、以下に詳述する方法及び/又はシグナリング・プロセスのうちの1つ以上を実行するように構成されてもよい。
【0103】
ネットワーク・ノード30の処理回路32は、いくつかの実施形態によれば、ビーム形成されたダウンリンク信号において、複数のRLM測定ソースを送信するように構成され、複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる1つ以上の第2RSとを含む。上記の議論を考慮して、受信ワイヤレス・デバイスは、いくつかの実施形態で、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータと併せて、これらのソースのうちの1つ又は両方を使用してもよいことが理解されるだろう。処理回路32はまた、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行するようにワイヤレス・デバイスを構成するように構成され、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。その後、ワイヤレス・デバイスは、測定から判定された同期状態イベント及び非同期状態イベントの発生に基づいて、1つ以上のRLM動作を実行できるようにされる。
【0104】
物理的実装にかかわらず、いくつかの実施形態によれば、処理回路32は、図14に示されるように、ネットワーク・ノード30のようなワイヤレス通信システムのアクセス・ノードにおける方法1400を実行するように構成される。方法1400は、ビーム形成されたダウンリンク信号において、複数のRLM測定ソースを送信することを含み(ブロック1402)、複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる1つ以上の第2RSとを含む。方法1400はまた、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行するようにワイヤレス・デバイスを構成することを含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示し、ワイヤレス・デバイスは、測定から判定された同期状態イベント及び非同期状態イベントの発生に基づいて1つ以上のRLM動作を実行できるようにされる(ブロック1404)。複数のRLM測定ソースは、前述したように、DMRS又は物理チャネル品質インジケータを含んでもよい。
【0105】
UEがPDCCHでスケジュールされる場合に、UEは、PDCCHと同じアンテナ・ポートを介して送信されるDMRSに基づいてPDCCH品質を推定してもよい。このアプローチに対応する伝送構成が、図15及び16に説明される。図15は、同様のビーム・パターン上の(、及び同じアンテナ・ポート上で送信される‐DMRSはPDCCHが送信されるチャネルを推定するために使用されるので、これは必要である)PDCCH及びDMRSを説明する。図16は、同様の周波数リソース上のPDCCH及びDMRSを説明する。
【0106】
UEがいずれのPDCCHでもスケジューリングされない場合に、UEは、MRS、SS、CSI‐RSなどに従ってUEに送信されると仮定されるRLMについて仮想PDCCHを測定してもよい。これは、ネットワークがしばらくPDCCHをスケジュールしないならば、ネットワークはUEが正確にどこにあるかをおそらく知ることができないという事実に起因して、合理的な仮定である。したがって、ネットワークは、MRS、SS、CSI‐RSに基づくことができるワイド・ビームを送信して、少なくともRLM及びビーム障害検出のために、UEがこのようなビームを首尾よく検出できることを確実にする必要があってもよい。ここで、モビリティRSリソース割り当てのネットワーク側構成について、上述したすべての様々な種類のRS送信を採用できる。PDCCH機会に関するモビリティRSのための例示的なリソース構成が図17に説明される。
【0107】
しかし、背景技術で議論した提案ソリューションにおける方法とは対照的に、この実施形態におけるRSは、PDCCHが構成されているのと同じビーム・パターン上で必ずしも送信されない。RS(例えば、MRS)は基準信号の共通集合としてサービングTRPによって送信されることができ、すべての近くのUEは、同期ソースとしてサービングMRS集合からこれらのMRSを読み取ることができる。この場合、MRS及びPDCCHの送信は、図18に説明するように、異なるビーム上で構成されうる。
【0108】
短い間隔を有する不規則なPDCCHスケジューリング期間中、ネットワークは、以前と同じ周波数リソース上でPDCCHを構成し続ける可能性が高い。したがって、UEは、PDCCH/DMRSがRLM測定に利用可能でない場合であっても、同様のリソース上でモビリティRS(例えば、MRS、SS、CSI‐RS)を受信及び測定できてもよい。さらに、モビリティRSは共通の基準信号であるが、PDCCH及びDMRSはUE固有の方法で送信される。したがって、ネットワーク内の複数のUEは、同じ共通RSに基づいて、それら自身の一意の仮想PDCCH品質を導出できるべきである。時間‐周波数リソース上のRSの構成は、UE固有のPDCCH機会に関して以下のタイプを有してもよい。
【0109】
一部の場合に、RSは、PDCCHの機会内で構成されてもよい。このような場合、周期的RSは、モビリティ・イベント測定のために利用可能な周波数リソースのいくつかで送信される。これに加えて、ネットワークは、あらゆる仮想PDCCH機会に追加のRSを構成してもよい。これらの機会は、ネットワークが次のPDCCHを送信する可能性が高いリソース・テーブル上の時間‐周波数ブロックである。仮想PDCCH機会は、ネットワークによる最後にスケジュールされたPDCCH機会と同じであってもよいし、リソース・テーブル内の異なるブロックであってもよい。いずれの場合も、仮想PDCCH機会は、ネットワークによって構成される実際のPDCCHの時間/周波数割り当てを指す。いくつかの実施形態によれば、ネットワークは、少なくとも1つのUE固有のPDCCH機会が構成される周波数ブロックごとに追加のRSを構成する。
【0110】
図19は、PDCCH機会内のモビリティ測定のためにビーム形成されたRSのための構成を示す。この図によれば、周期的RSは、短い時間周期性を有する周波数リソースF1において構成される。UE‐1は、周波数F3及びF5におけるPDCCH監視のために構成され、一方、UE‐2は周波数F1及びF3におけるPDCCH監視のために構成される。この図では、UE‐1もUE‐2も、データ非アクティビティに起因してPDCCHをスケジュールされていない。ネットワークは、より長い時間周期性を有する周波数F3及びF5で追加のRSを構成する。これらの追加のRSは、RLM測定のためにのみ必要とされるので、散発的に送信される。F3における追加のRSは、仮想PDCCH品質を推定するために、UE‐1及びUE‐2の両方によって使用されうることに留意されたい。また、モビリティ・イベント測定に使用される同じRSをRLM目的にも使用できるので、ネットワークは、F1において追加のRSを構成する必要がないことに留意する価値がある。
【0111】
このアプローチは、RLMのための柔軟なUE測定機会を可能にする。接続モードのUEは同じ周波数リソース上で同時にPDCCH/DMRS及びRSを探索し、一方又は両方に基づいてRLMを実行できる。UEは、RLMのためにどのRSが使用されるべきかについて構成される必要はない。例えば、図19のUE‐2は、UEがPDCCHをスケジュールされる場合でさえ、RLMのためにモビリティRS及びDMRSの両方を使用してもよく、これは、2つのタイプのRSからより多くの測定サンプルを取得する結果としてRLM精度を改善する可能性がある。別の可能なUE実装は、PDCCH機会を探索し、PDCCHが検出されたか否かに応じて1つのタイプのRS測定(DMRS又はモビリティRSのいずれか)のみに依存することであってもよく、これは、UEの複雑さを単純化するだろう。
【0112】
さらなるサブ実施形態として、可能なネットワーク側実装は、対応するUEが同じ機会に再びPDCCHをスケジュールされる場合に、(例えば、図19のF3及びF5において)これらの追加のモビリティRSのいくつかを非アクティブ化してもよい。このような日和見的な実装は、リーン・シグナリングを改善してもよい。これに代えて、ネットワークは、上述のように、UEがより柔軟にRLMを実行できるようにするモビリティRSを非アクティブ化しなくてもよい。
【0113】
モビリティRSはまた、PDCCH機会以外で構成されてもよい。このアプローチで、ネットワークは、仮想PDCCH機会以外に追加のモビリティRSを構成する。同様に、これらの追加のモビリティRSの周期性は、PDCCH機会の周期性に依存して、モビリティRSブロックよりも長くなりうる。この構成オプションで、ネットワークは、モビリティRSの周波数リソース構成において、より柔軟性を有する。しかし、UEは、これらの追加のモビリティRSの周波数リソースで構成される必要があってもよい。各UEは、まず、その構成に従ってPDCCHを検出しようと試みる。PDCCH/DMRSが検出されないならば、UEは、モビリティRSについて同様のリソースを探索する。この探索は、これらの追加のモビリティRSをUEがどこで見つけるべきかを既に知るように、ネットワークによって事前構成されうる。これらのモビリティRS機会の構成は、仮想PDCCH周波数割当てに対する固定周波数シフトに基づくことができるか、又はUEは、新しい構成が必要とされるたびに柔軟に構成されうる。
【0114】
モビリティRSは、すべてのPDCCH機会以外で構成されてもよい。このアプローチは図20に説明されている。UE‐1及びUE‐2は異なるPDCCH周波数割当てで構成され、ネットワークは対応するPDCCH機会に対して固定周波数シフトで追加のモビリティRSを送信する。
【0115】
いくつかの実装によれば、ネットワークは、UEが再びPDCCHでスケジュールされる場合に、これらの追加のモビリティRSを非アクティブしてもよいし、しなくてもよい。非アクティブ化されないならば、UEは、RLMのためにDMRS/PDCCH及びモビリティRSの両方を測定してもよい。
【0116】
この構成オプションは、より複雑なUE探索アルゴリズム及び/又はより多くのUE構成を必要とする。一方、ネットワークは、周波数リソース割当てにおいてより柔軟性を有する。また、PDCCH機会とは異なる周波数ブロック上でネットワークがモビリティRSを構成できるので、より多くのUEによって同じモビリティRSが使用されうる。したがって、シグナリング・オーバヘッドの量は、最適化によって制御されうる。
【0117】
モビリティRSは、RLM間隔中にPDCCH機会以外に構成されてもよい。このアプローチで、ネットワークは、PDCCH機会以外であるが、RLM間隔中にのみ、追加のモビリティRSを構成する。ここで、追加のモビリティRSの量は、上記の他のフレーバよりも少ない。したがって、これは最もリーンな構成である。
【0118】
図21は、RLM周期性を有するPDCCH機会以外のモビリティRS構成を示す。周波数ブロックF1に加えて、UE‐1及びUE‐2の両方は、F3及びF5において仮想PDCCH機会を有する。したがって、ネットワークは、追加のモビリティRSを構成する。しかし、これらのモビリティRSの周期性は、RLM周期性と同じくらい散発的である。この図によれば、可能なUE構成は、PDCCH機会に対する固定周波数シフトでありうる。一例として、UE‐1は、F5において、その仮想PDCCH品質を測定する必要がある。この構成に基づいて、UE‐2は、F5において、そのPDCCH機会を探索する。スケジュールされたPDCHが存在するならば、RLMは、検出されたDMRS/PDCCHに基づきうる。PDCCH/DMRSがF5で検出されないならば、UE‐2は、図21に説明されるように、第1モビリティRS機会が検出されるまで、構成された周波数シフトに基づいていくつかのモビリティRSを探索し続けてもよい。
【0119】
したがって、いくつかの実施形態で、同じビーム上のビーム形成されたダウンリンク信号のためにDMRS及び物理チャネル品質インジケータが構成される。他の実施形態で、PSSと、SSSと、TSSと、CSI‐RSと、MRSと、BRSとのうちの1つ以上は、ワイヤレス・デバイスが物理制御チャネル領域でスケジュールされない場合にワイド・ビーム上で送信される。RS及び物理制御チャネル領域は、異なるビームであるビーム形成されたダウンリンク信号上で送信されてもよい。
【0120】
方法1400は、複数のRLM測定ソースのうちの1つ以上のものについての構成情報を送信することと、構成情報に基づいて測定を実行するようにワイヤレス・デバイスを構成することとを含んでもよい。方法1400はまた、ワイヤレス・デバイスのための制御チャネル・メッセージが物理制御チャネル領域に含まれたならば使用されることになるものに対応する時間‐周波数リソースにおける追加のRSを送信することと、追加のRSに対応する構成情報を送信することとを含んでもよい。一部の場合に、方法1400は、制御チャネル・メッセージが再び物理制御チャネル領域に含まれるべき場合に、時間‐周波数リソースにおける追加のRSの送信を非アクティブ化することをさらに含んでもよい。
【0121】
上で詳細に論じたように、本書で説明する技術は例えば、図6図9及び図14のプロセス・フロー図に説明するように、1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータ・プログラム命令を使用して、全体的に又は部分的に実施されてもよい。当然のことながら、これらの技術の機能実装は、機能モジュールに関して表されてもよく、各機能モジュールは適切なプロセッサ内で実行されるソフトウェアの機能ユニット、又は機能デジタル・ハードウェア回路、あるいは両方の何らかの組合せに対応する。
【0122】
図22は、ワイヤレス・デバイス50のようなワイヤレス・デバイスにおいて実施されてもよい例示的な機能モジュール又は回路アーキテクチャを説明する。機能実装は、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行するための測定モジュール2202を含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。複数のRLM測定ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータとのうちの2つ以上を含む。この実装はまた、複数の評価期間のそれぞれについて及び測定を実行するために使用される複数のRLM測定ソースのそれぞれについて、個別のRLM測定ソースについての測定が第1閾値未満であることに応答して、当該測定が非同期状態イベントを示すかどうかを判断すること、又は、個別のRLM測定ソースについての測定が第2閾値を上回ることに応答して、当該測定が同期状態イベントを示すかどうかを判断することのための判断モジュール2204を含む。この実装はまた、同期状態イベント及び/又は非同期状態イベントの判定された発生に基づいて1つ以上のRLM動作を実行するための動作モジュール2206を含む。
【0123】
図23は、ワイヤレス・デバイスにおいて実装されてもよい別の例示的な機能モジュール又は回路アーキテクチャを説明する。機能実装は、評価期間の第1時間間隔中に、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信されたRLM測定ソースを使用して測定を実行するための測定モジュール2302を含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。ソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータとのうちの1つを含む。本実装は、評価期間の先頭からの第1時間間隔中のRLM測定ソースの発生回数を判定するための判定モジュール2304を含む。発生回数が発生閾値を満たしたと判定することに応答して、判定モジュール2304は、評価期間の残りの間、RLM測定ソースを1次ソースとして使用して測定を実行し続けるためのものである。発生回数が発生閾値を満たさないと判定することに応答して、判定モジュール2304はまた、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第2RSと、ビーム形成されたダウンリンク信号内の非基準信号データから取得された1つ以上の物理チャネル品質インジケータとのうちの異なる1つを2次ソースとして選択し、代わりに、評価期間の残りの間、2次ソースを使用して測定を実行するためのものである。本実装は、1次ソース及び2次ソースのうちの少なくとも1つを使用して実行された測定に基づいて1つ以上のRLM動作を実行するための動作モジュール2306をさらに含む。
【0124】
図24は、ネットワーク・ノード30のような無線通信ネットワークにおけるネットワーク・ノードにおいて実施されてもよい例示的な機能モジュール又は回路アーキテクチャを説明する。本実装は、ビーム形成されたダウンリンク信号において、複数のRLM測定ソースを送信するための送信モジュール2402を含み、複数のソースは、1つ以上の第1RSと、1つ以上の第1RSとは異なる1つ以上の第2RSとを含む。本実装はまた、ビーム形成されたダウンリンク信号内で受信された複数のRLM測定ソースに基づいて測定を実行するようにワイヤレス・デバイスを構成するための構成モジュール2404を含み、測定は、所与のセル又はビームの品質を示す。その後、ワイヤレス・デバイスは、測定から判定された同期状態イベント及び非同期状態イベントの発生に基づいて、1つ以上のRLM動作を実行できるようにされる。
【0125】
特に、開示された発明の変形及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の恩恵を受ける当業者に思い浮かぶだろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、変更及び他の実施形態が本開示の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本書では特定の用語が使用されうるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
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